説明

ドライエッチング用のトレーとそれを用いたドライエッチング方法とトレーの製造方法およびモールドの製造方法

【課題】ナノインプリント技術に用いるモールドを高い精度で製造する方法と、このモールドの製造を簡便に行うことができるドライエッチング用のトレーとその製造方法、および、このトレーを用いたドライエッチング方法を提供する。
【解決手段】ドライエッチング用のトレー1を、基体2と、この基体の一つの面2aに位置する被エッチング体嵌合用の凹部3と、この凹部3の周囲の面2aである開口面積率調整面4と、この開口面積率調整面4を0〜100%の範囲で被覆する開口面積率調整層5と、を備えたものとし、基体2と開口面積率調整層5は、一方をドライエッチング可能な材質とし、他方をドライエッチングされない材質とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナノインプリント技術に用いるモールドの製造方法と、このモールドの製造方法に使用することができるドライエッチング用のトレーとその製造方法、および、このトレーを用いたドライエッチング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
微細加工技術として、近年ナノインプリント技術に注目が集まっている。ナノインプリント技術は、基材の表面に微細な凹凸構造を形成した型部材(モールド)を用い、凹凸構造を被加工物に転写することで微細構造を等倍転写するパターン形成技術である(特許文献1)。
上記のナノインプリント技術として、光インプリント法や熱インプリント法が知られている。光インプリント法では、例えば、基板表面に被加工物として光硬化性の樹脂層を形成し、この樹脂層に所望の凹凸構造を有するモールドを押し当てる。そして、この状態でモールド側から樹脂層に光を照射して樹脂層を硬化させ、その後、モールドを樹脂層から引き離す。これにより、モールドが有する凹凸が反転した凹凸構造(凹凸パターン)を被加工物である樹脂層に形成することができる(特許文献2)。また、熱インプリント法では、加熱により軟化させた状態で樹脂層にモールドを押し当て、冷却して樹脂層を硬化させた後にモールドと樹脂層との離型が行われる。
【0003】
このようなナノインプリント用のモールドは、例えば、電子線描画により形成したマスクを用いてドライエッチングにより石英ガラスやシリコン基板に精密微細加工を施して製造することができる(特許文献3)。しかし、このような製造方法で作製されるモールドは非常に高価なものであった。また、精密微細加工によりマスターモールドを作製し、これを使用してコピーモールド(レプリカモールド)を作製することにより、ナノインプリント用モールドの製造コストを低減することが提案されている。このようなマスターモールドからのコピーモールドの製造方法として、コピーモールド用材料にマスターモールドを圧接した状態でコピーモールド用材料にエネルギー線を照射し、マスターモールドを離型した後に、再度、コピーモールド用材料にエネルギー線を照射する方法がある(特許文献4)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第5,772,905号
【特許文献2】特表2002−539604号公報
【特許文献3】特開2009−206339号公報
【特許文献4】特開2008−207475号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献4に記載されているようなコピーモールドの製造方法では、マスターモールドとコピーモールド用材料との離型性を確保するために、マスターモールドとコピーモールド用材料とが密着している状態でコピーモールド用材料へのエネルギー線照射による光酸化(硬化)を抑制している。このため、マスターモールドをコピーモールド用材料から離型した後、さらにコピーモールド用材料にエネルギー線を照射して光酸化(硬化)を行う必要があり、工程が煩雑であるという問題があった。また、このようなエネルギー線照射による光酸化(硬化)に加えて、熱酸化によるポリシランの更なる硬化を進めるためにポストベーク処理を施すことが好適とされている。このため、製造工程においてコピーモールド用材料への紫外線照射とポストベーク処理の両方を行うための機構が必要となり、製造コストの増大を来すという問題もあった。
また、このように作製されたコピーモールドは、ナノインプリントで微細パターンを転写すべきパターニング材料が付着しやすいので、これを防止するために、フッ素系樹脂等の離型剤を表面に塗布する必要がある。しかし、離型剤が均一に塗布されず、安定した離型性が得られないという問題があった。
【0006】
一方、コピーモールド用基材にマスターモールドを用いてマスクパターンを形成し、ドライエッチングによりコピーモールド用基材に精密微細加工を施してコピーモールドを製造することが考えられる。しかし、マスターモールドのパターンとコピーモールドのパターンはネガポジ反転の関係にあるため、基板に対するドライエッチングの対象となる面積の割合(開口面積率)が大きく異なり、マスターモールド製造時と同じドライエッチング条件でコピーモールド製造時のドライエッチングを行うと、エッチング加工結果(エッチングの深さ、形状等)に差が生じて、精度の高いコピーモールド製造が難しくなるという問題があった。また、上記のエッチングの開口面積率の相違に対処するために、開口面積率に応じてエッチングの条件出しを行うことができるが、毎回のエッチング条件出しが必要なため、多品種に対応するモールドの製造には不適切であった。また、コピーモールド用の基材内にダミーパターンを設けて開口面積率の差を減少させる方法もあるが、このようなダミーパターンもナノインプリントで転写されるため、採用できないという問題があった。
本発明は、上述のような実情に鑑みてなされたものであり、ナノインプリント技術に用いるモールドを高い精度で製造する方法と、このモールドの製造を簡便に行うことができるドライエッチング用のトレーとその製造方法、および、このトレーを用いたドライエッチング方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このような目的を達成するために、本発明は、ドライエッチング時に被エッチング体を保持するためのドライエッチング用のトレーにおいて、基体と、該基体の一つの面に位置する被エッチング体嵌合用の凹部と、該凹部の周囲に位置する開口面積率調整面と、該開口面積率調整面を0〜100%の範囲で被覆する開口面積率調整層と、を備え、前記基体と前記開口面積率調整層は、一方がドライエッチング可能な材質であり、他方がドライエッチングされない材質であるような構成とした。
【0008】
本発明の他の態様として、前記基体がドライエッチング可能な材質であり、かつ、そのエッチングレートは前記被エッチング体のエッチングレートと同じであるような構成とし、また、前記基体の材質は、前記被エッチング体の材質と同じであるような構成とした。
本発明の他の態様として、前記開口面積率調整層がドライエッチング可能な材質であり、かつ、そのエッチングレートは前記被エッチング体のエッチングレートと同じであるような構成とし、また、前記開口面積率調整層の材質は、前記被エッチング体の材質と同じであるような構成とした。
本発明の他の態様として、前記開口面積率調整層は、前記凹部を囲むような環状であるような構成とし、また、2以上の前記開口面積率調整層が同心となるように位置するような構成とした。
本発明の他の態様として、前記開口面積率調整層は、前記凹部を囲むように不連続で、かつ、等間隔に位置する同一形状の複数個の開口面積率調整層からなるような構成とした。
【0009】
本発明は、基材上にエッチングマスクを形成した被エッチング体であって、露出する基材面積が異なる2種以上の被エッチング体に対して、同じドライエッチング条件でドライエッチングする方法において、上述の本発明のいずれかのドライエッチング用のトレーを使用し、被エッチング体のドライエッチングを受ける面側の面積と前記トレーの開口面積率調整面の面積との合計面積をSwとし、被エッチング体のドライエッチングの対象となる面積と前記トレーの開口面積率調整面におけるドライエッチング可能な面積の合計面積をSeとし、ドライエッチングの対象となる面積が異なる各被エッチング体について、被エッチング体とトレーとの全体の開口面積率[(Se/Sw)×100]を算出したときに、その差が±10%以下となるように、各トレーの開口面積率調整層による開口面積率調整面の被覆面積を調整し、その後、対応するトレーの凹部に被エッチング体を嵌合保持した状態で両者に対してドライエッチングを行うような構成とした。
【0010】
本発明は、ドライエッチング時に被エッチング体を保持するためのドライエッチング用のトレーの製造方法において、ドライエッチング可能な材質からなる基体の一つの面に被エッチング体嵌合用の凹部を形成するとともに、該凹部の周囲の前記面を開口面積率調整面とする工程と、ドライエッチングの対象となる被エッチング体と同形状のダミー部材を前記凹部に嵌着する工程と、該ダミー部材と前記開口面積率調整面を被覆するようにドライエッチングされない材質からなる耐エッチング層を形成する工程と、該耐エッチング層をパターニングして前記開口面積率調整面上に開口面積率調整層を形成する工程と、前記ダミー部材を前記凹部から取り外す工程と、を有し、前記開口面積率調整層を形成する工程では、ドライエッチングの対象となる被エッチング体のドライエッチングを受ける面側の面積と前記開口面積率調整面の面積との合計面積をSwとし、被エッチング体のドライエッチングの対象となる面積と前記開口面積率調整面における前記開口面積率調整層で被覆されていないドライエッチング可能な面積の合計面積をSeとしたときに、開口面積率[(Se/Sw)×100]が45〜55%の範囲内となるように、前記開口面積率調整層による開口面積率調整面の被覆率を0〜100%の範囲で設定するような構成とした。
【0011】
また、本発明は、ドライエッチング時に被エッチング体を保持するためのドライエッチング用のトレーの製造方法において、ドライエッチングされない材質からなる基体の一つの面に被エッチング体嵌合用の凹部を形成するとともに、該凹部の周囲の前記面を開口面積率調整面とする工程と、ドライエッチングの対象となる被エッチング体と同形状のダミー部材を前記凹部に嵌着する工程と、該ダミー部材と前記開口面積率調整面を被覆するようにドライエッチング可能な材質からなるエッチング層を形成する工程と、該エッチング層をパターニングして前記開口面積率調整面上に開口面積率調整層を形成する工程と、前記ダミー部材を前記凹部から取り外す工程と、を有し、前記開口面積率調整層を形成する工程では、ドライエッチングの対象となる被エッチング体のドライエッチングを受ける面側の面積と前記開口面積率調整面の面積との合計面積をSwとし、被エッチング体のドライエッチングの対象となる面積と前記開口面積率調整面における前記開口面積率調整層で被覆されドライエッチング可能な面積の合計面積をSeとしたときに、開口面積率[(Se/Sw)×100]が45〜55%の範囲内となるように、前記開口面積率調整層による開口面積率調整面の被覆率を0〜100%の範囲で設定するような構成とした。
【0012】
本発明は、基材と、該基材の一方の面に位置する凹部と、を備えるナノインプリント用のモールドの製造方法において、マスターモールド用の基材の被エッチング面に所望の開口部を有するエッチングマスクを形成し、該基材の周囲に前記被エッチング面と同一方向を向く開口面積率調整面を備えた第1開口面積率調整部材を配し、前記基材および前記第1開口面積率調整部材に対してドライエッチングを行い、その後、前記エッチングマスクを除去するとともに、前記第1開口面積率調整部材を取り外して、前記基材の被エッチング面に所望の凹部を備えたマスターモールドを得るマスターモールド作製工程と、コピーモールド用の基材の被エッチング面にエッチングマスク材料層を配設し、該エッチングマスク材料層に前記マスターモールドを押し当てて、前記マスターモールドが備える凹部に対応した凸部を前記エッチングマスク材料層に形成し、次いで、前記エッチングマスク材料層の前記凸部を除く部位を除去してエッチングマスクとし、その後、前記基材の周囲に前記被エッチング面と同一方向を向く開口面積率調整面を備えた第2開口面積率調整部材を配し、前記基材および前記第2開口面積率調整部材に対してドライエッチングを行い、その後、前記エッチングマスクを除去するとともに、前記第2開口面積率調整部材を取り外して、前記基材の被エッチング面に所望の凹部を備えたコピーモールドを作製してナノインプリント用のモールドとするコピーモールド作製工程と、を有し、マスターモールド用の前記基材の前記被エッチング面の面積と前記第1開口面積率調整部材の前記開口面積率調整面の面積との合計面積をSwとし、前記被エッチング面のドライエッチングの対象となる面積と前記第1開口面積率調整部材の前記開口面積率調整面におけるドライエッチング可能な面積の合計面積をSeとして算出した開口面積率R1[(Se/Sw)×100]と、コピーモールド用の前記基材の前記被エッチング面の面積と前記第2開口面積率調整部材の前記開口面積率調整面の面積との合計面積をSwとし、前記被エッチング面のドライエッチングの対象となる面積と前記第2開口面積率調整部材の前記開口面積率調整面におけるドライエッチング可能な面積の合計面積をSeとして算出した開口面積率R2(Se/Sw)×100]との差(R1−R2)が±10%以下となるように、前記第1開口面積率調整部材および前記第2開口面積率調整部材について、それぞれの前記開口面積率調整面を、ドライエッチング可能な材質からなる開口面積率調整層、あるいは、ドライエッチングができない材質からなる開口面積率調整層によって被覆して調整するような構成とした。
【0013】
本発明の他の態様として、前記第1開口面積率調整部材および前記第2開口面積率調整部材は、上述の本発明のいずれかのドライエッチング用のトレーであって、前記トレーの開口面積率調整層による開口面積率調整面の被覆面積を調整したものを使用するような構成とした。
本発明の他の態様として、前記第1開口面積率調整部材および前記第2開口面積率調整部材は、マスターモールド用の基材あるいはコピーモールド用の基材の外形に対応した開口部を有する環状部材であり、該環状部材と前記開口面積率調整層は、一方がドライエッチング可能な材質であり、他方がドライエッチングされない材質であるような構成とした。
【発明の効果】
【0014】
本発明のドライエッチング用のトレーは、開口面積率調整面を被覆する開口面積率調整層の被覆率を調整することにより、トレーの開口面積率調整面におけるドライエッチング可能な面積の制御が可能であり、これにより、凹部に嵌合する被エッチング体のドライエッチングの対象となる面積に対応して、トレーと被エッチング体の全体におけるドライエッチング可能な面積を調整して、ドライエッチングの加工結果を制御することができる。
【0015】
本発明のドライエッチング方法は、本発明のドライエッチング用のトレーを使用し、開口面積率調整面を被覆する開口面積率調整層の被覆率を調整することにより、ドライエッチングの対象となる面積が異なる2種以上の被エッチング体のいずれにおいても、トレーと被エッチング体の全体におけるドライエッチング可能な面積を調整して開口面積率を45〜55%の範囲とするので、その後のトレーと被エッチング体の両者に対するドライエッチングでは、ドライエッチングの対象となる面積が異なる2種以上の被エッチング体に対して、エッチングの深さ、形状等が同等のドライエッチングを行うことができる。
【0016】
本発明のドライエッチング用のトレーの製造方法は、基体に形成した被エッチング体嵌合用の凹部にダミー部材を嵌着した状態で、開口面積率調整面上に開口面積率調整層を形成するので、トレーと被エッチング体の全体における開口面積率を45〜55%の範囲とするような被覆率での開口面積率調整層の形成が容易であり、トレーを簡便に製造することができる。
【0017】
本発明のナノインプリント用のモールドの製造方法は、マスターモールド作製工程における第1開口面積率調整部材を用いたドライエッチングでの開口面積率と、コピーモールド作製工程における第2開口面積率調整部材を用いたドライエッチングでの開口面積率とが、共に45〜55%の範囲にあるため、マスターモールド作製工程におけるドライエッチング条件と同じ条件でコピーモールド作製工程のドライエッチングを行うことができ、工程管理が簡便であり、また、使用する開口面積率調整部材の開口面積率調整面を被覆する開口面積率調整層の被覆率を調整することにより、基材と開口面積率調整部材とを一体とした開口面積率を45〜55%とするので、製造するモールドの仕様変更にともなってモールド用の基材の開口面積率が変更されても、変更毎のドライエッチングの条件出しが不要であり、多品種のモールドの製造が容易である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明のドライエッチング用のトレーの一実施形態を示す平面図である。
【図2】図1に示されるドライエッチング用のトレーのI−I線における断面図である。
【図3】本発明のドライエッチング用のトレーの他の実施形態を説明するための平面図である。
【図4】本発明のドライエッチング用のトレーの他の実施形態を説明するための平面図である。
【図5】本発明のドライエッチング用のトレーの他の実施形態を説明するための平面図である。
【図6】本発明のドライエッチング用のトレーの他の実施形態を説明するための平面図である。
【図7】本発明のドライエッチング用のトレーの他の実施形態を説明するための平面図である。
【図8】本発明のドライエッチング方法の一実施形態を説明するための工程図である。
【図9】本発明のドライエッチング方法の一実施形態を説明するための工程図である。
【図10】本発明のドライエッチング用のトレーの製造方法の一実施形態を説明するための工程図である。
【図11】本発明のナノインプリント用のモールドの製造方法の一実施形態を説明するための工程図である。
【図12】本発明のナノインプリント用のモールドの製造方法の一実施形態を説明するための工程図である。
【図13】図11に示される工程を説明するための基材の平面図である。
【図14】図11に示される工程を説明するための基材と開口面積率調整部材の平面図である。
【図15】図12に示される工程を説明するための基材の平面図である。
【図16】図12に示される工程を説明するための基材と開口面積率調整部材の平面図である。
【図17】本発明のナノインプリント用のモールドの製造方法の他の実施形態を説明するための図面である。
【図18】本発明のナノインプリント用のモールドの製造方法の他の実施形態を説明するための図面である。
【図19】本発明のナノインプリント用のモールドの製造方法に使用する開口面積率調整部材の他の例を説明するための図面である。
【図20】本発明のナノインプリント用のモールドの製造方法に使用する開口面積率調整部材の他の例を説明するための図面である。
【図21】本発明のナノインプリント用のモールドの製造方法に使用する開口面積率調整部材の他の例を説明するための図面である。
【図22】本発明のナノインプリント用のモールドの製造方法に使用する開口面積率調整部材の他の例を説明するための図面である。
【図23】本発明のナノインプリント用のモールドの製造方法に使用する開口面積率調整部材の他の例を説明するための図面である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
[ドライエッチング用のトレー]
図1は、本発明のドライエッチング用のトレーの一実施形態を示す平面図であり、図2は、図1に示されるドライエッチング用のトレーのI−I線における断面図である。図1および図2において、本発明のドライエッチング用のトレー1は、基体2と、この基体2の一つの面2aに位置する被エッチング体嵌合用の凹部3と、この凹部3の周囲に位置する面2aである開口面積率調整面4と、この開口面積率調整面4を0〜100%の範囲で被覆する開口面積率調整層5と、を備えている。
ここで、本発明における開口面積率とは、被エッチング体のドライエッチングを受ける面の面積をSwとし、この面においてエッチングマスク等のドライエッチングされない材質で被覆されていない部位の面積(ドライエッチングの対象となる面積)をSeとしたときに、(Se/Sw)×100で算出される値である。
【0020】
上記のトレー1を構成する基体2は、図示例では、外形が円形の板状であり、この基体2と開口面積率調整層5は、一方がドライエッチング可能な材質であり、他方がドライエッチングされない材質である。したがって、基体2がドライエッチング可能な材質であれば、開口面積率調整層5はドライエッチングされない材質であり、また、開口面積率調整層5がドライエッチング可能な材質であれば、基体2はドライエッチングされない材質である。
ドライエッチング可能な材質としては、被エッチング体と同じ材質が好ましい。また、所望のドライエッチング条件における被エッチング体のエッチングレートとの差が5%以下、好ましくは3%以下であるようなエッチングレートを有する材質も好適に使用することができる。両者のエッチングレートの差が5%を超えると、開口面積率調整面4を被覆する開口面積率調整層5の被覆率を調整することによる開口面積率の調整でドライエッチングの加工結果を制御することが困難となり好ましくない。尚、本発明におけるエッチングレートは、例えば、トレー1の基体2と開口面積率調整層5との段差を触針式段差計を用いて計測し、エッチングによる段差の増加量から算出する。
一方、ドライエッチングされない材質としては、所望のドライエッチング条件において耐エッチング性(エッチングレート=0)を有する材質であり、また、被エッチング体のエッチングレートに対して、10%以下、好ましくは3%以下の低いエッチングレートを有する材質も含まれる。ドライエッチングされない材質のエッチングレートが上記の範囲よりも高く、耐エッチング性が不十分な場合、開口面積率調整面4を被覆する開口面積率調整層5の被覆率を調整することによる開口面積率の調整でドライエッチングの加工結果を制御することが困難となり好ましくない。
【0021】
このようなドライエッチング可能な材質とドライエッチングされない材質の組み合わせとしては、例えば、シリコンと酸化シリコンの組み合わせ、シリコンと窒化シリコンの組み合わせ、合成石英とクロムの組み合わせ等を挙げることができ、被エッチング体に要求される特性、設定するドライエッチング条件等を考慮して材質の組み合わせを適宜設定することができる。
基体2の厚みは、基体2の強度、取り扱い適性、被加工物の材質等、および、凹部3の深さ等を考慮して設定することができ、例えば、0.5〜30mm程度の範囲で適宜設定することができる。
トレー1を構成する凹部3は、被エッチング体を嵌合して保持するためのものであり、凹部3の開口形状、開口寸法、深さは被エッチング体の形状を考慮して適宜設定することができる。また、凹部3は、ドライエッチングの加工結果の制御の精度を高めるために、基体2の中央部に位置(凹部3の周囲に開口面積率調整面4が均等に存在)することが好ましい。
【0022】
トレー1を構成する開口面積率調整面4は、凹部3が形成された面2aであって、凹部3の周囲に位置するものである。この開口面積率調整面4の形状は、基体2の外形形状、凹部3の開口形状によって決まるが、その面積は、凹部3の開口面積の50〜150%、好ましくは80〜120%、より好ましくは90〜110%の範囲である。開口面積率調整面4の面積が凹部3の開口面積の50%未満であると、開口面積率調整面4を被覆する開口面積率調整層5の被覆率を調整することによる開口面積率の調整幅が狭くなり、被エッチング体を嵌合保持した状態でのトレー1と被エッチング体との全体における開口面積率の調整に支障を来す場合がある。また、開口面積率調整面4の面積が凹部3の開口面積の150%を超えると、被エッチング体を嵌合保持した状態でのトレー1と被エッチング体との全体における開口面積率の調整において、開口面積率調整面4を被覆するために要する開口面積率調整層5の被覆面積が相対的に大きくなり、開口面積率調整層5の材料消費が多くなり好ましくない。
トレー1を構成する開口面積率調整層5は、開口面積率調整面4を0〜100%の範囲で被覆することにより、被エッチング体を嵌合保持した状態でのトレー1と被エッチング体全体における開口面積率を調整するためのものである。そして、本発明では、この目的を達するために、開口面積率調整面4に開口面積率調整層5が存在しない場合(0%被覆)、開口面積率調整面4の全域に開口面積率調整層5が存在する場合(100%被覆)も含まれる。また、開口面積率調整層5は、上記のように、基体2(開口面積率調整面4)がドライエッチング可能な材質の場合、ドライエッチングされない材質からなり、基体2(開口面積率調整面4)がドライエッチングされない材質の場合、ドライエッチング可能な材質からなる。
【0023】
例えば、開口面積率調整面4の面積が凹部3の開口面積と同じであり、被エッチング体の開口面積率が30%であり、基体2(開口面積率調整面4)がドライエッチング可能な材質である場合、ドライエッチングされない材質からなる開口面積率調整層5を開口面積率調整面4の30%を被覆するように形成する(開口面積率調整面4の開口面積率は70%となる)ことにより、トレー1と被エッチング体との全体における開口面積率を50%に調整することができる。また、例えば、開口面積率調整面4の面積が凹部3の開口面積と同じであり、被エッチング体の開口面積率が20%であり、基体2(開口面積率調整面4)がドライエッチングされない材質である場合、ドライエッチング可能な材質からなる開口面積率調整層5を開口面積率調整面4の80%を被覆するように形成する(開口面積率調整面4の開口面積率は80%となる)ことにより、トレー1と被エッチング体との全体における開口面積率を50%に調整することができる。さらに、例えば、開口面積率調整面4の面積が凹部3の開口面積と同じであり、被エッチング体の開口面積率が100%(被エッチング体の全面をエッチング)であり、基体2(開口面積率調整面4)がドライエッチング可能な材質である場合、ドライエッチングされない材質からなる開口面積率調整層5を開口面積率調整面4の全面を被覆(被覆率100%)するように形成する(開口面積率調整面4の開口面積率は0%となる)ことにより、トレー1と被エッチング体との全体における開口面積率を50%に調整することができる。
【0024】
この開口面積率調整層5の厚みは、基体2(開口面積率調整面4)がドライエッチング可能な材質からなる場合であって、ドライエッチングされない材質からなる開口面積率調整層5がエッチングレート=0の耐エッチング性を有する材質からなるときには、適宜設定することができる。一方、開口面積率調整層5がエッチングレートは低いながらもドライエッチングされるようなときには、被エッチング体に対する所望のドライエッチングが完了するまで開口面積率調整層5が存在可能な厚みに設定する必要がある。また、基体2(開口面積率調整面4)がドライエッチングされない材質からなる場合、ドライエッチング可能な材質からなる開口面積率調整層5の厚みは、被エッチング体に対する所望のドライエッチングが完了するまで開口面積率調整層5が存在可能な厚みに設定する必要がある。
このような開口面積率調整層5は、凹部3の周囲の開口面積率調整面4に均等に存在することが好ましく、図示例では、凹部3を囲むような環状となっている。また、本発明のトレー1では、図3に示されるように、複数の環状の開口面積率調整層5(図示例では内径の大きい開口面積率調整層5aと内径の小さい開口面積率調整層5bの2個)が同心となるように開口面積率調整面4に位置するものであってもよい。さらに、図4に示されるように、開口面積率調整層5は、凹部3を囲むように不連続で、かつ、等間隔に位置する同形状の複数個(図示例では6個)の開口面積率調整層5cからなるものであってもよい。
【0025】
このような本発明のドライエッチング用のトレー1は、開口面積率調整面4を被覆する開口面積率調整層5の被覆率を調整することにより、トレー1の開口面積率調整面4におけるドライエッチング可能な面積の制御が可能である。したがって、凹部3に嵌合する被エッチング体のドライエッチングの対象となる面積に対応して、トレー1と被エッチング体の全体におけるドライエッチング可能な面積を調整して、ドライエッチングの加工結果を制御することができる。
上述の本発明のドライエッチング用のトレーの実施形態は例示であり、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図5に示されるように、基体2の外形形状が円形であり、被エッチング体を嵌合するための凹部3の開口形状が正方形であるもの、図6に示されるように、基体2の外形形状が正方形であり、被エッチング体を嵌合するための凹部3の開口形状も正方形であるもの、図7に示されるように、基体2の外形形状が正方形であり、被エッチング体を嵌合するための凹部3の開口形状が円形であるような実施形態も可能である。
【0026】
[ドライエッチング方法]
図8及び図9は、本発明のドライエッチング方法の一実施形態を説明するための工程図である。本発明のドライエッチング方法は、基材上にエッチングマスクを形成した被エッチング体であって、露出する基材面積が異なる2種以上の被エッチング体に対して、同じドライエッチング条件でドライエッチングする方法であり、上述の本発明のドライエッチング用のトレーを用いるものであり、図8、図9では、上述のトレー1を用いた例を示している。
【0027】
まず、図8について、トレーと被エッチング体との全体における開口面積率を説明する。ここでは、ドライエッチング用のトレー1Aの凹部3に被エッチング体11を嵌合して保持する(図8(A))。被エッチング体11は、基材12のドライエッチングを受ける面12a側に所望のパターンでエッチングマスク13が形成されている。そして、被エッチング体11のドライエッチングを受ける面の面積はS1であり、被エッチング体のドライエッチングの対象となる面積(エッチングマスク13が存在せずに基材12の面12aが露出している面積)はS′1となっている。一方、トレー1Aは、基体2が、被エッチング体11の基材12をエッチングするガスによりドライエッチング可能な材質からなっており、開口面積率調整面4には、ドライエッチングされない材質からなる開口面積率調整層5が設けられている。そして、開口面積率調整面4の面積はS2であり、開口面積率調整面4におけるドライエッチング可能な面積(開口面積率調整層5で被覆されずに開口面積率調整面4が露出している面積)はS′2となっている。このようにトレー1Aの凹部3に被エッチング体11を嵌合保持した状態において、被エッチング体11のドライエッチングを受ける面側の面積S1とトレー1Aの開口面積率調整面4の面積S2との合計面積(S1+S2)をSwとし、被エッチング体11のドライエッチングの対象となる面積S′1とトレー1Aの開口面積率調整面4におけるドライエッチング可能な面積S′2の合計面積(S′1+S′2)をSeとする。そして、トレー1Aと被エッチング体11との全体における開口面積率[(Se/Sw)×100]を算出して、その値をR1とする。
【0028】
次に、図9について、トレーと被エッチング体との全体における開口面積率を説明する。ここでは、ドライエッチング用のトレー1Bの凹部3に被エッチング体21を嵌合して保持する(図9(A))。被エッチング体21は基材22のドライエッチングを受ける面22a側に所望のパターンでエッチングマスク23が形成されている。そして、被エッチング体21のドライエッチングを受ける面の面積はS1であり、被エッチング体のドライエッチングの対象となる面積(エッチングマスク23が存在せずに基材22の面22aが露出している面積)はS″1となっている。一方、トレー1Bは、基体2が、被エッチング体21の基材22をエッチングするガスによりドライエッチング可能な材質からなっており、開口面積率調整面4には、ドライエッチングされない材質からなる開口面積率調整層5が設けられている。そして、開口面積率調整面4の面積はS2であり、開口面積率調整面4におけるドライエッチング可能な面積(開口面積率調整層5で被覆されずに開口面積率調整面4が露出している面積)はS″2となっている。このようにトレー1Bの凹部3に被エッチング体21を嵌合保持した状態において、被エッチング体21のドライエッチングを受ける面側の面積S1とトレー1Bの開口面積率調整面4の面積S2との合計面積(S1+S2)をSwとし、被エッチング体21のドライエッチングの対象となる面積S″1とトレー1Bの開口面積率調整面4におけるドライエッチング可能な面積S″2の合計面積(S″1+S″2)をSeとする。そして、トレー1Bと被エッチング体21との全体における開口面積率[(Se/Sw)×100]を算出して、その値をR2とする。
【0029】
本発明では、上記の開口面積率R1と開口面積率R2との差が±10%以下、好ましくは±5%以下、より好ましくは、開口面積率R1および開口面積率R2が45〜55%の範囲内となるように、トレー1Aおよびトレー1Bにおいて、それぞれ開口面積率調整層5による開口面積率調整面4の被覆面積を調整する。
尚、被エッチング体11のエッチングマスク13と、トレー1Aの開口面積率調整層5とが同じ材料である場合、トレー1Aの凹部3に被エッチング体11を嵌合した状態で、エッチングマスク13と開口面積率調整層5とを同一工程で成膜、パターニングしてもよい。また、被エッチング体21のエッチングマスク23と、トレー1Bの開口面積率調整層5とが同じ材料である場合、トレー1Bの凹部3に被エッチング体21を嵌合した状態で、エッチングマスク23と開口面積率調整層5とを同一工程で成膜、パターニングしてもよい。
【0030】
上記の図8(A)、図9(A)に示されるように、本発明では、ドライエッチングの対象となる面積がS′1である被エッチング体11とトレー1Aにおける開口面積率R1と、ドライエッチングの対象となる面積がS″1である被エッチング体21とトレー1Bにおける開口面積率R2との差が±10%以下となるように、使用するトレー1A、トレー1Bの開口面積率調整層5による開口面積率調整面4の被覆面積を調整することが特徴である。開口面積率R1と開口面積率R2との差が±10%を超えると、同じ条件でのドライエッチングによる被エッチング体11,21のエッチング深さ、エッチング形状等のエッチング加工結果にバラツキが発生する。
【0031】
次いで、トレー1Aの凹部3に被エッチング体11を嵌合保持した状態で両者に対してドライエッチングを行い(図8(B))、また、トレー1Bの凹部3に被エッチング体21を嵌合保持した状態で両者に対して、被エッチング体11の場合と同じ条件でドライエッチングを行う(図9(B))。ドライエッチングは、反応性ガスエッチング、反応性イオンエッチング、反応性イオンビームエッチング等の公知のドライエッチングから、被エッチング体11,21の材質を考慮して、使用するエッチングガスと共に適宜選択することができ、例えば、被エッチング体がシリコンの場合、フッ素系ガスを用いた反応性イオンエッチングによるドライエッチングを行うことができる。このドライエッチングでは、トレー1A,1Bとも、開口面積率調整層5で被覆されずに露出している開口面積率調整面4は、被エッチング体11,21のドライエッチングと同時にドライエッチングされて面4′となる。そして、上記のように、トレー1Aと被エッチング体11との全体における開口面積率、および、トレー1Bと被エッチング体21との全体における開口面積率が45〜55%の範囲内であるため、ドライエッチングの対象となる面積が異なる被エッチング体11、21に対するエッチングの深さ、エッチング形状等は、同等のものとすることができる。
【0032】
その後、トレー1A,1Bの凹部3からそれぞれ被エッチング体11,21を取り出すことにより、ドライエッチングが完了した被エッチング体を得ることができる。凹部3からの被エッチング体11,21の取り出しは、例えば、予め凹部3の側壁面に微細な切欠き部を設けておくこと、あるいは、被エッチング体11,21にオリフラ部あるいはノッチ部を設けておくことにより、これらをきっかけとして行うことができる。
尚、上記の例では、トレー1A,1Bは、基体2が、被エッチング体11,21の基材12,22をエッチングするガスによりドライエッチング可能な材質からなり、開口面積率調整層5はドライエッチングされない材質からなる場合であるが、基体2がドライエッチングされない材質からなり、開口面積率調整層5がドライエッチング可能な材質からなる場合であっても、同様に、開口面積率R1と開口面積率R2との差が±10%以下となるように開口面積率調整面4を被覆する開口面積率調整層5の被覆率を調整することができる。
【0033】
このような本発明のドライエッチング方法では、本発明のドライエッチング用のトレー1A,1Bを使用し、開口面積率調整面4を被覆する開口面積率調整層5の被覆率を調整することにより、トレーと被エッチング体の全体におけるドライエッチング可能な面積を調整して、ドライエッチングの対象となる面積がS′1である被エッチング体11とトレー1Aにおける開口面積率R1と、ドライエッチングの対象となる面積がS″1である被エッチング体21とトレー1Bにおける開口面積率R2との差を±10%以下とし、トレーと被エッチング体の両者に対してドライエッチングを行うので、ドライエッチングの対象となる面積が異なる被エッチング体11、21に対して、同じドライエッチング条件でエッチングの深さ、形状等が同等のドライエッチングを行うことができる。また、本発明では、ドライエッチング用のトレー1A,1Bを再使用することも可能である。
上述の本発明のドライエッチング方法の実施形態は例示であり、本発明はこれに限定されるものではない。
【0034】
[ドライエッチング用のトレーの製造方法]
図10は、本発明のドライエッチング用のトレーの製造方法の一実施形態を説明するための工程図である。
本発明は、ドライエッチング時に被エッチング体を保持するためのドライエッチング用のトレーを製造するための方法であり、まず、基体2の一つの面2aに被エッチング体嵌合用の凹部3を形成するとともに、この凹部3の周囲の面2aを開口面積率調整面4とする(図10(A))。
使用する基体2は、後工程で形成する開口面積率調整層5との関係が、一方がドライエッチング可能な材質であり、他方がドライエッチングされない材質となるものである。したがって、(1)基体2がドライエッチング可能な材質の場合、開口面積率調整層5はドライエッチングされない材質であり、(2)開口面積率調整層5がドライエッチング可能な材質の場合、基体2はドライエッチングされない材質となる。尚、ドライエッチング可能な材質、および、ドライエッチングされない材質については、上述の本発明のドライエッチング用のトレーでの説明と同様であるので、説明を省略する。
【0035】
凹部3は、被エッチング体を嵌合して保持するためのものであり、切削加工、フォトリソグラフィー法を用いたウエットエッチング法またはドライエッチング法等により形成することができる。凹部3の開口形状、開口寸法、深さは、被エッチング体の形状を考慮して適宜設定することができる。また、凹部3の周囲に開口面積率調整面4が均等に存在するように、基体2の中央部に凹部3を形成することが好ましく、これにより、ドライエッチングの加工結果の制御の精度を高めることができる。
次に、ドライエッチングの対象となる被エッチング体と同形状のダミー部材7を凹部3に嵌着する(図10(B))。ダミー部材7は、後工程で開口面積率調整面4上に開口面積率調整層5を形成する際の耐性を有する材質であれば特に制限はない。
次いで、上記の基体2がドライエッチング可能な材質からなる場合には、開口面積率調整面4とダミー部材7とを被覆するように、ドライエッチングされない材質からなる耐エッチング層5′を形成し、また、上記の基体2がドライエッチングされない材質からなる場合には、開口面積率調整面4とダミー部材7とを被覆するように、ドライエッチング可能な材質からなるエッチング層5′を形成する(図10(C))。このような耐エッチング層5′、あるいは、エッチング層5′は、所望の塗布液をスピンコート法等により塗布する方法、あるいは、スパッタリング法等の真空成膜法により形成することができる。尚、ドライエッチング可能な材質、および、ドライエッチングされない材質については、上述の本発明のドライエッチング用のトレーでの説明と同様であるので、説明を省略する。
【0036】
耐エッチング層5′の厚みは、耐エッチング層5′がエッチングレート=0の耐エッチング性を有する材質からなるときには、適宜設定することができる。しかし、耐エッチング層5′がエッチングレートは低いながらもドライエッチングされるときには、被エッチング体に対する所望のドライエッチングが完了するまで存在可能な厚みに設定する必要がある。一方、エッチング層5′の厚みは、被エッチング体に対する所望のドライエッチングが完了するまで存在可能な厚みに設定する必要がある。
次に、耐エッチング層5′、あるいは、エッチング層5′をパターニングして開口面積率調整面4上に開口面積率調整層5を形成する(図10(D))。耐エッチング層5′、あるいは、エッチング層5′のパターニングは、例えば、フォトリソグラフィー法を用いたウエットエッチング法、またはドライエッチング法等により行うことができる。
この開口面積率調整層5の形成では、対象となる被エッチング体のドライエッチングを受ける面側の面積と開口面積率調整面4の面積との合計面積をSwとし、被エッチング体のドライエッチングの対象となる面積と開口面積率調整面4におけるドライエッチング可能な面積(耐エッチング層5′のパターンで被覆されていない面積、あるいは、エッチング層5′のパターンで被覆されている面積)の合計面積をSeとしたときに、開口面積率[(Se/Sw)×100]が45〜55%の範囲内となるように、開口面積率調整層5による開口面積率調整面4の被覆率を0〜100%の範囲で設定する。
【0037】
また、開口面積率調整層5の形状は、凹部3の周囲の開口面積率調整面4に均等に存在することが好ましく、例えば、上述の本発明のドライエッチング用のトレーでの説明で図2〜図4に示したような形状とすることができる。
その後、ダミー部材7を凹部3から取り外すことにより、ドライエッチング用のトレー1を得ることができる(図10(D))。凹部3からのダミー部材7の取り外しは、例えば、予め凹部3の側壁面に微細な切欠き部を設けておくこと、あるいは、ダミー部材7にオリフラ部あるいはノッチ部を設けておくことにより、これらをきっかけとして行うことができる。
このような本発明のドライエッチング用のトレーの製造方法は、基体2に形成した被エッチング体嵌合用の凹部3にダミー部材7を嵌着した状態で、開口面積率調整面4上に開口面積率調整層5を形成するので、トレーと被エッチング体の全体における開口面積率が45〜55%の範囲となるような被覆率で開口面積率調整層5を容易に形成することができ、トレーを簡便に製造することができる。
上述の本発明のドライエッチング用のトレーの実施形態は例示であり、本発明はこれに限定されるものではない。
【0038】
[ナノインプリント用のモールドの製造方法]
図11および図12は、本発明のナノインプリント用のモールドの製造方法の一実施形態を説明するための工程図である。この実施形態では、上述の本発明のドライエッチング用のトレーを使用した例を挙げて説明する。
まず、図11を参照してマスターモールド作製工程を説明する。この工程では、マスターモールド用の基材42の被エッチング面42aに所望の開口部43aを有するエッチングマスク43を形成する(図11(A))。マスターモールド用の基材42は、所望の光透過が可能な基材、あるいは、所望の加熱処理に対する耐性を具備している基材を用いることができる。このような基材42の材料としては、例えば、シリコン等の半導体材料、石英ガラス、珪酸系ガラス、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、アクリルガラス等、あるいは、これらの任意の積層材を用いることができる。また、基材42の厚みは、基材42の強度、取り扱い適性、被加工物の材質等を考慮して設定することができ、例えば、300μm〜10mm程度の範囲で適宜設定することができる。
【0039】
開口部43aを有するエッチングマスク43は、例えば、被エッチング面42a上に真空成膜法で金属薄膜を形成し、この金属薄膜上に塗布法でレジスト膜を形成し、レーザー描画で開口部43aに対応するレジストパターンを形成した後、ドライエッチング等で金属薄膜を加工して開口部43aを形成する方法、電子線レジストを基材42の被エッチング面42aに塗布し、電子線描画で開口部43aを形成する方法等により形成することができる。また、開口部43aの形状、寸法、配設位置、個数等は、製造しようとするモールドに応じて適宜設定することができる。図13は、このようなエッチングマスク43が形成された基材42の平面図であり、基材42は、エッチングマスク43の開口部43aが形成されているパターン領域44A(図示例では鎖線のハッチを付して示している)と、その周囲に位置しエッチングマスク43で被覆されている非パターン領域44B(図示例では実線のハッチを付して示している)とからなっている。
【0040】
次に、基材42の周囲に被エッチング面42aと同一方向を向く開口面積率調整面104を備えた第1開口面積率調整部材101を配する(図11(B))。本実施形態では、第1開口面積率調整部材101として本発明のドライエッチング用のトレーを使用する。ここでは、第1開口面積率調整部材101は、ドライエッチング可能な材質からなる基体102と、被エッチング体である基材42を嵌合するための凹部103と、その周囲に位置する開口面積率調整面104と、この開口面積率調整面104を0〜100%の範囲で被覆する開口面積率調整層105(ドライエッチングされない材質からなる層)を備えている。図14は、このように基材42の周囲に第1開口面積率調整部材101を配した状態を示す平面図であり、基材42は凹部103に嵌合して保持されており、基材42の周囲には開口面積率調整面104が位置する。尚、図14では、開口面積率調整層105に実線のハッチを付して示している。
【0041】
使用する第1開口面積率調整部材101について更に説明する。マスターモールド用の基材42の被エッチング面42aの面積と第1開口面積率調整部材101の開口面積率調整面104の面積との合計面積をSwとし、被エッチング面42aのドライエッチングの対象となる面積(開口部43aの合計面積)と第1開口面積率調整部材101の開口面積率調整面104におけるドライエッチング可能な面積(開口面積率調整層105で被覆されずに露出している面積)の合計面積をSeとして算出した開口面積率[(Se/Sw)×100]をR1とする。そして、後述するコピーモールド作製工程において算出した開口面積率R2との差が±10%以下、好ましくは±5%以下、より好ましくは、開口面積率R1および開口面積率R2が45〜55%の範囲内となるように、開口面積率調整面104を、ドライエッチングができない材質からなる開口面積率調整層105によって被覆する。図示例は、被エッチング面42aのドライエッチングの対象となる面積(開口部43aの合計面積)が小さく、開口面積率R1および開口面積率R2を45〜55%の範囲内とするために、開口面積率調整面104は、その一部が環状の開口面積率調整層105で被覆され、大部分が露出した状態とされている。
【0042】
次いで、基材42および第1開口面積率調整部材101に対してドライエッチングを行う(図11(C))。このドライエッチングは、反応性ガスエッチング、反応性イオンエッチング、反応性イオンビームエッチング等の公知のドライエッチングから、基材42の材質を考慮して、使用するエッチングガスと共に適宜選択することができ、例えば、基材42がシリコンやガラスの場合、フッ素系ガスを用いた反応性イオンエッチングによるドライエッチングを行うことができる。このようなドライエッチングにより、第1開口面積率調整部材101の開口面積率調整面104は、開口面積率調整層105で被覆されていない領域が、エッチングマスク43の開口部43aに露出している基材42の被エッチング面42aのドライエッチングと同時にドライエッチングされて面104′となる。
その後、エッチングマスク43を除去するとともに、第1開口面積率調整部材101を取り外して、基材42の被エッチング面42aに所望の凹部45を備えたマスターモールド41を得る(図11(D))。
【0043】
次に、図12を参照してコピーモールド作製工程を説明する。この工程では、コピーモールド用の基材52の被エッチング面52aにエッチングマスク材料層61を配設し、上記のように作製したマスターモールド41をエッチングマスク材料層61に押し当てる(図12(A))。そして、この状態でエッチングマスク材料層61を光硬化あるいは冷却して硬化させた後、マスターモールド41を離型して、マスターモールド41が備える凹部45に対応した凸部62を有するエッチングマスク材料層61′を形成する(図12(B))。コピーモールド用の基材52は、所望の光透過が可能な基材、あるいは、所望の加熱処理に対する耐性を具備している基材とすることができ、マスターモールド作製工程と同じドライエッチング条件でドライエッチングを行うために、通常、マスターモールド用の基材42と同じ基材を使用する。また、エッチングマスク材料層61は、光硬化性の樹脂材料、あるいは、加熱により軟化させてモールドを押し当て、その状態で冷却して硬化させた後にモールドとの離型が可能な樹脂材料を基材52の被エッチング面52a上にスピンコート法等の塗布手段により形成することができる。
次いで、エッチングマスク材料層61′を、酸素プラズマによる残膜除去によって、凸部62に対応する部位のみを残してエッチングマスク53とする(図12(C))。図15は、このようなエッチングマスク53が形成された基材52の平面図であり、基材52は、エッチングマスク53が形成されているパターン領域54A(図示例では実線のハッチを付して示している)と、その周囲に位置し被エッチング面52aが露出している非パターン領域54Bとからなっている。
【0044】
次に、基材52の周囲に被エッチング面52aと同一方向を向く開口面積率調整面114を備えた第2開口面積率調整部材111を配する(図12(D))。本実施形態では、第2開口面積率調整部材111として本発明のドライエッチング用のトレーを使用する。ここでは、第2開口面積率調整部材111は、ドライエッチング可能な材質からなる基体112と、被エッチング体である基材52を嵌合するための凹部113と、その周囲に位置する開口面積率調整面114と、この開口面積率調整面114を0〜100%の範囲で被覆する開口面積率調整層115(ドライエッチングされない材質からなる層)を備えている。図16は、このように基材52の周囲に第2開口面積率調整部材111を配した状態を示す平面図であり、基材52は凹部113に嵌合して保持されており、基材52の周囲には開口面積率調整面114が位置する。尚、図16では、開口面積率調整層115に実線のハッチを付して示している。
【0045】
使用する第2開口面積率調整部材111について更に説明する。コピーモールド用の基材52の被エッチング面52aの面積と第2開口面積率調整部材111の開口面積率調整面114の面積との合計面積をSwとし、被エッチング面52aのドライエッチングの対象となる面積(エッチングマスク53で被覆されずに露出している面積)と第2開口面積率調整部材111の開口面積率調整面114におけるドライエッチング可能な面積(開口面積率調整層115で被覆されずに露出している面積)の合計面積をSeとして算出した開口面積率[(Se/Sw)×100]をR2とする。そして、上述のマスターモールド作製工程において算出した開口面積率R1との差が±10%以下、好ましくは±5%以下、より好ましくは、開口面積率R1および開口面積率R2が45〜55%の範囲内となるように、開口面積率調整面114を、ドライエッチングができない材質からなる開口面積率調整層115によって被覆する。図示例では、被エッチング面52aのドライエッチングの対象となる面積(エッチングマスク53で被覆されずに露出している面積)が大きく、開口面積率R1および開口面積率R2を45〜55%の範囲内とするために、開口面積率調整面114は、その大部分が開口面積率調整層115で被覆された状態となっている。
【0046】
次いで、基材52および第2開口面積率調整部材111に対してドライエッチングを行う(図12(E))。このドライエッチングは、上記のマスターモールド作製工程と同じドライエッチング条件で行うことができる。このようなドライエッチングにより、第2開口面積率調整部材111の開口面積率調整面114は、開口面積率調整層115で被覆されていない領域が、エッチングマスク53で被覆されずに露出している基材52の被エッチング面52aのドライエッチングと同時にドライエッチングされて面114′となる。
その後、エッチングマスク53を除去するとともに、第2開口面積率調整部材111を取り外して、基材52の被エッチング面52aに所望の凸部55を備えたコピーモールド51を得る(図12(F))。
上述の第1開口面積率調整部材101と第2開口面積率調整部材111を用いた例では、基体102,112がドライエッチング可能な材質からなり、開口面積率調整層105,115がドライエッチングされない材質からなるが、材質の関係が逆であってもよい。
【0047】
上述の実施形態は、本発明のドライエッチング用のトレーを使用した例であるが本発明のナノインプリント用のモールドの製造方法は、これに限定されるものではない。
図17および図18は、本発明のナノインプリント用のモールドの製造方法の他の実施形態を説明するための図である。
まず、図17では、上述の実施形態と同様(図11(A)参照)に、マスターモールド用の基材42の被エッチング面42aに開口部43aを有するエッチングマスク43を形成する。そして、この基材42を載置盤71に載置し、基材42の周囲に被エッチング面42aと同一方向を向く開口面積率調整面124を備えた第1開口面積率調整部材121を配する(図17(A))。この第1開口面積率調整部材121は、マスターモールド用の基材42の外形に対応した開口部123を有する環状部材122と、開口面積率調整面124を0〜100%の範囲で被覆する開口面積率調整層125を備えている(図17(B))。尚、図17(B)では、開口面積率調整層125に実線のハッチを付して示している。
そして、環状部材122と開口面積率調整層125は、一方がドライエッチング可能な材質であり、他方がドライエッチングされない材質であり、この例では、上記のマスターモールド作製工程(図11参照)に対応して、環状部材122がドライエッチング可能な材質からなり、開口面積率調整層125がドライエッチングされない材質からなる。
【0048】
このような第1開口面積率調整部材121について更に説明する。マスターモールド用の基材42の被エッチング面42aの面積と第1開口面積率調整部材121の開口面積率調整面124の面積との合計面積をSwとし、被エッチング面42aのドライエッチングの対象となる面積(開口部43aの合計面積)と第1開口面積率調整部材121の開口面積率調整面124におけるドライエッチング可能な面積(開口面積率調整層125で被覆されずに露出している面積)の合計面積をSeとして算出した開口面積率[(Se/Sw)×100]をR1とする。そして、後述するコピーモールド作製工程において算出した開口面積率R2との差が±10%以下、好ましくは±5%以下、より好ましくは、開口面積率R1および開口面積率R2が45〜55%の範囲内となるように、開口面積率調整面124を、ドライエッチングができない材質からなる開口面積率調整層125によって被覆する。図示例は、被エッチング面42aのドライエッチングの対象となる面積(開口部43aの合計面積)が小さく、開口面積率R1および開口面積率R2を45〜55%の範囲内とするために、開口面積率調整面124は、その一部が環状の開口面積率調整層125で被覆され、大部分が露出した状態とされている。
【0049】
そして、載置盤71に載置された状態で、基材42および第1開口面積率調整部材121に対してドライエッチングを行い、その後、エッチングマスク43を除去するとともに、第1開口面積率調整部材121を取り外して、基材42の被エッチング面42aに所望の凹部を備えたマスターモールドを得ることができる。
また、図18では、上述の実施形態と同様(図12(A)〜図12(C)参照)に、コピーモールド用の基材52の被エッチング面52aにエッチングマスク53を形成する。そして、この基材52を載置盤71に載置し、基材52の周囲に被エッチング面52aと同一方向を向く開口面積率調整面134を備えた第2開口面積率調整部材131を配する(図18(A))。この第2開口面積率調整部材131は、コピーモールド用の基材52の外形に対応した開口部133を有する環状部材132と、開口面積率調整面134を0〜100%の範囲で被覆する開口面積率調整層135(図示例では、開口部133を囲むような環状となっており、実線のハッチを付して示している)を備えている(図18(B))。そして、環状部材132と開口面積率調整層135は、一方がドライエッチング可能な材質であり、他方がドライエッチングされない材質であり、この例では、上記のコピーモールド作製工程(図12参照)に対応して、環状部材132がドライエッチング可能な材質からなり、開口面積率調整層135がドライエッチングされない材質からなる。
【0050】
このような第2開口面積率調整部材131について更に説明する。コピーモールド用の基材52の被エッチング面52aの面積と第2開口面積率調整部材131の開口面積率調整面134の面積との合計面積をSwとし、被エッチング面52aのドライエッチングの対象となる面積(エッチングマスク53で被覆されずに露出している面積)と第2開口面積率調整部材131の開口面積率調整面134におけるドライエッチング可能な面積(開口面積率調整層135で被覆されずに露出している面積)の合計面積をSeとして算出した開口面積率[(Se/Sw)×100]をR2とする。そして、上述のマスターモールド作製工程において算出した開口面積率R1との差が±10%以下、好ましくは±5%以下、より好ましくは、開口面積率R1および開口面積率R2が45〜55%の範囲内となるように、開口面積率調整面134を、ドライエッチングができない材質からなる開口面積率調整層135によって被覆する。図示例では、被エッチング面52aのドライエッチングの対象となる面積(エッチングマスク53で被覆されずに露出している面積)が大きく、開口面積率R1および開口面積率R2を45〜55%の範囲内とするために、開口面積率調整面134は、その大部分が開口面積率調整層135で被覆された状態となっている。
そして、載置盤71に載置された状態で、基材52および第2開口面積率調整部材131に対してドライエッチングを行い、その後、エッチングマスク53を除去するとともに、第2開口面積率調整部材131を取り外して、基材52の被エッチング面52aに所望の凸部を備えたコピーモールドを得ることができる。
【0051】
このような本発明のナノインプリント用のモールドの製造方法は、マスターモールド作製工程における第1開口面積率調整部材101,121を用いたドライエッチングでの開口面積率R1と、コピーモールド作製工程における第2開口面積率調整部材111,131を用いたドライエッチングでの開口面積率R2との差が±10%以下、好ましくは±5%以下、より好ましくは、開口面積率R1および開口面積率R2が45〜55%の範囲内とされているので、マスターモールド作製工程とコピーモールド作製工程のドライエッチング条件を同じにしても、2種の被エッチング体である基材42,52に対して、エッチングの深さ、形状等が同等のドライエッチングを行うことができる。これにより、マスターモールドのパターンとネガポジ反転の関係にあるパターンを備えたコピーモールドを高い精度で、かつ、簡便な工程管理で製造するこができる。また、使用する開口面積率調整部材101,111,121,131の開口面積率調整面104,114,124,134を被覆する開口面積率調整層105,115,125,135の被覆率を調整することにより、基材42と開口面積率調整部材101,121、基材52と開口面積率調整部材111,131とを一体とした開口面積率を45〜55%とするので、製造するモールドの仕様変更にともなってモールド用の基材の開口面積率が変更されても、変更毎のドライエッチングの条件出しが不要であり、多品種のモールドの製造が容易である。
【0052】
上述の本発明のナノインプリント用モールドの製造方法の実施形態は例示であり、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、上述の第2開口面積率調整部材131における開口面積率調整層135は、開口部133を囲むような環状となっているが、図19に示されるように、複数の環状の開口面積率調整層135(図示例では内径の大きい開口面積率調整層135aと内径の小さい開口面積率調整層135bの2個)が同心となるように開口部133の周囲に位置するものであってもよい。さらに、図20に示されるように、開口面積率調整層135は、開口部133を囲むように不連続で、かつ、等間隔に位置する同一形状の複数個(図示例では6個)の開口面積率調整層135cからなるものであってもよい。第1開口面積率調整部材121についても、所望の被覆率となるように、開口面積率調整層125を上記のように形成することができる。
【0053】
また、上述の第1開口面積率調整部材121と第2開口面積率調整部材131を用いた例では、環状部材122,132がドライエッチング可能な材質からなり、開口面積率調整層125,135がドライエッチングされない材質からなるが、材質の関係が逆であってもよい。例えば、図21(A)に示すように、環状部材122′がドライエッチングされない材質からなり、開口面積率調整層125′がドライエッチング可能な材質からなる第1開口面積率調整部材121′を使用することができる。これを上記の第1開口面積率調整部材121の代わりに使用するときには、図示のように、開口面積率調整面124の大部分を被覆するように開口面積率調整層125′(鎖線のハッチを付して示している)を形成する。また、図21(B)に示すように、環状部材132′がドライエッチングされない材質からなり、開口面積率調整層135′がドライエッチング可能な材質からなる第2開口面積率調整部材131′を使用してもよい。これを上記の第2開口面積率調整部材131の代わりに使用するときには、図示のように、開口面積率調整面134の一部を被覆するように環状の開口面積率調整層135′(鎖線のハッチを付して示している)を形成する。
【0054】
また、上述の第1開口面積率調整部材121と第2開口面積率調整部材131は、環状部材122,132が複数の部材からなるものであってもよい。図22は、このような第2開口面積率調整部材131の例を示す図であり、4個の環状部材132Aが中心方向に対して離接可能とされている。各環状部材132Aには、開口面積率調整面134上に所望の被覆率で開口面積率調整層135が形成されている。そして、中心方向に接近して相互に当接した状態で、図18(B)に示されるような第2開口面積率調整部材131となる。このような構成とすることにより、基材52の周囲への第2開口面積率調整部材131の配設が容易となる。
さらに、上述の第1開口面積率調整部材121と第2開口面積率調整部材131は、環状部材122,132の外形形状、開口部123,133の開口形状が他の形状であってもよい。図23は、このような第2開口面積率調整部材131の例を示す図であり、図23(A)に示されるように、基材52の外形形状が正方形であり、これに対応して開口部133の開口形状が正方形であり、さらに、環状部材132の外形形状も正方形であるもの、図23(B)に示されるように、基材52の外形形状が正方形であり、これに対応して開口部133の開口形状は正方形であるが、環状部材132の外形形状が円形であってもよい。
【実施例】
【0055】
次に、より具体的な実施例を示して本発明を更に詳細に説明する。
[実施例]
<ドライエッチング用のトレーの作製>
ドライエッチング可能な材質からなる基体として、円形平板の石英ガラス(直径200mm、厚み1mm)を準備した。
この基体の中央部に切削加工により開口形状が直径150mmの円形であり、深さが0.625mmである凹部を形成した。そして、この凹部の周囲に幅25mmで存在する環状の基板面を開口面積率調整面(面積約13,738mm2)とした。
次に、上記の凹部にシリコンからなる直径150mm、厚み0.625mmの円形平板であるダミー部材を嵌着し、このダミー部材と開口面積率調整面を被覆するようにスパッタリング法によりクロム薄膜を成膜して耐エッチング層を形成した。その後、コンタクトアライナーによるリソグラフィーにより耐エッチング層をパターニングして、開口面積率調整面上に幅2.8mm、内側の開口直径が150mmである環状の開口面積率調整層(厚み300nm)を形成してトレーAとした。このトレーAにおける開口面積率調整層の面積は約1345mm2であり、開口面積率調整面の被覆率は9.8%であった。
また、開口面積率調整面上に幅22.8mm、内側の開口直径が150mmである環状の開口面積率調整層(厚み300nm)を形成した他は、上記と同様にして、トレーBを作製した。このトレーBにおける開口面積率調整層の面積は約12392mm2であり、開口面積率調整面の被覆率は90.2%であった。
【0056】
<マスターモールドの作製>
マスターモールド用の基材として、円形平板の石英ガラス(直径150mm、厚み0.625mm)を準備した。
この基材の一方の面にポジ型電子線レジスト(日本ゼオン(株)製 ZEP520)をスピンコート法で塗布し、電子線描画により微細な開口部を形成してエッチングマスクを形成した。上記の開口部は、基材の中央の直径100mmの領域(パターン領域)に位置し、各開口部の直径は300nmであり、各開口部の中心が一辺440nmの正三角形をなすように三角格子配列とされたものであった。このようなエッチングマスクを形成した基材の開口面積率は19%であった。
尚、開口面積率とは、ドライエッチングを受ける面の面積をSwとし、エッチングマスク等のドライエッチングされない材質で被覆されていない面積(ドライエッチングの対象となる面積)をSeとしたときに、(Se/Sw)×100で算出される値である。
【0057】
次に、上記の基材を、トレーAの凹部に嵌合させた。この状態において、基材の被エッチング面(直径150mm)の面積とトレーAの開口面積率調整面の面積(約13,738mm2)との合計面積をSwとし、基材のドライエッチングの対象となる面積(エッチングマスクの開口部の合計面積)とトレーAの開口面積率調整面におけるドライエッチング可能な面積(開口面積率調整層で被覆されずに露出している面積)の合計面積をSeとし、開口面積率[(Se/Sw)×100]を算出した結果、約50%であった。
【0058】
この状態で、基材およびトレーAに対して下記の条件でドライエッチングを行い、その後、トレーAから基材を取出し、クロムのウエットエッチングによってエッチングマスクを除去して、マスターモールドを得た。このマスターモールドは、基材の中央の直径100mmの領域(パターン領域)に、開口直径が300nm、深さ330nmの円形凹部が、その中心が一辺440nmの正三角形をなすように三角格子配列されて位置するものであった。
(ドライエッチングの条件)
・エッチング方式 : RIE
・エッチングガス : CF4
・ガス流量 : 100sccm
・チャンバー圧力 : 3.0Pa
【0059】
尚、トレーAの基体と開口面積率調整層との段差を触針式段差計を用いて計測し、エッチングによる段差の増加量からエッチングレートを算出した結果、上記のドライエッチング条件におけるトレーAの基体、および、マスターモールド用の基材のエッチングレートは、30nm/分であった。また、エッチングマスク、および、トレーAの開口面積率調整層のエッチングレートは、トレーAの基体のエッチングレートと比較してゼロに近似できるものであった。
【0060】
<コピーモールドの作製>
コピーモールド用の基材として、円形平板の石英ガラス(直径150mm、厚み0.625mm)を準備した。
この基材上に、光硬化性樹脂材料(東洋合成工業(株)製 PAK−01)をスピンコート法で塗布して、エッチングマスク材料層とした。このエッチングマスク材料層に上記のマスターモールドの凹部形成側を押し当て、この状態でマスターモールド側からエッチングマスク材料層に紫外線を照射して硬化させた後、マスターモールドを離型した。これにより、マスターモールドが備える円形凹部に対応した円柱形状の凸部を有するエッチングマスク材料層を形成した。次に、このエッチングマスク材料層を、酸素プラズマによる残膜除去によって、上記の凸部に対応した部位のみを残してエッチングマスクとした。このエッチングマスクは、基材の中央の直径100mmの領域(パターン領域)に高さが330nmの円柱形状の凸部が形成されたものであり、各凸部の直径は300nmであり、各凸部の中心が一辺440nmの正三角形をなすように三角格子配列とされたものであった。このようなエッチングマスクを形成した基材の開口面積率は91%であった。
【0061】
次に、上記の基材を、トレーBの凹部に嵌合させた。この状態において、基材の被エッチング面(直径150mm)の面積とトレーBの開口面積率調整面の面積(約13,738mm2)との合計面積をSwとし、基材のドライエッチングの対象となる面積(エッチングマスクで被覆されていない面積)とトレーBの開口面積率調整面におけるドライエッチング可能な面積(開口面積率調整層で被覆されずに露出している面積)の合計面積をSeとし、開口面積率[(Se/Sw)×100]を算出した結果、約50%であった。
この状態で、基材およびトレーBに対して、上記と同じ条件でドライエッチングを行い、その後、トレーBから基材を取出し、酸素アッシングを用いてエッチングマスクを除去して、コピーモールドを得た。このコピーモールドは、基材の中央の直径100mmの領域(パターン領域)に、直径が300nm、高さ330nmの円柱形状の凸部が、その中心が一辺440nmの正三角形をなすように三角格子配列されて位置するものであり、マスターモールドの反転形状を高い精度で具備するものであった。
尚、上記のドライエッチング条件におけるトレーBの基板、および、コピーモールド用の基材のエッチングレートを上記と同様に測定した結果、30nm/分であった。また、エッチングマスク、および、トレーBの開口面積率調整層のエッチングレートは、トレーBの基体のエッチングレートと比較してゼロに近似できるものであった。
【0062】
[比較例]
エッチングマスクを形成したマスターモールド用の基材に対して、トレーAを用いない他は、実施例のマスターモールド作製と同様にして、マスターモールドを得た。このマスターモールドは、基材の中央の直径100mmの領域(パターン領域)に、中心が一辺440nmの正三角形をなすように凹部が三角格子配列されて位置するものであったが、凹部の開口直径は300nm、深さは350nmであり、実施例で作製したマスターモールドに比べて凹部が20nm深い仕上がりであった。
また、このマスターモールドを使用し、トレーBを用いない他は、実施例のコピーモールド作製と同様にして、コピーモールドを得た。このコピーモールドは、基材の中央の直径100mmの領域(パターン領域)に、中心が一辺440nmの正三角形をなすように円柱形状の凸部が三角格子配列されて位置するものであったが、凸部の直径は300nm、高さは310nmであり、マスターモールドの反転形状としては精度が低いものであった。
【産業上の利用可能性】
【0063】
ドライエッチングあるいはナノインプリント技術を用いた微細加工に利用可能である。
【符号の説明】
【0064】
1…ドライエッチング用のトレー
2…基体
3…凹部
4…開口面積率調整面
5,5a,5b,5c…開口面積率調整層
7…ダミー部材
11,21…被エッチング体
42,52…基材
43,53…エッチングマスク
101,121…第1開口面積率調整部材
111,131…第2開口面積率調整部材
104,114,124,134…開口面積率調整面
105,115,125,135…開口面積率調整層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドライエッチング時に被エッチング体を保持するためのドライエッチング用のトレーにおいて、
基体と、該基体の一つの面に位置する被エッチング体嵌合用の凹部と、該凹部の周囲に位置する開口面積率調整面と、該開口面積率調整面を0〜100%の範囲で被覆する開口面積率調整層と、を備え、前記基体と前記開口面積率調整層は、一方がドライエッチング可能な材質であり、他方がドライエッチングされない材質であることを特徴とするドライエッチング用のトレー。
【請求項2】
前記基体がドライエッチング可能な材質であり、かつ、そのエッチングレートは前記被エッチング体のエッチングレートと同じであることを特徴とする請求項1に記載のドライエッチング用のトレー。
【請求項3】
前記基体の材質は、前記被エッチング体の材質と同じであることを特徴とする請求項2に記載のドライエッチング用のトレー。
【請求項4】
前記開口面積率調整層がドライエッチング可能な材質であり、かつ、そのエッチングレートは前記被エッチング体のエッチングレートと同じであることを特徴とする請求項1に記載のドライエッチング用のトレー。
【請求項5】
前記開口面積率調整層の材質は、前記被エッチング体の材質と同じであることを特徴とする請求項4に記載のドライエッチング用のトレー。
【請求項6】
前記開口面積率調整層は、前記凹部を囲むような環状であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のドライエッチング用のトレー。
【請求項7】
2以上の前記開口面積率調整層が同心となるように位置することを特徴とする請求項6に記載のドライエッチング用のトレー。
【請求項8】
前記開口面積率調整層は、前記凹部を囲むように不連続で、かつ、等間隔に位置する同一形状の複数個の開口面積率調整層からなることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のドライエッチング用のトレー。
【請求項9】
基材上にエッチングマスクを形成した被エッチング体であって、露出する基材面積が異なる2種以上の被エッチング体に対して、同じドライエッチング条件でドライエッチングする方法において、
請求項1乃至請求項8のいずれかに記載のドライエッチング用のトレーを使用し、被エッチング体のドライエッチングを受ける面側の面積と前記トレーの開口面積率調整面の面積との合計面積をSwとし、被エッチング体のドライエッチングの対象となる面積と前記トレーの開口面積率調整面におけるドライエッチング可能な面積の合計面積をSeとし、ドライエッチングの対象となる面積が異なる各被エッチング体について、被エッチング体とトレーとの全体の開口面積率[(Se/Sw)×100]を算出したときに、その差が±10%以下となるように、各トレーの開口面積率調整層による開口面積率調整面の被覆面積を調整し、その後、対応するトレーの凹部に被エッチング体を嵌合保持した状態で両者に対してドライエッチングを行うことを特徴とするドライエッチング方法。
【請求項10】
ドライエッチング時に被エッチング体を保持するためのドライエッチング用のトレーの製造方法において、
ドライエッチング可能な材質からなる基体の一つの面に被エッチング体嵌合用の凹部を形成するとともに、該凹部の周囲の前記面を開口面積率調整面とする工程と、ドライエッチングの対象となる被エッチング体と同形状のダミー部材を前記凹部に嵌着する工程と、該ダミー部材と前記開口面積率調整面を被覆するようにドライエッチングされない材質からなる耐エッチング層を形成する工程と、該耐エッチング層をパターニングして前記開口面積率調整面上に開口面積率調整層を形成する工程と、前記ダミー部材を前記凹部から取り外す工程と、を有し、前記開口面積率調整層を形成する工程では、ドライエッチングの対象となる被エッチング体のドライエッチングを受ける面側の面積と前記開口面積率調整面の面積との合計面積をSwとし、被エッチング体のドライエッチングの対象となる面積と前記開口面積率調整面における前記開口面積率調整層で被覆されていないドライエッチング可能な面積の合計面積をSeとしたときに、開口面積率[(Se/Sw)×100]が45〜55%の範囲内となるように、前記開口面積率調整層による開口面積率調整面の被覆率を0〜100%の範囲で設定することを特徴とするドライエッチング用のトレーの製造方法。
【請求項11】
ドライエッチング時に被エッチング体を保持するためのドライエッチング用のトレーの製造方法において、
ドライエッチングされない材質からなる基体の一つの面に被エッチング体嵌合用の凹部を形成するとともに、該凹部の周囲の前記面を開口面積率調整面とする工程と、ドライエッチングの対象となる被エッチング体と同形状のダミー部材を前記凹部に嵌着する工程と、該ダミー部材と前記開口面積率調整面を被覆するようにドライエッチング可能な材質からなるエッチング層を形成する工程と、該エッチング層をパターニングして前記開口面積率調整面上に開口面積率調整層を形成する工程と、前記ダミー部材を前記凹部から取り外す工程と、を有し、前記開口面積率調整層を形成する工程では、ドライエッチングの対象となる被エッチング体のドライエッチングを受ける面側の面積と前記開口面積率調整面の面積との合計面積をSwとし、被エッチング体のドライエッチングの対象となる面積と前記開口面積率調整面における前記開口面積率調整層で被覆されドライエッチング可能な面積の合計面積をSeとしたときに、開口面積率[(Se/Sw)×100]が45〜55%の範囲内となるように、前記開口面積率調整層による開口面積率調整面の被覆率を0〜100%の範囲で設定することを特徴とするドライエッチング用のトレーの製造方法。
【請求項12】
基材と、該基材の一方の面に位置する凹部と、を備えるナノインプリント用のモールドの製造方法において、
マスターモールド用の基材の被エッチング面に所望の開口部を有するエッチングマスクを形成し、該基材の周囲に前記被エッチング面と同一方向を向く開口面積率調整面を備えた第1開口面積率調整部材を配し、前記基材および前記第1開口面積率調整部材に対してドライエッチングを行い、その後、前記エッチングマスクを除去するとともに、前記第1開口面積率調整部材を取り外して、前記基材の被エッチング面に所望の凹部を備えたマスターモールドを得るマスターモールド作製工程と、
コピーモールド用の基材の被エッチング面にエッチングマスク材料層を配設し、該エッチングマスク材料層に前記マスターモールドを押し当てて、前記マスターモールドが備える凹部に対応した凸部を前記エッチングマスク材料層に形成し、次いで、前記エッチングマスク材料層の前記凸部を除く部位を除去してエッチングマスクとし、その後、前記基材の周囲に前記被エッチング面と同一方向を向く開口面積率調整面を備えた第2開口面積率調整部材を配し、前記基材および前記第2開口面積率調整部材に対してドライエッチングを行い、その後、前記エッチングマスクを除去するとともに、前記第2開口面積率調整部材を取り外して、前記基材の被エッチング面に所望の凹部を備えたコピーモールドを作製してナノインプリント用のモールドとするコピーモールド作製工程と、を有し、
マスターモールド用の前記基材の前記被エッチング面の面積と前記第1開口面積率調整部材の前記開口面積率調整面の面積との合計面積をSwとし、前記被エッチング面のドライエッチングの対象となる面積と前記第1開口面積率調整部材の前記開口面積率調整面におけるドライエッチング可能な面積の合計面積をSeとして算出した開口面積率R1[(Se/Sw)×100]と、コピーモールド用の前記基材の前記被エッチング面の面積と前記第2開口面積率調整部材の前記開口面積率調整面の面積との合計面積をSwとし、前記被エッチング面のドライエッチングの対象となる面積と前記第2開口面積率調整部材の前記開口面積率調整面におけるドライエッチング可能な面積の合計面積をSeとして算出した開口面積率R2[(Se/Sw)×100]との差(R1−R2)が±10%以下となるように、前記第1開口面積率調整部材および前記第2開口面積率調整部材について、それぞれの前記開口面積率調整面を、ドライエッチング可能な材質からなる開口面積率調整層、あるいは、ドライエッチングができない材質からなる開口面積率調整層によって被覆して調整することを特徴とするナノインプリント用のモールドの製造方法。
【請求項13】
前記第1開口面積率調整部材および前記第2開口面積率調整部材は、請求項1乃至請求項8のいずれかに記載のドライエッチング用のトレーであって、前記トレーの開口面積率調整層による開口面積率調整面の被覆面積を調整したものを使用することを特徴とする請求項12に記載のナノインプリント用のモールドの製造方法。
【請求項14】
前記第1開口面積率調整部材および前記第2開口面積率調整部材は、マスターモールド用の基材あるいはコピーモールド用の基材の外形に対応した開口部を有する環状部材であり、該環状部材と前記開口面積率調整層は、一方がドライエッチング可能な材質であり、他方がドライエッチングされない材質であることを特徴とする請求項12に記載のナノインプリント用のモールドの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2011−251509(P2011−251509A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−128634(P2010−128634)
【出願日】平成22年6月4日(2010.6.4)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】