インテリジェントエネルギー蓄積パックを拡張可能に構成するシステム及び方法
【課題】インテリジェントエネルギー蓄積パックを拡張可能に構成するシステム及び方法を開示する。
【解決手段】一実施の形態によれば、方法は、第1のコンバータ回路に電気的に接続した第1のエネルギー蓄積セルの第1の電流を測定し、第1のコンバータ回路は、第1のエネルギー蓄積セルの充電及び放電を制御する。第1のエネルギー蓄積セルの第1の電圧を測定する。第1の制御信号を受信し、第1の制御信号は、ロードポリシーに従って決定される。第1のコンバータ回路は、第1の制御信号に従って第1のエネルギー蓄積セルからの第1の電圧を所望の第1のバスコントリビューション電圧に変換する。
【解決手段】一実施の形態によれば、方法は、第1のコンバータ回路に電気的に接続した第1のエネルギー蓄積セルの第1の電流を測定し、第1のコンバータ回路は、第1のエネルギー蓄積セルの充電及び放電を制御する。第1のエネルギー蓄積セルの第1の電圧を測定する。第1の制御信号を受信し、第1の制御信号は、ロードポリシーに従って決定される。第1のコンバータ回路は、第1の制御信号に従って第1のエネルギー蓄積セルからの第1の電圧を所望の第1のバスコントリビューション電圧に変換する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野は、一般的にエネルギー蓄積ベースの電力システム(energy storage based power system)に関する。特に、本発明は、インテリジェントエネルギー蓄積パック(intelligent energy storage pack)を拡張可能に構成するシステム及び方法を対象にする。
【背景技術】
【0002】
バッテリーパック、すなわち、互いに結合した複数のエネルギー蓄積セルの配置は、装置のホストの電源として使用される。装置は、全ての電気自動車、ハイブリッド電気自動車、携帯用電子機器、軍事用途、医療機器、並びに住宅立地及び事業拠点におけるバックアップ電力システム及び分散型エネルギー蓄積システムの全てを含むことができる。基礎的な電気化学の進歩により、改良された性能特性を有する電池、例えば、リチウムイオン電池を生み出した。しかしながら、複数のエネルギー蓄積セルの構造及び性能特性を同一にすることを意図した場合でも、個別のセル間に相違がある。従来の製造においても、セルは、本質的に異なり、容量、寿命、充電/放電の速度及び他の相互に関連する特性においてばらつき(variation)を示す。例えば、個別のセルの集合を含むバッテリーパックは、新品のときにはセル間で2〜3%の蓄電容量の違いを示すことがあり、このようなばらつきは時間の経過に従って(例えば、バッテリーパックが古くなって充電及び放電を繰り返し行うに従って)増大する。従来のバッテリーパックの個別のセルが直列配列(series string)を形成するために電気的に直列に接続されるので、バッテリーパックの全体の性能は、配列中の最も弱くなったセルの性能によって劣化するおそれがある。例えば、従来のパック構成を用いた場合、セルの直列配列において、使用中に放電を開始する最初のセルが他のセルの放電を小さくするように制限するおそれがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の提案は、上述した問題に注意を向けるとともに、充電の平衡を保つことによって、すなわち、セル電圧又は充電の状態を均等にすることを目的とした電子回路を設けることによってバッテリーパックの性能を向上させることを試みていた。そのような充電平衡システムは、バッテリーパックの各セル又はセルのグループごとに存在する電気スイッチ及び他の電気素子(抵抗、コンデンサ、インダクタ)を有する。そのようなシステムにおいて、過度の充電をシャントすることによってセルの充電電圧を均等に調整するように抵抗をバッテリセルに並列に断続的に接続することができる。他のシステムにおいて、コンデンサ又はインダクタをセルに並列に断続的に接続し、充電を比較的高い電圧のセルから比較的低い電圧のセルに移すことができる。このようにして、セル間の性能のばらつきを部分的に管理し、バッテリーパックのセルは、所望の電圧又は充電状態に収束する。
【0004】
従来のスイッチド抵抗バッテリ管理システムアーキテクチャ、スイッチドキャパシタバッテリ管理システムアーキテクチャ及びスイッチドインダクタバッテリ管理システムアーキテクチャは、マルチセルパックのセル間の性能のばらつきの問題に対して部分的な解決しか提供しない。これらのバッテリ管理システムは、セル容量、寿命、充電/放電の最大速度及びマルチセルパックの他の特性のばらつきに適合するのに限られた能力しか有さない。さらに、従来のバッテリ管理システムは、使用性能を補償するもののバッテリーパックのセルの使用可能な寿命が実際には減少するおそれがある。その結果、従来のバッテリーパックにおいて、有用な寿命が減少し、典型的には、有用な寿命がパックの最も弱いセルによって制限される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
インテリジェントエネルギー蓄積パックを拡張可能に構成するシステム及び方法を開示する。一実施の形態によれば、方法は、第1のコンバータ回路に電気的に接続した第1のエネルギー蓄積セルの第1の電流を測定し、第1のコンバータ回路は、第1のエネルギー蓄積セルの充電及び放電を制御する。第1のエネルギー蓄積セルの第1の電圧を測定する。第1の制御信号を受信し、第1の制御信号は、ロードポリシー(load policy)に従って決定される。第1のコンバータ回路は、第1の制御信号に従って第1のエネルギー蓄積セルからの第1の電圧を所望の第1のバス寄与電圧(bus contribution voltage)に変換する。
【0006】
素子の実装及び組合せの種々の新規な詳細を含む上記及び他の好適な形態を、添付図面を参照しながら更に詳しく説明し、特許請求の範囲で指摘する。ここで説明する特定の方法及び回路は、単なる実例として示したものであり、制限のために示したものではない。当業者によって理解できるように、ここで説明した原理及び特徴を、発明の範囲を逸脱することなく種々の多数の実施の形態で用いることができる。
【0007】
この出願は、2009年3月2日に出願した「インテリジェントエネルギー蓄積パックを拡張可能に構成するシステム及び方法」(SYSTEMS AND METHODS FOR SCALABLE CONFIGURATIONS OF INTELLIGENT ENERGY STORAGE PACKS)の表題の米国仮出願第61/202,460号の利益及び優先権を主張し、これは参照よりここに組み込まれる。
【0008】
本明細書の一部として含まれる添付図面は、上述した一般的な説明及び本発明の原理を説明し及び教示する役割を果たす後述する好適な実施の形態の詳細な説明とともに好適な実施の形態を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】一実施の形態によるマルチセルエネルギー蓄積パックの制御回路及びエネルギー蓄積セルを有するノードの典型的なレイアウトを示す。
【図2】一実施の形態によるマルチセルエネルギー蓄積パックの典型的な制御回路を示す。
【図3】一実施の形態によるマルチセルエネルギー蓄積パックの複数ノードの直列配列を示す。
【図4】一実施の形態によるマルチセルエネルギー蓄積パックの複数ノードの並列配列を示す。
【図5】一実施の形態によるマルチセルエネルギー蓄積パックで使用される典型的な双方向DC−DCコンバータの回路図を示す。
【図6】一実施の形態によるマルチセルエネルギー蓄積パックの複数のDC−DCコンバータ及びセルの直列配列を示す。
【図7】一実施の形態によるマルチセルエネルギー蓄積パック内のエネルギー蓄積セルのパフォーマンス関数のサイクル数に対するターゲットコンデンサの減衰を示す。
【図8】一実施の形態によるマルチセルエネルギー蓄積パック内で用いられる典型的なDC−DCコンバータを示す。
【図9】一実施の形態によるマルチセルエネルギー蓄積パック内で用いられる典型的なDC−DCコンバータを示す。
【図10】一実施の形態によるマルチセルエネルギー蓄積パック内で用いられる典型的なDC−DCコンバータを示す。
【図11】一実施の形態によるマルチセルエネルギー蓄積パックで使用される典型的な双方向DC−DCコンバータの回路図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
インテリジェントエネルギー蓄積パックを拡張可能に構成するシステム及び方法を開示する。一実施の形態によれば、方法は、第1のコンバータ回路に電気的に接続した第1のエネルギー蓄積セルの第1の電流を測定し、第1のコンバータ回路は、第1のエネルギー蓄積セルの充電及び放電を制御する。第1のエネルギー蓄積セルの第1の電圧を測定する。第1の制御信号を受信し、第1の制御信号は、ロードポリシーに従って決定される。第1のコンバータ回路は、第1の制御信号に従って第1のエネルギー蓄積セルからの第1の電圧を所望の第1のバスコントリビューション電圧に変換する。
【0011】
本システム及び方法は、マルチセルエネルギー蓄積パックの個別のエネルギー蓄積装置(ここでは一般的に「セル」と称する。)に関連した性能のばらつきに対処する。ここで説明する典型的なエネルギー蓄積装置は、例えば、電気化学セル、超コンデンサ、磁気エネルギー蓄積装置、フライホイール及び関連の電気変換回路、並びに電気エネルギーを蓄積する他の装置を含む。
【0012】
本システム及び方法は、各セルをエネルギー蓄積パックの他のセルから電気的に緩衝する(electrically buffering)ことによってセル間のばらつきに適応する。換言すれば、エネルギー蓄積パックの各セルは、負荷の電力要求を満たしながら各セルにおける充電及び放電に関する管理を十分かつ独立して行うことができる。
【0013】
本システム及び方法は、個別のセルだけでなくセルのグループを緩衝するためにも適用される。換言すれば、マルチセルは、直列及び/又は並列の組合せにグループ分けされ、当該グループは、他のセル及び/又はセルグループから十分かつ独立して管理される。
【0014】
さらに、本システム及び方法は、個別のセル性能を落とすことなく緩衝セル(buffered cell)を直列配列で配置することができる。高電圧の長い直列配列は、自動車のソリューション及びグリッドインタラクティブ(grid-interactive)のソリューションを有するもののように大抵の高電力アプリケーションに望ましい。短い直列配列は、自動車電子装置(例えば、ラップトップコンピュータ)のような他の多数の低電力アプリケーションに望ましい。そのような全ての直列配列において、本システム及び方法によって、各セルに注入され及び各セルから抽出される電力を、充電を放出し及び受け入れるセルの独自の能力に基づいて最適化することができる。
【0015】
本システム及び方法は、パック寿命の延長及び目標とする性能レベルに到達するために少数のセルを用いることによるパックサイズの減少を含む向上した性能特性の組合せを可能にする。その理由は、各セルが最適に用いられるからである。本システム及び方法は、蓄積セル間のばらつきに対する大きな許容誤差も有し、従来のパックに必要なセルよりも厳しくない誤差で製造される廉価なセルを使用することができる。同様に、ばらつきに対するこのように大きな許容誤差によって、製造されるセルの多くを使用することができる(すなわち、外れ値のパフォーマー(outlier performer)を廃棄せずに用いることができる。)。本システム及び方法によって、セルレベル監視、故障検出及び故障セルの電気的な分離を通じた向上した安全性及び信頼性も可能にする。
【0016】
本システム及び方法は、安定した一定の出力電圧を生成する緩衝セルの長い直列配列−出力電圧が典型的には負荷の要求に応じて変動するとともにエネルギー蓄積セルの充電状態に依存する従来のエネルギー蓄積パックとは著しく異なる所望の能力を可能にもする。
【0017】
一実施の形態において、本システム及び方法は、双方向DC−DCコンバータを各セルと他のセルとの間に配置することによって各セルに対する他のセルからの衝撃を和らげる。DC−DCコンバータそれ自体を、高い合計電圧(high aggregate voltage)に到達するために長い直列配列で配置することができる。DC−DCコンバータは、対応するDC−DCコンバータの出力部の電圧及び電流と異なるようにセルの電圧及び電流を設定することができる。出力部に対する入力部の差によって、上述した電気的な緩衝及び各セルに対する電力の注入及び抽出の最適化を可能にする。
【0018】
本システム及び方法によれば、DC−DCコンバータは、電気的に緩衝されたセルに対する接続部間のあらゆるインピーダンス差を電気的に補償することができる。従来のバッテリーパックにおいて、セルに対する電気的な接続部間のインピーダンス差によって性能が阻害されている。この問題は、電気化学セルの温度感度によって悪化し、一様なインピーダンスの信頼性のある電気的な接続部を構成するための溶接及びはんだ付けの使用を制限する。これらのインピーダンス差を補償する能力に加えて、本システムのDC−DCコンバータは、電気化学セルよりも強固であり、容易に溶接又ははんだ付けすることができる電気的なタブを有する。
【0019】
本システム及び方法によれば、システムの熱損失を最小に維持しながら高い合計電圧出力が得られる。DC−DCコンバータは、入力電源電圧を更に高い又は更に低い出力電圧に変換する。システムのエネルギー損失及びDC−DCコンバータ回路の発熱は、典型的には全てのDC−DCコンバータ設計の固有の特性である入力電圧と出力電圧との間の差に比例する。例えば、入力電圧と出力電圧との間の増加率が大きくなると、典型的にはエネルギー損失が大きくなる。本システム及び方法において、そのようなエネルギー損失は、入力電圧と出力電圧との間の差を最小にすることによって最小になる。DC−DCコンバータを直列配列で配置することによって、各DC−DCコンバータが配列に対して比較的低い電圧を供給(contribute)しながら高い合計出力電圧が得られる。
【0020】
さらに、そのような形態において、各DC−DCコンバータが比較的低い電圧で動作するので、本システムのDC−DCコンバータ回路は、比較的廉価な素子から構成される。例えば、低電圧DC−DCコンバータは、比較的廉価なMOSFETスイッチによって構成され、それに対し、高電圧で動作する同様なDC−DCコンバータは、比較的高価な絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)スイッチによって最適に構成される。
【0021】
一実施の形態によれば、各々が自身の蓄積セルに接続された複数の制御回路を、高電圧源としてマルチセル蓄積パックを設けるために直列配列で接続することができ、各制御回路及び対応するエネルギー蓄積セルは、直列配列の「ノード」となる。
【0022】
一実施の形態によれば、そのような複数の直列配列を、更に大きな電力処理及びエネルギー容量を有するマルチセル蓄積パックを設けるために並列に接続することができる。各制御回路の処理回路は、各エネルギー蓄積セルの全体に亘る性能及び寿命を上げながらマルチセル蓄積パックの各ノードに特定の出力電圧を供給するために監視用コントローラとやり取りを行うことができる。
【0023】
本システム及び方法を、集中監視用コントローラにより、又は、分散処理システムで実現される監視用コントローラの機能により実現することができる。一実施の形態によれば、そのような分散処理システムは、マルチノードエネルギー蓄積パックのノードの制御回路のソフトウェアとして組み込まれる。
【0024】
一実施の形態によれば、エネルギー蓄積制御システムは、電気的なエネルギーを蓄積し及び供給するために互いに電気的に接続した複数のノードを含む。ノードを直列及び/又は並列に接続することができる。中央処理システムは、複数の電気的なノードとやり取りを行い、複数の電気的なノードを制御する。各ノードは、セルからの入力電圧を所望の出力電圧に変換し又はセルからの入力電流を所望の入力電流に変換することによって対応するエネルギー蓄積セルを制御する電気的なコンバータ回路を有する。一実施の形態によれば、各ノードは、電気的なコンバータ回路に接続可能なエネルギー蓄積セルの電気的な特性を検知する検知システムと、検知システムからの情報を用いて対応するエネルギー蓄積セルの電気的なコンバータ回路を制御する処理システムと、処理システムからの情報を用いて電気的なコンバータ回路を駆動する駆動システムと、を有する。中央処理システムは、個別のノードの動作特性に基づいて全体に亘るシステム性能を向上させるために各ノードの処理システムとやり取りを行うとともに各ノードの処理システムに指示を行う。
【0025】
本システム及び方法は、(例えば、電気自動車若しくはハイブリッド自動車の)推進駆動用のシステム又はオングリッド若しくはオフグリッド固定電力システム(on-grid or off-grid stationary powering system)において更に有効なDC/AC変換を促進することができる高電圧直列配列を有するエネルギー蓄積パックを提供する。高電圧用途に対して、直流から交流への変換は、高入力直流電圧において更に有効になる。例えば、ここで説明する典型的な実施の形態による高電圧エネルギー蓄積パックにおいて、典型的にはセルパックとDC/ACコンバータとの間で必要とされる中間DC/DCアップコンバータを除外することができる。
【0026】
以下の記載において、説明のために、ここで開示する種々の発明の概念を完全に理解するために具体的な術語体系(specific nomenclature)を説明する。しかしながら、ここで開示する種々の発明の概念を実現するためにこれらの具体的な詳細を必要としないことは当業者には明らかである。
【0027】
図1は、一実施の形態によるマルチセルエネルギー蓄積パックの制御回路及びエネルギー蓄積セルを有するノードの典型的なレイアウトを示す。典型的なノード100は、制御回路102と、(便宜上電気記号によって表す)エネルギー蓄積セル104と、を有する。ノード100は、一実施の形態によるマルチセルエネルギー蓄積パックの「インテリジェント」電圧及び電流源として機能する。
【0028】
典型的な制御回路102は、双方向DC−DCコンバータ106を有し、その一例を以下で説明する。制御回路102は、検知システム108、温度センサ110、処理システム112及び駆動システム114も有する。検知システム108は、所定の時間に亘るセル温度、セル電流及び電圧特性、並びにノード電圧特性を監視し、当該情報を処理システム112に提供する。処理システム112は、監視された状態に依存するDC−DCコンバータを制御する方法に関する記憶情報に基づいて、検知システムからの情報を処理し、セル104の向上した特性を得るようコンバータ106を適切に制御するために情報を駆動システム114に出力する。
【0029】
検知システム108のピンA及びピンBは、DC−DCコンバータ106に含まれる電流センサに接続される。検知システム108のピンC及びピンDは、(例えば、セル104に装着された)温度センサ110に接続される。セル104は、コンバータ106に電気的に接続するためにシステムノード100のピン2及びピン3に接続される。検知システム108のピンEは、システムノード100のピン2(Bus+)に接続され、検知システム108のピンFは、システムノード100のピン3(Bus−)に接続される。検知システム108のピンGは、システムノード100のピン2(Bat+)に接続される。
【0030】
処理システム112は、検知システム108からの信号を受信する入力接続部と、システムノード100のピン5に対する通信バス接続部と、を有する。処理システム112は、駆動システム114に対する出力接続部も有する。駆動システム114は、処理システム112からの入力接続部と、DC−DCコンバータ106に対する出力接続部と、を有する。
【0031】
図2は、一実施の形態によるマルチセルエネルギー蓄積パックの典型的な制御回路を詳細に示す。ノード100は、制御回路102と、セル104と、を有する。制御回路102は、DC−DCコンバータ106と、検知及び測定システム108と、温度センサ110と、処理及び通信システム112と、駆動信号生成及び保護システム114と、を有する。
【0032】
典型的な検知及び通信システム108は、検知、駆動及び信号調整モジュール220を有し、検知、駆動及び信号調整モジュール220は、電流センサ160の出力部CS1及びCS2に対する電気的な接続部、温度センサ110に対する電気的な接続部、ピン1(Bus+)に対する電気的な接続部、ピン2(Bat+)に対する電気的な接続部及びピン3(Bus−)に対する電気的な接続部を有する。検知、駆動及び信号調整モジュール220は、電流測定モジュール221、温度測定モジュール222及び電圧測定モジュール223において所定の時間に亘って測定した電流信号、温度信号及び電圧入力信号を作成し及び調整する。検知及び測定システム108は、測定された値を処理及び通信システム112に送信する。
【0033】
処理及び通信システム112は、アナログ−デジタルコンバータ、処理システム及びデジタル記憶部を有するモジュール217を有する。アナログ−デジタルコンバータは、検知システム108からの電流、温度及び電圧のアナログ測定値を対応するデジタル値に変換する。処理システムは、システムメモリに含まれる命令により電流データ、温度データ及び電圧データを記憶して相互に関連付けを行い、デジタル−アナログコンバータ215及びコマンド信号総和モジュール214を通じて駆動信号生成及び保護システム114に送信される命令を生成するために充電/放電アルゴリズムを処理する。モジュール217は、送信器213にもエンコーダモジュール216を通じてデータを送信する。送信器213は、2線通信モジュール212にデータを送信し、2線通信モジュール212は、データを送信し、監視用コントローラからのデータ及び命令を受信する。2線通信モジュール212は、入力データ及び命令を受信モジュール211に送信し、受信モジュール211は、デコーダモジュール210に送信するデータ及び命令を作成する。デコーダモジュール210は、受信データを解釈し、コマンド信号総和モジュール214を通じて処理モジュール217及び駆動システム114に情報を送り出すことができる。
【0034】
駆動システム114は、処理システム112からの信号が入力される電流モード制御モジュール193と、システム起動中に制御信号を提供するソフトスタートモジュール192と、通常動作中に基準駆動信号(baseline drive signal)を生成するランプ生成器モジュール(ramp generator module)191と、を有する。電流モード制御モジュール193は、入力信号を処理し、充電動作と放電動作の両方のためにドライバ電源、駆動回路及び保護モジュール196に制御信号を送信する。
【0035】
駆動システム114は、電流制限シャットダウンモジュール194も有し、電流制限シャットダウンモジュール194は、システム電流レベルがDC−DCコンバータ106又はセル104の素子の安全動作範囲を超えるときにシステム動作を管理するためにドライバ電源、駆動回路及び保護モジュール196に制御信号を送信する。
【0036】
駆動システム114は、駆動不足電圧ロックアウトモジュール(drive under-voltage lockout module)195も有し、駆動不足電圧ロックアウトモジュール195は、DC−DCコンバータ106又はセル104の電圧レベルが安全かつ十分な動作に必要なレベルより下に降下するときにシステム動作を管理するためにドライバ電源、駆動回路及び保護モジュール196に制御信号を送信する。
【0037】
駆動システム114は、発振器及び抵抗−コンデンサ(RC)回路モジュール190も有し、発振器及びRC回路モジュール190は、ドライバ電源、駆動回路及び保護モジュール196にクロック信号を供給する。駆動システム114のドライバ電源、駆動回路及び保護モジュール196は、DC−DCコンバータ106のスイッチング装置に制御信号を供給する。
【0038】
充電アルゴリズム及び放電アルゴリズムの典型的な処理は、例えば、セル動作情報が予め設けられたルックアップテーブルの探索と、探索した情報に基づいて行われる決定と、を含む。典型的な決定アルゴリズムは、例えば、検査セルの寿命サイクルに亘る時間の関数としての異なる充電条件及び放電条件の下でのセル動作の試行錯誤による検査(trial-and-error testing)に基づく。換言すれば、試行錯誤による検査の制御された条件の下で、現在の状態に依存する所定のタイプのセルの変化する電圧及び/又は電流特性のセル動作に対する影響は、表形式にされている。アルゴリズムは、所望の特性を得るためにそのようなセルの電圧及び/又は電流特性を(DC−DCコンバータ106を通じて)変更するようコード化される。例えば、処理システム112が、(検知システム108からの測定を通じて決定(assess)される)特定のセル104の現在の放電速度が2ヶ月の非常に短いセルの寿命を示唆していると判断する場合、アルゴリズムはルックアップテーブルを探索し、セル104の計算された寿命の不足分並びに現在の電流動作特性及び電圧動作特性に基づいて、当該セル104のDC−DCコンバータ106に対して適切な補正を行う。
【0039】
一実施の形態によれば、処理システム112の処理は、ソフトウェア処理命令のシーケンスを実行する一つ以上の中央プロセッサ及び任意の適切なデータベース(例えば、ローカルデータベース又はリモートデータベース)の一つ以上のメモリ又は記憶装置との適切なやり取りによって実行される。処理命令及びルックアップテーブルは、メモリカード、フラッシュメモリ、磁気ディスク若しくは光ディスク、CD若しくはDVD、又は他の任意のメモリチップ若しくはメモリカートリッジ等の任意の適切なコンピュータ読取可能記憶媒体から探索される。他の実施の形態において、有線回路を、ここで説明する典型的な方法を実現するためにソフトウェア命令の代わりに又はそれと組み合わせて用いる。したがって、本実施の形態は、ハードウェア回路及びソフトウェアの任意の特定の組合せに限定されるものではない。一つのコンピュータシステム又は任意の適切な通信リンクによって互いに動作する複数のコンピュータシステムに配置された一つ以上の通常のプロセッサのような任意の適切な処理システムを用いることによってここで開示した処理を実行できることを理解すべきである。
【0040】
図3は、一実施の形態によるマルチセルエネルギー蓄積パックの複数のノード及び制御回路の直列配列を示す。典型的なマルチセルエネルギー蓄積パックは、複数のノード100を有し、各ノード100は、制御回路102及びセル104を有する。各セル104は、複数の制御回路102の対応するものに電気的に接続される。直列配列接続において、複数の制御回路102は、一つの制御回路102の正電圧バス端子が次の制御回路102の負電圧バス端子に接続されるように直列接続される。そのような直列形態によって、個別のノードによって生成した個別の出力電圧の和にほぼ等しい高い全体出力電圧を可能にする。
【0041】
直列接続された複数の回路102の各々の処理システム112は、電圧データ、電流データ及び温度データを中央処理システム300(CPS)及びデータリポジトリ(data repository)400(DB)に送信する。また、各処理システム112は、マルチセル蓄積パックの他のセル104の動作に応じてマルチセル蓄積パックの全体に亘る動作を向上させるために各回路のDC−DCコンバータ106を制御するようCPS300からの定期的な命令を受信する。このようにして、全体に亘るシステム特性は、所望の電圧及び電流出力を全体に亘って取得するために向上され及び制御される。また、個別のセル104の寿命は、パッケージのセルの全ての寿命を均一化するために制御される。セル104は、他のセルより著しく速く使用可能な寿命の終わりに到達しない。個別のセル104は、セルの寿命及びエネルギー蓄積パックに対するエネルギー供給(energy contribution)を最大にするために制御される。
【0042】
図4は、一実施の形態によるマルチセル104のエネルギー蓄積パックの複数の並列のノード100及び制御回路102の並列配置を示す。並列形態によって、個別のノードによって生成した個別の出力電圧の和にほぼ等しい出力電圧での高い電流容量を可能にする。
【0043】
所望の機能を達成しながらのコンデンサに対するインダクタの適切な置換(及びその逆)、電圧に対する電流の置換並びに並列形態に対する直列形態の置換は、ここに示す教示を考慮すると本開示の範囲内とみなされる。
【0044】
一実施の形態によれば、複数のノードは、同一又は異なる長さの他の直列配列と並列な任意の長さの直列配列で構成される。
【0045】
一実施の形態によれば、複数のノードは、個別のエネルギー蓄積装置の均一化された集合を用いるエネルギー蓄積システムで用いられる。例えば、並列に動作する一連の直列配列は、電気化学電池セル、超コンデンサ、フライホイール又は他の任意のエネルギー蓄積装置の任意の組合せに接続されたノードから構成される。本システム及び方法は、セル技術、化学及び/又は相対的な実行能力 (relative performance capability)に関係なくセル機能を最適にする。
【0046】
図5は、一実施の形態によるマルチセルエネルギー蓄積パックで使用される典型的な双方向DC−DCコンバータの回路図を示す。
【0047】
典型的なDC−DCコンバータは、セル104の放電及び充電をそれぞれ行うためのステップアップ(ブースト)コンバータ及びステップダウン(バック)コンバータとして機能する。コンバータ回路106は、放電サイクル中にスイッチZd7 128のデューティサイクルを変更するとともに充電サイクル中にスイッチZe7 120のデューティサイクルを変更することによって、コンデンサC7 150の両端間の電圧として規定されるバス寄与電圧(BCV)を調整することができる。セル104からのエネルギーは、放電サイクル中に出力コンデンサC7 150に供給され、充電サイクル中にはその逆となる。本実施の形態によれば、エネルギー伝達及び記憶媒体(energy transfer and storage medium)はインダクタL7 140である。
【0048】
ダイオードDe7 138及びダイオードDd7 136は、スイッチモードパルス幅変調(PWM)動作中にスイッチZe7 120及びZd7 128がオフであるときにインダクタL7 140に対する電流の経路を提供する。充電電流及び放電電流は、検知システム、処理システム及び駆動システムによりセルの最適な充電プロファイル及び放電プロファイルに基づいて調整される。
【0049】
放電モード中、スイッチZd7 128がオンになり、インダクタL7 140を流れる電流が増大する際にエネルギーがセルから抽出される。インダクタL7 140の電流が予め決定された大きさに到達すると、スイッチZd7 128がオフになる。インダクタL7 140を流れる電流は、電流をダイオードDd7 136を通じて出力コンデンサC7 150に流すことができる新たな経路を確立する。
【0050】
充電モード中、スイッチZe7 120がオンになり、エネルギーがコンデンサC7 150から抽出され、エネルギーをインダクタL7 140を通じて(一つ以上の)セルに注入する。インダクタの電流が予め決定された大きさに到達すると、スイッチZe7 120がオフになり、インダクタ電流は、電流をダイオードDe7 138に流すことができる新たな経路を確立する。
【0051】
したがって、典型的なノードは、セルからの入力電圧を所望の出力電圧に変換し及び/又はセルからの入力電流を所望の出力電流に変換する機能及び能力を有する。
【0052】
図6は、一実施の形態によるマルチセルエネルギー蓄積パックの複数のDC−DCコンバータ及びセルの直列配列を示す。直列配列において、DC−DCコンバータ106の出力部は、電気モータを駆動し又はユーティリティグリッド(utility grid)に相互接続するインバータのような電力変換装置の入力部に電気的に直列接続される。各ノードは、測定された電流、測定された電圧、測定された温度及び定期的(例えば、周期的、継続的)に更新されてメモリに記憶されるそれ自体の過去の実績データ(historical performance data)に基づいてセル104の充電の現在の状態を推定することができる。一実施の形態によれば、各ノードは、所定の電池化学及び特性に対して最適回数の動作の寿命サイクルを得るようプログラムされる。例えば、各ノードは、各セルが所定の負荷に対してサイクル数に対する容量減衰の目標勾配(すなわち、所望の動作)にできるだけ近づくように動作する。目標勾配は、図7の典型的なライン300によって表される実際のセルの性能検査又はシミュレートされた予測に基づくことができる。
【0053】
再び図6を参照すると、負荷要求に基づいて、外部のインバータ200は、配列に対する電流要求を設定し、個別のノードは、バス寄与電圧(BCV)を調整する。BCVは、各セル104の容量及び配列の終端又はインバータの内側に配置することができる中央処理システム300(CPS)によって命令される目標BCVに基づいて調整される。中央処理システム300は、インバータの大抵の動作状態に対して一定のバス電圧を維持する。
【0054】
セルを流れる電流は、全体として(in aggregate)直列配列に配置された負荷又は個別のセルに配置された負荷に依存する。CPS300は、BCVを制御することによって個別のセルに流れる電流を管理する。したがって、個別のセルを流れる電流は、配列を流れる電流とは独立に管理される。セルを流れる電流は、CPS300によって決定されるとともに当該ノードのBCVに相関したセルの瞬時の電力処理能力に基づく。
【0055】
CPS300は、図7の目標勾配に対する報告されたセル能力及び性能に基づいてノードごとにBCVを決定する。目標BCVの総和は、所望のバス電圧ターゲットに等しい。BCVターゲットが更新される速度は、予め規定されたルックアップテーブルの使用のようなセルの劣化の推定及び性能特性に基づく。
【0056】
典型的な放電サイクルにおいて、負荷が増大する場合、インバータ200は、更に増大する電力要求に適合するためにインバータバスの更に多くの電流I1の抽出を開始する。配列上の増大する電流要求に適合するために、処理システムは、CPS300によって決定されたように新たな電流要求に適合するとともにノードのBCVを維持するようブーストスイッチデューティサイクルを調整する。ブーストスイッチデューティサイクルの再調整(低減)は、インバータの負荷が減少するときに行われる。
【0057】
典型的な充電サイクルにおいて、負荷の再生力(regenerative power)が増大する場合、インバータ200は、生成された再生力の増大に適合するためにインバータバスに更に多くの電流I1を供給し始める。配列上の増大した電流再生に適合するために、処理システムは、CPS300によって決定されたように供給される新たな電流に適合するとともにノードのBCVを維持するようバックスイッチデューティサイクルを調整する。バックスイッチデューティサイクルの再調整(低減)は、インバータによって供給された再生電力が減少するときに行われる。
【0058】
セルが直列配列に有用なエネルギーを供給することができず、BCVが図5のダイオードDc7 138及びダイオードDd7 136の順バイアス電圧(forward bias voltage)より下になる場合、回路は、直列配列が配列のセルの残りにエネルギーを供給し続けるようにセルをバイパスすることができる。そのような状態において、CPS300は、配列の目標バス電圧に到達するために残りのノードのBCVを再調整する。
【0059】
CPS300は、熱暴走のような危険動作領域(unsafe operating regime)の前段階(precursor stage)を検出するためにセルの電圧、電流及び温度を決定する。この場合、ノードは、セルのあらゆる余計な充電若しくは放電を回避し又はCPS300及びノードコントローラの適切な動作の決定に応じてインダクタを通じてセルに放電を行うことができるようにすることによって、起こりうる有害な状態を緩和することができる。
【0060】
図7は、一実施の形態によるマルチセルエネルギー蓄積パック内のエネルギー蓄積セルのパフォーマンス関数のサイクル数に対するターゲットコンデンサの減衰を示す。ライン300は、サイクル数に対する容量の目標勾配を示す。上述したように、目標勾配は、実際のセルの性能検査、シミュレーション又は他の予測法に基づくことができる。
【0061】
図8は、一実施の形態によるマルチセルエネルギー蓄積パック内で用いられる典型的なDC−DCコンバータを示す。典型的なDC−DCコンバータ800は第1のスイッチ120を有し、第1のスイッチ120は、第1の端子122と、第2の端子124と、第1の端子122と第2の端子124との間の電気的な接続を制御する制御端子126と、を有する。DC−DCコンバータ800は第2のスイッチ128も有し、第2のスイッチ128は、第1の端子130と、第2の端子132と、第1の端子130と第2の端子132との間の電気的な接続を制御する制御端子134と、を有する。ダイオード136は、第2の端子124から第1の端子122に電流を流すために第1の端子122及び第2の端子124に接続され、ダイオード138は、第2の端子132から第1の端子130に電流を流すために第1の端子130及び第2の端子132に接続される。スイッチ120及びスイッチ128を、例えば、MOS電界効果トランジスタ(MOSFET)、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)、バイポーラ接合型トランジスタ(BJT)又はMOS制御サイリスタ(MCT)とすることができる。一実施の形態によれば、ダイオード136及びダイオード138を、例えば、複数のパワーMOSFETに含まれるボディダイオード又はショットキーダイオードのような個別の素子とすることができる。
【0062】
DC−DCコンバータ800は、第1の端子142及び第2の端子144を有するインダクタ140も有する。インダクタ140の第1の端子142は、第1のスイッチ120の第2の端子124と第2のスイッチ128の第1の端子130の両方に電気的に接続される。インダクタ140の第2の端子144は、セル104の正セル端子2に接続可能である。インダクタの適切なインダクタンスは、特定の用途、回路の電圧及びDC−DCコンバータコントローラで実現されるようなスイッチング変調周波数(switch modulation frequency)に依存する。一実施の形態によれば、250kHzから500kHzの範囲の公称変調周波数(nominal modulation frequency)に対して、100nHから300nHまでの範囲のインダクタンスが有利である。
【0063】
DC−DCコンバータ800は、第1の端子152及び第2の端子154を有するコンデンサ150も有する。コンデンサ150の第1の端子152は、第1のスイッチ120の第1の端子122と制御回路の正電圧バス端子1の両方に電気的に接続される。コンデンサ150の第2の端子154は、第2のスイッチ128の第2の端子132と制御回路の負電圧バス端子3の両方に電気的に接続される。負電圧バス端子3は、セル104の負端子に接続可能である。一実施の形態によれば、250kHzから500kHzの範囲の公称変調周波数に対して、5μFから10μFまでの範囲の容量が有利である。
【0064】
DC−DCコンバータ800は、インダクタ140を通じてセル104に流れる電流を測定する電流センサ160も有する。電流センサ160を、ホール効果センサのような任意の適切なセンサとすることができ、電流センサ160は、インダクタ140に近接して配置される。電流センサ160を、コンバータ回路106に適切に挿入された任意の回路、例えば、インダクタ140に直列なシャント抵抗又は任意の適切な電流検知回路とすることもできる。
【0065】
インピーダンス、容量及びスイッチングの値を、特定の用途及び当面の(at hand)性能要求に応じて選択することができる。
【0066】
図9は、一実施の形態によるマルチセルエネルギー蓄積パック内で用いられる典型的なDC−DCコンバータを示す。図9の典型的な回路900は、図8に示す回路と同様なものにスイッチ170を加えたものである。スイッチ170を、例えば、電気機械式リレー、MOS電界効果トランジスタ(MOSFET)、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)、バイポーラ接合型トランジスタ(BJT)又はMOS制御サイリスタ(MCT)とすることができる。セル104が危険又は異常な動作(例えば、過度の発熱)を示す場合、DC−DCコンバータ回路900は、セル104をバイパスするように動作することができ、直列配列は、バイパスされたセル104にエネルギーを供給することなく機能し続けることができる。スイッチ170によって、バイパスされたセル104を電気的な回路から切り離すことができ、セル104は、DC−DCコンバータ回路900を通じて放電しない。この追加された機能は、セルの安全な最適動作を確実にするのに有利である。そのような動作条件において、CPSは、配列の目標バス電圧に到達するよう残りのノードのBCVを再調整する。
【0067】
図10は、一実施の形態によるマルチセルエネルギー蓄積パック内で用いられる典型的なDC−DCコンバータを示す。図10の典型的な回路1000は、図8に示す回路と同様なものにスイッチ180を加えたものである。スイッチ180を、例えば、電気機械式リレー、MOS電界効果トランジスタ(MOSFET)、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)、バイポーラ接合型トランジスタ(BJT)又はMOS制御サイリスタ(MCT)とすることができる。セル104が危険又は異常な動作(例えば、過度の発熱)を示す場合、スイッチ120及びスイッチ128は、セル104を回路1000から切り離すために開状態になり、それと同時に、セル104をバイパスするためにスイッチ180が閉状態になり、直列配列は、バイパスされたセル104にエネルギーを供給することなく機能し続けることができる。この追加された機能は、セルの安全な最適動作を確実にするのに有利である。そのような動作条件において、CPSは、配列の目標バス電圧に到達するよう残りのノードのBCVを再調整する。また、スイッチ180によって、DC−DCコンバータ回路1000の素子のいずれかが故障した場合にノードを電気的にバイパスすることができる。
【0068】
図11は、一実施の形態によるマルチセルエネルギー蓄積パック内で用いられる典型的なDC−DCコンバータの回路図を示す。図11のDC−DCコンバータは、セル1106の放電用のステップダウン(バック)コンバータ及びセル1106の充電中のステップアップ(ブースト)コンバータとして機能する。
【0069】
コンバータ回路は、放電サイクル中にスイッチS1 1103のデューティサイクルを変更するとともに充電サイクル中にスイッチS2 1105のデューティサイクルを変更することによって、コンデンサC1 1100の両端間の電圧として規定されるバス寄与電圧(BCV)を調整することができる。セル1106からのエネルギーは、放電サイクル中に出力コンデンサC1 1100に供給され、充電サイクル中にはその逆となる。本実施の形態によれば、エネルギー伝達及び蓄積媒体はインダクタL1 1101である。
【0070】
ダイオードD1 1102及びダイオードD2 1104は、スイッチモードパルス幅変調(PWM)動作中にスイッチS1 1103及びスイッチS2 1105がオフであるときにインダクタL1 1101に対する電流経路を設ける。充電電流及び放電電流は、検知システム、処理システム及び駆動システムによってセルの最適な充電プロファイル及び放電プロファイルに基づいて調整される。
【0071】
放電モード中、スイッチS1 1103がオンになり、インダクタL1 1101を流れる電流が増大するとエネルギーがセル1106から抽出される。インダクタL1 1101の電流が予め設定された大きさに到達すると、スイッチS1 1103はオフになる。インダクタL1 1101を流れる電流は、ダイオードD2 1104を通じて出力コンデンサC1 1100に流すことができる新たな経路を確立する。
【0072】
充電モード中、スイッチS2 1105がオンになり、エネルギーが、直列配列で既に確立された電流とともにコンデンサC1 1100から抽出され、これによって、インダクタL1 1101の電流が増大する。インダクタL1 1101の電流が予め設定された大きさに到達すると、スイッチS2 1105はオフになり、インダクタL1 1101を流れる電流は、ダイオードD1 1102及びセル1106を通じて流すことができる新たな経路を確立する。
【0073】
したがって、典型的なノードは、セルからの入力電圧を所望の出力電圧に変換し及び/又はセルからの入力電流を所望の出力電流に変換する機能及び能力を有する。
【0074】
本開示の精神及び範囲を逸脱することなく典型的なDC−DCコンバータを当業者によって構成できることを理解されたい。例えば、電気回路の双対性(duality)の原理に基づいて、コンデンサに対するインダクタの適切な置換(又はその逆)、電圧に対する電流の適切な置換及び並列形態に対する直列の置換により、所望の機能を得ながら典型的なDC−DCコンバータの変形例を構成することができ、そのような変形例は、ここに示す教示を考慮すると本開示の範囲内とみなされる。
【0075】
インテリジェントエネルギー蓄積パックを拡張可能に構成するシステム及び方法を開示した。ここに記載した実施の形態は、説明のためのものであり、開示の主題を制限するものと考えるべきではないことを理解すべきである。本発明の範囲又は精神を逸脱することのない種々の変形、使用、置換、組合せ、改善及び製造方法は、当業者に明らかである。
【技術分野】
【0001】
発明の分野は、一般的にエネルギー蓄積ベースの電力システム(energy storage based power system)に関する。特に、本発明は、インテリジェントエネルギー蓄積パック(intelligent energy storage pack)を拡張可能に構成するシステム及び方法を対象にする。
【背景技術】
【0002】
バッテリーパック、すなわち、互いに結合した複数のエネルギー蓄積セルの配置は、装置のホストの電源として使用される。装置は、全ての電気自動車、ハイブリッド電気自動車、携帯用電子機器、軍事用途、医療機器、並びに住宅立地及び事業拠点におけるバックアップ電力システム及び分散型エネルギー蓄積システムの全てを含むことができる。基礎的な電気化学の進歩により、改良された性能特性を有する電池、例えば、リチウムイオン電池を生み出した。しかしながら、複数のエネルギー蓄積セルの構造及び性能特性を同一にすることを意図した場合でも、個別のセル間に相違がある。従来の製造においても、セルは、本質的に異なり、容量、寿命、充電/放電の速度及び他の相互に関連する特性においてばらつき(variation)を示す。例えば、個別のセルの集合を含むバッテリーパックは、新品のときにはセル間で2〜3%の蓄電容量の違いを示すことがあり、このようなばらつきは時間の経過に従って(例えば、バッテリーパックが古くなって充電及び放電を繰り返し行うに従って)増大する。従来のバッテリーパックの個別のセルが直列配列(series string)を形成するために電気的に直列に接続されるので、バッテリーパックの全体の性能は、配列中の最も弱くなったセルの性能によって劣化するおそれがある。例えば、従来のパック構成を用いた場合、セルの直列配列において、使用中に放電を開始する最初のセルが他のセルの放電を小さくするように制限するおそれがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の提案は、上述した問題に注意を向けるとともに、充電の平衡を保つことによって、すなわち、セル電圧又は充電の状態を均等にすることを目的とした電子回路を設けることによってバッテリーパックの性能を向上させることを試みていた。そのような充電平衡システムは、バッテリーパックの各セル又はセルのグループごとに存在する電気スイッチ及び他の電気素子(抵抗、コンデンサ、インダクタ)を有する。そのようなシステムにおいて、過度の充電をシャントすることによってセルの充電電圧を均等に調整するように抵抗をバッテリセルに並列に断続的に接続することができる。他のシステムにおいて、コンデンサ又はインダクタをセルに並列に断続的に接続し、充電を比較的高い電圧のセルから比較的低い電圧のセルに移すことができる。このようにして、セル間の性能のばらつきを部分的に管理し、バッテリーパックのセルは、所望の電圧又は充電状態に収束する。
【0004】
従来のスイッチド抵抗バッテリ管理システムアーキテクチャ、スイッチドキャパシタバッテリ管理システムアーキテクチャ及びスイッチドインダクタバッテリ管理システムアーキテクチャは、マルチセルパックのセル間の性能のばらつきの問題に対して部分的な解決しか提供しない。これらのバッテリ管理システムは、セル容量、寿命、充電/放電の最大速度及びマルチセルパックの他の特性のばらつきに適合するのに限られた能力しか有さない。さらに、従来のバッテリ管理システムは、使用性能を補償するもののバッテリーパックのセルの使用可能な寿命が実際には減少するおそれがある。その結果、従来のバッテリーパックにおいて、有用な寿命が減少し、典型的には、有用な寿命がパックの最も弱いセルによって制限される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
インテリジェントエネルギー蓄積パックを拡張可能に構成するシステム及び方法を開示する。一実施の形態によれば、方法は、第1のコンバータ回路に電気的に接続した第1のエネルギー蓄積セルの第1の電流を測定し、第1のコンバータ回路は、第1のエネルギー蓄積セルの充電及び放電を制御する。第1のエネルギー蓄積セルの第1の電圧を測定する。第1の制御信号を受信し、第1の制御信号は、ロードポリシー(load policy)に従って決定される。第1のコンバータ回路は、第1の制御信号に従って第1のエネルギー蓄積セルからの第1の電圧を所望の第1のバス寄与電圧(bus contribution voltage)に変換する。
【0006】
素子の実装及び組合せの種々の新規な詳細を含む上記及び他の好適な形態を、添付図面を参照しながら更に詳しく説明し、特許請求の範囲で指摘する。ここで説明する特定の方法及び回路は、単なる実例として示したものであり、制限のために示したものではない。当業者によって理解できるように、ここで説明した原理及び特徴を、発明の範囲を逸脱することなく種々の多数の実施の形態で用いることができる。
【0007】
この出願は、2009年3月2日に出願した「インテリジェントエネルギー蓄積パックを拡張可能に構成するシステム及び方法」(SYSTEMS AND METHODS FOR SCALABLE CONFIGURATIONS OF INTELLIGENT ENERGY STORAGE PACKS)の表題の米国仮出願第61/202,460号の利益及び優先権を主張し、これは参照よりここに組み込まれる。
【0008】
本明細書の一部として含まれる添付図面は、上述した一般的な説明及び本発明の原理を説明し及び教示する役割を果たす後述する好適な実施の形態の詳細な説明とともに好適な実施の形態を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】一実施の形態によるマルチセルエネルギー蓄積パックの制御回路及びエネルギー蓄積セルを有するノードの典型的なレイアウトを示す。
【図2】一実施の形態によるマルチセルエネルギー蓄積パックの典型的な制御回路を示す。
【図3】一実施の形態によるマルチセルエネルギー蓄積パックの複数ノードの直列配列を示す。
【図4】一実施の形態によるマルチセルエネルギー蓄積パックの複数ノードの並列配列を示す。
【図5】一実施の形態によるマルチセルエネルギー蓄積パックで使用される典型的な双方向DC−DCコンバータの回路図を示す。
【図6】一実施の形態によるマルチセルエネルギー蓄積パックの複数のDC−DCコンバータ及びセルの直列配列を示す。
【図7】一実施の形態によるマルチセルエネルギー蓄積パック内のエネルギー蓄積セルのパフォーマンス関数のサイクル数に対するターゲットコンデンサの減衰を示す。
【図8】一実施の形態によるマルチセルエネルギー蓄積パック内で用いられる典型的なDC−DCコンバータを示す。
【図9】一実施の形態によるマルチセルエネルギー蓄積パック内で用いられる典型的なDC−DCコンバータを示す。
【図10】一実施の形態によるマルチセルエネルギー蓄積パック内で用いられる典型的なDC−DCコンバータを示す。
【図11】一実施の形態によるマルチセルエネルギー蓄積パックで使用される典型的な双方向DC−DCコンバータの回路図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
インテリジェントエネルギー蓄積パックを拡張可能に構成するシステム及び方法を開示する。一実施の形態によれば、方法は、第1のコンバータ回路に電気的に接続した第1のエネルギー蓄積セルの第1の電流を測定し、第1のコンバータ回路は、第1のエネルギー蓄積セルの充電及び放電を制御する。第1のエネルギー蓄積セルの第1の電圧を測定する。第1の制御信号を受信し、第1の制御信号は、ロードポリシーに従って決定される。第1のコンバータ回路は、第1の制御信号に従って第1のエネルギー蓄積セルからの第1の電圧を所望の第1のバスコントリビューション電圧に変換する。
【0011】
本システム及び方法は、マルチセルエネルギー蓄積パックの個別のエネルギー蓄積装置(ここでは一般的に「セル」と称する。)に関連した性能のばらつきに対処する。ここで説明する典型的なエネルギー蓄積装置は、例えば、電気化学セル、超コンデンサ、磁気エネルギー蓄積装置、フライホイール及び関連の電気変換回路、並びに電気エネルギーを蓄積する他の装置を含む。
【0012】
本システム及び方法は、各セルをエネルギー蓄積パックの他のセルから電気的に緩衝する(electrically buffering)ことによってセル間のばらつきに適応する。換言すれば、エネルギー蓄積パックの各セルは、負荷の電力要求を満たしながら各セルにおける充電及び放電に関する管理を十分かつ独立して行うことができる。
【0013】
本システム及び方法は、個別のセルだけでなくセルのグループを緩衝するためにも適用される。換言すれば、マルチセルは、直列及び/又は並列の組合せにグループ分けされ、当該グループは、他のセル及び/又はセルグループから十分かつ独立して管理される。
【0014】
さらに、本システム及び方法は、個別のセル性能を落とすことなく緩衝セル(buffered cell)を直列配列で配置することができる。高電圧の長い直列配列は、自動車のソリューション及びグリッドインタラクティブ(grid-interactive)のソリューションを有するもののように大抵の高電力アプリケーションに望ましい。短い直列配列は、自動車電子装置(例えば、ラップトップコンピュータ)のような他の多数の低電力アプリケーションに望ましい。そのような全ての直列配列において、本システム及び方法によって、各セルに注入され及び各セルから抽出される電力を、充電を放出し及び受け入れるセルの独自の能力に基づいて最適化することができる。
【0015】
本システム及び方法は、パック寿命の延長及び目標とする性能レベルに到達するために少数のセルを用いることによるパックサイズの減少を含む向上した性能特性の組合せを可能にする。その理由は、各セルが最適に用いられるからである。本システム及び方法は、蓄積セル間のばらつきに対する大きな許容誤差も有し、従来のパックに必要なセルよりも厳しくない誤差で製造される廉価なセルを使用することができる。同様に、ばらつきに対するこのように大きな許容誤差によって、製造されるセルの多くを使用することができる(すなわち、外れ値のパフォーマー(outlier performer)を廃棄せずに用いることができる。)。本システム及び方法によって、セルレベル監視、故障検出及び故障セルの電気的な分離を通じた向上した安全性及び信頼性も可能にする。
【0016】
本システム及び方法は、安定した一定の出力電圧を生成する緩衝セルの長い直列配列−出力電圧が典型的には負荷の要求に応じて変動するとともにエネルギー蓄積セルの充電状態に依存する従来のエネルギー蓄積パックとは著しく異なる所望の能力を可能にもする。
【0017】
一実施の形態において、本システム及び方法は、双方向DC−DCコンバータを各セルと他のセルとの間に配置することによって各セルに対する他のセルからの衝撃を和らげる。DC−DCコンバータそれ自体を、高い合計電圧(high aggregate voltage)に到達するために長い直列配列で配置することができる。DC−DCコンバータは、対応するDC−DCコンバータの出力部の電圧及び電流と異なるようにセルの電圧及び電流を設定することができる。出力部に対する入力部の差によって、上述した電気的な緩衝及び各セルに対する電力の注入及び抽出の最適化を可能にする。
【0018】
本システム及び方法によれば、DC−DCコンバータは、電気的に緩衝されたセルに対する接続部間のあらゆるインピーダンス差を電気的に補償することができる。従来のバッテリーパックにおいて、セルに対する電気的な接続部間のインピーダンス差によって性能が阻害されている。この問題は、電気化学セルの温度感度によって悪化し、一様なインピーダンスの信頼性のある電気的な接続部を構成するための溶接及びはんだ付けの使用を制限する。これらのインピーダンス差を補償する能力に加えて、本システムのDC−DCコンバータは、電気化学セルよりも強固であり、容易に溶接又ははんだ付けすることができる電気的なタブを有する。
【0019】
本システム及び方法によれば、システムの熱損失を最小に維持しながら高い合計電圧出力が得られる。DC−DCコンバータは、入力電源電圧を更に高い又は更に低い出力電圧に変換する。システムのエネルギー損失及びDC−DCコンバータ回路の発熱は、典型的には全てのDC−DCコンバータ設計の固有の特性である入力電圧と出力電圧との間の差に比例する。例えば、入力電圧と出力電圧との間の増加率が大きくなると、典型的にはエネルギー損失が大きくなる。本システム及び方法において、そのようなエネルギー損失は、入力電圧と出力電圧との間の差を最小にすることによって最小になる。DC−DCコンバータを直列配列で配置することによって、各DC−DCコンバータが配列に対して比較的低い電圧を供給(contribute)しながら高い合計出力電圧が得られる。
【0020】
さらに、そのような形態において、各DC−DCコンバータが比較的低い電圧で動作するので、本システムのDC−DCコンバータ回路は、比較的廉価な素子から構成される。例えば、低電圧DC−DCコンバータは、比較的廉価なMOSFETスイッチによって構成され、それに対し、高電圧で動作する同様なDC−DCコンバータは、比較的高価な絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)スイッチによって最適に構成される。
【0021】
一実施の形態によれば、各々が自身の蓄積セルに接続された複数の制御回路を、高電圧源としてマルチセル蓄積パックを設けるために直列配列で接続することができ、各制御回路及び対応するエネルギー蓄積セルは、直列配列の「ノード」となる。
【0022】
一実施の形態によれば、そのような複数の直列配列を、更に大きな電力処理及びエネルギー容量を有するマルチセル蓄積パックを設けるために並列に接続することができる。各制御回路の処理回路は、各エネルギー蓄積セルの全体に亘る性能及び寿命を上げながらマルチセル蓄積パックの各ノードに特定の出力電圧を供給するために監視用コントローラとやり取りを行うことができる。
【0023】
本システム及び方法を、集中監視用コントローラにより、又は、分散処理システムで実現される監視用コントローラの機能により実現することができる。一実施の形態によれば、そのような分散処理システムは、マルチノードエネルギー蓄積パックのノードの制御回路のソフトウェアとして組み込まれる。
【0024】
一実施の形態によれば、エネルギー蓄積制御システムは、電気的なエネルギーを蓄積し及び供給するために互いに電気的に接続した複数のノードを含む。ノードを直列及び/又は並列に接続することができる。中央処理システムは、複数の電気的なノードとやり取りを行い、複数の電気的なノードを制御する。各ノードは、セルからの入力電圧を所望の出力電圧に変換し又はセルからの入力電流を所望の入力電流に変換することによって対応するエネルギー蓄積セルを制御する電気的なコンバータ回路を有する。一実施の形態によれば、各ノードは、電気的なコンバータ回路に接続可能なエネルギー蓄積セルの電気的な特性を検知する検知システムと、検知システムからの情報を用いて対応するエネルギー蓄積セルの電気的なコンバータ回路を制御する処理システムと、処理システムからの情報を用いて電気的なコンバータ回路を駆動する駆動システムと、を有する。中央処理システムは、個別のノードの動作特性に基づいて全体に亘るシステム性能を向上させるために各ノードの処理システムとやり取りを行うとともに各ノードの処理システムに指示を行う。
【0025】
本システム及び方法は、(例えば、電気自動車若しくはハイブリッド自動車の)推進駆動用のシステム又はオングリッド若しくはオフグリッド固定電力システム(on-grid or off-grid stationary powering system)において更に有効なDC/AC変換を促進することができる高電圧直列配列を有するエネルギー蓄積パックを提供する。高電圧用途に対して、直流から交流への変換は、高入力直流電圧において更に有効になる。例えば、ここで説明する典型的な実施の形態による高電圧エネルギー蓄積パックにおいて、典型的にはセルパックとDC/ACコンバータとの間で必要とされる中間DC/DCアップコンバータを除外することができる。
【0026】
以下の記載において、説明のために、ここで開示する種々の発明の概念を完全に理解するために具体的な術語体系(specific nomenclature)を説明する。しかしながら、ここで開示する種々の発明の概念を実現するためにこれらの具体的な詳細を必要としないことは当業者には明らかである。
【0027】
図1は、一実施の形態によるマルチセルエネルギー蓄積パックの制御回路及びエネルギー蓄積セルを有するノードの典型的なレイアウトを示す。典型的なノード100は、制御回路102と、(便宜上電気記号によって表す)エネルギー蓄積セル104と、を有する。ノード100は、一実施の形態によるマルチセルエネルギー蓄積パックの「インテリジェント」電圧及び電流源として機能する。
【0028】
典型的な制御回路102は、双方向DC−DCコンバータ106を有し、その一例を以下で説明する。制御回路102は、検知システム108、温度センサ110、処理システム112及び駆動システム114も有する。検知システム108は、所定の時間に亘るセル温度、セル電流及び電圧特性、並びにノード電圧特性を監視し、当該情報を処理システム112に提供する。処理システム112は、監視された状態に依存するDC−DCコンバータを制御する方法に関する記憶情報に基づいて、検知システムからの情報を処理し、セル104の向上した特性を得るようコンバータ106を適切に制御するために情報を駆動システム114に出力する。
【0029】
検知システム108のピンA及びピンBは、DC−DCコンバータ106に含まれる電流センサに接続される。検知システム108のピンC及びピンDは、(例えば、セル104に装着された)温度センサ110に接続される。セル104は、コンバータ106に電気的に接続するためにシステムノード100のピン2及びピン3に接続される。検知システム108のピンEは、システムノード100のピン2(Bus+)に接続され、検知システム108のピンFは、システムノード100のピン3(Bus−)に接続される。検知システム108のピンGは、システムノード100のピン2(Bat+)に接続される。
【0030】
処理システム112は、検知システム108からの信号を受信する入力接続部と、システムノード100のピン5に対する通信バス接続部と、を有する。処理システム112は、駆動システム114に対する出力接続部も有する。駆動システム114は、処理システム112からの入力接続部と、DC−DCコンバータ106に対する出力接続部と、を有する。
【0031】
図2は、一実施の形態によるマルチセルエネルギー蓄積パックの典型的な制御回路を詳細に示す。ノード100は、制御回路102と、セル104と、を有する。制御回路102は、DC−DCコンバータ106と、検知及び測定システム108と、温度センサ110と、処理及び通信システム112と、駆動信号生成及び保護システム114と、を有する。
【0032】
典型的な検知及び通信システム108は、検知、駆動及び信号調整モジュール220を有し、検知、駆動及び信号調整モジュール220は、電流センサ160の出力部CS1及びCS2に対する電気的な接続部、温度センサ110に対する電気的な接続部、ピン1(Bus+)に対する電気的な接続部、ピン2(Bat+)に対する電気的な接続部及びピン3(Bus−)に対する電気的な接続部を有する。検知、駆動及び信号調整モジュール220は、電流測定モジュール221、温度測定モジュール222及び電圧測定モジュール223において所定の時間に亘って測定した電流信号、温度信号及び電圧入力信号を作成し及び調整する。検知及び測定システム108は、測定された値を処理及び通信システム112に送信する。
【0033】
処理及び通信システム112は、アナログ−デジタルコンバータ、処理システム及びデジタル記憶部を有するモジュール217を有する。アナログ−デジタルコンバータは、検知システム108からの電流、温度及び電圧のアナログ測定値を対応するデジタル値に変換する。処理システムは、システムメモリに含まれる命令により電流データ、温度データ及び電圧データを記憶して相互に関連付けを行い、デジタル−アナログコンバータ215及びコマンド信号総和モジュール214を通じて駆動信号生成及び保護システム114に送信される命令を生成するために充電/放電アルゴリズムを処理する。モジュール217は、送信器213にもエンコーダモジュール216を通じてデータを送信する。送信器213は、2線通信モジュール212にデータを送信し、2線通信モジュール212は、データを送信し、監視用コントローラからのデータ及び命令を受信する。2線通信モジュール212は、入力データ及び命令を受信モジュール211に送信し、受信モジュール211は、デコーダモジュール210に送信するデータ及び命令を作成する。デコーダモジュール210は、受信データを解釈し、コマンド信号総和モジュール214を通じて処理モジュール217及び駆動システム114に情報を送り出すことができる。
【0034】
駆動システム114は、処理システム112からの信号が入力される電流モード制御モジュール193と、システム起動中に制御信号を提供するソフトスタートモジュール192と、通常動作中に基準駆動信号(baseline drive signal)を生成するランプ生成器モジュール(ramp generator module)191と、を有する。電流モード制御モジュール193は、入力信号を処理し、充電動作と放電動作の両方のためにドライバ電源、駆動回路及び保護モジュール196に制御信号を送信する。
【0035】
駆動システム114は、電流制限シャットダウンモジュール194も有し、電流制限シャットダウンモジュール194は、システム電流レベルがDC−DCコンバータ106又はセル104の素子の安全動作範囲を超えるときにシステム動作を管理するためにドライバ電源、駆動回路及び保護モジュール196に制御信号を送信する。
【0036】
駆動システム114は、駆動不足電圧ロックアウトモジュール(drive under-voltage lockout module)195も有し、駆動不足電圧ロックアウトモジュール195は、DC−DCコンバータ106又はセル104の電圧レベルが安全かつ十分な動作に必要なレベルより下に降下するときにシステム動作を管理するためにドライバ電源、駆動回路及び保護モジュール196に制御信号を送信する。
【0037】
駆動システム114は、発振器及び抵抗−コンデンサ(RC)回路モジュール190も有し、発振器及びRC回路モジュール190は、ドライバ電源、駆動回路及び保護モジュール196にクロック信号を供給する。駆動システム114のドライバ電源、駆動回路及び保護モジュール196は、DC−DCコンバータ106のスイッチング装置に制御信号を供給する。
【0038】
充電アルゴリズム及び放電アルゴリズムの典型的な処理は、例えば、セル動作情報が予め設けられたルックアップテーブルの探索と、探索した情報に基づいて行われる決定と、を含む。典型的な決定アルゴリズムは、例えば、検査セルの寿命サイクルに亘る時間の関数としての異なる充電条件及び放電条件の下でのセル動作の試行錯誤による検査(trial-and-error testing)に基づく。換言すれば、試行錯誤による検査の制御された条件の下で、現在の状態に依存する所定のタイプのセルの変化する電圧及び/又は電流特性のセル動作に対する影響は、表形式にされている。アルゴリズムは、所望の特性を得るためにそのようなセルの電圧及び/又は電流特性を(DC−DCコンバータ106を通じて)変更するようコード化される。例えば、処理システム112が、(検知システム108からの測定を通じて決定(assess)される)特定のセル104の現在の放電速度が2ヶ月の非常に短いセルの寿命を示唆していると判断する場合、アルゴリズムはルックアップテーブルを探索し、セル104の計算された寿命の不足分並びに現在の電流動作特性及び電圧動作特性に基づいて、当該セル104のDC−DCコンバータ106に対して適切な補正を行う。
【0039】
一実施の形態によれば、処理システム112の処理は、ソフトウェア処理命令のシーケンスを実行する一つ以上の中央プロセッサ及び任意の適切なデータベース(例えば、ローカルデータベース又はリモートデータベース)の一つ以上のメモリ又は記憶装置との適切なやり取りによって実行される。処理命令及びルックアップテーブルは、メモリカード、フラッシュメモリ、磁気ディスク若しくは光ディスク、CD若しくはDVD、又は他の任意のメモリチップ若しくはメモリカートリッジ等の任意の適切なコンピュータ読取可能記憶媒体から探索される。他の実施の形態において、有線回路を、ここで説明する典型的な方法を実現するためにソフトウェア命令の代わりに又はそれと組み合わせて用いる。したがって、本実施の形態は、ハードウェア回路及びソフトウェアの任意の特定の組合せに限定されるものではない。一つのコンピュータシステム又は任意の適切な通信リンクによって互いに動作する複数のコンピュータシステムに配置された一つ以上の通常のプロセッサのような任意の適切な処理システムを用いることによってここで開示した処理を実行できることを理解すべきである。
【0040】
図3は、一実施の形態によるマルチセルエネルギー蓄積パックの複数のノード及び制御回路の直列配列を示す。典型的なマルチセルエネルギー蓄積パックは、複数のノード100を有し、各ノード100は、制御回路102及びセル104を有する。各セル104は、複数の制御回路102の対応するものに電気的に接続される。直列配列接続において、複数の制御回路102は、一つの制御回路102の正電圧バス端子が次の制御回路102の負電圧バス端子に接続されるように直列接続される。そのような直列形態によって、個別のノードによって生成した個別の出力電圧の和にほぼ等しい高い全体出力電圧を可能にする。
【0041】
直列接続された複数の回路102の各々の処理システム112は、電圧データ、電流データ及び温度データを中央処理システム300(CPS)及びデータリポジトリ(data repository)400(DB)に送信する。また、各処理システム112は、マルチセル蓄積パックの他のセル104の動作に応じてマルチセル蓄積パックの全体に亘る動作を向上させるために各回路のDC−DCコンバータ106を制御するようCPS300からの定期的な命令を受信する。このようにして、全体に亘るシステム特性は、所望の電圧及び電流出力を全体に亘って取得するために向上され及び制御される。また、個別のセル104の寿命は、パッケージのセルの全ての寿命を均一化するために制御される。セル104は、他のセルより著しく速く使用可能な寿命の終わりに到達しない。個別のセル104は、セルの寿命及びエネルギー蓄積パックに対するエネルギー供給(energy contribution)を最大にするために制御される。
【0042】
図4は、一実施の形態によるマルチセル104のエネルギー蓄積パックの複数の並列のノード100及び制御回路102の並列配置を示す。並列形態によって、個別のノードによって生成した個別の出力電圧の和にほぼ等しい出力電圧での高い電流容量を可能にする。
【0043】
所望の機能を達成しながらのコンデンサに対するインダクタの適切な置換(及びその逆)、電圧に対する電流の置換並びに並列形態に対する直列形態の置換は、ここに示す教示を考慮すると本開示の範囲内とみなされる。
【0044】
一実施の形態によれば、複数のノードは、同一又は異なる長さの他の直列配列と並列な任意の長さの直列配列で構成される。
【0045】
一実施の形態によれば、複数のノードは、個別のエネルギー蓄積装置の均一化された集合を用いるエネルギー蓄積システムで用いられる。例えば、並列に動作する一連の直列配列は、電気化学電池セル、超コンデンサ、フライホイール又は他の任意のエネルギー蓄積装置の任意の組合せに接続されたノードから構成される。本システム及び方法は、セル技術、化学及び/又は相対的な実行能力 (relative performance capability)に関係なくセル機能を最適にする。
【0046】
図5は、一実施の形態によるマルチセルエネルギー蓄積パックで使用される典型的な双方向DC−DCコンバータの回路図を示す。
【0047】
典型的なDC−DCコンバータは、セル104の放電及び充電をそれぞれ行うためのステップアップ(ブースト)コンバータ及びステップダウン(バック)コンバータとして機能する。コンバータ回路106は、放電サイクル中にスイッチZd7 128のデューティサイクルを変更するとともに充電サイクル中にスイッチZe7 120のデューティサイクルを変更することによって、コンデンサC7 150の両端間の電圧として規定されるバス寄与電圧(BCV)を調整することができる。セル104からのエネルギーは、放電サイクル中に出力コンデンサC7 150に供給され、充電サイクル中にはその逆となる。本実施の形態によれば、エネルギー伝達及び記憶媒体(energy transfer and storage medium)はインダクタL7 140である。
【0048】
ダイオードDe7 138及びダイオードDd7 136は、スイッチモードパルス幅変調(PWM)動作中にスイッチZe7 120及びZd7 128がオフであるときにインダクタL7 140に対する電流の経路を提供する。充電電流及び放電電流は、検知システム、処理システム及び駆動システムによりセルの最適な充電プロファイル及び放電プロファイルに基づいて調整される。
【0049】
放電モード中、スイッチZd7 128がオンになり、インダクタL7 140を流れる電流が増大する際にエネルギーがセルから抽出される。インダクタL7 140の電流が予め決定された大きさに到達すると、スイッチZd7 128がオフになる。インダクタL7 140を流れる電流は、電流をダイオードDd7 136を通じて出力コンデンサC7 150に流すことができる新たな経路を確立する。
【0050】
充電モード中、スイッチZe7 120がオンになり、エネルギーがコンデンサC7 150から抽出され、エネルギーをインダクタL7 140を通じて(一つ以上の)セルに注入する。インダクタの電流が予め決定された大きさに到達すると、スイッチZe7 120がオフになり、インダクタ電流は、電流をダイオードDe7 138に流すことができる新たな経路を確立する。
【0051】
したがって、典型的なノードは、セルからの入力電圧を所望の出力電圧に変換し及び/又はセルからの入力電流を所望の出力電流に変換する機能及び能力を有する。
【0052】
図6は、一実施の形態によるマルチセルエネルギー蓄積パックの複数のDC−DCコンバータ及びセルの直列配列を示す。直列配列において、DC−DCコンバータ106の出力部は、電気モータを駆動し又はユーティリティグリッド(utility grid)に相互接続するインバータのような電力変換装置の入力部に電気的に直列接続される。各ノードは、測定された電流、測定された電圧、測定された温度及び定期的(例えば、周期的、継続的)に更新されてメモリに記憶されるそれ自体の過去の実績データ(historical performance data)に基づいてセル104の充電の現在の状態を推定することができる。一実施の形態によれば、各ノードは、所定の電池化学及び特性に対して最適回数の動作の寿命サイクルを得るようプログラムされる。例えば、各ノードは、各セルが所定の負荷に対してサイクル数に対する容量減衰の目標勾配(すなわち、所望の動作)にできるだけ近づくように動作する。目標勾配は、図7の典型的なライン300によって表される実際のセルの性能検査又はシミュレートされた予測に基づくことができる。
【0053】
再び図6を参照すると、負荷要求に基づいて、外部のインバータ200は、配列に対する電流要求を設定し、個別のノードは、バス寄与電圧(BCV)を調整する。BCVは、各セル104の容量及び配列の終端又はインバータの内側に配置することができる中央処理システム300(CPS)によって命令される目標BCVに基づいて調整される。中央処理システム300は、インバータの大抵の動作状態に対して一定のバス電圧を維持する。
【0054】
セルを流れる電流は、全体として(in aggregate)直列配列に配置された負荷又は個別のセルに配置された負荷に依存する。CPS300は、BCVを制御することによって個別のセルに流れる電流を管理する。したがって、個別のセルを流れる電流は、配列を流れる電流とは独立に管理される。セルを流れる電流は、CPS300によって決定されるとともに当該ノードのBCVに相関したセルの瞬時の電力処理能力に基づく。
【0055】
CPS300は、図7の目標勾配に対する報告されたセル能力及び性能に基づいてノードごとにBCVを決定する。目標BCVの総和は、所望のバス電圧ターゲットに等しい。BCVターゲットが更新される速度は、予め規定されたルックアップテーブルの使用のようなセルの劣化の推定及び性能特性に基づく。
【0056】
典型的な放電サイクルにおいて、負荷が増大する場合、インバータ200は、更に増大する電力要求に適合するためにインバータバスの更に多くの電流I1の抽出を開始する。配列上の増大する電流要求に適合するために、処理システムは、CPS300によって決定されたように新たな電流要求に適合するとともにノードのBCVを維持するようブーストスイッチデューティサイクルを調整する。ブーストスイッチデューティサイクルの再調整(低減)は、インバータの負荷が減少するときに行われる。
【0057】
典型的な充電サイクルにおいて、負荷の再生力(regenerative power)が増大する場合、インバータ200は、生成された再生力の増大に適合するためにインバータバスに更に多くの電流I1を供給し始める。配列上の増大した電流再生に適合するために、処理システムは、CPS300によって決定されたように供給される新たな電流に適合するとともにノードのBCVを維持するようバックスイッチデューティサイクルを調整する。バックスイッチデューティサイクルの再調整(低減)は、インバータによって供給された再生電力が減少するときに行われる。
【0058】
セルが直列配列に有用なエネルギーを供給することができず、BCVが図5のダイオードDc7 138及びダイオードDd7 136の順バイアス電圧(forward bias voltage)より下になる場合、回路は、直列配列が配列のセルの残りにエネルギーを供給し続けるようにセルをバイパスすることができる。そのような状態において、CPS300は、配列の目標バス電圧に到達するために残りのノードのBCVを再調整する。
【0059】
CPS300は、熱暴走のような危険動作領域(unsafe operating regime)の前段階(precursor stage)を検出するためにセルの電圧、電流及び温度を決定する。この場合、ノードは、セルのあらゆる余計な充電若しくは放電を回避し又はCPS300及びノードコントローラの適切な動作の決定に応じてインダクタを通じてセルに放電を行うことができるようにすることによって、起こりうる有害な状態を緩和することができる。
【0060】
図7は、一実施の形態によるマルチセルエネルギー蓄積パック内のエネルギー蓄積セルのパフォーマンス関数のサイクル数に対するターゲットコンデンサの減衰を示す。ライン300は、サイクル数に対する容量の目標勾配を示す。上述したように、目標勾配は、実際のセルの性能検査、シミュレーション又は他の予測法に基づくことができる。
【0061】
図8は、一実施の形態によるマルチセルエネルギー蓄積パック内で用いられる典型的なDC−DCコンバータを示す。典型的なDC−DCコンバータ800は第1のスイッチ120を有し、第1のスイッチ120は、第1の端子122と、第2の端子124と、第1の端子122と第2の端子124との間の電気的な接続を制御する制御端子126と、を有する。DC−DCコンバータ800は第2のスイッチ128も有し、第2のスイッチ128は、第1の端子130と、第2の端子132と、第1の端子130と第2の端子132との間の電気的な接続を制御する制御端子134と、を有する。ダイオード136は、第2の端子124から第1の端子122に電流を流すために第1の端子122及び第2の端子124に接続され、ダイオード138は、第2の端子132から第1の端子130に電流を流すために第1の端子130及び第2の端子132に接続される。スイッチ120及びスイッチ128を、例えば、MOS電界効果トランジスタ(MOSFET)、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)、バイポーラ接合型トランジスタ(BJT)又はMOS制御サイリスタ(MCT)とすることができる。一実施の形態によれば、ダイオード136及びダイオード138を、例えば、複数のパワーMOSFETに含まれるボディダイオード又はショットキーダイオードのような個別の素子とすることができる。
【0062】
DC−DCコンバータ800は、第1の端子142及び第2の端子144を有するインダクタ140も有する。インダクタ140の第1の端子142は、第1のスイッチ120の第2の端子124と第2のスイッチ128の第1の端子130の両方に電気的に接続される。インダクタ140の第2の端子144は、セル104の正セル端子2に接続可能である。インダクタの適切なインダクタンスは、特定の用途、回路の電圧及びDC−DCコンバータコントローラで実現されるようなスイッチング変調周波数(switch modulation frequency)に依存する。一実施の形態によれば、250kHzから500kHzの範囲の公称変調周波数(nominal modulation frequency)に対して、100nHから300nHまでの範囲のインダクタンスが有利である。
【0063】
DC−DCコンバータ800は、第1の端子152及び第2の端子154を有するコンデンサ150も有する。コンデンサ150の第1の端子152は、第1のスイッチ120の第1の端子122と制御回路の正電圧バス端子1の両方に電気的に接続される。コンデンサ150の第2の端子154は、第2のスイッチ128の第2の端子132と制御回路の負電圧バス端子3の両方に電気的に接続される。負電圧バス端子3は、セル104の負端子に接続可能である。一実施の形態によれば、250kHzから500kHzの範囲の公称変調周波数に対して、5μFから10μFまでの範囲の容量が有利である。
【0064】
DC−DCコンバータ800は、インダクタ140を通じてセル104に流れる電流を測定する電流センサ160も有する。電流センサ160を、ホール効果センサのような任意の適切なセンサとすることができ、電流センサ160は、インダクタ140に近接して配置される。電流センサ160を、コンバータ回路106に適切に挿入された任意の回路、例えば、インダクタ140に直列なシャント抵抗又は任意の適切な電流検知回路とすることもできる。
【0065】
インピーダンス、容量及びスイッチングの値を、特定の用途及び当面の(at hand)性能要求に応じて選択することができる。
【0066】
図9は、一実施の形態によるマルチセルエネルギー蓄積パック内で用いられる典型的なDC−DCコンバータを示す。図9の典型的な回路900は、図8に示す回路と同様なものにスイッチ170を加えたものである。スイッチ170を、例えば、電気機械式リレー、MOS電界効果トランジスタ(MOSFET)、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)、バイポーラ接合型トランジスタ(BJT)又はMOS制御サイリスタ(MCT)とすることができる。セル104が危険又は異常な動作(例えば、過度の発熱)を示す場合、DC−DCコンバータ回路900は、セル104をバイパスするように動作することができ、直列配列は、バイパスされたセル104にエネルギーを供給することなく機能し続けることができる。スイッチ170によって、バイパスされたセル104を電気的な回路から切り離すことができ、セル104は、DC−DCコンバータ回路900を通じて放電しない。この追加された機能は、セルの安全な最適動作を確実にするのに有利である。そのような動作条件において、CPSは、配列の目標バス電圧に到達するよう残りのノードのBCVを再調整する。
【0067】
図10は、一実施の形態によるマルチセルエネルギー蓄積パック内で用いられる典型的なDC−DCコンバータを示す。図10の典型的な回路1000は、図8に示す回路と同様なものにスイッチ180を加えたものである。スイッチ180を、例えば、電気機械式リレー、MOS電界効果トランジスタ(MOSFET)、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)、バイポーラ接合型トランジスタ(BJT)又はMOS制御サイリスタ(MCT)とすることができる。セル104が危険又は異常な動作(例えば、過度の発熱)を示す場合、スイッチ120及びスイッチ128は、セル104を回路1000から切り離すために開状態になり、それと同時に、セル104をバイパスするためにスイッチ180が閉状態になり、直列配列は、バイパスされたセル104にエネルギーを供給することなく機能し続けることができる。この追加された機能は、セルの安全な最適動作を確実にするのに有利である。そのような動作条件において、CPSは、配列の目標バス電圧に到達するよう残りのノードのBCVを再調整する。また、スイッチ180によって、DC−DCコンバータ回路1000の素子のいずれかが故障した場合にノードを電気的にバイパスすることができる。
【0068】
図11は、一実施の形態によるマルチセルエネルギー蓄積パック内で用いられる典型的なDC−DCコンバータの回路図を示す。図11のDC−DCコンバータは、セル1106の放電用のステップダウン(バック)コンバータ及びセル1106の充電中のステップアップ(ブースト)コンバータとして機能する。
【0069】
コンバータ回路は、放電サイクル中にスイッチS1 1103のデューティサイクルを変更するとともに充電サイクル中にスイッチS2 1105のデューティサイクルを変更することによって、コンデンサC1 1100の両端間の電圧として規定されるバス寄与電圧(BCV)を調整することができる。セル1106からのエネルギーは、放電サイクル中に出力コンデンサC1 1100に供給され、充電サイクル中にはその逆となる。本実施の形態によれば、エネルギー伝達及び蓄積媒体はインダクタL1 1101である。
【0070】
ダイオードD1 1102及びダイオードD2 1104は、スイッチモードパルス幅変調(PWM)動作中にスイッチS1 1103及びスイッチS2 1105がオフであるときにインダクタL1 1101に対する電流経路を設ける。充電電流及び放電電流は、検知システム、処理システム及び駆動システムによってセルの最適な充電プロファイル及び放電プロファイルに基づいて調整される。
【0071】
放電モード中、スイッチS1 1103がオンになり、インダクタL1 1101を流れる電流が増大するとエネルギーがセル1106から抽出される。インダクタL1 1101の電流が予め設定された大きさに到達すると、スイッチS1 1103はオフになる。インダクタL1 1101を流れる電流は、ダイオードD2 1104を通じて出力コンデンサC1 1100に流すことができる新たな経路を確立する。
【0072】
充電モード中、スイッチS2 1105がオンになり、エネルギーが、直列配列で既に確立された電流とともにコンデンサC1 1100から抽出され、これによって、インダクタL1 1101の電流が増大する。インダクタL1 1101の電流が予め設定された大きさに到達すると、スイッチS2 1105はオフになり、インダクタL1 1101を流れる電流は、ダイオードD1 1102及びセル1106を通じて流すことができる新たな経路を確立する。
【0073】
したがって、典型的なノードは、セルからの入力電圧を所望の出力電圧に変換し及び/又はセルからの入力電流を所望の出力電流に変換する機能及び能力を有する。
【0074】
本開示の精神及び範囲を逸脱することなく典型的なDC−DCコンバータを当業者によって構成できることを理解されたい。例えば、電気回路の双対性(duality)の原理に基づいて、コンデンサに対するインダクタの適切な置換(又はその逆)、電圧に対する電流の適切な置換及び並列形態に対する直列の置換により、所望の機能を得ながら典型的なDC−DCコンバータの変形例を構成することができ、そのような変形例は、ここに示す教示を考慮すると本開示の範囲内とみなされる。
【0075】
インテリジェントエネルギー蓄積パックを拡張可能に構成するシステム及び方法を開示した。ここに記載した実施の形態は、説明のためのものであり、開示の主題を制限するものと考えるべきではないことを理解すべきである。本発明の範囲又は精神を逸脱することのない種々の変形、使用、置換、組合せ、改善及び製造方法は、当業者に明らかである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のコンバータ回路に電気的に接続した第1のエネルギー蓄積セルの第1の電流測定を行い、前記第1のコンバータ回路は、前記第1のエネルギー蓄積セルの充電及び放電を制御し、
前記第1のエネルギー蓄積セルの第1の電圧測定を行い、
ロードポリシーに従って決定される第1の制御信号を受信し、前記第1のコンバータ回路は、前記第1の制御信号に従って前記第1のエネルギー蓄積セルからの第1の電圧を所望の第1のバス寄与電圧に変換する方法。
【請求項2】
前記第1のエネルギー蓄積セルの第1の温度測定を更に行う請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ロードポリシーは、過去のエネルギー蓄積セル特性、エネルギー蓄積セル劣化特性、エネルギー蓄積セル性能特性、並びに所望のエネルギー蓄積セルの充電及び放電動作のうちの少なくとも一つを用いて規定される請求項1に記載の方法。
【請求項4】
第2のコンバータ回路に電気的に接続した第2のエネルギー蓄積セルの第2の電流測定を行い、前記第2のコンバータ回路は、前記第2のエネルギー蓄積セルの充電及び放電を制御し、
前記第2のエネルギー蓄積セルの第2の電圧測定を行い、
前記ロードポリシーに従って決定される第2の制御信号を受信し、前記第2のコンバータ回路は、前記第2の制御信号に従って前記第2のエネルギー蓄積セルからの第2の電圧を所望の第2のバス寄与電圧に変換する請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第2のエネルギー蓄積セルの第2の温度測定を更に行う請求項4に記載の方法。
【請求項6】
第1の制御回路及び第2の制御回路は、エネルギー蓄積パック内で互いに電気的に接続され、前記第1の制御回路及び前記第2の制御回路は、直列形態と並列形態のうちの一つで互いに電気的に接続され、前記第1のバス寄与電圧及び前記第2のバス寄与電圧は、前記エネルギー蓄積パックから一定の出力を提供するために調整される請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記第1のコンバータ回路は、ブースト−バックコンバータとバック−ブーストコンバータのうちの一方である請求項1に記載の方法。
【請求項8】
第1のエネルギー蓄積セルと、
前記第1のエネルギー蓄積セルに電気的に接続され、第1のコンバータ回路を有する第1の制御回路と、を備え、前記第1の制御回路は、
第1のコンバータ回路に電気的に接続した第1のエネルギー蓄積セルの第1の電流測定を行い、前記第1のコンバータ回路は、前記第1のエネルギー蓄積セルの充電及び放電を制御し、
前記第1のエネルギー蓄積セルの第1の電圧測定を行い、
ロードポリシーに従って決定される第1の制御信号を受信し、前記第1のコンバータ回路は、前記第1の制御信号に従って前記第1のエネルギー蓄積セルからの第1の電圧を所望の第1のバス寄与電圧に変換する装置。
【請求項9】
前記第1の制御回路は、前記第1のエネルギー蓄積セルの第1の温度測定を更に行う請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記ロードポリシーは、過去のエネルギー蓄積セル特性、エネルギー蓄積セル劣化特性、エネルギー蓄積セル性能特性、並びに所望のエネルギー蓄積セルの充電及び放電動作のうちの少なくとも一つを用いて規定される請求項8に記載の装置。
【請求項11】
第2のエネルギー蓄積セルと、
前記第2のエネルギー蓄積セルに電気的に接続され、第2のコンバータ回路を有する第2の制御回路と、を更に備え、前記第2の制御回路は、
第2のコンバータ回路に電気的に接続した第2のエネルギー蓄積セルの第2の電流測定を行い、前記第2のコンバータ回路は、前記第2のエネルギー蓄積セルの充電及び放電を制御し、
前記第2のエネルギー蓄積セルの第2の電圧測定を行い、
前記ロードポリシーに従って決定される第2の制御信号を受信し、前記第2のコンバータ回路は、前記第2の制御信号に従って前記第2のエネルギー蓄積セルからの第2の電圧を所望の第2のバス寄与電圧に変換する請求項8に記載の装置。
【請求項12】
前記第2の制御回路は、前記第2のエネルギー蓄積セルの第2の温度測定を更に行う請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記第1の制御回路及び前記第2の制御回路は、エネルギー蓄積パック内で互いに電気的に接続され、前記第1の制御回路及び前記第2の制御回路は、直列形態と並列形態のうちの一つで互いに電気的に接続され、前記第1のバス寄与電圧及び前記第2のバス寄与電圧は、前記エネルギー蓄積パックから一定の出力を提供するために調整される請求項11に記載の装置。
【請求項14】
前記第1のコンバータ回路は、ブースト−バックコンバータとバック−ブーストコンバータのうちの一方である請求項8に記載の装置。
【請求項15】
データベースとのやり取り行う中央処理システムと、
前記中央処理システムとやり取りを行い、第1のエネルギー蓄積セルに電気的に接続され、第1のコンバータ回路を有する第1の制御回路と、を備え、前記第1の制御回路は、
第1のコンバータ回路に電気的に接続した第1のエネルギー蓄積セルの第1の電流測定を行い、前記第1のコンバータ回路は、前記第1のエネルギー蓄積セルの充電及び放電を制御し、
前記第1のエネルギー蓄積セルの第1の電圧測定を行い、
ロードポリシーに従って決定される第1の制御信号を受信し、前記第1のコンバータ回路は、前記第1の制御信号に従って前記第1のエネルギー蓄積セルからの第1の電圧を所望の第1のバス寄与電圧に変換するシステム。
【請求項16】
前記第1の制御回路は、前記第1のエネルギー蓄積セルの第1の温度測定を更に行う請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記ロードポリシーは、過去のエネルギー蓄積セル特性、エネルギー蓄積セル劣化特性、エネルギー蓄積セル性能特性、並びに所望のエネルギー蓄積セルの充電及び放電動作のうちの少なくとも一つを用いて規定される請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
前記中央処理システムとやり取りを行い、第2のエネルギー蓄積セルに電気的に接続され、第2のコンバータ回路を有する第1の制御回路を更に備え、前記第2の制御回路は、
第2のコンバータ回路に電気的に接続した第2のエネルギー蓄積セルの第2の電流測定を行い、前記第2のコンバータ回路は、前記第2のエネルギー蓄積セルの充電及び放電を制御し、
前記第2のエネルギー蓄積セルの第2の電圧測定を行い、
前記ロードポリシーに従って決定される第2の制御信号を受信し、前記第2のコンバータ回路は、前記第2の制御信号に従って前記第2のエネルギー蓄積セルからの第2の電圧を所望の第2のバス寄与電圧に変換する請求項15に記載のシステム。
【請求項19】
前記第2の制御回路は、前記第2のエネルギー蓄積セルの第2の温度測定を更に行う請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記第1の制御回路及び前記第2の制御回路は、エネルギー蓄積パック内で互いに電気的に接続され、前記第1の制御回路及び前記第2の制御回路は、直列形態と並列形態のうちの一つで互いに電気的に接続され、前記第1のバス寄与電圧及び前記第2のバス寄与電圧は、前記エネルギー蓄積パックから一定の出力を提供するために調整される請求項18に記載のシステム。
【請求項21】
前記第1のコンバータ回路は、ブースト−バックコンバータとバック−ブーストコンバータのうちの一方である請求項15に記載のシステム。
【請求項1】
第1のコンバータ回路に電気的に接続した第1のエネルギー蓄積セルの第1の電流測定を行い、前記第1のコンバータ回路は、前記第1のエネルギー蓄積セルの充電及び放電を制御し、
前記第1のエネルギー蓄積セルの第1の電圧測定を行い、
ロードポリシーに従って決定される第1の制御信号を受信し、前記第1のコンバータ回路は、前記第1の制御信号に従って前記第1のエネルギー蓄積セルからの第1の電圧を所望の第1のバス寄与電圧に変換する方法。
【請求項2】
前記第1のエネルギー蓄積セルの第1の温度測定を更に行う請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ロードポリシーは、過去のエネルギー蓄積セル特性、エネルギー蓄積セル劣化特性、エネルギー蓄積セル性能特性、並びに所望のエネルギー蓄積セルの充電及び放電動作のうちの少なくとも一つを用いて規定される請求項1に記載の方法。
【請求項4】
第2のコンバータ回路に電気的に接続した第2のエネルギー蓄積セルの第2の電流測定を行い、前記第2のコンバータ回路は、前記第2のエネルギー蓄積セルの充電及び放電を制御し、
前記第2のエネルギー蓄積セルの第2の電圧測定を行い、
前記ロードポリシーに従って決定される第2の制御信号を受信し、前記第2のコンバータ回路は、前記第2の制御信号に従って前記第2のエネルギー蓄積セルからの第2の電圧を所望の第2のバス寄与電圧に変換する請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第2のエネルギー蓄積セルの第2の温度測定を更に行う請求項4に記載の方法。
【請求項6】
第1の制御回路及び第2の制御回路は、エネルギー蓄積パック内で互いに電気的に接続され、前記第1の制御回路及び前記第2の制御回路は、直列形態と並列形態のうちの一つで互いに電気的に接続され、前記第1のバス寄与電圧及び前記第2のバス寄与電圧は、前記エネルギー蓄積パックから一定の出力を提供するために調整される請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記第1のコンバータ回路は、ブースト−バックコンバータとバック−ブーストコンバータのうちの一方である請求項1に記載の方法。
【請求項8】
第1のエネルギー蓄積セルと、
前記第1のエネルギー蓄積セルに電気的に接続され、第1のコンバータ回路を有する第1の制御回路と、を備え、前記第1の制御回路は、
第1のコンバータ回路に電気的に接続した第1のエネルギー蓄積セルの第1の電流測定を行い、前記第1のコンバータ回路は、前記第1のエネルギー蓄積セルの充電及び放電を制御し、
前記第1のエネルギー蓄積セルの第1の電圧測定を行い、
ロードポリシーに従って決定される第1の制御信号を受信し、前記第1のコンバータ回路は、前記第1の制御信号に従って前記第1のエネルギー蓄積セルからの第1の電圧を所望の第1のバス寄与電圧に変換する装置。
【請求項9】
前記第1の制御回路は、前記第1のエネルギー蓄積セルの第1の温度測定を更に行う請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記ロードポリシーは、過去のエネルギー蓄積セル特性、エネルギー蓄積セル劣化特性、エネルギー蓄積セル性能特性、並びに所望のエネルギー蓄積セルの充電及び放電動作のうちの少なくとも一つを用いて規定される請求項8に記載の装置。
【請求項11】
第2のエネルギー蓄積セルと、
前記第2のエネルギー蓄積セルに電気的に接続され、第2のコンバータ回路を有する第2の制御回路と、を更に備え、前記第2の制御回路は、
第2のコンバータ回路に電気的に接続した第2のエネルギー蓄積セルの第2の電流測定を行い、前記第2のコンバータ回路は、前記第2のエネルギー蓄積セルの充電及び放電を制御し、
前記第2のエネルギー蓄積セルの第2の電圧測定を行い、
前記ロードポリシーに従って決定される第2の制御信号を受信し、前記第2のコンバータ回路は、前記第2の制御信号に従って前記第2のエネルギー蓄積セルからの第2の電圧を所望の第2のバス寄与電圧に変換する請求項8に記載の装置。
【請求項12】
前記第2の制御回路は、前記第2のエネルギー蓄積セルの第2の温度測定を更に行う請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記第1の制御回路及び前記第2の制御回路は、エネルギー蓄積パック内で互いに電気的に接続され、前記第1の制御回路及び前記第2の制御回路は、直列形態と並列形態のうちの一つで互いに電気的に接続され、前記第1のバス寄与電圧及び前記第2のバス寄与電圧は、前記エネルギー蓄積パックから一定の出力を提供するために調整される請求項11に記載の装置。
【請求項14】
前記第1のコンバータ回路は、ブースト−バックコンバータとバック−ブーストコンバータのうちの一方である請求項8に記載の装置。
【請求項15】
データベースとのやり取り行う中央処理システムと、
前記中央処理システムとやり取りを行い、第1のエネルギー蓄積セルに電気的に接続され、第1のコンバータ回路を有する第1の制御回路と、を備え、前記第1の制御回路は、
第1のコンバータ回路に電気的に接続した第1のエネルギー蓄積セルの第1の電流測定を行い、前記第1のコンバータ回路は、前記第1のエネルギー蓄積セルの充電及び放電を制御し、
前記第1のエネルギー蓄積セルの第1の電圧測定を行い、
ロードポリシーに従って決定される第1の制御信号を受信し、前記第1のコンバータ回路は、前記第1の制御信号に従って前記第1のエネルギー蓄積セルからの第1の電圧を所望の第1のバス寄与電圧に変換するシステム。
【請求項16】
前記第1の制御回路は、前記第1のエネルギー蓄積セルの第1の温度測定を更に行う請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記ロードポリシーは、過去のエネルギー蓄積セル特性、エネルギー蓄積セル劣化特性、エネルギー蓄積セル性能特性、並びに所望のエネルギー蓄積セルの充電及び放電動作のうちの少なくとも一つを用いて規定される請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
前記中央処理システムとやり取りを行い、第2のエネルギー蓄積セルに電気的に接続され、第2のコンバータ回路を有する第1の制御回路を更に備え、前記第2の制御回路は、
第2のコンバータ回路に電気的に接続した第2のエネルギー蓄積セルの第2の電流測定を行い、前記第2のコンバータ回路は、前記第2のエネルギー蓄積セルの充電及び放電を制御し、
前記第2のエネルギー蓄積セルの第2の電圧測定を行い、
前記ロードポリシーに従って決定される第2の制御信号を受信し、前記第2のコンバータ回路は、前記第2の制御信号に従って前記第2のエネルギー蓄積セルからの第2の電圧を所望の第2のバス寄与電圧に変換する請求項15に記載のシステム。
【請求項19】
前記第2の制御回路は、前記第2のエネルギー蓄積セルの第2の温度測定を更に行う請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記第1の制御回路及び前記第2の制御回路は、エネルギー蓄積パック内で互いに電気的に接続され、前記第1の制御回路及び前記第2の制御回路は、直列形態と並列形態のうちの一つで互いに電気的に接続され、前記第1のバス寄与電圧及び前記第2のバス寄与電圧は、前記エネルギー蓄積パックから一定の出力を提供するために調整される請求項18に記載のシステム。
【請求項21】
前記第1のコンバータ回路は、ブースト−バックコンバータとバック−ブーストコンバータのうちの一方である請求項15に記載のシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2012−519469(P2012−519469A)
【公表日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−553056(P2011−553056)
【出願日】平成22年3月2日(2010.3.2)
【国際出願番号】PCT/US2010/025978
【国際公開番号】WO2010/101960
【国際公開日】平成22年9月10日(2010.9.10)
【出願人】(511214679)エレメント エナジー,インコーポレイティド (1)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月2日(2010.3.2)
【国際出願番号】PCT/US2010/025978
【国際公開番号】WO2010/101960
【国際公開日】平成22年9月10日(2010.9.10)
【出願人】(511214679)エレメント エナジー,インコーポレイティド (1)
【Fターム(参考)】
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