説明

スラリー状体の固液分離方法および装置

【課題】 ホーニングスラッジ等のように、圧搾による固形化が困難なスラリー状体であっても固形化が行え、かつスラリー状体から回収する液体成分が固形化促進のための薬剤で汚れることが回避でき、固形化の作業性にも優れるスラリー状体の固液分離方法および装置を提供する。
【解決手段】 内径面が円筒面状に形成された金型1と、この金型1の一端開口を開閉可能に閉じるゲート2と、金型1内に摺動自在に嵌合し、金型1内のスラリー状体Sをゲート2側に押し付けて圧搾する加圧ロッドとを備える装置を用いる。加圧ロッド3の先端面およびゲート2の内面に、固液分離用の繊維状でペーパー状のフィルタ4,5を配置しても良い。金型1内のスラリー状体Sを圧搾した後、その圧搾体を金型1内に入れたままで、注入ヘッド45により、接着剤または硬化剤を圧搾体に注入し、圧搾体を固形化する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ホーニング加工、スーパー加工、ラッピング加工、研削加工等により生じる加工液と粉状の加工屑等の混ざり合ったスラリー状体から、あるいは木材加工等により生じたスラリー状体から、固体成分と液体成分とを分離し、固形化するスラリー状体の固液分離方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
研削加工や研磨加工では、研削屑等の粉状の加工屑が発生する。この粉状の加工屑は、クーラント等の加工液と混ざり合ったスラリー状体、つまりスラッジの状態で機外に排出する。排出されたスラッジは、ろ過や低圧フィルタプレス等によって固液分離し、加工液は回収して再利用する。
ろ過や、低圧フィルタプスレス等による固液分離法では、分離後の状態でも含液率が高く、十分な加工液の回収ができないばかりか、固液分離で濃縮された濃縮スラッジの再資源化ができず、従来は産業廃棄物として埋め立て処理していた。
【0003】
このような課題を解消するものとして、研削スラッジについては、図10に概略を示すように、濃縮スラッジS′をシリンダ状の金型51内に投入し、加圧ロッド53で圧搾してブリケット状に固形化するものが種々提案され(例えば特許文献1)、既に実用化されている。金型51の他端はゲート52で閉じ、固形化物はゲート52を開いて加圧ロッド53により押し出す。
【特許文献1】特開2001−300597号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
シリンダ状の金型51と加圧ロッド53とを用いる研削スラッジの固形化装置は、加工屑が糸屑状で比較的に粗く絡み易い研削スラッジには使用可能であるが、次のようなスラッジには使用できない。例えばホーニング加工のスラッジ、スーパー加工のスラッジ、ラッピング加工のスラッジ、軸受転動体(ころ,鋼球)の仕上げ研削加工スラッジ等には使用できない。
【0005】
これは、加工屑が細かいことや、丸くて絡み難いことにより、金型51と加圧ロッド53やゲート52間等の加工部の機械的隙間δ1,δ2から加工屑が液体成分と共に流出してしまうためである。すなわち、一般的な研削屑は、比較的大きくて、また糸屑状となっているため、絡み易くて固形化が容易であり、また加工部の機械的隙間δ1,δ2から流出することが生じ難い。しかし、ホーニング加工のスラッジでは、加工屑が丸くて絡み合わず、またスーパー加工やラッピング加工のスラッジは加工屑が非常に細かい。軸受転動体の仕上げ研削加工スラッジも加工屑が細かい。そのため、上記の研削スラッジ用の固形化装置を使用することができない。
【0006】
加工部の機械的隙間δ1,δ2から加工屑が流出することは、固形化を困難にするばかりでなく、回収された液体成分に加工屑が混じることから、加工液の再利用の妨げとなり、回収した加工液を再度ろ過する処理が必要となる。
【0007】
なお、研削スラッジの固形化装置をホーニングスラッジの固形化等に利用する場合に、金属製のフィルタ等を固定して用い、加工部の機械的隙間から加工屑が流出することを防止することも試みられている。しかし、目詰まりにより安定したろ過ができなくなるため、フィルタを定期的に交換する必要が生じ、保守作業に手間がかかる。
【0008】
この他のホーニング加工等のスラッジの処理方法としては、ベルト状のフィルタを用いて密閉室内のエアー圧によりフィルタを通過させる低圧フィルタプレスや、沈殿装置等を用いる方法がある。しかし、いずれもスラッジの含液率を十分に低下させることができず、沈殿装置では50〜80%程度にまでしか含液率を低下させることができない。そのため、加工液の回収効率が悪いうえ、残った濃縮状態のスラッジの再資源化が困難である。
【0009】
固液分離による固定化を容易にする方法としては、スラリー状体に硬化剤を混合させた後に、圧搾により固形化を行う方法が提案されている。しかし、硬化剤を混合させてスラリー状体を圧搾すると、回収された液体成分に硬化剤が混ざり、再利用できなくない。ホーニング液等は高価であるため、再利用せずに廃棄するのでは不経済であるうえ、環境への負荷も大きくなる。
【0010】
この発明の目的は、圧搾による固形化が困難なスラリー状体であっても固形化が行え、かつスラリー状体から回収する液体成分が固形化促進のための薬剤で汚れることが回避でき、固形化の作業性にも優れるスラリー状体の固液分離方法および装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明のスラリー状体の固液分離方法は、スラリー状体を固体成分と液体成分とに分離する方法であって、内径面が円筒面状に形成され前記スラリー状体が投入される金型と、この金型の一端開口を開閉可能に閉じるゲートと、前記金型内に摺動自在に嵌合し、前記金型内のスラリー状体を前記ゲート側に押し付けて圧搾する加圧ロッドとを備える装置を用い、前記金型内のスラリー状体を前記加圧ロッドにより圧搾して圧搾体とし、その圧搾体を金型内に入れたままで、接着剤または硬化剤を前記圧搾体に注入し、圧搾体を固形化する方法である。
なお、この明細書で言うスラリー状体は、微細な固体と液体とが混ざったものを言い、スラッジを含む意味である。
【0012】
この方法によると、接着剤または硬化剤を注入するため、スラリー状体に含まれる固体成分が、固形化が困難なもの、例えば細かなものや絡み難い形状のものなどであっても、接着剤または硬化剤によって固形化することができる。また、シリンダ状の金型と加圧ロッドとを用いるため、金型内に充填したスラリー状体を、強い圧力で圧搾できる。そのためスラリー状体から液体成分を高度に絞り出すことができる。
接着剤または硬化剤の注入は、スラリー状体を金型内で圧搾した後に行うため、圧搾の前に接着剤または硬化剤を混入する場合と異なり、圧搾により絞り出された液体成分に接着剤や硬化剤が混ざらず、綺麗な液体成分を回収することができる。また、金型内のスラリー状体を圧搾した後に、その圧搾体を金型内に入れたままで接着剤または硬化剤を注入するため、固形化不完全の状態で圧搾体を金型から排出することが不要で、作業性に優れる。
【0013】
この発明方法において、前記加圧ロッドの先端面およびゲートの内面に、これら加圧ロッドの先端外周と金型の内径面間の隙間、およびゲートと金型との接触面間の隙間を閉じる固液分離用の繊維状のフィルタを配置した状態で、前記金型内のスラリー状体を前記加圧ロッドにより圧搾するようにしても良い。
このように、加圧ロッドの先端面およびゲートの内面に、フィルタを配置した状態で、金型内のスラリー状体を圧搾する場合、スラリー状体における固体成分が細かなものであったり、絡み難い形状のものであっても、金型と加圧ロッドやゲート間の隙間から固体成分が流出することが前記フィルタで防止される。
上記フィルタは、例えば、圧搾により金型内に残った圧搾体と共に前記加圧ロッドで押し出し、1回の圧搾毎に新たなフィルタを使用するためフィルタ目詰りの問題が発生せず、フィルタ交換の保守の手間が省ける。上記フィルタは、圧搾処理毎に圧搾体と共に排出するため、単に金型内に入れるだけで良く、取付作業のような複雑な作業が不要であり、金型内への装填が容易に行える。フィルタは、圧搾体に付着した状態となるが、フィルタの材質を適宜選定することで、異成分混入等の問題とならず、フィルタが付いたままで圧搾体を例えば製鋼原料等として再利用することができる。また、圧搾毎に新たなフィルタが必要であるが、従来では利用できなかったスラリー状体の固体成分の再利用が可能になることや、液体成分の回収率が向上することや回収された加工液のろ過が不要なことを考慮すると、フィルタの消費は環境面からもコスト面からも問題とはならない。前記フィルタはペーパー状のフィルタであってもよい。ペーパー状のフィルタであると、取扱性が良い。
【0014】
この発明のスラリー状体の固液分離装置は、スラリー状体を固体成分と液体成分とに分離する装置であって、内径面が円筒面状に形成され前記スラリー状体が投入される金型と、この金型の一端開口を開閉可能に閉じるゲートと、前記金型内に摺動自在に嵌合し、前記金型内のスラリー状体を前記ゲート側に押し付けて圧搾する加圧ロッドと、この加圧ロッドによる圧搾の後、加圧ロッドが金型から脱出した後、前記金型内の前記加圧ロッドで圧搾されたスラリー状体の圧搾体に対し、接着剤または硬化剤を注入する注入手段とを備える。
この構成の固液分離装置によると、前述したこの発明の固液分離方法に使用できて、この発明方法における前述の各効果、つまり圧搾による固形化が困難なスラリー状体であっても固形化が行え、かつスラリー状体から回収する液体成分が固形化促進のための薬剤で汚れることが回避でき、固形化の作業性にも優れるという効果が得られる。
【0015】
この発明の固液分離装置において、前記金型、ゲート、および加圧ロッドは、前記加圧ロッドの先端面およびゲートの内面に、これら加圧ロッドの先端外周と金型の内径面間の隙間、およびゲートと金型との接触面間の隙間を閉じる固液分離用の繊維状のフィルタを配置した状態で、前記金型内のスラリー状体を前記加圧ロッドにより圧搾し、この圧搾により金型内に残った固体成分を前記フィルタと共に、前記加圧ロッドで押し出すものとしても良い。前記フィルタはペーパー状のフィルタであっても良い。
このようにフィルタを用いる構成の場合、スラリー状体における固体成分が細かなものであったり、絡み難い形状のものであっても、金型と加圧ロッドやゲート間の隙間から固体成分が流出することが前記フィルタで防止されて、固形化がより一層容易になり、また回収される液体成分に固体成分が混ざらないようにできる。
【0016】
この発明のスラリー状体の固形化物は、スラリー状体を圧搾により円柱状に固形化した固形化物であって、圧搾状態で接着剤または硬化剤が注入されたものである。
この構成の固形化物によると、接着剤または硬化剤が注入されているため、スラリー状体に含まれる固体成分が、固形化が困難なもの、例えば細かなものや絡み難い形状のものなどであっても、接着剤または硬化剤によって固形化することができる。上記接着剤または硬化剤は圧搾後に注入されるため、圧搾時に回収される液体成分に混ざらず、スラリー状体から綺麗な液体成分の回収が行える。
【0017】
この発明のスラリー状体の固形化物において、両端面にペーパー状のフィルタが付着したものであっても良い。この構成の場合、上記フィルタを圧搾時に利用することにより、固体成分が細かなものや、絡み難い形状のものであっても、固液分離による固形化が可能で、かつその固形化の処理が簡単に行える。
【発明の効果】
【0018】
この発明のスラリー状体の固液分離方法は、スラリー状体を固体成分と液体成分とに分離する方法であって、内径面が円筒面状に形成され前記スラリー状体が投入される金型と、この金型の一端開口を開閉可能に閉じるゲートと、前記金型内に摺動自在に嵌合し、前記金型内のスラリー状体を前記ゲート側に押し付けて圧搾する加圧ロッドとを備える装置を用い、前記金型内のスラリー状体を前記加圧ロッドにより圧搾して圧搾体とし、その圧搾体を金型内に入れたままで、接着剤または硬化剤を前記圧搾体に注入し、圧搾体を固形化する方法であるため、圧搾による固形化が困難なスラリー状体であっても固形化が行え、かつスラリー状体から回収する液体成分が固形化促進のための薬剤で汚れることが回避でき、固形化の作業性にも優れる。
【0019】
この発明のスラリー状体の固液分離装置は、スラリー状体を固体成分と液体成分とに分離する装置であって、内径面が円筒面状に形成され前記スラリー状体が投入される金型と、この金型の一端開口を開閉可能に閉じるゲートと、前記金型内に摺動自在に嵌合し、前記金型内のスラリー状体を前記ゲート側に押し付けて圧搾する加圧ロッドと、この加圧ロッドによる圧搾の後、加圧ロッドが金型から脱出した後、前記金型内の前記加圧ロッドで圧搾されたスラリー状体の圧搾体に対し、接着剤または硬化剤を注入する注入手段とを備えたものであるため、圧搾による固形化が困難なスラリー状体であっても固形化が行え、かつスラリー状体から回収する液体成分が固形化促進のための薬剤で汚れることが回避でき、固形化の作業性にも優れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
この発明の第1の実施形態における概要を図1ないし図3と共に説明する。図1に示すように、このスラリー状体の固液分離装置は、内径面が円筒面状の金型1と、この金型1の一端開口を開閉可能に閉じるゲート2と、金型1内に摺動自在に嵌合し、金型1内に投入されたスラリー状体Sをゲート2側に押し付けて圧搾する加圧ロッド3とを備える。
また、図3に示すように、金型1内のスラリー状体Sの圧搾体に対して接着剤Aまたは硬化剤を注入する注入手段であるノズルヘッド45を備える。
【0021】
図1において、この固液分離装置は、加圧ロッド3の先端面3aおよびゲート2の内面2aに、これら加圧ロッド3の先端外周と金型1の内径面間の隙間d1、およびゲート2と金型1との接触面間の隙間d2を閉じる固液分離用の繊維状のフィルタ4,5を配置した状態で、金型1内のスラリー状体Sを加圧ロッド3により圧搾し、この圧搾により金型1内に残った固体成分を前記フィルタ4,5と共に、加圧ロッド3で押し出すようにしたものである。なお、金型1、ゲート2、および加圧ロッド3は、フィルタ4,5を上記のように使用可能なものであれば良く、フィルタ4,5の使用のために寸法,形状等の工夫を特に施したものでなくても良い。上記隙間d1は、図では強調して示しているが、例えば0.1mm以下である。
【0022】
金型1は立姿勢と横姿勢のいずれのものであっても良いが、この実施形態では立姿勢のものとされている。ゲート2は、金型1の下端の端面に沿って金型直径方向に摺動することで、金型1の下端開口を開閉するものとされている。ゲート2は、金型1の一端に挿脱自在にするプランジャ型のもの(例えば図10のゲート52のようなもの)であっても良い。
【0023】
加圧ロッド3は、後述の加圧装置によって進退駆動され、金型1の上端から金型1内に挿脱可能で、かつゲート2が開いた状態で内部のスラリー状体Sの圧搾体を押し出し可能なストロークを有するものとされる。上記加圧装置は、サーボモータを駆動源とするものであっても、また油圧シリンダ等の油圧式のものであっても良い。
【0024】
図3のノズルヘッド45は、スラリー状体Sが圧搾されて図1の加圧ロッド3が金型1から抜き出された後に、金型1内に挿入され、接着剤Aまたは硬化剤をスラリー状体Sの圧搾体へ注入する手段である。ノズルヘッド45は、金型1内に略嵌合する状態に挿脱自在な外径のロッド状とされ、内部に接着剤Aまたは硬化剤を貯留する貯留室46を有し、圧搾体へのノズルヘッド45の押し当て面45aに上記貯留室46から開口する複数のノズル孔47が設けられている。また、貯留室46内の接着剤Aまたは硬化剤の上方空間へ加圧用の空気等の気体を送る加圧気体供給経路48が設けられている。
ここで言う硬化剤は、凝固剤を含む意味である。接着剤Aとしては、エポキシ樹脂系のものや、水溶性ウレタンフォーム等が使用できる。なお、フィルタ4を透過させて注入する必要があるため、フィルタ4を透過可能な材質の接着剤Aまたは硬化剤を使用する。
【0025】
処理対象となるスラリー状体Sとしては、鋼材におけるホーニング加工のスラッジ、スーパー加工のスラッジ、ラッピング加工のスラッジ、軸受のころ,鋼球等の転動体の仕上げ研削加工スラッジ、その他一般の研削加工のスラッジ等が使用できる。ホーニング加工のスラッジでは、その加工屑の粒径が1〜50μm程度であり、スーパー加工ではサブミクロン単位である。上記各加工を行う鋼材は、例えば焼入等の熱処理が施されたものであっても良い。処理対象となるスラリー状体Sは、上記の他に、脱水汚泥や、固体成分が超鋼やガラス粉からなるものであっても良い。特に、超鋼やガラス粉からなるものは、圧搾だけでは固形化が困難であるため、この接着剤A等を注入する方法が効果的となる。
【0026】
上下のフィルタ4,5は、紙フィルタまたは布製フィルタ等のペーパー状のものが使用される。フィルタ4,5はこの他に綿状やスポンジ状のものであってもよい。フィルタ4,5の材質は、化学繊維製のものであってもよいが、植物繊維製のものが好ましい。フィルタ4,5の形状は、例えば円形のものとされ、金型1内に装填した状態で金型1の内径面に沿って立ち上がり部分4a,5aが生じる程度に、金型1の内径よりも大径ものが使用される。フィルタ4,5の粗さは、処理対象となるスラリー状体Sに応じて選定される。スラリー状体Sが鋼材のホーニング加工によるものである場合、通気量V(cm3/cm2 s)が、10〜300程度のものが選定される。
【0027】
上記構成の固液分離装置を用いた固液分離方法を説明する。
金型1の下端開口がゲート2で閉じられ、加圧ロッド3が金型1から上方に抜け出した状態で、金型1内の底部に下側のフィルタ5を装填する。この後、スラリー状体Sを金型1内に上端開口から投入し、投入されたスラリー状体Sの上に被さるように、上側のフィルタ4を装填する。
このようにスラリー状体Sの投入、および上下のフィルタ4,5の装填が行われた状態で、加圧ロッド3を金型1内に進入させ、加圧ロッド3で金型1内のスラリー状体Sを圧搾する。
【0028】
圧搾が完了すると、加圧ロッド3を抜き出し、図3のようにノズルヘッド45をスラリー状体Sの圧搾体に押し付けて、接着剤Aまたは硬化剤をその圧搾体へ注入する。この注入により、圧搾だけでは固形化が不十分であった圧搾体の固形化が促進される。また、一応の固形化が圧搾で行われた圧搾体については、取り扱い時に容易に崩れない強固な固形化物SBとなる。
このようにスラリー状体Sの固形化が行われた後、ゲート2を開き、固形化物SBを金型から排出する。この排出は、ノズルヘッド45の抜き出しの後、再度、加圧ロッド3を押し込んで固形化物SBを下端開口から排出することで行う。加圧ロッド3によらずに、ノズルヘッド45をさらに押し込んで固形化物SBを排出するようにしても良い。また、これらとは別の押し出し手段で押し出すようにしても良い。
【0029】
この固液分離方法によると、図1の圧搾過程でスラリー状体Sから絞り出された油,水,その他の加工液等の液体成分は、金型1と加圧ロッド3間の隙間d1、および金型1とゲート2の接触面間の隙間d2から排出される。このとき、各隙間d1,d2はフィルタ4,5で閉じられているため、スラリー状体Sから絞り出された液体成分は、各隙間d1,d2から直接に排出されることはなく、フィルタ4,5を透過して排出されることになる。
このため、スラリー状体Sの固体成分がホーニング加工による加工屑やスーパー加工,ラッピング加工の加工屑等のように微細のものであっても、固体成分が金型1と加圧ロッド3やゲート2との隙間d1,d2から流出することがなく、フィルタ4,5で補足される。したがって、従来の研削スラッジ固形化装置では固液分離が困難であったスラリー状体であっても、固液分離が可能になる。
また、円筒状の金型1と加圧ロッド3とを用いるため、圧力を高くして高度に固液分離することができる。スラリー状体Sがホーニング加工のスラッジである場合、スラッジ発生状態では含油率が例えば40wt%程度であり、この状態で金型1に投入されるが、上記圧搾により10%以下の含油率となる。
【0030】
これにより、スラリー状体Sの圧搾による固形化が容易になると共に、ホーニング液等の液体成分が清浄化された状態で排出され、後にろ過することなく、再利用可能な状態の液体成分が回収できる。
【0031】
接着剤Aまたは硬化剤を用いるが、スラリー状体Sの金型1内での圧搾後に注入するため、圧搾の前に接着剤または硬化剤を混入する場合と異なり、圧搾により絞り出された液体成分に接着剤や硬化剤が混ざらず、綺麗な液体成分を回収することができる。
このように、フィルタ4,5を用いると共に、圧搾による硬化の後に接着剤Aまたは硬化剤を注入するようにしたため、固体成分が非常に微細でまた粒子形状が丸いことなどで固形化が非常に困難なスラリー状体、例えば超鋼やガラス等の加工屑であっても、固形化が可能となり、かつ回収さける加工液が綺麗なものとなる。
また、金型1内のスラリー状体Sを圧搾した後に、その圧搾体を金型1内に入れたままで接着剤Aまたは硬化剤を注入するため、固形化不完全の状態で圧搾体を金型1から排出することが不要で、作業性にも優れる。
【0032】
金型1内のスラリー状体Sは、圧搾により、またその後の接着剤A等の注入により、円柱形状のブリケット状の固形化物SB(図2)に固形化される。この固形化物SBは、固形化物本体SBaに両側のフィルタ4,5が付着し、内部に接着剤Aまたは硬化剤が注入されたものとなる。
このように固形化物SBに固形化されることにより、運搬や保管等の取扱いが容易となるばかりでなく再資源化が可能となる。固体成分が鋼材のスラリー状体Sの場合、得られた固形化物SBは、製鋼原料として用いられ、炉内に投入される。このような再利用の過程における取扱が、固形化によって容易となる。また、含油率が例えば10%以下となる程度に、高度に固液分離が行えるため、液体成分である加工液の回収が高い効率で行える。これにより、資源を経済的に利用でき、自然環境への負荷も軽減できる。
【0033】
上記フィルタ4,5は、圧搾により金型1内に残った固形化物SBまたは未固形化の圧搾体と共に加圧ロッド3で押し出し、1回の圧搾毎に新たなフィルタ4,5を使用するため、フィルタ目詰りの問題が発生せずフィルタ交換の保守の手間が省ける。上記フィルタ4,5は、圧搾処理毎に圧搾体と共に排出するため、単に金型1内に入れるだけで良く、取付作業のような複雑な作業が不要であり、金型1内への装填が容易に行える。
【0034】
フィルタ4,5は、固形化物SBに付着した状態となるが、フィルタ4,5の材質を適宜選定することで、異成分混入等の問題とならず、フィルタ4,5が付いたままで、固形化物SBを例えば製鋼原料等として再利用することができる。フィルタ4,5が植物繊維製のものである場合、炉に入れると燃焼してしまうため、鋼材の材質に影響せず、また燃えたときに発生するガスや燃えかすが公害の原因となることもない。フィルタ4,5が固形化物SBに付着することで、使用済みフィルタ4,5の廃棄を別個に行う必要がなくて、これによっても作業性が向上する。
フィルタ4,5は、圧搾毎に新たなものが必要であるが、従来では利用できなかったスラリー状体の固体成分の再利用が可能になることや、液体成分の回収率が向上することや回収された加工液のろ過が不要のことを考慮すると、フィルタの消費は環境面からもコスト面からも問題とはならない。
固形化物SBに注入された接着剤Aまたは硬化剤についても、炉に入れると燃焼してしまうため、鋼材等の再生材の材質への影響が回避される。
【0035】
図4ないし図8は、この固液分離装置の具体的構成例を示す。この固液分離装置は、前記金型1を所定の経路で移動させて複数の割出位置P1〜P4で位置決め可能な金型位置決め装置11と、この金型位置決め装置11による一つの割出位置P2に設けられたフィルタ装填装置12と、他の割出位置P1に設けられたスラリー状体供給装置13と、さらに他の割出位置P3に設けられた加圧装置14と、さらに他の割出位置P4に設けられた注入ヘッド昇降装置49を備える。
【0036】
金型位置決め装置11は、金型1およびゲート2が搭載されたトラバースユニット30を直線経路で案内する案内レール16と、進退装置17とでなる。トラバースユニット30は、トラバース台15に、上記金型1、ゲート2、およびシュート31を搭載したものである。案内レール16は上下に2本平行に固定基台41に設けられたバー状の部材であり、トラバース台15に設けられた被案内部18(図8)が摺動自在に嵌合する。進退装置17は、案内レール16と平行に設けられたボールねじ等の送りねじ機構19と、この送りねじ機構19のねじ軸19aを回転させるACサーボモータ等のモータ20とでなる。送りねじ機構19のねじ軸19aは固定基台41に回転自在に設置され、ボールナット19b(図8)はトラバース台15に固定されている。
【0037】
図4おいて上記割出位置P1〜P4のうち、割出位置P2はフィルタ装填位置であり、そのトラバース台進退方向の両側に振り分けて、スラリー状体の供給用の割出位置P1、および加圧装置14による圧搾用の割出位置P3を配置されている。割出位置P4は、接着剤等注入用の割出位置である。
【0038】
フィルタ装填装置12は、下端に真空チャックからなる吸着パッド21を設けた昇降ロッド22を、エアシリンダ等の昇降装置23で昇降させるものであり、下側のフィルタ5の金型1内への装填、および上側のフィルタ4の金型1内への装填を行うものとされる。下側のフィルタ5の装填は、平らな状態で金型1の上面置くようにし、後に加圧ロッド3で金型1内にフィルタ1を押し込むようにしても良い。なお、昇降装置23は、割出位置P2とその近傍のフィルタ供給台(図示せず)の上との間を往復移動可能に設けられ、フィルタ供給台上に準備されたフィルタを吸着して金型1内への装填を行う。
【0039】
スラリー状体供給装置13は、スラリー状体Sを貯留して定量ずつ金型1に供給するホッパからなる。スラリー状体供給装置13は、パイプ等からなるものであっても良い。
【0040】
加圧装置14は、加圧ロッド3を昇降させる機構であり、加圧ロッド3が下方に延びるように設けられた昇降体25を支持台26に昇降自在に設置し、加圧ロッド3を昇降体25と共にサーボモータ28および回転・直進変換機構27により昇降させるものである。サーボモータ28は、ACサーボモータからなり、減速機29を介して回転・直進変換機構27に伝達される。回転・直進変換機構27はボールねじ等の送りねじ機構からなり、昇降体25に固定されたナット27bと、昇降体25に回転自在に設置されたねじ軸27aとを備える。サーボモータ28は、加圧制御装置33により制御される。
【0041】
注入ヘッド昇降装置49は、注入ヘッド45を昇降させて金型1内に挿脱する手段であり、エアシリンダ等の流体圧シリンダ装置で構成され、またはモータとボールねじ等の回転・直進変換機構により構成される。
【0042】
トラバースユニット30につき説明する。金型1の下端開口から固形化物SBを排出するシュート31とゲート2とが共通のインデックスベース36に設置され、インデックスベース36は、トラバース台15に対して案内部材37(図8参照)を介してトラバース台移動方向に移動自在に支持されている。案内部材37は、図8の他の図では図示を省略している。案内部材37は、ゲート2が金型1内のスラリー状体Sの加圧時に、その加圧力を受けることが可能なように、インデックスベース36を支持可能なものとされる。インデックスベース36は、トラバース台15に対する移動で、ゲート2とシュート31とが互いに入れ替わって金型1と整合可能とされ、ゲート2またはシュート31が金型1と整合する位置ではその位置が保持され、強制力により位置保持の解除が可能なように、ボールプランジャ等の節度機構(図示せず)が案内部材37に設けられている。
【0043】
トラバース台15の移動経路における両端には、トラバース台15上のインデックスベース36を当接させるストッパ38,39が固定基台41に設けてある。このストッパ38,39は、次の動作を行わせるものである。すなわち、金型位置決め装置11によるトラバース台15の移動により、図の左のストッパ38にインデックスベース36が当たると、インデックスベース36が停止するが、トラバース台15は移動を続けることができる。この移動により、トラバース台15上の金型1に対するゲート2とシュート31の位置が入れ替わる。これにより、図7(B)のようにゲート2が開き、金型1とシュート31とが整合する。
この状態から、トラバース台15を図4の右側へ移動させ、右端のストッパ39にインデックスベース36を押し当てると、上記とは逆方向にインデックスベース36がトラバース台15に対して移動し、ゲート2とシュート31とが元の状態に入れ替わって再度ゲート2が金型1を閉じる。
【0044】
この構成の固液分離装置の動作を説明する。最初に、図5に示すように、トラバースユニット30を割出位置P2に位置させ、フィルタ装填装置12により金型1内へ下方のフィルタ5を装填する。なお、ゲート2は金型1の下端開口を閉じる位置にある。
この後、トラバースユニット30を割出位置P1に移動させ(図6)、スラリー状体供給装置13から金型1内に所定量のスラリー状体Sを投入する。
トラバースユニット30を割出位置P2に再度位置させ、上記フィルタ装填装置12により上側のフィルタ4を、金型1に装填する。
【0045】
このフィルタ4,5の装填、スラリー状体Sの投入が行われたトラバースユニット30を、割出位置P3に移動させ(図4)、加圧装置14により、加圧ロッド3を金型1内に進入させて内部のスラリー状体Sを圧搾する。
圧搾の後、トラバースユニット30を割出位置P4へ移動させ、注入ヘッド45を金型1内に挿入して金型1内のスラリー状体Sの圧搾体に注入する。
この圧搾および接着剤A等の注入により、スラリー状体Sは、図1〜図3と共に前述したように固形化物SBに固形化される。
【0046】
この後、トラバースユニット30を左側へ移動させる。トラバースユニット30のインデックスベース36がストッパ38に当たった後もトラバースユニット30の移動を続けることで、図7(B)と共に前述したように、ゲート2が開いてシュート31が金型1と整合する位置となる。
この状態で、トラバースユニット30を圧搾用の割出位置P3に戻し、ここで加圧装置14の加圧ロッド3で金型1内の固形化物SBを下方へ押し出すことにより、固形化物SBは金型1から抜け落ちてシュート31上を滑り落ち、排出される。
この排出後、トラバースユニット30を図の右端へ移動させ、インデックスベース36をストッパ39に押し当てて、ゲート2が金型1を閉じるようにゲート2とシュート31の位置を入れ替えてから、次の固液分離のためにトラバースユニット30をフィルタ装填用の割出位置P2へ移動させる。
【0047】
このように、金型1を搭載したトラバースユニット30を設け、金型1を移動させて各割出位置P1〜P4に移動させるようにしたため、上下のフィルタ4,5を装填する工程や接着剤等の注入工程がありながら、上下のフィルタ4,5の装填、スラリー状体Sの投入、スラリー状体Sの圧搾、接着剤A等の注入、および固形化物SBの排出の各処理を行う装置が簡単な構成のもので済む。また、金型1を移動させるようにしたため、フィルタ装填装置12は、圧搾やスラリー状体Sの投入等を行っている間に、フィルタ4,5の供給台(図示せず)から新たなフィルタ4,5を吸着して準備しておくことができ、フィルタ装填から圧搾,排出までを効率良く行うことができ、生産性に優れたものとなる。
【0048】
なお、上記実施形態では、接着剤Aまたは硬化剤の注入を、フィルタ4を通して行うようにしたが、金型1に注入口等を設けるなどして、圧搾体におけるフィルタ4,5で覆われていない面から接着剤Aまたは硬化剤の注入を行うようにしても良い。また、ノズルヘッド45等でフィルタ4を破り、その破られた箇所から接着剤Aまたは硬化剤の注入を行うようにしても良い。
【0049】
また、上記各実施形態では、フィルタ4,5を用いるようにしたが、フィルタ4,5は必ずしも用いなくても良い。例えば、一般的な粒径の研削スラッジ等では、フィルタ4,5を用いなくても、加工屑が金型1と加圧ロッド3間等の隙間d1,d2から流れ出ることが少なく、固液分離が可能である。
フィルタ4,5を用いない場合、図1の装置において、フィルタ4,5を装填せずにスラリー状体Sの圧搾を行う。この後、図9のように金型1内のスラリー状体Sの圧搾体に対して、注入ヘッド45により、接着剤Aまたは硬化剤を注入する。図9の注入ヘッド45は、図3と共に説明した注入ヘッド45と同じものである。
フィルタ4,5を用いない場合においても、金型1内のスラリー状体Sを圧搾し、その圧搾体を金型1内に入れたままで、接着剤Aまたは硬化剤を注入することより、圧搾による固形化が困難なスラリー状体Sであっても固形化が行え、かつスラリー状体Sから回収する液体成分が固形化促進のための薬剤で汚れることが回避でき、また固形化の作業性に優れるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】この発明の第1の実施形態に係るスラリー状体の固液分離方法およびその装置の要部を示す断面図である。
【図2】(A),(B)はそれぞれスラリー状体の固形化物の断面図および斜視図である。
【図3】同固液分離装置における接着液の注入手段であるノズルヘッドと金型の関係を示す断面図である。
【図4】同スラリー状体の固液分離装置の全体を示す破断正面図である。
【図5】同固液分離装置の動作状態の説明図である。
【図6】同固液分離装置の他の動作状態の説明図である。
【図7】(A),(B)はそれぞれ同固液分離装置におけるトラバースユニットの圧搾時および排出時の動作状態を示す破断正面図である。
【図8】(A),(B)はそれぞれ同固液分離装置におけるトラバースユニットの圧搾時および排出時の動作状態を示す破断側面図である。
【図9】この発明の他の実施形態における接着液の注入手段であるノズルヘッドと金型の関係を示す断面図である。
【図10】従来例の断面図である。
【符号の説明】
【0051】
1…金型
2…ゲート
3…加圧ロッド
4,5…フィルタ
11…金型位置決め装置
12…フィルタ装填装置
13…スラリー状体供給装置
14…加圧装置
15…トラバース台
31…シュート
45…ノズルヘッド(注入手段)
46…貯留室
47…ノズル孔
A…接着剤
S…スラリー状体
SB…固形化物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スラリー状体を固体成分と液体成分とに分離する方法であって、内径面が円筒面状に形成され前記スラリー状体が投入される金型と、この金型の一端開口を開閉可能に閉じるゲートと、前記金型内に摺動自在に嵌合し、前記金型内のスラリー状体を前記ゲート側に押し付けて圧搾する加圧ロッドとを備える装置を用い、
前記金型内のスラリー状体を前記加圧ロッドにより圧搾して圧搾体とし、その圧搾体を金型内に入れたままで、接着剤または硬化剤を前記圧搾体に注入し、圧搾体を固形化するスラリー状体の固液分離方法。
【請求項2】
請求項1において、前記加圧ロッドの先端面およびゲートの内面に、これら加圧ロッドの先端外周と金型の内径面間の隙間、およびゲートと金型との接触面間の隙間を閉じる固液分離用の繊維状のフィルタを配置した状態で、前記金型内のスラリー状体を前記加圧ロッドにより圧搾するスラリー状体の固液分離方法。
【請求項3】
請求項2において、前記フィルタがペーパー状のフィルタであるスラリー状体の固液分離方法。
【請求項4】
スラリー状体を固体成分と液体成分とに分離する装置であって、内径面が円筒面状に形成され前記スラリー状体が投入される金型と、この金型の一端開口を開閉可能に閉じるゲートと、前記金型内に摺動自在に嵌合し、前記金型内のスラリー状体を前記ゲート側に押し付けて圧搾する加圧ロッドと、この加圧ロッドによる圧搾の後、加圧ロッドが金型から脱出した後、前記金型内の前記加圧ロッドで圧搾されたスラリー状体の圧搾体に対し、接着剤または硬化剤を注入する注入手段とを備えたスラリー状体の固液分離装置。
【請求項5】
請求項4において、前記金型、ゲート、および加圧ロッドは、前記加圧ロッドの先端面およびゲートの内面に、これら加圧ロッドの先端外周と金型の内径面間の隙間、およびゲートと金型との接触面間の隙間を閉じる固液分離用の繊維状のフィルタを配置した状態で、前記金型内のスラリー状体を前記加圧ロッドにより圧搾し、この圧搾により金型内に残った固体成分を前記フィルタと共に、前記加圧ロッドで押し出すものとしたスラリー状体の固液分離装置。
【請求項6】
請求項5において、前記フィルタがペーパー状のフィルタであるスラリー状体の固液分離装置。
【請求項7】
スラリー状体を圧搾により円柱状に固形化した固形化物であって、圧搾状態で接着剤または硬化剤が注入されたスラリー状体の固形化物。
【請求項8】
請求項7に記載のスラリー状体の固形化物において、両端面に繊維状のフィルタが付着したスラリー状体の固形化物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−29854(P2007−29854A)
【公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−216800(P2005−216800)
【出願日】平成17年7月27日(2005.7.27)
【出願人】(000102692)NTN株式会社 (9,006)
【Fターム(参考)】