説明

高靱性セラミック複合材料

炭化ケイ素焼結体の形成方法は、約3重量%未満の酸素含有率を有し、約8m/g〜約15m/gの範囲の表面積を有する炭化ケイ素粉末を、炭化ホウ素粉末および炭素焼結助剤と混合して炭化ケイ素素地を形成する工程を含む。あるいは、炭化ケイ素焼結体の製造方法は、炭化ケイ素粉末を、約5nm〜約100nmの範囲の平均粒径を有する炭化チタン粉末とおよび炭素焼結助剤と混合して炭化ケイ素素地を形成する工程を含む。別の代替手段においては、炭化ケイ素焼結体の形成方法は、炭化ケイ素粉末を、炭化ホウ素粉末、炭化チタン粉末、および炭素焼結助剤と混合して炭化ケイ素素地を形成する工程を含む。焼結後に、炭化ケイ素体は、炭化ケイ素の理論密度の少なくとも98%の密度を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2009年7月24日出願の米国仮特許出願第61/271,738号明細書の優先権を主張するものである。
【0002】
上記出願の教示全体は、参照により本明細書に援用される。
【背景技術】
【0003】
セラミック材料は、金属と比較してより軽量であるために、アーマープレート用途向けに好適である。炭化ケイ素の優れた機械的、熱的、および弾道学的特性は、それをアーマープレート部材にとって良い選択肢とする。しかし、その比較的低い破壊靱性のために、炭化ケイ素は、マルチショット機能、アーマープレート用途での重要な要件においてチップ化損傷および破損を受けやすい。それ故、アーマープレート用途向けセラミック材料のさらなる向上が必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は概して、炭化ケイ素素地、および炭化ケイ素素地からの高靱性セラミック複合材料の形成方法を指向する。一実施形態においては、炭化ケイ素素地は、約3重量%未満の酸素含有率を有し、約8m/g〜約15m/gの範囲の表面積を有する炭化ケイ素粉末と、炭化ホウ素粉末と、炭素焼結助剤とを含む。別の実施形態においては、炭化ケイ素素地は、約3重量%未満の酸素含有率を有し、約8m/g〜約15m/gの範囲の表面積を有する炭化ケイ素粉末と、約5nm〜約100nmの範囲の平均粒径を有する炭化チタン粉末と、炭素焼結助剤とを含む。その上別の実施形態においては、炭化ケイ素素地は、約3重量%未満の酸素含有率を有し、約8m/g〜約15m/gの範囲の表面積を有する炭化ケイ素粉末と、炭化ホウ素粉末と、約5nm〜約100nmの範囲の平均粒径を有する炭化チタン粉末と、炭素焼結助剤とを含む。
【0005】
別の実施形態においては、炭化ケイ素焼結体の形成方法は、約3重量%未満の酸素含有率を有し、約8m/g〜約15m/gの範囲の表面積を有する炭化ケイ素粉末を、炭化ホウ素粉末および炭素焼結助剤と混合して未熟成混合物を形成する工程を含む。本方法は、未熟成混合物を造形して炭化ケイ素素地にする工程と、炭化ケイ素素地を、約2125℃〜約2250℃の範囲の温度で約2時間〜約4時間の間それが実質的に不活性である雰囲気中で焼結してそれによって炭化ケイ素の理論密度の少なくとも98%の密度を有する炭化ケイ素焼結体を形成する工程とをさらに含む。ある種の実施形態においては、炭化ホウ素は、約10重量%〜約40重量%の範囲の量で未熟成混合物中に存在することができる。炭化ホウ素粉末は約6m/g〜約18m/gの範囲の表面積を有することができる。ある種の実施形態においては、炭素焼結助剤は、少なくとも一部は、カーボンブラックとして、未熟成混合物中に存在することができる。その他の実施形態においては、炭素焼結助剤は、少なくとも一部は、フェノール樹脂として、未熟成混合物中に存在することができる。ある実施形態においては、炭素焼結助剤は、約2重量%〜約8重量%の範囲の量で未熟成混合物中に存在することができる。
【0006】
さらに別の実施形態においては、炭化ケイ素焼結体の製造方法は、約3重量%未満の酸素含有率を有し、約8m/g〜約15m/gの範囲の表面積を有する炭化ケイ素粉末を、約5nm〜約100nmの範囲の平均粒径を有する炭化チタン粉末および炭素焼結助剤と混合して未熟成混合物を形成する工程を含む。本方法は、未熟成混合物を造形して炭化ケイ素素地にする工程と、炭化ケイ素素地を、約2125℃〜約2250℃の範囲の温度で約2時間〜約4時間の間それが実質的に不活性である雰囲気中で焼結してそれによって炭化ケイ素の理論密度の少なくとも98%の密度を有する焼結体を形成する工程とをさらに含む。炭化チタン粉末の平均粒径は約17nm〜約25nmの範囲にあることができる。ある実施形態においては、炭化チタンは、約1重量%〜約3重量%の範囲で未熟成混合物中に存在することができる。ある実施形態においては、炭素焼結助剤は、少なくとも一部は、カーボンブラックとして、未熟成混合物中に存在することができる。その他の実施形態においては、炭素焼結助剤は、少なくとも一部は、フェノール樹脂として、未熟成混合物中に存在することができる。この炭素は、約2重量%〜約8重量%の範囲の量で未熟成混合物中に存在することができる。
【0007】
その上別の実施形態においては、炭化ケイ素焼結体の形成方法は、約3重量%未満の酸素含有率を有し、約8m/g〜約15m/gの範囲の表面積を有する炭化ケイ素粉末を、約5nm〜約100nmの範囲の平均粒径を有する炭化チタン粉末および炭素焼結助剤と混合して未熟成混合物を形成する工程を含む。本方法は、未熟成混合物を造形して炭化ケイ素素地にする工程と、炭化ケイ素素地を、約2125℃〜約2250℃の範囲の温度で約2時間〜約4時間の間それが実質的に不活性である雰囲気中で焼結して、それによって炭化ケイ素の理論密度の少なくとも98%の密度を有する炭化ケイ素焼結体を形成する工程とをさらに含む。
【0008】
本発明は、セラミック部材の向上した破壊靱性および向上した硬度などの、多くの利点を有し、軍隊および警察の保護のためのより軽量のアーマープレート部材の製造を可能にする。
【0009】
前述のことは、添付図面において例示されるような、本発明の例証実施形態についての以下のより詳しい説明から明らかであろう。これらの図面は必ずしも一定の縮尺ではなく、代わりに本発明の実施形態を例示することに重点が置かれている。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】3.01g/ccの密度(98.4%TD)、20.9GPaの硬度、および2.64MPa−m1/2の破壊靱性を有した、約20重量%BC入り炭化ケイ素焼結体の写真である。
【図2】3.18g/ccの密度(98.4%TD)、24.86GPaの硬度、3.63〜4.2MPa−m1/2の破壊靱性、および44μmの最大粒長を有した、約1重量%ナノ−TiC入り炭化ケイ素焼結体の写真である。
【図3】3.04g/ccの密度(99.21%TD)、27.52GPaの硬度、3.71MPa−m1/2の破壊靱性、および25.6μmの最大粒長を有した、約1重量%ナノ−TiCおよび約20重量%BC入り炭化ケイ素焼結体の写真である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の例証実施形態の説明は以下のとおりである。
【0012】
一実施形態においては、炭化ケイ素素地は、約3重量%未満の酸素含有率を有し、約8m/g〜約15m/gの範囲の表面積を有する炭化ケイ素粉末と、炭化ホウ素粉末と、炭素焼結助剤とを含む。別の実施形態においては、炭化ケイ素素地は、約3重量%未満の酸素含有率を有し、約8m/g〜約15m/gの範囲の表面積を有する炭化ケイ素粉末と、約5nm〜約100nmの範囲の平均粒径を有する炭化チタン粉末と、炭素焼結助剤とを含む。その上別の実施形態においては、炭化ケイ素素地は、約3重量%未満の酸素含有率を有し、約8m/g〜約15m/gの範囲の表面積を有する炭化ケイ素粉末と、炭化ホウ素粉末と、約5nm〜約100nmの範囲の平均粒径を有する炭化チタン粉末と、炭素焼結助剤とを含む。さらに別の実施形態においては、炭化ケイ素素地は、約3重量%未満の酸素含有率を有し、約8m/g〜約15m/gの範囲の表面積を有する炭化ケイ素粉末と、炭化ホウ素粉末と、カーボンナノチューブ粉末と、炭素焼結助剤とを含む。炭化ホウ素は、約10重量%〜約40重量%の範囲の、好ましくは約20重量%の量で存在する。炭化ホウ素粉末は約6m/g〜約18m/gの範囲の表面積を有する。炭化チタン粉末は、約5nm〜約100nmの範囲の、好ましくは約17nm〜約25nmの範囲の平均粒径を有する。炭化チタンは、約1重量%〜約3重量%の範囲の量で、好ましくは約1重量%の量で存在する。カーボンナノチューブ粉末は、約1重量%〜約5重量%、好ましくは約1重量%〜約3重量%の範囲の量で存在することができる。炭素焼結助剤は、少なくとも一部はフェノール樹脂として存在することができる。あるいは、炭素焼結助剤は、少なくとも一部はカーボンブラックとして存在することができる。炭素焼結助剤は、約2重量%〜約8重量%の範囲の、好ましくは約3重量%の量で存在する。
【0013】
別の実施形態においては、炭化ケイ素焼結体の形成方法は、約1.5重量%の酸素含有率を有し、約10m/gの表面積および約0.8μmの平均粒径(D50)を有する炭化ケイ素粉末を、炭化ホウ素粉末および炭素と混合して未熟成混合物を形成する工程を含む。約8より大きいpHでの約50重量%固形分のBCの水性懸濁液が、約9.5のpHでの約50重量%固形分の炭化ケイ素懸濁液に加えられ、高剪断で十分に混合される。次に、フェノール樹脂またはカーボンブラックの形態での、約2〜8重量%、好ましくは約3重量%炭素焼結助剤が、組み合わせられたSiC/BC懸濁液に高剪断下に加えられる。このスラリーは次に噴霧乾燥されるかまたは凍結乾燥される。本方法は、未熟成混合物をダイプレスすることによってまたは約15,000lb/in(15KSI)〜約30KSIの範囲の圧力で冷間静水圧プレスすること(CIP)によって、造形して炭化ケイ素素地にする工程をさらに含む。炭化ケイ素素地は次に、黒鉛またはSiC坩堝中で、約2125℃〜2250℃の範囲の温度、好ましくは約2150℃で、約2時間〜約4時間の間、好ましくは3時間、それが実質的に不活性である雰囲気、好ましくはアルゴン雰囲気中で焼結されて、それによって炭化ケイ素の理論密度の少なくとも98%の密度を有する炭化ケイ素焼結体を形成する。ある種の実施形態においては、炭化ホウ素は、約10重量%〜約40重量%の範囲の、好ましくは約20重量%の量で未熟成混合物中に存在することができる。炭化ホウ素粉末は、約0.5μmの粒径(D50)で約6m/g〜約18m/gの範囲の、好ましくは約15m/gの表面積を有することができる。例が図1に示される。
【0014】
さらに別の実施形態においては、炭化ケイ素焼結体の製造方法は、約1.5重量%の酸素含有率を有し、10m/gの表面積および約0.8μmの平均粒径(D50)を有する炭化ケイ素粉末を、約5nm〜約100nmの範囲の、好ましくは約17nm〜約25nmの範囲の平均粒径を有する炭化チタン粉末、および炭素焼結助剤と混合して未熟成混合物を形成する工程を含む。好適な炭化チタン粉末(ナノ−TiC)は、たとえば、SDC Materials,Inc.(Tempe,AZ)から入手することができる。2008年11月13日に米国特許出願公開第2008/0277270号明細書として公開された、Bibergerらの米国特許出願第12/152,096号明細書を参照されたい。pH7.4での、1〜3重量%、好ましくは約1重量%ナノ−TiCの十分に混合された水性懸濁液が、pH9.5での、約50重量%固形分を含有する、SiCの十分に分散された水性懸濁液に加えられる。炭化ケイ素粉末は典型的には、上記のものと同じ仕様を有する。添加後、複合材料スラリーは約30分間超音波処理される。次に、約2〜8重量%、好ましくは約3重量%炭素焼結助剤が、フェノール樹脂またはカーボンブラック、好ましくはフェノール樹脂の形態で加えられ、混合物は、高剪断ミキサーを用いて十分に混合される。この混合物は次に、未熟成混合物を形成するために上記の通り噴霧乾燥されるか、凍結乾燥されるかのどちらかである。
【0015】
本方法は、上記の方法を用いて、未熟成混合物を造形して炭化ケイ素素地にする工程と、炭化ケイ素素地を黒鉛または炭化ケイ素坩堝中で、約2125℃〜2250℃の範囲の温度で、好ましくは約2150℃〜2200℃の範囲の温度で、より好ましくは約2150℃の温度で、約1時間〜約4時間の間、好ましくは約1時間、それが実質的に不活性である雰囲気、好ましくはアルゴン雰囲気中で焼結して、それによって炭化ケイ素の理論密度の少なくとも98%の密度を有する炭化ケイ素焼結体を形成する工程とをさらに含む。例が図2に示される。
【0016】
その上別の実施形態においては、炭化ケイ素焼結体の形成方法は、約1.5重量%の酸素含有率を有し、約10m/gの表面積および約0.8μmの平均粒径(D50)を有する炭化ケイ素粉末を、炭化ホウ素粉末、炭化チタン粉末、および炭素焼結助剤と混合して未熟成混合物を形成する工程を含む。炭化ケイ素粉末、炭化ホウ素粉末、およびナノ−TiC粉末に対する仕様は、それぞれの粉末について上に記載されたものと同じものである。この3成分混合物を製造するために、先ず、ナノ−TiCスラリーが上記のようなSiC懸濁液に分散される。次に、約8より大きいpHのBCの水性分散液が、約10〜40重量%、好ましくは約20重量%BCを達成するためにこのスラリーに加えられる。上に記されたものと同じ造形手順後に、炭化ケイ素素地は、黒鉛坩堝中で、約2125℃〜2250℃の範囲の温度、好ましくは約2150℃で、約1時間〜約4時間の間、好ましくは約3時間、それが実質的に不活性である雰囲気、好ましくはアルゴン雰囲気中で焼結されて、それによって炭化ケイ素の理論密度の少なくとも98%の密度を有する炭化ケイ素焼結体を形成する。例が図3に示される。
【0017】
さらに別の実施形態においては、炭化ケイ素焼結体の形成方法は、約1.5重量%の酸素含有率を有し、約10m/gの表面積および約0.8μmの平均粒径(D50)を有する炭化ケイ素粉末を、炭化ホウ素粉末、カーボンナノチューブ粉末、および炭素焼結助剤と混合して未熟成混合物を形成する工程を含む。炭化ケイ素粉末および炭化ホウ素粉末に対する仕様は、それぞれの粉末について上に記載されたものと同じものである。カーボンナノチューブ粉末に対する仕様は、上記のナノ−TiC粉末に対する仕様と同じものである。この3成分混合物を製造するために、先ず、カーボンナノチューブスラリーが、ナノ−TiCスラリーについて上に記載されたようにSiC懸濁液に分散される。次に、約8より大きいpHでのBCの水性分散液が、約10〜40重量%、好ましくは約20重量%BCを達成するためにこのスラリーに加えられる。上記のものと同じ造形手順後に、炭化ケイ素素地は、黒鉛坩堝中で、約2125℃〜2250℃の範囲の温度、好ましくは約2150℃で、約1時間〜約4時間の間、好ましくは約3時間、それが実質的に不活性である雰囲気、好ましくはアルゴン雰囲気中で焼結されて、それによって炭化ケイ素の理論密度の少なくとも98%の密度を有する炭化ケイ素焼結体を形成する。
【実施例】
【0018】
1.5重量%酸素含有率SiCの水性懸濁液を9.5のpHで調製した。スラリーを30分間超音波処理し、次に、17〜25nmのTiCの十分に分散された(pH約7.5)懸濁液をこのスラリーに加えた。高剪断混合後に、低酸素炭化ホウ素粉末をこの懸濁液に加え、高剪断を用いてさらに混合した。低酸素炭化ホウ素粉末は、2008年8月7日出願の、米国特許出願第12/221,916号明細書の手順に従って調製された。最後に、10重量%フェノール樹脂を、熱分解後に4重量%炭素焼結助剤をもたらすようにこの懸濁液に加えた。そのように調製された懸濁液は、約55重量%の固形分(粉末)を含有し、ここで、SiC、BCおよびナノ−TiC割合はそれぞれ、79重量%、20重量%および1重量%である。このスラリーを噴霧乾燥して約80〜100μmサイズ顆粒を得た。噴霧乾燥粉末を18KSIでプレスして圧粉体を形成した。
【0019】
4重量%炭素焼結助剤(フェノール樹脂として)を含有する低酸素含有率(1.5重量%未満)、8m/g表面積SiC粉末と、微細な(約1μm)20重量%炭化ホウ素と1重量%ナノ−TiC(17〜25nm)とから製造された、62%TDにプレスされた、この圧粉体(炭化ケイ素素地)を、約2180℃で約3時間、アルゴンガス環境中で焼結した。焼結後にこの圧粉体は、99%超のTDの密度に達した。焼結微細構造体は、図1および3に示されるように、SiCマトリックス中に十分に分散されたBCおよびナノ−TiC粒子を示した。
【0020】
別々に20%BCまたは1重量%nTiCかのどちらかを含有するSiCマトリックスは、ベースライン炭化ケイ素を上回って測定破壊靱性においてそれぞれ20%および60%向上を示した。しかし、SiC/BC複合材料系の場合、硬度の最大で15%までの損失が注目される。SiCへのナノ−TiC添加は、硬度の損失なしに、しかしアーマー用途にとって決定的に重要な特性である全体重量の増加という代償を払って向上した破壊靱性をもたらす。SiCマトリックス中の第2相微粒子の両方(BCおよびナノ−TiC)を組み合わせることによって、焼結密度、破壊靱性、および硬度の向上を、いかなる重量ペナルティもなしに実現することができる。事実、この新規な複合材料系は、防弾チョッキ系にとって重要な因子である重量の最大7%までの減少を提供する。
【0021】
上記の方法に従って製造される焼結複合材料の特性のまとめは、表1に示され、標準Hexology(SA)および熱圧プレス材料と比較される。
【0022】
【表1】

【0023】
本明細書に引用されるすべての特許、公開出願および参考文献の教示は、それらの全体が参照により援用される。
【0024】
均等物
本発明は、その例証実施形態に関して具体的に示され、記載されてきたが、形態および詳細の様々な変更が添付のクレームによって包含される本発明の範囲から逸脱することなくその中で行われ得ることは、当業者によって理解されるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
約3重量%未満の酸素含有率を有し、約8m/g〜約15m/gの範囲の表面積を有する炭化ケイ素粉末と;
炭化ホウ素粉末と;
炭素焼結助剤と
を含む炭化ケイ素素地。
【請求項2】
炭化ホウ素が約10重量%〜約40重量%の範囲の量で存在する、請求項1に記載の炭化ケイ素素地。
【請求項3】
前記炭化ホウ素粉末が約6m/g〜約18m/gの範囲の表面積を有する、請求項1に記載の炭化ケイ素素地。
【請求項4】
炭素焼結助剤が少なくとも一部はフェノール樹脂およびカーボンブラックの1種として存在する、請求項1に記載の炭化ケイ素素地。
【請求項5】
炭素焼結助剤が約2重量%〜約8重量%の範囲の量で存在する、請求項1に記載の炭化ケイ素素地。
【請求項6】
約3重量%未満の酸素含有率を有し、約8m/g〜約15m/gの範囲の表面積を有する炭化ケイ素粉末と;
約5nm〜約100nmの範囲の平均粒径を有する炭化チタン粉末と;
炭素焼結助剤と
を含む炭化ケイ素素地。
【請求項7】
約3重量%未満の酸素含有率を有し、約8m/g〜約15m/gの範囲の表面積を有する炭化ケイ素粉末と;
炭化ホウ素粉末と;
約5nm〜約100nmの範囲の平均粒径を有する炭化チタン粉末と;
炭素焼結助剤と
を含む炭化ケイ素素地。
【請求項8】
炭化ホウ素が約10重量%〜約40重量%の範囲の量で存在する、請求項7に記載の炭化ケイ素素地。
【請求項9】
前記炭化ホウ素粉末が約6m/g〜約18m/gの範囲の表面積を有する、請求項7に記載の炭化ケイ素素地。
【請求項10】
炭化チタンが約1重量%〜約3重量%の範囲の量で存在する、請求項7に記載の炭化ケイ素素地。
【請求項11】
炭素焼結助剤が少なくとも一部はフェノール樹脂およびカーボンブラックの1種として存在する、請求項7に記載の炭化ケイ素素地。
【請求項12】
炭素焼結助剤が約2重量%〜約8重量%の範囲の量で存在する、請求項7に記載の炭化ケイ素素地。
【請求項13】
約3重量%未満の酸素含有率を有し、約8m/g〜約15m/gの範囲の表面積を有する炭化ケイ素粉末を、炭化ホウ素粉末および炭素焼結助剤と混合して未熟成混合物を形成する工程と;
前記未熟成混合物を造形して炭化ケイ素素地にする工程と;
前記炭化ケイ素素地を、約2125℃〜約2250℃の範囲の温度で約2時間〜約4時間の間それが実質的に不活性である雰囲気中で焼結して、それによって炭化ケイ素の理論密度の少なくとも98%の密度を有する炭化ケイ素焼結体を形成する工程と
を含む炭化ケイ素物焼結体の形成方法。
【請求項14】
炭化ホウ素が約10重量%〜約40重量%の範囲の量で前記未熟成混合物中に存在する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記炭化ホウ素粉末が約6m/g〜約18m/gの範囲の表面積を有する、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
炭素焼結助剤が少なくとも一部はフェノール樹脂およびカーボンブラックの1種として前記未熟成混合物中に存在する、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
炭素焼結助剤が約2重量%〜約8重量%の範囲の量で前記未熟成混合物中に存在する、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
約3重量%未満の酸素含有率を有し、約8m/g〜約15m/gの範囲の表面積を有する炭化ケイ素粉末を、約5nm〜約100nmの範囲の平均粒径を有する炭化チタン粉末および炭素焼結助剤と混合して未熟成混合物を形成する工程と;
前記未熟成混合物を造形して炭化ケイ素素地にする工程と;
前記炭化ケイ素素地を、約2125℃〜約2250℃の範囲の温度で約2時間〜約4時間の間それが実質的に不活性である雰囲気中で焼結して、それによって炭化ケイ素の理論密度の少なくとも98%の密度を有する炭化ケイ素焼結体を形成する工程と
を含む炭化ケイ素物焼結体の製造方法。
【請求項19】
約3重量%未満の酸素含有率を有し、約8m/g〜約15m/gの範囲の表面積を有する炭化ケイ素粉末を、炭化ホウ素粉末、約5nm〜約100nmの範囲の平均粒径を有する炭化チタン粉末、および炭素焼結助剤と混合して未熟成混合物を形成する工程と;
前記未熟成混合物を造形して炭化ケイ素素地にする工程と;
前記炭化ケイ素素地を、約2125℃〜約2250℃の範囲の温度で約2時間〜約4時間の間それが実質的に不活性である雰囲気中で焼結して、それによって炭化ケイ素の理論密度の少なくとも98%の密度を有する炭化ケイ素焼結体を形成する工程と
を含む炭化ケイ素物焼結体の形成方法。
【請求項20】
炭化ホウ素が約10重量%〜約40重量%の範囲の量で前記未熟成混合物中に存在する、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記炭化ホウ素粉末が約6m/g〜約18m/gの範囲の表面積を有する、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
炭化チタンが約1重量%〜約3重量%の範囲の量で前記未熟成混合物中に存在する、請求項19に記載の方法。
【請求項23】
炭素焼結助剤が少なくとも一部はフェノール樹脂およびカーボンブラックの1種として前記未熟成混合物中に存在する、請求項19に記載の方法。
【請求項24】
炭素焼結助剤が約2重量%〜約8重量%の範囲の量で前記未熟成混合物中に存在する、請求項19に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2013−500226(P2013−500226A)
【公表日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−521782(P2012−521782)
【出願日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際出願番号】PCT/US2010/042905
【国際公開番号】WO2011/011601
【国際公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【出願人】(593150863)サン−ゴバン セラミックス アンド プラスティクス,インコーポレイティド (139)
【Fターム(参考)】