説明

ウエハ検査用プローブカードおよびウエハ検査装置

【課題】 被検査電極のピッチが極めて小さいウエハでも、良好な電気的接続状態を確実に達成することができるプローブカードおよびウエハ検査装置を提供する。
【解決手段】 ウエハに形成された全てのまたは一部の集積回路における被検査電極に対応して複数の検査用電極が表面に形成された検査用回路基板と、この検査用回路基板の表面上に配置された異方導電性コネクターと、この異方導電性コネクター上に配置されたシート状プローブとを具え、シート状プローブは、複数の開口を有する絶縁性シートと、この絶縁性シートの各開口を塞ぐよう配置され、当該絶縁性シートに支持された弾性高分子物質よりなる絶縁膜と、この絶縁膜に前記被検査電極に対応して配置されて保持された、絶縁膜の表面に露出する表面電極部および絶縁膜の裏面に露出する裏面電極部が絶縁膜の厚み方向に貫通して伸びる短絡部によって連結されてなる複数の電極構造体とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウエハに形成された複数の集積回路の電気的検査をウエハの状態で行うために用いられるウエハ検査用プローブカードおよびウエハ検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、半導体集積回路装置の製造工程においては、例えばシリコンよりなるウエハに多数の集積回路を形成し、その後、これらの集積回路の各々について、基礎的な電気特性を検査することによって、欠陥を有する集積回路を選別するプローブ試験が行われる。次いで、このウエハをダイシングすることによって半導体チップが形成され、この半導体チップが適宜のパッケージ内に収納されて封止される。更に、パッケージ化された半導体集積回路装置の各々について、高温環境下において電気特性を検査することによって、潜在的欠陥を有する半導体集積回路装置を選別するバーンイン試験が行われる。
このようなプローブ試験またはバーンイン試験などの集積回路の電気的検査においては、検査対象物における被検査電極の各々をテスターに電気的に接続するために、被検査電極のパターンに対応するパターンに従って配置された検査用電極を有するプローブカードが用いられている。かかるプローブカードとしては、従来、ピンまたはブレードよりなる検査用電極(検査プローブ)が配列されてなるものが使用されている。
【0003】
而して、ウエハに形成された集積回路に対して行われるプローブ試験においては、従来、ウエハを複数例えば16個の集積回路が形成された複数のエリアに分割し、このエリアに形成された全ての集積回路について一括してプローブ試験を行い、順次、その他のエリアに形成された集積回路について一括してプローブ試験を行う方法が採用されている。そして、近年、検査効率を向上させ、検査コストの低減化を図るために、より多数の集積回路について一括してプローブ試験を行うことが要請されている。
一方、バーンイン試験においては、検査対象である集積回路装置は微小なものであってその取扱いが不便なものであるため、多数の集積回路装置についてのバーンイン試験を個別的に行うためには、長い時間を要し、これにより、検査コストが相当に高いものとなる。そのため、近年、ウエハ上に形成された多数の集積回路について、それらのバーンイン試験を一括して行うWLBI(Wafer Level Burn−in)試験が提案されている。
【0004】
然るに、このようなプローブ試験やWLBI試験に用いられるプローブカードを作製するためには、非常に多数の検査プローブを配列することが必要となるので、当該プローブカードは極めて高価なものとなり、また、被検査電極が多数でそのピッチが小さいものである場合には、プローブカードを作製すること自体が困難となる。
以上のような理由から、最近においては、図26に示すように、一面に被検査電極のパターンに対応するパターンに従って複数の検査用電極86が形成された検査用回路基板85と、この検査用回路基板85の一面上に配置された、異方導電性エラストマーシート80と、この異方導電性エラストマーシート80上に配置された、シート状プローブ90とを具えてなるプローブカードが提案されている(例えば特許文献1)。
【0005】
かかるプローブカードにおけるシート状プローブ90は、絶縁性シート91と、この絶縁性シート91に、検査対象であるウエハにおける被検査電極のパターンに対応するパターンに従って配置された、それぞれ絶縁性シート91の厚み方向に貫通して伸びる複数の電極構造体95とにより構成されており、電極構造体95の各々は、絶縁性シート91の表面に露出する突起状の表面電極部96と、絶縁性シート91の裏面に露出する板状の裏面電極部97とが、絶縁性シート91をその厚み方向に貫通して伸びる短絡部98を介して一体に連結されて構成されている。
【0006】
このようなシート状プローブ90は、一般に、以下のようにして製造される。
先ず、図27(イ)に示すように、絶縁性シート91の一面に金属層92が形成されてなる積層材料90Aを用意し、図27(ロ)に示すように、レーザ加工、ドライエッチング加工等によって、絶縁性シート91にその厚み方向に貫通する貫通孔98Hを形成する。
次いで、図27(ハ)に示すように、絶縁性シート91の金属層92上にレジスト膜93を形成したうえで、金属層92を共通電極として例えば電解メッキ処理を施すことにより、絶縁性シート91の貫通孔98Hの内部に金属の堆積体が充填されて金属層92に一体に連結された短絡部98が形成されると共に、当該絶縁性シート91の表面に、短絡部98に一体に連結された突起状の表面電極部96が形成される。
その後、金属層92からレジスト膜93を除去し、更に、図27(ニ)に示すように、表面電極部96を含む絶縁性シート91の表面にレジスト膜94Aを形成すると共に、金属層92上に、形成すべき裏面電極部のパターンに対応するパターンに従ってレジスト膜94Bを形成し、当該金属層92に対してエッチング処理を施することにより、図27(ホ)に示すように、金属層92における露出する部分が除去されて裏面電極部97が形成され、以て電極構造体95が形成される。
そして、絶縁性シート91の表面からレジスト膜94Aを剥離すると共に、裏面電極部92からレジスト膜94Bを剥離することにより、シート状プローブ90が得られる。
【0007】
上記のプローブカードにおいては、検査対象であるウエハの表面に、シート状プローブ90における電極構造体95の表面電極部96が当該ウエハの被検査電極上に位置するよう配置され、この状態で、ウエハがプローブカードによって押圧されることにより、異方導電性エラストマーシート80が、シート状プローブ90における電極構造体95の裏面電極部97によって押圧され、これにより、当該異方導電性エラストマーシート80には、当該裏面電極部97と検査用回路基板85の検査用電極86との間にその厚み方向に導電路が形成され、その結果、ウエハの被検査電極と検査用回路基板85の検査用電極86との電気的接続が達成される。そして、この状態で、当該ウエハについて所要の電気的検査が実行される。
そして、このようなプローブカードによれば、ウエハがプローブカードによって押圧されたときに、当該ウエハの反りの大きさに応じて異方導電性エラストマーシートが変形するため、ウエハにおける多数の被検査電極の各々に対して良好な電気的接続を確実に達成することができる。
【0008】
しかしながら、上記のプローブカードにおいては、以下のような問題がある。
シート状プローブ90の製造方法における短絡部98および表面電極部96を形成する電解メッキ処理工程においては、金属層92の全面に対して電流密度分布が均一な電流を供給することは実際上困難であり、この電流密度分布の不均一性により、絶縁性シート91の貫通孔98H毎にメッキ層の成長速度が異なるため、図28(イ)に示すように、形成される表面電極部96の突出高さにはバラツキが生じる。そして、図28(ロ)に示すように、シート状フローブ90とウエハ6との電気的接続を行う際には、表面電極部96の突出高さのバラツキが絶縁性シート91の有する柔軟性により吸収される、すなわち表面電極部96の突出高さのバラツキの程度に応じて絶縁性シート91が撓むことにより、当該電極構造体95が変位するため、表面電極部96の各々が被検査電極7の各々に接触し、これにより、所要の電気的接続が達成される。
然るに、ウエハ6における被検査電極7の配置ピッチが小さいものである場合、すなわちシート状プローブ90における電極構造体95の配置ピッチが小さいものである場合には、絶縁性シート91の厚みに対する隣接する電極構造体95間の離間距離の比が小さくなるため、シート状プローブ90全体の柔軟性が大きく低下する。その結果、図28(ハ)に示すように、シート状プローブ90とウエハ6との電気的接続を行う際に、表面電極部96の突出高さのバラツキが十分に吸収されない、すなわち、電極構造体95が十分に片しないため、例えば突出高さが小さい表面電極部96(図において左側の表面電極部96)が被検査電極7に接触せず、従って、被検査電極7に対する安定な電気的接続を確実に達成することが困難となる。
【0009】
【特許文献1】特開2001−15565号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであって、その目的は、検査対象であるウエハにおける被検査電極のピッチが極めて小さいものであっても、ウエハに対する良好な電気的接続状態を確実に達成することができるウエハ検査用プローブカードおよびウエハ検査装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明のウエハ検査用プローブカードは、検査対象であるウエハに形成された全てのまたは一部の集積回路における被検査電極のパターンに対応するパターンに従って複数の検査用電極が表面に形成された検査用回路基板と、この検査用回路基板の表面上に配置された異方導電性コネクターと、この異方導電性コネクター上に配置されたシート状プローブとを具えてなり、
前記シート状プローブは、複数の開口を有する絶縁性シートと、この絶縁性シートの各開口を塞ぐよう配置され、当該絶縁性シートに支持された弾性高分子物質よりなる絶縁膜と、この絶縁膜に前記被検査電極のパターンに対応するパターンに従って配置されて保持された、当該絶縁膜の表面に露出する表面電極部および当該絶縁膜の裏面に露出する裏面電極部が当該絶縁膜の厚み方向に貫通して伸びる短絡部によって連結されてなる複数の電極構造体とを有してなることを特徴とする。
【0012】
本発明のウエハ検査用プローブカードにおいては、絶縁性シートは、線熱膨張係数が3×10-5/K以下の材料よりなることが好ましい。
また、異方導電性コネクターは、検査対象であるウエハに形成された全てのまたは一部の集積回路における被検査電極が形成された電極領域に対応して複数の開口が形成されたフレーム板と、このフレーム板の開口を塞ぐよう配置されて支持された複数の弾性異方導電膜とよりなり、当該弾性異方導電膜は、前記電極領域における被検査電極のパターンに対応するパターンに従って配置された、弾性高分子物質中に磁性を示す導電性粒子が含有されてなる接続用導電部と、これらを相互に絶縁する弾性高分子物質よりなる絶縁部とを有してなることが好ましい。
【0013】
本発明のウエハ検査装置は、ウエハに形成された複数の集積回路の各々について、当該集積回路の電気的検査をウエハの状態で行うウエハ検査装置であって、
上記のウエハ検査用プローブカードを具えてなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明のウエハ検査用プローブカードによれば、電極構造体の各々は、弾性高分子物質よりなる絶縁膜に保持されていることにより、電極構造体が小さいピッチで配置されていても、当該絶縁膜の弾性によって、絶縁性シートの厚み方向に対して十分に変位し得るものとなる。従って、電極構造体の表面電極部の突出高さにバラツキがあっても、被検査電極を加圧したときに当該表面電極部の突出高さに応じて電極構造体が絶縁性シートの厚み方向に変位するので、ウエハに対する良好な電気的接続状態を確実に達成することができる。
また、絶縁膜は樹脂よりなる絶縁性シートに支持されているため、当該絶縁性シートを形成する樹脂材料として線熱膨張係数の小さいものを用いることにより、絶縁膜の熱膨張が絶縁性シートによって規制されるので、温度変化による電極構造体と被検査電極との位置ずれを抑制することができる。
また、異方導電性コネクターとして、フレーム板に形成された複数の開口の各々に弾性異方導電膜が配置されて支持されてなるものを用いることにより、弾性異方導電膜の各々は面積の小さいものでよく、面積の小さい弾性異方導電膜は、その面方向における熱膨張の絶対量が小さいため、温度変化による検査用電極および電極構造体に対する接続用導電部の位置ずれを抑制することができる。
従って、ウエハの検査において、ウエハに対する良好な電気的接続状態を安定に維持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
〈ウエハ検査用プローブカード〉
図1は、本発明に係るウエハ検査用プローブカード(以下、単に「プローブカード」という。)の第1の例における構成を示す説明用断面図であり、図2は、第1の例のプローブカードの要部の構成を示す説明用断面図である。
この第1の例のプローブカード10は、例えば複数の集積回路が形成されたウエハについて当該集積回路の各々のバーンイン試験をウエハの状態で一括して行うために用いられるものであって、検査用回路基板11と、この検査用回路基板11の一面(図1および図2において上面)に配置された異方導電性コネクター20と、この異方導電性コネクター20上に配置されたシート状プローブ30とにより構成されている。
【0016】
検査用回路基板11は、図3にも示すように、円板状の第1の基板素子12を有し、この第1の基板素子12の表面(図1および図2において上面)における中央部には、正八角形の板状の第2の基板素子15が配置され、この第2の基板素子15は、第1の基板素子12の表面に固定されたホルダー14に保持されている。また、第1の基板素子12の裏面における中央部には、補強部材17が設けられている。
第1の基板素子12の表面における中央部には、複数の接続用電極(図示省略)が適宜のパターンに従って形成されている。一方、第1の基板素子12の裏面における周縁部には、図4に示すように、複数のリード電極13が当該第1の基板素子12の周方向に沿って並ぶよう配置されたリード電極部13Rが形成されている。リード電極13のパターンは、後述するウエハ検査装置におけるコントローラーの入試出力端子のパターンに対応するパターンである。そして、リード電極13の各々は内部配線(図示省略)を介して接続用電極に電気的に接続されている。
第2の基板素子15の表面(図1および図2において上面)には、複数の検査用電極16が、検査対象であるウエハに形成された全ての集積回路における被検査電極のパターンに対応するパターンに従って配置された検査用電極部16Rが形成されている。一方、第2の基板素子15の裏面には、複数の端子電極(図示省略)が適宜のパターンに従って配置されており、端子電極の各々は内部配線(図示省略)を介して検査用電極16に電気的に接続されている。
そして、第1の基板素子12の接続用電極と第2の基板素子15の端子電極とは適宜の手段によって電気的に接続されている。
【0017】
検査用回路基板11における第1の基板素子12を構成する基板材料としては、従来公知の種々の材料を用いることができ、その具体例としては、ガラス繊維補強型エポキシ樹脂、ガラス繊維補強型フェノール樹脂、ガラス繊維補強型ポリイミド樹脂、ガラス繊維補強型ビスマレイミドトリアジン樹脂等の複合樹脂基板材料などが挙げられる。
検査用回路基板11における第2の基板素子15を構成する材料としては、線熱膨張係数が3×10-5/K以下のものを用いることが好ましく、より好ましくは1×10-7〜1×10-5/K、特に好ましくは1×10-6〜6×10-6/Kである。このような基板材料の具体例としては、パイレックス(登録商標)ガラス、石英ガラス、アルミナ、ベリリア、炭化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素等よりなる無機系基板材料、42合金、コバール、インバー等の鉄−ニッケル合金鋼よりなる金属板をコア材としてエポキシ樹脂またはポリイミド樹脂等の樹脂を積層した積層基板材料などが挙げられる。
【0018】
ホルダー14は、第2の基板素子15の外形に適合する正八角形状の開口14Kを有し、この開口14K内に第2の基板素子15が収容されている。また、ホルダー14の外縁は円形であり、当該ホルダー14の外縁には、周方向に沿って段部14Sが形成されている。
【0019】
異方導電性コネクター20は、図5に示すように、それぞれ厚み方向に貫通して伸びる複数の開口22が形成された円板状のフレーム板21を有する。このフレーム板21の開口22は、検査対象であるウエハに形成された全ての集積回路における被検査電極が形成された電極領域のパターンに対応して形成されている。フレーム板21には、厚み方向に導電性を有する複数の弾性異方導電膜23が、それぞれ一の開口22を塞ぐよう、当該フレーム板21の開口縁部に支持された状態で配置されている。
【0020】
弾性異方導電膜23の各々は、その基材が弾性高分子物質よりなり、図6にも拡大して示すように、厚み方向に伸びる複数の接続用導電部24と、この接続用導電部24の各々の周囲に形成され、当該接続用導電部24の各々を相互に絶縁する絶縁部25とよりなる機能部26を有し、当該機能部26は、フレーム板21の開口22内に位置するよう配置されている。この機能部26における接続用導電部24は、検査対象であるウエハに形成された集積回路における電極領域の被検査電極のパターンに対応するパターンに従って配置されている。
機能部26の周縁には、フレーム板21の開口縁部に固定支持された被支持部28が、当該機能部26に一体に連続して形成されている。具体的には、この例における被支持部28は、二股状に形成されており、フレーム板21の開口縁部を把持するよう密着した状態で固定支持されている。
弾性異方導電膜23の機能部26における接続用導電部24には、磁性を示す導電性粒子Pが厚み方向に並ぶよう配向した状態で密に含有されている。これに対して、絶縁部25は、導電性粒子Pが全く或いは殆ど含有されていないものである。
また、図示の例では、弾性異方導電膜23における機能部26の両面には、接続用導電部24およびその周辺部分が位置する個所に、それ以外の表面から突出する突出部27が形成されている。
【0021】
フレーム板21の厚みは、その材質によって異なるが、20〜600μmであることが好ましく、より好ましくは40〜400μmである。
この厚みが20μm未満である場合には、異方導電性コネクター20を使用する際に必要な強度が得られず、耐久性が低いものとなりやすく、また、当該フレーム板21の形状が維持される程度の剛性が得られず、異方導電性コネクター20の取扱い性が低いものとなる。一方、厚みが600μmを超える場合には、開口22に形成される弾性異方導電膜23は、その厚みが過大なものとなって、接続用導電部24における良好な導電性および隣接する接続用導電部24間における絶縁性を得ることが困難となることがある。
フレーム板21の開口22における面方向の形状および寸法は、検査対象であるウエハの被検査電極の寸法、ピッチおよびパターンに応じて設計される。
【0022】
フレーム板21を構成する材料としては、当該フレーム板21が容易に変形せず、その形状が安定に維持される程度の剛性を有するものであれば特に限定されず、例えば、金属材料、セラミックス材料、樹脂材料などの種々の材料を用いることができ、フレーム板21を例えば金属材料により構成する場合には、当該フレーム板21の表面に絶縁性被膜が形成されていてもよい。
フレーム板21を構成する金属材料の具体例としては、鉄、銅、ニッケル、チタン、アルミニウムなどの金属またはこれらを2種以上組み合わせた合金若しくは合金鋼などが挙げられる。
【0023】
また、フレーム板21を構成する材料としては、線熱膨張係数が3×10-5/K以下のものを用いることが好ましく、より好ましくは−1×10-7〜1×10-5/K、特に好ましくは1×10-6〜8×10-6/Kである。
このような材料の具体例としては、インバーなどのインバー型合金、エリンバーなどのエリンバー型合金、スーパーインバー、コバール、42合金などの磁性金属の合金または合金鋼などが挙げられる。
【0024】
弾性異方導電膜23の全厚(図示の例では接続用導電部24における厚み)は、50〜3000μmであることが好ましく、より好ましくは70〜2500μm、特に好ましくは100〜2000μmである。この厚みが50μm以上であれば、十分な強度を有する弾性異方導電膜23が確実に得られる。一方、この厚みが3000μm以下であれば、所要の導電性特性を有する接続用導電部23が確実に得られる。
突出部27の突出高さは、その合計が当該突出部27における厚みの10%以上であることが好ましく、より好ましくは20%以上である。このような突出高さを有する突出部27を形成することにより、小さい加圧力で接続用導電部24が十分に圧縮されるため、良好な導電性が確実に得られる。
また、突出部27の突出高さは、当該突出部27の最短幅または直径の100%以下であることが好ましく、より好ましくは70%以下である。このような突出高さを有する突出部27を形成することにより、当該突出部27が加圧されたときに座屈することがないため、所期の導電性が確実に得られる。
また、被支持部28の厚み(図示の例では二股部分の一方の厚み)は、5〜600μmであることが好ましく、より好ましくは10〜500μm、特に好ましくは20〜400μmである。
また、被支持部28は二股状に形成されることは必須のことではなく、フレーム板21の一面のみに固定されていてもよい。
【0025】
弾性異方導電膜23を構成する弾性高分子物質としては、架橋構造を有する耐熱性の高分子物質が好ましい。かかる架橋高分子物質を得るために用いることができる硬化性の高分子物質形成材料としては、種々のものを用いることができ、その具体例としては、シリコーンゴム、ポリブタジエンゴム、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴムなどの共役ジエン系ゴムおよびこれらの水素添加物、スチレン−ブタジエン−ジエンブロック共重合体ゴム、スチレン−イソプレンブロック共重合体などのブロック共重合体ゴムおよびこれらの水素添加物、クロロプレン、ウレタンゴム、ポリエステル系ゴム、エピクロルヒドリンゴム、エチレン−プロピレン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム、軟質液状エポキシゴムなどが挙げられる。
これらの中では、シリコーンゴムが、成形加工性および電気特性の点で好ましい。
【0026】
シリコーンゴムとしては、液状シリコーンゴムを架橋または縮合したものが好ましい。液状シリコーンゴムは、その粘度が歪速度10-1secで105 ポアズ以下のものが好ましく、縮合型のもの、付加型のもの、ビニル基やヒドロキシル基を含有するものなどのいずれであってもよい。具体的には、ジメチルシリコーン生ゴム、メチルビニルシリコーン生ゴム、メチルフェニルビニルシリコーン生ゴムなどを挙げることができる。
【0027】
これらの中で、ビニル基を含有する液状シリコーンゴム(ビニル基含有ポリジメチルシロキサン)は、通常、ジメチルジクロロシランまたはジメチルジアルコキシシランを、ジメチルビニルクロロシランまたはジメチルビニルアルコキシシランの存在下において、加水分解および縮合反応させ、例えば引続き溶解−沈殿の繰り返しによる分別を行うことにより得られる。
また、ビニル基を両末端に含有する液状シリコーンゴムは、オクタメチルシクロテトラシロキサンのような環状シロキサンを触媒の存在下においてアニオン重合し、重合停止剤として例えばジメチルジビニルシロキサンを用い、その他の反応条件(例えば、環状シロキサンの量および重合停止剤の量)を適宜選択することにより得られる。ここで、アニオン重合の触媒としては、水酸化テトラメチルアンモニウムおよび水酸化n−ブチルホスホニウムなどのアルカリまたはこれらのシラノレート溶液などを用いることができ、反応温度は、例えば80〜130℃である。
このようなビニル基含有ポリジメチルシロキサンは、その分子量Mw(標準ポリスチレン換算重量平均分子量をいう。以下同じ。)が10000〜40000のものであることが好ましい。また、得られる弾性異方導電膜23の耐熱性の観点から、分子量分布指数(標準ポリスチレン換算重量平均分子量Mwと標準ポリスチレン換算数平均分子量Mnとの比Mw/Mnの値をいう。以下同じ。)が2以下のものが好ましい。
【0028】
一方、ヒドロキシル基を含有する液状シリコーンゴム(ヒドロキシル基含有ポリジメチルシロキサン)は、通常、ジメチルジクロロシランまたはジメチルジアルコキシシランを、ジメチルヒドロクロロシランまたはジメチルヒドロアルコキシシランの存在下において、加水分解および縮合反応させ、例えば引続き溶解−沈殿の繰り返しによる分別を行うことにより得られる。
また、環状シロキサンを触媒の存在下においてアニオン重合し、重合停止剤として、例えばジメチルヒドロクロロシラン、メチルジヒドロクロロシランまたはジメチルヒドロアルコキシシランなどを用い、その他の反応条件(例えば、環状シロキサンの量および重合停止剤の量)を適宜選択することによっても得られる。ここで、アニオン重合の触媒としては、水酸化テトラメチルアンモニウムおよび水酸化n−ブチルホスホニウムなどのアルカリまたはこれらのシラノレート溶液などを用いることができ、反応温度は、例えば80〜130℃である。
【0029】
このようなヒドロキシル基含有ポリジメチルシロキサンは、その分子量Mwが10000〜40000のものであることが好ましい。また、得られる弾性異方導電膜23の耐熱性の観点から、分子量分布指数が2以下のものが好ましい。
本発明においては、上記のビニル基含有ポリジメチルシロキサンおよびヒドロキシル基含有ポリジメチルシロキサンのいずれか一方を用いることもでき、両者を併用することもできる。
【0030】
高分子物質形成材料中には、当該高分子物質形成材料を硬化させるための硬化触媒を含有させることができる。このような硬化触媒としては、有機過酸化物、脂肪酸アゾ化合物、ヒドロシリル化触媒などを用いることができる。
硬化触媒として用いられる有機過酸化物の具体例としては、過酸化ベンゾイル、過酸化ビスジシクロベンゾイル、過酸化ジクミル、過酸化ジターシャリーブチルなどが挙げられる。
硬化触媒として用いられる脂肪酸アゾ化合物の具体例としては、アゾビスイソブチロニトリルなどが挙げられる。
ヒドロシリル化反応の触媒として使用し得るものの具体例としては、塩化白金酸およびその塩、白金−不飽和基含有シロキサンコンプレックス、ビニルシロキサンと白金とのコンプレックス、白金と1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサンとのコンプレックス、トリオルガノホスフィンあるいはホスファイトと白金とのコンプレックス、アセチルアセテート白金キレート、環状ジエンと白金とのコンプレックスなどの公知のものが挙げられる。
硬化触媒の使用量は、高分子物質形成材料の種類、硬化触媒の種類、その他の硬化処理条件を考慮して適宜選択されるが、通常、高分子物質形成材料100重量部に対して3〜15重量部である。
【0031】
弾性異方導電膜23における接続用導電部24に含有される導電性粒子Pとしては、当該弾性異方導電膜23の形成において、当該弾性異方導電膜23を形成するための成形材料中において当該導電性粒子Pを容易に移動させることができる観点から、磁性を示すものを用いることが好ましい。このような磁性を示す導電性粒子Pの具体例としては、鉄、ニッケル、コバルトなどの磁性を示す金属の粒子若しくはこれらの合金の粒子またはこれらの金属を含有する粒子、またはこれらの粒子を芯粒子とし、当該芯粒子の表面に金、銀、パラジウム、ロジウムなどの導電性の良好な金属のメッキを施したもの、あるいは非磁性金属粒子若しくはガラスビーズなどの無機物質粒子またはポリマー粒子を芯粒子とし、当該芯粒子の表面に、ニッケル、コバルトなどの導電性磁性体のメッキを施したもの、あるいは芯粒子に、導電性磁性体および導電性の良好な金属の両方を被覆したものなどが挙げられる。
これらの中では、ニッケル粒子を芯粒子とし、その表面に金や銀などの導電性の良好な金属のメッキを施したものを用いることが好ましい。
芯粒子の表面に導電性金属を被覆する手段としては、特に限定されるものではないが、例えば無電解メッキにより行うことができる。
【0032】
導電性粒子Pとして、芯粒子の表面に導電性金属が被覆されてなるものを用いる場合には、良好な導電性が得られる観点から、粒子表面における導電性金属の被覆率(芯粒子の表面積に対する導電性金属の被覆面積の割合)が40%以上であることが好ましく、さらに好ましくは45%以上、特に好ましくは47〜95%である。
また、導電性金属の被覆量は、芯粒子の2.5〜50重量%であることが好ましく、より好ましくは3〜45重量%、さらに好ましくは3.5〜40重量%、特に好ましくは5〜30重量%である。
【0033】
また、導電性粒子Pの粒子径は、1〜500μmであることが好ましく、より好ましくは2〜400μm、さらに好ましくは5〜300μm、特に好ましくは10〜150μmである。
また、導電性粒子Pの粒子径分布(Dw/Dn)は、1〜10であることが好ましく、より好ましくは1〜7、さらに好ましくは1〜5、特に好ましくは1〜4である。
このような条件を満足する導電性粒子Pを用いることにより、得られる弾性異方導電膜23は、加圧変形が容易なものとなり、また、当該弾性異方導電膜23における接続用導電部24において導電性粒子P間に十分な電気的接触が得られる。
このような平均粒子径を有する導電性粒子Pは、空気分級装置、音波ふるい装置などの分級装置によって、導電性粒子および/または当該導電性粒子を形成する芯粒子を分級処理することによって調製することができる。分級処理の具体的な条件は、目的とする導電性粒子の平均粒子径および粒子径分布、並びに分級装置の種類などに応じて適宜設定される。
また、導電性粒子Pの形状は、特に限定されるものではないが、高分子物質形成材料中に容易に分散させることができる点で、球状のもの、星形状のものあるいはこれらが凝集した2次粒子による塊状のものであることが好ましい。
【0034】
また、導電性粒子Pの含水率は、5%以下であることが好ましく、より好ましくは3%以下、さらに好ましくは2%以下、特に好ましくは1%以下である。このような条件を満足する導電性粒子Pを用いることにより、成形材料層を硬化処理する際に、当該成形材料層内に気泡が生ずることが防止または抑制される。
【0035】
また、導電性粒子Pの表面がシランカップリング剤などのカップリング剤で処理されたものを適宜用いることができる。導電性粒子Pの表面がカップリング剤で処理されることにより、当該導電性粒子Pと弾性高分子物質との接着性が高くなり、その結果、得られる弾性異方導電膜23は、繰り返しの使用における耐久性が高いものとなる。
カップリング剤の使用量は、導電性粒子Pの導電性に影響を与えない範囲で適宜選択されるが、導電性粒子Pの表面におけるカップリング剤の被覆率(導電性芯粒子の表面積に対するカップリング剤の被覆面積の割合)が5%以上となる量であることが好ましく、より好ましくは上記被覆率が7〜100%、さらに好ましくは10〜100%、特に好ましくは20〜100%となる量である。
【0036】
機能部26の接続用導電部24における導電性粒子Pの含有割合は、体積分率で10〜60%、好ましくは15〜50%となる割合で用いられることが好ましい。この割合が10%未満の場合には、十分に電気抵抗値の小さい接続用導電部24が得られないことがある。一方、この割合が60%を超える場合には、得られる接続用導電部24は脆弱なものとなりやすく、接続用導電部24として必要な弾性が得られないことがある。
【0037】
高分子物質形成材料中には、必要に応じて、通常のシリカ粉、コロイダルシリカ、エアロゲルシリカ、アルミナなどの無機充填材を含有させることができる。このような無機充填材を含有させることにより、得られる成形材料のチクソトロピー性が確保され、その粘度が高くなり、しかも、導電性粒子Pの分散安定性が向上すると共に、硬化処理されて得られる弾性異方導電膜23の強度が高くなる。
このような無機充填材の使用量は、特に限定されるものではないが、使用量が過大である場合には、後述する製造方法において、磁場による導電性粒子Pの移動が大きく阻害されるため、好ましくない。
【0038】
このような異方導電性コネクター20は、例えば特開2002−334732号公報に記載されている方法によって製造することができる。
【0039】
図7は、第1の例のプローブカード10におけるシート状プローブ30の構成を示す説明用断面図であり、図8は、シート状プローブ30の要部を拡大して示す説明用断面図である。
このシート状プローブ30は、複数の開口32が形成された樹脂よりなる絶縁性シート31を有し、この絶縁性シート32には、弾性高分子物質よりなる一体の絶縁膜33が、当該絶縁性シート31の全ての開口32を塞ぐよう配置され、当該絶縁性シート31に一体的に接着されることによって支持されている。この絶縁膜33には、絶縁性シート31の開口32内に位置する個所に、それぞれ絶縁膜33の厚み方向に伸びる複数の電極構造体35が、検査対象であるウエハに形成された全ての集積回路における被検査電極のパターンに対応するパターンに従って設けられている。この電極構造体35は、絶縁膜33の表面に露出する突起状の表面電極部35aおよび絶縁膜33の裏面に露出する平板状の裏面電極部35bが、絶縁膜33の厚み方向に貫通して伸びる短絡部35cによって一体に連結されて構成されている。図示の例では、電極構造体35における表面電極部35aおよび裏面電極部35bの各々の径が、短絡部35cの径より大きいものとされている。そして、電極構造体35の各々は、絶縁膜33の弾性によって、絶縁性シート31に対してその厚み方向に変位可能とされている。また、絶縁性シート31の裏面(図7において下面)には、円形のリング状の保持部材34(図1参照)が当該絶縁性シート31の周縁部に沿って配置され、当該保持部材34によって絶縁性シート31が保持されている。
【0040】
絶縁性シート31を構成する材料としては、液晶ポリマー、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアラミド樹脂、ポリアミド樹脂等の樹脂材料、ガラス繊維補強型エポキシ樹脂、ガラス繊維補強型ポリエステル樹脂、ガラス繊維補強型ポリイミド樹脂等の繊維補強型樹脂材料、エポキシ樹脂等にアルミナ、ポロンナイトライド等の無機材料をフィラーとして含有した複合樹脂材料などを用いることができる。
また、絶縁性シート31を構成する材料としては、線熱膨張係数が3×10-5/K以下のものを用いることが好ましく、より好ましくは1×10-6〜2×10-5/K、特に好ましくは1×10-6〜6×10-6/Kである。このような絶縁性シート31を用いることにより、絶縁膜33の熱膨張によ電極構造体35の位置ずれを抑制することができる。
また、絶縁性シート31の厚みは、10〜200μmであることが好ましく、より好ましくは15〜100μmである。
【0041】
絶縁膜33を構成する材料としては、架橋構造を有する高分子物質が好ましい。このような弾性高分子物質を得るために用いることのできる硬化性の高分子物質形成材料としては、種々のものを用いることができ、その具体例としては、ポリブタジエンゴム、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴムなどの共役ジエン系ゴムおよびこれらの水素添加物、スチレン−ブタジエン−ジエンブロック共重合体ゴム、スチレン−イソプレンブロック共重合体などのブロック共重合体ゴムおよびこれらの水素添加物、クロロプレン、ウレタンゴム、ポリエステル系ゴム、エピクロルヒドリンゴム、シリコーンゴム、エチレン−プロピレン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴムなどが挙げられる。これらの中では、耐久性、成形加工性および電気特性の観点から、シリコーンゴムを用いることが好ましい。
シリコーンゴムとしては、液状シリコーンゴムを架橋または縮合したものが好ましい。液状シリコーンゴムは、その粘度が歪速度10-1secで105 ポアズ以下のものが好ましく、縮合型のもの、付加型のもの、ビニル基やヒドロキシル基を含有するものなどのいずれであってもよい。具体的には、ジメチルシリコーン生ゴム、メチルビニルシリコーン生ゴム、メチルフェニルビニルシリコーン生ゴムなどを挙げることができる。
また、シリコーンゴムは、その分子量Mw(標準ポリスチレン換算重量平均分子量をいう。以下同じ。)が10,000〜40,000のものであることが好ましい。また、得られる絶縁膜33に良好な耐熱性が得られることから、分子量分布指数(標準ポリスチレン換算重量平均分子量Mwと標準ポリスチレン換算数平均分子量Mnとの比Mw/Mnの値をいう。以下同じ。)が2以下のものが好ましい。
また、絶縁膜33の厚みは、15〜500μmであることが好ましく、より好ましくは20〜400μmである。
【0042】
電極構造体35を構成する材料としては、ニッケル、鉄、銅、金、銀、パラジウム、鉄、コバルト、タングステン、ロジウム、またはこれらの合金若しくは合金鋼等を用いることができ、電極構造体35としては、全体が単一の金属よりなるものであっても、2種以上の金属の合金または合金鋼よりなるものまたは2種以上の金属が積層されてなるものであってもよい。
【0043】
また、表面に酸化膜が形成された被検査電極について電気的検査を行う場合には、シート状プローブ30の電極構造体35と被検査電極を接触させ、電極構造体35の表面電極部35aにより被検査電極の表面の酸化膜を破壊して、当該電極構造体35と被検査電極との電気的接続を達成することが必要である。そのため、電極構造体35の表面電極部35aは、酸化膜を容易に破壊することかできる程度の硬度を有するものであることが好ましい。このような表面電極部35aを得るために、表面電極部35aを構成する金属中に、硬度の高い粉末物質を含有させることができる。
このような粉末物質としては、ダイヤモンド粉末、窒化シリコン、炭化シリコン、セラミックス、ガラスなどを用いることができ、これらの非導電性の粉末物質の適量を含有させることにより、電極構造体35の導電性を損なうことなしに、電極構造体35の表面電極部35aによって、被検査電極の表面に形成された酸化膜を破壊することができる。
また、被検査電極の表面の酸化膜を容易に破壊するために、電極構造体35における表面電極部35aの形状を鋭利な突起状のものとしたり、表面電極部35aの表面に微細な凹凸を形成したりすることができる。
【0044】
電極構造体35のピッチは、検査対象であるウエハの被検査電極のピッチに応じて設定され、例えば40〜250μmであることが好ましく、より好ましくは40〜150μmである。
ここで、「電極構造体のピッチ」とは、隣接する電極構造体の間の中心間距離であって最も短いものをいう。
【0045】
電極構造体35において、表面電極部35aにおける径に対する突出高さの比は、0.2〜3であることが好ましく、より好ましくは0.25〜2.5である。このような条件を満足することにより、被検査電極がピッチが小さくて微小なものであっても、当該被検査電極のパターンに対応するパターンの電極構造体35を容易に形成することができ、当該ウエハに対して安定な電気的接続状態が確実に得られる。
また、表面電極部35aの径は、短絡部35cの径の1〜3倍であることが好ましく、より好ましくは1〜2倍である。
また、表面電極部35aの径は、当該電極構造体35のピッチの30〜75%であることが好ましく、より好ましくは40〜60%である。
【0046】
また、裏面電極部35bの外径は、短絡部35cの径より大きく、かつ、電極構造体35のピッチより小さいものであればよいが、可能な限り大きいものであることが好ましく、これにより、異方導電性コネクター20に対して安定な電気的接続を確実に達成することができる。
また、短絡部35cの径は、当該電極構造体35のピッチの15〜75%であることが好ましく、より好ましくは20〜65%である。
【0047】
電極構造体35における表面電極部35aおよび裏面電極部35bには、必要に応じて、被覆膜が形成されていてもよい。例えは被検査電極が半田材料により構成されている場合には、当該半田材料が拡散することを防止する観点から、表面電極部35aに、銀、パラジウム、ロジウムなどの耐拡散性金属よりなる被覆膜を形成することが好ましい。
【0048】
保持部材34を構成する材料としては、インバー、スーパーインバーなどのインバー型合金、エリンバーなどのエリンバー型合金、コバール、42アロイなどの低熱膨張金属材料、或いは、アルミナ、炭化珪素、窒化珪素などのセラミックス材料などを用いることができる。
【0049】
そして、シート状プローブ30は、電極構造体35の各々における裏面電極部35bが異方導電性コネクター20の弾性異方導電膜23における接続用導電部24に対接するよう配置され、保持部材34が検査用回路基板11におけるホルダー14の段部14Sに係合されて固定されている。
【0050】
このようなシート状プローブ30は、例えば以下のようにして製造することができる。 先ず、図9に示すように、適宜の支持板36を用意し、この支持板36上に、硬化されて弾性高分子物質となる液状の高分子物質形成材料を塗布して塗布膜33Bを形成する。その後、図10に示すように、塗布膜33Bの表面に、開口32が形成された絶縁性シート31を配置し、更に高分子物質形成材料を絶縁性シート31の開口32を塞ぐよう塗布することにより、図11に示すように、形成すべき絶縁膜33の形状に対応する形状の絶縁膜用材料層33Aが形成される。そして、絶縁膜用材料層33Aを硬化処理することにより、図12に示すように、絶縁性シート31にその開口32の各々を塞ぐよう配置された絶縁膜33が形成される。
以上において、高分子物質形成材料を塗布する方法としては、スクリーン印刷などの印刷法、ロール塗布法、ブレード塗布法などを利用することができる。
絶縁膜用材料層33Aの硬化処理は、通常、加熱処理によって行われる。具体的な加熱温度および加熱時間は、絶縁膜用材料層33Aを構成する高分子物質形成材料の種類などを考慮して適宜設定される。
【0051】
次いで、絶縁性シート31に形成された絶縁膜33に、図13に示すように、形成すべき電極構造体35のパターンに対応するパターンに従って、当該絶縁膜33の厚み方向に貫通する複数の貫通孔35Hを形成する。その後、図14に示すように、絶縁膜33の一面および他面の全面並びに絶縁膜33の貫通孔35Hの各々の内壁面全面に金属薄層38を形成し、更に、図15に示すように、金属薄層38における絶縁膜33の一面に接する部分の表面に、それぞれ絶縁膜33の貫通孔35Hに連通する複数のパターン孔37Hを有するレジスト膜37を形成すると共に、金属薄層38における絶縁膜33の他面に接する部分の表面に、それぞれ絶縁膜33の貫通孔35Hに連通する複数のパターン孔39Hを有するレジスト膜39を形成する。その後、金属薄層38を共通電極として電解メッキ処理を施して当該金属薄層38における露出した部分に金属を堆積させ、絶縁膜33の貫通孔35H内およびレジスト膜37,39のパターン孔37H,39H内に金属体を形成し、この金属体のにおけるレジスト膜39のパターン孔39Hから露出する一端面を研磨することにより、図16に示すように、絶縁膜33の厚み方向に伸びる電極構造体35が形成される。そして、レジスト膜37,39の各々を除去し、更に、エッチング処理を施して金属薄層38を除去した後、絶縁性シート31の裏面における周縁部に保持部材を配置して固定することにより、図7および図8に示すようなシート状プローブ30が得られる。
以上において、絶縁膜33に貫通孔35Hを形成する方法としては、レーサー加工法を利用することができる。
また、絶縁膜33に金属薄層38を形成する方法としては、無電解メッキ法を利用することができる。
また、金属薄層38の厚みは0.2〜10μmであることが好ましい。
【0052】
このような第1の例のプローブカード10によれば、電極構造体35の各々は、弾性高分子物質よりなる絶縁膜33に保持されていることにより、電極構造体35が小さいピッチで配置されていても、当該絶縁膜33の弾性によって、絶縁性シート31の厚み方向に対して十分に変位し得るものとなる。従って、電極構造体35の表面電極部35aの突出高さにバラツキがあっても、被検査電極を加圧したときに当該表面電極部35aの突出高さに応じて電極構造体35が絶縁性シート31の厚み方向に変位するので、ウエハに対する良好な電気的接続状態を確実に達成することができる。
また、絶縁膜33は樹脂よりなる絶縁性シート31に支持されているため、当該絶縁性シート31を形成する樹脂材料として線熱膨張係数の小さいものを用いることにより、絶縁膜33の熱膨張が絶縁性シート31によって規制されるので、温度変化による電極構造体35と被検査電極との位置ずれを抑制することができる。
また、異方導電性コネクター20は、フレーム板21に形成された複数の開口22の各々に弾性異方導電膜23が配置されて支持されてなることにより、弾性異方導電膜23の各々は面積の小さいものでよく、面積の小さい弾性異方導電膜23は、その面方向における熱膨張の絶対量が小さいため、温度変化による検査用電極12および電極構造体35に対する接続用導電部24の位置ずれを抑制することができる。
従って、ウエハのバーンイン試験において、ウエハに対する良好な電気的接続状態を安定に維持することができる。
【0053】
図17は、本発明に係るプローブカードの第2の例における構成を示す説明用断面図であり、図18は、第2の例のプローブカードの要部の構成を示す説明用断面図である。
この第2の例のプローブカード10は、例えば複数の集積回路が形成されたウエハについて当該集積回路の各々のプローブ試験をウエハの状態で行うために用いられるものであって、検査用回路基板11と、この検査用回路基板11の一面(図17および図18において上面)に配置された異方導電性コネクター20と、この異方導電性コネクター20上に配置されたシート状プローブ30とにより構成されている。
第2の例のプローブカード10の検査用回路基板11においては、図19に示すように、第2の基板素子15の表面に、検査対象であるウエハに形成された集積回路のうち例えは32個(8個×4個)の集積回路における被検査電極のパターンに対応するパターンに従って複数の検査用電極16が配置された検査用電極部16Rが形成されている。検査用回路基板11におけるその他の構成は、第1の例のプローブカード10における検査用回路基板11と基本的に同様である。
【0054】
異方導電性コネクター20は、図20に示すように、それぞれ厚み方向に貫通して伸びる複数の開口22が形成された矩形の板状のフレーム板21を有する。このフレーム板21の開口22は、検査対象であるウエハに形成された集積回路のうち例えば32個(8個×4個)の集積回路における被検査電極が形成された電極領域のパターンに対応して形成されている。フレーム板21には、厚み方向に導電性を有する複数の弾性異方導電膜23が、それぞれ一の開口22を塞ぐよう、当該フレーム板21の開口縁部に支持された状態で配置されている。異方導電性コネクター20におけるその他の構成は、第1の例のプローブカード10における異方導電性コネクター20と同様である。
【0055】
第2の例のプローブカード10におけるシート状プローブ30は、複数の開口32が形成された樹脂よりなる絶縁性シート31を有し、この絶縁性シート32には、弾性高分子物質よりなる一体の絶縁膜33が、当該絶縁性シート31の全ての開口32を塞ぐよう配置され、当該絶縁性シート31に一体的に接着されることによって支持されている。この絶縁膜33には、絶縁性シート31の開口32内に位置する個所に、それぞれ絶縁膜33の厚み方向に伸びる複数の電極構造体35が、検査対象であるウエハに形成された集積回路のうち例えは32個(8個×4個)の集積回路における被検査電極のパターンに対応するパターンに従って設けられている。このシート状プローブ30におけるその他の構成は、第1の例のプローブカード10におけるシート状プローブ30と同様である。
また、第2の例のプローブカード10におけるシート状プローブ30は、第1の例のプローブカード10におけるシート状プローブ30と同様にして製造することができる。
そして、シート状プローブ30は、電極構造体35の各々における裏面電極部35bが異方導電性コネクター20の弾性異方導電膜23における接続用導電部24に対接するよう配置され、保持部材34が検査用回路基板11におけるホルダー14の段部14Sに係合されて固定されている。
【0056】
このような第2の例のプローブカード10によれば、電極構造体35の各々は、弾性高分子物質よりなる絶縁膜33に保持されていることにより、電極構造体35が小さいピッチで配置されていても、当該絶縁膜33の弾性によって、絶縁性シート31の厚み方向に対して十分に変位し得るものとなる。従って、電極構造体35の表面電極部35aの突出高さにバラツキがあっても、被検査電極を加圧したときに当該表面電極部35aの突出高さに応じて電極構造体35が絶縁性シート31の厚み方向に変位するので、ウエハに対する良好な電気的接続状態を確実に達成することができる。
また、絶縁膜33は樹脂よりなる絶縁性シート31に支持されているため、当該絶縁性シート31を形成する樹脂材料として線熱膨張係数の小さいものを用いることにより、絶縁膜33の熱膨張が絶縁性シート31によって規制されるので、温度変化による電極構造体35と被検査電極との位置ずれを抑制することができる。
また、異方導電性コネクター20は、フレーム板21に形成された複数の開口22の各々に弾性異方導電膜23が配置されて支持されてなることにより、弾性異方導電膜23の各々は面積の小さいものでよく、面積の小さい弾性異方導電膜23は、その面方向における熱膨張の絶対量が小さいため、温度変化による検査用電極12および電極構造体35に対する接続用導電部24の位置ずれを抑制することができる。
従って、ウエハのプローブ試験において、ウエハに対する良好な電気的接続状態を安定に維持することができる。
【0057】
〔ウエハ検査装置〕
図21は、本発明に係るウエハ検査装置の第1の例における構成の概略を示す説明用断面図であり、図22は、第1の例のウエハ検査装置の要部を拡大して示す説明用断面図である。この第1のウエハ検査装置は、ウエハに形成された複数の集積回路の各々について、当該集積回路のバーンイン試験をウエハの状態で一括して行うためのものである。
第1の例のウエハ検査装置は、検査対象であるウエハ6の温度制御、ウエハ6の検査を行うための電源供給、信号の入出力制御およびウエハ6からの出力信号を検出して当該ウエハ6における集積回路の良否の判定を行うためのコントローラー2を有する。図23に示すように、コントローラー2は、その下面に、多数の入出力端子3が円周方向に沿って配置された入出力端子部3Rを有する。
コントローラー2の下方には、第1の例のプローブカード10が、その検査用回路基板11のリード電極13の各々が、当該コントローラー2の入出力端子3aに対向するよう、適宜の保持手段によって保持された状態で配置されている。
コントローラー2の入出力端子部3Rとプローブカード10における検査用回路基板11のリード電極部13Rとの間には、図23にも拡大して示すように、コネクター4が配置され、当該コネクター4によって、検査用回路基板11のリード電極13の各々がコントローラー2の入出力端子3の各々に電気的に接続されている。図示の例のコネクター4は、長さ方向に弾性的に圧縮可能な複数の導電ピン4Aと、これらの導電ピン4Aを支持する支持部材4Bとにより構成され、導電ピン4Aは、コントローラー2の入出力端子3と第1の基板素子12に形成されたリード電極13との間に位置するよう配列されている。
プローブカード10の下方には、検査対象であるウエハ6が載置されるウエハ載置台5が設けられている。
【0058】
このようなウエハ検査装置においては、ウエハ載置台5上に検査対象であるウエハ6が載置され、次いで、プローブカード10が下方に加圧されることにより、そのシート状プローブ30の電極構造体37における表面電極部35aの各々が、ウエハ6の被検査電極7の各々に接触し、更に、当該表面電極部35aの各々によって、ウエハ6の被検査電極7の各々が加圧される。この状態においては、異方導電性コネクター20の弾性異方導電膜23における接続用導電部24の各々は、検査用回路基板11の検査用電極16とシート状プローブ30の電極構造体35の裏面電極部35bとによって挟圧されて厚み方向に圧縮されており、これにより、当該接続用導電部24にはその厚み方向に導電路が形成され、その結果、ウエハ6の被検査電極7と検査用回路基板11の検査用電極16との電気的接続が達成される。その後、ウエハ載置台5を介してウエハ6が所定の温度に加熱され、この状態で、当該ウエハ6における複数の集積回路の各々について所要の電気的検査が実行される。
【0059】
このような第1の例のウエハ検査装置によれば、第1の例のプローブカード10を介して、検査対象であるウエハ6の被検査電極7に対する電気的接続が達成されるため、ウエハに対する良好な電気的接続状態を確実に達成することができ、しかも、ウエハに対する良好な電気的接続状態を安定に維持することができ、従って、ウエハのバーンイン試験において、当該ウエハに対する所要の電気的検査を確実に実行することができる。
【0060】
図24は、本発明に係るウエハ検査装置の第2の例における構成の概略を示す説明用断面図であり、このウエハ検査装置は、ウエハに形成された複数の集積回路の各々について、当該集積回路のプローブ試験をウエハの状態で行うためのものである。
この第2の例のウエハ検査装置は、第1の例のプローブカード10の代わりに第2の例のプローブカード10を用いたこと以外は、第1の例のウエハ検査装置と基本的に同様の構成である。
この第2の例のウエハ検査装置においては、ウエハ6に形成された全ての集積回路の中から選択された例えば32個の集積回路の被検査電極7に、プローブカード10を電気的に接続して検査を行い、その後、他の集積回路の中から選択された複数の集積回路の被検査電極7に、プローブカード10を電気的に接続して検査を行う工程を繰り返すことにより、ウエハ6に形成された全ての集積回路のプローブ試験が行われる。
このような第2の例のウエハ検査装置によれば、第2の例のプローブカード10を介して、検査対象であるウエハ6の被検査電極7に対する電気的接続が達成されるため、ウエハに対する良好な電気的接続状態を確実に達成することができ、しかも、ウエハに対する良好な電気的接続状態を安定に維持することができ、従って、ウエハのプローブ試験において、当該ウエハに対する所要の電気的検査を確実に実行することができる。
【0061】
本発明は、上記の実施の形態に限定されず、以下のように、種々の変更を加えることが可能である。
(1)異方導電性コネクター20においては、弾性異方導電膜23に突出部が形成されることは必須のことではなく、弾性異方導電膜23の表面全体が平坦なものであってもよい。
(2)異方導電性コネクターにおける弾性異方導電膜23には、被検査電極のパターンに対応するパターンに従って形成された接続用導電部24の他に、被検査電極に電気的に接続されない非接続用の導電部が形成されていてもよい。
(3)シート状プローブ30は、単一の開口が形成された絶縁性シートと、当該絶縁性シートの開口を塞ぐよう配置された絶縁膜とを有する構成のものであってもよく、複数の開口が形成された絶縁性シートと、それぞれ一の開口を塞ぐよう配置された複数の絶縁膜とを有する構成のものであってもよく、或いは、複数の開口が形成された絶縁性シートと、当該絶縁性シートの一の開口を塞ぐよう配置された1つまたは2つ以上の絶縁膜と、絶縁性シートの2つ以上の開口を塞ぐよう配置された1つまたは2つ以上の絶縁膜とを有する構成のものであってもよい。
(4)本発明のプローブカードにおいては、図25に示すように、異方導電性コネクターは、弾性高分子物質中に、磁性を示す導電性粒子Pが厚み方向に並ぶよう配向して連鎖を形成した状態で、かつ、当該導電性粒子Pによる連鎖が面方向に分散した状態で含有してなる弾性異方導電膜23Aを有するものであってもよい。また、シート状プローブ30上に、異方導電性エラストマーシート29が配置されていてもよい。このような異方導電性エラストマーシートとしては、弾性高分子物質中に、磁性を示す導電性粒子Pが厚み方向に並ぶよう配向して連鎖を形成した状態で、かつ、当該導電性粒子Pによる連鎖が面方向に分散した状態で含有してなるものを用いることができる。
(5)ウエハ検査装置におけるコントローラー2と検査用回路基板11を電気的に接続するコネクター4は、図23に示すものに限定されず、種々の構造のものを用いることにができる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明に係るプローブカードの第1の例の構成を示す説明用断面図である。
【図2】第1の例のプローブカードの要部の構成を拡大して示す説明用断面図である。
【図3】第1の例のプローブカードにおける検査用回路基板を示す平面図である。
【図4】検査用回路基板におけるリード電極部を拡大して示す説明図である。
【図5】第1の例のプローブカードにおける異方導電性コネクターの平面図である。
【図6】異方導電性コネクターにおける弾性異方導電膜を拡大して示す説明用断面図である。
【図7】第1の例のプローブカードにおけるシート状プローブの構成を示す説明用断面図である。
【図8】シート状プローブの要部の構成を拡大して示す説明用断面図である。
【図9】支持体上に高分子物質形成材料の塗布膜が形成された状態を示す説明用断面図である。
【図10】高分子物質形成材料の塗布膜上に絶縁性シートが配置された状態を示す説明用断面図である。
【図11】支持体上に絶縁膜用材料層が形成された状態を示す説明用断面図である。
【図12】絶縁性シートに絶縁膜が形成された状態を示す説明用断面図である。
【図13】絶縁膜に貫通孔が形成された状態を示す説明用断面図である。
【図14】絶縁膜の両面および貫通孔の内面に金属薄層が形成された状態を示す説明用断面図である。
【図15】金属薄層の表面にパターン孔を有するレジスト膜が形成された状態を示す説明用断面図である。
【図16】絶縁膜の貫通孔およびレジスト膜のパターン孔に剛性導体が形成された状態を示す説明用断面図である。
【図17】本発明に係るプローブカードの第2の例の構成を示す説明用断面図である。
【図18】第2の例のプローブカードの要部の構成を拡大して示す説明用断面図である。
【図19】第2の例のプローブカードにおける検査用回路基板を示す平面図である。
【図20】第2の例のプローブカードにおける異方導電性コネクターの平面図である。
【図21】本発明に係るウエハ検査装置の第1の例の構成を示す説明用断面図である。
【図22】第1の例のウエハ検査装置の要部の構成を拡大して示す説明用断面図である。
【図23】第1の例のウエハ検査装置におけるコネクターを拡大して示す説明用断面図である。
【図24】本発明に係るウエハ検査装置の第2の例の構成を示す説明用断面図である。
【図25】本発明に係るプローブカードの他の例における要部の構成を示す説明用断面図である。
【図26】従来のプローブカードの一例における構成を示す説明用断面図である。
【図27】従来のプローブカードにおけるシート状プローブを製造するための工程を示す説明用断面図である。
【図28】(イ)は、従来のプローブカードにおけるシート状プローブにおける電極構造体を拡大して示す説明用断面図、(ロ)は、表面電極部の各々がウエハの被検査電極の各々に接触した状態を示す説明用断面図、(ハ)は、表面電極部と被検査電極との接触不良が生じた状態を示す説明用断面図である。
【符号の説明】
【0063】
2 コントローラー
3 入出力端子
3R 入出力端子部
4 コネクター
4A 導電ピン
4B 支持部材
5 ウエハ載置台
6 ウエハ
7 被検査電極
10 プローブカード
11 検査用回路基板
12 第1の基板素子
13 リード電極
13R リード電極部
14 ホルダー
14K 開口
14S 段部
15 第2の基板素子
16 検査用電極
16R 検査用電極部
17 補強部材
20 異方導電性コネクター
21 フレーム板
22 開口
23,23A 弾性異方導電膜
24 接続用導電部
25 絶縁部
26 機能部
27 突出部
28 被支持部
29 異方導電性エラストマーシート
30 シート状プローブ
31 絶縁性シート
32 開口
33 絶縁膜
33A 絶縁膜用材料層
33B 塗布層
34 保持部材
35 電極構造体
35H 貫通孔
35a 表面電極部
35b 裏面電極部
35c 短絡部
36 支持板
37 レジスト膜
37H パターン孔
38 金属薄層
39 レジスト膜
39H パターン孔
80 異方導電性エラストマーシート
85 検査用回路基板
86 検査用電極
90 シート状プローブ
90A 積層材料
91 絶縁性シート
92 金属層
93 レジスト膜
94A,94B レジスト膜
95 電極構造体
96 表面電極部
97 裏面電極部
98 短絡部
98H 貫通孔
P 導電性粒子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査対象であるウエハに形成された全てのまたは一部の集積回路における被検査電極のパターンに対応するパターンに従って複数の検査用電極が表面に形成された検査用回路基板と、この検査用回路基板の表面上に配置された異方導電性コネクターと、この異方導電性コネクター上に配置されたシート状プローブとを具えてなり、
前記シート状プローブは、複数の開口を有する絶縁性シートと、この絶縁性シートの各開口を塞ぐよう配置され、当該絶縁性シートに支持された弾性高分子物質よりなる絶縁膜と、この絶縁膜に前記被検査電極のパターンに対応するパターンに従って配置されて保持された、当該絶縁膜の表面に露出する表面電極部および当該絶縁膜の裏面に露出する裏面電極部が当該絶縁膜の厚み方向に貫通して伸びる短絡部によって連結されてなる複数の電極構造体とを有してなることを特徴とするウエハ検査用プローブカード。
【請求項2】
絶縁性シートは、線熱膨張係数が3×10-5/K以下の材料よりなることを特徴とする請求項1に記載のウエハ検査用プローブカード。
【請求項3】
異方導電性コネクターは、検査対象であるウエハに形成された全てのまたは一部の集積回路における被検査電極が形成された電極領域に対応して複数の開口が形成されたフレーム板と、このフレーム板の開口を塞ぐよう配置されて支持された複数の弾性異方導電膜とよりなり、当該弾性異方導電膜は、前記電極領域における被検査電極のパターンに対応するパターンに従って配置された、弾性高分子物質中に磁性を示す導電性粒子が含有されてなる接続用導電部と、これらを相互に絶縁する弾性高分子物質よりなる絶縁部とを有してなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のウエハ検査用プローブカード。
【請求項4】
ウエハに形成された複数の集積回路の各々について、当該集積回路の電気的検査をウエハの状態で行うウエハ検査装置であって、
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のウエハ検査用プローブカードを具えてなることを特徴とするウエハ検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公開番号】特開2006−284418(P2006−284418A)
【公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−106044(P2005−106044)
【出願日】平成17年4月1日(2005.4.1)
【出願人】(000004178)JSR株式会社 (3,320)
【Fターム(参考)】