説明

非接触型ネジ溝位置検出装置及び工作機械

【課題】ネジ溝の位置を直接検出することが可能であり、繰り返し測定しても測定精度の低下がない非接触型ネジ溝位置検出装置及び工作機械を提供する。
【解決手段】相対的に位置決めされたレーザ発光手段71とレーザ受光手段72を、レーザ光LBの光軸からワーク回転軸CZまでの距離が、ワーク回転軸からネジ溝の底部BNまでの距離より大きく、且つワーク回転軸からネジ溝の頂部TNまでの距離より小さくなるように設定し、更に、レーザ光の光軸がワークの測定個所におけるネジ溝と平行となるように、ワーク回転軸に対してネジ溝のピッチに応じた角度に設定する。そして、相対的に位置決めされたレーザ発光手段とレーザ受光手段を、ワークに対して相対的にネジ溝のリード方向に移動させながら、あるいはワークをワーク回転軸回りに回転させながら、レーザ受光手段から取り込んだ検出信号に基づいて、ネジ溝におけるリード方向の位置を検出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、略円筒状のワークの少なくとも一部の円筒面に形成されたネジ溝の位置を非接触で検出する非接触型ネジ溝位置検出装置及び工作機械に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、円筒状のワークの少なくとも一部の円筒面にネジ溝を形成する場合、まず、ワーリング等の粗加工を行ってネジ溝の概略形状を形成した後、粗加工したネジ溝を仕上げ研削している。従って、仕上げ研削を行う場合、砥石(加工工具)の位置を、ネジ溝位置の正面に割り出す必要があり、ネジ溝の位置を正確に測定する必要がある。
そこで、特許文献1に記載された従来技術では、ボールネジ軸のネジ溝位置を検出するために非接触型センサ(近接センサ)を用い、図7(A)及び(B)に示すように、非接触型センサ120(近接センサ)をワークWの外形面WSに近接させている。そして、ワークWを回転させて、ネジ溝WNの中心を挟んだ両肩部を検出し、ワークWのY軸方向におけるネジ溝中心、及びワークWのZ軸方向におけるネジ溝中心を割り出す、ボールネジ軸の溝位置合わせ装置が提案されている。
【特許文献1】特開2001−269863号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1に記載された従来技術では、ネジ溝の検出装置に大がかりな昇降装置が必要であり、工作機械に搭載することが困難である。
また、非接触型センサ120(近接センサ)を用いているが、非接触型センサ(近接センサ)は近接したことを精度よく検出できるが、ネジ溝はセンサに近接するのでなく離間する方向である(近接するのはネジ山である)ので、ネジ溝の位置を直接検出することができない。そこで、センサに近接するネジ溝の両肩部(ネジ山)を検出し、検出した両肩部の中心を、ネジ溝の中心とみなしている。このため、測定値のばらつきや、比較的大きな誤差が発生する場合がある。また、近接したことを精度よく検出できる非接触型センサ(近接センサ)は、一般的には渦電流センサが用いられ、渦電流センサによる測定で得られる変位出力は、ネジの形状を平滑化した形状になり易く、ネジ溝位置の測定分解能が低下する可能性がある。
また、ネジ溝の面の法線方向からレーザ光を照射し、反射したレーザ光を利用して距離を測定する方法もあるが、仕上げ前の粗いネジ溝の面では乱反射によって正確な測定が困難である。
また、特許文献1に対して、接触式のネジ溝検出装置も考えられるが、繰り返し測定することで、ネジ溝に接触させる測定子が磨耗して測定精度が低下する可能性がある。
本発明は、このような点に鑑みて創案されたものであり、ネジ溝の位置を直接検出することが可能であり、繰り返し測定しても測定精度の低下がない非接触型ネジ溝位置検出装置及び工作機械を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するための手段として、本発明の第1発明は、請求項1に記載されたとおりの非接触型ネジ溝位置検出装置である。
請求項1に記載の非接触型ネジ溝位置検出装置は、所定の径のレーザ光を出射するレーザ発光手段と、受光したレーザ光に応じた検出信号を出力するレーザ受光手段と、判定手段と、を備え、ワーク回転軸回りに回転可能に支持された略円筒形状のワークにおける、少なくとも一部の円筒面に形成されたネジ溝の位置を非接触で検出する非接触型ネジ溝位置検出装置である。
前記レーザ発光手段から出射されたレーザ光を前記レーザ受光手段で受光するように前記レーザ発光手段に対する前記レーザ受光手段の相対的な位置が位置決めされており、相対的に位置決めされた前記レーザ発光手段と前記レーザ受光手段は、前記レーザ光の光軸から前記ワーク回転軸までの距離が、前記ワーク回転軸からネジ溝の底部までの距離より大きく、且つ前記ワーク回転軸からネジ溝の頂部までの距離より小さくなるように設定され、更に、前記レーザ光の光軸が前記ワークの測定個所におけるネジ溝と平行となるように、前記ワーク回転軸に対して前記ネジ溝のピッチに応じた角度に設定されている。
そして前記判定手段は、相対的に位置決めされた前記レーザ発光手段と前記レーザ受光手段を、前記ワークに対して相対的に前記ネジ溝のリード方向に移動させながら、あるいは前記ワークを前記ワーク回転軸回りに回転させながら、前記レーザ受光手段からの検出信号を取り込み、前記レーザ受光手段からの検出信号に基づいて、前記ネジ溝における前記リード方向の位置を検出する。
【0005】
また、本発明の第2発明は、請求項2に記載されたとおりの非接触型ネジ溝位置検出装置である。
請求項2に記載の非接触型ネジ溝位置検出装置は、請求項1に記載の非接触型ネジ溝位置検出装置であって、前記レーザ受光手段として、受光したレーザ光の光量に応じた検出信号を出力するレーザ受光手段を用い、前記判定手段は、前記検出信号の上限または下限となる位置が前記ネジ溝の中心であると判定する。
【0006】
また、本発明の第3発明は、請求項3に記載されたとおりの非接触型ネジ溝位置検出装置である。
請求項3に記載の非接触型ネジ溝位置検出装置は、請求項1に記載の非接触型ネジ溝位置検出装置であって、前記レーザ受光手段として、受光したレーザ光の光強度の重心の位置に応じた検出信号を出力するレーザ受光手段を用い、前記判定手段は、前記検出信号が所定値となる位置が前記ネジ溝の中心であると判定する。
【0007】
また、本発明の第4発明は、請求項4に記載されたとおりの工作機械である。
請求項4に記載の工作機械は、請求項1〜3のいずれかに記載の非接触型ネジ溝検出装置と、加工工具と、前記ワークを支持して前記ワーク回転軸回りに前記ワークを回転可能なワーク回転手段と、前記ワークに対して前記加工工具を前記ワーク回転軸に交差する方向に相対的に移動可能な径側移動手段と、前記ワークに対して前記加工工具を前記ワーク回転軸に平行な方向に相対的に移動可能なリード側移動手段と、を備えた工作機械である。
そして、前記非接触型ネジ溝検出装置を用いて、前記ワークにおける前記ネジ溝の位置を検出し、前記径側移動手段と前記リード側移動手段を用いて、検出したネジ溝の位置に前記加工工具を位置決めし、前記ワーク回転手段を用いて前記ワークを前記ワーク回転軸回りに回転させるとともに、前記ネジ溝のピッチに基づいて前記リード側移動手段を用いて前記加工工具を前記ワーク回転軸に平行な方向に相対移動させて前記ネジ溝を研削する。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に記載の非接触型ネジ溝位置検出装置では、測定個所におけるネジ溝をレーザ光が通過可能となるように、レーザ光の光軸をネジ溝に収まる位置、且つネジ溝と平行に設定し、所定の径のレーザ光をレーザ発光手段から出射し、レーザ発光手段とレーザ受光手段とをネジ溝のリード方向に移動させながら、あるいはワークをワーク回転軸回りに回転させながら、レーザ受光手段の検出信号に基づいて、ネジ溝のリード方向の位置を検出する。
これにより、ネジ溝の位置を直接検出することが可能であり、繰り返し測定しても測定精度の低下がない非接触型ネジ溝位置検出装置を実現することができる。
【0009】
また、請求項2に記載の非接触型ネジ溝位置検出装置によれば、受光したレーザ光の光量に応じた検出信号を出力するレーザ受光手段を用いて、ネジ溝のリード方向の位置を、より適切に検出することができる。
【0010】
また、請求項3に記載の非接触型ネジ溝位置検出装置によれば、受光したレーザ光の光強度の重心の位置に応じた検出信号を出力するレーザ受光手段を用いて、ネジ溝のリード方向の位置を、より適切に検出することができる。
【0011】
また、請求項4に記載の工作機械によれば、請求項1〜3のいずれかに記載した非接触型ネジ溝位置検出装置を用いて検出したネジ溝のリード方向の位置に、適切に加工工具を位置決めしてネジ溝を研削することができる工作機械を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下に本発明を実施するための最良の形態を図面を用いて説明する。図1(A)は、本発明の非接触型ネジ溝位置検出装置70を備えた工作機械1を、砥石Tを備えた工作機械1(いわゆる研削盤)に適用した一実施の形態における概略外観図(平面図)を示している。また、図1(B)は、図1(A)に示す工作機械1の右側面図の例を示している。なお、図1(B)では心押装置40や仮置台60等の記載を省略している。
また、図1(C)は、図1(B)における非接触型ネジ溝位置検出装置70のレーザ発光手段71(図3参照)が、ワークWに対して砥石Tの側における工作機械1のカバーCV(実際の工作機械1は、安全に対する考慮や、クーラントの飛散防止を目的としたカバーCVに覆われている)に取付けられている状態、及び図1(B)における非接触型ネジ溝位置検出装置70のレーザ受光手段72(図3参照)が、ワークWに対して砥石Tの側における工作機械1の基台2上に取付けられている状態を示しており、(コの字状の)保持部材73が省略されている。このように、レーザ発光手段71とレーザ受光手段72、及びレーザ発光手段71から出射されてレーザ受光手段72にて受光されるレーザ光が、工作機械1を構成する他の部材と干渉しない位置であれば、レーザ発光手段71とレーザ受光手段72は、どこに配置されていてもよい。
なお、本実施の形態の説明では、X軸とY軸とZ軸は互いに直交しており、Y軸は鉛直上方を示しており、X軸とZ軸は水平方向を示している。また、X軸は砥石TがワークWに切り込む方向を示しており、Z軸は一対の支持部材(図1の例では、チャック30C、チャック40C)をとおる主軸回転軸方向を示している。
【0013】
●[工作機械1の概略構成(図1(A)及び(B))]
工作機械1は、基台2と、主軸テーブル20と、砥石テーブル10とを備えている。なお、各検出手段からの信号を取り込むとともに各モータに駆動信号を出力する数値制御装置等の制御手段は記載を省略している。
また、図1(A)、(B)及び図2(A)、(B)では、ネジ部KがワークWの中央近傍に配置されている場合の例を示しており、一対の支持部材30C、40Cがチャックである場合の例を示しているが、ワークWの外観は、これに限定されるものではなく、少なくとも一部の円筒面にネジ溝が形成されていればよい。また、一対の支持部材30C、40Cも、チャックとチャックに限定されるものではなく、チャックと(円錐状の)センタ、あるいはセンタとセンタ、であってもよい。
主軸テーブル20は、基台2に設けられた主軸テーブル駆動モータ20M(Z軸駆動装置であり、リード側移動手段に相当)と送りネジ20B、及び主軸テーブル20に設けられたナット(図示省略)により、基台2に対してZ軸方向に移動可能であり、制御手段は、エンコーダ等の検出手段20Eの検出信号によって、基台2に対する主軸テーブル20のZ軸方向の位置を検出できる。なお、Z軸は、一対の支持部材(図1の例では、チャック30C、チャック40C)をとおる主軸回転軸CZ(ワーク回転軸に相当)に平行な軸であり、送りネジ20BがZ軸である。
【0014】
主軸テーブル20の上には、主軸台30Dと心押台40Dが載置されている。
主軸台30Dには、主軸装置30をZ軸方向に往復移動可能な主軸移動モータ30Mが設けられており、制御手段は、エンコーダ等の検出手段30Eの検出信号によって、主軸台30Dに対する主軸装置30のZ軸方向の位置を検出できる。また、主軸装置30の先端には、心押装置40のチャック40Cと一対となるチャック30Cが設けられている。また、主軸装置30には、チャック30Cを回転させる主軸回転モータが設けられており、一対の支持部材(この場合、チャック30C、40C)にて支持したワークWを主軸回転軸CZ回りに回転させる。そして、主軸回転モータには、ワークWの回転角度または回転速度を検出する検出手段(エンコーダ等)が設けられている(主軸装置30と心押装置40はワーク回転手段に相当する)。
心押台40Dには、心押装置40をZ軸方向に往復移動可能な心押移動モータ40Mが設けられており、制御手段は、エンコーダ等の検出手段40Eの検出信号によって、心押台40Dに対する心押装置40のZ軸方向の位置を検出できる。また、心押装置40の先端には、主軸装置30のチャック30Cと一対となるチャック40Cが設けられている。
また、工作機械1には、一対の支持部材にてワークWを支持する前にワークWを仮置きする仮置台60が設けられている。
なお、工作機械1は、クーラントを加工個所に噴出するクーラントノズル等を備えているが、これらについては説明及び図示を省略する。
【0015】
砥石テーブル10には、略円筒状の砥石T(加工工具に相当)を備えている。砥石Tは、例えば鉄製のコアの外周にCBNチップ砥石が貼り付けられて整形されており、砥石テーブル10に載置された砥石駆動モータ11により、Z軸に平行な砥石回転軸TZを中心に回転する。
また、砥石テーブル10は、基台2に設けられた砥石テーブル駆動モータ10M(X軸駆動装置であり、径側移動手段に相当)と送りネジ10B、及び砥石テーブル10に設けられたナット(図示省略)により、基台2に対してX軸方向に往復移動可能であり、主軸回転軸CZに交差する方向に砥石Tを進退移動させる。なお、X軸は、前記Z軸に直交する方向の軸であり、送りネジ10BがX軸である。
また、砥石テーブル駆動モータ10Mには砥石テーブル10のX軸方向の位置を検出する検出手段10E(エンコーダ等)が設けられている。
なお、図1(A)及び(B)の例では、砥石駆動モータ11には検出手段を設けていないが、砥石駆動モータ11にも速度検出手段等を設け、砥石駆動モータ11の回転速度をフィードバック制御することも可能である。
【0016】
また、数値制御装置(図示省略)は、ワークWの回転角度(あるいは回転速度)を検出する検出手段(図示省略)からの信号、砥石テーブル10のX軸方向の位置を検出する検出手段10Eからの信号、主軸テーブル20のZ軸方向の位置を検出する検出手段20Eからの信号等と、加工データ及び加工プログラム等に基づいて、主軸回転モータ(図示省略)、砥石テーブル駆動モータ10M、主軸テーブル駆動モータ20M、砥石駆動モータ11を制御する。
また、非接触型ネジ溝位置検出装置70は、基台2に設けられており、図1(B)の例ではワークWに対して砥石Tと反対側に配置されているが、図1(C)に示すようにワークWに対して砥石Tの側に配置してもよい。また、ワークWに対して上側でも、下側でも、斜めとなる位置であってもよく、非接触型ネジ溝位置検出装置70は、ワークWに対してどのような方向に配置されていてもよい。なお、非接触型ネジ溝位置検出装置70の詳細については後述する。
【0017】
●[ワークWの支持方法(図2)]
図2(A)及び(B)は、長手方向の中央近傍のネジ部Kにネジ溝WNが形成されたワークWの両端部を支持する様子を説明する図であり、この場合、一対の支持部材がチャック30Cとチャック40Cである。また、主軸装置30は、主軸移動モータ30Mが回転させる送りネジ30BによってZ軸方向に往復移動する連結部材31を介してZ軸方向に往復移動可能であり、心押装置40は、心押移動モータ40Mが回転させる送りネジ40BによってZ軸方向に往復移動する連結部材41を介してZ軸方向に往復移動可能である。
【0018】
まず図2(A)に示すように、ワークWと干渉しないように、主軸装置30と心押装置40との間の間隔が充分となるように、主軸台30Dに対する主軸装置30の位置、及び心押台40Dに対する心押装置40の位置を決め、ワークWを仮置台60に仮置きする。このとき、チャック30C、40Cの爪部35、45は開放状態(アンクランプ状態)である。
そして、図2(B)に示すように、主軸装置30と心押装置40とを互いに近接する方向に移動させ、ワークWの両端部のそれぞれを、チャック30C、チャック40Cに挿通し、チャック30Cの爪部35、及びチャック40Cの爪部45にて、挿通したワークWを把持する(把持するとワークWは仮置台60から僅かに浮く)。
そして、非接触型ネジ溝位置検出装置70を用いて、ネジ溝WNのリード方向の位置を検出するが、まず図3(A)〜(C)を用いて、非接触型ネジ溝位置検出装置70の構造について説明する。
【0019】
●[非接触型ネジ溝位置検出装置70の構造(図3)]
非接触型ネジ溝位置検出装置70は、所定の径(図4(B)中のφA)のレーザ光LBを出射するレーザ発光手段71と、受光したレーザ光LBの光量に応じた検出信号を出力するレーザ受光手段72と、(レーザ発光手段71から出射されたレーザ光LBをレーザ受光手段72で受光するように)レーザ発光手段71に対するレーザ受光手段72の相対的な位置を位置決めしてレーザ発光手段71とレーザ受光手段72とを保持する保持部材73とを備えている。
また、保持部材73は、支持部材75を介して駆動装置74に接続されており、駆動装置74は、支持部材75をワークWの方向(この場合、X軸方向)に進退移動させることが可能であるとともに(図3(A)及び(B)参照)、支持部材75を回転軸LZ回りに任意の角度で旋回させることが可能である(図3(C)参照)。なお、回転軸LZはX軸に平行であり、且つ主軸回転軸CZ(ワーク回転軸)を通る軸(直交する軸)である。また、レーザ光LBと回転軸LZは直交しており、その交点をレーザ基準点CLとすると、保持部材73を回転軸LZ回りに旋回させても、レーザ基準点CLの位置は変化しない。
また、駆動装置74は、基台2に設けられた支持柱76に設けられている。
【0020】
●[ネジ溝WNのリード方向の位置の検出方法における第1の実施の形態(図4)]
次に図4(A)〜(C)を用いて、ネジ溝WNのリード方向の位置を検出する第1の実施の形態について説明する。
第1の実施の形態では、レーザ発光手段71として、例えばLD(Laser Diode)を用い、レーザ受光手段72として、例えば受光したレーザ光の光量に応じた検出信号を出力するPD(Photodiode)を用いている。
ネジ溝WNのリード方向(この場合、Z軸方向)の位置を検出する場合、図2に示すようにワークWを支持した後、図3(A)及び(B)に示すように、駆動装置74を制御して、保持部材73にて相対的に位置決めされたレーザ発光手段71とレーザ受光手段72とを、X軸方向に移動させる。
X軸方向への移動の際は、レーザ光LBの光軸から主軸回転軸CZ(ワーク回転軸)までの距離が、主軸回転軸CZ(ワーク回転軸)からネジ溝WNの底部BNまでの距離より大きく、且つ主軸回転軸CZ(ワーク回転軸)からネジ溝WNの頂部TNまでの距離より小さくなる位置までX軸方向に移動させる。
そして、駆動装置74を制御して、保持部材73にて相対的に位置決めされたレーザ発光手段71とレーザ受光手段72とを、回転軸LZ回りに旋回させ、レーザ光LBの光軸がネジ溝WNと平行となってレーザ光LBが測定個所におけるネジ溝WNを通過可能となるように、主軸回転軸CZ(ワーク回転軸)に対してネジ溝WNのピッチに応じた角度θに設定する(図4(A)の角度θを参照)。なお、この状態では、レーザ光LBがネジ溝WN内に収まっているとは限らない(レーザ光LBがネジ山にかかっている場合もある)。
【0021】
次に、保持部材73にて相対的に位置決めされたレーザ発光手段71とレーザ受光手段72とを、ワークWに対して相対的にネジ溝WNのリード方向に移動(この場合、主軸テーブル20をZ軸方向に移動)させながら、あるいはワークWを主軸回転軸CZ(ワーク回転軸)回りに回転させながら、レーザ受光手段72の検出信号を取り込む。
ここで、図4(B)の(α)〜(γ)は、図4(A)においてAA方向から見た場合の、ネジ溝(ネジ山)とレーザ光LBの相対位置の例を示す図であり、図4(C)は、レーザ光LBのリード方向の位置に対するレーザ受光手段72の検出信号の測定結果の例を示している。なお、本実施の形態では、レーザ受光手段72は受光したレーザ光の光量が多くなると検出信号が増大するタイプを用いたため、検出信号の上限値の位置がネジ溝WNの中心位置となる。
また、レーザ光LBの径φAの理論的なベストサイズは、レーザ光LBがネジ溝WNの幅と一致する径を有してネジ溝WNに接触するサイズであるが、実際にそのようなサイズにしてネジ溝WNに接触するように位置決め調整することは困難である。そこで、レーザ光LBの径φAを、図4(B)(β)に示すように、ネジ溝WNに対して微小な重畳部を有するサイズ(ネジ溝WNの幅より若干大きいサイズ)に設定することが好ましい。なお、レーザ光LBのスポットのサイズ(径の大きさ)と形状についての詳細は後述する。
【0022】
レーザ光LBとネジ溝WNの相対位置が、図4(B)(α)の例に示す位置(レーザ光LBの中心(光軸)がネジ山のいずれかの方向にずれている位置)である場合、レーザ受光手段72の検出信号は、図4(C)中の(α)の位置に示すように、上限値ではない。
図4(B)(α)の例に示す位置から、レーザ光LBとネジ溝WNの相対位置が図4(B)(β)の例に示す位置(レーザ光LBの中心(光軸)がネジ溝WNの幅方向の中心となる位置)へと変化していくと、レーザ受光手段72の検出信号は徐々に大きくなり、図4(B)(β)の位置では、図4(C)中の(β)の位置に示すように、上限値となる。
更に、図4(B)(β)の例に示す位置から、レーザ光LBとネジ溝WNの相対位置が図4(B)(γ)の例に示す位置(レーザ光LBの中心(光軸)がネジ山のいずれかの方向にずれている位置)へと変化していくと、レーザ受光手段72の検出信号は徐々に小さくなり、図4(B)(γ)の位置では、図4(C)中の(γ)の位置に示すように、上限値ではない。
判定手段にて、検出信号が図4(C)における上限値であることを判定することで、図4(B)(β)の位置であることを判定することが可能であり、この位置がネジ溝WNのリード方向の中心位置であると判定する。
【0023】
また、図4(B)(β)の位置において、例えばワークWを所定角度(例えば90度)回転して、ネジ溝WNのリード方向の移動距離を測定、あるいは隣接するネジ溝WNまでのリード方向の移動距離を測定すれば、ネジ溝WNのピッチを求めることができる。
図1に示す本実施の形態における工作機械1では、砥石Tと反対側のワークWのネジ溝WNのリード方向の位置を測定しているので、測定したリード方向の位置を、ピッチの1/2だけ補正した位置が、砥石Tの側におけるネジ溝WNのリード方向の中心位置である。なお、ピッチは、ワークWから測定した値を使用してもよいし、測定することなく予めわかっているピッチの値を使用してもよい。
【0024】
●[ネジ溝WNのリード方向の位置の検出方法における第2の実施の形態(図5)]
次に図5(A)及び(B)を用いて、ネジ溝WNのリード方向の位置を検出する第2の実施の形態について説明する。
第2の実施の形態は、受光したレーザ光LBの光量に応じた検出信号を出力するPD(Photodiode)を用いる第1の実施の形態に対して、受光したレーザ光LBの光強度の重心の位置に応じた検出信号を出力するPSD(Position Sensitive Detector)を用いる。第1の実施の形態では、検出信号が上限値でない場合ではレーザ光LBがリード方向のどちらの方向にずれているかわからないが、第2の実施の形態では、レーザ光LBがどちらの方向にずれているかを検出することができる。第2の実施の形態ではレーザ光LBの光軸のずれ方向がわかるので、第1の実施の形態よりも短時間で測定することができる。以下、第1の実施の形態との相違点について説明する。
【0025】
保持部材73にて相対的に位置決めされたレーザ発光手段71とレーザ受光手段72とを、ワークWに対して相対的にネジ溝WNのリード方向に移動(この場合、主軸テーブル20をZ軸方向に移動)させながら、あるいはワークWを主軸回転軸CZ(ワーク回転軸)回りに回転させながら、レーザ受光手段72の検出信号を取り込む。
ここで、図5(A)の(α)〜(γ)は、図4(B)の(α)〜(γ)に対応させた、ネジ溝(ネジ山)とレーザ光LBの相対位置の例と、レーザ受光手段72にて受光したスポットの例を示す図であり、図5(B)は、レーザ光LBのリード方向の位置に対するレーザ受光手段72の検出信号の測定結果の例を示している。
また、レーザ光LBの径φAのサイズは、前述したように、レーザ光LBがネジ溝WNの幅と一致する径を有してネジ溝WNに接触するサイズがベストであるが、実際にそのようなサイズにしてネジ溝WNに接触するように位置決め調整することは困難である。そこで、第1の実施の形態と同様に、図5(A)(β)に示すように、ネジ溝WNに対して微小な重畳部を有するサイズ(ネジ溝WNの幅より若干大きいサイズ)に設定することが好ましい。
【0026】
レーザ光LBとネジ溝WNの相対位置が、図5(A)(α)の例に示す位置(レーザ光LBの右側の一部がネジ山に遮断されている位置)である場合、レーザ受光手段72にて受光される光強度の重心の位置G(α)は、レーザ光LBの光軸の位置(基準位置ST)に対して左方向にΔL(α)だけずれた位置となる。この場合のレーザ受光手段72の検出信号は、図5(B)中の(α)の位置となり、基準値(光強度の重心が光軸の位置と一致している場合の検出値)よりも大きな値となる。
図5(A)(α)の例に示す位置から、レーザ光LBとネジ溝WNの相対位置が図5(A)(β)の例に示す位置(レーザ光LBの中心(光軸)がネジ溝WNの幅方向の中心となる位置)へと変化していくと、レーザ受光手段72にて受光される光強度の重心G(β)の位置が徐々に基準位置STに近づき(ΔL(β)が0(ゼロ)に近づき)、レーザ受光手段72の検出信号は徐々に小さくなり、図5(A)(β)の位置では、図5(B)中の(β)の位置に示すように、基準値となる。
【0027】
更に、図5(A)(β)の例に示す位置から、レーザ光LBとネジ溝WNの相対位置が図5(A)(γ)の例に示す位置(レーザ光LBの左側の一部がネジ山に遮断されている位置)へと変化していくと、レーザ受光手段72にて受光される光強度の重心G(γ)の位置が徐々に基準位置STから右方向にΔL(γ)だけ離れていき、レーザ受光手段72の検出信号は徐々に小さくなり、図5(A)(γ)の位置では、図5(B)中の(γ)の位置に示すように、基準値よりも小さな値となる。
判定手段にて、検出信号が図5(B)における基準値であることを判定することで、図5(A)(β)の位置であることを判定することが可能であり、この位置がネジ溝WNのリード方向の中心位置であると判定する。
なお、図5(B)の例では検出信号が右下がり特性である例を示したが、右上がり特性の検出信号を出力するレーザ受光手段を用いてもよい。
【0028】
また、図5(A)(β)の位置において、例えばワークWを所定角度(例えば90度)回転して、ネジ溝WNのリード方向の移動距離を測定、あるいは隣接するネジ溝WNまでのリード方向の移動距離を測定すれば、ネジ溝WNのピッチを求めることができる。
図1に示す本実施の形態における工作機械1では、砥石Tと反対側のワークWのネジ溝WNのリード方向の位置を測定しているので、測定したリード方向の位置を、ピッチの1/2だけ補正した位置が、砥石Tの側におけるネジ溝WNのリード方向の中心位置である。なお、ピッチは、ワークWから測定した値を使用してもよいし、測定することなく予めわかっているピッチの値を使用してもよい。
【0029】
以上、第1及び第2の実施の形態にて説明したように、ネジ溝WNのリード方向の位置とピッチを測定した後、砥石テーブル駆動モータ10M(径側移動手段に相当)と主軸テーブル駆動モータ20M(リード側移動手段に相当)を制御して、支持しているワークWに対して砥石Tを相対移動させ、ネジ溝WNの位置に砥石Tの研削点(砥石TにおけるワークWとの接点)を位置決めする。そして、ワークWを主軸回転軸CZ(ワーク回転軸)回りに回転させるとともに、ネジ溝WNのピッチ(ワークWから測定したピッチを使用してもよいし、測定することなく予めわかっているピッチの値を使用してもよい)に基づいた移動量にて、ワークWに対して砥石Tの位置をリード方向に相対移動させながらネジ溝WNを研削する。
【0030】
●[レーザ光LBのスポットのサイズと形状(図6)]
次に図6(A)〜(D)を用いて、レーザ光LBのスポットのサイズと形状について説明する。
図6(A)〜(D)はそれぞれ、ネジ溝WNに対するレーザ光LBのスポットのサイズと、当該サイズにおける第1の実施の形態の特性(図4(C)の特性)の例と、当該サイズにおける第2の実施の形態の特性(図5(B)の特性)の例を示すものである。サイズについては、前述したように、レーザ光LBがネジ溝WNの幅と一致する径を有してネジ溝WNに接触するサイズがベストであるが、実際にそのようなサイズにしてネジ溝WNに接触するように位置決め調整することは困難である。そこで、図6(B)に示すように、ネジ溝WNの幅よりも若干大きいサイズとすることが好ましい。
【0031】
図6(A)に示すように、微小隙間ΔS1を持ってスポットがネジ溝WNに収まる場合、第1の実施の形態においてネジ溝WNの位置を判定する上限値の幅ΔM1は比較的小さな幅であり、この幅ΔM1の中心をネジ溝WNの中心とみなす。また、第2の実施の形態においてネジ溝WNの位置を判定する基準値の近傍における幅ΔM2は比較的小さな幅であり、この幅ΔM2の中心をネジ溝WNの中心とみなす。
また、図6(B)に示すように、微小重畳部ΔS2にてスポットの一部がネジ山に重畳する場合、第1の実施の形態においてネジ溝WNの位置を判定する上限値のΔM1の幅はほとんどなく、上限値の位置をネジ溝WNの中心とみなす。また、第2の実施の形態においてネジ溝WNの位置を判定する基準値の近傍におけるΔM2の幅はほとんどなく、基準値の位置をネジ溝WNの中心とみなす。
【0032】
また、図6(C)に示すように、比較的大きな隙間ΔS3を持ってスポットがネジ溝WNに収まる場合、第1の実施の形態においてネジ溝WNの位置を判定する上限値の幅ΔM1は大きな幅であり、誤差が大きくなるので好ましくない。また、第2の実施の形態においてネジ溝WNの位置を判定する基準値の近傍における幅ΔM2は大きな幅であり、誤差が大きくなるので好ましくない。
また、図6(D)に示すように、任意の形状を形成したスリットを用いて、レーザ発光手段71から出射されたレーザ光LBのスポット形状を任意の形状にすることができる。例えば図6(D)では、スポット形状を、ネジ溝WNにほぼ隙間無く収まる台形形状としている。この場合、第1の実施の形態においてネジ溝WNの位置を判定する上限値の幅ΔM1は非常に小さな幅であり、測定誤差は許容できる範囲である。また、第2の実施の形態においてネジ溝WNの位置を判定する基準値の近傍における幅ΔM2は非常に小さな幅であり、測定誤差は許容できる範囲である。
【0033】
以上、本実施の形態にて説明した工作機械では、レーザ発光手段71とレーザ受光手段72を用いた非接触型ネジ溝位置検出装置であって、測定子の磨耗等に起因する測定精度の低下が発生しない。
また、レーザ発光手段71とレーザ受光手段72は比較的小さなものであるため、工作機械1に組み込む場合、非常に省スペースに組み込むことができる。
また、ネジ溝形状をレーザ光で投影して、ネジ溝WNの位置を直接検出するので、渦電流センサを用いた非接触方式と比較して、分解能の低下が起きない。
また、ネジ溝WNにおけるワークWの径やピッチが予めわかっている場合は、保持部材73や駆動装置74等を用いることなく、レーザ発光手段71とレーザ受光手段72を工作機械1における任意の位置に設けておくことが可能であり、ワークWから遠い位置に配置することも可能である。この場合、工作機械1の他の部材との干渉が発生しにくい位置にレーザ発光手段71とレーザ受光手段72を設けることが可能である。
【0034】
本発明の非接触型ネジ溝位置検出装置70、及び工作機械1は、本実施の形態で説明した外観、構成、構造等に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更、追加、削除が可能である。
また、本実施の形態では加工工具の例として砥石Tを用いたが、バイト等、種々の加工工具を用いた工作機械に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の工作機械1の一実施の形態における概略外観図(平面図、側面図)を説明する図である。
【図2】一対の支持部材がチャック30Cとチャック40Cの場合における、ワークWの支持方法を説明する図である。
【図3】非接触型ネジ溝位置検出装置70の構造と動作を説明する図である。
【図4】第1の実施の形態における、ネジ溝WNのリード方向の位置の検出方法を説明する図である。
【図5】第2の実施の形態における、ネジ溝WNのリード方向の位置の検出方法を説明する図である。
【図6】レーザ光LBのスポットのサイズと形状を説明する図である。
【図7】ネジ溝WNの中心の位置を測定する従来の方法の例を説明する図である。
【符号の説明】
【0036】
1 工作機械
2 基台
10 砥石テーブル
10M 砥石テーブル駆動モータ(径側移動手段)
10B 送りネジ
11 砥石駆動モータ
20 主軸テーブル
20M 主軸テーブル駆動モータ(リード側移動手段)
20B 送りネジ
30 主軸装置
30C チャック(支持部材)
30D 主軸台
30M 主軸移動モータ
35 爪部
40 心押装置
40C チャック(支持部材)
40D 心押台
40M 心押移動モータ
45 爪部
70 非接触型ネジ溝位置検出装置
71 レーザ発光手段
72 レーザ受光手段
73 保持部材
74 駆動装置
75 支持部材
T 砥石(加工工具)
W ワーク
WN ネジ溝
BN 底部
TN 頂部
LB レーザ光
LZ 回転軸
CL 基準点
CZ 主軸回転軸(ワーク回転軸)
TZ 砥石回転軸



【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の径のレーザ光を出射するレーザ発光手段と、
受光したレーザ光に応じた検出信号を出力するレーザ受光手段と、
判定手段と、を備え、
ワーク回転軸回りに回転可能に支持された略円筒形状のワークにおける、少なくとも一部の円筒面に形成されたネジ溝の位置を非接触で検出する非接触型ネジ溝位置検出装置であって、
前記レーザ発光手段から出射されたレーザ光を前記レーザ受光手段で受光するように前記レーザ発光手段に対する前記レーザ受光手段の相対的な位置が位置決めされており、
相対的に位置決めされた前記レーザ発光手段と前記レーザ受光手段は、
前記レーザ光の光軸から前記ワーク回転軸までの距離が、前記ワーク回転軸からネジ溝の底部までの距離より大きく、且つ前記ワーク回転軸からネジ溝の頂部までの距離より小さくなるように設定され、
更に、前記レーザ光の光軸が前記ワークの測定個所におけるネジ溝と平行となるように、前記ワーク回転軸に対して前記ネジ溝のピッチに応じた角度に設定され、
前記判定手段は、
相対的に位置決めされた前記レーザ発光手段と前記レーザ受光手段を、前記ワークに対して相対的に前記ネジ溝のリード方向に移動させながら、あるいは前記ワークを前記ワーク回転軸回りに回転させながら、前記レーザ受光手段からの検出信号を取り込み、
前記レーザ受光手段からの検出信号に基づいて、前記ネジ溝における前記リード方向の位置を検出する、
非接触型ネジ溝位置検出装置。
【請求項2】
請求項1に記載の非接触型ネジ溝位置検出装置であって、
前記レーザ受光手段として、受光したレーザ光の光量に応じた検出信号を出力するレーザ受光手段を用い、
前記判定手段は、前記検出信号の上限または下限となる位置が前記ネジ溝の中心であると判定する、
非接触型ネジ溝位置検出装置。
【請求項3】
請求項1に記載の非接触型ネジ溝位置検出装置であって、
前記レーザ受光手段として、受光したレーザ光の光強度の重心の位置に応じた検出信号を出力するレーザ受光手段を用い、
前記判定手段は、前記検出信号が所定値となる位置が前記ネジ溝の中心であると判定する、
非接触型ネジ溝位置検出装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の非接触型ネジ溝検出装置と、
加工工具と、
前記ワークを支持して前記ワーク回転軸回りに前記ワークを回転可能なワーク回転手段と、
前記ワークに対して前記加工工具を前記ワーク回転軸に交差する方向に相対的に移動可能な径側移動手段と、
前記ワークに対して前記加工工具を前記ワーク回転軸に平行な方向に相対的に移動可能なリード側移動手段と、を備えた工作機械であって、
前記非接触型ネジ溝検出装置を用いて、前記ワークにおける前記ネジ溝の位置を検出し、
前記径側移動手段と前記リード側移動手段を用いて、検出したネジ溝の位置に前記加工工具を位置決めし、
前記ワーク回転手段を用いて前記ワークを前記ワーク回転軸回りに回転させるとともに、前記ネジ溝のピッチに基づいて前記リード側移動手段を用いて前記加工工具を前記ワーク回転軸に平行な方向に相対移動させて前記ネジ溝を研削する、
工作機械。



【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2010−46778(P2010−46778A)
【公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−214914(P2008−214914)
【出願日】平成20年8月25日(2008.8.25)
【出願人】(000001247)株式会社ジェイテクト (7,053)
【Fターム(参考)】