説明

ハイブリッド型建設機械

【課題】電動駆動用の機器の損傷又は破損を抑制しつつ、各電動機を効率的に駆動することのできる昇降圧コンバータを用いたハイブリッド型建設機械を提供することを課題とする。
【解決手段】昇降圧コンバータ100Aは、一側がDCバス110A及びインバータ18A及び18Bを介して電動発電機12、発電機30、及びリフティングマグネット6に接続されるとともに、他側がバッテリ19に接続されており、電動発電機12、発電機30、及びリフティングマグネット6の駆動状態に応じて昇降圧を行う。昇降圧コンバータ100Bは、一側がDCバス110Bを介して旋回用電動機21に接続されるとともに、他側がバッテリ19に接続されており、旋回用電動機21の運転状態に応じて昇圧降圧を行う。互いに定格出力の異なる電動発電機12と旋回用電動機21は別々のDCバス110A、110Bに接続され、それぞれの電圧値は独立的に制御される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、昇圧用スイッチング素子及び降圧用スイッチング素子を有し、負荷への電力供給の制御と、負荷より得られる回生電力の蓄電器への供給の制御とを行う昇降圧コンバータを用いたハイブリッド型建設機械に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、駆動機構の一部を電動化したハイブリッド型建設機械が提案されている。このような建設機械は、ブーム、アーム、バケット若しくはリフティングマグネット、及び下部走行体等の作業要素を油圧駆動するための油圧ポンプを備え、この油圧ポンプを駆動するためのエンジンに増速機を介して電動機を接続し、電動機でエンジンの駆動をアシストするとともに、発電によって得る電力をバッテリに充電している。
【0003】
また、上部旋回体を旋回させるための旋回機構の動力源としても電動機を備え、旋回機構の駆動時に電動機で力行運転(加速時)と回生運転(減速時)を行うことにより、発電される電力をバッテリに充電している(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2005−299102号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、このようなハイブリッド型建設機械では、エンジンをアシストするための電動機と旋回駆動用の電動機とでは必要な駆動力の違い等により定格出力が異なる。
【0005】
また、エンジンをアシストするための電動機は略一定の回転数で電動(アシスト)運転又は発電運転を行うため、電動機の出力の変動は比較的少ないが、旋回駆動用の電動機は上部旋回体の回転に伴って加速(力行運転)と減速(回生運転)を繰り返し行い、作業内容によって運転者のレバー操作量が変更され、それによって旋回駆動用の電動機の回転数も変化する。
【0006】
このため、供給電圧を旋回駆動用の電動機の回転数に応じて変化させると、一定の電圧範囲しか使用しない電動発電機のインバータ(制御器)に対して大きな電圧負荷となり、損傷や破損が生じる恐れがある。
【0007】
一方、一定の回転数でしか回転しない電動発電機に電圧値を合わせると、旋回駆動用の電動機の出力が不足してしまう。
【0008】
そこで、本発明は、電動駆動用の機器の損傷又は破損を抑制しつつ、各電動機を効率的に駆動することのできる昇降圧コンバータを用いたハイブリッド型建設機械を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一局面のハイブリッド型建設機械は、油圧駆動作業要素の駆動に必要な油圧を発生する油圧ポンプを駆動するための内燃機関に機械的に接続され、電動(アシスト)運転及び発電運転を行う電動発電機と、電動駆動作業要素の駆動を行う電動駆動部と、前記電動発電機又は前記電動駆動部に供給するための電力を蓄積するとともに、前記電動発電機又は前記電動駆動部によって発電された電力を充電する蓄電器と、一側が第1DCバスを介して前記電動発電機に接続されるとともに、他側が前記蓄電器に接続され、前記第1DCバスの電圧値を昇圧又は降圧する第1昇降圧コンバータと、一側が第2DCバスを介して前記電動駆動部に接続されるとともに、他側が前記蓄電器に接続され、前記第2DCバスの電圧値を昇圧又は降圧する第2昇降圧コンバータとを含む。
【0010】
また、前記電動駆動部は、上部旋回体の旋回機構を回転駆動するための旋回用電動機であり、前記第1昇降圧コンバータ又は前記第2昇降圧コンバータの少なくとも一方は、前記旋回用電動機の回転速度に応じて前記第1DCバス又は前記第2DCバスの電圧値を可変制御してもよい。
【0011】
また、これに代えて、前記電動駆動部は、上部旋回体の旋回機構を回転駆動するための旋回用電動機であり、前記第1昇降圧コンバータ又は前記第2昇降圧コンバータのいずれか一方は、前記旋回用電動機の回転速度に応じて前記第1DCバス又は前記第2DCバスの電圧値を可変制御し、いずれか他方は、前記第1DCバス又は前記第2DCバスの電圧値を一定値に制御してもよい、
また、この場合に、前記電圧値が一定値に制御される前記第1DCバス又は前記第2DCバスには、リフティングマグネットの駆動回路、又は、電動式の走行機構の駆動回路が接続されてもよい。
【0012】
また、前記第1昇降圧コンバータ又は前記第2昇降圧コンバータの少なくとも一方は自己診断機能を有し、異常時には、異常を表す異常信号を他方に通報してもよい。
【0013】
また、この場合に、前記第1昇降圧コンバータ又は前記第2昇降圧コンバータは、自己診断機能により異常を検出した場合には、自己の電流制限値を他方の昇降圧コンバータの電流制限値に設定させてもよい。
【0014】
また、前記第1昇降圧コンバータ又は前記第2昇降圧コンバータのいずれか一方は自己診断機能を有し、異常時には、異常を表す異常信号を上位制御部に報知してもよい。
【0015】
また、前記第1昇降圧コンバータ又は前記第2昇降圧コンバータの少なくとも一方は、異常時に自己の昇降圧コンバータをバイパスさせるバイパス回路を有してもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、電動駆動用の機器の損傷又は破損を抑制しつつ、各電動機を効率的に駆動することのできる昇降圧コンバータを用いたハイブリッド型建設機械を提供できるという特有の効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明のハイブリッド型建設機械を適用した実施の形態について説明する。
【0018】
「本実施の形態」
図1は、本実施の形態のハイブリッド型建設機械を示す側面図である。
【0019】
このハイブリッド型建設機械の下部走行体1には、旋回機構2を介して上部旋回体3が搭載されている。また、上部旋回体3には、建設機械の作業要素であるブーム4、アーム5、及びリフティングマグネット6と、これらを油圧駆動するためのブームシリンダ7、アームシリンダ8、及びバケットシリンダ9に加えて、キャビン10及び動力源が搭載される。
【0020】
「全体構成」
図2は、本実施の形態のハイブリッド型建設機械の構成を表すブロック図である。この図2では、機械的動力系を二重線、高圧油圧ラインを実線、パイロットラインを破線、電気駆動・制御系を実線でそれぞれ示す。
【0021】
機械式駆動部としてのエンジン11と、アシスト駆動部としての電動発電機12は、ともに増力機としての減速機13の入力軸に接続されている。また、この減速機13の出力軸には、メインポンプ14及びパイロットポンプ15が接続されている。メインポンプ14には、高圧油圧ライン16を介してコントロールバルブ17が接続されている。
【0022】
コントロールバルブ17は、本実施の形態の建設機械における油圧系の制御を行う制御装置であり、このコントロールバルブ17には、下部走行体1用の油圧モータ1A(右用)及び1B(左用)、ブームシリンダ7、アームシリンダ8、及びバケットシリンダ9が高圧油圧ラインを介して接続される。
【0023】
また、電動発電機12には、インバータ18A及び昇降圧コンバータ100Aを介して蓄電装置としてのバッテリ19が接続される。このインバータ18Aと昇降圧コンバータ100Aとの間は、DCバス110Aによって接続されている。
【0024】
また、このDCバス110Aには、インバータ18Bを介してリフティングマグネット6が接続されている。
【0025】
リフティングマグネット6は、金属物を磁気的に吸着させるための磁力を発生する電磁石を含んでおり、インバータ18Bを介してDCバス110Aから電力が供給される。
【0026】
バッテリ19には、昇降圧コンバータ100Aと並列に昇降圧コンバータ100Bが接続されており、この昇降圧コンバータ100Bは、DCバス110B及びインバータ20Aを介して旋回機構2を駆動するための旋回用電動機21が接続されている。
【0027】
また、このDCバス110Bには、インバータ20Bを介して発電機30が接続されている。
【0028】
発電機30は、図1に示すブーム4のブーム軸に接続されており、ブーム4がブームシリンダ7によって油圧で駆動される際に発電を行うブーム回生用の発電機である。発電された電力は、回生エネルギとしてインバータ20Bを経てDCバス110Aに供給される。
【0029】
このように、本実施の形態のハイブリッド型建設機械の駆動制御装置では、エンジン11のアシスト用の電動発電機12及びリフティングマグネット6と、旋回用電動機21及びブーム回生用の発電機30とは、別々のDCバス110Aと110Bに接続されており、さらに、DCバス110Aと110Bとバッテリ19の間には、別々の昇降圧コンバータ100Aと100Bが接続されている。
【0030】
このため、電動発電機12及びリフティングマグネット6は、DCバス110Aを介して昇降圧コンバータ100Aとの間で電力の授受を行い、旋回用電動機21及び発電機30は、DCバス110Bを介して昇降圧コンバータ100Bとの間で電力の授受を行う。
【0031】
このように、電動発電機12と旋回用電動機21との電力供給系統を分けているのは、電動発電機12と旋回用電動機21の定格電圧値及び定格電流値が大きく異なるため、別々の電力供給を可能にするためである。
【0032】
本実施の形態では、電動発電機12の定格電圧は360(V)、旋回用電動機21の定格電圧は300〜400(V)とする。このため、昇降圧コンバータ100B及びDCバス110Bの容量は、昇降圧コンバータ100A及びDCバス110Aよりも高電圧・大電流に耐えられる容量に設定されている。
【0033】
DCバス110Aと110Bには、それぞれのDCバスの電圧値(以下、DCバス電圧値と称す)を検出するためのDCバス電圧検出部111A及び111Bがそれぞれ配設されている。検出されるDCバス電圧値は、コントローラ120に入力される。
【0034】
また、バッテリ19には、バッテリ電圧値を検出するためのバッテリ電圧検出部112A及び112Bが接続されており、バッテリ19と昇降圧コンバータ100A及び100Bの間には、昇降圧コンバータ100A及び100Bに流れるコンバータ電流値を検出するための電流検出部113A及び113Bが配設されている。これらによって検出されるバッテリ電圧値とコンバータ電流値は、コントローラ120に入力される。なお、バッテリ電流値は、電流検出部113Aと113Bでそれぞれ検出されるコンバータ電流値の和で与えられる。
【0035】
ここで、各検出部について説明する。
【0036】
DCバス電圧検出部111Aは、DCバス110Aの電圧値を検出するための電圧検出部である。検出されるDCバス電圧値はコントローラ120に入力され、このDCバス電圧値を一定の範囲内に収めるための昇圧動作と降圧動作の切替制御を行うために用いられる。
【0037】
同様に、DCバス電圧検出部111Bは、DCバス110Bの電圧値を検出するための電圧検出部である。検出されるDCバス電圧値はコントローラ120に入力され、このDCバス電圧値を一定の範囲内に収めるための昇圧動作と降圧動作の切替制御を行うために用いられる。
【0038】
バッテリ電圧検出部112A及び112Bは、バッテリ19の電圧値を検出するための電圧検出部であり、バッテリの充電状態を検出するために用いられる。検出されるバッテリ電圧値は、コントローラ120に入力され、昇降圧コンバータ100A及び100Bの昇圧動作と降圧動作の切替制御を行うために用いられる。
【0039】
電流検出部113Aは、昇降圧コンバータ100Aのコンバータ電流値を検出するための電流検出部である。コンバータ電流値は、バッテリ19から昇降圧コンバータ100Aに流れる電流を正の値として検出される。検出されるコンバータ電流値は、コントローラ120に入力され、昇降圧コンバータ100Aの昇圧動作と降圧動作の切替制御を行うために用いられる。
【0040】
電流検出部113Bは、昇降圧コンバータ100Bのコンバータ電流値を検出するための電流検出部である。コンバータ電流値は、バッテリ19から昇降圧コンバータ100Bに流れる電流を正の値として検出される。
【0041】
旋回用電動機21の回転軸21Aには、レゾルバ22、メカニカルブレーキ23、及び旋回減速機24が接続される。また、パイロットポンプ15には、パイロットライン25を介して操作装置26が接続される。
【0042】
操作装置26には、油圧ライン27及び28を介して、コントロールバルブ17及びレバー操作検出部としての圧力センサ29がそれぞれ接続される。この圧力センサ29には、本実施の形態の建設機械の電気系の駆動制御を行うコントローラ120が接続されている。
【0043】
このような本実施の形態の建設機械は、エンジン11、電動発電機12、及び旋回用電動機21を動力源とするハイブリッド型建設機械である。これらの動力源は、図1に示す上部旋回体3に搭載される。以下、各部について説明する。
【0044】
「各部の構成」
エンジン11は、例えば、ディーゼルエンジンで構成される内燃機関であり、その出力軸は減速機13の一方の入力軸に接続される。このエンジン11は、建設機械の運転中は常時運転される。
【0045】
電動発電機12は、電動(アシスト)運転及び発電運転の双方が可能な電動機であればよい。ここでは、電動発電機12として、インバータ18Aによって交流駆動される電動発電機を示す。この電動発電機12は、例えば、磁石がロータ内部に埋め込まれたIPM(Interior Permanent Magnetic)モータで構成することができる。電動発電機12の回転軸は減速機13の他方の入力軸に接続される。
【0046】
減速機13は、2つの入力軸と1つの出力軸を有する。2つの入力軸の各々には、エンジン11の駆動軸と電動発電機12の駆動軸が接続される。また、出力軸にはメインポンプ14の駆動軸が接続される。エンジン11の負荷が大きい場合には、電動発電機12が電動(アシスト)運転を行い、電動発電機12の駆動力が減速機13の出力軸を経てメインポンプ14に伝達される。これによりエンジン11の駆動がアシストされる。一方、エンジン11の負荷が小さい場合は、エンジン11の駆動力が減速機13を経て電動発電機12に伝達されることにより、電動発電機12が発電運転による発電を行う。電動発電機12の電動(アシスト)運転と発電運転の切り替えは、コントローラ120により、エンジン11の負荷等に応じて行われる。
【0047】
メインポンプ14は、コントロールバルブ17に供給するための油圧を発生するポンプである。この油圧は、コントロールバルブ17を介して油圧モータ1A、1B、ブームシリンダ7、アームシリンダ8、及びバケットシリンダ9の各々を駆動するために供給される。
【0048】
パイロットポンプ15は、油圧操作系に必要なパイロット圧を発生するポンプである。この油圧操作系の構成については後述する。
【0049】
コントロールバルブ17は、高圧油圧ラインを介して接続される下部走行体1用の油圧モータ1A、1B、ブームシリンダ7、アームシリンダ8、及びバケットシリンダ9の各々に供給する油圧を運転者の操作入力に応じて制御することにより、これらを油圧駆動制御する油圧制御装置である。
【0050】
インバータ18Aは、上述の如く電動発電機12と昇降圧コンバータ100Aとの間に設けられ、コントローラ120からの指令に基づき、電動発電機12の運転制御を行う。これにより、インバータ18Aが電動発電機12の電動(アシスト)運転を制御している際には、必要な電力をバッテリ19と昇降圧コンバータ100AからDCバス110Aを介して電動発電機12に供給する。また、電動発電機12の発電運転を制御している際には、電動発電機12により発電された電力をDCバス110A及び昇降圧コンバータ100Aへ供給する。
【0051】
インバータ18Bは、リフティングマグネット6と昇降圧コンバータ100Aとの間に設けられ、コントローラ120からの指令に基づき、電磁石をオンにする際には、リフティングマグネット6へ要求された電力をDCバス110Aより供給する。また、電磁石をオフにする場合には、回生された電力をDCバス100Aに供給する。
【0052】
バッテリ19は、昇降圧コンバータ100Aを介してインバータ18A及び18Bに接続されるとともに、昇降圧コンバータ100Bを介してインバータ20A及び20Bに接続されている。このため、バッテリ19は、電動発電機12の電動(アシスト)運転と旋回用電動機21の力行運転との少なくともどちらか一方が行われている際、又は、リフティングマグネット6を駆動する際には、必要な電力を供給する。また、電動発電機12が発電運転を行っている際、リフティングマグネット6をオフにするときに回生電力が発生している際、旋回用電動機21が回生運転を行っている際、又は、発電機30が発電運転を行っている際には、発電運転又は回生運転によって発生した回生電力を電気エネルギとして蓄積するための電源である。
【0053】
なお、DCバス110Aには、インバータ18A及び18Bを介して、電動発電機12及びリフティングマグネット6が接続されているため、電動発電機12で発電された電力がリフティングマグネット6に直接的に供給される場合もある。
【0054】
バッテリ19の充放電制御は、バッテリ19の充電状態、電動発電機12の運転状態(電動(アシスト)運転又は発電運転)、発電機30の発電状態、リフティングマグネット6の駆動状態、及び、旋回用電動機21の運転状態(力行運転又は回生運転)に基づき、昇降圧コンバータ100A及び100Bによって行われる。この昇降圧コンバータ100A及び100Bの昇圧動作と降圧動作の切替制御は、DCバス電圧検出部111A及び111Bによって検出されるDCバス電圧値、バッテリ電圧検出部112A及び112Bによって検出されるバッテリ電圧値、及び電流検出部113A及び113Bによって検出されるコンバータ電流値に基づき、コントローラ120によって行われる。
【0055】
インバータ20Aは、上述の如く旋回用電動機21と昇降圧コンバータ100Bとの間に設けられ、コントローラ120からの指令に基づき、旋回用電動機21に対して運転制御を行う。これにより、インバータが旋回用電動機21の力行運転を制御している際には、必要な電力をバッテリ19から昇降圧コンバータ100Bを介して旋回用電動機21に供給する。また、旋回用電動機21の回生運転を制御している際には、旋回用電動機21により発電された電力をDCバス110Bへ供給する。
【0056】
インバータ20Bは、発電機30と昇降圧コンバータ100Aとの間に設けられ、発電機30の駆動制御を行う。
【0057】
なお、DCバス110Bには、インバータ20Aを介して旋回用電動機21が接続されているため、発電機30で発電された電力が旋回用電動機21に直接的に供給される場合もある。
【0058】
昇降圧コンバータ100Aは、一側がDCバス110A及びインバータ18A及び18Bを介して電動発電機12及びリフティングマグネット6に接続されるとともに、他側がバッテリ19に接続されており、電動発電機12及びリフティングマグネット6の運転状態(駆動状態)に応じて、昇圧動作又は降圧動作を切り替える。
【0059】
電動発電機12が電動(アシスト)運転を行う場合には、インバータ18Aを介して電動発電機12に電力を供給する必要があるため、DCバス電圧値を昇圧する。また、リフティングマグネット6を駆動する場合にも、インバータ18Bを介してリフティングマグネット6に電力を供給する必要があるため、DCバス電圧値を電動発電機12の回転数に応じて、昇圧する。
【0060】
一方、電動発電機12が発電運転を行う場合には、発電された電力をインバータ18Aを介してバッテリ19に充電する必要があるため、DCバス電圧値を降圧する。
【0061】
このため、昇降圧コンバータ100Aは、電動発電機12、及びリフティングマグネット6の運転状態(駆動状態)に応じて、DCバス110Aの電圧値が一定の範囲内に収まるように昇圧動作又は降圧動作を切り替える。
【0062】
また、発電機30で発電が行われる場合にも、発電された電力をインバータ20Bを介してバッテリ19に充電する必要があるため、DCバス電圧値を降圧する。
【0063】
ここで、エンジン11は一定回転数で回転しているため、電動発電機12も一定回転数で回転し、これにより、インバータ18Aの電圧値は一定になるように制御される。従って、電動発電機12及びインバータ18Aは電圧変動が少ないDCバス110Aへ接続される。また、同様にリフティングマグネット6も電圧値が一定のため、リフティングマグネット6を制御するインバータ18BもDCバス110Aへ接続される。このように、DCバス110Aは電圧変動が小さい駆動部と接続しているので、昇降圧コンバータ100AはDCバス110AにおけるDCバス電圧検出部111Aによって検出した電圧値が一定になるように、DCバス電圧検出部111Aとバッテリ電圧検出部112A及び112Bとの電圧値を比較し、バッテリ19との電力供給の制御を行う。
【0064】
一方、旋回用電動機21の回転速度は、作業内容に対応したオペレータのレバー操作量に基づいて変化するので、電動発電機12に比べて大きい。このため、旋回用電動機21へ供給されるためのDCバス110Bの電圧値は、旋回用電動機21の回転速度に応じて、大きく変化することになる。従って、一定の電圧値に制御されるDCバス110Aに旋回用電動機21を接続した場合、旋回用電動機21の回転速度が高速の場合、DCバス110Aの電圧値が十分に高くないため、高速での旋回動作を行うことができなくなる。しかも、高電圧の回生電力が旋回電動機21よりDCバス110Aへ供給されると、インバータ18Aの損傷につながってしまう。
【0065】
そこで、本実施の形態では、電圧値を一定に制御するDCバス110A及び昇降圧コンバータ100Aとは別に、DCバス110B及び昇降圧コンバータ100Bを設けることで、各電動機を効率よく駆動できるようにした。
【0066】
昇降圧コンバータ100Bは、一側がDCバス110Bを介して旋回用電動機21に接続されるとともに、他側がバッテリ19に接続されている。
【0067】
昇降圧コンバータ100Bは、旋回用電動機21に接続されたレゾルバ22によって検出された旋回速度に応じたDCバス110Bの電圧値になるように昇圧動作又は降圧動作を切り替える。
【0068】
ここで、昇降圧コンバータ100Bは、DCバス110Bの電圧値をDCバス110Aの電圧値よりも高い値に設定する。これは、電動発電機12と旋回用電動機21の使用方法の違いによるものである。
【0069】
このように、昇降圧コンバータ100BがDCバス110Bの電圧値を可変制御するのは、旋回用電動機21は、駆動時における回転速度の変化が電動発電機12に比べてかなり大きいため、力行運転及び回生運転を行う際にDCバス110Bの電圧値は大きく変動するためである。なお、昇降圧動作の切替は、コントローラ120によって行われる。
【0070】
具体的には、レゾルバ22で検出された回転速度が高速である場合には、DCバス110Bには高電圧が必要とされる。この場合、DCバス電圧検出部111Bの電圧検出値が高速での回転速度に対応した電圧値となるように、昇降圧コンバータ100Bは、DCバス電圧検出部111Bとバッテリ電圧検出部112Bとの電圧値を比較し、バッテリ19との電力供給の制御を行う。
【0071】
また、レゾルバ22で検出された回転速度が低速である場合には、DCバス110Bの電圧は低い電圧で十分である。この場合、DCバス電圧が高い状態であると過電圧状態となるため、DCバス電圧検出部111Bの電圧検出値を、低速での回転速度に対応した電圧値となるように、昇降圧コンバータ100Bは、バッテリ19との電力供給の制御を行う。
【0072】
また、上述の説明では、レゾルバ22によって検出された旋回速度に基づいてDCバス110Bの電圧値が変化するが、運転者のレバー操作量に対応した速度指令値に基づいて、DCバス110Bの電圧値を変更するようにしてもよい。
【0073】
また、説明の便宜上、図2では図示を省略するが、昇降圧コンバータ100Bにはバイパス回路が並列に接続される。このバイパス回路は、昇降圧コンバータ100Bの異常時にDCバス110Bとバッテリ19との間を短絡するための回路であるが、その詳細については図3を用いて後述する。
【0074】
なお、既述のように、DCバス電圧検出部111A及びDCバス電圧検出部111Bは、DCバス110A及びDCバス110Bの電圧値を検出するための電圧検出部であり、バッテリ電圧検出部112A及び112Bは、バッテリ19の電圧値を検出するための電圧検出部であり、電流検出部113A及び電流検出部113Bは、昇降圧コンバータ100A及び昇降圧コンバータ100Bのコンバータ電流値を検出するための電流検出部である。コンバータ電流値は、バッテリ19から昇降圧コンバータ100A及び100Bに流れる電流を正の値として検出される。
【0075】
操作装置26は、旋回用電動機21、下部走行体1、ブーム4、アーム5、及びリフティングマグネット6を操作するための操作装置であり、ハイブリッド型建設機械の運転者によって操作される。
【0076】
この操作装置26は、パイロットライン25を通じて供給される油圧(1次側の油圧)を運転者の操作量に応じた油圧(2次側の油圧)に変換して出力する。操作装置26から出力される2次側の油圧は、油圧ライン27を通じてコントロールバルブ17に供給されるとともに、圧力センサ29によって検出される。
【0077】
操作装置26が操作されると、油圧ライン27を通じてコントロールバルブ17が駆動され、これにより、油圧モータ1A、1B、ブームシリンダ7、アームシリンダ8、及びバケットシリンダ9内の油圧が制御されることによって、下部走行体1、ブーム4、アーム5、及びリフティングマグネット6が駆動される。
【0078】
なお、油圧ライン27は、油圧モータ1A及び1B、ブームシリンダ7、アームシリンダ8、及びバケットシリンダ9の駆動に必要な油圧をコントロールバルブに供給する。
【0079】
旋回用操作検出部としての圧力センサ29では、操作装置26に対して旋回機構2を旋回させるための操作が入力されると、この操作量を油圧ライン28内の油圧の変化として検出する。圧力センサ29は、油圧ライン28内の油圧を表す電気信号を出力する。これにより、操作装置26に入力される旋回機構2を旋回させるための操作量を的確に把握することができる。この電気信号は、コントローラ120に入力され、旋回用電動機21の駆動制御に用いられる。また、本実施の形態では、レバー操作検出部としての圧力センサを用いる形態について説明するが、操作装置26に入力される旋回機構2を旋回させるための操作量をそのまま電気信号で読み取るセンサを用いてもよい。
【0080】
図3は、本実施の形態のハイブリッド型建設機械に用いる昇降圧コンバータの回路構成を概略的に示す図である。昇降圧コンバータ100A及び100Bの構成は同一であるため、ここでは昇降圧コンバータ100Aを中心に説明を行う。
【0081】
昇降圧コンバータ100Aは、リアクトル101、昇圧用IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)102A、降圧用IGBT102B、バッテリ19を接続するための電源接続端子103A、負荷を接続するための出力端子104A、及び、一対の出力端子104Aに並列に挿入される平滑用のコンデンサ105を備える。昇降圧コンバータ100Aの出力端子104Aと負荷との間は、DCバス110Aによって接続される。
【0082】
このDCバス110Aに接続される負荷は、互いに並列接続される電動発電機12、発電機30、及びリフティングマグネット6である。
【0083】
なお、図3では、図の簡略化のためにインバータ18A〜18B(図2参照)を省略する。また、昇圧用IGBT102A及び降圧用IGBT102BをPWM駆動する駆動制御部120Aを省略する。
【0084】
また、昇降圧コンバータ100Aは自己診断機能を有しており、この自己診断機能は、昇降圧コンバータ100Aの電流検出部113Aが電流値を監視することによって実現される。なお、この自己診断機能は、電流検出部113Aの検出値を昇降圧コンバータ100Aが監視することによって実現されてもよい。
【0085】
リアクトル101は、一端が昇圧用IGBT102A及び降圧用IGBT102Bの中間点に接続されるとともに、他端が電源接続端子103Aに接続されており、昇圧用IGBT102Aのオン/オフに伴って生じる誘導起電力をDCバス110Aに供給するために設けられている。
【0086】
昇圧用IGBT102A及び降圧用IGBT102Bは、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)をゲート部に組み込んだバイポーラトランジスタで構成され、大電力の高速スイッチングが可能な半導体素子である。昇圧用IGBT102A及び降圧用IGBT102Bは、駆動制御部120Aからゲート端子にPWM電圧が印加されることによって駆動される。昇圧用IGBT102A及び降圧用IGBT102Bには、整流素子であるダイオード102a及び102bが並列接続される。
【0087】
バッテリ19は、昇降圧コンバータ100Aを介してDCバス110Aとの間で電力の授受が行えるように、充放電可能な蓄電器であればよい。なお、図3には、蓄電器としてバッテリ19を示すが、バッテリ19の代わりに、コンデンサ、充放電可能な二次電池、又は、電力の授受が可能なその他の形態の電源を蓄電器として用いてもよい。
【0088】
電源接続端子103Aは、バッテリ19が接続可能な端子であればよい。出力端子104Aは、DCバス110Aが接続可能な端子であればよい。
【0089】
バッテリ19には、バッテリ電圧を検出するバッテリ電圧検出部112A及び112Bが接続される。また、DCバス110Aには、DCバス電圧を検出するDCバス電圧検出部111Aが接続される。
【0090】
バッテリ電圧検出部112A及び112Bは、バッテリ19の電圧値を検出し、DCバス電圧検出部111Aは、DCバス110Aの電圧値を検出する。
【0091】
平滑用のコンデンサ105は、出力端子104Aの正極端子と負極端子との間に挿入され、DCバス110AのDCバス電圧を平滑化できる蓄電素子であればよい。
【0092】
電流検出部113Aは、昇降圧コンバータ100Aのコンバータ電流値を検出可能な検出手段であればよく、電流検出用の抵抗器を含む。
【0093】
昇降圧コンバータ100Bは、リアクトル101、昇圧用IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)102A、降圧用IGBT102B、バッテリ19を接続するための電源接続端子103B、負荷を接続するための出力端子104B、及び、一対の出力端子104Bに並列に挿入される平滑用のコンデンサ105を備える。昇降圧コンバータ100Bの出力端子104Bと負荷との間は、DCバス110Bによって接続される。DCバス110Bに接続される負荷は、旋回用電動機21である。なお、図3では、図の簡略化のためにインバータ20A(図2参照)を省略する。
【0094】
また、昇降圧コンバータ100Bは自己診断機能を有しており、この自己診断機能は、昇降圧コンバータ100Bの電流検出部113Bが電流値を監視することによって実現される。なお、この自己診断機能は、電流検出部113Bの検出値を昇降圧コンバータ100Bが監視することによって実現されてもよい。
【0095】
リアクトル101は、一端が昇圧用IGBT102A及び降圧用IGBT102Bの中間点に接続されるとともに、他端が電源接続端子103Bに接続されており、昇圧用IGBT102Aのオン/オフに伴って生じる誘導起電力をDCバス110Bに供給するために設けられている。
【0096】
昇圧用IGBT102A及び降圧用IGBT102Bの構成は、昇降圧コンバータ100Aと同一である。
【0097】
また、バッテリ19は、昇降圧コンバータ100Bを介してDCバス110Bとの間で電力の授受を行う。
【0098】
電源接続端子103Bは、バッテリ19が接続可能な端子であればよい。出力端子104Bは、DCバス110Bが接続可能な端子であればよい。
【0099】
また、DCバス110Bには、DCバス電圧を検出するDCバス電圧検出部111Bが接続される。DCバス電圧検出部111Bは、DCバス110Bの電圧値を検出する。
【0100】
平滑用のコンデンサ105は、出力端子104Bの正極端子と負極端子との間に挿入され、DCバス110BのDCバス電圧を平滑化できる蓄電素子であればよい。
【0101】
電流検出部113Bは、昇降圧コンバータ100Bのコンバータ電流値を検出可能な検出手段であればよく、電流検出用の抵抗器を含む。
【0102】
また、昇降圧コンバータ100Bには、バイパス回路130が並列に接続されている。このバイパス回路130は、昇降圧コンバータ100Bの異常時にDCバス110Bとバッテリ19との間を短絡するための回路であり、駆動制御部120Aによって開閉制御が行われるリレー130A及び130Bを含む。バイパス回路130の開閉制御については後述する。
【0103】
「昇降圧動作」
このような昇降圧コンバータ100Aにおいて、DCバス110Aを昇圧する際には、昇圧用IGBT102Aのゲート端子にPWM電圧を印加し、降圧用IGBT102Bに並列に接続されたダイオード102bを介して、昇圧用IGBT102Aのオン/オフに伴ってリアクトル101に発生する誘導起電力をDCバス110Aに供給する。これにより、DCバス110Aが昇圧される。これは、昇降圧コンバータ100BとDCバス110Bとの関係においても同様である。
【0104】
また、DCバス110Aを降圧する際には、降圧用IGBT102Bのゲート端子にPWM電圧を印加し、降圧用IGBT102Bを介して、電動発電機12によって発生される発電電力、又は発電機30によって発生される回生電力をDCバス110Aからバッテリ19に供給する。これにより、DCバス110Aに蓄積された電力がバッテリ19に充電され、DCバス110Aが降圧される。この降圧動作は、昇降圧コンバータ100BとDCバス110Bを介して接続された旋回用電動発電機21との間においても同様である。
【0105】
図4は、本実施の形態のハイブリッド型建設機械の昇降圧コンバータ100Aによって行われるバイパス回路130の駆動制御の処理手順を示す図である。これは、昇降圧コンバータ100Aの制御部によって実行される処理である。
【0106】
昇降圧コンバータ100Aは、昇降圧コンバータ100Bから異常信号を受信したか否かを判定する(ステップS1)。この処理は、自己診断機能により異常判定を行う降圧コンバータ100Bから異常信号を受信するまで繰り返し実行される。
【0107】
昇降圧コンバータ100Aは、異常信号を受信した場合は、バイパス回路130をオンにするため、リレー130A及び130Bを閉成する(ステップS2)。これにより、昇降圧コンバータ100Bがバイパスされ、DCバス110Bはバッテリ19に直接的に接続される。
【0108】
次いで、昇降圧コンバータ100Aは、昇降圧コンバータ100Aの電流制限値を昇降圧コンバータ100Bの電流制限値に設定し、DCバス110A及び110Bの双方のDCバス電圧値を一定に制御するために昇圧動作又は降圧動作を行う。これにより、昇降圧コンバータ100Bに異常が生じて一時的に利用できなくなっても、DCバス110A側のシステム(インバータ18A等)によりバッテリ19の電圧を一定にすることができる。これにより、DCバス110Bはバッテリ電圧と同等の電圧を維持することができ、所定の作業が完了するまでの間、インバータ20Aを制御して旋回用電動機21を駆動することができる。
【0109】
なお、ここでは、昇降圧コンバータ100Bの自己診断機能によって異常判定が行われた場合に、昇降圧コンバータ100Aによってバイパス回路130の駆動制御が行われる形態について説明したが、昇降圧コンバータ100Bが異常判定を行った場合に、上位制御部である駆動制御部120Aに異常信号を通報し、駆動制御部120Aがバイパス回路130の駆動制御を行なうようにしてもよい。
【0110】
以上のように、本実施の形態のハイブリッド型建設機械によれば、エンジン11のアシスト用の電動発電機12及びリフティングマグネット6と、旋回機構2を駆動するための旋回用電動機21及びブーム回生用の発電機30とは、別々のDCバス110Aと110Bに接続されているため、電動発電機12及びリフティングマグネット6と、旋回用電動機21とには別々のDCバス110A及び100Bを介して電力が供給される。
【0111】
このような構成により、定格出力の電動発電機12と旋回用電動機21の定格出力の違いに合わせてDCバス110Bの電圧値をDCバス110Aの電圧値よりも高く設定することができ、機器の損傷又は破損を抑制しつつ、各電動機を効率的に駆動することのできる昇降圧コンバータを用いたハイブリッド型建設機械を提供することができる。
【0112】
さらに、DCバス及び昇降圧コンバータを複数に分けたため、一方の昇降圧コンバータが損傷しても、直ちに制御不能となることなく、他方のコンバータで所定の間、全ての作業を継続することができる。
【0113】
また、リフティングマグネット6と旋回用電動機21とを、共通のDCバス110Bで接続しているので、昇降圧コンバータ100Bが損傷しても、直ちにリフティングマグネット6への電流供給を継続させることができる。
【0114】
以上、本発明の例示的な実施の形態のハイブリッド型建設機械について説明したが、本発明は、具体的に開示された実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0115】
【図1】本実施の形態のハイブリッド型建設機械を示す側面図である。
【図2】本実施の形態のハイブリッド型建設機械の構成を表すブロック図である。
【図3】本実施の形態のハイブリッド型建設機械に用いる昇降圧コンバータの回路構成を概略的に示す図である。
【図4】本実施の形態のハイブリッド型建設機械の昇降圧コンバータ100Aによって行われるバイパス回路130の駆動制御の処理手順を示す図である。
【符号の説明】
【0116】
1 下部走行体
1A、1B 走行機構
2 旋回機構
3 上部旋回体
4 ブーム
5 アーム
6 リフティングマグネット
7 ブームシリンダ
8 アームシリンダ
9 バケットシリンダ
10 キャビン
11 エンジン
12 電動発電機
13 減速機
14 メインポンプ
15 パイロットポンプ
16 高圧油圧ライン
17 コントロールバルブ
18A、20B、20A、20B インバータ
19 バッテリ
21 旋回用電動機
22 レゾルバ
23 メカニカルブレーキ
24 旋回減速機
25 パイロットライン
26 操作装置
27 油圧ライン
28 油圧ライン
29 圧力センサ
30 発電機
31 速度指令変換部
32 駆動制御装置
40 旋回駆動制御装置
100 昇降圧コンバータ
101 リアクトル
102A 昇圧用IGBT
102B 降圧用IGBT
103A、103B 電源接続端子
104A、104B 出力端子
105 コンデンサ
110A、110B DCバス
111A、111B DCバス電圧検出部
112A、112B バッテリ電圧検出部
113A、113B 電流検出部
120 コントローラ
120A 駆動制御部
120B 旋回駆動制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
油圧駆動作業要素の駆動に必要な油圧を発生する油圧ポンプを駆動するための内燃機関に機械的に接続され、電動(アシスト)運転及び発電運転を行う電動発電機と、
電動駆動作業要素の駆動を行う電動駆動部と、
前記電動発電機又は前記電動駆動部に供給するための電力を蓄積するとともに、前記電動発電機又は前記電動駆動部によって発電された電力を充電する蓄電器と、
一側が第1DCバスを介して前記電動発電機に接続されるとともに、他側が前記蓄電器に接続され、前記第1DCバスの電圧値を昇圧又は降圧する第1昇降圧コンバータと、
一側が第2DCバスを介して前記電動駆動部に接続されるとともに、他側が前記蓄電器に接続され、前記第2DCバスの電圧値を昇圧又は降圧する第2昇降圧コンバータと
を含む、ハイブリッド型建設機械。
【請求項2】
前記電動駆動部は、上部旋回体の旋回機構を回転駆動するための旋回用電動機であり、
前記第1昇降圧コンバータ又は前記第2昇降圧コンバータの少なくとも一方は、前記旋回用電動機の回転速度に応じて前記第1DCバス又は前記第2DCバスの電圧値を可変制御する、請求項1に記載のハイブリッド型建設機械。
【請求項3】
前記電動駆動部は、上部旋回体の旋回機構を回転駆動するための旋回用電動機であり、
前記第1昇降圧コンバータ又は前記第2昇降圧コンバータのいずれか一方は、前記旋回用電動機の回転速度に応じて前記第1DCバス又は前記第2DCバスの電圧値を可変制御し、いずれか他方は、前記第1DCバス又は前記第2DCバスの電圧値を一定値に制御する、請求項1に記載のハイブリッド型建設機械。
【請求項4】
前記電圧値が一定値に制御される前記第1DCバス又は前記第2DCバスには、リフティングマグネットの駆動回路、又は、電動式の走行機構の駆動回路が接続される、請求項3に記載のハイブリッド型建設機械。
【請求項5】
前記第1昇降圧コンバータ又は前記第2昇降圧コンバータの少なくとも一方は自己診断機能を有し、異常時には、異常を表す異常信号を他方に通報する、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のハイブリッド型建設機械。
【請求項6】
前記第1昇降圧コンバータ又は前記第2昇降圧コンバータは、自己診断機能により異常を検出した場合には、自己の電流制限値を他方の昇降圧コンバータの電流制限値に設定させる、請求項5に記載のハイブリッド型建設機械。
【請求項7】
前記第1昇降圧コンバータ又は前記第2昇降圧コンバータのいずれか一方は自己診断機能を有し、異常時には、異常を表す異常信号を上位制御部に報知する、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のハイブリッド型建設機械。
【請求項8】
前記第1昇降圧コンバータ又は前記第2昇降圧コンバータの少なくとも一方は、異常時に自己の昇降圧コンバータをバイパスさせるバイパス回路を有する、請求項1乃至7のいずれか一項に記載のハイブリッド型建設機械。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−191463(P2009−191463A)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−30773(P2008−30773)
【出願日】平成20年2月12日(2008.2.12)
【出願人】(000002107)住友重機械工業株式会社 (2,241)
【出願人】(501132804)住友建機製造株式会社 (271)
【Fターム(参考)】