説明

フォーム用途のための高溶融強度ポリエステル

本発明は発泡製品の製造における使用のための分枝鎖状ポリエチレンテレフタレート−コ−イソフタレートに関係する。分枝鎖状ポリエチレンテレフタレート−コ−イソフタレートはi)約5〜約15重量%のイソフタル酸を含んでなるポリエチレンテレフタレート−コ−イソフタレート、およびii)枝分かれ剤である共単量体を含んでなる組成物により特徴づけることができ、枝分かれ剤である共単量体は3またはそれより大きい官能性を有する多価アルコールでありそして多価アルコールが1モルの合計二酸当たり約0.005〜約0.01当量の量で存在する。本発明の他の態様はこれらの組成物から製造される発泡製品並びにこれらの組成物および発泡製品を製造する方法を包含する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願へのクロス−リファレンス
この出願は2009年6月5日に出願された米国暫定出願第61/184429号からの優先権を主張する。
【0002】
発明の分野
本発明は、特に発泡製品における使用のための、高溶融強度ポリエステル組成物に関係する。ポリエステル組成物は多官能性単量体を含んでなる分枝鎖状ポリエチレンテレフタレート−コ−イソフタレート(polyethylene terephthalate−co−isophthalate)に関係する。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
熱可塑性ポリエステル樹脂、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、は良好な機械的特性、耐熱性、化学的耐性および寸法安定性を有する。PETおよびPETをベースとするコポリエステルは押し出し、射出成型および延伸ブロー成型の分野で広く使用されて例えば繊維、容器およびフィルムの如き製品を製造する。
【0004】
ポリエステルは典型的には低い溶融粘度、低い溶融強度および低い溶融弾性を有する。従って、溶融したPETは発泡時に急速につぶれる傾向がある。発泡PETは、セル寸法における広い差異、セル壁厚さなどにより、一般的に劣悪な機械的性質も有する。
【0005】
より大きい溶融強度および弾性を与えるために分枝鎖状ポリエステルがフォーム用途のために開発されてきた。溶融粘度または溶融強度を改良するためにポリエステルの中に枝分かれを導入するための種々の多官能性カップリング剤、例えばピロメリト酸二無水物(PDMA)および重合体状エポキシ化合物の使用は例えばGhatta他の特許文献1およびRotter他の特許文献2で論じられている。そのような試薬は一般的にポリエステルにマスターバッチとして発泡工程の押し出し機部分において溶融前に加えられる。この方法は枝分かれ度が組成物が溶融状態にある滞留時間および温度に依存するという欠点を有する。さらに、反応していないカップリング剤は発泡製品の中に残存するであろう。
【0006】
他の普遍的な枝分かれ剤は、発泡用途のための高溶融強度PET中への押し出し用PETと配合される二酸、無水物、およびポリヒドロキシ化合物を包含する(例えば、Muschiattiの特許文献3)。
【0007】
溶融レオロジー制限の他に、線状ポリエステルは一般的に劣悪な溶融安定性、すなわち加工中の分子量の損失、も有する。ポリエステルの溶融安定性の欠如はポリエステルフォーム廃棄物(再生材料)を発泡工程に戻して効率的に再循環させる能力を制限する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第5,362,763号明細書
【特許文献2】米国特許第5,288,764号明細書
【特許文献3】米国特許第5,229,432号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
発明の要旨
良好な溶融安定性を有しており発泡製品の製造における使用のために再生材料(regrind)と配合可能である高溶融強度ポリエステル組成物に関する要望が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によると、発泡製品の製造における使用のための良好な溶融安定性を有する高溶融強度ポリエステルである分枝鎖状ポリエチレンテレフタレート−コ−イソフタレートが見出された。本発明の態様は、i)約5〜約15重量%のイソフタル酸を含んでなるポリエチレンテレフタレート−コ−イソフタレート、およびii)枝分かれ剤である共単量体を含んでなる組成物であって、枝分かれ剤である共単量体が3またはそれより大きい官能性を有する多価アルコールであり、そして多価アルコールが、1モルの合計二酸当たり約0.005〜約0.01当量の量で存在する組成物である。組成物は約0.85〜約1.5dl/gの固有粘度を有しうる。本発明はまた分枝鎖状ポリエチレンテレフタレート−コ−イソフタレートおよび発泡製品を製造する方法、並びにそのような発泡製品にも関する。
【発明を実施するための形態】
【0011】
発明の詳細な記述
本発明の態様はi)約5〜約15重量%のイソフタル酸を含んでなるポリエチレンテレフタレート−コ−イソフタレート、およびii)枝分かれ剤である共単量体を含んでなる組成物であって、枝分かれ剤である共単量体が3またはそれより大きい官能性を有する多価アルコールであり、そして多価アルコールが、1モルの合計二酸当たり約0.005〜約0.01当量の量で存在する組成物である。
【0012】
本発明の組成物はポリエチレンテレフタレート−コ−イソフタレートの高固有粘度の分枝鎖状ランダムコポリエステルであり、そして重合中のエチレングリコールの代わりの多価アルコール類の導入により製造される。
【0013】
ポリエチレンテレフタレート−コ−イソフタレートの分枝鎖状ランダムコポリエステルはテレフタル酸およびイソフタル酸(またはそれらのエステル)、2より大きい、例えば3もしくはそれ以上または4もしくはそれ以上、の官能性を有する枝分かれ剤とエチレングリコールから製造できる。普遍的な溶融重合方法を使用して約0.65dl/gの固有粘度を有する重合体を得る。この前駆体樹脂のペレットを次に標準的方法により約0.85〜約1.5dl/g、例えば約0.9〜約1.2dl/g、のIVまで固相重合する。
【0014】
(コポリエステルを基準とする)イソフタル酸の重量%は約5〜約15%、例えば約6〜約10%、でありうる。イソフタル酸の包含は固相重合中のゲル生成を減少させそしてコポリエステルの融点をホモ重合体と比べて下げる。このより低い融点は押し出し発泡工程でより低い加工温度を使用可能にし、そして加工中のIV損失を減らすため廃棄フォームの粉砕およびバージン樹脂との約50%までの混合を可能にする。約5%より少ないイソフタル酸では、本発明の組成物に関して意図する枝分かれ剤の範囲においてゲルが形成される。約15重量%より多いイソフタレートのレベルでは、発泡製品中で生じうる結晶化度は、核生成剤を使用しても、発泡製品に充分な強度を与えるには不充分である。
【0015】
本発明における枝分かれ剤としての使用に適する多価アルコールは3またはそれより大きい官能性(f)を有しておりそして1分子当たり少なくとも3個のヒドロキシ基を有すると理解されよう。例えば、トリエチロールプロパンは3の官能性を有しそしてペンタエリトリトールは4の官能性を有する。適する多価アルコール類およびそれらへの前駆体の例はグリセロール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリトリトールまたはそのエステル、ジペンタエリトリトール、トリペンタエリトリトールなどを包
含する。特に適する多価アルコール類またはそれらの誘導体はペンタエリトリトール、トリメチロールプロパンおよびエトキシル化されたトリメチロールプロパンを包含する。化合物のエトキシル化された誘導体を使用することもできる。1種もしくはそれ以上の多価アルコール類を組み合わせて使用することができる。
【0016】
多価アルコールの当量モル質量はそのモル質量/fである。コポリエステル中の枝分かれ剤の量は、1モルの合計二酸当たり約0.005当量〜0.01当量、例えば1モルの合計二酸当たり約0.0075〜約0.01当量、でありうる。例えば、136g/モルのモル質量およびf=4を有するペンタエリトリトールに関しては、当量モル質量は34g/モルである。テレフタル酸およびイソプタル酸のモル質量は両者とも166g/モルである。1モルの合計二酸当たり0.01当量のペンタエリトリトールを含有する組成物は166gの二酸当たり0.34gのペンタエリトリトールを有し、二酸の重量を基準として1,000,000×0.34/166=2049ppmに相当する。1モルの合計二酸当たり約0.005当量より少ない枝分かれ剤では、押し出し発泡工程中の安定で且つ均一なセル形成に必要な高い低剪断粘度に到達せず、1モルの合計二酸当たり約0.01当量より多いと、重合中にゲル化が起き始める。
【0017】
コポリエステルのメルトフローインデックス(MFI)は組成物のゼロ剪断粘度の測定値であり、高いゼロ剪断粘度(低いメルトフローインデックス)が発泡製品中の均一なセルに要求される。発泡前に、押し出し中に低い粘度樹脂を有することにより押し出し工程における温度および圧力を最少にし、翻って押し出し中のコポリエステル分子量の損失を最少にするためは、剪断速度に伴う溶融粘度(すなわち動的レオメーターで測定される見かけ粘度)の減少(剪断薄肉化)が重要である。粘度力価により表示される剪断薄肉化は典型的には動的粘度力価に関して約0.6より小さく、そして約0.8より小さい。発泡工程中に、溶融物は高い溶融強度を必要とする高い伸び変形を受ける。
【0018】
ゼロ剪断粘度(η)の重量平均分子量(Mw)に対する依存性は線状PETに関して確立されている。2つの方法は、それより下ではηがMwと直接的に釣り合いそしてそれより上ではηがMw3.4と一般的に釣り合うような臨界分子量(Mc)により分類される。Mcより低い分子量を有する連鎖は絡み合うには小さすぎるが、それより高い分子量連鎖は絡み合いカップリングのためにトポロジー的に制限される。約55,000g/モルのMcの値は一般的に同じMwの線状PETと比べてより低い分枝鎖状コポリエステル類のηに基づいてPETに関しては一般的に許容される。良好なフォーム密度および剛性に関すると、Mwは典型的にはMcのこの臨界値より大きく、例えば75,000g/モルより上であり、例えば約100,000g/モルより上である。枝分かれのレベルが増加するにつれて、一定のIVでは、たとえメルトフローインデックスが減少しても、Mnは減少し、Mwはほぼ一定のままでありそしてMzは増加する。
【0019】
本発明の組成物はそのMwおよびMFI対Mwの比により同定できる。Mwは約75,000g/モルより、例えば100,000g/モルより、上であることができそして310℃および2.06kgの負荷において測定されるMFI対Mwの比は約2×10−4またはそれより下でありうる。
【0020】
本発明のポリエステル組成物の性質は種々の添加剤の導入によっても改変されうる。これらの添加剤は普遍的な有機充填剤、例えばカーボンブラック、シリカゲル、アルミナ、クレー類および細断されたガラス繊維、でありうる。酸化防止剤を組成物に加えて再生材料の使用時の繰り返し加工中に良好な溶融安定性を維持することもできる。他の添加剤、例えば難燃剤、潤滑剤、強化剤、光安定剤、可塑剤、顔料、バリアー樹脂など、も本発明のポリエステル組成物に加えることができる。核生成剤を重合体組成物に加えて発泡を促進させそして発泡製品における結晶化度を調節することもできる。適切には、これらの核
生成剤を押し出し発泡工程中に本発明のコポリエステル組成物に加える。同様に、上記の他の添加剤を工程のこの段階において加えることもできる。まとめると、添加剤はカーボンブラック、シリカゲル、アルミナ、クレー類、細断されたガラス繊維、酸化防止剤、難燃剤、潤滑剤、強化剤、光安定剤、可塑剤、顔料、バリアー樹脂、核生成剤およびそれらの混合物よりなる群から選択される少なくとも1員を含んでなりうる。
【0021】
普遍的な押し出し技術を使用して本発明のポリエステル樹脂を、例えば200kg/mより小さい密度まで、発泡させることができる。ポリエステル樹脂を、押し出し機ホッパー中に供給される前に、全ての添加剤と予備配合または乾燥配合することができ、或いはポリエステル樹脂を包含する全ての成分を押し出し機ホッパーに別個に添加剤供給機の使用により加えることもできる。選択された成分を物理的にまたは溶融配合物として、成分の残りの中への導入前に、予備配合することができる。再生材料物質をバージンポリエステル樹脂と配合してもよい。
【0022】
本発明の他の態様は、(a)テレフタル酸およびイソフタル酸、またはそれらのエステル誘導体、エチレングリコール、並びに多価アルコールを溶融重合して、約5〜約15重量%のイソフタル酸および約0.005〜約0.01当量の多価アルコールを含んでなる約0.65g/dlの固有粘度を有するコポリエステルを製造し、(b)コポリエステルを水浴の中に押し出し、クエンチしそして固体押し出し物をペレットに切断し、そして(c)約0.85〜約1.5dl/gの固有粘度までペレットを結晶化させそして固相重合することを含んでなるコポリエステルを製造する方法である。
【0023】
本発明の他の態様は、(a)約5〜約15モル%のイソフタル酸含有量および1モルの合計酸当たり約0.005〜約0.01当量の枝分かれ剤含有量並びに約0.85〜約1.5dl/gの固有粘度を有する分枝鎖状ポリエチレンテレフタレート−コ−イソフタレートコポリエステルを添加剤と配合し、ここで、枝分かれ剤が3またはそれより大きい官能性を有する多価アルコールであり、(b)押し出し機の中で配合物を溶融し、(c)発泡剤を溶融混合物に加え、そして(d)生じた混合物を押し出して発泡製品を得ることを含んでなる発泡製品を製造する方法である。発泡剤は低分子量炭化水素類、例えばブタンおよびペンタンの異性体、または二酸化炭素でありうる。
【0024】
添加剤はカーボンブラック、シリカゲル、アルミナ、クレー類、細断されたガラス繊維、酸化防止剤、難燃剤、潤滑剤、強化剤、光安定剤、可塑剤、顔料、バリアー樹脂、核生成剤およびそれらの混合物よりなる群から選択される少なくとも1員を含んでなりうる。
【0025】
適切には、押し出し発泡工程中に核生成剤を重合体組成物に加える。同様に、他の添加剤を工程のこの段階において加えることもできる。
【0026】
他の態様は以上の態様のフォームから製造できる発泡製品であり、例えば、硬質フォーム絶縁用のシート、熱成形トレイ用のシート並びに他の食品包装製品、複合製品用の芯の如き工業的最終使用のための他の形状を包含する。
【0027】
実験および試験方法
コポリエステルは酢酸マンガンにより触媒作用を受けるテレフタル酸ジメチルおよびエチレングリコールを用いる普遍的なエステル交換反応により製造される。単量体が製造されたら、ポリ燐酸を加えてMn触媒を捕獲し、三酸化アンチモンを加えそして単量体を標準的温度(約285〜約290℃)および真空条件(500Paより低い)下で重合して約0.65dl/gのIVを有する非晶質樹脂を製造する。枝分かれ剤およびイソフタル酸をDMTおよびエチレングリコールの最初の充填量と共に加える。非晶質樹脂を結晶化させそして真空回転容器の中で約200°〜約215℃においてそれが要求される最終的
なIVに達するまで固相重合する。
【0028】
コポリエステル類の固有粘度はASTM D4603−96の方法を用いてジクロロ酢酸(DCA)を溶媒として用いて25℃において計算される。
【0029】
コポリエステルのメルトインデックスはASTM D1238−04に従い2.06kgの重量を用いて測定される。コポリエステルの溶融粘度はASTM3835−02に従い測定され、そして動的粘度はASTM D440−07に従いRheometrics平行板レオメーターを用いて測定される。剪断速度に伴う溶融粘度における減少(剪断薄肉化)は羃法則式:
η = k.γn
における力価、n、により特徴づけられ、ここでηは溶融粘度でありそしてγは剪断速度(s−1)である。粘度力価、n、は50および1000s−1における溶融粘度の比から計算される。同様な関係:
η* = k’.ωn’
を角剪断頻度(ω、rad.s−1)に伴う動的粘度(η)における減少に関して使用できる。動的粘度力価、n、は1および100rad.s−1の間の動的粘度の比から計算される。
【0030】
融点はASTM D3418−97に従い測定される。
【0031】
分子量分布は単分散ポリスチレンで基準化されたゲル透過クロマトグラフィー(GPC)(ウォーターズ・コーポレーション(Waters Corp.))により測定される。5mgの重合体を1.2mlの50/50容量のヘキサフルオロイソプロパノール/クロロホルムの中に溶解しそして溶液を18.8mlのクロロホルムで希釈する。
【0032】
ゲル含有量は20mgの重合体を6mlの50/50容量のヘキサフルオロイソプロパノール/クロロホルムの中に溶解することにより測定される。溶液を80mlのクロロホルムで希釈しそして0.45μmのテフロン膜を通して濾過する。濾過前後の乾燥フィルターの重量における差異を最初の質量の%として表示する。ゲルが存在するこれらの試料では、GPCは可溶性部分の分子量分布を表わす。少量のオリゴマー類の影響を排除するために、平均分子量は2000ダルトンより大きい分子量分布を基準にする。
【0033】
実施例
【実施例1】
【0034】
一連のポリエチレンテレフタレート−コ−イソフタレートコポリエステル類を異なる量のイソフタル酸およびペンタエリトリトールを使用して製造し、異なる最終的なIVレベルまで重合した。組成物およびそれらの溶融特性を測定しそして表1に示した。断らない限り、共単量体の量は最終的コポリエステル中の重量%(またはppm)として表示される。SSP時間は20〜24時間の範囲内であった。
【0035】
【表1】

【実施例2】
【0036】
6.5重量%のIPAおよび500ppm(0.004当量/モルの二酸)のペンタエリトリトールを含有する約1.1dl/gのIVおよび234℃の融点を有するコポリエステルを製造した。この樹脂を270℃において水浴の中に押し出しそして粒状化して0.88IVのIVを有する樹脂を与えた。この押し出された樹脂およびバージン樹脂の50/50重量混合物を配合しそして乾燥しそして押し出した。50%の「再生材料」を含有するこの配合物は0.87dl/gのIVを有していた。バージン樹脂、押し出された樹脂および50%再生材料配合物のMWDおよび動的粘度(η)を280℃において測定しそして結果を表2に示した。
【0037】
【表2】

【0038】
押し出し機コポリエステルとバージン樹脂および押し出された樹脂(再生材料)の50/50配合物のMwとの間のMwにおける小さい差異は、ポリエチレンテレフタレート−コ−イソフタレートコポリエステル中の多官能性枝分かれ剤の使用が所望する剪断薄肉化(約0.8またはそれより小さい粘度力価)を保ちながら分子量におけるさらなる減少を伴わずに廃棄トリミング(再生材料)を50%レベルまで再循環させうる押し出し発泡工程に適する組成物を与えることの証明である。
【0039】
本発明をその具体的な態様と共に記述してきたが、上記の記述に鑑みて多くの代用、変更、および変動は当業者には自明であることが明らかである。従って、本発明は特許請求の範囲の精神および範囲に入る全てのそのような代用、変更、および変動を包括することを意図する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
i)約5〜約15重量%のイソフタル酸を含んでなるポリエチレンテレフタレート−コ−イソフタレート、およびii)枝分かれ剤である共単量体を含んでなる組成物であって、枝分かれ剤である共単量体が3またはそれより大きい官能性を有する多価アルコールでありそして多価アルコールが1モルの合計二酸当たり約0.005〜約0.01当量の量で存在する組成物。
【請求項2】
該枝分かれ剤である共単量体が4またはそれより大きい官能性を有する多価アルコールである請求項2の組成物。
【請求項3】
該ポリエチレンテレフタレート−コ−イソフタレートが25℃におけるジクロロ酢酸中の約0.85〜約1.5dl/gの固有粘度を有する請求項1の組成物。
【請求項4】
重量平均分子量が約75,000g/モルまたはそれより大きい請求項1の組成物。
【請求項5】
2.06kgの負荷での310℃におけるメルトフローインデックス対重量平均分子量の比が約2×10−4またはそれより小さい請求項1の組成物。
【請求項6】
該多価アルコールがグリセロール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリトリトールまたはそのエステル、ジペンタエリトリトール、トリペンタエリトリトール、この群のエトキシル化された誘導体、およびそれらの混合物よりなる群から選択される少なくとも1員を含んでなる請求項1の組成物。
【請求項7】
添加剤をさらに含んでなる請求項1の組成物。
【請求項8】
該添加剤がカーボンブラック、シリカゲル、アルミナ、クレー、細断されたガラス繊維、酸化防止剤、難燃剤、潤滑剤、強化剤、光安定剤、可塑剤、顔料、バリアー樹脂、核生成剤およびそれらの混合物よりなる群から選択される少なくとも1員を含んでなる請求項7の組成物。
【請求項9】
a.i)テレフタル酸およびイソフタル酸、またはそれらのエステル誘導体、ii)エチレングリコール、並びにiii)多価アルコールを溶融重合して、約5〜約15モル%のイソフタル酸および約0.005〜約0.01当量の多価アルコールを含んでなる約0.65g/dlの固有粘度を有するコポリエステルを製造し、
b.該コポリエステルを水浴の中に押し出し、クエンチしそして固体押し出し物をペレットに切断し、そして
c.約0.85〜約1.5dl/gの固有粘度までペレットを結晶化させそして固相重合する
ことを含んでなるコポリエステルを製造する方法。
【請求項10】
a.約5〜約15モル%のイソフタル酸含有量および1モルの合計酸当たり約0.005〜約0.01当量の枝分かれ剤含有量並びに約0.85〜約1.5dl/gの固有粘度を有する分枝鎖状ポリエチレンテレフタレート−コ−イソフタレートコポリエステルを添加剤と配合し、ここで、枝分かれ剤が3またはそれより大きい官能性を有する多価アルコールであり、
b.押し出し機の中で配合物を溶融し、
c.発泡剤を溶融混合物に加え、そして
d.生じた混合物を押し出して発泡製品を得る
ことを含んでなる発泡製品を製造する方法。
【請求項11】
該添加剤がカーボンブラック、シリカゲル、アルミナ、クレー、細断されたガラス繊維、酸化防止剤、難燃剤、潤滑剤、強化剤、光安定剤、可塑剤、顔料、バリアー樹脂、核生成剤およびそれらの混合物よりなる群から選択される少なくとも1員を含んでなる請求項10の組成物。
【請求項12】
約5〜約15モル%のイソフタル酸含有量および1モルの合計酸当たり約0.005〜約0.01当量の枝分かれ剤含有量並びに約0.85〜約1.5dl/gの固有粘度を有する分枝鎖状ポリエチレンテレフタレート−コ−イソフタレートコポリエステル並びに添加剤を含んでなる発泡製品であって、ここで、枝分かれ剤が3またはそれより大きい官能性を有する多価アルコールである発泡製品。
【請求項13】
製品が絶縁用シート、熱成形されたトレイおよび工業的最終使用のための他の形状よりなる群から選択される請求項12の発泡製品。

【公表番号】特表2012−528927(P2012−528927A)
【公表日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−514129(P2012−514129)
【出願日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際出願番号】PCT/US2010/037255
【国際公開番号】WO2010/141717
【国際公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(309028329)インビスタ テクノロジーズ エス エイ アール エル (80)
【Fターム(参考)】