説明

靴の内側の補修用パッド及びその補修方法

【課題】殆んどの靴においては、内側にクッション材などを配する構成が採されているが、長く履いていると、踵部などの足と強く当る部分のクッション材の耐久性が特に乏しく、磨耗して破れたり消失して見栄えが悪くなり、靴の硬い素材と足が直接接触して擦れることによって、履いている靴下が短期間で部分的に薄くなったり、破けたり、足にまめが出来たり、靴と足の間にガタが出て履き心地が悪くなるなどの問題点を解決することを課題としている。
【解決手段】靴の踵部などの形状に合わせて成形したクッション材に、例えば予め粘着接着剤を塗布した状態の補修用パッドとして市販し、必要とする人がこれを購入して、誰でも極めて簡単に補修出来るようにする手段を採用した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、靴の内側の踵部や側面などの補修用パッド及びその補修方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
革製などのビジネスシューズやスポーツシューズなどの殆んどの靴においては、例えば特許文献1に記載されているように、足にフィットさせて履き心地を良くすることなどを目的として表素材と裏素材との間にウレタンスポンジなどの軟質弾性体を使用したクッション材を配する構成が採用されており、最近では良いものを耐久消費材的に長い期間に亘って履こうとする傾向が見られるが、実際に長く履いていると、靴の底や外側には良好な材料が開発され耐久性が著しく良好になっているけれども、靴の内側は相対的に弱く、特に踵部の内側などの足と強く当る部分のクッション材などが磨耗して破れたり消失するなどの問題が発生しているが、修理の専門の業者が著しく少なくなっていることや、自分で簡単に補修できないことなどから、充分に使用可能であるにも拘わらず捨ててしまっている現状がある。
【特許文献1】特許公開2002−282013号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前記したように、ビジネスシューズやスポーツシューズなどの殆んどの靴においては、内側にクッション材などを配する構成が採されているが、長く履いていると、踵部などの足と強く当る部分のクッション部が特に耐久性が乏しく、磨耗して破れたり消失して見苦しくなったり、靴の硬い素材と足が直接接触して擦れることによって履いている靴下が短期間で部分的に薄くなったり、破けたり、足にまめが出来たり、靴と足の間にガタが出て一体感が乏しくなつて履き心地が悪くなるなどの多くの問題点を簡単に解決することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前記課題を解決するために、靴の踵部などの形状に合わせて成形したクッション材を接着剤で接着したり、予め粘着性を有する接着剤を塗布した状態の補修用パッドとして市販し、必要とする人がこれを購入して使用することによって、一般の人でも極めて簡単に補修出来るようにする手段を採用した。
【発明の効果】
【0005】
長い期間に亘って履いた靴の踵部などのクッション部が磨耗して破けたり消失した部分に、靴の踵部などの内側形状に合わせて成形したクッション材に予め両面接着剤を塗布するなどの補修用パッドを使用することによって、一般の人でも簡単に補修することが可能となり、靴の内側が破けて見苦しいことや、靴の硬い素材と足が直接接触して擦れることによって靴下が短期間で部分的に薄くなったり、破けたり、足にまめが出来たり、靴と足の間にガタが出て一体感が乏しくなつて履き心地が悪くなるなどの多くの問題を極めて簡単で安価に確実に解決できると同時に、多くの人が、使い捨てではなく、良いものを長く使用する習慣を身に付け易くすることによって現代社会の課題である省資源、環境負荷の低減なども図れるなどの効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
図1は、本発明における靴の踵部の修理用パッド1の実施例であり、(a)が平面図、(b)
が側断面図であるが、(a)の平面図のように補修用パッド1は、縦に長い長方形で端部にRを持たせ、(b)の側断面図に示すように一方が平面状、他の一方が曲面状で中央付近が厚く、隅が薄くなった軟質弾性体2の平面状の面に粘着性を有する接着剤3が全面に塗布され、その上に剥離紙4を設けた構成となっている。
【0007】
図2は、本発明における上記の靴の踵部に実際に修理した場合の側断面図であるが、外革5の内側に裏革6で覆ったクッション材7を配した構成の革靴において、磨耗欠損部8
を覆うように、剥離紙4を剥がした補修用パッド1を位置合わせしながら押圧接着することによって極めて簡単に補修が可能となる。
【0008】
前記の例は、靴の踵部の補修の場合の例であるが、本発明においては、踵部に限定されず、同様の構成のパッドで、靴の側面内側などのあらゆる部分の補修にも採用可能である。
【0009】
本発明における軟質弾性体2は、軟質でゴム弾性を有し長期押圧に対して永久変形しにくい材質が望ましいが、例えば独立発泡タイプのウレタン樹脂が特に適性が高く、それ以外に独立発泡のポリオレフィン樹脂やサーリン樹脂やEVA樹脂などの軟質樹脂も採用可能であり、また高強度、耐磨耗性の合成皮革などの薄い皮膜の内側に独立発泡樹脂を密着させた構成の成形品を採用すれば更に耐久性や使用感を向上できる。
【0010】
また、本発明においては、図1に示すように靴の踵の補修用として単独で販売してもよいし、例えば、図3に示すように補修部位の数箇所用に色々な大きさと形状の補修用パッド1を剥離紙4に接着した補修用セットとして販売してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明における補修用パッドの(a)は正面図、(b)は側断面図である。
【図2】本発明における補修用パッドの実際の使用状態を示す側断面図である。
【図3】本発明における補修用セットの平面図である。
【符号の説明】
【0012】
1 補修用パッド 2 軟質弾性体
3 接着剤 4 剥離紙
5 外革 6 裏革
7 クッション材 8 磨耗欠損部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中央付近が厚く、隅が薄くなった軟質弾性体を使用した補修用パッド1を被補修箇所の上に接着固定して補修することを特徴とする靴の内側の補修用パッド及びその補修方法。
【請求項2】
一方が平面状、一方が曲面状で、中央付近が厚く、隅が薄くなった軟質弾性体を使用した補修用パッド1の平面状の面に予め粘着性を有する接着剤3が塗布され、その上に剥離紙4が設けられており、剥離紙を剥がしてから被補修箇所の上に接着固定して補修することを特徴とする請求項1記載の靴の内側の補修用パッド及びその補修方法。
【請求項3】
軟質弾性体2に高強度、耐磨耗性の皮膜に軟質弾性体を密着させた構成の成形品を採用することを特徴とする請求項1、2記載の靴の内側の補修用パッド及びその補修方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate