説明

靴の製造方法

【課題】靴の上部と靴底の固着力を高める靴の製造方法を提供する。
【解決手段】環状部材230の第1の面231、第2の面232、第3の面233、第4の面234、上部側面210および上部底面220の間に溶けた樹脂物質を注ぎ込み、垂直および水平方向に交錯して形成された空間により上部200と靴底240との間の形状を形成することにより、上部200と靴底240との間において、垂直および水平方向に交錯した固着力を産み出し、靴底240が上部200と確実に固着する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、靴の製造方法に関し、特に靴の上部と靴底の固着力を高める靴の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
図1に示すように、公知の靴の製造方法においては、上部110、複数の孔140を備えた環状部材120、靴底130が使用される。前記環状部材120は上部110にミシン縫いされ、上部110の低い位置を囲い包む。さらに、ミシン縫いされ一体となった上部110と環状部材120とは、金型の中に入れられ、溶けた樹脂を環状部材120と上部110との間に注ぎ込むことにより、靴底130は上部110の底部となる。しかし、このような製造方法においては、環状部材120が一枚の平面構造であり、環状部材120と上部110との間の空間に溶けた樹脂を注ぎ込んだ後、上部110と靴底130との間の固着は一枚の平面によるものであり、固着力は安定しておらず、使用者がわずかに力を加えたり、あるいは長時間にわたり使用した場合、靴底130は上部110から剥がれやすい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、上部と靴底との間の固着力不足について、改良を加え靴の上部と靴底との間の固着が不充分で両者が剥がれやすいという欠点を解決し使用寿命を延ばす靴の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
環状部材の第1の面、第2の面、第3の面、第4の面、上部側面および上部底面の間に溶けた樹脂物質を注ぎ込み、垂直および水平方向に交錯して形成された空間により上部と靴底との間の形状を形成することにより、上部と靴底との間において、垂直および水平方向に交錯した固着力を産み出し、靴底が上部と確実に固着する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
本発明における靴の製造方法の一実施形態を、図2から図4を用いて説明する。
靴は上部側面210と上部底面220から構成される上部200、四つの面を有した環状部材230、および靴底240を有する。環状部材230の四つの面のうち第1の面231は、上部側面210の低い位置に直接あるいは間接的に接合され、前記上部200を囲い包む。第2の面232は、前記第1の面231と接続し、外側に向かって延びている。第3の面233は、前記第2の面232と接続し、下側に向かって延びている。前記第1の面231と第3の面233はお互いに平行に位置し、かついずれも第2の面232に接続している。第4の面234は、前記第3の面233と接続し、内側に向かって延びている。前記第4の面234は複数ののこぎり歯状の物体から形成されていて、かつ第2の面と平行に位置している。また、上部底面220と第4の面234との間には間隔がある。
【0006】
前記上部200と環状部材230とは接合された後、全体が図示しない金型の中に入れられ、ゴム等、溶けた後に凝固する物質により靴底240を覆い包み、前記物質は環状部材230の第1の面231、第2の面232、第3の面233、第4の面234、上部側面210および上部底面220の間の、垂直および水平に交錯し形成された空間に注ぎ込まれて凝固し、靴底240と上部200とを堅固に固着させる。
【0007】
本発明による靴の製造方法により産み出された新たな構造と優れた効果については、依然いかなる刊行物や市場に出回る既存の製品には見られないものである。さらに、公知の製靴方法により上部200と靴底240とが固着された場合に両者が剥がれやすくなるという短所を効果的に解消している。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】公知の靴の製造方法を示す分解図である。
【図2】本発明による改良された靴の製造方法を示す分解図である。
【図3】本発明による改良された靴の製造方法により完成した靴の断面図である。
【図4】本発明による改良された靴の製造方法により完成した靴の斜視図である。
【符号の説明】
【0009】
110:公知の技術による上部、120:公知の技術による環状部材、130:公知の技術による靴底、140:公知の技術による孔、200:上部、210:上部側面、220:上部底面、230:環状部材、231:第1の面、232:第2の面、233:第3の面、234:第4の面、240:靴底

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部側面と上部底面とを有する上部と、
第1の面、第2の面、第3の面および第4の面を有し、前記第2の面と前記第1の面とは接続し、かつ外側に向かって延びていて、前記第3の面と前記第2の面とは接続し、かつ下側に向かって延びていて、前記第4の面と前記第3の面とは接続し、かつ内側に向かって延びていて、前記第2の面は複数の孔を有する、環状部材と、
前記環状部材の第1の面、第2の面、第3の面、第4の面、前記上部側面および前記上部底面の間に樹脂物質を注ぎ込み凝固させることにより、垂直および水平方向に交錯した形状を形成するための空間を有する、前記環状部材および上部底面を覆う靴底と、
を備えることを特徴とする靴の製造方法。
【請求項2】
前記第4の面は、複数ののこぎり歯状の物体から形成されていることを特徴とする請求項1記載の靴の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−110211(P2008−110211A)
【公開日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−274800(P2007−274800)
【出願日】平成19年10月23日(2007.10.23)
【出願人】(506426122)
【Fターム(参考)】