説明

エア回路

【課題】省エネルギであって低コストかつ車両への搭載性が向上するエア回路を提供することである。
【解決手段】車体と車軸との間に介装されるエアバネAに圧縮エアを給排するエア回路1において、コンプレッサ2と、コンプレッサ2の吐出側2aと吸込側2bとを結ぶループライン3と、ループライン3の途中に設けられてループライン3を開閉するポペット型電磁切換式の切換弁4と、ループライン3の途中であって切換弁4よりコンプレッサ2の吐出側2aとエアバネAとを接続する供給ライン5と、ループライン3の途中であって切換弁4よりコンプレッサ2の吐出側2aにチャージライン6を介して接続される高圧タンク7と、チャージライン6の途中に設けられてチャージライン6を開閉するポペット型電磁切換式のチャージ弁8と、ループライン3の途中であって切換弁4よりコンプレッサ2の吸込側2bに接続される低圧タンク9とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車体と車軸との間に介装されるエアバネに圧縮エアを給排する事によって車高を調整するエアサスペンション装置のエア回路に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車体と車軸との間に介装されるエアバネに圧縮エアを給排するエア回路としては、例えば、コンプレッサと、コンプレッサによって蓄圧される高圧タンクと、エアバネからの排気によって蓄圧される低圧タンクと、コンプレッサおよび高圧タンクをエアバネに接続する供給ラインと、供給ラインの途中に設けた圧縮エア供給用の電磁式開閉弁と、エアバネを供給ラインと排出ラインとに選択的に連通させる3ポート2位置の電磁式方向切換弁と、排出ラインの途中に設けた排気用の電磁式開閉弁と、排気ラインの途中に設けたオリフィスの上流および下流の圧力をパイロット圧として駆動されてエアバネからの排気を低圧タンクへ供給するか大気開放するかを決定する3ポート2位置の方向切換弁とを備えて構成されている(たとえば、特許文献1参照)。なお、上述の電磁式方向切換弁は、自動車の車体と車軸との間に四箇所に介装されるエアバネに対応して、四つ設けられることになる。
【0003】
この従来のエア回路では、車高を上昇させる場合、高圧タンクのみ、あるいは高圧タンクとコンプレッサから圧縮エアをエアバネに送り込み、反対に車高を下げる場合には、低圧タンク内の圧力が所定圧未満であると、エアバネから排気されるエアを低圧タンクに優先的に送り込んで、低圧タンクを蓄圧するようにしている。
【0004】
そして、コンプレッサは、基本的には、低圧タンクから吸込んで高圧タンク乃至エアバネに圧縮エアを送るようになっており、このような構成を採用することで、コンプレッサによるエアの圧縮比が低減され、コンプレッサにおける消費エネルギを低減するようにしている。
【0005】
また、低圧タンク内の圧力が大気圧以下となる場合には、コンプレッサが低圧タンクから吸込むより大気を吸込んだ方が効率的となるため、このエア回路においては、コンプレッサの吸込先である低圧タンクと大気のうち有利となるほうを選択可能とならしめるため、低圧タンク内の圧力をパイロット圧として駆動される3ポート2位置の方向切換弁を備えている。
【0006】
したがって、この従来のエア回路では、高圧タンクを備えてコンプレッサが常時駆動していなくともエアバネに圧縮エアを供給でき、低圧タンクを備えてコンプレッサによるエアの圧縮比を低減し、かつ、コンプレッサの吸込先のうち有利となるほうを選ぶことが可能であるので、コンプレッサの消費エネルギを低減することができる。
【特許文献1】特開平10−119531号公報(発明の実施の形態欄、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述のように、従来のエア回路では、コンプレッサの消費エネルギを低減することができる点で、有用であるのであるが、以下の点で問題がある。
【0008】
すなわち、上述のエア回路では、当該回路中に、開閉弁が二つに、方向切換弁が電磁式、非電磁式のものを合わせて六つ、合計八つの弁要素が設置されており、さらに、3ポート2位置の方向切換弁では、弁体として摺動型スプールあるいは回転型スプールが一般的に用いられるので、たとえば、スプールを使用した弁ではどうしても完全には通路の遮断を行うことができず漏れを生じてしまうため回路全体を密閉できず、方向切換弁による漏れによってエアが大気に漏れ、その分エネルギ損失が生じてしまうことになる。
【0009】
また、3ポート2位置の方向切換弁をポペット型で構成するには、構造が複雑となるばかりでなく、弁自体が大型となるので、エア回路のコストが高くなるとともに大型となって車両への搭載性の点でも不利となる。
【0010】
そこで、本発明は、上記不具合を改善するために創案されたものであって、その目的とするところは、省エネルギであって低コストかつ車両への搭載性が向上するエア回路を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の課題解決手段は、車体と車軸との間に介装されるエアバネに圧縮エアを給排するエア回路において、コンプレッサと、コンプレッサの吐出側と吸込側とを結ぶループラインと、ループラインの途中に設けられてループラインを開閉するポペット型電磁切換式の切換弁と、ループラインの途中であって切換弁よりコンプレッサの吐出側とエアバネとを接続する供給ラインと、ループラインの途中であって切換弁よりコンプレッサの吐出側にチャージラインを介して接続される高圧タンクと、チャージラインの途中に設けられてチャージラインを開閉するポペット型電磁切換式のチャージ弁と、ループラインの途中であって切換弁よりコンプレッサの吸込側に接続される低圧タンクとを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明のエア回路によれば、エア回路内のチャージ弁、切換弁が密閉性の高い2ポート2位置のポペット型の開閉弁とされているので、エア漏れが生じる心配が無く、大気へのエア漏れを生じないので、エネルギ損失が生じない。
【0013】
そして、エア漏れによるエネルギ損失が生じないことに加えて、低圧タンクを蓄圧することでコンプレッサによるエアの圧縮比を低減できるとともに、高圧タンクを備えることでコンプレッサの常時駆動を回避できるので、エア回路のエネルギ消費が従来のエア回路に比較してより一層低減されることになる。
【0014】
さらに、エア回路内のチャージ弁、切換弁が密閉性の高いポペット型の開閉弁とされているので、弁の構造が簡単でスプール弁を使用せざるを得ない方向切換弁のように高精度の寸法管理を強いられることも無く、弁自体を方向切換弁に比較して小型とすることができるため、エア回路の製造コストが低減されるとともに、エア回路の全体を省スペースとして車両への搭載性も向上することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1は、この発明の一実施の形態のおけるエア回路を示した図である。図2は、この発明の一実施の形態のおけるエア回路の動作モードを示した一覧表である。
【0016】
以下、図に示した実施の形態に基づいて本発明のエア回路1を説明する。一実施の形態におけるエア回路1は、図1に示すように、車両の四箇所の車輪と車体との間のそれぞれに介装される四つのエアバネAに圧縮エアを給排するものであり、エアバネAは、同じく、車両の四箇所の車輪と車体との間のそれぞれに介装されるダンパDの外周に一体化され、当該ダンパDと協働してエアサスペンションを構成している。
【0017】
なお、図1に示したエアサスペンションでは、エアバネAとダンパDとが一体とされているが、エアバネAとダンパDとがそれぞれ独立して設置されてもよい。
【0018】
また、ダンパDは、周知であるので詳しくは説明しないが、シリンダSと、シリンダSに挿通されるロッドRとを備えて、ロッドRがシリンダSに出入りする際に所定の減衰力を発揮するようになっている。
【0019】
そして、エアバネAは、ロッドRに連結された有底筒状のチャンバCと、チャンバCの開口部とダンパDのシリンダSの側部とに連結される筒状のダイヤフラムEとでダンパDの外周まわりに形成されるエア室Gを備え、車体重量を支持する懸架バネとして機能している。したがって、上記したエアバネAにおけるエア室G内の圧力を上記のエア回路1から圧縮エアの供給によってエア室Gの容積を膨張させて上昇させると車体を上昇させることができ、逆に、エア回路1を通じてエア室G内のエアを排気させてエア室Gの容積を減少させると車体を下降させることができる、すなわち、エア回路1によってエアバネAにおけるエア室G内の容積をコントロールすることで車高調整することが可能となっている。
【0020】
また、乗員や積荷によって車高が変化した場合には、重量変化に対してエア室G内の圧力をコントロールすることで、車高を一定に保つことも可能となっている。
【0021】
さて、エア回路1は、基本的には、図1に示すように、コンプレッサ2と、コンプレッサ2における吐出側の吐出口2aと吸込側の吸込口2bとを結ぶループライン3と、ループライン3の途中に設けられてループライン3を開閉する2ポート2位置のポペット型電磁切換式の切換弁4と、ループライン3の途中であって切換弁4よりコンプレッサ2の吐出口2a側とエアバネAとを接続する供給ライン5と、ループライン3の途中であって切換弁4よりコンプレッサ2の吐出口2a側にチャージライン6を介して接続される高圧タンク7と、チャージライン6の途中に設けられてチャージライン6を開閉する2ポート2位置のポペット型電磁切換式のチャージ弁8と、ループライン3の途中であって切換弁4よりコンプレッサ2の吸込口2b側に接続される低圧タンク9とを備えて構成されている。
【0022】
このように、エア回路1にあっては、ループライン3およびチャージライン6を介してコンプレッサ2の吐出口2aを高圧タンク7に接続してあり、コンプレッサ2によって高圧タンク7を蓄圧しておき、基本的には、エアバネAのエア室Gへの圧縮エアの供給を高圧タンク7から行うようにしておくことで、コンプレッサ2を常時駆動させることなく車高調整を行うことができ、また、ループライン3を介してコンプレッサ2の吸込口2bを大気圧以上に蓄圧される低圧タンク9に接続してあり、コンプレッサ2の吸込を低圧タンク9から行うことで吸気圧力を大気圧以上としてコンプレッサ2の圧縮比を低減することができ、コンプレッサ2の消費エネルギを低減できるようになっている。
【0023】
以下、上記エア回路1について詳細に説明すると、コンプレッサ2は、モータMによって駆動されると、吸込口2bからエアを吸い込んで吐出口2aから圧縮エアをループライン3に送り出すようになっている。なお、コンプレッサ2の駆動については、モータMによる以外にも、車両に搭載されるエンジンから動力を取り出して駆動させることもでき、さらに、車両が油圧ポンプを備えている場合には、モータMを電動モータではなく油圧モータとしてもよい。
【0024】
そして、ループライン3上には、コンプレッサ2における吐出側となる上流から順に、上流側から下流側へ向かう流れのみを許容する逆止弁10、コンプレッサ2から送り出されるエアを乾燥させるドライヤ11、エアの流れに抵抗を与える絞り12および当該絞り12と並列に配置される上流側から下流へ向かう流れのみを許容する逆止弁13、供給ライン5およびチャージライン6の接続部X、切換弁4および低圧タンク9がそれぞれ配置されて設けられている。
【0025】
ドライヤ11は、この場合、吸着式を採用しており、内部に、シリカゲルや活性アルミナ等の水分を吸着する乾燥剤を収容しており、内部を通過する圧縮エアの水分を乾燥剤で吸着して当該圧縮エアを乾燥させることができるものである。なお、乾燥剤が水分を飽和状態となるまで吸着した場合、乾燥したエアを通過させてこれを乾燥させるようにする。なお、当該乾燥剤の乾燥には、乾燥したエアの通過とともに乾燥剤を加熱するようにしてもよい。
【0026】
また、逆止弁10は、後述するエアバネAのエア室Gから排気してエアを大気開放する場合に、コンプレッサ2の吐出口2aへエアが導かれないようにするために設けられるもので、コンプレッサ2が圧縮エアを供給する場合には、抵抗無くエアの通過を許容する。
【0027】
さらに、詳しくは後述するが、この実施の形態の場合、エアバネAのエア室Gから排気してエアを大気開放する場合に、ループライン3の供給ライン5の接続部Xより上流側を介して排気させる構成を採用しており、上記の絞り12は、エアの流れに抵抗を与えてエア室Gからの排気速度を制限し、エアを急減圧して乾燥させる機能を果たすとともに、ドライヤ11にゆっくりエアを通過させるので、ドライヤ11を充分に燥効させることができる。
【0028】
また、ドライヤ11より下流であって絞り12と並列配置される逆止弁13は、コンプレッサ2が圧縮エアを供給する場合に、絞り12に優先して積極的にエアの通過を許容して、圧縮エア供給時に絞り12によるエネルギ損失を生じさせないように設けられるものであり、上述のエア室Gからドライヤ11の乾燥を目的としてエアを大気開放する際にはエアに絞り12のみを通過させるよう機能している。
【0029】
つづいて、ループライン3の接続部Xには、チャージライン6を介して高圧タンク7が接続され、このチャージライン6の途中には、チャージ弁8が設けられている。チャージ弁8は、チャージライン6を開放してループライン3と高圧タンク7とを連通させる連通ポジション8aと、チャージライン6を遮断する遮断ポジション8bとを有し、一端に設けられて遮断ポジション8bを採るように附勢するバネ8cと、他端に設けられてバネ8cに対向するソレノイド8dとを備えており、このソレノイド8dを励磁すると、遮断ポジション8cから連通ポジション8aに切換わる、2ポート2位置のポペット型電磁切換式の開閉弁として構成されている。
【0030】
2ポート2位置のポペット型の開閉弁は、図示はしないが、環状の弁座と、当該弁座を塞ぐように離着座する円錐面や球面さらには上記弁座の軸方向端部を密閉可能な弾性体等を備えた弁体とで構成されており、スプール弁に比較して極めて密封性が高いので、エア漏れの心配がなく、また、コンタミにも強く、応答速度に優れる利点を有している。
【0031】
そして、上記したチャージ弁8を連通ポジション8aとすると、高圧タンク7がループライン3に連通した状態とされ、コンプレッサ2を駆動すれば高圧タンク7に圧縮エアを供給して当該高圧タンク7を蓄圧することができ、逆に高圧タンク7から圧縮エアを放出させる場合には供給ライン5を介してエアバネAのエア室Gへ圧縮エアを供給することもできる。
【0032】
他方、チャージ弁8を遮断ポジション8bにする場合には、高圧タンク7をループライン3から遮断して、高圧タンク7が蓄圧された状態に維持されることになる。
【0033】
また、チャージライン6のチャージ弁8より高圧タンク7側には、圧力センサ30が設置されている。そして、エア回路1を制御する図外のECUが、圧力センサ30で高圧タンク7の圧力をモニタしており、高圧タンク7の圧力が所定の高圧タンク下限値より低くなるとコンプレッサ2を駆動するとともにチャージ弁8を連通ポジション8aに切換えて高圧タンク7を所定の高圧タンク上限値にまで蓄圧し、高圧タンク7内の圧力が所定の高圧タンク上限値となるとチャージ弁8を遮断ポジション8bに切換えるとともにコンプレッサ2の駆動を停止する。なお、ループライン3上のチャージライン6および供給ライン5より下流側に設けた切換弁4は、高圧タンク7の蓄圧時には閉じられた状態に維持される。
【0034】
さらに、ループライン3の途中であって切換弁4よりコンプレッサ2の吐出口2a側の接続部Xにチャージライン6とともに接続される供給ライン5は、途中で四つに分岐され、それぞれ、車両の四箇所の車輪と車体との間のそれぞれに介装される四つのエアバネAのエア室Gに接続されている。
【0035】
そして、各エアバネAへの圧縮エアの給排を制御するため、供給ライン5の途中であって各エアバネAの直前には、供給ライン5を開閉するポペット型電磁切換式の制御弁14が設けられている。つまり、制御弁14は、各エアバネAに対応して、四つ設けられており、各々、対応するエアバネAのエア室Gへの圧縮エアの供給およびエア室Gからの排気をするようになっている。
【0036】
また、制御弁14は、それぞれ、供給ライン5を開放してループライン3とエアバネAとを連通させる連通ポジション14aと、供給ライン5を遮断する遮断ポジション14bとを有し、一端に設けられて遮断ポジション14bを採るように附勢するバネ14cと、他端に設けられてバネ14cに対向するソレノイド14dとを備えており、このソレノイド14dを励磁すると、遮断ポジション14cから連通ポジション14aに切換わる、2ポート2位置のポペット型電磁切換式の開閉弁として構成されている。
【0037】
なお、制御弁14は、上記した図外のECUによって切換制御され、フェール時は、供給ライン5を遮断して各エアバネAのエア室Gをロックして、車高が変化しないように維持し、確実にフェールセーフを実行することができるようになっている。
【0038】
さらに、切換弁4は、ループライン3の途中であって供給ライン5およびチャージライン6と低圧タンク9との間に設置されており、基本的には、車高を下降させる際に、ループライン3を開放する。
【0039】
この切換弁4は、詳しくは、ループライン3を開放する連通ポジション4aと、ループライン3を遮断する遮断ポジション4bとを有し、一端に設けられて遮断ポジション4bを採るように附勢するバネ4cと、他端に設けられてバネ4cに対向するソレノイド4dとを備えており、このソレノイド4dを励磁すると、遮断ポジション4cから連通ポジション4aに切換わる、2ポート2位置のポペット型電磁切換式の開閉弁として構成されている。
【0040】
したがって、この切換弁4を連通ポジション4aに維持して、各制御弁14を開いてやると、エア室G内から排気される圧縮エアを低圧タンク9へ導くことができ、このエア室G内から排気される圧縮エアで低圧タンク9を蓄圧することができる。
【0041】
なお、ループライン3の途中に低圧タンク9内の圧力を検知する圧力センサ31が設置されており、エア回路1を制御する図外のECUが、圧力センサ31で低圧タンク9の圧力をモニタしており、低圧タンク9の圧力が所定の低圧タンク上限値より高くなる場合、コンプレッサ2を駆動して、エア室Gからの排気を早め、車高の下降速度が低下するのを防ぎ、この時、コンプレッサ2から吐出されるエアは、後述の排気弁21を介して大気へ開放される。
【0042】
さらに、ループライン3の途中であって、切換弁4とコンプレッサ2の吸込口2bとの間と、チャージライン6の途中であってチャージ弁8より高圧タンク7側とを、リサイクルライン15で結んであり、このリサイクルライン15の途中には、ループライン3側からチャージライン6側へ向かう流れのみを許容する逆止弁16が設けられている。
【0043】
そして、エアバネAのエア室Gから圧縮エアを排気する際に、低圧タンク9の蓄圧によって、低圧タンク9内の圧力が上昇して高圧タンク9内の圧力を上回る状況となる場合には、上述の逆止弁16がリサイクルライン15を開放して、当該リサイクルライン15を介して高圧タンク7を蓄圧することができるようになっている。したがって、エア室Gから排気される圧縮エアを低圧タンク9の蓄圧のみならず高圧タンク7の蓄圧に利用することができるので、コンプレッサ2の駆動機会を減少させて、より一層消費エネルギを低減することができる。
【0044】
次に、ループライン3の低圧タンク9とコンプレッサ2の吸込口2bとの間には、コンプレッサ2が大気を吸い込むことを可能とする吸込ライン17が接続部Yにて接続されている。この吸込ライン17の途中には、フィルタ18と、フィルタ18よりループライン3側に大気側からループライン3側への流れのみを許容する逆止弁19とが設けられている。
【0045】
したがって、コンプレッサ2は、低圧タンク9から吸込む以外にも、上記した吸込ライン17を介して大気を吸い込んでループライン3に圧縮エアを送り出し、供給ライン5を介してエアバネAのエア室Gへ圧縮エアを供給することができるようになっている。
【0046】
そして、吸込ライン17を介してコンプレッサ2に吸い込まれる大気は、フィルタ18を通過することによって、大気中に含まれる塵や埃等が取り除かれて清浄されることになる。
【0047】
また、逆止弁19は、低圧タンク9内の圧力が大気圧以下となる場合に、吸込ライン17を開放するようになっており、この逆止弁19の存在によって、低圧タンク9内の圧力が大気圧を上回っている場合には、コンプレッサ2は優先的に低圧タンク9からエアの供給を受けることができ、低圧タンク9内の圧力が大気圧以下となるとはじめてコンプレッサ2が吸込ライン17を介して大気を吸い込むことになる。したがって、コンプレッサ2が、低圧タンク9からエアを吸込むか、大気を吸込むかの選択について、構成が複雑となる方向切換弁の設置の必要が無く、エア回路1内からのエア漏れの心配も無い。
【0048】
そして、さらに、ループライン3の途中であって逆止弁10とドライヤ11との間と、吸込ライン17のフィルタ18と逆止弁19との間とを、排気ライン20で接続してあり、この排気ライン20の途中には、当該排気ライン20を開閉する2ポート2位置のポペット型電磁切換式の排気弁21を設けてある。
【0049】
この排気弁21は、詳しくは、排気ライン20を開放する連通ポジション21aと、排気ライン20を遮断する遮断ポジション20bとを有し、一端に設けられて遮断ポジション21bを採るように附勢するバネ21cと、他端に設けられてバネ20cに対向するソレノイド21dとを備えており、このソレノイド21dを励磁すると、遮断ポジション21cから連通ポジション21aに切換わる、2ポート2位置のポペット型電磁切換式の開閉弁として構成されている。
【0050】
なお、コンプレッサ2の駆動、切換弁4、チャージ弁8、制御弁14および排気弁21のそれぞれは、図外のECUによって制御される。
【0051】
つづいて、上述のように構成されたエア回路1の作動について説明する。まず、図2に示すように、高圧タンク7を蓄圧する場合、ECUは、コンプレッサ2を駆動するとともに、ソレノイド8dを印加してチャージ弁8を連通ポジション8aに切換え、その他の切換弁4、制御弁14および排気弁21には通電せずにそれぞれが遮断ポジション4b,14b,21bを採るように制御して、高圧タンク蓄圧モードに移行する。
【0052】
すると、コンプレッサ2の駆動によって高圧タンク7に圧縮エアが供給され、高圧タンク7内の圧力が高圧タンク上限値に達するまで高圧タンク7を蓄圧し、当該蓄圧が終了すると、コンプレッサ2を停止し、ソレノイド8dへの印加も停止してチャージ弁8の遮断ポジション8bに切換え、切換弁4、制御弁14および排気弁21はそのまま遮断ポジション4b,14b,21bに維持する。
【0053】
この高圧タンク7の蓄圧に際して、コンプレッサ2は、蓄圧された低圧タンク9から大気圧以上に圧縮されたエアを吸込んでエアを圧縮してループライン3へ吐出するので、コンプレッサ2における圧縮比は大気を吸込む場合に比較して小さくなり、少ないエネルギ消費で高圧タンク7の蓄圧を行うことができる。また、低圧タンク9内の圧力が大気圧以下となると自動的に逆止弁19が開いて吸込ライン17から大気を吸い込むようになっているので、低圧タンク9から吸込みと大気からの吸込みとを制御によって切換える必要も無く、この点でもエア回路1におけるエネルギ消費を抑えることができる。
【0054】
つづいて、ECUが、積載荷重の増加による車高の落ち込みを検知して車高を積載荷重の増加前に復元する場合や、車両搭乗者の車高上昇を意図する指令を受け取った場合や、姿勢制御に則って車高上昇が必要と自ら判断する場合等、車高を上昇させる必要がある場合、ECUは、コンプレッサ2を駆動または停止し、ソレノイド8dを印加してチャージ弁8を連通ポジション8aに切換えるとともに、四つのエアバネAのうち圧縮エアを供給すべきエアバネAの直前の制御弁14におけるソレノイド14dを印加して当該制御弁14を連通ポジション14aに切換え、その他の切換弁4および排気弁21には通電せずにそれぞれが遮断ポジション4b,21bを採るように制御する。
【0055】
なお、車高を一律に上昇させる場合には、全ての制御弁14を連通ポジション14aに切換えるが、積載重量の配分の偏りや車両が旋回中であって姿勢制御をすべき場合等であって、たとえば、車両の車両進行方向に向かって片側のみの車高を上昇させるような場合には、車高上昇側に配置されるエアバネAのみに圧縮エアを供給すれば良いので、圧縮エアを供給すべきエアバネAに対応する制御弁14のみを連通ポジション14aに切換えることになる。
【0056】
この車高上昇に際しては、高圧タンク7から、あるいは、高圧タンク7に加えてコンプレッサ2から、圧縮エア供給対象のエアバネAのエア室G内に圧縮エアが供給され、エア室G内の圧力上昇によってエアバネAが伸長して車高が上昇することになる。なお、ECUは、高圧タンク7からの圧縮エアの供給で、車高が目標となる車高に到達すると判断する場合には、コンプレッサ2の駆動を行わず、基本的には、コンプレッサ2の駆動による圧縮エアの供給より高圧タンク7からの圧縮エアの供給を優先させる高圧タンク使用上昇モードを採用する。すなわち、高圧タンク7からの圧縮エアの供給では車高が目標車高に到達しない場合、まず、高圧タンク使用上昇モードを採用して、高圧タンク7から圧縮エアの供給を行ってから、チャージ弁8を遮断ポジション8bに切換えて、コンプレッサ2を駆動してエアバネAに圧縮エアを供給するコンプレッサ使用上昇モードを採ることになる。なお、コンプレッサ2からの圧縮エアの供給に切換える場合、チャージ弁8を連通ポジション8aに維持したままとしてもよいが、高圧タンク7へのチャージ分だけ車高を上昇させる速度が遅くなるので、上記チャージ弁8を遮断ポジション8bに切換えるほうが車高上昇の点で効率的となる。すなわち、車高上昇時には、高圧タンク使用上昇モードのみ、あるいは、高圧タンク使用上昇モードからコンプレッサ使用上昇モードに切換えて車高を上昇させることになる。
【0057】
なお、車高上昇によって降圧した高圧タンク7の圧力が高圧タンク下限値を下回る場合には、上記した蓄圧作動を行って高圧タンク7を蓄圧することになる。
【0058】
さらに、ECUが、積載荷重の減少による車高の上昇を検知して車高を積載荷重の減少前に復元する場合や、車両搭乗者の車高下降を意図する指令を受け取った場合や、車両停車時の乗り降りの際に車高を下降させたい場合や、姿勢制御に則って車高下降が必要と自ら判断する場合等、車高を下降させる必要がある場合、ECUは、コンプレッサ2を停止し、ソレノイド4dに印加して切換弁4を連通ポジション4aに切換えるとともに、四つのエアバネAのうち圧縮エアを排気すべきエアバネAの直前の制御弁14におけるソレノイド14dを印加して当該制御弁14を連通ポジション14aに切換え、その他のチャージ弁8および排気弁21には通電せずにそれぞれが遮断ポジション8b,21bを採るように制御する。
【0059】
なお、車高を一律に下降させる場合には、全ての制御弁14を連通ポジション14aに切換えるが、積載重量の配分の偏りや車両が旋回中であって姿勢制御をすべき場合等であって、たとえば、車両の車両進行方向に向かって片側のみの車高を下降させるような場合には、車高下降側に配置されるエアバネAのみから圧縮エアを排気すれば良いので、圧縮エアを排気すべきエアバネAに対応する制御弁14のみを連通ポジション14aに切換えることになる。
【0060】
すると、排気対象のエアバネAのエア室Gから圧縮エアが排気されて、切換弁4を通過してループライン3を介して低圧タンク9に圧縮エアが供給される一方、上記排気対象のエアバネAのエア室G内の圧力の減少によって、エアバネAが収縮して車高が下降することになる。なお、ECUは、上記エアバネAの排気による低圧タンク9への蓄圧によって低圧タンク9の圧力が低圧タンク上限値に達すると、今度は、コンプレッサ2を駆動するとともに、ソレノイド21dを印加して排気弁21を連通ポジション21aとして、ループライン3、コンプレッサ2および排気ライン20を介して、エア室G内の圧縮エアを大気開放する。
【0061】
また、上記したように、低圧タンク9の蓄圧に際して低圧タンク9内の圧力が高圧タンク7の圧力を上回る場合には、リサイクルライン15を介して高圧タンク7が蓄圧されることになり、エア室Gから排気される圧縮エアを低圧タンク9のみならず高圧タンク7で回収することができ、エア回路1におけるエネルギ消費をより一層低減することができる。
【0062】
なお、このように、エア室Gから排気する場合、まず、低圧タンク9の蓄圧が必要か否かが判断され、すなわち、低圧タンク9の圧力が低圧タンク上限値を下回る場合には、制御弁14による供給ライン5の開放とともに切換弁4によるループライン3の開放によって低圧タンク9を蓄圧する低圧タンク蓄圧モードに移行し、その必要が無い、つまり、低圧タンク9がすでに充分に蓄圧されて低圧タンク上限値に達している状態である場合や上述の低圧タンク蓄圧モードによって低圧タンク9が充分に蓄圧されて低圧タンク上限値に達した後には、制御弁14による供給ライン5の開放および切換弁4によるループライン3の開放に加えてコンプレッサ2を駆動するとともに排気弁21を連通ポジション21aにして、エア室Gの圧縮エアを大気開放する車高下降時大気開放モードに移動することになる。すなわち、車高下降時には、基本的には、低圧タンク蓄圧モードと車高下降時大気開放モードの二つのモードを選択して車高を下降させることになる。
【0063】
そして、ドライヤ11の乾燥剤が飽和状態となって、これを乾燥させる場合には、ECUは、適宜高圧タンク7から排気して圧縮エアを大気開放するタンク大気開放モードを採用するか、適宜エア室Gから排気して圧縮エアを大気開放するエア室大気開放モードを採用して、適宜ドライヤ11に乾燥した圧縮エアを通過させてドライヤ11の乾燥剤を乾燥させることになる。
【0064】
このタンク大気開放モードおよびエア室大気開放モードでは、高圧タンク7或いはエア室Gから排気される圧縮エアは、絞り12を通過することになり、エアの流れに絞り12で抵抗を与えて排気速度を制限して、エアを急減圧して乾燥させつつドライヤ11にゆっくりエアを通過させて、ドライヤ11を効果的に燥効させるようになっている。
【0065】
なお、タンク大気開放モードでは、チャージ弁8および排気弁21を連通ポジション8a,21aに切換えるのみで、コンプレッサ2、切換弁4および制御弁14について駆動および連通ポジション4a,14aへの切換は行わない。
【0066】
また、エア室大気開放モードでは、制御弁14および排気弁21を連通ポジション14a,21aに切換えるのみで、コンプレッサ2、切換弁4およびチャージ弁8について駆動および連通ポジション4a,8aへの切換は行わない。
【0067】
このエア室大気開放モードが採用されるケースとしては、たとえば、車速が上昇して車高を下げる場合や、荷重変動に対する自動車高調整によって車高を下げるような場合など、車高下降速度が比較的ゆっくりでも良いケースが考えられる。
【0068】
以上、本実施の形態のエア回路1の作動について説明してきたが、本実施の形態のエア回路1では、エア回路1内のチャージ弁8、切換弁4が密閉性の高いポペット型の開閉弁とされているので、エア漏れが生じる心配が無く、大気へのエア漏れを生じないので、エネルギ損失が生じない。
【0069】
そして、エア漏れによるエネルギ損失が生じないことに加えて、低圧タンク9を蓄圧することでコンプレッサ2によるエアの圧縮比を低減できるとともに、高圧タンク7を備えることでコンプレッサ2の常時駆動を回避できるので、エア回路1のエネルギ消費が従来のエア回路に比較してより一層低減されることになる。
【0070】
さらに、エア回路1内のチャージ弁8、切換弁4が密閉性の高い2ポート2位置のポペット型の開閉弁とされているので、弁の構造が簡単でスプール弁を使用せざるを得ない方向切換弁のように高精度の寸法管理を強いられることも無く、弁自体を方向切換弁に比較して小型とすることができるため、エア回路1の製造コストが低減されるとともに、エア回路1の全体を省スペースとして車両への搭載性も向上することが可能となる。
【0071】
また、上記した車高の上昇および下降、高圧タンク7および低圧タンク9への蓄圧、高圧タンク7およびエアバネA内の圧縮エアの大気開放、ドライヤ11の乾燥と、各輪に設けたエアバネAのコントロールについて必要な全ての機能を満足しつつ、エア回路1内の全部の弁要素はチャージ弁8、切換弁4、制御弁14、排気弁21の七つであり、エア回路1内の弁要素の数を従来のエア回路に比較して少なくすることができる。
【0072】
また、本実施の形態のエア回路1にあっては、エアバネAから排気して低圧タンク9を蓄圧する際に、低圧タンク9の圧力が高圧タンク7の圧力を上回るようになると、リサイクルライン15を介して高圧タンク7をエアバネAの排気によって蓄圧することができるので、エアバネAの排気を車高上昇に再利用することができ、コンプレッサ2の稼動率をより低減できてエネルギ消費をより一層低減することが可能となる。
【0073】
さらに、本実施の形態のエア回路1にあっては、ループライン3の途中であって低圧タンク9とコンプレッサ2の吸込口2bとの間に設けた大気を吸い込み可能な吸込ライン17と、吸込ライン17の途中に設けた大気側からループライン3側への流れのみを許容する逆止弁19とを備えているので、コンプレッサ2の吸込み先の選択を低圧タンク9側と大気側とで逆止弁によって自動的に選択することが可能となるため、方向切換弁で低圧タンク9からの吸込みと大気からの吸込みとを制御する必要もなく、この点でもエア回路1におけるエネルギ消費を抑えることができる。
【0074】
さらに、ループライン3の途中であってチャージライン6および供給ライン5より上流となるコンプレッサ2の吐出口2aに、上流から順に上流側から下流側へ向かう流れのみを許容する逆止弁10とドライヤ11を設け、ループライン3の逆止弁10とドライヤ11との間を大気開放可能な排気ライン20を設け、排気ライン20の途中に排気ライン20を開閉するポペット型電磁切換式の排気弁21を設けたので、エアバネAと高圧タンク7からの排気でドライヤ11を乾燥することができ、また、排気弁21が閉じ状態で排気ライン20を密閉するので、排気ライン20を設置してもエア回路1からのエア漏れが防止される。
【0075】
さらに、供給ライン5の途中に供給ライン5を開閉するポペット型電磁切換式の制御弁14を備えているので、エアバネAのエア室G内を確実に密閉して、エア回路1の駆動以外による車高変化を確実に防止することができる。
【0076】
また、チャージ弁8、切換弁4、制御弁14および排気弁21が、それぞれ、非通電時には各ラインを閉じて通電によって各ラインを開放するように設定されているので、万が一、エア回路1に通電不能となる事態が発生しても、エア回路1のループライン3、チャージライン6、供給ライン5、排気ライン20の各ラインが自動的に閉鎖されるので、エアバネAのエア室Gをロックして車高を維持し、確実にフェールセーフモードに移行することが可能である。
【0077】
以上で、本発明の説明を終えるが、本発明の範囲は図示されまたは説明された詳細そのものには限定されないことは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】この発明の一実施の形態のおけるエア回路を示した図である。
【図2】この発明の一実施の形態のおけるエア回路の動作モードを示した一覧表である。
【符号の説明】
【0079】
1 エア回路
2 コンプレッサ
2a コンプレッサにおける吐出口
2b コンプレッサにおける吸込口
3 ループライン
4 切換弁
4a 切換弁における連通ポジション
4b 切換弁における遮断ポジション
4c 切換弁におけるバネ
4b 切換弁におけるソレノイド
5 供給ライン
6 チャージライン
7 高圧タンク
8 チャージ弁
8a チャージ弁における連通ポジション
8b チャージ弁における遮断ポジション
8c チャージ弁におけるバネ
8b チャージ弁におけるソレノイド
9 低圧タンク
10,13,16,19 逆止弁
11 ドライヤ
12 絞り
14 制御弁
14a 制御弁における連通ポジション
14b 制御弁における遮断ポジション
14c 制御弁におけるバネ
14b 制御弁におけるソレノイド
15 リサイクルライン
17 吸込ライン
18 フィルタ
20 排気ライン
21 排気弁
21a 排気弁における連通ポジション
21b 排気弁における遮断ポジション
21c 排気弁におけるバネ
21b 排気弁におけるソレノイド
30,31 圧力センサ
A エアバネ
C チャンバ
D ダンパ
E ダイヤフラム
G エア室
M モータ
R ロッド
S シリンダ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体と車軸との間に介装されるエアバネに圧縮エアを給排するエア回路において、コンプレッサと、コンプレッサの吐出側と吸込側とを結ぶループラインと、ループラインの途中に設けられてループラインを開閉するポペット型電磁切換式の切換弁と、ループラインの途中であって切換弁よりコンプレッサの吐出側とエアバネとを接続する供給ラインと、ループラインの途中であって切換弁よりコンプレッサの吐出側にチャージラインを介して接続される高圧タンクと、チャージラインの途中に設けられてチャージラインを開閉するポペット型電磁切換式のチャージ弁と、ループラインの途中であって切換弁よりコンプレッサの吸込側に接続される低圧タンクとを備えたことを特徴とするエア回路。
【請求項2】
ループラインの途中であって切換弁よりコンプレッサの吸込側とチャージラインの途中であってチャージ弁より高圧タンク側とを結ぶリサイクルラインと、リサイクルラインの途中に設けられてループライン側からチャージライン側へ向かう流れのみを許容する逆止弁とを備えたことを特徴とする請求項1に記載のエア回路。
【請求項3】
ループラインの途中であって低圧タンクとコンプレッサの吸込側との間に設けた大気を吸い込み可能な吸込ラインと、吸込ラインの途中に設けられて大気側からループライン側への流れのみを許容する逆止弁とを備えたことを特徴とする請求項1または2に記載のエア回路。
【請求項4】
ループラインの途中であってチャージラインおよび供給ラインより上流となるコンプレッサの吐出側に、上流から順に上流側から下流側へ向かう流れのみを許容する逆止弁とドライヤを設け、ループラインの逆止弁とドライヤとの間を大気開放する排気ラインを設け、排気ラインの途中に排気ラインを開閉するポペット型電磁切換式の排気弁を設けたことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のエア回路。
【請求項5】
供給ラインの途中に供給ラインを開閉するポペット型電磁切換式の制御弁を設けたことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のエア回路。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−46027(P2009−46027A)
【公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−214391(P2007−214391)
【出願日】平成19年8月21日(2007.8.21)
【出願人】(000000929)カヤバ工業株式会社 (2,151)
【Fターム(参考)】