説明

コンバインの操作装置

【課題】作業クラッチを入り操作すればエンジンが自ずと増速されるものでありながら、作業クラッチを切り操作した後のエンジン調速手間を不要にできるようにする。
【解決手段】クラッチ操作装置による作業クラッチの入り操作に伴い、構成体が揺動操作体69を正回転方向に揺動操作して揺動操作体69が操作部70を移動操作する。このとき、エンジン回転数が設定低回転域にあると、エンジンが設定高回転数に増速するよう操作部70が調速装置構成体60を押圧移動操作する。クラッチ操作装置による作業クラッチの切り操作に伴い、操作装置構成体が揺動操作体69を逆回転方向に揺動操作して揺動操作体69が操作部70を移動操作し、エンジンに設定高回転数を維持させるよう操作部70が調速装置構成体60から離間する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業クラッチを切り換え操作する人為操作自在な操作具を有したクラッチ操作装置と、エンジンの回転数を調節する人為操作自在なエンジン調速操作装置とを備えたコンバインの操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
コンバインの操作装置として、従来、たとえば特許文献1に示されたものがあった。
特許文献1に示された操作装置は、脱穀クラッチレバーと、エンジンの調速レバーを操作ワイヤを介して操作するアクセルレバーと、前記操作ワイヤを前記脱穀クラッチレバーに連係させる連係機構とを備えている。
前記連係機構は、脱穀クラッチレバーの支軸に揺動自在に支持された揺動アームと、この揺動アームに設けた連係ピンと、前記操作ワイヤのインナワイヤに固定された固定部材と、この固定部材と前記連係ピンとの間に配置して前記インナワイヤに外嵌されたコイルバネとを備えている。揺動アームは、ノブ付きボルトによって脱穀クラッチレバーに連結されることにより、支軸の軸芯まわりに脱穀クラッチレバーと一体に揺動する。連係ピンは、前記インナワイヤが挿通した状態になっている。
つまり、脱穀クラッチレバーが切り位置から入り位置に操作されると、エンジン回転数が定格回転数よりも低い場合、前記連係機構の作用により、調速レバーが脱穀クラッチレバーの操作に連動してアクセルレバーの操作位置に応じた設定位置から定格位置に切り換え操作される。調速レバーは、定格位置になると、エンジンを定格回転させる。
【0003】
【特許文献1】特開2002−101738号公報(段落〔0061〕−〔0063〕、図18−20)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
コンバインにおいて、作業クラッチを入り状態に切り換え操作して作業部を駆動させても、作業部が低回転数になっていると、脱穀装置では扱き不足が発生するなど、作業不良が発生する。上記した従来の技術を採用すれば、作業クラッチを入り状態に切り換え操作されると、このとき作業部が低回転数になっていても、エンジンの増速操作が自ずと行われ、作業部が適切な回転数で駆動されるものを得られる。また、作業時におけるエンジンの増速忘れを防止することができるものを得られる。
【0005】
上記の従来技術を採用した場合、たとえば作業を終えたり中断したりした後、エンジン調速の手間が掛かりがちになっていた。
つまり、作業部を停止させるよう作業クラッチを切り状態に切り換え操作すると、エンジンが自ずと減速される。このため、作業を終了や中断して機体を圃場や路上で移動走行させる場合や、穀粒タンクから脱穀粒を排出する場合、作業クラッチを切り操作した後、エンジンを移動走行や排出装置駆動のための回転数に増速させる調速手間が必要になっていた。
【0006】
本発明の目的は、作業クラッチを入り操作すればエンジンが自ずと増速されるものでありながら、作業クラッチを切り操作した後のエンジン調速手間を不要にしたり少なく済ませたりすることができるコンバインの操作装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本第1発明は、作業クラッチを切り換え操作する人為操作自在な操作具を有したクラッチ操作装置と、エンジンの回転数を調節する人為操作自在なエンジン調速操作装置とを備えたコンバインの操作装置において、
前記クラッチ操作装置を構成する回動自在な操作装置構成体に連動された揺動操作体と、前記エンジン調速操作装置を構成する揺動自在な調速装置構成体をこれに当接して移動操作する操作部とを備え、
前記クラッチ操作装置による作業クラッチの入り操作に伴い、前記操作装置構成体が前記揺動操作体を正回転方向に揺動操作して前記揺動操作体が前記操作部を移動操作し、エンジン回転数が設定低回転域にあると、エンジンが設定高回転数に増速するよう前記操作部が前記調速装置構成体を押圧移動操作するように構成し、
前記クラッチ操作装置による作業クラッチの切り操作に伴い、前記操作装置構成体が前記揺動操作体を逆回転方向に揺動操作して前記揺動操作体が前記操作部を移動操作し、エンジンに前記設定高回転数を維持させるよう前記操作部が前記調速装置構成体から離間するように構成してある。
【0008】
本第1発明の構成によると、操作具が操作されると、クラッチ操作装置が作業クラッチを入り状態に切り換え操作する。これに伴い、クラッチ操作装置を構成している操作装置構成体が揺動操作体を正回転方向に揺動操作し、揺動操作体が操作部を移動操作する。このとき、エンジン回転数が設定低回転域になっていても、操作部が調速操作装置を構成する調速装置構成体に当接してこれを移動操作し、エンジン調速操作装置がエンジンを設定高回転数に増速操作する。一方、操作具が操作されてクラッチ操作装置が作業クラッチを切り状態に切り換え操作する場合、前記操作装置構成体が揺動操作体を逆回転方向に揺動操作し、揺動操作体が操作部を移動操作して操作部が前記調速装置構成体から離間し、エンジン調速操作装置がエンジンを設定高回転数に維持する。
【0009】
これにより、作業クラッチを入り状態に切り換え操作すれば、エンジンが設定低回転域にあっても自ずと増速操作され、作業部を作業に必要な回転数で駆動させながら作業することができる。それでありながら、作業クラッチを切り状態に切り換え操作しても、エンジンが作業部駆動時の回転数に維持される。このため、作業部を停止させた後において、エンジンを調速せずとも、調速の必要があっても調速量がわずかな調速を行うだけで、移動走行や穀粒排出などに適切なエンジン回転数を得て、移動走行や穀粒排出などの作業後行程に速やかに移ることができる。
【0010】
本第2発明は、本第1発明の構成において、前記操作部は、前記調速装置構成体及び前記揺動操作体と別体に構成されるとともに前記揺動操作体に当接する受動部を備え、前記受動部は、前記クラッチ操作装置による作業クラッチの入り操作に伴って前記揺動操作体に当接してこの揺動操作体による操作力を受けるように、かつ、前記作業クラッチが入り状態に切り換わるとともにエンジンが前記設定高回転数に増速した後に前記揺動操作体から離間するように構成してある。
【0011】
本第2発明の構成によると、操作具が操作されると、クラッチ操作装置が作業クラッチを入り状態に切り換え操作する。この際、クラッチ操作装置の操作装置構成体によって正回転方向に揺動操作される揺動操作体が操作部の受動部に当接して操作部を揺動操作する。このとき、エンジン回転数が設定低回転域にあっても、操作部がエンジン調速操作装置の調速装置構成体に当接してこの調速装置構成体を押圧移動操作し、エンジン調速操作装置がエンジンを設定高回転数に増速操作する。
【0012】
このように作業クラッチが入り状態に切り換えられるとともにエンジンが設定高回転数に増速操作されると、この後、操作部の受動部が揺動操作体から外れて操作部が揺動操作体による移動規制を受けない状態になり、調速装置構成体は、操作部による移動規制を受けず、減速側に移動操作できる状態になる。この結果、エンジン調速操作装置の人為操作によってエンジンを設定高回転数よりも減速側に調速操作することが可能になる。
【0013】
これにより、作業クラッチの入り状態への切り換え操作によってエンジンが設定高回転数に自ずと増速操作された後においても、必要に応じ、人為的にエンジンを設定高回転数よりも減速した状態に調速することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施例に係るコンバインの全体側面図である。この図に示すように、本実施例に係るコンバインは、左右一対のクローラ式走行装置1,1によって自走し、かつ、運転座席2が装備された運転部を有した走行機体と、この走行機体の機体フレーム3の前部に連結された刈取り部4と、前記機体フレーム3の後部側に走行機体横方向に並べて設けた脱穀装置5と穀粒タンク6とを備えている。
【0015】
このコンバインは、稲、麦などを収穫するものである。すなわち、刈取り部4は、刈取り部フレーム4aが油圧シリンダ7によって機体フレーム3に対して上下に揺動操作されることにより、刈取り部4の前端部に刈取り部横方向に並んで位置する複数の分草具4bが地面付近に下降した下降作業状態と、前記分草具4bが地面から上昇した上昇非作業状態とに昇降する。刈取り部4を下降作業状態にして走行機体を走行させると、刈取り部4は、刈り取り対象の複数の植付け条に位置する植立穀稈を対応する前記分草具4bによって隣りの植付け条の植立穀稈と分草し、各分草具4aからの植立穀稈を対応した引起し装置4cによって引起し処理するとともに一つのバリカン形の刈取り装置4dによって刈取り処理し、刈取り装置4dからの刈取り穀稈を搬送装置4eによって走行機体後方向きに搬送して脱穀装置5の脱穀フィードチェーン5aの始端部に供給する。脱穀装置5は、脱穀フィードチェーン5aによって刈取り穀稈の株元側を挟持して走行機体後方向きに搬送しながら穂先側を扱室(図示せず)に供給し、刈取り穀稈を回動する扱胴(図示せず)によって脱穀処理する。穀粒タンク6は、脱穀装置5から搬送された脱穀粒を回収して貯留する。穀粒タンク6は、貯留した脱穀粒を排出するオーガ形の排出装置8を備えている。
【0016】
前記走行機体は、前記運転座席2の下方に設けたエンジン10を備えている。図2は、前記エンジン10の駆動力を伝達する伝動装置の概略図である。この図に示すように、前記伝動装置は、エンジン10の出力軸10aからの出力を、脱穀クラッチ14を介して脱穀装置5の入力軸5bに伝達する。前記伝動装置は、エンジン10の出力軸10aからの出力を、ベルトテンションクラッチでなる主クラッチ11を介して走行ミッション12の入力軸13に伝達し、この入力軸13の駆動力を刈取り副変速装置15に伝達し、この刈取り副変速装置15の出力軸16からの出力を、刈取りクラッチ17を介して刈取り部4の入力軸4fに伝達する。
【0017】
前記走行ミッション12は、前記入力軸13がポンプ軸となっている静油圧式無段変速装置18(以下、HST18と略称する。)と、このHST18からの出力を高速と低速との二段階に変速する副変速装置19とを備えている。この副変速装置19は、これの出力を左右一対のクローラ走行装置1,1に伝達する。前記副変速装置19と、前記刈取り副変速装置15とは、同一のミッションケース20の内部に位置している。
【0018】
図2,5に示すように、前記脱穀クラッチ14は、エンジン10の出力軸10aと脱穀装置5の入力軸5bとにわたって巻回された伝動ベルト14aと、テンションアーム14bとを備えて構成してある。前記刈取りクラッチ17は、刈取り副変速装置15の出力軸16と刈取り部4の入力軸4fとにわたって巻回された伝動ベルト17aと、テンションアーム17bとを備えて構成してある。
【0019】
脱穀クラッチ14と刈取りクラッチ17とは、テンションアーム14b,17bがクラッチ入り姿勢(以下、入り姿勢と略称する。)に揺動操作されると、このテンションアーム14b,17bがこれの遊端部に設けてあるテンション輪体14c,17cによって伝動ベルト14a,17aを緊張状態に押圧操作することによって入り状態に切り換わり、テンションアーム14b,17bがクラッチ切り姿勢(以下、切り姿勢と略称する。)に揺動操作されると、このテンションアーム14b,17bが伝動ベルト14a,17aの緊張操作を解除することによって切り状態に切り換わる。脱穀クラッチ14と刈取りクラッチ17とは、ベルトテンションクラッチになっている。脱穀クラッチ14のテンションアーム14bは、脱穀装置5の入力軸5bに揺動自在に支持されている。刈取りクラッチ17のテンションアーム17bは、刈取り副変速装置15の出力軸16に揺動自在に支持されている。刈取りクラッチ17のテンションアーム17bは、ストッパー21(図5参照)によって切り姿勢に受け止め支持される。
【0020】
前記脱穀クラッチ14と前記刈取りクラッチ17とは、運転部の運転座席2の横側方に位置する操作盤35に配置された変速レバー24と作業選択手段25とを有したクラッチ操作装置Cによって操作される。このクラッチ操作装置Cは、電動モータ22を有したクラッチ切り換え部23と、前記変速レバー24と前記作業選択手段25とを有した制御部26とを備えて構成してある。
【0021】
図5は、前記クラッチ切り換え部23の側面図である。この図に示すように、前記クラッチ切り換え部23は、前記電動モータ22を備える他、この電動モータ22を取り付けた支持枠30が備えるボス部30a(図10参照)に回転自在に支持されたアーム形の脱穀クラッチ操作体31と、この脱穀クラッチ操作体31を脱穀クラッチ14のテンションアーム14bに連動させている脱穀クラッチ連動機構32と、前記ボス部30aに回転自在に支持されたアーム形の刈取りクラッチ操作体33と、この刈取りクラッチ操作体33を刈取りクラッチ17のテンションアーム17bに連動させている刈取りクラッチ連動機構34とを備えている。前記支持枠30は、前記操作盤35の下方に配置して運転部フレーム(図示せず)に取り付けられている。
【0022】
図5に示すように、電動モータ22は、電動モータ本体22aと、この電動モータ本体22aに連結された減速出力ケース22bと、この減速出力ケース22bに回転自在に支持された出力ギヤ22cとを備えている。減速出力ケース22bは、電動モータ本体22aの出力をケース内のギヤ減速機構(図示せず)によって前記出力ギヤ22cに伝達する。
【0023】
図5,10に示すように、脱穀クラッチ操作体31と刈取りクラッチ操作体33とは、前記ボス部30aに回転自在に支持された一本の回転支軸37に一体回転自在に連結されている。前記回転支軸37は、これの一端部に一体回転自在に設けた扇形ギヤ38を備えている。前記扇形ギヤ38は、前記出力ギヤ22cに噛み合っており、前記電動モータ22によって正回転方向に回転駆動されて回転支軸37を回転操作することにより、脱穀クラッチ操作体31と刈取りクラッチ操作体33とを回転支軸37の軸芯まわりに一体に正回転方向に回転操作する。扇形ギヤ38は、前記電動モータ22によって逆回転方向に回転駆動されて回転支軸37を回転操作することにより、脱穀クラッチ操作体31と刈取りクラッチ操作体33とを回転支軸37の軸芯まわりに一体に逆回転方向に回転操作する。
【0024】
図5に示すように、脱穀クラッチ連動機構32は、脱穀クラッチ操作体31の遊端部に一端側が連結された連動杆32aと、この連動杆32aの他端側を前記テンションアーム14aに一体成形して設けた操作用アーム部14dに連結する連動スプリング32bとを備えて構成してある。前記連動杆32aと脱穀クラッチ操作体31とは、連結ピン31aを介して相対回転自在に連結している。
【0025】
図5に示すように、刈取りクラッチ連動機構34は、刈取りクラッチ操作体33の遊端部に一端側が連結された連動杆34aと、この連動杆34aの他端側を前記テンションアーム17bに連結している連動スプリング34bとを備えて構成してある。前記連動杆34aと刈取りクラッチ操作体33とは、連結ピン33aを介して相対回転自在に連結している。
【0026】
刈取りクラッチ連動機構34は、前記連動スプリング34bとテンションアーム17bとにわたって設けた融通付き連動部39を備えている。この融通付き連動部39は、連動スプリング34bの端部34cをフック形に形成することによって連動スプリング34bに設けた長溝34dと、この長溝34dに摺動自在に係入した状態でテンションアーム17bに設けた連動ピン40とを備えて構成してある。融通付き連動部39は、刈取りクラッチ操作体33の操作位置により、連動ピン40が長溝34dの内部を移動して連動スプリング34bと連動ピン40とを相対移動させる融通状態と、連動ピン40が長溝内の端部に位置して連動スプリング34bに当接することによって連動スプリング34bと連動ピン40とを一体移動させる融通解除状態とに切り換わる。
【0027】
図8は、脱穀クラッチ操作体31と刈取りクラッチ操作体33との操作域を示す説明図である。図5は、クラッチ切り換え部23の脱穀クラッチ14と刈取りクラッチ17とを切り操作した状態での側面図である。図6は、クラッチ切り換え部23の脱穀クラッチ14を入り操作し、刈取りクラッチ17を切り操作した状態での側面図である。図7は、クラッチ切り換え部23の脱穀クラッチ14と刈取りクラッチ17とを入り操作した状態での側面図である。
【0028】
これらの図に示すように、脱穀クラッチ操作体31と刈取りクラッチ操作体33とは、電動モータ22によって扇形ギヤ38と回転支軸37とを介して回転支軸37の軸芯まわりに一体に正回転方向Xと逆回転方向Yとに回転操作され、脱穀クラッチ操作体31は、切り域31Aと入り域31Bとに回転操作され、刈取りクラッチ操作体33は、切り域33Aと入り域33Bとに回転操作される。脱穀クラッチ操作体31の入り域31Bは、脱穀クラッチ操作体31の死点Dに対し、この死点Dが入り域31Bの内部に位置した配置状態になっている。脱穀クラッチ操作体31の死点Dは、脱穀クラッチ操作体31の操作位置のうち、脱穀クラッチ操作体31による脱穀クラッチ連動機構32の引っ張り操作ストロークが最大となる操作位置に対応する。
【0029】
脱穀クラッチ操作体31が前記切り域31Aに操作されると、脱穀クラッチ連動機構32は、脱穀クラッチ操作体31による引張り操作が解除されてテンションアーム14bを切り姿勢に操作する。このとき、刈取りクラッチ操作体33が前記切り域33Aに位置し、刈取りクラッチ連動機構34は、刈取りクラッチ操作体33による引張り操作が解除されてテンションアーム17bを切り姿勢に操作する。
【0030】
脱穀クラッチ操作体31が切り域31Aから正回転方向に回転操作されると、これに伴って脱穀クラッチ操作体31は、死点Dの手前に位置した入り域31Aの始端位置Sに位置する。すると、脱穀クラッチ連動機構32は、脱穀クラッチ操作体31による引張り操作のためにテンションアーム14bを入り姿勢に操作する。このとき、刈取りクラッチ操作体33が切り域33Aの終端側に位置し、刈取りクラッチ連動機構34は、テンションアーム17bを切り姿勢に操作している。
【0031】
脱穀クラッチ操作体31が更に正回転方向に回転操作されると、脱穀クラッチ操作体31は、入り域31Bを移動して死点Dを超え、入り域31Bの終端位置Eに位置し、脱穀クラッチ連動機構32は、脱穀クラッチ操作体31による引張り操作のためにテンションアーム14bを入り姿勢に維持している。脱穀クラッチ操作体31が入り域31Bの終端位置Eに位置したとき、刈取りクラッチ操作体33が入り域33Bに位置し、刈取りクラッチ連動機構34は、刈取りクラッチ操作体33による引張り操作のためにテンションアーム17bを入り姿勢に操作する。脱穀クラッチ操作体31が入り域31Bに位置している間、脱穀クラッチ連動機構32は、脱穀クラッチ操作体31による引張り操作を受け、テンションアーム14bを入り姿勢に維持操作する。
【0032】
脱穀クラッチ操作体31と刈取りクラッチ操作体33とが切り域31A,33Aから正回転方向Xに回転操作される際、脱穀クラッチ操作体31が切り域31Aの始端側に位置し、かつ、刈取りクラッチ操作体33が切り域33Aの始端側に位置している間、融通付き連動部39が融通状態にあり、刈取りクラッチ操作体33が切り域33Aの終端側に位置すると、融通付き連動部39が融通解除状態に切り換わる。
【0033】
すなわち、融通付き連動部39は、刈取りクラッチ操作体33が入り域33Bに至るまで、電動モータ22に脱穀クラッチ14のテンションアーム14bを操作する負荷が掛かっても、電動モータ22に刈取りクラッチ17のテンションアーム17bを操作する負荷が掛からないようにし、かつ、脱穀クラッチ14のテンションアーム14bが入り姿勢に切り換え操作された後に刈取りクラッチ17のテンションアーム17bが入り姿勢に切り換え操作されるようにする。
【0034】
図3は、前記制御部26のブロック図である。この図に示すように、前記制御部26は、前記変速レバー24と前記作業選択手段25とを備える他、変速レバー24に連動された変速検出手段41を備え、さらに、前記変速検出手段41と前記作業選択手段25と前記電動モータ22とに連係された制御手段42を備えている。制御手段42には、前記脱穀クラッチ操作体31に連動された操作体位置検出手段43が連係されている。
【0035】
変速レバー24は、中立位置Nと前進域Fと後進域Rとに揺動操作自在に支持されている。この変速レバー24は、連動ロッドや揺動リンクを利用したリンク機構(図示せず)を介して前記HST18の操作部に連係されており、前記リンク機構を介して前記HST18を変速操作する。
【0036】
前記変速検出手段41は、変速レバー24に連動された回転ポテンショメータによって構成してある。この変速検出手段41は、変速レバー24の操作位置を検出し、この検出結果を前記制御手段42に出力する。
【0037】
前記作業選択手段25は、入り位置「入」と切り位置「切」とに切り換え操作自在な切り換えスイッチによって構成してある。この作業選択手段25は、入り位置「入」に切り換え操作されると、前記制御手段42にクラッチ操作を行わせるようオン指令を出力し、切り位置「切」に切り換え操作されると、前記制御手段42にクラッチ操作を停止させるようオフ指令を出力する。
【0038】
図10に示すように、前記操作体位置検出手段43は、前記回転支軸37に連動された状態で前記支持枠30に取り付けられた回転ポテンショメータによって構成してある。この操作体位置検出手段43は、前記回転支軸37の回転位置を基に脱穀クラッチ操作体31の操作位置を検出し、この検出結果を前記制御手段42にフィードバックする。
【0039】
前記制御手段42は、マイクロコンピュータを利用して構成してある。図4は、制御手段42によるクラッチ操作のフロー図である。この図に示すように、前記制御手段42は、前記作業選択手段25による指令と、前記変速検出手段41と前記操作体位置検出手段43とによる検出結果とを基に前記電動モータ22を制御して前記クラッチ切り換え部23を操作し、これによって脱穀クラッチ14と刈取りクラッチ17とを切り換え操作して刈取り部4と脱穀装置5とを非作業や作業に対応した駆動状態や停止状態にする。
【0040】
前記エンジン10は、前記操作盤35に配置されたアクセル操作具60を有したエンジン調速操作装置Gによって調速操作される。図9は、前記エンジン調速操作装置Gの側面図である。図10は、前記エンジン調速操作装置Gの縦断面図である。これらの図に示すように、前記エンジン調速操作装置Gは、前記アクセル操作具60を備える他、前記アクセル操作具60の基部を前記支持枠30に連結している支軸61に装着された摩擦板68と、前記回転支軸37の一端側に設けた揺動操作体69と、前記支軸61の一端部に設けた操作部70とを備えている。
【0041】
前記アクセル操作具60は、前記支軸61の軸芯まわりに揺動操作するように支持されている。このアクセル操作具60は、これの基部に一体形成した出力アーム部60aを備えている。この出力アーム部60aは、スプリング66とアクセルケーブル62とを介し、前記エンジン10に設けられたアクセル装置63の調速アーム64に連動されている。前記摩擦板68は、取り付けネジ71による締め付けによってアクセル操作具60の基部に圧接されて、アクセル操作具60に摩擦抵抗を付与する。
【0042】
前記揺動操作体69は、前記回転支軸37に設けた小判形部37aに取り付け筒部69aによって一体回動自在に連結されている。つまり、揺動操作体69は、前記回転支軸37を介して前記脱穀クラッチ操作体31に一体揺動自在に連動している。
【0043】
前記操作部70は、前記アクセル操作具60及び前記揺動操作体69とは別体に構成して前記支軸61に遊転自在に支持された板体によって構成されており、前記支軸61の軸芯まわりにアクセル操作具60と相対揺動する。この操作部70は、これの遊端部に支軸72を介して遊転自在に取り付けたローラ73によって形成された受動部70aと伝動部70bとを備えている。前記ローラ73は、前記支持枠30に設けた円弧形の長孔74に沿って移動するよう前記長孔74を挿通している。
【0044】
前記受動部70aは、前記揺動操作体69の端部に69bに当接して前記揺動操作体69による操作力を受け、操作部70を支軸61の軸芯まわりに揺動させる。前記伝動部70bは、前記アクセル操作具60の前記出力アーム部60aに当接し、操作部70によるアクセル操作具60の増速方向への押圧揺動操作を可能にする。
【0045】
図11に示すように、前記操作部70は、これの基部に一体成形されたバネ受け部70cを備えている。操作部70は、前記バネ受け部70cに作用する巻きバネ75によって図12(ハ)、(二)に示す待機位置Tに揺動付勢される。
すなわち、図9,10に示すように、前記巻きバネ75は、前記支軸61に装着されている。前記巻きバネ75の一対の端部75a,75aは、前記バネ受け部70cと、前記支持枠30に設けられたバネストッパ76とを挟むように配置されている。図12(ハ)、(ニ)は、前記操作部70が前記待機位置Tに位置した状態を示している。図12(ロ)は、前記操作部70が待機位置Tから作用方向a1に揺動操作された状態を示している。これらの図に示すように、操作部70が待機位置Tから作用方向a1に揺動操作されると、これに伴い、前記バネ受け部70cが操作部70と共に揺動して巻きバネ75の一方の端部75aを押圧していく。このとき、巻きバネ75の他方の端部75aがバネストッパ76によって受け止め支持される。操作部70が待機位置Tから解除方向b1に揺動操作されると、これに伴い、前記バネ受け部70cが操作部70と共に揺動して巻きバネ75の他方の端部75aを押圧していく。このとき、巻きバネ75の一方の端部75aがバネストッパ70cによって受け止め支持される。これにより、巻きバネ75は、操作部70が作用方向a1と解除方向b1とのいずれの方向に揺動操作された場合も、操作部70の回転に伴って弾性変形され、操作部70を待機位置Tに復帰するよう揺動付勢する。
【0046】
つまり、エンジン調速操作装置Gは、人為操作によるアクセル操作具60の操作によっても、クラッチ操作装置Cによるアクセル操作具60の操作によっても作動してエンジン10の回転数を調節する。
すなわち、アクセル操作具60が人為操作されると、出力アーム部60aが支軸61の軸芯まわりに揺動してアクセルケーブル62を引っ張り操作したり緩め操作したりする。引っ張り操作されたアクセルケーブル62は、調速アーム64をこれの復元力に抗して揺動操作し、エンジン10を回転数が増加するよう調速する。緩め操作されたアクセルケーブル62は、調速アーム64をこれの前記復元力によって揺動操作し、エンジン10を回転数が減少するよう調速する。このようにエンジン10の調速操作が行われた場合、アクセル操作具60は、摩擦板68によって調速アーム64の復元力に抗して任意の操作位置に保持され、エンジン10の回転数を調速された回転数に維持する。
【0047】
図9は、エンジン調速操作装置Gのアクセル操作具60が設定低速位置Lに操作され、揺動操作体69がクラッチ切り域に操作された状態での側面図である。図12(イ),(ロ)は、揺動操作体69がクラッチ切り域からクラッチ入り域に操作される過程での側面図である。図12(ハ)は、エンジン調速操作装置Gの揺動操作体69がクラッチ入り域に操作された状態での側面図である。図12(ニ)は、エンジン調速操作装置Gの揺動操作体69がクラッチ切り域に戻し操作された状態での側面図である。
【0048】
これらの図に示すように、電動モータ22が脱穀クラッチ14を入り状態に切り換えるよう脱穀クラッチ操作体31を揺動操作すると、この脱穀クラッチ操作体31が回転支軸37を介して揺動操作体69をクラッチ切り域から正回転方向a2に揺動操作する。揺動操作体69の揺動に伴い、揺動操作体69の端部69bが待機位置Tに位置している操作部70の受動部70aに当接する。すると、受動部70aが揺動操作体69の操作力を受け、操作部70が待機位置Tから作用方向a1に揺動する。このとき、アクセル操作具60が設定低速位置Lにあると、すなわちエンジン10の回転数がアクセル操作具60の操作位置(設定低速位置L)に対応した設定低回転域になっていると、操作部70の伝動部70bがアクセル操作具60の出力アーム部60aに当接する。すると、操作部70が伝動部70bによってアクセル操作具60を押圧して移動操作する。これにより、エンジン調速操作装置Gが作動してエンジン10を増速側に調速する。
【0049】
揺動操作体69がクラッチ入り域の始端側に至るに伴って操作部70がアクセル操作具60を設定高速位置Hに操作する。アクセル操作具60が設定高速位置Hに至った後、操作部70の受動部70aが揺動操作体69の端部69bから離間し、電動モータ22が刈取りクラッチ17を入り操作するために更に回動して揺動操作体69がクラッチ入り域を更に揺動しても、操作部70によるアクセル操作具60の移動操作が行われず、アクセル操作具60は、設定高速位置Hに摩擦板68によって保持され、エンジン10は、アクセル操作具60の設定高速位置Hに対応した設定高回転数になる。
【0050】
エンジン10が設定高回転数になった後、揺動操作体69の遊端部69aが操作部70の受動部70aから外れ、操作部70が巻きバネ75による揺動付勢によって待機位置Tに復帰する。すると、アクセル操作具60は、操作部70と揺動操作体69とによる揺動規制を受けない状態になる。
【0051】
エンジン10が設定高回転数に調速された後、電動モータ22が脱穀クラッチ14を切り状態に切り換えるよう脱穀クラッチ操作体31を揺動操作すると、揺動操作体69が脱穀クラッチ操作体31と共に揺動する。すなわち、揺動操作体69が逆回転方向b2に揺動する。このとき、揺動操作体69の端部69bが待機位置Tに位置している操作部70の受動部70aに当接し、操作部70が待機位置Tから解除方向b1に揺動しても、操作部70がアクセル操作具60に押圧作用しない。これにより、アクセル操作具60は、設定高速位置Hに維持され、エンジン10は設定高回転数を維持する。
【0052】
電動モータ20が刈取りクラッチ17を切り状態に操作するよう刈取りクラッチ操作体33を揺動操作すると、揺動操作体69が更に逆回転方向b2に揺動する。すると、揺動操作体69の端部69bが操作部70の受動部70aから外れ、操作部70は、巻きバネ75による揺動付勢によって待機位置Tに復帰し、次に揺動操作体69が正回転方向a2に揺動操作された際、揺動操作体69の端部69bと操作部70の受動部70aとが当接するようになる。すなわち、操作部70が揺動操作体69によって作用方向a1に揺動操作されるようになる。
【0053】
つまり、移動走行時など作業を行わない場合、作業選択手段25を切り位置「切」に切り換え操作すると、脱穀装置5と刈取り部4とが停止する。
すなわち、作業選択手段25を切り位置「切」に切り換え操作すると、制御手段42が作業選択手段25によるオフ指令を基に電動モータ22を制御する。すると、電動モータ22が脱穀クラッチ操作体31を切り域31Aに操作し、脱穀クラッチ連動機構32を介して脱穀クラッチ14を切り状態に操作する。さらに、制御手段42による電動モータ22の制御により、電動モータ22が刈取りクラッチ操作体33を切り域33Aに操作し、刈取りクラッチ連動機構34を介して刈取りクラッチ17を切り状態に操作する。これによって脱穀装置5と刈取り部4とが停止する。
【0054】
作業時には、作業選択手段25を入り位置「入」に切り換えておき、変速レバー24を作業や走行に対応した操作位置に操作すると、脱穀装置5と刈取り部4とが作業や走行に対応した駆動状態や停止状態になる。
【0055】
すなわち、枕扱き作業を行う場合、自走機体を停止させるよう変速レバー24が中立位置Nに操作する。自走機体を旋回走行のために後進走行させる場合、変速レバー24を後進域Rに操作する。すると、制御手段42が作業選択手段25によるオン指令と、変速検出手段41による検出情報とを基に電動モータ22を制御する。これにより、電動モータ22が刈取りクラッチ操作体33を切り域33Aに操作し、刈取りクラッチ連動機構34を介して刈取りクラッチ17を切り状態に操作する。さらに、制御手段42による電動モータ22の制御により、電動モータ22が脱穀クラッチ操作体31を入り域31Bに操作し、脱穀クラッチ連動機構32を介して脱穀クラッチ14を入り状態に操作する。これによって刈取り部4が停止し、脱穀装置5が駆動される。
【0056】
刈取り走行を行う場合、自走機体を前進走行させるよう変速レバー24を前進域Fに操作する。すると、制御手段42が作業選択手段25によるオン指令と、変速検出手段41による検出情報とを基に電動モータ22を制御する。これにより、電動モータ22が刈取りクラッチ操作体33を入り域33Bに操作し、刈取りクラッチ連動機構34を介して刈取りクラッチ17を入り状態に操作する。さらに、制御手段42による電動モータ22の制御により、電動モータ22が脱穀クラッチ操作体31を入り域31Bに操作し、脱穀クラッチ連動機構32を介して脱穀クラッチ14を入り状態に操作する。これによって刈取り部4と脱穀装置5とが駆動される。
【0057】
上記した如く脱穀クラッチ14を入り状態に切り換え操作した際、エンジン10が機体停止用のものとして設定した設定低回転域での低回転数になっていても、エンジン10が作業用の高回転数に自ずと調速される。
【0058】
すなわち、電動モータ22が脱穀クラッチ操作体31を入り域31bに揺動操作した際、アクセル操作具60が設定低速位置Lに位置していると、脱穀クラッチ操作体31と共に揺動する揺動操作体69の遊端部69bが、待機位置Tに位置する操作部70の受動部70aに当接し、揺動操作体69が操作部70を作用方向a1に揺動操作する。すると、操作部70の伝動部70がアクセル操作具60の出力アーム部60aに当接し、操作部70がアクセル操作具60を揺動操作する。これにより、エンジン調速操作装置Gが作動してアクセル装置63を増速側に操作する。アクセル操作具60が設定高速位置Hになると、揺動操作体69が操作部60から外れ、摩擦板68がアクセル操作具60を設定高速位置Hに保持する。これにより、エンジン10がアクセル操作具60の設定高速位置Hに対応した回転数、すなわち作業用回転数として設定した設定高回転数になる。
【0059】
このように、クラッチ操作装置Cによるエンジン調速操作装置Gの操作によってエンジン10が設定高回転数に調速された後において、エンジン10をその設定高回転数よりも低回転数に人為的に調速することができる。
【0060】
すなわち、操作部60がアクセル操作具60を設定高速位置Hに操作した後、揺動操作体69の遊端部69aが操作部60の受動部70aから外れ、操作部60が待機位置Tに復帰してアクセル操作具60の出力アーム部60aと離間する。さらに、揺動操作体69が操作部60と離間している。これにより、アクセル操作具60は、操作部60と揺動操作体69とによる揺動規制を受けず、設定高速位置Hから減速側に人為操作できる状態になる。
【0061】
また、クラッチ操作装置Cによるエンジン調速操作装置Gの操作によってエンジン10が設定高回転数に調速された後、脱穀装置5を停止させても、エンジン10は、設定高回転数を維持する。
【0062】
すなわち、アクセル操作具60が設定高速位置Hに位置している状態で、電動モータ22が脱穀クラッチ操作体31を切り域31Aに操作すると、揺動操作体69が脱穀クラッチ操作体31と共に揺動して解除方向b1に揺動する。これに伴って揺動操作体69の先端部69aが待機位置Tに位置している操作部60の受動部70aに当接して揺動操作体69が操作部60を揺動操作しても、操作部60は、解除方向b1に揺動してアクセル操作具60に押圧作用しない。これにより、アクセル操作具60が摩擦板68によって設定高速位置Hに保持され、エンジン10は、アクセル操作具60の設定高速位置Hに対応した設定高回転数を維持する。
【0063】
〔別実施例〕
上記実施例の如く、エンジン調速操作装置Gに脱穀クラッチ14を連動させるに替え、刈取りクラッチを単独で連動させる構成や、排出装置8を駆動、停止操作する排出クラッチを連動させる構成を採用したコンバインにも本発明を適用することができる。従って、脱穀クラッチ14、刈取りクラッチ、排出クラッチなどを総称して作業クラッチ14と呼称する。
【0064】
上記実施例の如く、脱穀クラッチ14を操作する操作具として変速レバー24を採用するに替え、専用の操作具を採用した構成を採用した場合にも、本発明を適用することができる。従って、変速レバー24、専用の操作具などを総称して人為操作自在な操作具24と呼称する。
【0065】
上記実施例の如く揺動操作体69を脱穀クラッチ操作体31に連動させるに替え、脱穀クラッチ操作体31と脱穀クラッチ14とを連動させる各種の連動部材を、揺動操作体69が連動される対象の部材とした構成を採用した場合にも、本発明は適用することができる。従って、脱穀クラッチ操作体31などを総称して、クラッチ操作装置Cを構成する回動自在な操作装置構成体31と呼称する。
【0066】
上記実施例の如く操作部70をアクセル操作具60に連動させるに替え、アクセル操作具60と調速アーム64とを連動させる各種の連動部材を、操作部70が作用する対象の部材とした構成を採用した場合にも、本発明を適用することができる。従って、アクセル操作具60などを総称して、エンジン調速操作装置Gを構成する調速装置構成部材60と呼称する。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】コンバインの全体側面図
【図2】伝動装置の概略図
【図3】制御部のブロック図
【図4】クラッチ操作のフロー図
【図5】クラッチ切り換え部の脱穀クラッチと刈取りクラッチとを切り操作した状態での側面図
【図6】クラッチ切り換え部の脱穀クラッチを入り操作し、刈取りクラッチを切り操作した状態での側面図
【図7】クラッチ切り換え部の脱穀クラッチと刈取りクラッチとを入り操作した状態での側面図
【図8】脱穀クラッチ操作体と刈取りクラッチ操作体の操作域を示す説明図
【図9】エンジン調速操作装置のアクセル操作具が設定低速位置に操作された状態での側面図
【図10】エンジン調速操作装置の縦断面図
【図11】操作部の斜視図
【図12】(イ)は、エンジン調速操作装置の揺動操作体の操作過程での側面図、(ロ)は、エンジン調速操作装置の揺動操作体の操作過程での側面図、(ハ)は、エンジン調速操作装置の揺動操作体がクラッチ入り域に操作された状態での側面図、(ニ)は、エンジン調速操作装置の揺動操作体がクラッチ切り域に操作された状態での側面図
【符号の説明】
【0068】
10 エンジン
14 作業クラッチ
24 操作具
31 操作装置構成体
60 調速装置構成体
69 揺動操作体
70 操作部
70a 操作部の受動部
C クラッチ操作装置
G エンジン調速操作装置
a2 揺動操作体の正回転方向
b2 揺動操作体の逆回転方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業クラッチを切り換え操作する人為操作自在な操作具を有したクラッチ操作装置と、エンジンの回転数を調節する人為操作自在なエンジン調速操作装置とを備えたコンバインの操作装置であって、
前記クラッチ操作装置を構成する回動自在な操作装置構成体に連動された揺動操作体と、前記エンジン調速操作装置を構成する揺動自在な調速装置構成体をこれに当接して移動操作する操作部とを備え、
前記クラッチ操作装置による作業クラッチの入り操作に伴い、前記操作装置構成体が前記揺動操作体を正回転方向に揺動操作して前記揺動操作体が前記操作部を移動操作し、エンジン回転数が設定低回転域にあると、エンジンが設定高回転数に増速するよう前記操作部が前記調速装置構成体を押圧移動操作するように構成し、
前記クラッチ操作装置による作業クラッチの切り操作に伴い、前記操作装置構成体が前記揺動操作体を逆回転方向に揺動操作して前記揺動操作体が前記操作部を移動操作し、エンジンに前記設定高回転数を維持させるよう前記操作部が前記調速装置構成体から離間するように構成してあるコンバインの操作装置。
【請求項2】
前記操作部は、前記調速装置構成体及び前記揺動操作体と別体に構成されるとともに前記揺動操作体に当接する受動部を備え、
前記受動部は、前記クラッチ操作装置による作業クラッチの入り操作に伴って前記揺動操作体に当接してこの揺動操作体による操作力を受けるように、かつ、前記作業クラッチが入り状態に切り換わるとともにエンジンが前記設定高回転数に増速した後に前記揺動操作体から離間するように構成してある請求項1記載のコンバインの操作装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2008−199908(P2008−199908A)
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−36480(P2007−36480)
【出願日】平成19年2月16日(2007.2.16)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】