説明

カメラ

【課題】携帯性を損なうことなく、様々な撮影を可能にすることを目的とする。
【解決手段】被写体像を結像するためのレンズ12Aを備えた第1本体14Aと、被写体像を結像するためのレンズ12Bを備えて第1本体14Aよりも小さい第2本体14Bと、を備える。そして、第1本体14Aと第2本体14Bとを回転軸16によって連結して、回転軸16を中心に回転可能にそれぞれ軸支する。これによって回転軸を中心に第1本体14A及び第2本体14Bを相対的に回転することで、広角撮影、立体撮影、及び対面撮影が可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラにかかり、特に、立体撮影や広角撮影等の様々な撮影が可能なカメラに関する。
【背景技術】
【0002】
2つの撮像系を設けてパノラマ画像や立体画像などの様々な画像を撮影するカメラが従来から多く提案されている(例えば、特許文献1〜3)。
【0003】
特許文献1に記載の技術では、単体で撮影装置として機能し得る第1の撮影ユニットに対して、撮影光学系を有する第2の撮影ユニットを、ジョイント及びコネクタにより着脱自在に設けることによって、携帯性を保ちながら、パノラマ画像や立体画像を撮影可能とすることが提案されている。
【0004】
また、特許文献2に記載の技術では、左右に分かれて並設された2つの対物系と、こらら2つの対物系から交互に入射する物体光により形成される光学像を撮影する撮影系と、を双眼鏡型に構成した撮影装置に対して、ある程度の間隔をもって配置されている2つの対物系とこれら対物系よりも像面側に配置される撮影系とによって3方向を囲まれるスペースに、物体距離情報や物体輝度情報等の撮影情報を検出するための撮影情報検出手段を配置することによって、スペースの有効利用を図ることが提案されている。
【0005】
一方、特許文献3に記載の技術では、CCDカメラ及びタッチパネル付きモニタを備えたフリップ部と、CCDカメラを備えた装置本体部とを相互回転可能に連結して、自分の見ている風景と自分の表情を同時に撮影すると共に、装置本体部とフリップ部の位置関係に応じて各種機能を自動的に行う携帯電話が提案されている。
【特許文献1】特開平11−355624号公報
【特許文献2】特開2001−188310号公報
【特許文献3】特開2004−7554号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、立体撮影できるカメラは、特許文献2に記載の技術のような双眼鏡型のカメラが一般的であり、コンパクトなデザインにできない、という問題がある。
【0007】
また、立体撮影できるカメラは、レンズ位置と方向が固定されているものが多く、画角を調整できない場合も多く、特許文献1に記載の技術のように画角調整可能としても、特許文献1に記載の技術では、パノラマ画像や立体画像を撮影する際には別ユニットを装着して撮影するため、様々な撮影を行う際には別ユニットが必要となるので携帯性に欠ける、という問題がある。
【0008】
さらに、特許文献3に記載の技術では、自分の見ている風景と自分の表情を同時に撮影することが提案されているものの、立体撮影やパノラマ撮影までは考慮していない。
【0009】
本発明は、上記問題を解決すべく成されたもので、携帯性を損なうことなく、様々な撮影を可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために本発明は、被写体像を撮影する第1撮影手段を備えた第1本体と、被写体像を撮影する第2撮影手段を備えた第2本体と、前記第1本体と前記第2本体とを相対的に回転可能に連結する連結手段と、を備えることを特徴としている。
【0011】
本発明によれば、第1本体には第1撮影手段が設けられ、第2本体には第2撮影手段が設けられており、第1本体と第2本体とが連結手段によって相対的に回転可能に連結されている。
【0012】
すなわち、連結手段によって第1本体及び第2本体を相対的に回転させることによって、第1撮影手段による撮影方向と第2撮影手段による撮影方向を変更することができ、様々な撮影が可能となる。
【0013】
従って、撮影手段をそれぞれ備えた2つの本体を連結するだけなので、小型化することが可能となり、携帯性を損なうことなく、様々な撮影を可能にすることができる。
【0014】
例えば、連結手段は、広角撮影、立体撮影、及び対面撮影の3種類の撮影モードに変更可能に第1本体と第2本体を連結することで、広角撮影、立体撮影、及び対面撮影の3種類の撮影を行うことが可能となる。この時、連結手段は、第1本体と第2本体とを開閉可能に連結して、第1本体と第2本体が対向する閉じた状態の時に、第1撮影手段と第2撮影手段が対向するように第1撮影手段及び第2撮影手段を配置するようにしてもよい。さらにこの場合には、第1撮影手段は、閉じた状態の時に第2本体から第1本体を突出させた部分に設けて、第2撮影手段は、閉じた状態の時に第1本体を切り欠いた切り欠き部に対応する位置に設けることによって、第1本体と第2本体とを閉じた状態の時に、対面撮影が可能となる。
【0015】
なお、本発明は、第1本体の第1撮影手段が設けられた面と反対側の面に設けられ、各撮影手段の撮影結果を表示する第1表示部と、第2本体の第2撮影手段が設けられた面と反対側の面に設けられ、各撮影手段の撮影結果を表示する第2表示部と、からなる表示手段と、第1撮影手段及び第2撮影手段の各撮影結果に基づいて表示手段に表示する画像を制御する表示制御手段と、を更に備えるようにしてもよい。この時、表示制御部は、第1撮影手段の撮影方向と第2撮影手段の撮影方向が反対方向の場合(すなわち、対面撮影の場合)に、第1撮影手段及び第2撮影手段の各撮影結果を1画面として、第1表示部及び第2表示部の少なくとも一方に表示するように、表示手段を制御するようにしてもよい。
【0016】
また、本発明は、第1撮影手段の撮影方向と第2撮影手段の撮影方向のなす角度を検出する検出手段と、検出手段の検出結果に応じて第1撮影手段及び第2撮影手段の各撮影結果に対する処理を行う処理手段と、を更に備えるようにしてもよい。この時、検出手段の検出結果に基づいて広角撮影か否かを判断する判断手段を更に備え、処理手段が、判断手段によって広角撮影と判断された場合に、第1撮影手段の撮影結果と第2撮影手段の撮影結果を合成するようにしてもよい。
【0017】
さらに、本発明は、第1撮影手段の撮影方向及び第2撮影手段の撮影方向によって定まる撮影モードを判定する判定手段と、連結手段を駆動する駆動手段と、判定手段の判定結果に応じて駆動手段を制御する駆動制御手段と、を更に備えるようにしてもよい。この時、駆動制御手段は、撮影モードのうち立体撮影を行う際に、撮影時のズーム位置に応じて駆動手段を更に制御するようにしてもよい。
【0018】
また、上記目的を達成するために本発明は、被写体を撮影する複数の撮影手段と、複数の撮影手段のそれぞれの撮影方向を変更する変更手段と、を備えることを特徴としている。
【0019】
上記発明によれば、複数の撮影手段による撮影方向を変更手段によって変更することができるので、様々な撮影が可能となる。また、複数の撮影手段と変更手段を備えるだけであるので、小型化することが可能となり、携帯性を損なうことなく、様々な撮影を可能にすることができる。
【0020】
例えば、変更手段は、広角撮影、立体撮影、及び前記複数の撮影手段それぞれが異なる方向を撮影する異方向撮影の3種類の撮影モードとなるように各撮影手段の撮影方向を変更するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0021】
以上説明したように本発明によれば、携帯性を損なうことなく、様々な撮影を可能にすることができる、という効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態の一例を詳細に説明する。なお、本実施の形態はデジタルカメラに本発明を適用したものである。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係わるデジタルカメラの外観を示す図である。
【0023】
本発明の第1実施形態に係わるデジタルカメラ10は、図1(A)、(B)に示すように、被写体像を結像するためのレンズ12Aを備えた第1本体14Aと、被写体像を結像するためのレンズ12Bを備えて第1本体14Aよりも小さい第2本体14Bと、を備えている。すなわち、本実施形態に係わるデジタルカメラ10は2つの撮影系を備えている。
【0024】
第1本体14Aと第2本体14Bは、回転軸16によって連結されて、回転軸16を中心に相対的に回転可能にそれぞれ軸支されている。すなわち、第1本体14Aと第2本体14Bは、図1(A)に示すように、第1本体14Aと第2本体14Bが対向するように折りたたんで各レンズ12A、12Bが異なる方向(反対方向)を向く閉じた状態から、図2(B)に示すように、各レンズ12A、12Bが同一方向を向く開いた状態に回転可能とされている。
【0025】
詳細には、閉じた状態の場合には、第1本体14Aの第2本体14Bより突出している部分にレンズ12Aが設けられている。また、第1本体14Aには、切り欠き部15が設けられており、閉じた状態の時に、第2本体14Bのレンズ12Bの撮影方向が切り欠き部15によって確保されている。すなわち、本実施形態に係わるデジタルカメラ10は、通常の一方向撮影及び対面撮影を行うための閉じた状態(図2(A))、立体撮影を行うための所定角度開いた状態(図2(B))、及び広角撮影を行うための所定角度以上開いた状態(図2(C))の少なくとも3状態に、回転軸16を中心として第1本体14Aと第2本体14Bを相対的に回転可能とされている。
【0026】
また、第1本体14A及び第2本体14Bは、それぞれ撮影によって得られたデジタル画像データにより示される被写体像や各種メニュー画面、メッセージ等を表示するためのディスプレイ(以下、「LCD」という。)20A、20Bが各レンズ12A、12Bとは反対側の面に設けられている。
【0027】
第1本体14Aには、撮影を実行する際にユーザによって押圧操作されるレリーズボタン18Aと、電源スイッチ18Bと、が備えられている。なお、本実施形態に係るレリーズボタン18Aは、中間位置まで押下される状態(以下、「半押し状態」という。)と、当該中間位置を超えた最終押下位置まで押下される状態(以下、「全押し状態」という。)と、の2段階の押圧操作が、内蔵された2つのスイッチにより検出可能に構成されている。
【0028】
そして、本実施形態に係るデジタルカメラ10では、レリーズボタン18Aを半押し状態にすることによりAE(Automatic Exposure、自動露出)機能が働いて露出状態(シャッター速度、絞りの状態)が設定された後、AF機能が働いて合焦制御され、その後、引き続き全押し状態にすると露光(撮影)が行われる。
【0029】
また、第1本体14Aには、静止画像の撮影を行うモードである静止画撮影モード、動画像の撮影を行うモードである動画撮影モード、及び被写体像をLCD20に表示(再生)するモードである再生モードの何れかのモードに設定するためにスライド操作されるモード切替スイッチ18Cと、LCD20の表示領域における上・下・左・右の4方向の移動方向を示す4つの矢印キー及び当該4つの矢印キーの中央部に位置された決定キーの合計5つのキーを含んで構成された十字カーソルボタン18Dと、が備えられている。
【0030】
更に、第1本体14Aには、LCD20にメインメニュー画面を表示する際に押圧操作されるメニューキー18Eと、撮影時に被写体像のズーミング(拡大及び縮小)を行う際に操作されるズームスイッチ18Fと、が備えられている。なお、ズームスイッチ18Fは、同図の‘T’の位置に対応し、かつ被写体像を拡大するときに操作されるテレ・スイッチと、同図の‘W’の位置に対応し、かつ被写体像を縮小するときに操作されるワイド・スイッチと、により構成されている。
【0031】
続いて、本発明の第1実施形態に係わるデジタルカメラ10の電気系の構成について説明する。図3は、本発明の第1実施形態に係わるデジタルカメラ10の電気系の構成を示すブロック図である。
【0032】
図3に示すように、デジタルカメラ10は、上述したレンズ12A、12Bを含んで構成された光学ユニット22A、22Bと、レンズ12A、12Bの各光軸後方に配設された電荷結合素子(以下、「CCD」という。)24A、24Bと、相関二重サンプリング回路(以下、「CDS」という。)26A、26Bと、入力されたアナログ信号をデジタルデータに変換するアナログ/デジタル変換器(以下、「ADC」という。)28A、28Bと、を含んで撮影系が構成されており、CCD24A、24Bの各出力端子はCDS26A、26Bの各入力端子に、CDS26A、26Bの各出力端子はADC28A、28Bの各入力端子に、各々接続されている。すなわち、光学ユニット22A、CCD24A、CDS26A、及びADC28Aによって第1本体14Aに対応する撮影系が構成され、光学ユニット22B、CCD24B、CDS26B、及びADC28Bによって第2本体14Bに対応する撮影系が構成される。
【0033】
CDS26A、26Bによる相関二重サンプリング処理は、固体撮像素子の出力信号に含まれるノイズ(特に熱雑音)等を軽減することを目的として行い、固体撮像素子の1画素毎の出力信号に含まれるフィードスルー成分レベルと画素信号成分レベルとの差をとることにより正確な画素データを得る。
【0034】
一方、デジタルカメラ10は、所定容量のラインバッファを内蔵すると共に入力されたデジタル画像データを後述するVRAM38の所定領域に直接記憶させる制御を行う画像入力コントローラ30と、デジタル画像データに対して各種画像処理を施す画像信号処理回路32と、所定の圧縮形式でデジタル画像データに圧縮処理を施す一方、圧縮処理されたデジタル画像データに伸張処理を施す圧縮・伸張処理回路34と、デジタル画像データにより示される画像やメニュー画面等をLCD20A、20Bに表示させるための信号を生成してLCD20A、20Bに供給する表示制御回路36と、を備えている。なお、画像入力コントローラ30の入力端子はADC28A、28Bの出力端子に接続されている。
【0035】
また、デジタルカメラ10は、デジタルカメラ10全体の動作を司るCPU(中央処理装置)40と、デジタルカメラ10の各種機能を動作させるためのプログラムや設定値等が予め記憶されたROM42と、AF機能を働かせるために必要とされる物理量(本実施形態では、CCD24AまたはCCD24Bによる撮像によって得られた画像の輝度の高周波成分を示すAF評価値。)を検出するAF検出回路44と、AE機能及びAWB(Automatic White Balance)機能を働かせるために必要とされる物理量(本実施の形態では、CCD24AまたはCCD24Bによる撮像によって得られた画像の明るさを示す評価値。)を検出するAE・AWB検出回路46と、を備えている。
【0036】
更に、デジタルカメラ10は、CPU40による各種処理の実行時のワークエリア等として用いられるSDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)により構成されたメモリ48と、主として撮影により得られたデジタル画像データを記憶するVRAM(Video RAM)38と、スマートメディア(Smart Media(登録商標))により構成された記録メディア52をデジタルカメラ10でアクセス可能とするためのメディアコントローラ50と、を備えている。
【0037】
以上の画像入力コントローラ30、画像信号処理回路32、圧縮・伸張処理回路34、表示制御回路36、CPU40、ROM42、AF検出回路44、AE・AWB検出回路46、メモリ48、VRAM38、及びメディアコントローラ50は、各々バス54を介して相互に接続されている。
【0038】
従って、CPU40は、画像入力コントローラ30、画像信号処理回路32、圧縮・伸張処理回路34、及び表示制御回路36の各々の作動の制御と、AF検出回路44及びAE・AWB検出回路46により検出された物理量の取得と、メモリ48及びVRAM38へのアクセスと、メディアコントローラ50を介した記録メディア52へのアクセスと、を各々行うことができる。
【0039】
一方、デジタルカメラ10には、主としてCCD24を駆動させるためのタイミング信号を生成してCCD24に供給するタイミングジェネレータ56が設けられている。当該タイミングジェネレータ56の入力端子はCPU40に、出力端子はCCD24A、24Bに各々接続されており、CCD24A、24Bの駆動は、CPU40によりタイミングジェネレータ56を介して制御される。
【0040】
更に、CPU40はモータ駆動部58の入力端子に接続され、モータ駆動部58の出力端子は光学ユニット22に備えられた焦点調整モータ、ズームモータ及び絞り駆動モータに接続されている。
【0041】
本実施形態に係るレンズ12A、12Bはそれぞれ複数枚のレンズを有し、焦点距離の変更(変倍)が可能なズームレンズとして構成されており、図示しないレンズ駆動機構を備えている。このレンズ駆動機構に上記焦点調整モータ、ズームモータ及び絞り駆動モータは含まれるものであり、焦点調整モータ、ズームモータ及び絞り駆動モータは各々CPU40の制御下でモータ駆動部58から供給された駆動信号によって駆動される。
【0042】
CPU40は、光学ズーム倍率を変更する際にはズームモータを駆動制御してレンズ12の焦点距離を変化させる。
【0043】
また、CPU40は、CCD24による撮像によって得られた画像のコントラストが最大となるように上記焦点調整モータを駆動制御することによって合焦制御を行う。すなわち、本実施の形態に係るデジタルカメラ10では、合焦制御として、読み取られた画像のコントラストが最大となるようにレンズの位置を設定する、所謂TTL(Through The Lens)方式を採用している。
【0044】
更に、上述のレリーズボタン18A、電源スイッチ18B、モード切替スイッチ18C、十字カーソルボタン18D、メニューキー18E及びズームスイッチ18Fを含む操作部18はCPU40に接続されており、CPU40は、これらの操作部18に含まれる各部に対する操作状態を常時把握できる。
【0045】
ところで、本実施形態に係わるデジタルカメラ10は、上述したように、第1本体14Aと第2本体14Bを閉じた状態と開いた状態にすることができ、開いた状態とすることで、立体撮影及び広角撮影が可能であるが、立体撮影と広角撮影を検出するために、第1本体14Aと第2本体14Bの開閉角度を検出する開閉角度センサ60が設けられている。開閉角度センサ60は、第1本体14Aと第2本体14Bとのなす角度を検出することによって、第1本体14Aの撮影系による撮影方向と第2本体14Bの撮影系による撮影方向のなす角度を検出する。
【0046】
また、開閉角度センサ60による検出結果がCPU40に入力されるようになっている。これによってCPU40は、開閉角度検出センサ60によって開いた状態と閉じた状態を検出することができると共に、ROM42に予め立体撮影を行うための開閉角度を記憶しておくことにより、開いた状態の場合に、立体撮影と広角撮影を区別することができる。
【0047】
なお、第1本体14Aと第2本体14Bが閉じた状態の場合には、通常の一方向撮影と対面撮影を行うことが可能であるが、一方向撮影と対面撮影の切り換えは、操作部18を操作することによって設定可能とされている。
【0048】
続いて、上述のように構成された本発明の第1実施形態に係わるデジタルカメラ10で行われる撮影時の処理について説明する。
【0049】
図4は、本発明の第1実施形態に係わるデジタルカメラ10の撮影時の処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、撮影時の処理は、モード切替スイッチ18Cをユーザが操作することにょって静止画撮影モードへ移行した場合に開始する。
【0050】
まず始めにステップ100では、本体が開放されているか否か判定される。該判定は、開閉角度センサ60の検出結果に基づいて、第1本体14Aと第2本体14Bとのなす角度が0より大きいか否かをCPU40が判定することによってなされ、該判定が否定された場合にはステップ102へ移行し、肯定された場合にはステップ108へ移行する。
【0051】
ステップ102では、デジタルカメラ10が図1(A)に示す閉じた状態であるので、対面撮影設定か否か判定される。該判定は、ユーザが操作部18を操作することによって予め対面撮影設定が設定されているか否かをCPU40が判定することによってなされ、該判定が否定された場合にはステップ104へ移行し、肯定された場合にはステップ106へ移行する。
【0052】
ステップ104では、通常撮影モードへ移行してCCD24Aによって得られるスルー画像がディスプレイ20Aに表示されてステップ114へ移行する。すなわち、第1本体14Aのレンズ12Aを介してCCD24Aに結像された画像をディスプレイ20Aに表示するように表示制御回路36がCPU40によって制御される。これによって通常のカメラと同様の撮影が可能となる。なお、ユーザ本人を撮影する本人撮影モード等を設けて操作部18の操作によって設定可能とした場合には、ディスプレイ20Bにスルー画像を表示するようにしてもよい。
【0053】
一方、ステップ106では、対面撮影モードへ移行して複数の撮影系それぞれ個別にディスプレイ20A、20Bにスルー画像が表示されてステップ114へ移行する。すなわち、第1本体14Aが第2本体14Bより大きく、第1本体14Aと第2本体14Bを閉じた状態で第1本体14Aの第2本体14Bから突出している部分にレンズ12Aが設けられているので、第1本体14Aと第2本体14Bが閉じている状態でも第1本体14Aのレンズ12Aを介してCCD24Aに被写体像を結像して撮影することができると共に、第1本体14Aに切り欠き部15が設けられているので、第1本体14Aと第2本体14Bが閉じている状態でも第1本体14Aの切り欠き部15から第2本体14Bのレンズ12Bを介してCCD24Bに被写体像を結像して撮影することができる。なお、ディスプレイ20A、20Bへのスルー画像の表示は、第1本体14Aのレンズ12Aを介してCCD24Aによって得られる画像をディスプレイ20Aに表示して、第2本体14Bのレンズ12Bを介してCCD24Bによって得られる画像をディスプレイ20Bに表示してもよいし、第1本体14Aのレンズ12Aを介してCCD24Aによって得られる画像をディスプレイ20Bに表示して、第2本体14Bのレンズ12Bを介してCCD24Bによって得られる画像をディスプレイ20Aに表示してもよいし、第1本体14Aのレンズ12Aを介してCCD24Aによって得られる画像及び第2本体14Bのレンズ12Bを介してCCD24Bによって得られる画像を一画面として各ディスプレイ20A、20Bに表示するようにしてもよいし、ディスプレイ20A、20Bの全面にCCD24A、24Bのどちらかの一方のCCDによって得られる画像を表示し、図1の点線で示すように、ディスプレイ20A、20Bの一部に他方のCCDによって得られる画像を表示する(ピクチャーインピクチャー)ようにしてもよい。
【0054】
一方、ステップ100の判定が肯定されてステップ108へ移行すると、ステップ108では、第1本体14Aと第2本体14Bのなす角度が所定角度(予め定めた立体撮影を行うための角度)以上か否か判定される。例えば、ROM42に立体撮影を行うための角度を予め記憶しておき、当該角度以上か否かをCPU40が判定する。これによって、立体撮影か広角撮影かを判定し、該判定が否定された場合にはステップ110へ移行し、肯定された場合にはステップ112へ移行する。なお、ステップ108の判定が否定される場合は、立体撮影を行う場合であるが、立体撮影を行うためには、第1本体14Aと第2本体14Bがなす角度が立体撮影を行うための角度である必要があるので、ユーザが角度を調整する必要があるが、手動でユーザが調整して所定角度を開閉角度センサ60が検出した場合に、ユーザに報知(例えば、ディスプレイ20A、20Bに表示したり、音などを発生する等)するようにしてもよい。
【0055】
ステップ110では、立体撮影モードへ移行して複数の撮影系それぞれ個別にディスプレイ20A、20Bにスルー画像が表示されてステップ114へ移行する。すなわち、第1本体14Aのレンズ12Aを介してCCD24Aに結像された画像をディスプレイ20Aに表示し、第2本体14Bのレンズ12Bを介してCCD24Bに結像された画像をディスプレイ20Bに表示する。
【0056】
一方、ステップ112では、広角撮影モードへ移行して、複数の撮影系の画像を合成してスルー画像がディスプレイ20A及びディスプレイ20Bの少なくとも一方に表示されてステップ114へ移行する。なお、各撮影系によって得られる画像が連続性のある開閉角度である場合に、表示制御回路36が各撮影系の画像を合成して表示し、連続性がない開閉角度の場合には、それぞれ個別に表示するようにしてもよいし、連続性が得られるようにズームを自動調整した後に、各撮影系の画像を合成して表示するようにしてもよい。
【0057】
また、以上の処理が行われると、ステップ114では、レリーズボタン18Aが全押し状態にされたか否かCPU40によって判定される。すなわち、ユーザによってレリーズボタン18Aが押圧操作されて撮影指示されたか否か判定され、該判定が否定された場合には、ステップ100に戻って上述の処理が繰り返され、ステップ114の判定が肯定されるとステップ116へ移行する。
【0058】
ステップ116では、各撮影モードに応じて画像記録が行われて一連の撮影時の処理を終了する。例えば、一方向撮影の場合には、第1本体14Aのレンズ12Aを介してCCD24Aに結像された画像が記録され、対面撮影の場合には、第1本体14Aのレンズ12Aを介してCCD24Aに結像された画像、及び第2本体14Bのレンズ12Bを介してCCD24Bに結像された画像がそれぞれ別々に記録され、立体撮影の場合には、第1本体14Aのレンズ12Aを介してCCD24Aに結像された画像、及び第2本体14Bのレンズ12Bを介してCCD24Bに結像された画像が立体画像として記録され、広角撮影モードの場合には、第1本体14Aのレンズ12Aを介してCCD24Aに結像された画像、及び第2本体14Bのレンズ12Bを介してCCD24Bに結像された画像が合成されて広角画像として記録される。
【0059】
このように、本実施形態に係わるデジタルカメラ10では、複数(2つ)の撮影系のレンズ12A、12Bの方向を自由な方向に向けることができるので、第1本体14Aと第2本体14Bを閉じた状態にした場合には、通常の一方向撮影と対面撮影が可能であり、第1本体14Aと第2本体12Bを開いた状態にした場合には、広角撮影と立体撮影が可能となり、1つのカメラで様々な撮影ができる。
【0060】
また、本実施形態に係わるデジタルカメラ10は、第1本体14Aと第2本体14Bを折りたたんで閉じた状態とすることで、通常のカメラと同様に持ち運ぶことができるので、携帯性に損なうことなく様々な撮影を可能にすることができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係わるデジタルカメラについて説明する。
【0061】
第1実施形態では、立体撮影を行う際に、ユーザが手動で第1本体14Aと第2本体414Bの開閉角度を合わせるようにしたが、第2実施形態では、立体撮影時の開閉角度を自動的に調整するものであり、その他の構成は同一であるため相違点のみ説明する。
【0062】
図5は、第2実施形態に係わるデジタルカメラの電気系の構成を示すブロック図である。なお、図5では第1実施形態と同一構成については同一符号で示す。また、外観は第1実施形態と同一である。
【0063】
図5に示すように、第2実施形態に係わるデジタルカメラは、第1実施形態に係わるデジタルカメラに対して、開閉角度調整駆動部62が設けられている。
【0064】
開閉角度調整駆動部62は、CPU40に接続され、CPU40からの指示によって、第1本体14Aと第2本体14Bの開閉角度を駆動する。例えば、モータ等の駆動手段によって第1本体14Aと第2本体14Bの開閉角度を調整するようになっている。
【0065】
本実施形態では、ユーザが第1本体14Aと第2本体14Bを開いた状態にすることによって、第1実施形態と同様に、立体撮影と広角撮影を行うが、立体撮影と広角撮影の区別は、閉じた状態の場合の一方向撮影と対面撮影の区別と同様に、操作部18を操作してユーザが予め設定することによって行う。すなわち、CPU40は、開閉角度検出センサ60の検出結果に基づいて、第1本体14Aと第2本体14Bの開放を検出し、立体撮影が設定されている場合に、第1本体14Aと第2本体14Bが開かれた時に、現在のズーム位置に応じて、第1本体14Aと第2本体14Bの開閉角度が立体撮影するための角度となるように、開閉角度調整駆動部62を制御する。
【0066】
なお、レリーズボタン18Aが半押し状態にされてAE・AF機能が動作した時に、CPU40が、AF機能によって合焦される被写体を対象とした立体撮影を行うための第1本体14Aと第2本体14Bの開閉角度を演算し、演算結果に応じて開閉角度調整駆動部62を制御するようにしてもよい。
【0067】
続いて、本発明の第2実施形態に係わるデジタルカメラで行われる撮影時の処理について説明する。
【0068】
図6は、本発明の第2実施形態に係わるデジタルカメラの撮影時の処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、第1実施形態と同一処理については、同一符号を付して説明する。
【0069】
まず始めにステップ100では、本体が開放されているか否か判定される。該判定は、開閉角度センサ60の検出結果に基づいて、第1本体14Aと第2本体14Bとのなす角度が0より大きいか否かをCPU40が判定することによってなされ、該判定が否定された場合にはステップ102へ移行し、肯定された場合にはステップ105へ移行する。
【0070】
ステップ102では、デジタルカメラ10が図1(A)に示す閉じた状態であるので、対面撮影設定か否か判定される。該判定は、ユーザが操作部18を操作することによって予め対面撮影設定が設定されているか否かをCPU40が判定することによってなされ、該判定が否定された場合にはステップ104へ移行し、肯定された場合にはステップ106へ移行する。
【0071】
ステップ104では、通常撮影モードへ移行してCCD24Aによって得られるスルー画像がディスプレイ20Aに表示されてステップ114へ移行する。すなわち、第1本体14Aのレンズ12Aを介してCCD24Aに結像された画像をディスプレイ20Aに表示するように表示制御回路36がCPU40によって制御される。これによって通常のカメラと同様の撮影が可能となる。なお、ユーザ本人を撮影する本人撮影モード等を設けて操作部18の操作によって設定可能とした場合には、ディスプレイ20Bにスルー画像を表示するようにしてもよい。
【0072】
一方、ステップ106では、対面撮影モードへ移行して複数の撮影系それぞれ個別にディスプレイ20A、20Bにスルー画像が表示されてステップ114へ移行する。すなわち、第1本体14Aが第2本体14Bより大きく、第1本体14Aと第2本体14Bを閉じた状態で第1本体14Aの第2本体14Bから突出している部分にレンズ12Aが設けられているので、第1本体14Aと第2本体14Bが閉じている状態でも第1本体14Aのレンズ12Aを介してCCD24Aに被写体像を結像して撮影することができると共に、第1本体14Aに切り欠き部15が設けられているので、第1本体14Aと第2本体14Bが閉じている状態でも第1本体14Aの切り欠き部15から第2本体14Bのレンズ12Bを介してCCD24Bに被写体像を結像して撮影することができる。なお、ディスプレイ20A、20Bへのスルー画像の表示は、第1本体14Aのレンズ12Aを介してCCD24Aによって得られる画像をディスプレイ20Aに表示して、第2本体14Bのレンズ12Bを介してCCD24Bによって得られる画像をディスプレイ20Bに表示してもよいし、第1本体14Aのレンズ12Aを介してCCD24Aによって得られる画像をディスプレイ20Bに表示して、第2本体14Bのレンズ12Bを介してCCD24Bによって得られる画像をディスプレイ20Aに表示してもよいし、第1本体14Aのレンズ12Aを介してCCD24Aによって得られる画像及び第2本体14Bのレンズ12Bを介してCCD24Bによって得られる画像を一画面として各ディスプレイ20A、20Bに表示するようにしてもよいし、ディスプレイ20A、20Bの全面にCCD24A、24Bのどちらかの一方のCCDによって得られる画像を表示し、図1の点線で示すように、ディスプレイ20A、20Bの一部に他方のCCDによって得られる画像を表示する(ピクチャーインピクチャー)ようにしてもよい。
【0073】
一方、ステップ100の判定が肯定されてステップ105へ移行すると、ステップ105では、立体撮影設定か否かCPU40によって判定される。該判定は、ユーザが操作部18を操作することによって予め立体撮影が設定されているか否かを判定することによってなされ、該判定が肯定された場合にはステップ107へ移行し、否定された場合にはステップ112へ移行する。
【0074】
ステップ107では、現在のズーム位置に応じた立体撮影角度となるようにCPU40によって開閉角度調整駆動部62が制御されてステップ109へ移行する。これによってズーム位置に応じた立体撮影時の開閉角度に自動的に調整される。なお、現在のズーム位置は、例えば、第1本体14Aと第2本体14Bが開放されて直ぐの状態の場合には、予め定めたデフォルトのズーム位置としてもよいし、前回調整されたズーム位置としてもよい。
【0075】
ステップ109では、ズーム操作されたか否か判定される。すなわち、ユーザによってズームスイッチ18Fが操作されてズーム位置が変更されたか否かがCPU40によって判定され、該判定が肯定された場合にはステップ107に戻って、変更されたズーム位置に応じて立体撮影時の開閉角度に自動的に調整され、ステップ107の判定が否定された場合にはステップ110へ移行する。
【0076】
ステップ110では、立体撮影モードへ移行して複数の撮影系それぞれ個別にディスプレイ20A、20Bにスルー画像が表示されてステップ114へ移行する。すなわち、第1本体14Aのレンズ12Aを介してCCD24Aに結像された画像をディスプレイ20Aに表示し、第2本体14Bのレンズ12Bを介してCCD24Bに結像された画像をディスプレイ20Bに表示する。
【0077】
一方、ステップ112では、広角撮影モードへ移行して、複数の撮影系の画像を合成してスルー画像がディスプレイ20A及びディスプレイ20Bの少なくとも一方に表示されてステップ114へ移行する。なお、各撮影系によって得られる画像が連続性のある開閉角度である場合に、表示制御回路36が各撮影系の画像を合成して表示し、連続性がない開閉角度の場合には、それぞれ個別に表示するようにしてもよいし、連続性が得られるようにズームを自動調整した後に、各撮影系の画像を合成して表示するようにしてもよい。

また、以上の処理が行われると、ステップ114では、レリーズボタン18Aが全押し状態にされたか否かCPU40によって判定される。すなわち、ユーザによってレリーズボタン18Aが押圧操作されて撮影指示されたか否か判定され、該判定が否定された場合には、ステップ100に戻って上述の処理が繰り返され、ステップ114の判定が肯定されるとステップ116へ移行する。
【0078】
ステップ116では、各撮影モードに応じて画像記録が行われて一連の撮影時の処理を終了する。例えば、一方向撮影の場合には、第1本体14Aのレンズ12Aを介してCCD24Aに結像された画像が記録され、対面撮影の場合には、第1本体14Aのレンズ12Aを介してCCD24Aに結像された画像、及び第2本体14Bのレンズ12Bを介してCCD24Bに結像された画像がそれぞれ別々に記録され、立体撮影の場合には、第1本体14Aのレンズ12Aを介してCCD24Aに結像された画像、及び第2本体14Bのレンズ12Bを介してCCD24Bに結像された画像が立体画像として記録され、広角撮影モードの場合には、第1本体14Aのレンズ12Aを介してCCD24Aに結像された画像、及び第2本体14Bのレンズ12Bを介してCCD24Bに結像された画像が合成されて広角画像として記録される。
【0079】
このように、本実施形態では、第1実施形態と同様に、複数(2つ)の撮影系のレンズ12A、12Bの方向を自由な方向に向けることができるので、第1本体14Aと第2本体14Bを閉じた状態にした場合には、通常の一方向撮影と対面撮影が可能であり、第1本体14Aと第2本体14Bを開いた状態にした場合には、広角撮影と立体撮影が可能となり、1つのカメラで様々な撮影ができる。更に、第1実施形態と同様に、第1本体14Aと第2本体14Bを折りたたんで閉じた状態とすることで、通常のカメラと同様に持ち運ぶことができるので、携帯性に損なうことなく様々な撮影を可能にすることができる。
【0080】
また、本実施形態では、第1実施形態に対して、立体撮影を行う際に自動的に第1本体14Aと第2本体14Bの開閉角度を調整するので、立体撮影を容易に行うことができる。
【0081】
なお、第2実施形態では、ズームに応じて第1本体14Aと第2本体14Bの開閉角度を自動的に調整するようにしたが、これに限るものではなく、例えば、180度の広角撮影等を設定可能として、180度広角撮影等が設定された場合に、自動的に開閉角度を180度に調整するようにしてもよいし、他の撮影モードにおいて撮影モードで開閉角度が決定される場合には、撮影モードを判定して自動的に撮影モードに応じた開閉角度に調整することが可能である。
【0082】
また、上記の各実施形態では、2つの撮影系を備えて、それぞれの撮影方向を調整可能なように構成したが、撮影系を3つ以上備えるようにしてもよい。ここで、一例として、3つの撮影系を備える場合の例について説明する。
【0083】
図7では、第1本体11A、第2本体11B、及び第3本体11Cを有し、それぞれレンズ12A、12B、12Cを備え、各レンズ12A、12B、12Cに対応して、第1実施形態及び第2実施形態と同様に、CCD、CDS、ADC(図示省略)等の電気系の構成を備えている。
【0084】
第1本体11Aと第2本体11Bは、回転軸16Aによって連結され、回転軸16Aを中心に相対的に回転可能にそれぞれ軸支されている。また、第2本体11Bと第3本体11Cも第1本体11Aと第2本体11Bの連結と同様に、回転軸16Bによって連結され、回転軸16Bを中心に相対的に回転可能にそれぞれ軸されている。そして、第1本体11A、第2本体11B、第3本体11Cが回転軸16A、16Bを中心に回転することによって、3つ折り可能とされている。
【0085】
第1本体11A、第2本体11B、及び第3本体11Cは、図7(C)、(D)に示すように、開いた状態とした時に、各レンズ12A、12B、12Cが同一方向を向く面に各レンズ12A、12B、12Cが設けられており、折りたたんだ状態では、図7(A)に示すように、第1本体11Aと第2本体11Bの各レンズ12A、12Bが異なる方向(反対方向)を向く。
【0086】
また、第1本体11Aと第2本体11Bは、レンズ12A、12Bが設けられた面側にLCD20A、20Bが設けられていると共に、第1本体11Aは、レンズ12Aが設けられた面と反対の面にもLCD20Dが設けられ、第3本体11Cは、レンズ12Cが設けられた面と反対の面にLCD20Cが設けられている。すなわち、図7(A)に示すように、折りたたんだ状態では、第1本体11AのLCD20Aと第2本体11BのLCD20Bが外側となる。
【0087】
このように構成することによって、各本体のレンズをそれぞれ自由な方向に向けることが可能となり、様々な撮影が可能となる。
【0088】
例えば、図7(A)に示すように、3つの本体を折りたたんだ状態では、第1本体11A及び第2本体11Bのレンズ12A、12B及びLCD20A、20Bがそれぞれ外側を向くので、通常の一方向撮影及び対面撮影が可能となる。
【0089】
また、図7(B)に示すように、3つのレンズ12A、12B、12Cがそれぞれ異なる3方向を向くように、各本体を移動するで、360度の広角撮影が可能となる。この時、第1本体11A及び第2本体11BのLCD20A、20Bが外側を向くので、何れか一方または両方にスルー画像を表示することができる。
【0090】
また、図7(C)に示すように、第2本体11Bに対して所定角度(立体撮影するための角度)となるように第1本体11A及び第3本体11Cを調整することによって第1本体11A及び第3本体11Cのレンズ12A、12Cによって立体撮影が可能となる。この時、第1本体11A及び第3本体11CのLCD20D、20Bが各レンズ12A、12Cと反対側の面となるので、第1本体11A及び第3本体11CのLCD20D、20Cにそれぞれのスルー画像を表示することができる。
【0091】
さらに、図7(D)に示すように、第1本体11A、第2本体11B、及び第3本体11Cを直線上あるいは直線上よりも各本体を閉じる方向に移動した位置とすることで、広角撮影が可能となる。この場合には、第1本体11A及び第3本体11CのLCD20D、20Cがレンズ12A、12Cと反対の面となるので、何れか一方または両方にスルー画像を表示することができる。また、各レンズ12A、12B、12Cを介して各CCDに結像された画像に連続性がある場合に、各撮影系によって得られる画像を合成したスルー画像を表示するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】本発明の第1実施形態に係わるデジタルカメラの外観を示す図であり、(A)は第1本体及び第2本体を折りたたんで閉じた状態を示し、(B)は第1本体及び第2本体を開いた状態を示す。
【図2】第1本体及び第2本体の状態を示す図であり、(A)は折りたたんで閉じた状態を示し、(B)は立体撮影を行う開閉角度で開いた状態を示し、(C)は広角撮影を行う開閉角度で開いた状態を示す図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係わるデジタルカメラの電気系の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係わるデジタルカメラの撮影時の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第3実施形態に係わるデジタルカメラの電気系の構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係わるデジタルカメラの撮影時の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図7】3つの撮影系を備えるデジタルカメラの一例を示す図であり、(A)は折りたたんで閉じた状態を示す図であり、(B)は360度の広角撮影を行うように開閉角度を調整した状態を示す図であり、(C)は立体撮影を行う開閉角度に開いた状態を示す図であり、(D)は広角撮影を行う開閉角度(例えば180度)を行う開閉角度に開いた状態を示す図である。
【符号の説明】
【0093】
10 デジタルカメラ
11A、14A 第1本体
11B、14B 第2本体
11C 第3本体
12A、12B、12C レンズ
15 切り欠き部
16 回転軸
18F ズームスイッチ
20A、20B、20C、20D LCD
22A、22B 光学ユニット
24A、24B CCD
26A、26B CDS
28A、28B ADC
36 表示制御回路
40 CPU
42 ROM
60 開閉角度センサ
62 開閉角度調整駆動部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体像を撮影する第1撮影手段を備えた第1本体と、
被写体像を撮影する第2撮影手段を備えた第2本体と、
前記第1本体と前記第2本体とを相対的に回転可能に連結する連結手段と、
を備えたカメラ。
【請求項2】
前記連結手段は、広角撮影、立体撮影、及び第1撮影手段と第2撮影手段がそれぞれ反対側の被写体像を撮影する対面撮影の3種類の撮影モードに変更可能に前記第1本体と前記第2本体とを連結することを特徴とする請求項1に記載のカメラ。
【請求項3】
前記連結手段は、前記第1本体と前記第2本体とを開閉可能に連結し、前記第1本体と前記第2本体が対向する閉じた状態の時に、前記第1撮影手段と前記第2撮影手段が対向するように前記第1撮影手段及び前記第2撮影手段を配置することを特徴とする請求項2に記載のカメラ。
【請求項4】
前記第1撮影手段は、前記閉じた状態の時に前記第2本体から前記第1本体を突出させた部分に設け、前記第2撮影手段は、前記閉じた状態の時に前記第1本体を切り欠いた切り欠き部に対応する位置に設けることを特徴とする請求項3に記載のカメラ。
【請求項5】
前記第1本体の前記第1撮影手段が設けられた面と反対側の面に設けられ、各撮影手段の撮影結果を表示する第1表示部と、前記第2本体の前記第2撮影手段が設けられた面と反対側の面に設けられ、前記撮影手段の撮影結果を表示する第2表示部と、からなる表示手段と、
前記第1撮影手段及び前記第2撮影手段の各撮影結果に基づいて前記表示手段に表示する画像を制御する表示制御手段と、
を更に備えることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載のカメラ。
【請求項6】
前記表示制御手段は、前記第1撮影手段の撮影方向と前記第2撮影手段の撮影方向が反対方向の場合に、前記第1撮影手段及び前記第2撮影手段の各撮影結果を1画面として、第1表示部及び第2表示部の少なくとも一方に表示するように、前記表示手段を制御することを特徴とする請求項5に記載のカメラ。
【請求項7】
前記第1撮影手段の撮影方向と前記第2撮影手段の撮影方向のなす角度を検出する検出手段と、前記検出手段の検出結果に応じて前記第1撮影手段及び前記第2撮影手段の各撮影結果に対する処理を行う処理手段と、を更に備えることを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載のカメラ。
【請求項8】
前記検出手段の検出結果に基づいて広角撮影か否かを判断する判断手段を更に備え、前記処理手段が、前記判断手段によって広角撮影と判断された場合に、前記第1撮影手段の撮影結果と前記第2撮影手段の撮影結果を合成することを特徴とする請求項7に記載のカメラ。
【請求項9】
前記第1撮影手段の撮影方向及び前記第2撮影手段の撮影方向によって定まる撮影モードを判定する判定手段と、前記連結手段を駆動する駆動手段と、前記判定手段の判定結果に応じて前記駆動手段を制御する駆動制御手段と、を更に備えることを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れか1項に記載のカメラ。
【請求項10】
前記駆動制御手段は、前記撮影モードのうち立体撮影を行う際に、撮影時のズーム位置に応じて前記駆動手段を更に制御することを特徴とする請求項9に記載のカメラ。
【請求項11】
被写体を撮影する複数の撮影手段と、
前記複数の撮影手段のそれぞれの撮影方向を変更する変更手段と、
を備えたカメラ。
【請求項12】
前記変更手段は、広角撮影、立体撮影、及び前記複数の撮影手段それぞれが異なる方向を撮影する異方向撮影の3種類の撮影モードとなるように前記撮影方向を変更することを特徴とする請求項11に記載のカメラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−206617(P2007−206617A)
【公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−28437(P2006−28437)
【出願日】平成18年2月6日(2006.2.6)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】