説明

ドットプリンター原理を利用したスタンパ製造装置及び導光板製造装置

【課題】ドットパターンを形成することにおいて、エッチィングなどのようにスタンパ表面を剥ぎ取ったり、削り取ったりするなど、複雑な工程や高価な装備を備えず、スタンパに物理的な変形を加えることで、ドットパターンを形成するドットプリンター原理を利用したスタンパ製造装置を提供する。
【解決手段】点又は線光源からの光が入射され、均一な面光源を作る導光板を製作するためのスタンパの射出時に、導光板内に入ってきた光を散乱させるドットパターンを導光板表面に形成するための、ドットパターンに対応するパターンをスタンパ上面に形成するスタンパの製造装置において、スタンパ上に形成されるパターンのデータをデザインするコンピュータ120と、コンピュータ120に連結され、データの伝送を受け、データに基づいてスタンパ110にパターンを出力するプリンター130とを含んで構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドットプリンターの原理を利用したスタンパ製造装置及び導光板製造装置に関し、さらに詳細には、導光板の射出時、金型に装着されるスタンパ上にドットパターンを形成することにおいて、一般事務機器に適用されるドットマトリックスプリンターの原理を利用することであって、コンピュータを通じて多様に設計することができ、かつ、プリンターを用いて簡単にドットパターンを出力することができるものである。これによると、金属材質のスタンパの一部をエッチングなどのような化学的作用を通じて剥ぎ取ったり、削り取ったりすることではなく、プリンターのような簡単な構成を用いて機械的衝撃を与え、物理的に変形させることによってパターンを形成し得る製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、人が情報を得る手段としては、印刷物、音声及び映像などのように様々なものが用いられる。また、最近、マルチメディア技術の発展に従って、人が情報を得る手段として、マルチメディアの概念が用いられる一方、例えばコンピュータや携帯用電話機のような情報機器の使用頻度が増加するにつれ、これらの情報機器のための映像表示手段が急激に発展されつつある。
【0003】
このような情報機器の表示手段として、従来の陰極線管(cathode ray tube)に比べて電力消耗が少なく、且つ、手軽く携帯に便利な液晶表示装置(Liquid Crystal Display)が多く使われつつある。
【0004】
このような液晶表示装置は、陰極線管(cathode ray tube)、プラズマ表示装置(Plasma Display Panel)、 電界放出表示装置(Field Emission Display)とは異なって、自ら光を発する装置ではないため、液晶画面の背面に画像を視覚的に表現するために、光源が必要となる。このような液晶表示装置は、液晶層の背面を照射するために液晶層の下面にバックライトユニット(back light unit)を設けて使用するようになる。
【0005】
即ち、暗いところでは使用できないという短所を補い、暗所にでも使用できるように情報表示面を均一に面照射する装置が、バックライトであり、該バックライトは、ノートブック型コンピュータ、モニタ用のTFT−LCD の光源であるため、最低の電力で最大の明るい光を出さなければならない。バックライトは、線状の如く細い蛍光燈の光を前記液晶表示装置の表面隅々まで同じ明るさで保持させ、面光に変わる役割を果す。
【0006】
前述したバックライトユニットの従来構成は、図1及び図2に示されたように、光源を提供するランプ1、該ランプ1から発光された光を反射させる反射シート3(Reflection sheet)、導光板5(Light guide plate)、拡散シート7(Diffusion sheet)、水平及び垂直プリズムシート9、11(Prism sheet)から構成されて、かつ、このようなそれぞれの部品を一つのユニットで束ねるモールドフレーム(Mold flame;図示せず)からなる。
【0007】
前記バックライトユニットの分類は、ランプ1の位置によって、ランプ1がTFT−LCDの後側からすぐ前面に向けて光を発する直下型(Direct type)と、ランプ1が導光板5の横に位置され、かつその光が導光板5を経由しながら前面に向くようにするサイド型(Side type)及び、サイド型の一部ではあるが、導光板5が傾いた楔型(Wedge type)とに分類することができる。前記直下型(Direct type)とサイド型(Side type)とは、大型モニタ用で用いられ、且つ、前記楔型(Wedge type)はノートブック型コンピュータ用に用いられる。
【0008】
一方、前記ランプ1は白色光を発光するものであって、導光板5の一側端に位置することができ、 導光板5の両側端に夫々複数個位置することもできる。前記ランプ1はバックライトユニットを介してLCDパネルに光を入射させる光源であって、主に用いられるランプの種類は発光ダイオード(Light Emitting Diodes)、EL(Electro Luminescent)、 冷陰極蛍光ランプ(Cold Cathode Fluorescent Lamp)などがあるが、通常、発熱量の少ない冷陰極蛍光ランプ(Cold Cathode Fluorescent Lamp)が多く用いられている。
【0009】
前記反射シート3は、前記導光板5で一部の光が反対側を通じて損失が生じる時、このような損失を最小限に減らすために用いられるものであって、 導光板5の背面へ漏れる光を導光板5の方向に反射させる役割を持つ。
【0010】
前記導光板5は、バックライトユニットのうち、もっとも核心となる主な部品として、光の経路が前面に向くよう機能し、実際に光の経路は媒質の変化があるべきだが、導光板5の内部では経路の変化がないため、導光板5の表面には前記導光板5の蛍光物質と異なるドットスクリーンー(dot screen)が印刷されている。
【0011】
即ち、導光板5は、印刷方式を利用し、導光板5の下部面にドットパターン6を形成させたものである。そして、前記ドットパターン6内には小さいガラス球のような小さいスケールの粒を含む。
【0012】
従って、正確には前記導光板5内へ入ってくる大半の光が小さいスケールの粒により散乱され、 該粒により散乱された光が前記導光板5の上部表面を経由しパネルに向き、結局使用者の肉眼により感知されるのである。
【0013】
この際、前記ドットパターン6が形成された導光板5のみでは、散乱された光が直接目に入ってくるので、導光板5に印刷されたドットパターン6の模様がそのまま映されるのである。前記ドットパターン6は、甚だしくはパネルを装着させた後にもはっきりと感知できる程度であるものの、従来ではドットパターン6が映されることを最小化させ、又は除去する過程が必要となる。このため、従来では重合体(polymer)材を基本としながら、両面に小さいスケールの硝子珠粒のような拡散材を混合した拡散シート7を備えた。
【0014】
前記拡散シート7を経由した光輝度は、面に垂直な水平及び垂直の両方向に拡散を起こしながら、急激に低下される。このような光を再びフォーカースさせて光輝度を高めるためのものが、水平及び垂直プリズムシート9、11である。
【0015】
前記水平及び垂直プリズムシート9、11は、帯状(strip type)のマイクロプリズム(micro prism)が基材(base materials: Polyethylene Terephtalate )の上部に形成されたものであって、殆ど水平及び垂直の二重を1セットとして使用する。
【0016】
前記バックライトユニットの構成中、 導光板5はランプ1より出射される線光源を面光源に変えてくれるものであって、サイド型或いは楔型のバックライトにおいては、その役割が大変重要であり、前記導光板5にドットパターン6を形成する技術もやはりバックライトユニットの製作工程中、最も複雑な技術として知られている。
【0017】
前記導光板5にドットパターン6を形成する方法は、前述したように射出された導光板5にスクリーンー印刷をして、光散乱インクを固着させる方法や、導光板5上に直接、パターンを加工する方法などが用いられているが、これらの方法などは射出された後に生じる追加工程であり、生産性が低下し、かつ、微細パターンの形成が難しいという短所があるため、最近では凸凹面の形成されたスタンパを金型に装着し、導光板を射出する方法が多く用いられている。
【0018】
しかし、前記のような従来技術によるスタンパに凸凹面を形成する製造工程には次のような問題点がある。
【0019】
図3には、従来技術によるスタンパのドットパターンを製作する過程が断面図で示され、図4にはこの製造工程が示されている。
【0020】
先ず、従来の湿式エッチッング方法を用いたスタンパの製造方法を簡単に察してみる。珪酸塩硝子を主にする酸化物硝子21の表面にフォトレジスト23溶液をスピンを与えながら、全体に亘って均一に塗布し、かつこれを加熱する(S1、S2、S3)。
【0021】
前記フォトレジスト23を塗布した後、所定のパターン、即ち、所定距離を開いて離隔された複数個の露光部25が形成されたフォトマスク27を前記フォトレジスト23が塗布された硝子21の上部に位置させ、フォトマスク27の外側からフォトレジスト23を経由して、硝子21に向けて光を露出させる(S4)。
【0022】
すると、露光部25を介して光が投射された硝子21の表面にはフォトレジスト23が溶かされて露光領域29が生成される。従って、これを現像させ、かつ加熱すると、フォトレジスト23がそのまま存在する凸凹領域31とフォトレジスト23が取除かれた露光領域29とが周期的に繰り返された凸面33が、硝子21の表面に形成される(S5、S6)。
【0023】
前記凸面33の表面にニッケル(Ni)などを利用し、所定の厚さでニッケル(Ni)鍍金膜35を繰り返し積層することによって、ニッケル(Ni) 鍍金層37を形成する(S7)。前記ニッケル(Ni) 鍍金層37から凸面33の形成された硝子21を取除くと、凹面41の形成されたスタンパ39が製作される(S8,S9)。
【0024】
スタンパ39を製作した後、これを金型に装着し、導光板5を製造する過程に対して、簡単に察してみる。図5には従来技術によるスタンパを利用し、導光板を製作する金型の構成が断面図で示されている。
【0025】
図5に示されたように、導光板5を製作するためのコアー金型51(以下、固定側金型と称する)を製作し、前記固定側金型51はスタンパ39の形状に対応する溝53が形成され、前記溝53に凹面41が外側に向くようスタンパ39を挿入する。
【0026】
前記固定側金型51が製作されると、前記固定側金型51と結合され、かつ前記導光板5の形状に応ずるキャビティ55を形成するための キャビティ金型(以下、可動側金型と称する)57が製作される。
【0027】
前記固定側金型51と可動側金型57とが製作されると、該金型らを組合わせる。従って、導光板5の形状に対応しながら、一側に凹面41の備わったキャビティ55が用意される。
【0028】
次に、 導光板材料をキャビティ55に充填させ、充填された導光板材料が凝固されると、固定側金型51と可動側金型57とを分離させ、導光板5を射出する。
【0029】
このように、前記スタンパ39を固定側金型51に設け、前記固定側金型51に対向するよう可動側金型57を結合して、ゲート59を介して合成樹脂材を注ぎ込むと、パターン6が成形された導光板5を生産することができる。
【0030】
前記のように、 導光板の表面にパターンを形成し、光の輝度を均一に維持させうるようにすることによって光の拡散効果を高めることができるが、前記パターンを形成する過程、即ち、薄膜処理過程、露光過程、蝕刻過程など、スタンパ上にパターンを形成する過程及び前記スタンパを金型に装着して、ドットパターンが形成された導光板を射出する過程が、大変複雑であり、且つ、生産性が低下するという問題点がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0031】
従って、本発明は前記問題に鑑みなされたものであって、本発明の目的は、ドットパターンを形成することにおいて、エッチィング等ようにスタンパ表面を剥ぎ取ったり、削り取ったりするなどの複雑な工程や高価な装備を備えずに、スタンパに物理的な変形を加えることによって、ドットパターンを形成するドットプリンター原理を利用したスタンパ製造装置を提供することにある。
【0032】
また、本発明の他の目的は、導光板の射出時、ドット形成に必要となるスタンパを製作せずに、射出された導光板に直接、機械的衝撃を与えて、ドットパターンを形成するドットプリンター原理を利用した導光板製造装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0033】
前述した目的を達成するための本発明の特徴によると、本発明は、点又は線光源からの光が入射され、均一な面光源を作る導光板を製作するためのスタンパの射出時に、前記導光板内に入ってきた光を散乱させるドットパターンを導光板表面に形成するための、該ドットパターンに対応するパターンをスタンパ上面に形成するスタンパの製造装置において、前記スタンパ上に形成されるパターンのデータをデザインするコンピュータと、前記コンピュータに連結され、前記データの伝送を受け、該データに基づいて前記スタンパにパターンを出力するプリンターとを含んで構成される。
【0034】
前記前記プリンターは、外部より信号電流を印加するワイヤーと、多数のコイルが巻回され、前記ワイヤーを介して信号電流が印加されると電磁気力を発生させるボビンと、前記ボビンの上端に設けられ、前記ボビンに電流が印加されると前記ボビンと引力が作用するハンマーと、前記ハンマーに略垂直に設けられ、上下に移動可能で、スタンパ上に機械的衝撃を加えてパターンを形成するダイヤモンドチップと、前記ワイヤーを介した信号電流が遮断されると、前記ボビンから前記ハンマーが元の状態に復帰するように弾性バイアスするリセットスプリングとを含んで構成される。
【0035】
前記プリンターは、外部より信号電流を印加するワイヤーと、中空形状で多数のコイルが巻回され、前記ワイヤーを介して信号電流が印加されると電磁気力を発生させるボビンと、前記ボビンの中空内部に設けられ、前記ボビンに電流が印加されると前記ボビンの電磁気力との相互作用により下方へ摺動されるプランジャーと、前記プランジャーの下部に設けられ、スタンパ上に機械的衝撃を加えて、パターンを形成するダイヤモンドチップと、前記ワイヤーを介した信号電流が遮断されると、前記プランジャーを上方へ弾性バイアスするリセットスプリングとを含んで構成される。
【0036】
前記プランジャーの高さを調節するプランジャー高さ調節ネジをさらに含ようにしたものを含む。
【0037】
前記導光板全体に亘って光の輝度及び均一度を増進させ得るように光源より遠ざかるに従ってドットパターンのサイズを漸次広く形成するために、任意の形状又はサイズのダイヤモンドチップを選択的に交替することができる。
【0038】
点又は線光源からの光が入射され、均一な面光源を作るために導光板上に光を散乱させるドットパターンを形成する導光板を製造する装置において、前記導光板上に形成されるパターンのデータをデザインするコンピュータと、前記コンピュータに連結されて、前記データの伝送を受け、該データに基づいて前記導光板にパターンを出力するプリンターとを含んで構成される。
【0039】
前記前記プリンターは、外部より信号電流を印加するワイヤーと、多数のコイルが巻回され、前記ワイヤーを介して印加された信号電流により電磁気力を発生させるボビンと、前記ボビンの上端に設けられ、前記ボビンに電流が印加されると前記ボビンと引力が作用するハンマーと、前記ハンマーに垂直に設けられ、上下に移動可能で、導光板上に機械的衝撃を加えてパターンを形成するダイヤモンドチップと、前記ワイヤーを介した信号電流が遮断されると、前記ボビンから前記ハンマーが元の状態に復帰するように弾性バイアスするリセットスプリングとを含んで構成される。
【発明の効果】
【0040】
前述したような構成を持つ本発明によるドットプリンター原理を利用したスタンパ製造装置及び導光板製造装置によると、コンピュータでドットパターンをデザインするので、その設計が容易であり、且つ、コンピュータに連結されたプリンターを介してドットパターンを出力するため、その工程が簡単になるという効果がある。また、製造工程が短縮され、かつ光拡散効果が向上されるという利点がある。
【0041】
また、ダイヤモンドチップの形状を変更することによって、ドットパターンの形状を自由に選ぶことができ、それによる導光板の光拡散効果が向上する効果をも奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0042】
以下、前述したような構成を持つ本発明によるドットプリンター原理を用いたスタンパ製造装置及び導光板製造装置の望ましい実施例を添付図面を参照して詳しく説明する。
【0043】
図6には、本発明の望ましい実施例によるドットプリンターの原理を用いたスタンパの製造装置の構成が構成図で示され、図7には本発明の望ましい実施例によるドットプリンターヘッドの構成が側面図で示され、図8には本発明の他の実施例によるドットプリンターヘッドの構成が側面図で示され、図9には本発明のさらに他の実施例による導光板上にドットパターンを直接加工する構成が側面図で示されている。
【0044】
本発明のスタンパ製造装置100は、表面に多数のドットパターン102が形成されるスタンパ110と、前記スタンパ110上に形成されるドットパターン102をデザインするコンピュータ120と、前記コンピュータ120に連結されて、ドットパターン102に関するデータの伝送を受け、スタンパ110へ出力するドットプリンターヘッド130からなる。
【0045】
このように、ドットマットリスプリンター原理を利用し、ドットパターン102をコンピュータ120により設計して、プリンターヘッド130へ出力する方式でスタンパ110上にドットパターン102を形成するようになると、パターン102の形状を多様に設計することができる。
【0046】
前記ドットプリンターヘッド130は、図7に示されるように、下部の一側に設けられて、外部より信号電流を印加するワイヤー132と、多数のコイルが巻回され前記ワイヤー132により印加された信号電流により電磁気力を発生させるボビン134と、前記ボビン134の上端に設けられて、前記ボビン134に電流が印加されると前記ボビン134と引力とが作用するハンマー136と、前記ハンマー136に垂直に設けられ、上下に移動可能なダイヤモンドチップ138と、前記ワイヤー132で信号電流が遮断されると前記ボビン134から前記ハンマー136が元の状態に復帰されるよう弾性バイアスされるリセットスプリング140から構成される。
【0047】
図面に示されてはないが、移動手段により前記プリンターヘッド130が横方向に移動し、同様にスタンパ110が縦方向に移動しながらプリンターされると、板状のスタンパ110の表面全体にパターン102(例えば図8参照)を形成することができるようになる。
【0048】
前記ダイヤモンドチップ138によりスタンパ110上に形成されるドットパターン102は、その形状やサイズが多様である。即ち、光源より遠ざかるに従ってドットパターン102で散乱される程度が小さくなるため、散乱程度を高めながらも光源との距離に拘わらず、散乱程度が均一に保持できるようにするために、光源より遠ざかるに従ってドットパターン102のサイズを漸次広くしたり、ドットパターン102のサイズを距離に拘わらず一定に形成したりするが、ドットパターン102同士の間隔を、光源より遠ざかるに従って小さくし、密度を大きくする方法などがありうる。
【0049】
このように、本発明の他の実施例ではドットパターン102のサイズを異なって形成しようとする時、プリンターヘッド130若しくは端部形状の多様なダイヤモンドチップ138を随時に交替することができるようプリンターヘッド130若しくはダイヤモンドチップ138を着脱可能に設ける。
【0050】
本発明の他の実施例によるドットプリンターヘッド130は、図8に示すように、外部から信号電流を印加するワイヤー(図示せず)と、中空形状で多数のコイルが巻回されて、前記ワイヤーで信号電流が印加されると電磁気力を発生させるボビン152と、前記ボビン152の中空内部に設けられ、前記ボビン152に電流が印加されると、前記ボビン152の電磁気力との相互作用により下方に摺動されるプランジャー154と、前記プランジャー154の下部に設けられ、スタンパ110上に機械的衝撃を加えてパターンを形成するダイヤモンドチップ156と、前記ワイヤーで信号電流が遮断されると、前記プランジャー154が上方へ弾性バイアスされるようにするリセットスプリング158と、からなる。
【0051】
下部にダイヤモンドチップ156の備わったプランジャー154が、前記プリンターヘッド130に上下に摺動可能でありながら着脱されるように設けられる。前記プランジャー154とスタンパ110との間の距離を調節することができるようプランジャー高さ調節用ネジ160が設けられる。
【0052】
そして、前記スタンパ110は、軽質の金属板であって前記金属板上にパターン102を形成するためには前記金属板に一定基準以上(降伏点)の力を加えなければならない。このようにダイヤモンドチップ156がスタンパ110上に機械的衝撃を十分に与えるために、サーボモーター(servomotor:図示せず)をさらに設けることができる。
【0053】
本発明によると、金属板のスタンパ110の表面を剥離したり、削り取ることもせずに、物理的変形を加えることが特徴であるが、必ずしもこれに限られるものではなく、ダイヤモンドチップ156の形状及びその衝撃強度に応じて金属表面を剥離したり、削り取ったりしても差し支えない。
【0054】
前記ダイヤモンドチップ156がスタンパ110上に機械的衝撃を与えると、その瞬間衝撃により前記ダイヤモンドチップ156若しくはプリンターヘッド130に損傷を与えダイヤモンドチップ156などを取替えなければならない。したがって、このような機械的衝撃からプリンターヘッド130或いはダイヤモンドチップ156を保護するためにテフロン(登録商標)などの緩衝材162を用いることもある。
【0055】
本発明のドットプリンターヘッド130は、スタンパ110にドットパターン102を直接加工し、これを金型に設置してから、射出成形することによって導光板5の上面にドットパターン102を形成するのに限られるものではなく、スタンパ110を別度に製作せず、導光板5が生産できるので、図9に示された如く導光板5の上面にドットパターン102´を直接加工しうる。
【0056】
このような場合、ドットプリンターヘッド130の底面にスタンパ110に代えて導光板5を設け、加工する。この際には、スタンパ110を加工する時に比べ機械的衝撃を少なく設定する。
【0057】
以下、前述したような構成を持つ本発明によるドットプリンター原理を利用したスタンパ製造装置の作用を添付図面を参照して詳細に説明する。
【0058】
前記ボビン134に信号電流が印加されると、前記ボビン134は励磁され磁性を持つようになる。前記ハンマー136は、磁性体であるボビン134の方向に引力が作用し、ボビン134と結合される。
【0059】
前記ボビン134に信号電流が遮断されると、前記ボビン134は元の状態に戻り、且つ磁性を失う。前記ハンマー136は前記ボビン134の反対方向に復元力を持つリセットスプリング140により、磁性体のボビン134から分離される。
【0060】
前述したような過程を繰り返すとダイヤモンドチップ138はスタンパの上面、或いは導光板の上面を機械的に打撃しながら、ドットパターンを形成するようになる。
【0061】
以上で述べたように、本発明は、導光板を射出する時に使用されるスタンパ上にドットパターンを形成することに於いて、家庭や事務所で容易に接することができるドットマトリックスプリンターの原理を利用したものであって、コンピュータを介して簡単に設計することができ、かつプリンターを介して簡単に出力することができるドットマトリックスプリンターによると、金属材質であるスタンパの表面一部を剥離したり、削り取ったりするのではなく、機械的な衝撃を通じて変形させることで、パターンを複雑な工程を経ることなく形成するという構成を、技術的な思想としていることが分かる。
【0062】
このような本発明の基本的な技術的思想の範囲内にて、当業者の通常の知識を有する者においては、他の変形が多くなされうる。例えば、ドットプリンター原理をスタンパ上のドットパターン間接形成のみに適用することではなく、 導光板を射出した後、導光板上にドットパターンを直接形成することにおいても適用されうる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】従来技術によるバックライトユニットの構成を示す斜視図。
【図2】従来技術によるバックライトユニットの構成を示す断面図。
【図3】従来技術によるスタンプのドットパターンの製作過程を示す断面図。
【図4】従来技術によるスタンプのドットパターンの製作過程を示す工程図。
【図5】従来技術によるスタンプを用いて導光板を製作する金型の断面図。
【図6】本発明の望ましい実施例によるドットプリンターの原理を利用したスタンプの製造装置構成を示す構成図。
【図7】本発明の望ましい実施例によるドットプリンターヘッドの構成を示す側面図。
【図8】本発明の他の実施例によるドットプリンターヘッドの構成を示す側面図。
【図9】本発明のさらに他の実施例による導光板上にドットパターンを直接加工する構成を示す部分側面図。
【符号の説明】
【0064】
100 スタンパ製造装置
102、102´ ドットパターン
110 スタンパ(STAMPER)
120 コンピュータ
130 ドットプリンターヘッド
132 ワイヤー
134、152 ボビン
136 ハンマー
138、156 ダイヤモンドチップ
140、158 リセットスプリング
154 プランジャー
160 プランジャー高さ調節用ネジ
162 緩衝材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
点又は線光源からの光が入射され、均一な面光源を作る導光板を製作するためのスタンパの射出時に、前記導光板内に入ってきた光を散乱させるドットパターンを導光板表面に形成するための、該ドットパターンに対応するパターンをスタンパ上面に形成するスタンパの製造装置において、
前記スタンパ上に形成されるパターンのデータをデザインするコンピュータと、
前記コンピュータに連結され、前記データの伝送を受け、該データに基づいて前記スタンパにパターンを出力するプリンターとを含んで構成されたことを特徴とするドットプリンター原理を利用したスタンパ製造装置。
【請求項2】
前記プリンターは、
外部より信号電流を印加するワイヤーと、
多数のコイルが巻回され、前記ワイヤーを介して信号電流が印加されると電磁気力を発生させるボビンと、
前記ボビンの上端に設けられ、前記ボビンに電流が印加されると前記ボビンと引力が作用するハンマーと、
前記ハンマーに略垂直に設けられ、上下に移動可能で、スタンパ上に機械的衝撃を加えてパターンを形成するダイヤモンドチップと、
前記ワイヤーを介した信号電流が遮断されると、前記ボビンから前記ハンマーが元の状態に復帰するように弾性バイアスするリセットスプリングとを含んで構成されることを特徴とする請求項1に記載のドットプリンター原理を利用したスタンパ製造装置。
【請求項3】
前記プリンターは、
外部より信号電流を印加するワイヤーと、
中空形状で多数のコイルが巻回され、前記ワイヤーを介して信号電流が印加されると電磁気力を発生させるボビンと、
前記ボビンの中空内部に設けられ、前記ボビンに電流が印加されると前記ボビンの電磁気力との相互作用により下方へ摺動されるプランジャーと、
前記プランジャーの下部に設けられ、スタンパ上に機械的衝撃を加えて、パターンを形成するダイヤモンドチップと、
前記ワイヤーを介した信号電流が遮断されると、前記プランジャーを上方へ弾性バイアスするリセットスプリングとを含んで構成されることを特徴とする請求項1記載のドットプリンター原理を利用したスタンパ製造装置。
【請求項4】
前記プランジャーの高さを調節するプランジャー高さ調節ネジをさらに含んで構成されることを特徴とする請求項3記載のドットプリンター原理を利用したスタンパ製造装置。
【請求項5】
導光板全体に亘って光の輝度及び均一度を増進させ得るように光源より遠ざかるに従ってドットパターンのサイズを漸次広く形成するために、任意の形状又はサイズのダイヤモンドチップを選択的に交替できるようにしたことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のドットプリンター原理を利用したスタンパ製造装置。
【請求項6】
点又は線光源からの光が入射され、均一な面光源を作るために導光板上に光を散乱させるドットパターンを形成する導光板を製造する装置において、
前記導光板上に形成されるパターンのデータをデザインするコンピュータと、
前記コンピュータに連結されて、前記データの伝送を受け、該データに基づいて前記導光板にパターンを出力するプリンターとを含んで構成されることを特徴とするドットプリンター原理を利用した導光板製造装置。
【請求項7】
前記プリンターは、
外部より信号電流を印加するワイヤーと、
多数のコイルが巻回され、前記ワイヤーを介して印加された信号電流により電磁気力を発生させるボビンと、
前記ボビンの上端に設けられ、前記ボビンに電流が印加されると前記ボビンと引力が作用するハンマーと、
前記ハンマーに垂直に設けられ、上下に移動可能で、導光板上に機械的衝撃を加えてパターンを形成するダイヤモンドチップと、
前記ワイヤーを介した信号電流が遮断されると、前記ボビンから前記ハンマーが元の状態に復帰するように弾性バイアスするリセットスプリングとを含んで構成されることを特徴とする請求項6に記載のドットプリンター原理を利用した導光板製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−27255(P2006−27255A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−246330(P2004−246330)
【出願日】平成16年8月26日(2004.8.26)
【出願人】(504324796)泰山エルシーディー株式会社 (9)
【Fターム(参考)】