説明

LEDランプ

【課題】LEDからの熱を適切に放散することが可能なLEDランプを提供すること。
【解決手段】複数のLED31と、複数のLED31からの熱が伝達される放熱部材2と、を備えるLEDランプAであって、複数のLED31は、それぞれが互いに間隔をおいて配置された複数のLEDグループ31Aを構成しており、放熱部材2は、LED31の主出射方向視において各LEDグループ31Aと重なり、かつ主出射方向後方Zbに突出する複数の突起21を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光ダイオード(以下、LED)を光源とし、特に蛍光灯の代替として用いることができるLEDランプに関する。
【背景技術】
【0002】
図3は、従来のLEDランプの一例を断面図で示している(たとえば特許文献1参照)。同図に示されたLEDランプXは、長矩形状の基板91と、基板91上に搭載された複数のLED92と、基板91を収容する管93と、端子94と、を備えている。基板91には、複数のLED92および端子94に接続される図示しない配線パターンが形成されている。このLEDランプXは、端子94を一般用蛍光灯照明器具のソケットの差込口に嵌合させることにより、複数のLED92を発光させることができるように構成されている。
【0003】
しかしながら、LEDランプXでは、複数のLED92の発光時に生じる熱を十分に外部へ排出することが困難であった。このため、基板91およびLED92の温度が不当に上昇し、基板91の表面の配線パターンおよびLED92が破損するおそれがあった。
【0004】
【特許文献1】実開平6−54103号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、LEDからの熱を適切に放散することが可能なLEDランプを提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によって提供されるLEDランプは、複数の発光ダイオードと、上記複数の発光ダイオードからの熱が伝達される放熱部材と、を備えるLEDランプであって、上記複数の発光ダイオードは、それぞれが1以上の上記発光ダイオードを含み、かつ互いに間隔をおいて配置された複数の発光ダイオードグループを構成しており、上記放熱部材は、上記複数の発光ダイオードの主出射方向視において上記各発光ダイオードグループと重なり、かつ上記主出射方向後方に突出する複数の突起を有することを特徴としている。
【0007】
このような構成によれば、上記放熱部材は、上記複数の突起を備えることにより、たとえば略直方体形状のものと比べて表面積が広い。これにより、上記複数の発光ダイオードからの熱を放散するのに適している。また、上記各突起を上記発光ダイオードグループと重なる位置に配置することにより、上記発光ダイオードグループに含まれる各発光ダイオードからの熱を効率よく上記突起へと伝達させることができる。
【0008】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記各発光ダイオードグループは、2以上の上記発光ダイオードを含んでいる。
【0009】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記複数の発光ダイオードを覆うとともに、上記複数の発光ダイオードからの光を拡散させ、かつ透過させる拡散透過カバーをさらに備える。このような構成によれば、上記複数の発光ダイオードから発せられた光は、上記拡散透過カバーによってあらゆる方向に拡散され、かつ透過する。これにより、上記LEDランプの輝度分布をより均一なものとすることができる。
【0010】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の好ましい実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
【0012】
図1および図2は、本発明に係るLEDランプの一例を示している。本実施形態のLEDランプAは、基板1、放熱部材2、複数のLEDモジュール3、および拡散透過カバー6を備えており、蛍光灯の代替部品として一般用蛍光灯照明器具に取り付け可能に構成されている。なお、一般用蛍光灯照明器具とは、主に屋内の一般照明に広く用いられる照明器具であり、たとえば日本国内においては、商用100V電源を用い、JIS C7617に定められた直管形蛍光ランプまたはJIS C7618に定められた環形蛍光ランプが取り付けられる照明器具をいう。
【0013】
基板1は、たとえばガラスエポキシ製であり、長矩形状に形成されている。基板1は、表面側に形成され互いに離間する金属配線層11,12、裏面側に形成された金属層13、スルーホール14、スルーホール14の内面を覆う金属層15、および、金属配線層11,12を覆う保護層16を備えている。金属層15は金属配線層11と金属層13とを導通させるように形成されている。金属配線層11,12および金属層13,15は、たとえばCuによって形成されている。
【0014】
LEDモジュール3は、基板1を介して放熱部材2に支持されており、LED31、互いに離間する金属製のリード32,33、ワイヤ34、および、樹脂パッケージ35を備えている。LEDモジュール3は、基板1の長手方向に沿って並ぶように複数個配置されている。LEDモジュール3は、LED31の主出射方向前方Zfが基板1と直交する方向を向くように設置されている。
【0015】
LED31は、たとえばn型半導体層およびp型半導体層と、これらに挟まれた活性層とが積層された構造とされている。LED31は、たとえばAlGaInP系半導体からなる場合、青色光を発光可能である。LED31は、リード32に搭載されている。さらに、LED31の上面は、ワイヤ34を介してリード33に接続されている。リード32は金属配線層11に接続されており、リード33は金属配線層12に接続されている。
【0016】
樹脂パッケージ35は、LED31およびワイヤ34を保護するためのものである。樹脂パッケージ35は、LED31からの光に対して透光性を有するたとえばエポキシ樹脂を用いて形成されている。また、樹脂パッケージ35に、青色光によって励起されることにより黄色光を発する蛍光材料を混入すれば、LEDモジュール3から白色光を出射させることが可能となる。
【0017】
本実施形態においては、複数のLEDモジュール3が複数のグループに分けられており、これらのグループが等ピッチで基板1の長手方向に直列配置されている。上記各グループは、たとえば3つのLEDモジュール3を含んでいる。そして、上記各グループに含まれた3つのLED31がLEDグループ31Aを構成している。すなわち、LEDランプAに備えられた複数のLED31は、互いに等ピッチで基板1の長手方向に直列配置された複数のLEDグループ31Aを構成している。なお、複数のLEDモジュール3の配置は、直列配置に限定されず、複数列配置、千鳥状配置など、LEDランプAから出射される光の輝度分布が均一となる配置であればよい。
【0018】
放熱部材2は、たとえばAlによって基板1の長手方向に沿って長く延びる細長状に形成されている。放熱部材2には、複数の突起21が形成されている。各突起21は、LED31の主出射方向後方Zbに突出している。また、各突起21は、LED31の出射方向視においていずれかのLEDグループ31Aと重なっている。
【0019】
拡散透過カバー6は、複数のLEDモジュール3を覆っており、断面半円筒状である。拡散透過カバー6は、たとえば乳白色に着色された半透明の樹脂からなり、LEDモジュール3からの光をあらゆる方向に拡散させつつ透過させる。
【0020】
図1に示すように基板1および拡散透過カバー6の両端には、樹脂製あるいは金属製のキャップ4が取り付けられている。キャップ4からは、基板1から延びる端子5が突出している。キャップ4および端子5は、一般用蛍光灯照明器具に取り付け可能な形状およびサイズとされている。
【0021】
次に、LEDランプAの作用について説明する。
【0022】
本実施形態によれば、点灯時にLEDモジュール3から発生した熱は、放熱部材2に伝達する。放熱部材2は、複数の突起21を備えることにより、たとえば略直方体形状のものと比べて表面積が広い。これにより、LEDモジュール3からの熱を放散するのに適している。各突起21をLEDグループ31Aの直下に配置することにより、LEDグループ31Aに含まれるLEDモジュール3からの熱を効率よく突起21へと伝達させることができる。また、放熱部材2のうち複数の突起21の間に位置する部分を比較的薄肉とすることにより、放熱部材2、ひいてはLEDランプAの軽量化を図ることができる。
【0023】
複数のLEDモジュール3から発せられた光は、拡散透過カバー6によってあらゆる方向に拡散され、かつ透過する。これにより、LEDランプAの長手方向における輝度分布をより均一なものとすることができる。
【0024】
本発明に係るLEDランプは、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係るLEDランプの各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
【0025】
LEDグループ31Aに含まれるLED31の個数は、3つに限定されず、4つ以上でもよい。また、いずれかのLEDグループ31Aが含むLED31の個数が1つであってもよい。放熱部材2は、上述した実施形態のように、複数の突起21が互いに連結された形状のものに限定されず、たとえば、互いに別体とされた複数の突起21のみによって構成されていてもよい。本発明に係るLEDランプは、直管形蛍光ランプと類似のサイズおよび形状のものに限定されず、たとえば、環形蛍光ランプと類似のサイズおよび形状のものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明に係るLEDランプの一例を示す断面図である。
【図2】図1のII−II線に沿う断面図である。
【図3】従来のLEDランプの一例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0027】
A LEDランプ
1 基板
2 放熱部材
3 LEDモジュール
4 キャップ
5 端子
6 拡散透過カバー
11,12 金属配線層
13,15 金属層
14 スルーホール
16 保護層
21 突起
31 LED(発光ダイオード)
31A LED(発光ダイオード)グループ
32,33 リード
34 ワイヤ
35 樹脂パッケージ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の発光ダイオードと、
上記複数の発光ダイオードからの熱が伝達される放熱部材と、
を備えるLEDランプであって、
上記複数の発光ダイオードは、それぞれが1以上の上記発光ダイオードを含み、かつ互いに間隔をおいて配置された複数の発光ダイオードグループを構成しており、
上記放熱部材は、上記複数の発光ダイオードの主出射方向視において上記各発光ダイオードグループと重なり、かつ上記主出射方向後方に突出する複数の突起を有することを特徴とする、LEDランプ。
【請求項2】
上記各発光ダイオードグループは、2以上の上記発光ダイオードを含んでいる、請求項1に記載のLEDランプ。
【請求項3】
上記複数の発光ダイオードを覆うとともに、上記複数の発光ダイオードからの光を拡散させ、かつ透過させる拡散透過カバーをさらに備える、請求項1または2に記載のLEDランプ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2009−272363(P2009−272363A)
【公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−119529(P2008−119529)
【出願日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【出願人】(000116024)ローム株式会社 (3,539)
【Fターム(参考)】