説明

2つの要素を相対的に移動させる装置

【課題】2つの要素を相対的に移動させる装置において、構造がシンプルで、2つを隣接して配置することができ、且つ必要な剛性および強度を有する装置を提供すること。
【解決手段】本発明による2つの要素1,2を相対的に移動させる装置は、接続構成4によって直列結合される2つのリンク構成5,6を備える。第1リンク構成5は、ほぼ同じ長さで平行な少なくとも3本のリンク9,14を備え、前記リンクは、接続構成4と要素2の間で、リンクの縦軸に沿って見るとほぼ三角形の関係で配置される。第2リンク構成6は、接続構成4と要素1の間で作用する少なくとも1つの平行四辺形を備える。第1および第2駆動構成17,18は、第1リンク構成5を旋回させるようになっている。第3駆動構成33は、第2リンク構成6を旋回させるようになっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1リンク構成と移動構成との間の接続部を形成する構成を備えた2つの要素を相対的に移動させる装置に関し、移動構成は接続構成と要素の一方との間に設けられ、第1リンク構成は接続構成と第2の要素との間に設けられ、第1リンク構成は、全方向に旋回可能になるよう継手を介して接続構成および関連要素に相対的に接続された少なくとも2つの第1リンクを備え、前記第1リンクは接続構成および関連要素とともに第1の4リンク・システムを形成し、移動構成は、接続構成と関連要素との間で相対的に移動できるようになっていて、駆動構成が、要素間の相対的位置を変更するようリンク構成および移動構成を作動させる。
【0002】
駆動構成の手段で2つの要素を相対的移動させ、望みどおりに相対的に配置させることができる。特に、本発明による装置は、マニピュレータまたはロボットを形成するものである。第2要素は直接的または担持構成を介して間接的に作業部材を担持して、例えば吊り上げ、配置、梱包およびパレット運搬を行う。しかし、作業部材は上述したもの以外の作業操作も行うことができる。第1要素は、第1の実施例によると、空間に固定されるベース部材となり、第2の実施例によると、ベース部材に対して移動可能なキャリアの少なくとも一部である。次に、駆動構成が、ベース部材に対するキャリアの位置を調節する働きをする。
【背景技術】
【0003】
上述の種類のロボットが、米国特許第4976582号に記載されている。第2要素を移動配置するため、ロボットは3つの駆動構成を備え、これは共に、第1部材上に三角形に分布して配置した3つの力行使部材を備える。力行使部材はそれぞれ、2つのリンク構成と中間接続構成とを備えるそれ自体の接続部を介して第2可動要素に接続される。平行に連結されたこれら3つの接続部は、同様に三角形に分布して配置される。これらの接続部はそれぞれ、第2要素に旋回可能な状態で接続された2本の第1リンクを含む第1リンク構成と、力行使部材の第2可動部分に固定接続され、接続構成によって2本の第1リンクに接続された第2リンクとを備える。第2リンクは、動力行使部材の静止部分に対して1つの自由度で移動可能である。接続構成は2つ以内の自由度で蝶番式に第1リンクと第2リンクを接続する。第1リンクによって形成されたリンク構成は第2要素に接続され、したがって2つ以内の自由度が発生する。実際には、第1リンク構成が平行四辺形の形状の4リンク・システムを形成する。この既知のタイプのロボットの欠点は、上述の三角形の分散の結果、比較的かさばることである。2本の隣接する第2リンクの旋回面間の角度は、名目上常に180°未満でなければならない。したがって、このロボットを2つ以上互いに近づけて、衝突せずに配置するのは非常に困難である。さらなる欠点は、必要な剛性および強度を有する既知のロボットを設計することが構造的に困難なことである。というのは、3つの動力行使部材の可動部分が第1要素から星状に突き出し、これは空間の要件から可能な限り小さく形成した方がよいが、他方で動力行使部材を受けることができねばならない。つまり、アーム自体については、十分な幅を持たせて動力行使部材の可動部分に固定接続されるアームを設計し、それを第1要素で支えることは困難である。
【0004】
さらなる欠点は、全てのアームの長さが等しくなければならないことである。つまり、問題の動作パターンに合わせてロボットを最適化するのは不可能である。パフォーマンスは常に対称形の作業区域に対称形に分布し、これは費用効率が低い。
【0005】
さらに、既知のロボットはロボットの側部または上部に配置された物体を取り出すよう、第2要素の傾斜動作を実行することができない。
【0006】
また、第2要素の傾斜を変更するために、さらに3台のモータが必要である。費用効率の高い概念を達成するために、余分なモータ1台のみで対処できることが望ましい。
【0007】
既知のロボットは正三角形の構造であるので、コンベヤ、ローディング・パレットなどの上で水平方向に作業するよう配置することも困難である。さらに、第2要素上の作業部材を第1部材上のモータによって駆動する場合は、第1要素と第2要素との間に延存する軸は、軸の長さを変化させることができるトルク伝達継手を備えなければならないことに言及しておく。実際には、軸は2つの軸部分で構成し、それを互いに対して入れ子式に配置できるようにし、そのトルク伝達をスプライン、くさび溝などで確保するよう設計することが適切である。これは実施例を複雑にし、費用がかかる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記の1つ以上の欠点をなくす、または少なくとも軽減するよう、序文によって規定した種類の装置を改良することを目的とする。特に、2つ以上の装置が互いに対して比較的近くで作業するよう配置できるよう、装置の設計に関して融通性を大きくすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の目的は、第1リンク構成が、全方向に旋回できるよう、継手を介して接続構成および関連要素に接続された少なくとも1本の第3リンクを備え、第1および第3リンクの継手が三角形の形状に配置されることで達成される。
【0010】
したがって、第1リンク構成は、少なくとも3本のリンクによって接続構成と関連構成との中間接続部を形成する。これによって本発明による装置を非対称形に設計することができ、目的に従ってその作業区域を調節することができる。例えば、本発明による装置のこの非対称形の特徴によって、以下で説明するような方法で複数のロボットを非常に密集して配置することができる。これによって、本発明による装置は、等辺三角形の構造で、いかなる場合も隣接する2本の第2リンクの旋回面間の角度は常に180°未満でなければならない米国特許第4976582号の装置と異なる。
【0011】
移動構成は第2の4リンク・システムとして設計することが好ましい。したがって、第1および第2の4リンク・システムを、接続構成を介して互いに直列に結合する。これによって、非常に好ましい操作品質を有する装置が提供される。特に有利なオプションは、1つの力行使部材を備える駆動構成によって作業工具を傾斜させるために第2の4リンク・システムを使用できることにある。
【0012】
接続構成を介して直列に結合する2つの4リンク・システムを使用すると、4リンク・システムを平行四辺形として設計する場合、4リンク・システムに設けた軸を介し、カルダン継手および/またはアングル歯車で補助して力を伝達することができ、軸長の補正を行うことを意図した摺動継手などを複数の軸の配列構成中に導入する必要がない。
【0013】
本発明の幾つかの好ましい開発例を添付の特許請求の範囲で規定する。これらの本発明に関する開発例および利点を、以下の記述でさらに詳細に扱う。
【実施例】
【0014】
添付の図面類に関して、本発明の実施例のさらに詳細な説明が以下になされる。
【0015】
単純に理解するために、以下では異なる実施例の同様または対応する構成要素には同様の参照文字を使用しているが、実施例に特有の文字を加えてある。
【0016】
図1ないし図4に示すロボットは、2つの要素1、2の相対的変位を意図するものである。要素1は、この例ではベース部材を形成するものとし、これに対して要素2は空間に配置されるものとする。要素2は図1に示すように直接的に、または以下で扱うように運搬構成を介して間接的に作業部材3を運搬するものとする。
【0017】
ロボットは、リンク構成5と移動構成6との間の接続部を形成する構成4を備える。リンク構成5は、接続構成4と第2要素2との間に設けられ、移動構成6は接続構成4と第1要素1との間に設けられる。リンク構成5は、それぞれ継手7および8を介して接続構成4および要素2に旋回可能な方法で接続された少なくとも2つの第1リンク9を備え、前記第1リンクは、接続構成4および要素2とともに第1の4リンク・システムFS1を形成する。これらリンク9のそれぞれの継手7、8は、第1リンク9が接続構成4および要素2の両方に対して全方向に旋回可能になるよう設計される。
【0018】
移動構成6は、接続構成4と第1要素1とが相対的に移動できるようになっている。特に、移動構成6は要素1に対して接続構成4を移動させるために使用するものである。そこで、移動構成6は、要素1と接続構成4とをこのような相対的変位状態を、傾斜に関する限りほぼ一定の関係に維持するようになっている。言い換えると、接続構成4は、移動構成6を操作すると、空中の接続構成4の向きを変化させることなく、要素1に相対して移動するようになっている。移動構成6の一例として、線形移動を達成できる構成、例えばピストン・シリンダ機構、ボールねじ機構およびラック駆動装置などが使用できる。このような線形変位により、接続構成4の向きが一定に確保される。しかし、移動構成のタイプも問題になることがあることを指摘しておく。
【0019】
本発明の特に好ましい実施例によると、移動構成6は、接続構成4および第1要素1に対して旋回可能な少なくとも1本の第2リンク10を備える第2リンク構成として設計される。移動構成6は、接続構成4および第1要素1に対して旋回可能な少なくとも2本の第2リンク10、11を備えることが特に好ましい。移動構成6は、そのリンク10、11、さらに接続構成4および要素1とともに第2の4リンク・システムFS2を形成する。要素1に対するリンク10、11の継手を12とし、接続構成4に対する継手を13とする(図1参照)。
【0020】
4リンク・システムFS2の継手12、13は1つの自由度、つまり互いに対して平行の旋回軸を中心とする純粋な旋回を許容することが好ましい。したがって、4リンク・システムFS2は平行面で旋回する。
【0021】
リンク構成5は、それぞれ継手15および16を介して接続構成4および要素2に旋回可能な状態で接続された少なくとも1本の第3リンク14を備える。第1と第3リンク9、14の継手7、15;8、16は、三角形の形状に配置される。図1ないし図4には直角三角形の形状が図示され、図26および図27には鋭角三角形が図示されている。この点で最低の基準は、継手が前記三角形の形状を形成する、つまり継手が同じ1つの面に配置されないことである。三角形の形状とは、リンク9、14が少なくとも3つの点で要素2を担持することである。
【0022】
リンク14は、各リンク9、接続構成4および要素2とともに第3の4リンク・システムFS3を形成する。したがって、2つの4リンク・システムFS3がこの例には関与する。言うまでもなく、2本以上のリンク14ができることが指摘される。そこで、リンクが5本以上のシステムFS3も、言うまでもなく形成することができる。それ以外に、3本以上のリンク9ができるのでリンクが5本以上のシステムFS1も形成される。
【0023】
リンク9はほぼ長さが等しい。また、これはほぼ平行である。したがって、4リンク・システムFS1は平行四辺形を形成する。
【0024】
リンク10、11はほぼ長さが等しい。これもほぼ平行であることが好ましい。したがって、4リンク・システムFS3も平行四辺形を形成する。
【0025】
リンク14はリンク9とほぼ同じ長さである。また、リンク14はリンク9とほぼ平行であることが好ましい。したがって、本実施例の2つの4リンク・システムFS3はそれぞれ平行四辺形を形成する。複数のリンク14を設ける場合でも、その長さがリンク9とほぼ等しく、かつほぼ平行であることが好ましい。継手7と15を通る面P1と、継手13を通りリンク10、11の旋回面に対して垂直に延存する面P2(図3参照)との間に角度α、特にほぼ直角が存在するよう、リンク構成5および6は、接続構成4によって接続されることが指摘される。しかし下記で明白なように、前記角度は0〜360°の間で任意である。図示の約90°の角度を有する実施例では、接続構成4は、図1および図3〜図4に従って側部から見ると、ほぼL字形を有する。図による方向では、接続構成4は側部から見ると、ほぼ垂直方向部分とほぼ水平方向部分を備える。垂直部分はリンク10、11に結合され、水平部分はリンク9および14に結合される。水平部分は、上から見ると、ある角度をなす2本の脚部で構成され、一方の脚部はFS1に沿って延存し、他方はFS3の1つに沿って延存する。
【0026】
第1リンク構成5のリンク9、14およびそれにそれぞれ属する継手7、8および15、16は、この場合、接続構成4と第2要素2の接続部との間に設けられ、これによってリンクにほぼ平行な軸を中心として相対的に回転することができる。本実施例は、継手7、8、15、16が3つの自由度、つまり上述の2本の実際の軸または仮想軸を中心として互いに相対的な1つの角度での旋回し、かつリンク9、14に平行な軸を中心とする前記回転とを与えることを前提とする。このような設計は、リンク9、14およびその継手が回転に際して生じる歪を考慮する必要がないという利点を有する。この目的のための継手の一例がボール継手である。しかし、継手7、8および15は、本発明において、リンク9、14が接続構成4および第2要素2に対して全方向に旋回する自由度を与えるものである、つまり角度をなす2本の軸を中心とする旋回が可能な2つの自由度を有するものとする。この場合自由度が2以下の場合、リンクとその継手はリンクに平行な軸を中心とした回転歪を伝達することとなる。このような場合、継手はカルダン継手または二重の平行でない旋回軸を有する他の継手も使用可能である。このような設計は、図13〜図14、図24〜図25および図28〜図29による実施例と関連して以下でさらに詳細に検討する。
【0027】
第1駆動構成17および第2駆動構成18は、リンク構成5のリンク9、14を接続構成4に対して旋回させるようになっている。構成17、18はそれぞれ、要素1に対して固定接続された静止部分と、静止部分に対して1つの自由度を有し、それぞれのリンク・アーム構成23、24を介して要素2に接続された可動部分21および22を備える。駆動構成17、18は、要素2を互いに異なる方向に起動して、空中でこれを制御するようになっている。
【0028】
一方の駆動構成17のリンク・アーム構成23は、継手27を介して要素2に、継手29を介して可動部分21に蝶番式に接続された少なくとも2本のリンク・アーム26を備える。これらの継手27、29はそれぞれ、個々のリンク・アーム26を第2要素2および可動部分21に対して全方向に旋回できるように、つまり少なくとも2つの自由度が存在する、つまり二重の平行でない旋回軸を中心として旋回できるように設計することが好ましい。したがって、この場合、継手はカルダン継手またはその他の2軸継手で構成される。また、各継手27、29が要素2または可動部分21に対してさらなる自由度を有する、つまりリンク・アーム26とほぼ平行な軸を中心に回転することも、本発明の範囲に含まれる。このような場合、継手は例えばボール・ジョイントで形成することができる。
【0029】
リンク・アーム構成23は、例えば第3リンク・アーム28を備え、これは継手29を介してリンク・アーム26に接続される。またリンク・アーム28は可動部分21に固定接続されるか、あるいは1つの自由度を有する、つまり実際には純粋回転する継手30を介して部分21に接続される。
【0030】
リンク・アーム26は、関連の継手27、29とともに4リンク・システムを形成する。このシステムは平行四辺形として設計することが好ましい。
【0031】
可動部分21は要素1に対して1つの自由度しか提供しないので、リンク・アーム28は空中でその方向が一定である。したがって、前記リンク・アームおよびリンク・アーム26が要素2とともに形成した平行四辺形の構造は、駆動構成23が全体として、リンク9、14の各端の継手7、15;8、16を通る面に対してほぼ垂直な軸を中心として接続構成4に相対的に第2要素2が回転しないようなっている。したがって、リンク・アーム構成23のこの特徴は、FS2がロック可能であれば、第2駆動構成18の提供する自由度を除き、要素2が全ての自由度に関して、空中でロックされることである。
【0032】
残された唯一の自由度は、リンク・アーム構成24が1本のリンク・アーム31を備える場合はロックすることができ、この場合リンク・アーム31は継手32を介して可動部分22および第2要素2にそれぞれ直接接続される。この継手32は、リンク・アーム31が可動部分22および要素2に対して全方向に旋回可能になるよう設計するとよい。また、継手32は、リンク・アーム31に平行な軸のまわりで可動部分22および要素2に相対な回動を与えるさらに1つの自由度を許容することができる。後者の場合、3つの自由度がある。したがって、継手32はカルダン継手、二重の平行でない軸を中心として旋回できる他の継手、ユニバーサル・ジョイント、ボール・ジョイントなどで構成することができる。1本のリンク・アーム31で構成するというリンク・アーム構成24は、リンク・アーム構成23と同様とすることができる。これは、全ての自由度のロックを達成するためだけでなく、二重のリンク・アーム形式の特別な安定性など、特定の場合に望ましいことがある。
【0033】
以下の説明において一度に1つの自由度を許容する継手を、斜視図では長円(継手30参照)、2つ以上の自由度がある継手を円で示すことにする。
【0034】
動力行使部材19および/または20は、例えば回転手段で形成され、その固定子は静止部分を形成して、回転子がそれぞれ可動部分21および22を形成するか、それに含まれる。本実施例では、可動部分21、22は1つの自由度で旋回可能なアームである。しかし、可動部分21および22はそれぞれ、1つの自由度に関する限り、例えば並進で移動可能であることが指摘される。このような並進移動可能な部分21、22は、同様の方法で、先端によってそれぞれリンク・アーム構成23および24に接続される。
【0035】
第3駆動構成33は、第2リンク10、11を要素1に対して旋回させるようになっている。第3駆動構成33は、第1要素1に固定接続された静止部分と一方のリンク、つまり10と指定されたリンクに接続された可動部分とを有する動力行使部材を備える。動力行使部材は回転手段で形成することが適切で、その固定子は静止部分を形成し、回転子はリンク10に固定接続される。
【0036】
図1に基づくロボットに関する限り、駆動構成33によってリンク10、11を旋回させると、接続構成4が一つの方向を維持しながら空中で平行に移動し、リンク構成5によって要素2もこれに追従する。
【0037】
しかし、ロボットは、リンク構成6の形式を変更することにより要素2がその方向を変更する、つまり傾斜することができるような構成を備えることができる。そのため、第1要素1は2つの部品1Aおよび1Bによって形成され、これはリンク10の継手12と一致する軸を中心に互いに対して蝶番式に接続される。第4駆動構成34は、第1部品1Aに対して第2部品1Bを旋回させるようになっている。この第2部品1Bは、2本の他のリンク10、11に蝶番式に接続されるよう、4リンク・システムFS2のリンクを形成する。構成34は、要素部品1Aに固定接続された静止部分と、部品1Bに固定接続される可動部分とを有する動力行使部材を備える。特に、構成34は回転手段によって形成され、固定子は部品1Aに接続され、回転子は部品1Bに接続される。
【0038】
構成33を固定すると、リンク10は空中の同じ位置をとる。構成34を駆動すると、部品/リンク1Bは空中で旋回し、リンク10も旋回する。これによって、接続構成4、したがって要素2も図3および図4で示すように傾斜するよう、平行四辺形FS2を変形させる。このような傾斜は、要素2に設けた作業部材にさらなる自由度を設ける。構成34を固定すると、リンク/部品1Bは、常に部品1Aに対して同じ位置をとる。要素2はさらに傾斜することなく、リンク10を旋回させずに、要素2を空中で一定方向に移動させることができる。
【0039】
図2から、要素2は、駆動構成17、18によってリンク9、14を旋回させることによって、面XYで移動することができる。リンク10、11を旋回させることにより、要素2はXZ面で変位することができる。しかし、本発明の範囲内で平行四辺形FS2がXZ面に対して多少斜めに作業することができる。図8には、この点に関しての特極の実施例が図示され、つまり平行四辺形FS2がXY面で作業する。ここではXY面で非常に良好な自由度が達成されるが、XZ面でもさらなる自由度を実現することが望ましい。FS2があらゆる種類の方向をとることによりXY面とXZ面の間の面で作業することもできる。
【0040】
図2によるロボットを、図5では平面図、つまり上方から観た状態を示す。輪郭は、図6でさらに詳しく図示される。図から分かるように、輪郭は側部が長い直線で、これは複数のロボットを密集させることが望ましい場合、別のロボットの対応する側部に向かって配置することによって利用することができる。例えば、図6に対して鏡面逆転したロボットの変形を使用して、図7に示すような最も密集した状態に4台のロボットを詰め込むことができる。
【0041】
図1ないし図4のロボットと基本的特徴が対応するロボットの変形を図9ないし図11に示す。図9ないし図11の例では、図3の実施例の面P1とP2との間の角度が0°となっていることである。また、前記2つの面は後者の実施例で一致しているが、場合によってはその間の距離を小さくした、又リンク構成5aと6aの間に距離をとることが望ましい場合、この距離が大きくしたりすることができる。図9の例では、第1要素1aが図9ではT字形のベース部材として図示されている。
【0042】
図1ないし図11に関して述べてきた本発明による装置は、作業区域を調節できるよう極端に大きい融通性を有する。角度αが必要に応じて変更できることは既に述べた。図17では、角度ε、つまり4リンク・システムFS2の方向が必要に応じて変更できることも示され、実際にはこれは0から360°まで変更できる。図10では角度β、つまりリンク9の継手7を相互接続する第1線とリンク9の継手7を隣接する継手7と相互接続する第2線の間の角度が図示されている。この角度βは、0〜360°で任意であるが、角度が0°、180°および360°にならないよう留保する。図10では、角度χ、つまりP2(図3と比較)と2つの4リンク・システムFS1の一部に含まれる上部継手を相互接続する線との間の角度も図示されている。また、図9には角度δが図示され、前記角度はFS2の回転面とリンク9、14が存在する上記継手7、15の面との間の角度となるものである。これらの角度α、β、χ、δ、εは全て、ロボットの目標とする移動区域および望ましい性能を特定の方向で達成するため、変形することができる。
【0043】
さらに、FS2および可動部分21が旋回する面を、図1〜図4および図9〜図11で意図したような平行ではなく、互いに対して角度を形成するよう配置することにより、ロボットの構造をさらに適したものにできる。これらの2つの面を図5でP3およびP4とする。図6で点線で示したような事例では、ロボットの縁辺が平面ではなく角度がつくよう、これらの面と互いに対して角度をなすようにすることができる。さらに、ロボットのアーム長が状況により変更できる。
【0044】
図12では、リンク10bを旋回させることによって、駆動構成33bがリンク構成6bの形状を変化させるようになっていることが図示されている。モータの形態の駆動部材(モータ)36が第1要素1b上に配置されて、リンク10bに平行に配置したアーム37を駆動して旋回させる。この旋回はリンク構成6bの旋回面にほぼ平行な面にあることが適切である。アーム37は継手38を介してリンク・アーム39に接続され、これは継手40を介し、リンク・アーム41を介して被動部材42Aに接続される。被動部材42Aは、リンク・アーム41によって回転動作に入るようになっている。被動部材42Aは、第2要素2b上の作業部材3bを回転するように配置することが適切である。このため、被動部材42Aは、アングル歯車などの適切な歯車に含めることができ、さらなる部材42Bとともに作業部材3Bに結合される。部材42Aおよび42Bは、歯車で形成されることが適切である。
【0045】
休止位置では、アーム37はリンク構成6bのリンク10bと平行であり、休止位置のリンク・アーム39はリンク構成5bの第1および第3リンクに平行である。アーム37およびリンク・アーム39がこれらの休止位置に位置する場合、リンク構成5bおよび6bのリンクを旋回すると、これは作業部材3bに回転動作を与えずに、受動的に従動する。モータ36がアーム37を旋回させるまで、回転動作は発生せず、アーム37、39は個々のリンク構成のリンクとの平行から変位する。
【0046】
継手38、40は、全方向に旋回できるようにしなければならない。つまり少なくとも2つの自由度がなければならない。
【0047】
図13および図14による実施例は、リンク構成5cの設計およびリンク・アーム構成17cに関する限り、先行の実施例とは異なる。この実施例では、リンク構成5cのリンク9c、14cは、関連の継手43、44、15c、16cとともに、接続構成4cと要素2cとの間に接続部を形成し、前記接続部の少なくとも1つは回転剛性を有する、つまり接続部のリンクに平行な軸を中心にトルクを伝達できる。実際には、図13および図14による実施例にはこのような接続部が3つある。その1つが記載の方法でトルクを伝達する場合は、要素2cも、接続部に含まれるリンクに平行な軸を中心に回転しないようロックされる。つまり、以下でさらに詳しく述べるように、駆動構成17cは、図2および図9による実施例のように回転しないよう第2要素2をロックする必要がないように、単純化することができる。
【0048】
特に、2本の第1リンク9cは接続部品43によって相互接続され、これはそれぞれ1つおよび2つ以上の自由度で接続構成4cおよび要素2cに回転可能な状態で接続される。2本の第1リンク9cは、1つおよび2つ以上の自由度で、接続構成4cおよび要素2cに対する接続部品43の回転軸に対してほぼ垂直方向で回転軸を形成する継手44を介して、接続部品43に接続される。2本のリンク9cは、接続部品4の回転軸を中心に、継手44によって接続部品43に接続され、したがって接続構成4cおよび要素2cに対する接続部品43の回転は、強制的にリンク・アーム9cをこの回転に関与させる。図14との比較で明白なように、リンクcは、接続部品43の回転軸を通して延在する面に平行に、自由に回転できることが分かる。第3リンク14cの設計は、これに関しては重要ではない。継手15cおよび16cはそれぞれ、図1ないし図4による実施例に関して検討したように、2つまたは3つの自由度がある限り、接続構成4cおよび要素2cに対する関係は任意である。
【0049】
接続部品43と、この部品43に対する回転を防止するような部品43上のリンク9cの構成は、図1〜図4による実施例のリンク構成5の場合の自由度以上の追加の自由度に関して、リンク構成5cが要素2cを固定することである。つまり、図13および図14のリンク・アーム構成23cは、先行の実施例の複雑な平行四辺形の形状のかわりに、単純なリンク・アーム45として設計できる。つまり、リンク構成5cおよび/または要素2cを起動でき、したがって接続構成4cに対する2次元の望ましい旋回が達成できるよう、2つの駆動構成17cおよび18cのみ設計すればよい。
【0050】
図28には、図13および図14による実施例をいかに設計できるかが、さらに詳しく図示されている。特に、接続部品43はほぼ平行な軸74を中心に、接続構成4cおよび第2要素2cに対して回転可能な方法で支持される。リンク9cは、接続構成4cおよび第2要素2cに対する接続部品43の回転軸74に対してほぼ垂直方向の軸76を中心に、継手75を介して接続部品43に旋回可能な方法で接続される。したがって、リンク9cは両方の軸74を通る面に対して平行な面で、接続部品43に対して旋回することができる。これに対して、継手75は、リンク9cがリンク9cに平行な軸を中心に接続部品43に対して回転しないよう設計される。したがって、このような軸を中心とする相対的な回転を防止する接続部が、接続構成4cと要素2cの間に存在する。
【0051】
図28に関して、接続構成4cと要素2cとの間の回転を防止する上記で検討した接続部を達成するために、問題のリンク9cに平行な軸を中心にした相対的回転を防止する接続部を形成する継手75を介して、リンク9cの一方のみを2つの接続部品43に接続すれば十分であることが指摘される。したがって、他方のリンク9cは、継手を介して接続部品43に接続し、さらに最後に言及したリンクに平行な軸を中心にした回転を許容することができる。しかし、両方のリンク9cを、相対的回転を防止する方法で接続部品43と調整した場合、より安定した実施例が獲得される。
【0052】
この点に関して、リンク構成5nに関する限り代替例を示す図29を参照する。この場合、4リンクが接続構成4nと第2要素2nとの間に図示され、そのリンクのうち2本は第1リンク9nで構成され、2本は第3リンク14nで形成されると考えられる。リンク9n、14nの継手7n、8n、15nおよび16nは、ここでは全て同様の実施例である。特に継手は、全方向で接続構成4nおよび要素2nの両方に対する個々のリンクの旋回性を提供する。これは、間に角度を形成する2本の軸77、78を中心に旋回する自由を有する前記継手によって達成される。個々の継手は、カルダン継手などの特徴を有することができる。このようなタイプの継手は、問題のリンクに、接続構成4nおよび要素2nに対して平行な軸を中心とする回転の自由を与えない。したがって、問題のリンクが相対的回転を防止する実施例である場合、接続構成4nと要素2nとの相対的回転を防止する接続部が形成される。図29の右側に最もよく図示されているリンク9nは、相対的回転を防止するこのような実施例を表す。リンクとそれに伴う継手で構成される接続部の少なくとも1つがこのように設計されると、駆動構成17cおよび18cは、図13および図14に図示したものと同様、比較的単純に設計することができ、したがって要素2を空中に配置するだけで、このような場合には、接続構成4nと要素2nとの間の相対的回転を可能にする自由度をなくすために、駆動構成17c、18cを設計する必要がない。
【0053】
しかし、図29は3本の他のリンクがリンクの端部に存在する継手の間に回転接続部79を備える例も図示し、前記回転接続部79は、リンクにほぼ平行な回転軸を中心に、回転接続部の両側にあるリンク部品を互いに対して回転させることができる。特に、これらの回転接続部79は、リンクに沿って圧縮力および牽引力を伝達できるよう設計するとよい。したがって、意図される唯一の運動の相対的自由度は、リンクに平行な軸を中心とする純粋な回転である。全てのリンクが、このような回転接続部79、または他の何らかの方法によって形成された回転の可能性を有する場合、リンクに平行な軸を中心に、接続構成4nと要素2nとの間の回転も可能性がある。リンクの1つで回転接続部79を除去するだけで、このような回転をしないようロックするのに十分である。回転接続部79は、言うまでもなく既に検討した方法で、問題のリンクの少なくとも一方端で、回転に存在する第3の自由度を与えられた継手と、例えばボール・ジョイントとして設計された継手と、交換することができる。
【0054】
図15では、2つの4リンク・システムFS1およびFS2が、接続構成4dによるある角度、例えば直角の関係に適した伝達構成とともに図示されている。図15に図示した伝達構成は、第1要素1上の駆動部材46から、第2要素2上の被動部材、例えば作業部材3に力を伝達するものである。伝達構成は、平行四辺形の第1および第2の4リンク・システムFS1およびFS2のリンクにほぼ平行に延びる軸47を含み、前記軸47は、短軸49に結合されたカルダン継手48によって、駆動モータ46、作業部材3および例ではアングル歯車50に含まれる歯車に接続される。これらの歯車は、接続構成4上に回転可能な状態で支持される。したがって、回転操作はモータ46から作業部材3に伝達することができる。図9〜図11による実施例に伝達構成を使用する場合、アングル歯車50は避けることができ、代わりに47とした軸に近い軸をカルダン継手によって接続構成4aの近傍で直接結合し合わせることができる。このような場合、カルダン継手を介して軸47に結合される中間軸部片は、図15で47とした軸に対応する軸の間に存在することができ、軸部片の目的は、接続構成4aによって、リンク構成5aと6aの互いからの間隔を架橋することである。
【0055】
図16は、図1〜図4に関して述べたのとほぼ同様のロボットの変形を示す。この点で明瞭な違いは、作業部材3dの担持構成51が第2要素2dに蝶番式に接続されることである。担持構成51の旋回軸を、図16では52とする。第5駆動構成53が、軸52を中心に担持構成51を旋回させる働きをする。この構成53は、第1要素1d上に配置された力行使部材54を備える。この部材54は、要素1dに固定接続された静止部分と、1本以上のリンク・アームを備えるリンク・アーム構成56によって担持構成51を起動して回転させるようになっている可動部分55とを備える。
【0056】
図17は、ロボットの変形を側面図で示す。その目的は、リンク構成によって形成された4リンク・システムFS1およびFS2が、実行すべき作業に合わせて調節するために、接続構成4eを介して所望の相対的位置で互いに接続できることである。
【0057】
図18は、4リンク・システムFS1およびFS2がリンク構成によって形成された、本発明によるロボットの側面図を示す。図から分かるように、この実施例は、図1〜図4による実施例に関して述べたように、要素2fの傾斜を利用し、これによって作業部材3fは目的物、たとえばカバー・シート57を格納箱から取り上げ、そのシートをコンベヤ59上で移動中の容器58に貼付することができる。この場合、作業部材3fは吸引把持手段の特徴を有し、これは力行使部材およびリンク・アーム・システムを備える駆動構成60によって、軸61を中心に要素2fに対して回転することができる。この回転動作により、容器58に対する作業部材3fの方向を調節することができる。
【0058】
図19は、相互配位が多少異なるロボットの応用例、および4リンク・システムFS1およびFS2を形成するリンク構成のデザインを示す。ここでも要素2gの傾斜を利用し、この場合は容器63の蓋63の適用を単純化する。図18による実施例の場合と同様、ここでも軸61gを中心に要素2gに対して作業部材3gを回転する措置をとる。
【0059】
図20は、図19と同様の実施例を示し、図15と同様の伝達構成が追加されているが、ここでは4リンク・システムFS1およびFS2を形成するリンク構成間の角度関係が多少ことなり、その結果、ここではアングル歯車50hが多少変形されている。
【0060】
図21は、図20と同様の応用例を示すが、デザインは図15の方に近い。
【0061】
図22は、作業部材31の回転動作を得るためにリンク・アーム・システム64を使用できることを示し、作業部材は要素2i上に回転可能な方法で支持される。作業部材3iは、力部材によって旋回動作がリンク・アーム67に与えられる結果、回転によって容器66に蓋65をするためのもので、前記旋回動作は、作業部材に回転動作を与えるために、リンク・アーム構成に含まれるさらなるリンク・アームを介して、最終的に作業部材3iに伝達される。
【0062】
図23は、駆動構成の力行使部材54jが、図16による実施例と同様に、リンク・アーム・システム54jを介して担持構成51jが要素2jに対して旋回(傾斜)できるようにすることを示す。既に述べた種類の駆動構成18jは実線で図示されている。しかし、点線では、図示されていないリンク・アーム構成および力構成部材を備える駆動構成67が図示され、これはさらなる担持構成または作業部材によって構成されたさらなる部材68を起動して、既に述べた担持構成51jに対して移動させる。そのため、担持構成51j上に回転可能な状態で配置された構成要素68が考案される。
【0063】
一つの変形によると、構成要素51jと68は把持構成を形成することができる。また、担持構成51jは、4リンク・システムFS2に対して横方向に作業部材の担持構成を傾斜するために、単に使用することができる。力行使部材34(図2参照)を、要素2の傾斜のために同時に使用すると、6つの自由度を有するロボットが得られる。
【0064】
図24および図25は、接続構成4kと第2要素2kの間にリンク構成6kを設けた変形を示す。接続構成4kと第1要素1kの間に第1リンク構成5kを設ける。第2要素2kは作業部材3kを担持するためのものである。
【0065】
第1および第2駆動構成17k、18kは、リンク構成5kの第1および第3リンク9kおよび14kを要素1kに対して旋回させるようになっている。
【0066】
第1および第2駆動構成17k、18kはそれぞれ、力行使部材19kおよび18kを備え、これは両方とも、第1部材1kに対して固定接続された静止部分と可動部分とを有する。可動部分は、第1および第3リンク9k、14kを起動して、第1要素1kに対して旋回させるようになっている。第2駆動構成18kは、接続部品43kに対する相対的回転を防止するよう、これに接続された可動部分を有する。この部品43kを要素1kに対して回転させることにより、図24でほぼ水平の方向のリンク9k、14kは、垂直面で旋回する。ここから、リンク9kは、接続部品43kの回転軸を中心に回転しないよう、これに固定するように、接続部品43kに接続されるようである。他方で、リンク9kは継手44kを介して接続部品43kに接続され、これによってリンク9kは接続部品43kの縦軸にほぼ垂直な軸を中心に旋回することができる。したがって、リンク9kは継手44kによって、接続部品43kに対して水平面で旋回することができる。これは力部材19kによって生じ、その可動部分21kはリンク・アーム23kを介してリンク9kの一方に接続される。
【0067】
リンク9kは、第1要素1kとは反対側の端で、さらなる接続部品43kによって相互接続される。この接続部品43kとリンク9kとは、部品43kが回転するとリンクがそれに伴い、反対にリンク9kが旋回すると部品43kが回転するよう相対的な回転を防止するような方法で接続される。また、リンク9kと接続部品43kの最外部との間の継手44kは、1つしか自由度がない、つまり接続部品43kの縦方向にほぼ垂直な軸を中心に回転し、したがってリンク9kは水平面で旋回することができる。
【0068】
リンク9kおよび接続部品43kに関する限り、図13〜図14および図28〜図29を参照しながら検討したのと同じ考慮事項が、ここでも有効であることが指摘される。
【0069】
第3駆動構成33kは、第2リンク10k、11kを接続構成4kに対して旋回させるようになっている。第3駆動構成33kは、要素1kに固定接続される静止部分と、リンク・アーム構成69を介してリンク構成6kのリンクの一方、つまり10kとされるリンクを起動するようになっている可動部分とを備える。このリンク10kは、接続構成4kに対して旋回可能な状態で支持される。この例では、軸として設計された部品43kを中心に旋回可能な状態でジャーナル接続されたリンク10kによって、旋回可能な軸受けが実現されたことが図示されている。接続構成4kも、接続部品43kを中心に自由に旋回可能な状態で支持される。
【0070】
構成33kは、要素1kに固定された静止部分と、アームという特徴を有して、リンク・アーム構成69に含まれる少なくとも1本のリンク、リンク10kを介して旋回起動するようになっている可動部分70とを伴う力行使部材を備え、旋回起動がリンク構成6kの形状を変化させて、要素2kを変位させる。
【0071】
4リンク・システム6kのリンクは、リンク9kおよび接続軸43kと同様の平行四辺形を形成する。リンク・アーム69がリンク9kの一方とともに平行四辺形を形成するのは適切ではあるが、必要ではなく、リンク9kの一方と第3リンク14kにも同様のことが当てはまる。
【0072】
第1要素1kは、2つの部品で形成され、これは互いに対して蝶番で接続される。特に第4駆動構成34kは、第1部品1kAに対して第2部品1kBを旋回させるようになっている。第2部品1kBは、第3リンク14kを介して接続構成4kに接続される。構成44kは、部品1kAに固定接続された静止部分と、静止部分に対して1つの自由度を有する可動部分とを有する力構成部材を備える。部品1kBは、力部材34kによって規定された軸を中心に旋回可能なリンクの特徴を有する。駆動構成34kでリンク1kBを旋回させることにより、接続構成4kは第3リンク14kを介して接続部品43kを中心に旋回することができ、これによって要素2kが空中で傾斜する。しかし、リンク14kがリンク9kとともに平行四辺形を形成するよう、リンク1kBを駆動構成34kによって静止状態に保持すると、リンク70の旋回で平行四辺形6kの形状が変化しながら、要素2kは一定方向に維持される。
【0073】
リンク1kBの旋回軸は、接続軸43kと同心円にすることができ、つまりリンク1kB が基本位置を離れて旋回する場合も、リンク14kがリンク9kの一方とともに平行四辺形を形成し、したがって駆動構成18kおよび19kによってリンク9kおよび14kが3次元で旋回しても、要素2kの空中での方向が維持されることが指摘される。
【0074】
その他については、非理想平行四辺形伝達のソフトウェア補正の助けで、10kおよび4kの旋回軸は互いから分離することができ、部品43kの回転軸からも分離し、これと平行にならないこともできることが指摘される。
【0075】
図24および図25による実施例では、駆動構成33kを操作しても接続部品43kがいっさい起動しないよう、接続部品43kが力行使部材33kおよびリンク70を自由に通過できなければならないことが指摘される。
【0076】
最後に、図26および図27は、接続構成4mと第2要素2mとの間に延在するリンク9mおよび14mの形態の第1リンク構成5mを示す。ここでは、リンク9mと14mの接合部は直角の関係ではなく、上から見ると鋭角三角形のようであることが分かる。第2リンク構成6は、図26および図27には図示されていないが、言うまでもなく、ここにも含まれるものとする。駆動構成18mは、既に述べた構成と同じである。したがって、それ以上のコメントはない。違いは、第4の4リンク・システムFS4のリンク21mに固定接続された可動部分を有する第1駆動構成17mの力部材19mにあり、最外部リンク71は第1部材1mから離れた方向に面してリンク・アーム構成23mへの接続部を形成し、これは平行四辺形として設計された2本のリンク・アーム26mで構成された図1〜図4の実施例と同様である。さらなる駆動構成72は、リンク73を旋回するよう配置された力行使部材72を備え、これは、図27に示したような方法で4リンク・システムFS4、関連のリンク・アーム構成23m、およびそれによってリンク構成5mも斜行させるために、第1要素1mに対して第4リンク・システムFS4の最外部リンク71の反対側にある。
【0077】
図26および図27の助けで述べたゆがめる技術は、問題の作業部材を作業に合わせて調節するために、より小さい回転動作が必要とされる場合にも適用される。図26および図27のFS4はXY面で作動することが指摘される。FS4は、例えばFS4がリンク・アーム26mのある面にほぼ平行になるよう、代わりに傾斜することができる。
【0078】
記載された全実施例に共通するのは、第2要素2またはそれに結合された部材が直接的または間接的に所望の通路を移動するため、適切な制御ユニット、特にコンピュータの形態の制御ユニットが、種々のロボット実施例の力行使部材を制御するようになっていることである。
【0079】
本発明は上記で検討した実施例に限定されないことは明白である。したがって、実施例の詳細な適用は、請求項1に記載の本発明の概念から逸脱することなく、環境に応じて実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明によるロボットの線図形式の側面図である。
【図2】ロボットの線図の斜視図である。
【図3】ロボットの図1と同様の図である。
【図4】図3と異なる位置にあるロボットの図1と同様の図である。
【図5】上から見たロボットの図である。
【図6】図5に対応してロボットが占有するスペースを示す平面図である。
【図7】図1ないし図6に示したロボットの鏡像変形が生成された場合に、互いに対して近くで作業する4つの異なるロボットの配置を示す平面図である。
【図8】先行する実施例の変形を示す斜視線図である。
【図9】ある位置にある変形を示す斜視線図である。
【図10】図9と多少異なる位置にある変形を示す斜視線図である。
【図11】異なる位置にある図9および図10によるロボットの側面図である。
【図12】第1要素上の駆動部材から第2要素上の被動部材へ力を伝達する伝達構成の実施例を示す斜視図である。
【図13】さらなるロボットの代替実施例を示す斜視線図である。
【図14】さらなるロボットの代替実施例を示す斜視線図である。
【図15】図12に示した伝達の代替実施例の側面図である。
【図16】第2要素に対して移動可能な担持構成上に配置した作業部材を示す斜視図である。
【図17】第1および第2の4リンク・システムに可能な配位を示す側面図である。
【図18】異なる用途のケースの異なるロボットの変形を示す側面図である。
【図19】異なる用途のケースの異なるロボットの変形を示す側面図である。
【図20】異なる用途のケースの異なるロボットの変形を示す側面図である。
【図21】異なる用途のケースの異なるロボットの変形を示す側面図である。
【図22】異なる用途のケースの異なるロボットの変形を示す側面図である。
【図23】異なる用途のケースの異なるロボットの変形を示す側面図である。
【図24】さらなるロボットの代替実施例を示す斜視線図である。
【図25】さらなるロボットの代替実施例を示す斜視線図である。
【図26】ある位置にあるさらなるロボットの代替実施例の部分を示す斜視図である。
【図27】図26と異なる位置にあるさらなるロボットの代替実施例の部分を示す斜視図である。
【図28】図13および図14による実施例で可能な設計を示す詳細斜視図である。
【図29】第1リンク構成に対する代替設計を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0081】
1 第1要素
1A、1B 部品
2 第2要素
3 作業部材
4 接続構成
5 リンク構成
6 移動構成
6b リンク構成
7、8 継手
9 第1リンク
9c リンク・アーム
10、11 第2リンク
12、13 継手
14 第3リンク
15、16 継手
17 第1駆動構成
17c リンク・アーム構成
18 第2駆動構成
19、20 動力行使部材
21、22 可動部分
23、24 リンク・アーム構成
26 リンク・アーム
27 継手
28 第3リンク・アーム
29、30 継手
31 リンク・アーム、作業部材
32 継手
33 第3駆動構成
34 第4駆動構成
36 モータ
37 アーム
38 継手
39 リンク・アーム
40 継手
41 リンク・アーム
42A 被動部材
42B 部材
43、44 継手
43 接続部品
45 リンク・アーム
46 駆動モータ
49 短軸
50 アングル歯車
51 担持構成
52 旋回軸
53 第5駆動構成
54 力行使部材
55 可動部分
56 リンク・アーム構成
57 カバー・シート
58 容器
59 コンベヤ
60 駆動構成
61 軸
63 容器、蓋
64 リンク・アーム・システム
65 蓋
66 容器
67 駆動構成
68 構成要素
69 リンク・アーム構成
70 可動部分
71 最外部リンク
72 駆動構成、力行使部材
73 リンク
74 回転軸
75 継手
77、78 軸
79 回転接続部
FS1 第1の4リンク・システム
FS2 第2の4リンク・システム
FS3 第3の4リンク・システム
P1、P2、P3、P4 面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の要素(1)および第2の要素(2)を相対的に移動させる装置にして、
前記第1要素(1)に相対的に移動可能であるように移動構成(6)を介して前記第1要素(1)に接続された接続構成(4)であって、前記第2要素(2)に相対的に移動可能であるように第1リンク構成(5)を介して前記第2要素(2)にも接続された接続構成(4)を有し、
前記第1リンク構成(5)は、前記接続構成(4)および前記第2要素(2)にそれぞれ設けられた2つの第1の継手(7,7)および2つの第2の継手(8,8)を介して前記接続構成(4)と前記第2要素(2)との間を接続する2つの第1リンク(9,9)を含み、前記2つの第1の継手(7,7)および前記2つの第2の継手(8,8)は、少なくとも2自由度で回転可能であり、前記2つの第1リンク(9,9)は、前記接続構成(4)および前記第2要素(2)と共に第1の4リンクシステム(FS1)を構成している、第1の要素(1)および第2の要素(2)を相対的に移動させる装置において、
前記接続構成(4)は、第1平面(P1)に沿って延びる第1部分と、前記第1平面(P1)に対して所定の角度(α)をなす第2平面(P2)に沿って延びる第2部分とからなり、該第2部分が前記移動構成(6)に接続されており、前記第1部分は前記第1平面(P1)内に前記第1継手(7,7)を備え、それにより前記第1の4リンクシステム(FS1)が、前記接続構成(4)の前記第1部分、前記2つの第1リンク(9,9)、および前記第2要素(2)によって構成されており、
前記第2要素(2)および前記接続構成(4)は、前記第2要素(2)に設けられた第3の継手(16)と、前記接続構成(4)の前記第1部分に設けられた前記第1平面(P1)内の第4の継手(15)とを介して、第3リンクによっても互いに接続されており、前記第3の継手(16)および前記第4の継手(15)は、少なくとも2自由度で回転可能であり、前記第3リンク(14)は前記第1リンク(9,9)と実質的に同じ長さを有し、前記第3リンク(14)と、前記第1リンク(9,9)の1つと、前記接続構成(4)の前記第1部分と、前記第2要素(2)とが、第3の4リンクシステム(FS3)を構成し、前記2つの第1リンク(9,9)および前記第3リンク(14)のための前記第1から第4の継手(7,7,8,8,15,16)は、前記接続構成(4)の前記第1部分および前記第2要素(2)のそれぞれに3角形状をなすように配置され、
前記第2要素(2)は、該第2要素(2)に設けられた少なくとも2自由度で回転可能な2つの第5の継手(27,27)に接続された第1の駆動構成(17)、および前記第5の継手(27,27)の1つに接続された第2の駆動構成(18)により、2つの異なる方向に変位されて3次元的に移動されるようになっていることを特徴とする、第1の要素(1)および第2の要素(2)を相対的に移動させる装置。
【請求項2】
前記移動構成(6)は、前記接続構成(4)の前記第2部分と、1自由度で回転可能であり且つ前記第2平面(P2)上に位置する2つの第6の継手(13,13)を介して前記接続構成(4)の前記第2部分に枢動可能に接続された2つの平行第2リンク(10,11)と、1自由度で回転可能である2つの第7の継手(12,12)を介して前記2つの平行第2リンク(10,11)の間に枢動可能に接続された追加のリンク(18)とにより構成された第2の4リンクシステム(FS2)からなることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1の駆動構成(17)は、前記2つの第5の継手(27,27)を介して前記第2要素(2)に枢動可能に接続された2つの第4の平行リンクアーム(26,26)と、少なくとも2自由度で回転可能である2つの第8の継手(29,29)を介して前記第4の平行リンクアーム(26,26)間に枢動可能に接続された別のリンクアーム(28)と、1自由度で回転可能である第9の継手(30)を介して前記別のリンクアーム(28)に枢動可能に接続された駆動リンク(21)と、前記第1要素(1)に設けられて前記駆動リンク(21)をその長手方向に駆動するための手段とを有することを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記第1と第2平面(P1,P2)の間の前記角度(α)が、実質的に90度であることを特徴とする請求項1に記載の装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate


【公開番号】特開2008−200846(P2008−200846A)
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−124489(P2008−124489)
【出願日】平成20年5月12日(2008.5.12)
【分割の表示】特願平9−532524の分割
【原出願日】平成9年3月14日(1997.3.14)
【出願人】(508141586)エービービー エービー (2)
【Fターム(参考)】