ウエーハ収容カセット
【課題】ウエーハ及び/又は搬送手段を破損させてしまう恐れのないウエーハ収容カセットを提供することである。
【解決手段】複数のウエーハを収容可能なウエーハ収容カセット32であって、対向する一対の側壁33a,bの内面にウエーハを収容する左右で高さの揃った複数対の収容棚56が形成されるとともに、該収容棚56にウエーハを出し入れする開口部54を前面に有するカセット本体33と、該カセット本体33に着脱自在に装着されて該開口部54を覆うとともに、該複数対の収容棚56に対応する複数の貫通スリット64を有するウエーハ入れ補助板62と、該カセット本体33と該ウエーハ入れ補助板62とを着脱可能に係合する係合手段と、を具備したことを特徴とする。
【解決手段】複数のウエーハを収容可能なウエーハ収容カセット32であって、対向する一対の側壁33a,bの内面にウエーハを収容する左右で高さの揃った複数対の収容棚56が形成されるとともに、該収容棚56にウエーハを出し入れする開口部54を前面に有するカセット本体33と、該カセット本体33に着脱自在に装着されて該開口部54を覆うとともに、該複数対の収容棚56に対応する複数の貫通スリット64を有するウエーハ入れ補助板62と、該カセット本体33と該ウエーハ入れ補助板62とを着脱可能に係合する係合手段と、を具備したことを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のウエーハを収容可能なウエーハ収容カセットに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、半導体デバイスの製造プロセスでは、半導体ウエーハの表面にICやLSI等の回路素子が複数形成される。回路素子が複数形成されたウエーハは、研削装置によって裏面が研削されて所定の厚みへと薄化された後、切削装置で切削されて分割されることで、個々の半導体デバイスが製造されている。
【0003】
切削装置や研削装置は、例えば特開平11−74228号公報又は特開2002−200545号公報に開示されるように、ウエーハ等の被加工物を吸引保持するチャックテーブルと、チャックテーブルに保持された被加工物へ切削加工や研削加工を施すための切削ブレード、研削ホイール等の加工手段を備えている。
【0004】
ウエーハは特開平8−80989号公報又は特開2003−110014号公報に開示されるようなウエーハ収容カセット中に複数枚収容された状態で、切削装置や研削装置等の加工装置に供給される。
【0005】
ウエーハ収容カセットは、1枚のウエーハを収容する収容部を複数備えるとともに該収容部にウエーハを出し入れ可能とする開口部を前面に有している。具体的には、各収容部は収容されるウエーハの外周部のみを支持するように対向する一対の側壁の内面に形成された複数対の収容棚から形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平11−74228号公報
【特許文献2】特開2002−200545号公報
【特許文献3】特開平8−80989号公報
【特許文献4】特開2003−110014号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、作業者がこのような構造を有する収容カセット中へウエーハを収容する場合には、誤って左右の側壁の段違いのウエーハ収容棚に跨ってウエーハを挿入し易いという問題がある。
【0008】
ウエーハが左右の側壁で段違いのウエーハ収容棚に跨って収容されると、ウエーハ搬出時に搬送ロボット等の搬送手段とウエーハとが衝突してウエーハ及び/又は搬送手段を破損させてしまうという問題が生じる。
【0009】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ウエーハ及び搬送手段を破損させてしまう恐れのないウエーハ収容カセットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によると、複数のウエーハを収容可能なウエーハ収容カセットであって、対向する一対の側壁の内面にウエーハを収容する左右で高さの揃った複数対の収容棚が形成されるとともに、該収容棚にウエーハを出し入れする開口部を前面に有するカセット本体と、該カセット本体に着脱自在に装着されて該開口部を覆うとともに、該複数対の収容棚に対応する複数の貫通スリットを有するウエーハ入れ補助板と、該カセット本体と該ウエーハ入れ補助板とを着脱可能に係合する係合手段と、を具備したことを特徴とするウエーハ収容カセットが提供される。
【発明の効果】
【0011】
本発明のウエーハ収容カセットは、カセット本体に対して着脱自在に装着されてカセット本体の開口部を覆うとともに、ウエーハをカセット本体中に入れるための各対の収容棚に対応した複数の貫通スリットを有するウエーハ入れ補助具を備えている。
【0012】
従って、作業者がウエーハをカセット本体内に挿入する場合には、ウエーハ入れ補助板の貫通スリットを通してウエーハを挿入するため、ウエーハが左右の側壁で段違いのウエーハ収容棚に跨って収容されることがなく、ウエーハ及び/又は搬送手段を破損させてしまう恐れがない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明のウエーハ収容カセットが適用される研削装置の外観斜視図である。
【図2】本発明第1実施形態のウエーハ収容カセットの分解斜視図である。
【図3】ウエーハ入れ補助板をカセット本体に装着した状態の第1実施形態の斜視図である。
【図4】ウエーハ入れ補助板が取り外され且つ複数枚のウエーハがカセット本体内に収容された状態の斜視図である。
【図5】本発明第2実施形態のウエーハ収容カセットの分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して詳細に説明する。図1を参照すると、本発明のウエーハ収容カセットが適用されるのに適した研削装置2の斜視図が示されている。4は研削装置2のベースであり、ベース4の後方にはコラム6が立設されている。コラム6には、上下方向に延びる一対のガイドレール(一本のみ図示)8が固定されている。
【0015】
この一対のガイドレール8に沿って研削ユニット(研削手段)10が上下方向に移動可能に装着されている。研削ユニット10は、そのハウジング20が一対のガイドレール8に沿って上下方向に移動する移動基台12に取り付けられている。
【0016】
研削ユニット10は、ハウジング20と、ハウジング20中に回転可能に収容された図示しないスピンドルと、スピンドルを回転駆動するモータ22と、スピンドルの先端に固定されたホイールマウント24と、ホイールマウント24に着脱可能に装着された先端に複数の研削砥石26が固着された研削ホイール25とを含んでいる。
【0017】
研削ユニット10は、研削ユニット10を一対の案内レール8に沿って上下方向に移動するボールねじ14とパルスモータ16とから構成される研削ユニット送り機構18を備えている。パルスモータ16をパルス駆動すると、ボールねじ14が回転し、移動基台12が上下方向に移動される。
【0018】
ベース4の中間部分にはチャックテーブル50を有するチャックテーブル機構28が配設されており、チャックテーブル50は図示しないチャックテーブル移動機構によりY軸方向に移動される。30はチャックテーブル機構28をカバーする蛇腹である。
【0019】
ベース4の前側部分には、第1のウエーハ収容カセット32と、第2のウエーハ収容カセット34と、ウエーハ搬送用ロボット36(搬送手段)と、複数の位置決めピン40を有する位置決め機構38と、ウエーハ搬入機構(ローディングアーム)42と、ウエーハ搬出機構(アンローディングアーム)44と、スピンナ洗浄ユニット46が配設されている。
【0020】
また、ベース4の概略中央部には、チャックテーブル50を洗浄する洗浄水噴射ノズル48が設けられている。この洗浄水噴射ノズル48は、チャックテーブル50が装置手前側のウエーハ搬入・搬出領域に位置付けられた状態において、チャックテーブル50に向かって洗浄水を噴射する。52は研削水供給ノズルであり、先端の噴出口53から研削砥石26とチャックテーブル50に保持された被加工物に向かって研削水を噴出する。
【0021】
次に、図2乃至図4を参照して、本発明第1実施形態のウエーハ収容カセット32について説明する。図1に示した第1ウエーハ収容カセット32と第2ウエーハ収容カセット34は同一構成であるので、以下の説明では、第1ウエーハ収容カセット32で代表して説明する。
【0022】
ウエーハ収容カセット32は、一対の側壁33a,33bと、背面壁33cと、底壁33dと、上壁33eとを有するカセット本体33を含んでいる。カセット本体33の前面には開口部54が形成されている。
【0023】
対向する一対の側壁33a,33bの内面にはウエーハを収容する左右で高さの揃った複数対の収容棚56が形成されている。カセット本体33の前面上部には一対の係合ピン58が配設されており、カセット本体33の上壁33eには取っ手60が固定されている。
【0024】
62はウエーハ入れ補助板であり、カセット本体33に着脱自在に装着されてカセット本体33の開口部54を覆うとともに、各対の収容棚56に対応する複数の貫通スリット64を有している。ウエーハ入れ補助板62の上端部には係合ピン58が嵌合する一対の嵌合穴66が形成されている。
【0025】
ウエーハ入れ補助板62をカセット本体33に装着するには、カセット本体33の前側からウエーハ入れ補助板62の嵌合穴66中にカセット本体33の係合ピン58が嵌合するように、ウエーハ入れ補助板62を矢印Aで示すようにカセット本体33に装着する。
【0026】
ウエーハ入れ補助板62がカセット本体33に装着された状態が図3に示されている。各貫通スリット34は左右で高さの揃った各対の収容棚56に対応して形成されているため、この状態で、作業者がウエーハ入れ補助板62の貫通スリット64を介してカセット本体33内にウエーハWを挿入すると、ウエーハWが左右の側壁33a,33bで段違いの収容棚56に跨って収容されることが完全に防止される。
【0027】
カセット本体33内に所望枚数のウエーハWの収容が終了すると、ウエーハ入れ補助板62はカセット本体33から取り外される。ウエーハ入れ補助板62をカセット本体33から取り外した状態の斜視図が図4に示されている。
【0028】
図4に示されるように、各収容棚56はウエーハWの外周部のみを支持している。本実施形態のウエーハ収容カセット32では、カセット本体33が背面壁33cを有しているが、左右の側壁33a,33bの内面に各収容棚56に対応してストッパを設けるようにすれば、背面壁33cを省略することもできる。本実施形態では、係合ピン58と嵌合穴66で係合手段を構成する。
【0029】
図5を参照すると、本発明第2実施形態のウエーハ収容カセット32Aの分解斜視図が示されている。本実施形態の説明において、図2乃至図4に示した第1実施形態と同一構成部分については同一符号を付し、重複を避けるためその説明を省略する。
【0030】
本実施形態は、カセット本体33aにウエーハ入れ補助板62Aを係合する係合手段の構成が第1実施形態と相違する。本実施形態では、左右の側壁33a,33bを前面側に突出させた突出部68を形成する。そして、各突出部68の内面に上下方向に伸長するガイド溝70を形成して、ウエーハ入れ補助板62Aをカセット本体33Aに係合する係合手段とする。
【0031】
本実施形態では、ウエーハ入れ補助板62Aをカセット本体33Aに装着するには、ウエーハ入れ補助板62Aを矢印Bに示すようにカセット本体33Aの上方からガイド溝70中に挿入する。
【0032】
ウエーハ入れ補助板62Aがカセット本体33Aに装着された状態では、第1実施形態と同様に各貫通スリット64が高さの揃った一対の収容棚56に対応するため、ウエーハWは左右の側壁33a,33bで段違いの収容棚56に跨って収容されることが完全に防止される。
【0033】
所望枚数のウエーハWをカセット本体33A内に収容した後には、第1実施形態と同様に、ウエーハ入れ補助板62Aをカセット本体33Aから取り外し、図1に示したように研削装置2のベース4の前側部分に載置する。
【0034】
ウエーハ収容カセット32,32A内に収容されるウエーハWは、ウエーハ単体、ウエーハWの表面に保護テープを貼着したもの、或いはウエーハWをダイシングテープを介して環状フレームで支持したウエーハユニットを含む。
【符号の説明】
【0035】
2 研削装置
4 ベース
10 研削ユニット
25 研削ホイール
32 第1ウエーハ収容カセット
33 カセット本体
33a,33b 側壁
54 開口部
56 収容棚
58 係合溝
62 ウエーハ入れ補助板
64 貫通スリット
66 嵌合穴
70 ガイド溝
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のウエーハを収容可能なウエーハ収容カセットに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、半導体デバイスの製造プロセスでは、半導体ウエーハの表面にICやLSI等の回路素子が複数形成される。回路素子が複数形成されたウエーハは、研削装置によって裏面が研削されて所定の厚みへと薄化された後、切削装置で切削されて分割されることで、個々の半導体デバイスが製造されている。
【0003】
切削装置や研削装置は、例えば特開平11−74228号公報又は特開2002−200545号公報に開示されるように、ウエーハ等の被加工物を吸引保持するチャックテーブルと、チャックテーブルに保持された被加工物へ切削加工や研削加工を施すための切削ブレード、研削ホイール等の加工手段を備えている。
【0004】
ウエーハは特開平8−80989号公報又は特開2003−110014号公報に開示されるようなウエーハ収容カセット中に複数枚収容された状態で、切削装置や研削装置等の加工装置に供給される。
【0005】
ウエーハ収容カセットは、1枚のウエーハを収容する収容部を複数備えるとともに該収容部にウエーハを出し入れ可能とする開口部を前面に有している。具体的には、各収容部は収容されるウエーハの外周部のみを支持するように対向する一対の側壁の内面に形成された複数対の収容棚から形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平11−74228号公報
【特許文献2】特開2002−200545号公報
【特許文献3】特開平8−80989号公報
【特許文献4】特開2003−110014号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、作業者がこのような構造を有する収容カセット中へウエーハを収容する場合には、誤って左右の側壁の段違いのウエーハ収容棚に跨ってウエーハを挿入し易いという問題がある。
【0008】
ウエーハが左右の側壁で段違いのウエーハ収容棚に跨って収容されると、ウエーハ搬出時に搬送ロボット等の搬送手段とウエーハとが衝突してウエーハ及び/又は搬送手段を破損させてしまうという問題が生じる。
【0009】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ウエーハ及び搬送手段を破損させてしまう恐れのないウエーハ収容カセットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によると、複数のウエーハを収容可能なウエーハ収容カセットであって、対向する一対の側壁の内面にウエーハを収容する左右で高さの揃った複数対の収容棚が形成されるとともに、該収容棚にウエーハを出し入れする開口部を前面に有するカセット本体と、該カセット本体に着脱自在に装着されて該開口部を覆うとともに、該複数対の収容棚に対応する複数の貫通スリットを有するウエーハ入れ補助板と、該カセット本体と該ウエーハ入れ補助板とを着脱可能に係合する係合手段と、を具備したことを特徴とするウエーハ収容カセットが提供される。
【発明の効果】
【0011】
本発明のウエーハ収容カセットは、カセット本体に対して着脱自在に装着されてカセット本体の開口部を覆うとともに、ウエーハをカセット本体中に入れるための各対の収容棚に対応した複数の貫通スリットを有するウエーハ入れ補助具を備えている。
【0012】
従って、作業者がウエーハをカセット本体内に挿入する場合には、ウエーハ入れ補助板の貫通スリットを通してウエーハを挿入するため、ウエーハが左右の側壁で段違いのウエーハ収容棚に跨って収容されることがなく、ウエーハ及び/又は搬送手段を破損させてしまう恐れがない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明のウエーハ収容カセットが適用される研削装置の外観斜視図である。
【図2】本発明第1実施形態のウエーハ収容カセットの分解斜視図である。
【図3】ウエーハ入れ補助板をカセット本体に装着した状態の第1実施形態の斜視図である。
【図4】ウエーハ入れ補助板が取り外され且つ複数枚のウエーハがカセット本体内に収容された状態の斜視図である。
【図5】本発明第2実施形態のウエーハ収容カセットの分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して詳細に説明する。図1を参照すると、本発明のウエーハ収容カセットが適用されるのに適した研削装置2の斜視図が示されている。4は研削装置2のベースであり、ベース4の後方にはコラム6が立設されている。コラム6には、上下方向に延びる一対のガイドレール(一本のみ図示)8が固定されている。
【0015】
この一対のガイドレール8に沿って研削ユニット(研削手段)10が上下方向に移動可能に装着されている。研削ユニット10は、そのハウジング20が一対のガイドレール8に沿って上下方向に移動する移動基台12に取り付けられている。
【0016】
研削ユニット10は、ハウジング20と、ハウジング20中に回転可能に収容された図示しないスピンドルと、スピンドルを回転駆動するモータ22と、スピンドルの先端に固定されたホイールマウント24と、ホイールマウント24に着脱可能に装着された先端に複数の研削砥石26が固着された研削ホイール25とを含んでいる。
【0017】
研削ユニット10は、研削ユニット10を一対の案内レール8に沿って上下方向に移動するボールねじ14とパルスモータ16とから構成される研削ユニット送り機構18を備えている。パルスモータ16をパルス駆動すると、ボールねじ14が回転し、移動基台12が上下方向に移動される。
【0018】
ベース4の中間部分にはチャックテーブル50を有するチャックテーブル機構28が配設されており、チャックテーブル50は図示しないチャックテーブル移動機構によりY軸方向に移動される。30はチャックテーブル機構28をカバーする蛇腹である。
【0019】
ベース4の前側部分には、第1のウエーハ収容カセット32と、第2のウエーハ収容カセット34と、ウエーハ搬送用ロボット36(搬送手段)と、複数の位置決めピン40を有する位置決め機構38と、ウエーハ搬入機構(ローディングアーム)42と、ウエーハ搬出機構(アンローディングアーム)44と、スピンナ洗浄ユニット46が配設されている。
【0020】
また、ベース4の概略中央部には、チャックテーブル50を洗浄する洗浄水噴射ノズル48が設けられている。この洗浄水噴射ノズル48は、チャックテーブル50が装置手前側のウエーハ搬入・搬出領域に位置付けられた状態において、チャックテーブル50に向かって洗浄水を噴射する。52は研削水供給ノズルであり、先端の噴出口53から研削砥石26とチャックテーブル50に保持された被加工物に向かって研削水を噴出する。
【0021】
次に、図2乃至図4を参照して、本発明第1実施形態のウエーハ収容カセット32について説明する。図1に示した第1ウエーハ収容カセット32と第2ウエーハ収容カセット34は同一構成であるので、以下の説明では、第1ウエーハ収容カセット32で代表して説明する。
【0022】
ウエーハ収容カセット32は、一対の側壁33a,33bと、背面壁33cと、底壁33dと、上壁33eとを有するカセット本体33を含んでいる。カセット本体33の前面には開口部54が形成されている。
【0023】
対向する一対の側壁33a,33bの内面にはウエーハを収容する左右で高さの揃った複数対の収容棚56が形成されている。カセット本体33の前面上部には一対の係合ピン58が配設されており、カセット本体33の上壁33eには取っ手60が固定されている。
【0024】
62はウエーハ入れ補助板であり、カセット本体33に着脱自在に装着されてカセット本体33の開口部54を覆うとともに、各対の収容棚56に対応する複数の貫通スリット64を有している。ウエーハ入れ補助板62の上端部には係合ピン58が嵌合する一対の嵌合穴66が形成されている。
【0025】
ウエーハ入れ補助板62をカセット本体33に装着するには、カセット本体33の前側からウエーハ入れ補助板62の嵌合穴66中にカセット本体33の係合ピン58が嵌合するように、ウエーハ入れ補助板62を矢印Aで示すようにカセット本体33に装着する。
【0026】
ウエーハ入れ補助板62がカセット本体33に装着された状態が図3に示されている。各貫通スリット34は左右で高さの揃った各対の収容棚56に対応して形成されているため、この状態で、作業者がウエーハ入れ補助板62の貫通スリット64を介してカセット本体33内にウエーハWを挿入すると、ウエーハWが左右の側壁33a,33bで段違いの収容棚56に跨って収容されることが完全に防止される。
【0027】
カセット本体33内に所望枚数のウエーハWの収容が終了すると、ウエーハ入れ補助板62はカセット本体33から取り外される。ウエーハ入れ補助板62をカセット本体33から取り外した状態の斜視図が図4に示されている。
【0028】
図4に示されるように、各収容棚56はウエーハWの外周部のみを支持している。本実施形態のウエーハ収容カセット32では、カセット本体33が背面壁33cを有しているが、左右の側壁33a,33bの内面に各収容棚56に対応してストッパを設けるようにすれば、背面壁33cを省略することもできる。本実施形態では、係合ピン58と嵌合穴66で係合手段を構成する。
【0029】
図5を参照すると、本発明第2実施形態のウエーハ収容カセット32Aの分解斜視図が示されている。本実施形態の説明において、図2乃至図4に示した第1実施形態と同一構成部分については同一符号を付し、重複を避けるためその説明を省略する。
【0030】
本実施形態は、カセット本体33aにウエーハ入れ補助板62Aを係合する係合手段の構成が第1実施形態と相違する。本実施形態では、左右の側壁33a,33bを前面側に突出させた突出部68を形成する。そして、各突出部68の内面に上下方向に伸長するガイド溝70を形成して、ウエーハ入れ補助板62Aをカセット本体33Aに係合する係合手段とする。
【0031】
本実施形態では、ウエーハ入れ補助板62Aをカセット本体33Aに装着するには、ウエーハ入れ補助板62Aを矢印Bに示すようにカセット本体33Aの上方からガイド溝70中に挿入する。
【0032】
ウエーハ入れ補助板62Aがカセット本体33Aに装着された状態では、第1実施形態と同様に各貫通スリット64が高さの揃った一対の収容棚56に対応するため、ウエーハWは左右の側壁33a,33bで段違いの収容棚56に跨って収容されることが完全に防止される。
【0033】
所望枚数のウエーハWをカセット本体33A内に収容した後には、第1実施形態と同様に、ウエーハ入れ補助板62Aをカセット本体33Aから取り外し、図1に示したように研削装置2のベース4の前側部分に載置する。
【0034】
ウエーハ収容カセット32,32A内に収容されるウエーハWは、ウエーハ単体、ウエーハWの表面に保護テープを貼着したもの、或いはウエーハWをダイシングテープを介して環状フレームで支持したウエーハユニットを含む。
【符号の説明】
【0035】
2 研削装置
4 ベース
10 研削ユニット
25 研削ホイール
32 第1ウエーハ収容カセット
33 カセット本体
33a,33b 側壁
54 開口部
56 収容棚
58 係合溝
62 ウエーハ入れ補助板
64 貫通スリット
66 嵌合穴
70 ガイド溝
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のウエーハを収容可能なウエーハ収容カセットであって、
対向する一対の側壁の内面にウエーハを収容する左右で高さの揃った複数対の収容棚が形成されるとともに、該収容棚にウエーハを出し入れする開口部を前面に有するカセット本体と、
該カセット本体に着脱自在に装着されて該開口部を覆うとともに、該複数対の収容棚に対応する複数の貫通スリットを有するウエーハ入れ補助板と、
該カセット本体と該ウエーハ入れ補助板とを着脱可能に係合する係合手段と、
を具備したことを特徴とするウエーハ収容カセット。
【請求項1】
複数のウエーハを収容可能なウエーハ収容カセットであって、
対向する一対の側壁の内面にウエーハを収容する左右で高さの揃った複数対の収容棚が形成されるとともに、該収容棚にウエーハを出し入れする開口部を前面に有するカセット本体と、
該カセット本体に着脱自在に装着されて該開口部を覆うとともに、該複数対の収容棚に対応する複数の貫通スリットを有するウエーハ入れ補助板と、
該カセット本体と該ウエーハ入れ補助板とを着脱可能に係合する係合手段と、
を具備したことを特徴とするウエーハ収容カセット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【公開番号】特開2012−104580(P2012−104580A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−250519(P2010−250519)
【出願日】平成22年11月9日(2010.11.9)
【出願人】(000134051)株式会社ディスコ (2,397)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月9日(2010.11.9)
【出願人】(000134051)株式会社ディスコ (2,397)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]