説明

アライメント方法及び凹凸パターン形成方法

【課題】樹脂スタンパの変形が生じた場合であっても、樹脂スタンパと基板との位置合わせを精確に行うことができるアライメント方法を提供すること。
【解決手段】一方の表面に微細な凹凸パターンが形成された樹脂スタンパ16の該微細な凹凸パターンを基板18上に形成された光硬化性樹脂層20に転写する際に、前記樹脂スタンパ16と前記基板18とを位置合わせするアライメント方法であって、以下の工程:前記基板18に対向するように配置されたステージ12に、前記凹凸パターン形成面16aとは反対側の面が接するように前記樹脂スタンパ16を載置し、該樹脂スタンパ16を前記反対側の面側から固定する固定工程;前記樹脂スタンパ16の変形部位を検出する検出工程;及び前記変形部位の検出結果に基づいて、前記固定した状態で前記樹脂スタンパ16をその平面方向に伸縮する伸縮工程;を含むことを特徴とするアライメント方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂スタンパの微細な凹凸パターンを基板上に転写する際の樹脂スタンパと基板とのアライメント方法及びこの方法を用いた凹凸パターン形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体デバイス、ディスプレイ、電子ペーパー、記録メディア、バイオチップ、光デバイスなどの製造工程における微細な凹凸パターンを形成するための技術として、インプリント技術が知られている。インプリント技術は、従来のプレス技術と比較して、より微小な構造を実現するための微細加工の技術である。この技術自体には解像度に限界がなく、解像度はスタンパ(即ち金型)の作製精度によって決定される。したがって、高い精度のスタンパさえ作製できれば、従来のフォトリソグラフィーより容易に且つはるかに安価な装置を用いて、極微細構造を形成することが可能である。
【0003】
インプリント技術には転写される材料により2種類に大別される。一方は、転写される材料を加熱し、スタンパ(金型)により塑性変形させた後、冷却して凹凸パターンを形成する熱インプリント技術である。もう一方は、基板上に室温で液状の光硬化性樹脂を塗布した後、光透過性のスタンパを樹脂に押し当て、光を照射させることで基板上の樹脂を硬化させ凹凸パターンを形成する光インプリント技術である。
【0004】
インプリント技術では、パターン成形を安価に行うことができるが、マザースタンパである金型に樹脂が付着し易く、樹脂が付着した場合、そのスタンパを補修することは極めて困難である。金型が非常に高価なため、製造全体として安価とは言えない場合が多い。
【0005】
その理由から、2工程によるインプリント法が用いられている(特許文献1)。このインプリント法は、図11(a)に示すように、第1工程でマザースタンパ(金型)80の凹凸パターンが形成された表面に、加熱した熱可塑性樹脂フィルム82を押圧した後、冷却して硬化させ、マザースタンパ80の反転凹凸パターンが形成された樹脂スタンパ82aを得、次に、図11(b)に示すように、第2工程でこの樹脂スタンパ82aを、基板84上に塗布された光硬化性樹脂86に押圧して紫外線等により硬化させ、基板84上に凹凸パターン86aを得るというものである。
【0006】
即ち、2工程によるインプリント法では、第1工程において熱インプリント法により樹脂スタンパ(中間スタンパ、IPSとも呼ばれる。)を作製し、第2工程においてこの樹脂スタンパを用いる光インプリント法により基板上に所定の凹凸パターンが形成される。
【0007】
この方法によれば、製品が樹脂スタンパを用いて形成されるため、マザースタンパに深刻な損傷が発生することを防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2007−165812号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記第1工程で作製された樹脂スタンパは、熱インプリントでの熱の影響により所望とする寸法や形状に対して伸縮が生じる場合がある。特に、図12に示すように、転写前(a)の樹脂フィルム82と比較して、転写後(b)の樹脂スタンパ82aは、その各辺の中央部付近では収縮量が大きく、頂点付近では収縮量が小さいことが多い。また、樹脂スタンパ作製後においても周囲の環境変化、特に周囲温度が数℃変化した場合であっても、形状変化が発生する場合がある。
【0010】
そして、第2工程においては、樹脂スタンパの微細凹凸パターンが基板の所望とする位置に転写されるように、転写前に樹脂スタンパと基板とのアライメント(位置合わせ)が行われる。アライメントは一般に、樹脂スタンパと基板の双方に予め付された複数のアライメントマークをその上方から観察し、双方のアライメントマークが一致するように、樹脂スタンパ及び基板の少なくとも一方をX軸、Y軸、Z軸、θ軸等に移動させることにより行われる。
【0011】
しかしながら、樹脂スタンパの形状が変化すると、いずれの方向に移動させても双方のアライメントマークの位置が一致しなくなり、基板上の所望とする位置に凹凸パターンを転写することができなくなるという問題が生じる。この問題は、特に、比較的大きなサイズのスタンパ及び基板を使用するインプリントを行う場合に影響を受けやすい。
【0012】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、樹脂スタンパに変形が生じた場合であっても、樹脂スタンパと基板との位置合わせを精確に行うことができるアライメント方法を提供することにある。
【0013】
また、本発明の目的は、このアライメント方法を用いた凹凸パターン形成方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
形状変化した樹脂スタンパと基板とのアライメント精度を向上させるためには、例えば収縮した樹脂スタンパの端部の多点をクランプ等を用いて上下から挟持し、外方に向かって伸長した後にアライメントを行う方法が考えられる。しかしながら、多点を挟持して伸長を行うと、樹脂スタンパの凹凸パターン形成面の平面性を維持しつつすることが難しくなり、精確な転写を行うことが困難となる恐れがある。
【0015】
そこで本発明者らが更に検討した結果、上記目的は、一方の表面に微細な凹凸パターンが形成された樹脂スタンパの該微細な凹凸パターンを基板上に形成された光硬化性樹脂層に転写する際に、前記樹脂スタンパと前記基板とを位置合わせするアライメント方法であって、以下の工程:
前記基板に対向するように配置されたステージに、前記凹凸パターン形成面とは反対側の面が接するように前記樹脂スタンパを載置し、該樹脂スタンパを前記反対側の面側から固定する固定工程;前記樹脂スタンパの変形部位を検出する検出工程;及び前記変形部位の検出結果に基づいて、前記固定した状態で前記樹脂スタンパをその平面方向に伸縮する伸縮工程;を含むことを特徴とするアライメント方法により達成されることが明らかとなった。
【0016】
樹脂スタンパをその裏面(パターン形成面とは反対側の面)から固定し伸縮させることで、樹脂スタンパの平面性を維持しつつその形状を調整することができる。そして、樹脂スタンパの形状を調整した状態で基板との位置合わせを行うことにより、アライメント精度を向上させること可能となる。
【0017】
本発明の好ましい態様は以下の通りである。
(1)前記固定は、前記樹脂スタンパを載置した場合に前記樹脂スタンパの反対側の面と接する固定部を有する固定機構により行われ、前記樹脂スタンパの伸縮は、前記固定した状態で前記固定部を移動させることにより行う。樹脂スタンパと直接接する固定部を移動させることにより効率的に樹脂スタンパの伸縮を行うことができる。
(2)前記固定機構は、前記樹脂スタンパの反対側の面を吸引することにより固定する吸引機構である。吸引によれば、樹脂スタンパを強固に固定することができ、その後の伸縮を的確に行うことができる。
(3)前記樹脂スタンパの平面形状は多角形であり、前記伸縮工程において、前記樹脂スタンパの各辺の中央乃至その近傍を伸縮する。平面形状が多角形の樹脂スタンパの場合は、その辺の中央部の変形量が大きいため、この部分を伸縮することにより実情に適した形状調整を行うことができる。
(4)前記ステージは複数に分割され、該分割されてなる複数の分割載置部のうち少なくとも一部が前記固定機構を有する。これにより、樹脂スタンパの伸縮をその平面性を確実に維持しつつ行うことができる。
(5)前記固定機構は吸引管を有し、前記樹脂スタンパを載置した状態で、前記吸引管の端面が前記樹脂スタンパの反対側の面と接触対向している。これにより、樹脂スタンパの伸縮をその平面性を確実に維持しつつ行うことができる。
(6)前記樹脂スタンパの変形部位の検出は、前記樹脂スタンパに対向するように配置された変形測定器で前記樹脂スタンパを測定することにより行う。樹脂スタンパを測定し、設計データ等の基準値と比較することにより的確且つ精確に変形部位を検出することができる。
(7)前記樹脂スタンパと前記基板の双方に設けられたアライメントマークを重ね合わせる工程を更に含む。これにより、効率的且つ精確なアライメントを行うことができる。
【0018】
また、上記目的は、一方の表面に微細な凹凸パターンが形成された樹脂スタンパの該微細な凹凸パターンを、基板上に形成された光硬化性樹脂層に転写することにより前記基板上に微細な凹凸パターンを形成する方法であって、前記樹脂スタンパと前記基板とのアライメントを、上記アライメント方法により行うことを特徴とする凹凸パターンの形成方法により達成される。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係るアライメント方法によれば、樹脂スタンパを作製する際の形状変化や周囲の温度変化による樹脂スタンパの形状変化があっても、その樹脂スタンパを裏面側から固定して伸縮させることによって、平面性を維持しつつ形状を調整することができる。樹脂スタンパの形状を調整した状態で基板との位置合わせを行うことで、基板とのアライメント精度を向上させることが可能となり、基板上の所望とする位置に微細な凹凸パターンを精確に形成することができる。本発明は、特に、比較的大きなサイズのスタンパ及び基板を使用するインプリントを行う場合に有効である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】インプリント装置の一例を示す概略断面図である。
【図2】ステージの一例を示す概略断面図(a)、樹脂スタンパを載置した状態の概略斜視図(b)である。
【図3】分割載置部を移動させた状態の概略平面図(a)、樹脂スタンパの形状を調整している状態を示す概略斜視図(b)である。
【図4】固定機構の一例を示す分割載置部の概略断面図である。
【図5】載置台の分割形態の他の例を示す概略平面図である。
【図6】ステージの他の例を示す概略断面図(a)、樹脂スタンパを載置した状態の概略斜視図(b)である。
【図7】吸引機構の詳細を示す概略断面図である。
【図8】吸引機構による樹脂スタンパの形状調整を説明する詳細断面図である。
【図9】吸引機構の配置位置を示す平面図である。
【図10】吸引機構の配置形態の他の例を示す概略平面図である。
【図11】2工程によるインプリント法を説明する概略断面図である。
【図12】樹脂スタンパの収縮特性を示す概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明に係るアライメント方法を図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明に係るアライメント方法に好適に使用することができるインプリント装置の一例を示す概略断面図である。
【0022】
このインプリント装置は、樹脂スタンパ16を保持するステージ12と、基板18を着脱可能に保持する基板保持体14を有している。基板保持体14は、樹脂スタンパ16に基板18が対向するように配置されている。基板18はその表面に光硬化性樹脂層20を有しており、その光硬化性樹脂層20を、樹脂スタンパ16の微細な凹凸パターンを有する面16aに押圧した後、光源24から光(特に紫外線)を照射することにより光硬化性樹脂を硬化させ、次いで離型することにより基板18上に所望とする微細な凹凸パターンが形成される。基板保持体14は光源から光を透過する部材(透明プラスチック等)から構成されている。
【0023】
押圧する前には、所望とする位置に微細な凹凸パターンを形成するため、樹脂スタンパ16と基板18の相対的な位置を合わせるアライメントを行う。アライメントは一般に、樹脂スタンパ16と基板18の任意の箇所に2つ以上のアライメントマーク(図示せず)を予め付しておき、CCDカメラ等の測定器22を用いてアライメントマークを観察し、双方のアライメントマークの位置が合うように基板18と樹脂スタンパ16の位置を調整することにより行う。ステージ12と基板保持体14のうち少なくとも一方は、X軸、Y軸、Z軸、θ軸等種々の方向に移動可能に構成されており、各方向に移動させることにより双方のアライメントマークを一致させる。
【0024】
本発明において特徴的なことは、ステージ12で樹脂スタンパ16をその裏面(凹凸パターン形成面16aとは反対側の面)側から固定し、更に、その形状が変化した部位を測定器22等で検出した後、その検出結果に基づいて、固定状態で樹脂スタンパ16をその平面方向に伸縮させることである。上述したように、樹脂スタンパが形状変化した場合、予め付しておいた樹脂スタンパと基板の複数のアライメントマークが同時に重なり合わない場合がある。このように、アライメントの際に樹脂スタンパの形状を調整することにより双方のアライメントマークを一致させることができ、基板上の所望とする位置に精確な転写を行うことができる。また、樹脂スタンパはその裏面側から固定及び伸縮させるので、その歪みを防止して平面性を維持しつつ形状を調整することが可能である。
【0025】
樹脂スタンパの伸縮は、まず、樹脂スタンパの形状変化の程度をCCDカメラ等の変形測定器22で測定し、得られた測定データと樹脂スタンパの設計データ等の基準値とを比較して、変形部位の検出を行った後、検出された変形部位とその変形量に応じて、樹脂スタンパの伸縮が必要な箇所を伸縮させることにより行う。
【0026】
樹脂スタンパの変形測定箇所は樹脂スタンパのどの箇所でもよい。一般に、樹脂スタンパの形状変化は、中心部に比べ周縁部の方が大きいことから、周縁部を測定することが好ましい。これにより、変形部位及び変形量の検出をより正確に行うことができる。
【0027】
別の方法として、樹脂スタンパとなる樹脂フィルムに格子状等の観察用パターンを予め付しておき、その観察用パターンを、樹脂スタンパの作成前と比較することにより行うこともできる。
【0028】
樹脂スタンパを裏面側から固定して伸縮させるステージ12としては、以下に例示するステージを用いることができる。
【0029】
図2(a)は、ステージの一例を示す概略斜視図であり、(b)はこのステージに樹脂スタンパを載置した状態の概略斜視図である。このステージ40は、樹脂スタンパ16が載置される載置面42aがその縦方向及び横方向にそれぞれ3分割されて形成された合計9個の分割載置部42−1〜42−9から構成された載置台42を有している。
【0030】
9個の分割載置部42−1〜42−9はそれぞれ平面形状が矩形状であり、後述する移動機構により移動していない集合状態では、全体として平面形状が矩形状の載置台42が構成されている。樹脂スタンパ16は微細な凹凸パターン(図示せず)が形成されている面とは反対側の面(以下、裏面とも称する。)が載置台42の載置面42aに接するように載置される。
【0031】
これら9個の分割載置部のうち42−2、42−4、42−6及び42−8は、その表面に載置される樹脂スタンパ16をその裏面側から固定可能な固定機構を有している。そして、図3の概略平面図(a)及び樹脂スタンパを載置した状態の概略斜視図(b)に示すように、42−4及び42−6は、矢印100で示す横方向に、42−2及び42−8は、矢印200で示す縦方向にそれぞれ独立して移動する移動機構(図示せず)を有している。固定機構で樹脂スタンパを固定した状態で、移動機構により分割載置部42−2、42−4、42−6、42−8が移動することで樹脂スタンパ16がその移動方向に伸長する。
【0032】
これらの移動機構を有する分割載置部42−4、42−6、42−2及び42−8は、矩形状の樹脂スタンパ16を載置面42aに載置したときの、樹脂スタンパ16の各辺の中央に位置する分割載置部である。
【0033】
上述したように、熱インプリント法による収縮特性により、樹脂スタンパは各辺の中央付近が頂点付近に比べて収縮変形する割合が大きい。そのため、中央付近に対応する上記分割載置部を上記方向に移動可能とする構成とすることにより、樹脂スタンパの収縮特性の実情に適したステージとなる。なお、上記縦方向及び横方向は、平面多角形状の樹脂スタンパを載置台に載置した場合に、移動機構を有する分割載置部に接するか又は直近に位置する、樹脂スタンパの辺に直交する方向に相当する。
【0034】
樹脂スタンパを裏面側から固定する固定機構としては、例えば、樹脂スタンパを吸引して固定する吸引機構や、静電気により樹脂スタンパを吸着固定する静電吸着機構等が挙げられる。
【0035】
吸引機構としては、各分割載置部の上面をセラミックス等の多孔質部材によって形成し、その多孔質部材を介して下側から吸引する方法が挙げられる。この方法は、例えば、図4の分割載置部の一つを示す概略断面図のように、樹脂スタンパと接することとなる固定部としての多孔質部材48と、その下に設けられた中空部50を有し、その中空部50に吸引管52が接続された構成を採用することができる。吸引管52から多孔質部48を介して、載置面42aに載置されることとなる樹脂スタンパの裏面側を吸引することにより、樹脂スタンパが吸引固定される。また、静電吸着機構は、静電チャックを利用した固定機構等を用いることができる。例えば、静電チャックを載置台42の各分割載置部の表面に設けた構成が挙げられる。
【0036】
分割載置部42−2、42−4、42−6及び42−8の移動機構としては、例えば、各分割載置部にアクチュエータ等の駆動機構を設けて、それぞれの方向に移動させる機構が挙げられる。移動機構による分割載置部の移動長さは、樹脂スタンパ16の辺の長さに対して少なくとも0.5%あればよい。したがって、樹脂スタンパの弾性変形領域内の範囲で十分に形状を調整することが可能である。
【0037】
上記アライメント時において、変形部位の検出を行った後、その変形量に応じて、分割載置部42−2、42−4、42−6及び42−8のうち、樹脂スタンパの伸縮が必要な箇所に対応する分割載置部を移動させることにより樹脂スタンパを伸縮させる。
【0038】
ステージ40の載置台42の分割形態は上述した例に限られず、例えば、図5(a)〜(d)に示すような分割形態でもよい。
【0039】
図5(a)は、上述した例の9個の分割載置部のうち、移動可能な4つの分割載置部42−2、42−4、42−6、42−8が更に分割され、それぞれ更に3つの小分割載置部がそれぞれ独立して移動可能となるように構成されている。これにより、樹脂スタンパのそれぞれの部位における伸縮量に応じて、適宜必要な小分割載置部を必要長さ移動させることにより、より緻密に樹脂スタンパの形状の調整を行うことが可能となる。
【0040】
図5(b)は、平面形状が矩形状のステージであり、中心から放射状に分割された8個の分割載置部から構成されている。各分割載置部全てが中心から放射方向に移動するように構成されている。
【0041】
図5(c)は、ステージの中央に大きな分割載置部を一つ有し、その大きな分割載置部の外周を囲むように複数の小分割載置部が設けられている。すなわち、載置台42の周縁部の領域がそれぞれ分割されて小分割載置部が形成されている。複数の小分割載置部は、載置面の平面方向に移動可能なように構成され、これらのうち必要な分割載置部を適宜移動させることで樹脂スタンパの形状が調整される。
【0042】
図5(d)は、全体の平面形状が円状のステージであり、その円のうち外側の領域は中心から放射状に分割された複数の分割載置部により構成されている。各分割載置部はそれぞれ個別に移動可能に構成され、伸縮が必要となる箇所に対応する分割載置部のみを中心から放射方向に移動させることにより樹脂スタンパの形状の調整が行われる。
【0043】
以上説明したステージの例は、樹脂スタンパ及び載置台は、平面形状が矩形状又は円状のものを例として説明したが、これに限られず、楕円状、ひし形状、多角形状等あらゆる形状をとることもできる。また、載置台は、例えば平面矩形状の載置台の場合には、縦方向及び横方向にそれぞれ3〜10分割程度分割されて分割載置部が形成されていることが好ましい。上記例示した各ステージでは、固定機構及び移動機構を有する分割載置部が、樹脂スタンパを載置した場合にその周縁部に対応する位置に配置されている。これにより、中心付近より変形量の多い周縁部を伸縮できるので効率的な形状調整を行うことができる。
【0044】
図6は、図1に示すステージの他の例を示す概略平面図(a)、及び樹脂スタンパを載置した状態の概略斜視図(b)である。このステージ60は、平板矩形状の載置台62を有しており、その載置台62の表面(載置面)62aに樹脂スタンパ16が載置される。樹脂スタンパ16は微細な凹凸パターン(図示せず)が形成されている面とは反対側の面(裏面)が載置面62aに接するように載置台62に載置され、その載置台62には複数の吸引機構64−1〜64−4が、それぞれ各辺の中央近傍に3箇所ずつ設けられている。
【0045】
複数の吸引機構64−1〜64−4はそれぞれ、載置台62に形成された空洞状の格納部68内に設けられており、そのうち、64−2及び64−3は横方向(矢印100方向)に、64−1及び64−4は縦方向(矢印200方向)に、移動機構(図示せず)によってそれぞれ独立して移動可能とされている。
【0046】
吸引機構64−1〜64−4により樹脂スタンパ16の裏面側を吸引することにより樹脂スタンパ16を固定すると共に、それぞれの方向に移動させることで樹脂スタンパ16が吸引機構64−1〜64−4の各移動方向に伸長し、その形状が調整される。
【0047】
これら移動機構64−1〜64−4は、樹脂スタンパ16の各辺の中央乃至その近傍でその辺より内側の部分に対向する位置に設けられている。上述したように、熱インプリント法により製造された樹脂スタンパは、その各辺の中央部付近が中心方向に収縮する場合が多い。そのため、その箇所に対応する載置台62の箇所に吸引機構を設けることで、樹脂スタンパの収縮特性に適したステージとなる。上記中央乃至その近傍の辺方向の長さは、具体的には、樹脂スタンパの各辺の長さの20〜80%、好ましくは30〜70%であることが好ましい。
【0048】
図7は、吸引機構64の詳細を示す概略断面図である。図示のように、載置台62には、吸引機構64を格納するための、断面形状がクランク状の空洞である格納部68が形成されており、その格納部68内に吸引機構64の一部が設置されている。吸引機構64は、吸引管64bと、吸引管64bに接続される吸引ポンプ(図示せず)とを有しており、吸引管64bは格納部68の形状に対応するようにクランク状とされている。
【0049】
吸引ポンプを稼働させることで吸引孔65から樹脂スタンパが吸引されるとともに載置台62に固定される。吸引管64bの端面64aは、載置台62の載置面62aと略同一高さとなるように設定され、樹脂スタンパの載置時に吸引管64bの端面64aと樹脂スタンパの裏面が接触対向する。これにより、樹脂スタンパを伸縮する際に、その平面性を確実に維持することができる。
【0050】
上述したように、本例のステージ60は、固定部としての吸引管64bを載置面62aの平面方向(矢印方向)に移動可能とする移動機構(図示せず)が備えられている。移動機構としては、例えば、アクチュエータ等の駆動機構を吸引管64bに接続した構成等が挙げられる。
【0051】
移動機構による吸引管64bの移動可能長さは、樹脂スタンパの大きさや樹脂スタンパに形成されている凹凸パターンの微細さに依存する。例えば、マイクロメートルオーダーの微細凹凸パターンの場合には、樹脂スタンパの辺の長さに対して、少なくとも0.5%程度あればよい。具体的には、各辺が200mmの樹脂スタンパの場合には、例えば1mm以上の長さ移動可能であればよい。したがって、格納部68は、吸引管64bがその長さ分移動できるように形成されている必要がある。
【0052】
また、樹脂スタンパ16に接する吸引管64bの端面64aはゴム等の弾性部材で形成されているか、あるいは弾性部材で覆われていてもよい。これにより、吸引時の吸引力を緩衝させ、樹脂スタンパ16を損傷させることなく吸引することが可能となる。吸引孔65の直径は特に限定されないが、例えば、1mm程度あればよい。
【0053】
図8は、吸引機構により樹脂スタンパの形状を調整する際の説明図である。まず、図8(a)に示すように、樹脂スタンパ16を載置台62の載置面62aに載置した後、吸引機構64により樹脂スタンパ16の裏面16bを吸引して固定する。次に、図8(b)に示すように、矢印方向に吸引機構64を移動機構によって移動させることにより樹脂スタンパ16が矢印方向に伸長されて、その形状が調整される。
【0054】
図6に示したように、本実施の形態において、吸引機構64−1〜64−4は、それぞれ縦方向又は横方向に独立して移動可能である。実際に形状を調整する場合には、樹脂スタンパの形状の調整が必要な箇所に対応する吸引機構を移動させることにより行われる。これら縦方向及び横方向は、平面多角形状の樹脂スタンパを載置台に載置した場合に、それぞれの吸引機構に直近する樹脂スタンパの辺に直交する方向に相当する。
【0055】
また、図9の概略平面図に示すように、樹脂スタンパ16を載置台62に載置した場合に、平面視で樹脂スタンパ16の端部から構成される枠線16−1を、その中心を同一として50%、好ましくは30%、より好ましくは15%縮小した仮想枠線16−2と、枠線16−1との間の領域に吸引機構64が存在するように、載置台62に吸引機構64を設けることが好ましい。なお、この際の吸引機構64の位置の基準は、吸引孔65の中心とする。
【0056】
上記アライメント時において、変形部位の検出を行った後、その変形量に応じて、吸引機構64−1、64−2、64−3及び64−4のうち、樹脂スタンパの伸縮が必要な箇所に対応する吸引機構の吸引管を移動させることにより樹脂スタンパを伸縮させる。
【0057】
図10(a)は、ステージ60の他の例を示す概略平面図である。図示のように、吸引機構64は、載置台62の載置面の周縁部近傍だけでなく、載置面62aの中心側に更に設けられていてもよい。熱や周囲環境の変化による樹脂スタンパの形状変化は、その部位によって異なるため、このように中心側にも設けることにより、各部位における変化量に合わせた伸縮を行うことが可能となる。
【0058】
図10(b)は、ステージ60の他の例を示す概略平面図である。図示のように、吸引機構64は、樹脂スタンパの載置時に、樹脂スタンパの角部近傍に対応する載置台62の部分に更に設けられていてもよい。これにより、それぞれの部位の形状変化量に合わせた伸縮を行うことが可能となる。
【0059】
図10(c)は、ステージ60の他の例を示す概略平面図である。図示のように、吸引機構64は、その移動可能な長さが長くなるように、格納部及び吸引管等の大きさや長さを変更してもよい。これによりあらゆるサイズの樹脂スタンパに対応することが可能となる。
【0060】
吸引機構64はこれらの例に限られずあらゆる形態をとることが可能である。例えば、図6に示す例では、載置台62の各辺の近傍にそれぞれ3つ吸引機構を設けているが、1つのみでもよいし、更に設けても良い。更に設けた場合には樹脂スタンパの各部位の伸縮量に合わせて緻密な形状調整を行うことができる。
【0061】
また、吸引機構64のそれぞれは、横方向又は縦方向のみでなく、横方向及び縦方向の両方に移動可能な構成とされていてもよい。これにより、あらゆる方向に移動可能となるので樹脂スタンパ16の形状の微妙な調整を行うことが可能となる。更に、吸引機構の吸引孔を楕円状等として、吸引面積を広くすることも可能である。これにより、樹脂スタンパを強固に固定することができる。
【0062】
また、吸引機構64は、吸引管64bの端面64aの高さが、樹脂スタンパを載置したときに、その重量によって載置台62の載置面62aと略同一高さになる機構を備えていてもよい。すなわち、樹脂スタンパを載置する前は、端面64aが載置面62aと同一高さから上方に若干突き出しており、樹脂スタンパを載置したときに、端面64aがその重量で下降する構成とされていても良い。これにより、樹脂スタンパ16の裏面側16bと吸引管64の端面64aが確実に対向接触し、吸引固定することができる。
【0063】
以上説明した例では、樹脂スタンパ及び載置台は、平面形状が矩形状のものを例として説明したが、これに限られず、円状、楕円状、ひし形状、多角形状等あらゆる形状をとることができる。
【0064】
本発明において、微細な凹凸パターンが形成された樹脂スタンパはどのようなものでも良い。例えば、微細な凹凸パターンを有するニッケル、チタン、シリコン、石英等材質からなるインプリント用のマザースタンパから熱可塑性樹脂製フィルムに熱インプリント法により転写した樹脂製のスタンパ、光硬化性樹脂を用いたUVインプリント法で形成したスタンパ、及び樹脂製フィルムにエッチング法やレーザ加工、微細形状を付与した工具による切削加工等により凹凸パターンを形成したもの等が挙げられる。工程数が少なく、微細な凹凸パターンの形成が容易であり、凹凸パターンの形成精度が高い点で、熱インプリント法により得られた熱可塑性樹脂製のスタンパが好ましい。樹脂製フィルムの材質は例えば、ポリカーボネート、シクロオレフィン共重合体(COC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等が挙げられる。
【0065】
樹脂スタンパの厚さは特に限定されないが、20〜1000μm、好ましくは100〜1000μmの範囲であれば、固定機構により確実に固定することができる。
【0066】
上記基板としては、情報表示用パネル電子部品用の基板や、これに所定の配線パターンが形成されたもの等が挙げられる。例えば、ガラス基板、アクリル板等の透明樹脂板等が挙げられる。
【0067】
本発明において、光硬化性樹脂層を形成する光硬化性樹脂組成物はどのようなものでも良い。特にナノインプリントプロセス法に使用できる液状組成物が好ましい。液状組成物の場合、粘度は10〜50000cpsが好ましい。光硬化性樹脂組成物は光硬化性樹脂と光開始剤を含む組成物が好ましい。
【0068】
光硬化性樹脂としては、例えば、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート、エポキシ樹脂、イミド系オリゴマー、ポリエン・チオール系オリゴマー等が挙げられる。
【0069】
ウレタンアクリレートは、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等のジイソシアネート類とポリ(プロピレンオキサイド)ジオール、ポリ(プロピレンオキサイド)トリオール、ポリ(テトラメチレンオキサイド)ジオール、エトキシ化ビスフェノールA等のポリオール類と2−ヒドロキシエチルアクリレート2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、グリシドールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート等のヒドロキシアクリレート類とを反応させることによって得られ、分子中に官能基としてアクリロイル基とウレタン結合を有するものである。
【0070】
ポリエステルアクリレートとしては、例えば、無水フタル酸とプロピレンオキサイドとアクリル酸とからなるポリエステルアクリレート、アジピン酸と1,6−ヘキサンジオールとアクリル酸とからなるポリエステルアクリレート、トリメリット酸とジエチレングリコールとアクリル酸とからなるポリエステルアクリレート等が挙げられる。
【0071】
エポキシアクリレートは、エピクロルヒドリン等のエポキシ化合物とアクリル酸又はメタクリル酸との反応により合成されたものであり、例えば、ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとアクリル酸との反応により合成されるビスフェノールA型エポキシアクリレート、ビスフェノールSとエピクロルヒドリンとアクリル酸との反応により合成されるビスフェノールS型エポキシアクリレート、ビスフェノールFとエピクロルヒドリンとアクリル酸との反応により合成されるビスフェノールF型エポキシアクリレート、フェノールノボラックとエピクロルヒドリンとアクリル酸との反応により合成されるフェノールノボラック型エポキシアクリレート等が挙げられる。
【0072】
エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂;トリスフェノールメタントリグリシジルエーテル等の芳香族エポキシ樹脂、及び、これらの水添化物や臭素化物等が挙げられる。
【0073】
光重合開始剤としては、光ラジカル重合開始剤及び光カチオン重合開始剤が好ましく、光ラジカル重合開始剤としては、例えば、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、α−ヒドロキシ−α−α’−ジメチルアセトフェノン、メトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン等のアセトフェノン誘導体;ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル等のベンゾインエーテル系化合物;ベンジルジメチルケタール等のケタール誘導体;ハロゲン化ケトン、アシルフォスフィンオキシド、アシルフォスフォナート、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−N,N−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−1−ブタン、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキシドビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシド、ビス(η5−シクロペンタジエニル)−ビス(ペンタフルオロフェニル)−チタニウム、ビス(η5−シクロペンタジエニル)−ビス[2,6−ジフルオロー3−(1H−ピリ−1−イル)フェニル]−チタニウム、アントラセン、ペリレン、コロネン、テトラセン、ベンズアントラセン、フェノチアジン、フラビン、アクリジン、ケトクマリン、チオキサントン誘導体、ベンゾフェノン、アセトフェノン、2−クロロチオキサンソン、2,4−ジメチルチオキサンソン、2,4−ジエチルチオキサンソン、2,4−ジイソプロピルチオキサンソン、イソプロピルチオキサンソン等が挙げられる。光カチオン重合開始剤としては、例えば、鉄−アレン錯体化合物、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウム塩、オニウム塩、ピリジニウム塩、アルミニウム錯体/シラノール塩、トリクロロメチルトリアジン誘導体等が挙げられる。上記オニウム塩やピリジニウム塩の対アニオンとしては、例えば、SbF6-、PF6-、AsF6-、BF4-、テトラキス(ペンタフルオロ)ボレート、トリフルオロメタンスルフォネート、メタンスルフォネート、トリフルオロアセテート、アセテート、スルフォネート、トシレート、ナイトレート等が挙げられる。
【0074】
光重合開始剤の添加量は、一般に光硬化性樹脂100重量部に対して、0.1〜15重量部であり、好ましくは、0.5〜10重量部である。
【0075】
上記光硬化性樹脂組成物には、反応性希釈剤が添加されてもよく、反応性希釈剤としては、例えば、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、2−(2−エトキシエトキシ)エチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、2−フェノキシエチルアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート等が挙げられる。
【0076】
上記光硬化性樹脂組成物には、更に、必要に応じて、一般に添加されている光重合開始助剤、熱重合禁止剤、充填剤、接着付与剤、チクソ付与剤、可塑剤、着色剤等が添加されてもよい。
【0077】
本発明において、光硬化性樹脂層を硬化する場合は、光源として紫外〜可視領域に発光する多くのものが採用でき、例えば超高圧、高圧、低圧水銀灯、ケミカルランプ、キセノンランプ、ハロゲンランプ、マーキュリーハロゲンランプ、カーボンアーク灯、白熱灯、レーザ光等が挙げられる。照射時間は、ランプの種類、光源の強さによって一概には決められないが、0.1秒〜数十秒程度、好ましくは0.5〜数秒である。紫外線照射量は、300mJ/cm2以上が好ましい。
【0078】
また、硬化促進のために、予めを30〜80℃に加温し、これに光(紫外線等)を照射してもよい。
【0079】
なお、図1で示したインプリント装置において、アライメントの後に行う押圧は板状部材を用いて機械的に行ってもよく、空気等の低圧縮性の気体やオイル等の液体等の流体により圧力を掛けることによって行ってもよい。押圧した後、光源40から光を照射し、基板18と樹脂スタンパ16を引き離すことによって基板18上に微細な凹凸パターンが形成される。この例では、ステージ12を下側、基板保持体14を上側として配置した構成を示しているが、これらの配置構成は上下逆であってもよい。
【0080】
なお、本発明は上記各実施の形態の構成に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。上記実施の形態では、樹脂スタンパが収縮した場合に、本発明の形状調整装置により縁部を伸長させる例を示しているが、これとは逆に、樹脂スタンパが膨張した場合に、その縁部を収縮させて形状を調整することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本発明によれば、高品質な電子ディスプレイ、電子ペーパー等の情報表示用パネルの隔壁や電子デバイス(リソグラフィ、トランジスタ)、光学部品(マイクロレンズアレイ、導波路、光学フィルタ、フォトニックス結晶)、バイオ関連材料(DNAチップ、マイクロリアクタ)、記録媒体(凹凸パターンドメディア、DVD)等を有利に得ることができる。
【符号の説明】
【0082】
10 インプリント装置
12 ステージ
14 基板保持体
16 樹脂スタンパ
18 基板
20 光硬化性樹脂層
22 測定器
24 光源
40 ステージ
42 載置台
42a 載置面
42−1〜42−9 分割載置部
48 多孔質部材
50 中空部
52 吸引管
60 ステージ
62 載置台
64、64−1〜64−4 吸引機構
64a 吸引管端面
64b 吸引管
68 格納部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方の表面に微細な凹凸パターンが形成された樹脂スタンパの該微細な凹凸パターンを基板上に形成された光硬化性樹脂層に転写する際に、前記樹脂スタンパと前記基板とを位置合わせするアライメント方法であって、以下の工程:
前記基板に対向するように配置されたステージに、前記凹凸パターン形成面とは反対側の面が接するように前記樹脂スタンパを載置し、該樹脂スタンパを前記反対側の面側から固定する固定工程;
前記樹脂スタンパの変形部位を検出する検出工程;及び
前記変形部位の検出結果に基づいて、前記固定した状態で前記樹脂スタンパをその平面方向に伸縮する伸縮工程;
を含むことを特徴とするアライメント方法。
【請求項2】
前記固定は、前記樹脂スタンパを載置した場合に前記樹脂スタンパの反対側の面と接する固定部を有する固定機構により行われ、
前記樹脂スタンパの伸縮は、前記固定した状態で前記固定部を移動させることにより行うことを特徴とする請求項1に記載のアライメント方法。
【請求項3】
前記固定機構は、前記樹脂スタンパの反対側の面を吸引することにより固定する吸引機構であることを特徴とする請求項2に記載のアライメント方法。
【請求項4】
前記樹脂スタンパの平面形状は多角形であり、
前記伸縮工程において、前記樹脂スタンパの各辺の中央乃至その近傍を伸縮することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のアライメント方法。
【請求項5】
前記ステージは複数に分割され、該分割されてなる複数の分割載置部のうち少なくとも一部が前記固定機構を有することを特徴とする請求項2〜4の何れか1項に記載のアライメント方法。
【請求項6】
前記固定機構は吸引管を有し、前記樹脂スタンパを載置した状態で、前記吸引管の端面が前記樹脂スタンパの反対側の面と接触対向していることを特徴とする請求項2〜4の何れか1項に記載のアライメント方法。
【請求項7】
前記樹脂スタンパの変形部位の検出は、前記樹脂スタンパに対向するように配置された変形測定器で前記樹脂スタンパを測定することにより行うことを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載のアライメント方法。
【請求項8】
前記樹脂スタンパと前記基板の双方に設けられたアライメントマークを重ね合わせる工程を更に含むことを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載のアライメント方法。
【請求項9】
一方の表面に微細な凹凸パターンが形成された樹脂スタンパの該微細な凹凸パターンを、基板上に形成された光硬化性樹脂層に転写することにより前記基板上に微細な凹凸パターンを形成する方法であって、
前記樹脂スタンパと前記基板とのアライメントを、請求項1〜8の何れか1項に記載の方法により行うことを特徴とする凹凸パターンの形成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−105755(P2013−105755A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−246163(P2011−246163)
【出願日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【Fターム(参考)】