説明

TV放送受信機

【課題】地上アナログ放送の停波後は、地上アナログ放送用チューナ部への電源の供給を停止することが可能なTV放送受信機を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、地上アナログ放送用チューナ部(0101)と、地上デジタル放送用チューナ部(0102)と、各チューナ部の選局を受付けるチャンネル選択部(0103)と、地上アナログ放送の停波にともなう地上アナログ放送用チューナの利用終了情報を取得する利用終了情報取得部(0104)と、取得した利用終了情報に応じて地上アナログ放送用チューナ部への電源(0130)の供給を停止する電源制御部(0105)とを有するTV放送受信機(0100)を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地上波アナログ放送の停波に伴い、地上アナログ放送用チューナ部への電源の供給を停止するTV放送受信機に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、2011年の地上波アナログ放送から地上デジタル放送への完全移行に向け、その移行準備が進められている。これに伴い、地上デジタル放送を受信するための地上デジタル放送用チューナを内蔵したAV装置が販売されているが、地上デジタル放送の開始時期は各地域にて異なり、地上アナログ放送と地上デジタル放送の混在する期間が続くことから、多くのAV装置は地上アナログ放送用チューナと地上デジタル放送用チューナの両方を搭載している。
【0003】
しかし、地上デジタル放送が開始され地上デジタル放送が視聴できるようになった後においては、地上アナログ放送用チューナは不必要となる。そこで、特許文献1には、アナログ放送とデジタル放送を選択的に切り換えて出力することのできる放送受信装置が開示されている。これによれば、所定の放送への切り換えを行うことによって無用な受信動作の実行を防止することができる。
【特許文献1】特開2006−86864号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載の放送受信装置は、所定の放送波以外の放送波の受信動作の実行を防止するが、使用しない放送用チューナへの電源供給は行われたままである。そのため、無駄な電力を消費している。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、(1)本発明は、地上アナログ放送用チューナ部と、地上デジタル放送用チューナ部と、各チューナ部の選局を受付けるチャンネル選択部と、地上アナログ放送の停波にともなう地上アナログ放送用チューナの利用終了情報を取得する利用終了情報取得部と、取得した利用終了情報に応じて地上アナログ放送用チューナ部への電源の供給を停止する電源制御部と、を有するTV放送受信機を提供する。また(2)本発明は、取得した利用終了情報に応じてチャンネル選択部における地上アナログ放送用チューナ部の選局の受付けを停止するチャンネル選択部制御部をさらに有するTV放送受信機を提供する。また、(3)本発明は、取得した利用終了情報に応じてチャンネル選択部における地上アナログ放送用チューナ部の選局をその後受付けた場合には地上アナログ放送の停波を示すメッセージを表示する報知部をさらに有するTV放送受信機を提供する。さらに、(4)本発明は、利用終了情報取得部が、地上デジタル放送用チューナ部から取得した信号を復調した後の誤り訂正部のエラー判定により地上デジタル放送の開始を検知することで地上アナログ放送用チューナの利用終了情報とする地上デジタル放送開始検知手段を有するTV放送受信機を提供する。
【0006】
また、(5)本発明は、地上アナログ放送用チューナ部と、地上デジタル放送用チューナ部と、各チューナ部の選局を受付けるチャンネル選択部とを有するTV放送受信機の動作方法であって、地上アナログ放送の停波にともなう地上アナログ放送用チューナの利用終了情報を取得する利用終了情報取得ステップと、取得した利用終了情報に応じて地上アナログ放送用チューナ部への電源の供給を停止する電源制御ステップと、を有するTV放送受信機の動作方法を提供する。また、(6)本発明は、取得した利用終了情報に応じてチャンネル選択部における地上アナログ放送用チューナ部の選局の受付けを停止するチャンネル選択部制御ステップをさらに有するTV放送受信機の動作方法を提供する。また、(7)本発明は、取得した利用終了情報に応じてチャンネル選択部における地上アナログ放送用チューナ部の選局をその後受付けた場合には地上アナログ放送の停波を示すメッセージを表示する報知ステップをさらに有するTV放送受信機の動作方法を提供する。さらに、(8)本発明は、利用終了情報取得ステップが、地上デジタル放送用チューナ部から取得した信号を復調した後の誤り訂正部のエラー判定により地上デジタル放送の開始を検知することで地上アナログ放送用チューナの利用終了情報とする地上デジタル放送開始検知ステップを有するTV放送受信機の動作方法を提供する。
【発明の効果】
【0007】
本発明のTV放送受信機によれば、地上アナログ放送の停波を検知し、地上アナログ放送用チューナ部への電源供給を停止させることができる。これにより、ユーザは煩わしい操作を行うことなく、地上アナログ放送から地上デジタル放送への受信切り換えを行うことができるとともに、地上アナログ放送用の信号処理回路等の使用電力を削減することができる。
【0008】
また、本発明は、地上デジタル放送の開始を検知することにより、地上アナログ放送用チューナ部への電源供給を停止させることができる。これにより、地上アナログ放送の停波時期によらず、地上デジタル放送が開始された段階で地上デジタル放送に移行することができるため、地上アナログ放送用チューナ部の使用電力を削減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下に図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。なお、本発明は、これらの実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施しうる。なお、実施形態1は、主に請求項1、5について説明する。実施形態2は、主に請求項2、6について説明する。実施形態3は、主に請求項3、7について説明する。実施形態4は、主に請求項4、8について説明する。
【0010】
<<実施形態1>>
<実施形態1の概要>
本実施形態は、地上アナログ放送の停波にともない、地上アナログ放送用チューナ部への電源の供給を停止することが可能なTV放送受信機に関する。
【0011】
<実施形態1の構成>
図1は、本実施形態の機能ブロックの一例を示している。本実施形態の「TV放送受信機」(0100)は、「地上アナログ放送用チューナ部」(0101)と、「地上デジタル放送用チューナ部」(0102)と、「チャンネル選択部」(0103)と、「利用終了情報取得部」(0104)と、「電源制御部」(0105)を有する。
【0012】
本発明の「TV放送受信機」(0100)は、「地上アナログ放送用チューナ部」(0101)と、「地上デジタル放送用チューナ部」(0102)とを有する。「地上アナログ放送用チューナ部」(0101)は、地上アナログ放送用チューナ、地上アナログ放送用処理回路などからなり、アンテナ(0110)を介して地上アナログ放送波を受信するように構成されている。また、「地上デジタル放送用チューナ部」(0102)は、地上デジタル放送用チューナ、地上デジタル放送用復調器などからなり、アンテナ(0120)を介して地上デジタル放送波を受信するように構成されている。各チューナ部(0101、0102)は、放送波の種類に応じて独立して使用される構成のみを含み、放送波の種類によらず共通して使用される処理回路等は各チューナ部には含まれないものとする。
【0013】
「チャンネル選択部」(0103)は、各チューナ部(0102、0103)の選局を受付けるように構成されている。「選局を受付ける」とは、ユーザのチャンネル切替ボタンの押圧操作などにより、地上アナログ放送用又は地上デジタル放送用チューナを所望のチャンネルに合わせるためのチャンネル情報を取得することをいう。チャンネル選択部は、受付けたチャンネル情報に基づき、チューナ部に対して選局信号を出力する。
【0014】
図2を用いて、地上デジタル放送におけるチャンネル選択とTV放送出力の流れの一例を簡単に説明する。まず、操作入力部(0207)を介してチャンネル情報が入力されると、CPU、ROM、RAMなどからなる制御部(0206)は、取得したチャンネル情報を復調器(0203)を介してチューナ(0202)に送る。チューナは、チャンネル情報に基づき、アンテナ(0201)で受信した放送信号から選局されたチャネルの放送信号を選択する。選択された放送信号は、復調器にてOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)復調され、さらにTS(Transport Stream)デコーダ(0204)にてMPEG信号とする。そして、MPEGデコーダ(0205)にて映像信号と音声信号に変換されることにより、映像出力、音声出力とすることが可能となる。また、地上アナログ放送におけるチャンネル選択もほぼ同様であり、チャンネル情報に基づき放送信号を受信し、復調器にてアナログ復調することにより、映像信号と音声信号に変換され、映像出力及び音声出力とすることが可能となる。
【0015】
「利用終了情報取得部」(0104)は、地上アナログ放送の停波にともなう地上アナログ放送用チューナの利用終了情報を取得するように構成されている。「地上アナログ放送用チューナの利用終了情報」とは、地上アナログ放送用チューナを利用しない旨の情報であり、利用終了情報は、実際に地上アナログ放送の停波によるものに限られず、地上アナログ放送の停波に関連する事象によるものもであってもよい。地上アナログ放送に関連する事象とは、例えば、地上デジタル放送の開始や、地上アナログ放送を視聴しないようにする設定などが挙げられる。地上アナログ放送により地上アナログ放送の利用終了を判断する場合としては、例えば、地上アナログ放送の完全停波日を地上アナログ放送の停波と判断することができる。この場合には、TV放送受信機の内蔵時計により日時を監視しておき、地上アナログ放送の完全停波日にとなったときに利用終了情報を取得することができる。また、地上アナログ放送の同期信号を検出できるか否かを判断し、同期信号を検出できなかった場合に利用終了情報を取得するようにしてもよい。また、地上デジタル放送により地上アナログ放送の利用終了を判断する場合としては、例えば、地上デジタル放送の同期信号を検出できるか否かにより判断するようにしてもよい。この場合には、地上デジタル放送の同期信号が検出できた場合には、地上アナログ放送の利用終了であると判断し、利用終了情報を取得するようにすることができる。
【0016】
また、利用終了情報取得部は、CPU、ROM、RAMなどから構成することができる。ROMの所定の領域に、上記のような地上アナログ放送の停波に関連する事象と地上アナログ放送用チューナの利用終了情報とを対応付けたテーブルを記憶しておく。そして、地上アナログ放送の停波に関連する事象をRAMに保持したときに、ROMに保持されたテーブルをRAMに読み込む。このとき、例えば、取得した地上アナログ放送の停波に関連する事象に利用終了情報が対応付けられていた場合には「0」のフラグを立て、対応付けられていない場合には「1」のフラグを立て、ROMの所定の領域に格納する。このようにして、利用終了情報取得部は、地上アナログ放送用チューナの利用終了情報を取得することができる。
【0017】
「電源制御部」(0105)は、取得した利用終了情報に応じて地上アナログ放送用チューナ部(0101)への電源(0130)の供給を停止するように構成されている。地上アナログ放送の停波にともない地上アナログ放送用チューナの利用終了情報を取得した場合には、利用終了情報取得部(0104)は取得した利用終了情報を電源制御部に出力する。電源制御部は、利用終了情報を取得し、地上アナログ放送用チューナ部への電源の供給を停止する。これにより、地上アナログ放送用チューナ部の使用電力を削減することができる。さらに、地上アナログ放送用チューナ部自体が起動しないため、待機電力も削減することができる。電源制御部は、CPU、ROM、RAMなどから構成することができる。利用終了情報取得部にて説明した例と同様に、利用終了情報を取得した場合には「0」のフラグがROMの所定の領域に格納されているものとする。このとき、電源制御部のCPUは、ROMの所定の領域を検索し「0」が格納されていた場合には、地上アナログ放送用チューナ部への電源の供給を停止するためのプログラムを起動し、処理を行う。ROMの所定の領域を検索し「1」が格納されていた場合には、地上アナログ放送用チューナ部への電源の供給を継続する。
【0018】
図3を用いて、地上アナログ放送用チューナ部への電源の供給を停止する方法の一例を説明する。図においては、スイッチA(0305)、スイッチB(0306)、制御部(0307)が電源制御部に該当する。地上アナログ放送が停波されていない時は、スイッチA(0305)は図に示すように接続状態となっており、地上アナログ放送用チューナ(0304)に電源(0303)から電力を供給しておく。また、地上デジタル放送用チューナ(0302)へは別途電源(0301)から電力を供給する。操作入力部(0311)を介して入力されたユーザのチャンネル選局に従い、制御部(0307)はスイッチB(0306)を制御し、映像出力部(0309)に接続する放送波を選択することができる。つまり、画面表示重畳部(0308)と地上アナログ放送用チューナ(0304)とを接続することにより地上アナログ放送が視聴可能となり、画面表示重畳部と地上デジタル放送用チューナ(0302)とを接続することにより地上デジタル放送が視聴可能となる。図3は、地上アナログ放送が視聴可能となっている状態を示している。しかし、地上アナログ放送用チューナの利用終了情報を取得した場合には、制御部は地上アナログ放送用チューナへの電力を供給するスイッチAを開くとともに、地上デジタル放送用チューナと画面表示重畳部とを接続するようにスイッチBを制御する。これにより、地上アナログ放送は視聴することができない状態となるとともに、地上アナログ放送に関連する電力を削減することができる。
【0019】
また、電源制御部(0105)は、地上アナログ放送用チューナ部(0101)への電源の供給を停止する前に、ユーザに対し電源(0130)の供給を停止する旨を報知するようにしてもよい。これにより、ユーザは地上アナログ放送が停波されたため、あるいは地上デジタル放送が開始されたため、地上アナログ放送を受信する必要がないことを知ることができる。また、報知後にユーザに地上デジタル放送への移行を行うかの選択を行わせるようにしてもよい。これにより、ユーザは、地上アナログ放送を受信する必要がないことを知った上で、地上アナログ放送用チューナ部への電源の供給を停止することができる。上記報知は、地上アナログ放送用チューナの利用終了情報を取得した場合に、図3の場合であれば、制御部(0307)において取得した報知情報を画面表示重畳部(0308)に出力し、画面表示させることができる。
【0020】
<実施形態1の処理の流れ>
図4は、実施形態1の処理の流れの一例を示した図である。地上アナログ放送が停波されたか否かを検知し(S0401)、地上アナログ放送が停波されたとの検知結果であった場合には(S0401YES)、地上アナログ放送用チューナの利用終了情報を取得する(S0402)。そして、取得した利用終了情報に応じて地上アナログ放送用チューナ部への電源の供給を停止する(S0403)。また、地上アナログ放送が停波されていないとの検知結果であった場合には(S0401NO)、地上アナログ放送の受信動作を継続する(S0404)。
【0021】
図5は、実施形態1の別の処理の流れの一例を示した図である。まず、地上デジタル放送が受信可能か否かを検知し(S0501)、地上デジタル放送が受信可能であった場合には(S0501YES)、地上アナログ放送用チューナの利用終了情報を取得する(S0502)。また、地上デジタル放送が受信できなかった場合には(S0501NO)、地上アナログ放送の受信を継続する(S0506)。次に、ユーザに対し地上デジタル放送の開始を報知し(S0503)、地上デジタル放送へ移行するか否かを選択させる(S0504)。このとき、地上デジタル放送への移行が選択された場合には、取得した利用終了情報に応じて地上アナログ放送用チューナ部への電源の供給を停止する(S0505)。また、地上デジタル放送へ移行しないとの選択が行われた場合には(S0504NO)、地上アナログ放送の受信動作を継続する(S0506)。
【0022】
なお、以上の処理は、計算機に実行させるためのプログラムで実行させることができ、また、このプログラムを計算機によって読み取り可能な記録媒体に記録することができる(本明細書の全体を通して同様である。)。
【0023】
<実施形態1の効果>
本実施形態のTV放送受信機によれば、地上アナログ放送の停波後には地上アナログ放送用チューナへの電源の供給を停止することができる。これにより、利用しない地上アナログ放送用チューナ部の待機電力を削減することができる。また、地上アナログ放送あるいは地上デジタル放送から地上アナログ放送用チューナの利用終了情報を取得するため、ユーザが煩わしい設定を行わなくとも、地上デジタル放送への移行を行うことができる。
【0024】
<<実施形態2>>
<実施形態2の概要>
本実施形態は、地上アナログ放送用チューナの利用終了情報に応じて、地上アナログ放送用チューナ部の選局の受付けを停止することを特徴とするTV放送受信機に関する。
【0025】
<実施形態2の構成>
図6は、本実施形態の機能ブロックの一例を示している。本実施形態の「TV放送受信機」(0600)は、実施形態1を基本とし、「地上アナログ放送用チューナ部」(0601)と、「地上デジタル放送用チューナ部」(0602)と、「チャンネル選択部」(0603)と、「利用終了情報取得部」(0604)と、「電源制御部」(0605)を有し、さらに「チャンネル選択部制御部」(0606)を有する。
【0026】
「チャンネル選択部制御部」(0606)は、取得した利用終了情報に応じて、チャンネル選択部(0603)における地上アナログ放送用チューナ部(0601)の選局の受付けを停止するように構成されている。「取得した利用終了情報」とは、地上アナログ放送用チューナの利用終了情報をいい、利用終了情報取得部(0604)にて取得された情報である。実施形態1にて説明したTV放送受信機は、地上アナログ放送が停波された場合あるいは地上デジタル放送が視聴可能となった場合においては、地上アナログ放送用チューナ部への電力供給は停止される。しかし、その電力供給停止後にチャンネル選択部にて地上アナログ放送の選局を受付けた時には、放送を受信していないためチャンネルを選局しても表示部(図示せず)には何も表示されず、ユーザが戸惑う可能性がある。そのため、チャンネル選択部制御部は、利用終了情報に応じて地上アナログ放送用チューナ部の選局の受付けを停止するように制御する。受付けを停止する方法は、種々の方法を用いることができる。例えば、チャンネル選択部にて受付けたチャンネル情報をチューナ部に出力しないようにしたりすることができる。また、チャンネル選択のための画面表示を行う場合に、地上アナログ放送のチャンネルは選択できないように制御したり、地上アナログ放送のチャンネルを表示しないようにしてもよい。これにより、地上アナログ放送用チューナ部への選局自体が受付けられないため、受信していないチャンネルが選局されることがなく、表示部に何も表示されずユーザが戸惑うことがない。さらに、地上アナログ放送が選局された場合には、その度に画面表示や音により報知を行うようにしてもよい。これにより、さらにユーザの戸惑いをなくすことができる。チャンネル選択部制御部は、CPU、ROM、RAMなどから構成することができ、チャンネル選択部にて受付けられたチャンネル情報が地上アナログ放送の選局か否かを判断する。そして、受付けたチャンネル情報が地上アナログ放送の選局であった場合には、受付けたチャンネル情報を地上アナログ放送用チューナ部に出力しないように制御する。
【0027】
<実施形態2の処理の流れ>
図7は、実施形態2の処理の流れの一例を示した図である。まず、地上アナログ放送が停波されたか否かを検知(S0701)し、地上アナログ放送が停波されたとの検知結果であった場合には(S0701YES)、地上アナログ放送用チューナの利用終了情報を取得する(S0702)。次に、取得した利用終了情報に応じて地上アナログ放送用チューナ部への電源の供給を停止するとともに(S0703)、地上アナログ放送用チューナ部の選局の受付けを停止する(S0705)。なお、S0703とS0705の順序は逆であってもよい。また、地上アナログ放送が停波していないと判断した場合には(S0701NO)、地上アナログ放送の受信動作を継続する(S0704)。
【0028】
<実施形態2の効果>
本実施形態のTV放送受信機によれば、地上アナログ放送の停波後には地上アナログ放送用チューナ部への電源の供給を停止するとともに、地上アナログ放送用チューナ部への選局を停止することができる。これにより、利用しない地上アナログ放送用チューナ部の待機電力を削減することができるとともに、受信していない地上アナログ放送のチャンネルが選局されることがないため、表示部に何も表示されずユーザが戸惑うということがない。
【0029】
<<実施形態3>>
<実施形態3の概要>
本実施形態は、地上アナログ放送用チューナの利用終了情報に応じて、地上アナログ放送の停波を示すメッセージを表示することを特徴とするTV放送受信機に関する。
【0030】
<実施形態3の構成>
図8は、本実施形態の機能ブロックの一例を示している。本実施形態の「TV放送受信機」(0800)は、実施形態1を基本とし、「地上アナログ放送用チューナ部」(0801)と、「地上デジタル放送用チューナ部」(0802)と、「チャンネル選択部」(0803)と、「利用終了情報取得部」(0804)と、「電源制御部」(0805)を有し、さらに「報知部」(0806)を有する。図8は、実施形態1を基本としているが、実施形態2を基本とするものであってもよい。
【0031】
「報知部」(0806)は、取得した利用終了情報に応じて、チャンネル選択部(0803)における地上アナログ放送用チューナ部(0801)の選局をその後受付けた場合には、地上アナログ放送の停波を示すメッセージを表示するように構成されている。「その後」とは、利用終了情報の取得後をいい、利用終了情報に応じて地上アナログ放送用チューナ部への電力の供給が停止された後をいう。すなわち、地上アナログ放送用チューナ部への電力の供給が停止された後に地上アナログ放送用チューナ部の選局を受付けた場合には、報知部は地上アナログ放送の停波を示すメッセージの表示を行う。表示するメッセージは、地上アナログ放送の停波を示すものであれば特に限定されず、例えば、「地上アナログ放送は終了しています」、「地上デジタル放送に切り替えました」、「地上アナログ放送は選局できません」などのメッセージが挙げられる。このように地上アナログ放送の停波を示すメッセージを表示することにより、ユーザは地上アナログ放送が表示されないことを容易に把握することができる。また、メッセージとともに報知音を出力してもよい。これにより、視覚に加え聴覚によっても地上アナログ放送の停波を知ることができる。
【0032】
報知部は、CPU、ROM、RAMなどから構成することができる。実施形態1の利用終了情報取得部にて説明した例と同様に、利用終了情報取得部が利用終了情報を取得した場合には「0」のフラグを立てているものとする。このとき、報知部のCPUは、ROMの所定の領域を検索し「0」が格納されていた場合には、ROMの所定の領域に格納された地上アナログ放送の停波を示すメッセージを表示するための情報をRAMに読み出す。これを実行することにより、地上アナログ放送の停波を示すメッセージを表示することができる。
【0033】
<実施形態3の処理の流れ>
図9に本実施形態の処理の流れの一例を示している。まず、地上アナログ放送が停波されたか否かを検知(S0901)し、地上アナログ放送が停波されたとの検知結果であった場合には(S0901YES)、地上アナログ放送用チューナの利用終了情報を取得する(S0902)。そして、取得した利用終了情報に応じて、地上アナログ放送用チューナ部への電源の供給を停止する(S0903)。その後、チャンネル選択部における地上アナログ放送用チューナ部の選局を受付ける(S0905)。このとき、選局が地上アナログ放送用チューナ部の選局である場合には(S0906YES)、地上アナログ放送の停波を示すメッセージを表示する(S0907)。また、選局が地上デジタル放送用チューナ部への選局であった場合には(S0906NO)、選局された地上デジタル放送を受信する。なお、地上アナログ放送が停波されていないとの判断した場合には(S0901NO)、地上アナログ放送の受信動作を継続する(S0904)。
【0034】
<実施形態3の効果>
本実施形態のTV放送受信機によれば、地上アナログ放送の停波後には地上アナログ放送用チューナ部への電源の供給を停止するとともに、その後地上アナログ放送用チューナ部への選局を受付けた場合に、地上アナログ放送の停波を示すメッセージを表示することができる。これにより、利用しない地上アナログ放送用チューナ部の待機電力を削減することができるとともに、表示されるメッセージによりユーザは地上アナログ放送が停波したことを容易に把握することができる。
【0035】
<<実施形態4>>
<実施形態4の概要>
本実施形態は、地上アナログ放送用チューナの利用終了情報を、地上デジタル放送の開始により取得するTV放送受信機に関する。また、本実施形態のTV放送受信機は、地上デジタル放送の開始の検知が、誤り訂正部のエラー判定により行う点を特徴とする。
【0036】
<実施形態4の構成>
図10は、本実施形態の機能ブロックの一例を示している。本実施形態の「TV放送受信機」(1000)は、実施形態1を基本とし、「地上アナログ放送用チューナ部」(1001)と、「地上デジタル放送用チューナ部」(1002)と、「チャンネル選択部」(1003)と、「利用終了情報取得部」(1004)と、「電源制御部」(1005)を有し、さらに利用終了情報取得部が「地上デジタル放送開始検知手段」(1006)を有することを特徴とする。図10は、実施形態1を基本としているが、実施形態2又は3を基本とするものであってもよい。
【0037】
「地上デジタル放送開始検知手段」(1006)は、利用終了情報取得部(1004)の有する手段であり、地上デジタル放送用チューナ部(1002)から取得した信号を復調した後の誤り訂正部のエラー判定により地上デジタル放送の開始を検知することで地上アナログ放送用チューナの利用終了情報とするように構成されている。地上デジタル放送は、地上デジタル放送用チューナにて受信した放送信号を復調した後、誤り訂正部にてエラー判定を行う。誤り訂正が行えずエラーを検出した場合には、地上デジタル放送が受信できていないため、地上デジタル放送はまだ開始されていないと判断することができる。そのため、地上デジタル放送開始検知手段は、地上アナログ放送用チューナの利用終了とは判断しない。しかし、誤り訂正部にてエラーが検出されない、あるいは所定のエラー訂正回数以下で地上デジタル放送信号を正常に復調することができた場合には、地上デジタル放送が開始されていると判断することができる。そのため、地上デジタル放送開始検知手段は、地上アナログ放送用チューナの利用停止と判断し、利用終了情報とすることができる。
【0038】
<実施形態4の処理の流れ>
図11に本実施形態の処理の流れの一例を示している。まず、地上デジタル放送を受信し(S1101)、誤り訂正を行う(S1102)。このとき、所定のエラー訂正回数以下にて誤り訂正を行うことができた場合には(S1103YES)、地上アナログ放送用チューナの利用終了情報を取得する(S1104)。そして、取得した利用終了情報に応じて地上アナログ放送用チューナ部への電源の供給を停止する(S1105)。また、所定のエラー訂正回数以下にてエラー訂正を行えなかった場合には(S1103NO)、地上アナログ放送の受信動作を継続する。
【0039】
<実施形態4の効果>
本実施形態のTV放送受信機によれば、地上アナログ放送の停波を地上デジタル放送の誤り訂正部のエラー判定により検知することができる。これにより、地上アナログ放送の停波時期によらず、地上デジタル放送が開始された段階で地上デジタル放送に移行することができるため、地上アナログ放送用チューナ部の使用電力を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】実施形態1を説明する機能ブロック図
【図2】放送のチャンネル選局方法を説明する図
【図3】電源の制御方法の一例を説明する図
【図4】実施形態1の処理の流れの一例を示す図
【図5】実施形態1の別の処理の流れの一例を示す図
【図6】実施形態2を説明する機能ブロック図
【図7】実施形態2の処理の流れの一例を示す図
【図8】実施形態3を説明する機能ブロック図
【図9】実施形態3の処理の流れの一例を示す図
【図10】実施形態4を説明する機能ブロック図
【図11】実施形態4の処理の流れの一例を示す図
【符号の説明】
【0041】
0100 TV放送受信機
0101 地上アナログ放送用チューナ部
0102 地上デジタル放送用チューナ部
0103 チャンネル選択部
0104 利用終了情報取得部
0105 電源制御部
0110 地上アナログ放送用アンテナ
0120 地上デジタル放送用アンテナ
0130 電源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地上アナログ放送用チューナ部と、
地上デジタル放送用チューナ部と、
各チューナ部の選局を受付けるチャンネル選択部と、
地上アナログ放送の停波にともなう地上アナログ放送用チューナの利用終了情報を取得する利用終了情報取得部と、
取得した利用終了情報に応じて地上アナログ放送用チューナ部への電源の供給を停止する電源制御部と、
を有するTV放送受信機。
【請求項2】
取得した利用終了情報に応じてチャンネル選択部における地上アナログ放送用チューナ部の選局の受付けを停止するチャンネル選択部制御部をさらに有する請求項1に記載のTV放送受信機。
【請求項3】
取得した利用終了情報に応じてチャンネル選択部における地上アナログ放送用チューナ部の選局をその後受付けた場合には地上アナログ放送の停波を示すメッセージを表示する報知部をさらに有する請求項1又は2に記載のTV放送受信機。
【請求項4】
利用終了情報取得部は、地上デジタル放送用チューナ部から取得した信号を復調した後の誤り訂正部のエラー判定により地上デジタル放送の開始を検知することで地上アナログ放送用チューナの利用終了情報とする地上デジタル放送開始検知手段を有する請求項1から3のいずれか一に記載のTV放送受信機。
【請求項5】
地上アナログ放送用チューナ部と、地上デジタル放送用チューナ部と、各チューナ部の選局を受付けるチャンネル選択部とを有するTV放送受信機の動作方法であって、
地上アナログ放送の停波にともなう地上アナログ放送用チューナの利用終了情報を取得する利用終了情報取得ステップと、
取得した利用終了情報に応じて地上アナログ放送用チューナ部への電源の供給を停止する電源制御ステップと、
を有するTV放送受信機の動作方法。
【請求項6】
取得した利用終了情報に応じてチャンネル選択部における地上アナログ放送用チューナ部の選局の受付けを停止するチャンネル選択部制御ステップをさらに有する請求項5に記載のTV放送受信機の動作方法。
【請求項7】
取得した利用終了情報に応じてチャンネル選択部における地上アナログ放送用チューナ部の選局をその後受付けた場合には地上アナログ放送の停波を示すメッセージを表示する報知ステップをさらに有する請求項5又は6に記載のTV放送受信機の動作方法。
【請求項8】
利用終了情報取得ステップは、地上デジタル放送用チューナ部から取得した信号を復調した後の誤り訂正部のエラー判定により地上デジタル放送の開始を検知することで地上アナログ放送用チューナの利用終了情報とする地上デジタル放送開始検知ステップを有する請求項5から7のいずれか一に記載のTV放送受信機の動作方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−118193(P2008−118193A)
【公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−296962(P2006−296962)
【出願日】平成18年10月31日(2006.10.31)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】