説明

1つ以上の光源を具備したライトパイプを使用して輝度を増大させるリサイクルシステムと方法、およびこれを組み込んだプロジェクタ

少なくとも1つの光源を具備した少なくとも1つのリサイクル用ライトパイプを使用して、光出力の輝度を増大させるリサイクルシステムと方法。リサイクル用ライトパイプの出力端は、光の第1部分を光源に反射させ、光の第2部分をリサイクル用ライトパイプの入力端へ反射し、光の残り部分を出力として伝達する。このリサイクルシステムをプロジェクタ内に組み込むことで、輝度を増大したカラー投影画像が得られる。光源は白色LED、カラーLED、デュアル放物面状リフレクタ(DPR)ランプであってよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1つ以上の光源からの光を出力部と効率的に結合させることでスクリーンでの高い輝度を提供し、詳しくは、1つ以上の光源を具備したライトパイプを使用してリサイクルを行うことで輝度を増大させる、さらに、これをプロジェクタに組み込むためのシステムおよび方法に関連する。
【背景技術】
【0002】
光源はあらゆるタイプの照明および投影用途に使用される。多くの用途では、小さな有効放出範囲で高レベルの輝度の照明システムを必要とする。従来、この高レベルの輝度は光源をさらに追加することで達成可能である。しかしながら、これは複数の光源を一体化するための空間が限られている場合には技術的に不可能であるとともに、複数の光源を一体化し使用することに高いコストがかかる場合には経済的に実行不可能である。したがって、本発明は、光源の数を増やすことなく、光源の輝度を増大させるという要望に基づくものである。
【0003】
例えば、マイクロディスプレイ式のテレビ(MDTV)には、大きな画面サイズで低コストを実現できる可能性がある。従来のMDTVは、通常、アークランプで照明される。この光源は最も低いコストで最も輝度が高いが、白色光を3色に分割する必要性と寿命が短いという点において望ましくない。LED技術における進歩に伴い、LEDの寿命の長さと、瞬時ON等のその他の利点を得るためにMDTVにおける光源としてのLEDを利用することを考慮する必要がある。しかしながら、現時点においては、LEDは、複数の小型のイメージングパネルまたは複数のより大きなスクリーンを含む低コスト用用途としてその輝度が不十分である。例えば、Zimmermanらの特許文献1を参照すると、光源の輝度を増大させるためにLEDリサイクルスキームが利用されている。しかし、Zimmermanらは、単一の光出口を備える光反射キャビティ内に複数のLEDを取り囲むことを記載している。また、Zimmermanらの特許文献2は、ガスが充填された中空内部を取り囲む蛍燐光体被覆材を備えるガラスエンベロープを有する蛍光管を記載している。この蛍燐光体被覆材によって作り出された光の一部分が当該蛍燐光体被覆材へとリサイクルされる。本発明は、特に、1つ以上の光源を具備したライトパイプを使用してリサイクルを行い輝度を増大させ、これをプロジェクタに組み込むことにより、1つ以上の光源からの光を出力部と効率的に結合させることで、スクリーンに高い輝度を提供するという要望に基づくものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許6,869,206号
【特許文献2】米国特許6,144,536号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば、LEDは、一般照明、建築照明等の多くの照明用途、さらに、より最近のプロジェクションテレビに使用可能な光源の一種である。LEDは輝度が低いため、ほとんどのディスプレイやプロジェクタシステムはエテンデューに限界があり、一般に、これによって、スクリーンにおける最大出力が制限されてしまう。例えばプロジェクタに使用される場合、プロジェクタスクリーン上に必要な高光出力を提供するために、LEDは、小さな有効発光面積にて、高輝度レベルで光を放出しなければならない。具体的には、プロジェクタにおいて有用であるために、LEDは、ルーメン測定において、小さな発光面積内で小さな立体角にて強力で明るい光を提供しなければならない。
【0006】
発光ダイオード(LED)の開発は驚異的な進歩を遂げたが、現在利用可能なLEDの出力輝度はほとんどの投影用途にとって依然として不十分である。原色のLEDと、輝度を増大させるための出力光のリサイクルとを組み合わせる様々な方法が提案されてきた。しかしながら、こうした方法のほとんどは高価な構成要素を利用するものであり、および/または、大型でかさばるデバイスとなってしまうため、その用途は大幅に制限される。そのため、本発明は、上記の問題を解決する1つ以上の光源(LED、アークランプ、UHPランプ、マイクロ波ランプ等を含むが、これらに限定されるものではない)を具備したライトパイプを使用してリサイクルを行うことで輝度を増大させるシステムと方法、さらにこれを組み込んだプロジェクタを提供するという要望に基づくものである。本発明のプロジェクタは、さらに複数の色を多重化することにより、カラー画素表示(colored pixel displays)と時系列表示(time sequential displays)の両方を提供することができる。
【0007】
従って、本発明の目的は、1つ以上の光源を具備したライトパイプを使用して輝度を増大させるためのリサイクルシステムと方法を提供することである。
【0008】
本発明の別の目的は、前述のリサイクルシステムを組み込んだプロジェクタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の例示的な一実施形態によれば、リサイクルシステムと方法は、少なくとも1つの光源を具備した少なくとも1つのリサイクル用ライトパイプを使用することで光出力の輝度を増大させる。リサイクル用ライトパイプの出力端は、光の第1部分を光源に反射させ、光の第2部分をリサイクル用ライトパイプの入力端へ反射し、光の残り部分を出力として伝達する。リサイクルシステムは、輝度を増大させたカラー投影画像を提供するためにプロジェクタ内に組み込まれる。光源は白色LED、カラーLED、デュアル放物面状リフレクタ(DPR)ランプであってよい。
【0010】
本発明のその他の様々な目的、利点、特徴は以下の詳細な説明から容易に明白となり、その新規の特徴は添付の特許請求の範囲において具体的に指摘されるであろう。
【0011】
以下の詳細な説明は、具体例として提供されるものであって本発明をそれらのみに限定することを意図するものではない。詳細な説明は、種々の形状を備えた同様の構成要素または特徴が同様の参照番号によって表されている添付の図面を参照することによって最もよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の例示的な一実施形態によるライトパイプ1000を備えたリサイクルシステムの斜視図である。
【図2】(a)〜(c)は本発明の例示的な一実施形態によるリサイクルシステムの断面図である。
【図3】6側面型ビーム結合器と少なくとも2つのライトパイプを備えた本発明の例示的な一実施形態によるリサイクルシステムの断面図である。
【図4】(a)〜(c)は本発明の例示的な一実施形態による、半反射性の被覆材または空間的に反射性の部分で被覆した6側面型ビーム結合器の対角面の斜視図である。
【図5】本発明の例示的な実施形態による、図1のライトパイプを少なくとも2つ組み込んだ図3のリサイクルシステムの断面図である。
【図6】本発明の例示的な実施形態による、図1のライトパイプを少なくとも2つ組み込んだ図3のリサイクルシステムの断面図である。
【図7】本発明の例示的な一実施形態による、光学コンポーネントを直線状に配置した、図6のリサイクルシステムの断面図である。
【図8】本発明の例示的な一実施形態による、図1の少なくとも3つのライトパイプを備えた、図6、図7のリサイクルシステムの断面図である。
【図9】本発明の例示的な一実施形態による、図1の少なくとも4つのライトパイプと、少なくとも2つの6側面ビーム結合器とを備えたリサイクルシステムの斜視図である。
【図10】本発明の例示的な一実施形態による、ビーム結合器、2つのライトパイプ、2つのDPRベースの光源を備えたリサイクルシステムの断面図である。
【図11】本発明の例示的な一実施形態によるビーム結合器の斜視図である。
【図12】本発明の例示的な一実施形態による反射偏光子を備えた図1のリサイクルシステムの断面図である。
【図13】本発明の例示的な一実施形態による反射偏光子を備えた図7のリサイクルシステムの断面図である。
【図14】本発明の別の例示的な一実施形態によるテーパ型偏光ライトパイプシステムとDPRランプを備えたリサイクルシステムの断面図である。
【図15】(a)は本発明の例示的な一実施形態による図14のテーパ型偏光ライトパイプシステムの断面図であり、(b)は本発明の例示的な一実施形態による図15(a)のテーパ型ライトパイプシステムの反射口の斜視図である。
【図16】本発明の例示的な一実施形態による、図14の少なくとも2つのテーパ型偏光ライトパイプシステムと、ビーム結合器とを備えたリサイクルシステムの断面図である。
【図17】本発明の例示的な一実施形態によるリサイクルシステムを組み込んだLEDプロジェクタの断面図である。
【図18】本発明の例示的な一実施形態によるリサイクルシステムを組み込んだLEDプロジェクタの断面図である。
【図19】本発明の例示的な一実施形態による、2つのLEDを利用した図18のLEDプロジェクタの断面図である。
【図20】本発明の例示的な一実施形態による、ヒートシンク基板上に取り付けた2つ、および4つのLEDの斜視図である。
【図21】本発明の例示的な一実施形態による、中実の光学コンポーネントとしてのリサイクルリフレクタの断面図である。
【図22】本発明の例示的な一実施形態による、レンズレットアレイを備えた光プロジェクタの断面図である。
【図23】本発明の例示的な一実施形態による、レンズレットアレイを備えた光プロジェクタの断面図である。
【図24】本発明の例示的な一実施形態による、レンズレットアレイを備えた光プロジェクタの断面図である。
【図25】本発明の例示的な一実施形態による、ビームスプリッタ/結合(BSC)システムを備えたリサイクルシステムの断面図である。
【図26】本発明の例示的な一実施形態による、ビームスプリッタ/結合(BSC)システムを備えたリサイクルシステムの断面図である。
【図27】本発明の例示的な一実施形態による、ビームスプリッタ/結合(BSC)システムを備えたリサイクルシステムの断面図である。
【図28】(a)〜(f)は本発明の例示的な一実施形態による多様な構成のLEDまたはLEDチップを示す図である。
【図29】本発明の例示的な一実施形態によるRGBシーケンシャルプロジェクタの断面図である。
【図30】本発明の例示的な一実施形態による光源の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、本発明の例示的な実施形態を、図面を参照しながら説明する。これらの実施形態は本発明の原理を例証するものであり、本発明の範囲を制限するものとして解釈されるべきではない。
【0014】
1つ以上の光源からの光を出力と効率的に結合させることにより、スクリーンにおいて高輝度が得られる。標準的な照明システムでは光源の輝度を増大させることはできないが、本発明では、光源のリサイクルおよび結合を利用することで、スクリーンにおけるより高い出力強度を提供する。本発明は、1つ以上の光源からの出力をリサイクルおよび結合することで、この1つ以上の光源からの出力を増大させる。本発明の様々な構成および実施形態に適用できる光源には、アークランプ、UHPランプ、LED、マイクロ波ランプ等がある。
【0015】
次に図1を参照すると、本発明の例示的な実施形態である、ライトパイプ1100を備えたリサイクルシステム1000が示されている。ライトパイプ1100は中実でも中空でもよい。ライトパイプ1100は直線型でもテーパ型でもよい。ライトパイプ1100の入力端1200は、反射性入力面または反射性入力部1210と、入力口または透過部1220とを備える。反射性入力面1210は、光を反射するために反射性である入力端1200の一部または一部分からなり、入力口1220は、入力光をライトパイプ1100内へ透過させるために透明である入力端1200の残り部または残り部分からなる。本発明の一態様によれば、入力口1220は矩形、円形、またはあらゆる適切な形状であってよく、反射性入力面1210は偏光した光学系をサポートするための波長板(図示なし)を場合により備えていてよい。
【0016】
ライトパイプ1100の出力端1300は反射性出力面または反射性出力部1310と、出力口または透過性出力部1320を備えている。反射性出力面1310は、光を反射させるために反射性である出力端1300の一部または一部分からなり、出力口1320は、ライトパイプ1100からの光を透過または出力させるために透明である出力端1300の残り部または残り部分からなる。本発明の一態様によれば、出力口1320は矩形、円形、またはあらゆる適切な形状であってよく、反射性出力面1310は偏光した光学系をサポートするための波長板(図示なし)を場合により備えていてよい。
【0017】
本発明の例示的な一実施形態によれば、出力口1320は、照明または投影システムに要求される形状およびサイズと一致する形状であってよい。例えば、出力口1320は、アスペクト比が6:9または4:3の円形または矩形であってよい。入力口1220からライトパイプ1100に入った入力光は、ライトパイプ1100の出力端1300へ伝達され、一部分が出力口1320を介してライトパイプ1100から出力される。すなわち、光の一部が入力端1200に反射され、一部が出力口1320を介してライトパイプ1100から出力される。ライトパイプ1100は、入力口1220からの光の一部を反射して出力口1320へ送る。入力口1220にて使用できる光源はLED、ライトパイプからの出力、LEDまたはレーザで励起した蛍燐光体からの出力、あるいは、LEDまたはレーザでポンピングしたアップコンバート材料(up-converting materials)からの出力であってよい。光源もアークランプ、マイクロ波ランプ、反射体付きランプであってよい。
【0018】
図2(a)〜(c)は、本発明の実施形態によるリサイクルシステム1000の様々な例を示す。図2(a)は、LED1400を具備したテーパ型ライトパイプ1100を備えるリサイクルシステム1000の断面図を示す。テーパ型ライトパイプ1100に入力される光はLED1400からのものである。テーパ型ライトパイプ1100の出力端1300は、光の一部分を伝達させるための出力口1320と、光の残り部分をリサイクルするための反射性出力面1310とを備える。LED1400からの出力光はテーパ型ライトパイプ1100に結合され、この光の一部はLED1400に反射される。光出力がテーパ型ライトパイプ1100内へ戻る際に、光の一部がLED1400によって反射される(またはリサイクルされる)。
【0019】
図2(b)は、本発明の一実施形態による、テーパ型ライトパイプ1100の入力端1200がLED1400よりも大きいリサイクルシステム1000の別例である。テーパ型ライトパイプ1100に入力する光はLED1400からのものである。テーパ型ライトパイプ1100の出力端1300は、光の一部分を伝達させるための出力口1320と、光の残り部分をリサイクルするための反射性出力面1310とを備える。図1にあるように、入力端1200の余剰範囲または反射性入力面1210は、光の一部分をリサイクルするために反射性を持つ。
【0020】
図2(c)は、本発明の一実施形態によるリサイクルシステム1000の一例を示しており、この場合、ライトパイプ1100への入力光は、例えばデュアル放物面状リフレクタシステム、楕円形システムなどの光源から結合した入力ライトパイプ1500(ライトパイプ1100と同様に直線型、テーパ型、中空、中実であってよい)から出たものである。図には示していないが、本リサイクルシステム1000は、LED、マイクロ波ランプ、短波長LEDまたはレーザで励起した蛍燐光体、あるいは、長波長LEDまたはレーザでポンピングしたアップコンバート材料(up-converting materials)等を含むが、これらに限定されない他の光源を利用できる。
【0021】
次に図3に、本発明の例示的な一実施形態によるリサイクルシステム2000を示す。リサイクルシステム2000は6側面型ビーム/光結合器2100と、少なくとも2つのライトパイプ(LP、LPの符号で示す)とを備える。LP、LPは、図1のリサイクルシステム1000のライトパイプ1100と実質的に同様である。リサイクルシステム2000は複数の光源を結合することができる。図3では、リサイクルシステム2000の出力は、2つの光源を結合させたものである。各々の光源2200はLED1400(LED、LEDの符号で示す)と、ライトパイプLPまたはLPとを備える。LED(1400)からの光がLP(1100)に結合され、さらに光結合器2100内に入る。光結合器2100の6側面は全て、透過と内部全反射(TIR)の両方に使用できるように研磨されている。光結合器2100の三角形面2400も、光結合器2100が導波管として機能し、ライトパイプLP、LP(1100)からの光を誘導できるように研磨されている。本発明の例示的な一実施形態によれば、ビーム結合器2100の対角面2110は、半反射/透過面を提供するために被覆されている。対角面2110は図4(a)のような半反射性被覆材で被覆するか、あるいは、図4(b)、(c)に示すような空間的に反射性の部分を備えて被覆することができる。反射と透過の割合は、各用途の最大出力について最適化できる。本発明の一態様によれば、6側面/面/表面の全てが研磨されたビーム結合器2100はバルク型光学系としてよりもむしろ導波管として機能する。LP(1100)の出力部の寸法は、ビーム結合器2100の表面寸法と一致する。LP(1100)からの光の一部または一部分はLP(1100)へ反射され、LED(1400)によってリサイクルされる。LP(1100)からの光の一部または一部分はLP(1100)へ反射され、LED(1400)によってリサイクルされる。LP、LP(1100)からの光の一部または一部分は、出力光としてリサイクルシステム2000の出力口2130から放出され、光の残り部分は、端部リフレクタ2120によって反射されリサイクルシステム2000に戻される。リサイクルシステム2000は、光出力の一部分を反射しリサイクルシステム2000に戻すことでこの光出力の一部分をリサイクルする反射面または反射口2140を場合により備えることができる。本発明の例示的な一実施形態によれば、TIRをさらに促進するために、リサイクルシステム2000は、LP(1100)とビーム結合器2100、LP(1100)とビーム結合器2100というように、1つ以上の光学コンポーネントどうしの間に、場合により空隙または屈折率の低い接着剤(low index glue)2300を備えている。
【0022】
次に図5、図6には、本発明の例示的な一実施形態による、図1のライトパイプ1100を組み込んだ図3のリサイクルシステム2000を示している。ここでは、図1のリサイクルシステム1000と、図3、図5、図6のリサイクルシステム2000と共通の光学コンポーネントについての繰り返しの記述を省く。図5において、各LED1400(LED、LED)は、ライトパイプ1100(LP、LP)の入力端1200の一部または一部分に結合されるか、または被覆している。入力端1200の残り部または残り部分は反射性被覆材で被覆され、反射性入力面1210を提供している。図5のリサイクルシステム2000の出力は2つのLED入力を結合させたものである。図6では、図5のLED1400(LED、LED)の代わりに他の光源を使用している。この光源には、リフレクタまたはレンズ等で焦点を合わせた、ライトパイプ、照明ランプ(アークランプ、マイクロ波ランプ等)からの出力が含まれるが、これらに限定されるものではない。あるいは、本発明の例示的な一実施形態によれば、図6のリサイクルシステムの光学コンポーネントは、図7に示すように直線状に配置することができる。本発明の例示的な一実施形態によれば、TIRをさらに促進するために、図5〜図7のリサイクルシステム2000は、LP(1100)とビーム結合器2100、LP(1100)とビーム結合器2100というように、1つ以上の光学コンポーネントどうしの間に空隙または屈折率の低い接着剤(low index glue)2300を備えている。
【0023】
本発明の例示的な一実施形態によれば、図8に示すように、図6または図7のリサイクルシステム2000は、少なくとも3つの図1のライトパイプを備えてもよい。つまり、図6または図7のリサイクルシステム2000の端部リフレクタ2120の代わりに、図8ではライトパイプ1100を使用している。図8のリサイクルシステム2000の出力は3つの光源を結合させたものである。入力口1220において使用できる光源は、LED、ライトパイプからの出力、LEDまたはレーザで励起した蛍燐光体からの出力、あるいは、LEDまたはレーザ等でポンピングしたアップコンバート材料(up-converting materials)からの出力であってよい。本発明の例示的な一実施形態では、TIRをさらに促進するために、図8のリサイクルシステム2000は、1つ以上の光学コンポーネントどうしの間に、空隙または屈折率の低い接着剤(low index glue)2300を場合により備えている。
【0024】
本発明の例示的な一実施形態によれば、図9は、少なくとも4つのライトパイプ1100と、少なくとも2つのビーム結合器2100とを備えたリサイクルシステム3000を示す。リサイクルシステム3000は、少なくとも4組の光源からの出力を結合して1つの出力を得る。図9は2つのビーム結合器2100を備えたリサイクルシステム3000を示しているが、図9のリサイクルシステム2000は2つ以上のビーム結合器2100を備えてもよいことが理解される。本発明の一態様によれば、2つのビーム結合器2100の対角面2110の方向はそれぞれ異なっている。ビーム結合器(1)の対角面2110の方向は光をリサイクルするように方向付けされ、ビーム結合器(2)の対角面2110の方向は光を出力するように方向付けされている。ビーム結合器2100の三角形面2400は、ビーム結合器2100を導波管として機能させて、4つのライトパイプ1100(LP、LP、LP、LP)からの光を誘導できるように研磨されている。本発明の例示的な一実施形態では、TIRをさらに促進するために、図9のリサイクルシステム3000は、LP(1100)とビーム結合器(1)、LP(1100)とビーム結合器(1)というような、1つ以上の光学コンポーネントどうしの間に空隙または屈折率の低い接着剤(low index glue)2300を備えている。
【0025】
次に図10を参照して、本発明の例示的な一実施形態によるビーム結合器2100、2つのライトパイプ1100、2つの光源4200を備えたリサイクルシステム4000を示す。光源4200はデュアル放物面状リフレクタ(DPR)ランプである。第1光源DPRランプ4200は第1テーパ型ライトパイプTLP(1100)と結合しており、次にこれがライトパイプLP(1100)の入力口1220と結合する。第2光源DPRランプ4200は第2テーパ型ライトパイプTLP(1100)と結合しており、次にこれがライトパイプLP(1100)の入力口1220と結合する。リサイクルシステム4000のライトパイプ1100(LP、LP)とビーム結合器2100の動作は、図6〜7のリサイクルシステム2000のライトパイプ1100(LP、LP)とビーム結合器2100のものと同様である。リサイクルシステム4000は、ビーム結合器2100を用いて、第2組の光源4200の出力を第1組の光源4200と結合させ、1つの出力を得る。本発明の例示的な一実施形態によれば、TIRをさらに促進するために、図10のリサイクルシステム4000は、例えばLP(1100)とビーム結合器2100、TLP(1100)とLP(2100)というような、1つ以上の光学コンポーネントどうしの間に空隙または屈折率の低い接着剤(low index glue)2300を備えている。
【0026】
本発明の例示的な一実施形態によれば、図11に示すように、本リサイクルシステム(2000、3000、4000)のビーム結合器2100の出力面または出力表面2500は、透過性の開口部または出力口2130を備えた反射性の出力面2500である。本発明の一態様によれば、出力口2130の形状、サイズ、場所は、各用途の必要性に合うように構成することができる。
【0027】
次に図12を参照すると、本発明の例示的な一実施形態によれば、図1のリサイクルシステム1000は、偏光した出力を提供するためにライトパイプ1110の出力口1320と結合した反射偏光子1600をさらに備える。本発明の一態様によれば、ライトパイプ1100の反射性入力面1210は、波長板1230を場合により備えることで効率を高めることができる。
【0028】
本発明の例示的な一実施形態によれば、図13に示すように、図7のリサイクルシステム2000は、偏光した出力を提供するためにビーム結合器2100の出力口2130と結合した反射偏光子1600をさらに備える。本発明の一態様によれば、ライトパイプ1100の反射性入力面1210は波長板1230を場合により備えることで、効率を高めることができる。図13のリサイクルシステム2000のビーム結合器2100は、2つの別個の光源を結合して、1つの偏光した光の出力を生み出すことができる。
【0029】
次に図14、図15(a)、(b)を参照すると、本発明の例示的な一実施形態によるリサイクルシステム5000を示す。リサイクルシステム5000は、DPRランプまたはシステム4200を用いるように構成されたリサイクル工程を備えたテーパ型偏光ライトパイプシステム5100を備える。テーパ型偏光ライトパイプ5100は、透明で好ましくは屈折率の一致した(index matching)接着剤、エポキシ、または流体5500を充填した共通面を持った、2つのテーパ型ライトパイプ1100(TLP、TLP)を備えている。テーパ型ライトパイプ1100(TLP)に入る入力光は、テーパ型ライトパイプ1100(TLP)内に結合し、偏光した出力としてTLPから出力される。出力光の一部または一部分は場合により設けられる反射口5300により反射される。出力反射口の一例を図15(b)に示すが、透過性開口部5310の形状とサイズは用途に応じて変えることができる。未使用の偏光は反射偏光子5400によって反射され、DPRランプ4200に戻される。テーパ型偏光ライトパイプシステム5100のTLP1100は、光の一部分を反射して反射偏光子5400へ戻すための波長板5210を場合により設けた反射面5200を備えている。
【0030】
本発明の例示的な一実施形態によれば、図16のリサイクルシステム6000はビーム結合器2100と、少なくとも2つの、光源として機能する図15のテーパ型偏光ライトパイプシステム5100とを備えている。図16の2つのテーパ型偏光ライトパイプシステム5100の出力はビーム結合器2100に結合されるため、この図16のテーパ型偏光ライトパイプシステム5100には反射偏光子5400と場合により設けられる反射口5300は必要ない。図16のビーム結合器2100の出力端は反射偏光子6100と場合により設けられる反射口6200を備えており、これらは反射偏光子5400と、透過性開口部5310を備え、場合により設けられる反射口5300と同様のものである。図16には示していないが、図16のテーパ型偏光ライトパイプシステム5100は、それぞれ、図14に示すようにDPRランプ4200と結合させることができる。リサイクルシステム6000のビーム結合器2100は、少なくとも2つの光源5100を結合して1本の偏光出力ビームを得ることができる。リサイクルシステム6000は、図9のリサイクルシステム300と同様に、1つ以上のビーム結合器2100を使用して、2つ以上の光源5100を結合することが可能である。
【0031】
LED投影システムは、LEDの出力が増大するに従い急速に進歩している。一般的なLED投影システムは、赤、緑、青の3色LEDを使用する。時系列的に多重化してカラー出力画像を生成するため、各LEDからの出力は1つの出力に結合される。3色LEDは異なる材料からなり、異なる温度依存性を持つ。スクリーン上で均一な色を維持するためにフィードバック制御が必要であるが、これにより、典型的なLED投影システムが高価および複雑になる。白色LEDを使用した従来の照明は、白色LEDが十分な赤色成分を含んでいないために色が劣等であると考えられてきた。
【0032】
本発明は、これらの制限を、従来の照明および投影システムに白色LEDを使用することで克服する。本発明の例示的な一実施形態によれば、赤色を強調した、リサイクルされた白色LEDプロジェクタが得られる。次に図17を参照すると、本発明の例示的な一実施形態によるリサイクルシステムを組み込んだプロジェクタ7000を示す。プロジェクタ7000はイメージャパネル7300、投影エンジン7100、投影レンズ7200、リレーレンズ7400を備える。プロジェクタ7000はLED1400によって放出された光を利用するが、この放出された光の一部分がLED1400に戻されてリサイクルされ、リサイクルシステム1000を用いて輝度を増大させる。図17はリサイクルシステム1000を組み込んだプロジェクタ7000を示すが、プロジェクタ7000はここで述べたあらゆるリサイクルシステムを組み込むことができることが理解される。テーパ型ライトパイプ1100の出力は、リレーレンズ7400とカラーホイール7500を介して投影エンジン7100内に結合され、シーケンシャルカラーシステムが形成される。
【0033】
LED1400は白色の蛍燐光体LED1400、LEDまたはレーザで、好ましくは青色か紫外線(UV)のものでポンピングした白色の蛍燐光体であってよい。LED1400は白色LEDに限定されるものではなく、本発明はカラーLEDを利用して、ここで述べたように色強調機能の付いたLEDプロジェクタを提供できることが理解される。LED1400はヒートシンク基板1410上に取り付けることが好適である。LED1400の出力はライトパイプ1100内に結合されるが、このライトパイプは、出力が特定の用途に合うよう、中空または中実、あるいは、テーパ型または直線型であってよい。ライトパイプ1110は、最大結合効率を得られるよう、LED1400の出力部に配置、配列されている。ライトパイプ1100の出力端1300の表面の一部分は、反射性被覆材1310によって、あるいはミラーまたはリフレクタ1310を使用して被覆されているので、ライトパイプ1100の出力の1パーセントのみがカラーホイール7500を介して投影エンジン7100と結合する。次に、リレーレンズ7400と投影エンジン7100とを使用して、ライトパイプ1110の出力部が撮像パネルまたはイメージャパネル7300上に投影される。次に、撮像パネル4300における最終的な画像が、投影レンズ7200を介してスクリーン(図示なし)上に投影される。
【0034】
本発明の例示的な一実施形態によれば、ライトパイプ1110の出力部を、選択された波長のみを反射し、光の残りの全ての波長を透過させる出力被覆材で被覆することで、所望の色を強調することが可能である。例えば、ライトパイプ1100の出力端1300を、青色光を反射し、残りの全ての色の光を透過させるように被覆することができる。つまり、リサイクルシステム1000は青色光のリサイクルを促進することで、投影エンジン7100に透過する他の色を強調する。
【0035】
本発明の例示的な一実施形態によれば、カラーホイール7500は、3色システムの赤、青、緑、あるいは赤、緑、青、無色のように異なる色のフィルタを備えた2つ以上のセグメントを備えている。そのため、カラープロジェクタ7000は、各色を連続表示してカラー画像を生成するシーケンシャルカラーシステムを利用する。
【0036】
本発明の例示的な一実施形態によれば、LED1400は直流駆動型である。あるいは、LED1400は、カラーホイール7500と同期させた変電流で駆動することができる。例えば、LED1400は、カラーホイール7500のどの色セグメントがライトパイプ1100の前にあるかを示す関数として、異なる電流値を持つことができる。特定の実施形態では、ライトパイプの前に赤色セグメントがある場合にはより高い電流が付加されて、赤色の欠損を高電流によって克服している。
【0037】
本発明の例示的な一実施形態によれば、イメージャパネル7300は、例えばTexas Instrumentsまたは他のメーカーによって製造されるようなデジタルミラーデバイス(DMD)であってよい。本発明の例示的な一実施形態によれば、イメージャパネル7300はシリコン基板上に液晶を形成した反射型の液晶表示(LCOS)パネルであってよい。図17のリサイクルシステム1000は場合により設けられる反射偏光子5400を備えることができ、この偏光子は、望ましくない光の偏光を反射させてリサイクルのためにライトパイプ1100に戻すことができるように、ライトパイプ1100の出力端1300に配置されている。
【0038】
本発明の例示的な一実施形態によれば、LED1400の白色蛍燐光体は、LED1400が放出した青色光によって駆動することができる。リサイクルシステム1000でリサイクルを行う工程では、リサイクルされた青色光がLED1400の蛍燐光体に再吸収された後、緑色と赤色の光として再出射することができる。その結果、リサイクルされた光は低い青色出力と、高い赤色及び緑色出力とを持つようになる。
【0039】
本発明の例示的な一実施形態によれば、より高い出力パワーを必要とする用途では、プロジェクタ7000は複数のLED1400を利用して1つまたは複数の蛍燐光体セグメントを駆動することで、放出された光をリサイクルシステム1000のライトパイプ1100内へ結合できるようにしている。複数のLED1400からの出力も、それぞれ導波管として機能するプリズム、ライトパイプ、その他同等の光学コンポーネントを使って結合することで、スクリーン(図示なし)でのより高い出力が得られることが理解される。例えば、プリズムは、その各側面を反射可能に研磨してTIRを促進した場合には、導波管として機能することができる。
【0040】
白色蛍燐光体LEDからの光を使用することの利点は次のとおりである。
1.白色蛍燐光体LEDはより短い波長とより大きなバンドギャップを持つため、より高い接合温度で動作でき、ヒートシンクの必要条件を緩和する。
2.単色LEDを使用できるため、マルチカラーLEDを多重化する必要がなくなる。
3.カラーホイールは開発された優れたコンポーネントであり、その寿命は非常に長い。
4.標準的な投影エンジン構成を使用することが可能であり、また、こうした標準的な投影エンジンの大量生産の経験を持つメーカーは沢山ある。
5.多くのメーカーが白色蛍燐光体LEDを製造している。
6.より小型の白色蛍燐光体LEDを複数使用することで、広い放出範囲が得られる。この放出範囲には、リサイクル効率を低下させ得るLEDどうしの間の空継ぎ目がない。
【0041】
次に図18を参照すると、本発明の例示的な一実施形態によれば、光をリサイクルするためのリサイクルリフレクタ8100をさらに備えたLEDプロジェクタ8000を示す。リサイクルリフレクタ8100は、LED出力の一部分を反射しLED1400に戻して光をリサイクルする。LED1400は白色またはカラーLEDであってよい。好適には、リサイクルリフレクタ8100は球状、環状、楕円形のリフレクタであり、LEDの像をLED自身に戻すものである。リサイクルリフレクタ8100の開口部は出力口1320として使用される。本発明の一態様によれば、開口部のサイズを変更することで、異なるリサイクル量を達成できる。光出力は、集光レンズ7600、または、2つ以上のレンズ7600を具備したレンズシステムを用いて結合された後、ライトパイプ1100内に集束される。この光をライトパイプ1100が均質化して、ライトパイプ1100の出力部におい均一な光強度プロフィールを生成する。LEDプロジェクタ8000の残りの光学コンポーネントは、図17のLEDプロジェクタ7000のものと同様である。カラーホイール7500は、ライトパイプ1100の入力端または出力端のいずれかに配置することが可能である。
【0042】
本発明の例示的な一実施形態によれば、図19は2つ以上のLED1400を利用したLEDプロジェクタ8000を示す。リサイクルリフレクタ8100は、1つのLEDを別のLED上に撮像して、LEDプロジェクタ8000のリサイクル効率を高める。図20は、LEDプロジェクタ8000と併用できるヒートシンク基板1410上に取り付けた2または4つのLED1400を示す。4つのLEDを取り付けたケースでは、リサイクルリフレクタ8100が第1LEDを、第1LEDに対して斜めに位置決めされた第2LEDの上に撮像し、例えば、LED AがLED A´の上に、LED B´がLED B上に撮像する。集光レンズ7600はLED1400の光出力を結合させる。
【0043】
本発明の例示的な一実施形態によれば、リサイクルリフレクタ8100は、図21に示すような中実の光学コンポーネントであってよく、例えば、最大出力効率が得られるように曲率を最適化した半反射性半透過性表面を有するガラス片であってよい。LED1400の出力部に配置した中実ガラス8100は、光を最大限にリサイクルできるように配列されている。中実ガラス8100の出力面の一部分は、反射面8110となるように反射性被覆材で被覆され、残り部分は出力口8120として機能するように透過性となっている。出力口8120は、反射面8120と同一の連続面から形成することができ、また最適な結合が得られるように異なる曲率を有するように構成することができる。
【0044】
次に図22〜図24を参照すると、本発明の例示的な一実施形態によれば、製造コストを低減するためにライトパイプ1110を省いた構成のLEDプロジェクタ8000を示す。ここでは、図18のLEDプロジェクタ8000の集光レンズ7600の代わりに、レンズレットアレイ8200を使用している。レンズレットアレイ8200は図7のように円形や、図8のように矩形であってよく、また、2つ以上のレンズまたはレンズレット(lenslet)からなる。レンズレットは標準的な列に配列、あるいは無作為に配列することができ、また、最大の効率と均一性を得るために特定のパターンに構成することができる。各レンズレットは(図22に示すように)平面A上にLEDを撮像する。平面A上のこの地点は、ライトパイプ1100の出力端または出力面1300と実質的に同位置にあることが理解される。平面A上のこの地点は各レンズレットが形成した画像で構成されているため、全体の強度プロフィールを均一にすることが可能である。次に、この出力が、撮像パネル7300、投影エンジン7100、投影レンズ7200を介して投影スクリーン(図示なし)に結合される。本発明の一態様によれば、レンズレットアレイ8200は、四角形のLED1400を様々な投影アスペクト比形式に合った矩形の出力に変換することができる。一般に、出力パターンは必要なあらゆるサイズ、形状、強度プロフィールであってよい。
【0045】
本発明の例示的な一実施形態によれば、TIRを促進するために全ての表面/面が反射可能に研磨されたビームスプリッタ/結合(BSC)システム9100と、2つのLED1400とを備えたリサイクルシステム9000が図25に示されている。本発明の一態様によれば、BSC9100は、半反射性の境界面9120で接触する2つの三角プリズム(TIRを促進するために全ての面/表面が反射可能に研磨されている)を備えている。半反射性の境界面9120は、半反射性被覆材で被覆することで、または反射性被覆材で部分的に被覆した表面を使用することで作成できる。反射率は被覆面範囲の大きさによって制御できることが理解される。例えば、半反射性の境界面9120は、反射片(reflective stripes)9125(図示あり)または反射ドット(reflective dots)(図示なし)を備えていてよい。
【0046】
LED1400からの出力はBSC9100内に結合する。LED1400からの光は、一部分がライトパイプ1100の出力端1300へ出力として反射され、一部分が別のLED1400へ送られ、残り部分がBSC9100の反射表面に向けて送られる。BSC9100は、TIRを促進するためにその6側面全てが研磨、好適には反射可能に研磨されているため、導波管として機能することが理解される。一般に、LED1400から放出され、ライトパイプ1100の出力端へ出力として送られなかった光はリサイクルされ、最終的に出力としてライトパイプ100から出力される。特定の用途によっては、BSC9100からの出力をそのままの状態で使用するか、あるいはさらに、直線型、テーパ型、中空、中実であってよい出力ライトパイプの出力部(図示なし)を介して結合させることができる。ライトパイプ1100と出力ライトパイプ(図示なし)は、標準的なライトパイプまたは半反射性出力面1610を具備したリサイクルライトパイプであってよく、さらに、LCOS、LCD、またはその他の偏光依存型システムに偏光した出力を提供できるように、出力端1300に反射偏光子1600を備えることができる。
【0047】
リサイクルシステム9000は、BSC9100と、2つのLED1400と、ライトパイプ1100とを備えた1つの導波管システムを含むが、リサイクルシステム9000は導波管のネットワークを含むように拡張することができる。本発明の例示的な実施形態によれば、図26は2つのLEDを具備したリサイクルシステム9000を示し、このリサイクルシステムにおいて、LEDは、導波管(ライトパイプ1100、全ての側部を研磨、好適にはTIRを促進するために反射可能に研磨した三角プリズム9200、反射表面9110を具備したBSC9100)と同平面上に配置されている。図27は、3つのLEDを具備したリサイクルシステム9000を示し、このシステムは、3つのLED1400、2つのライトパイプ1100、反射表面9110を具備した2つのBSC9100、1つの三角プリズム9200を備えている。リサイクルシステム9000は1つ、2つ、または3つのLEDに限定されず、導波管のネットワーク(ライトパイプ1100、三角プリズム9200、BSC9100)を使用して、複数のLEDをまとめてリサイクルすることができると理解される。
【0048】
本発明の例示的な一実施形態によれば、図28(a)〜(f)は多様な形状のLEDまたはLEDチップ1400を示している。符号「C」を付けたLEDまたはLEDチップ1400は、LEDチップ1400がカラーチップであることを示し、その色は、白色、赤色、緑色、青色、またはその他あらゆる色のLEDチップであってよい。リサイクルリフレクタ8100の撮像性質により、対になったLEDの各々が互いの上に撮像されてリサイクルされるが、同色のLEDで1対であることが好適である。例えば図28(c)では、撮像対C、C´は同色であり、撮像対C、C´は同色である。図28(e)は、図28(c)の赤色(R)、緑色(G)、青色(B)LEDバージョンを示し、この場合の撮像対は(R、R´)、(B、B´)、(G、G´)である。図28(d)、図28(f)は、LEDチップ配列の別の組み合わせを示す。これ以外のLEDチップの組み合わせおよび構造が可能であり、それらは本発明に包括されると考えられることが理解される。特定のLEDチップ配列は、本リサイクルシステムの用途によって異なる点に注意されたい。
【0049】
次に図29を参照すると、本発明の例示的な一実施形態によるRGBシーケンシャルプロジェクションシステムまたはRGBシーケンシャルプロジェクタ9500を示す。RGBシーケンシャルプロジェクタ9500は、投影エンジン7100、撮像パネル7300、投影レンズ7200、リレーレンズ7400、ライトパイプ1100、リサイクルリフレクタ8100、RGB LED1400、レンズレットアレイ8200を備えている。RGBシーケンシャルプロジェクタ9500は、3種類の色を時間多重化し、画素強度制御に撮像パネル7300を使用して、スクリーン(図示なし)上にカラー画像を生成することができる。RGB LED1400の出力はリサイクルリフレクタ8100によってリサイクルされ、ここで記述したレンズ、レンズレットアレイおよび/またはレンズアレイ8200を用いて結合される。RGB LED1400は時間多重化することができるのでカラーホイール7500は不要であり、したがって図29には示されていないことが理解される。
【0050】
本発明の例示的な一実施形態によれば、図30に示すように、光源9600は、ヒートシンク基板1410上に取り付けたLED1400と、リサイクルリフレクタ8100と、さらに、汎用照明に使用することが可能な、あるいはここで記述した様々なプロジェクタ内に組み込むことが可能な任意のレンズシステム9650とを備える。LED1400は単色またはマルチカラーのLED1400であってよい。レンズシステム9650は、光出力を所定の角度で拡散させるように構成することができる。本発明の一態様によれば、レンズシステム9650を、例えばプロジェクタ9500のライトパイプ1100のように、光出力が対象物内に集束するように構成できる。
【0051】
本発明の例示的な一実施形態によれば、光源9600は、レンズシステム9650よりも前または後に挿入され、光出力プロフィールのさらなる調整を可能にするため場合により設けられる拡散板9610を備えることができる。拡散板9650はすりガラス、ホログラフィック拡散板、レンズアレイであってよい。本発明の例示的な一実施形態によれば、リサイクルリフレクタ8100、レンズシステム9650、場合により設けられる拡散板9610は、プラスチックまたはガラスに成形して単体化でき、これにより組み立てが容易になり、製造コストを低減できる。
【0052】
本発明の例示的な一実施形態によれば、レンズシステム9650は光を平行化するように構成できるため、光源9600は、放物面リフレクタを備えた標準的なランプの代わりとなることができる。本発明の一態様によれば、レンズシステム9650は光を収束するように構成できるため、光源9600は、楕円リフレクタを備えた標準的なランプの代わりとなることができる。本発明の一態様によれば、レンズシステム9650は光を拡散させるように構成することができるため、光源9600は、汎用スポットライト用の標準的なランプの代わりとなることができる。レンズシステム9650は場合により設けられる拡散板9610をさらに備えることができ、これにより、光出力プロフィールをさらに調整することが可能となり、最適な結果が得られるようになることが理解される。
【0053】
以上本発明について説明したが、当業者は本発明の趣旨および範囲から逸脱しない限り多様に改変することが可能であると理解するであろう。こうした任意の全ての改変も特許請求の範囲内に含まれるものと意図されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光出力の輝度を増大するために光をリサイクルする装置であって、
入力端と出力端とを有したリサイクル用ライトパイプを備え、
前記リサイクル用ライトパイプの前記入力端は、光源からの入力光を受けるための入力口と、反射性入力面とを備え、
前記リサイクル用ライトパイプの前記出力端は、前記リサイクル用ライトパイプから光を出力するための出力口と、前記出力端に向けられた光の一部分を前記リサイクル用ライトパイプの前記入力端へ反射する反射性出力面とを備え、
前記入力口は前記反射性出力面で反射された光の一部分をリサイクルのために前記光源へ伝達し、前記反射性入力面は光の残り部分を前記リサイクル用ライトパイプの前記出力端へ反射し、これにより、光のリサイクルを介して、前記出力口から出た光の輝度が増大する、装置。
【請求項2】
前記リサイクル用ライトパイプが、中空の直線型ライトパイプ、中空のテーパ型ライトパイプ、中実の直線型ライトパイプ、または中実のテーパ型ライトパイプのいずれか1つである、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記入力口の形状が矩形または円形であり、前記出力口の形状がアスペクト比が6:9または4:3の矩形または円形である、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記リサイクル用ライトパイプの前記反射性入力面と前記反射性出力面の少なくとも1つが波長板を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記光源は、ライトパイプに結合したデュアル放物面状リフレクタ(DPR)ランプ、白色LED、カラーLED、ライトパイプからの出力、LEDまたはレーザで励起した蛍燐光体からの出力、またはLEDまたはレーザでポンピングしたアップコンバート材料(up-converting materials)からの出力のいずれか1つである、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
少なくとも2つの光源と、少なくとも2つのリサイクル用ライトパイプと、前記少なくとも2つのリサイクル用ライトパイプの出力を結合して1本の出力ビームを生成する6側面型のビーム結合器とをさらに備え、
前記ビーム結合器の6側面の各々は、前記ビーム結合器が導波管として機能できるよう、内部全反射を促進するように研磨されている、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記ビーム結合器が、半反射面を提供するように被覆された対角面を備える、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記ビーム結合器の前記対角面が、前記半反射面を提供するために空間的に反射性の部分を備えている、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
各リサイクル用ライトパイプと前記ビーム結合器との間に空隙または屈折率の低い接着剤(low index glue)をさらに備えている、請求項6に記載の装置。
【請求項10】
前記ビーム結合器が、1本の偏光出力ビームを提供するために反射偏光子を備える、請求項6に記載の装置。
【請求項11】
少なくとも2つの光源と、各リサイクル用ライトパイプの前記入力口に結合した光源とをさらに備える装置であって、前記各々の光源は、ライトパイプの入力端に結合したデュアル放物面状リフレクタ(DPR)ランプであり、前記各々の光源の前記ライトパイプの出力端は前記リサイクル用ライトパイプの前記入力口に結合している、請求項6に記載の装置。
【請求項12】
前記ビーム結合器が、光を反射する反射性の出力面と、光を出力するための出力口とを備えている、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
少なくとも3つの光源と、少なくとも3つのリサイクル用ライトパイプとをさらに備える装置あって、前記ビーム結合器は前記少なくとも3つのリサイクル用ライトパイプの出力を結合して、前記1本の出力ビームを提供する、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
少なくとも4つの光源と、少なくとも4つのリサイクル用ライトパイプと、少なくとも2つの6側面型ビーム結合器とをさらに備える装置であって、
第1ビーム結合器の前記対角面は光をリサイクルするように方向付けられ、第2ビーム結合器の前記対角面は前記装置からの光を出力するように方向付けられており、前記第1、第2ビーム結合器の前記対角面の方向付けは互いに異なっている、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記リサイクル用ライトパイプの前記出力端に反射偏光子をさらに備える装置であって、
前記リサイクル用ライトパイプは、屈折率の合致する接着剤(index matching glue)、エポキシ、流体を充填した共通面を持った第1、第2テーパ型ライトパイプを備え、
前記第1テーパ型ライトパイプに入る入力光は前記第2テーパ型ライトパイプ内に結合し、
前記反射偏光子は未使用の偏光された光を反射し前記光源に戻してリサイクルすることにより、前記光出力の輝度を増大させる、請求項1に記載の装置。
【請求項16】
前記光源はデュアル放物面状リフレクタ(DPR)ランプであり、前記反射偏光子は未使用の偏光された光を反射し前記DPRに戻してリサイクルすることにより、前記光出力の輝度を増大させる、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
少なくとも2つの光源と、各々のリサイクル用ライトパイプの前記出力端における反射偏光子とをさらに備える装置であって、
前記各々のリサイクル用ライトパイプは、屈折率の合致する接着剤(index matching glue)、エポキシ、流体を充填した共通面を持つ第1、第2テーパ型ライトパイプを備え、
前記第1テーパ型ライトパイプに入る入力光は前記第2テーパ型ライトパイプ内に結合し、
前記各々のリサイクル用ライトパイプの前記反射偏光子は未使用の偏光された光を反射し対応する光源に戻してリサイクルすることにより、前記光出力の輝度を増大させる、請求項1に記載の装置。
【請求項18】
請求項1に記載の装置を組み込んだLEDプロジェクタであって、
前記光源は前記リサイクル用ライトパイプの入力口に結合した白色LEDであり、投影エンジン、撮像パネル、投影レンズ、リレーレンズ、カラーホイールをさらに備え、
前記リサイクル用ライトパイプの出力は、前記リレーレンズ、前記撮像パネル、前記カラーホイールを介して前記投影エンジン内に結合し、これにより、前記投影レンズによってスクリーン上に投影するための連続したカラー画像が提供される、請求項1に記載の装置を組み込んだLEDプロジェクタ。
【請求項19】
前記撮像パネルがデジタルミラーデバイス(DMD)、またはシリコン基板上に液晶を形成した反射型の液晶表示(LCOS)パネルである、請求項18に記載のLEDプロジェクタ。
【請求項20】
前記LEDにより放出された光の一部分を反射し前記LEDに戻すことで光をリサイクルするリサイクルリフレクタをさらに備え、
前記リサイクルリフレクタは光を出力するための出力口を備えている、請求項18に記載のLEDプロジェクタ。
【請求項21】
前記LEDは複数の単色LEDまたはマルチカラーLEDを備え、
前記リサイクルリフレクタは1つのLEDを別のLED上に撮像することで、リサイクルの効率を高める、請求項20に記載のLEDプロジェクタ。
【請求項22】
前記リサイクルデバイスの前記出力口から出た光の焦点を、前記リサイクル用ライトパイプ内で合わせるための集光レンズをさらに備える、請求項20に記載のLEDプロジェクタ。
【請求項23】
請求項1に記載の装置を組み込んだLEDプロジェクタであって、
前記光源はRGB LEDであり、また、投影エンジンと、撮像パネルと、投影レンズと、リレーレンズと、レンズレットアレイと、前記RGB LEDから放出された光の一部分を反射しRGB LEDに戻して光をリサイクルするためのリサイクルリフレクタとをさらに備え、
前記リサイクルリフレクタは、前記レンズレットアレイに結合された光を出力するための出力口を備え、
3色の光を時間多重化して、前記投影レンズがスクリーン上に投影するカラー画像を提供するために、前記リサイクル用ライトパイプの出力は、前記リレーレンズと、前記撮像パネルと、前記レンズレットアレイとを介して投影エンジン内に結合される、請求項1に記載の装置を組み込んだLEDプロジェクタ。
【請求項24】
前記リサイクルリフレクタは出力面を具備した中実の光学コンポーネントであり、
前記リサイクルリフレクタの前記出力面の一部分は、反射面を提供するために反射性被覆材で被覆されており、前記リサイクルリフレクタの前記出力面の残り部分は、前記出力口を提供するために透過性である、請求項20に記載のLEDプロジェクタ。
【請求項25】
前記光源は複数のLEDと、レンズシステムと、各LEDからの光の一部分を反射し前記複数のLEDに戻し、前記光の残り部分を出力するために前記レンズシステムに結合されるリサイクルリフレクタとを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項26】
前記レンズシステムが、所定の角度で拡散するように光を出力するように構成されている、請求項25に記載の装置。
【請求項27】
前記光源が、前記リサイクルリフレクタからの光の残り部分を受光するよう位置決めされた、または、前記レンズシステムから出力された光を受光するように位置決めされた拡散板を備える、請求項25に記載の装置。
【請求項28】
各々がLEDである少なくとも2つの光源と、
導波管として機能できるよう、反射面を提供し、内部全反射(TIR)を促進するために全ての側面を反射可能に研磨した6側面型ビームスプリッタ/結合器(BSC)システムとをさらに備え、
前記BSCシステムは、各LEDからの光の第1部分を前記リサイクル用ライトパイプの前記出力端へ出力として反射し、前記各LEDからの光の第2部分をリサイクルのために別のLEDへ反射し、さらに、前記各LEDからの光のこれら以外の部分を前記BSCシステムの反射表面に向けて方向付ける、請求項1に記載の装置。
【請求項29】
前記BSCシステムが、一部が反射性である対角線上の境界面を備えている、請求項28に記載の装置。
【請求項30】
偏光した光出力を提供するために、前記リサイクル用ライトパイプの前記出力端に反射偏光子をさらに備える、請求項28に記載の装置。
【請求項31】
複数のBSCシステムと、複数のLEDと、TIRを促進するように全ての面を反射可能に研磨した三角プリズムとをさらに備える、請求項28に記載の装置。
【請求項32】
入力光を提供するLEDと、投影エンジンと、投影レンズと、撮像パネルと、レンズレットアレイと、カラーホイールと、さらに、前記入力光の一部分を前記レンズレットアレイへ出力し、前記入力光の残り部分を反射し前記LEDに戻してリサイクルするためのリサイクルリフレクタとを備えるLEDプロジェクタであって、
前記レンズレットアレイは、異なる色の光を、前記カラーホイール、前記リレーレンズ、前記撮像パネルを介して、前記投影エンジンに時間的に結合し、これにより、前記投影レンズがスクリーン上に投影する連続したカラー画像が提供される、LEDプロジェクタ。
【請求項33】
前記レンズレットアレイが円形または矩形アレイに配列されている、請求項32に記載のLEDプロジェクタ。

【図1】
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【図2(a)】
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【図2(b)】
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【図2(c)】
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【図3】
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【図4(a)】
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【図4(b)】
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【図4(c)】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15(a)】
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【図15(b)】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【公表番号】特表2012−500413(P2012−500413A)
【公表日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−523215(P2011−523215)
【出願日】平成21年8月17日(2009.8.17)
【国際出願番号】PCT/US2009/054024
【国際公開番号】WO2010/019945
【国際公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【出願人】(505315395)ウェイヴィーン・インコーポレイテッド (12)
【住所又は居所原語表記】29023 THE OLD ROAD,VALENCIA, CALIFORNIA 91355, UNITED STATES OF AMERICA
【Fターム(参考)】