説明

青色発光性ポリイミド

【課題】高分子型有機EL表示素子における発光層材料として有用な青色発光性ポリイミドを提供する。
【解決手段】下記一般式(1)で表される反復単位と、一般式(2)で表される反復単位とからなり、一般式(1)で表される反復単位のモル分率をX、及び一般式(2)で表される反復単位のモル分率をYとすると、Xが0.001〜1の範囲であり、Yが0.999〜0の範囲であるポリイミド。Aは2価の脂肪族基又は芳香族基、Bは4価の脂環族基である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は新規なポリイミドに関し、詳しくは有機エレクトロルミネッセンス(EL)表示素子における発光層材料として有用な青色発光性ポリイミドに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、エレクロトルミネッセンス(EL)フルカラーディスプレーが実用化され、携帯電話やデジタルカメラのサブパネル等にも搭載されるようになってきたが、パネルサイズも3インチクラスから5インチクラスへと進んでおり、将来はテレビに代表される大画面化への展開が期待されている。フラットパネルディスプレーとしては、現在は液晶ディスプレーが主流であるが、ELディスプレーは消費電力、解像度、視認性の点で液晶ディスプレーより優れている。更に、ELディスプレーには、液晶ディスプレーで用いられている偏光板や光学補償フィルム等を用いる必要がないため、液晶ディスプレーよりはるかに薄く、軽量に作製できるという大きな利点がある。
【0003】
有機ELディスプレーは基本的には、電子輸送層、発光層、ホール輸送層の3層構造あるいは発光層が電子輸送層かホール輸送層のどちらかを兼用した2層構造が一般的であるが、低電圧で駆動するためには、高度に制御された薄膜化技術が不可欠である。
有機EL素子は低分子型と高分子型に分類されるが、前者が有機分子線蒸着法のようなドライプロセスにより作製されるのに対して、後者はスピンコート法やディップコート法によりウエットプロセスで作製される。従って、高分子型EL素子では製造装置がより簡単であるばかりでなく、均一で大面積の薄膜を高い生産性で低コストに作製できる点で有利である。
【0004】
最近、ウエットプロセスとして、パソコンのプリンターに広く利用されているインクジェットプリンティング法が注目されている。これにより、高精細なパターンニングが可能となり、溶液の浪費も少なく、マルチカラー化も可能である。
【0005】
高分子型EL素子の他の利点は機械的強度及び柔軟性である。更に基板としてガラスの代わりに高分子材料を用いることで、フレキシブルで耐衝撃性の高いELディスプレーの形成も可能となる。また、高分子型EL素子では低分子型よりも結晶化や凝集が起こりにくく、高温条件下での保存や使用が期待される。
【0006】
低分子色素蒸着膜は均一な非晶質膜を形成するが、屋外用や車載用途等で高温条件下に曝されたり、高温下での駆動や素子駆動時に発生するジュール熱等によりしばしば結晶化や凝集が起こり、EL素子の安定性を著しく低下する。近年、EL素子の耐熱性向上のために低分子色素蒸着層のガラス転移温度をできるだけ高くする検討がなされている。この観点から低分子色素の代わりに耐熱性の高い高分子層の使用は極めて有効である。
【0007】
現在、様々な青色発光性ポリイミドが知られている(例えば、非特許文献1参照)。ポリフルオレンはその中で最も有望視されている高分子型青色発光材料の1つである(例えば、非特許文献2参照)。しかしながら、ポリフルオレンは製造方法が煩雑であり、しかも重合後用いた触媒等を完全に取り除き、純度を極めて高くしなければEL発光層に適用した際にEL素子の駆動寿命(耐久性)が著しく低下するといった深刻な問題が指摘されている。
【0008】
例えば、電子及びホール輸送性基や発光基を耐熱性高分子に結合して、これらの機能性基の凝集を抑制することができれば、EL素子の駆動寿命を飛躍的に延ばせる可能性がある。ガラス転移温度が極めて高い耐熱性高分子材料として、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾール、ポリベンズイミダゾール、ポリフェニレン、ポリフルオレン等が知られているが、製造法の簡便さ、薄膜化能、膜純度等の観点からポリイミドが最適である。
【0009】
ポリイミドは、2種類のモノマー、即ちテトラカルボン酸二無水物とジアミンをアミド系溶媒中で等モル重付加反応することで得られる高分子量の可溶性ポリイミド前駆体(ポリアミド酸)を溶液キャスト法で基板上に製膜後、加熱脱水環化反応(イミド化反応)することにより無触媒で容易に得ることができる。しかも、様々な市販モノマーが入手可能であることから、物性改良・精密制御の観点からもポリイミド系は極めて有利である。しかしながら発光特性等を制御した実用的なポリイミドは殆ど知られていない。
【0010】
強いELを発現するためには発光層材料が強いフォトルミネッセンス(PL)を示すことが必要不可欠であるが、全芳香族ポリイミドは分子内及び分子間電荷移動相互作用のため励起状態が強く消光され、通常殆ど無蛍光性となる(例えば、非特許文献3参照)。このように芳香族ポリイミドに固有の電荷移動相互作用は励起状態を強く消光する作用を持つため、例え特別に分子設計した発光基を芳香族ポリイミド鎖に部分的に導入しても、その発光基からの発光がしばしば殆ど観測されない。
【0011】
希薄溶液中で強い青色発光を示す低分子化合物としてアントラセンが知られている。ポリイミドの側鎖にアントラセン残基を結合した下式(3)で表される青色発光性ポリイミドが報告されている(例えば、非特許文献4参照)。
【化1】

【0012】
しかしながらこの場合、アントラセン残基がメチレン鎖を介して側鎖に導入されているために、ポリイミドフィルムとした際にアントラセン残基同士の凝集が起こりやすく、本来観測されるべき強い青色PLの強度が大きく低下するといった問題がある。
【0013】
例えば、ポリイミドの主鎖又は側鎖に強い青色発光性を有するフェニルフラン環残基を結合した下式(4)及び(5)で表されるポリイミドも報告されている(例えば、非特許文献5及び6参照)。
【化2】

【0014】
しかしながら、これらのフェニルフラン環含有ポリイミドでは主鎖の剛直性のためポリマー鎖が面内配向して積層しやすく、結果として発光基間凝集が起こりやすい。これに加え、分子内及び分子間電荷移動相互作用により励起状態が強く消光されるため、これらのポリイミドフィルムでは、上記発光基含有モノマーの希薄溶液中で測定した場合に比べて、青色PL強度が大きく低下する。
【0015】
アントラセン残基をポリイミド主鎖中に共有結合を介して組み込み、更に電荷移動相互作用を妨害することができれば、PL強度の減少を避けることができ、強い青色発光性ポリイミドが得られると期待される。
【0016】
下記式(6)で表されるアントラセン残基含有ジアミンモノマーを用いて芳香族テトラカルボン酸二無水物と組み合わせて青色発光性ポリイミドを製造する技術が開示されている(例えば、非特許文献7参照)。
【化3】

【0017】
また、これと脂環式テトラカルボン酸二無水物と組み合わせたポリイミドも報告されている(例えば、非特許文献8参照)。しかしながら、これらのポリイミドは溶液中では高収率で青色PLを示すのに対して、フィルム状態では著しくPL収率が低下するといった問題があった。
【0018】
アントラセン残基はジアミン成分よりはむしろテトラカルボン酸二無水物成分に導入する方が、アントラセン残基とカルボニル基の電子共役により、ポリイミドとした際により高いPL収率が得られると期待される。この観点から、より高い青色PL強度を得るためには例えば下記式(7)で表されるようなアントラセンテトラカルボン酸二無水物を使用してポリイミドを製造することが極めて有効と期待される。しかしながらそのようなポリイミドは全く知られていない。
【化4】

【0019】
また、高分子量の発光材料や電荷輸送材料等の高分子材料を用いた発光素子(高分子発光素子)が種々検討されており、高分子材料の例としてポリフェニレンビニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体、ポリパラフェニレン誘導体等の高分子化合物の他、フェンスレン誘導体の高分子化合物が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0020】
【特許文献1】特開2007-106874号公報
【非特許文献1】Progress in Polymer Science, 25, p1089 (2000).
【非特許文献2】Macromolecular Rapid Communication, 22, p1365 (2001).
【非特許文献3】Progress in Polymer Science, 26, p259 (2001).
【非特許文献4】J. Phys. Chem., B, 101, p11068 (1997).
【非特許文献5】Macromolecules, 31, p4777 (1998).
【非特許文献6】Polymer, 40, p125 (1998).
【非特許文献7】Polymers for Advanced Technologies, 11, p325 (2000).
【非特許文献8】High Performance Polymers, 18, p749 (2006).
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
本発明は、上記課題を解決することで高分子型有機EL表示素子における発光層材料として有用な青色発光性ポリイミドを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0022】
以上の問題を鑑み、鋭意研究を積み重ねた結果、特定のアントラセン骨格含有ポリイミドが有用であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0023】
即ち、本発明は、下記一般式(1)で表される反復単位と、一般式(2)で表される反復単位とからなるポリイミドであって、一般式(1)で表される反復単位のモル分率をX、及び一般式(2)で表される反復単位のモル分率をYとすると、Xが0.001〜1の範囲であり、Yが0.999〜0の範囲であるポリイミドである。
【化5】

(式(1)及び式(2)中、Aは2価の脂肪族基又は芳香族基であり、式(2)中、Bは4価の脂環族基である。)
【0024】
また、本発明は、陽極及び陰極からなる電極間に、上記ポリイミドを含む層を有することを特徴とする高分子青色発光素子である。
【発明の効果】
【0025】
本発明のポリイミドは、フィルム状にし、これを有機EL素子に適用したときに、強い青色発光性を示し、高ガラス転移温度且つ十分な靭性等を有することから、有機EL素子における発光層材料としてのポリイミド薄膜等として好ましく用いることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下に本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0027】
<分子設計>
まず、本発明のポリイミドを合成するために用いる発光基含有モノマーについて説明する。本発明のポリイミドは上記式(7)で表される2,3,6,7−アントラセンテトラカルボン酸二無水物(以下、ANTDAと称する)を用いて製造される。ANTDAは発光基含有テトラカルボン酸二無水物である。
【0028】
ANTDAの異性体である下記式(8)又は(9)で表される発光基含有テトラカルボン酸二無水物は酸無水物基が6員環であり、ANTDAにおける5員環の場合よりも熱力学的に安定である。そのため、ジアミンとの重合反応性が非常に低く、高分子量のポリイミドを得ることが困難となり、結果としてフィルムが脆弱となり膜形成能を全く失う恐れがあるため、これらの発光基含有テトラカルボン酸二無水物はモノマーとして適さない。
【化6】

【0029】
本発明のポリイミドは、上記一般式(1)で表される反復単位からなるポリイミドのモル分率をX、上記一般式(2)で表される反復単位を有するポリイミドのモル分率をYとすると、Xが0.001〜1、好ましくは0.01〜0.5の範囲であり、Yが0.999〜0、好ましくは0.99〜0.5の範囲にあるポリイミドである。このポリイミドは単一の反復単位からなる単独重合体であっても、複数の反復単位からなる共重合体であってもよい。
【0030】
式(1)及び(2)中、Aは独立に2価の脂肪族基又は芳香族基を表す。Aはジアミンモノマーから生ずるジアミン残基であり、−A−に2つのアミノ基を結合したものが、ポリイミド又はその前駆体を合成する際に使用するジアミンモノマーである。Aは、発光基であるアントラセンジイミド部位よりも電子共役が小さければ、即ち、最低励起状態がアントラセンジイミド部位の局在励起状態に基づくものであれば、青色発光を観測することができるが、ポリイミド中のジイミド部位とジアミン残基Aとの間で起こる電荷移動相互作用を抑制して発光効率を高めるためには、A中の側鎖としてフッ素基やフッ素化アルキル基を有するジアミンモノマー(フッ素化ジアミンともいう)を使用することが好ましい。
【0031】
ジアミンモノマー中に置換基として存在するフッ素基やフッ素化アルキル基(特に、トリフルオロメチル基)は電子吸引基として働き、ポリイミド中のジアミン残基Aの電子供与性を低下し、更に分子間相互作用を弱めるため、分子内・分子間電荷移動相互作用を抑制する効果を持つ。好適に使用されるフッ素化ジアミンとしては、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン等が例示される。
【0032】
電荷移動相互作用を完全に妨害して発光効率を最大限高めるという観点から、ジアミンモノマー成分として脂肪族ジアミンを用いることがより好ましい。脂肪族ジアミンのうち、ガラス転移温度の低下を防止するという観点から環状構造を有する脂環式ジアミンがより好ましい。また、発光基間凝集を妨害するという観点から折れ曲がった立体構造及び不規則な構造を有する脂環式ジアミンが好ましい。好適に使用される脂環式ジアミンとして4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、4,4’−メチレンビス(3−メチルシクロヘキシルアミン)、イソホロンジアミン、1,4−シクロヘキサンジアミン(シス体又はシス/トランス混合物)等が例示される。
【0033】
式(1)で表されるポリイミドのモル分率Xが1である場合においても、青色PLを観測することが可能であるが、アントラセンジイミド発光基の濃度を適度に制御(希釈)し、分子間凝集を妨害して発光効率を高めるという観点から、式(1)と(2)で表される反復単位が含まれるようにテトラカルボン酸二無水物モノマーを2種以上使用し、共重合することがより好ましい。式(2)中、Bはテトラカルボン酸二無水物モノマーから生ずるテトラカルボン酸二無水物残基であり、Bに4つのカルボキシル基が結合して二無水物としたものが、ポリイミド又はポリイミド前駆体を得るために使用するテトラカルボン酸二無水物モノマーである。
【0034】
ANTDAと併用するテトラカルボン酸二無水物として、他の芳香族テトラカルボン酸二無水物を部分的に使用しても差し支えないが、発光効率を最大限高めるという観点から、脂環式テトラカルボン酸二無水物を使用することが好ましい。すなわち、Bが脂環族基であるテトラカルボン酸二無水物を使用することが好ましい。好適な例として、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物等が挙げられるが、ジアミンとの重合反応性の観点から1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物が最適である。
【0035】
<ポリイミド前駆体の合成>
本発明のポリイミドはその前駆体を経由して製造される。まず、ポリイミド前駆体の製造方法の一例について説明する。まず、ジアミンを重合溶媒に溶解し、これにANTDA及びこれと共重合するテトラカルボン酸二無水物成分の混合粉末を徐々に添加し、メカニカルスターラーを用い、室温で1〜72時間攪拌する。この際、ジアミンモノマーとテトラカルボン酸二無水物モノマーの総量は実質的に等モルで仕込まれる。また、全モノマー濃度は5〜30重量%、好ましくは10〜20重量%である。このモノマー濃度範囲で重合を行うことにより均一で高重合度のポリイミド前駆体溶液を得ることができる。
【0036】
上記モノマー濃度範囲よりも低濃度で重合を行うと、ポリイミド前駆体の重合度が十分高くならず、最終的に得られるポリイミド膜が脆弱になる恐れがあり、好ましくない。また、ジアミンモノマーとして脂肪族ジアミンを使用した場合、重合初期に塩形成が起こるが、上記モノマー濃度より高濃度で重合を行うと、形成された塩が溶解、消失するまでにより長い重合時間を必要とし、生産性の低下を招く恐れがあるので好ましくない。
【0037】
ポリイミド前駆体の重合反応性、ポリイミドの要求特性を著しく損なわない範囲で上記反復単位中のAを与えるジアミン以外の他のジアミンを使用することができる。Aを与える脂肪族ジアミンとしては、次に示すジアミンが挙げられる。
【0038】
4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、4,4’−メチレンビス(3−メチルシクロヘキシルアミン)、イソホロンジアミン、トランス−1,4−シクロヘキサンジアミン、シス−1,4−シクロヘキサンジアミン、1,4−シクロヘキサンジアミン(トランス/シス混合物)、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、2,5−ビス(アミノメチル)ビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン、2,6−ビス(アミノメチル)ビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン、3,8−ビス(アミノメチル)トリシクロ〔5.2.1.0〕デカン、1,3−ジアミノアダマンタン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)ヘキサフルオロプロパン、1,3−プロパンジアミン、1,4−テトラメチレンジアミン、1,5−ペンタメチレンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、1,7−ヘプタメチレンジアミン、1,8−オクタメチレンジアミン、1,9−ノナメチレンジアミン等が挙げられる。またこれらを2種類以上併用することもできる。より好適には4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、4,4’−メチレンビス(3−メチルシクロヘキシルアミン)、イソホロンジアミン、1,4−シクロヘキサンジアミン(シス体又はシス/トランス混合物)が用いられる。
【0039】
Aを与える芳香族ジアミンとしては、次に示すジアミンが挙げられる。
芳香族ジアミンとしては、特に限定されないが、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノトルエン、2,5−ジアミノトルエン、2,4−ジアミノキシレン、2,4−ジアミノデュレン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−メチレンビス(2−メチルアニリン)、4,4’−メチレンビス(2−エチルアニリン)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジメチルアニリン)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジエチルアニリン)、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、2,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルフォン、3,3’−ジアミノジフェニルスルフォン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンズアニリド、ベンジジン、3,3’−ジヒドロキシベンジジン、3,3’−ジメトキシベンジジン、o−トリジン、m−トリジン、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェニル)スルフォン、ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)スルフォン、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、p−ターフェニレンジアミン等が使用可能である。また、これらを2種類以上併用することもできる。より好適には2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン等のフッ素化ジアミンが用いられる。
【0040】
これらのジアミンモノマーの中でも、脂肪族ジアミン、芳香族ジアミンの順に好ましく、脂肪族ジアミンの中でも、脂環式ジアミン、鎖式ジアミンの順に好ましい。そして、芳香族ジアミンを使用する場合は、脂肪族ジアミンと併用することが望ましい。また、ポリイミド前駆体の重合反応性、ポリイミドの要求特性を著しく損なわない範囲で他のジアミンを部分的に使用することができる。
【0041】
本発明の青色発光性ポリイミドでは発光基濃度を制御して、発光基間凝集を抑制することで発光収率をより高めることができる。ポリイミド前駆体の重合反応性、ポリイミドの要求特性を著しく損なわない範囲で、上記ANTDAと併用され、一般式(2)中のBを与える脂環式テトラカルボン酸二無水物としては特に限定されないが、ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、5−(ジオキソテトラヒドロフリル−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、4−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラン−3−イル)−テトラリン−1,2−ジカルボン酸無水物、テトラヒドロフラン−2,3,4,5−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ−3,3’ ,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、3c−カルボキシメチルシクロペンタン−1r,2c,4c−トリカルボン酸1,4:2,3−二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。また、これらを2種類以上併用することもできる。より好適には1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物が用いられ、更に好適には1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物が用いられる。
【0042】
また、ポリイミド前駆体の重合反応性、ポリイミドの要求特性を著しく損なわない範囲で、ANTDA及び脂環式テトラカルボン酸二無水物以外の芳香族テトラカルボン酸二無水物成分を部分的に使用してもよい。併用可能な芳香族テトラカルボン酸二無水物としては特に限定されないが、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,2’−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン酸二無水物、2,2’−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。これらは単独あるいは2種類以上用いてもよい。
【0043】
上記のようなモノマーを使用して重合することにより、ポリイミド前駆体が得られ、これをイミド化することによりポリイミドが得られる。ポリイミド前駆体のイミド化は200℃〜400℃に加熱するなど公知の方法で行うことができる。また、このポリイミドの用途は限定されないが、青色発光素子用材料として有用である。この目的で使用する場合、ポリイミド中の一般式(1)で表される反復単位のモル分率をX、及び一般式(2)で表される反復単位のモル分率をYとすると、Xが0.001〜1、好ましくは0.01〜0.5、より好ましくは0.02〜0.1の範囲であり、Yが0.999〜0、好ましくは0.99〜0.5、より好ましくは0.98〜0.9の範囲にある。そして、XとYの合計が0.1以上、好ましくは0.5以上、より好ましくは0.8以上であることがよい。
【0044】
重合溶媒としては特に限定されないが、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ヘキサメチルホスホルアミド、ジメチルスルホオキシド、γ-ブチロラクトン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,2−ジメトキシエタン-ビス(2−メトキシエチル)エーテル、テロラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ピコリン、ピリジン、アセトン、クロロホルム、トルエン、キシレン等の非プロトン性溶媒及び、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、o−クロロフェノール、m−クロロフェノール、p−クロロフェノール等のプロトン性溶媒が使用可能である。また、これらの溶媒は単独でも、2種類以上混合して用いてもよい。
【0045】
本発明の青色発光性ポリイミドを青色発光素子用材料として使用する場合、前駆体溶液は基板上あるいはホール輸送層上に塗布されたのち、40℃〜150℃範囲で乾燥され、製膜される。このポリイミド前駆体膜を200℃〜400℃、好ましくは220℃〜350℃の温度で熱処理することで、本発明の青色発光性ポリイミド膜が得られる。熱イミド化反応は真空中又は窒素等の不活性ガス雰囲気中で行うことが望ましいが、あまり高温にしないかぎり空気中でも可能である。イミド化反応はポリイミド前駆体膜を脱水環化試薬(化学イミド化試薬)と反応させて化学的に行うこともできる。
【0046】
<ポリイミドの要求特性>
本発明のポリイミドをEL発光素子に適用するために要求されるフィルム特性として、高PL収率、高ガラス転移温度、高い熱安定性及び十分な膜靭性が挙げられる。
【0047】
本発明のポリイミドはフィルム形成能(製膜性)があれば、分子量(又は固有粘度値)は特に限定されず、上記用途に適用可能である。指標を示すならば本発明のポリイミド又はその前駆体の固有粘度値は膜強度の観点から0.5dL/g以上であることが好ましく、1.0dL/g以上であることがより好ましい。0.5dL/gを下回ると、製膜性が著しく悪くなり、フィルムにひび割れ等が生じる恐れがある。
【0048】
本発明のポリイミドフィルム(青色発光性ポリイミドフィルムとして使用する場合)のPLピーク波長は青色純度の観点から420〜470nmの範囲であることが好ましく、430〜460nmの範囲であることがより好ましい。
【0049】
本発明のポリイミドフィルムのPL量子収率は0.1以上であることが好ましく、0.3以上であることがより好ましい。
【0050】
本発明のポリイミドフィルムのガラス転移温度は、発光基間の凝集や劣化を低減するという観点から、150℃以上であることが好ましく、200℃以上であることがより好ましい。更に好ましくは250℃以上である。
【0051】
本発明のポリイミドフィルムの熱安定性は5%重量減少温度(Td5)を指標とすれば、空気中でのTd5が350℃以上であることが好ましく400℃以上であることがより好ましい。
【0052】
本発明のポリイミド及びその前駆体中に、必要に応じて酸化安定剤、フィラー、接着促進剤、シランカップリング剤、感光剤、光重合開始剤、増感剤、末端封止剤、架橋剤等の添加物を加えることができる。
【0053】
本発明の青色発光素子は、陽極及び陰極からなる電極間に、本発明のポリイミドを含む層を有する。この層は青色発光層であることがよい。そして、素子は更に正孔輸送層、電子輸送層及びその他の公知の層を有することができる。
【実施例】
【0054】
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。
【0055】
<赤外線吸収スペクトル>
フーリエ変換赤外分光光度計(FT/IR350)を用い、透過法にてポリイミド薄膜(膜厚約5μm)の赤外線吸収(FT−IR)スペクトルを測定した。また、合成したアントラセン基含有テトラカルボン酸二無水物の分子構造を確認するためにKBr法によりFT−IRスペクトルを測定した。
【0056】
1H−NMRスペクトル>
合成したアントラセン基含有テトラカルボン酸二無水物の分子構造を確認するために、日本電子社製NMR分光光度計(ECP400)を用いて、重水素化ジメチルスルホオキシド中で合成物の1H−NMRスペクトルを測定した。
【0057】
<示差走査熱量分析(融点及び融解曲線)>
合成したアントラセン基含有テトラカルボン酸二無水物の融点及び融解曲線は、ブルカーエイエックス社製示差走査熱量分析装置(DSC3100)を用いて、窒素雰囲気中、昇温速度5℃/分で測定した
【0058】
<固有粘度>
ポリイミド前駆体又はポリイミドの0.5重量%溶液(溶媒:DMAc)について、オストワルド粘度計を用いて30℃で測定した。
【0059】
<ガラス転移温度:Tg>
ブルカーエイエックス社製熱機械分析装置(TMA4000)を用いて動的粘弾性測定により、周波数0.1Hz、昇温速度5℃/分における損失ピークからポリイミド膜のガラス転移温度を求めた。
【0060】
<5%重量減少温度:Td5>
ブルカーエイエックス社製熱重量分析装置(TG−DTA2000)を用いて、窒素中又は空気中、昇温速度10℃/分での昇温過程において、ポリイミド膜の初期重量が5%減少した時の温度を測定した。これらの値が高いほど、熱安定性が高いことを表す。
【0061】
<線熱膨張係数:CTE>
ブルカーエイエックス社製熱機械分析装置(TMA4000)を用いて、熱機械分析により、荷重0.5g/膜厚1μm当たり、昇温速度5℃/分における試験片の伸びより、100〜200℃の範囲での平均値としてポリイミド膜の線熱膨張係数を求めた。
【0062】
<紫外−可視吸収スペクトル>
ポリイミド膜(膜厚:約13μm)の紫外−可視吸収スペクトルは紫外−可視分光光度計(日本分光社製 V−530)を用いて測定した。
【0063】
<発光スペクトル及び量子収率>
ポリイミド膜(膜厚:約13μm)の発光スペクトルは蛍光分光光度計(日立製作所製F−4500)を用い、励起波長350nm、バンドパス:励起側、検出側共に5nm、室温で測定した。励起波長における吸光度で規格化された発光スペクトルの面積強度を求め、ポリメチルメタクリレート膜中に分散された基準物質、N,N−ビス(2,5−tert−ブチルフェニル)3,4,9,10−ペリレンジカルボキシイミド(蛍光量子収率φ=0.95)の規格化発光面積強度との比較から相対法により、ポリイミド膜の発光(PL)量子収率を求めた。
【0064】
<複屈折>
アタゴ社製アッベ屈折計(アッベ4T)を用いて、ポリイミド膜に平行な方向(nin)と垂直な方向(nout)の屈折率をアッベ屈折計(ナトリウムランプ使用、波長589nm)で測定し、これらの屈折率の差から複屈折(Δn=nin−nout)を求めた。
【0065】
<誘電率>
アタゴ社製アッベ屈折計(アッベ4T)を用いて、ポリイミド膜に平行な方向(nin)と垂直な方向(nout)の屈折率をアッベ屈折計(ナトリウムランプ使用、波長589nm)で測定し、ポリイミド膜の平均屈折率〔nav=(2nin+nout)/3〕に基づいて次式:εcal=1.1×nav2により1MHzにおけるポリイミド膜の誘電率(εcal)を算出した。
【0066】
合成例
光照射口、コンデンサー、温度計、滴下ロート付300mL3つ口フラスコ中、1,2,4,5−テトラメチルベンゼン2.3gを四塩化炭素70mLに溶解した。石英製光ファイバー付紫外線照射装置(ハリソン・東芝ライティング社製、トスキュア100)にて紫外線を石英製試験管状チューブを介して溶液に照射及び80℃で還流しながら、四塩化炭素11mLに溶解した臭素25gを滴下ロートより4時間かけて滴下した。その後同じ条件で44時間攪拌を続けた。反応終了後、沈殿が析出していた。室温まで冷却後、デカンテーションで四塩化炭素を分離し、反応混合物中にクロロホルム30mLを入れ、上澄みをデカンテーションで除いた。これを数回繰り返して沈殿を洗浄し、1,2,4,5−テトラキス(ジブロモメチル)ベンゼンを得た。これをフラスコから取り出さずにそのまま室温で真空乾燥後、ディールスアルダー反応を行うためこの中にヨウ化ナトリウム28gDMAc180mLに溶解した溶液を加えて均一溶液とし、更にN−フェニルマレイミド5.8gを粉末のまま加え、90℃で10時間攪拌・還流し、粗生成物を得た。これを水で洗浄後、1,4−ジオキサンで更に洗浄し、100℃で12時間真空乾燥してN,N’−ジフェニル−2,3,6,7−アントラセンテトラカルボキジイミドを黄色沈殿物として得た(収率:35%)。これを20重量%の水酸化ナトリウム水溶液を用いて150℃で25時間加水分解を行い、アントラセンテトラカルボン酸のナトリウム塩とし、反応混合物中のアニリン等をジエチルエーテルで抽出除去した後、濃塩酸を加えて中和して、アントラセンテトラカルボン酸を沈殿させた。これを中性になるまで水で洗浄後、100℃で12時間真空乾燥した。これを脱水閉環するために、無水酢酸に溶解し、90℃で3時間攪拌・還流し、溶液を室温に冷却することで目的とするANTDAを結晶として得た。生成物のIR(図1)及び1H−NMRスペクトル(図2)を測定したところ、目的のANTDAであることが確認された。
【0067】
実施例1
4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)2mmolを攪拌機付密閉反応容器中に入れ、モレキュラーシーブス4Aで十分に脱水したN,N−ジメチルアセトアミドに溶解した。次いで1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物(CBDA)粉末1.96mmolを加え、引き続きANTDA0.04mmol粉末を加えた。溶質濃度15重量%で重合を行った。室温で48時間撹拌して透明、均一で粘稠なポリイミド前駆体溶液を得た。このポリイミド前駆体溶液は室温及び20℃で一ヶ月間放置しても沈澱、ゲル化は全く起こらず、極めて高い溶液貯蔵安定を示した。N,N−ジメチルアセトアミド中、30℃で測定したポリイミド前駆体の固有粘度は0.45dL/gであった。この重合溶液をガラス基板に塗布し、80℃、2時間で乾燥して、靭性のあるポリイミド前駆体膜を得た。このポリイミド前駆体膜を基板上、真空中200℃で30分、更に320℃で1時間、段階的に昇温して熱イミド化を行い、膜厚20μmの可撓性のポリイミド膜を得た。
【0068】
上記ポリイミド膜は、180°折り曲げ試験により膜の破断は見られず、靭性を示した。ガラス転移温度は328℃、線熱膨張係数は64.2ppm/Kであった。また、窒素中における5%重量減少温度は428℃、空気中で377℃と十分な熱安定性を示した。このポリイミド膜は431nm及び454nmにピークを持つ青色発光(励起波長380nm)を示し、発光量子収率は0.36であった。また、複屈折は0.0047、誘電率は2.66であった。図3にポリイミド薄膜のFT−IRスペクトル、図4に紫外−可視吸収スペクトル、図5にPLスペクトルを示す。
【0069】
比較例1
ANTDAを全く使用せず、その代わりに1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物(以下、NTDAと称する)を用いた以外は、実施例1に記載した方法に従って重合を行い、製膜、イミド化した。しかしながら、得られたポリイミドフィルムは殆ど無蛍光性であった。これは発光性テトラカルボン酸二無水物モノマーとしてANTDAを使用しなかったためである。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】ANTDAのFT−IRスペクトルである。
【図2】ANTDAの1H−NMRスペクトルである。
【図3】実施例1のポリイミド薄膜のFT−IRスペクトルである。
【図4】実施例1のポリイミド膜の紫外−可視吸収スペクトルである。
【図5】実施例1のポリイミド膜のPLスペクトルである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)で表される反復単位と、一般式(2)で表される反復単位とからなるポリイミドであって、一般式(1)で表される反復単位のモル分率をX、及び一般式(2)で表される反復単位のモル分率をYとすると、Xが0.001〜1の範囲であり、Yが0.999〜0の範囲であるポリイミド。
【化1】

(式(1)及び式(2)中、Aは2価の脂肪族基又は芳香族基であり、式(2)中、Bは4価の脂環族基を表す。)
【請求項2】
陽極及び陰極からなる電極間に、請求項1記載のポリイミドを含む層を有することを特徴とする高分子青色発光素子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−297354(P2008−297354A)
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−142220(P2007−142220)
【出願日】平成19年5月29日(2007.5.29)
【出願人】(000006644)新日鐵化学株式会社 (747)
【Fターム(参考)】