説明

RSSI回路

【課題】回路面積が増大する
【解決手段】入力信号を入力する直列接続された複数のリミッティングアンプと、前記入力信号もしくは前記複数のリミッティングアンプの増幅した信号に応じて、それぞれの第1の電流を生成する複数の整流器と、前記第1の電流の第1の総電流に応じて出力電圧信号を生成する第1の抵抗と、前記第1の電流を調整するバイアス電圧信号を出力するバイアス発生回路と、を備え、前記バイアス発生回路は、前記第1の整流器と同様の内部構成を備え、入力する信号に応じてレプリカ電流を生成するレプリカ整流器と、前記レプリカ電流に応じたレプリカ電圧を生成するレプリカ抵抗と、基準電圧と前記レプリカ電圧とを比較し、その比較結果に応じた前記バイアス電圧信号を生成する比較回路と、を有するRSSI回路

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、RSSI(受信信号強度表示)回路に関する。
【背景技術】
【0002】
非特許文献1に示されるように、一般にRSSI(受信信号強度表示)は無線受信信号の電力検出に用いられる。通常、RSSIの前段において、無線受信信号はまず低雑音増幅器により信号増幅された後に、ミキサーにより無線周波数からベースバンド周波数へ周波数変換される。また、電力検出信号帯域外の無線受信信号は、同じくRSSIの前段に設けたフィルタにより除去される。
【0003】
図33に、非特許文献1の従来のRSSI1の回路構成を示す。図33に示すように、RSSI1は、リミッティングアンプLAMP11〜LAMP13と、整流器COM11〜COM14と、抵抗R11と、バンドギャップリファレンス電流源BGR11とを有する。
【0004】
リミッティングアンプ(振幅制限増幅器)LAMP11〜LAMP13は、RSSI1の入力端子Vinと、ノードN13との間に直列に接続される。リミッティングアンプLAMP11〜LAMP13の出力信号は、それぞれノードN11〜N13に出力される。
【0005】
(全波)整流器COM11〜COM14は、それぞれ入力端子Vin、ノードN11〜N14に印加される信号の信号振幅に応じた電流I1〜I4をノードN14へ出力する。なお、ノードN5は、出力端子Voutと接続される。ここで、便宜上、符号「Vin」「Vout」は、それぞれ端子名を示すと同時に、当該RSSI1の入力電圧、出力電圧を示すものとする。
【0006】
抵抗R11は、ノードN14と接地端子GNDとの間に接続される。抵抗R11には、整流器COM11〜COM14からの出力された総電流(I1+I2+I3+I4)が流れる。抵抗R11は、この整流器COM11〜COM14からの総電流を電圧に変換する電流電圧変換用抵抗である。
【0007】
このようなRSSI1の出力電圧Voutは、入力電力Vin(入力電圧の二乗)に対して理想的にはログで変化する。つまり、入力電力dBmに対して、RSSIの出力電圧の傾きは一定となる。よって、線形電力検出に比べて、RSSI1は広いダイナミックレンジでの電力検出を可能とする。
【0008】
但し、このRSSI1電力検出の精度は、整流器の(入力電圧に対して出力電流が二乗特性とならない)非理想特性に起因した局所的な変動と、PVT(プロセス、電源電圧、温度)ばらつきによる傾きの変動とに起因して劣化する。
【0009】
前者の変動は、例えば、段数を増やすとともに1段あたりのゲインを低減したリミッティングアンプを用いることで、抑制できる。
【0010】
一方、後者の変動に関しては、出荷前のテストや組み込んだテスト回路によってRSSI1入出力特性の傾きの情報を得ることで、変動の影響を除去できる。具体的には、テスト結果により、入力電力に対する出力電圧の関係を記憶するルックアップテーブルを書き換えてやればよい。しかし、テストコストやテスト回路の面積・電力・時間オーバーヘッドが増える問題がある。このため、RSSI1には高いPVTばらつき特性、つまり、入出力特性が一定の傾きとなることが要求される。このため、従来、PVTばらつき時にゲイン変動の小さいリミッティングアンプ、出力電流変動の小さい整流器、抵抗値の変動が小さいオフチップ抵抗を用いる。
【0011】
このようなリミッティングアンプは、例えば、同じ素子の比によりゲインが決定されるような回路構成により実現できる。また、整流器は、バンドギャップレファレンス電流源を基準電流源として用いることで実現できる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】C.-C. et al., "A 15mW 280MHz 80dB gain CMOS limiting/logarithmic amplifier with active cascade gain-enhancement," in Proc. of European Solid-State Circuits Conference, pp. 311-314, Sept. 2002.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、非特許文献1に開示されたRSSI1には問題がある。その問題点は、R11に高精度の(ばらつきの少ない)オフチップ抵抗を必要とすることである。このようなオフチップ抵抗は、部品費用や実装面積を増加させる問題が発生する。
【0014】
一方、オフチップ抵抗を使用せず、R11にRSSI1が形成されるLSI上のオンチップ抵抗を利用した場合、プロセス変動によりばらつきが大きく発生する。このため、RSSIの入出力特性の傾きが大きく変動する。この他、ヒューズ等を用いたトリミングにより設計後にオンチップ抵抗のばらつきを補正することは可能であるものの、前述したように、テスト調整のコスト等の問題が発生する。
【0015】
本発明の目的は、トリミングなしのオンチップ抵抗を用いていながら、プロセスばらつき等による入出力特性の変動が少ない(つまり、ばらつき耐性の高い)RSSI回路を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、1つのチップ上に形成され、入力信号の信号電力レベルを検出するRSSI回路であって、前記入力信号を入力する、直列接続された複数のリミッティングアンプと、入力する前記入力信号もしくは前記複数のリミッティングアンプの増幅した信号に応じて、それぞれの第1の電流を生成する複数の整流器と、前記複数の整流器が生成した第1の電流の総電流である第1の総電流に応じた当該RSSI回路の出力電圧信号を生成する第1の抵抗と、前記複数の整流器の生成する第1の電流の電流量を調整するバイアス電圧信号を出力するバイアス発生回路と、を備え、前記バイアス発生回路は、前記第1の整流器と同様の内部構成を備え、入力する信号に応じてレプリカ電流を生成するレプリカ整流器と、前記レプリカ整流器が生成した前記レプリカ電流に応じたレプリカ電圧を生成するレプリカ抵抗と、基準電圧と前記レプリカ電圧とを比較し、その比較結果に応じた前記バイアス電圧信号を生成する比較回路と、を有するRSSI回路である。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、オンチップ抵抗を用いながら、製造ばらつき条件下の入出力特性の変動を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】実施の形態1にかかるRSSI回路の構成である。
【図2】実施の形態1にかかるリミッティングアンプの構成である。
【図3】実施の形態1にかかる本体の全波整流器の構成である。
【図4】実施の形態1にかかる全波整流器の入出力特性のグラフである。
【図5】実施の形態1にかかるレプリカバイアス発生回路の構成である。
【図6】実施の形態1にかかるレプリカ全波整流器の構成である。
【図7】実施の形態1にかかるレプリカ抵抗の構成である。
【図8】実施の形態1にかかる基準電圧生成回路の構成である。
【図9】実施の形態1にかかる基準電圧生成回路の構成である。
【図10】従来のRSSI回路の入出力特性のグラフである。
【図11】実施の形態1にかかるレプリカ全波整流器の入出力特性のグラフである。
【図12】実施の形態1にかかるRSSI回路の入出力特性のグラフである。
【図13】従来のRSSI回路の入出力特性のグラフ(シミュレーション結果)である。
【図14】実施の形態1にかかるRSSI回路の入出力特性のグラフ(シミュレーション結果)である。
【図15】実施の形態2にかかるRSSI回路の構成である。
【図16】実施の形態2にかかるレプリカバイアス発生回路の構成である。
【図17】実施の形態2にかかるコモンモード信号発生回路の構成である。
【図18】実施の形態2にかかるレプリカ全波整流器の入出力特性のグラフである。
【図19】実施の形態2にかかるRSSI回路の入出力特性のグラフである。
【図20】実施の形態2にかかるRSSI回路の入出力特性のグラフである。
【図21】実施の形態3にかかるRSSI回路の構成である。
【図22】実施の形態3にかかるレプリカバイアス発生回路の構成である。
【図23】実施の形態3にかかる本体の全波整流器の構成である。
【図24】実施の形態3にかかるレプリカ全波整流器の構成である。
【図25】実施の形態3にかかるレプリカ全波整流器の入出力特性のグラフである。
【図26】実施の形態3にかかるRSSI回路の入出力特性のグラフである。
【図27】実施の形態4にかかるRSSI回路の構成である。
【図28】実施の形態4にかかるレプリカバイアス発生回路の構成である。
【図29】実施の形態4にかかるレプリカ抵抗の構成である。
【図30】実施の形態4にかかるRSSI回路の入出力特性のグラフである。
【図31】実施の形態5にかかるRSSI回路の構成である。
【図32】実施の形態5にかかるRSSI回路の動作フローチャートである。
【図33】従来のRSSI回路の構成である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
発明の実施の形態1
【0020】
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態1について、図面を参照しながら詳細に説明する。この実施の形態1は、本発明を1チップ化した半導体集積回路(LSI)のRSSIに適用したものである。図1に本実施の形態にかかるRSSI100のブロック構成を示す。
【0021】
図1に示すように、RSSI100は、複数のリミッティングアンプLAMP101〜LAMP10mと、複数の全波整流器COM101〜COM10nと、オンチップ抵抗R101と、レプリカバイアス発生回路110と、基準電圧生成回路120とを有する。
【0022】
リミッティングアンプLAMP101〜LAMP10m(mは正の整数)は、ノードN101とノードN10n(nはn=m+1)との間に直列接続される。なお、ノードN101は、当該RSSI100の入力端子VINでもある。また、便宜上、符号「VIN」は、当該RSSI100の入力端子名を示すと同時に、入力電圧(入力信号)を示すものとする。
【0023】
リミッティングアンプLAMP101〜LAMP10mの出力信号は、それぞれノードN102〜N10nに出力される。また、リミッティングアンプ1段あたりのゲインをG(dB)とする場合、RSSI100の電力検出範囲(ダイナミックレンジ)はm×G(dB)となる。一般に、同じダイナミックレンジを得るときに、1段あたりのゲインGを小さくする、つまり、リミッティングアンプの段数mを多くすると電力検出精度が改善する。
【0024】
また、図1では図面簡略化のため省略しているが、リミッティングアンプ間は差動接続(0°と180°信号を用いる)することが好ましい。これは、非差動接続の場合(単相信号を用いる場合)に比べて、雑音等の外乱への耐性が強くなることと、信号振幅を2倍にできることとの理由からである。特に、最近の微細なデジタルCMOSプロセスを用いてRSSIを設計する場合、混載するデジタル回路のスイッチング雑音の問題や、電源電圧の低下による信号振幅低減の問題が顕著となるため、差動接続がより好ましい。
【0025】
一方で、差動回路内のトランジスタ対のしきい値ずれによるDCオフセットは、プロセス微細化とともに増加する傾向にあるため、DCオフセットキャンセル回路を設けたほうが良い。DCオフセットキャンセルの方法には、リミッティングアンプ段間でAC結合する方法や、DCオフセット成分を差動回路内のトランジスタ対へフィードバックして除去する方法などがある。
【0026】
図2に、リミッティングアンプLAMP101〜LAMP10mの具体的な回路例を示す。なお、リミッティングアンプLAMP101〜LAMP10mは同様の構成であるため、リミッティングアンプLAMP101を代表例として、図2に示す。
【0027】
図2に示すように、リミッティングアンプLAMP101は、NMOSトランジスタMN111A、MN111Bと、抵抗R111A、R111Bと、定電流源CC111A、CC111Bと、抵抗R112と、差動入力端子IN_P、IN_Nと、差動出力端子OUT_P、OUT_Nとを有する。なお、差動入力端子IN_P、IN_Nには、それぞれ差動入力信号IN_P、IN_Nが入力されるものとする。
【0028】
抵抗R111Aは、電源端子VDDと出力端子OUT_Nとの間に接続される。NMOSトランジスタMN111Aは、ドレインが出力端子OUT_N、ソースがノードN111Aに接続される。また、ゲートに差動入力信号IN_Pが入力される。定電流源CC111Aは、ノードN111Aと接地端子GNDとの間に接続される。
【0029】
抵抗R111Bは、電源端子VDDと出力端子OUT_Pとの間に接続される。NMOSトランジスタMN111Bは、ドレインが出力端子OUT_P、ソースがノードN111Bに接続される。また、ゲートに差動入力信号IN_Nが入力される。定電流源CC111Bは、ノードN111Bと接地端子GNDとの間に接続される。
【0030】
抵抗R112は、ノードN111AとN111Bとの間に接続される。また、抵抗R111A、R111Bの抵抗値をR111とし、抵抗R112の抵抗値をR112とすると、リミッティングアンプLAMP101のゲインGは、簡単にはR111/R112としてあらわせる。よって、抵抗R111A、R111BもしくはR112の抵抗値を可変することで、リミッティングアンプのゲインGを変えられる。但し、高周波電流が流れるR111A、R111Bを可変とするのではなく、低周波電流が流れるR112を可変したほうが、設計が容易となる利点がある。この回路のゲインはR111/R112の抵抗比だけで決定されるため、PVT(Process、Voltage、Temperature)ばらつき(以後、PVTばらつきと称す)耐性が高い。
【0031】
全波整流器COM101〜COM10nそれぞれ入力信号であるノードN101〜N10nに印加される信号の信号振幅に応じて電流I1〜InをノードN110へ出力する。なお、ノードN110は、当該RSSI100の出力端子VRSSIでもある。また、便宜上、符号「VRSSI」は、当該RSSI100の出力端子名を示すと同時に、出力電圧を示すものとする。
【0032】
ここで、全波整流器COM101〜COM10nに、それぞれ差動信号が入力される場合、全波整流器は信号差の絶対値に応じて電流を出力する。例えば、差動信号の信号差の絶対値が小さいときには電流を多く、逆に信号差の絶対値が大きいときには電流を少なく出力する(図4参照)。もちろん、これとは逆の特性になるよう設計しても良い。このとき、RSSI100の入力電力VINに対して出力電圧VRSSIが線形の関係になるようにするには、それぞれの全波整流器の入力電圧の2乗に対して出力電流が比例するように設計することが望ましい。
【0033】
図3に全波整流器COM101〜COM10nの具体的な回路例を示す。なお、全波整流器COM101〜COM10nは同様の構成であるため、全波整流器COM101を代表例として、図3に示す。図3に示すように、全波整流器COM101は、PMOSトランジスタMP121〜MP124と、NMOSトランジスタMN121〜MN126と、差動入力端子IN_P、IN_Nと、出力端子OUTとを有する。
【0034】
PMOSトランジスタMP121は、ソースが電源端子VDD、ドレインとゲートがノードN121に接続される。PMOSトランジスタMP122は、ソースが電源端子VDD、ドレインがノードN122、ゲートがノードN121に接続される。PMOSトランジスタMP123は、ソースが電源端子VDD、ドレインとゲートがノードN122に接続される。PMOSトランジスタMP124は、ソースが電源端子VDD、ドレインが出力端子OUT、ゲートがノードN122に接続される。
【0035】
NMOSトランジスタMN121は、ドレインがノードN121、ソースがノードN123、ゲートが差動入力端子IN_Pに接続される。NMOSトランジスタMN122は、ドレインがノードN122、ソースがノードN124、ゲートが差動入力端子IN_Pに接続される。
【0036】
NMOSトランジスタMN123は、ドレインがノードN121、ソースがノードN124、ゲートが差動入力端子IN_Nに接続される。NMOSトランジスタMN124は、ドレインがノードN122、ソースがノードN123、ゲートが差動入力端子IN_Nに接続される。
【0037】
NMOSトランジスタMN125は、ドレインがノードN123、ソースが接地端子GNDに接続される。NMOSトランジスタMN126は、ドレインがノードN124、ソースが接地端子GNDに接続される。NMOSトランジスタMN125、MN126のゲートには、後述するバイアス電圧信号VBRが印加される。このNMOSトランジスタMN125、MN126は、バイアス電圧信号VBRに応じた定電流を出力する電流源となる。
【0038】
なお、PMOSトランジスタMP121〜MP123と、NMOSトランジスタMN121〜MN126とで、整流部を構成するものとする。また、PMOSトランジスタMP123のドレイン電流を整流電流と称す。
【0039】
上記構成からもわかるように、PMOSトランジスタMP124は、MP123とカレントミラー接続されている。よって、PMOSトランジスタMP123に流れる電流に応じて、PMOSトランジスタMP124にドレイン電流が流れる。このPMOSトランジスタMP124のドレイン電流が、全波整流器COM101の出力電流(電流I1)となる。この出力電流は、先述したバイアス電圧信号VBRによりテール電流源(NMOSトランジスタMN125、MN126)を制御することで可変となる。本回路は、所定の入力電圧範囲において、先述したように入力電圧の2乗に比例した電流を出力する。但し、この所定の入力電圧範囲外では、入力電圧の2乗に比例した電流とはならない。このため、RSSI100の電力検出精度が劣化する可能性がある。
【0040】
図4に、図3の全波整流器の具体的な入出力特性の例を示す。全波整流器の入力電圧Vの絶対値が小さいほど出力電流Iは大きく、Vが0でIは最大となる。また、Vがある一定以上に大きい場合、Iは0となる。
【0041】
ここで、全波整流器COM101〜COM10nは、それぞれ1Vの入力電圧に対する出力電流が同一の「I」であるとする。また、ノードN101〜N10nのそれぞれの電圧、つまり全波整流器COM101〜COM10nのそれぞれの入力電圧をV1〜Vnとすると、全波整流器の出力電流はIn=I×Vn(n=1、2、・・・)で表される。よって、オンチップ抵抗R101の電圧降下により、ノードN110に発生する電圧、つまり出力電圧VRSSIは、以下の式で表される。

【数1】

【0042】
ここで、リミッティングアンプLAMP10mの出力電圧であるVnは、入力電圧をVINとすると、以下の式で表される。なお、V0は、はリミッティングアンプにより制限される出力振幅である。よって、Vnは必ずV0より大きくはならない。

【数2】

【0043】
但し、実際の出力電圧VRSSIには、入力周波数起因の交流成分が含まれる。これにより、後段回路でのRSSI100からの出力値の読み取り値が、時間で変動してしまう。このため、通常、抵抗に並列に容量を付加したローパスフィルタにより、この交流成分を除去する。
【0044】
レプリカバイアス発生回路110は、基準電圧生成回路120からの基準電圧信号が入力され、全波整流器の制御バイアス信号VBRを生成する。図5にレプリカバイアス発生回路110の具体的な回路例を示す。図5に示すように、レプリカバイアス発生回路110は、レプリカ全波整流器COMREPと、レプリカ抵抗RREPと、オペアンプOPとを有する。レプリカ全波整流器COMREPとレプリカ抵抗RREPとにより、本体(全波整流器COM101〜COM10nと、オンチップ抵抗R101)の模擬回路を構成する。
【0045】
レプリカ全波整流器COMREPは、所定の入力電圧Vbに対してレプリカ電流IREPを出力する。レプリカ抵抗RREPは、レプリカ電流IREPをレプリカ電圧信号VREPに変換する電流電圧変換抵抗である。オペアンプOPは、レプリカ電圧信号VREPと、基準電圧信号VREFとを比較する。本回路は、レプリカ電圧信号VREPが次式を満足するように、バイアス電圧信号VBRを発生する。

【数3】

【0046】
オペアンプOPは、非反転入力端子に基準電圧信号VREFを入力し、反転入力端子にノードN131に印加されるレプリカ電圧信号VREPを入力する。そして、非反転入力端子、反転入力端子に入力される信号に応じて、バイアス電圧信号VBRを出力する。
【0047】
レプリカ全波整流器COMREPは、図3に示した全波整流器(以後、本体の全波整流器と称す)と、出力トランジスタ以下外は、同様の構成を有する。図6にレプリカ全波整流器COMREPの回路構成を示す。図6に示すように、レプリカ全波整流器COMREPは、PMOSトランジスタMP121〜MP123、MP134と、NMOSトランジスタMN121〜MN126と、差動入力端子IN_P、IN_Nと、出力端子OUTとを有する。
【0048】
上述したように、レプリカ全波整流器COMREPは、出力トランジスタであるPMOSトランジスタMP134以外は、図3に示した本体の全波整流器と同様であり、その部分の説明は省略する。PMOSトランジスタMP134は、ソースが電源端子VDD、ドレインが出力端子OUT、ゲートがノードN122に接続される。なお、本体の全波整流器の整流部に相当する部分をレプリカ整流部と称し、PMOSトランジスタMP123のドレイン電流をレプリカ整流電流と称すものとする。
【0049】
ここで、本体の全波整流器の出力電流Iを1倍と定義する。そして、全波整流器COM101〜COM10nの数がn個である場合、レプリカ全波整流器COMREPの出力トランジスタであるPMOSトランジスタMP134のゲート幅をα×n倍(α:正の任意の数)とする。このことで、全波整流器COM101〜COM10nのそれぞれの出力電流に対し、レプリカ全波整流器COMREPはα×n倍の出力電流IREPを出力する。
【0050】
例えば、図6のPMOSトランジスタMP134のゲート幅と、本体の全波整流器のPMOSトランジスタMP124のゲート幅とがフィンガーゲート幅の整数比の関係になるように設計する。つまり、PMOSトランジスタMP134のゲート幅が、α×n×(図3のPMOSトランジスタMP124のフィンガー数)=整数となるように設計する。この場合、PMOSトランジスタMP134もMP124も同じフィンガーゲート幅でレイアウト配置できるためプロセスばらつき耐性が良好となる。
【0051】
この一つのレプリカ全波整流器COMREPによって、入力信号振幅が全てVbに等しいnコのα倍の全波整流器を模擬できる。これは、次式のように表される。

【数4】

【0052】
以上のように、レプリカ全波整流器COMREPは、上記電流IREPをノードN131に出力する。この出力電流IREPは、オペアンプOPからのバイアス電圧信号VBRによりテール電流源(NMOSトランジスタMN125、MN126)を制御することで、全波整流器COM101〜COM10nと同様、可変となる。なお、全波整流器COM101〜COM10nと同様に、レプリカ全波整流器COMREPを複数の全波整流器で構成することもできる。これにより入力信号振幅Vが異なるような整流器も模擬できる。但し、回路面積が増大するデメリットがある。
【0053】
レプリカ抵抗RREPは、ノードN131と接地端子GNDとの間に接続される。このため、電流IREPがレプリカ抵抗RREPに流れることによる電圧降下によって、ノードN131に電圧信号VREPが生成される。図7(a)、図7(b)に、レプリカ抵抗RREPの具体的な回路例を示す。抵抗R101(抵抗値をRとする)と同様の抵抗素子を用いて、β倍の関係(RREP=β×R)になるようにレプリカ抵抗RREPを構成する(βは整数あるいは、整数の逆数)。これは、抵抗R101とレプリカ抵抗RREPの抵抗素子の構成が異なると、プロセスばらつき条件時に、抵抗比が異なってしまうことを避けるためである。
【0054】
さらに良好な抵抗比を得るためには、同じ寸法の抵抗素子を、向きを揃えながら並列接続本数を変えることで、抵抗R101とレプリカ抵抗RREPとを設計レイアウトすることが望ましい。これにより、オンチップ上のLSI作成時の素子の寸法誤差による抵抗比ずれを小さくすることができる。
【0055】
図8に、基準電圧生成回路120の具体的な第1の回路例を示す。本例の基準電圧生成回路120は、NMOSトランジスタMN141〜MN143を有する。NMOSトランジスタMN141〜MN143は、それぞれダイオード接続され、電源端子VDDと接地端子GNDとの間に縦積み接続される。また、NMOSトランジスタMN141〜MN143は、同じトランジスタサイズで設計されている。このような構成とすることで、電源電圧VDDを抵抗分割した基準電圧VREFを生成することができる。例えば、NMOSトランジスタMN142とMN143との接続ノードの電圧を基準電圧VREFとして取り出すとき、プロセス・温度によらず、VREFを電源電圧VDDの1/3とすることができる。但し、本回路のVREFは、電源電圧VDDの電圧変動により変動する。なお、縦積みするトランジスタの数を増やしてもよい。
【0056】
図9に、基準電圧生成回路120の具体的な第2の回路例を示す。本例の基準電圧生成回路120は、PMOSトランジスタMP151〜MP153と、NMOSトランジスタMN151、MN152と、抵抗R151、R152と、バイポーラトランジスタTr151〜Tr153とを有する。本例の回路は、バイポーラトランジスタのバンドギャップを利用するとともに、入れ子に接続したMOSトランジスタのカレントミラーを構成することで、PVTのばらつき耐性が高い。ばらつきによらず一定の基準電圧を発生する。但し、一般に、この基準信号源は低電圧化が難しいデメリットがある。なお、この基準電圧生成回路120の構成は、公知のオペアンプレスのBGR回路であるため、動作等の説明は省略する。
【0057】
次に、本発明の動作について図面を参照して詳細に説明する。まず、図10に、抵抗R11がオンチップ抵抗で構成されている場合の、プロセスばらつき条件下での図33の従来RSSI1の具体的な入出力特性の例を示す。但し、各プロセスばらつき条件において、入力電圧VINの二乗(=VIN)、つまり電力のログに対して、理想的に出力電圧VRSSIが線形となるものとする。
【0058】
図10のCC、FF、SSはそれぞれ、MOS、抵抗のプロセス条件が、中心水準、高速水準、低速水準にあることを示す。具体的には、CCを基準に、FFではMOSトランジスタのオン電流大かつ低抵抗値、SSではオン電流小かつ高抵抗値となる。ここで、全波整流器は、PVTばらつきによらず一定の電流を流す。つまり、図4の全波整流器の入出力特性を例に説明すると、出力電流Iが変動しないことになる。しかし、オンチップ抵抗である抵抗R11の抵抗値は、プロセスばらつき条件(CC、FF、SS)において変動する。よって、図10に示すように、入力電圧の2乗、つまり入力電力VINのログに対する出力電圧VRSSIの傾きも、プロセスばらつき条件において変動する抵抗R11の抵抗値に比例して大きくなる。
【0059】
ここで、図11に、本実施の形態1のレプリカバイアス発生回路110の動作例のグラフを示す。また、図12に、RSSI100の第1の具体的な動作例のグラフを示す。レプリカ全波整流器COMREPにVbが入力されている場合、レプリカバイアス発生回路110は、本体の全波整流器のα×n倍の電流を出力する。また、レプリカ抵抗RREPの抵抗値はβ×Rであるとすると、レプリカ抵抗端、つまり、ノードN131に表れる電圧VREPは、本体の抵抗R101と、全波整流器の電流I×(Vb)との積を含む次式で表される。

【数5】

【0060】
上式のα、β、nはPVTばらつきによらない定数であり、VREFもPVTばらつきによらず一定であるとすると、レプリカバイアス回路110はこの積が一定になるような、バイアス電圧信号VBRを発生する。
【0061】
具体的には、プロセスばらつきにより本体の抵抗R101及びレプリカ抵抗RREPの抵抗値Rが標準より大きくなった場合、これを打ち消すようにバイアス電圧信号VBRが変化し、電流I×(Vb)は減少する。逆に、Rが標準より小さくなった場合、これを打ち消すようにバイアス電圧信号VBRが変化し、電流I×(Vb)は増加する。そして、このバイアス電圧信号VBRは、本体の全波整流器の出力電流も同様に変化させる。
【0062】
従って、図12に示すように、オンチップ抵抗のPVTばらつきによらず、RSSI100の入出力特性の傾きは、n×I×(Vb)の入力換算電力「VIN(Vb)」とVREFとから一定に決まる。なお、この傾きは、上記VIN(Vb)と出力電圧VRSIが0Vとなる入力電圧点(図中Aの点)から算定可能である。
【0063】
図13に、図33の従来のRSSI1のばらつき条件下での入出力特性を具体的にシミュレーションした結果例を示す(環境温度27℃)。また、図14に、本実施の形態1のRSSI100のばらつき条件下での入出力特性を具体的にシミュレーションした結果例を示す。なお、図13、図14で考慮したばらつき条件は、プロセスばらつきSS(トランジスタON電流:小、抵抗:大)とFF(トランジスタON電流:大、抵抗:小)とである。なお、横軸が入力電力PIN、縦軸が出力電圧VRSSIである。図13、図14を比較してわかるように、オンチップ抵抗を使用しているにもかかわらず、従来例のRSSI1に比べ本実施の形態1のRSSI100は、プロセスばらつきによる出力信号の変動を大幅に削減することが可能である。
【0064】
よって、本実施の形態1のRSSI100は、高精度のオフチップ抵抗を使用しなくてもよいため、部品費用や実装面積を増加させる問題が発生しない。また、半導体集積回路チップ上のオンチップ抵抗を利用しても、ヒューズ等を用いたトリミングにより設計後にオンチップ抵抗のばらつきを補正する必要がなくなり、テスト調整の時間やコスト等が増加する問題も生じることがない。以上のように、本実施の形態1のRSSI100は、従来の技術で発生した様々な問題を解決できる効果を得ることができる。
【0065】
発明の実施の形態2
【0066】
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態2について、図面を参照しながら詳細に説明する。この実施の形態2も、実施の形態1と同様、本発明を1チップ化した半導体集積回路のRSSIに適用したものである。図15に本実施の形態2にかかるRSSI200のブロック構成を示す。
【0067】
図15に示すように、RSSI200は、複数のリミッティングアンプLAMP101〜LAMP10mと、複数の全波整流器COM101〜COM10nと、オンチップ抵抗R101と、レプリカバイアス発生回路110と、基準電圧生成回路120と、コモンモード(同相)信号発生回路230とを有する。なお、図15に示された符号のうち、図1と同じ符号を付した構成は、図1と同じか又は類似の構成を示している。本実施の形態2は、コモンモード(同相)信号発生回路230を新たに備える点が実施の形態1と異なる。また、レプリカバイアス発生回路110が、そのコモンモード(同相)信号発生回路230が出力する出力信号(コモンモード信号)VCNを入力する点が実施の形態1と異なる。それ以外は、実施の形態1と同様なため、同様の部分の説明は省略する。
【0068】
コモンモード(同相)信号発生回路230は、レプリカバイアス発生回路110に出力信号(以下、コモンモード信号VCNと称す)を出力し、そのVCNに応じたVBRをレプリカバイアス発生回路110が出力するよう制御する。
【0069】
図16に、本実施の形態2のレプリカバイアス発生回路110の具体的な回路例を示す。但し、実施の形態1と異なるのは、レプリカ全波整流器COMREPがコモンモード(同相)信号発生回路230からのコモンモード信号VCNを入力する点である。それ以外は、実施の形態1と同様なため、同様の部分の説明は省略する。
【0070】
図17に、コモンモード(同相)信号発生回路230の具体的な回路例を示す。図17に示すように、コモンモード(同相)信号発生回路230は、リミッティングアンプLAMP231を有する。リミッティングアンプLAMP231は、入出力端子が短絡されることで、コモンモード信号VCNを出力する。このコモンモード信号VCNは、先述したDCオフセットキャンセル用のAC結合のDCバイアス信号としても用いることができる。
【0071】
次に、本発明の動作と効果について図面を参照して詳細に説明する。ここで、上述した実施の形態1において、リミッティングアンプのゲインGが1(つまり0dB)である場合には、VIN=Vbとなることから、n×I×(Vb)の入力換算電力VIN(Vb)は容易に求めることができた。
【0072】
しかし、この他の場合、つまり、リミッティングアンプのゲインGが1でない場合、入力換算電力が未知となるため、傾きの値をシミュレーション前にあらかじめ見積もることが難しい。そこで、本実施の形態2では、入力換算電力を既知であるn×I×(Vb)に設定することで、傾きの値の設定を容易にできる。以下、この点について説明する。
【0073】
ここで、図18に、本実施の形態2のレプリカバイアス発生回路110の動作例のグラフを示す。また、図19に、RSSI200の第1の具体的な動作例のグラフを示す。
【0074】
まず、実施の形態1で先出したα、βを、説明を簡便にするため、α=1、β=1とする。レプリカ全波整流器COMREPにコモンモード信号VCNを入力することは、図18に示すように、全入力信号振幅Vbが0(Vb=0)であることを意味する。よって、全波整流器は電流の最大値を出力する。このような状態は、図19に示すように、RSSI200の入力電力がない場合、つまり、入力電力VIN(0)(=VMIN)を模擬していることと等しく、RSSI200の出力最大値を模擬していることと等価である。このようなRSSI200の最大電流を模擬したレプリカ全波整流器COMREPにより、RSSI出力最大値の点で傾きを決定することができる。但し、本例では、β=1なのでレプリカ抵抗RREPの抵抗値は、本体の抵抗R101と同様である(RREP=R)。
【0075】
更に、図20に、RSSI200の第2の具体的な動作例のグラフを示す。図19がRSSI200の最大値により傾きを決定する例であるのに対して、本例は中間値により傾きを決定する例である。この例でも、やはり、入力換算電力を既知とするため、レプリカ全波整流器COMREPにはコモンモード信号VCNを入力する。中間値の電力VMIDが入力されているときのRSSI電流IREPは、理想的には上記VMIN入力時の半分であるはずである。つまり、α=1/2に設定する必要がある。
【0076】
しかし、必ずレプリカ全波整流器COMREPの出力電流源トランジスタがn/2×(整流器のフィンガー数)=整数を満たすとは限らない。もし非整数となった場合、前述したようにばらつき耐性が劣化してしまう。よって、αのかわりにβ=1/2にする。つまり、これは、レプリカ抵抗RREPを、本体の抵抗R101と同様の抵抗素子が2つ並列に接続する構成となるようにすればよい(RREP=R/2)。このことにより、ばらつき耐性の劣化の問題を抑制することが可能である。このようなRSSI200の最大電流を模擬したレプリカ全波整流器COMREPにより、RSSI出力最大値以外の点で傾きを決定することができる。
【0077】
発明の実施の形態3
【0078】
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態3について、図面を参照しながら詳細に説明する。この実施の形態3も、実施の形態2と同様、本発明を1チップ化した半導体集積回路のRSSIに適用したものである。図21に本実施の形態3にかかるRSSI300のブロック構成を示す。
【0079】
図21に示すように、RSSI300は、複数のリミッティングアンプLAMP101〜LAMP10mと、複数の電流可変型の全波整流器COM301〜COM30nと、オンチップ抵抗R101と、レプリカバイアス発生回路310と、基準電圧生成回路120と、コモンモード(同相)信号発生回路230とを有する。なお、図21に示された符号のうち、図15と同じ符号を付した構成は、図15と同じか又は類似の構成を示している。本実施の形態3は、レプリカバイアス発生回路310および電流可変型の全波整流器COM301〜COM30nの出力特性が制御信号CNTL1に応じて、可変できる点が、実施の形態2と異なる。なお、この制御信号CNTL1は、アナログ信号でもデジタル信号どちらでも構わない。
【0080】
図22に、レプリカバイアス発生回路310の具体的な回路例を示す。図22に示すように、レプリカバイアス発生回路310は、電流可変型のレプリカ全波整流器COMVREPと、レプリカ抵抗RREPと、オペアンプOPとを有する。電流可変型のレプリカ全波整流器COMVREPとレプリカ抵抗RREPとにより、本体(電流可変型の全波整流器COM301〜COM30nと、オンチップ抵抗R101)の模擬回路を構成する。
【0081】
ここで、図23に電流可変型の全波整流器COM301〜COM30nの具体的な回路例を示す。なお、電流可変型の全波整流器COM301〜COM30nは同様の構成であるため、電流可変型の全波整流器COM301を代表例として、図23に示す。図23に示すように、電流可変型の全波整流器COM301は、PMOSトランジスタMP121〜MP123、MP301、MP302と、NMOSトランジスタMN121〜MN126と、差動入力端子IN_P、IN_Nと、出力端子OUTと、スイッチSW301、SW302とを有する。
【0082】
なお、図3の全波整流器COM101と異なるのは、PMOSトランジスタMP124が、PMOSトランジスタMP301、MP302及びスイッチSW301、SW302に置き換わった点である。それ以外は、全波整流器COM101と同様であるため、説明は省略する。また、制御信号CNTL1はデジタル信号であるとする。後述するが、電流源を構成するPMOSトランジスタMP301、MP302のトランジスタサイズに重み付けすることで、このデジタル制御信号CNTL1はバイナリコードやサーモメータコードにできる。
【0083】
PMOSトランジスタMP301は、ソースが電源端子VDD、ドレインが出力端子OUTに接続される。PMOSトランジスタMP302は、ソースが電源端子VDD、ドレインが出力端子OUTに接続される。
【0084】
スイッチSW301は、デジタル制御信号CNTL1に応じて、PMOSトランジスタMP301のゲートを電源端子VDDもしくはノードN122に接続する。スイッチSW302は、デジタル制御信号CNTL1に応じて、PMOSトランジスタMP302のゲートを電源端子VDDもしくはノードN122に接続する。
【0085】
上記回路構成からもわかるように、PMOSトランジスタMP123と、MP301、MP302は、それぞれスイッチSW301、SW302を経由してカレントミラー接続されている。よって、スイッチSW301、SW302により、PMOSトランジスタMP301、MP302のゲートがノードN122に接続される場合、PMOSトランジスタMP301、MP302は、それぞれオン状態となり、PMOSトランジスタMP123のドレイン電流に応じたミラー電流を流す。なお、この状態では、PMOSトランジスタMP301、MP302が電流源とみなすことができる。一方、スイッチSW301、SW302により、PMOSトランジスタMP301、MP302のゲートが電源端子VDDに接続される場合、PMOSトランジスタMP301、MP302がオフ状態となり、電流を流さない。
【0086】
また、カレントミラー回路の出力側を構成するPMOSトランジスタMP301、MP302は、それぞれゲートサイズが異なるように設計されている。例えば、PMOSトランジスタMP302のオン電流が、PMOSトランジスタMP301の2倍となるようにゲートサイズが設計される。
【0087】
PMOSトランジスタMP301、MP302は、デジタル制御信号CNTL1により出力電流をデジタル制御可能である。このことにより、PMOSトランジスタMP301のオン電流を1倍と定義すると、電流可変型の全波整流器COM301は、0、1倍、2倍、3倍のサイズに重み付けされた電流が出力可能である。例えば、デジタル制御信号CNTL1によりPMOSトランジスタMP301だけオンとなる場合、電流可変型の全波整流器COM301の出力電流は1倍となる。PMOSトランジスタMP302だけオンとなる場合、電流可変型の全波整流器COM301の出力電流は2倍となる。PMOSトランジスタMP301、MP302がオンとなる場合、電流可変型の全波整流器COM301の出力電流は3倍となる。そして、PMOSトランジスタMP301、MP301がオフとなる場合、電流可変型の全波整流器COM301の出力電流は0となる。
【0088】
次に、図24に、電流可変型のレプリカ全波整流器COMVREPの具体的な回路例を示す。図24に示すように、電流可変型のレプリカ全波整流器COMVREPは、PMOSトランジスタMP121〜MP123、MP303、MP304と、NMOSトランジスタMN121〜MN126と、差動入力端子IN_P、IN_Nと、出力端子OUTと、スイッチSW303、SW304とを有する。
【0089】
なお、図23の電流可変型の全波整流器COM301と異なるのは、PMOSトランジスタMP301、MP302、スイッチSW301、SW302が、それぞれPMOSトランジスタMP303、MP304、スイッチSW303、SW304に置き換わった点である。それ以外は、電流可変型の全波整流器COM301と同様であるため、説明は省略する。
【0090】
PMOSトランジスタMP303は、ソースが電源端子VDD、ドレインが出力端子OUTに接続される。PMOSトランジスタMP304は、ソースが電源端子VDD、ドレインが出力端子OUTに接続される。
【0091】
スイッチSW303は、デジタル制御信号CNTL1に応じて、PMOSトランジスタMP303のゲートを電源端子VDDもしくはノードN122に接続する。スイッチSW304は、デジタル制御信号CNTL1に応じて、PMOSトランジスタMP304のゲートを電源端子VDDもしくはノードN122に接続する。
【0092】
上記回路構成からもわかるように、PMOSトランジスタMP123と、MP303、MP304は、それぞれスイッチSW303、SW304を経由してカレントミラー接続されている。よって、スイッチSW303、SW304により、PMOSトランジスタMP303、MP304のゲートがノードN122に接続される場合、PMOSトランジスタMP303、MP304は、それぞれオン状態となり、PMOSトランジスタMP123のドレイン電流に応じたミラー電流を流す。なお、この状態では、PMOSトランジスタMP303、MP304が電流源とみなすことができる。一方、スイッチSW303、SW304により、PMOSトランジスタMP303、MP304のゲートが電源端子VDDに接続される場合、PMOSトランジスタMP303、MP304がオフ状態となり、電流を流さない。
【0093】
また、カレントミラー回路の出力側を構成するPMOSトランジスタMP303、MP304は、それぞれゲートサイズが異なるように設計されている。例えば、PMOSトランジスタMP303のオン電流が、図23のPMOSトランジスタMP301のj倍、PMOSトランジスタMP304のオン電流が、図23のPMOSトランジスタMP301のk倍となるようにゲートサイズが設計される。
【0094】
PMOSトランジスタMP303、MP304は、デジタル制御信号CNTL1により出力電流をデジタル制御可能である。このことにより、0、j倍、k倍、(j+k)倍のサイズに重み付けされた電流が出力可能である。例えば、デジタル制御信号CNTL1によりPMOSトランジスタMP303だけオンとなる場合、電流可変型のレプリカ全波整流器COMVREPの出力電流はj倍となる。PMOSトランジスタMP304だけオンとなる場合、電流可変型のレプリカ全波整流器COMVREPの出力電流はk倍となる。PMOSトランジスタMP303、MP304がオンとなる場合、電流可変型のレプリカ全波整流器COMVREPの出力電流は(j+k)倍となる。そして、PMOSトランジスタMP303、MP304がオフとなる場合、電流可変型のレプリカ全波整流器COMVREPの出力電流は0となる。但し、出力電流が本体の全波整流器の総電流に対して整数比となるように、jとkの値を決める。
【0095】
次に、本発明の動作と効果について図面を参照して詳細に説明する。図25に、本実施の形態3のレプリカバイアス発生回路310の動作例のグラフを示す。また、図26に、RSSI300の具体的な動作例のグラフを示す。図25、図26に示す例は、本体の電流可変型の全波整流器が2種類のモードで動作する例である。一方は電流可変型の全波整流器の総電流がj倍(図中の「×j」)で、他方はk倍(図中の「×k」)となるモードである。また、電流可変型のレプリカ全波整流器COMVREPでは、実施の形態2と同様、コモンモード信号VCNを入力するとともに、上記各モードに対して、j倍、k倍の出力電流となるように切替える。なお、この例では簡単のため、本体の総電流とレプリカ電流比αが1の場合を考えている。そして、RSSI300入出力特性の中間点を模擬する場合は、レプリカ抵抗RREPを本体抵抗R101の抵抗値Rの1/2にすることで(RREP=R/2)、実施の形態2と同様に傾きを制御できる。以上、図25、図26に示すように電流可変型のレプリカ全波整流器COMVREPの電流量を切替えることで、本体の電流可変型の全波整流器の出力電流源の電流量に伴う傾きの制御が可能である。
【0096】
発明の実施の形態4
【0097】
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態4について、図面を参照しながら詳細に説明する。この実施の形態4も、実施の形態2と同様、本発明を1チップ化した半導体集積回路のRSSIに適用したものである。図27に本実施の形態4にかかるRSSI400のブロック構成を示す。
【0098】
図27に示すように、RSSI400は、複数のリミッティングアンプLAMP101〜LAMP10mと、複数の全波整流器COM101〜COM10nと、抵抗可変型のオンチップ抵抗R401と、レプリカバイアス発生回路410と、基準電圧生成回路120と、コモンモード(同相)信号発生回路230とを有する。なお、図27に示された符号のうち、図15と同じ符号を付した構成は、図15と同じか又は類似の構成を示している。本実施の形態4は、レプリカバイアス発生回路410のレプリカ抵抗RREPおよびオンチップ抵抗R401の抵抗値が、制御信号CNTL1に応じて可変となる点が、実施の形態2と異なる。制御信号CNTL1に応じて、可変できる点が異なる。なお、この制御信号CNTL1は、アナログ信号でもデジタル信号どちらでも構わない。
【0099】
図28に、レプリカバイアス発生回路410の具体的な回路例を示す。図28に示すように、レプリカバイアス発生回路410は、レプリカ全波整流器COMREPと、抵抗可変型のレプリカ抵抗RVREPと、オペアンプOPとを有する。電流可変型のレプリカ全波整流器COMVREPと抵抗可変型のレプリカ抵抗RVREPとにより、本体(全波整流器COM301〜COM30nと、抵抗可変型のオンチップ抵抗R401)の模擬回路を構成する。なお、図28に示された符号のうち、図5と同じ符号を付した構成は、図5と同じか又は類似の構成を示している。図5のレプリカバイアス発生回路110と異なるのは、抵抗可変型のレプリカ抵抗RVREPである。それ以外は、レプリカバイアス発生回路110と同様であるため、説明は省略する。
【0100】
図29に、レプリカ抵抗RVREPの具体的な回路例を示す。図29に示すように、レプリカ抵抗RVREPは、複数のスイッチ群と、各スイッチに直列接続される抵抗素子群で構成される。そして、各直列接続されたスイッチと抵抗素子とがそれぞれ並列接続される。複数のスイッチ群は、制御信号CNTL1でオンとなる数が制御される。つまり、制御信号CNTL1に応じて、レプリカ抵抗RVREPの抵抗値が決定される。
【0101】
なお、本体のオンチップ抵抗R401も図29と同様の構成とできる。そして、レプリカ抵抗RVREPの抵抗値が、本体のオンチップ抵抗R401に対して整数比、あるいは整数の逆数比となるように設計する。
【0102】
実施の形態2と同様、レプリカ全波整流器410にはコモンモード信号VCNを入力する。このため、図30に示すように、レプリカ全波整流器COMREPは、最大の電流をIREPとして出力する。そして、本体のオンチップ抵抗R401の抵抗値の切替えに対して、レプリカ抵抗RVREPの抵抗値が整数比、あるいは整数比の逆数比となるように切替える。例えば、本体のオンチップ抵抗R401の抵抗値を実施の形態1のチップオン抵抗R101と同様の抵抗値Rとする場合、図31中の「R=×1」で示す傾きとなる。更に、例えば、本体のオンチップ抵抗R401の抵抗値をRの3倍の抵抗値とする場合、図31中の「R=×3」で示す傾きとなる。なお、RSSI400の入出力特性の中間点を模擬する場合は、レプリカ抵抗RVREPを本体のオンチップ抵抗R401の1/2にする。このように、実施の形態3と同様に傾きを制御できる。
【0103】
発明の実施の形態5
【0104】
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態5について、図面を参照しながら詳細に説明する。この実施の形態5も、実施の形態3と同様、本発明を1チップ化した半導体集積回路のRSSIに適用したものである。図32に本実施の形態5にかかるRSSI500のブロック構成を示す。図32に示すように、RSSI500は、複数のリミッティングアンプLAMP101〜LAMP10mと、複数の電流可変型の全波整流器COM301〜COM30nと、オンチップ抵抗R101と、レプリカバイアス発生回路310と、基準電圧生成回路120と、コモンモード(同相)信号発生回路230と、判定回路510とを有する。
【0105】
なお、図32に示された符号のうち、図21と同じ符号を付した構成は、図21と同じか又は類似の構成を示している。本実施の形態5は、判定回路510を新たに有する点が実施の形態3と異なる。
【0106】
判定回路510は、AD変換器511と、DSP512とを有する。AD変換器511は、アナログ電圧信号であるVRSSIをデジタル信号へ変換し、出力する。DSP512は、AD変換器511から入力されるデジタル信号を、デジタル演算処理し、その処理結果を制御信号CNTL1として出力する。この制御信号CNTL1は、実施の形態3で説明したように、本体の電流可変型の全波整流器と、レプリカバイアス発生回路310の電流可変型レプリカ全波整流器COMVREPを制御する。
【0107】
なお、本例は、実施の形態3に対して、判定回路510を追加した構成となっているが、実施の形態4に対しても適用可能である。この場合、実施の形態4で説明したように、判定回路510が出力する制御信号CNTL1は、本体の抵抗R401、レプリカバイアス発生回路410のレプリカ抵抗RVREPの抵抗値を制御する。
【0108】
次に、本発明の動作と効果について図面を参照して詳細に説明する。図32に、本実施の形態5のRSSI500の動作を説明するフローチャートを示す。
【0109】
図32に示すように、まず、本体の電流可変型の全波整流器と、レプリカバイアス発生回路310の電流可変型レプリカ全波整流器COMVREPとが所定の電流値を出力するように、初期設定を行う(S501)。
【0110】
次に、入力信号の電力検出を行う(S502)。その検出結果値であるVRSSIから、判定回路510が検出範囲外にあるかどうかを判断する(S503)。そして、検出範囲外でなければ(S503NO)、終了する。検出範囲外にある場合は(S503YES)、判定回路510は異なる電流値を出力するように、本体の電流可変型の全波整流器と、レプリカバイアス発生回路310の電流可変型レプリカ全波整流器COMVREPの設定を切り替え(S504)、再度電力検出を実施して(S505)終了する。
【0111】
全波整流器は、所定の入力電圧範囲において、先述したように入力電圧の2乗に比例した電流を出力する。但し、この所定の入力電圧範囲外では、入力電圧の2乗に比例した電流とはならない。このため、RSSI100の電力検出精度が劣化する問題がある。しかし、本実施の形態5のRSSI500は、上述したようなフローで動作することで、入力電力に自動的に追従してRSSI500の設定を切替えて電力検出することが可能である。このため、電力検出精度が劣化する問題の発生を防ぐことができる。
【0112】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものでなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【符号の説明】
【0113】
100、200、300、400、500 RSSI
LAMP101〜LAMP10m リミッティングアンプ
COM101〜COM10n 全波整流器
R101 オンチップ抵抗
110、310、410 レプリカバイアス発生回路
120 基準電圧生成回路
MN111A、MN111B NMOSトランジスタ
R111A、R111B、R112 抵抗
CC111A、CC111B 定電流源
IN_P、IN_N 差動入力端子
OUT_P、OUT_N 差動出力端子
MP121〜MP124、MP134 PMOSトランジスタ
MN121〜MN126 NMOSトランジスタ
IN_P、IN_N 差動入力端子
OUT 出力端子
COMREP レプリカ全波整流器
REP レプリカ抵抗
OP オペアンプ
MN141〜MN143 NMOSトランジスタ
MP151〜MP153 PMOSトランジスタ
MN151、MN152 NMOSトランジスタ
R151、R152 抵抗
Tr151〜Tr153 バイポーラトランジスタ
230 コモンモード(同相)信号発生回路
COM301〜COM30n 電流可変型の全波整流器
COMVREP 電流可変型のレプリカ全波整流器
SW301〜SW304 スイッチ
MP301〜MP304 PMOSトランジスタ
R401 抵抗可変型のオンチップ抵抗
RVREP 抵抗可変型のレプリカ抵抗
510 判定回路
511 AD変換器
512 DSP
(付記1)1つのチップ上に形成され、入力信号の信号電力レベルを検出するRSSI回路であって、前記入力信号を入力する、直列接続された複数のリミッティングアンプと、前記入力信号もしくは前記複数のリミッティングアンプの増幅した信号に応じて、それぞれの第1の電流を生成する複数の整流器と、前記複数の整流器が生成した第1の電流の総電流である第1の総電流に応じた当該RSSI回路の出力電圧信号を生成する第1の抵抗と、前記複数の整流器の生成する第1の電流の電流量を調整するバイアス電圧信号を出力するバイアス発生回路と、を備え、前記バイアス発生回路は、前記第1の整流器と同様の内部構成を備え、入力する信号に応じてレプリカ電流を生成するレプリカ整流器と、前記レプリカ整流器が生成した前記レプリカ電流に応じたレプリカ電圧を生成するレプリカ抵抗と、基準電圧と前記レプリカ電圧とを比較し、その比較結果に応じた前記バイアス電圧信号を生成する比較回路と、を有するRSSI回路。
(付記2)前記バイアス発生回路が、前記レプリカ電流と前記レプリカ抵抗との積が、前記基準電圧と実質的に等しくなるように、前記バイアス電圧信号を生成する付記1に記載のRSSI回路。
(付記3)前記チップ上において、前記第1の抵抗のレイアウトと、前記レプリカ抵抗のレイアウトが、同じレイアウトの抵抗素子により構成される付記1もしくは付記2に記載のRSSI回路。
(付記4)前記整流器は、前記入力信号もしくはリミッティングアンプの増幅した信号に応じた整流電流を出力する整流部と、前記整流部の出力した整流電流に応じて、出力である第1の電流の電流量が調整される第1の電流源と、を有し、前記レプリカ整流器は、前記整流器の整流部と同一の構成のレプリカ整流部と、前記レプリカ整流部の出力したレプリカ整流電流に応じて、出力であるレプリカ電流の電流量が調整される第2の電流源と、を有する付記1〜付記3のいずれか1項に記載のRSSI回路。
(付記5)前記第1の電流源を構成するトランジスタのゲート幅と、前記第2の電流源を構成するトランジスタのゲート幅が異なる付記4に記載のRSSI回路。
(付記6)制御信号に応じて、前記第1の電流源の電流量を切り替えるとともに、その電流量に応じて前記第2の電流源の電流量を切り替える付記4に記載のRSSI回路。
(付記7)前記第1、第2の電流源は、複数の電流源からなり、前記制御信号に応じて、それら複数の電流源がオン状態となる数が制御されることで出力電流量が切り替えられる付記6に記載のRSSI回路。
(付記8)制御信号に応じて、前記第1の抵抗の抵抗値を切り替えるとともに、その抵抗値に応じて前記レプリカ抵抗の抵抗値を切り替える付記4に記載のRSSI回路。
(付記9)当該RSSI回路の出力電圧信号に応じて、前記制御信号を生成する判定回路を有する付記6〜付記8のいずれか1項に記載のRSSI回路。
(付記10)前記判定回路は、AD変換器と、デジタル信号処理回路とを有し、前記AD変換器は、当該RSSI回路の出力電圧信号に応じたデジタル信号を生成し、前記デジタル信号処理回路が、前記デジタル信号に応じて、現在の設定が当該RSSI回路の検出範囲内であるか否かを判定し、その判定結果に応じて前記制御信号を生成する付記9に記載のRSSI回路。
(付記11)前記レプリカ整流器が入力する信号の信号振幅を調整することで、前記レプリカ整流器が出力する前記レプリカ電流が最大もしくは最小とさせるコモンモード信号発生回路を、更に有する付記1〜付記10のいずれか1項に記載のRSSI回路。
(付記12)前記入力信号及び前記複数のリミッティングアンプの増幅した信号、及び、前記レプリカ整流器が入力する信号は、差動信号であり、前記コモンモード信号発生回路は、前記レプリカ整流器が入力する差動信号を同相とする付記11に記載のRSSI回路。
(付記13)前記コモンモード信号発生回路は、前記リミッティングアンプと同一の構成の第1のリミッティングアンプを有し、前記第1のリミッティングアンプの入出力信号を短絡した回路により、前記同相の信号を生成する付記12に記載のRSSI回路。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つのチップ上に形成され、入力信号の信号電力レベルを検出するRSSI回路であって、
前記入力信号を入力する、直列接続された複数のリミッティングアンプと、
前記入力信号もしくは前記複数のリミッティングアンプの増幅した信号に応じて、それぞれの第1の電流を生成する複数の整流器と、
前記複数の整流器が生成した第1の電流の総電流である第1の総電流に応じた当該RSSI回路の出力電圧信号を生成する第1の抵抗と、
前記複数の整流器の生成する第1の電流の電流量を調整するバイアス電圧信号を出力するバイアス発生回路と、を備え、
前記バイアス発生回路は、
前記第1の整流器と同様の内部構成を備え、入力する信号に応じてレプリカ電流を生成するレプリカ整流器と、
前記レプリカ整流器が生成した前記レプリカ電流に応じたレプリカ電圧を生成するレプリカ抵抗と、
基準電圧と前記レプリカ電圧とを比較し、その比較結果に応じた前記バイアス電圧信号を生成する比較回路と、を有する
RSSI回路。
【請求項2】
前記バイアス発生回路が、前記レプリカ電流と前記レプリカ抵抗との積が、前記基準電圧と実質的に等しくなるように、前記バイアス電圧信号を生成する
請求項1に記載のRSSI回路。
【請求項3】
前記チップ上において、前記第1の抵抗のレイアウトと、前記レプリカ抵抗のレイアウトが、同じレイアウトの抵抗素子により構成される
請求項1もしくは請求項2に記載のRSSI回路。
【請求項4】
前記整流器は、前記入力信号もしくはリミッティングアンプの増幅した信号に応じた整流電流を出力する整流部と、前記整流部の出力した整流電流に応じて、出力である第1の電流の電流量が調整される第1の電流源と、を有し、
前記レプリカ整流器は、前記整流器の整流部と同一の構成のレプリカ整流部と、前記レプリカ整流部の出力したレプリカ整流電流に応じて、出力であるレプリカ電流の電流量が調整される第2の電流源と、を有する
請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のRSSI回路。
【請求項5】
前記第1の電流源を構成するトランジスタのゲート幅と、前記第2の電流源を構成するトランジスタのゲート幅が異なる
請求項4に記載のRSSI回路。
【請求項6】
制御信号に応じて、前記第1の電流源の電流量を切り替えるとともに、その電流量に応じて前記第2の電流源の電流量を切り替える
請求項4に記載のRSSI回路。
【請求項7】
前記第1、第2の電流源は、複数の電流源からなり、
前記制御信号に応じて、それら複数の電流源がオン状態となる数が制御されることで出力電流量が切り替えられる
請求項6に記載のRSSI回路。
【請求項8】
制御信号に応じて、前記第1の抵抗の抵抗値を切り替えるとともに、その抵抗値に応じて前記レプリカ抵抗の抵抗値を切り替える
請求項4に記載のRSSI回路。
【請求項9】
当該RSSI回路の出力電圧信号に応じて、前記制御信号を生成する判定回路を有する
請求項6〜請求項8のいずれか1項に記載のRSSI回路。
【請求項10】
前記レプリカ整流器が入力する信号の信号振幅を調整することで、前記レプリカ整流器が出力する前記レプリカ電流が最大もしくは最小とさせるコモンモード信号発生回路を、更に有する請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載のRSSI回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【公開番号】特開2012−9925(P2012−9925A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−141433(P2010−141433)
【出願日】平成22年6月22日(2010.6.22)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】