説明

カメラ

【課題】カメラの撮像範囲より広い範囲を複数回に分けて撮影するとき、撮影範囲の設定を容易にする。
【解決手段】所定の撮影範囲を撮影する撮像素子と、撮像素子により撮影された画像を表示する表示部と、撮像素子により撮影された画像を記録する記録手段とを備えたカメラにおいて、第一の撮影範囲が画像として撮影された後、第一の撮影範囲と接する第二の撮影範囲を撮影するとき、記録手段に記録された第一の撮影範囲の画像のうち第二の撮影範囲に接する部分を含む画像が、表示部の一部に表示するカメラ。例えば、第一の撮影範囲から第二の撮影範囲への方向が右又は左方向であるとき、第一の撮影範囲の画像のうちそれぞれ右端又は左端部分を含む画像が、それぞれ表示部の左側又は右側部分に表示され、表示部の第一の撮影範囲の画像が表示されない部分は、撮像素子から出力される画像が表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、CCDのような撮像素子により撮影を行うカメラであって、特に、カメラの撮影範囲より広い範囲を撮影する場合に効率的な撮影が行えるカメラに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、風景や大きな被写体などを撮影するとき、撮影したい範囲がカメラの撮影範囲を超えて広い場合がある。このような場合、撮影者は、撮影したい範囲を、カメラが撮影できるいくつかの範囲に分けて撮影を行い、その後プリントされた写真をつなげることによって、一つの風景又は被写体像などの写真が出来上がる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このように、撮影したい範囲をいくつかの範囲に分けて撮影を行う場合、撮影者は、まず、最初の撮像範囲を撮像する。そして、次の範囲を撮像するとき、撮影者は、次の撮影範囲を、例えば最初の撮影範囲と上下左右方向のいずれかに接する範囲に設定する必要がある。そして、さらに次の撮影を行う場合も、同様に、その撮影範囲が前回の撮影範囲と接するように、撮影範囲を設定する必要がある。
【0004】
しかしながら、撮影者は、次の撮影を行うとき、前回の撮影範囲を確認することができないので、次の撮影範囲が、前回の撮影範囲と隣接せず、撮影しない範囲が生じてしまう場合がある。また、次の撮影範囲が前回の撮影範囲の例えば左側であるような場合、カメラを左方向に移動させたとき、カメラが上下方向にずれたり又は回転ずれを起こすおそれがある。このような場合、撮影された複数の画像がつながらず、一つの画像とすることができない。
【0005】
また、上記のように、撮影しない範囲が生じるのを防ぐため、撮影者は、次の撮影範囲の一部を前回の撮影範囲と重なるように撮影する場合がある。この場合においても、前回の撮影範囲が確認できないので、撮影者は確実に重なっている範囲を確保するため、重なる範囲が大きくなる傾向があり、効率的な撮影が行えない。
【0006】
そこで、本発明の目的は、カメラの撮像範囲より広い範囲を複数回に分けて撮影するとき、それぞれの撮影範囲の設定を容易にし、効率的に撮影することができるカメラを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための本発明の第一の構成は、所定の撮影範囲を撮影する撮像素子と、該撮像素子により撮影された画像を表示する表示部と、該撮像素子により撮影された画像を記録する記録手段とを備えたカメラにおいて、第一の撮影範囲が画像として撮影された後、該第一の撮影範囲と接する第二の撮影範囲を撮影するとき、該記録手段に記録された該第一の撮影範囲の画像のうち該第二の撮影範囲に接する部分を含む画像が、前記表示部の一部に表示されることを特徴とするカメラである。
【0008】
本構成によれば、第一の撮影範囲のうち第二の撮影範囲と接する部分が表示部に表示されるので、第二の撮影範囲を容易に設定することが可能となる。
【0009】
また、本発明の第二の構成は、上記第一の構成において、前記第一の撮影範囲から前記第二の撮影範囲への方向が右又は左方向であるとき、前記第一の撮影範囲の画像のうちそれぞれ右端部分又は左端部分を含む画像が、それぞれ前記表示部の左側部分又は右側部分に表示されることを特徴とするカメラである。
【0010】
本構成によれば、撮影が左右方向に行われるときに、第一の撮影範囲と第二の撮影範囲がつながるようにそれぞれの画像が表示部に表示される。
【0011】
また、本発明の第三の構成は、上記第一の構成において、前記第一の撮影範囲から前記第二の撮影範囲への方向が上又は下方向であるとき、前記第一の撮影範囲の画像のうちそれぞれ上端部分又は下端部分を含む画像が、それぞれ前記表示部の下側部分又は上側部分に表示されることを特徴とするカメラである。
【0012】
本構成によれば、撮影が上下方向に行われるときに、第一の撮影範囲と第二の撮影範囲がつながるようにそれぞれの画像が表示部に表示される。
【0013】
また、本発明の第四の構成は、上記第一乃至第三いずれかの構成において、前記表示部のうち前記第一の撮影範囲の画像が表示されていない部分には、前記撮像素子から出力される画像が表示されることを特徴とするカメラである。
【0014】
本構成によれば、撮像素子から出力される画像と第一の撮影範囲とをぴったりつなげることによって、第二の撮影範囲を容易に設定することが可能となる。
【0015】
また、本発明の第五の構成は、上記第一乃至第三いずれかの構成において、前記撮像素子から出力される画像が前記表示部全体に表示され、前記表示部のうち前記第一の撮影範囲の画像が表示されている部分では、前記撮像素子から出力される画像は、半透明画像として表示されることを特徴とするカメラである。
【0016】
本構成によれば、第一の撮影範囲の画像と半透明画像をぴったり重ねることによって、第二の撮影範囲を設定することが可能となる。
【0017】
また、本発明の第六の構成は、上記第一乃至第五いずれかの構成において、前記第一の撮影範囲から前記第二の撮影範囲への方向を入力する入力手段を備えることを特徴とするカメラである。
【0018】
また、本発明の第七の構成は、所定の撮影範囲を撮影する撮像素子と、該撮像素子により撮影された画像を表示する表示部と、該撮像素子により撮影された画像を記録する記録手段とを備えたカメラにおいて、第一の撮影範囲が画像として撮影された後、該第一の撮影範囲と接する第二の撮影範囲を撮影するとき、前記第一の撮影範囲から前記第二の撮影範囲への方向を入力する入力手段を備えることを特徴とするカメラである。
【0019】
これら第六及び第七の構成によれば、第一の撮影範囲から第二の撮影範囲へ方向を任意に設定することが可能となる。
【0020】
さらに、本発明の第八の構成は、所定の撮影範囲を撮影する撮像素子と、該撮像素子により撮影された画像を表示する表示部と、該撮像素子により撮影された画像を記録する記録手段とを備えたカメラにおいて、該記録手段に記録された一の画像が該表示部に表示され、さらに、該撮像素子から出力された画像が、該表示部に半透明画像として該一の画像と重ねて表示されることを特徴とするカメラである。
【0021】
本構成によれば、すでに撮影され且つ記録された画像が表示され、その画像と、撮像素子からの画像とを比較することが可能となる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、カメラの撮影範囲より広い範囲を複数回に分けて撮影を行うとき、前回の撮影範囲のうち次の撮影範囲と接する部分がカメラの表示部に表示される。従って、前回の撮影範囲と次の撮影範囲がぴったりつながるように各撮影における撮影範囲を設定することができるので、撮影範囲がずれたり、撮影されない範囲が生じることが防止される。さらに、隣り合う撮影範囲の重なる範囲が大きくなることも防止され、効率的な撮影を行うことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態について説明する。しかしながら、本発明の技術的範囲がこの実施の形態に限定されるものではない。
【0024】
図1は、本発明の実施の形態におけるカメラのブロック構成図である。図1において、撮影レンズ1を通過する撮影対象物からの光は、複数のCCD(電荷結合素子)が二次元に配置されたエリアCCDセンサ(以下CCDという)2によって受光される。CCD2は、CCD駆動部3によって駆動される。CCD2から出力された電気信号はA/D変換回路4に入力され、そこで、デジタル信号に変換される。さらに、そのデジタル信号は、画像処理部5において画像データとして処理され、画像データ記録手段であるメモリ6に記録される。メモリ6は、内部メモリ又はメモリカードのような外部メモリのどちらであってもよい。
【0025】
画像処理部5によって画像処理された画像データはD/A変換回路7によってアナログ信号に変換される。そして、アナログ信号は、例えば液晶モニタのような表示部9を駆動する表示駆動部8を介して画像として表示される。
【0026】
さらに、本カメラはマイクロコンピュータ10を備えている。マイクロコンピュータ10は、撮像者がカメラ操作部11から入力する操作信号に基づいて、撮影距離及び露出などの演算を行い、撮影制御を行う。
【0027】
図2は、上述のような撮影制御が行われるカメラ本体の背面を示す図である。図2によれば、カメラ本体の背面には、液晶モニタのような表示部9及びカメラ操作部11の一部であって、後述するパノラマモードボタン111、方向設定ボタンが112、さらには、レリーズボタン113が設けられている。
【0028】
このようなカメラにおいて、カメラの撮影範囲より広い範囲を複数回に分けて撮影する場合(以下「パノラマ撮影」と称する)の本発明の実施の形態を図3を用いて説明する。
【0029】
図3(a)に示されるように、カメラの撮影範囲(点線部a又はb)より広い範囲Aを撮影する場合、まず最初に撮影範囲aが撮影される。そして、次に、カメラを左方向に向けて撮影範囲bが撮影される。このとき、表示部9には、図3(b)における点線部cに示される範囲の画像が表示される。即ち、表示部9の右半分の画像c1には、最初の撮影範囲aの左半分が表示され、表示部9の左半分の画像c2には、現在CCD2によって撮影されている画像、即ち、撮影範囲bの右半分の画像が表示される。
【0030】
撮影者は、前回撮影された画像を見ながら、図3(c)に示すように、表示部9の右半分の画像c1と左半分の画像c2がつながるように次の撮影範囲bを設定し、撮影する。このように、撮影者は、次の撮影を行うとき、前回の撮影範囲aを確認しながら、次の撮影範囲bを設定することができる。従って、前回の撮影範囲aと次の撮影範囲bがぴったりつながるように各撮影における撮影範囲を設定することができるので、カメラの撮影範囲より広い範囲を複数回に分けて撮影する場合に、撮影されない範囲が生じたり、重なる範囲が大きくなるような撮影が行われることが防止される。
【0031】
表示部9における前回の画像と次の画像の表示形態は、上述のように、前回の画像の左半分と次の画像の右半分を表示する場合に限られず、様々な表示方法が想定される。
【0032】
例えば、図4に示すように、前回の撮影範囲aの画像の左端部分を表示部9の右端部分c3に表示し、表示部9のその他の部分c4には、図3(a)に示す次の撮影範囲bのほぼ全体が表示されてもよい。また、表示部9の部分c4に次の撮影範囲b全体が表示されるように、CCD2からの画像を所定の倍率に縮小して表示してもよい。この場合は、表示部9の左端部分c3に表示される画像も同じ倍率で縮小されて表示される。
【0033】
また、図3(a)に示す前回の撮影範囲aに対する次の撮影範囲bの方向は、上述のように左方向に限られず、右方向又は上下方向であってもよい。例えば、最初に撮影範囲bが撮影され、次に撮影範囲aが撮影されるとき、例えば図5に示すように、表示部9に表示されている点線部cの範囲には、撮影範囲bの画像の右端部分の画像が点線部cの左端部分c5に表示され、その他の部分c6には、撮影範囲aの画像が表示される。
【0034】
また、撮影方向が上(又は下)方向である場合は、上述と同様に、前回の撮影範囲の上(又は下)端部分を含む画像が、表示部9の下(又は上)部分に表示される。
【0035】
図6は、本発明の実施の形態におけるパノラマ撮影の撮影制御をより詳細に説明するためのフローチャートである。本発明の撮影制御は、上記図2に示されるパノラマモードボタン121によってパノラマモードが選択されることによって開始される。
【0036】
ステップS1において、撮影者は、まず、レリーズボタン113を半押しする。そうすると、ステップS2において、この撮影が、パノラマモードが選択された後の一枚目の撮影か否かが判断される。パノラマモードが選択された後に行われた撮影枚数nは、上記マイクロコンピュータ10によってカウントされる。また、レリーズボタン113が半押しされると、カメラが有するオートフォーカス機能によって被写体との合焦制御も行われる。
【0037】
パノラマ撮影における一枚目(n=1)の撮影である場合、上記表示部9全体に、CCD2が取り込んでいる画像が表示される(ステップS3)。そして、撮影者は、所定の撮影範囲を選択する。即ち、撮影者は、表示部9に図3における撮影範囲aの画像が表示されるようにカメラを操作する。そして、表示部9に撮影範囲aの画像が表示されると、レリーズボタン113が全押しされる(ステップS4)。これによって、一枚目の撮影が行われる(ステップS5)。撮影された画像データは、上記メモリ6に記録される(ステップS6)。このとき、記録された画像データの焦点距離情報、合焦点情報、ホワイトバランス情報、露出情報などの撮影条件も画像データのヘッダ情報として同時に記録される(ステップS7)。
【0038】
そして、ステップS8において、パノラマモード撮影における何枚目の撮影であるかを識別するため、撮影枚数nに1が加えられる(ステップS8)。
【0039】
ステップS9において、撮影がさらに続けられる場合、ステップS1に戻る。そして、レリーズボタン113が半押しされると、ステップS2において、撮影枚数nが識別される。この場合は、上記ステップS8において、撮影回数nに1が加えられ、撮影回数nは2であるため、ステップS10に進む。
【0040】
ステップS10においては、上記図3(b)又は(c)に示したように、一枚目の画像の左側半分が表示部9の右側半分に表示される。そして、表示部9の左側半分には、CCD2が撮影している画像の右側半分が表示される。
【0041】
撮影者は、表示部9に左半分に表示された前回の画像を見ながら、表示部9の右半分に表示されている画像が前回の画像とつながるように調整する。このとき、所定のズーム操作によって、図7に示すように、前回の画像の右端部分と次の画像の左端部分が表示部9に拡大表示されてもよい。即ち、ステップS11において、所定のズーム操作が行われると、前回の画像の右端部分と次の画像の左端部分が同倍率で電子ズームされる(ステップS12)。これにより、撮影者は、次の撮影による画像がより正確に前回の撮影による画像とつながるように、次の撮影の撮影範囲を調整することができる。
【0042】
撮影範囲が設定されると、ステップS13においてレリーズボタン113が全押しされる。レリーズボタン113が全押しされると、パノラマモードにおける各撮影を同一条件にて行うために、上記一枚目の撮影時に記憶された一枚目の画像と同じ撮影条件による撮影が行われる(ステップS14)。即ち、一枚目の画像と同じ焦点距離、ホワイトバランス、露出条件での撮影が行われる。
【0043】
そして、ステップS15において、撮影された画像の画像データは、前回の画像の画像データと関連づけられて、メモリ6に記憶される。具体的には、撮影された画像の画像データのヘッダ情報には、上述の撮影条件に加えて、前回の画像との位置関係情報が記録される。さらに詳しくは、撮影された画像の撮影範囲は、前回の画像の撮影範囲の右側に接する範囲であることが位置関係情報として画像データのヘッダ情報に記録される。
【0044】
この前回の画像に対する位置関係情報は、図2に示すカメラ本体に設けられた方向設定ボタン112によって、上下左右方向を設定することによって入力される。位置関係情報は、各撮影ごとに入力されてもよいし、一旦ある方向が入力されたら、異なる方向が設定されるまで、その一旦入力された方向に設定されるようにしてもよい。
【0045】
図6に戻ると、ステップS15において、二枚目の画像データが記録されると、ステップS8において、撮影回数nがカウントされ、ステップS9において、さらに撮影が行われる場合は、ステップS1に進み、三枚目以降の撮影が上述のステップS10乃至ステップS15に従って行われる。
【0046】
図8は、本発明の別の実施の形態を示す図である。図8(a)によれば、撮影したい範囲Aは、カメラの撮影範囲である撮影範囲a及び撮影範囲bに分けて撮影される。そして、本実施の形態においては、次の撮影範囲bの右端部分が前回の撮影範囲aの左端部分と重なるように設定される。
【0047】
即ち、図8(b)に示すように、CCD2からの画像である次の撮影範囲bが表示部9に表示されるとき、表示部9の右端部分には前回の撮影範囲aの左端部分が表示される。このとき、表示部9に表示されているCCD2からの画像のうち、前回の撮影範囲aの左端部分と重なり合う部分は、透明度が例えば約50%の半透明表示として合成表示される。
【0048】
これにより、撮影者は、表示部9に表示されるCCD2からの画像の右端部分が、前回の撮影範囲aの左端部分と重なるように次の撮影範囲bを調整することにより、容易に次の撮影範囲bを設定することが可能となる。
【0049】
また、本発明の更なる別の実施の形態によれば、360度撮影を行う場合に、所定の操作を行うことで、最初の撮影画像が表示部9の左(右)半分(次の撮影を左(右)方向に行う場合)に表示される。例えば、図9(a)に示すように、撮影範囲D1からD2、D3へと左回りに360度撮影を行う場合、最後の撮影範囲Dnの左端部分は、最初の撮影範囲D1 の右端部分とつながるか、又は重なる必要がある。従って、撮影範囲Dnの撮影を行う際、最初の撮影の撮影範囲D1を確認する必要がある。
【0050】
従って、図9(b)に示すように、例えば、表示部9の左半分に撮影範囲D1の画像を表示することによって、最後の撮影範囲Dnの画像が撮影範囲D1の画像まで達したか否かを確認することができる。
【0051】
また、上記本発明の実施の形態において撮影された各画像の画像データは、記録手段6から読み出され、再生表示することが可能である。このとき、パノラマモードにより撮影された複数の画像データを読み出し、さらに、所定の倍率で縮小して、パノラマ撮影された範囲全体を表示部9に表示させてもよい。また、例えば、撮影された画像が撮影された順に左(右)から右(左)又は上(下)から下(上)へパンするように再生表示させてもよい。
【0052】
また、上述の本発明の実施の形態において、図1における画像処理部5は、例えば図3(c)に示すように、前回の撮影範囲aと次の撮影範囲bがぴったりつながったこと、又は図8(b)における前回の撮影範囲aと次の撮影範囲bの重なり部分がぴったり重なったことを検出する画像解析機能を備えてもよい。そして、さらに、画像処理部5によってこれらが検出されたとき、マイクロコンピュータ10の制御に基づいて、自動的にレリーズボタン113が全押しされて撮影が行われてもよい。
【0053】
また、パノラマ撮影を行うときの二枚目以降の撮影の際、上述の本発明の実施の形態のように、前回の撮影範囲における次の撮影範囲に接する部分を表示部9に表示させずに、二枚目以降の撮影範囲を設定し、上記方向設定ボタン122により、単に前回の撮影範囲との位置関係情報だけをヘッダ情報に記憶させてもよい。このような場合は、記録手段6に記録された画像データを例えばパーソナルコンピュータに取り込み、その位置関係情報に基づいて、所定の画像処理を施すことによって、自動的に複数の画像をつなげることが可能となる。
【0054】
さらに、本発明の実施の形態におけるカメラは、すでに撮影されたある画像が表示部9全体に再生表示されたとき、CCD2からの画像を表示部9全体に半透明で表示し、すでに撮影された画像とCCD2からの画像を重ね合わせて表示することも可能である。これにより、例えば、すでに撮影されたある画像を表示部9に再生表示し、さらに、その画像と同じ撮影範囲をCCD2によって撮像し、CCD2からの画像を半透明で表示部9に表示することにより、撮影範囲内にある被写体の動きなどを確認することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の実施の形態におけるカメラのブロック構成図である。
【図2】本発明のカメラ本体の背面を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態における撮影範囲及びカメラの表示部に表示される画像を示す図である。
【図4】図3と別のカメラの表示部の表示形態の例を示す図である。
【図5】撮影方向が図4の場合と反対であるときのカメラの表示部の表示形態の例を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態のカメラの撮影制御を示すフローチャートである。
【図7】カメラの表示部の画像が拡大表示された場合の図である。
【図8】本発明の別の実施の形態における撮影範囲及びカメラの表示部に表示される画像を示す図である。
【図9】本発明の更なる別の実施の形態おける撮影範囲及びカメラの表示部に表示される画像を示す図である。
【符号の説明】
【0056】
2 エリアCCDセンサ
5 画像処理部
6 メモリ
9 表示部
10 マイクロコンピュータ
11 カメラ操作部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の撮影範囲を撮影する撮像素子と、該撮像素子により撮影された画像を表示する表示部と、該撮像素子により撮影された画像を記録する記録手段とを備えたカメラにおいて、
第一の撮影範囲が画像として撮影された後、該第一の撮影範囲と接する第二の撮影範囲を撮影するとき、
前記第一の撮影範囲から前記第二の撮影範囲への方向を入力する入力手段を備えることを特徴とするカメラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−53775(P2007−53775A)
【公開日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−238636(P2006−238636)
【出願日】平成18年9月4日(2006.9.4)
【分割の表示】特願平9−245330の分割
【原出願日】平成9年9月10日(1997.9.10)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】