説明

ブレーキシュー

【課題】 制動時の摩擦振動を有効に吸収することができて、ブレーキ鳴きを低減することができるブレーキシューを提供する。
【解決手段】 回転する円筒形のブレーキドラムの内面にブレーキシューのライニングを摩擦接触させ、制動力を発生させるドラムブレーキにおける、リムとライニングの間に制振材を介在させたブレーキシューであって、前記制振材が繊維状物質の織布からなる基材に摩擦調整材及び結合材を含浸させ、結合材を硬化させた摩擦材のシートであることを特徴とするブレーキシュー。摩擦材シートの厚さが、0.5〜1.5mm程度であることが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドラムブレーキに係り、特に自動車、とりわけフォークリフト等に用いるドラムブレーキのブレーキシューにおける制動時の振動低減あるいはブレーキ鳴きの低減に関する。
【背景技術】
【0002】
フォークリフトに用いられるドラムブレーキにおいては、一般的に図2に示すように、車輪(図示せず)と共に回転するブレーキドラム6の内側に、一対の弓形のブレーキシュー3がバッキングプレート5上に支持されており、各ブレーキシュー3は、その上端部がホイールシリンダ7のピストン7aに係合し、ホイールシリンダ7の作動によりブレーキドラム6に押し付けられて制動力を発生する。また、バッキングプレート5上に支持した操作レバー12を矢印B方向に回動させることによって、各ブレーキシュー3をブレーキドラム6に押し付けて駐車ブレーキを作動することができるように構成されている。
ブレーキシュー3は、円弧状のリム3aと、リム3aの内側に固着された弓形のウェブ3bと、リム3aの外側に固着されてブレーキドラム6の内周面に摺接可能なライニング3cとを備える。
【0003】
常用ブレーキを作動する場合、ブレーキドラム6が矢印A方向に回転しているものとして図示していないマスタシリンダからホイールシリンダ7に圧油を導入すれば、ピストン7aによって各ブレーキシュー3の上端部が外方に押し出され、各ライニング3cがブレーキドラム6の内周面に摺接する。すると、両ブレーキシュー3とアジャスタ9は一体となって矢印A方向に回動させられ、両ブレーキシュー3に発生するブレーキ力がピストン7aの鍔状の端部によってホイールシリンダ7の端面に受け止められ制動が行われる。制動を解除する場合は、マスタシリンダからのホイールシリンダ7への圧油導入を解除し、ピストン7aによるブレーキシュー3の押し出しを解除する。それにより、リターンスプリング11の復元力でブレーキシュー3が元の位置に復帰し、ライニング3cがブレーキドラム6の内周面から離間する。
【0004】
上記のような構成のドラムブレーキにおいて、制動時の摩擦接触によるライニングの摩擦振動により、ブレーキ鳴きが発生するという問題があり、騒音の一要因となっている。このブレーキ鳴きによる騒音を防止するにはライニングの摩擦振動を防止することが必要である。それにはライニングを形成する摩擦材そのものの弾性を増加させて、ライニングの振動減衰特性を向上させることが有効であるが、ライニングの摩擦材は高い耐摩耗性を要求されるため摩擦材の硬度を上げることが必要であり、それゆえ摩擦材そのものの弾性の増加には限度がある。
従って、このようなライニングの摩擦振動の防止対策として、従来から、種々の方法が提案されている。
【0005】
かかるドラムブレーキのライニングの摩擦振動の防止対策として、とられている手法のいくつかを以下に示す。
1)ライニング特性の変更
特許文献1には、通常、基材繊維と、結合材、添加材の混合物を成形して構成される摩擦材の構成を、有機繊維1〜15重量%、グラファイトなどの炭素質成分10重量%未満、モース硬度が5以下の無機水和物2〜40重量%、モース硬度が3〜9の非金属無機物2〜20重量%とすることにより、ブレーキ振動の原因のロータの偏摩耗を抑制して低周波ノイズの発生を抑制した摩擦材が開示されている。
【0006】
2)ライニングを貼るシュー形状の変更
特許文献2には、ドラムブレーキ用ブレーキシューのリムの1次の曲げ振動モードの節位置近傍から先端にかけて、リム先端の4隅部分がライニングとともに除去され、これによりライニングとブレーキドラムとの間の共振を防止して、ブレーキ鳴きの発生を防止するブレーキシューが開示されている。
【0007】
3)振動を押さえる防振ダンパーの装着
特許文献3には、ブレーキシューのリム上に無機繊維等を基材として断面三角形のライニング材を傾斜面を上面にして固設し、前記ライニング材の傾斜面に摺動可能に当接したフッ素ゴム等の弾性材を取り付けたブラケットをブレーキシューのウェブに固着して、ブレーキ鳴きの発生要因であるブレーキシューの振動を全ての振動発生方向で減衰し、ブレーキ鳴きを抑制するブレーキシューが開示されている。
また、特許文献4には、ブレーキシューのリムの内面に、またはブレーキパッドの裏板に、アルファ・ゲル物質が保持体に封入されて構成された振動吸収体を配設することによって、ドラムブレーキにおけるブレーキシューの振動、またはディスクブレーキにおけるブレーキパッドの振動を吸収して、ブレーキ鳴きを低減するブレーキ装置が開示されている。特許文献5には、制振材として5〜30容積%の粘弾性材料を含むものを使用したことが開示されている。
【0008】
4)ドラム特性の変更
特許文献6には、ブレーキドラムの外周面に、四つの溝形成部を一体形成し、各溝形成部の溝には、溝形成部の表面から突出するように、ゴム状弾性体からなる減衰部材を圧入保持する。そして、四つの溝形成部は、その周方向の間隔を不均一とし、従って、四つの減衰部材の周方向の配置位置も不均一に構成する。そして、各減衰部材の外面側を、ホイールディスクの外周面に当接させている。こうすることによりブレーキドラムの振動特性を改善してブレーキ鳴きを低減するドラムブレーキが開示されている。
【0009】
【特許文献1】特開平5−32956号公報
【特許文献2】特開平10−331880号公報
【特許文献3】特開平5−27369号公報
【特許文献4】特開平11−264429号公報
【特許文献5】特開平8−28616号公報
【特許文献6】特開平9−166166号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上記対策1の特開平5−32956号公報に記載の摩擦材では、摩擦材の硬度と弾性の関係から、ロータの偏摩耗を完全に抑制することができず、低周波ノイズの発生を十分に抑制することが困難であり、十分な効果が得られなかった。
また、上記対策2の特開平10−331880号公報に記載のドラムブレーキでは、ブレーキシューの形状を変更しなければならず、加工費用が増大するだけでなく、汎用性に欠けるという問題点があった。
更に、上記対策3の特開平5−27369号公報に記載のドラムブレーキのブレーキシュー及び特開平11−264429号公報に記載のブレーキ装置のどちらもブレーキシューに複雑な構造のブラケットを固着したり、複雑な構成の振動吸収体をブレーキシューが取り付けられたリムの内側に配設しているので、構造が複雑になり、加工、作製費用が増大するという問題点が生じる。
更にまた、上記対策4の特開平9−166166号公報に記載のドラムブレーキにおいても、上記対策3の公報について記述したことと同様に、構造が複雑になり、加工、作製費用が増大するという問題点が生じる。
【0011】
本発明は、このような従来の課題に鑑みてなされたものであり、制動時の摩擦振動を有効に吸収することができて、ブレーキ鳴きを低減することができるドラムブレーキのブレーキシューを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者は、上記の目的を達成するために鋭意研究を行い、従来のドラムブレーキにおいて、ライニングとリムの相対する面の間に薄い吸振材を介在させて固定し、ライニングの摩擦振動を吸収させる技術に着目し、従来の吸振材ではライニングの摩擦振動を有効に吸収させることが困難であり、十分な効果が得られなかった原因について種々検討を行い、ライニングとリムの相対する面の間に介在させる制振材(吸振材)の材質を繊維状物質の織布からなる基材に摩擦調整材及び結合材を含浸させて硬化させたシートに改良することにより十分な効果が得られることを見出し、かかる知見に基づいて本発明を達成するに至った。
【0013】
上記の目的を達成するため、本発明は下記の構成から成るものである。
(1)回転する円筒形のブレーキドラムの内面にブレーキシューのライニングを摩擦接触させ、制動力を発生させるドラムブレーキにおける、リムとライニングの間に制振材を介在させたブレーキシューであって、前記制振材が繊維状物質の織布からなる基材に摩擦調整材及び結合材を含浸させ、結合材を硬化させた摩擦材のシートであることを特徴とするブレーキシュー。
(2)前記摩擦材シートの厚さが、0.5〜1.5mmであることを特徴とする前記(1)記載のブレーキシュー。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ブレーキドラムの内面に摩擦接触するライニングと、弓形のウェブの外側に固着されている円弧状のリムとの間に、前記した制振材である摩擦材のシートを介在させてブレーキシューを構成しているため、制振材はライニングの摩擦界面よりシュー側に位置するので、制振材がドラムの内側に摩擦接触することがない。このため、制振材を形成する摩擦材のシートは、ライニングの摩擦材のように高い耐摩耗性を要求されることがなく、従って摩擦材の硬度を特に上げる必要がなく、摩擦材そのものの弾性の増加には特に制限を受けることがない。そして、制振材である摩擦材シートは、繊維状物質の織布からなる基材に摩擦調整材及び結合材を含浸させ、結合材を硬化させた摩擦材(クラック用摩擦材)のシートであるから、前記したように弾力性があることにより、制振材がライニングの摩擦材の摩擦振動を確実に抑制することにより、ブレーキ鳴きを効果的に防止できる。
【0015】
また制振材である摩擦材シートは、繊維状物質の織布を基材とするものであり、この繊維状物質として耐熱性の有機高分子繊維、あるいはガラス繊維を用いているため、前記したように弾力性があることに加えて耐熱性にも優れている。更に、製造時には、基材が比較的目の粗い織布であるために、ライニングとシューとを一体的に固着させるためのリベットを貫通することが容易であるとともに、ライニングとリムとの密着力が増大するという効果も有する。その結果、高負荷によりライニングがリムからずれる(滑る)等の問題も生じないという優れた効果も有する。
更に、摩擦材シートは柔軟性を有し、リムの形状の弓形に容易に曲げることが可能なため、平坦な摩擦材のシートをそのまま利用できるという利点も有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
次に本発明の一実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
本発明のブレーキシューは、先に記述したように、図2に示す従来のドラムブレーキのブレーキシューのライニング3cとリム3aの相対する面の間に、特定の材質の摩擦材のシートを介在させて、リベットを挿通してかしめることによりライニング3cがリム3aに固着されるように形成されている。
【0017】
上記の構成について、図1を参照しなから説明する。図2で示した部分と同一部分は同一符号を用いて示す。
図1において、ライニング3cを制振材である摩擦材のシート4を介在させてリム3aに取り付けた状態の本発明のブレーキシュー3の一部が断面で示されている。ライニング3cは摩擦材2からなり、摩擦材2に設けられた後記する複数の取付孔23にて、例えばリベット1又はボルトとナット等の固定具により公知の方法でブレーキシューのリム3aに固定される。
【0018】
ライニング3cの摩擦材2は、ブレーキドラム6の内面と摩擦接触する面21、摩擦接触する面とは反対側のリム3aと対向する面22、及び摩擦材2の周縁に沿って所定の間隔で形成された前記の複数の取付孔23を有している。摩擦材2は、従来と同様に無機質、有機質の繊維材料を基材とし、有機質、無機質又は金属材料の摩擦摩耗調整材と、これらの成分を結着成形する結合材とから成形することができる。
【0019】
そして、本発明のブレーキシューにおいては、ライニング3cのリム3aと対向する面22とリム3aとの間に制振材4を介在させている。そして、本発明は、この制振材4が繊維状物質の織布からなる基材、摩擦調整材及び結合材からなる摩擦材のシートである点が特徴である。以下に、この摩擦材シートの各構成成分について説明する。なお、この摩擦材は、従来クラッチ用摩擦材として使用されている摩擦材に類似しているものであるが、制振材として用いる関係で、基材として繊維状物質の織布からなる基材を用いている点に特徴があり、それに含浸させる摩擦調整材及び結合材などの組成もそれに適するように組成を選択することが好ましい。
【0020】
上記の摩擦材は、摩擦作用を与え、かつその摩擦性能を調整する摩擦調整材、補強作用をする繊維状物質の織布からなる繊維基材、これらの成分を一体化する結合材などの材料からなっている。そのうちの繊維状物質の織布からなる繊維基材には、繊維物質として無機繊維、有機繊維などが用いられるが、それぞれの特徴があり、1種類ではすべての要求を満足することができな場合には、2種類以上のものが組み合わされて使用される。織布に用いられる繊維の太さや、長さは、通常織布に用いられる範囲のもので十分である。
そして、繊維状物質の織布からなる基材の厚さなどは、要求される強度等により選択される。
【0021】
一方、摩擦材の摩擦特性を調整する材料としては摩擦調整材及び固体潤滑材があるが、これらにも無機系と有機系とがあり、それぞれの特性があり、1種類ではすべての要求を満足することができないので、通常2種類以上のものが組み合せて使用されている。そして、摩擦調整材としては、例えばアルミナやシリカ、マグネシア、ジルコニア等の無機摩擦調整材、合成ゴムやカシュー樹脂等の有機摩擦調整材を、固体潤滑材としては、例えば黒鉛や二硫化モリブデン等を挙げることができる。
この外に、充填材として、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、金属粉、バーミキュライト、マイカなどが用いられる。
【0022】
上記の成分を結着一体化する結合材である熱硬化性樹脂結合材は、摩擦材の各配合成分を結合させる役割を有するものであり、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂等が使用される。このうち、好ましくはフェノール樹脂が用いられる。
【0023】
上記の繊維基材、摩擦調整材及び結合材の種類と使用量は特に限定されなく、制振材である摩擦材シートが、ライニングとしての摩擦材の摩擦振動を確実に抑制することにより、ブレーキ鳴きを防止できる弾力性及び硬度を有するような種類と使用量を選ぶことができる。
摩擦材シートの製造においては、織布に摩擦調整材及び結合材の微粉末を溶媒に分散させてスラリとしたものを含浸させ、乾燥後に加熱して結合材の熱硬化性樹脂を硬化させてシート状体を得る方法によるが、加熱による硬化は熱成形法によってもよいが、熱ロールによってもよい。
【0024】
上記の各成分を混合し加熱成形して得られた摩擦材シートの厚さは、ノイズ防止効果及びリベット貫通しやすさから0.5〜1.5mm程度であることが好ましく、0.6mm程度であることが更に好ましい。
厚さが0.5mmよりも薄いと、摩擦材シートの弾性を増加してもライニングの摩擦振動を有効に吸収させることが困難になり、制振効果が低くなり鳴きの発生の防止に十分な効果が得られない。
一方、厚さが1.5mmを超えて厚くなるとリベットを挿通し難くなり、ライニングとリムの相対する面の間に介在させて固定する作業性が悪くなる。
【0025】
次に、ライニング3cとリム3aの間に制振材としての摩擦材シート4を介在させて固着させる手順について説明する。ライニング3cには所定の間隔をあけて複数の取付孔23が形成され、リム3aには上記の取付孔23に対向する位置に透孔33が形成され、取付孔23及び透孔33にリベット1を挿通してかしめることにより、摩擦材シート4を介在させてライニング3cがリム3aに固着されてブレーキシュー3が作製される。なお、摩擦材シート4には、リベット1のための通孔を設ける必要がない。その理由は摩擦材シート4が比較的目の粗い繊維状物質の織布を基材とするため、リベット1を挿入すれば容易に貫通するからである。またライニング3cには取付孔23の孔心と一致する孔心を有し、かつリベット1の頭部13を遊挿可能な座ぐり24がライニング3cを形成する摩擦材2から摩擦材シート(制振材)4に向かって形成される。
【0026】
座ぐり24は、リベット1の頭部13を遊挿可能な孔径を有し、リベット1の頭部13頂面がライニング3cを形成する摩擦材2の摩耗限界面よりもリム3a側にやや近い位置、すなわちライニング3cの摩耗限界面に略一致する深さを有する。
従って制振材である摩擦材シート4がライニング3cの摩耗限界面よりリム3a側に位置するので、摩擦材シート4がブレーキドラム6内周面に接触する前にライニング3cが取り替えられる。この結果、摩擦材シート4自体がブレーキドラム6の内周面に摩擦接触することはない。
それゆえ、摩擦材シート4の摩擦材は、ライニング3cの摩擦材2と違って摩擦材の硬度を特に上げる必要がないから、弾性の増加限度が大きくなる。
【0027】
この結果、制動時にはライニング3cの摩擦材2が回転するドラム6の内面に摩擦接触する。このとき摩擦材2に摩擦振動が発生しようとするが、この摩擦振動は弾性の大きな摩擦材シート4の弾性力により十分に抑制され、ブレーキ鳴きの発生が効果的に防止される。
【0028】
上記のブレーキシューの作製における固定具としてリベットを使用して説明したが、リベットのみに限定されるものではなく、ボルトとナットで固定することも可能である。しかし、フォークリフトのような短距離あるいは短時間の間に頻繁に制動を繰返す車両用には、固定具のゆるみが発生する怖れのないリベットによるかしめ方式が好ましい。
上記の厚さが約0.6mmの摩擦材シートを介在させて、リベットでかしめて作製したブレーキシューを使用した50台のフォークリフトについて制動時の鳴き発生防止について試験したところ、49台でノイズ音が発生しなかった。すなわち、ブレーキ鳴き発生の防止効果は98%であった。
【0029】
上記したように、本発明に係る摩擦材シートをブレーキシューに使用した場合について詳細に説明したが、上記の記述から明らかな様に、制振材シートは摩擦材(クラッチ用摩擦材)から作製されたものであり、弾性が大きくまた耐熱性にも優れている。従って、ドラムブレーキのブレーキシュー以外の他のブレーキ装置の摩擦部材にも適用した場合にもノイズレス効果が期待できる。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明のブレーキシューは、制動時にブレーキシューに生ずる振動を防止し、その結果、ブレーキシューからのノイズ、鳴きの発生の防止効果が優れているので、短距離の移動あるいは短時間の間に頻繁に制動を繰返す車両、特にフォークリフト用ドラムブレーキのブレーキシューとして大きな用途を有する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明のブレーキシューの部分側面図である。
【図2】従来のドラムブレーキの一般的な構成の説明図である。
【符号の説明】
【0032】
1 リベット
2 摩擦材
3 ブレーキシュー
3a リム
3b ウェブ
3c ライニング
4 制振材(摩擦材シート)
5 バッキングプレート
6 ブレーキドラム
7 ホイールシリンダ
7a ピストン
9 アジャスタ
11 リターンスプリング
12 操作レバー
13 リベットの頭部
21 ブレーキドラムの内面と摩擦接触する面
22 リムへの対向面
23 取付孔
24 座ぐり
33 透孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転する円筒形のブレーキドラムの内面にブレーキシューのライニングを摩擦接触させ、制動力を発生させるドラムブレーキにおける、リムとライニングの間に制振材を介在させたブレーキシューであって、前記制振材が繊維状物質の織布からなる基材に摩擦調整材及び結合材を含浸させ、結合材を硬化させた摩擦材のシートであることを特徴とするブレーキシュー。
【請求項2】
前記摩擦材シートの厚さが、0.5〜1.5mmであることを特徴とする請求項1記載のブレーキシュー。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−16823(P2007−16823A)
【公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−196622(P2005−196622)
【出願日】平成17年7月5日(2005.7.5)
【出願人】(000000516)曙ブレーキ工業株式会社 (621)
【Fターム(参考)】