説明

1−ナフトール類の製造方法

【課題】脱水素反応により、置換基の脱離等の深刻な副反応を起こすことなく、1−テトラロン化合物から対応する1−ナフトール化合物を簡便に効率良く製造する方法を提供する。
【解決手段】1−テトラロン、6−メトキシ−1−テトラロン等の置換又は無置換の1−テトラロン化合物を、パラジウム触媒及びマレイン酸エステル類、環状α−アルケノン類、けい皮酸エステル類等のオレフィン化合物の存在下に、脱水素させて、1−ナフトール、6−メトキシ―1−ナフトール等の置換又は無置換の1−ナフトール化合物を製造する方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1−テトラロン化合物を脱水素することにより、副生してくる水素による影響を受けることなく対応するα−ナフトール類(以下、本明細書中では「1−ナフトール化合物」という表記で代表させる。)を選択的に製造する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、1−ナフトール化合物を製造する方法の一つとして、1−テトラロン化合物を脱水素する方法が知られており、特に脱水素剤としてパラジウムカーボン等の貴金属触媒を用いる方法が、簡便で有用な方法として用いられている(特許文献1参照)。しかし、この方法では、使用している貴金属触媒と、反応の進行に伴い系内にて発生する水素の作用によって、原料である1−テトラロン化合物がナフタレン化合物等の望ましくない副生成物となってしまうことにより、収率良く目的物である1−ナフトール化合物が得られない。また、原料である1−テトラロン化合物が、使用している貴金属触媒存在下で水素により還元されうる置換基を有している場合にも、同様の理由から目的物収率の著しい低下が容易に予測できる。また、反応系内にマレイン酸等の化合物を共存させることにより反応条件を穏やかにする方法も知られているが(非特許文献1参照)、当該文献には、前記の如き、反応の進行に伴い系内にて発生する水素の作用による不利益を回避するためには如何なる化合物が有効であるかについては記載も示唆もない。
【0003】
【特許文献1】米国公開特許公報 US2001/0056179A1
【非特許文献1】「新実験化学講座」、第15巻〔I−2〕、第1088−1093頁、昭和51年9月30日、丸善株式会社発行
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の技術の持つ欠点を解決した、脱水素反応により、置換基の脱離等の深刻な副反応を起こすことなく、1−テトラロン化合物から対応する1−ナフトール化合物を簡便に効率良く製造する方法が望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記のような状況に鑑み、本発明者がナフトール化合物を簡便に効率良く製造する方法について鋭意研究を重ねた結果、意外にも、パラジウム触媒及び、副生してくる水素と反応しうるオレフィン化合物の存在下、1−テトラロン化合物を脱水素することにより、上記課題を解決でき、簡便に効率良く1−ナフトール化合物を製造しうることを見出し、この知見に基づき本発明を完成するに至った。
【発明の効果】
【0006】
本発明方法により、1−ナフトール化合物を簡便に効率良く製造する方法が提供される。本発明方法によれば、パラジウム触媒及び副生してくる水素と反応しうるオレフィン化合物の存在下で、1−テトラロン化合物を脱水素させることにより、ナフタレン化合物等の望ましくない副生成物の生成を効率的に抑制し、また、特殊な反応装置を用いることなく穏やかな条件下で、目的とする1−ナフトール化合物を高選択的に効率良く、しかも簡便な操作で製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0008】
本発明は、下記〔1〕乃至〔6〕に記載の発明を提供する事により、前記課題を解決したものである。
【0009】
〔1〕一般式(1)
【0010】
【化1】

【0011】
(式中、R、R、R、R、R、R及びRはそれぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、アルキル基、環状アルキル基、トリアルキルシリル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、トリアルキルシリロキシ基、ヒドロキシアルキル基、アルコキシアルキル基、アルキルカルボニル基、置換基を有していても良いアリールカルボニル基、置換基を有していても良いヘテロアリールカルボニル基、カルボキシル基又はその金属塩、アルコキシカルボニル基、置換基を有していても良いアリールオキシカルボニル基、置換基を有していても良いヘテロアリールオキシカルボニル基、置換基を有しても良いアリール基、置換基を有しても良いアリールオキシ基、置換基を有しても良いヘテロアリールオキシ基又は置換基を有しても良いヘテロアリール基を示し、またR、R、R、R、R、R及びRの何れか2つが結合することにより全体として縮合環を形成してもよい。)
【0012】
で表される1−テトラロン化合物を、パラジウム触媒及び一般式(2)又は一般式(3)
【0013】
【化2】

【0014】
(式中、R、R12及びR13はそれぞれ独立して、水素原子又は炭素数1から3のアルキル基を示し、Rは置換基を有していても良い炭素数1から12のアルキル基又は置換基を有していても良いアリール基を示し、R10及びR11はそれぞれ独立して、トリフルオロメチル基、アシル基、置換基を有していても良いアリール基、置換基を有していても良いヘテロアリール基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ヘテロアリールスルホニル基、アルキルスルホニルオキシ基、アリールスルホニル基、ヘテロアリールスルホニル基、又は一価基(A)
【0015】
【化3】

【0016】
(式中、R14は置換基を有していても良い炭素数1から12のアルキル基又は置換基を有していても良いアリール基を示す。)
【0017】
を示し、nは0から3の整数を示す。)
【0018】
で表されるオレフィン化合物の少なくとも1種の存在下に脱水素させることを特徴とする、一般式(4)
【0019】
【化4】

【0020】
(式中、R、R、R、R、R、R及びRはそれぞれ独立して一般式(1)と同じ意味を示す。)
【0021】
で表される1−ナフトール化合物の製造方法。
【0022】
〔2〕パラジウム触媒が炭素、アルミナ、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト及びハイドロタルサイトから選ばれた少なくとも一種の担体に担持された不均一触媒である、〔1〕記載の1−ナフトール化合物の製造方法。
【0023】
〔3〕パラジウム触媒がパラジウムカーボンである、〔1〕又は〔2〕記載の1−ナフトール化合物の製造方法。
【0024】
〔4〕一般式(2)又は(3)で表されるオレフィン化合物が、マレイン酸ジエステル、フマル酸ジエステル及びイソホロンから選ばれた少なくとも一種である、〔1〕乃至〔3〕の何れか1項に記載の1−ナフトール化合物の製造方法。
【0025】
〔5〕一般式(1)で表される1−テトラロン化合物のR、R及びRが全て水素である、〔1〕乃至〔4〕の何れか1項に記載の1−ナフトール化合物の製造方法。
【0026】
〔6〕一般式(1)で表される1−テトラロン化合物が、1−テトラロン又は6−アルコキシ−1−テトラロンである、〔1〕乃至〔5〕の何れか1項に記載の1−ナフトール化合物の製造方法。
【0027】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0028】
本発明方法は、一般式(1)で表される1−テトラロン化合物を、貴金属触媒及び副生してくる水素と反応しうる前記一般式(2)又は一般式(3)で表される共存化合物の存在下で脱水素させることを特徴とする、一般式(4)で表される1−ナフトール化合物の製造方法である。
【0029】
まず、本発明方法の原料として用いる、一般式(1)で表される1−テトラロン化合物(原料化合物)について説明する。
【0030】
一般式(1)中のR、R、R、R、R、R及びRは、それぞれ独立して、
水素原子;

フッ素原子;

例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基等の、直鎖又は分岐の炭素数1から6(本明細書においては、以下、炭素数については、例えば炭素数1から6の場合にはこれを「C1〜C6」の如く略記する。)C1〜C6アルキル基
(該アルキル基は、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の、環状C1〜C6アルキル基;例えば、トリメチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基等の、トリ(直鎖又は分岐C1〜C6アルキル)シリル基;例えば、トリメチルシリロキシ基、t−ブチルジメチルシリロキシ基等の、トリ(直鎖又は分岐C1〜C6アルキル)シリロキシ基;例えば、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基等の、直鎖又は分岐C1〜C6アルキルアミノ基;例えば、メチルカルボニルアミノ基、エチルカルボニルアミノ基等の、直鎖又は分岐C1〜C6アルキルカルボニルアミノ基;例えば、メチルカルボニル基、エチルカルボニル基等の、直鎖又は分岐C1〜C6アルキルカルボニル基;カルボキシル基又はその金属塩;例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等の、直鎖又は分岐C1〜C6アルコキシカルボニル基;アミノカルボニル基;例えば、メチルアミノカルボニル基、エチルアミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基等の、直鎖又は分岐C1〜C6アルキルアミノカルボニル基;フェニル基、ナフチル基等のアリール基;フェノキシ基、ナフチルオキシ基等のアリールオキシ基、;ピリジル基、チエニル基、フラニル基等のヘテロアリール基等の置換基を有していても良い。);

フェニル基、ナフチル基等のアリール基
(該アリール基は、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基等の、直鎖又は分岐C1〜C6アルキル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の、環状C1〜C6アルキル基;例えば、トリメチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基等の、トリ(直鎖又は分岐C1〜C6アルキル)シリル基;ヒドロキシ基;例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基等の、直鎖又は分岐C1〜C6アルコキシ基;例えば、トリメチルシリロキシ基、t−ブチルジメチルシリロキシ基等の、トリ(直鎖又は分岐C1〜C6アルキル)シリロキシ基;例えば、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基等の、直鎖又は分岐C1〜C6ヒドロキシアルキル基;例えば、メトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基等の、直鎖又は分岐(C1〜C6アルコキシ)−(C1〜C6アルキル)基;例えば、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基等の、直鎖又は分岐C1〜C6ハロアルキル基;例えば、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基等の、直鎖又は分岐C1〜C6アルキルアミノ基;例えば、メチルカルボニルアミノ基、エチルカルボニルアミノ基等の、直鎖又は分岐C1〜C6アルキルカルボニルアミノ基;例えば、メチルカルボニル基、エチルカルボニル基等の、直鎖又は分岐C1〜C6アルキルカルボニル基;カルボキシル基又はその金属塩;例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等の、直鎖又は分岐C1〜C6アルコキシカルボニル基;アミノカルボニル基;例えば、メチルアミノカルボニル基、エチルアミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基等の、直鎖又は分岐C1〜C6アルキルアミノカルボニル基;フェニル基、ナフチル基等のアリール基;フェノキシ基、ナフチルオキシ基等のアリールオキシ基;ピリジル基、チエニル基、フラニル基等のヘテロアリール基等の置換基を有していても良い。);

例えば、ピリジル基、チエニル基、フラニル基等のヘテロアリール基
(該ヘテロアリール基は、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基等の、直鎖又は分岐C1〜C6アルキル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の、環状C1〜C6アルキル基;例えば、トリメチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基等の、トリ(直鎖又は分岐C1〜C6アルキル)シリル基;ヒドロキシ基;例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基等の、直鎖又は分岐C1〜C6アルコキシ基;例えば、トリメチルシリロキシ基、t−ブチルジメチルシリロキシ基等の、トリ(直鎖又は分岐C1〜C6アルキル)シリロキシ基;例えば、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基等の、直鎖又は分岐C1〜C6ヒドロキシアルキル基;例えば、メトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基等の、直鎖又は分岐(C1〜C6アルコキシ)−(C1〜C6アルキル)基;例えば、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基等の、直鎖又は分岐C1〜C6ハロアルキル基;例えば、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基等の、直鎖又は分岐C1〜C6アルキルアミノ基;例えば、メチルカルボニルアミノ基、エチルカルボニルアミノ基等の、直鎖又は分岐C1〜C6アルキルカルボニルアミノ基;例えば、メチルカルボニル基、エチルカルボニル基等の、直鎖又は分岐C1〜C6アルキルカルボニル基;カルボキシル基又はその金属塩;例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等の、直鎖又は分岐C1〜C6アルコキシカルボニル基;アミノカルボニル基;例えば、メチルアミノカルボニル基、エチルアミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基等の、直鎖又は分岐C1〜C6アルキルアミノカルボニル基;フェニル基、ナフチル基等のアリール基;フェノキシ基、ナフチルオキシ基等のアリールオキシ基;ピリジル基、チエニル基、フラニル基等のヘテロアリール基等の置換基を有していても良い。);

フェノキシ基、ナフチルオキシ基等の、アリール部分が前記意味を有するアリールオキシ基
(該アリールオキシ基は、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基等の、直鎖又は分岐C1〜C6アルキル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の、環状C1〜C6アルキル基;例えば、トリメチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基等の、トリ(直鎖又は分岐C1〜C6アルキル)シリル基;ヒドロキシ基;例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基等の、直鎖又は分岐C1〜C6アルコキシ基;例えば、トリメチルシリロキシ基、t−ブチルジメチルシリロキシ基等の、トリ(直鎖又は分岐C1〜C6アルキル)シリロキシ基;例えば、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基等の、直鎖又は分岐C1〜C6ヒドロキシアルキル基;例えば、メトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基等の、直鎖又は分岐(C1〜C6アルコキシ)−(C1〜C6アルキル)基;例えば、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基等の、直鎖又は分岐C1〜C6ハロアルキル基;例えば、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基等の、直鎖又は分岐C1〜C6アルキルアミノ基;例えば、メチルカルボニルアミノ基、エチルカルボニルアミノ基等の、直鎖又は分岐C1〜C6アルキルカルボニルアミノ基;例えば、メチルカルボニル基、エチルカルボニル基等の、直鎖又は分岐C1〜C6アルキルカルボニル基;カルボキシル基又はその金属塩;例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等の、直鎖又は分岐C1〜C6アルコキシカルボニル基;アミノカルボニル基;例えば、メチルアミノカルボニル基、エチルアミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基等の、直鎖又は分岐C1〜C6アルキルアミノカルボニル基;フェニル基、ナフチル基等のアリール基;フェノキシ基、ナフチルオキシ基等のアリールオキシ基;ピリジル基、チエニル基、フラニル基等のヘテロアリール基等の置換基を有していても良い。);

2−ピリジルオキシ基、2−チエニルオキシ基、2−フリルオキシ基等の、ヘテロアリール部分が前記意味を有するヘテロアリールオキシ基
(該ヘテロアリールオキシ基は、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基等の、直鎖又は分岐C1〜C6アルキル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の、環状C1〜C6アルキル基;例えば、トリメチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基等の、トリ(直鎖又は分岐C1〜C6アルキル)シリル基;ヒドロキシ基;例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基等の、直鎖又は分岐C1〜C6アルコキシ基;例えば、トリメチルシリロキシ基、t−ブチルジメチルシリロキシ基等の、トリ(直鎖又は分岐C1〜C6アルキル)シリロキシ基;例えば、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基等の、直鎖又は分岐C1〜C6ヒドロキシアルキル基;例えば、メトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基等の、直鎖又は分岐(C1〜C6アルコキシ)−(C1〜C6アルキル)基;例えば、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基等の、直鎖又は分岐C1〜C6ハロアルキル基;例えば、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基等の、直鎖又は分岐C1〜C6アルキルアミノ基;例えば、メチルカルボニルアミノ基、エチルカルボニルアミノ基等の、直鎖又は分岐C1〜C6アルキルカルボニルアミノ基;例えば、メチルカルボニル基、エチルカルボニル基等の、直鎖又は分岐C1〜C6アルキルカルボニル基;カルボキシル基又はその金属塩;例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等の、直鎖又は分岐C1〜C6アルコキシカルボニル基;アミノカルボニル基;例えば、メチルアミノカルボニル基、エチルアミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基等の、直鎖又は分岐C1〜C6アルキルアミノカルボニル基;フェニル基、ナフチル基等のアリール基;フェノキシ基、ナフチルオキシ基等のアリールオキシ基;ピリジル基、チエニル基、フラニル基等のヘテロアリール基等の置換基を有していても良い。);

シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の、C3〜C6環状アルキル基
(該環状アルキル基は、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基等の、直鎖又は分岐C1〜C6アルキル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の、環状C1〜C6アルキル基;例えば、トリメチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基等の、トリ(直鎖又は分岐C1〜C6アルキル)シリル基;ヒドロキシ基;例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基等の、直鎖又は分岐C1〜C6アルコキシ基;例えば、トリメチルシリロキシ基、t−ブチルジメチルシリロキシ基等の、トリ(直鎖又は分岐C1〜C6アルキル)シリロキシ基;例えば、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基等の、直鎖又は分岐C1〜C6ヒドロキシアルキル基;例えば、メトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基等の、直鎖又は分岐(C1〜C6アルコキシ)−(C1〜C6アルキル)基;例えば、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基等の、直鎖又は分岐C1〜C6ハロアルキル基;例えば、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基等の、直鎖又は分岐C1〜C6アルキルアミノ基;例えば、メチルカルボニルアミノ基、エチルカルボニルアミノ基等の、直鎖又は分岐C1〜C6アルキルカルボニルアミノ基;例えば、メチルカルボニル基、エチルカルボニル基等の、直鎖又は分岐C1〜C6アルキルカルボニル基;カルボキシル基又はその金属塩;例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等の、直鎖又は分岐C1〜C6アルコキシカルボニル基;アミノカルボニル基;例えば、メチルアミノカルボニル基、エチルアミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基等の、直鎖又は分岐C1〜C6アルキルアミノカルボニル基;フェニル基、ナフチル基等のアリール基;フェノキシ基、ナフチルオキシ基等のアリールオキシ基、;ピリジル基、チエニル基、フラニル基等のヘテロアリール基等の置換基を有していても良い。);

例えば、トリメチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基等の、アルキル部分が前記意味を有するトリ(C1〜C6アルキル)シリル基;

ヒドロキシ基;

カルボキシル基又はその金属塩;

例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基等の、アルキル部分が前記意味を有するC1〜C6アルコキシ基;

例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等の、アルコキシ部分が前記意味を有するC2〜C7アルコキシカルボニル基;

例えば、フェノキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基等の、アリールオキシ部分が前記意味を有するアリールオキシカルボニル基;

例えば、2−ピリジルオキシカルボニル基、2−チエニルオキシカルボニル基、2−フリルオキシカルボニル基等の、ヘテロアリールオキシ部分が前記意味を有するヘテロアリールオキシカルボニル基;

例えば、トリメチルシリロキシ基、t−ブチルジメチルシリロキシ基等の、アルキル部分が前記意味を有するトリ(C1〜C6アルキル)シリロキシ基;

例えば、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基等の、アルキル部分が前記意味を有するC1〜C6ヒドロキシアルキル基;

例えば、メトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基等の、アルキル部分、アルコキシ部分が前記意味を有する(C1〜C6アルコキシ)−(C1〜C6アルキル)基;

例えば、メチルカルボニル基、エチルカルボニル基等の、アルキル部分が前記意味を有するC1〜C7アルキルカルボニル基;

例えば、フェニルカルボニル基、ナフチルカルボニル基等の、アリール部分が前記意味を有するアリールカルボニル基;

例えば、2−ピリジルカルボニル基、2−チエニルカルボニル基、2−フラニルカルボニル基等の、ヘテロアリール部分が前記意味を有するヘテロアリールカルボニル基;

を示す。
【0031】
当反応に使用できる一般式(1)で表される1−テトラロン化合物(原料化合物)としては、具体的には例えば、
1−テトラロン、5−フルオロ−1−テトラロン、6−フルオロ−1−テトラロン、7−フルオロ−1−テトラロン、8−フルオロ−1−テトラロン、5,6−ジフルオロ−1−テトラロン、5,7−ジフルオロ−1−テトラロン、5,8−ジフルオロ−1−テトラロン、6,7−ジフルオロ−1−テトラロン、6,8−ジフルオロ−1−テトラロン、7,8−ジフルオロ−1−テトラロン、

1−メチル−1−テトラロン、3−メチル−1−テトラロン、4−メチル−1−テトラロン、5−メチル−1−テトラロン、6−メチル−1−テトラロン、7−メチル−1−テトラロン、8−メチル−1−テトラロン、2−エチル−1−テトラロン、3−エチル−1−テトラロン、4−エチル−1−テトラロン、5−エチル−1−テトラロン、6−エチル−1−テトラロン、7−エチル−1−テトラロン、8−エチル−1−テトラロン、

2−シクロプロピル−1−テトラロン、3−シクロプロピル−1−テトラロン、4−シクロプロピル−1−テトラロン、5−シクロプロピル−1−テトラロン、6−シクロプロピル−1−テトラロン、7−シクロプロピル−1−テトラロン、8−シクロプロピル−1−テトラロン、

2−トリメチルシリル−1−テトラロン、3−トリメチルシリル−1−テトラロン、4−トリメチルシリル−1−テトラロン、5−トリメチルシリル−1−テトラロン、6−トリメチルシリル−1−テトラロン、7−トリメチルシリル−1−テトラロン、8−トリメチルシリル−1−テトラロン、2−t−ブチルジメチルシリル−1−テトラロン、3−t−ブチルジメチルシリル−1−テトラロン、4−t−ブチルジメチルシリル−1−テトラロン、5−t−ブチルジメチルシリル−1−テトラロン、6−t−ブチルジメチルシリル−1−テトラロン、7−t−ブチルジメチルシリル−1−テトラロン、8−t−ブチルジメチルシリル−1−テトラロン、

5−ヒドロキシ−1−テトラロン、6−ヒドロキシ−1−テトラロン、7−ヒドロキシ−1−テトラロン、8−ヒドロキシ−1−テトラロン、

5−メトキシ−1−テトラロン、6−メトキシ−1−テトラロン、7−メトキシ−1−テトラロン、8−メトキシ−1−テトラロン、5−エトキシ−1−テトラロン、6−エトキシ−1−テトラロン、7−エトキシ−1−テトラロン、8−エトキシ−1−テトラロン、

5−トリメチルシリロキシ−1−テトラロン、6−トリメチルシリロキシ−1−テトラロン、7−トリメチルシリロキシ−1−テトラロン、8−トリメチルシリロキシ−1−テトラロン、5−t−ブチルジメチルシリロキシ−1−テトラロン、6−t−ブチルジメチルシリロキシ−1−テトラロン、7−t−ブチルジメチルシリロキシ−1−テトラロン、8−t−ブチルジメチルシリロキシ−1−テトラロン、

2−ヒドロキシメチル−1−テトラロン、3−ヒドロキシメチル−1−テトラロン、4−ヒドロキシメチル−1−テトラロン、5−ヒドロキシメチル−1−テトラロン、6−ヒドロキシメチル−1−テトラロン、7−ヒドロキシメチル−1−テトラロン、8−ヒドロキシメチル−1−テトラロン、

2−メトキシメチル−1−テトラロン、3−メトキシメチル−1−テトラロン、4−メトキシメチル−1−テトラロン、5−メトキシメチル−1−テトラロン、6−メトキシメチル−1−テトラロン、7−メトキシメチル−1−テトラロン、8−メトキシメチル−1−テトラロン、

2−アセチル−1−テトラロン、3−アセチル−1−テトラロン、4−アセチル−1−テトラロン、5−アセチル−1−テトラロン、6−アセチル−1−テトラロン、7−アセチル−1−テトラロン、8−アセチル−1−テトラロン、2−エチルカルボニル−1−テトラロン、3−エチルカルボニル−1−テトラロン、4−エチルカルボニル−1−テトラロン、5−エチルカルボニル−1−テトラロン、6−エチルカルボニル−1−テトラロン、7−エチルカルボニル−1−テトラロン、8−エチルカルボニル−1−テトラロン、

2−ベンゾイル−1−テトラロン、3−ベンゾイル−1−テトラロン、4−ベンゾイル−1−テトラロン、5−ベンゾイル−1−テトラロン、6−ベンゾイル−1−テトラロン、7−ベンゾイル−1−テトラロン、8−ベンゾイル−1−テトラロン、

2−(2−ピリジルカルボニル)−1−テトラロン、3−(2−ピリジルカルボニル)−1−テトラロン、4−(2−ピリジルカルボニル)−1−テトラロン、5−(2−ピリジルカルボニル)−1−テトラロン、6−(2−ピリジルカルボニル)−1−テトラロン、7−(2−ピリジルカルボニル)−1−テトラロン、8−(2−ピリジルカルボニル)−1−テトラロン、2−(2−チエニルカルボニル)−1−テトラロン、3−(2−チエニルカルボニル)−1−テトラロン、4−(2−チエニルカルボニル)−1−テトラロン、5−(2−チエニルカルボニル)−1−テトラロン、6−(2−チエニルカルボニル)−1−テトラロン、7−(2−チエニルカルボニル)−1−テトラロン、8−(2−チエニルカルボニル)−1−テトラロン、2−(2−フラニルカルボニル)−1−テトラロン、3−(2−フラニルカルボニル)−1−テトラロン、4−(2−フラニルカルボニル)−1−テトラロン、5−(2−フラニルカルボニル)−1−テトラロン、6−(2−フラニルカルボニル)−1−テトラロン、7−(2−フラニルカルボニル)−1−テトラロン、8−(2−フラニルカルボニル)−1−テトラロン、

1−テトラロン−2−カルボン酸、1−テトラロン−3−カルボン酸、1−テトラロン−4−カルボン酸、1−テトラロン−5−カルボン酸、1−テトラロン−6−カルボン酸、
及びこれら1−テトラロンカルボン酸化合物のナトリウム塩やカリウム塩等のアルカリ金属塩、

2−メトキシカルボニル−1−テトラロン、3−メトキシカルボニル−1−テトラロン、4−メトキシカルボニル−1−テトラロン、5−メトキシカルボニル−1−テトラロン、6−メトキシカルボニル−1−テトラロン、7−メトキシカルボニル−1−テトラロン、8−メトキシカルボニル−1−テトラロン、2−エトキシカルボニル−1−テトラロン、3−エトキシカルボニル−1−テトラロン、4−エトキシカルボニル−1−テトラロン、5−エトキシカルボニル−1−テトラロン、6−エトキシカルボニル−1−テトラロン、7−エトキシカルボニル−1−テトラロン、8−エトキシカルボニル−1−テトラロン、

2−フェニル−1−テトラロン、3−フェニル−1−テトラロン、4−フェニル−1−テトラロン、5−フェニル−1−テトラロン、6−フェニル−1−テトラロン、7−フェニル−1−テトラロン、8−フェニル−1−テトラロン、

2−(2−ピリジル)−1−テトラロン、3−(2−ピリジル)−1−テトラロン、4−(2−ピリジル)−1−テトラロン、5−(2−ピリジル)−1−テトラロン、6−(2−ピリジル)−1−テトラロン、7−(2−ピリジル)−1−テトラロン、8−(2−ピリジル)−1−テトラロン、1−(2−チエニル)−1−テトラロン、3−(2−チエニル)−1−テトラロン、4−(2−チエニル)−1−テトラロン、5−(2−チエニル)−1−テトラロン、6−(2−チエニル)−1−テトラロン、7−(2−チエニル)−1−テトラロン、8−(2−チエニル)−1−テトラロン、1−(2−フラニル)−1−テトラロン、3−(2−フラニル)−1−テトラロン、4−(2−フラニル)−1−テトラロン、5−(2−フラニル)−1−テトラロン、6−(2−フラニル)−1−テトラロン、7−(2−フラニル)−1−テトラロン、8−(2−フラニル)−1−テトラロン

2−フェノキシ−1−テトラロン、3−フェノキシ−1−テトラロン、4−フェノキシ−1−テトラロン、5−フェノキシ−1−テトラロン、6−フェノキシ−1−テトラロン、7−フェノキシ−1−テトラロン、8−フェノキシ−1−テトラロン、


2−(2−ピリジルオキシ)−1−テトラロン、3−(2−ピリジルオキシ)−1−テトラロン、4−(2−ピリジルオキシ)−1−テトラロン、5−(2−ピリジルオキシ)−1−テトラロン、6−(2−ピリジルオキシ)−1−テトラロン、7−(2−ピリジルオキシ)−1−テトラロン、8−(2−ピリジルオキシ)−1−テトラロン、2−(2−チエニルオキシ)−1−テトラロン、3−(2−チエニルオキシ)−1−テトラロン、4−(2−チエニルオキシ)−1−テトラロン、5−(2−チエニルオキシ)−1−テトラロン、6−(2−チエニルオキシ)−1−テトラロン、7−(2−チエニルオキシ)−1−テトラロン、8−(2−チエニルオキシ)−1−テトラロン、2−(2−フラニルオキシ)−1−テトラロン、3−(2−フラニルオキシ)−1−テトラロン、4−(2−フラニルオキシ)−1−テトラロン、5−(2−フラニルオキシ)−1−テトラロン、6−(2−フラニルオキシ)−1−テトラロン、7−(2−フラニルオキシ)−1−テトラロン、8−(2−フラニルオキシ)−1−テトラロン

2−フェノキシカルボニル−1−テトラロン、3−フェノキシカルボニル−1−テトラロン、4−フェノキシカルボニル−1−テトラロン、5−フェノキシカルボニル−1−テトラロン、6−フェノキシカルボニル−1−テトラロン、7−フェノキシカルボニル−1−テトラロン、8−フェノキシカルボニル−1−テトラロン、

2−(2−ピリジルオキシカルボニル)−1−テトラロン、3−(2−ピリジルオキシカルボニル)−1−テトラロン、4−(2−ピリジルオキシカルボニル)−1−テトラロン、5−(2−ピリジルオキシカルボニル)−1−テトラロン、6−(2−ピリジルオキシカルボニル)−1−テトラロン、7−(2−ピリジルオキシカルボニル)−1−テトラロン、8−(2−ピリジルオキシカルボニル)−1−テトラロン、2−(2−チエニルオキシカルボニル)−1−テトラロン、3−(2−チエニルオキシカルボニル)−1−テトラロン、4−(2−チエニルオキシカルボニル)−1−テトラロン、5−(2−チエニルオキシカルボニル)−1−テトラロン、6−(2−チエニルオキシカルボニル)−1−テトラロン、7−(2−チエニルオキシカルボニル)−1−テトラロン、8−(2−チエニルオキシカルボニル)−1−テトラロン、2−(2−フラニルオキシカルボニル)−1−テトラロン、3−(2−フラニルオキシカルボニル)−1−テトラロン、4−(2−フラニルオキシカルボニル)−1−テトラロン、5−(2−フラニルオキシカルボニル)−1−テトラロン、6−(2−フラニルオキシカルボニル)−1−テトラロン、7−(2−フラニルオキシカルボニル)−1−テトラロン、8−(2−フラニルオキシカルボニル)−1−テトラロン、

等を挙げることができ、
さらにこれらの化合物は、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基等の、直鎖又は分岐C1〜C6アルキル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の、環状C1〜C6アルキル基;例えば、トリメチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基等の、トリ(直鎖又は分岐C1〜C6アルキル)シリル基;ヒドロキシ基;例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基等の、直鎖又は分岐C1〜C6アルコキシ基;例えば、トリメチルシリロキシ基、t−ブチルジメチルシリロキシ基等の、トリ(直鎖又は分岐C1〜C6アルキル)シリロキシ基;例えば、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基等の、直鎖又は分岐C1〜C6ヒドロキシアルキル基;例えば、メトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基等の、直鎖又は分岐(C1〜C6アルコキシ)−(C1〜C6アルキル)基;例えば、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基等の、直鎖又は分岐C1〜C6ハロアルキル基;例えば、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基等の、直鎖又は分岐C1〜C6アルキルアミノ基;例えば、メチルカルボニルアミノ基、エチルカルボニルアミノ基等の、直鎖又は分岐C1〜C6アルキルカルボニルアミノ基;例えば、メチルカルボニル基、エチルカルボニル基等の、直鎖又は分岐C1〜C6アルキルカルボニル基;カルボキシル基又はその金属塩;例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等の、直鎖又は分岐C1〜C6アルコキシカルボニル基;アミノカルボニル基;例えば、メチルアミノカルボニル基、エチルアミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基等の、直鎖又は分岐C1〜C6アルキルアミノカルボニル基;フェニル基;フェノキシ基;ピリジル基、チエニル基、フラニル基等のヘテロアリール基;2−ピリジルオキシ基、2−チエニルオキシ基、2−フラニルオキシ基等のヘテロアリールオキシ基等の置換基を有していても良い。
【0032】
一般式(1)で表される1−テトラロン化合物(原料化合物)は公知の化合物であるか公知の方法に準じて製造できる化合物である。
【0033】
続いて、本発明方法に用いるパラジウム触媒について説明する。当脱水素反応に用いるパラジウム触媒としては、脱水素反応が可能な触媒であればいずれでも構わないが、当脱水素反応に使用できるパラジウム触媒としては、具体的には例えば、パラジウムカーボン、パラジウム担持アルミナ、パラジウム担持硫酸バリウム、パラジウム担持炭酸カルシウム等の不均一触媒を挙げることができる。反応性が高く、反応後にパラジウム触媒を容易に回収可能なパラジウムカーボン、パラジウム担持アルミナの使用が好ましく、入手性や取り扱いの簡便さ、反応性等の観点からは、パラジウムカーボンの使用が好ましい。これらのパラジウム触媒は単独で、又は任意の割合の混合触媒として用いてもよい。また、これらのパラジウム触媒は公知化合物である。
【0034】
本発明方法におけるパラジウム触媒は、一般式(1)で表される1−テトラロン化合物(原料化合物)に対して如何なるモル比でも反応が進行するが、その使用量は、一般式(1)で表される1−テトラロン(原料化合物)に対して、モル比では通常0.00001〜1.0モル、好ましくは0.0001〜0.1モル、より好ましくは0.0001〜0.05モルの範囲を例示できる。
【0035】
さらに、本発明方法では、脱水素反応の進行に伴い副生する水素による副反応を抑制する目的で、水素によってそれ自体が還元されうるオレフィン化合物の存在下で反応を実施する。
【0036】
この目的で用いられるオレフィン化合物としては、前記一般式(2)又は一般式(3)で表される化合物を例示することができる。
【0037】
式中、R、R12及びR13はそれぞれ独立して、
水素原子;

又はメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基を包含するC1〜C3アルキル基を示し、


例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ドデシル基等のC1〜C12アルキル基;
(該アルキル基は、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の、環状C1〜C6アルキル基;例えば、トリメチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基等の、トリ(直鎖又は分岐C1〜C6アルキル)シリル基;ヒドロキシ基;例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基等の、直鎖又は分岐C1〜C6アルコキシ基;例えば、トリメチルシリロキシ基、t−ブチルジメチルシリロキシ基等の、トリ(直鎖又は分岐C1〜C6アルキル)シリロキシ基;例えば、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基等の、直鎖又は分岐C1〜C6ヒドロキシアルキル基;例えば、メトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基等の、直鎖又は分岐(C1〜C6アルコキシ)−(C1〜C6アルキル)基;例えば、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基等の、直鎖又は分岐C1〜C6ハロアルキル基;例えば、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基等の、直鎖又は分岐C1〜C6アルキルアミノ基;例えば、メチルカルボニルアミノ基、エチルカルボニルアミノ基等の、直鎖又は分岐C1〜C6アルキルカルボニルアミノ基;例えば、メチルカルボニル基、エチルカルボニル基等の、直鎖又は分岐C1〜C6アルキルカルボニル基;カルボキシル基又はその金属塩;例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等の、直鎖又は分岐C1〜C6アルコキシカルボニル基;アミノカルボニル基;例えば、メチルアミノカルボニル基、エチルアミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基等の、直鎖又は分岐C1〜C6アルキルアミノカルボニル基;フェニル基;フェノキシ基;ピリジル基、チエニル基、フラニル基等のヘテロアリール基;2−ピリジルオキシ基、2−チエニルオキシ基、2−フラニルオキシ基等のヘテロアリールオキシ基等の置換基を有していても良い。);

フェニル基、ナフチル基等のアリール基
(該アリール基は、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基等の、直鎖又は分岐C1〜C6アルキル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の、環状C1〜C6アルキル基;例えば、トリメチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基等の、トリ(直鎖又は分岐C1〜C6アルキル)シリル基;ヒドロキシ基;例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基等の、直鎖又は分岐C1〜C6アルコキシ基;例えば、トリメチルシリロキシ基、t−ブチルジメチルシリロキシ基等の、トリ(直鎖又は分岐C1〜C6アルキル)シリロキシ基;例えば、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基等の、直鎖又は分岐C1〜C6ヒドロキシアルキル基;例えば、メトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基等の、直鎖又は分岐(C1〜C6アルコキシ)−(C1〜C6アルキル)基;例えば、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基等の、直鎖又は分岐C1〜C6ハロアルキル基;例えば、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基等の、直鎖又は分岐C1〜C6アルキルアミノ基;例えば、メチルカルボニルアミノ基、エチルカルボニルアミノ基等の、直鎖又は分岐C1〜C6アルキルカルボニルアミノ基;例えば、メチルカルボニル基、エチルカルボニル基等の、直鎖又は分岐C1〜C6アルキルカルボニル基;カルボキシル基又はその金属塩;例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等の、直鎖又は分岐C1〜C6アルコキシカルボニル基;アミノカルボニル基;例えば、メチルアミノカルボニル基、エチルアミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基等の、直鎖又は分岐C1〜C6アルキルアミノカルボニル基;フェニル基、ナフチル基等のアリール基;フェノキシ基、ナフチルオキシ基等のアリールオキシ基;ピリジル基、チエニル基、フラニル基等のヘテロアリール基等の置換基を有していても良い。);

又は例えば、ピリジル基、チエニル基、フラニル基等のヘテロアリール基
(該ヘテロアリール基は、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基等の、直鎖又は分岐C1〜C6アルキル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の、環状C1〜C6アルキル基;例えば、トリメチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基等の、トリ(直鎖又は分岐C1〜C6アルキル)シリル基;ヒドロキシ基;例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基等の、直鎖又は分岐C1〜C6アルコキシ基;例えば、トリメチルシリロキシ基、t−ブチルジメチルシリロキシ基等の、トリ(直鎖又は分岐C1〜C6アルキル)シリロキシ基;例えば、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基等の、直鎖又は分岐C1〜C6ヒドロキシアルキル基;例えば、メトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基等の、直鎖又は分岐(C1〜C6アルコキシ)−(C1〜C6アルキル)基;例えば、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基等の、直鎖又は分岐C1〜C6ハロアルキル基;例えば、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基等の、直鎖又は分岐C1〜C6アルキルアミノ基;例えば、メチルカルボニルアミノ基、エチルカルボニルアミノ基等の、直鎖又は分岐C1〜C6アルキルカルボニルアミノ基;例えば、メチルカルボニル基、エチルカルボニル基等の、直鎖又は分岐C1〜C6アルキルカルボニル基;カルボキシル基又はその金属塩;例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等の、直鎖又は分岐C1〜C6アルコキシカルボニル基;アミノカルボニル基;例えば、メチルアミノカルボニル基、エチルアミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基等の、直鎖又は分岐C1〜C6アルキルアミノカルボニル基;フェニル基、ナフチル基等のアリール基;フェノキシ基、ナフチルオキシ基等のアリールオキシ基;ピリジル基、チエニル基、フラニル基等のヘテロアリール基等の置換基を有していても良い。)
を示し、

10及びR11はそれぞれ独立して、
トリフルオロメチル基;

アルキル部分が前記置換基RのC1〜C12アルキル基と同義のC1〜C12アルキル基であるC2〜C13アルキルカルボニル基、
アリール部分が前記置換基Rのアリール基と同義のアリール基である置換基を有していても良いアリールカルボニル基、
ヘテロアリール部分が前記置換基Rのヘテロアリール基と同義のヘテロアリール基である置換基を有していても良いヘテロアリールカルボニル基
を包含するアシル基;

アリール部分が前記置換基Rのアリール基と同義のアリール基である置換基を有していても良いアリール基;

ヘテロアリール部分が前記置換基Rのヘテロアリール基と同義のヘテロアリール基である置換基を有していても良いヘテロアリール基;

アルキル部分が前記置換基RのC1〜C12アルキル基と同義のC1〜C12アルキル基である置換基を有していても良いC1〜C12アルキルスルホニル基;

アリール部分が前記置換基Rのアリール基と同義のアリール基である置換基を有していても良いアリールスルホニル基;

ヘテロアリール部分が前記置換基Rのヘテロアリール基と同義のヘテロアリール基である置換基を有していても良いヘテロアリールスルホニル基;

アルキル部分が前記置換基RのC1〜C12アルキル基と同義のC1〜C12アルキル基である置換基を有していても良いC1〜C12アルキルスルホニルオキシ基;

アリール部分が前記置換基Rのアリール基と同義のアリール基である置換基を有していても良いアリールスルホニルオキシ基;

ヘテロアリール部分が前記置換基Rのヘテロアリール基と同義のヘテロアリール基である置換基を有していても良いヘテロアリールスルホニルオキシ基;

又は一価基(A)
【0038】
【化5】

【0039】
(式中、R14

アルキル部分が前記置換基RのC1〜C12アルキル基と同義のC1〜C12アルキル基である置換基を有していても良い炭素数1から12のアルキル基;


アリール部分が前記置換基Rのアリール基と同義のアリール基である置換基を有していても良いアリール基;

又はヘテロアリール部分が前記置換基Rのヘテロアリール基と同義のヘテロアリール基である置換基を有していても良いヘテロアリール基を示す。)を示し、

nは0から3の整数を示す。
【0040】
該オレフィン化合物としては、より具体的には、
マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジ−n−プロピル、マレイン酸ジイソプロピル、マレイン酸ジフェニル、マレイン酸ジ(1−ナフチル)、マレイン酸ジ(2−ナフチル)、2,3−ジメチルマレイン酸ジメチル、2,3−ジメチルマレイン酸ジエチル、2,3−ジメチルマレイン酸ジ−n−プロピル、2,3−ジメチルマレイン酸ジイソプロピル、2,3−ジメチルマレイン酸ジフェニル、2,3−ジメチルマレイン酸ジ(1−ナフチル)、2,3−ジメチルマレイン酸ジ(2−ナフチル)、2,3−ジエチルマレイン酸ジメチル、2,3−ジエチルマレイン酸ジエチル、2,3−ジエチルマレイン酸ジ−n−プロピル、2,3−ジエチルマレイン酸ジイソプロピル、2,3−ジエチルマレイン酸ジフェニル、2,3−ジエチルマレイン酸ジ(1−ナフチル)、2,3−ジエチルマレイン酸ジ(2−ナフチル)、2,3−ジ−n−プロピルマレイン酸ジメチル、2,3−ジ−n−プロピルマレイン酸ジエチル、2,3−ジ−n−プロピルマレイン酸ジ−n−プロピル、2,3−ジ−n−プロピルマレイン酸ジイソプロピル、2,3−ジ−n−プロピルマレイン酸ジフェニル、2,3−ジ−n−プロピルマレイン酸ジ(1−ナフチル)、2,3−ジ−n−プロピルマレイン酸ジ(2−ナフチル)、2,3−ジイソプロピルマレイン酸ジメチル、2,3−ジイソプロピルマレイン酸ジエチル、2,3−ジイソプロピルマレイン酸ジ−n−プロピル、2,3−ジイソプロピルマレイン酸ジイソプロピル、2,3−ジイソプロピルマレイン酸ジフェニル、2,3−ジイソプロピルマレイン酸ジ(1−ナフチル)、2,3−ジイソプロピルマレイン酸ジ(2−ナフチル)に代表されるマレイン酸ジエステル類、

フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジ−n−プロピル、フマル酸ジイソプロピル、フマル酸ジフェニル、フマル酸ジ(1−ナフチル)、フマル酸ジ(2−ナフチル)、2,3−ジメチルフマル酸ジメチル、2,3−ジメチルフマル酸ジエチル、2,3−ジメチルフマル酸ジ−n−プロピル、2,3−ジメチルフマル酸ジイソプロピル、2,3−ジメチルフマル酸ジフェニル、2,3−ジメチルフマル酸ジ(1−ナフチル)、2,3−ジメチルフマル酸ジ(2−ナフチル)、2,3−ジエチルフマル酸ジメチル、2,3−ジエチルフマル酸ジエチル、2,3−ジエチルフマル酸ジ−n−プロピル、2,3−ジエチルフマル酸ジイソプロピル、2,3−ジエチルフマル酸ジフェニル、2,3−ジエチルフマル酸ジ(1−ナフチル)、2,3−ジエチルフマル酸ジ(2−ナフチル)、2,3−ジ−n−プロピルフマル酸ジメチル、2,3−ジ−n−プロピルフマル酸ジエチル、2,3−ジ−n−プロピルフマル酸ジ−n−プロピル、2,3−ジ−n−プロピルフマル酸ジイソプロピル、2,3−ジ−n−プロピルフマル酸ジフェニル、2,3−ジ−n−プロピルフマル酸ジ(1−ナフチル)、2,3−ジ−n−プロピルフマル酸ジ(2−ナフチル)、2,3−ジイソプロピルフマル酸ジメチル、2,3−ジイソプロピルフマル酸ジエチル、2,3−ジイソプロピルフマル酸ジ−n−プロピル、2,3−ジイソプロピルフマル酸ジイソプロピル、2,3−ジイソプロピルフマル酸ジフェニル、2,3−ジイソプロピルフマル酸ジ(1−ナフチル)、2,3−ジイソプロピルフマル酸ジ(2−ナフチル)に代表されるフマル酸ジエステル類、

けい皮酸メチル、けい皮酸エチル、けい皮酸−n−プロピル、けい皮酸イソプロピル、けい皮酸フェニル、けい皮酸−1−ナフチル)、けい皮酸−2−ナフチル、α−メチルけい皮酸メチル、α−メチルけい皮酸エチル、α−メチルけい皮酸−n−プロピル、α−メチルけい皮酸イソプロピル、α−メチルけい皮酸フェニル、α−メチルけい皮酸−1−ナフチル、α−メチルけい皮酸−2−ナフチル、α−エチルけい皮酸メチル、α−エチルけい皮酸エチル、α−エチルけい皮酸−n−プロピル、α−エチルけい皮酸イソプロピル、α−エチルけい皮酸フェニル、α−エチルけい皮酸−1−ナフチル、α−エチルけい皮酸−2−ナフチル、α−n−プロピルけい皮酸メチル、α−n−プロピルけい皮酸エチル、α−n−プロピルけい皮酸−n−プロピル、α−n−プロピルけい皮酸イソプロピル、α−n−プロピルけい皮酸フェニル、α−n−プロピルけい皮酸−1−ナフチル、α−n−プロピルけい皮酸−2−ナフチル、α−イソプロピルけい皮酸メチル、α−イソプロピルけい皮酸エチル、α−イソプロピルけい皮酸−n−プロピル、α−イソプロピルけい皮酸イソプロピル、α−イソプロピルけい皮酸フェニル、α−イソプロピルけい皮酸−1−ナフチル、α−イソプロピルけい皮酸−2−ナフチルに代表されるけい皮酸エステル類
を包含するアルケン酸エステル化合物;

α−トリフルオロメチルアクリル酸メチル、β−トリフルオロメチルアクリル酸メチル、α−トリフルオロメチルアクリル酸エチル、β−トリフルオロメチルアクリル酸エチル、α−トリフルオロメチルアクリル酸−n−プロピル、β−トリフルオロメチルアクリル酸−n−プロピル、α−トリフルオロメチルアクリル酸イソプロピル、β−トリフルオロメチルアクリル酸イソプロピル、α−トリフルオロメチルアクリル酸フェニル、β−トリフルオロメチルアクリル酸フェニル、α−トリフルオロメチルアクリル酸(1−ナフチル)、β−トリフルオロメチルアクリル酸(1−ナフチル)、α−トリフルオロメチルアクリル酸(2−ナフチル)、β−トリフルオロメチルアクリル酸(2−ナフチル)、
に代表されるトリフルオロメチルアルケン酸エステル化合物;

β−アセチルアクリル酸メチル、β−アセチルアクリル酸エチル、β−アセチルアクリル酸−n−プロピル、β−アセチルアクリル酸イソプロピル、β−アセチルアクリル酸フェニル、β−アセチルアクリル酸(1−ナフチル)、β−アセチルアクリル酸(2−ナフチル)に代表されるβ−(アルキルカルボニル)アクリル酸エステル化合物、
β−ベンゾイルアクリル酸メチル、β−ベンゾイルアクリル酸エチル、β−ベンゾイルアクリル酸−n−プロピル、β−ベンゾイルアクリル酸イソプロピル、β−ベンゾイルアクリル酸フェニル、β−ベンゾイルアクリル酸(1−ナフチル)、β−ベンゾイルアクリル酸(2−ナフチル)、に代表されるβ−(アリ−ルカルボニル)アクリル酸エステル化合物、
β−(2−ピリジルカルボニル)アクリル酸メチル、β−(2−ピリジルカルボニル)アクリル酸エチル、β−(2−ピリジルカルボニル)アクリル酸−n−プロピル、β−(2−ピリジルカルボニル)アクリル酸イソプロピル、β−(2−ピリジルカルボニル)アクリル酸フェニル、β−(2−ピリジルカルボニル)アクリル酸(1−ナフチル)、β−(2−ピリジルカルボニル)アクリル酸(2−ナフチル)、
に代表されるβ−(ヘテロアリ−ルカルボニル)アクリル酸エステル化合物
を包含するβ−アシルアルケン酸エステル化合物;

β−メチルスルホニルアクリル酸メチル、β−メチルスルホニルアクリル酸エチル、β−メチルスルホニルアクリル酸−n−プロピル、β−メチルスルホニルアクリル酸イソプロピル、β−メチルスルホニルアクリル酸フェニル、β−メチルスルホニルアクリル酸(1−ナフチル)、β−メチルスルホニルアクリル酸(2−ナフチル)、
に代表されるβ−(アルキルスルホニル)アクリル酸エステル化合物、
β−フェニルスルホニルアクリル酸メチル、β−フェニルスルホニルアクリル酸エチル、β−フェニルスルホニルアクリル酸−n−プロピル、β−フェニルスルホニルアクリル酸イソプロピル、β−フェニルスルホニルアクリル酸フェニル、β−フェニルスルホニルアクリル酸(1−ナフチル)、β−フェニルスルホニルアクリル酸(2−ナフチル)、
に代表されるβ−(アリールスルホニル)アクリル酸エステル化合物、
β−(2−ピリジル)スルホニルアクリル酸メチル、β−(2−ピリジル)スルホニルアクリル酸エチル、β−(2−ピリジル)スルホニルアクリル酸−n−プロピル、β−(2−ピリジル)スルホニルアクリル酸イソプロピル、β−(2−ピリジル)スルホニルアクリル酸フェニル、β−(2−ピリジル)スルホニルアクリル酸(1−ナフチル)、β−(2−ピリジル)スルホニルアクリル酸(2−ナフチル)、
に代表されるβ−(ヘテロアリールスルホニル)アクリル酸エステル化合物
を包含するβ−(置換スルホニル)アルケン酸エステル化合物;

β−メチルスルホニルオキシアクリル酸メチル、β−メチルスルホニルオキシアクリル酸エチル、β−メチルスルホニルオキシアクリル酸−n−プロピル、β−メチルスルホニルオキシアクリル酸イソプロピル、β−メチルスルホニルオキシアクリル酸フェニル、β−メチルスルホニルオキシアクリル酸(1−ナフチル)、β−メチルスルホニルオキシアクリル酸(2−ナフチル)に代表されるβ−(アルキルスルホニルオキシ)アクリル酸エステルアルキルスルホニルオキシエチレン化合物、
β−フェニルスルホニルオキシアクリル酸メチル、β−フェニルスルホニルオキシアクリル酸エチル、β−フェニルスルホニルオキシアクリル酸−n−プロピル、β−フェニルスルホニルオキシアクリル酸イソプロピル、β−フェニルスルホニルオキシアクリル酸フェニル、β−フェニルスルホニルオキシアクリル酸(1−ナフチル)、β−フェニルスルホニルオキシアクリル酸(2−ナフチル)に代表されるβ−(アリールスルホニルオキシ)アクリル酸エステル化合物、
β−(2−ピリジル)スルホニルオキシアクリル酸メチル、β−(2−ピリジル)スルホニルオキシアクリル酸エチル、β−(2−ピリジル)スルホニルオキシアクリル酸−n−プロピル、β−(2−ピリジル)スルホニルオキシアクリル酸イソプロピル、β−(2−ピリジル)スルホニルオキシアクリル酸フェニル、β−(2−ピリジル)スルホニルオキシアクリル酸(1−ナフチル)、β−(2−ピリジル)スルホニルオキシアクリル酸(2−ナフチル)に代表されるβ−(ヘテロアリールスルホニルオキシ)アクリル酸エステル化合物
を包含するβ−(置換スルホニルオキシ)アルケン酸エステル化合物;

イソホロン、シクロペンテン−3−オン、シクロヘキセン−3−オン、シクロヘプテン−3−オン、シクロオクテン−3−オンに代表される環状α−アルケノン類;

等を例示することができる。
【0041】
これらのオレフィン化合物の中でも、マレイン酸ジエチルに代表されるマレイン酸エステル類、イソホロンに代表される環状α−アルケノン類、けい皮酸エチルに代表されるけい皮酸エステル類等のオレフィン化合物を用いるのが好ましく、中でもマレイン酸ジエチルに代表されるマレイン酸エステル類とイソホロンに代表される環状α−アルケノン類が特に好ましく、具体的にはマレイン酸ジエチル、イソホロンは特に好ましい結果を与える。また、オレフィン化合物を用いないと目的とする1−ナフトール化合物を高選択的に製造できない(後記比較例1、2参照)。
【0042】
本発明方法におけるオレフィン化合物は、一般式(1)で表される原料化合物に対して如何なるモル比でも副反応を抑制する効果を示すが、一般式(1)で表される原料化合物に対して、モル比で0.1〜5.0モル、好ましくは0.3〜3.0モル、より好ましくは0.5〜1.5モルの範囲をオレフィン化合物の使用量として例示できる。
【0043】
本発明方法における脱水素反応は、反応を円滑に進行させるために適当な溶媒を用いるのが好ましい。当脱水素反応に用いうる溶媒としては、反応を阻害しないものであれば良く、例えば、ジフェニルエーテル、アニソール等のエーテル類;メシチレン、キシレン等の芳香族炭化水素類;エタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、エチレングリコール等のアルコール類;テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホリックトリアミド(HMPA)、プロピレンカーボネート等の非プロトン性極性溶媒類;ペンタン、n−ヘキサン等の脂肪族炭化水素類等が挙げられる。好ましくはジフェニルエーテル、アニソール等のエーテル類を用いるのが良く、ジフェニルエーテルを溶媒として用いると特に好ましい。溶媒は単独で、又は任意の混合割合の混合溶媒として用いることができる。
【0044】
溶媒量としては、反応系の攪拌が充分にできる量であれば良いが、一般式(1)で表される原料化合物1モルに対して、通常0.05〜10l、好ましくは0.3〜2lの範囲であれば良い。
【0045】
本発明方法における脱水素反応の反応温度は、0℃〜使用する溶媒の還流温度、の範囲を例示できるが、好ましくは70℃〜280℃の範囲が良い。
【0046】
本発明方法における脱水素反応の反応時間は特に制限されないが、副生物抑制の観点等から、好ましくは1時間〜30時間がよい。
【0047】
当反応によれば、特別な反応装置を用いることなく、穏やかな条件下で高選択的に一般式(3)で表される1−ナフトール化合物が生成する。得られる一般式(3)で表されるナフトール化合物は、医農薬又は液晶等の中間原料として有用な化合物である。
【実施例】
【0048】
次に、実施例を挙げて本発明化合物の製造方法を具体的に説明するが、本発明は、これら実施例によって何ら限定されるものではない。
【0049】
実施例1(〔1〕項記載の発明):1−ナフトールの製造
マグネットスターラー、水トラップ用のナス型フラスコを備えたト字型連結管、さらに還流管を備えた50mlのナス型フラスコに、1−テトラロン1.46g(10mmol)、マレイン酸ジエチル1.72g(10mmol)、次いでジフェニルエーテル3mlを加えた後、系内を窒素で置換し、10%パラジウムカーボン(M)(川研ファインケミカル社製、水分約50%)0.15g(1−テトラロンに対して10wt%、Pdとしては0.5wt%)を加え、バス温230℃で20時間攪拌した。この時の反応液中の原料化合物由来の生成物としてはガスクロマトグラフィーで1−ナフトールが88%含まれていた。室温まで冷却後、系にトルエン30mlを加え、ろ過を行いパラジウムカーボンをろ別した。ろ液を5%の水酸化ナトリウム水溶液30mlで抽出する操作を二回繰り返した。水層を30mlのトルエンで洗浄した。次いで水層に35%塩酸を系が酸性になるまで加えた後、トルエン50mlで抽出した。トルエン層を水、次いで飽和食塩水で洗浄した。トルエン層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下トルエンを留去した。1.2gの褐色結晶を得た。得られた褐色結晶をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、1.05gの目的物が得られた。収率73%。この結晶中の目的物の純度はガスクロマトグラフィーで95%であった。
【0050】
m.p:92−93℃
H−NMR(300MHz,CDCl):δ=8.19−8.16(m,1H),7.83‐7.80(m,1H),7.51−7.43(m,3H),7.31(dd,J=8.1,7.5Hz,1H),6.82(dd,J=7.5,1.2Hz,1H),5.33(br,1H)ppm.
13C NMR(300MHz,CDCl):δ=151.6,135.0,127.9,126.7,126.1,125.5,124.6,121.8,121.0,108.9ppm.
IR(KBr):3249.5,3048.9,1598.7,1579.4,1517.7,1456.0,1386.6,1363.4,1309.4,1268.9,1240.0,1147.4,1083.8,1043.3,1014.4,790.7,765.6 cm−1
GC−MS:M=144.
【0051】
比較例1:1−ナフトールの製造
マグネットスターラー、水トラップ用のナス型フラスコを備えたト字型連結管、さらに還流管を備えた50mlのナス型フラスコに、1−テトラロン1.46g(10mmol)、次いでジフェニルエーテル3mlを加えた後、系内を窒素で置換し、10%パラジウムカーボン(M)(川研ファインケミカル社製、水分約50%)0.15g(1−テトラロンに対して10wt%、Pdとしては0.5wt%)を加え、バス温230℃で18時間攪拌した。この時の反応液中の原料化合物由来の生成物としてはガスクロマトグラフィーで1−ナフトールが32%含まれていた他に、1−テトラロン7%、テトラリン3%、ナフタレン52%が含まれていた。室温まで冷却後、系にトルエン30mlを加え、ろ過を行いパラジウムカーボンをろ別した。ろ液を5%の水酸化ナトリウム水溶液30mlで抽出する操作を二回繰り返した。水層を30mlのトルエンで洗浄した。次いで水層に35%塩酸を系が酸性になるまで加えた後、トルエン50mlで抽出した。トルエン層を水、次いで飽和食塩水で洗浄した。トルエン層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下トルエンを留去した。0.5gの褐色結晶を得た。粗収率35%。この結晶中の目的物の純度はガスクロマトグラフィーで>99%であった。
【0052】
実施例2(〔1〕項記載の発明):6−メトキシ―1−ナフトールの製造
マグネットスターラー、水トラップ用のナス型フラスコを備えたト字型連結管、さらに還流管を備えた50mlのナス型フラスコに、6−メトキシ−1−テトラロン1.76g(10mmol)、マレイン酸ジエチル1.72g(10mmol)、次いでジフェニルエーテル2mlを加えた後、系内を窒素で置換し、10%パラジウムカーボン(M)(川研ファインケミカル社製、水分約50%)0.18g(6−メトキシ−1−テトラロンに対して10wt%、Pdとしては0.5wt%)を加え、バス温230℃で22時間攪拌した。この時の反応液中の原料化合物由来の生成物としてはガスクロマトグラフィー分析で6−メトキシ−1−ナフトールが94%含まれていた。室温まで冷却後、系にトルエン50mlを加え、ろ過を行いパラジウムカーボンをろ別した。ろ液を5%の水酸化ナトリウム水溶液50mlで抽出する操作を二回繰り返した。水層を30mlのトルエンで洗浄した。次いで水層に35%塩酸を系が酸性になるまで加えた後、酢酸エチル50mlで抽出した。酢酸エチル層を水、次いで飽和食塩水で洗浄した。酢酸エチル層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下酢酸エチルを留去した。1.65gの褐色結晶を得た。得られた褐色結晶をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、1.44gの目的物が得られた。収率83%。この結晶中の目的物の純度はガスクロマトグラフィーで>99%であった。
【0053】
m.p:84−85℃
H−NMR(300MHz,CDCl):δ=8・09(d,J=9.0Hz,1H),7.34−7.23(m,2H),7.16−7.11(m,2H),6.67(dd,J=7.2,1.2Hz,1H),5.26(br,1H),3.92(s,3H) ppm.
13C NMR(300MHz,CDCl):δ=158.3,151.9,136.5,126.9,123.6,119.9,119.8,118.0,107.0,106.1,55.5 ppm.
IR(KBr):3282.3,3002.6,2969.8,1637.3,1606.4,1583.3,1380.8,1365.4,1270.9,1224.6,1166.7,1139.7,1022.1,838.9,819.6,775.2 cm−1
GC−MS:M+=174.
【0054】
比較例2:6−メトキシ−1−ナフトールの製造
マグネットスターラー、水トラップ用のナス型フラスコを備えたト字型連結管、さらに還流管を備えた50mlのナス型フラスコに、6−メトキシ−1−テトラロン1.76g(10mmol)、次いでジフェニルエーテル3mlを加えた後、系内を窒素で置換し、10%パラジウムカーボン(M)(川研ファインケミカル社製、水分約50%)0.18g(6−メトキシ−1−テトラロンに対して10wt%、Pdとしては0.5wt%)を加え、バス温230℃で22時間攪拌した。この時の反応液中の原料化合物由来の生成物としてはガスクロマトグラフィーで6−メトキシ−1−ナフトールが31%含まれていた他に、6−メトキシ−1−テトラロン19%、2−メトキシナフタレン20%、1−ナフトール14%、ナフタレン1.4%が含まれていた。室温まで冷却後、系にトルエン50mlを加え、ろ過を行いパラジウムカーボンをろ別した。ろ液を5%の水酸化ナトリウム水溶液50mlで抽出する操作を二回繰り返した。水層を30mlのトルエンで洗浄した。次いで水層に35%塩酸を系が酸性になるまで加えた後、酢酸エチル50mlで抽出した。酢酸エチル層を水、次いで飽和食塩水で洗浄した。酢酸エチル層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下酢酸エチルを留去した。0.84gの褐色オイルを得た。このオイル中の成分はガスクロマトグラフィーで6−メトキシ−1−ナフトール68%、1−ナフトール31%であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(1)
【化1】

(式中、R、R、R、R、R、R及びRはそれぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、アルキル基、環状アルキル基、トリアルキルシリル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、トリアルキルシリロキシ基、ヒドロキシアルキル基、アルコキシアルキル基、アルキルカルボニル基、置換基を有していても良いアリールカルボニル基、置換基を有していても良いヘテロアリールカルボニル基、カルボキシル基又はその金属塩、アルコキシカルボニル基、置換基を有していても良いアリールオキシカルボニル基、置換基を有していても良いヘテロアリールオキシカルボニル基、置換基を有しても良いアリール基、置換基を有しても良いアリールオキシ基、置換基を有しても良いヘテロアリールオキシ基又は置換基を有しても良いヘテロアリール基を示し、またR、R、R、R、R、R及びRの何れか2つが結合することにより全体として縮合環を形成してもよい。)
で表される1−テトラロン化合物を、パラジウム触媒及び一般式(2)又は一般式(3)
【化2】

(式中、R、R12及びR13はそれぞれ独立して、水素原子又は炭素数1から3のアルキル基を示し、Rは置換基を有していても良い炭素数1から12のアルキル基又は置換基を有していても良いアリール基又は置換基を有していても良いヘテロアリール基を示し、R10及びR11はそれぞれ独立して、トリフルオロメチル基、アシル基、置換基を有していても良いアリール基、置換基を有していても良いヘテロアリール基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ヘテロアリールスルホニル基、アルキルスルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基、ヘテロアリールスルホニルオキシ基、又は一価基(A)
【化3】

(式中、R14は置換基を有していても良い炭素数1から12のアルキル基又は置換基を有していても良いアリール基を示す。)
を示し、nは0から3の整数を示す。)
で表されるオレフィン化合物の少なくとも一種の存在下に脱水素させることを特徴とする、一般式(4)
【化4】

(式中、R、R、R、R、R、R及びRはそれぞれ独立して一般式(1)と同じ意味を示す。)
で表される1−ナフトール化合物の製造方法。
【請求項2】
パラジウム触媒が炭素、アルミナ、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト及びハイドロタルサイトから選ばれた少なくとも一種の担体に担持された不均一触媒である、請求項1記載の1−ナフトール化合物の製造方法。
【請求項3】
パラジウム触媒がパラジウムカーボンである、請求項1又は2記載の2−ナフトール化合物の製造方法。
【請求項4】
一般式(2)又は(3)で表されるオレフィン化合物が、マレイン酸ジエステル、フマル酸ジエステル及びイソホロンから選ばれた少なくとも一種である、請求項1乃至3の何れか1項に記載の1−ナフトール化合物の製造方法。
【請求項5】
一般式(1)で表される1−テトラロン化合物のR、R及びRが全て水素である、請求項1乃至4の何れか1項に記載の1−ナフトール化合物の製造方法。
【請求項6】
一般式(1)で表される1−テトラロン化合物が、1−テトラロン又は6−アルコキシ−1−テトラロンである、請求項1乃至5の何れか1項に記載の1−ナフトール化合物の製造方法。

【公開番号】特開2007−320933(P2007−320933A)
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−155491(P2006−155491)
【出願日】平成18年6月3日(2006.6.3)
【出願人】(000102049)イハラケミカル工業株式会社 (48)
【Fターム(参考)】