説明

LED点灯回路、表示装置、及び駆動装置。

【課題】従来よりも、プログラムサイズを縮小化でき、回路構成も簡略化され、低コスト化及び小型化を実現可能なLED点灯回路、及びこれを用いた表示装置、さらにはこれを有した駆動装置を提供する。
【解決手段】1つのLED91もしくは1以上のLED91が直列接続するLED通電ライン90を並列に2以上有するとともに、それら各LED通電ライン90において、属するLED91が消灯状態から点灯状態に切り替わるライン点灯電圧VFが互いに異なるよう構成された並列負荷回路9と、並列負荷回路9に印加される直流電源電圧Vbを、マイコン100から出力されるPWM信号に基づいて、そのデューティ比を有した波形の電圧に変換する電圧波形変換回路7と、変換された直流電源電圧Vbを平滑化する平滑化回路8と、を備える。平滑化された電圧Vは並列負荷回路9に印加され、印加された電圧Vが上昇するほど、属するLED91が点灯するLED通電ライン90の数が増加する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LED点灯回路、及びこれを用いた表示装置、さらにはこれを有した駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、DCモータ(直流モータ)等の駆動部を駆動制御する駆動装置において、例えばその駆動と共にその駆動レベルを複数のLEDで表示する場合、駆動部の駆動制御と、各LEDの点灯制御(LED点灯回路)とがそれぞれ別々に必要であった(例えば特許文献1)。例えば車両用空調装置におけるブロワは、その回転駆動と共にその回転駆動レベルをLEDの点灯数によって示す点灯制御を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−324690号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、LEDを個別に点灯するための駆動回路(LED点灯回路)と、駆動部を駆動制御するための駆動回路との双方を必要とすることは、それらを2つの駆動制御を実施する制御部において制御プログラムのサイズを現状よりも縮小したり、それら駆動回路の回路構成を現状よりも簡略化することが難しく、結果として、駆動装置全体のコストの削減や小型化を阻害する要因となっていた。
【0005】
本発明の課題は、従来よりも、プログラムサイズを縮小化でき、回路構成も簡略化され、低コスト化及び小型化を実現可能なLED点灯回路、及びこれを用いた表示装置、さらにはこれを有した駆動装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のLED点灯回路は、
1つのLEDもしくは1以上のLEDが直列接続するLED通電ラインを並列に2以上有するとともに、それら各LED通電ラインにおいて、属するLEDが消灯状態から点灯状態に切り替わるライン点灯電圧が互いに異なるよう構成された並列負荷回路と、
制御手段から出力されるPWM信号に基づいて、直流電源電圧を、当該PWM信号のデューティ比を有した波形の電圧に変換する電圧波形変換手段と、
変換された直流電源電圧を平滑化する平滑化手段と、
を備え、平滑化された直流電源電圧が並列負荷回路に印加されるよう構成され、印加される当該直流電源電圧が上昇するほど、属するLEDが点灯するLED通電ラインの数が増加することを特徴とする。
【0007】
上記本発明の構成によれば、並列接続された各LED通電ラインに印加される直流電源電圧を、制御部が駆動部への駆動制御信号として使用するPWM信号を利用して増減して、その増減に応じて、LED通電ラインの数、ひいては点灯するLEDの数が変更されるから、これにより、駆動部の駆動レベル等を表示することができる。特に、PWM信号が駆動部の駆動信号であったならば、このPWM信号は、駆動部の駆動制御と、点灯回路への点灯制御との双方の役割を果たす制御信号となるため、結果として回路構成も簡略化することができ、小型化、低コスト化、さらにはプログラムサイズの縮小も実現可能となる。
【0008】
本発明においては、LEDとして、消灯状態から点灯状態に切り替わる各LED個別の点灯電圧(個別点灯電圧)Vfが互いに異なるものが用いられていることにより、各LED通電ラインのLED点灯電圧に差が設けられるように構成できる。この構成によれば、Vfの異なるLEDを用いるだけで、PWM信号のデューティ比の増大(つまりは当該PWM信号により駆動制御される駆動部の駆動レベルの増大)に伴い、点灯するLEDの個数も増えるようになる。
【0009】
本発明において、個別点灯電圧Vfの異なるLEDが、各LED通電ラインに同数配置されていれば、PWM信号のデューティ比の増大(つまりは当該PWM信号により駆動制御される駆動部の駆動レベルの増大)に伴い、点灯するLEDの個数も回路構成を容易に形成できる。
【0010】
本発明において、各LED通電ラインは、属するLEDが印加される電圧の上昇に伴い輝度を増すよう構成することができる。例えば、本発明において、並列負荷回路は、平滑化手段により平滑化された直流電源電圧の上昇に伴い、まずは第一のLED通電ラインのLEDが点灯状態となり、当該直流電源電圧の上昇に伴いその輝度が増していくとともに、当該直流電源電圧のさらなる上昇に伴い、次いで第二のLED通電ラインのLEDが点灯状態となり、当該直流電源電圧の上昇に伴いその輝度が増していくように構成することができる。この構成によれば、点灯したLEDの個数とその輝度とによって、PWM信号のデューティ比の増大(つまりは当該PWM信号により駆動制御される駆動部の駆動レベルの増大)をより容易に認識することが可能となる。
【0011】
本発明の表示装置は、上記本発明のLED点灯回路を備える表示装置とすることができる。これにより、上述したLED点灯回路の効果を有した表示装置を実現できる。
【0012】
本発明の駆動装置は、上記表示装置と、上記制御手段と、該制御手段から出力されるPWM信号に基づいて駆動制御される駆動手段と、を備える表示機能付き駆動装置とすることができる。これにより、上述したLED点灯回路の効果を有した表示装置を実現できる。
【0013】
本発明の駆動装置において、上記駆動手段は、車両用空調装置におけるブロワの駆動源であるブロワモータであり、上記制御手段は、PWM信号を出力し、そのデューティ比が増大するに従いブロワモータの回転速度が増すよう駆動制御するブロワ制御手段とすることができる。これにより、ブロワモータの回転速度が大きいほど、つまりは車載空調装置の風量が多いほど、並列負荷回路が有するLEDの点灯数が増大するような構成をより簡単に実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の表示装置を有した駆動装置の第一実施形態の構成を簡略的に示すブロック図。
【図2】図1のA,B,C,Dにおける電圧波形の一例と、各LEDの点灯状態を示すグラフ。
【図3】図2とは異なる点灯状態を示すグラフ。
【図4】本発明の表示装置を有した駆動装置の第二実施形態の構成を簡略的に示すブロック図。
【図5】図2及び図3とは異なる点灯状態を示すグラフ。
【図6】図2、図3、及び図5とは異なる点灯状態を示すグラフ。
【図7】本発明の表示装置を有した駆動装置が採用された車載機器の一実施形態を簡略的に示した図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の表示装置を有した駆動装置の一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0016】
図1は、本実施形態の表示装置を有した駆動装置の構成を簡略的に示すブロック図である。図1に示すように、本実施形態の駆動装置1は、マイコン(制御手段)100により駆動制御される駆動部5と共に、当該駆動制御に用いられるPWM(pulse width modulation)信号の入力に基づいて点灯制御がなされる表示装置2を備えて構成される。
【0017】
本実施形態の駆動部5は、マイコン100から出力されるPWM信号に基づいて駆動制御(PWM制御)される駆動手段としてDCモータ(直流モータ)5Mを備える。DCモータ5Mは、周知の駆動回路50から入力される直流電源電圧Vbにより駆動するものであり、該駆動回路50は、マイコン100から入力されるPWM信号のデューティ比に基づいて、上記直流電源電圧を、DCモータ5Mモータの端子に印加したり、開放したりとスイッチングする。つまり、PWM信号がハイレベルのとき(オンタイム)にはDCモータ5Mに上記直流電源電圧が印加され、PWM信号がローレベルのとき(オフタイム)にはDCモータ5Mに上記直流電源電圧が印加されない。このため、PWM信号のデューティ比が減少する(オフタイムが長い)ほどDCモータ5Mはより低速で回転駆動し、PWM信号のデューティ比が増大する(オンタイムが長い)ほどDCモータ5Mはより高速で回転駆動する。
【0018】
表示装置2は、LED点灯回路20を備えて構成される。LED点灯回路20は、1つのLED91もしくは1以上のLED91が直列接続するLED通電ライン90を並列に2以上有するとともに、それら各LED通電ライン90において、属するLED91が消灯状態から点灯状態に切り替わるライン点灯電圧VFが互いに異なるよう構成された並列負荷回路9と、直流電源電圧Vbを、マイコン100から出力されるPWM信号に基づいて、当該PWM信号のデューティ比を有したパルス波形に変換する駆動電圧変換回路(電圧波形変換手段)7と、変換された直流電源電圧Vbを平滑化する平滑化回路(平滑化手段)8と、を備え、平滑化回路8において平滑化された直流電源電圧Vbが、各LED通電ライン90のLEDを点灯するための駆動電圧Vとして、並列負荷回路9に印加される。このように構成されることにより、並列負荷回路9に印加される当該直流電源電圧(駆動電圧)Vが上昇するほど、属するLED91が点灯するLED通電ライン90の数が増加する。
【0019】
本実施形態の並列負荷回路9は、図1に示すように、1つのLED91と抵抗92とを直列接続したLED通電ライン90を並列に3つ有した回路である。ここでのライン点灯電圧VFは、各LED通電ライン90に属するLED91が1つであるから、それらLED91が消灯状態から点灯状態に切り替わる点灯電圧Vf(順方向電圧:以下、個別点灯電圧という)と一致する。ただし、本実施形態における各LED通電ライン90のLED91(L1,L2,L3)は、それぞれの個別点灯電圧Vf(Vf1,Vf2,Vf3:ここではVf1<Vf2<Vf3)が異なっている。これにより、並列負荷回路9に印加される電圧(駆動電圧)Vが上昇するほど、属するLED91が点灯するLED通電ライン90の数が増加していく。つまり、図2の(L1),(L2),及び(L3)に示すように、各LED通電ライン90のLED91(L1〜L3)の点灯タイミングが異なる。
【0020】
なお、本実施形態における各LED通電ライン90は、印加された電圧Vが、自身に属するLED91の個別点灯電圧Vfを超えた場合に当該LED91が一定輝度で発光するよう構成されている。ここでは、各LED通電ライン90のLED91として、自身の個別点灯電圧(順方向電圧)Vfを超える電圧が印加された場合に一定輝度で発光する既存の製品が採用されている。
【0021】
駆動電圧変換回路7は、マイコン100から出力される、駆動手段であるDCモータ5Mの駆動用のPWM信号がベースに入力され、これに基づいてスイッチングを行う第一のトランジスタスイッチ(スイッチング素子:ここではNPN型トランジスタ)71と、該トランジスタスイッチ71のコレクタ側にて直列接続された分圧抵抗72,73と、それら分圧抵抗72,73により分圧された電圧がベースに入力され、これに基づいてスイッチングを行う第二のトランジスタスイッチ(スイッチング素子:ここではPNP型トランジスタ)74と、を備える。第一のトランジスタスイッチ71のエミッタ側は接地している。分圧抵抗73の上流側(抵抗72とは逆側)は、第二のトランジスタスイッチ74のコレクタ側と接続するとともに直流電源と接続しており、第二のトランジスタスイッチ74のベースには、直流電源電圧Vbが分圧抵抗72,73により分圧された電圧が入力される。さらに、分圧抵抗73の上流側(直流電源側)では、直列接続する複数段のコンデンサ75を介して接地される分岐ラインを有する。他方、第二のトランジスタスイッチ74のエミッタ側は、平滑化回路8と接続している。
【0022】
平滑化回路8は、第二のトランジスタスイッチ35のスイッチングによりデジタル波形化(パルス波形化)された直流電源電圧Vbに対しD/A変換を行ってアナログ波形化(平滑化)する回路であり、ここでは周知のCRローパスフィルタ(入力に並列するコンデンサと入力と直列する抵抗器とからなる)等を用いることができる。
【0023】
このように構成されたLED点灯回路20は、図1の各点A,B,C,Dにおいて、例えば図2のような電圧波形が出力される。即ち、PWM信号入力地点Aに、図2の(A)に示すように、マイコン100から出力されるPWM信号によってパルス状の電圧変化(ここではH:5Vor3.5V,L:GND)が生じたとすると、これが第一のスイッチング素子71のベースに入力されて、その結果、分圧地点Bでは、図2の(B)に示すように、地点Aとは波形が反転したパルス状の電圧変化(ここではH’:12.8Vより大きい電圧値,L’:12.8Vより小さい電圧値)が生じる。そして、この分圧地点Bのパルス状の電圧変化が第二のスイッチング素子74のベースに入力されることにより、平滑化回路入力地点Cでは、図2の(C)に示すように、地点Aとデューティ比がほぼ一致するパルス状の電圧変化(ここではVb:約13.5V)が生じており、ここでは直流電源電圧Vbがパルス状の波形に変換されて平滑化回路8に入力される。そして、平滑化回路8では、このパルス状に変換された直流電源電圧Vb(図2の(C))が平滑化される。即ち、平滑化回路8では、入力されるパルス状に変換された直流電源電圧Vb(図2の(C))のデューティ比が大となるほど、それが平滑化されて出力される直流電流Vが大となり、デューティ比が小となるほど、それが平滑化されて出力される直流電流Vが小となる。従って、平滑化回路出力地点Dでは、図2の(D)に示すような電圧変化が生じ、並列負荷回路9には、図2の(D)に示すような直流電圧Vが印加される。このようにして、並列負荷回路9には、地点Aに入力されるPWM信号のデューティ比が増大するほど大となる直流電圧Vが印加される。
【0024】
そして、並列負荷回路9は、図2の(L1),(L2),(L3)に示すような形で、各LEDライン90のLED91が点灯していく。即ち、平滑化回路8により平滑化された電圧(駆動電圧)Vの上昇に伴い、まずは第一のLED通電ライン90のLED91(L1)が点灯状態となる。また、当該電圧Vのさらなる上昇に伴い、次いで第二のLED通電ライン90のLED91(L2)が点灯状態となる。また、当該電圧Vのさらなる上昇に伴い、次いで第三のLED通電ライン90のLED91(L3)が点灯状態となる。
【0025】
このように、マイコン100が、駆動手段であるDCモータ5Mの駆動用に出力するPWM信号のデューティ比が増大するほど、並列負荷回路9に印加される電圧(駆動電圧)Vは上昇し、属するLED91が点灯するLED通電ライン90の数が増加する。つまり、DCモータ5Mの駆動レベル(回転速度)が大となるほど点灯するLED91の数が増えるから、ユーザーは、LED91の点灯数を認識することにより、現時点におけるDCモータ5Mの駆動レベル(回転速度)、つまりは当該モータ5Mによって実行されている制御の程度を把握することが可能となる。
【0026】
なお、ここでの各LED通電ライン90は、属するLED91が、印加される電圧Vの上昇に伴い輝度を増すよう構成される。例えば、各LED通電ライン90のLED91として、自身の個別点灯電圧(順方向電圧)Vfを超える電圧が印加された場合に、当該電圧Vが増大するほど輝度が増すように発光する。
【0027】
具体的にいえば、並列負荷回路9は、平滑化回路8により平滑化された電圧(駆動電圧)Vの上昇に伴い、まずは第一のLED通電ライン90のLED91(L1)が点灯状態となり、LED91(L1)は、当該電圧Vの上昇に伴いその輝度が増していく。また、当該電圧Vのさらなる上昇に伴い、次いで第二のLED通電ライン90のLED91(L2)も点灯状態となり、LED91(L2)は、当該電圧Vの上昇に伴いその輝度が増していく。また、当該電圧Vのさらなる上昇に伴い、次いで第三のLED通電ライン90のLED91(L3)も点灯状態となり、LED91(L2)は、当該電圧Vの上昇に伴いその輝度が増していく。これにより、例えば図3に示すような形で、並列負荷回路9に含まれるLED91を点灯することができる。
【0028】
なお、本実施形態における駆動手段5Mは、PWM信号に基づいて駆動制御される車載機器の駆動手段とすることができる。
【0029】
例えば本実施形態における駆動手段であるDCモータ5Mは、車両用空調装置におけるブロワの駆動源であるブロワモータとすることができる。
【0030】
車両用空調装置1U(1)では、図7に示すように、車内空気を循環させるための内気吸込口42と、車外の空気を取込む外気吸込口41とが形成されており、内外気切替ダンパー24によりいずれかに切り替えて使用される。これら内気吸込口42ないし外気吸込口41から吸い込まれた空気は、ブロワ21によって下流のダクト28内に送り込まれ、最終的には吹出口(図示なし)から空調気流として吹出される。
【0031】
本実施形態のDCモータ5Mをブロワモータとして利用する場合、マイコン100は、ブロワ駆動用のPWM信号を出力して、そのデューティ比が増大するに従いブロワモータ5Mの回転速度が増すよう駆動制御するブロワ制御手段であり、車両用空調装置の制御を司るECU(以下、エアコンECUという)とすることができる。このエアコンECU100が出力するブロワ駆動用のPWM信号は、ブロワモータ5Mの駆動回路50だけでなく、本実施形態においては上述のLED点灯回路20にも入力される。これにより、ブロワ21の回転速度が増すほど吹出口から吹出される吹出し風量が増すから、吹出口から吹出される吹出し風量が増すほどLED91の点灯数が増える。さらに本実施形態の場合は、吹出し風量が増すほど点灯しているLED91の輝度が増す。つまりは、全LED通電ライン90のLED(並列負荷回路9が有する全LED)91からなる表示部200が、LED91の点灯数によって吹出し風量の大小を示す吹出し風量表示部として機能するようになる。
【0032】
以上、本発明の一実施形態を説明したが、これはあくまでも例示にすぎず、本発明はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づく種々の変更が可能である。以下、上記実施形態とは異なる実施形態について説明する。
【0033】
上記実施形態においては、各LED通電ライン90に個別点灯電圧Vfの異なるLED91を同数ずつ配置する(上記実施形態では1個であるが複数でもよい)ことによって、各LED通電ライン90のライン点灯電圧(属するLED91が消灯状態から点灯状態に切り替わる電圧)VFが互いに異なるよう構成しているが、全LED通電ライン90において、例えば図4のように、属するLED91の個別点灯電圧Vfを同じとし、各LED通電ライン90において、異なる数のLED91を直列接続してもよい。
【0034】
これにより、例えば図5や図6のような形で、並列負荷回路9に含まれるLED91(L1,L2,L3)を点灯することができる。ただし、図4の場合、各LED通電ライン90のライン点灯電圧VFは、LED91(L1が1個)が属するライン90ではVF1(=Vf)、LED91(L2が2個)が属するライン90ではVF2(=Vf×2)、LED91(L3が3個)が属するライン90ではVF3(=Vf×3)となっており、電圧VがこれらVF1、VF2、VF3を超えると、対応するLED通電ライン90の全LED91が点灯する。
【0035】
なお、各LED通電ライン90に個別点灯電圧Vfの異なるLED91を、異なる数だけ直列に接続することにより、各LED通電ライン90のライン点灯電圧VFを異なるようにしてもよい。
【0036】
また、並列負荷回路9に含まれるいずれかのLED通電ライン90内において、1つのLEDもしくは1以上のLEDが直列接続するLED通電ラインを並列に2以上有するとともに、それら各LED通電ラインにおいて、属するLEDが消灯状態から点灯状態に切り替わるライン点灯電圧が互いに異なるよう構成された並列負荷回路が形成されている場合、当該並列付加回路は第二の並列負荷回路であって、上記した並列負荷回路9(第一の並列付加回路)と同様、平滑化された直流電源電圧が前記並列負荷回路に印加されて、印加される当該直流電源電圧が上昇するほど、属するLEDが点灯するLED通電ラインの数が増加する。
【符号の説明】
【0037】
1 駆動装置(車両用空調装置)
2 表示装置
20 LED点灯回路
5 駆動部
50 駆動回路
5M DCモータ(駆動手段)
7 駆動電圧変換回路(電圧波形変換手段)
8 平滑化回路(平滑化手段)
9 並列負荷回路
90 LED通電ライン
91 LED(L1,L2,L3)
200 表示部
100 マイコン(制御手段)
Vb 直流電源電圧
V 並列負荷回路に印加される電圧(駆動電圧)
VF ライン点灯電圧
Vf 個別点灯電圧(順方向電圧)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つのLEDもしくは1以上のLEDが直列接続するLED通電ラインを並列に2以上有するとともに、それら各LED通電ラインにおいて、属するLEDが消灯状態から点灯状態に切り替わるライン点灯電圧が互いに異なるよう構成された並列負荷回路と、
制御手段から出力されるPWM信号に基づいて、直流電源電圧を、当該PWM信号のデューティ比を有した波形の電圧に変換する電圧波形変換手段と、
変換された直流電源電圧を平滑化する平滑化手段と、
を備え、平滑化された直流電源電圧が前記並列負荷回路に印加されるよう構成され、印加される当該直流電源電圧が上昇するほど、属するLEDが点灯するLED通電ラインの数が増加することを特徴とするLED点灯回路。
【請求項2】
前記LEDとして、消灯状態から点灯状態に切り替わる個別点灯電圧Vfが互いに異なるものが用いられていることにより、各前記LED通電ラインのLED点灯電圧に差が設けられている請求項1に記載のLED点灯回路。
【請求項3】
前記個別点灯電圧Vfの異なるLEDが、各LED通電ラインに同数配置されている請求項2に記載のLED点灯回路。
【請求項4】
各前記LED通電ラインは、属するLEDが印加される電圧の上昇に伴い輝度を増すよう構成されている請求項1ないし請求項3に記載のLED点灯回路。
【請求項5】
前記並列負荷回路は、前記平滑化手段により平滑化された直流電源電圧の上昇に伴い、まずは第一のLED通電ラインのLEDが点灯状態となり、当該直流電源電圧の上昇に伴いその輝度が増していくとともに、当該直流電源電圧のさらなる上昇に伴い、次いで第二のLED通電ラインのLEDが点灯状態となり、当該直流電源電圧の上昇に伴いその輝度が増していくように構成されている請求項4に記載のLED点灯回路。
【請求項6】
各前記LED通電ラインは、属するLEDが点灯した場合にその輝度が一定となるよう構成されている請求項1ないし請求項3に記載のLED点灯回路。
【請求項7】
請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載のLED点灯回路を備える表示装置。
【請求項8】
請求項7に記載の表示装置と、前記制御手段と、該制御手段から出力される前記PWM信号に基づいて駆動制御される駆動手段と、を備える表示機能付き駆動装置。
【請求項9】
前記駆動手段は、車両用空調装置におけるブロワの駆動源であるブロワモータであり、
前記制御手段は、前記PWM信号を出力し、そのデューティ比が増大するに従い前記ブロワモータの回転速度が増すよう駆動制御するブロワ制御手段である請求項8に記載の表示機能付き駆動装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−201167(P2012−201167A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−66109(P2011−66109)
【出願日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】