説明

コンバイン

【課題】内補助移送チェンを車台側に残して刈取機を外側方へ回動させることができるものとし、この刈取機の回動によって、該刈取機自体のメンテナンス、及び該刈取機の下側のミッションケースやエンジンのメンテナンスを行なえるものとする。
【解決手段】脱穀機(11)の前側に内補助移送チェン(34a)を設け、刈取昇降支点となる支持パイプ(18b)に内装した伝動機構(18d)の一端部に、エンジン(23)の回転動力が入力される刈取入力プーリ(18c)を設け、伝動機構(18d)の他端部から補助ギヤケース(35)へ駆動力を入力し該補助ギヤケース(35)から内補助移送チェン(34a)を駆動する構成とし、刈取機(4)を外側方へ回動させても内補助移送チェン(34a)が車台(2)側に残る構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、コンバインに関するものである。
【背景技術】
【0002】
コンバインは、下記特許文献1の如く、走行車台の上側の前右側部に搭乗運転部を載置すると共に、上側の後左側部には脱穀部を設け、この脱穀部の前側に刈取部を設けた構成である。
【0003】
前記刈取部を支持する前後向きの筒状フレームを設けると共に、この筒状フレームの上端部には、左右方向の横向きの筒状フレームを設けて、刈取部を支持させた構成である。横向きの筒状フレームの左側端部には、支持構成体を設け、この支持構成体に設けた縦軸を回動中心として、刈取部は、左外側へ回動自在に設けた構成である。
【0004】
前記刈取部を左外側のメンテナンス位置へ回動させて、この刈取部、及びこの刈取部の下部に設けた各部品のメンテナンスを行うときには、支持構成体に設けたロックピンを抜き取り、及び前後向きの筒状フレームに設けた油圧シリンダ等の取り外しを行った後に、刈取部を左外側へ回動移動させて、ロックピンを最大回動位置へ挿入してロックし、メンテナンスを行う。又、穀稈を刈取り作業のときには、脱穀部の前側で、搭乗運転部の横側へ位置させた刈取部で、穀稈は刈取りされて移送され、脱穀部へ供給されて脱穀される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−95335号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
刈取部を左外側のメンテナンス位置へ回動移動させるとき、刈取部を大きく回動移動させることができないことがあったが、この発明により、この問題点を解決しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このために、以下のような技術的手段を講じる。
請求項1記載の発明は、車台(2)の下側に走行装置(3)を設け、車台(2)の前方に穀稈供給移送装置(15)を備えた刈取機(4)を配置し、該刈取機(4)を左側方外側へ回動自在に車台(2)に縦軸で軸支し、該刈取機(4)を車台(2)側にロックするロック装置(25)を設け、車台(2)の上側にフィードチェン(12a)を備えた脱穀機(11)を設け、該脱穀機(11)の前側に内補助移送チェン(34a)を設け、刈取機(4)で刈り取られ穀稈供給移送装置(15)で挟持移送された穀稈を内補助移送チェン(34a)で引継ぎ移送してフィードチェン(12a)に受け渡す構成とし、前記刈取機(4)の前方下部から後方上部へ傾斜させて設けた支持部材(18a)の上端部に左右方向の支持パイプ(18b)を設け、該支持パイプ(18b)に内装した伝動機構(18d)の一端部に、エンジン(23)の回転動力が入力される刈取入力プーリ(18c)を設け、前記伝動機構(18d)の他端部から補助ギヤケース(35)へ駆動力を入力し該補助ギヤケース(35)から内補助移送チェン(34a)を駆動する構成とし、前記ロック装置(25)を解除操作して刈取機(4)を左側方外側へ回動させても内補助移送チェン(34a)が車台(2)側に残る構成としたことを特徴とするコンバインとしたものである。
【0008】
請求項2記載の発明は、前記ロック装置(25)のロック解除操作に連動して、刈取機(4)を昇降自在に支持する刈取昇降支持フレーム(21)が前方へ押し出されて刈取機(4)の左側方外側への回動が開始される構成としたことを特徴とする請求項1記載のコンバインとしたものである。
【発明の効果】
【0009】
請求項1記載の発明によると、ロック装置(25)を解除操作することで、内補助移送チェン(34a)を車台(2)側に残して刈取機(4)を外側方へ回動させることができ、この刈取機(4)の回動によって、該刈取機(4)自体のメンテナンス、及び該刈取機(4)の下側のミッションケースやエンジンのメンテナンスを行なうことができる。
【0010】
請求項2記載の発明によると、上記請求項1記載の発明の効果に加え、刈取機(4)の初期の回動をスムーズに行うことができ、刈取機(4)の左側方外側への回動操作を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】回動装置部と、ロック装置部との拡大側面図
【図2】ロック装置部の拡大側面図
【図3】回動装置部の拡大平面図
【図4】回動装置部の拡大正面斜視図
【図5】回動装置部の開時の拡大側面斜視図
【図6】回動装置部の開時の拡大平面図
【図7】回動装置部の開時の拡大平面図
【図8】回動装置部の一部断面した拡大正面図
【図9】回動装置部の一部断面した拡大正面図
【図10】前・後支持フレームの拡大平面図
【図11】前ロック部の拡大側面図
【図12】ハンドル部の操作ハンドルと、脱穀入力部との拡大側面図
【図13】回動装置部と、補助移送装置部との拡大側面図
【図14】回動装置部と、補助移送装置部との拡大平面図
【図15】コンバインの左側の全体側面図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
コンバイン1の走行車台3の上側には、走行車台(車台)2を設け、この走行車台2の前方部に、穀稈を刈取り後方上部へ移送する刈取機4を設けた構成である。又、走行車台2の上側には、刈取機4から供給を受ける穀稈を脱穀する脱穀機11を載置した構成である。刈取機4を側方外側への回動移動は、四点リンク機構6で形成した回動装置5で回動移動させる構成である。この回動装置5の刈取昇降支持フレーム21と、走行車台2との間で、刈取昇降支持フレーム21には、回動装置5のオープンフレーム(フレーム)5aを装着して設けると共に、該オープンフレーム5aと、走行車台2との間には、刈取機4をロックするロック装置25を設けた構成である。刈取機4と、四点リンク機構6の回動装置5と、ロック装置25とを主に図示して説明する。
【0013】
前記コンバイン1の走行車台2の下側には、図1、図3、及び図15で示す如く土壌面を走行する左右一対の走行クローラ3aを張設した走行装置3を配設し、走行車台2の上側には、穀稈を脱穀する脱穀機11を載置した構成である。走行車台2の前方部の刈取機4で立毛穀稈を刈取りし、この刈取り穀稈は、この刈取機4で後方上部へ移送され、脱穀機11のフィードチェン12aと、挟持杆12bとで引継ぎされて、挟持移送されながら脱穀される。脱穀済みで選別済み穀粒は、脱穀機11の右横側の上側に配設した穀粒貯留タンク13内へ一時貯留される。
【0014】
前記走行車台2の前方部には、図15で示す如く刈取機4を側方外側へ回動移動自在に設け、この刈取機4は、前端位置から立毛穀稈を分離するナローガイド14a、及び各分草体14bと、立毛穀稈を引起す各引起装置14cと、引起された穀稈を掻込みする穀稈掻込移送装置15の各掻込装置15aと、掻込された穀稈を刈取る刈刃装置14dと、刈取りされた穀稈を挟持移送して、脱穀機11のフィードチェン12aと、挟持杆12bとへ受渡しする穀稈供給移送装置15の根元・穂先移送装置16a,16b等からなる刈取機4を設けている。該刈取機4は、油圧駆動による伸縮シリンダ17により、土壌面に対して、昇降自在に移動する構成である。
【0015】
前記刈取機4の前方下部から後方上部へ傾斜する支持杆(支持部材)18aの上端部には、左右方向の支持パイプ杆(支持パイプ)18bを設け、この支持パイプ杆18bの左右両端は、後述する刈取昇降支持フレーム21の上側面へボルト、及びナット等により、装着して設けた左・右支持メタル20a,20bで回動自在に支持させて、伸縮シリンダ17の作動により、刈取機4は支持パイプ杆18bを回動中心として、上下に回動する構成である。又、この支持パイプ杆18bへ内装した伝動機構18dの外端部へ軸支した刈取入力プーリ18cへエンジン23の回転動力が入力されて、刈取機4の各部が回転駆動される構成である。刈取昇降支持フレーム21と、左・右支持メタル20a,20bとは、一体に形成するも可。
【0016】
前記刈取機4の穀稈供給移送装置15によって形成される穀稈移送経路中には、刈取られて移送される穀稈に接触作用することにより、脱穀機11へ穀稈の供給の有無を検出する穀稈センサ4aを設けた構成である。
【0017】
前記刈取機4は、図1、及び図3〜図9で示す如くこの刈取機4を左側の側方外側へ回動移動させる構成である。走行車台2の上側面には、四点リンク機構6で形成する回動装置5の回動受メタル(回動受け部材)19を設け、この回動受メタル19の左側前部には、四点リンク機構6の回動支点の(A)点となる外前回動孔19aを設けた構成であると共に、この外前回動孔19aの内側後部には、回動支点の(B)点となる外後回動孔19bを設けた構成である。これら外前・外後縦回動孔19a,19bには、外前・外後縦回動軸9,10を軸支して設け、この外前・外後縦回動軸9,10の上端部には、前・後支持フレーム7,8の基部の前・後基部孔7a,8aを挿入して軸支し、ボルト等で装着した構成である。
【0018】
前記前・後支持フレーム7,8の上側には、図1、及び図3〜図9で示す如く刈取昇降支持フレーム21を設け、この刈取昇降支持フレーム21には、内前支持孔21aと、内後支持孔21bとを設け、これら内前支持孔21aと、前支持フレーム7の内端部の内前挿入孔7bとには、内前縦支持軸21cを挿入した構成である。又、内後支持孔21bと、後支持フレーム8の内端部の内後挿入孔8bとには、内後縦支持軸21dを挿入した構成である。これら内前・内後支持軸21c,21dで前・後支持フレーム7,8の前端部を支持すると共に、この前・後支持フレーム7,8で刈取昇降支持フレーム21を支持した構成である。
【0019】
前記回動受メタル19の外前・外後回動孔19a,19bと、刈取昇降支持フレーム21の内前・内後支持孔21a,21bとにより、回動装置5の四点リンク機構6の回動支点の(A)点、(B)と、支持支点の(C)点、(D)点を構成して、外側の(A)点、(B)点を回動中心(イ)、(ロ)とし、又、内側の(C)点、(D)点を支持点として、刈取機4を側方外側へ回動移動自在に設けた構成である。この刈取機4は手動回動操作により、側方外側へ回動移動する構成である。又は、油圧駆動による伸縮シリンダ等を設けて、自動回動移動する構成とするもよい。
【0020】
前記刈取機4自体のメンテナンスを行うとき、及びこの刈取機4の下側の詳細は後述する走行用のミッションケース22、及びエンジン23等のメンテナンスを行うときに、回動移動させる構成である。
【0021】
前記刈取機4を左側方外側へ回動移動させる回動装置5は、図1、及び図3〜図9で示す如く四点リンク機構6で形成したことにより、刈取機4は、後述する二本の前・後支持フレーム7,8で支持されたことになり、回動移動させたときでも、刈取機4を強固に支持することができる。
【0022】
前記刈取機4を回動装置5の四点リンク機構6により、図5〜図7で示す如く左側方外側へ回動移動させる構成である。左側には、回動支点の(A)点と、(B)点とを配設して、これら回動支点の(A)点と、(B)点との右側には、支持支点の(C)点と、支持支点の(D)点とを配設すると共に、(A)点の回動受メタル19の外前回動孔19aへ挿入した外前縦回動軸9と、(C)点の刈取昇降支持フレーム21の内前支持孔21aへ挿入した内前支持軸21cとは、略直線形状の前支持フレーム7を設けて、接続させた構成である。又、(B)点の回動受メタル19の外後回動孔19bへ挿入した外後縦回動軸10と、(D)点の刈取昇降支持フレーム21の内後支持孔21bへ挿入した内後支持軸21dとは、略へ字形状の後支持フレーム8を設けて、接続させた構成である。
【0023】
前記刈取機4を左側方外側へ回動移動させる回動装置5の四点リンク機構6は、左側へ回動支点の(A)点と、(B)点とを設けると共に、右側へ支持支点の(C)点と、(D)点とを設け、これら(A)点と、(C)点とを、前支持フレーム7で接続し、又、(B)点と、(D)点とを後支持フレーム8で接続した構成としたことにより、刈取機4を大きく左側方外側へ回動移動させることができる。又、これにより、この刈取機4のメンテナンス、及びこの刈取機4下側のエンジン23、及びミッションケース22等のメンテナンスが容易になる構成である。
【0024】
前記刈取機4を左側方外側へ回動移動させる回動装置5は、図1、及び図3〜図9で示す如くこの回動装置5の四点リンク機構6の一部を形成する回動受メタル19の外前・外後回動孔19a,19bへ挿入した外前縦回動軸9と、外後縦回動軸10との間の距離(L1)を最短距離に形成して、四点リンク機構6を形成し、回動装置5を形成した構成である。
【0025】
前記回動支点の(A)点と、(B)点との間の距離(L1)を最短距離に形成して、四点リンク機構6で回動装置5を形成して、この回動装置5で刈取機4を左側方外側へ回動移動させることにより、この刈取機4を大きく左側方外側へ回動移動させることができる。これにより、この刈取機4自体のメンテナンスと、下側のエンジン23、及びミッションケース22等のメンテナンスとが容易な構成である。
【0026】
前記刈取機4を左外側へ回動移動させる回動装置5は、図1、及び図3〜図9で示す如くこの回動装置5の四点リンク機構6の回動支点の(A)点と、(B)点との間の距離(L1)と、支持支点の(C)点と、(D)点との間の距離(L2)よりも、(A)点と、(C)点との間の距離(L3)と、(B)点と、(D)点との間の距離(L4)とを、所定距離長くして、四点リンク機構6を形成して、回動装置5を形成した構成である。
【0027】
前記回動装置5の四点リンク機構6の各支点である(A)点と、(B)点との間の距離(L1)と(C)点と、(D)点との間の距離(L2)よりも、(A)点と、(C)点との間の距離(L3)と、(B)点と、(D)点との間の距離(L4)とを長くして形成したことにより、刈取機4を大きく外側へ回動移動させることができる。これにより、この刈取機4自体のメンテナンスと、下側のエンジン23、及びミッションケース22等のメンテナンスとが容易な構成である
前記回動支点の(A)点の外前縦回動軸9と、回動支点の(B)点の外後縦回動軸10とを、図1、及び図3〜図9で示す如く刈取機4が回動移動する回動中心(イ)と、回動中心(ロ)として、回動装置5の四点リンク機構6を形成した構成である。
【0028】
前記回動装置5の四点リンク機構6の回動支点(A)点の外前縦回動軸9と、回動支点(B)点の外後縦回動軸10とを、刈取機4が外側へ回動移動する回動中心(イ)と、(ロ)とにしたことにより、刈取機4を回動移動させたときに、この刈取機4は他部品へ当接することが防止できる。又、このために、この刈取機4,及び他部品の破損を防止できる構成である。
【0029】
前記回動装置5の四点リンク機構6は、図3〜図5、図8、及び図9で示す如く走行車台2の上側面へ設けた回動受メタル19の外前・外後縦回動軸19a,19bへ外前・外後縦回動軸9,10を軸支して設け、又、前・後支持フレーム7,8で支持した刈取昇降支持フレーム21の内前・内後支持孔21a,21bへ内前・内後支持軸21c,21dを軸支して設けた構成である。
【0030】
前記外前縦回動軸9の(A)点の回動中心(イ)と、内前支持軸21cの(C)点とは、前支持フレーム7を設けて接続した構成である。又、外後縦回動軸10の(B)点の回動中心(ロ)と、内後支持軸21dの(D)点とは、後支持フレーム8を設けて接続した構成である。前・後支持フレーム7,8で(A)点と、(C)点を、又、(B)点と、(D)点とを支持させて、四点リンク機構6とした構成である。回動支点である回動中心(イ)、(ロ)の(A)点と、(B)点とは、走行車台2上側の回動受メタル19へ設けると共に、支持支点である(C)点と、(D)点とは、刈取昇降支持フレーム21へ設けた構成である。
【0031】
前記刈取機4を二本の前・後支持フレーム7,8で、この刈取機4を支持することにより、開閉時の支持強度のアップを図ることができた。又、この刈取機4全体を前方へ移動させた状態で、左外側へ開操作することにより、開放状態を大きく取ることができる。更に、脱穀機11のフィードチェン12aとの当接を防止した構成である。
【0032】
前記回動装置5の四点リンク機構6を形成する(A)点と、(C)点とを接続する前支持フレーム7の全長(L3)に形成して、左右方向に設け、この前支持フレーム7は、図3で示す如く(B)点と、(D)点とを接続する後支持フレーム8の全長(L4)に形成して、左右方向に設け、この後支持フレーム8の全長(L4)を所定寸法長く(L3)<(L4)に形成して設けた構成である。刈取機4を左側方外側へ開操作したときには、(A)点と、(C)点と結ぶ直線は、図4で示す如く(A)点と、(B)点とを結ぶ直線と同じ直線上まで回動移動する構成である。
【0033】
又、前・後支持フレーム7,8の回動部の下面位置(H)を、図8で示す如く同じ高さ位置に形成した構成である。
前記刈取機4を左側方外側への開放量を大きくすることができる。これにより、脱穀機11のフィードチェン12aへの当接の防止ができる。又、前・後支持フレーム7,8の交差がないことにより、外前・外後縦回動軸9,10を長くすることができて、前・後支持フレーム7,8の倒れを防止できる構成である。
【0034】
前記回動装置5の四点リンク機構6を形成する回動支点(A)点、(B)点と、支持支点(C)点、(D)点との内の少なくとも一箇所の例えば、(A)点は、図3で示す如く刈取機4を支持する支持杆18aの上端部に設けた支持パイプ杆18bへ内装した伝動機構18dの回動中心(ハ)位置より、所定寸法前方位置へ設けた構成である。又、回動支点(A)点と、(B)点との内の、この(B)点を支持パイプ杆18bへ内装した伝動機構18dの回転中心(ハ)位置より、所定寸法後方位置へ設けた構成である。
【0035】
前記回動支点(A)点と、(B)点と、支持支点(C)点と、(D)点の四点を支持パイプ杆18bの回転中心(ハ)位置の前後へ配設したことにより、前後の支持バランスが良好になり、支持強度、及び耐久性が向上する。又、刈取機4が前後へ回動時のモーメントをバランス良く支持することができる構成である。
【0036】
前記回動装置5の四点リンク機構6を形成する回動支点(A)点より、支点(C)点は、図3で示す如く所定寸法後方へ位置させて設けると共に、回動支点(B)点より、支点(D)点を所定寸法後方へ位置させて設けた構成である。(A)点と、(C)点とを結ぶ直線と、(B)点と、(D)点とを結ぶ直線とは、略平行状態に形成した構成である。又、(A)点と、(D)点とを結ぶ直線より、(A)点と、(C)点とを結ぶ直線を前側へ位置させた構成である。更に(B)点は、(A)点に前後方向平行か、又は所定寸法内側へ位置させて設けた構成である。
【0037】
前記(A)点、及び(B)点より、(C)点、及び(D)点を所定寸法後方へ位置させて設けたことにより、前記刈取機4を左側方外側へ開放量を大きくすることができる。又、脱穀機11のフィードチェン12aへの当接を防止できる。開放空間が広くなり、エンジン23近傍のメンテナンスが容易な構成である。
【0038】
前記回動装置5の四点リンク機構6を形成する。回動受メタル19には、図3で示す如く回動支点(A)点と、(B)点とを設け、又、刈取昇降支持フレーム21には、支持支点の(C)点と、(D)点とを個別設けた構成である。
【0039】
前記四点リンク機構6の回動支点(A)点と、(B)点とは、回動受メタル19へ設け、支持支点の(C)点と、(D)点とは、刈取昇降支持フレーム21へ設けたことにより、各(A)点と、(B)点、及び(C)点と、(D)点との位置が正確に決定され、位置決めは前・後支持フレーム7,8によって決まり、このために、調整が不要となり、組立工数の低減を図ることができる。更に各軸9,10,21c,21dの平行度が向上し、刈取機4の閉作動がスムーズになる構成である。
【0040】
前記回動装置5の四点リンク機構6を形成する回動支点(A)点と、(B)点とを設ける回動受メタル19は、図3、及び図5で示す如く走行車台2の左枠2a部と、前枠2bの前部左側へ配設した構成である。
【0041】
前記回動受メタル19は、剛性のある走行車台2の前枠2bと、左枠2aとにわたって設けたことにより、強固な構成になる。
前記前・後支持フレーム7,8は、図8、及び図9で示す如く走行車台2の上側面より、前支持フレーム7の取付下面部までの高さ(H1)に形成し、又、走行車台2の上側面より、後支持フレーム8の取付下面部までの高さ(H2)に形成し、この両者の高さ(H1)と、(H2)とは同じ高さに形成した構成である。刈取昇降支持フレーム21と、前支持フレーム7、及び後支持フレーム8とには、前・後位置決ピン24a,24bを個別に設けた構成である。これにより、前・後支持フレーム7,8と、刈取昇降支持フレーム21との相対角度の最も大きい両者の接合部近傍で位置決めをして、組立誤差の減少を図っている。
【0042】
前記回動装置5は、省スペースの箇所へ配設した構成である。又、前記前・後支持フレーム7,8を支持する各軸9,10、及び各軸21c,21dが共用使用できて、コスト低減になる。更に前・後支持アーム7,8同一平面機構としたことにより、外前・外後縦回動軸9,10を長くでき、これにより、刈取機4の開閉がスムーズな構成である。
【0043】
前記支持パイプ杆18bを支持する左支持メタル20aの左外側下部には、図3、及び図4で示す如く回動支点である(A)点と、(B)点とに外前・外後縦回動軸9,10を配設した構成である。
【0044】
前記刈取機4を左側方外側へ開操作したときに、この刈取機4は、フィードチェン12aへ当接を防止することができる構成である。又、前・後支持フレーム7,8を長くすることができ、刈取機4の回動半径が増大し、大きな開口空間を得ることができる構成である。
【0045】
前記支持パイプ杆18bと、前・後支持フレーム7,8との間には、図4、及び図5で示す如く刈取昇降支持フレーム21を配設した構成である。
前記前・後支持フレーム7,8を最下位置としたことにより、これら前・後支持フレーム7,8の回動がスムーズである。又、刈取機4の重量を下部より、支えることにより、バランスのよい支持方法である。
【0046】
前記前・後支持フレーム7,8は、図3、図8、及び図9で示す如く上側部は、平面形状に形成すると共に、断面形状は、コ字形状に形成して、コ字部内には、左右方向に所定間隔で補強リブ7c,8cを個別に設けた構成である。
【0047】
前記刈取昇降支持フレーム21は、図4、図5、図8、及び図9で示す如く上側部は、平面形状に形成すると共に、断面形状は、コ字形状に形成して、このコ字部内には、放射状に補強リブ21eを設けた構成である。
【0048】
前記前・後支持フレーム7,8、及び刈取昇降支持フレーム21の上側面を平面形状にしたことにより、塵埃体積の防止ができる。又、補強リブ7c,8c,21eを設けたことにより、大巾強度アップを図ることができる。更に刈取昇降支持フレーム21の補強リブ21eは、放射状に設けたことにより、あらゆる荷重の方向に対して、強度アップを図ることができる構成である。
【0049】
前記刈取機4を回動装置5で左外側へ回動操作する構成において、この刈取機4のロック状態、又は開状態に操作する回動自在なロック装置25を、図1、及び図2で示す如くロック支持装置26へ係合操作する構成である。
【0050】
前記回動装置5の刈取昇降支持フレーム21は、図1、図4、及び図5で示す如く刈取機4の支持パイプ杆18bを支持する左・右支持メタル20a,20bの下側に設けた構成である。刈取昇降支持フレーム21と、走行車台2との間で、刈取昇降支持フレーム21の下方に突出する突出部には、左右方向に所定間隔を設けると共に、伸縮シリンダ17の左右両側に、オープンフレーム5a,5aをボルト、及びナット等により装着して設けた構成である。
【0051】
前記回動装置5のオープンフレーム5aと、走行車台2との間には、図1、及び図2で示す如く刈取機4をロック、及びロック解除するときに操作するロック装置25を設けた構成である。
【0052】
前記ロック装置25は、図1、及び図2で示す如くロック支持装置26の丸棒材等よりなる前・後ロック受材26a,26bへ係合させてロック状態、及び係合状態を解除して、ロック解除する構成である。
【0053】
前記ロック装置25は、オープンフレーム5aと、走行車台2との間に設けて、刈取機4をロック状態にして、刈取り作業状態にしたり、又は、ロック解除状態にして、この刈取機4を左側方外側へ回動移動させる構成としたことにより、回動装置5、及びロック装置25等の強度アップを図ることができる。又、刈取機4を左側方外側へ大きく回動移動させることができる。
【0054】
前記ロック支持装置26の前ロック受材26aは、図1、及び図4で示す如くオープンフレーム5a,5a間を貫通させて、軸支して設けた構成である。又、後ロック受材26bは、走行車台2の上側面へ設けた断面形状コ字形状の支持枠2cの左右側壁板で軸支して設けた構成である。
【0055】
前記回動装置5のオープンフレーム5a,5aと、走行車台2との間に設けたロック装置25には、図1、及び図2で示す如く少なくとも、二個以上の前・後ロック部25a,25bを前後方向の前後両側端の近傍部へ設けた構成である。このロック装置25の前ロック部25aは、前ロック受材26aへ係合して、又、後ロック部25bは、後ロック受材26bへ係合する構成である。
【0056】
前記ロック装置25は、二個以上の前・後ロック部25a,25bを前後方向の前後両側端の近傍部へ設けると共に、ロック支持装置26の前ロック受材26aは、オープンフレーム5a,5aへ軸支して設けると共に、後ロック受材26bは、走行車台2へ装着した支持板2cへ軸支して設けたことにより、前・後ロック部25a,25b間のピッチ間が広くなり、刈取機4をロック状態に操作したときに、ロック部が安定する。又、確実なロック、及びロック解除ができる。
【0057】
前記ロック支持装置26の丸棒材等よりなる後ロック受材26b上下方向の位置は、図1、及び図2で示す如く丸棒材よりなる前ロック受材26aの上下方向の位置より、所定高さ上部の高所位置へ位置させて設けた構成である。
【0058】
前記ロック支持装置26の後ロック受材26bの上下方向位置は、前ロック受材26aの上下位置より、所定高さ高所(H3)位置へ設けたことにより、ロック装置25で刈取機4のロック、及びロック解除操作の向上を図ることができる。又、ロック装置25が他部品への当接を防止することができる。
【0059】
前記ロック装置25は、図4、図5、及び図8で示す如く回動装置5のオープンフレーム5a,5aの間の略中央部に設けて、前・後ロック部25a,25bと、ハンドル部25cと、連結杆部25dとよりなる構成である。
【0060】
前記ハンドル26c部は、図1、及び図2で示す如く略へ字形状の操作ハンドル27aの下方近傍部を、刈取昇降支持フレーム21の上側面へ設けた取付板21fへ回動ピン27bで回動自在に軸支して設けた構成である。
【0061】
前記連結杆25d部は、図1、及び図2で示す如く連結杆28aの上端部には、螺旋ネジ28bを設け、この螺旋ネジ28b部には、略T字形状の移動用メタル28cのボス部を挿入して、上下に設けた各ナット28dにより、設定位置へ装着した構成である。この移動用メタル28cの板部の先端部と、操作ハンドル27aの下端部とを、ピン27cで回動自在に装着した構成である。各ナット28dの締付け位置により、連結杆28aの全長を調節できる構成である。この調節により、前・後ロック部25a,25bの係合状態が調節できる構成である。又、連結杆28aの下端部には、調節ボス28eを螺挿入した構成である。
【0062】
前記後ロック部25bは、図1、及び図2で示す如く左右両側のオープンフレーム5a,5aへ軸支した後受軸29には、回動自在に後ロック板29aの前部を軸支して設け、この後ロック板29aには、後ロック溝29bを設けると共に、後端部と、連結杆28aの調節ボス28eとは、ピン29cで回動自在に装着した構成である。又、後受軸29には、接続板30a後端部を軸支して設け、この接続板30aの前端部には、移動用ピン30bを軸支して設けた構成である。
【0063】
前記前ロック部25aは、図1、及び図2で示す如く左右両側のオープンフレーム5a,5aへ軸支した前受軸31には、回動自在に前ロック板31aの後端部を軸支して設け、この前ロック板31aの前部には、前ロック溝31bと、後部には、受溝31cとを設けた構成である。又、前ロック板31aの後部には、回動杆31dを設けた構成である。
【0064】
前記前受軸31と、後受軸29とには、前・後トルクスプリング33a,33bを設けて、これら前・後トルクスプリング33a,33bにより、前・後ロック部25a,25bを所定の刈取り作業位置へ支持する構成である。
【0065】
前記ハンドル部25cを後方へ倒し操作により、連結杆部25dにより、ロック装置25の後ロック部25bの後ロック溝29bは、ロック支持装置26の後ロック受材26bへ係合すると共に、この係合に連動して、前ロック部25aの前ロック溝31aは、前ロック受材26aへ係合状態になると共に、受溝31cは、受軸32へ係合状態になる構成である。これにより、刈取機4は刈取り状態にロックされる構成である。
【0066】
前記ハンドル部25cを前方へ倒し操作により、刈取機4をメンテナンス位置の左側方外側へ回動移動させるときに操作する構成であり、前方へ倒し操作により、連結杆部25dにより、ロック装置25の後ロック部25bの後ロック溝29bは、ロック支持装置26の後ロック受材26bより、係合が解除されると共に、この解除に連動して、接続板30の移動用ピン30bが下方へ回動移動され、この回動移動に連動して、前ロック部25aの前ロック板31aのロック溝31bは、前ロック受材26aへの係合が解除されると共に、受溝31cは、受軸32への係合が解除され、刈取機4は左側方外側へ回動移動操作できる構成となる。この刈取機4を手動により、メンテナンス位置である左側方外側へ回動移動できる構成である。
【0067】
前記刈取機4の左側方外側へ回動移動により、この刈取機4と同時に、前・後ロック部25a,25bと、ハンドル部25cと、連結杆部25dとよりなるロック装置25と、回動装置5の左・右支持メタル20a,20bと、刈取昇降支持フレーム21と、オープンフレーム5a,5aと、ロック支持装置26の前ロック受材26aと、伸縮シリンダ17とは、回動移動する構成である。
【0068】
前記支持杆18aに設けた取付板18eと、オープンフレーム5a,5aとの間には、伸縮シリンダ17を前・後取付ピン17a,17bで装着した構成である。この伸縮シリンダ17は、刈取機4と同時に左側方外側へ回動移動する構成である。
【0069】
前記ロック装置25の前・後ロック部25a,25bの前・後ロック板31a,29aの前・後ロック溝31b,29bは、図1、及び図2で示す如く縦向き回動方向に設けた構成である。
【0070】
これにより、前記前・後ロック部25a,25bには、刈取機4の上下の反力により、上向きの力が掛かり、このために、縦向きの前・後ロック溝31b,29bが上下方向の荷重に強く有利である。又、取付けスペースを小さくすることができる。
【0071】
前記ロック装置25のハンドル部25cの操作ハンドル27aの回動中心となる回動ピン27b位置は、図1、及び図2で示す如く支持杆18aの上端部へ左右方向に設けた支持パイプ杆18bの後方部で、刈取昇降支持フレーム21の上側面で、更に右支持メタル20bの近傍部には、上方へ突出させて設けた取付板21fへ軸支して設けた構成である。
【0072】
これにより、前記ハンドル部25cの操作ハンドル27aは、支持パイプ杆18bを支持する右支持メタル20bの近傍部へ配設したことにより、操縦席37から近いことにより、この操縦席37より、容易に操作ハンドル27aの操作が可能である。又、開操作を確実に行うことができる。
【0073】
前記ロック装置25の前・後ロック部25a,25bの前ロック板31aと、後ロック板29aとを、連結する連結機構である回動杆31dを、図1、及び図2で示す如く設けた構成である。これにより、これら前・後ロック板31aと、29aとを、同時に回動作動させることができる構成である。
【0074】
これにより、前記ハンドル部25cの一本の操作ハンドル27aの操作により、前・後ロック部25a,25bをロック、及びロック解除できることにより、ロック、及びロック解除の操作が容易で、簡単にできる。
【0075】
前記前支持フレーム7の基部側の前基部孔7aのボス外径部で、後側には、図10で示す如く前ストッパー部7dを設けた構成である。又、後支持フレーム8の基部側の後基部孔8aのボス外径部で、前側には、図10で示す如く後ストッパー部8dを設けた構成である。これら前・後ストッパー部7d,8d部を当接状態に設け、これにより、前・後支持アーム7,8の先端部の内前・内後挿入孔7b,8b位置を正確に確保できる構成である。
【0076】
これにより、前記前・後支持フレーム7,8の基部側のボス外径部には、前・後ストッパー部7d,8dを設けたことにより、先端部の内前・内後挿入孔7b,8b位置を正確に確保できると共に、回動支点の近傍部に設けたことにより、前・後ストッパー部7d,8dの形状が小型にできることにより、重量アップ、及びコストアップを防止できる。
【0077】
前記伸縮シリンダ17の後側の取付支点である。後取付ピン17bに対して、図1で示す如くロック支持装置26の前ロック受材26a位置は、所定距離前方部位置へ位置させて設けると共に、後ロック受材26b位置は、所定距離後方部位置へ位置させて設けた構成である。
【0078】
又、前記ロック装置25の前ロック部25aの前ロック板31aを、ロック解除操作したときには、図1、図2、及び図11で示す如くこの前ロック板31aに設けた前ロック溝31bの後側面31eにより、オープンフレーム5a,5aに設けた前ロック受材26aを前方へ押出しする構成である。これにより、刈取機4を左側方外側へ回動移動操作が容易に行える構成である。
【0079】
これにより、前記伸縮シリンダ17の後取付用の後取付ピン17bの前後にロック支持装置26の前・後ロック受材26a,26bを設けたことにより、オープンフレーム5a,5a、及び刈取昇降支持フレーム21の固定を確実に行うことができる。又、ロック解除に連動して、オープンフレーム5a,5aを前ロック受材26aを介して前方へ押出して、左側方外側へ回動移動を開始することにより、初期の回動移動をスムーズに行うことができる。
【0080】
前記ロック装置25のハンドル部25cの操作ハンドル27aは、図1、図2、及び図12で示す如く略く字形状に形成して、ロック時には、脱穀機11へ回転動力を入力する脱穀入力部11aの入力プーリカバー11bの上側部に、操作ハンドル27aの先端部が、沿う状態になる構成であると共に、ロック解除時には、操作ハンドル27aの先端部は、略垂直状態になる構成である。又、操作ハンドル27aのロック解除方法と、刈取機4の左側方外側への回動移動方向の向きと同じにした構成である。
【0081】
これにより、前記ハンドル部25cの操作ハンドル27aの収納時には、邪魔になるものがない。又、オープン時には、垂直状態であり、オープン状態から収納状態への操作のときに、力が入れやすく復元操作が容易である。更に、オープン操作が容易である。
【0082】
前記回動受メタル19と、オープンフレーム5aとの間で、刈取り昇降支持フレーム21の下側で、走行車台2の上側面には、図6、及び図8で示す如く伸縮シリンダ17用の油圧バルブ17cを装着して設けた構成である。
【0083】
これにより、前記刈取機4を左側方外側へ回動移動操作することにより、油圧バルブ17cのメンテナンスが容易である。又、刈取昇降支持フレーム21の下側であることにより、塵埃の溜まりを防止することができる。更に、空間のスペースを有効利用できる。
【0084】
前記回動受メタル19と、脱穀機11の前側板11dとの間で、刈取機4と、脱穀機11とを接合する接合部材11cの下部には、図13で示す如くエンジン23用のバッテリ23aを、走行車台2の上側面へ載置した構成である。
【0085】
これにより、前記バッテリ23aを機体1aの左側部へ載置したことにより、このバッテリ23aの脱着、及び充電等のメンテナンスが容易である。又、空間のスペースを有効利用できる。
【0086】
前記刈取機4を四点リンク機構6の回動装置15で左側方外側へ回動移動と、脱穀機11のフィードチェン12aの左側方外側へ回動移動とは、図6で示す如く両者がそれぞれ単独、又は両者が同時に回動移動させることのできる構成である。
【0087】
これにより、前記刈取機4と、フィードチェン12aとは、両者をそれぞれ単独、又は同時に回動移動させることができることにより、状況にあった各部のメンテナンスが容易に行える。
【0088】
前記刈取機4は、図13、及び図14で示す如く四点リンク機構6の回動装置5で左側方外側へ回動移動する構成において、詳細は後述する刈取機4と、脱穀機11との間には、補助移送装置34の内補助移送チェン34aと、外補助移送チェン34bとを設けた構成であり、これら内・外補助移送チェン34a,34bは、補助ギャーケース35で回転駆動する構成である。
【0089】
前記補助移送装置34の内・外補助移送チェン34a,34bは、刈取機4を左側方外側へ回動移動操作したときであっても、移動されずに、本機側へ残る構成である。
これにより、前記脱穀機11の入口側に設けた入口漏斗(図示せず)に切欠を設けるか、又は、取り外しを行うかことより、補助移送装置34を回動移動させることができるが、固定式にすることにより、これらの必要がない。
【0090】
前記回動受メタル19と、脱穀機11とは、図13で示す如く補助ギャーケース35を介して、上部側の接合部材11cと、下部側の下接合部材19cとにより、接続させた構成である。
【0091】
これにより、前記回動受メタル19の前方へ倒れを防止することができ、刈取機4を左側方外側への回動移動をスムーズに行うことができる。
前記フィードチェン12aを左側方外側へ回動移動させる回動中心となる回動軸38aは、図13、及び図14で示す如く回動受メタル19へ設けた支持具38bで回動自在に軸支した構成である。この回動軸38aと、フィードチェン12aを支持するチェン支持板12cとは、回動杆39を設けて接続した構成である。
【0092】
これにより、前記回動受メタル19は強固に構成されていて、これにフィードチェン12aの回動中心を支持させたことにより、フィードチェン12aの回動移動がスムーズである。又、刈取機4の回動移動と、フィードチェン12aの回動移動のときの両者の干渉を防止することができる。更に大きく回動移動させることができる。
【0093】
前記四点リンク機構6の後支持アーム8の基部側は、図6で示す如く刈取機4を左側方外側へ回動移動させたときには、機体1aに対して、略直角状態以上の開状態になる構成である。更に略へ字形状に形成して、前支持フレーム7の当接を防止した構成である。
【0094】
これにより、刈取機4を大きくオープンすることができて、エンジン23の周辺のメンテナンスが容易である。又、前・後支持アーム7,8の回動中心(A),(B)を近接させることができて、回動受メタル19を小型化できて、コスト低減になる。
【0095】
前記走行装置3を回転駆動させる走行伝動プーリ3b位置より、刈取機4を回転駆動させる刈取入力プーリ18c位置は、図9で示す如く刈取機4を回動移動させる回動受メタル19側へ所定距離接近させて設けた構成である。
【0096】
これにより、前記走行伝動プーリ3bへ掛け渡したベルト3cを取り外すことなく、刈取機4を回動移動させることができる。又、刈取入力プーリ18cへ掛け渡した刈取用ベルト4bの取り外しが容易である。
【0097】
前記穀粒貯留タンク13側の前部には、図15で示す如くコンバイン1を始動、停止、及び各部を調節等の操作を行う操作装置36と、これら操作を行う作業者が搭乗する操縦席37とは、操作室ケース36aで形成した操作室36b内へ設け、この操縦席37の下側で、走行車台2の上側面には、エンジン23を載置すると共に、後方部には、穀粒貯留タンク13を配設する。これら走行装置3と、刈取機4と、脱穀機11と、エンジン23等により、コンバイン1の機体1aを形成した構成である。
【0098】
前記走行車台2の前端部に装架した走行用のミッションケース22内の伝動機構22aの伝動経路中には、その出力に基づいて、走行車速を検出するポテンションメータ方式の車速センサ22bを設けた構成である。
【0099】
前記穀粒貯留タンク13内に貯留した穀粒を機外へ排出するこの穀粒貯留タンク13の後側には、縦移送螺旋40aを内装した排出支持筒40を略垂直姿勢で旋回自在に装着して設け、この排出支持筒40の上端部には、その全長がコンバイン1の前後長に亘る機外へ穀粒を排出する排出螺旋41aを伸縮自在に内装した排出オーガ41を伸縮自在、上下回動自在、及び左右旋回自在に前後方向に配設した構成である。
【0100】
前記脱穀機11のフィードチェン12aは、図13で示す如く回動受メタル19に設けた支持具38bで回動軸38aを回動自在に軸支して設け、この回動軸38aと、フィードチェン12aを支持するチェン支持板12cとは、回動杆39で接続した構成である。回動軸38aを回動中心として、フィードチェン12aの移送始端部側を回動中心側として、移送終端部が左側方外側へ開閉自在な構成である。
【0101】
前記脱穀機11の前側には、図13で示す如く刈取機4の根元・穂先移送装置16a,16bで挟持移送される刈取り穀稈を引継ぎ移送する内補助移送チェン34aと、外補助移送チェン34bとよりなる補助移送装置34を設けた構成である。
【0102】
前記補助移送装置34の内・外補助移送チェン34a,34bの回動駆動は、図6、及び図13で示す如く支持パイプ杆18bの伝動機構18dの外側端部に軸支した出力プーリ18fと、脱穀機11の前側へ設けた補助ギャーケース35へ軸支した入力プーリ35aとには、ベルト35bを掛け渡して、内・外補助移送チェン34a,34bを回動駆動する構成である。
【符号の説明】
【0103】
2 走行車台(車台)
3 走行装置
4 刈取機
11 脱穀機
12a フィードチェン
15 穀稈供給移送装置
18a 支持杆(支持部材)
18b 支持パイプ杆(支持パイプ)
18c 刈取入力プーリ
18d 伝動機構
21 刈取昇降支持フレーム
23 エンジン
25 ロック装置
34a 内補助移送チェン
35 補助ギヤケース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車台(2)の下側に走行装置(3)を設け、車台(2)の前方に穀稈供給移送装置(15)を備えた刈取機(4)を配置し、該刈取機(4)を左側方外側へ回動自在に車台(2)に縦軸で軸支し、該刈取機(4)を車台(2)側にロックするロック装置(25)を設け、車台(2)の上側にフィードチェン(12a)を備えた脱穀機(11)を設け、該脱穀機(11)の前側に内補助移送チェン(34a)を設け、刈取機(4)で刈り取られ穀稈供給移送装置(15)で挟持移送された穀稈を内補助移送チェン(34a)で引継ぎ移送してフィードチェン(12a)に受け渡す構成とし、前記刈取機(4)の前方下部から後方上部へ傾斜させて設けた支持部材(18a)の上端部に左右方向の支持パイプ(18b)を設け、該支持パイプ(18b)に内装した伝動機構(18d)の一端部に、エンジン(23)の回転動力が入力される刈取入力プーリ(18c)を設け、前記伝動機構(18d)の他端部から補助ギヤケース(35)へ駆動力を入力し該補助ギヤケース(35)から内補助移送チェン(34a)を駆動する構成とし、前記ロック装置(25)を解除操作して刈取機(4)を左側方外側へ回動させても内補助移送チェン(34a)が車台(2)側に残る構成としたことを特徴とするコンバイン。
【請求項2】
前記ロック装置(25)のロック解除操作に連動して、刈取機(4)を昇降自在に支持する刈取昇降支持フレーム(21)が前方へ押し出されて刈取機(4)の左側方外側への回動が開始される構成としたことを特徴とする請求項1記載のコンバイン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2009−240330(P2009−240330A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−176769(P2009−176769)
【出願日】平成21年7月29日(2009.7.29)
【分割の表示】特願2008−250563(P2008−250563)の分割
【原出願日】平成15年7月22日(2003.7.22)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】