説明

カメラ内のハードウェア不整合を補償するための方法

【課題】カメラ内のハードウェア不整合を補償するための方法を提供すること。
【解決手段】カメラ内のハードウェア不整合を補償するための方法が与えられる。カメラは操縦部及び固定部を備え、操縦部はステアリング・モータ・システムによって制御される。この方法の最初のステップでは、ステアリング・モータ・システムから機械的座標を受け取る。機械的座標がパン位置及びチルト位置に対応し、パン位置及びチルト位置が相補的パン位置及びチルト位置を有する。次に、受け取られた機械的座標に対応する所定の較正データがメモリから読み取られる。所定の較正データがパン位置及びチルト位置と相補的パン位置及びチルト位置の間の関係を説明する。次いで、受け取られた機械的座標及び所定の較正データに基づいて補償された座標が求められる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、カメラ、カメラ及びユーザ・インターフェイス装置を備えるカメラ及びシステムにおけるハードウェア不整合を補償する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
今日、PTZ(パン・チルト・ズーム)カメラ及びドーム・カメラは非常に普及している。この主な理由は、オペレータがこれらのカメラを遠隔操作することができることである。例えば、オペレータは、疑わしい対象を発見すると、カメラに備わっているステアリング・モータ・システムを使用して、この対象へカメラを向けることができる。その上、いくつかのカメラでは、所望の視野を得るために拡大又は縮小も可能である。
【0003】
優れた制御機能を有するカメラを実現するために、高品質ステアリング・モータ・システムは非常に重要である。第1に、ステップ数が多いとカメラの正確な制御が可能になるので、ステップ数が重要である。第2に、取り付けけが正しくないとカメラの制御の質が低下するので、カメラを正確に設計しかつ取り付けることが重要である。
【0004】
カメラのズーミング機能が有効であれば、カメラのレンズ・システム内のレンズを適切に取り付けて方向づけることがさらに重要である。そうでなければ、ズーミング機能を用いるとき、変位誤差が生じることになる。
【0005】
したがって、カメラの方向操作の狂いに対処する必要がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のことを考慮して、本発明の目的は、上で論じられた問題を解決するか少なくとも低減することである。具体的には、カメラ内のハードウェア不整合を補償するための方法を提供することが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的は、操縦部及び取り付け部を備えるカメラ内のハードウェア不整合を補償するための方法により第1の態様によって実現され、前記操縦部がステアリング・モータ・システムによって制御され、前記方法が前記ステアリング・モータ・システムから機械的座標を受け取るステップを含み、機械的座標がパン位置及びチルト位置に対応し、パン位置及びチルト位置が相補的パン位置及びチルト位置を有し、前記方法が前記カメラに備わっているメモリから前記受け取られた機械的座標に対応する所定の較正データを読み取るステップを含み、所定の較正データがパン位置及びチルト位置と相補的パン位置及びチルト位置の間の関係を説明し、前記方法が前記受け取られた機械的座標及び前記所定の較正データに基づいて補償された座標を求める。
【0008】
この方法の利点は絶対座標が実現されることであり、例えば、座標が分かっていれば特定箇所に戻ることができることを意味する。
【0009】
絶対座標を実現することの別の利点は、改善されたマスク機能を実現できることである。例えば、ドアなど像の一定領域がプライバシー・マスクによって記録されれば、このプライバシー・マスクの座標がカメラの機械的座標と無関係に思い出されることになる。別の利点は、事前に位置を設定することが可能なことである。
【0010】
別の利点は、カメラの機能が製造上の不正確さにそれほど左右されないことである。
【0011】
その上、操縦部が光学ズーム・システムを備えてよく、したがって、本方法は、前記光学ズーム・システムの少なくとも1つのズーム位置を受け取るステップと、前記メモリからの前記少なくとも1つのズーム位置に対応する所定の較正データを読み取るステップと、前記受け取られた少なくとも1つのズーム位置及び前記所定の較正データに基づいて補償された座標を求めるステップとを含んでよい。
【0012】
これの利点は、様々なズーム位置に対して変化することがある光学的不整合を補償できることである。
【0013】
本方法は、ユーザ・インターフェイス装置に前記カメラからの前記補償された座標を伝送するステップと、前記ユーザ・インターフェイス装置上に前記補償された座標を示すステップとをさらに含んでよい。
【0014】
これの利点は、カメラのユーザが絶対座標でカメラの位置を認識することができることである。
【0015】
本方法は、像処理装置に像データを伝送するステップと、前記像データ処理装置に前記補償された座標を伝送するステップと、前記像データ処理装置内で前記像データ及び前記補償された座標を処理するステップとをさらに含んでよい。
【0016】
さらに、本方法は、カメラ対象の座標を受け取るステップと、前記カメラに備わっている前記メモリから前記受け取られたカメラ対象の座標に対応する所定の較正データを読み取るステップと、前記受け取られたカメラ対象の座標及び前記所定の較正データに基づいてカメラ対象の機械的座標を求めるステップと、前記求められたカメラ対象の機械的座標によって前記カメラの前記操縦部を動かすステップとをさらに含んでよい。
【0017】
カメラ対象の座標は、ユーザ・インターフェイス装置又は像処理装置から受け取ることができる。
【0018】
これの利点は、ユーザからユーザ・インターフェイス装置によって補償された座標における位置が示された場合、これらの補償された座標が機械的座標に変換されてカメラを所定位置に移動できることであり、これは例えば像中でマウス・クリックによって実現することができる。
【0019】
さらに、前記操縦部のパン範囲は180°以上とすることができ、それによって複数の様々な機械的座標を用いることにより前記操縦部が少なくとも1つの視野に達することが可能であり、前記所定の較正データが前記複数の様々な機械的座標の1組の組合せを含んでよい。
【0020】
その上、複数の様々な機械的座標が1組の正立の機械的座標及び1組の反転された機械的座標を含んでよい。したがって、正立の機械的座標の組及び反転された機械的座標の組は、ともに2組の機械的座標を形成する。
【0021】
さらに、所定の較正データは、理論的な値によって前記様々な機械的座標のうちの1つを引くことにより求められた少なくとも1つの差値を含んでよい。
【0022】
その上、所定の較正データは、前記複数の様々な機械的座標の前記組の中間位置を含んでよい。
【0023】
その上、前記ハードウェア不整合は、パン軸及びチルト軸のグループ内の少なくとも1つの軸のまわりの回転によって引き起こされることがある。
【0024】
上記の目的は、光学システムを含む操縦部、固定部、前記操縦部を制御するように構成されたステアリング・モータ・システム、所定の較正データを保持するために配置されたメモリ、前記ステアリング・モータ・システムから機械的座標を受け取るように構成されたプロセッサを備えるカメラによる第2の態様によって実現され、前記機械的座標がパン位置及びチルト位置に対応し、前記パン位置及びチルト位置が相補的パン位置及びチルト位置を有し、前記カメラが前記メモリから前記所定の較正データを読み取り、前記所定の較正データが前記機械的座標に対応し、前記所定の較正データが、前記パン位置及びチルト位置と前記相補的パン位置及びチルト位置の間の関係を説明し、前記カメラが前記機械的座標及び前記所定の較正データに基づいて補償された座標を求める。
【0025】
第1の態様と同じ利点がこの第2の態様にもあてはまる。
【0026】
さらに、前記操縦部の光学システムが光学ズーム・システムを備えてよく、前記プロセッサが、前記光学ズーム・システムから少なくとも1つのズーム位置を受け取り、かつ前記少なくとも1つの受け取ったズーム位置及び前記所定の較正データに基づいて、補償された座標を求めるようにさらに構成されてよい。
【0027】
カメラは、前記カメラからユーザ・インターフェイス装置に前記補償された座標を伝送するように適合された送信器をさらに備えてよい。
【0028】
送信器は、像処理装置に像データ及び前記補償された座標を送信するようにさらに適合されてよい。
【0029】
プロセッサは、カメラ対象の座標を受け取り、前記カメラに備わっている前記メモリから前記受け取られたカメラ対象の座標に対応する所定の較正データを読み取り、かつ前記受け取られたカメラ対象の座標及び前記所定の較正データに基づいてカメラ対象の機械的座標を求めるようにさらに構成されてよく、前記ステアリング・モータ・システムは、前記求められたカメラ対象の機械的座標によって前記カメラの前記操縦部を動かすように構成されてよい。
【0030】
その上、前記操縦部のパン範囲は180°以上とすることができ、それによって複数の様々な機械的座標を用いることにより前記操縦部が少なくとも1つの視野に達することが可能であり、前記所定の較正データが前記複数の様々な機械的座標の1組の組合せを含む。
【0031】
その上、前記カメラの前記操縦部のチルト範囲は前記パン軸を含むことができる。
【0032】
さらに、複数の様々な機械的座標が1組の正立の機械的座標及び1組の反転された機械的座標を含んでよい。
【0033】
さらに、所定の較正データは、理論的な値によって前記様々な機械的座標のうちの1つを引くことにより求められた少なくとも1つの差値を含んでよい。
【0034】
その上、所定の較正データは、前記複数の様々な機械的座標の前記組の中間位置を含んでよい。
【0035】
その上、前記カメラの前記ハードウェア不整合は、パン軸及びチルト軸のグループ内の少なくとも1つの軸のまわりの回転によって引き起こされることがある。上記の目的は、データ・ネットワーク、前記データ・ネットワークに結合されたユーザ・インターフェイス装置、及び前述の少なくとも1台のカメラを備えたシステムによる第3の態様によって実現される。
【0036】
上記の目的は、ダウンロードされたときに前述の方法を実行し、かつ装置内で動作するように構成されたソフトウェア命令を含むコンピュータ・プログラムによる第4の態様によって実現される。
【0037】
本発明の他の目的、特徴及び利点は、以下の詳細な開示、添付の従属請求項並びに図面から明らかになるであろう。
【0038】
一般に、本明細書で明示的に違った風に定義されるのでなければ、特許請求の範囲で使用される用語はすべて当技術分野におけるそれらの通常の意味によって解釈されるべきである。「a/an/the[要素、装置、成分、手段、ステップ、など]」に対するすべての言及は、違った風に明示的に表明されたのでなければ、前記の要素、装置、成分、手段、ステップ、など、の少なくとも1つの例を言及するように率直に解釈されるべきである。本明細書に開示されたいかなる方法のステップも、明示的に表明されたのでなければ、開示された順序で正確に実行する必要はない。
【0039】
本発明の、上記及びその他の目的、特徴並びに利点は、添付図の参照とともに、本発明の好ましい実施例の以下の非限定的な例示の詳細な説明によって一層よく理解されるであろう。
【実施例】
【0040】
図1は、PTZ(パン・チルト・ズーム)カメラ100の実施例を示す。この例示のカメラ100は、TCP/IPネットワークなどのデータ・ネットワーク(図示せず)に結合されたネットワーク・カメラである。制御データは、前記データ・ネットワーク経由でカメラに伝送され、カメラ100によって取り込まれた像データは、データ・ネットワーク経由でユーザ・インターフェイス装置(図示せず)に伝送される。
【0041】
カメラ100の操縦部はパン軸102及びチルト軸104のまわりに回転するように構成され、パン軸102はチルト軸104に対して垂直である。大抵の場合、PTZカメラ100のパン範囲は機械式止め具によって約360°に制限され、チルト範囲は多くの場合約180°である。
【0042】
図2はドーム・カメラの実施例を示す。ドーム・カメラ200の機能は、PTZカメラ100のものに類似している。方向を制御するために、カメラ200の操縦部はパン軸202及びチルト軸204のまわりに回転式に配置され、パン軸202はチルト軸204に対して垂直である。
【0043】
PTZカメラと異なり、ほとんどのドーム・カメラはパン軸のまわりに自由に回転するように構成される。ドーム・カメラのチルト範囲は多くの場合約180°である。
【0044】
PTZカメラ100及びドーム・カメラ200の両方の一般化された実施例は、図3に示されたカメラ300でよい。カメラ300は、操縦部302及び固定部304を備える。固定部は取り付け部と称されてもよい。すなわち、カメラを取り付けるときこの部分が例えば天井に取り付けられる。
【0045】
固定部304は、例えば天井に取り付けるのに適合した取り付けブラケット306を備える。図3aに示されるように、この取り付けブラケットはスタンドとして使用されてもよいが、ほとんどの場合カメラは天井又は類似のものに取り付けられる。さらに、固定部はパン・ステアリング・モータ308を備えることができる。このパン・ステアリング・モータ308を使用することにより、カメラ300の操縦部302はパン軸のまわりに回転する。このモータ308は自由に回転するようにされうる、すなわち機械式止め具がない。或いは、モータ308の回転範囲は機械式止め具によって制限されてもよい。そのような機械式止め具はタップ、又はワイヤによって実現することができる。
【0046】
パン・ステアリング・モータ308は、カメラ300の操縦部302の一部であるチルト・ステアリング・モータ310に結合される。パン・ステアリング・モータ308のように、このチルト・ステアリング・モータ310は自由に回転するようにされてよく、又は、チルト・ステアリング・モータは機械式止め具によって制限されてもよい。
【0047】
また、チルト・ステアリング・モータ310は、光学システム314を備えるカメラ・ブロック312に結合される。したがって、チルト・ステアリング・モータ310を使用することにより、カメラ・ブロック312はチルト軸のまわりに回転する。
【0048】
これらパン軸及びチルト軸の2つの軸のまわりにカメラ300が回転するのを可能にすることによって、2つの異なったパン−チルト位置を使用して同じ視野に達することが可能である。下記の関係に関して、同一の視野に達する位置は、パン位置及びチルト位置並びに相補的パン位置及びチルト位置としてそれぞれ定義され、相補的パン位置及びチルト位置の視野は、上に開示されたような2つの軸のまわりにカメラ300を回転させることにより到達される。
【0049】
図3bでは、パン・ステアリング・モータ308が操縦部302を半回転すなわち180度回転させ、またチルト・ステアリング・モータ310がカメラ・ブロック312を半回転すなわち180度回転させており、このことは、この実施例において、同一の視野、すなわち相補的パン位置及びチルト位置に対応付けられている視野に達する効果がある。図3aにおいて、パン・ステアリング・モータ及びチルト・ステアリング・モータの機械的座標が、それぞれ正立座標と称される場合、図3bにおいて、パン・ステアリング・モータ及びチルト・ステアリング・モータの機械的座標は、それぞれ反転座標と称される。これらの反転座標は、正立座標に対する相補的座標と見なされる。したがって、正立の機械的座標の組及び反転された機械的座標の組は、ともに2組の機械的座標を形成する。
【0050】
本明細書では、正立座標の空間は正立空間と称し、反転座標の空間は反転空間と称する。360度のパン範囲及び180度のチルト範囲を有するカメラの一実施例では、正立座標は次のように定義することができる。
パン座標は、
−180°≦P≦180°
であり、チルト座標は、
−90°≦T≦0°
である。さらに、反転空間の相補的座標は次のとおりである。
パン座標は、
=((P+360)mod360)−180
−180°≦P≦180°
であり、チルト座標は、
=−T−180
−180°≦T≦−90°
である。上式で、演算子「mod」はモジュロ演算子として解釈されるべきである。すなわち、2つの整数n1及びn2に対して、モジュロ演算子(n1)modulo n2((n1)mod n2と略記される)は、n1をn2で割った余りである。したがって、パン座標及びチルト座標と相補的パン座標及びチルト座標についての関係を用いると、各位置は、パン位置及びチルト位置並びに相補的パン位置及びチルト位置としてそれぞれ定義することができる。
【0051】
2つの相補的位置は、反転位置ではカメラが上下逆さまであるという違いで、理論上はユーザに対して正確に同一の視野を表示するはずである。この違いは、カメラが反転座標空間にあるときに像をデジタル的に回転させることにより自動的に調整することができる。
【0052】
ハードウェアに関連した最も大きな問題のうちの1つは、光学軸又はズーム軸、パン軸とチルト軸の間の関係である。正立空間と反転空間の間の完全な整合をそれぞれ得るために、180°チルトするカメラを使用するとき、これらの空間は直交である必要がある。そうでないと座標が整合せず、それによって不整合誤差の原因となる。これは、マスク及びプリセット位置を変位させることになり、また、カメラが絶対的な動きを使用する場合、同一の視点に対して異なった2組の座標がもたらされることになる。
【0053】
図4aは、図3aに示されたカメラ300に類似のカメラ400を示すが、このカメラ300と異なって、カメラ400のカメラ・ブロック412が変位されている。これは、チルト軸並びにパン軸が変位されることを意味し、もちろん不利なことである。図4bは、相補的位置におけるカメラ400を示す。図3a及び図3bの下2桁の数字は、図4a及び図4bの下2桁の数字に対応する。カメラ・ブロックを取り付けるとき又は他の製造上の不正確さが原因で、そのような変位が生じることがある。
【0054】
図4bに示されるように、カメラ400が相補的位置へ切り換えられるとき、変位誤差は相補的座標を使用して表現される。像がデジタル的に回転される場合、図4aに示された位置で受け取られた像の点は、したがって、図4bに示された位置で受け取られた像のものと配置の面で異なって示されることになる。図4a及び図4bの例示の状況では、像は水平並びに垂直に変位されることになる。通常、図4a及び図4bを参照しながら論じられた変位誤差は小さいものであり、その主な理由は、これらのタイプの変位誤差は機械的調整によってかなり低減することができるからである。その上、図4a及び図4bを参照しながら論じられた変位誤差は、通常、次に図4c〜図4fを参照しながら論じられる変位誤差より小さい。
【0055】
図4cは、好ましくは天井(図示せず)に配置されたカメラ416を下から見た様子を示しており、カメラ416のカメラ・ブロック418が角度αだけ回転変位されている。これは、左右方向の機械的不整合によって、方向Pから方向P’へパン軸が変位されたことを意味し、もちろん不利なことである。このタイプの誤差の原因は、機構のパン軸及び/又はチルト軸においてカメラ・ブロック418の中心が合っておらず、またカメラ・ブロック418において光軸が完全に整列していないことである。ここのいくつかの不整合は避けられないものであり、不整合の大きさは、ドーム及びカメラの機構の精度次第である。
【0056】
図4dは、相補的位置におけるカメラ416を示し、オフセットの方向が逆になっている。図4c及び図4dの例示の状況では、像は水平に変位されることになる。図4c及び図4dによる左右方向の機械的不整合によってもたらされた変位は、開示された方法を用いて補償することができる。
【0057】
図4eは、好ましくは天井424に配置されたカメラ420示す側面図であり、カメラ420のカメラ・ブロック422が角度αだけ回転変位されている。これは、上下方向の機械的不整合によって、方向Tから方向T’へチルト軸が変位されたことを意味し、もちろん不利なことである。図4fは、相補的位置におけるカメラ420を示し、オフセットの方向が逆になっている。図4e及び図4fの例示の状況では、像は垂直に変位されることになる。図4e及び図4fによる上下方向の機械的不整合によってもたらされた変位は、開示された方法を用いて補償することができる。
【0058】
図5aは、図3aに示されたカメラ300に類似のカメラ500を示すが、このカメラ300と異なって、カメラ500のカメラ・ブロック512が回転変位されている。図5bは、相補的位置におけるカメラ500を示す。図3a及び図3bの下2桁の数字は、図5a及び図5bの下2桁の数字に対応する。カメラ・ブロックを取り付けるとき又は他の製造上の不正確さが原因で、そのような回転変位が生じることがある。
【0059】
図4a及び図4bに示されたカメラ400のように、カメラ・ブロック516の変位は、図5aに示されたカメラ500の位置で受け取られた像と図5bに示されたカメラ500の相補的位置で受け取られた像では、像中の点が配置の面で異なって示されることを意味する。
【0060】
一般に、不整合は、以下の6つのカテゴリに分類することができる。
1)パン軸すなわちカメラ・ブロックがパンされる軸に対するカメラ・ブロックの並進変位
2)チルト軸すなわちカメラ・ブロックがチルトされる軸に対するカメラ・ブロックの並進変位
3)カメラ・ブロックの意図された光軸に対するカメラ・ブロックの並進変位
4)パン軸に対するカメラ・ブロックの回転変位
5)チルト軸に対するカメラ・ブロックの回転変位
6)意図された光軸に対するカメラ・ブロックの回転変位
【0061】
カテゴリ1〜3に開示された並進不整合は一般に小さなものであり、小さな機械的調整で補償することができる。カテゴリ2による不整合の例は、図4a及び図4bに関して見ることができる。カテゴリ4及び5に示された不整合は補償するのが困難なことがある。図4c及び図4dでは、問題はカテゴリ4で示されたものと見なす。図4e及び図4fでは、問題はカテゴリ5で開示されたものと見なす。カテゴリ6に開示された不整合には、ほとんどの場合、像取り込みセンサの回転及び/又は特定の像解析ソフトウェアを使用した像後処理が必要であろう。
【0062】
上記に開示された変位誤差はすべて、多かれ少なかれズーミング操作(したがってまた焦点操作)の、いわゆる動的な不整合によって影響を受けることがある。しかし、そのような場合でも、カテゴリ4及び5による不整合が最も明瞭なものであり、補償する必要がある。
【0063】
その上、正立位置と反転位置で像中の点が異なって示されるという問題は、例えば、パン・ステアリング・モータ308/408/508及びチルト・ステアリング・モータ310/410/510として本明細書に例示されるステアリング・モータ・システムにおけるハードウェア不整合、取り付けブラケット306/406/506とパン・ステアリング・モータ308/408/508の間の不正確な取り付け、パン・ステアリング・モータ308/408/508とチルト・ステアリング・モータ310/410/510の間の不正確な取り付け、チルト・ステアリング・モータ310/410/510とカメラ・ブロック312/412/512の間の不正確な取り付け、及び光学的不整合など他のハードウェア不整合のためにも起こり得る。
【0064】
パン−チルト・カメラは複数のやり方で実現することができる。例えばチルト・ステアリング・モータとパン・ステアリング・モータが位置を取り替えてよく、すなわち、図3a、図3b、図4a、図4b、図5a及び図5bに示されるように、パン・ステアリング・モータの代りにチルト・ステアリング・モータが取り付けブラケットに取り付けられてもよい。しかし、パン−チルト・カメラの設計と無関係に、ある位置に達する複数のやり方がある場合には、ハードウェア不整合によって像の望ましくない変位がもたらされることがある。
【0065】
図4a、図4b、図4c、図4d、図4e、図4f、図5a及び図5bに示されるように、ある位置に達するやり方の1つは相補的座標を用いるものである。しかし、例えば、カメラのパン範囲が360°以上という異なった機械的座標を用いることによって位置に達することもできる。
【0066】
パン軸及びチルト軸が光学システム314/414/416/420/514の光軸に対して垂直でないようにカメラ・ブロック312/412/418/422/512が回転移動されると、重大な不整合誤差が生じることになる。したがって、このタイプの不整合誤差を補償することは大変有利である。
【0067】
図6は、図3a及び図3bに示されたカメラ300に類似のカメラ600の側面図である。図3a及び図3bの下2桁の数字は、図6の下2桁の数字に対応する。
【0068】
光学システム614は複数のレンズ616を備える。カメラ600がズーミング機能を備える場合、光学システム614のレンズ616は互いに対して動くようにされる。
【0069】
図7は、図3a及び図3bに示されたカメラ300に類似した例示のカメラ700の側面図である。図3a及び図3bに示された実施例の下2桁の数字は、図7に示された実施例の下2桁の数字に対応する。
【0070】
図6に示されたカメラ600と異なり、光学システム714が備えるレンズ716は不整合である。そのような不整合は、レンズ716の取り付けの結果、レンズ716の不正確さの結果又はそれらの組合せであり得る。
【0071】
カメラ700がズーミング機能を備える場合、不整合のレンズ716の誤差は、ズーム位置、換言すれば光学システム714のズームの度合い及び/又は光学システム714の焦点位置次第である。レンズが適切に向けられないために、又はレンズ716が互いに対して正確に配置されないために、レンズ716の不整合が起こり得る。光学システムのズーム位置及び/又は焦点位置が変化すると、その結果として誤差が変化する可能性がある。
【0072】
図4c、図4d、図4e及び図4fに示される機械的不整合及び/又は図7に示される光学的不整合を含むハードウェア不整合の影響を低減するために、カメラに対して較正操作が行われる。様々なカメラが様々なハードウェア不整合を有するので、好ましくは各カメラに対して個々に較正手順が行われる。機械的軸及び光学的軸の不整合に対して座標系を補償する必要性があるならば、最初にこの不整合を測定することが必要である。カメラ較正器は、ユニット製造時に、例えば像解析及び特定の較正パターンを用いることによってこれを行うことができる。すなわち、較正手順は、好ましくはカメラの製作中に、すなわちカメラがエンド・ユーザに届く前に行われる。正立空間及び反転空間で、また様々なズーム・レベルでカメラを較正することによって、補償テーブルを構築することができる。このテーブルは、好ましくはカメラに保存され、カメラが再較正されるときには新規のテーブルが保存される。
【0073】
このテーブルは、一般的には、パン位置及びチルト位置とそれらの対応する相補的パン位置及びチルト位置の関係を含んでよい。
【0074】
較正手順を行うときの可能なセットアップが図8に示されている。この較正セットアップでは、カメラ800は照合マーク802の方へ向けられる。
【0075】
ズーミング機能のないカメラ向けの較正手順は次のように記述することができる。
−照合マークが像の中心に位置するようにカメラを向ける。
−パン・ステアリング・モータ位置及びチルト・ステアリング・モータ位置を保存し、以下において、メモリ内のこの第1の位置についての機械的座標と呼ぶ。
−対応する相補的位置へカメラを反転する。
−照合マークが像の中心に位置するようにカメラを向け、かつ
−前記メモリ内に、この第2の位置の機械的座標を保存する。
【0076】
第1及び第2の位置の保存された機械的座標に基づいて較正データが求められ、メモリに保存される。両機械的座標間の違いを算定し、この違いを理論的な違いと比較することにより、較正データを求めることができる。例えば、第1及び第2の位置のパン位置がそれぞれ+178.7°及び−181.3°として求められ得る。理論上は、これら2つの値の間の差は180°であり、すなわち、第1の位置から第2の位置に達するためにカメラの操縦部が半回転されたものである。したがって、このために、較正データは、較正手順に際して現ズーム位置用にパン補償における−1.3°を含むことができる。メモリはカメラ内に配置することができる。
【0077】
さらに、較正データを求めるためにいくつかの値が利用されるとき、中間位置を算定することができる。
【0078】
図9は、理論的な基準中心点902、すなわちハードウェア不整合のないカメラの場合の中心点、第1の位置の中心点904、すなわちハードウェア不整合のあるカメラの場合に第1の位置で実現された中心点、及び第2の中心点906、すなわちハードウェア不整合のあるカメラの場合の第2の位置(第1の位置に対する相補的位置)で実現された中心点を含む像900の実施例を示す。
【0079】
第1の位置904と第2の位置906が相補的位置であるので、点908として示されたこれら2つの位置の間の位置、すなわち中間位置は、基準中心点の近似として使用することができる。これは、換言すれば、図9に示されるように、第1の位置での機械的座標が、水平補正成分Δx及び垂直補正成分Δyを使用することにより補償されることを意味する。類似のやり方で、図9に示されるように、第2の位置の機械的座標を補償するために水平補正成分−Δx及び垂直補正成分−Δyが使用される。
【0080】
補正成分Δx及びΔyは、正立空間の各位置に対して同一であるように近似することができ、同様に、補正成分−Δx及び−Δyは、反転空間の各位置に対して同一であるように近似することができる。したがって、図4a、図4b、図5a及び図5bに示されたものなどの機械的不整合の不整合誤差は、静的誤差と称することができる。
【0081】
光学的不整合によってもたらされた不整合は、図7に示されるように、動的誤差を引き起こす可能性があり、動的誤差は、図10に概略的に示されるようにカメラのズーム位置次第である。図10では、動的誤差がズーム位置の線形関数であるように示されているが、ほとんどの場合そうではない。
【0082】
この動的誤差のために、図10に示された前述の較正手順は、ズーム位置すなわち換言すればズーム率の数だけ繰り返されてよい。例えば、1倍、2倍、5倍、10倍及び35倍のズーム率で補正成分をそれぞれ測定することによってテーブルを実現することができる。より高いズーム率で照合マークの正確な位置を探し出す方が簡単なので、処理手順は、好ましくは35倍など最も高いズーム率からスタートする。
【0083】
図11a及び図11bは、カメラ内のハードウェア不整合を補償するための方法を全体的に示す。
【0084】
第1ステップ1100で機械的座標が受け取られ、第2ステップ1102で機械的座標に対応する所定の較正データがメモリから読み取られる。このメモリはカメラ内に備えられてよく、また、前述のように較正データが実現されてよい。
【0085】
次に、第3ステップ1104で、機械的座標及び較正データに基づいて補償された座標が求められる。
【0086】
随意的に、ステップ1106においてズーム位置が受け取られてよく、また、ステップ1108でズーム位置に対応する所定の較正データがメモリから読み取られてよい。次に、ステップ1110で、ズーム位置及び所定の較正データに基づいて補償された座標が求められてよい。
【0087】
随意的に、ステップ1112において、補償された座標がユーザ・インターフェイス装置に伝送されてよく、また、ステップ1114で、補償された座標がユーザ・インターフェイス装置上に示されてよい。
【0088】
随意的に、ステップ1116において、補償された座標が像処理デバイスに伝送されてよく、また、ステップ1118で、像データが像処理デバイスに伝送されてよい。ステップ1120で、像処理デバイスにおいて補償された座標及び像データが処理されてよい。
【0089】
随意的に、ステップ1122においてユーザ・インターフェイス装置からカメラ対象の座標が受け取られてよく、また、ステップ1124でカメラ対象の座標に対応する所定の較正データが読み取られてよい。ステップ1126で、カメラ対象の座標及び所定の較正データに基づいてカメラ対象の機械的座標が実現されてよい。
【0090】
図12は、ハードウェア不整合を補償するための内蔵機能を有するカメラ1200の実施例を全体的に示す。カメラ1200は、光学システム1204を備える操縦部1202及び固定部1206を備える。操縦部1202を制御するために、ステアリング・モータ・システム1208が設けられている。さらに、所定の較正データを備えるメモリ1210、プロセッサ1212及び随意的に送信器1214が設けられている。この特定の実施例では、メモリ1210、プロセッサ1212及び送信器1214は操縦部1202に備えられているが、これらは固定部1206、又は外部モジュールに備えられてもよい。さらに、送信器1214は、ネットワーク・インターフェイス・カードでよい。送信器1214及びプロセッサ1212は単一の同じ集積回路に含まれてよい。
【0091】
図13は、データ・ネットワーク1302、カメラ1304及びユーザ・インターフェイス装置1306を備えるシステム1300を全体的に示す。
【0092】
本発明が、主としていくつかの実施例を参照しながら上記に説明されてきた。しかし、当業者によって容易に理解されるように、添付の特許請求の範囲によって定義される、上記で開示されたもの以外の実施例が本発明の範囲内で等しく可能である。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】PTZ(パン・チルト・ズーム)カメラの実施例を示す図である。
【図2】ドーム・カメラの実施例を示す図である。
【図3a】操縦式カメラを正立位置において全体的に示す図である。
【図3b】操縦式カメラを反転位置において全体的に示す図である。
【図4a】カメラ・ブロックが外された操縦式カメラの実施例を正立位置において示す図である。
【図4b】カメラ・ブロックが外された操縦式カメラの実施例を反転位置において示す図である。
【図4c】カメラ・ブロックが外された操縦式カメラの実施例を正立位置において示す図である。
【図4d】カメラ・ブロックが外された操縦式カメラの実施例を反転位置において示す図である。
【図4e】カメラ・ブロックが外された操縦式カメラの実施例を正立位置において示す図である。
【図4f】カメラ・ブロックが外された操縦式カメラの実施例を反転位置において示す図である。
【図5a】カメラ・ブロックが外された操縦式カメラの別の実施例を正立位置において示す図である。
【図5b】カメラ・ブロックが外された操縦式カメラの別の実施例を反転位置において示す図である。
【図6】光学的不整合のないカメラの側面図である。
【図7】光学的不整合のあるカメラの側面図である。
【図8】較正セットアップの実施例を示す図である。
【図9】理論的中心点、第1位置中心点及び第2位置中心点を含む像を示す図である。
【図10】静的不整合誤差及び動的不整合誤差を示す図である。
【図11a】カメラ内のハードウェア不整合を補償するための方法を示す図である。
【図11b】カメラ内のハードウェア不整合を補償するための方法を示す図である。
【図12】ハードウェア不整合を補償するための内蔵機能を有するカメラを示す図である。
【図13】カメラ及びユーザ・インターフェイス装置を備えるシステムを示す図である。
【符号の説明】
【0094】
100 PTZカメラ
102、202 パン軸
104、204 チルト軸
200 ドーム・カメラ
300、400、416、420、500、600、700、800 カメラ
302 操縦部
304 固定部
306、406、506 取り付けブラケット
308、408、508 パン・ステアリング・モータ
310、410、510 チルト・ステアリング・モータ
312、412、418、422、512、516 カメラ・ブロック
314、414、416、420、514、614、714 光学システム
424 天井
616、716 レンズ
802 照合マーク
900 像
902 基準中心点
904、906 中心点
908 点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステアリング・モータ・システムによって制御される操縦部及び固定部を備えたカメラ内のハードウェア不整合を補償するための方法であって、該方法が、
ステアリング・モータ・システムから機械的座標を受け取るステップであって、前記機械的座標がパン位置及びチルト位置に対応し、前記パン位置及びチルト位置が相補的パン位置及びチルト位置を有するステップと、
前記受け取られた機械的座標に対応する所定の較正データを前記カメラに備わっているメモリから読み取るステップであって、前記所定の較正データが前記パン位置及びチルト位置と前記相補的なパン位置及びチルト位置の関係を説明するステップと、
前記受け取られた機械的座標及び前記所定の較正データに基づいて補償された座標を求めるステップを含む、方法
【請求項2】
前記操縦部が光学ズーム・システムを備えている請求項1による方法において、該方法が、
前記光学ズーム・システムの少なくとも1つのズーム位置を受け取るステップと、
前記少なくとも1つのズーム位置に対応する所定の較正データを前記メモリから読み取るステップと、
前記受け取られた少なくとも1つのズーム位置及び前記所定の較正データに基づいて補償された座標を求めるステップとをさらに含む、方法。
【請求項3】
請求項1又は2による方法において、該方法が、
前記カメラからユーザ・インターフェイス装置に前記補償された座標を伝送するステップと、
前記ユーザ・インターフェイス装置上に前記補償された座標を示すステップをさらに含む、方法。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項による方法において、該方法が、
像処理装置へ像データを伝送するステップと、
前記像データ処理装置に前記補償された座標を伝送するステップと、
前記像データ処理装置内で前記像データ及び前記補償された座標を処理するステップをさらに含む、方法。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項による方法において、該方法が、
カメラ対象の座標を受け取るステップと、
前記受け取られたカメラ対象の座標に対応する所定の較正データを、前記カメラに備わっている前記メモリから読み取るステップと、
前記受け取られたカメラ対象の座標及び前記所定の較正データに基づいてカメラ対象の機械的座標を求めるステップと、
前記求められたカメラ対象の機械的座標によって前記カメラの前記操縦部を動かすステップをさらに含む、方法。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項による方法において、
前記操縦部のパン範囲が180°以上であり、それによって前記操縦部が複数の様々な機械的座標を用いることにより少なくとも1つの視野に達することが可能であり、前記所定の較正データが、1組の前記複数の様々な機械的座標の組合せを有する、方法。
【請求項7】
請求項6による方法において、前記複数の様々な機械的座標が1組の正立の機械的座標及び1組の反転された機械的座標を有する、方法。
【請求項8】
請求項6又は7による方法において、前記所定の較正データが、理論的な値によって前記様々な機械的座標のうちの1つを引くことにより求められた少なくとも1つの差値を有する、方法。
【請求項9】
請求項6から8のいずれか一項による方法において、前記所定の較正データが、前記複数の様々な機械的座標の前記組の中間位置を有する、方法。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一項による方法において、前記ハードウェア不整合が、パン軸及びチルト軸のグループ内の少なくとも1つの軸のまわりの回転によって引き起こされる、方法。
【請求項11】
光学システムを備える操縦部と、
固定部と、
前記操縦部を制御するように構成されたステアリング・モータ・システムと、
所定の較正データを保持するために配置されたメモリと、
前記ステアリング・モータ・システムから機械的座標を受け取るように構成されたプロセッサを備え、
前記機械的座標がパン位置及びチルト位置に対応し、前記パン位置及びチルト位置が相補的パン位置及びチルト位置を有し、前記メモリから所定の校正データを読取り、
前記所定の較正データが前記機械的座標に対応し、
前記所定の較正データが、前記パン位置及びチルト位置と前記相補的パン位置及びチルト位置の間の関係を説明し、前記機械的座標及び前記メモリから読み取った前記所定の較正データに基づいて補償された座標を求めるカメラ。
【請求項12】
請求項11によるカメラにおいて、前記操縦部の前記光学システムが光学ズーム・システムを備え、
前記プロセッサが、前記光学ズーム・システムから少なくとも1つのズーム位置を受け取り、かつ前記少なくとも1つの受け取ったズーム位置及び前記所定の較正データに基づいて補償された座標を求めるようにさらに構成されている、カメラ。
【請求項13】
請求項11又は12によるカメラにおいて、該カメラが、該カメラからユーザ・インターフェイス装置に前記補償された座標を伝送するようにされた送信器をさらに備える、カメラ。
【請求項14】
請求項11から13のいずれか一項によるカメラにおいて、前記送信器が、像処理装置に像データ及び前記補償された座標を送信するようにさらにされている、カメラ。
【請求項15】
請求項11から14のいずれか一項によるカメラにおいて、
前記プロセッサが、カメラ対象の座標を受け取り、前記カメラに備わっている前記メモリから前記受け取られたカメラ対象の座標に対応する所定の較正データを読み取り、かつ前記受け取られたカメラ対象の座標及び前記所定の較正データに基づいてカメラ対象の機械的座標を求めるようにさらに構成され、
前記ステアリング・モータ・システムが、前記求められたカメラ対象の機械的座標によって前記カメラの前記操縦部を動かすように構成されている、カメラ。
【請求項16】
請求項11から15のいずれか一項によるカメラにおいて、前記操縦部のパン範囲が180°以上であり、それによって複数の様々な機械的座標を用いることにより前記操縦部が少なくとも1つの視野に達することが可能であり、前記所定の較正データが前記複数の様々な機械的座標の1組の組合せを有する、カメラ。
【請求項17】
請求項16によるカメラにおいて、前記カメラの前記操縦部のチルト範囲が前記パン軸を含む、カメラ。
【請求項18】
請求項16又は17によるカメラにおいて、前記複数の様々な機械的座標が1組の正立の機械的座標及び1組の反転された機械的座標を有する、カメラ。
【請求項19】
請求項16から18のいずれか一項によるカメラにおいて、前記所定の較正データが、理論的な値によって前記様々な機械的座標のうちの1つを引くことにより求められた少なくとも1つの差値を有する、カメラ。
【請求項20】
請求項16から19のいずれか一項によるカメラにおいて、前記所定の較正データが、前記複数の様々な機械的座標の前記組の中間位置を有する、カメラ。
【請求項21】
請求項11から20のいずれか一項によるカメラにおいて、前記ハードウェア不整合が、パン軸及びチルト軸のグループ内の少なくとも1つの軸のまわりの回転によって引き起こされる、カメラ。
【請求項22】
データ・ネットワークと、
前記データ・ネットワーク及び請求項11から21のいずれか一項による少なくとも1つのカメラに接続されたユーザ・インターフェイス装置とを備えるシステム。
【請求項23】
装置にダウンロードされ実行されたとき請求項1から10のいずれか一項による方法を行うように構成されたソフトウェア命令を含むコンピュータ・プログラム製品。

【図1】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図4a】
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【図4b】
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【図4c】
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【図4d】
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【図4e】
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【図4f】
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【図5a】
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【図5b】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11a】
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【図11b】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2008−245260(P2008−245260A)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−35824(P2008−35824)
【出願日】平成20年2月18日(2008.2.18)
【出願人】(502208205)アクシス アクチボラグ (39)
【Fターム(参考)】