説明

カメラ付きモバイル機器

【課題】より多数のストラップがストラップ取付部に取り付けられた場合でも、より少ない手間で、ストラップがカメラ撮影に影響する可能性を低減可能なカメラ付きモバイル機器を実現する。
【解決手段】ストラップ取付部13を有するカメラ付きモバイル機器であって、前記カメラ付きモバイル機器の表面には、カメラの光学系に光を導く導光口βが備えられており、前記導光口βと前記ストラップ取付部13との間に、前記導光口βを取り囲むように配されているストラップストッパー14を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ストラップ取付部を有するカメラ付きモバイル機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
携帯端末をはじめとする近年のカメラ付きモバイル機器は、その殆どで、落下防止や持ち運び安さなどの目的、或いは、アクセサリーとしてハンドストラップの装着が可能である。
【0003】
しかしながら、カメラ付きモバイル機器にハンドストラップを取り付けた場合、ハンドストラップの取付位置、および、カメラ付きモバイル機器の持ち方によっては、当該ハンドストラップがカメラ撮影時に干渉し、撮影が失敗する虞がある。つまり、ハンドストラップが、カメラ撮影時にカメラの撮影範囲内に入ってしまい、撮影が失敗する虞がある。
【0004】
そこで、カメラ付きモバイル機器において、ハンドストラップがカメラ撮影時に干渉することを低減させるために、例えば特許文献1には、撮影時にカメラレンズよりも下方となる位置にハンドストラップ取付部を備えるカメラ付きモバイル機器が開示されている。
【0005】
しかしながら、撮影時にカメラレンズよりも下方となる位置にハンドストラップ取付部を備えていたとしても、1点でハンドストラップを固定しているだけでは、撮影時にモバイル機器を傾けた場合や風が吹いた場合など、当該ハンドストラップ取付部に取り付けられたハンドストラップがカメラの撮影範囲に入り込む虞がある。このような問題を回避するために、特許文献1には、さらに、ハンドストラップ取付部に取り付けられたハンドストラップをカメラレンズの撮影範囲外において揺動しないように保持する保持手段を設けることによって、ハンドストラップ取付部と保持手段との2点でハンドストラップを固定するカメラ付きモバイル機器が開示されている。
【特許文献1】特開2002−253328(公開日2002年9月10日)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1のように、2点でハンドストラップを固定する場合、ユーザは、カメラ撮影時には保持手段に手動でハンドストラップを挿入しなければならないため、ユーザにとって手間がかかるという問題が生じる。
【0007】
さらに、ハンドストラップの長さや本数によっては保持手段に挿入することができないため、保持手段が機能しない場合もある。
【0008】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、より多様な、あるいは、より多数のストラップがストラップ取付部に取り付けられた場合でも、より少ない手間で、ストラップがカメラ撮影に影響する可能性を低減可能なカメラ付きモバイル機器を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るカメラ付きモバイル機器は、上記課題を解決するために、前記カメラ付きモバイル機器のいずれかの表面には、カメラの光学系に光を導く導光口が備えられており、前記導光口と前記ストラップ取付部との間に、前記導光口を取り囲むように配されている突出部を備えている。
【0010】
上記構成によれば、前記突出部は、前記導光口とストラップ取付部との間に、前記導光口を取り囲むように配されており、前記カメラ付きモバイル機器の前記導光口が備えられている表面上に突出するように形成されている。
【0011】
これにより、ストラップがストラップ取付部に取り付けられ、前記表面上を揺れ動いたとしても、前記突出部の外壁に当たるため、ユーザは、突出部に対する操作や手間をかけることなく、カメラ撮影を干渉するようなストラップの揺れ動きを妨げることができる。また、前記突出部が前記導光口を取り囲むように配されているため、より多様な、あるいは、より多数のストラップがストラップ取付部に取り付けられた場合でも、より少ない手間で、ストラップがカメラ撮影に影響する可能性を低減できる。
【0012】
本発明に係るカメラ付きモバイル機器では、上記構成に加えて、前記突出部の外壁は、前記表面に沿って前記突出部の外側から前記導光口に近づく方向より見て、前記表面に対し鋭角に突出していることが好ましい。
【0013】
上記構成によれば、ストラップが突出部の外壁に当たった後、表面から離れる方向へ揺れ動くことも妨げることが可能であるため、ストラップが突出部の外壁に当たった後、さらに揺れ動くことによるカメラ撮影の干渉を防ぐことが可能となる。
【0014】
本発明に係るカメラ付きモバイル機器では、上記構成に加えて、前記突出部の内壁は、前記表面に沿って前記突出部の内側から前記突出部に近づく方向より見て、前記表面に対し鈍角に突出していることが好ましい。
【0015】
上記構成によれば、前記突出部の内壁が鈍角に突出しているため、前記突出部が前記表面に突出している状態であっても、突出していない場合と同様、カメラ撮影時の撮影範囲や照度に影響を及ぼすことは少ない。
【0016】
本発明に係るカメラ付きモバイル機器では、上記構成に加えて、前記突出部の外壁の先端は、当該外壁の外側に曲がっていることが好ましい。
【0017】
上記構成によれば、外壁の先端は、当該外壁の外側に曲がっているため、例えば、ストラップが複数本取り付けられているとき、または、カメラ撮影時に、カメラ付きモバイル機器がストラップの干渉を受けやすい姿勢であるときにおいて、ストラップが突出部の外壁に沿って移動した場合であっても、先端の部分でストラップの動きを制限でき、ストラップの干渉をさらに抑制することが可能となる。
【0018】
本発明に係るカメラ付きモバイル機器では、上記構成に加えて、前記カメラ付きモバイル機器に前記突出部を格納可能な格納部が形成され、前記突出部は、前記格納部に格納されている位置と、前記表面から突出している位置との間で移動可能に形成されていることが好ましい。
【0019】
上記構成によれば、前記突出部を移動させることができるため、突出部を格納部に格納しておくことが可能である。このため、例えば、カメラ機能を使用しない場合など、前記突出部の機能を使用しない場合に、前記表面から突出している位置から前記格納部に格納している位置へと前記突出部を移動して、突出部を格納部に格納しておくことが可能となり、前記突出部が邪魔になることはなくなる。
【0020】
本発明に係るカメラ付きモバイル機器では、上記構成に加えて、前記突出部を駆動する駆動手段と、前記突出部の突出の要否を判定すると共に、当該判定結果に応じて前記駆動手段を制御するシステム制御手段とを備えていることが好ましい。
【0021】
上記構成によれば、前記システム制御手段は、例えば、ユーザの指示を参照したり、カメラ付きモバイル機器の姿勢または加速度の検出結果を参照したり、カメラの機能が起動中か否かの検出結果を参照したり、それらの組み合わせを参照したりするなどして、前記突出部の突出の要否を判定する。突出要と判定した場合、前記駆動手段は、システム制御手段の制御に応じて、前記突出部を、格納部に格納している位置から前記表面上に突出している位置へと移動させる。逆に、突出不要と判定した場合、前記駆動手段は、システム制御手段の制御に応じて、前記突出部を、前記表面上に突出している位置から格納部に格納している位置へと移動させる。
【0022】
これにより、突出部の機能を使用しない場合には、突出部が格納部に格納している位置に、突出部の機能を使用する場合には、前記表面上に突出している位置に突出部を移動させることが可能となる。
【0023】
本発明に係るカメラ付きモバイル機器では、上記構成に加えて、前記カメラ付きモバイル機器の姿勢および/または加速度を検出する姿勢検出手段を備えており、前記システム制御部は、前記姿勢検出手段の検出結果を参照して、前記突出部を突出させるか否かを判定することが好ましい。
【0024】
上記構成によれば、前記システム制御手段が、前記姿勢検出手段におけるカメラ付きモバイル機器の姿勢および/または加速度の検出結果を参照するため、その姿勢および/または加速度に応じて、前記突出部を、前記格納部に格納している位置と前記表面上に突出している位置とのうちの適切な方に移動させることが可能となる。この結果、ユーザの手間をかけずに突出部の駆動を制御できる。
【0025】
本発明に係るカメラ付きモバイル機器では、上記構成に加えて、前記システム制御手段は、前記カメラの機能が起動中か否かを判定すると共に、当該判定結果を参照して、前記突出部を突出させるか否かを判定することが好ましい。
【0026】
上記構成によれば、前記システム制御手段は、カメラ機能を起動させるかどうかを判定することから、カメラ機能を起動させていない場合に、前記突出部を格納部に格納しておくことが可能となる。この結果、ユーザがカメラ機能の起動または起動終了を指示する操作と、突出部の突出または格納を指示する操作とを別に設ける構成と比較して、ユーザの手間をかけずに突出部の駆動を制御できる。
【0027】
本発明に係るカメラ付きモバイル機器では、上記構成に加えて、前記システム制御手段は、ユーザの指示に応じて前記突出部の突出の要否を判定することが好ましい。
【0028】
上記構成によれば、ユーザの指示に応じて前記突出部の突出の要否が判定されるので、ユーザが前記突出部の使用を所望する場合、システム制御手段へ指示することにより、前記突出部を前記表面上に突出している位置に移動させることが可能となる。逆に、ユーザが前記突出部の使用を所望しない場合、システム制御手段へ指示することにより、前記突出部を格納部に格納している位置に移動させることが可能となる。このように、ユーザは、突出部を突出させるか否かをきめ細かに制御できるので、他の判定方法では、例えば、駆動手段のエネルギ消費量が増大してしまったり、駆動手段の動作が間に合わずにストラップがカメラ撮影に干渉してしまったり、駆動手段が動作終了するまで、撮影やカメラ付きモバイル機器の格納を待つ時間が長くなってしまったりするなどの不具合が発生する場合であっても、ユーザの要望通りに突出部を突出させるか否かを制御できる。
【0029】
本発明に係るカメラ付きモバイル機器では、上記構成に加えて、前記システム制御手段は、複数の判定方法で前記突出部の突出の要否を判定可能であり、ユーザによって選択された判定方法を記憶する情報記憶部を備えており、前記システム制御手段は、前記情報記憶部から当該判定方法を抽出し、当該判定方法を参照して、前記駆動手段を制御することが好ましい。
【0030】
上記構成によれば、前記システム制御手段は、複数の判定方法で前記突出部の突出の要否を判定可能であり、前記情報格納部に格納されている、ユーザによって選択された判定方法を参照して、前記駆動手段を制御する。ここで、システム制御手段の判定方法が単一の判定方法に固定されている場合には、所望の通りに突出部の突出を制御できないという不満を感じるユーザ、あるいは、所望するよりも手間がかかるという不満を感じるユーザが存在する虞がある。ところが、上記構成では、そのユーザに適した判定方法を前記情報格納部に格納し、その判定方法で、前記突出部の突出の要否を判定できるので、より広いユーザにとって使いやすいカメラ付きモバイル機器を実現できる。
【0031】
本発明に係るカメラ付きモバイル機器では、上記構成に加えて、前記突出部と接続され、ユーザが前記突出部を手動で駆動させることができる手動操作部を備えていることが好ましい。
【0032】
上記構成によれば、前記突出部は、前記手動操作部と接続されているため、前記突出部と前記手動操作部とを連動して動作させることが可能となる。すなわち、上記構成では、前記システム制御手段および前記駆動手段を備えていなくとも、前記手動操作部により、前記突出部を移動させることが可能となり、前記カメラ付きモバイル機器の消費電力を抑えることが可能となる。
【発明の効果】
【0033】
以上のように、本発明に係るカメラ付きモバイル機器は、上記課題を解決するために、前記カメラ付きモバイル機器のいずれかの表面には、カメラの光学系に光を導く導光口が備えられており、前記導光口と前記ストラップ取付部との間に、前記導光口を取り囲むように配されている突出部を備えている。
【0034】
これにより、より多様な、あるいは、より多数のストラップがストラップ取付部に取り付けられた場合でも、より少ない手間で、ストラップがカメラ撮影に影響する可能性を低減できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
〔実施形態1〕
本発明の一実施形態について図1ないし図13に基づいて説明すると以下の通りである。
【0036】
図2は、ハンドストラップ取付部を有するカメラ付き携帯端末の本体を示している。
【0037】
本実施形態に係るカメラ付き携帯端末本体1表面の一面αには、導光口βが形成されており、撮影対象からの光は、当該導光口β、および、カメラ付き携帯端末本体1内部に設けられた光学系としてのカメラレンズ12(後述)を介して、図示しない撮影素子に導かれる。なお、カメラ付き携帯端末本体1は、クラムシェル形状であっても、プレート形状であってもよい。
【0038】
また、上記カメラ付き携帯端末本体1は、ハンドストラップ11を取り付け可能なハンドストラップ取付部(ストラップ取付部)13を備えている。なお、ハンドストラップ11は、どのような長さであってもよい。
【0039】
上記ハンドストラップ取付部13は、ハンドストラップ11を取り付け、ハンドストラップ11を通常1点で固定しておくものであり、図3に示されているように、ハンドストラップ11がハンドストラップ取付部13に取り付けられると、ハンドストラップ11は、表面上を揺れ動くことになる。
【0040】
ここで、上述したように、ハンドストラップ取付部13には、カメラ付き携帯端末本体1のユーザによって、種々の長さのハンドストラップ11が取り付けられる。また、撮影時におけるカメラ付き携帯端末本体1は、カメラの光学系の光軸γ(本実施形態では、導光口βの面に垂直な方向)が撮影対象を向くように保持されていれば、当該光軸γを中心にして回転させても、何ら支障なく、撮影対象を撮影できる。従って、カメラ付き携帯端末本体1の向きによって、ハンドストラップ取付部13と導光口βとのいずれが、鉛直方向に下に位置するかが変化してしまう。この結果、カメラ付き携帯端末本体1の向きによっては、ハンドストラップ11がカメラ付き携帯端末本体1の上記面α上を揺れ動く虞がある。この場合、ハンドストラップ11の動きを制限しないと、カメラ撮影時に、カメラ付き携帯端末本体1を傾けた場合や風が吹いたときに、ハンドストラップ11がレンズ表面や撮影範囲内を横切る虞がある。
【0041】
一方、本実施形態に係るカメラ付き携帯端末本体1には、カメラ撮影時にハンドストラップ11がカメラの視界内に入らないようにハンドストラップ11の動きを制限して、ハンドストラップ11がカメラ撮影時に撮影範囲を干渉しないようにするストラップストッパー14(突出部)が設けられている。
【0042】
具体的には、ストラップストッパー14は、図1に示されるように、導光口βを取り囲み、しかも、カメラ付き携帯端末本体1の上記面αからラッパ状に突出するように形成されている。これにより、ストラップストッパー14のラッパ状の壁面のいずれかは、導光口βとハンドストラップ取付部13との間に配される。
【0043】
より詳細には、ストラップストッパー14は、カメラ付き携帯端末本体1の上記面αに平面な面で切ったときの断面形状がドーナツ形状をしており、上記光軸γからストラップストッパー14の外壁および内壁までの半径は、上記面αから離れるに従って、それぞれ大きくなるように設けられている。また、上記面αで切ったときのストラップストッパー14の断面において、ストラップストッパー14の外壁までの半径は、上記光軸γからハンドストラップ取付部13までの距離よりも短く設定されている。
【0044】
これにより、ハンドストラップ取付部13に取り付けられたハンドストラップ11は、ストラップストッパー14の外側(カメラレンズ12の光軸γから見て上記面αに沿って外側)に配置されている。このため、ハンドストラップ11が当該表面α上に沿って揺れ動いたとしても、ハンドストラップ11は、ストラップストッパー14の外壁に当たる。この結果、ストラップストッパー14は、図4または図5に示されるように、カメラ撮影を干渉するようなハンドストラップ11の揺れ動きを妨げることが可能となり、ストラップの長さや本数に左右されずに撮影することが可能となる。
【0045】
さらに、ストラップストッパー14がラッパ状に形成されており、当該表面αに対し、ハンドストラップ11の進入方向から見て鋭角に突出している。このため、ハンドストラップ11がストラップストッパー14の外壁に当たった後の光軸方向への揺れ動きも妨げることが可能である。この結果、ハンドストラップ11がストラップストッパー14の外壁に当たった後、さらに揺れ動くことによるカメラ撮影の干渉を防ぐことが可能となる。
【0046】
さらに、ストラップストッパー14の内壁も外壁同様、ラッパ状に形成されている。このため、ストラップストッパー14が当該表面αに突出している状態であっても、突出していない場合と同様、カメラ撮影時の撮影範囲や照度に影響を及ぼすことはない。
【0047】
また、ストラップストッパー14の外周部には、図1に示すように、縁部15が備えられている。縁部15は、ストラップストッパー14の外周部全体に、かつストラップストッパー14の外側(光軸γから離れる方)に備えられており、カメラ付き携帯端末本体1の上記表面αに平面な面よりカメラ付き携帯端末本体1に向かって延びている。
【0048】
これにより、ハンドストラップ11がストラップストッパー14の外壁に沿って移動した場合であっても、縁部15に当たるため、ストラップストッパー14は、ハンドストラップ11がカメラ撮影を干渉するように揺れ動くことを妨げることが可能となる。
【0049】
従って、本実施形態に係るストラップストッパー14は、縁部15が設けられていない場合に比べて、ハンドストラップ11が複数本取り付けられている場合、または、カメラ撮影時に、カメラ付き携帯端末本体1がハンドストラップ11の干渉を受けやすい姿勢である場合にも、ハンドストラップ11の干渉をさらに抑制することが可能となる。
【0050】
さらに、本実施形態に係るカメラ付き携帯端末本体1は、上述したように、カメラ撮影時にストラップストッパー14を突出させることにより、ハンドストラップ11が撮影範囲内に到達しにくくさせて、ハンドストラップ11の干渉を抑制するだけではなく、図6に示すように、干渉抑制が不要なときには、ストラップストッパー14をカメラ付き携帯端末本体1内部に格納することができる。
【0051】
具体的には、本実施形態に係るカメラ付き携帯端末本体1は、ストッパー格納部16(格納部)を備えている。当該ストッパー格納部16は、図7に示すように、ストラップストッパー14をカメラ付き携帯端末本体1内部に格納しておくための開口であり、カメラレンズ12の側面に沿って、ドーナツ状に形成されている。ストッパー格納部16の幅および深さは、ストラップストッパー14が格納可能であるように設けられている。
【0052】
これにより、ストラップストッパー14は、ストラップストッパー14の機能を使用しない場合、後述する移動機構によって、常にストッパー格納部16に格納される。なお、本実施形態では、上記ストッパー格納部16は、図1に示すように、カメラ付き携帯端末本体1内部に設けられたカメラレンズ12の側面を取り囲むように配置されており、格納状態のストラップストッパー14は、カメラレンズ12の側面を取り囲んでいる。
【0053】
この結果、ユーザがストラップストッパー14の使用を所望しない、例えば、通話等の送受信を行っている場合などには、ストラップストッパー14をカメラ付き携帯端末本体1内部に格納しておくことが可能である。
【0054】
従って、ストラップストッパー14を使用しない場合には、カメラ付き携帯端末本体1の表面上に突出していないため、ストラップストッパー14が邪魔になることはない。一方、撮影時には、後述する移動機構によって、ストラップストッパー14を突出させることができるので、上述したように、ハンドストラップ11の干渉を抑制できる。
【0055】
図7および図8は、カメラ付き携帯端末本体1の導光口βが備えられている面α側から見た正面図およびA−A線矢視断面図である。また、図7は、ストラップストッパー14がストッパー格納部16から突出している(上記面α上に突出している)場合を示し、図8は、ストラップストッパー14がストッパー格納部16に格納されている場合を示している。
【0056】
ストラップストッパー14の内壁もしくは外壁の下部(突出している状態において、カメラレンズ12に近い側)には、支持部17がカメラレンズ12の光軸γに沿って接続されている。なお、本実施形態では、支持部17が4本備えられている場合を示しているが、これに限られたものではない。
【0057】
これにより、ストラップストッパー14を支持することができ、ストラップストッパー14をカメラレンズ12の光軸方向に移動させることが可能となる。なお、支持部17は、カメラレンズ12の側面を取り囲むように配置、すなわち、支持部17と光軸γとの距離がカメラレンズ12の外径を超えるように設定されている。したがって、支持部17は、何ら支障なく光軸方向に移動できる。
【0058】
また、支持部17は、支持部17の上記動作が可能となるように、モーター30(図示しない)に接続されている。さらに、支持部17に沿ってレール(図示しない)が備えられている。
【0059】
より詳細には、支持部17は、一端がストラップストッパー14に、他端がモーター30(駆動手段)に接続されている。このため、モーター30が駆動すると、支持部17は、光軸γに沿った方向に当該レール上を移動することが可能となる。
【0060】
これにより、支持部17の上記移動に連動して、ストラップストッパー14も光軸γに沿った方向に移動することが可能となる。
【0061】
すなわち、ストラップストッパー14の機能を使用しない場合には、図6および図8に示すように、ストラップストッパー14がストッパー格納部16に格納されている位置(格納位置)に、ストラップストッパー14の機能を使用するために起動した場合には、図2および図7に示すように、カメラ付き携帯端末本体1の面α上に突出している位置(突出位置)にストラップストッパー14を移動させることが可能となる。
【0062】
次に、カメラ付き携帯端末本体1によるストラップストッパー14の動作制御について、図9ないし図11を参照しながら説明する。図9は、カメラ付き携帯端末本体1内部の構成を示すブロック図である。カメラ付き携帯端末本体1は、アンテナ21、通信制御部22、入力部24、システム制御部25(システム制御手段)、表示部26、情報記憶部27(情報記憶部)、カメラ制御部28を備えている。
【0063】
上記アンテナ21は、カメラ付き携帯端末本体1が他の携帯端末等との送受信を行う場合に、信号の授受を行う。通信制御部22は、アンテナ21を介したカメラ付き携帯端末本体1と他の携帯端末等との送受信を制御する。入力部24は、ユーザが設定する内容に基づいて、入力処理を行い、入力された設定内容を、システム制御部25に出力できる。表示部26は、例えば液晶ディスプレイであり、ストラップストッパー14の起動メニューやシステム制御部25に従った設定内容等を表示できる。また、情報記憶部27は、通信のための制御プログラムや、入力部24によってユーザが入力した各種設定内容のうちの最終的な設定内容等のシステム制御部25から出力される情報を記憶する。さらに、カメラ制御部28は、カメラの起動や終了の制御を行う。また、システム制御部25は、通信制御部22、ストッパー制御部23(駆動手段)、入力部24、表示部26、情報記憶部27、カメラ制御部28および5軸センサー制御部29(一部後述)など、カメラ付き携帯端末本体1内部の全体の制御を行う。これにより、カメラ付き携帯端末本体1は、ユーザの指示に従って、他の携帯端末と通信したり、カメラによって撮影したりすることができる。
【0064】
さらに、本実施形態に係るカメラ付き携帯端末本体1には、ストッパー制御部23、モーター30およびストッパー部31(突出部)が設けられている。上記ストッパー制御部23は、情報記憶部27に記憶されている設定内容に基づいて、モーター30を駆動させて、ストラップストッパー14を格納位置と突出位置との相互に移動させることができる。一方、モーター30は、ストッパー制御部23から出力された情報に基づいて、ストッパー部31を動作または停止させる。ストッパー部31は、ストラップストッパー14と、支持部17とを備えている。なお、ストラップストッパー14および支持部17の機能は、上述の通りである。
【0065】
また、本実施形態に係るカメラ付き携帯端末本体1には、カメラ起動時に、カメラ付き携帯端末本体1の姿勢および加速度を検出する5軸センサー制御部29(姿勢検出手段)が設けられており、システム制御部25は、カメラ付き携帯端末本体1の姿勢および/または加速度に応じて、ストラップストッパー14の動作を制御できる。
【0066】
図10は、ストラップストッパー14の機能設定例を示すフローチャートである。入力部24は、例えば、自らが受け付けた入力操作などによって、ユーザがストラップストッパー14の機能をONするかOFFするかのいずれを指示しているかを検出し、その検出結果をシステム制御部25に出力する(S101)。なお、OFFの検出結果が出力された場合(S101のNO)、システム制御部25は、ストラップストッパー14の機能設定をOFFに設定する(S110)。
【0067】
一方、ONの検出結果が出力された場合(S101のYES)、入力部24は、さらに、ユーザがストラップストッパー14の起動タイミングを自動にするかどうかのいずれを指示しているかを検出し、その検出結果をシステム制御部25に出力する(S102)。また、ストラップストッパー14の起動タイミングを自動にする指示を受けた場合(S102のYES)、入力部24は、ユーザが5軸センサー制御部29を連動設定にするかどうかのいずれを指示しているかを検出し、その検出結果をシステム制御部25に出力する(S104)。
【0068】
5軸センサー制御部29を連動設定とする検出結果を受けた場合(S104のYES)、システム制御部25は、5軸センサー制御部29を連動設定とする(S106)。その後、システム制御部25は、ストラップストッパー14および5軸センサー制御部29の上記動作設定を、情報記憶部27に出力する。
【0069】
これにより、詳細は後述するように、5軸センサー制御部29は、カメラ起動と同時に、カメラ付き携帯端末本体1の姿勢を検出し、ハンドストラップ11がカメラレンズ12を干渉する位置にあるかを判定し、判定結果をシステム制御部25に出力する。
【0070】
具体的には、5軸センサー制御部29は、カメラ付き携帯端末本体1がハンドストラップ11の干渉を受けやすい姿勢であると判定した場合、ストラップストッパー14を起動させる設定をシステム制御部25に出力する。逆に、干渉を受けにくい姿勢であると判定した場合、ストラップストッパー14を終了させる設定をシステム制御部25に出力する。
【0071】
また、上記S104において、5軸センサー制御部29を連動設定としない検出結果を受けた場合(S104のNO)、システム制御部25は、5軸センサー制御部29を連動設定とせずに固定動作設定とする(S107)。その後、システム制御部25は、ストラップストッパー14および5軸センサー制御部29の上記動作設定を、情報記憶部27に出力して格納させる。
【0072】
固定動作設定とした場合、詳細は後述するように、5軸センサー制御部29は、ハンドストラップ11が常にカメラレンズ12を干渉する位置にあると判定する。すなわち、カメラ付き携帯端末本体1がハンドストラップ11の干渉を受けやすい姿勢であると判定されているため、ストラップストッパー14を起動させる設定をシステム制御部25に出力したままとなる。
【0073】
一方、上記S102において、上記ストラップストッパー14の起動タイミングを自動にしない旨の指示を受けた場合(S102のNO)、入力部24は、ユーザがカメラ起動後にストラップストッパー14を起動するかどうかのいずれを指示しているかを検出し、その検出結果をシステム制御部25に出力する(S103)。
【0074】
カメラ起動後にストラップストッパー14を起動する(以下、手動にすると称する)旨の検出結果を受けた場合(S103のYES)、システム制御部25は、ストラップストッパー14が起動するように設定する。また、手動にしない検出結果を受けた場合(S103のNO)、システム制御部25は、ストラップストッパー14の機能設定をOFFに設定する(S110)。
【0075】
上記ストラップストッパー14の設定を手動にした場合も、自動にしたときと同様に、入力部24は、5軸センサー制御部29を連動設定にするかどうかのいずれをユーザが指示しているかを検出し、その検出結果をシステム制御部25に出力する(S105)。5軸センサー制御部29を連動設定とした場合(S108)、および固定動作設定とした場合(S109)は、それぞれS106、S107の処理と同様である。
【0076】
図11は、ストラップストッパー14を動作させる場合の各部の動作を示すフローチャートである。
【0077】
まず、ユーザの指示に従い、カメラ制御部28がカメラを起動(S201)させる。システム制御部25は、カメラ制御部28によってカメラが起動されたと判定すると、カメラ情報記憶部27に格納されている上記設定内容を、以下に示すように読み込む。
【0078】
まず、システム制御部25は、ストラップストッパー14の機能がONであるかOFFであるかの検出結果を情報記憶部27から読み込む(S202)。
【0079】
ストラップストッパー14の機能をONである場合(S202のYES)、システム制御部25は、ストラップストッパー14の起動タイミングの設定が自動になっているかどうかの検出結果を情報記憶部27から読み込む(S203)。また、ストラップストッパー14の機能がOFFである場合(S202のNO)、システム制御部25は、ストッパー制御部23へストラップストッパー14の起動を指示しない。この場合、ストラップストッパー14は起動せず、ストッパー格納部16に格納されている(S216)。
【0080】
ストラップストッパー14の起動タイミングの設定が自動である場合(S203のYES)、システム制御部25は、5軸センサー制御部29が連動設定であるか固定動作設定であるかを情報記憶部27から読み込む(S205)。
【0081】
5軸センサー制御部29が連動設定である場合(S205のYES)、システム制御部25は、ストラップストッパー14の起動が自動であり、かつ5軸センサー制御部29が連動設定であると判定する(S207)。
【0082】
この結果、5軸センサー制御部29は、カメラ付き携帯端末本体1の姿勢を検出した(S208)後、カメラ付き携帯端末本体1の姿勢がハンドストラップ11の干渉を受けやすい姿勢であると5軸センサー制御部29が判定した場合(S208のYES)、システム制御部25は、5軸センサー制御部29の判定結果をストッパー制御部23に出力する。ストッパー制御部23は、モーター30を駆動させることにより、ストッパー部31を起動させる。これにより、ストラップストッパー14が起動することとなる(S215)。
【0083】
また、カメラ付き携帯端末本体1の姿勢がハンドストラップ11の干渉を受けにくい姿勢であると判定した場合(S208のNO)、5軸センサー制御部29が判定結果を出力しないため、干渉を受けやすい姿勢であると判定されるまでストラップストッパー14は起動せずに、ストッパー格納部16に格納されている。
【0084】
これにより、カメラ撮影時に、5軸センサー制御部29がカメラ付き携帯端末本体1の姿勢を常に検出しているため、ユーザが姿勢ごとにストラップストッパー14を突出させるか否かを指示する操作を行わなくても、その姿勢ごとにストラップストッパー14を格納位置と突出位置とのうちの適切な方に移動させることが可能となる。この結果、ユーザは、入力部24からの簡単な操作を行うだけで、手間をかけることなく、ハンドストラップ11の干渉を防ぐことが可能となる。
【0085】
また、5軸センサー制御部29は固定動作設定である場合(S205のNO)、システム制御部25は、ストラップストッパー14の起動が自動であり、かつ5軸センサー制御部29が固定動作設定であると判定する(S209)。
【0086】
この場合、システム制御部25は、カメラ付き携帯端末本体1の姿勢に拘らず、ストッパー制御部23へストラップストッパー14の起動を指示し、ストッパー制御部23は、モーター30を駆動させることにより、ストッパー部31を起動させる。これにより、ストラップストッパー14が起動することとなる(S215)。
【0087】
ここで、5軸センサー制御部29が連動設定である場合、5軸センサー制御部29は、カメラ付き携帯端末本体1の姿勢を常に検出しており、カメラ付き携帯端末本体1の姿勢の変化によっては、ストラップストッパー14は、常に格納位置と突出位置とに移動が頻繁に行われることとなる。
【0088】
これに対して、5軸センサー制御部29が固定動作設定であれば、ストラップストッパー14が起動するとともに、ストラップストッパー14は起動し、カメラ撮影時には常に突出位置に設定されていることとなるため、5軸センサー制御部29が連動設定である場合に比べて、消費電力が少なくて済む。
【0089】
また、上記S203において、ストラップストッパー14の起動タイミングの設定が自動でない場合(S203のNO)、システム制御部25は、本機能の起動メニューからストラップストッパー14を起動させるかどうか、すなわち、手動で起動させるかどうかの検出結果を情報記憶部27から読み込む(S204)。
【0090】
起動タイミングの設定が手動になっている場合(S204のYES)、システム制御部25は、5軸センサー制御部29が連動設定であるか固定動作設定であるかを情報記憶部27から読み込む(S206)。
【0091】
5軸センサー制御部29が連動設定である場合(S206のYES)、システム制御部25は、ストラップストッパー14の起動が手動であり、かつ5軸センサー制御部29が連動設定であると判定する(S210)。
【0092】
この結果、カメラ撮影時に本機能の起動メニューからストラップストッパー14を起動させた場合(S211のYES)、5軸センサー制御部29は、カメラ付き携帯端末本体1の姿勢を検出する(S212)。また、カメラ撮影時にストラップストッパー14を起動させない場合(S211のNO)、ユーザからの起動指示があるまでストラップストッパー14を起動させない。
【0093】
これとは逆に、5軸センサー制御部29によって、カメラ付き携帯端末本体1がハンドストラップ11の干渉を受けやすい姿勢であると判定された場合(S212のYES)、システム制御部25は、5軸センサー制御部29の判定結果をストッパー制御部23に出力する。
【0094】
この場合、ストッパー制御部23は、モーター30を駆動させることにより、ストッパー部31を起動させる。これにより、ストラップストッパー14が起動することとなる(S215)。
【0095】
また、カメラ付き携帯端末本体1がハンドストラップ11の干渉を受けにくい姿勢であると判定された場合(S212のNO)、5軸センサー制御部29が判定結果を出力しないため、干渉を受けやすい姿勢であると判定されるまでストラップストッパー14は起動せずに、ストッパー格納部16に格納されている。
【0096】
5軸センサー制御部29が固定動作設定である場合(S206のNO)、システム制御部25は、ストラップストッパー14の起動が手動であり、かつ5軸センサー制御部29が固定動作設定であると判定する(S213)。
【0097】
この結果、カメラ撮影時に、例えば、本機能の起動メニューからストラップストッパー14を起動させるなどして、ユーザがストラップストッパー14の起動を指示した場合(S214のYES)、システム制御部25は、カメラ付き携帯端末本体1の姿勢に拘らず、ストッパー制御部23へストラップストッパー14の起動を指示し、ストッパー制御部23は、モーター30を駆動させることにより、ストッパー部31を起動させる。これにより、ストラップストッパー14が起動することとなる(S215)。なお、この場合、システム制御部25は、カメラ撮影時であっても、ユーザからの起動指示があるまでの間(S211でNOの間)、ストラップストッパー14を起動させない。
【0098】
この場合(手動かつ固定動作設定の場合)、ストラップストッパー14をカメラ起動後であっても手動で起動させることが可能であるため、5軸センサー制御部29が連動設定である場合に比べて、消費電力が少なくて済むという上記効果に加えて、ユーザは、カメラ起動後であってもユーザの所望するときにはいつでも、ストラップストッパー14を起動させることが可能である。
【0099】
起動タイミングの設定を手動としない場合(S204のNO)、システム制御部25は、ストラップストッパー14を起動せず、ストラップストッパー14は、ストッパー格納部16に格納されている(S216)。
【0100】
これにより、ユーザが入力部24から設定内容を入力するだけで、ストッパー制御部23および5軸センサー制御部29は、システム制御部25を介して、情報記憶部27に記憶された当該設定内容に基づいて動作する。
【0101】
なお、カメラの使用を終了させると、システム制御部25は、ストラップストッパー14の機能を終了させる。また、ストラップストッパー14は、カメラ付き携帯端末本体1の上記面αから突出している場合には、ストッパー格納部16に格納される。
【0102】
このように、システム制御部25は、上記設定内容を情報記憶部27に格納し、当該設定内容に従って、カメラ起動時に当該設定内容を読み込んで、ストッパー制御部23と5軸センサー制御部29とに出力する。ストッパー制御部23は、入力された当該設定内容に基づいて、モーター30を制御することにより、ストラップストッパー14を動作させる。
【0103】
従って、カメラ撮影時に、上記ストラップストッパー14の起動設定を入力部24から入力しておくことで、ユーザは、カメラ撮影の指示を入力するだけであっても、ハンドストラップ11の干渉を防ぐことが可能となる。
【0104】
なお、上記では、図11に示すように、システム制御部25が、「例えば、起動したか終了したかの検出などによる、カメラが起動中か否かの検出」、「5軸センサー制御部29の検出結果」および「ユーザの手動での指示」の組み合わせによって、ストラップストッパー14を突出させるか否かを制御していたが、これに限るものではない。例えば、それらのうちの一部のみに基づいて制御してもよい。一例として、5軸センサー制御部29を省略し、5軸センサー制御部29の検出結果による判定を省略する構成の場合、図10から、S104〜S106およびS108の処理が省略され、図11から、S205〜S208、S210〜S212の処理が省略される。これらの場合であっても、ストラップストッパー14を駆動する駆動手段(モーター30など)と、ストラップストッパー14の突出の要否を判定すると共に、当該判定結果に応じて前記駆動手段を制御するシステム制御部25が設けられていれば、ユーザの操作回数を削減できる。
【0105】
また、上記では、図11に示すように、システム制御部25が複数の判定方法でストラップストッパー14の突出の要否を判定し、図10に示すように、予め、いずれの判定方法で判定するかを設定しておく構成について説明したが、これに限るものではない。ストラップストッパー14の突出の要否の判定方法が1つの方法に固定されていてもよい。但し、ユーザや用途によって適切な判定方法が異なることが想定されるため、複数の判定方法のうちのいずれで判定するかを予め設定しておき、その判定方法で要否を判定した方が、より広いユーザにとって使いやすいカメラ付きモバイル機器を実現できる。
【0106】
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について説明すれば、以下の通りである。なお、実施形態1と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付記し、その説明は省略する。
【0107】
図12および図13は、図7および図8と同様、カメラ付き携帯端末本体1aの面α側から見た正面図およびB−B線矢視断面図である。
【0108】
本実施形態に係るカメラ付き携帯端末本体1aは、実施形態1のようにストラップストッパー14を自動で突出/格納する構成とは異なって、ストラップストッパー14を手動で突出/格納させる構成である。
【0109】
具体的には、本実施形態に係るカメラ付き携帯端末本体1aは、操作レバー18(手動操作部)が設けられており、支持部17には、モーター30に代えて操作レバー18に接続されている。なお、モーター30は、支持部17の一端に備えられていたが、操作レバー18は支持部17の任意の位置に備えられている。また、本実施形態においても、実施形態1と同様、支持部17が4本備えられている場合を示しているが、これに限られたものではない。
【0110】
当該操作レバー18は、ユーザがストラップストッパー14を使用する場合に、ストラップストッパー14を動作させるためのものである。操作レバー18の両端のうち、ストラップストッパー14に接続されていない側の端部は、カメラ付き携帯端末本体1aから突出している。また、操作レバー18が支持部17と連動して動作できるように、カメラ付き携帯端末本体1aの側面には、溝部(図示しない)が形成されている。
【0111】
なお、本実施形態では、ストラップストッパー14を手動で動作させているため、第1の実施形態において、ストラップストッパー14を自動的に動作させるための構成、すなわち、ストッパー制御部23、モーター30および5軸センサー制御部29が省略されており、本実施形態に係るシステム制御部25は、ストラップストッパー14の移動を制御していない。
【0112】
上記構成では、ユーザが操作レバー18を動作させると、操作レバー18と接続されている支持部17がレール上を移動する。また、ストラップストッパー14は、支持部17の一端と接続されているため、支持部17の移動に伴って、格納位置から突出位置へと移動する。これにより、ストラップストッパー14を操作レバー18と連動して動作させることが可能となる。
【0113】
すなわち、実施形態1に係るカメラ付き携帯端末本体1では、モーター30が備えられており、ユーザが入力部24から設定内容を入力することによりストラップストッパー14を動作させているのに対して、本実施形態に係るカメラ付き携帯端末本体1aでは、ユーザが操作レバー18を直接操作することによりストラップストッパー14を動作させている。
【0114】
従って、本実施形態の場合、入力部24で入力する手間を省くことが可能である。また、5軸センサー制御部29およびモーター30を備えていないため、カメラ付き携帯端末本体1aの消費電力を抑えることが可能となる。
【0115】
以上のように、本発明の実施形態のいずれかに係るハンドストラップ取付部を有するカメラ付きモバイル機器には、ストラップ干渉避け装置の動作する手段が備えられている。また、本発明の実施形態のいずれかに係るハンドストラップ取付部を有するカメラ付きモバイル機器は、モーターを使用して、干渉避け装置を自動で動作させる動作手段(例えば、システム制御部25およびストッパー制御部23)を備えている。
【0116】
さらに、本発明の実施形態のいずれかに係るハンドストラップ取付部を有するカメラ付きモバイル機器は、キーで設定を入力する手段(例えば、入力部4)と、入力した設定内容を記憶する手段(例えば、情報記憶部7)、及び、設定済みのデータを読み込む手段(例えば、システム制御部25)とを備えている。また、本発明の実施形態のいずれかに係るハンドストラップ取付部を有するカメラ付きモバイル機器は、設定された動作方法通りに動作させる動作手段(例えば、システム制御部25)を備えている。さらに、本発明の実施形態のいずれかに係るハンドストラップ取付部を有するカメラ付きモバイル機器は、機器の姿勢を検出することが出来る手段(例えば、5軸センサー制御部29)と、姿勢によりストラップの干渉度合いを判定できる機能(例えば、システム制御部25により実現される機能)とを備えている。また、本発明の実施形態のいずれかに係るハンドストラップ取付部を有するカメラ付きモバイル機器は、カメラ機能が起動中か否かを判断する手段(例えば、システム制御部25)を備えている。
【0117】
これにより、より多様な、あるいは、より多数のストラップがストラップ取付部に取り付けられた場合でも、より少ない手間で、ストラップがカメラ撮影に影響する可能性を低減可能なカメラ付きモバイル機器を実現できる。
【0118】
なお、上記各本実施形態では、ハンドストラップ取付部を有するカメラ付きモバイル機器の一例として、ハンドストラップ取付部を有するカメラ付き携帯電話について説明したが、これに限定されるものではない。
【0119】
また、上記では、ストラップストッパー14がストッパー格納部16に格納することができる場合について説明したが、カメラ付き携帯端末本体1、1aは、ストッパー格納部16を備えておらず、ストラップストッパー14がカメラ付き携帯端末本体1、1aの表面上から突出している位置に固定されている形状であってもよい。
【0120】
但し、実施形態1および2のように、ストラップストッパー14がストッパー格納部16に格納可能であれば、ストラップストッパー14を使用しない場合には、カメラ付き携帯端末本体1の表面上に突出していないため、ストラップストッパー14が邪魔になることはないというさらなる効果を奏する。
【0121】
また、上記では、ストラップストッパー14の外周部に、かつ、前記導光口から見て前記表面に沿って離れる方向に備えられており、前記表面αに平行な面よりカメラ付きモバイル機器に向かって延びている縁部15が設けられている構成について説明したが、これに限るものではない。前記ストラップストッパー14の外壁の先端(縁部15)が、当該外壁の外側に曲がっていれば、ある程度の効果が得られる。また、縁部15が備えられていなくてもよい。
【0122】
但し、実施形態1および2のように、ストラップストッパー14の外壁の先端(縁部15)が、当該外壁の外側に曲がっていれば、縁部15が設けられていない場合に比べて、ハンドストラップ11が複数本取り付けられている場合、または、カメラ撮影時に、カメラ付き携帯端末本体1がハンドストラップ11の干渉を受けやすい姿勢である場合にも、ハンドストラップ11の干渉をさらに抑制することが可能になり、特に、縁部15が、表面αに平行な面よりカメラ付きモバイル機器に向かって延びていれば、ストラップストッパー14の外壁に沿って移動するハンドストラップ11の動きをさらに制限できる。
【0123】
また、上記では、ストラップストッパー14がラッパ状に形成され、カメラレンズ12の光軸γから外壁までの半径が、カメラ付き携帯端末本体1の表面から離れるに従ってそれぞれ大きくなるように設けられている場合について説明したが、これに限るものではない。例えば、外壁の断面形状が方形など、円形以外の形状に形成されていてもよい。いずれの場合であっても、ストラップストッパー14の外壁が、前記表面αに沿って前記ストラップストッパー14の外側から前記導光口βに近づく方向より見て、前記表面αに対し鋭角に突出しており、ストラップストッパー14の内壁が、前記表面αに沿って前記ストラップストッパー14の内側から前記ストラップストッパー14に近づく方向より見て、前記表面αに対し鈍角に突出していれば、同様の効果が得られる。
【0124】
さらに、ストラップストッパー14の形状がラッパ状でなくても、前記導光口と前記ストラップ取付部との間に、前記導光口を取り囲むように配されているストラップストッパー14が設けられて入れば、ストラップストッパー14の干渉を防止できる。
【0125】
但し、実施形態1および2のように、ストラップストッパー14の外壁がラッパ状であり、ハンドストラップ11の進入方向から見て、カメラ付き携帯端末本体1、1aの面αに対して鋭角に突出していることにより、ハンドストラップ11がストラップストッパー14の外壁に当たった後、さらに揺れ動くことによるカメラ撮影の干渉を防ぐことが可能となるというさらなる効果を奏する。
【0126】
さらに、ストラップストッパー14の内壁もラッパ状に形成されているため、ストラップストッパー14が上記面αに突出している状態であっても、突出していない場合と同様、カメラ撮影時の撮影範囲や照度に影響を及ぼすことはない。
【0127】
また、上記では、ストラップストッパー14は、導光口βを取り囲んでいる場合について説明したが、少なくとも導入口βのハンドストラップ取付部13が備えられている側に備え付けられている形状でもよい。
【0128】
但し、実施形態1および2のように、ストラップストッパー14が導入口βを取り囲むように備え付けられている場合、導入口βを隙間無く取り囲んでいるため、一部隙間がある場合に比べて、ハンドストラップ11が撮影範囲内に入る可能性を低減させることが可能である。
【0129】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0130】
本発明に係るカメラ付きモバイル機器は、ストラップが取り付け可能なモバイル機器であれば、どのような装置であっても適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0131】
【図1】ストッパー部を示す断面図である。
【図2】ストラップストッパーが面α上に突出しているときのカメラ付き携帯端末本体の全体図である。
【図3】ハンドストラップ取付部にハンドストラップが取り付けられている一例を示す説明図である。
【図4】ストラップストッパーが突出し、ハンドストラップの揺れ動きを妨げている一例を示す説明図である。
【図5】ストラップストッパーが突出し、ハンドストラップの揺れ動きを妨げている他の一例を示す説明図である。
【図6】ストラップストッパーがストッパー格納部に格納されているときのカメラ付き携帯端末本体の全体図である。
【図7】ストラップストッパーが面α上に突出しているときのカメラ付き携帯端末本体の断面図である。
【図8】ストラップストッパーがストッパー格納部に格納されているときのカメラ付き携帯端末本体の断面図である。
【図9】カメラ付き携帯端末本体内部の構成を示すブロック図である。
【図10】ストラップストッパーの機能設定の一例を示すフローチャートである。
【図11】ストラップストッパーを動作させる場合の各部の動作を示すフローチャートである。
【図12】ストラップストッパーが面α上に突出しているときの実施形態2に係るカメラ付き携帯端末本体の断面図である。
【図13】ストラップストッパーがストッパー格納部に格納されているときの実施形態2に係るカメラ付き携帯端末本体の断面図である。
【符号の説明】
【0132】
1,1a カメラ付き携帯端末本体
α カメラ付き携帯端末本体表面の一面
β 導光口
13 ハンドストラップ取付部(ストラップ取付部)
14 ストラップストッパー(突出部)
16 ストッパー格納部(格納部)
18 操作レバー(手動操作部)
23 ストッパー制御部(駆動手段)
25 システム制御部(システム制御手段)
27 情報記憶部(情報記憶部)
29 5軸センサー制御部(姿勢検出手段)
30 モーター(駆動手段)
31 ストッパー部(突出部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ストラップ取付部を有するカメラ付きモバイル機器であって、
前記カメラ付きモバイル機器のいずれかの表面には、カメラの光学系に光を導く導光口が備えられており、
前記導光口と前記ストラップ取付部との間に、前記導光口を取り囲むように配されている突出部を備えていることを特徴とするカメラ付きモバイル機器。
【請求項2】
前記突出部の外壁は、前記表面に沿って前記突出部の外側から前記導光口に近づく方向より見て、前記表面に対し鋭角に突出していることを特徴とする請求項1に記載のカメラ付きモバイル機器。
【請求項3】
前記突出部の内壁は、前記表面に沿って前記突出部の内側から前記突出部に近づく方向より見て、前記表面に対し鈍角に突出していることを特徴とする請求項1に記載のカメラ付きモバイル機器。
【請求項4】
前記突出部の外壁の先端は、当該外壁の外側に曲がっていることを特徴とする請求項1に記載のカメラ付きモバイル機器。
【請求項5】
前記カメラ付きモバイル機器に前記突出部を格納可能な格納部が形成され、
前記突出部は、前記格納部に格納されている位置と、前記表面から突出している位置との間で移動可能に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のカメラ付きモバイル機器。
【請求項6】
前記突出部を駆動する駆動手段と、
前記突出部の突出の要否を判定すると共に、当該判定結果に応じて前記駆動手段を制御するシステム制御手段とを備えていることを特徴とする請求項5に記載のカメラ付きモバイル機器。
【請求項7】
前記カメラ付きモバイル機器の姿勢および/または加速度を検出する姿勢検出手段を備えており、
前記システム制御部は、前記姿勢検出手段の検出結果を参照して、前記突出部を突出させるか否かを判定することを特徴とする請求項6に記載のカメラ付きモバイル機器。
【請求項8】
前記システム制御手段は、前記カメラの機能が起動中か否かを判定すると共に、当該判定結果を参照して、前記突出部を突出させるか否かを判定することを特徴とする請求項6に記載のカメラ付きモバイル機器。
【請求項9】
前記システム制御手段は、ユーザの指示に応じて前記突出部の突出の要否を判定することを特徴とする請求項6に記載のカメラ付きモバイル機器。
【請求項10】
前記システム制御手段は、複数の判定方法で前記突出部の突出の要否を判定可能であり、
ユーザによって選択された判定方法を記憶する情報記憶部を備えており、
前記システム制御手段は、前記情報記憶部から当該判定方法を抽出し、当該判定方法を参照して、前記駆動手段を制御することを特徴とする請求項6に記載のカメラ付きモバイル機器。
【請求項11】
前記突出部と接続され、ユーザが前記突出部を手動で駆動させることができる手動操作部を備えていることを特徴とする請求項5に記載のカメラ付きモバイル機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2007−233080(P2007−233080A)
【公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−55339(P2006−55339)
【出願日】平成18年3月1日(2006.3.1)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】