説明

パワーコンディショナ

【課題】比較的簡単な構成の表示装置で、太陽電池が発電した電力の大きさを使用者等に容易に把握させることが可能なパワーコンディショナを提供する。
【解決手段】太陽電池SCからの直流電力を所定の交流電力に変換する電力変換器2と、太陽電池SCが発電した電力の大きさを表示する表示装置1とを備えたパワーコンディショナ10であって、表示装置1は、上記電力の大きさに応じた出力の大きさで発光するLED1aと、該LED1aからの光が照射されて光を発する部位P1,P2の大きさが上記出力に応じて変化する表示部1bとを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パワーコンディショナに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、環境問題の解決策の一つとして、クリーンなエネルギとされる太陽光を利用して発電する太陽電池の設置が普及し始めている。太陽電池から出力される電力は、直流電力であり、一般に使用される電気器具の多くが交流電力により駆動するように構成された交流負荷機器であることから、太陽電池からの直流電力を交流電力に変換する必要がある。
【0003】
また、太陽電池は、照射される太陽光などの外部環境に依存して発電量が変化する。太陽電池は、太陽電池から出力される電力を補完して安定化した出力にさせ、太陽電池からの余剰電力を商用電源側に売電などできるように、一般の商用電源と系統連系することが可能な構成とすることが望まれる。そのため、太陽電池は、太陽電池からの直流電力を交流電力に電力変換することが可能なパワーコンディショナと電気的に接続される。
【0004】
この種のパワーコンディショナには、たとえば、太陽電池からの直流電力を所定の交流電力に変換する電力変換器を備え、太陽電池が発電した電力の大きさを表示する表示装置と接続させたものが知られている(たとえば、特許文献1を参照。)。
【0005】
上述の特許文献1には、太陽電池の発電量を使用者が把握でき、省エネルギ化に対する使用者の意識を一層高めることができるように、7セグメントLEDからなる表示部を備えた表示装置が記載されている。表示装置は、パワーコンディショナからデータを受信するデータ受信部、受信したデータを蓄積するデータ蓄積部、データを演算処理する演算処理部や表示部などを有している。
【0006】
また、上述の特許文献1には、太陽電池の発電量の大きさに応じて表示装置の点灯状態を変化させるなど、使用者が太陽電池の発電量などの状態を直感的に把握できるように構成してもよいことが記載されている。さらに、表示装置は、太陽電池の発電量などを数値情報で示すだけでなく、たとえば、棒グラフなどの図形を用いて表示してもよいことも開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−33242号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、パワーコンディショナは、年々、小型化が進んでいるものの、たとえば、太陽電池の出力にもよるが小型のエアコンディショナと同じ程度の大きさとなる場合もある。そのため、パワーコンディショナは、たとえば、一般家庭において、玄関先、洗面所の壁面上部など配電盤の付近などのあき空間に設置されることも多い。この場合、使用者等がパワーコンディショナ本体を視認することで太陽電池が発電した電力の大きさなどを把握できることが望ましいものの、使用者等がパワーコンディショナ本体に近づき、太陽電池が発電した電力の大きさを確認することが難しい場合もある。
【0009】
上述の特許文献1では、パワーコンディショナとは別途に設けられた表示装置にデータを送信して太陽電池の発電量を表示させることが開示されており、使用者等がパワーコンディショナとは別途に設けられた表示装置により、太陽電池が発電した電力の大きさを確認することができる。しかしながら、上述の特許文献1では、パワーコンディショナ本体において、使用者等が太陽電池が発電した電力の大きさを確認することができない。また、上述の特許文献1では、パワーコンディショナ側にデータの送信部などが必要となりパワーコンディショナ自体の小型化に向かない。さらに、表示装置側では、パワーコンディショナ側からのデータを受信する受信部やデータの演算処理部を必要とするため、表示装置の構造が複雑になるという問題がある。
【0010】
本発明は上記事由に鑑みてなされたものであり、その目的は、比較的簡単な構成の表示装置で、太陽電池が発電した電力の大きさを使用者等に容易に把握させることが可能なパワーコンディショナを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明のパワーコンディショナは、太陽電池からの直流電力を所定の交流電力に変換する電力変換器と、上記太陽電池が発電した電力の大きさを表示する表示装置とを備えたパワーコンディショナであって、上記表示装置は、上記電力の大きさに応じた出力の大きさで発光するLEDと、該LEDからの光が照射されて光を発する部位の大きさが上記出力に応じて変化する表示部とを有することを特徴とする。
【0012】
このパワーコンディショナにおいて、上記表示部は、長尺状の導光部材の一端側に上記LEDが設けられ、上記一端側から上記導光部材の内部に導光する上記出力に応じた上記LEDからの光により、上記長尺状の長手方向に沿って上記導光部材に表示する上記部位の大きさが変化することが好ましい。
【0013】
このパワーコンディショナにおいて、上記表示装置は、上記電力変換器から出力される交流電力の出力線に設けられ上記電力の大きさに応じた二次電流を出力する変流器と、該変流器からの上記二次電流を整流し上記LEDに給電する整流器とを有することが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明のパワーコンディショナは、比較的簡単な構成の表示装置で、太陽電池が発電した電力の大きさを使用者等に容易に把握させることが可能になるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】実施形態のパワーコンディショナを示し、(a)は構成ブロック図、(b)は外観斜視図、(c)は要部説明図である。
【図2】同上のパワーコンディショナにおける要部の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(実施形態)
以下、本実施形態のパワーコンディショナ10について、図1ないし図2に基づいて説明する。なお、図1ないし図2において同じ部材に対しては、同じ番号を付して重複する説明を省略している。
【0017】
本実施形態のパワーコンディショナ10は、図1(a)に示すように、太陽電池SCからの直流電力を所定の交流電力に変換する電力変換器2と、太陽電池SCが発電した電力の大きさ表示する表示装置1とを備えている。電力変換器2は、太陽電池SCからの直流電力を昇圧や降圧などして所定の直流電力に変換するDC/DCコンバータ2aと、DC/DCコンバータ2aからの直流出力を、たとえば、商用電源ACと系統連系が可能な所定の交流電力に変換するDC/ACコンバータ2bとを備えて構成している。
【0018】
特に、本実施形態のパワーコンディショナ10は、表示装置1として、太陽電池SCが発電した電力の大きさに応じた出力の大きさで発光するLED1aと、LED1aからの光が照射されて光を発する部位P1,P2の大きさ(一端5aからP1,P2の一点鎖線まで)が上記出力に応じて変化する表示部1bとを有している(図1(c)を参照)。
【0019】
ここで、表示部1bは、長尺状の直方体からなる導光部材5を備えており、導光部材5の一端5a側にLED1aが設けられる。したがって、表示部1bは、一端5a側から入射して導光するLED1aからの上記出力に応じた光により、導光部材5の長手方向に沿って導光部材5において表示する部位P1,P2の大きさが変化する。言い換えれば、表示部1bは、LED1aが発光する光量に応じて、部位P1,P2が導光部材5の長手方向に沿って変化する棒グラフ状に表示され、太陽電池SCが発電した電力の大きさを表示することができる。
【0020】
表示装置1は、太陽電池SCからの電力の大きさに応じてLED1aを発光させるため、電力変換器2から出力される交流電力の出力線に設けられ上記電力に応じた二次電流を出力する変流器3と、該変流器3からの上記二次電流を整流しLED1aに給電する整流器4とを有している。表示装置1は、変流器3を用いることにより、太陽電池SCの電力の大きさに応じた大きさの二次電流を得ることができる。また、表示装置1は、変流器3からの二次電流を整流器4で整流して給電することによりLED1aを発光させることが可能となる。すなわち、表示装置1の変流器3と整流器4とは、比較的簡単な構成で、太陽電池SCが発電する電力の大きさを検知する検知部やLED1aに給電する電源部として機能する。これにより、表示装置1は、LED1aを点灯させるために、別途に商用電源ACからの電力を用いて給電させる必要もない。
【0021】
なお、パワーコンディショナ10は、太陽電池SCから出力された直流電力を電力変換器2で所定の交流電力に変換して図示していない交流分電盤側に供給するように構成することができる。これにより、太陽電池SCから出力された直流電力は、パワーコンディショナ10を介して、商用電源ACからの交流電力と同様に交流分電盤から交流配電路(図示していない)を介して上記交流負荷機器(図示していない)などに配電させることができる。また、太陽電池SCから出力された直流電力は、パワーコンディショナ10を介して、上記交流分電盤へ供給するだけでなく、宅内の直流負荷機器(図示していない)に直流電力を供給する直流分電盤(図示していない)に供給されてもよい。すなわち、パワーコンディショナ10は、太陽電池SCからの直流電力を昇圧や降圧した所定の直流電力するものの交流電力に変換することなく、上記直流分電盤に出力できるように上記直流分電盤と電気的に接続させた構成とすることもできる。
【0022】
以下、本実施形態のパワーコンディショナ10について詳述する。
【0023】
本実施形態のパワーコンディショナ10は、直流発電設備たる太陽電池SCと電気的に接続させている。太陽電池SCは、太陽光を受光して光電変換することで発電を行い直流電力を出力する。ここで、太陽電池SCは、広義に解釈するものとし、太陽電池SCは、多数の太陽電池セル(太陽光からの光エネルギを光電変換し、電気エネルギに変換する素子)を配列してパネル状とした太陽電池パネルであってもよい。また、太陽電池SCは、太陽電池パネルをアレイ状に組んで構成し、電気的に接続させた太陽電池アレイも含まれる。太陽電池SCは、太陽電池セルとして、単結晶シリコン、多結晶シリコンやアモルファスシリコンの他、各種の化合物半導体を用い半導体接合などを備えた構成で形成することができる。
【0024】
パワーコンディショナ10は、太陽電池SCからの直流電力を上記交流負荷機器にも供給できるように、所定の交流電力に変換する電力変換器2を備えている。ここで、パワーコンディショナ10は、太陽電池SCからの直流電力を上記直流負荷機器や直流電力が変換された交流電力を上記交流負荷機器に供給するだけでなく、余剰電力(上記直流負荷機器や上記交流負荷機器で消費されない電力)を電力会社側に売電することが可能な構成としている。そのため、パワーコンディショナ10の電力変換器2は、太陽電池SCに接続されるDC/DCコンバータ2aと、DC/DCコンバータ2aおよび商用電源AC側に接続されるDC/ACコンバータ2bとを備えている。太陽電池SCから出力される直流電力は、パワーコンディショナ10のDC/DCコンバータ2aに供給され所定の直流電力に変換された後、DC/ACコンバータ2bに供給される。DC/ACコンバータ2bは、供給された直流電力を、商用電源ACにおける交流電力と略同一の周波数および電圧で位相を同期させた交流電力に変換して出力する。すなわち、パワーコンディショナ10の電力変換器2は、太陽電池SCからの直流電力を商用電源ACの交流電力と略同一の周波数、電圧及び位相となる交流電力に変換する。これによりパワーコンディショナ10は、パワーコンディショナ10からの出力を商用電源AC側に逆潮流させることが可能となる。
【0025】
DC/DCコンバータ2aは、たとえば、昇圧チョッパ回路(図示していない)などにより構成することができる。また、DC/DCコンバータ2aは、スイッチングレギュレータにより構成し、出力電圧を検出するとともに検出した出力電圧が目標の電圧と一致するように出力電圧を増減する制御を行うDC/DCコンバータ制御部(図示していない)を備えた構成としてもよい。上記DC/DCコンバータ制御部は、マイクロコンピュータなどにより構成され、スイッチングレギュレータにおけるスイッチングのオン/オフを制御することで出力電圧の制御を行うことができる。
【0026】
DC/ACコンバータ2bは、たとえば、DC/DCコンバータ2aで昇圧された直流電力を交流出力を商用電源ACの交流電力と略同一の周波数、電圧及び位相となる正弦波の交流出力に電力変換するインバータ(図示していない)と、該インバータを制御することで交流出力を商用電源ACの交流電力の位相と同期可能に調整するインバータ制御部(図示していない)とを備えて構成することができる。インバータ制御部は、マイクロコンピュータなどにより構成することができる。
【0027】
なお、DC/DCコンバータ制御部やインバータ制御部は、太陽電池SCに照射される太陽光が所定の照射量に満たなければ、自動的に電力変換器2の駆動を停止するような制御を行ってもよい。
【0028】
本実施形態のパワーコンディショナ10では、上述のごとき、DC/DCコンバータ2aとDC/ACコンバータ2bとを有する電力変換部2を、直方体状の箱体である本体部10aに収納させている。
【0029】
さらに、パワーコンディショナ10は、商用電源ACと系統連系させる場合、系統異常、商用電源ACの停電時における単独運転状態などを判断して、電力変換器2の停止や系統連系との解列を行う解列器で連結の遮断を行うことで、商用電源AC側に悪影響を与えないように保護する系統連系保護装置(図示していない)を備えてもよい。すなわち、系統連系保護装置は、電力変換器2と商用電源AC側との間に設けることができる。系統連系保護装置は、パワーコンディショナ10からの交流電力を商用電源AC(系統)側に供給すると共に、パワーコンディショナ10からの交流電力が異常となった場合(短絡、地絡等された場合)、パワーコンディショナ10を商用電源AC側の系統と速やかに解列することによって、商用電源AC側の系統の安全を確保することができる。
【0030】
系統連系保護装置は、たとえば、パワーコンディショナ10に設置した電圧検出器により単相3線の中性線と各電圧線との間の電圧をそれぞれ検出し、各電圧の実効値と周波数を算出するとともに、各電圧の実効値および周波数と予め設定した整定値とを比較して系統異常を判定すればよい。パワーコンディショナ10は、系統異常を判定した場合、電力変換器2の停止および上記解列器の遮断を行えばよい。
【0031】
また、パワーコンディショナ10の太陽電池SC側では、パワーコンディショナ10と太陽電池SCとの間に、たとえば、太陽電池SC側に電力が逆流することを防止する逆流防止機能や雷(誘導雷)サージ吸収機能を備えた接続箱(図示していない)を設けることもできる。
【0032】
次に、本実施形態のパワーコンディショナ10の表示装置1について説明する。
【0033】
本実施形態のパワーコンディショナ10は、太陽電池SCが発電した電力の大きさを表示する表示装置1が、太陽電池SCの電力の大きさに応じて変流器3から出力された二次電流で発光するLED1aと、LED1aからの光が導光部材5に照射されて導光部材5に設けられた凹凸で反射や散乱などさせることにより、光を発する部位の大きさが上記出力に応じて変化する表示部1bとを備えている。
【0034】
表示装置1は、たとえば、長尺状の直方体からなる導光部材5と、導光部材5の一端5a側に設けられたLED1aとを備えて構成すればよい。導光部材5は、たとえば、透光性のアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂やガラスなどを材料として形成することができる。導光部材5には、たとえば、導光部材5の長手方向に沿ってLED1aからの光を導光部材5の光出射面から出射できるように、導光部材5の長手方向に沿った一面を光出射面とし、該光出射面と対向する面側にLED1aからの光を散乱させる凹凸を形成させておけばよい。凹凸の形状やピッチは、LED1aから出力される光の波長などに応じて適宜に設定することができる。導光部材5は、たとえば、導光部材5の光出射面と対向する面側に凹凸が形成されるように、予め凹凸を備えた金型内に透光性のアクリル樹脂を射出成形させることにより、比較的簡単に形成することができる。
【0035】
また、導光部材5は、導光部材5の光出射面と対向する面側に凹凸を設ける代わりに、図示していない反射板を備えた構成としてもよい。さらに、導光部材5は、導光部材5の光出射面と対向する面側に、LED1aからの光を反射する拡散材が含有された樹脂を所定のドットパターンで印刷させたものを用いてもよい。導光部材5に設けられる凹凸やドットパターンは、導光部材5に均一に配置させるものだけでなく、LED1aから照射される光の強弱が目立つような不均一な配置とすることができる。凹凸やドットパターンは、LED1aから照射される光の強弱が目立つような不均一な配置として、たとえば、導光部材5の一端5aと平行に設けられた複数の線が一端5a側から離れるにつれ徐々に線と線との間隔が広くなる縞模様形状とするものがあげられる。いずれにしろ、導光部材5は、LED1aから入射した光を導光させ、入射した光を利用して光出射面側から外部に光を発することが可能な構成としている。
【0036】
本実施形態のパワーコンディショナ10では、図1(b)に示すように、直方体状のパワーコンディショナ10の本体部10aにおける前面に表示部1bの導光部材5を露出させている。表示部1bは、本体部10aの長手方向に沿って、長尺状の導光部材5の光出射面側の一部を、本体部10aの前面に設けた貫通穴10bに挿通して外部に露出させている。パワーコンディショナ10の本体部10aにおける前面側では、表示部1bの露出面が本体部10aの長手方向に沿った棒状に見えることとなる。なお、導光部材5は、本体部10aの長手方向に沿った形状だけでなく、本体部10aの短手方向に沿った形状でもよいし、必ずしも直線状の形状だけに限られる必要もない。
【0037】
表示装置1に用いられるLED1aは、通電により光を発光可能なものである。LED1aは、アルミニウム・インジウム・ガリウム・燐系化合物半導体材料や窒化ガリウム系化合物半導体材料を用いた半導体発光素子を備えて構成することができる。LED1aは、半導体発光素子の発光層の材料によって、発光色を異ならせることが可能となる。また、LED1aは、半導体発光素子と該半導体発光素子から照射される発光波長の少なくとも一部を吸収して異なる波長を発光する蛍光体を備えた構成とすることもできる。これにより、LED1aは、蛍光体からの可視光を利用して白色光を照射させることが可能となる。
【0038】
LED1aの照射する光は、たとえば、可視光のうちピーク波長が450nmから470nmの青色光とすることができるが、青色光のみに限定するものではなく、他の波長の光であってもよい。LED1aの半導体発光素子としては、たとえば、サファイア基板、スピネル基板、窒化ガリウム基板、酸化亜鉛基板や炭化シリコン基板などの結晶成長基板上にn型窒化ガリウム系化合物半導体層、多重量子井戸構造や単一量子井戸構造の発光層となる窒化ガリウム系化合物半導体層、p型窒化ガリウム系化合物半導体層を順に積層させたLEDチップが挙げられる。なお、発光層の窒化ガリウム系化合物半導体層には、LEDチップから照射させる所定の発光色に応じた組成比でインジウムを含有させればよい。
【0039】
なお、LEDチップは、結晶成長基板として絶縁性基板を用いた場合、前記p型窒化ガリウム系化合物半導体層側から前記n型窒化ガリウム系化合物半導体層の一部を露出させることにより、同一平面側でアノード電極およびカソード電極をそれぞれ形成することができる。また、結晶成長基板として導電性基板を用いたLEDチップでは、LEDチップの厚み方向の両面側にアノード電極やカソード電極を形成すればよい。
【0040】
同一平面側に前記アノード電極および前記カソード電極が設けられたLEDチップは、実装基板上の一対の導電パターンにAuバンプなどの金属バンプを用いてフリップチップ実装させることができる。また、LEDチップとして、厚み方向の両面側に前記アノード電極や前記カソード電極が形成されたLEDチップを用いる場合は、LEDチップが実装される実装基板上に形成された一対の導体パターンのうちの一方の導体パターンと、LEDチップの前記アノード電極あるいは前記カソード電極とを導電性部材(たとえば、AuSnやAgペーストなど)を介してダイボンディングなどして電気的に接続させる。また、LEDチップの光取り出し面側の他方の前記カソード電極あるいは前記アノード電極は、ワイヤ(たとえば、金線やアルミニウム線など)を介して他方の導体パターンと電気的に接続させればよい。
【0041】
なお、LED1aは、一個のLEDチップを実装基板上に実装して構成することができる。LED1aにおける各LEDチップの数は、一個だけに限らず複数個用いることができる。この場合、各LEDチップは、適宜に直列、並列や直並列に電気的に接続させればよい。また、LEDチップは、同種のものを用いてもよいし、異なる発光波長を発光する複数個のLEDチップを用いてもよい。また、実装基板は、実装基板上の前記一対の導体パターン(たとえば、最表面がAuでメッキされた導体パターン)を利用して、LEDチップの通電経路を構成してもよい。LED1aは、LEDチップを保護する透光性部材(たとえば、透光性のシリコーン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂やガラスなど)を設けても良い。すなわち、LED1aは、実装基板上にLEDチップが配置され、ドーム状の透光性部材でLEDチップを被覆した構成とすることができる。
【0042】
表示装置1は、たとえば、青色光が発光可能な窒化ガリウム系化合物半導体からなる半導体発光素子を有するLED1aを備えて構成させた場合、太陽電池SCが発電した電力の大きさが小さく、変流器3からの二次電流が小さければ、LED1aから照射される青色光の発光量が少なくなる。そのため、表示部1bでは、LED1aが設けられた導光部材5の一端5a側から離れるにつれ徐々に明るさが暗く所定の明るさ以上の光を発する発光部位が部位P2の位置までとなる。(図1(c)を参照)。これに対して、表示装置1は、たとえば、太陽電池SCが発電した電力の大きさが上述よりも大きく、変流器3からの二次電流が大きい場合、LED1aから照射される青色光の発光量も、より多くなる。そのため、表示部1bでは、LED1aが設けられた導光部材5の一端5a側からより離れた部位P1まで明るくなる。(図1(c)の参照)。
【0043】
これにより、使用者は、パワーコンディショナ10の表示部1bを視認した場合、長尺状の導光部材5において棒グラフ状に表示された青色光を発光する部位P1,P2により、太陽電池SCが発電した電力の大きさを把握することができる。
【0044】
また、表示部1bの導光部材5は、導光部材5の光出射面側や光出射面と対向する面側に、導光部材5の長手方向に沿って異なる色のカラーフィルタを適宜に備えた構成とすることもできる。導光部材5は、たとえば、白色光を発光するLED1aと、導光部材5の長手方向に沿って、色が異なるカラーフィルタとを組み合わせることで、太陽電池SCが発電した電力の大きさを、より視覚的に把握しやすくすることもできる。表示装置1は、たとえば、導光部材5の一端5a側に設けられたLED1aから導光部材5の他端5b側にかけて、赤色、緑色や青色に着色したカラーフィルタを配置させて構成させることができる。表示装置1は、太陽電池SCが発電した電力の大きさが小さければLED1aから照射される発光量が少なくなる。すなわち、表示部1bでは、LED1aに近い側の導光部材5の光出射面側から光が多く照射され、LED1aから遠い側の導光部材5の光出射面側から光があまり照射させなくすることができる。このとき、表示部1bからは、LED1aからの白色光がカラーフィルタにより赤色光となって照射される。
【0045】
また、表示装置1は、太陽電池SCが発電した電力の大きさが大きければLED1aから照射される発光量も多くなる。すなわち、表示部1bでは、導光部材5のLED1aからより遠い光出射面側からも光がより多く照射される。表示部1bからは、LED1aからの白色光がカラーフィルタにより、LED1aから遠い導光部材5の他端5b側の光出射面側において青色光が照射される。なお、表示装置1に設けられるLED1aは、1個だけに限られず一端5aから光を入射できるように一端5aに複数個備えてもよい。また、LED1aは、長尺状の導光部材5の一端5a側だけに設けるものに限られず、一端5a側と他端5b側の両端に配置させてもよい。
【0046】
上述のように表示装置1は、変流器3から出力される二次電流に基づいて、LED1aの発光量が制御されている。ここで、変流器3は、たとえば、電力変換器2のDC/ACコンバータ2bから出力される交流電流が流れる出力線を、変流器3を構成するリング状のコイルの中に通して構成することができる。変流器3は、DC/ACコンバータ2bから出力される交流電流が上記出力線に流れると、変流器3のコイルの変流比に応じた二次電流が誘導される。なお、変流器3は、たとえば、磁気コアとして鉄芯を備えたものでも、空芯のものでもよい。変流器3は、空芯のものを用いた場合、鉄芯(磁気コア)がない分だけ小型化および軽量化を図ることが可能となる。また、変流器3は、たとえば、プリント基板に形成したコイル線路を用いて構成することもできる。
【0047】
表示装置1は、たとえば、太陽電池SCが発光した電力の大きさに比例した変流器3からの二次電流を整流器4で整流して給電することにより、LED1aを発光させることができる。整流器4としては、たとえば、図2に示すように、変流器3からの交流の二次電流を整流するダイオードブリッジ回路DBを備えている。整流器4は、ダイオードブリッジ回路DBの一方の直流出力端と抵抗R1の一端とを直列接続させている。抵抗R1の他端と、ダイオードブリッジ回路DBの他方の直流出力端との間には、LED1aと抵抗R2との並列回路を電気的に接続させている。
【0048】
整流器4は、太陽電池SCが発電した電力の大きさに応じた二次電流を変流器3により整流しLED1aに給電する。そのため、変流器3からの二次電流に基づいて発光するLED1aからの光は、導光部材5の一端5a側から導入され内部を導光しながら発光量に応じて明るさが表示される。
【0049】
すなわち、表示装置1は、変流器3からの二次電流によりLED1aを点灯させるので、LED1aを点灯させるために商用電源ACを利用する電源回路や制御回路などを備える必要もない比較的簡単な構成とすることが可能となる。また、表示装置1は、使用者が表示部1bに表示された部位P1,P2の位置により太陽電池SCが発電する電力の大きさを視覚的に使用者等に容易に把握させることができる。
【符号の説明】
【0050】
SC 太陽電池
P1,P2 部位
1 表示装置
1a LED
1b 表示部
2 電力変換器
3 変流器
4 整流器
5 導光部材
5a 一端
10 パワーコンディショナ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽電池からの直流電力を所定の交流電力に変換する電力変換器と、前記太陽電池が発電した電力の大きさを表示する表示装置とを備えたパワーコンディショナであって、
前記表示装置は、前記電力の大きさに応じた出力の大きさで発光するLEDと、該LEDからの光が照射されて光を発する部位の大きさが前記出力に応じて変化する表示部とを有することを特徴とするパワーコンディショナ。
【請求項2】
前記表示部は、長尺状の導光部材の一端側に前記LEDが設けられ、前記一端側から前記導光部材の内部に導光する前記出力に応じた前記LEDからの光により、前記長尺状の長手方向に沿って前記導光部材に表示する前記部位の大きさが変化することを特徴とする請求項1に記載のパワーコンディショナ。
【請求項3】
前記表示装置は、前記電力変換器から出力される交流電力の出力線に設けられ前記電力の大きさに応じた二次電流を出力する変流器と、該変流器からの前記二次電流を整流し前記LEDに給電する整流器とを有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のパワーコンディショナ。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−168699(P2012−168699A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−28647(P2011−28647)
【出願日】平成23年2月14日(2011.2.14)
【出願人】(505155012)パナソニックエコソリューションズ電路株式会社 (140)
【Fターム(参考)】