テーブル
【課題】一対の端部脚の間が天板を介して直接又は間接に連結されるテーブルにおいて、天板の横揺れに適切に善処した新たなテーブルを提供する。
【解決手段】天板幅方向Xに離間する一対の端部脚11の間が天板2を介して間接的に連結されるものであり、前記端部脚11よりも内側へ離れた位置に、天板2を間接的に支持すべく少なくとも2つの中間脚要素31、31を前記天板幅方向Xに沿って配置し、これら2つの中間脚要素31、31の上端部間31Zおよびそれよりも下部間3bを上補強連結部32と下補強連結部33で連結した。
【解決手段】天板幅方向Xに離間する一対の端部脚11の間が天板2を介して間接的に連結されるものであり、前記端部脚11よりも内側へ離れた位置に、天板2を間接的に支持すべく少なくとも2つの中間脚要素31、31を前記天板幅方向Xに沿って配置し、これら2つの中間脚要素31、31の上端部間31Zおよびそれよりも下部間3bを上補強連結部32と下補強連結部33で連結した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天板の横揺れに善処したテーブルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
テーブルは、天板の四隅下面を脚柱に支持させて構成されるものが一般的であり、強度を高めるために、様々な工夫を凝らしたものが提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、横桟及び天板用の支持ブラケットの脚への取付強度を高めることにより、天板を安定して強固に支持し、加工・組立て工数およびコストを低減したテーブルを提供すべく、断面L字形の支持ブラケットの上板部を脚の上端面に固定するとともに、上板部から垂下する側板部を、前脚の側面と、横桟の両面との間に挟んで、それらをねじにより固定して、支持ブラケットを脚に固定し、上板部上に天板を取付けるようにした構造が開示されている。横桟間は前後一対の連結杆によって連結されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−160836号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、かかる特許文献1のものは、横桟に対する脚の取付強度を高めることはできても、天板や連結杆それ自体の剛性を高めるものではない。このため、天板や連結杆の剛性に起因して生じる横揺れを防止する手立てにはなり難い。
【0006】
すなわち、所定方向に離間する一対の端部脚の間が天板を介して直接又は間接に連結されるこの種のテーブルにおいては、脚周辺の強度を高めて天板を安定して強固に支持したつもりでも、使用中に天板中央部が横揺れする現象が現れることがある。近時のフリーアドレスタイプのテーブル等では一対の端部脚の間が広く、天板に幅広な大型天板が用いられる傾向にあり、脚周辺部での歪みのほかに、天板や横架材の撓み等に起因した振動も無視できない。例えば、天板上で消しゴムを使用すると、その周期が天板や横架材の持つ固有振動数に共振した場合等に、普段では現れない横揺れ現象が健在化することがある。このため、脚周辺の取付強度を高めるだけでは、横揺れ対策としては不十分である。
【0007】
本発明は、このようにテーブルに内在する課題を新たに知見することによりなされたものであって、天板や横架材、端部脚等の構造躯体を重厚で過剰品質とすることなく、天板の横揺れに適切に善処した新たなテーブルを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、かかる目的を達成するために、次のような手段を講じたものである。
【0009】
すなわち、本発明のテーブルは、所定方向に離間する一対の端部脚の間が天板を介して直接又は間接に連結されるものにおいて、前記端部脚よりも内側へ離れた位置に、天板を直接又は間接に支持すべく少なくとも2つの中間脚要素を前記所定方向に沿って配置し、これら2つの中間脚要素の上端部間およびそれよりも下部間を上補強連結部と下補強連結部で連結してなることを特徴とする。
【0010】
中間脚要素は天板側への接続点に近い付け根が相互に連結されるだけでなく、付け根から遠い位置が下補強連結部によっても相互に連結されるため、中間脚要素の付け根に過大な倒れモーメント荷重が集中することを回避することができる。中間脚要素を取り付けた場合、天板の横揺れには中間脚要素の倒れが伴うが、このように中間脚要素の倒れを抑える結果、天板の横揺れに対する強度を有効に高めることができる。そして、単に2つの中間脚要素を追加して相互に上下の補強連結部で連結するだけであるから、構造躯体となる中間脚を抜本的に重厚とすることなく、天板の横揺れに簡易に対応することが可能となる。
【0011】
ここで、中間脚要素とは、脚支柱のように独立した脚の形態をなしているものに限らず、上からの圧縮強度を増すような構造を備えているもの全般を言う。例えば、板材の曲げ加工部分、しぼり加工部分、補強材の取付部分などによって圧縮強度を高める構造を備えた部分は、本発明の中間脚要素たり得る。したがって、中間脚要素に対して上補強連結部や下補強連結部は一体として構成されても別体として構成されて接続されても構わない。
【0012】
一致の中間脚要素の倒れに対して高い強度を実現するためには、下補強連結部は、一方の中間脚要素の上端部側と他方の中間脚要素の下端部側との間を連結するものが好ましい。
【0013】
一層の強度向上とともに、中間脚要素の間の隙間を埋める化粧材としても利用するためには、下補強連結部は、一対の中間脚要素の間を連結する面板部を具備することが望ましい。
【0014】
横架材の剛性を高めることで横揺れを抑えるためには、一対の端部脚の間を横架材で連結して脚体を構成し、この脚体に天板を支持させてなるものであって、中間脚要素の間を連結する上補強連結部が前記横架材を含んで構成されることが適当である。
【0015】
一対の端部脚の間を複数の横架材で連結して脚体を構成し、この脚体に天板を支持させてなるテーブルにおいて、中間脚要素の倒れ剛性を有効に高め、脚受け部材にも制振作用を営ませるためには、前記複数の横架材の間を脚受け部材で接続し、中間脚要素の間を連結する上補強連結部が前記脚受け部材を含んで構成されることが好ましい。
【0016】
一対の端部脚の間を天板で直接連結してなるテーブルにおいて、天板の剛性を高めることで横揺れを抑えるためには、中間脚要素の間を連結する上補強連結部が前記天板を含んで構成されることが望ましい。
【0017】
テーブルに対面で着座した場合に中間脚要素が下肢空間の利用の妨げなることを適切に防止するためには、前記所定方向と直交する方向に、対面で使用可能な一対の天板が所定の隙間を介して配置され、中間脚要素はそれら天板間の隙間の下方に配置されていることが好ましい。
【0018】
勿論、前記所定方向と直交する方向に、対面で使用可能な一対の天板領域が設定されている場合に、中間脚要素をそれら天板領域間の境界部の下方に配置しても同様の効果が奏される。
【発明の効果】
【0019】
本発明は、以上説明したように、少なくとも一対の中間脚要素を端部脚の離間方向に沿って天板を支持するように配置し、上下の補強連結部で中間脚要素相互の倒れを拘束するようにしたので、中間脚要素の付け根に過大な倒れモーメント荷重が集中することを回避して中間脚要素を倒れ難い構造にし、ひいてはこの中間脚要素に支持された天板が中間脚要素の倒れとともに横揺れする現象を防止して、簡易な構成でテーブルの使用感を飛躍的に向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施形態におけるテーブル全体を示す斜視図。
【図2】同実施形態におけるテーブルの正面図。
【図3】同実施形態における端部脚と横架材の関係を示す平面図。
【図4】同実施形態における脚体と中間脚の関係を示す側面図。
【図5】同実施形態における横桟と横架材の関係を示す部分拡大斜視図。
【図6】同実施形態における中間脚の取付構造を示す側断面図。
【図7】同実施形態における中間脚の取付構造を示す部分分解斜視図。
【図8】本発明の他の実施形態を示す正面図。
【図9】本発明の更に他の実施形態を示す部分的な斜視図。
【図10】本発明の上記以外の実施形態を示す正面図。
【図11】本発明のさらに上記以外の実施形態を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0022】
この実施形態のテーブルTは、図1〜図4に示すように、所定方向である天板幅方向Xに離間する一対の端部脚11、11の間を4本の直線状の横架材14で連結することにより自立可能とされる脚体1と、この脚体1に支持される天板2とを具備している。
【0023】
端部脚11は、前後の支柱12の間を横桟13で連結した門型のもので、図5に示すように、対面する横桟13の立面13aに角パイプ状の横架材14の端部14aをジョイント材15を介し突き当てた状態で横桟13と横架材14とを連結している。ジョイント材15はブロック体状のもので、横架材14の端部14aに向かって嵌合部15aが突出しており、この嵌合部15aを横架材14の端部14aに嵌合させ、横架材14及び嵌合部15aを同時に貫通するピン161によって、ジョイント材15を横架材14の端部14aに取り付けている。図において符号162で示すものは、ピン161の抜け止め用のCリングである。ジョイント材15のうち嵌合部15aと反対側の部位には、横桟13の上向面13bに乗り上げるひさし状の突部15bが設けてあり、ジョイント材15の上面15cに設定された天板支持面151はこの突部15bの厚み分15bXだけ横桟13の上向面13bよりも高い位置に配置される。そして、ジョイント材15の立面15cを横桟13の立面13aに突き当てた状態で水平方向のボルト163を介して当該ジョイント材15を横桟13に連結し、その状態でジョイント材15の天板支持面151に載置される天板2に対して、鉛直方向のボルト164を介して当該天板2の下面2bをジョイント材15に引き寄せて連結するものである。端部脚11を構成する前後の支柱12の下端12aにはアジャスタ17が設けてある。
【0024】
天板2は、図1、図3、図4等に示すように、天板幅方向Xと直交する奥行き方向Yに所定の隙間Aを隔てて対をなして配置され、各天板2は、各々対応する2本の横架材14の各ジョイント材15に固定されている。図2及び図5等に示すように、横架材14の上面14bはジョイント材15の上面15cと同一高さ位置にあり、ジョイント材15の上面15cとともに天板支持面141、151を構成している。
【0025】
この状態で、図4及び図5等に示すように、横架材14は端部脚11を構成する横桟13の上下寸法13Y内にほぼ位置し、特に横架材14の下面14cは横桟13の下面13cよりも下方に突出していない。また、横架材14は、図4等に示すように天板2の使用縁2aの近くには位置していない。したがって、図1における天板幅方向Xに沿って対向する一対の使用縁2aの何れの位置にも、下肢空間Zが最大に確保され、着席者の移動やワゴンの挿脱を天板幅方向Xに自由に行えるフリーアドレスタイプのテーブルTを構成している。天板幅寸法2Xは、通常単独で使用される天板幅寸法2Xの2倍以上に設定されており、天板2は天板幅方向Xに沿って端部脚11と端部脚11の間が一枚もので構成されていて、この実施形態では幅方向中間位置X1に天板受け部材などは存していない。
【0026】
そして本実施形態は、図1、図2等に示すように、前記端部脚11よりも内側すなわち天板中央部21側へ離れた位置において、それら天板2、2間の隙間Aの下方に、天板2を支持すべく少なくとも2つの中間脚要素31、31を天板幅方向Xに沿って配置し、これら2つの中間脚要素31、31の上端部間31Zおよびそれよりも下部間3bを上補強連結部32と下補強連結部33で連結している。すなわち、中間脚要素31と端部脚11とは相互に直接接続されることはなく、独立している。
【0027】
中間脚要素31、31は、スチール板を用いて構成されるもので、図7等に示すように、面板部3pの両側縁3paを角パイプ状に折り曲げることによって両側に中間脚要素31、31を形成するとともに、これら中間脚要素31、31の間31Xの凹み部分311を、面板部3qの周囲を折り曲げた扁平箱状の蓋材32で閉止して扁平な直方体状をなす中間脚3を構成している。蓋材32と中間脚要素31、31との間は溶接等により連結されている。すなわち、これらの面板部3p、3qは、一対の中間脚要素31、31の間31Xを連結する下補強連結部33としての役割を担っている。この実施形態における中間脚要素31、31は、脚支柱のように独立した脚の形態をなしているものではないが、上からの圧縮強度を増す脚としての機能を発揮する点で、脚の概念に含まれるものである。この意味で、中間脚要素31、31は、本実施形態のような板材の曲げ加工部分以外に、例えばしぼり加工部分、補強材の取付部分などのように、圧縮強度を高める対策を施した種々の態様が含まれる。
【0028】
そして本実施形態は、図6及び図7等に示すように、これらの中間脚要素31、31を含む中間脚3の上端3aに面板部3p、3qと直交する逆台形状のブラケット34を取り付け、このブラケット34を下向きに開くチャネル状の脚受け部材4の中空部41に挿入して、その溝底421となる上壁42の下面42aに図6に示すような溶接継手等の継手部材43を介して接合している。脚受け部材4は、鉄板を折り曲げたもので、一部に図7に示すような断面ハット状となる鍔部44を有しており、上壁42の上面42bには折り曲げ方向と直交する方向に突条51を有する断面ハット状の隙間閉止部材5が重合させてある。脚受け部材4の立壁45の外法寸法4Yは、天板2の奥行き方向中央部の両側に位置する横架材14、14の内法寸法14Yに略対応している。そして、前記隙間閉止部材5の突条51を一対の天板2、2の隙間Aに挿入した状態で、脚受け部材4の立壁45を最寄の横架材14、14間に挿入し、その状態で鍔部44を横架材14の下面14cに接触させて、当該鍔部44を貫通させたボルト46により当該脚受け部材4を横架材14に緊締固定している。上記のように、脚受け部材4は両横架材14、14の間を接続し、この脚受け部材4に両中間脚要素31、31を含む中間脚3の上端部31aを取り付けていることから、脚受け部材4は一対の中間脚要素31、31の上端部間31Zを連結する上補強連結部32を構成している。
【0029】
この中間脚要素31、31の下端部31bにも、それぞれ図2等に示すようにアジャスタ37が設けてあり、所定取付位置でアジャスタ37が適切に接地する状態に調節して、テーブルTへの中間脚の後付け作業が完了する。
【0030】
前記天板2,2間の隙間Aは、床からの配線を立ち上げる配線取出口としての利用が可能であり、前記脚受け部材4の一部に形成した取付片4p(図7参照)は、前記隙間Aの下方に図示しない配線ダクトを配置する際の取付先として適宜利用することが可能なものである。
【0031】
以上のように構成される本実施形態のテーブルTは、天板幅方向Xに離間する一対の端部脚11の間が天板2を介して間接的に連結されるものであり、前記端部脚11よりも内側へ離れた位置に、天板2を間接的に支持すべく少なくとも2つの中間脚要素31、31を所定方向である天板幅方向Xに沿って配置し、これら2つの中間脚要素31、31の上端部間31Zおよびそれよりも下部間3bを上補強連結部32と下補強連結部33で連結したものである。
【0032】
このように、中間脚要素31、31は天板2側への接続点となる付け根に近い位置で上補強連結部32によって相互に連結される以外に、脚3の付け根から遠い位置において下補強連結部33によっても相互に連結されるため、中間脚要素31、31の付け根に過大な倒れモーメント荷重が集中することを回避することができる。中間脚要素31、31を取り付けた場合、天板幅方向Xに沿った天板2の横揺れには中間脚要素31、31の倒れが伴うが、このように中間脚要素31、31の倒れを抑える結果、天板2の横揺れに対する強度を有効に高めることができる。そして、単に2つの中間脚要素31、31を追加して相互に上下の補強連結部32、33で連結するだけであるから、構造躯体である天板2や横架材14、端部脚11等を抜本的に重厚とすることなく、天板2の横揺れに簡易に対応することが可能となる。
【0033】
また、下補強連結部33は、一対の中間脚要素31、31の間を連結する面板部3p、3qを供えており、面板部3p、3qは、図2に一点鎖線で示すように一方の中間脚要素31の上端部31a側と他方の中間脚要素31の下端部31b側との間をたすき掛け状に連結する連結機能を含んでいるため、一対の中間脚要素の倒れに対して高い強度を実現することができる。
【0034】
勿論、このような面板部3p、3qによって、一対の中間脚要素31、31の間がたすき掛け状となるだけでなく、面板部3p、3qを介してまんべんなく連結されるので、一層の強度確保とともに、図7に示す中間脚要素31、31間の隙間(凹み部分)311を埋める化粧材としても機能し、外観の向上に資するものとなる。
【0035】
さらに、本実施形態のテーブルTは、上記のように一対の端部脚11の間を複数の横架材14で連結して脚体1を構成し、この脚体1に天板2を支持させてなるものであり、隣接する横架材14の間を脚受け部材4で接続し、中間脚要素31、31の間を連結する上補強連結部32が前記脚受け部材4を含んで構成されている。すなわち、中間脚要素31、31の上端部間31Zが脚受け部材4によって連結され、この脚受け部材4が横架材14に接続されるので、中間脚要素31、31の倒れ剛性が脚受け部材4を介して有効に高められることになる。しかも、脚受け部材4は複数の横架材14の間を連結するため、脚受け部材4に横架材14の振動の腹の部分を抑えて制振作用を営ませることができる。
【0036】
そして、この実施形態のテーブルTは、天板幅方向Xと直交する奥行き方向Yに、対面で使用可能な一対の天板2が所定の隙間Aを介して配置され、中間脚要素31、31はそれら天板2間の隙間Aの下方に配置されているので、テーブルTに対面で着座した場合に中間脚要素31、31がテーブルTの内奥に位置し、下肢空間Zの利用の妨げなることを適切に防止して、フリーアドレスタイプのテーブルTとしての機能を有効に担保することができる。
【0037】
なお、各部の具体的な構成は、上述した実施形態のみに限定されるものではない。
【0038】
例えば、図8に示すように、一対の端部脚11、11の間11Xを横架材14で連結して脚体1を構成し、この脚体1に天板2を支持させてなるものにおいて、中間脚要素31、31の上端部間31Zを横架材14で連結するなど、中間脚要素31、31の間31Xを連結する上補強連結部32が前記横架材14を含んで構成されてもよい。
【0039】
このように、中間脚要素31、31の上端部間31Zが横架材14によって連結されると、逆に横架材14は少なくとも2つの中間脚要素31、31に支持されて剛性が高められるため、特に横架材14の固有振動数に起因して横揺れが増幅する場合には、横架材14の剛性が高められることによって固有振動数が上がり、共振現象が抑えられる利点がある。
【0040】
また、同図に示すように、下補強連結部33は、一方の中間脚要素31の上端部31a側と他方の中間脚要素31の下端部31b側との間31Xをたすき掛け状に連結する補強部材35等であってもよく、このような補強部材35を上記実施形態と同様の面板部3rと併用して用いることもできる。
【0041】
さらに、横架材14と端部脚11との接続構造は、上記実施形態のようなジョイント材15に限らず、例えば図9に示すように、単に横架材14の端面14aに板状のブラケット18を固定し、この板状のブラケット18を端部脚11を構成する横桟13の立面13aに取り付けるようにしてもよい。このような場合にも、上記のような中間脚要素を設けることで天板に対する横揺れ防止効果が得られる点は上記と同様である。
【0042】
また、本発明の適用対象は端部脚11の間を横架材14で連結するものに限らず、図10に示すように、一対の端部脚11、11の間を天板2で直接連結して構成されるテーブルにおいては、中間脚要素31、31を天板2に直付けすることで、中間脚要素31、31の間を連結する上補強連結部32を前記天板2を含んで構成してもよい。
【0043】
このようにしても、天板2を介して中間脚要素31、31の倒れ剛性を有効に高めることができる。その上、中間脚要素31、31の上端部間が天板2によって連結されると、逆に天板2は少なくとも2つの中間脚要素31、31に支持されて剛性が高められることとなるため、天板2の固有振動数に起因して横揺れが増幅する場合には、天板2の剛性が高められることによって固有振動数が上がり、共振現象が抑えられる利点がある。
【0044】
さらにまた、本発明の適用対象は天板2が奥行き方向Yに分割しているものに限らず、例えば図11に示すように、奥行き方向Yに一枚の大型天板6で構成されて、対面で使用可能な一対の天板領域Sが設定されているテーブルにおいても、中間脚要素31、31をそれら天板領域S、S間の境界部付近を支持する位置に配置すれば、上記実施形態と同様の効果が奏される。
【0045】
その他、中間脚要素を3つ以上使用したり、端部脚にパネルタイプのものを採用するなど、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【符号の説明】
【0046】
1…脚体
2…天板
3b…下部間
3p、3q…面板部
4…脚受け部材
11…端部脚
14…横架材
31…中間脚要素
31a…上端部
31b…下端部
31Z…上端部間
32…上補強連結部
33…下補強連結部
A…隙間
T…テーブル
X…所定方向(天板幅方向)
Y…直交する方向(奥行き方向)
【技術分野】
【0001】
本発明は、天板の横揺れに善処したテーブルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
テーブルは、天板の四隅下面を脚柱に支持させて構成されるものが一般的であり、強度を高めるために、様々な工夫を凝らしたものが提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、横桟及び天板用の支持ブラケットの脚への取付強度を高めることにより、天板を安定して強固に支持し、加工・組立て工数およびコストを低減したテーブルを提供すべく、断面L字形の支持ブラケットの上板部を脚の上端面に固定するとともに、上板部から垂下する側板部を、前脚の側面と、横桟の両面との間に挟んで、それらをねじにより固定して、支持ブラケットを脚に固定し、上板部上に天板を取付けるようにした構造が開示されている。横桟間は前後一対の連結杆によって連結されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−160836号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、かかる特許文献1のものは、横桟に対する脚の取付強度を高めることはできても、天板や連結杆それ自体の剛性を高めるものではない。このため、天板や連結杆の剛性に起因して生じる横揺れを防止する手立てにはなり難い。
【0006】
すなわち、所定方向に離間する一対の端部脚の間が天板を介して直接又は間接に連結されるこの種のテーブルにおいては、脚周辺の強度を高めて天板を安定して強固に支持したつもりでも、使用中に天板中央部が横揺れする現象が現れることがある。近時のフリーアドレスタイプのテーブル等では一対の端部脚の間が広く、天板に幅広な大型天板が用いられる傾向にあり、脚周辺部での歪みのほかに、天板や横架材の撓み等に起因した振動も無視できない。例えば、天板上で消しゴムを使用すると、その周期が天板や横架材の持つ固有振動数に共振した場合等に、普段では現れない横揺れ現象が健在化することがある。このため、脚周辺の取付強度を高めるだけでは、横揺れ対策としては不十分である。
【0007】
本発明は、このようにテーブルに内在する課題を新たに知見することによりなされたものであって、天板や横架材、端部脚等の構造躯体を重厚で過剰品質とすることなく、天板の横揺れに適切に善処した新たなテーブルを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、かかる目的を達成するために、次のような手段を講じたものである。
【0009】
すなわち、本発明のテーブルは、所定方向に離間する一対の端部脚の間が天板を介して直接又は間接に連結されるものにおいて、前記端部脚よりも内側へ離れた位置に、天板を直接又は間接に支持すべく少なくとも2つの中間脚要素を前記所定方向に沿って配置し、これら2つの中間脚要素の上端部間およびそれよりも下部間を上補強連結部と下補強連結部で連結してなることを特徴とする。
【0010】
中間脚要素は天板側への接続点に近い付け根が相互に連結されるだけでなく、付け根から遠い位置が下補強連結部によっても相互に連結されるため、中間脚要素の付け根に過大な倒れモーメント荷重が集中することを回避することができる。中間脚要素を取り付けた場合、天板の横揺れには中間脚要素の倒れが伴うが、このように中間脚要素の倒れを抑える結果、天板の横揺れに対する強度を有効に高めることができる。そして、単に2つの中間脚要素を追加して相互に上下の補強連結部で連結するだけであるから、構造躯体となる中間脚を抜本的に重厚とすることなく、天板の横揺れに簡易に対応することが可能となる。
【0011】
ここで、中間脚要素とは、脚支柱のように独立した脚の形態をなしているものに限らず、上からの圧縮強度を増すような構造を備えているもの全般を言う。例えば、板材の曲げ加工部分、しぼり加工部分、補強材の取付部分などによって圧縮強度を高める構造を備えた部分は、本発明の中間脚要素たり得る。したがって、中間脚要素に対して上補強連結部や下補強連結部は一体として構成されても別体として構成されて接続されても構わない。
【0012】
一致の中間脚要素の倒れに対して高い強度を実現するためには、下補強連結部は、一方の中間脚要素の上端部側と他方の中間脚要素の下端部側との間を連結するものが好ましい。
【0013】
一層の強度向上とともに、中間脚要素の間の隙間を埋める化粧材としても利用するためには、下補強連結部は、一対の中間脚要素の間を連結する面板部を具備することが望ましい。
【0014】
横架材の剛性を高めることで横揺れを抑えるためには、一対の端部脚の間を横架材で連結して脚体を構成し、この脚体に天板を支持させてなるものであって、中間脚要素の間を連結する上補強連結部が前記横架材を含んで構成されることが適当である。
【0015】
一対の端部脚の間を複数の横架材で連結して脚体を構成し、この脚体に天板を支持させてなるテーブルにおいて、中間脚要素の倒れ剛性を有効に高め、脚受け部材にも制振作用を営ませるためには、前記複数の横架材の間を脚受け部材で接続し、中間脚要素の間を連結する上補強連結部が前記脚受け部材を含んで構成されることが好ましい。
【0016】
一対の端部脚の間を天板で直接連結してなるテーブルにおいて、天板の剛性を高めることで横揺れを抑えるためには、中間脚要素の間を連結する上補強連結部が前記天板を含んで構成されることが望ましい。
【0017】
テーブルに対面で着座した場合に中間脚要素が下肢空間の利用の妨げなることを適切に防止するためには、前記所定方向と直交する方向に、対面で使用可能な一対の天板が所定の隙間を介して配置され、中間脚要素はそれら天板間の隙間の下方に配置されていることが好ましい。
【0018】
勿論、前記所定方向と直交する方向に、対面で使用可能な一対の天板領域が設定されている場合に、中間脚要素をそれら天板領域間の境界部の下方に配置しても同様の効果が奏される。
【発明の効果】
【0019】
本発明は、以上説明したように、少なくとも一対の中間脚要素を端部脚の離間方向に沿って天板を支持するように配置し、上下の補強連結部で中間脚要素相互の倒れを拘束するようにしたので、中間脚要素の付け根に過大な倒れモーメント荷重が集中することを回避して中間脚要素を倒れ難い構造にし、ひいてはこの中間脚要素に支持された天板が中間脚要素の倒れとともに横揺れする現象を防止して、簡易な構成でテーブルの使用感を飛躍的に向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施形態におけるテーブル全体を示す斜視図。
【図2】同実施形態におけるテーブルの正面図。
【図3】同実施形態における端部脚と横架材の関係を示す平面図。
【図4】同実施形態における脚体と中間脚の関係を示す側面図。
【図5】同実施形態における横桟と横架材の関係を示す部分拡大斜視図。
【図6】同実施形態における中間脚の取付構造を示す側断面図。
【図7】同実施形態における中間脚の取付構造を示す部分分解斜視図。
【図8】本発明の他の実施形態を示す正面図。
【図9】本発明の更に他の実施形態を示す部分的な斜視図。
【図10】本発明の上記以外の実施形態を示す正面図。
【図11】本発明のさらに上記以外の実施形態を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0022】
この実施形態のテーブルTは、図1〜図4に示すように、所定方向である天板幅方向Xに離間する一対の端部脚11、11の間を4本の直線状の横架材14で連結することにより自立可能とされる脚体1と、この脚体1に支持される天板2とを具備している。
【0023】
端部脚11は、前後の支柱12の間を横桟13で連結した門型のもので、図5に示すように、対面する横桟13の立面13aに角パイプ状の横架材14の端部14aをジョイント材15を介し突き当てた状態で横桟13と横架材14とを連結している。ジョイント材15はブロック体状のもので、横架材14の端部14aに向かって嵌合部15aが突出しており、この嵌合部15aを横架材14の端部14aに嵌合させ、横架材14及び嵌合部15aを同時に貫通するピン161によって、ジョイント材15を横架材14の端部14aに取り付けている。図において符号162で示すものは、ピン161の抜け止め用のCリングである。ジョイント材15のうち嵌合部15aと反対側の部位には、横桟13の上向面13bに乗り上げるひさし状の突部15bが設けてあり、ジョイント材15の上面15cに設定された天板支持面151はこの突部15bの厚み分15bXだけ横桟13の上向面13bよりも高い位置に配置される。そして、ジョイント材15の立面15cを横桟13の立面13aに突き当てた状態で水平方向のボルト163を介して当該ジョイント材15を横桟13に連結し、その状態でジョイント材15の天板支持面151に載置される天板2に対して、鉛直方向のボルト164を介して当該天板2の下面2bをジョイント材15に引き寄せて連結するものである。端部脚11を構成する前後の支柱12の下端12aにはアジャスタ17が設けてある。
【0024】
天板2は、図1、図3、図4等に示すように、天板幅方向Xと直交する奥行き方向Yに所定の隙間Aを隔てて対をなして配置され、各天板2は、各々対応する2本の横架材14の各ジョイント材15に固定されている。図2及び図5等に示すように、横架材14の上面14bはジョイント材15の上面15cと同一高さ位置にあり、ジョイント材15の上面15cとともに天板支持面141、151を構成している。
【0025】
この状態で、図4及び図5等に示すように、横架材14は端部脚11を構成する横桟13の上下寸法13Y内にほぼ位置し、特に横架材14の下面14cは横桟13の下面13cよりも下方に突出していない。また、横架材14は、図4等に示すように天板2の使用縁2aの近くには位置していない。したがって、図1における天板幅方向Xに沿って対向する一対の使用縁2aの何れの位置にも、下肢空間Zが最大に確保され、着席者の移動やワゴンの挿脱を天板幅方向Xに自由に行えるフリーアドレスタイプのテーブルTを構成している。天板幅寸法2Xは、通常単独で使用される天板幅寸法2Xの2倍以上に設定されており、天板2は天板幅方向Xに沿って端部脚11と端部脚11の間が一枚もので構成されていて、この実施形態では幅方向中間位置X1に天板受け部材などは存していない。
【0026】
そして本実施形態は、図1、図2等に示すように、前記端部脚11よりも内側すなわち天板中央部21側へ離れた位置において、それら天板2、2間の隙間Aの下方に、天板2を支持すべく少なくとも2つの中間脚要素31、31を天板幅方向Xに沿って配置し、これら2つの中間脚要素31、31の上端部間31Zおよびそれよりも下部間3bを上補強連結部32と下補強連結部33で連結している。すなわち、中間脚要素31と端部脚11とは相互に直接接続されることはなく、独立している。
【0027】
中間脚要素31、31は、スチール板を用いて構成されるもので、図7等に示すように、面板部3pの両側縁3paを角パイプ状に折り曲げることによって両側に中間脚要素31、31を形成するとともに、これら中間脚要素31、31の間31Xの凹み部分311を、面板部3qの周囲を折り曲げた扁平箱状の蓋材32で閉止して扁平な直方体状をなす中間脚3を構成している。蓋材32と中間脚要素31、31との間は溶接等により連結されている。すなわち、これらの面板部3p、3qは、一対の中間脚要素31、31の間31Xを連結する下補強連結部33としての役割を担っている。この実施形態における中間脚要素31、31は、脚支柱のように独立した脚の形態をなしているものではないが、上からの圧縮強度を増す脚としての機能を発揮する点で、脚の概念に含まれるものである。この意味で、中間脚要素31、31は、本実施形態のような板材の曲げ加工部分以外に、例えばしぼり加工部分、補強材の取付部分などのように、圧縮強度を高める対策を施した種々の態様が含まれる。
【0028】
そして本実施形態は、図6及び図7等に示すように、これらの中間脚要素31、31を含む中間脚3の上端3aに面板部3p、3qと直交する逆台形状のブラケット34を取り付け、このブラケット34を下向きに開くチャネル状の脚受け部材4の中空部41に挿入して、その溝底421となる上壁42の下面42aに図6に示すような溶接継手等の継手部材43を介して接合している。脚受け部材4は、鉄板を折り曲げたもので、一部に図7に示すような断面ハット状となる鍔部44を有しており、上壁42の上面42bには折り曲げ方向と直交する方向に突条51を有する断面ハット状の隙間閉止部材5が重合させてある。脚受け部材4の立壁45の外法寸法4Yは、天板2の奥行き方向中央部の両側に位置する横架材14、14の内法寸法14Yに略対応している。そして、前記隙間閉止部材5の突条51を一対の天板2、2の隙間Aに挿入した状態で、脚受け部材4の立壁45を最寄の横架材14、14間に挿入し、その状態で鍔部44を横架材14の下面14cに接触させて、当該鍔部44を貫通させたボルト46により当該脚受け部材4を横架材14に緊締固定している。上記のように、脚受け部材4は両横架材14、14の間を接続し、この脚受け部材4に両中間脚要素31、31を含む中間脚3の上端部31aを取り付けていることから、脚受け部材4は一対の中間脚要素31、31の上端部間31Zを連結する上補強連結部32を構成している。
【0029】
この中間脚要素31、31の下端部31bにも、それぞれ図2等に示すようにアジャスタ37が設けてあり、所定取付位置でアジャスタ37が適切に接地する状態に調節して、テーブルTへの中間脚の後付け作業が完了する。
【0030】
前記天板2,2間の隙間Aは、床からの配線を立ち上げる配線取出口としての利用が可能であり、前記脚受け部材4の一部に形成した取付片4p(図7参照)は、前記隙間Aの下方に図示しない配線ダクトを配置する際の取付先として適宜利用することが可能なものである。
【0031】
以上のように構成される本実施形態のテーブルTは、天板幅方向Xに離間する一対の端部脚11の間が天板2を介して間接的に連結されるものであり、前記端部脚11よりも内側へ離れた位置に、天板2を間接的に支持すべく少なくとも2つの中間脚要素31、31を所定方向である天板幅方向Xに沿って配置し、これら2つの中間脚要素31、31の上端部間31Zおよびそれよりも下部間3bを上補強連結部32と下補強連結部33で連結したものである。
【0032】
このように、中間脚要素31、31は天板2側への接続点となる付け根に近い位置で上補強連結部32によって相互に連結される以外に、脚3の付け根から遠い位置において下補強連結部33によっても相互に連結されるため、中間脚要素31、31の付け根に過大な倒れモーメント荷重が集中することを回避することができる。中間脚要素31、31を取り付けた場合、天板幅方向Xに沿った天板2の横揺れには中間脚要素31、31の倒れが伴うが、このように中間脚要素31、31の倒れを抑える結果、天板2の横揺れに対する強度を有効に高めることができる。そして、単に2つの中間脚要素31、31を追加して相互に上下の補強連結部32、33で連結するだけであるから、構造躯体である天板2や横架材14、端部脚11等を抜本的に重厚とすることなく、天板2の横揺れに簡易に対応することが可能となる。
【0033】
また、下補強連結部33は、一対の中間脚要素31、31の間を連結する面板部3p、3qを供えており、面板部3p、3qは、図2に一点鎖線で示すように一方の中間脚要素31の上端部31a側と他方の中間脚要素31の下端部31b側との間をたすき掛け状に連結する連結機能を含んでいるため、一対の中間脚要素の倒れに対して高い強度を実現することができる。
【0034】
勿論、このような面板部3p、3qによって、一対の中間脚要素31、31の間がたすき掛け状となるだけでなく、面板部3p、3qを介してまんべんなく連結されるので、一層の強度確保とともに、図7に示す中間脚要素31、31間の隙間(凹み部分)311を埋める化粧材としても機能し、外観の向上に資するものとなる。
【0035】
さらに、本実施形態のテーブルTは、上記のように一対の端部脚11の間を複数の横架材14で連結して脚体1を構成し、この脚体1に天板2を支持させてなるものであり、隣接する横架材14の間を脚受け部材4で接続し、中間脚要素31、31の間を連結する上補強連結部32が前記脚受け部材4を含んで構成されている。すなわち、中間脚要素31、31の上端部間31Zが脚受け部材4によって連結され、この脚受け部材4が横架材14に接続されるので、中間脚要素31、31の倒れ剛性が脚受け部材4を介して有効に高められることになる。しかも、脚受け部材4は複数の横架材14の間を連結するため、脚受け部材4に横架材14の振動の腹の部分を抑えて制振作用を営ませることができる。
【0036】
そして、この実施形態のテーブルTは、天板幅方向Xと直交する奥行き方向Yに、対面で使用可能な一対の天板2が所定の隙間Aを介して配置され、中間脚要素31、31はそれら天板2間の隙間Aの下方に配置されているので、テーブルTに対面で着座した場合に中間脚要素31、31がテーブルTの内奥に位置し、下肢空間Zの利用の妨げなることを適切に防止して、フリーアドレスタイプのテーブルTとしての機能を有効に担保することができる。
【0037】
なお、各部の具体的な構成は、上述した実施形態のみに限定されるものではない。
【0038】
例えば、図8に示すように、一対の端部脚11、11の間11Xを横架材14で連結して脚体1を構成し、この脚体1に天板2を支持させてなるものにおいて、中間脚要素31、31の上端部間31Zを横架材14で連結するなど、中間脚要素31、31の間31Xを連結する上補強連結部32が前記横架材14を含んで構成されてもよい。
【0039】
このように、中間脚要素31、31の上端部間31Zが横架材14によって連結されると、逆に横架材14は少なくとも2つの中間脚要素31、31に支持されて剛性が高められるため、特に横架材14の固有振動数に起因して横揺れが増幅する場合には、横架材14の剛性が高められることによって固有振動数が上がり、共振現象が抑えられる利点がある。
【0040】
また、同図に示すように、下補強連結部33は、一方の中間脚要素31の上端部31a側と他方の中間脚要素31の下端部31b側との間31Xをたすき掛け状に連結する補強部材35等であってもよく、このような補強部材35を上記実施形態と同様の面板部3rと併用して用いることもできる。
【0041】
さらに、横架材14と端部脚11との接続構造は、上記実施形態のようなジョイント材15に限らず、例えば図9に示すように、単に横架材14の端面14aに板状のブラケット18を固定し、この板状のブラケット18を端部脚11を構成する横桟13の立面13aに取り付けるようにしてもよい。このような場合にも、上記のような中間脚要素を設けることで天板に対する横揺れ防止効果が得られる点は上記と同様である。
【0042】
また、本発明の適用対象は端部脚11の間を横架材14で連結するものに限らず、図10に示すように、一対の端部脚11、11の間を天板2で直接連結して構成されるテーブルにおいては、中間脚要素31、31を天板2に直付けすることで、中間脚要素31、31の間を連結する上補強連結部32を前記天板2を含んで構成してもよい。
【0043】
このようにしても、天板2を介して中間脚要素31、31の倒れ剛性を有効に高めることができる。その上、中間脚要素31、31の上端部間が天板2によって連結されると、逆に天板2は少なくとも2つの中間脚要素31、31に支持されて剛性が高められることとなるため、天板2の固有振動数に起因して横揺れが増幅する場合には、天板2の剛性が高められることによって固有振動数が上がり、共振現象が抑えられる利点がある。
【0044】
さらにまた、本発明の適用対象は天板2が奥行き方向Yに分割しているものに限らず、例えば図11に示すように、奥行き方向Yに一枚の大型天板6で構成されて、対面で使用可能な一対の天板領域Sが設定されているテーブルにおいても、中間脚要素31、31をそれら天板領域S、S間の境界部付近を支持する位置に配置すれば、上記実施形態と同様の効果が奏される。
【0045】
その他、中間脚要素を3つ以上使用したり、端部脚にパネルタイプのものを採用するなど、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【符号の説明】
【0046】
1…脚体
2…天板
3b…下部間
3p、3q…面板部
4…脚受け部材
11…端部脚
14…横架材
31…中間脚要素
31a…上端部
31b…下端部
31Z…上端部間
32…上補強連結部
33…下補強連結部
A…隙間
T…テーブル
X…所定方向(天板幅方向)
Y…直交する方向(奥行き方向)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定方向に離間する一対の端部脚の間が天板を介して直接又は間接に連結されるものにおいて、
前記端部脚よりも内側へ離れた位置に、天板を支持すべく少なくとも2つの中間脚要素を前記所定方向に沿って配置し、これら2つの中間脚要素の上端部間およびそれよりも下部間を上補強連結部と下補強連結部で連結してなることを特徴とするテーブル。
【請求項2】
下補強連結部は、一方の中間脚要素の上端部側と他方の中間脚要素の下端部側との間を連結するものである請求項1記載のテーブル。
【請求項3】
下補強連結部は、一対の中間脚要素の間を連結する面板部を具備する請求項1又は2記載のテーブル。
【請求項4】
一対の端部脚の間を横架材で連結して脚体を構成し、この脚体に天板を支持させてなるものであって、中間脚要素の間を連結する上補強連結部が前記横架材を含んで構成される請求項1〜3何れかに記載のテーブル。
【請求項5】
一対の端部脚の間を複数の横架材で連結して脚体を構成し、この脚体に天板を支持させてなるものであって、前記複数の横架材の間を脚受け部材で接続し、中間脚要素の間を連結する上補強連結部が前記脚受け部材を含んで構成される請求項1〜4何れかに記載のテーブル。
【請求項6】
一対の端部脚の間を天板で直接連結してなるものであって、中間脚要素の間を連結する上補強連結部が前記天板を含んで構成される請求項1〜5何れかに記載のテーブル。
【請求項7】
前記所定方向と直交する方向に、対面で使用可能な一対の天板が所定の隙間を介して配置され、中間脚要素はそれら天板間の隙間の下方に配置されている請求項1〜6記載のテーブル。
【請求項8】
前記所定方向と直交する方向に、対面で使用可能な一対の天板領域が設定され、中間脚要素はそれら天板領域間の境界部の下方に配置されている請求項1〜6記載のテーブル。
【請求項1】
所定方向に離間する一対の端部脚の間が天板を介して直接又は間接に連結されるものにおいて、
前記端部脚よりも内側へ離れた位置に、天板を支持すべく少なくとも2つの中間脚要素を前記所定方向に沿って配置し、これら2つの中間脚要素の上端部間およびそれよりも下部間を上補強連結部と下補強連結部で連結してなることを特徴とするテーブル。
【請求項2】
下補強連結部は、一方の中間脚要素の上端部側と他方の中間脚要素の下端部側との間を連結するものである請求項1記載のテーブル。
【請求項3】
下補強連結部は、一対の中間脚要素の間を連結する面板部を具備する請求項1又は2記載のテーブル。
【請求項4】
一対の端部脚の間を横架材で連結して脚体を構成し、この脚体に天板を支持させてなるものであって、中間脚要素の間を連結する上補強連結部が前記横架材を含んで構成される請求項1〜3何れかに記載のテーブル。
【請求項5】
一対の端部脚の間を複数の横架材で連結して脚体を構成し、この脚体に天板を支持させてなるものであって、前記複数の横架材の間を脚受け部材で接続し、中間脚要素の間を連結する上補強連結部が前記脚受け部材を含んで構成される請求項1〜4何れかに記載のテーブル。
【請求項6】
一対の端部脚の間を天板で直接連結してなるものであって、中間脚要素の間を連結する上補強連結部が前記天板を含んで構成される請求項1〜5何れかに記載のテーブル。
【請求項7】
前記所定方向と直交する方向に、対面で使用可能な一対の天板が所定の隙間を介して配置され、中間脚要素はそれら天板間の隙間の下方に配置されている請求項1〜6記載のテーブル。
【請求項8】
前記所定方向と直交する方向に、対面で使用可能な一対の天板領域が設定され、中間脚要素はそれら天板領域間の境界部の下方に配置されている請求項1〜6記載のテーブル。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−98142(P2011−98142A)
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−255808(P2009−255808)
【出願日】平成21年11月9日(2009.11.9)
【出願人】(000001351)コクヨ株式会社 (961)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月9日(2009.11.9)
【出願人】(000001351)コクヨ株式会社 (961)
【Fターム(参考)】
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