説明

1,2,3,4−テトラヒドロキノリン化合物

【課題】種々の植物病害に対し優れた殺菌活性を有し、イネいもち病などに対して低薬量で防除が可能な農薬の有効成分として有用な化合物を提供する。
【解決手段】下記一般式:


(式中、点線の結合:単結合、二重結合;R1、R2:ハロゲン置換可C1〜C6アルキル、アリール、ヘテロアリール、Cと一緒になってC3〜C10シクロアルキル;R、R:H、C1〜C6アルキル、ハロゲン原子、Cと一緒になってC〜C10シクロアルキル;R5:H、アシル、O、C1〜C6アルキル、アリール置換C1〜C6アルキル、R6:H、アシル、ハロゲン置換可C1〜C6アルキル、アリール置換C1〜C6アルキル;X:ハロゲン、C1〜C6アルキル;Y:ハロゲン、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、OH;p:0、1;n:0〜4;m:0〜4)
で表される化合物又はその塩。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1,2,3,4−テトラヒドロキノリン化合物又はその塩、及びそれを有効成分として含有する農薬に関する。
【背景技術】
【0002】
国際公開第05/70917号パンフレット(特許文献1)には、3−(ジヒドロ(テトラヒドロ)イソキノリン−1−イル)キノリン化合物が農園芸用殺菌剤として記載されているが、1,2,3,4−テトラヒドロキノリン化合物は記載されておらず、また、Indian Journal of Chemistry 1969, 7(10), 1010-1016(非特許文献1)、同文献1970, 8(6), 505-508(非特許文献2)、同文献1985, 24B(7), 737-746(非特許文献3)及び同文献1986, 25B(10), 1072-1078(非特許文献4)にも、3−(ジヒドロ(テトラヒドロ)イソキノリン−1−イル)キノリン化合物の合成の記載があるが、1,2,3,4−テトラヒドロキノリン化合物は記載されておらず、更に、農園芸用殺菌剤に関する記載もない。
【0003】
このように、1,2,3,4−テトラヒドロキノリンを部分構造として有する化合物が農園芸用殺菌剤として使用できることは従来知られていない。
【0004】
【特許文献1】国際公開第00/42019号パンフレット
【非特許文献1】Indian Journal of Chemistry 1969, 7(10), 1010-1016
【非特許文献2】Indian Journal of Chemistry 1970, 8(6), 505-508
【非特許文献3】Indian Journal of Chemistry 1985, 24B(7), 737-746
【非特許文献4】Indian Journal of Chemistry 1986, 25B(10), 1072-1078
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、種々の植物病害に対し、優れた殺菌活性を有する新規な化合物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、1,2,3,4−テトラヒドロキノリン化合物について鋭意研究を重ねた結果、1,2,3,4−テトラヒドロキノリン環の3位に3,4−ジヒドロイソキノリン環又は1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン環が結合している1,2,3,4−テトラヒドロキノリン化合物が、種々の植物病害に対し優れた殺菌活性を有し、農薬の有効成分として有用であり、特に、植物のかび病のなかでも農園芸用作物に対してしばしば重篤な被害を与えるイネいもち病(Pyricularia oryzae)並びにトマト、キュウリ及びインゲンの灰色かび病(Botrytis cinerea)に対して低薬量で防除が可能であることを見出し、本発明を完成させた。
【0007】
本発明は、一般式(I):
【化2】


(式中、
点線の結合は、単結合又は二重結合を表し、
1及びR2は、同一若しくは異なっていてもよく、同一若しくは異なった1〜3個のハロゲン原子で置換されてよいC1〜C6アルキル基、アリール基又はヘテロアリール基を表すか、或いは、
1及びR2は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、C3〜C10シクロアルキル環を形成し、
及びRは、同一若しくは異なっていてもよく、水素原子、C1〜C6アルキル基又はハロゲン原子を表すか、或いは、
及びRは、それらが結合している炭素原子と一緒になって、C〜C10シクロアルキル環を形成し、
5は、水素原子、アシル基、酸素原子、C1〜C6アルキル基又はアリール基で置換されたC1〜C6アルキル基を表し、
6は、水素原子、アシル基、同一若しくは異なった1〜3個のハロゲン原子で置換されてよいC1〜C6アルキル基又はアリール基で置換されたC1〜C6アルキル基を表し、
Xは、ハロゲン原子又はC1〜C6アルキル基を表し、
Yは、ハロゲン原子、C1〜C6アルキル基、C1〜C6アルコキシ基又は水酸基を表し、
pは、0又は1を表し、
nは、0〜4の整数を表し、
mは、0〜4の整数を表し、
但し、点線の結合が単結合の場合、pは1を表し、かつR基は、水素原子、アシル基、C1〜C6アルキル基又はアリール基で置換されたC1〜C6アルキル基を表し、
点線の結合が二重結合の場合、pは0を表すか、或いは、pは1を表し、かつR基は、酸素原子を表す。)
で表される化合物又はその塩である。
【0008】
なお、上記式において、pが0を表す場合は、式「−N(R5)p・・・」基は、式「−N=」基を意味し、nが0を表す場合は、式「−Xn」基は、水素原子を意味し、mが0を表す場合は、式「−Ym」基は、水素原子を意味する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の1,2,3,4−テトラヒドロキノリン化合物は、農園芸用殺菌剤として用いることができ、宿主植物に被害を与えることなく、種々の植物病原菌、例えば、イネいもち病(Pyricularia oryzae)並びにキュウリ、トマト及びインゲンの灰色かび病(特に、イネいもち病)に対して卓効を示し、農園芸用殺菌剤として優れたものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において、「C1〜C6アルキル基」は、炭素数1乃至6個の直鎖又は分枝鎖アルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、2−メチルブチル基、ネオペンチル基、1−エチルプロピル基、へキシル基、4−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、1−メチルペンチル基、3,3−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基又は2−エチルブチル基であり得、好適には、炭素数1乃至5個の直鎖又は分枝鎖アルキル基(C1〜C5アルキル基)であり、より好適には、炭素数1乃至4個の直鎖又は分枝鎖アルキル基(C1〜C4アルキル基)であり、更により好適には、炭素数1乃至3個の直鎖又は分枝鎖アルキル基(C1〜C3アルキル基)であり、特に好適には、メチル基、エチル基又はプロピル基であり、最も好適には、メチル基又はエチル基である。
【0011】
本発明において、「アリール基」は、炭素数6乃至14個の芳香族炭化水素基であり、例えば、フェニル基、1−若しくは2−ナフチル基、アントラセニル基、フェナントレニル基又はアセナフチレニル基であり得、好適には、フェニル基又は1−若しくは2−ナフチル基であり、より好適には、フェニル基である。
【0012】
上記「アリール基」は、置換基を有してもよく、その置換基は、例えば、C1〜C6アルキル基、C1〜C6アルコキシ基又はハロゲン原子であり得、好適には、C1〜Cアルキル基、C1〜Cアルコキシ基又はハロゲン原子であり、より好適には、C1〜Cアルキル基、C1〜Cアルコキシ基、フッ素原子又は塩素原子であり、特に好適には、メチル基、メトキシ基、フッ素原子又は塩素原子である。
【0013】
本発明において、「ヘテロアリール基」は、単環性(例えば、3乃至8員、好適には5乃至7員)又は多環性(例えば、8乃至20員、好適には、8乃至14員)のいずれであってもよく、1個又は2個以上の同一又は異なる環構成ヘテロ原子を含むヘテロアリール基である。ヘテロ原子の種類は特に限定されないが、例えば、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子又はケイ素原子であり得、好適には、窒素原子、酸素原子又は硫黄原子である。
【0014】
ヘテロアリール基は、例えば、フリル基、チエニル基、ピロリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、ジヒドロイソオキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、オキサジアゾリル基、チアジアゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、ピリジル基、アゼピニル基又はオキサゼピニル基のような5乃至7員の単環式ヘテロアリール基であり得、または、例えば、ベンゾフラニル基、イソベンゾフラニル基、ベンゾチエニル基、インドリル基、イソインドリル基、インダゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾイソオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾイソチアゾリル基、ベンゾオキサジアゾリル基、ベンゾチアジアゾリル基、ベンゾトリアゾリル基、キノリル基、イソキノリル基、シンノリニル基、キナゾリニル基、キノキサリニル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、プリニル基、プテリジニル基、カルバゾリル基、カルボリニル基、アクリジニル基、2−アクリジニル、3−アクリジニル、4−アクリジニル、9−アクリジニル、フェノキサジニル基、フェノチアジニル基又はフェナジニル基のような8乃至14員の多環性ヘテロアリール基であり得、好適には、チエニル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、ピリジル基又はベンゾチエニル基であり、より好適には、チエニル基又はピリジル基である。
【0015】
上記「ヘテロアリール基」は、置換基を有してもよく、その置換基は、例えば、C1〜C6アルキル基、C1〜C6アルコキシ基又はハロゲン原子であり得、好適には、C1〜Cアルキル基、C1〜Cアルコキシ基又はハロゲン原子であり、より好適には、C1〜Cアルキル基、C1〜Cアルコキシ基、フッ素原子又は塩素原子であり、特に好適には、メチル基、メトキシ基、フッ素原子又は塩素原子である。
【0016】
本発明において、「C3〜C10シクロアルキル基」は、炭素数3〜10個の単環又は複環シクロアルキル基であり、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基又はノルボルニル基であり得、好適には、シクロペンチル基、シクロヘキシル基又はシクロヘプチル基であり、より好適には、シクロペンチル基又はシクロヘキシル基であり、特に好適には、シクロペンチル基である。
【0017】
本発明において、「ハロゲン原子」は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子であり、好適には、フッ素原子、塩素原子又は臭素原子であり、より好適には、フッ素原子又は塩素原子であり、最も好適には、フッ素原子である。
【0018】
本発明において、「C1〜C6アルコキシ基」は、炭素数1乃至6個の直鎖又は分枝鎖アルコキシ基であり、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、2−メチルブトキシ基、ネオペンチルオキシ基、1−エチルプロポキシ基、へキシルオキシ基、(4−メチルペンチル)オキシ基、(3−メチルペンチル)オキシ基、(2−メチルペンチル)オキシ基、(1−メチルペンチル)オキシ基、3,3−ジメチルブトキシ基、2,2−ジメチルブトキシ基、1,1−ジメチルブトキシ基、1,2−ジメチルブトキシ基、1,3−ジメチルブトキシ基、2,3−ジメチルブトキシ基又は2−エチルブトキシ基であり得、好適には、炭素数1乃至4個の直鎖又は分枝鎖アルコキシ基(C1〜C4アルコキシ基)であり、より好適には、メトキシ基、エトキシ基又はイソプロポキシ基であり、更により好適には、メトキシ基又はエトキシ基であり、最も好適には、メトキシ基である。
【0019】
本発明において、「アシル基」は、例えば、ホルミル基、前記「C1〜C6アルキル基」が結合したカルボニル基(C2〜C7アルキルカルボニル基)、「C2〜C6アルケニル基」(例えば、ビニル基、1−メチルビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、1−ペンテニル基又は1−ヘキセニル基であり得、好適には、ビニル基、1−メチルビニル基又は1−プロペニル基であり、より好適には、ビニル基である)が結合したカルボニル基(C3〜C7アルケニルカルボニル基)、前記「アリール基」が結合したカルボニル基(「アリールカルボニル基」)、前記「C1〜C6アルコキシ基」が結合したカルボニル基(C2〜C7アルコキシカルボニル基)又は前記「同一若しくは異なった1〜2個のC1〜C6アルキル基で置換されてよいアミノ基」が結合したカルボニル基(C2〜C7アルキルアミノカルボニル基)であり得、好適には、ホルミル基、炭素数2〜5個の直鎖又は分枝鎖アルキルカルボニル基(C2〜C5アルキルカルボニル基)、アクロイル基、ベンゾイル基、ナフトイル基、メトキシカルボニル基、エメトキシカルボニル基、t−ブトシキカルボニル基又は炭素数2〜5個のアルキルアミノカルボニル基(C2〜Cアルキルアミノカルボニル基)であり、より好適には、アセチル基、プロピオニル基、ベンゾイル基、メトキシカルボニル基、t−ブトシキカルボニル基、メチルアミノカルボニル基又はエチルアミノカルボニル基であり、更により好適には、アセチル基、ベンゾイル基又はメチルアミノカルボニル基である。
【0020】
本発明において、「同一若しくは異なった1〜3個のハロゲン原子で置換されてよいC1〜C6アルキル基」の「同一若しくは異なった1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1〜C6アルキル基」は、同一若しくは異なった1〜3個の前記「ハロゲン原子」により置換された前記「C1〜C6アルキル基」であり、例えば、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、ジフルオロメチル基、ジクロロメチル基、ジブロモメチル基、フルオロメチル基、クロロメチル基、ブロモメチル基、ヨ−ドメチル基、2,2,2−トリクロロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、2−ブロモエチル基、2−クロロエチル基、2−フルオロエチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、4−フルオロブチル基、3−フルオロ−2−メチルプロピル基、3,3,3−トリフルオロ−2−メチルプロピル基又は6,6,6−トリクロロヘキシル基であり得、好適には、同一若しくは異なった1〜3個の前記「ハロゲン原子」により置換された前記「C1〜C4アルキル基」であり、より好適には、同一若しくは異なった1〜3個の「フッ素原子又は塩素原子」により置換された前記「C1〜C3アルキル基」であり、更により好適には、クロロメチル基又はトリフルオロメチル基であり、特に好適には、トリフルオロメチル基である。
【0021】
本発明において、「アリール基で置換されたC1〜C6アルキル基」は、同一若しくは異なった1又は2個の前記「アリール基」により置換された前記「C1〜C6アルキル基」であり、例えば、ベンジル基、ナフチルメチル基、ジフェニルメチル、2−フェニルエチル基、2−ナフチルエチル基、3−フェニルプロピル基、4−フェニルブチル基、5−フェニルペンチル基又は6−フェニルへキシル基であり得、好適には、ベンジル基、ナフチルメチル基、2−フェニルエチル基又は3−フェニルプロピル基であり、より好適には、ベンジル基である。
【0022】
Xは、イソキノリン環上の置換可能な任意の位置に1個ないし4個置換することができ、Xが2個以上存在する場合には、それらは同一でも異なっていてもよい。
【0023】
Yは、キノリン環上の置換可能な任意の位置に1個ないし4個置換することができ、Yが2個以上存在する場合には、それらは同一でも異なっていてもよい。
【0024】
本発明の化合物(I)において、
(1)R1及びR2は、
(a)好適には、同一若しくは異なった1〜3個のハロゲン原子で置換されてよいC1〜Cアルキル基、フェニル基、ナフチル基、フリル基、チエニル基又はピリジル基であるか、或いは、それらが結合している炭素原子と一緒になって、シクロペンチル環、シクロへキシル環又はシクロへプチル環を形成し、
(b)より好適には、同一若しくは異なった1〜3個のフッ素原子又は塩素原子で置換されてよいC1〜Cアルキル基、フェニル基基又はピリジル基であるか、或いは、それらが結合している炭素原子と一緒になって、シクロペンチル環又はシクロへキシル環を形成し、
(c)更により好適には、メチル基、エチル基、プロピル基、トリフルオロメチル基又はクロロメチル基であり、
(d)特に好適には、メチル基であり、
(2)R及びRは、
(a)好適には、水素原子、C1〜Cアルキル基又はハロゲン原子であるか、或いは、それらが結合している炭素原子と一緒になって、シクロペンチル環又はシクロへキシル環を形成し、
(b)より好適には、水素原子、メチル基、エチル基、フッ素原子又は塩素原子であり、
(c)更により好適には、水素原子、メチル基又はフッ素原子であり、
(3)p及びR5(すなわち、式(R5)p基)は、
(a)好適には、pが0である(すなわち、式「−N(R5)p・・・」基が、式「−N=」基である)か、又はpが1であり、かつR5が、水素原子、アセチル基、プロピオニル基、ベンゾイル基、メチルアミノカルボニル基、酸素原子、C1〜Cアルキル基又はベンジル基であり、
(b)より好適には、pが0である(すなわち、式「−N(R5)p・・・」基が、式「−N=」基である)か、又はpが1であり、かつR5が、水素原子、アセチル基、ベンゾイル基、酸素原子、メチル基、エチル基又はベンジル基であり、
(c)更により好適には、pが0である(すなわち、式「−N(R5)p・・・」基が、式「−N=」基である)か、又はpが1であり、かつR5が、水素原子又は酸素原子であり、
(4)R6は、
(a)好適には、水素原子、ホルミ基、C2〜C5アルキルカルボニル基、アクロイル基、ベンゾイル基、ナフトイル基、メトキシカルボニル基、エメトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、C2〜Cアルキルアミノカルボニル基、フッ素原子及び塩素原子から選ばれる同一又は異なった1〜3個のハロゲン原子で置換されてよいC1〜C6アルキル基、ベンジル基、ナフチルメチル基又は2−フェニルエチル基であり、
(b)より好適には、水素原子、アセチル基、プロピオニル基、ベンゾイル基、メトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、メチルアミノカルボニル基、エチルアミノカルボニル基、フッ素原子及び塩素原子から選ばれる同一又は異なった1〜3個のハロゲン原子で置換されてC1〜Cアルキル基又はベンジル基であり、
(c)更により好適には、水素原子、アセチル基、t−ブトキシカルボニル基ベンゾイル基、メチルアミノカルボニル基、メチル基、エチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基又はベンジル基であり、
(d)特に好適には、水素原子、メチル基又はエチル基であり、
(5)n及びX(すなわち、式(X)n基)は、
(a)好適には、nが0乃至3であり、Xが、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はC1〜Cアルキル基であり、
(b)より好適には、nが0乃至2であり、Xが、フッ素原子、塩素原子、メチル基又はエチル基であり、
(c)更により好適には、nが0である(すなわち、Xが水素原子である)か、又はnが1であり、Xが、フッ素原子、塩素原子又はメチル基であり、
(6)m及びY(すなわち、式(Y)m基)は、
(a)好適には、mが0乃至3であり、Yが、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、C1〜Cアルキル基、C1〜Cアルコキシ基又は水酸基であり、
(b)より好適には、mが0乃至2であり、Yが、フッ素原子、塩素原子、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基又は水酸基であり、
(c)更により好適には、mが0である(すなわち、Yが水素原子である)か、又はmが1であり、Yが、フッ素原子、塩素原子、メチル基又はメトキシ基でああり、
(d)特に好適には、mが0である(すなわち、Yが水素原子である)か、又はmが1であり、Yが、フッ素原子又はメチル基である。
【0025】
また、R1及びR2を(1)(a)〜(d)から選択し、R及びRを(2)(a)〜(c)から選択し、p及びR5(すなわち、式(R5)p基)を(3)(a)〜(c)から選択し、Rを(4)(a)〜(d)から選択し、n及びX(すなわち、式(X)n基)を(5)(a)〜(c)から選択し、更にm及びY(すなわち、式(Y)m基)を(6)(a)〜(d)から選択し、それぞれを組合せて得られる化合物(I)も、好適であり、例えば、
(1c)R1及びR2が、メチル基、エチル基、プロピル基、トリフルオロメチル基又はクロロメチル基であり、
(2c)R及びRが、水素原子、メチル基又はフッ素原子であり、
(3c)pが0であるか、又はpが1であり、かつR5が、水素原子又は酸素原子であり、
(4d)R6が、水素原子、メチル基又はエチル基であり、
(5c)n及びX(すなわち、式(X)n基)が、nが0である(すなわち、Xが水素原子である)か、又はnが1であり、Xが、フッ素原子、塩素原子又はメチル基であり、
(6d)m及びY(すなわち、式(Y)m基)が、mが0である(すなわち、Yが水素原子である)か、又はmが1であり、Yが、フッ素原子又はメチル基である化合物(I)も好適である。
【0026】
また、最も好適には、化合物(I)は、
3−(5−フルオロ−3,3,4,4−テトラメチル−3,4−ジヒドロイソキノリン−1−イル)−1,2,3,4−テロラヒドロキノリン(化合物番号1−113)又は
3−(4,4−ジフルオロ−3,3−ジメチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−1−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン(化合物番号2−185)である。
【0027】
本発明の化合物(I)は、例えば、硫酸塩、塩酸塩、硝酸塩又はリン酸塩のような塩にすることができる。それらの塩は、農園芸用の殺菌剤として使用できる限り、本発明に包含される。
【0028】
本発明の化合物(I)及びそれらの塩は溶媒和物にすることができ、それら溶媒和物も、本発明に包含される。そのような溶媒和物は、好適には、水和物である。
【0029】
本発明の化合物(I)中には、不斉炭素を有する化合物が存在し、その場合には、本願発明は、一種の光学活性体及び数種の光学活性体の任意の割合の混合物をも包含する。
【0030】
本発明の代表化合物を下記の表1及び表2に例示するが、本発明はこれらの化合物に限定されるものではない。
【0031】
以下、「Me」はメチル基を、「Et」はエチル基を、「Pr」はプロピル基を、「iPr」はイソプロピル基を、「iBu」はイソブチル基を、「Ph」はフェニル基を、「Py」はピリジル基を、「Ac」はアセチル基を、「Bn」はベンジル基を、「cPen」はRとRまたは、RとRとで環を形成してシクロペンチル基を、「Bz」はベンゾイル基を、「BOC」はt−ブトキシカルボニル基を、「cHex」は、RとRまたは、RとRとで環を形成してシクロヘキシル基を、「(R)p」における「−」は、「(R)p」基が存在しないことを、「Xn」および「Ym」における「H」は、nが0であり、mが0であることを、それぞれ示す。
【0032】
【表1】













【0033】
【表2】













【0034】
上記の例示化合物中、
好適には、
化合物番号1−093の化合物:3−(3,3,4,4−テトラメチル−3,4−ジヒドロイソキノリン−1−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン、
化合物番号1−107の化合物:3−(3,3,4,4−テトラメチル−2−オキシド−3,4−ジヒドロイソキノリン−1−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン、
化合物番号1−113の化合物:3−(5−フルオロ−3,3,4,4−テトラメチル−3,4−ジヒドロイソキノリン−1−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン、
化合物番号1−117の化合物:3−(5−フルオロ−3,3,4,4−テトラメチル−3,4−ジヒドロイソキノリン−1−イル)−1−エチル−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン、
化合物番号1−118の化合物:3−(5−フルオロ−3,3,4,4−テトラメチル−2−オキシド−3,4−ジヒドロイソキノリン−1−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン、
化合物番号1−185の化合物:3−(4,4−ジフルオロ−3,3−ジメチル−3,4−ジヒドロイソキノリン−1−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン、
化合物番号1−199の化合物:3−(4,4−ジフルオロ−3,3−ジメチル−2−オキシド−3,4−ジヒドロイソキノリン−1−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン、
化合物番号2−011の化合物:3−(3,3−ジメチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−1−イル)−1−エチル−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン、
化合物番号2−093の化合物:3−(3,3,4,4−テトラメチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−1−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン、
化合物番号2−113の化合物:3−(5−フルオロ−3,3,4,4−テトラメチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−1−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン、
化合物番号2−185の化合物:3−(4,4−ジフルオロ−3,3−ジメチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−1−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン又は
化合物番号2−205の化合物:3−(4,4,5−トリフルオロ−3,3−ジメチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−1−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン
であり、
より好適には、化合物番号1−113、1−118、1−185、1−199又は2−185の化合物であり、
更により好適には、化合物番号1−113又は2−185の化合物である。
本発明の一般式(I)の化合物は、以下に記載するA法、B法、C法又はD法により製造することができる。
【0035】
(A法)
【化3】


上記式中、R1、R2、R3、R4、R、X、n、Y及びmは、前記と同意義を示す。
A法は、式(II)を有するアルコール化合物と、式(III)を有するニトリル化合物を反応させて、本発明の化合物(I)において、点線の結合が二重結合であり、pが0である化合物(Ia)を製造する方法である。
【0036】
(A工程)
A工程は、アルコール化合物(II)を、溶媒中あるいは非溶媒中(好適には、溶媒中)、酸の存在下、ニトリル化合物(III)と反応することにより、化合物(Ia)を製造する工程である。
用いられるニトリル化合物(III)の量は、アルコール化合物(II)1モルに対し、通常、1〜6モルであり、好適には、1.0〜3.0モルである。
本工程で用いられる溶媒は、反応を阻害しないものであれば特に限定はないが、例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン及びキシレンのような炭化水素類;ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム及び四塩化炭素のようなハロゲン化炭化水素類;又は、ジオキサン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)及びジブチルエーテルのようなエーテル類であり得、好適には、炭化水素類又はハロゲン化炭化水素類であり、より好適には、ベンゼン又はジクロロエタンである。
本工程で用いられる酸は、通常のリッター反応において酸として使用されるものであれば特に限定はないが、例えば、硫酸、蟻酸、リン酸及び過塩素酸のような無機酸;ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸及びトリフルオロメタンスルホン酸のようなスルホン酸;又は、四塩化錫及びトリフルオロホウ素のようなルイス酸であり得、好適には、無機酸又はスルホン酸であり、より好適には、硫酸又はトリフルオロメタンスルホン酸である。
用いられる酸の量は、アルコール化合物(II)1モルに対し、通常、1〜20モルであり、好適には、1.1〜15モルである。
反応温度は、原料化合物、反応試薬及び溶媒などにより異なるが、通常、−20℃〜100℃であり、好適には、0℃〜80℃である。
反応時間は、原料化合物、反応試薬、溶媒及び反応温度などにより異なるが、通常、15分間〜120時間であり、好適には、30分間〜72時間である。
本工程に使用されるアルコール化合物(II)は公知化合物であるか、又は公知の方法{例えば、テトラヘドロン(Tetrahedron),55巻4595頁(1999年)に記載された方法}に準じて製造することができる。
本工程に使用されるニトリル化合物(III)は公知の3−シアノキノリン化合物を通常の方法で還元して製造することができる。
【0037】
(B法)
【化4】


上記式中、点線の結合、R1、R2、R3、R4、R、p、X、n、Y及びmは、前記と同意義を示し、R6aは、アシル基を除く他、Rと同意義を示す。
B法は、式(IV)を有する化合物を還元することにより、本発明の化合物(I)において、RがR6a(水素原子又は置換されてよいC−Cアルキル基)である化合物(Ib)を製造する方法である。
【0038】
(B工程)
B工程は、化合物(IV)を、溶媒中、還元して、本発明の化合物(Ib)を製造する工程である。
本工程で用いられる還元反応は、例えば、パラジウム炭素、酸化白金及びラネーニッケルのような接触還元触媒を用いる水素添加反応;亜鉛−酢酸及び錫−塩酸のような金属−酸の組合せを用いる還元反応;水素化リチウムアルミニウム、水素化ホウ素ナトリウム及び水素化シアノホウ素ナトリウムのような金属水素化物を用いる還元反応であり得、好適には、金属水素化物を用いる還元反応であり、より好適には、水素化ホウ素ナトリウムを用いる還元反応である。
用いられる還元剤(金属−酸の組合せ又は金属水素化物を用いる場合)の量は、化合物(IV)1モルに対し、通常、0.5〜20モルであり、好適には、0.5〜10モルである。
また、接触還元触媒を用いる水素添加反応は、1〜10気圧の水素下、好適には、1〜5気圧の水素下で行われる。
本工程で用いられる溶媒は、反応を阻害しないものであれば特に限定はないが、例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン及びキシレンのような炭化水素類;ジクロロメタン、クロロホルム及び四塩化炭素のようなハロゲン化炭化水素類;メタノール、エタノール及び2−プロパノールのようなアルコール類;酢酸、プロピオン酸、塩酸及び硫酸のような酸類;又は、ジオキサン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)及びジブチルエーテルのようなエーテル類であり得、好適には、酸類又はアルコール類であり、より好適には、酢酸又はエタノールである。
また、溶媒を兼るか又は兼ねないで、過剰のギ酸又は式R6a−1COH(式中、R6a−1は置換されてよいC−Cアルキル基を表す)を有するカルボン酸(好適には、ギ酸又はハロゲンで置換されてよい酢酸)を用いて、本反応を行うと、芳香環の還元と共に、−N(H)−基がアシル化され、更に、−N(アシル)−基が還元され、−N(置換されてよいC−Cアルキル)−体が得られる。
反応温度は、原料化合物、反応試薬及び溶媒などにより異なるが、通常、0℃〜200℃であり、好適には、20℃〜150℃である。
反応時間は、原料化合物、反応試薬、溶媒及び反応温度などにより異なるが、通常、1時間〜120時間であり、好適には、3時間〜72時間である。
化合物(IV)は、A法に準じて製造するか、WO2005/70917に記載の方法に準じて製造することができる。
【0039】
(C法)
【化5】


上式中、点線の結合、R1、R2、R3、R4、R5、p、X、n、Y及びmは、前記と同意義を示し、R6bは、水素原子を除く他、Rと同意義を示す。
C法は、本発明の化合物(I)において、Rが水素原子である化合物(Ic)をアルキル化またはアシル化することにより、本発明の化合物(I)において、RがR6b(アシル基又は置換されてよいC−Cアルキル基)である化合物(Id)を製造する方法である。
【0040】
(C工程)
C工程は、化合物(Ic)を、溶媒中、塩基の存在下、ハロゲン化(置換されてよい)アルキル化合物またはハロゲン化アシル化合物と反応させ、本発明の化合物(Id)を製造する工程である。
本工程で用いられるハロゲン化(置換されてよい)アルキル化合物又はハロゲン化アシル化合物(好適には、相当するクロル若しくはブロムアルキル又はクロル若しくはブロムアシルである)の量は、化合物(Ic)1モルに対し、通常、1〜130モルであり、好適には、1.1〜10モルである。
本工程で用いられる塩基は、通常の反応において塩基として使用されるものであれば特に限定はないが、例えば、炭酸ナトリウム及び炭酸カリウムのようなアルカリ金属炭酸塩;炭酸水素ナトリウム及び炭酸水素カリウムのようなアルカリ金属炭酸水素塩;水素化ナトリウム、水素化リチウム及び水素化カリウムのようなアルカリ金属水素化物;水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムのようなアルカリ金属水酸化物;水酸化カルシウム、水酸化バリウムのようなアルカリ土類金属水酸化物;ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド及びカリウムt−ブトキシドのようなアルカリ金属アルコキシド類;トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、ピリジン、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)及び1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(DBU)のような有機塩基類;又は、ブチルリチウム及びリチウムジイソプロピルアミドのような有機金属類であり得、好適には、アルカリ金属炭酸塩であり、より好適には、炭酸カリウムである。
用いられる塩基の量は、化合物(Ic)1モルに対し、通常、1〜30モルであり、好適には、1.1〜10モルである。
本工程で用いられる溶媒は、反応を阻害しないものであれば特に限定はないが、例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン及びトルエンのような炭化水素類;ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム及びテトラクロロエタンのようなハロゲン化炭化水素類;ジオキサン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)及びエチレングリコールジメチルエーテルのようなエーテル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド及びヘキサメチルリン酸トリアミド(HMPA)のようなアミド類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン及びシクロヘキサノンのようなケトン類;アセトニトリル及びイソブチロニトリルのようなニトリル類;又は、酢酸メチル、酢酸エチル及び酢酸プロピルのようなエステル類であり得、好適には、ケトン類であり、より好適には、アセトンである。
反応温度は、原料化合物、反応試薬及び溶媒などにより異なるが、通常、−20℃〜150℃であり、好適には、0℃〜50℃である。
反応時間は、原料化合物、反応試薬、溶媒及び反応温度などにより異なるが、通常、10分間〜120時間であり、好適には、30分間〜72時間である。
【0041】
(D法)
【化6】


上記式中、R、R、R、R、R、X、n、Y及びmは、前記と同意義を示す。
D法は、本発明の化合物(I)において、点線の結合が二重結合であり、pが0である化合物(Ia)を酸化して、式(V)を有するアジリジン化合物を製造し、次いで、化合物(V)を酸で処理することにより、本発明の化合物(I)において、点線の結合が二重結合であり、pが1であり、R5が酸素原子である化合物(Ie)を製造する方法である。
【0042】
(D−1工程)
D−1工程は、化合物(Ia)を、溶媒中又は非溶媒中(好適には、溶媒中)、酸化剤と反応することにより、中間体であるアジリジン化合物(V)を製造する工程である。
本工程で用いられる溶媒は、反応を阻害しないものであれば特に限定はないが、例えば、蟻酸及び酢酸のような有機酸類;ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン及びキシレンのような炭化水素類;ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム及び四塩化炭素のようなハロゲン化炭化水素類;メタノール、エタノール及び2−プロパノールのようなアルコール類;又は、ジオキサン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)及びジブチルエーテルのようなエーテル類であり得、好適には、アルコール類又は炭化水素類であり、より好適には、メタノールである。
本工程で用いられる酸化剤は、通常のイミン基(−N=基)をオキサゾリジンに酸化する反応において使用されるものであれば特に限定はないが、例えば、メタクロロ過安息香酸、パラニトロ過安息香酸及びモノペルオキシフタル酸のような過安息香酸類;トリフルオロ過酢酸、過酢酸及び過蟻酸のような過酸類;ジメチルジオキソランのような過酸化物類;金属化合物触媒(例えば、塩化モリブデン、タングステン酸ナトリウム又は酸化バナジウム)下のt−ブチルヒドロペルオキシド、t−アミルヒドロペルオキシド及び過酸化水素のような、金属化合物触媒下のヒドロペルオキシド類であり得、好適には、過安息香酸類、過酸類又はタングステン酸ナトリウム触媒下のヒドロペルオキシド類であり、より好適には、メタクロロ過安息香酸又は過酢酸である。
用いられる酸化剤の量は、化合物(Ia)1モルに対し、通常、1〜20モルであり、好適には、1.1〜15モルである。
反応温度は、原料化合物、反応試薬及び溶媒などにより異なるが、通常、0℃〜200℃であり、好適には、10℃〜150℃である。
反応時間は、原料化合物、反応試薬、溶媒及び反応温度などにより異なるが、通常、15分間〜120時間であり、好適には、30分間〜72時間である。
出発原料(Ia)は上記A法で製造される。
【0043】
(D−2工程)
D−2工程は、化合物(V)を、溶媒中あるいは非溶媒中(好適には、溶媒中)、酸で処理することにより、本発明の化合物(Ie)を製造する工程である。
本工程で用いられる溶媒は、反応を阻害しないものであれば特に限定はないが、例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン及びキシレンのような炭化水素類;ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム及び四塩化炭素のようなハロゲン化炭化水素類;又は、ジオキサン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)及びジブチルエーテルのようなエーテル類であり得、好適には、ハロゲン化炭化水素類であり、より好適には、クロロホルムである。
本工程で用いられる酸は、特に限定はないが、例えば、硫酸、蟻酸、リン酸及び過塩素酸のような無機酸;ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸及びトリフルオロメタンスルホン酸のようなスルホン酸;又は、四塩化錫及びトリフルオロホウ素のようなルイス酸であり得、好適には、無機酸又はスルホン酸であり、より好適には、硫酸又はメタンスルホン酸である。
用いられる酸の量は、化合物(Ia)1モルに対し、通常、1〜20モルであり、好適には、1.1〜15モルである。
反応温度は、原料化合物、反応試薬及び溶媒などにより異なるが、通常、−20℃〜100℃であり、好適には、0℃〜80℃である。
反応時間は、原料化合物、反応試薬、溶媒及び反応温度などにより異なるが、通常、15分間〜120時間であり、好適には、30分間〜72時間である。
【0044】
上記各反応終了後、各反応の目的化合物は、常法に従って反応混合物から採取することができる。例えば、反応混合物を適宜中和し、又、不溶物が存在する場合には濾過により除去した後、酢酸エチルのような水不混和性有機溶媒を加え、水洗した後、目的化合物を含む有機層を分離し、無水硫酸マグネシウムのような乾燥剤で乾燥した後、溶剤を留去することによって得られる。
【0045】
得られた目的化合物は、必要ならば、常法、例えば再結晶、再沈殿又はクロマトグラフィー等によって更に精製できる。
【0046】
本発明の化合物(I)の塩を製造する工程は、各工程で製造した化合物(I)を含む反応混合物の抽出濃縮物又は化合物(I)を適当な溶媒に溶解させた液に酸を加えることによって行われる。
【0047】
反応に使用される酸は、フッ化水素酸、塩酸、臭化水素酸及びヨウ化水素酸のようなハロゲン化水素酸;硝酸、過塩素酸、硫酸及びリン酸のような無機酸;メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸及びエタンスルホン酸のような低級アルキルスルホン酸;ベンゼンスルホン酸及びp−トルエンスルホン酸のようなアリールスルホン酸;コハク酸及びシュウ酸のようなの有機カルボン酸;又はサッカリンのような有機酸アミド化合物であり得る。
【0048】
使用される酸は、通常1当量〜10当量用いられ、好適には1当量〜5当量である。
【0049】
反応に使用される溶媒は、本反応を阻害しない限り特に限定はないが、例えば、エーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)及び、ジオキサンのようなエーテル類、メタノール及びエタノールのようなアルコール類であり得、好適には、エーテル類であり、より好適には、ジエチルエーテルである。
反応温度は、通常−20℃〜50℃であり、好適には、−10℃〜30℃である。
【0050】
反応時間は、用いられる溶媒の種類及び温度などにより異なるが、通常10分間〜1時間である。
【0051】
生成した塩は、常法によって、反応混合物から単離される。即ち、結晶として析出する場合は濾取によって、水溶性の場合には、有機溶媒と水との分液によって水溶液として単離される。
【0052】
本発明化合物は、有害生物防除剤の有効成分として有用である。例えば、農園芸用殺菌剤としては各種の植物病原菌によって引き起こされる病害に対し優れた防除効果を示す。特に、イネいもち病、穂枯病、アズキ、トマト、キュウリ及びインゲンの灰色かび病、菌核病、タマネギ白斑葉枯病、コムギの雪腐病、うどんこ病、リンゴのモニリア病、斑点落葉病、茶のたんそ病、ナシの赤星病、黒斑病、ブドウの黒とう病、カンキツの黒点病等の各種病害などに対して優れた防除効果を示す。本発明化合物は優れた治療効果を有することから感染後の処理による病害防除が可能である。
【0053】
本発明化合物の使用に際しては、従来の農薬製剤の場合と同様に、補助剤と共に、乳剤、粉剤、水和剤、液剤、粒剤及び懸濁製剤のような種々の形態に製剤することができる。これらの製剤の実際の使用に際しては、そのまま使用するか、又は水などの希釈剤で所定濃度に希釈して使用することができる。
【0054】
用いられる補助剤は、担体、乳化剤、懸濁剤、分散剤、展着剤、浸透剤、湿潤剤、増粘剤及び安定剤であり得、必要に応じ適宜添加することができる。
【0055】
用いられる担体は、固体担体と液体担体に分けられる。固体担体は、澱粉、砂糖、セルロース粉、シクロデキストリン、活性炭、大豆粉、小麦粉、もみがら粉、木粉、魚粉及び粉乳のような動植物性粉末;又は、タルク、カオリン、ベントナイト、有機ベントナイト、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、重炭酸ナトリウム、ゼオライト、珪藻土、ホワイトカーボン、クレー、アルミナ、シリカ及び硫黄粉末のような鉱物性粉末であり得る。液体担体は、水;大豆油、棉実油及びトウモロコシ油のような動植物油;エチルアルコール及びエチレングリコールのようなアルコール類;アセトン及びメチルエチルケトンのようなケトン類;ジオキサン及びテトラヒドロフランのようなエーテル類;ケロシン、灯油、流動パラフィン、キシレン、トリメチルベンゼン、テトラメチルベンゼン、シクロヘキサン及びソルベントナフサのような脂肪族/芳香族炭化水素類;クロロホルム及びクロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素類;ジメチルホルムアミドのような酸アミド類;酢酸エチルエステル及び脂肪酸のグリセリンエステルのようなエステル類;アセトニトリルのようなニトリル類;ジメチルスルホキシドのような含硫化合物類;又は、N−メチルピロリドンのようなピリドンであり得る。
【0056】
本発明化合物と補助剤との配合質量比は、通常0.05:99.95〜90:10であり、好適には、0.2:99.8〜80:20である。
【0057】
本発明化合物の使用濃度又は使用量は、対象作物、使用方法、製剤形態、施用量などの違いによって異なるが、茎葉処理の場合、有効成分当たり普通0.1〜10000ppmであり、好適には、1〜1000ppmであり、土壌処理の場合には、通常10〜100000g/haであり、好適には、100〜10000g/haである。
【0058】
本発明化合物は必要に応じて他の農薬、例えば、殺虫剤、殺ダニ剤、誘引剤、殺線虫剤、殺菌剤、抗ウイルス剤、除草剤及び/又は植物生長調整剤と混用又は併用することができ、他の農薬は、好適には、殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤又は殺菌剤である。
【0059】
用いられる殺虫剤は、例えば、O,O−ジエチル O−(5−フェニル−3−イソキサゾリル)ホスホロチオエート(一般名:イソキサチオン)、O,O−ジメチル−O−(3−メチル−4−ニトロフェニル)チオホスフェート(一般名:フェニトロチオン)、O,O−ジエチル O−(2−イソプロピル−4−メチルピリミジン−6−イル)チオホスフェート(一般名:ダイアジノン)、O,S−ジメチル N−アセチルホスホロアミドチオエート(一般名:アセフェート)及びO,O−ジメチル S−1,2−ジエトキシカルボニルエチル ジチオホスフェート(一般名:マラチオン)のような有機リン酸エステル系化合物;
2−tert−ブチルイミノ−3−イソプロピル−5−フェニル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−1,3,5−チアジアジン−4−オン(一般名:ブプロフェジン)、1−ナフチル N−メチルカーバメート(一般名:カルバリル)、2−イソプロポキシフェニル N−メチルカーバメート(一般名:プロポキスル)、S−メチル N−(メチルカルバモイルオキシ)チオアセトイミデート(一般名:メソミル)及びN,N−ジメチル−2−メチルカルバモイルオキシイミノ−2−(メチルチオ)アセトアミド(一般名:オキサミル)のようなカーバメート系化合物;
(RS)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル=(RS)−2−(4−クロロフェニル)−3−メチルブチレート(一般名:フェンバレレート)、3−フェノキシベンジル=(1RS,3RS)−(1RS,3SR)−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート(一般名:パーメスリン)及び2−(4−エトキシフェニル)−2−メチルプロピル 3−フェノキシベンジル エーテル(一般名:エトフェンプロックス)のようなピレスロイド系化合物;
1−〔3,5−ジクロロ−4−(3−クロロ−5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)フェニル〕−3−(2,6−ジフルオロベンゾイル)ウレア(一般名:クロルフルアズロン)及び1−(3,5−ジクロロ−2,4−ジフルオロフェニル)−3−(2,6−ジフルオロベンゾイル)ウレア(一般名:テフルベンズロン)のようなベンゾイルウレア系化合物;
1−(6−クロロ−3−ピリジルメチル)−N−ニトロ−イミダゾリジン−2−イリデンアミン(一般名:イミダクロプリド)及び[C(E)]−N−[(2−クロロ−5−チアジニル)メチル]−N‘−メチル−ニトログアニジン(一般名:クロチアニジン)のようなネオニコチノイド系化合物;
5−アミノ−1−[2,6−ジクロロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル]−4−[(トリフルオロメチル)スルフィニル]−1−1H−ピラゾール−3−カルボニトリル(一般名:フィプロニル)のようなピラゾール系化合物であり得る。
【0060】
用いられる殺菌剤は、例えば、マンガニーズ エチレンビス(ジチオカーバメート)(一般名:マンネブ)、ジンクアンドマンガニーズ エチレンビス(ジチオカーバメート)(一般名:マンゼブ)及び3,3−エチレンビス(テトラヒドロ−4,6−ジメチル−2H−1,3,5−チアジアジン−2−チオン(一般名:ミルネブ)のようなジチオカーバメート系化合物;
N−(トリクロロメチルチオ)シクロヘキシ−4−エン−1,2−ジカルボキシミド(一般名:キャプタン)及びN−(1,1,2,2−テトラクロロエチルチオ)シクロヘキシ−4−エン−1,2−ジカルボキシミド(一般名:キャプタホル)のようなN−ハロゲノアルキルチオイミド系化合物;
4,5,6,7−テトラクロロフタリド(一般名:フサライド)、テトラクロロイソフタロニトリル(一般名:クロロタロニル)のようなハロゲノ芳香族系化合物;
メチル 1−(ブチルカルバモイル)−2−ベンズイミダゾールカーバメート(一般名:ベノミル)のようなベンズイミダゾール系化合物;
(E)−4−クロロ−α,α,α−トリフルオロ−N−(1−イミダゾール−1−イル−2−プロポキシエチルデン)−o−トルイジン(一般名:トリフルミゾール)、2−(4−クロロフェニル)−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)ヘキサンニトリル(一般名:マイクロブタニル)、N−プロピル−N−{2−(2,4,6−トリクロロフェノキシ)エチル}イミダゾール−1−カルボキサミド(一般名:プロクロラズ)及び2−(4−フルオロフェニル)−1−(1H−1,2,4トリアゾール−1−イル)−3−トリメチルシリルプロパン−2−オール(一般名:シメコナゾール)のようなアゾール系化合物;
3−クロロ−N−(3−クロロ−2,6−ジニトロ−4−α,α,α−トリフルオロトリル)−5−トリフルオロメチル−2−ピリジナミン(一般名:フルアジナム)のようなピリジンアミン系化合物;
1−(2−シアノ−2−メトキシイミノアセチル)−3−エチル尿素(一般名:シモキサニル)のようなシアノアセトアミド系化合物;
メチル N−(2−メトキシアセチル)−N−(2,6−キシリル)−DL−アラニネート(一般名:メタラキシル)、2−メトキシ−N−(2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−3−イル)アセト−2′,6′−キシリジド(一般名:オキサジキシル)及びメチル N−フェニルアセチル−N−(2,6−キシリル)−DL−アラニネート(一般名:ベナラキシル)のようなフェニルアミド系化合物;
N−(3,5−ジクロロフェニル)−1,2−ジメチルシクロプロパン−1,2−ジカルボキシミド(一般名:プロシミドン)、3−(3,5−ジクロロフェニル)−N−イソプロピル−2,4−ジオキソイミダゾリジン−1−カルボキサミド(一般名:イプロジオン)及び3−(3,5−ジクロロフェニル)−5−メチル−5−ビニル−2,4−オキサゾリジノン(一般名:ビンクロゾリン)のようなジカルボキシイミド系化合物;
水酸化第二銅(一般名:水酸化第二銅)及びカッパー 8−キノリノレート(一般名:キノリン銅)のような銅系化合物;
3−ヒドロキシ−5−メチルイソオキサゾール(一般名:ヒメキサゾール)のようなイソキサゾール系化合物;
アルミニウムトリス(エチルホスホネート)(一般名:ホセチルアルミニウム)、O−2,6−ジクロロ−p−トリル=O,O−ジメチルホスホロチオエート(一般名:トルクロホスメチル)、S−ベンジル O,O−ジイソプロピルホスホロチオエート及びO−エチル S,S−ジフェニルホスホロジチオエート、アルミニウムエチルハイドロゲンホスホネートのような有機リン系化合物;
α,α,α−トリフルオロ−3′−イソプロポキシ−o−トルアニリド(一般名:フルトラニル)及び3′−イソプロポキシ−o−トルアニリド(一般名:メプロニル)のようなベンズアニリド系化合物;
(E,Z)4−{3−(4−クロロフェニル)−3−(3,4−ジメトキシフェニル)アクリロイル}モリフォリン(一般名:ジメトモルフ)、(±)−シス−4−{3−(4−t−ブチルフェニル)−2−メチルプロピル}−2,6−ジメチルモルフォリン(一般名:フェンプロピモルフ)及び(±)−シス−4−{3−(4−t−ブチルフェニル)−2−メチルプロピル}−2,6−ジメチルモルフォリン(一般名:フェンプロピモルフ)のようなモルフォリン系化合物;
1,1−イミノジ(オクタメチレン)ジグアニジニウム トリアセテート(一般名:イミノクタジン)のようなイミノクタジン系化合物;
1,2,5,6−テトラヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−4−オン(一般名:ピロキロン)、4,5,6,7−テトラクロロフサライド(一般名:フサライド)及び2,2−ジクロロ−N−[1−(4−クロロフェニル)エチル]−1−エチル−3−メチルシクロプロパンカルボキサミド(一般名:カルプロパミド)のようなメラニン生合成阻害剤;
1,2,5,6−テトラヒドロ−3−アリルオキシ−1,2−ベンズイソチアゾール−1,1−ジオキサイド(一般名:プロベナゾール)のような抵抗性誘導剤;
銅剤;硫黄剤及び/又は錫剤であり得る。
【実施例】
【0061】
以下に、実施例、製剤例及び試験例を挙げて本発明化合物を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0062】
実施例1
3−(3,3−ジメチル−3,4−ジヒドロイソキノリン−1−イル)−1−エチル−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン(化合物番号1−11)(A工程)
硫酸(1.5mL)に、氷冷下、1−エチル−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−3−カルボニトリル(253mg、1.4ミリモル)および2−メチル−1−フェニル−2−プロパノール(242mg、1.6ミリモル)のジクロロエタン(1.5mL)溶液を加え、1時間撹拌した後、室温で2時間撹拌した。反応液を水に注加し、アンモニア水でアルカリ性とし、酢酸エチルで抽出し、溶媒を減圧で留去して、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=1/1)に付し、目的物262mg(収率60%)を得た。
物性:ガム状。
1H-NMR (500MHz, CDCl3)δppm : 1.14-1.17 (6H,m), 1.19 (3H, s), 2.66 (2H, t, J=16.5Hz), 2.89-2.90 (1H, m), 3.00 (1H, dd, J=11.6,15.9Hz), 3.25-3.34 (2H, m), 3.40-3.57 (3H, m), 6.57 (1H, t, J=7.3Hz), 6.66 (1H, d, J=8.6Hz), 6.99 (1H, d, J=7.3Hz), 7.08 (1H, t, J=7.6Hz), 7.16 (1H, d, J=6.7Hz), 7.27 (1H, td, J=1.2,7.6Hz), 7.34 (1H, td, J=1.2,7.3Hz), 7.53 (1H, d, J=7.3Hz).
MS m/z : 318(M+), 303, 289, 261, 186。
【0063】
実施例2
3−(5−フルオロ−3,3−ジメチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−1−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン(化合物番号2−21)及び3−(5−フルオロ−3,3−ジメチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−1−イル)−1−エチル−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン(化合物番号2−25、異性体A及びB)(B工程)
3−(5−フルオロ−3,3−ジメチル−3,4−ジヒドロイソキノリン−1−イル)キノリン(102mg、0.3ミリモル)の酢酸(1mL)溶液に、水素化ホウ素ナトリウム(37mg、1.0ミリモル)を加え、室温で16時間撹拌した。その後、この反応溶液を氷水中に注ぎ、アンモニア水でアルカリ性にし、酢酸エチルで抽出し、溶媒を減圧で留去して、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=1/1)に付し、化合物番号2−21の化合物32mg(収率30%)を得た。
また、より極性の低いフラクションから、N−エチル体(化合物番号2−25の化合物)を、2つの立体異性体として、それぞれ、8mg(異性体A、収率7%)及び5mg(異性体B、収率5%)を得た。
【0064】
化合物番号2−21の化合物
物性:アモルファス。
1H-NMR (500MHz, CDCl3)δppm : 1.04 (3H, s), 1.27 (3H, s), 2.43 (1H, d, J=15.9Hz), 2.59 (1H, dq, J=3.9, 15.0Hz), 2.70-2.76 (2H, m), 2.84-2.87 (1H, m), 2.98 (1H, dd, J=12.2, 15.3Hz), 3.20 (1H, t, J=11.0Hz), 4.30 (1H, d, J=3.1Hz), 6.46 (1H, d, J=7.3Hz), 6.61 (1H, td, J=1.2, 7.3Hz), 6.88 (1H, t, J=8.6Hz), 6.94-7.03 (3H, m), 7.13 (1H, q, J=7.1Hz).
MS m/z : 310(M+), 204, 178, 162, 146.
【0065】
化合物番号2−25の化合物(異性体A)
物性:アモルファス。
1H-NMR (500MHz, CDCl3)δppm : 1.02 (3H, t, J=7.3Hz), 1.04 (3H, s), 1.25 (3H, s), 2.46 (1H, d, J=15.9Hz), 2.59-2.64 (1H, m), 2.69-2.73 (3H, m), 2.93 (1H, t, J=13.8Hz), 3.09 (1H, td, J=7.5, 14.4Hz), 3.24 (1H, t, J=10.7Hz), 3.35 (1H, td, J=7.5,14.4Hz), 4.29 (1H, d, J=3.1Hz), 6.55-6.58 (2H, m), 6.89 (1H, t, J=8.6Hz), 6.98-7.06 (3H, m), 7.14 (1H, q, J=7.3Hz).
MS m/z : 338(M+), 321, 204, 178, 160.
【0066】
化合物番号2−25の化合物(異性体B)
物性:ガム状。
1H-NMR (500MHz, CDCl3)δppm : 1.05 (3H, s), 1.16 (3H, t, J=7.0Hz), 1.28 (3H, s), 2.17 (1H, d, J=15.3Hz), 2.45 (1H, d, J=16.5Hz), 2.67-2.76 (3H, m), 3.22-3.29 (2H, m), 3.36 (1H, t, J=10.7Hz), 3.53 (1H, td, J=7.5, 14.4Hz), 4.34 (1H, s), 6.52 (1H, t, J=7.0Hz), 6.62 (1H, d, J=7.9Hz), 6.82 (1H, d, J=7.3Hz), 6.89 (1H, t, J=8.6Hz), 6.98-7.04 (2H, m), 7.11 (1H, q, J=7.3Hz).
MS m/z : 338(M+), 204, 178, 160, 146。
実施例1又は2と同様の反応を用いて、以下の実施例3〜24の化合物を製造した。
【0067】
実施例3
3−(3,3−ジメチル−3,4−ジヒドロイソキノリン−1−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン(化合物番号1−1)
物性:油状物。
1H-NMR (500MHz, CDCl3)δppm : 1.14 (3H,s), 1.19 (3H, s), 2.65 (2H, dd, J=15.9, 17.7Hz), 2.87-2.92 (1H, m), 3.04 (1H, dd, J=11.6, 15.9Hz), 3.34 (1H, dd, J=6.4, 16.8Hz), 3.42-3.50 (2H, m), 3.99 (1H, br.s), 6.55-6.56 (1H, m), 6.63 (1H, t, J=7.3Hz), 6.98-7.01 (2H, m), 7.16 (1H, d, J=7.3Hz), 7.26-7.29 (1H, m), 7.33-7.35 (1H, m), 7.54 (1H, d, J=7.9Hz).
MS m/z : 290(M+), 275, 258, 232, 184。
【0068】
実施例4
3−(3,3,4,4−テトラメチル−3,4−ジヒドロイソキノリン−1−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン(化合物番号1−93)
物性:ガム状。
1H-NMR (500MHz, CDCl3)δppm : 1.08-1.27 (12H, m), 2.88-2.93 (1H, m), 3.04-3.09 (1H, m), 3.35-3.40 (1H, m), 3.45-3.50 (2H, m), 3.98 (1H, br.s), 6.55(1H, d, J=8.6Hz), 6.62 (1H, t, J=7.3Hz), 6.98-7.00 (2H, m), 7.24-7.27 (1H, m), 7.38-7.42 (2H, m), 7.52(1H, d, J=7.9Hz).
MS m/z : 318(M+), 303, 275, 261, 246。
【0069】
実施例5
3−(3,3,4,4−テトラメチル−3,4−ジヒドロイソキノリン−1−イル)−1−エチル−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン(化合物番号1−103)
物性:ガム状。
1H-NMR (500MHz, CDCl3)δppm : 1.10-1.27 (15H, m), 2.89 (1H, dd, J=3.7, 15.3Hz), 3.03 (1H, t, J=13.4Hz), 3.26-3.35 (2H, m), 3.44-3.57 (3H, m), 6.57 (1H, t, J=7.3Hz), 6.66 (1H, d, J=8.6Hz), 6.99 (1H, d, J=6.7Hz), 7.08 (1H, t, J=7.9Hz), 7.24-7.27 (1H, m), 7.41 (2H, dd, J=6.1, 10.4Hz), 7.51 (1H, d, J=7.9Hz).
MS m/z : 346(M+), 331, 317, 303, 214。
【0070】
実施例6
3−(5−フルオロ−3,3,4,4−テトラメチル−3,4−ジヒドロイソキノリン−1−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン(化合物番号1−113)
物性:ガム状。
1H-NMR (500MHz, CDCl3)δppm : 1.11 (3H, s), 1.17 (3H, s), 1.28 (3H, s), 1.32 (3H, s), 2.85-2.89 (1H, m), 3.01-3.06 (1H, m), 3.34-3.46 (3H, m), 3.97 (1H, br.s), 6.54 (1H, d, J=7.3Hz), 6.62 (1H, t, J=7.3Hz), 6.97-7.01 (2H, m), 7.05-7.10 (1H, m),. 7.21-7.25 (1H, m), 7.33(1H, d, J=6.7Hz).
MS m/z : 336(M+), 321, 293, 279, 264。
【0071】
実施例7
3−(5−フルオロ−3,3,4,4−テトラメチル−3,4−ジヒドロイソキノリン−1−イル)−1−エチル−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン(化合物番号1−117)
物性:ガム状。
1H-NMR (500MHz, CDCl3)δppm : 1.13-1.32 (15H, m), 2.84 (1H, d, J=14.7Hz), 2.99 (1H, t, J=10.7Hz), 3.26 (2H, dd, J=9.5, 16.8Hz), 3.43 (2H, d, J=4.3Hz), 3.53 (1H, dt, J=5.8, 13.4Hz), 6.57 (1H, t, J=5.5Hz), 6.65 (1H, t, J=4.0Hz), 6.97 (1H, s), 7.08 (2H, d, J=7.9Hz), 7.22-7.25 (1H, m), 7.32 (1H, d, J=7.9Hz).
MS m/z : 364(M+), 349, 335, 321, 232。
【0072】
実施例8
3−(3,3−ジメチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−1−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン(化合物番号2−1、異性体A)
物性:アモルファス。
1H-NMR (500MHz, CDCl3)δppm : 1.02 (3H, s), 1.24 (3H, s), 2.49 (1H, d, J=15.9Hz), 2.54-2.60 (1H, m), 2.70-2.75 (2H, m), 2.95 (2H, m), 3.21 (1H, t, J=11.0Hz), 4.27 (1H, d, J=3.7Hz), 6.46 (1H, d, J=7.9Hz), 6.61 (1H, t, J=7.3Hz), 6.94-7.00 (2H, m), 7.06 (1H, d, J=7.3Hz), 7.13-7.21 (3H, m).
MS m/z : 292(M+), 160, 144, 130, 118。
【0073】
実施例9
3−(3,3−ジメチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−1−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン(化合物番号2−1、異性体B)
物性:アモルファス。
1H-NMR (500MHz, CDCl3)δppm : 1.03 (3H, s), 1.23 (3H, s), 2.25 (1H, dt, J=2.4, 14.3Hz), 2.50 (1H, d, J=15.3Hz), 2.61-2.66 (1H, m), 2.78 (2H, m), 3.27-3.37 (2H, m), 4.31 (1H, d, J=3.1Hz), 6.51 (1H, d, J=7.9Hz), 6.57 (1H, td, J=1.2, 7.3Hz), 6.84 (1H, d, J=7.3Hz), 6.93 (1H, t, J=7.6Hz), 7.05-7.07 (1H, m), 7.13-7.21 (3H, m).
MS m/z : 292(M+), 275, 232, 186, 160。
【0074】
実施例10
3−(3,3−ジメチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−1−イル)−1−エチル−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン(化合物番号2−11、異性体A)
融点:91℃。
1H-NMR (500MHz, CDCl3)δppm : 1.04 (3H,s), 1.16 (3H, t, J=7.0Hz), 1.25 (3H, s), 2.23 (1H, dt, J=3.1, 15.1Hz), 2.51 (1H, d, J=15.3Hz), 2.64-2.79 (3H, m), 3.22-3.30 (2H, m), 3.36 (1H, t, J=11.0Hz), 3.53 (1H, td, J=6.9, 14.4Hz), 4.31 (1H, d, J=3.1Hz), 6.51 (1H, t, J=7.3Hz), 6.62 (1H, d, J=8.6Hz), 6.82 (1H, d, J=7.3Hz), 7.02 (1H, t, J=7.3Hz), 7.05-7.07 (1H, m), 7.13-7.19 (3H, m).
MS m/z : 320(M+), 303, 260, 186, 160。
【0075】
実施例11
3−(3,3−ジメチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−1−イル)−1−エチル−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン(化合物番号2−11、異性体B)
物性:ガム状。
1H-NMR (500MHz, CDCl3)δppm : 1.01-1.04 (6H,m), 1.25 (3H, s), 2.50 (1H, d, J=15.3Hz), 2.58-2.64 (1H, m), 2.68-2.81 (3H, m), 2.92 (1H, dd, J=12.5, 15.0Hz), 3.10 (1H, td, J=7.1, 14.5Hz), 3.25 (1H, t, J=11.0Hz), 3.35 (1H, td, J=7.1, 14.5Hz), 4.25 (1H, d, J=4.3Hz), 6.54-6.58 (2H, m), 6.98 (1H, d, J=7.3Hz), 7.03-7.07 (2H, m), 7.14-7.21 (3H, m).
MS m/z : 320(M+), 265, 186, 160, 144。
【0076】
実施例12
3−(5−クロロ−3,3−ジメチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−1−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン(化合物番号2−31)
物性:アモルファス。
1H-NMR (500MHz, CDCl3)δppm : 1.03 (3H, s), 1.28 (3H, s), 2.49 (1H, d, J=16.5Hz), 2.50-2.57 (1H, m), 2.72-2.84 (3H, m), 2.97 (1H, dd, J=11.9, 15.6Hz), 3.18 (1H, t, J=11.0Hz), 4.29 (1H, d, J=3.1Hz), 6.45 (1H, d, J=7.9Hz), 6.61 (1H, t, J=7.0Hz), 6.97 (2H, dd, J=7.3, 18.3Hz), 7.10-7.16 (2H, m), 7.24 (1H, d, J=7.3Hz).
MS m/z : 326(M+), 194, 178, 142, 132。
【0077】
実施例13
3−(5−クロロ−3,3−ジメチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−1−イル)−1−エチル−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン(化合物番号2−32、異性体A)
物性:ガム状。
1H-NMR (500MHz, CDCl3)δppm : 1.02 (3H, t, J=7.3Hz), 1.03 (3H, s), 1.29 (3H, s), 2.51 (1H, d, J=15.9Hz), 2.57-2.62 (1H, m), 2.71 (2H, m), 2.80 (1H, d, J=16.5Hz), 2.92 (1H, t, J=13.4Hz), 3.06-3.11 (1H, m), 3.22 (1H, t, J=10.7Hz), 3.31-3.37 (1H, m), 4.28 (1H, d, J=3.1Hz), 6.57 (2H, d, J=7.9Hz), 6.99 (1H, d, J=7.3Hz), 7.05 (1H, t, J=7.6Hz), 7.10-7.16 (2H, m), 7.25 (1H, d, J=4.3Hz).
MS m/z : 354(M+), 194, 178, 160, 143。
【0078】
実施例14
3−(5−クロロ−3,3−ジメチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−1−イル)−1−エチル−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン(化合物番号2−32、異性体B)
物性:ガム状。
1H-NMR (500MHz, CDCl3)δppm : 1.04 (3H, s), 1.16 (3H, t, J=7.0Hz), 1.29 (3H, s), 2.13 (1H, d, J=14.7Hz), 2.50 (1H, d, J=16.5Hz), 2.66-2.77 (2H, m), 2.82 (1H, d, J=16.5Hz), 3.22-3.29 (2H, m), 3.35 (1H, t, J=11.0Hz), 3.51-3.55 (1H, m), 4.33 (1H, s), 6.52 (1H, t, J=7.3Hz), 6.62 (1H, d, J=8.6Hz), 6.82 (1H, d, J=7.3Hz), 7.02 (1H, t, J=7.6Hz), 7.08-7.14 (2H, m), 7.25 (1H, d, J=8.6Hz).
MS m/z : 354(M+), 220, 194, 178, 160。
【0079】
実施例15
3−(3,3,4,4−テトラメチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−1−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン(化合物番号2−93、異性体A)
物性:ガム状。
1H-NMR (500MHz, CDCl3)δppm : 1.06 (3H, s), 1.13 (3H, s), 1.25 (3H, s), 1.27 (3H, s), 2.62-2.67 (1H, m), 2.73-2.78 (2H, m), 3.02 (1H, t, J=14.7Hz), 3.27 (1H, t, J=11.0Hz), 4.40 (1H, br.s), 6.45 (1H, d, J=7.9Hz), 6.61 (1H, t, J=7.3Hz), 6.96 (1H, t, J=7.3Hz), 7.01 (1H, d, J=7.3Hz), 7.12-7.15 (1H, m), 7.18-7.22 (2H, m), 7.36 (1H, d, J=7.9Hz).
MS m/z : 320(M+), 262, 220, 188, 157。
【0080】
実施例16
3−(3,3,4,4−テトラメチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−1−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン(化合物番号2−93、異性体B)
融点:125-126℃。
1H-NMR (500MHz, CDCl3)δppm : 1.07 (3H, s), 1.12 (3H, s), 1.28 (3H, s), 1.31 (3H, s), 2.17 (1H, dd, J=3.7, 15.9Hz), 2.68-2.75 (1H, m), 2.90 (1H, dd, J=11.9, 16.2Hz), 3.32-3.37 (2H, m), 4.40 (1H, d, J=3.1Hz), 6.52 (1H, d, J=7.9Hz), 6.56 (1H, t, J=7.3Hz), 6.82 (1H, d, J=7.3Hz), 6.93 (1H, t, J=7.3Hz), 7.12 (1H, dd, J=4.6, 11.3Hz), 7.18-7.22 (2H, m), 7.39 (1H, d, J=7.3Hz).
MS m/z : 320(M+), 262, 248, 220, 188。
【0081】
実施例17
3−(3,3,4,4−テトラメチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−1−イル)−1−エチル−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン(化合物番号2−103、異性体A)
物性:アモルファス。
1H-NMR (500MHz, CDCl3)δppm : 0.99 (3H, t, J=7.0Hz), 1.06 (3H, s), 1.14 (3H, s), 1.28 (6H, s), 2.59-2.72 (3H, m), 2.96 (1H, t, J=13.8Hz), 3.06 (1H, td, J=7.5, 14.4Hz), 3.30-3.36 (2H, m), 4.38 (1H, d, J=2.4Hz), 6.56 (2H, t, J=7.0Hz), 7.00-7.06 (2H, m), 7.14 (1H, t, J=7.3Hz), 7.19-7.22 (2H, m), 7.38 (1H, d, J=7.3Hz).
MS m/z : 348(M+), 290, 214, 188, 174。
【0082】
実施例18
3−(3,3,4,4−テトラメチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−1−イル)−1−エチル−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン(化合物番号2−103、異性体B)
融点:124℃。
1H-NMR (270MHz, CDCl3)δppm : 1.07 (3H, s), 1.13 (3H, s), 1.18 (3H, t, J=7.0Hz), 1.29 (3H, s), 1.30 (3H, s), 2.14 (1H, d, J=15.3Hz), 2.71-2.76 (1H, m), 2.86 (1H, t, J=14.1Hz), 3.22-3.31 (2H, m), 3.40 (1H, t, J=10.4Hz), 3.55 (1H, td, J=6.9, 14.4Hz), 4.41 (1H, d, J=2.4Hz), 6.50 (1H, t, J=7.3Hz), 6.62 (1H, d, J=8.6Hz), 6.80 (1H, d, J=7.3Hz), 7.01 (1H, t, J=7.6Hz), 7.11 (1H, t, J=7.3Hz), 7.16-7.22 (2H, m), 7.39 (1H, d, J=7.9Hz).
MS m/z : 348(M+), 290, 214, 201, 188。
【0083】
実施例19
3−(5−フルオロ−3,3,4,4−テトラメチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−1−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン(化合物番号2−113)
物性:アモルファス。
1H-NMR (500MHz, CDCl3)δppm : 1.09 (3H, s), 1.12 (3H, s), 1.32 (3H, s), 1.35 (3H, d, J=4.9Hz), 2.53-2.62 (2H, m), 2.72-2.75 (1H, m), 2.99 (1H, t, J=13.8Hz), 3.21 (1H, t, J=10.7Hz), 4.41 (1H, d, J=2.4Hz), 6.44 (1H, d, J=7.3Hz), 6.61 (1H, dd, J=4.3, 11.6Hz), 6.86 (1H, dd, J=7.9, 12.8Hz), 6.95 (1H, t, J=7.6Hz), 6.99-7.09 (2H, m), 7.11 (1H, td, J=5.1, 7.8Hz).
MS m/z : 338(M+), 295, 281, 238, 206.
【0084】
実施例20
3−(5−フルオロ−3,3,4,4−テトラメチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−1−イル)−1−エチル−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン(化合物番号2−117、異性体A)
物性:アモルファス。
1H-NMR (500MHz, CDCl3)δppm : 0.98 (3H, t, J=7.0Hz), 1.10 (3H, s), 1.13 (3H, s), 1.34 (3H, s), 1.35 (3H, d, J=5.5Hz), 2.42-2.45 (1H, m), 2.58 (1H, dq, J=4.3, 15.3Hz), 2.70 (1H, dt, J=3.1, 14.9Hz), 2.93 (1H, t, J=13.8Hz), 3.04 (1H, td, J=7.5, 14.4Hz), 3.24-3.32 (2H, m), 4.40 (1H, d, J=2.4Hz), 6.55-6.57 (2H, m), 6.87 (1H, dd, J=7.9, 12.8Hz), 7.00 (2H, d, J=7.3Hz), 7.04 (1H, t, J=7.9Hz), 7.09-7.13 (1H, m).
MS m/z : 366(M+), 309, 265, 232, 206。
【0085】
実施例21
3−(5−フルオロ−3,3,4,4−テトラメチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−1−イル)−1−エチル−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン(化合物番号2−117、異性体B)
物性:アモルファス。
1H-NMR (500MHz, CDCl3)δppm : 1.10 (3H, s), 1.12 (3H, s), 1.17 (3H, t, J=7.0Hz), 1.36 (6H, s), 1.95-1.98 (1H, m), 2.64 (1H, dq, J=4.0, 15.4Hz), 2.79 (1H, dd, J=12.8, 15.3Hz), 3.22-3.29 (2H, m), 3.36 (1H, t, J=11.0Hz), 3.52-3.56 (1H, m), 4.41 (1H, d, J=3.1Hz), 6.50 (1H, t, J=7.0Hz), 6.62 (1H, d, J=7.9Hz), 6.79 (1H, d, J=7.3Hz), 6.86 (1H, dd, J=7.6, 12.5Hz), 6.97 (1H, d, J=7.3Hz), 7.01 (1H, t, J=7.6Hz), 7.06-7.10 (1H, m).
MS m/z : 366(M+), 323, 308, 232, 206。
【0086】
実施例22
3−(4,4−ジフルオロ−3,3−ジメチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−1−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン(化合物番号2−185、異性体A)
融点:77-78℃。
1H-NMR (270MHz, CDCl3)δppm : 1.09 (3H, s), 1.32 (3H, s), 2.68-2.93 (3H, m), 3.04-3.20 (2H, m), 4.39 (1H, br.s), 6.46 (1H, d, J=7.9Hz), 6.64 (1H, t, J=7.4Hz), 6.94-7.03 (2H, m), 7.25-7.45 (3H, m), 7.71 (1H, d, J=7.4Hz).
MS m/z : 328(M+), 293, 196, 177, 162。
【0087】
実施例23
3−(4,4−ジフルオロ−3,3−ジメチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−1−イル)−1−エチル−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン(化合物番号2−195)
物性:アモルファス。
1H-NMR (500MHz, CDCl3)δppm : 1.01 (3H, t, J=7.0Hz), 1.10 (3H, s), 1.32 (3H, s), 2.67-2.82 (3H, m), 3.05-3.12 (3H, m), 3.33 (1H, td, J=6.9, 14.4Hz), 4.39 (1H, br.s), 6.58-6.61 (2H, m), 7.04 (2H, td, J=6.1, 11.3Hz), 7.27 (1H, d, J=10.4Hz), 7.40 (2H, m), 7.73 (1H, d, J=7.3Hz).
MS m/z : 356(M+), 321, 222, 196, 160。
【0088】
実施例24
3−(4,4,5−トリフルオロ−3,3−ジメチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−1−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン(化合物番号2−205)
物性:アモルファス。
1H-NMR (500MHz, CDCl3) δppm : 1.17 (3H, d, J=1.4Hz), 1.32 (3H, d, J=1.4Hz), 2.67-2.77 (2H, m), 2.79-2.84 (1H, m), 3.05 (1H, t, J=11.0Hz), 3.14 (1H, dd, J=11.7, 15.8Hz), 4.39 (1H, s), 6.47 (1H, d, J=7.6Hz), 6.65 (1H, t, J=7.6Hz), 6.97 (1H, t, J=7.6Hz), 7.01-7.05 (2H, m), 7.09 (1H, d, J=8.2Hz), 7.38-7.42 (1H, m).
MS m/z : 346(M+), 311, 214, 195, 180, 132。
【0089】
実施例25
3−(3,3,4,4−テトラメチル−3,4−ジヒドロイソキノリン−1−イル)−1−アセチル−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン(化合物番号1−105、C工程)
3−(3,3,4,4−テトラメチル−3,4−ジヒドロイソキノリン−1−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン(250mg、0.79ミリモル)の塩化メチレン(3mL)溶液に、氷冷下、トリエチルアミン(0.16mL、1.18ミリモル)および、塩化アセチル(0.08mL、1.18ミリモル)を加え、室温で2時間撹拌した。反応液を水に注加し、酢酸エチルで抽出し、溶媒を減圧で留去して、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル:1/1)に付し、目的物243mg(収率86%)を得た。
物性:アモルファス。
1H-NMR (500MHz, CDCl3)δppm: 1.06 (3H, bs), 1.14 (6H, bs), 1.21 (3H, bs), 2.30(3H, s), 3.01-3.12 (2H, m), 3.54-3.55 (2H, m), 4.53 (1H, bs), 7.10-7.12 (1H, m), 7.17-7.21 (2H, m), 7.26-7.30 (1H, m), 7.39-7.43 (3H, m), 7.50 (1H, d, J=7.6Hz).
MS m/z : 360(M+), 345, 317, 301, 212, 200, 130。
【0090】
実施例26
3−(3,3,4,4−テトラメチル−2−オキシド−3,4−ジヒドロイソキノリン−1−イル)−1−アセチル−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン(化合物番号1−111)
(1)8b−(1−アセチル−キノリン−3−イル)−3,3,4,4−テトラメチル−4,8b−ジヒドロ−3H−オキサジレノ[3,2−a]イソキノリン(D−1工程)
3−(3,3,4,4−テトラメチル−3,4−ジヒドロイソキノリン−1−イル)−1−アセチル−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン(161mg、0.45ミリモル)のメタノール(2mL)溶液に、氷冷下、メタクロロ過安息香酸(178mg、0.67ミリモル)を加え、室温で3時間撹拌した。反応液を亜硫酸ナトリウム水に注加し、酢酸エチルで抽出し、溶媒を減圧で留去して、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル:1/1)に付し、目的物165mg(収率98%)を得た。
(2)3−(3,3,4,4−テトラメチル−2−オキシド−3,4−ジヒドロイソキノリン−1−イル)−1−アセチル−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン(化合物番号1−111、D−2工程)
8b−(1−アセチル−キノリン−3−イル)−3,3,4,4−テトラメチル−4,8b−ジヒドロ−3H−オキサジレノ[3,2−a]イソキノリン(157mg、0.42ミリモル)のクロロホルム(2mL)溶液に、氷冷下、メタンスルホン酸(0.13mL、2.08ミリモル)を加え、氷冷下で0.5時間撹拌した。反応液を炭酸ナトリウム水に注加し、酢酸エチルで抽出し、溶媒を減圧で留去して、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル:1/1)に付し、目的物123mg(収率79%)を得た。
物性:ガム状。
1H-NMR (500MHz, CDCl3)δppm: 1.01-1.65 (12H, m), 2.28 (3H, s), 2.86 (1H, bs), 3.72 (2H, bs), 4.34 (2H, bs), 7.14-7.37 (8H, m).
MS m/z : 376(M+), 359, 347, 317, 259, 200, 130。
実施例1、2、25又は26と同様の反応を用いて、以下の実施例27〜36の化合物を製造した。
【0091】
実施例27
3−(3,3,4,4−テトラメチル−2−オキシド−3,4−ジヒドロイソキノリン−1−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン(化合物番号1−107)
物性:ガム状。
1H-NMR (500MHz, CDCl3)δppm: 1.12 (3H, bs), 1.21 (3H, bs), 1.46 (3H, bs), 1.57 (3H, bs), 2.71 (1H, bd, J=12.4Hz), 3.32 (1H, bd, J=10.3Hz), 3.74-4.10 (3H, m), 4.32 (1H, bs), 6.57 (1H, d, J=8.2Hz), 6.66 (1H, t, J=7.2Hz), 6.97-7.02 (2H, m), 7.24-7.27 (1H, m), 7.30-7.36 (2H, m), 7.42 (1H, bs).
MS m/z : 333(M+-1), 317, 130。
【0092】
実施例28
3−(5−フルオロ−3,3,4,4−テトラメチル−2−オキシド−3,4−ジヒドロイソキノリン−1−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン(化合物番号1−118)
融点:178℃。
1H-NMR (500MHz, CDCl3)δppm: 1.25-1.66 (12H, m), 2.69 (1H, d, J=14.4Hz), 3.29 (1H, d, J=11.0Hz), 3.65-3.71 (1H, m), 3.90 (2H, bs), 4.30 (1H, bs), 6.56 (1H, d, J=7.6Hz), 6.66 (1H, t, J=7.2Hz), 6.97-7.01 (3H, m), 7.18-7.21 (2H, m).
MS m/z : 351(M+-1), 335, 305, 278, 148, 130。
【0093】
実施例29
3−(4,4−ジフルオロ−3,3−ジメチル−3,4−ジヒドロイソキノリン−1−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン(化合物番号1−185)
物性:ガム状。
1H-NMR (500MHz, CDCl3)δppm: 1.28 (3H, s), 1.31 (3H, s), 2.91 (1H, d, J=15.8Hz), 3.06 (1H, dd, J=11.7, 15.8Hz), 3.36 (1H, t, J=11.0Hz), 3.50 (2H, dd, J=7.6, 15.8Hz), 3.99 (1H, s), 6.56 (1H, d, J=7.6Hz), 6.64 (1H, t, J=7.2Hz), 7.01 (2H, t, J=7.9Hz), 7.57-7.59 (2H, m), 7.63 (1H, d, J=3.4Hz), 7.78 (1H, t, J=4.1Hz).
MS m/z : 326(M+), 311, 291, 268, 220, 194, 130。
【0094】
実施例30
3−(4,4−ジフルオロ−3,3−ジメチル−2−オキシド−3,4−ジヒドロイソキノリン−1−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン(化合物番号1−199)
物性:アモルファス。
1H-NMR (500MHz, CDCl3)δppm: 1.49 (3H, s), 1.55 (3H, s), 2.73 (1H, d, J=13.7Hz), 3.30-3.33 (1H, m), 3.76-3.86 (2H, m), 3.92 (1H, s), 4.25 (1H, t, J=10.7Hz), 6.58 (1H, d, J=7.6Hz), 6.67 (1H, t, J=7.6Hz), 6.98-7.03 (2H, m), 7.46-7.57 (3H, m), 7.73 (1H, d, J=7.6Hz).
MS m/z : 342(M+), 325, 285, 270, 196, 130, 77。
【0095】
実施例31
3−(3,3,4,4−テトラメチル−3,4−ジヒドロイソキノリン−1−イル)−1−t−ブトキシカルボニル−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン(化合物番号1−277)
物性:油状物。
1H-NMR (500MHz, CDCl3)δppm: 1.08 (3H, bs), 1.14 (3H, bs), 1.18 (3H, bs), 1.21 (3H, bs), 1.54 (9H, s), 3.00 (1H, dd, J=5.2, 16.8Hz), 3.21-3.31 (2H, m), 3.47-3.49 (1H, m), 4.49 (1H, bd, J=10.3Hz), 7.00 (1H, t, J=7.2Hz), 7.12-7.16 (2H, m), 7.26-7.30 (1H, m), 7.39-7.42 (2H, m), 7.54 (1H, d, J=7.6Hz), 7.68 (1H, d, J=8.2Hz).
MS m/z : 418(M+), 361, 345, 318, 303, 251, 130。
【0096】
実施例32
3−(3,3,4,4−テトラメチル−2−オキシド−3,4−ジヒドロイソキノリン−1−イル)−1−t−ブトキシカルボニル−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン(化合物番号1−278)
物性:油状物。
1H-NMR (500MHz, CDCl3)δppm: 1.01-1.70 (12H, m), 1.51 (9H, bs), 2.87 (1H, bs), 3.65 (2H, bs), 4.25 (2H, bs), 7.02 (1H, t, J=7.2Hz), 7.11-7.17 (2H, m), 7.24-7.37 (4H, m), 7.60 (1H, d, J=8.2Hz).
MS m/z : 434(M+), 417, 361, 317, 265, 222, 130。
【0097】
実施例33
3−(5−フルオロ−3,3,4,4−テトラメチル−3,4−ジヒドロイソキノリン−1−イル)−1−t−ブトキシカルボニル−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン(化合物番号1−279)
物性:油状物。
1H-NMR (270MHz, CDCl3)δppm: 1.11 (3H, bs), 1.17 (3H, bs), 1.28-1.38 (6H, m), 1.53 (9H, s), 2.90-3.00 (1H, m), 3.13-3.40 (3H, m), 4.46 (1H, dd, J=2.1, 12.7Hz), 6.99-7.38 (6H, m), 7.67 (1H, d, J=8.2Hz).
MS m/z : 436(M+), 379, 363, 335, 321, 230, 130。
【0098】
実施例34
3−(4,4−ジフルオロ−3,3−ジメチル−3,4−ジヒドロイソキノリン−1−イル)−1−t−ブトキシカルボニル−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン(化合物番号1−280)
融点:104℃。
1H-NMR (500MHz, CDCl3)δppm: 1.24 (3H, s), 1.33 (3H, s), 1.54 (9H, s), 3.01 (1H, dd, J=5.5, 16.5Hz), 3.18-3.29 (2H, m), 3.48-3.53 (1H, m), 4.52 (1H, dt, J=1.7, 13.1Hz), 7.01 (1H, q, J=5.0Hz), 7.15 (2H, dd, J=7.6, 17.9Hz), 7.58-7.62 (2H, m), 7.68 (2H, d, J=6.9Hz), 7.78-7.79 (1H, m).
MS m/z : 426(M+), 369, 353, 326, 309, 291, 130。
【0099】
実施例35
3−(4,4−ジフルオロ−3,3−ジメチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−1−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン(化合物番号2−185、異性体B)
物性:アモルファス。
1H-NMR (500MHz, CDCl3)δppm: 1.10 (3H, s), 1.32 (3H, s), 2.20 (1H, dd, J=4.1, 16.5Hz), 2.64 (1H, dd, J=12.4, 15.8Hz), 2.76-2.81 (1H, m), 3.37-3.41 (2H, m), 4.42 (1H, bs), 6.53 (1H, d, J=8.2Hz), 6.58 (1H, t, J=7.6Hz), 6.83 (1H, d, J=7.6Hz), 6.96 (1H, t, J=7.6Hz), 7.27 (1H, d, J=6.9Hz), 7.39 (2H, d, J=7.6Hz), 7.73 (1H, d, J=7.6Hz).
MS m/z : 328(M+), 308, 293, 222, 196, 162, 132。
【0100】
実施例36
3−(4,4−ジフルオロ−3,3−ジメチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−1−イル)−1−t−ブトキシカルボニル−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン(化合物番号2−277)
物性:アモルファス。
1H-NMR (500MHz, CDCl3)δppm: 1.10 (3H, s), 1.33 (3H, s), 1.38 (9H, s), 2.67-2.72 (1H, m), 2.87 (1H, dd, J=5.5, 15.8Hz), 3.06-3.16 (2H, m), 3.64 (1H, dd, J=3.8, 12.7Hz), 4.34 (1H, bs), 7.02 (1H, t, J=7.6Hz), 7.15 (2H, t, J=6.9Hz), 7.25 (1H, d, J=6.2Hz), 7.36 (1H, t, J=7.6Hz), 7.43 (1H, t, J=7.6Hz), 7.60 (1H, d, J=8.2Hz), 7.73 (1H, d, J=7.6Hz).
MS m/z : 428(M+), 371, 355, 196, 176, 162, 132。
【0101】
製剤例1
粉剤
実施例1の化合物(1.0質量部)、ドリレスA(アルキルエーテルリン酸エステル、日本化薬株式会社製、0.4質量部)、カープレックス#80−D(ホワイトカーボン、塩野義製薬株式会社製、1.5質量部)、炭酸カルシウム(足立石灰株式会社製、0.5質量部)及び啓和クレー風ヒ(啓和炉材株式会社製、32.1質量部)を混合した後、エックサンプルKII−1型(ハンマーミル)、不二パウダル株式会社製)で粉砕し、得られた粉砕物の質量に対して1.5倍量のDLクレー啓和(啓和炉材株式会社製)を加え、混合して、粉剤DLを得た。
【0102】
製剤例2
乳剤
実施例2の化合物(10質量部)をキシレン(和光純薬株式会社製、40質量部)とDMSO(和光純薬株式会社製、35質量部)の混合溶液に溶解し、この溶液にParakolKPS(アニオン界面活性剤とノニオン界面活性剤の混合物、日本乳化剤株式会社製、25質量部)を添加し、混合して、乳剤を得た。
【0103】
製剤例3
水和剤
実施例3の化合物(1質量部)、カープレックス#80−D(10質量部)、ゴーセノールGL05(ポリビニルアルコール、日本合成化学株式会社製、2質量部)、ニューコール291PG(ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム塩、日本乳化剤株式会社製、0.5質量部)、ネオゲンパウダー(直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩)、第一工業製薬株式会社製、5質量部)、ラジオライト#200(焼成珪藻土)、昭和化学工業株式会社製、10質量部)及びH微分(カオリナイトクレー)、啓和炉材株式会社製、71.5質量部)を充分に混合し、エックサンプルKII−1型で粉砕し、水和剤を得た。
【0104】
製剤例4
粒剤
実施例4の化合物(2質量部)、トリポリリン酸ナトリウム(三井化学株式会社製、2質量部)、アミコールNO.1(デキストリン、日本澱粉化学株式会社製、1.5質量部)、ベントナイト(豊順鉱業株式会社製、25質量部)及びカルヒン600(炭酸カルシウム、足立石灰株式会社製、69.5質量部)を混合し、ドームグラン(不二パウダル株式会社製、スクリーン0.9mmψ)を用いて、押し出し造粒した。得られた造粒物を棚型乾燥機(タバイ株式会社製、PERFECT OVEN PS-222型、60℃)にて乾燥した後、600〜1180μmに篩分して、粒剤を得た。
【0105】
試験例1
イネいもち病防除試験(治療効果)
第3〜4葉期のポット栽培供試植物(イネ:幸風)に病原菌胞子懸濁液を噴霧接種し、室温が20〜23℃の接種室に当該ポットを入れ発病を促した。本発明化合物をジメチルスルホキシド−メタノール混合溶液(容積比:7/3)に溶解せしめ、本発明化合物を300ppm含有する散布液を調製し、当該ポットに均一に散布した。接種7日後の発病程度を調査した。試験は2連で行った。
なお、発病程度は、試験植物の発病程度を肉眼観察し、下記の基準で判定し、0〜3の4段階で表した。
発病程度が0:発病が全く無い。
1:発病程度が無処理区の40%未満である。
2:発病程度が40%以上80%未満である。
3:発病程度が80%以上である。
本試験の結果、実施例4(化合物番号1−93)、実施例6(化合物番号1−113)、実施例7(化合物番号1−117)、実施例10(化合物番号2−11)、実施例15(化合物番号2−93)、実施例16(化合物番号2−93)、実施例19(化合物番号2−113)、実施例22(化合物番号2−185)、実施例27(化合物番号1−107)、実施例28(化合物番号1−118)、実施例29(化合物番号1−185)、実施例30(化合物番号1−199)及び実施例35(化合物番号2−185)の化合物は、発病程度が0であった。
【0106】
試験例2
トマト灰色かび病防除試験(予防効果)
第2〜3葉期のポット栽培供試植物(トマト:大型福寿)に、原体をジメチルスルホキサイドとメタノール(容積比7:3)に溶解せしめ、本発明化合物を300ppm含有する散布液を均一に散布した。1日栽培した後、当該ポットに病原菌胞子懸濁液を噴霧接種し、室温が20〜23度の接種室に当該ポットを入れ発病を促した。接種2日後の発病程度を調査した。試験は2連で行った。
なお、発病程度は、試験植物の発病程度を肉眼観察し、下記の基準で判定し、0〜3の4段階で表した。
発病程度が0:発病が全く無い。
1:発病程度が無処理区の40%未満である。
2:発病程度が40%以上80%未満である。
3:発病程度が80%以上である。
本試験の結果、実施例6(化合物番号1−113)、実施例22(化合物番号2−185)、実施例24(化合物番号2−205)、実施例28(化合物番号1−118)、実施例29(化合物番号1−185)、実施例30(化合物番号1−199)及び実施例35(化合物番号2−185)の化合物は、発病程度が0であった。
【産業上の利用可能性】
【0107】
本発明化合物は、農園芸用殺菌剤として用いることができ、宿主植物に被害を与えることなく、種々の植物病原菌、特にイネいもち病に対して卓効を示すことから、農園芸用殺菌剤として優れたものである。
【0108】
本発明化合物が優れた効力を発揮する植物病害としては、例えばイネいもち病(Pyricularia oryzae)並びにキュウリ、トマト及びインゲンの灰色かび病(Botrytis cinerea)が挙げられるが、本発明化合物の殺菌スペクトラムは、これらに限定されない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)
【化1】


(式中、
点線の結合は、単結合又は二重結合を表し、
1及びR2は、同一若しくは異なっていてもよく、同一若しくは異なった1〜3個のハロゲン原子で置換されてよいC1〜C6アルキル基、アリール基又はヘテロアリール基を表すか、或いは、
1及びR2は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、C3〜C10シクロアルキル環を形成し、
及びRは、同一若しくは異なっていてもよく、水素原子、C1〜C6アルキル基又はハロゲン原子を表すか、或いは、
及びRは、それらが結合している炭素原子と一緒になって、C〜C10シクロアルキル環を形成し、
5は、水素原子、アシル基、酸素原子、C1〜C6アルキル基又はアリール基で置換されたC1〜C6アルキル基を表し、
6は、水素原子、アシル基、同一若しくは異なった1〜3個のハロゲン原子で置換されてよいC1〜C6アルキル基又はアリール基で置換されたC1〜C6アルキル基を表し、
Xは、ハロゲン原子又はC1〜C6アルキル基を表し、
Yは、ハロゲン原子、C1〜C6アルキル基、C1〜C6アルコキシ基又は水酸基を表し、
pは、0又は1を表し、
nは、0〜4の整数を表し、
mは、0〜4の整数を表し、
但し、点線の結合が単結合の場合、pは1を表し、かつRは、水素原子、アシル基、C1〜C6アルキル基又はアリール基で置換されたC1〜C6アルキル基を表し、
点線の結合が二重結合の場合、pは0を表すか、或いは、pは1を表し、かつRは、酸素原子を表す。)
で表される化合物又はその塩。
【請求項2】
1及びR2が、メチル基、エチル基、プロピル基、トリフルオロメチル基又はクロロメチル基である、請求項1記載の化合物又はその塩。
【請求項3】
3及びR4が、水素原子、メチル基又はフッ素原子である、請求項1又は2記載の化合物又はその塩。
【請求項4】
pが0であるか、又はpが1であり、R5が、水素原子が又は酸素原子である、請求項1〜3のいずれか1項記載の化合物又はその塩。
【請求項5】
が、水素原子、メチル基又はエチル基である、請求項1〜4のいずれか1項記載の化合物又はその塩。
【請求項6】
nが0であるか、又はnが1であり、Xが、フッ素原子、塩素原子又はメチル基である、請求項1〜5のいずれか1項記載の化合物又はその塩。
【請求項7】
mが0であるか、又はmが1であり、Yが、フッ素原子、塩素原子、メチル基又はメトキシ基である、請求項1〜6のいずれか1項記載の化合物又はその塩。
【請求項8】
一般式(I)で表される化合物が、
3−(5−フルオロ−3,3,4,4−テトラメチル−3,4−ジヒドロイソキノリン−1−イル)−1,2,3,4−テロラヒドロキノリン又は
3−(4,4−ジフルオロ−3,3−ジメチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−1−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロキノリンである、請求項1記載の化合物又はその塩。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項記載の化合物又はその塩を有効成分として含有する農薬。

【公開番号】特開2007−217353(P2007−217353A)
【公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−40318(P2006−40318)
【出願日】平成18年2月17日(2006.2.17)
【出願人】(303020956)三共アグロ株式会社 (70)
【Fターム(参考)】