シナリオ生成装置、擬似基地局、シナリオ生成プログラムおよび記録媒体
【課題】 通信端末の試験を正確、かつ短期間に行うことができるシナリオ生成装置、擬似基地局、シナリオ生成プログラムおよび記録媒体を提供する。
【解決手段】 ログファイル6に記述されたレイヤ3の通信シーケンスに含まれるメッセージを解析してメッセージの中から基地局に係るレイヤ2/レイヤ1のパラメータの設定値を抽出し、この抽出されたパラメータの設定値とパラメータテーブルに記憶されたパラメータの設定値とに基づいて擬似基地局のパラメータの設定値を決定し、メッセージ解析手段11によって解析された解析情報とパラメータ決定手段18によって決定されたパラメータの設定値とに基づいて、擬似基地局で動作させるためのシナリオを生成する。
【解決手段】 ログファイル6に記述されたレイヤ3の通信シーケンスに含まれるメッセージを解析してメッセージの中から基地局に係るレイヤ2/レイヤ1のパラメータの設定値を抽出し、この抽出されたパラメータの設定値とパラメータテーブルに記憶されたパラメータの設定値とに基づいて擬似基地局のパラメータの設定値を決定し、メッセージ解析手段11によって解析された解析情報とパラメータ決定手段18によって決定されたパラメータの設定値とに基づいて、擬似基地局で動作させるためのシナリオを生成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シナリオ生成装置、擬似基地局、シナリオ生成プログラムおよび記録媒体に関し、例えば、携帯電話、モバイル端末等の通信端末が設計された通りに機能するのかを検査するために、基地局を模擬した擬似基地局において通信シーケンスをシミュレーションするための動作を記述したシナリオを生成するシナリオ生成装置、擬似基地局、シナリオ生成プログラムおよび記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近時では、試験現場に通信端末を持込み、所定の通信プロトコル(例えば、W−CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)等)による通信において、基地局と通信端末との間で遣り取りされるネットワーク層(レイヤ3)の通信シーケンスを記録したログ情報を通信端末から取得する、所謂、フィールドテストを実施した後、このログ情報に基づいて基地局を模擬した擬似基地局を制御するシナリオを作成し、通信端末を擬似基地局に接続して通信端末を操作することにより、通信端末の動作状態を検査するようにしている。
【0003】
ところで、この検査方式にあっては、シナリオの作成には、規格内容や擬似基地局の動作についての知識が必要であるが、例えば、3GPP(The 3rd Generation Partnership Project)で作定される規格等は量が多く、しかも現状では数ヶ月毎に更新される内容もあるため、シナリオを作成することができる作業者は充分な知識のある者に限られている上に、レイヤ2/レイヤ1の設定に必要なパラメータが多いので、シナリオの作成がより一層複雑になってしまい、知識を持つ者が作成しても、シナリオを作成するのに多大な時間を要してしまう。このため、擬似基地局をシミュレーションするためのシナリオを作成する時間を短縮することが要求される。
【0004】
一方、シナリオを自動的に作成したものとしては、表示装置上に通信端末のキー配列と同様なキー配列を表示し、表示されたキーをマウス等で指定して、ユーザが実際に行う正常操作と共に、誤操作をも想定した試験手順書を自動的に作成した後、シミュレータが解読可能な記述言語に自動変換して試験システム用のシナリオを作成し、このシナリオに基づいて通信端末の動作状態を検査するようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
したがって、フィールドテストで得られたログ情報を特許文献1に示すシナリオ自動生成方式に組み合わせて通信端末の検査方法にしたものを考慮すると、ログ情報から擬似環境における現象再現のために必要なシナリオを自動で作成することができ、必要な入力パラメータを設定した後は、自動でシナリオを生成するので、環境フィールドテスト・フィードバック期間を短縮することが可能となる。
【0006】
また、シナリオを自動的に作成することにより、通信規格等の知識を持たない作業者であっても、フィールドテストで得られたログ情報から現象を再現することができるので、フィールドテストの結果からシナリオを作成する際に、通信規格等の知識がない作業者に現象の再現を行わせ、また、通信規格等の知識がある作業者には再現結果の調査を割り当てることができる。この結果、通信規格等の知識を有する作業者を通信端末の検査作業に集中させることができる。
【特許文献1】特開平9−91169号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、このような従来の通信端末の検査方法にあっては、基地局と通信端末間の通信シーケンスの通信端末側から収集したログ情報には、レイヤ3のメッセージを含んだ通信シーケンスが記録されているが、基地局に関するデータリンク層(レイヤ2)および物理層(レイヤ1)のログ情報が記録されていないので、以下に示す問題が発生してしまう。
【0008】
すなわち、基地局と通信端末が通信するためには、基地局と通信端末とが互いのレイヤ2/レイヤ1の設定を理解していなければ、データを受信できないため、通信中にレイヤ2/レイヤ1の設定を変更する機能を有する通信プロトコル(例えば、W−CDMA等、以下、W−CDMAを例に説明する)の場合には、基地局と通信端末の間でレイヤ2/レイヤ1の設定を変更するための通信シーケンスが実行されるようになっており、レイヤ2/レイヤ1の設定変更のための通信シーケンスの中では、新しいレイヤ2/レイヤ1の設定内容を含んだレイヤ3の通信シーケンスのメッセージが送受信される。
【0009】
このため、ログ情報を解析することにより、擬似基地局において通信シーケンスをシミュレーションするためのシナリオを作成する作業において、レイヤ2/レイヤ1の設定変更が必要なタイミングや擬似基地局を動作させるための設定パラメータの一部を得ることができる。
【0010】
しかしながら、例えば、基地局側のチャネルの出力パワーやチャネル番号等のように、基地局が相手に送信する必要のない基地局だけで設定を行うレイヤ2/レイヤ1のパラメータは、レイヤ3の通信シーケンスのメッセージ内に含まれないため、ログ情報を解析するだけでは、擬似基地局を動作させるための完全なレイヤ2/レイヤ1の設定パラメータを含んだシナリオを生成することができず、通信端末の動作状態を正確に検査することができない。
【0011】
本発明は、従来の問題を解決するためになされたもので、フィールドテスト等で取得されたログ情報から擬似基地局により通信シーケンスをシミュレーションするためのシナリオを作成する時間を短縮することができるとともに、擬似基地局で実環境に近い状態をシミュレーションするために、ログ情報から得られたパラメータの設定値とログ情報から得られない擬似基地局の動作に必要なパラメータの設定値とを比較選択し、決定したシナリオを生成することができるようにして、通信端末の試験を正確、かつ短期間に行うことができるシナリオ生成装置、擬似基地局、シナリオ生成プログラムおよび記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明のシナリオ生成装置は、基地局から通信端末に対して通信に係るパラメータを送信する通信シーケンスを含んだ通信プロトコルを用いて前記基地局と前記通信端末との間で行う通信の通信シーケンスを記録したログ情報に基づき、前記基地局を模擬した擬似基地局で前記通信シーケンスをシミュレーションするためのシナリオを生成するシナリオ生成装置であって、前記ログ情報に記述された通信シーケンスに含まれるメッセージを解析するとともに、前記メッセージの中から前記パラメータの設定値を抽出するメッセージ解析手段と、前記擬似基地局が前記ログ情報に記述された前記通信シーケンスをシミュレーションするための少なくとも前記パラメータを含むパラメータとそのパラメータの設定値とを関連付けて記憶するパラメータテーブルを備えたパラメータテーブル記憶手段と、前記メッセージ解析手段によって抽出された前記ログ情報のパラメータの設定値と前記パラメータテーブルに記憶されたパラメータの設定値を比較することにより、前記擬似基地局が通信シーケンスをシミュレーションするためのパラメータの設定値を決定するパラメータ決定手段と、前記メッセージ解析手段によって解析された解析情報と前記パラメータ決定手段によって決定された前記擬似基地局が通信シーケンスをシミュレーションするためのパラメータの設定値とに基づいて、前記擬似基地局で動作させるためのシナリオを生成するシナリオ生成手段とを備えたものから構成される。
【0013】
この構成により、ログ情報に記述された通信シーケンス(レイヤ3)に含まれるメッセージを解析してメッセージの中から基地局に係るパラメータ(レイヤ2/レイヤ1)の設定値を抽出し、この抽出されたパラメータの設定値とパラメータテーブルに記憶されたパラメータ(レイヤ2/レイヤ1)の設定値とからシナリオに記述するパラメータの設定値を選択して決定し、メッセージ解析手段によって解析された解析情報とパラメータ決定手段によって決定されたパラメータの設定値とに基づいて、擬似基地局で通信シーケンスをシミュレーションするためのシナリオを生成するので、擬似基地局で通信シーケンスをシミュレーションするためのシナリオに記述するパラメータを自動的に生成することができる。
【0014】
このため、フィールドテスト等で取得されたログ情報から擬似基地局により通信シーケンスをシミュレーションするためのシナリオを作成する時間を短縮することができるとともに、擬似基地局で実環境に近い状態をシミュレーションするために、ログ情報から得られたパラメータの設定値とログ情報から得られない擬似基地局の動作に必要なパラメータの設定値とを比較選択し、決定したシナリオを生成することができるようにして、通信端末の試験を正確、かつ短期間に行うことができる。
【0015】
また、本発明のシナリオ生成装置のパラメータ決定手段は、前記擬似基地局が通信シーケンスをシミュレーションするためのパラメータの設定値が、前記ログ情報のパラメータの設定値に含まれるときは、前記ログ情報のパラメータの設定値を前記シナリオに記述する前記擬似基地局が通信シーケンスをシミュレーションするためのパラメータの設定値に設定し、前記ログ情報のパラメータの設定値に含まれないときには、前記パラメータテーブルに記憶されたパラメータの設定値を、前記シナリオに記述する前記擬似基地局が通信シーケンスをシミュレーションするためのパラメータの設定値に設定するものから構成される。
【0016】
この構成により、擬似基地局で通信シーケンスをシミュレーションするためのシナリオに記述するパラメータを容易に生成することができる。特に、擬似基地局が通信シーケンスをシミュレーションするためのパラメータの設定値が、ログ情報のパラメータの設定値に含まれるときは、ログ情報のパラメータの設定値をシナリオに記述する擬似基地局が通信シーケンスをシミュレーションするためのパラメータの設定値に設定するので、ログ情報を取得した通信シーケンスとそのときの状況を、擬似基地局においてより実環境に近い状態でシミュレーションすることができる。
【0017】
また、本発明のシナリオ生成装置は、前記パラメータテーブルに記憶される前記パラメータの設定値は、所定の幅を持った設定値であり、前記パラメータ決定手段は、前記パラメータテーブルに記憶された前記幅を持った設定値に応じて、前記擬似基地局が通信シーケンスをシミュレーションするための複数のパラメータの設定値を決定し、前記シナリオ生成手段は、前記パラメータ決定手段によって決定された前記複数のパラメータの設定値に基づいて、前記擬似基地局で動作するための複数のシナリオを生成するものから構成される。
【0018】
この構成により、1つのログ情報に対して、同一の通信シーケンスで異なるパラメータの設定値を有する複数のシナリオを作成することができ、擬似基地局を用いて複数の異なる条件下で通信端末の動作状態を検査することができる。
【0019】
また、本発明のシナリオ生成装置の前記パラメータテーブル記憶手段は、通信規格に応じて前記ログ情報に記述された前記通信シーケンスをシミュレーションするための少なくとも前記パラメータを含むパラメータとそのパラメータの設定値とを関連付けて記憶する複数のパラメータテーブルを備えたものから構成される。
【0020】
この構成により、複数の通信規格における通信シーケンスを取得した各々のログ情報から通信規格に応じたパラメータでシナリオを作成することができ、通信規格に応じたシナリオの通信シーケンスを擬似基地局で実環境に近い状態でシミュレーションして通信端末の動作状態を検査することができる。
【0021】
また、本発明の擬似基地局は、上述したシナリオ生成装置を備え、前記シナリオ生成装置によって生成された前記シナリオに記述された通信シーケンスを含んだ通信プロトコルに基づいて前記通信端末との間で通信を行うものから構成される。
【0022】
この構成により、フィールドテスト等で取得されたログ情報から擬似基地局により通信シーケンスをシミュレーションするためのシナリオを作成する時間を短縮することができるとともに、擬似基地局で実環境に近い状態をシミュレーションするために、ログ情報から得られたパラメータの設定値とログ情報から得られない擬似基地局の動作に必要なパラメータの設定値とを比較選択し、決定したシナリオを生成することができるようにして、通信端末の試験を正確、かつ短期間に行うことができる。
【0023】
また、本発明のシナリオ生成プログラムは、基地局から通信端末に対して通信に係るパラメータを送信する通信シーケンスを含んだ通信プロトコルを用いて前記基地局と前記通信端末との間で行う通信の通信シーケンスを記録したログ情報に基づき、前記基地局を模擬した擬似基地局で前記通信シーケンスをシミュレーションするためのシナリオを生成するシナリオ生成プログラムであって、コンピュータに、前記ログ情報に記述された通信シーケンスに含まれるメッセージを解析するとともに、前記メッセージの中から前記パラメータの設定値を抽出するメッセージ解析処理と、前記擬似基地局が前記ログ情報に記述された前記通信シーケンスをシミュレーションするための少なくとも前記パラメータを含むパラメータとそのパラメータの設定値とを関連付けて記憶するパラメータテーブルを備えたパラメータテーブル記憶処理と、前記メッセージ解析処理によって抽出された前記ログ情報のパラメータの設定値と前記パラメータテーブルに記憶されたパラメータの設定値を比較することにより、前記擬似基地局が通信シーケンスをシミュレーションするためのパラメータの設定値を決定するパラメータ決定処理と、前記メッセージ解析処理によって解析された解析情報と前記パラメータ決定処理によって決定された前記擬似基地局が通信シーケンスをシミュレーションするためのパラメータの設定値とに基づいて、前記擬似基地局で動作させるためのシナリオを生成するシナリオ生成処理とを実行させるものから構成される。
【0024】
この構成により、フィールドテスト等で取得されたログ情報から擬似基地局により通信シーケンスをシミュレーションするためのシナリオを作成する時間を短縮することができるとともに、擬似基地局で実環境に近い状態をシミュレーションするために、ログ情報から得られたパラメータの設定値とログ情報から得られない擬似基地局の動作に必要なパラメータの設定値とを比較選択し、決定したシナリオを生成することができるようにして、通信端末の試験を正確、かつ短期間に行うことができる。
【0025】
また、本発明の記録媒体は、上述したシナリオ生成プログラムが記録されている。
【0026】
この構成により、フィールドテスト等で取得されたログ情報から擬似基地局により通信シーケンスをシミュレーションするためのシナリオを作成する時間を短縮することができるとともに、擬似基地局で実環境に近い状態をシミュレーションするために、ログ情報から得られたパラメータの設定値とログ情報から得られない擬似基地局の動作に必要なパラメータの設定値とを比較選択し、決定したシナリオを生成することができるようにして、通信端末の試験を正確、かつ短期間に行うことができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明は、フィールドテスト等で取得されたログ情報から擬似基地局により通信シーケンスをシミュレーションするためのシナリオを作成する時間を短縮することができるとともに、擬似基地局で実環境に近い状態をシミュレーションするために、ログ情報から得られたパラメータの設定値とログ情報から得られない擬似基地局の動作に必要なパラメータの設定値とを比較選択し、決定したシナリオを生成することができるようにして、通信端末の試験を正確、かつ短期間に行うことができるシナリオ生成装置、擬似基地局、シナリオ生成プログラムおよび記録媒体を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0029】
図1〜図13は本発明に係るシナリオ生成装置、擬似基地局、シナリオ生成プログラムおよび記録媒体の第1の実施の形態を示す図である。
【0030】
まず、構成を説明する。図1(a)(b)は、携帯電話、モバイル端末等の通信端末の検査システムの構成図である。図1(a)は、検査システムにおいてログ情報を取得するまでを示しており、基地局1と、携帯電話、モバイル端末等から構成される通信端末としての携帯通信端末2aと、ログ情報取得装置3とによって構成されている。
【0031】
また、図1(b)は、検査システムにおいて、取得したログ情報からシナリオを生成して通信シーケンスをシミュレーションするまでを示しており、ログ情報取得装置3(図1(a)と共通)、シナリオ生成装置としてのログシナリオコンバータ4と、擬似基地局5と、擬似基地局5と通信を行う試験対象となる携帯通信端末2bとによって構築されている。
【0032】
ここでは、説明のため、「通信端末2(携帯通信端末2)」を「携帯通信端末2a」と「携帯通信端末2b」とに分けて記述しているが、特に分ける必要がない場合については、「通信端末2(携帯通信端末2)」ともいう。
【0033】
本実施の形態では、フィールドテスト時に携帯通信端末2aを基地局1に接続して携帯通信端末2aの操作を行うようになっており、このとき、基地局1と携帯通信端末2aの間で予め定められた通信プロトコルを使用して通信を行い、その中でネットワーク層(以下、レイヤ3という)の通信シーケンスも行われる。
【0034】
このレイヤ3の通信シーケンスには基地局1から携帯通信端末2aに対して送信される通信シーケンスとして、データリンク層(以下、レイヤ2という)/物理層(以下、レイヤ1という)のパラメータの設定を変更するためのメッセージが含まれている。
【0035】
ログ情報取得装置3は、携帯通信端末2aから主にレイヤ3の通信シーケンスで構成されたログを取得して電子データからなるログファイル(ログ情報)6を作成するようになっている。ログシナリオコンバータ4は、ログファイル6に基づいて基地局を模擬した擬似基地局5でレイヤ3の通信シーケンスをシミュレーションするためのシナリオを生成して電子データからなるシナリオファイル7を生成するようになっている。
【0036】
擬似基地局5は、ログシナリオコンバータ4によって生成されたシナリオファイル7に基づいて携帯通信端末2bとの間で通信を行うことにより、フィールドテストで発生した通信シーケンスを再現して携帯通信端末2bの動作状態を検査するようになっている。
【0037】
図2に示すように、ログシナリオコンバータ4は、入力手段10、メッセージ解析手段11、シナリオ生成手段12、出力手段13、パラメータテーブル記憶手段17およびパラメータ決定手段18を備えている。
【0038】
入力手段10は、ログファイル6を取得してメッセージ解析手段11に入力するようになっている。
【0039】
メッセージ解析手段11は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等のコンピュータから構成されており、通信プロトコル判定部14およびパラメータ抽出部15を備えている。
【0040】
通信プロトコル判定部14は、ログファイル6に記述された通信シーケンスに含まれるメッセージを解析するようになっており、パラメータ抽出部15は、通信プロトコル判定部14によって解析されたメッセージを参照し、レイヤ2/レイヤ1のパラメータの設定を変更するメッセージおよびそのメッセージで指定されたパラメータの設定値を抽出するようになっている。
【0041】
パラメータテーブル記憶手段17は、ハードディスク、CD、DVD−ROM等の記憶装置から構成されており、擬似基地局5がログファイル6が取得された通信プロトコル(例えば、W−CDMA(Wideband Code Division Multiple Access))を動作させるためのパラメータとそのパラメータの設定値とを関連付けて記憶するパラメータテーブル22を備えている。
【0042】
図3はパラメータテーブル22の一例を示す図である。このパラメータテーブル22には、3GPPで規格化されたW−CDMAの通信プロトコルで通信する場合のパラメータとそのパラメータの設定値が関連付けられて記憶される。
【0043】
図3において、パラメータテーブル22は、パラメータとして、レイヤ1のDPCH(Dedicated Physical Channel)チャネルの出力パワーとその設定値"−10"が関連付けられており、パラメータとして、レイヤ1のDPCHチャネルの番号とその設定値"1"が関連付けられている。
【0044】
また、パラメータテーブル22には、パラメータとして、レイヤ1のスクランブルコードとその設定値"00000080"が関連付けられており、パラメータとして、レイヤ2のDCCH(Dedicated Control Channel)チャネルの数とその設定値"4"が関連付けられている。
【0045】
また、パラメータテーブル22には、パラメータとして、レイヤ2のDTCH(Dedicated Traffic Channel)チャネルの数とその設定値"3"が関連付けられている。なお、パラメータテーブル22にはレイヤ2/レイヤ1のその他のパラメータとその設定値が関連付けられており、それらは図示省略する。
【0046】
パラメータ決定手段18は、上述したコンピュータから構成されており、パラメータ抽出手段15によって抽出されたログファイル6のレイヤ2/レイヤ1のパラメータとパラメータテーブル22に記憶されたパラメータとに基づいて、擬似基地局5のパラメータの設定値を決定するようになっている。
【0047】
シナリオ生成手段12は、メッセージ解析手段11と同様に上述したコンピュータから構成されており、パラメータパターン組込部16を備えている。シナリオ生成手段12は、メッセージ解析手段11によって解析されたログファイル6の解析結果に基づいてシナリオを作成するようになっており、パラメータパターン組込部16は、メッセージ解析手段11によって解析されたログファイル6の解析結果に基づいてレイヤ2/レイヤ1のパラメータパターンにパラメータ決定手段18によって決定されたパラメータの設定値を組込むようになっている。
【0048】
また、ログシナリオコンバータ4には、図示しないCD−ROM、DVD−ROM等の記録媒体から情報を読取るドライバ装置が設けられている。CD−ROM、DVD−ROM等には、ログファイル6に記述された通信シーケンスに含まれるメッセージを解析するとともに、メッセージの中からレイヤ2/レイヤ1のパラメータの設定値を抽出するメッセージ解析処理と、擬似基地局5がログファイル6に記述された通信シーケンスをシミュレーションするための少なくともパラメータを含むパラメータとそのパラメータの設定値とを関連付けて記憶する上述したパラメータテーブル22を備えたパラメータテーブル記憶処理と、メッセージ解析処理によって抽出されたログファイル6のパラメータの設定値とパラメータテーブル22に記憶されたパラメータの設定値を比較することにより、擬似基地局5が通信シーケンスをシミュレーションするためのパラメータの設定値を決定するパラメータ決定処理と、メッセージ解析処理によって解析された解析情報とパラメータ決定処理によって決定された擬似基地局5が通信シーケンスをシミュレーションするためのパラメータの設定値とに基づいて、擬似基地局5で動作させるためのシナリオを生成するシナリオ生成処理とを含んだシナリオ生成プログラムが記憶されており、ドライバ装置は、このシナリオ生成プログラムを読取るようになっている。
【0049】
そして、本実施の形態のログシナリオコンバータ4の上述したコンピュータは、このシナリオ生成プログラムを実行することにより、後述するシナリオ生成処理を行う。
【0050】
次に、図4〜図13に基づいてシナリオ生成処理を説明する。図4はフィールドテスト時に携帯通信端末2a(図4では「端末2」として記載)と基地局1の間で行われるレイヤ2/レイヤ1の設定変更を含む通信シーケンスの一例である。
【0051】
基地局1からは常に報知情報が発信されており、携帯通信端末2aの電源がONのときには携帯通信端末2aが基地局1に登録されて携帯通信端末2aの液晶表示画面にアンテナが立つ。次いで、携帯通信端末2aから発信動作を行った場合(例えば、Webページにアクセスを行う)には、基地局1と携帯通信端末2aの間で回線の接続が確立され、基地局1と携帯通信端末2aの間で認証処理が行われる。
【0052】
次いで、携帯通信端末2aから基地局1に接続要求のメッセージが送信されると、レイヤ2/レイヤ1の設定を変更するシーケンスが実行される。ここでは、基地局1から携帯通信端末2aにレイヤ1の設定を変更するメッセージを通知する。このメッセージにはレイヤ1の新しい設定のパラメータが含まれている。
【0053】
次いで、携帯通信端末2aから基地局1にレイヤ1の設定変更を完了したことを示すメッセージを送信し、このメッセージが基地局2に届くと、レイヤ1の設定の変更が基地局1および携帯通信端末2aの相互で正常に行われたことになり、基地局1から携帯通信端末2aに接続許可のメッセージが送信される。次いで、基地局1と携帯通信端末2aの間で通信接続処理が行われ、最終的な接続先と接続されて通信が行われる。
【0054】
フィールドテストでは、上述したように実際の現場で基地局1と携帯通信端末2aの間で通信を行った後、ログ情報取得装置3によって携帯通信端末2aから基地局1との間で遣り取りされる通信シーケンスを記録したログファイル6を取得する。
【0055】
このログファイル6の一部を図5に示す。図5においては、符号21で示す部分が基地局1から携帯通信端末2aに送信されるレイヤ1の設定変更のレイヤ3のメッセージである。
【0056】
次に、ログファイル6からシナリオを生成する方法を説明する。図6はシナリオ生成処理のフローチャートであり、このフローはログシナリオコンバータ4のROMに格納され、CPUによって実行されるシナリオ生成プログラムである。
【0057】
まず、入力手段10にログファイル6を入力すると、通信プロトコル判定部14がログファイル6をメッセージ単位で解析する(ステップS1)。次いで、パラメータ抽出部15がレイヤ2/レイヤ1の設定処理が必要なメッセージがあるか否かを判別し(ステップS2)、設定処理が必要なメッセージがない場合には、メッセージ送信(あるいは受信)処理をシナリオに追加する(ステップS3)。
【0058】
次いで、ログに解析するべきメッセージがあるかメッセージ解析手段11が判定する(ステップS6)。ここで解析するべきメッセージが無いものと判断された場合は、シナリオ生成手段12が最終的なシナリオ変換処理を行い、シナリオファイル7を完成させる(ステップS7)。また、ステップS6でログに解析するべきメッセージが有るものと判断された場合には、ステップS1に戻り解析を続ける。
【0059】
一方、ステップS2でパラメータ抽出部15がレイヤ2/レイヤ1の設定処理が必要なメッセージがあるものと判断した場合には、パラメータ決定手段18によりこのメッセージと内部テーブルであるパラメータテーブル22の値からレイヤ2/レイヤ1のパラメータを決定する(ステップS4)。
【0060】
図7はパラメータ決定手段18が行うパラメータ決定処理の概念図である。図7において、例えば、パラメータテーブル22に記憶されているパラメータとその設定値のパターン23が、パラメータA〜Dおよび設定値●、△、×、◎であり、ログファイル6から抽出されたパターン24が、パラメータA〜Dおよび設定値●、△、■、なし(空白)であるものとする。
【0061】
パラメータ決定手段18はパラメータテーブル22のパターン23とログファイル6のパターン24を比較してシナリオに記述するレイヤ2/レイヤ1のパラメータを決定する際に、ログファイル6に含まれるメッセージから得られるパラメータについては、当該パラメータをそのままシナリオファイル7に記述するパラメータとして選択(決定)して設定し、ログファイル6に含まれたメッセージからパラメータが得られないときには、パラメータテーブル22に記憶されたパラメータをシナリオファイル7に記述するパラメータとして選択(決定)して設定する。
【0062】
図7に示すものにあっては、パラメータAに関しては、パターン23とパターン24のパラメータAの値が一致しているため、シナリオに記述するパラメータAに設定値●をセットする。
【0063】
また、パラメータBに関しては、パターン23とパターン24のパラメータBの値が一致しているため、シナリオに記述するパラメータBに設定値△をセットする。
【0064】
また、パラメータCに関しては、パターン23とパターン24のパラメータCの値が一致していないため、シナリオに記述するパラメータCにログファイル6の設定値■を優先してセットする。
【0065】
また、パラメータDに関しては、パターン24にパラメータの設定値が存在しないため、パラメータテーブル22のパターン23のパラメータDの設定値◎をセットする。
【0066】
このようにしてレイヤ2/レイヤ1の設定値が変更される場合には、例えば、図3のパラメータテーブル22のレイヤ1のDPCHチャネルの出力パワーの設定値が変更されたり、ログファイル6のレイヤ1の設定が変更される場合にはレイヤ1のDPCHチャネルの番号が変更される。
【0067】
図8は実際に解析されたログファイル6の中からレイヤ1の設定変更メッセージを抜粋したものであり、図9はパラメータ抽出部15によって抽出、解析された図8の設定変更メッセージである。図9において符号41で示す枠で囲まれる部分は変更されるパラメータとして、レイヤ1のDPCHチャネルの番号の設定値を示すものである。
【0068】
次いで、シナリオ生成手段12は、パラメータパターン組込部16によりレイヤ2/レイヤ1の設定処理をシナリオに追加する(ステップS5)。次いで、ログに解析するべきメッセージがあるかメッセージ解析手段11が判断する(ステップS6)。ここで解析するべきメッセージが無いものと判断された場合には、シナリオ生成手段12が最終的なシナリオ変換処理を行い、シナリオを完成させる(ステップS7)。
【0069】
図10〜図13はシナリオ生成手段12によって生成されたシナリオファイル7からレイヤ1の設定変更メッセージに関する部分を抜粋したものであり、このメッセージは図8に示すレイヤ1の設定変更メッセージのログから生成されたものである。
【0070】
そして、携帯通信端末2bを擬似基地局5に接続したときに、擬似基地局5はレイヤ1の設定変更メッセージを含んだシナリオに基づいて通信シーケンスをシミュレーションする。
【0071】
図10は擬似基地局5から携帯通信端末2bに送信されるレイヤ1の設定変更メッセージを記述した部分を示すシナリオ42であり、図11は擬似基地局5に設定変更メッセージのシナリオに基づいてレイヤ1のパラメータを設定する記述をした部分のシナリオ43である。また、図12は擬似基地局5が携帯通信端末2bからレイヤ1の設定変更完了のメッセージを受信する部分のシナリオ44である。
【0072】
図13はレイヤ2/レイヤ1のパラメータの設定値を定義する部分のシナリオである。図13において、符号45で示す枠で囲まれる部分はレイヤ1の設定変更メッセージから解析した値を設定するパラメータであり、例えば、レイヤ1のDPCHチャネルの番号(図9の符号41で示す枠で囲まれる部分をシナリオに変換したもの)である。また、符号46で示す枠で囲まれる部分はパラメータテーブル22の設定値であり、例えば、レイヤ1のDPCHチャネルの出力パワーである。
【0073】
このように本実施の形態では、ログファイル6に記述されたレイヤ3の通信シーケンスに含まれるメッセージを解析してメッセージの中から基地局1に係るレイヤ2/レイヤ1のパラメータの設定値を抽出し、この抽出されたパラメータの設定値とパラメータテーブル22に記憶されたパラメータの設定値を比較することにより、擬似基地局5が通信シーケンスをシミュレーションするためのパラメータの設定値を決定し、メッセージ解析手段11によって解析された解析情報とパラメータ決定手段18によって決定された擬似基地局5が通信シーケンスをシミュレーションするためのパラメータの設定値とに基づいて、擬似基地局5で動作させるためのシナリオを生成するようにしたので、擬似基地局5で通信シーケンスをシミュレーションするためのシナリオに記述するパラメータを自動的に生成することができる。
【0074】
このため、フィールドテスト等で取得されたログファイル6から擬似基地局5により通信シーケンスをシミュレーションするためのシナリオを作成する時間を短縮することができるとともに、擬似基地局5で実環境に近い状態でシミュレーションするために、ログファイル6から得られたパラメータの設定値とログファイル6から得られない擬似基地局5の動作に必要なパラメータの設定値とを比較選択し、決定したシナリオを生成することができ、携帯通信端末2bの試験を正確、かつ短期間に行うことができる。
【0075】
また、本実施の形態のパラメータ決定手段18は、擬似基地局5が通信シーケンスをシミュレーションするためのパラメータの設定値が、ログファイル6のパラメータの設定値に含まれるときは、ログファイル6のパラメータの設定値をシナリオに記述する擬似基地局5が通信シーケンスをシミュレーションするためのパラメータの設定値に設定し、ログファイル6のパラメータの設定値に含まれないときには、パラメータテーブル22に記憶されたパラメータの設定値を、シナリオに記述する擬似基地局5が通信シーケンスをシミュレーションするためのパラメータの設定値に設定するようにしたので、擬似基地局5で通信シーケンスをシミュレーションするためのシナリオに記述するパラメータを容易に生成することができる。
【0076】
特に、擬似基地局5が通信シーケンスをシミュレーションするためのパラメータの設定値が、ログファイル6のパラメータの設定値に含まれるときは、ログファイル6のパラメータの設定値をシナリオに記述する擬似基地局5が通信シーケンスをシミュレーションするためのパラメータの設定値に設定するので、ログファイル6を取得した通信シーケンスとそのときの状況を、擬似基地局5においてより実環境に近い状態でシミュレーションすることができる。
【0077】
図14〜図18は本発明に係るシナリオ生成装置、擬似基地局、シナリオ生成プログラムおよび記録媒体の第2の実施の形態を示す図であり、第1の実施の形態と同様の構成には同一番号を付して説明を省略する。
【0078】
本実施の形態では、パラメータテーブル22に記憶されるレイヤ2/レイヤ1のパラメータの設定値は所定の幅を持った設定値を設定可能になっており(以下、変動範囲ともいう)、図14に示すように、ログシナリオコンバータ4は、パラメータテーブル22に記憶されたパラメータの設定値の設定範囲を変更する入力および変更するパラメータを指定する入力を行うキーボード、タッチパネル、リモコン等の入力手段20を備えている。
【0079】
図15はパラメータ決定手段18が行うパラメータ決定処理の概念図であり、図15においてパラメータテーブル22に記憶されているパラメータとその設定値のパターン31を説明する。
【0080】
パターン31には、パラメータAとその設定値●が関連付けられており、設定値●の変動範囲は最大値A1と最小値A2に設定され、その設定値の変動単位は2である。
【0081】
また、パターン31には、パラメータBとその設定値△が関連付けられており、設定値△の変動範囲は最大値B1と最小値B2に設定され、その設定値の変動単位は1である。
【0082】
また、パターン31には、パラメータCとその設定値×が関連付けられており、設定値×の変動範囲は最大値C1と最小値C2に設定され、その設定値の変動単位は5である。
【0083】
さらに、パターン31には、パラメータDとその設定値◎が関連付けられており、設定値◎の変動範囲は最大値D1と最小値D2に設定され、その設定値の変動単位は3である。
【0084】
次に、図18のフローチャートに基づいてシナリオ生成処理を説明する。
【0085】
作業者が入力手段20によって、例えば、レイヤ2/レイヤ1のパラメータBの設定値の変動範囲を△1〜△5に設定したものとする。入力手段10にログファイル6を入力すると、通信プロトコル判定部14がログファイル6をメッセージ単位で解析し(ステップS11)、パラメータ抽出部15がレイヤ2/レイヤ1の設定処理が必要なメッセージがあるか否かを判別する(ステップS12)。
【0086】
ステップS12で設定処理が必要なメッセージがない場合にはメッセージ送信(あるいは受信)処理をシナリオに追加する(ステップS13)。
【0087】
次いで、ログに解析するべきメッセージがあるかメッセージ解析手段11が判定する(ステップS16)。ここで解析するべきメッセージが無いものと判断された場合には、シナリオ生成手段12が最終的なシナリオ変換処理を行い、シナリオファイル7を完成させる(ステップS17)。
【0088】
また、ステップS16で、ログに解析するべきメッセージが有るものと判断された場合は、ステップS11に戻り解析を続ける。
【0089】
一方、ステップS12でパラメータ抽出部15がレイヤ2/レイヤ1の設定処理が必要なメッセージがあるものと判断した場合には、パラメータ決定手段18によりこのメッセージと内部テーブルであるパラメータテーブル22の値からレイヤ2/レイヤ1のパラメータを決定する(ステップS14)。
図15により、ステップS14の処理を説明する。
【0090】
パラメータ決定手段18は、パラメータAに関しては、パターン31とログファイル6から抽出されたレイヤ2/レイヤ1のパラメータのパターン32を比較し、パラメータAの値が一致しているため、シナリオに記述するパラメータAに設定値●をセットする。
【0091】
また、パラメータBに関しては、予め入力手段20から設定値Δ1〜Δ5が設定されており、それぞれの設定値が使用される。すなわち、最初はパターン31のパラメータBの設定値Δ1をセットする。
【0092】
また、パラメータCに関しては、パターン31とパターン32のパラメータCの値が一致していないため、シナリオに記述するパラメータCにログファイル6の設定値■を優先してセットする。
【0093】
また、パラメータDに関しては、パターン31にパラメータの設定値が存在しないため、パラメータテーブル22のパターン31のパラメータDの設定値◎をセットする。このようにしてシナリオに記述するレイヤ2/レイヤ1のパラメータのパターン33aをセットする。
【0094】
以後、同様にしてパターン31の設定値Δ2〜Δ5に関してシナリオに記述するレイヤ2/レイヤ1のパラメータのパターン33b〜33eをセットする(ステップS14)。この結果、シナリオに記述するレイヤ2/レイヤ1のパラメータのパターン33a〜33eが5つセットされる。
【0095】
次いで、シナリオ生成手段12は、パラメータパターン組込部16によりレイヤ2/レイヤ1の1つ目のパラメータパターンの設定処理をシナリオに追加する(ステップS15)。
【0096】
次いで、ログに解析するべきメッセージがあるかメッセージ解析手段11が判定する(ステップS16)。ここで解析するべきメッセージが無いものと判断された場合には、シナリオ生成手段12が最終的なシナリオ変換処理を行い、シナリオファイル7を完成させる(ステップS17)。
【0097】
さらに、パラメータパターン組込部16はステップS14でセットしたパラメータパターンが存在するか確認する(ステップS18)。残りのパラメータパターンがある場合には、ステップS17で完成されたシナリオファイル7に基づいて、シナリオ生成手段17が残りのパラメータパターンの個数に応じた最終的なシナリオファイル7を作成する(ステップS19)。これによりステップS17で作成されたシナリオファイル7を含めてN個(5個)のシナリオファイル7が完成する(ステップS20)。
【0098】
図16は作業者が入力手段20からパラメータBの設定値の変動の有無を指定し、設定値の変動範囲を指定しない場合のシナリオ生成処理を示す図である。図16において、パラメータテーブル22のパターン31とログファイル6から抽出されたレイヤ2/レイヤ1のパラメータのパターン37を比較してシナリオに記述するレイヤ2/レイヤ1のパラメータを設定する方法は図15に示すものと同様である。
【0099】
但し、パラメータBに関しては、パラメータテーブル22のパターン31に含まれる最小値A1〜最小値A5を変動範囲とし、シナリオに記述するレイヤ2/レイヤ1のパラメータをセットする。
【0100】
図16では、パラメータの設定値としてB1がセットされたシナリオに記述するレイヤ2/レイヤ1のパラメータのパターン35a、パラメータの設定値としてB1+1がセットされたシナリオに記述するレイヤ2/レイヤ1のパラメータのパターン35b......パラメータの設定値としてB2がセットされたシナリオに記述するレイヤ2/レイヤ1のパラメータのパターン35nがセットされる。
【0101】
図17は作業者が入力手段20から変動範囲を指定するパラメータと設定値の変動範囲の両方を指定しない場合のシナリオを生成処理を示す図である。図17において、パラメータテーブル22のパターン31とログファイル6から抽出されたレイヤ2/レイヤ1のパラメータのパターン38を比較してシナリオに記述するレイヤ2/レイヤ1のパラメータを設定する方法は図15に示すものと同様であるが、パラメータCに関しては、パターン31およびパターン38の設定値が一致しないが、前述したようにメッセージから抽出した値であるパターン38の設定値■をシナリオに記述するレイヤ2/レイヤ1のパラメータの設定値としてセットする。
【0102】
但し、パターン38に存在しないパラメータDに関しては、パラメータテーブル22のパターン31に含まれる最大値D1〜最小値D2を変動範囲とし、シナリオに記述するレイヤ2/レイヤ1のパラメータをセットする。
【0103】
図17では、パラメータの設定値としてD1がセットされたシナリオに記述するレイヤ2/レイヤ1のパラメータのパターン36a、パラメータの設定値としてD1+3がセットされたシナリオに記述するレイヤ2/レイヤ1のパラメータのパターン36b......パラメータの設定値としてD2がセットされたシナリオに記述するレイヤ2/レイヤ1のパラメータのパターン36nがセットされる。
【0104】
このように本実施の形態では、1つのログファイル6に対して、同一の通信シーケンスで異なるパラメータの設定値を有する複数のシナリオファイル7を作成することができ、擬似基地局5を用いて複数の異なる条件下で携帯通信端末2bの動作状態を検査することができる。
【0105】
図19、図20は本発明に係るシナリオ生成装置、擬似基地局、シナリオ生成プログラムおよび記録媒体の第3の実施の形態を示す図であり、第1の実施の形態とパラメータテーブルが異なるのみでその他の構成は第1の実施の形態と構成が同一であるため、第1の実施の形態の図面を用いて説明する。
【0106】
本実施の形態は、図19に示すように、パラメータテーブル記憶手段17が、通信規格に応じて複数の前記パラメータテーブル51、52、53を備えた点に特徴がある。
【0107】
図19において、パラメータテーブル51にはW−CDMAで規格された通信プロトコルで通信する場合のパラメータとそのパラメータの設定値が関連付けられて記憶されている。
【0108】
具体的には、パラメータテーブル51には、パラメータとして、レイヤ1の下り(基地局から携帯通信端末へのデータ送信)DPCHチャネルの出力パワーとその設定値"−10"が関連付けられており、パラメータとして、レイヤ1の下りDPCHチャネルの番号とその設定値"1"が関連付けられている。
【0109】
また、パラメータテーブル51には、パラメータとして、レイヤ1の下りDPCHチャネルのスクランブルコードとその設定値"00000080"が関連付けられており、パラメータとして、レイヤ2のDCCHチャネルの数とその設定値"4"が関連付けられている。
【0110】
また、パラメータテーブル51には、パラメータとして、レイヤ2のDTCHチャネルの数とその設定値"3"が関連付けられている。なお、パラメータテーブル51にはレイヤ2/レイヤ1のその他のパラメータとその設定値が関連付けられており、それらは図示省略する。
【0111】
また、パラメータテーブル52には、通信事業者が提供するGSM(Global System for Mobile Communication)で規格された通信プロトコルで通信する場合のパラメータとそのパラメータの設定値が関連付けられて記憶される。
【0112】
具体的には、パラメータテーブル52には、パラメータとして、レイヤ1の下りTCH(Traffic Channel)チャネルの出力パワーとその設定値"−20"が関連付けられており、パラメータとして、レイヤ1の下りTCHチャネルのタイムスロットとその設定値"4"が関連付けられている。
【0113】
また、パラメータテーブル52には、パラメータとして、レイヤ1の下りチャネルの論理チャネル組み合わせとその設定値"SDCCH−8"が関連付けられている。なお、パラメータテーブル52にはレイヤ2/レイヤ1のその他のパラメータとその設定値が関連付けられており、それらは図示省略する。
【0114】
また、パラメータテーブル53にはHSDPA(High Speed Downlink Packet Access)で規格された通信プロトコルで通信する場合のパラメータとそのパラメータの設定値が関連付けられて記憶されている。
【0115】
具体的には、パラメータテーブル53には、パラメータとして、レイヤ1の下りDPCHチャネルの出力パワーとその設定値"−15"が関連付けられており、パラメータとして、レイヤ1の下りDPCHチャネルの番号とその設定値"2"が関連付けられている。
【0116】
また、パラメータテーブル53には、パラメータとして、レイヤ1の下りDPCHチャネルのスクランブルコードとその設定値"00000080"が関連付けられており、パラメータとして、レイヤ2のHS−DCCHチャネルの数とその設定値"4"が関連付けられている。
【0117】
また、パラメータテーブル53には、パラメータとして、レイヤ2のHS−DTCHチャネルの数とその設定値"1"が関連付けられている。なお、パラメータテーブル53にはレイヤ2/レイヤ1のその他のパラメータとその設定値が関連付けられており、それらは図示省略する。
【0118】
また、パラメータテーブル記憶手段17には、上述した複数の通信規格についてメッセージ解析用の解析用テーブルが記憶されており、この解析用テーブルはどの通信規格を使用するのかの優先順位や受信したメッセージがどの通信規格と一致するのか等を比較するデータを内部データとして記憶している。
【0119】
次に、図20のフローチャートに基づいて通信規格の判定処理を説明する。
【0120】
まず、入力手段10にログファイル6を入力して、メッセージ解析手段11がログファイルを読み込むと(ステップS21)、通信プロトコル判定部14が解析に使用する通信規格の優先順位を先頭のものに設定する(ステップS22)。ここで、パラメータテーブル記憶手段17に記憶された解析用テーブルに、W−CDMA、GSM、HSDPAの順に通信規格の解析を行うように優先順位が設定されている。
【0121】
次いで、通信プロトコル判定部14が解析用テーブルに記憶された通信規格の優先順位に基づいて解析に使用する通信規格を読み込んだ後(ステップS23)、通信プロトコル判定部14がログファイル6をメッセージ単位で読み込む(ステップS24)。
【0122】
次いで、ログファイルのデータがあるか否かを判別し(ステップS25)、データがない場合には読み込まれた全てのメッセージを正しく解析できたので、ログファイル6の通信プロトコルを、現在解析に使用している通信規格であるものと判断する(ステップS26)。
【0123】
また、ステップS25でデータがある場合には、読み込んだメッセージの内容を解析する(ステップS27)。具体的には、解析用テーブルには通信規格毎のメッセージが記憶されているため、読み込んだメッセージを解析用テーブルの先頭メッセージから順に比較する。そして、解析用テーブル内の何れかのメッセージと一致したときに通信規格を決定し、解析用テーブル内の何れかのメッセージと一致しないときには通信規格をエラーとする。
【0124】
ログファイル6のメッセージが解析用テーブル内のメッセージと一致しない例としては、解析したメッセージのサイズが解析用テーブルにあるメッセージと一致しないこと、解析したメッセージの各パラメータが規格で許容される範囲以外にあること、メッセージそのものが一致しないこと等が挙げられる。
【0125】
ステップS27で読み込んだメッセージの解析を行いながら解析が成功したか否かを判別する(ステップS28)。ステップS28でメッセージの解析が成功したものと判断した場合にはステップS24に戻り、解析が成功しないものと判断した場合には、通信プロトコル判定部14で解析に使用する通信規格を次の優先順位の通信規格に変更する(ステップS29)。
【0126】
次いで、次の優先順位の通信規格が存在するか否かを判別し(ステップS30)、次の優先順位の通信規格がある場合にはステップS23に戻り、次の優先順位の通信規格がない場合には全ての通信規格でエラーが発生したため、通信プロトコル判定部14でエラー発生、処理中断となり、通信規格の判定処理を終了する。
【0127】
このようにして判定された通信規格に対応するパラメータテーブル51〜53の何れかの設定値とログファイル6のレイヤ2/レイヤ1のパラメータの設定値とを比較し、シナリオファイル7に記述するレイヤ2/レイヤ1のパラメータを作成する。
【0128】
このように本実施の形態では、パラメータテーブル記憶手段17が通信規格に応じて複数のパラメータテーブル51〜53を備えたので、通信規格に応じたパラメータでシナリオを作成することができ、通信規格に応じたシナリオの通信シーケンスで擬似基地局5をシミュレーションして携帯通信端末2bの動作状態を検査することができる。
【産業上の利用可能性】
【0129】
以上のように、本発明に係るシナリオ生成装置、擬似基地局、シナリオ生成プログラムおよび記録媒体は、フィールドテスト等で取得されたログ情報から擬似基地局により通信シーケンスをシミュレーションするためのシナリオを作成する時間を短縮することができるとともに、擬似基地局で実環境に近い状態をシミュレーションするために、ログ情報から得られたパラメータの設定値とログ情報から得られない擬似基地局の動作に必要なパラメータの設定値とを比較選択し、決定したシナリオを生成することができるようにして、通信端末の試験を正確、かつ短期間に行うことができるという効果を有し、携帯電話、モバイル端末等の通信端末が設計された通りに機能するのかを検査するために、基地局を模擬した擬似基地局において通信シーケンスをシミュレーションするための動作を記述したシナリオを生成するシナリオ生成装置、擬似基地局、シナリオ生成プログラムおよび記録媒体等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0130】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るシナリオ生成装置を備えた通信端末の検査システムのブロック図(a)はログ情報を取得するまで検査システムのブロック図(b)は取得したログ情報からシナリオを生成して通信シーケンスをシミュレーションする検査システムのブロック図
【図2】第1の実施の形態のシナリオ生成装置のブロック図
【図3】第1の実施の形態のパラメータテーブルを示す図
【図4】第1の実施の形態におけるフィールドテスト時に携帯通信端末と基地局の間で行われるレイヤ2/レイヤ1の設定変更を含む通信シーケンス
【図5】第1の実施の形態における基地局から通信端末に送信されるレイヤ1の設定変更のメッセージ
【図6】第1の実施の形態おけるシナリオ生成処理のフローチャート
【図7】第1の実施の形態のメッセージ決定手段が行うパラメータ決定処理の概念図
【図8】第1の実施の形態における解析されたログファイルの中から抜粋されたレイヤ1の設定変更メッセージ
【図9】第1の実施の形態におけるパラメータ抽出部によって抽出、解析された設定変更メッセージ
【図10】第1の実施の形態における擬似基地局から通信端末に送信されるレイヤ1の設定変更メッセージのシナリオ
【図11】第1の実施の形態における擬似基地局が設定変更メッセージのシナリオに基づいてレイヤ1のパラメータを設定するシナリオ
【図12】第1の実施の形態における擬似基地局から通信端末に送信されるレイヤ1の設定変更完了のメッセージのシナリオ
【図13】第1の実施の形態におけるレイヤ2/レイヤ1のパラメータを設定するシナリオ
【図14】本発明の第2の実施の形態に係るシナリオ生成装置のブロック図
【図15】第2の実施の形態のメッセージ決定手段が行うパラメータ作成処理の概念図
【図16】第2の実施の形態のメッセージ決定手段が行う他のパラメータ作成処理の概念図
【図17】第2の実施の形態のメッセージ決定手段が行う他のパラメータ作成処理の概念図
【図18】第2の実施の形態におけるシナリオ生成処理のフローチャート
【図19】本発明の第3の実施の形態に係るシナリオ生成装置のパラメータテーブルを示す図
【図20】第3の実施の形態の通信規格の判定処理のフローチャート
【符号の説明】
【0131】
1 基地局
2、2a、2b 通信端末(携帯通信端末)
4 シナリオ生成装置(ログシナリオコンバータ)
5 擬似基地局
6 ログ情報(ログファイル)
7 シナリオ(シナリオファイル)
11 メッセージ解析手段
12 シナリオ生成手段
17 パラメータテーブル記憶手段
18 パラメータ決定手段
22、51、52、53 パラメータテーブル
【技術分野】
【0001】
本発明は、シナリオ生成装置、擬似基地局、シナリオ生成プログラムおよび記録媒体に関し、例えば、携帯電話、モバイル端末等の通信端末が設計された通りに機能するのかを検査するために、基地局を模擬した擬似基地局において通信シーケンスをシミュレーションするための動作を記述したシナリオを生成するシナリオ生成装置、擬似基地局、シナリオ生成プログラムおよび記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近時では、試験現場に通信端末を持込み、所定の通信プロトコル(例えば、W−CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)等)による通信において、基地局と通信端末との間で遣り取りされるネットワーク層(レイヤ3)の通信シーケンスを記録したログ情報を通信端末から取得する、所謂、フィールドテストを実施した後、このログ情報に基づいて基地局を模擬した擬似基地局を制御するシナリオを作成し、通信端末を擬似基地局に接続して通信端末を操作することにより、通信端末の動作状態を検査するようにしている。
【0003】
ところで、この検査方式にあっては、シナリオの作成には、規格内容や擬似基地局の動作についての知識が必要であるが、例えば、3GPP(The 3rd Generation Partnership Project)で作定される規格等は量が多く、しかも現状では数ヶ月毎に更新される内容もあるため、シナリオを作成することができる作業者は充分な知識のある者に限られている上に、レイヤ2/レイヤ1の設定に必要なパラメータが多いので、シナリオの作成がより一層複雑になってしまい、知識を持つ者が作成しても、シナリオを作成するのに多大な時間を要してしまう。このため、擬似基地局をシミュレーションするためのシナリオを作成する時間を短縮することが要求される。
【0004】
一方、シナリオを自動的に作成したものとしては、表示装置上に通信端末のキー配列と同様なキー配列を表示し、表示されたキーをマウス等で指定して、ユーザが実際に行う正常操作と共に、誤操作をも想定した試験手順書を自動的に作成した後、シミュレータが解読可能な記述言語に自動変換して試験システム用のシナリオを作成し、このシナリオに基づいて通信端末の動作状態を検査するようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
したがって、フィールドテストで得られたログ情報を特許文献1に示すシナリオ自動生成方式に組み合わせて通信端末の検査方法にしたものを考慮すると、ログ情報から擬似環境における現象再現のために必要なシナリオを自動で作成することができ、必要な入力パラメータを設定した後は、自動でシナリオを生成するので、環境フィールドテスト・フィードバック期間を短縮することが可能となる。
【0006】
また、シナリオを自動的に作成することにより、通信規格等の知識を持たない作業者であっても、フィールドテストで得られたログ情報から現象を再現することができるので、フィールドテストの結果からシナリオを作成する際に、通信規格等の知識がない作業者に現象の再現を行わせ、また、通信規格等の知識がある作業者には再現結果の調査を割り当てることができる。この結果、通信規格等の知識を有する作業者を通信端末の検査作業に集中させることができる。
【特許文献1】特開平9−91169号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、このような従来の通信端末の検査方法にあっては、基地局と通信端末間の通信シーケンスの通信端末側から収集したログ情報には、レイヤ3のメッセージを含んだ通信シーケンスが記録されているが、基地局に関するデータリンク層(レイヤ2)および物理層(レイヤ1)のログ情報が記録されていないので、以下に示す問題が発生してしまう。
【0008】
すなわち、基地局と通信端末が通信するためには、基地局と通信端末とが互いのレイヤ2/レイヤ1の設定を理解していなければ、データを受信できないため、通信中にレイヤ2/レイヤ1の設定を変更する機能を有する通信プロトコル(例えば、W−CDMA等、以下、W−CDMAを例に説明する)の場合には、基地局と通信端末の間でレイヤ2/レイヤ1の設定を変更するための通信シーケンスが実行されるようになっており、レイヤ2/レイヤ1の設定変更のための通信シーケンスの中では、新しいレイヤ2/レイヤ1の設定内容を含んだレイヤ3の通信シーケンスのメッセージが送受信される。
【0009】
このため、ログ情報を解析することにより、擬似基地局において通信シーケンスをシミュレーションするためのシナリオを作成する作業において、レイヤ2/レイヤ1の設定変更が必要なタイミングや擬似基地局を動作させるための設定パラメータの一部を得ることができる。
【0010】
しかしながら、例えば、基地局側のチャネルの出力パワーやチャネル番号等のように、基地局が相手に送信する必要のない基地局だけで設定を行うレイヤ2/レイヤ1のパラメータは、レイヤ3の通信シーケンスのメッセージ内に含まれないため、ログ情報を解析するだけでは、擬似基地局を動作させるための完全なレイヤ2/レイヤ1の設定パラメータを含んだシナリオを生成することができず、通信端末の動作状態を正確に検査することができない。
【0011】
本発明は、従来の問題を解決するためになされたもので、フィールドテスト等で取得されたログ情報から擬似基地局により通信シーケンスをシミュレーションするためのシナリオを作成する時間を短縮することができるとともに、擬似基地局で実環境に近い状態をシミュレーションするために、ログ情報から得られたパラメータの設定値とログ情報から得られない擬似基地局の動作に必要なパラメータの設定値とを比較選択し、決定したシナリオを生成することができるようにして、通信端末の試験を正確、かつ短期間に行うことができるシナリオ生成装置、擬似基地局、シナリオ生成プログラムおよび記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明のシナリオ生成装置は、基地局から通信端末に対して通信に係るパラメータを送信する通信シーケンスを含んだ通信プロトコルを用いて前記基地局と前記通信端末との間で行う通信の通信シーケンスを記録したログ情報に基づき、前記基地局を模擬した擬似基地局で前記通信シーケンスをシミュレーションするためのシナリオを生成するシナリオ生成装置であって、前記ログ情報に記述された通信シーケンスに含まれるメッセージを解析するとともに、前記メッセージの中から前記パラメータの設定値を抽出するメッセージ解析手段と、前記擬似基地局が前記ログ情報に記述された前記通信シーケンスをシミュレーションするための少なくとも前記パラメータを含むパラメータとそのパラメータの設定値とを関連付けて記憶するパラメータテーブルを備えたパラメータテーブル記憶手段と、前記メッセージ解析手段によって抽出された前記ログ情報のパラメータの設定値と前記パラメータテーブルに記憶されたパラメータの設定値を比較することにより、前記擬似基地局が通信シーケンスをシミュレーションするためのパラメータの設定値を決定するパラメータ決定手段と、前記メッセージ解析手段によって解析された解析情報と前記パラメータ決定手段によって決定された前記擬似基地局が通信シーケンスをシミュレーションするためのパラメータの設定値とに基づいて、前記擬似基地局で動作させるためのシナリオを生成するシナリオ生成手段とを備えたものから構成される。
【0013】
この構成により、ログ情報に記述された通信シーケンス(レイヤ3)に含まれるメッセージを解析してメッセージの中から基地局に係るパラメータ(レイヤ2/レイヤ1)の設定値を抽出し、この抽出されたパラメータの設定値とパラメータテーブルに記憶されたパラメータ(レイヤ2/レイヤ1)の設定値とからシナリオに記述するパラメータの設定値を選択して決定し、メッセージ解析手段によって解析された解析情報とパラメータ決定手段によって決定されたパラメータの設定値とに基づいて、擬似基地局で通信シーケンスをシミュレーションするためのシナリオを生成するので、擬似基地局で通信シーケンスをシミュレーションするためのシナリオに記述するパラメータを自動的に生成することができる。
【0014】
このため、フィールドテスト等で取得されたログ情報から擬似基地局により通信シーケンスをシミュレーションするためのシナリオを作成する時間を短縮することができるとともに、擬似基地局で実環境に近い状態をシミュレーションするために、ログ情報から得られたパラメータの設定値とログ情報から得られない擬似基地局の動作に必要なパラメータの設定値とを比較選択し、決定したシナリオを生成することができるようにして、通信端末の試験を正確、かつ短期間に行うことができる。
【0015】
また、本発明のシナリオ生成装置のパラメータ決定手段は、前記擬似基地局が通信シーケンスをシミュレーションするためのパラメータの設定値が、前記ログ情報のパラメータの設定値に含まれるときは、前記ログ情報のパラメータの設定値を前記シナリオに記述する前記擬似基地局が通信シーケンスをシミュレーションするためのパラメータの設定値に設定し、前記ログ情報のパラメータの設定値に含まれないときには、前記パラメータテーブルに記憶されたパラメータの設定値を、前記シナリオに記述する前記擬似基地局が通信シーケンスをシミュレーションするためのパラメータの設定値に設定するものから構成される。
【0016】
この構成により、擬似基地局で通信シーケンスをシミュレーションするためのシナリオに記述するパラメータを容易に生成することができる。特に、擬似基地局が通信シーケンスをシミュレーションするためのパラメータの設定値が、ログ情報のパラメータの設定値に含まれるときは、ログ情報のパラメータの設定値をシナリオに記述する擬似基地局が通信シーケンスをシミュレーションするためのパラメータの設定値に設定するので、ログ情報を取得した通信シーケンスとそのときの状況を、擬似基地局においてより実環境に近い状態でシミュレーションすることができる。
【0017】
また、本発明のシナリオ生成装置は、前記パラメータテーブルに記憶される前記パラメータの設定値は、所定の幅を持った設定値であり、前記パラメータ決定手段は、前記パラメータテーブルに記憶された前記幅を持った設定値に応じて、前記擬似基地局が通信シーケンスをシミュレーションするための複数のパラメータの設定値を決定し、前記シナリオ生成手段は、前記パラメータ決定手段によって決定された前記複数のパラメータの設定値に基づいて、前記擬似基地局で動作するための複数のシナリオを生成するものから構成される。
【0018】
この構成により、1つのログ情報に対して、同一の通信シーケンスで異なるパラメータの設定値を有する複数のシナリオを作成することができ、擬似基地局を用いて複数の異なる条件下で通信端末の動作状態を検査することができる。
【0019】
また、本発明のシナリオ生成装置の前記パラメータテーブル記憶手段は、通信規格に応じて前記ログ情報に記述された前記通信シーケンスをシミュレーションするための少なくとも前記パラメータを含むパラメータとそのパラメータの設定値とを関連付けて記憶する複数のパラメータテーブルを備えたものから構成される。
【0020】
この構成により、複数の通信規格における通信シーケンスを取得した各々のログ情報から通信規格に応じたパラメータでシナリオを作成することができ、通信規格に応じたシナリオの通信シーケンスを擬似基地局で実環境に近い状態でシミュレーションして通信端末の動作状態を検査することができる。
【0021】
また、本発明の擬似基地局は、上述したシナリオ生成装置を備え、前記シナリオ生成装置によって生成された前記シナリオに記述された通信シーケンスを含んだ通信プロトコルに基づいて前記通信端末との間で通信を行うものから構成される。
【0022】
この構成により、フィールドテスト等で取得されたログ情報から擬似基地局により通信シーケンスをシミュレーションするためのシナリオを作成する時間を短縮することができるとともに、擬似基地局で実環境に近い状態をシミュレーションするために、ログ情報から得られたパラメータの設定値とログ情報から得られない擬似基地局の動作に必要なパラメータの設定値とを比較選択し、決定したシナリオを生成することができるようにして、通信端末の試験を正確、かつ短期間に行うことができる。
【0023】
また、本発明のシナリオ生成プログラムは、基地局から通信端末に対して通信に係るパラメータを送信する通信シーケンスを含んだ通信プロトコルを用いて前記基地局と前記通信端末との間で行う通信の通信シーケンスを記録したログ情報に基づき、前記基地局を模擬した擬似基地局で前記通信シーケンスをシミュレーションするためのシナリオを生成するシナリオ生成プログラムであって、コンピュータに、前記ログ情報に記述された通信シーケンスに含まれるメッセージを解析するとともに、前記メッセージの中から前記パラメータの設定値を抽出するメッセージ解析処理と、前記擬似基地局が前記ログ情報に記述された前記通信シーケンスをシミュレーションするための少なくとも前記パラメータを含むパラメータとそのパラメータの設定値とを関連付けて記憶するパラメータテーブルを備えたパラメータテーブル記憶処理と、前記メッセージ解析処理によって抽出された前記ログ情報のパラメータの設定値と前記パラメータテーブルに記憶されたパラメータの設定値を比較することにより、前記擬似基地局が通信シーケンスをシミュレーションするためのパラメータの設定値を決定するパラメータ決定処理と、前記メッセージ解析処理によって解析された解析情報と前記パラメータ決定処理によって決定された前記擬似基地局が通信シーケンスをシミュレーションするためのパラメータの設定値とに基づいて、前記擬似基地局で動作させるためのシナリオを生成するシナリオ生成処理とを実行させるものから構成される。
【0024】
この構成により、フィールドテスト等で取得されたログ情報から擬似基地局により通信シーケンスをシミュレーションするためのシナリオを作成する時間を短縮することができるとともに、擬似基地局で実環境に近い状態をシミュレーションするために、ログ情報から得られたパラメータの設定値とログ情報から得られない擬似基地局の動作に必要なパラメータの設定値とを比較選択し、決定したシナリオを生成することができるようにして、通信端末の試験を正確、かつ短期間に行うことができる。
【0025】
また、本発明の記録媒体は、上述したシナリオ生成プログラムが記録されている。
【0026】
この構成により、フィールドテスト等で取得されたログ情報から擬似基地局により通信シーケンスをシミュレーションするためのシナリオを作成する時間を短縮することができるとともに、擬似基地局で実環境に近い状態をシミュレーションするために、ログ情報から得られたパラメータの設定値とログ情報から得られない擬似基地局の動作に必要なパラメータの設定値とを比較選択し、決定したシナリオを生成することができるようにして、通信端末の試験を正確、かつ短期間に行うことができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明は、フィールドテスト等で取得されたログ情報から擬似基地局により通信シーケンスをシミュレーションするためのシナリオを作成する時間を短縮することができるとともに、擬似基地局で実環境に近い状態をシミュレーションするために、ログ情報から得られたパラメータの設定値とログ情報から得られない擬似基地局の動作に必要なパラメータの設定値とを比較選択し、決定したシナリオを生成することができるようにして、通信端末の試験を正確、かつ短期間に行うことができるシナリオ生成装置、擬似基地局、シナリオ生成プログラムおよび記録媒体を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0029】
図1〜図13は本発明に係るシナリオ生成装置、擬似基地局、シナリオ生成プログラムおよび記録媒体の第1の実施の形態を示す図である。
【0030】
まず、構成を説明する。図1(a)(b)は、携帯電話、モバイル端末等の通信端末の検査システムの構成図である。図1(a)は、検査システムにおいてログ情報を取得するまでを示しており、基地局1と、携帯電話、モバイル端末等から構成される通信端末としての携帯通信端末2aと、ログ情報取得装置3とによって構成されている。
【0031】
また、図1(b)は、検査システムにおいて、取得したログ情報からシナリオを生成して通信シーケンスをシミュレーションするまでを示しており、ログ情報取得装置3(図1(a)と共通)、シナリオ生成装置としてのログシナリオコンバータ4と、擬似基地局5と、擬似基地局5と通信を行う試験対象となる携帯通信端末2bとによって構築されている。
【0032】
ここでは、説明のため、「通信端末2(携帯通信端末2)」を「携帯通信端末2a」と「携帯通信端末2b」とに分けて記述しているが、特に分ける必要がない場合については、「通信端末2(携帯通信端末2)」ともいう。
【0033】
本実施の形態では、フィールドテスト時に携帯通信端末2aを基地局1に接続して携帯通信端末2aの操作を行うようになっており、このとき、基地局1と携帯通信端末2aの間で予め定められた通信プロトコルを使用して通信を行い、その中でネットワーク層(以下、レイヤ3という)の通信シーケンスも行われる。
【0034】
このレイヤ3の通信シーケンスには基地局1から携帯通信端末2aに対して送信される通信シーケンスとして、データリンク層(以下、レイヤ2という)/物理層(以下、レイヤ1という)のパラメータの設定を変更するためのメッセージが含まれている。
【0035】
ログ情報取得装置3は、携帯通信端末2aから主にレイヤ3の通信シーケンスで構成されたログを取得して電子データからなるログファイル(ログ情報)6を作成するようになっている。ログシナリオコンバータ4は、ログファイル6に基づいて基地局を模擬した擬似基地局5でレイヤ3の通信シーケンスをシミュレーションするためのシナリオを生成して電子データからなるシナリオファイル7を生成するようになっている。
【0036】
擬似基地局5は、ログシナリオコンバータ4によって生成されたシナリオファイル7に基づいて携帯通信端末2bとの間で通信を行うことにより、フィールドテストで発生した通信シーケンスを再現して携帯通信端末2bの動作状態を検査するようになっている。
【0037】
図2に示すように、ログシナリオコンバータ4は、入力手段10、メッセージ解析手段11、シナリオ生成手段12、出力手段13、パラメータテーブル記憶手段17およびパラメータ決定手段18を備えている。
【0038】
入力手段10は、ログファイル6を取得してメッセージ解析手段11に入力するようになっている。
【0039】
メッセージ解析手段11は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等のコンピュータから構成されており、通信プロトコル判定部14およびパラメータ抽出部15を備えている。
【0040】
通信プロトコル判定部14は、ログファイル6に記述された通信シーケンスに含まれるメッセージを解析するようになっており、パラメータ抽出部15は、通信プロトコル判定部14によって解析されたメッセージを参照し、レイヤ2/レイヤ1のパラメータの設定を変更するメッセージおよびそのメッセージで指定されたパラメータの設定値を抽出するようになっている。
【0041】
パラメータテーブル記憶手段17は、ハードディスク、CD、DVD−ROM等の記憶装置から構成されており、擬似基地局5がログファイル6が取得された通信プロトコル(例えば、W−CDMA(Wideband Code Division Multiple Access))を動作させるためのパラメータとそのパラメータの設定値とを関連付けて記憶するパラメータテーブル22を備えている。
【0042】
図3はパラメータテーブル22の一例を示す図である。このパラメータテーブル22には、3GPPで規格化されたW−CDMAの通信プロトコルで通信する場合のパラメータとそのパラメータの設定値が関連付けられて記憶される。
【0043】
図3において、パラメータテーブル22は、パラメータとして、レイヤ1のDPCH(Dedicated Physical Channel)チャネルの出力パワーとその設定値"−10"が関連付けられており、パラメータとして、レイヤ1のDPCHチャネルの番号とその設定値"1"が関連付けられている。
【0044】
また、パラメータテーブル22には、パラメータとして、レイヤ1のスクランブルコードとその設定値"00000080"が関連付けられており、パラメータとして、レイヤ2のDCCH(Dedicated Control Channel)チャネルの数とその設定値"4"が関連付けられている。
【0045】
また、パラメータテーブル22には、パラメータとして、レイヤ2のDTCH(Dedicated Traffic Channel)チャネルの数とその設定値"3"が関連付けられている。なお、パラメータテーブル22にはレイヤ2/レイヤ1のその他のパラメータとその設定値が関連付けられており、それらは図示省略する。
【0046】
パラメータ決定手段18は、上述したコンピュータから構成されており、パラメータ抽出手段15によって抽出されたログファイル6のレイヤ2/レイヤ1のパラメータとパラメータテーブル22に記憶されたパラメータとに基づいて、擬似基地局5のパラメータの設定値を決定するようになっている。
【0047】
シナリオ生成手段12は、メッセージ解析手段11と同様に上述したコンピュータから構成されており、パラメータパターン組込部16を備えている。シナリオ生成手段12は、メッセージ解析手段11によって解析されたログファイル6の解析結果に基づいてシナリオを作成するようになっており、パラメータパターン組込部16は、メッセージ解析手段11によって解析されたログファイル6の解析結果に基づいてレイヤ2/レイヤ1のパラメータパターンにパラメータ決定手段18によって決定されたパラメータの設定値を組込むようになっている。
【0048】
また、ログシナリオコンバータ4には、図示しないCD−ROM、DVD−ROM等の記録媒体から情報を読取るドライバ装置が設けられている。CD−ROM、DVD−ROM等には、ログファイル6に記述された通信シーケンスに含まれるメッセージを解析するとともに、メッセージの中からレイヤ2/レイヤ1のパラメータの設定値を抽出するメッセージ解析処理と、擬似基地局5がログファイル6に記述された通信シーケンスをシミュレーションするための少なくともパラメータを含むパラメータとそのパラメータの設定値とを関連付けて記憶する上述したパラメータテーブル22を備えたパラメータテーブル記憶処理と、メッセージ解析処理によって抽出されたログファイル6のパラメータの設定値とパラメータテーブル22に記憶されたパラメータの設定値を比較することにより、擬似基地局5が通信シーケンスをシミュレーションするためのパラメータの設定値を決定するパラメータ決定処理と、メッセージ解析処理によって解析された解析情報とパラメータ決定処理によって決定された擬似基地局5が通信シーケンスをシミュレーションするためのパラメータの設定値とに基づいて、擬似基地局5で動作させるためのシナリオを生成するシナリオ生成処理とを含んだシナリオ生成プログラムが記憶されており、ドライバ装置は、このシナリオ生成プログラムを読取るようになっている。
【0049】
そして、本実施の形態のログシナリオコンバータ4の上述したコンピュータは、このシナリオ生成プログラムを実行することにより、後述するシナリオ生成処理を行う。
【0050】
次に、図4〜図13に基づいてシナリオ生成処理を説明する。図4はフィールドテスト時に携帯通信端末2a(図4では「端末2」として記載)と基地局1の間で行われるレイヤ2/レイヤ1の設定変更を含む通信シーケンスの一例である。
【0051】
基地局1からは常に報知情報が発信されており、携帯通信端末2aの電源がONのときには携帯通信端末2aが基地局1に登録されて携帯通信端末2aの液晶表示画面にアンテナが立つ。次いで、携帯通信端末2aから発信動作を行った場合(例えば、Webページにアクセスを行う)には、基地局1と携帯通信端末2aの間で回線の接続が確立され、基地局1と携帯通信端末2aの間で認証処理が行われる。
【0052】
次いで、携帯通信端末2aから基地局1に接続要求のメッセージが送信されると、レイヤ2/レイヤ1の設定を変更するシーケンスが実行される。ここでは、基地局1から携帯通信端末2aにレイヤ1の設定を変更するメッセージを通知する。このメッセージにはレイヤ1の新しい設定のパラメータが含まれている。
【0053】
次いで、携帯通信端末2aから基地局1にレイヤ1の設定変更を完了したことを示すメッセージを送信し、このメッセージが基地局2に届くと、レイヤ1の設定の変更が基地局1および携帯通信端末2aの相互で正常に行われたことになり、基地局1から携帯通信端末2aに接続許可のメッセージが送信される。次いで、基地局1と携帯通信端末2aの間で通信接続処理が行われ、最終的な接続先と接続されて通信が行われる。
【0054】
フィールドテストでは、上述したように実際の現場で基地局1と携帯通信端末2aの間で通信を行った後、ログ情報取得装置3によって携帯通信端末2aから基地局1との間で遣り取りされる通信シーケンスを記録したログファイル6を取得する。
【0055】
このログファイル6の一部を図5に示す。図5においては、符号21で示す部分が基地局1から携帯通信端末2aに送信されるレイヤ1の設定変更のレイヤ3のメッセージである。
【0056】
次に、ログファイル6からシナリオを生成する方法を説明する。図6はシナリオ生成処理のフローチャートであり、このフローはログシナリオコンバータ4のROMに格納され、CPUによって実行されるシナリオ生成プログラムである。
【0057】
まず、入力手段10にログファイル6を入力すると、通信プロトコル判定部14がログファイル6をメッセージ単位で解析する(ステップS1)。次いで、パラメータ抽出部15がレイヤ2/レイヤ1の設定処理が必要なメッセージがあるか否かを判別し(ステップS2)、設定処理が必要なメッセージがない場合には、メッセージ送信(あるいは受信)処理をシナリオに追加する(ステップS3)。
【0058】
次いで、ログに解析するべきメッセージがあるかメッセージ解析手段11が判定する(ステップS6)。ここで解析するべきメッセージが無いものと判断された場合は、シナリオ生成手段12が最終的なシナリオ変換処理を行い、シナリオファイル7を完成させる(ステップS7)。また、ステップS6でログに解析するべきメッセージが有るものと判断された場合には、ステップS1に戻り解析を続ける。
【0059】
一方、ステップS2でパラメータ抽出部15がレイヤ2/レイヤ1の設定処理が必要なメッセージがあるものと判断した場合には、パラメータ決定手段18によりこのメッセージと内部テーブルであるパラメータテーブル22の値からレイヤ2/レイヤ1のパラメータを決定する(ステップS4)。
【0060】
図7はパラメータ決定手段18が行うパラメータ決定処理の概念図である。図7において、例えば、パラメータテーブル22に記憶されているパラメータとその設定値のパターン23が、パラメータA〜Dおよび設定値●、△、×、◎であり、ログファイル6から抽出されたパターン24が、パラメータA〜Dおよび設定値●、△、■、なし(空白)であるものとする。
【0061】
パラメータ決定手段18はパラメータテーブル22のパターン23とログファイル6のパターン24を比較してシナリオに記述するレイヤ2/レイヤ1のパラメータを決定する際に、ログファイル6に含まれるメッセージから得られるパラメータについては、当該パラメータをそのままシナリオファイル7に記述するパラメータとして選択(決定)して設定し、ログファイル6に含まれたメッセージからパラメータが得られないときには、パラメータテーブル22に記憶されたパラメータをシナリオファイル7に記述するパラメータとして選択(決定)して設定する。
【0062】
図7に示すものにあっては、パラメータAに関しては、パターン23とパターン24のパラメータAの値が一致しているため、シナリオに記述するパラメータAに設定値●をセットする。
【0063】
また、パラメータBに関しては、パターン23とパターン24のパラメータBの値が一致しているため、シナリオに記述するパラメータBに設定値△をセットする。
【0064】
また、パラメータCに関しては、パターン23とパターン24のパラメータCの値が一致していないため、シナリオに記述するパラメータCにログファイル6の設定値■を優先してセットする。
【0065】
また、パラメータDに関しては、パターン24にパラメータの設定値が存在しないため、パラメータテーブル22のパターン23のパラメータDの設定値◎をセットする。
【0066】
このようにしてレイヤ2/レイヤ1の設定値が変更される場合には、例えば、図3のパラメータテーブル22のレイヤ1のDPCHチャネルの出力パワーの設定値が変更されたり、ログファイル6のレイヤ1の設定が変更される場合にはレイヤ1のDPCHチャネルの番号が変更される。
【0067】
図8は実際に解析されたログファイル6の中からレイヤ1の設定変更メッセージを抜粋したものであり、図9はパラメータ抽出部15によって抽出、解析された図8の設定変更メッセージである。図9において符号41で示す枠で囲まれる部分は変更されるパラメータとして、レイヤ1のDPCHチャネルの番号の設定値を示すものである。
【0068】
次いで、シナリオ生成手段12は、パラメータパターン組込部16によりレイヤ2/レイヤ1の設定処理をシナリオに追加する(ステップS5)。次いで、ログに解析するべきメッセージがあるかメッセージ解析手段11が判断する(ステップS6)。ここで解析するべきメッセージが無いものと判断された場合には、シナリオ生成手段12が最終的なシナリオ変換処理を行い、シナリオを完成させる(ステップS7)。
【0069】
図10〜図13はシナリオ生成手段12によって生成されたシナリオファイル7からレイヤ1の設定変更メッセージに関する部分を抜粋したものであり、このメッセージは図8に示すレイヤ1の設定変更メッセージのログから生成されたものである。
【0070】
そして、携帯通信端末2bを擬似基地局5に接続したときに、擬似基地局5はレイヤ1の設定変更メッセージを含んだシナリオに基づいて通信シーケンスをシミュレーションする。
【0071】
図10は擬似基地局5から携帯通信端末2bに送信されるレイヤ1の設定変更メッセージを記述した部分を示すシナリオ42であり、図11は擬似基地局5に設定変更メッセージのシナリオに基づいてレイヤ1のパラメータを設定する記述をした部分のシナリオ43である。また、図12は擬似基地局5が携帯通信端末2bからレイヤ1の設定変更完了のメッセージを受信する部分のシナリオ44である。
【0072】
図13はレイヤ2/レイヤ1のパラメータの設定値を定義する部分のシナリオである。図13において、符号45で示す枠で囲まれる部分はレイヤ1の設定変更メッセージから解析した値を設定するパラメータであり、例えば、レイヤ1のDPCHチャネルの番号(図9の符号41で示す枠で囲まれる部分をシナリオに変換したもの)である。また、符号46で示す枠で囲まれる部分はパラメータテーブル22の設定値であり、例えば、レイヤ1のDPCHチャネルの出力パワーである。
【0073】
このように本実施の形態では、ログファイル6に記述されたレイヤ3の通信シーケンスに含まれるメッセージを解析してメッセージの中から基地局1に係るレイヤ2/レイヤ1のパラメータの設定値を抽出し、この抽出されたパラメータの設定値とパラメータテーブル22に記憶されたパラメータの設定値を比較することにより、擬似基地局5が通信シーケンスをシミュレーションするためのパラメータの設定値を決定し、メッセージ解析手段11によって解析された解析情報とパラメータ決定手段18によって決定された擬似基地局5が通信シーケンスをシミュレーションするためのパラメータの設定値とに基づいて、擬似基地局5で動作させるためのシナリオを生成するようにしたので、擬似基地局5で通信シーケンスをシミュレーションするためのシナリオに記述するパラメータを自動的に生成することができる。
【0074】
このため、フィールドテスト等で取得されたログファイル6から擬似基地局5により通信シーケンスをシミュレーションするためのシナリオを作成する時間を短縮することができるとともに、擬似基地局5で実環境に近い状態でシミュレーションするために、ログファイル6から得られたパラメータの設定値とログファイル6から得られない擬似基地局5の動作に必要なパラメータの設定値とを比較選択し、決定したシナリオを生成することができ、携帯通信端末2bの試験を正確、かつ短期間に行うことができる。
【0075】
また、本実施の形態のパラメータ決定手段18は、擬似基地局5が通信シーケンスをシミュレーションするためのパラメータの設定値が、ログファイル6のパラメータの設定値に含まれるときは、ログファイル6のパラメータの設定値をシナリオに記述する擬似基地局5が通信シーケンスをシミュレーションするためのパラメータの設定値に設定し、ログファイル6のパラメータの設定値に含まれないときには、パラメータテーブル22に記憶されたパラメータの設定値を、シナリオに記述する擬似基地局5が通信シーケンスをシミュレーションするためのパラメータの設定値に設定するようにしたので、擬似基地局5で通信シーケンスをシミュレーションするためのシナリオに記述するパラメータを容易に生成することができる。
【0076】
特に、擬似基地局5が通信シーケンスをシミュレーションするためのパラメータの設定値が、ログファイル6のパラメータの設定値に含まれるときは、ログファイル6のパラメータの設定値をシナリオに記述する擬似基地局5が通信シーケンスをシミュレーションするためのパラメータの設定値に設定するので、ログファイル6を取得した通信シーケンスとそのときの状況を、擬似基地局5においてより実環境に近い状態でシミュレーションすることができる。
【0077】
図14〜図18は本発明に係るシナリオ生成装置、擬似基地局、シナリオ生成プログラムおよび記録媒体の第2の実施の形態を示す図であり、第1の実施の形態と同様の構成には同一番号を付して説明を省略する。
【0078】
本実施の形態では、パラメータテーブル22に記憶されるレイヤ2/レイヤ1のパラメータの設定値は所定の幅を持った設定値を設定可能になっており(以下、変動範囲ともいう)、図14に示すように、ログシナリオコンバータ4は、パラメータテーブル22に記憶されたパラメータの設定値の設定範囲を変更する入力および変更するパラメータを指定する入力を行うキーボード、タッチパネル、リモコン等の入力手段20を備えている。
【0079】
図15はパラメータ決定手段18が行うパラメータ決定処理の概念図であり、図15においてパラメータテーブル22に記憶されているパラメータとその設定値のパターン31を説明する。
【0080】
パターン31には、パラメータAとその設定値●が関連付けられており、設定値●の変動範囲は最大値A1と最小値A2に設定され、その設定値の変動単位は2である。
【0081】
また、パターン31には、パラメータBとその設定値△が関連付けられており、設定値△の変動範囲は最大値B1と最小値B2に設定され、その設定値の変動単位は1である。
【0082】
また、パターン31には、パラメータCとその設定値×が関連付けられており、設定値×の変動範囲は最大値C1と最小値C2に設定され、その設定値の変動単位は5である。
【0083】
さらに、パターン31には、パラメータDとその設定値◎が関連付けられており、設定値◎の変動範囲は最大値D1と最小値D2に設定され、その設定値の変動単位は3である。
【0084】
次に、図18のフローチャートに基づいてシナリオ生成処理を説明する。
【0085】
作業者が入力手段20によって、例えば、レイヤ2/レイヤ1のパラメータBの設定値の変動範囲を△1〜△5に設定したものとする。入力手段10にログファイル6を入力すると、通信プロトコル判定部14がログファイル6をメッセージ単位で解析し(ステップS11)、パラメータ抽出部15がレイヤ2/レイヤ1の設定処理が必要なメッセージがあるか否かを判別する(ステップS12)。
【0086】
ステップS12で設定処理が必要なメッセージがない場合にはメッセージ送信(あるいは受信)処理をシナリオに追加する(ステップS13)。
【0087】
次いで、ログに解析するべきメッセージがあるかメッセージ解析手段11が判定する(ステップS16)。ここで解析するべきメッセージが無いものと判断された場合には、シナリオ生成手段12が最終的なシナリオ変換処理を行い、シナリオファイル7を完成させる(ステップS17)。
【0088】
また、ステップS16で、ログに解析するべきメッセージが有るものと判断された場合は、ステップS11に戻り解析を続ける。
【0089】
一方、ステップS12でパラメータ抽出部15がレイヤ2/レイヤ1の設定処理が必要なメッセージがあるものと判断した場合には、パラメータ決定手段18によりこのメッセージと内部テーブルであるパラメータテーブル22の値からレイヤ2/レイヤ1のパラメータを決定する(ステップS14)。
図15により、ステップS14の処理を説明する。
【0090】
パラメータ決定手段18は、パラメータAに関しては、パターン31とログファイル6から抽出されたレイヤ2/レイヤ1のパラメータのパターン32を比較し、パラメータAの値が一致しているため、シナリオに記述するパラメータAに設定値●をセットする。
【0091】
また、パラメータBに関しては、予め入力手段20から設定値Δ1〜Δ5が設定されており、それぞれの設定値が使用される。すなわち、最初はパターン31のパラメータBの設定値Δ1をセットする。
【0092】
また、パラメータCに関しては、パターン31とパターン32のパラメータCの値が一致していないため、シナリオに記述するパラメータCにログファイル6の設定値■を優先してセットする。
【0093】
また、パラメータDに関しては、パターン31にパラメータの設定値が存在しないため、パラメータテーブル22のパターン31のパラメータDの設定値◎をセットする。このようにしてシナリオに記述するレイヤ2/レイヤ1のパラメータのパターン33aをセットする。
【0094】
以後、同様にしてパターン31の設定値Δ2〜Δ5に関してシナリオに記述するレイヤ2/レイヤ1のパラメータのパターン33b〜33eをセットする(ステップS14)。この結果、シナリオに記述するレイヤ2/レイヤ1のパラメータのパターン33a〜33eが5つセットされる。
【0095】
次いで、シナリオ生成手段12は、パラメータパターン組込部16によりレイヤ2/レイヤ1の1つ目のパラメータパターンの設定処理をシナリオに追加する(ステップS15)。
【0096】
次いで、ログに解析するべきメッセージがあるかメッセージ解析手段11が判定する(ステップS16)。ここで解析するべきメッセージが無いものと判断された場合には、シナリオ生成手段12が最終的なシナリオ変換処理を行い、シナリオファイル7を完成させる(ステップS17)。
【0097】
さらに、パラメータパターン組込部16はステップS14でセットしたパラメータパターンが存在するか確認する(ステップS18)。残りのパラメータパターンがある場合には、ステップS17で完成されたシナリオファイル7に基づいて、シナリオ生成手段17が残りのパラメータパターンの個数に応じた最終的なシナリオファイル7を作成する(ステップS19)。これによりステップS17で作成されたシナリオファイル7を含めてN個(5個)のシナリオファイル7が完成する(ステップS20)。
【0098】
図16は作業者が入力手段20からパラメータBの設定値の変動の有無を指定し、設定値の変動範囲を指定しない場合のシナリオ生成処理を示す図である。図16において、パラメータテーブル22のパターン31とログファイル6から抽出されたレイヤ2/レイヤ1のパラメータのパターン37を比較してシナリオに記述するレイヤ2/レイヤ1のパラメータを設定する方法は図15に示すものと同様である。
【0099】
但し、パラメータBに関しては、パラメータテーブル22のパターン31に含まれる最小値A1〜最小値A5を変動範囲とし、シナリオに記述するレイヤ2/レイヤ1のパラメータをセットする。
【0100】
図16では、パラメータの設定値としてB1がセットされたシナリオに記述するレイヤ2/レイヤ1のパラメータのパターン35a、パラメータの設定値としてB1+1がセットされたシナリオに記述するレイヤ2/レイヤ1のパラメータのパターン35b......パラメータの設定値としてB2がセットされたシナリオに記述するレイヤ2/レイヤ1のパラメータのパターン35nがセットされる。
【0101】
図17は作業者が入力手段20から変動範囲を指定するパラメータと設定値の変動範囲の両方を指定しない場合のシナリオを生成処理を示す図である。図17において、パラメータテーブル22のパターン31とログファイル6から抽出されたレイヤ2/レイヤ1のパラメータのパターン38を比較してシナリオに記述するレイヤ2/レイヤ1のパラメータを設定する方法は図15に示すものと同様であるが、パラメータCに関しては、パターン31およびパターン38の設定値が一致しないが、前述したようにメッセージから抽出した値であるパターン38の設定値■をシナリオに記述するレイヤ2/レイヤ1のパラメータの設定値としてセットする。
【0102】
但し、パターン38に存在しないパラメータDに関しては、パラメータテーブル22のパターン31に含まれる最大値D1〜最小値D2を変動範囲とし、シナリオに記述するレイヤ2/レイヤ1のパラメータをセットする。
【0103】
図17では、パラメータの設定値としてD1がセットされたシナリオに記述するレイヤ2/レイヤ1のパラメータのパターン36a、パラメータの設定値としてD1+3がセットされたシナリオに記述するレイヤ2/レイヤ1のパラメータのパターン36b......パラメータの設定値としてD2がセットされたシナリオに記述するレイヤ2/レイヤ1のパラメータのパターン36nがセットされる。
【0104】
このように本実施の形態では、1つのログファイル6に対して、同一の通信シーケンスで異なるパラメータの設定値を有する複数のシナリオファイル7を作成することができ、擬似基地局5を用いて複数の異なる条件下で携帯通信端末2bの動作状態を検査することができる。
【0105】
図19、図20は本発明に係るシナリオ生成装置、擬似基地局、シナリオ生成プログラムおよび記録媒体の第3の実施の形態を示す図であり、第1の実施の形態とパラメータテーブルが異なるのみでその他の構成は第1の実施の形態と構成が同一であるため、第1の実施の形態の図面を用いて説明する。
【0106】
本実施の形態は、図19に示すように、パラメータテーブル記憶手段17が、通信規格に応じて複数の前記パラメータテーブル51、52、53を備えた点に特徴がある。
【0107】
図19において、パラメータテーブル51にはW−CDMAで規格された通信プロトコルで通信する場合のパラメータとそのパラメータの設定値が関連付けられて記憶されている。
【0108】
具体的には、パラメータテーブル51には、パラメータとして、レイヤ1の下り(基地局から携帯通信端末へのデータ送信)DPCHチャネルの出力パワーとその設定値"−10"が関連付けられており、パラメータとして、レイヤ1の下りDPCHチャネルの番号とその設定値"1"が関連付けられている。
【0109】
また、パラメータテーブル51には、パラメータとして、レイヤ1の下りDPCHチャネルのスクランブルコードとその設定値"00000080"が関連付けられており、パラメータとして、レイヤ2のDCCHチャネルの数とその設定値"4"が関連付けられている。
【0110】
また、パラメータテーブル51には、パラメータとして、レイヤ2のDTCHチャネルの数とその設定値"3"が関連付けられている。なお、パラメータテーブル51にはレイヤ2/レイヤ1のその他のパラメータとその設定値が関連付けられており、それらは図示省略する。
【0111】
また、パラメータテーブル52には、通信事業者が提供するGSM(Global System for Mobile Communication)で規格された通信プロトコルで通信する場合のパラメータとそのパラメータの設定値が関連付けられて記憶される。
【0112】
具体的には、パラメータテーブル52には、パラメータとして、レイヤ1の下りTCH(Traffic Channel)チャネルの出力パワーとその設定値"−20"が関連付けられており、パラメータとして、レイヤ1の下りTCHチャネルのタイムスロットとその設定値"4"が関連付けられている。
【0113】
また、パラメータテーブル52には、パラメータとして、レイヤ1の下りチャネルの論理チャネル組み合わせとその設定値"SDCCH−8"が関連付けられている。なお、パラメータテーブル52にはレイヤ2/レイヤ1のその他のパラメータとその設定値が関連付けられており、それらは図示省略する。
【0114】
また、パラメータテーブル53にはHSDPA(High Speed Downlink Packet Access)で規格された通信プロトコルで通信する場合のパラメータとそのパラメータの設定値が関連付けられて記憶されている。
【0115】
具体的には、パラメータテーブル53には、パラメータとして、レイヤ1の下りDPCHチャネルの出力パワーとその設定値"−15"が関連付けられており、パラメータとして、レイヤ1の下りDPCHチャネルの番号とその設定値"2"が関連付けられている。
【0116】
また、パラメータテーブル53には、パラメータとして、レイヤ1の下りDPCHチャネルのスクランブルコードとその設定値"00000080"が関連付けられており、パラメータとして、レイヤ2のHS−DCCHチャネルの数とその設定値"4"が関連付けられている。
【0117】
また、パラメータテーブル53には、パラメータとして、レイヤ2のHS−DTCHチャネルの数とその設定値"1"が関連付けられている。なお、パラメータテーブル53にはレイヤ2/レイヤ1のその他のパラメータとその設定値が関連付けられており、それらは図示省略する。
【0118】
また、パラメータテーブル記憶手段17には、上述した複数の通信規格についてメッセージ解析用の解析用テーブルが記憶されており、この解析用テーブルはどの通信規格を使用するのかの優先順位や受信したメッセージがどの通信規格と一致するのか等を比較するデータを内部データとして記憶している。
【0119】
次に、図20のフローチャートに基づいて通信規格の判定処理を説明する。
【0120】
まず、入力手段10にログファイル6を入力して、メッセージ解析手段11がログファイルを読み込むと(ステップS21)、通信プロトコル判定部14が解析に使用する通信規格の優先順位を先頭のものに設定する(ステップS22)。ここで、パラメータテーブル記憶手段17に記憶された解析用テーブルに、W−CDMA、GSM、HSDPAの順に通信規格の解析を行うように優先順位が設定されている。
【0121】
次いで、通信プロトコル判定部14が解析用テーブルに記憶された通信規格の優先順位に基づいて解析に使用する通信規格を読み込んだ後(ステップS23)、通信プロトコル判定部14がログファイル6をメッセージ単位で読み込む(ステップS24)。
【0122】
次いで、ログファイルのデータがあるか否かを判別し(ステップS25)、データがない場合には読み込まれた全てのメッセージを正しく解析できたので、ログファイル6の通信プロトコルを、現在解析に使用している通信規格であるものと判断する(ステップS26)。
【0123】
また、ステップS25でデータがある場合には、読み込んだメッセージの内容を解析する(ステップS27)。具体的には、解析用テーブルには通信規格毎のメッセージが記憶されているため、読み込んだメッセージを解析用テーブルの先頭メッセージから順に比較する。そして、解析用テーブル内の何れかのメッセージと一致したときに通信規格を決定し、解析用テーブル内の何れかのメッセージと一致しないときには通信規格をエラーとする。
【0124】
ログファイル6のメッセージが解析用テーブル内のメッセージと一致しない例としては、解析したメッセージのサイズが解析用テーブルにあるメッセージと一致しないこと、解析したメッセージの各パラメータが規格で許容される範囲以外にあること、メッセージそのものが一致しないこと等が挙げられる。
【0125】
ステップS27で読み込んだメッセージの解析を行いながら解析が成功したか否かを判別する(ステップS28)。ステップS28でメッセージの解析が成功したものと判断した場合にはステップS24に戻り、解析が成功しないものと判断した場合には、通信プロトコル判定部14で解析に使用する通信規格を次の優先順位の通信規格に変更する(ステップS29)。
【0126】
次いで、次の優先順位の通信規格が存在するか否かを判別し(ステップS30)、次の優先順位の通信規格がある場合にはステップS23に戻り、次の優先順位の通信規格がない場合には全ての通信規格でエラーが発生したため、通信プロトコル判定部14でエラー発生、処理中断となり、通信規格の判定処理を終了する。
【0127】
このようにして判定された通信規格に対応するパラメータテーブル51〜53の何れかの設定値とログファイル6のレイヤ2/レイヤ1のパラメータの設定値とを比較し、シナリオファイル7に記述するレイヤ2/レイヤ1のパラメータを作成する。
【0128】
このように本実施の形態では、パラメータテーブル記憶手段17が通信規格に応じて複数のパラメータテーブル51〜53を備えたので、通信規格に応じたパラメータでシナリオを作成することができ、通信規格に応じたシナリオの通信シーケンスで擬似基地局5をシミュレーションして携帯通信端末2bの動作状態を検査することができる。
【産業上の利用可能性】
【0129】
以上のように、本発明に係るシナリオ生成装置、擬似基地局、シナリオ生成プログラムおよび記録媒体は、フィールドテスト等で取得されたログ情報から擬似基地局により通信シーケンスをシミュレーションするためのシナリオを作成する時間を短縮することができるとともに、擬似基地局で実環境に近い状態をシミュレーションするために、ログ情報から得られたパラメータの設定値とログ情報から得られない擬似基地局の動作に必要なパラメータの設定値とを比較選択し、決定したシナリオを生成することができるようにして、通信端末の試験を正確、かつ短期間に行うことができるという効果を有し、携帯電話、モバイル端末等の通信端末が設計された通りに機能するのかを検査するために、基地局を模擬した擬似基地局において通信シーケンスをシミュレーションするための動作を記述したシナリオを生成するシナリオ生成装置、擬似基地局、シナリオ生成プログラムおよび記録媒体等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0130】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るシナリオ生成装置を備えた通信端末の検査システムのブロック図(a)はログ情報を取得するまで検査システムのブロック図(b)は取得したログ情報からシナリオを生成して通信シーケンスをシミュレーションする検査システムのブロック図
【図2】第1の実施の形態のシナリオ生成装置のブロック図
【図3】第1の実施の形態のパラメータテーブルを示す図
【図4】第1の実施の形態におけるフィールドテスト時に携帯通信端末と基地局の間で行われるレイヤ2/レイヤ1の設定変更を含む通信シーケンス
【図5】第1の実施の形態における基地局から通信端末に送信されるレイヤ1の設定変更のメッセージ
【図6】第1の実施の形態おけるシナリオ生成処理のフローチャート
【図7】第1の実施の形態のメッセージ決定手段が行うパラメータ決定処理の概念図
【図8】第1の実施の形態における解析されたログファイルの中から抜粋されたレイヤ1の設定変更メッセージ
【図9】第1の実施の形態におけるパラメータ抽出部によって抽出、解析された設定変更メッセージ
【図10】第1の実施の形態における擬似基地局から通信端末に送信されるレイヤ1の設定変更メッセージのシナリオ
【図11】第1の実施の形態における擬似基地局が設定変更メッセージのシナリオに基づいてレイヤ1のパラメータを設定するシナリオ
【図12】第1の実施の形態における擬似基地局から通信端末に送信されるレイヤ1の設定変更完了のメッセージのシナリオ
【図13】第1の実施の形態におけるレイヤ2/レイヤ1のパラメータを設定するシナリオ
【図14】本発明の第2の実施の形態に係るシナリオ生成装置のブロック図
【図15】第2の実施の形態のメッセージ決定手段が行うパラメータ作成処理の概念図
【図16】第2の実施の形態のメッセージ決定手段が行う他のパラメータ作成処理の概念図
【図17】第2の実施の形態のメッセージ決定手段が行う他のパラメータ作成処理の概念図
【図18】第2の実施の形態におけるシナリオ生成処理のフローチャート
【図19】本発明の第3の実施の形態に係るシナリオ生成装置のパラメータテーブルを示す図
【図20】第3の実施の形態の通信規格の判定処理のフローチャート
【符号の説明】
【0131】
1 基地局
2、2a、2b 通信端末(携帯通信端末)
4 シナリオ生成装置(ログシナリオコンバータ)
5 擬似基地局
6 ログ情報(ログファイル)
7 シナリオ(シナリオファイル)
11 メッセージ解析手段
12 シナリオ生成手段
17 パラメータテーブル記憶手段
18 パラメータ決定手段
22、51、52、53 パラメータテーブル
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基地局(1)から通信端末(2)に対して通信に係るパラメータを送信する通信シーケンスを含んだ通信プロトコルを用いて前記基地局(1)と前記通信端末(2)との間で行う通信の通信シーケンスを記録したログ情報(6)に基づき、前記基地局を模擬した擬似基地局(5)で前記通信シーケンスをシミュレーションするためのシナリオ(7)を生成するシナリオ生成装置(4)であって、
前記ログ情報(6)に記述された通信シーケンスに含まれるメッセージを解析するとともに、前記メッセージの中から前記パラメータの設定値を抽出するメッセージ解析手段(11)と、
前記擬似基地局(5)が前記ログ情報(6)に記述された前記通信シーケンスをシミュレーションするための少なくとも前記パラメータを含むパラメータとそのパラメータの設定値とを関連付けて記憶するパラメータテーブル(22)を備えたパラメータテーブル記憶手段(17)と、
前記メッセージ解析手段(11)によって抽出された前記ログ情報のパラメータの設定値と前記パラメータテーブル(22)に記憶されたパラメータの設定値を比較することにより、前記擬似基地局(5)が通信シーケンスをシミュレーションするためのパラメータの設定値を決定するパラメータ決定手段(18)と、
前記メッセージ解析手段(11)によって解析された解析情報と前記パラメータ決定手段(18)によって決定された前記擬似基地局が通信シーケンスをシミュレーションするためのパラメータの設定値とに基づいて、前記擬似基地局(5)で動作させるためのシナリオ(7)を生成するシナリオ生成手段(12)とを備えたことを特徴とするシナリオ生成装置(4)。
【請求項2】
前記パラメータ決定手段(18)は、前記擬似基地局が通信シーケンスをシミュレーションするためのパラメータの設定値が、前記ログ情報(6)のパラメータの設定値に含まれるときは、前記ログ情報のパラメータの設定値を前記シナリオ(7)に記述する前記擬似基地局が通信シーケンスをシミュレーションするためのパラメータの設定値に設定し、
前記ログ情報(6)のパラメータの設定値に含まれないときには、前記パラメータテーブル(22)に記憶されたパラメータの設定値を、前記シナリオ(7)に記述する前記擬似基地局が通信シーケンスをシミュレーションするためのパラメータの設定値に設定することを特徴とする請求項1に記載のシナリオ生成装置(4)。
【請求項3】
前記パラメータテーブル(22)に記憶される前記パラメータの設定値は、所定の幅を持った設定値であり、
前記パラメータ決定手段(18)は、前記パラメータテーブル(22)に記憶された前記幅を持った設定値に応じて、前記擬似基地局が通信シーケンスをシミュレーションするための複数のパラメータの設定値を決定し、
前記シナリオ生成手段(12)は、前記パラメータ決定手段(18)によって決定された前記複数のパラメータの設定値に基づいて、前記擬似基地局(5)で動作するための複数のシナリオを生成することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のシナリオ生成装置(4)。
【請求項4】
前記パラメータテーブル記憶手段(17)は、通信規格に応じて前記ログ情報に記述された前記通信シーケンスをシミュレーションするための少なくとも前記パラメータを含むパラメータとそのパラメータの設定値とを関連付けて記憶する複数のパラメータテーブル(51、52、53)を備えたことを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1項に記載のシナリオ生成装置(4)。
【請求項5】
請求項1〜請求項4の何れかに記載のシナリオ生成装置(4)を備え、前記シナリオ生成装置(4)によって生成された前記シナリオに記述された通信シーケンスを含んだ通信プロトコルに基づいて前記通信端末(2)との間で通信を行うことを特徴とする擬似基地局(5)。
【請求項6】
基地局から通信端末に対して通信に係るパラメータを送信する通信シーケンスを含んだ通信プロトコルを用いて前記基地局と前記通信端末との間で行う通信の通信シーケンスを記録したログ情報に基づき、前記基地局を模擬した擬似基地局で前記通信シーケンスをシミュレーションするためのシナリオを生成するシナリオ生成プログラムであって、
コンピュータに、前記ログ情報に記述された通信シーケンスに含まれるメッセージを解析するとともに、前記メッセージの中から前記パラメータの設定値を抽出するメッセージ解析処理と、
前記擬似基地局が前記ログ情報に記述された前記通信シーケンスをシミュレーションするための少なくとも前記パラメータを含むパラメータとそのパラメータの設定値とを関連付けて記憶するパラメータテーブルを備えたパラメータテーブル記憶処理と、
前記メッセージ解析処理によって抽出された前記ログ情報のパラメータの設定値と前記パラメータテーブルに記憶されたパラメータの設定値を比較することにより、前記擬似基地局が通信シーケンスをシミュレーションするためのパラメータの設定値を決定するパラメータ決定処理と、
前記メッセージ解析処理によって解析された解析情報と前記パラメータ決定処理によって決定された前記擬似基地局が通信シーケンスをシミュレーションするためのパラメータの設定値とに基づいて、前記擬似基地局で動作させるためのシナリオを生成するシナリオ生成処理とを実行させることを特徴とするシナリオ生成プログラム。
【請求項7】
請求項6に記載のシナリオ生成プログラムが記録されたことを特徴とする記録媒体。
【請求項1】
基地局(1)から通信端末(2)に対して通信に係るパラメータを送信する通信シーケンスを含んだ通信プロトコルを用いて前記基地局(1)と前記通信端末(2)との間で行う通信の通信シーケンスを記録したログ情報(6)に基づき、前記基地局を模擬した擬似基地局(5)で前記通信シーケンスをシミュレーションするためのシナリオ(7)を生成するシナリオ生成装置(4)であって、
前記ログ情報(6)に記述された通信シーケンスに含まれるメッセージを解析するとともに、前記メッセージの中から前記パラメータの設定値を抽出するメッセージ解析手段(11)と、
前記擬似基地局(5)が前記ログ情報(6)に記述された前記通信シーケンスをシミュレーションするための少なくとも前記パラメータを含むパラメータとそのパラメータの設定値とを関連付けて記憶するパラメータテーブル(22)を備えたパラメータテーブル記憶手段(17)と、
前記メッセージ解析手段(11)によって抽出された前記ログ情報のパラメータの設定値と前記パラメータテーブル(22)に記憶されたパラメータの設定値を比較することにより、前記擬似基地局(5)が通信シーケンスをシミュレーションするためのパラメータの設定値を決定するパラメータ決定手段(18)と、
前記メッセージ解析手段(11)によって解析された解析情報と前記パラメータ決定手段(18)によって決定された前記擬似基地局が通信シーケンスをシミュレーションするためのパラメータの設定値とに基づいて、前記擬似基地局(5)で動作させるためのシナリオ(7)を生成するシナリオ生成手段(12)とを備えたことを特徴とするシナリオ生成装置(4)。
【請求項2】
前記パラメータ決定手段(18)は、前記擬似基地局が通信シーケンスをシミュレーションするためのパラメータの設定値が、前記ログ情報(6)のパラメータの設定値に含まれるときは、前記ログ情報のパラメータの設定値を前記シナリオ(7)に記述する前記擬似基地局が通信シーケンスをシミュレーションするためのパラメータの設定値に設定し、
前記ログ情報(6)のパラメータの設定値に含まれないときには、前記パラメータテーブル(22)に記憶されたパラメータの設定値を、前記シナリオ(7)に記述する前記擬似基地局が通信シーケンスをシミュレーションするためのパラメータの設定値に設定することを特徴とする請求項1に記載のシナリオ生成装置(4)。
【請求項3】
前記パラメータテーブル(22)に記憶される前記パラメータの設定値は、所定の幅を持った設定値であり、
前記パラメータ決定手段(18)は、前記パラメータテーブル(22)に記憶された前記幅を持った設定値に応じて、前記擬似基地局が通信シーケンスをシミュレーションするための複数のパラメータの設定値を決定し、
前記シナリオ生成手段(12)は、前記パラメータ決定手段(18)によって決定された前記複数のパラメータの設定値に基づいて、前記擬似基地局(5)で動作するための複数のシナリオを生成することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のシナリオ生成装置(4)。
【請求項4】
前記パラメータテーブル記憶手段(17)は、通信規格に応じて前記ログ情報に記述された前記通信シーケンスをシミュレーションするための少なくとも前記パラメータを含むパラメータとそのパラメータの設定値とを関連付けて記憶する複数のパラメータテーブル(51、52、53)を備えたことを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1項に記載のシナリオ生成装置(4)。
【請求項5】
請求項1〜請求項4の何れかに記載のシナリオ生成装置(4)を備え、前記シナリオ生成装置(4)によって生成された前記シナリオに記述された通信シーケンスを含んだ通信プロトコルに基づいて前記通信端末(2)との間で通信を行うことを特徴とする擬似基地局(5)。
【請求項6】
基地局から通信端末に対して通信に係るパラメータを送信する通信シーケンスを含んだ通信プロトコルを用いて前記基地局と前記通信端末との間で行う通信の通信シーケンスを記録したログ情報に基づき、前記基地局を模擬した擬似基地局で前記通信シーケンスをシミュレーションするためのシナリオを生成するシナリオ生成プログラムであって、
コンピュータに、前記ログ情報に記述された通信シーケンスに含まれるメッセージを解析するとともに、前記メッセージの中から前記パラメータの設定値を抽出するメッセージ解析処理と、
前記擬似基地局が前記ログ情報に記述された前記通信シーケンスをシミュレーションするための少なくとも前記パラメータを含むパラメータとそのパラメータの設定値とを関連付けて記憶するパラメータテーブルを備えたパラメータテーブル記憶処理と、
前記メッセージ解析処理によって抽出された前記ログ情報のパラメータの設定値と前記パラメータテーブルに記憶されたパラメータの設定値を比較することにより、前記擬似基地局が通信シーケンスをシミュレーションするためのパラメータの設定値を決定するパラメータ決定処理と、
前記メッセージ解析処理によって解析された解析情報と前記パラメータ決定処理によって決定された前記擬似基地局が通信シーケンスをシミュレーションするためのパラメータの設定値とに基づいて、前記擬似基地局で動作させるためのシナリオを生成するシナリオ生成処理とを実行させることを特徴とするシナリオ生成プログラム。
【請求項7】
請求項6に記載のシナリオ生成プログラムが記録されたことを特徴とする記録媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2006−101160(P2006−101160A)
【公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−284387(P2004−284387)
【出願日】平成16年9月29日(2004.9.29)
【出願人】(000000572)アンリツ株式会社 (838)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年9月29日(2004.9.29)
【出願人】(000000572)アンリツ株式会社 (838)
【Fターム(参考)】
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