プリント配線板および電子機器
【課題】ルータ加工作業に関する効率を向上させる。
【解決手段】第1の面と、この第1の面とは反対側に設けられた第2の面とを有し、電子部品が実装される製品部301と、前記製品部301と間隙を有して設けられた端部302と、前記製品部301と前記端部302を連結する連結部303と、を備え、前記製品部301の第1の面に塗布された第1の塗料301aと、前記第1の塗料301aとは離間し、前記端部302の第1の面と前記連結部303の第1の面とに亘って塗布された第2の塗料302aと、を備えたことを特徴とする。
【解決手段】第1の面と、この第1の面とは反対側に設けられた第2の面とを有し、電子部品が実装される製品部301と、前記製品部301と間隙を有して設けられた端部302と、前記製品部301と前記端部302を連結する連結部303と、を備え、前記製品部301の第1の面に塗布された第1の塗料301aと、前記第1の塗料301aとは離間し、前記端部302の第1の面と前記連結部303の第1の面とに亘って塗布された第2の塗料302aと、を備えたことを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリント配線板および電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
パーソナルコンピュータ等の電子機器に用いられる、プリント配線板(PWB)と実装部品により構成されるプリント回路板(PCB)は、それぞれの製品によって様々な形状をしているが、実装ラインに投入する場合、一般にはPWB製品となる複数枚の単面と端材(捨て材)を組み合わせた多面設計を実施する。
【0003】
これらの多面設計では、製品部である単面と端材との間の要所を接続し、ルータ加工で単面と端材とをカットする構造を有する。
多面設計では、無駄のない最適な多面取りを実現するため、実装ラインに投入できる、PCBワークサイズ、製品外形、部品方向、飛び出し部品、実装禁止エリアなどを考慮して、人手により設計を行っている。
【0004】
この種のプリント配線板における設計技術として、従来では、例えば特許文献1に示すように、捨板部の端部にVカット認識用パターンの外方に位置させてVカット加工の有無と加工位置を形状で認識させるためのVカット用切欠部を設けたプリント配線板が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−188482
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に示すような従来の技術では、製品部と端材部との連結領域において部分的に認識パターンが設けられるため、当該認識パターンから離れた位置でカットが正常に行われたか否かを確認するためには、導通パターンを設けて電気検査で確認する必要がある。
【0007】
本発明の目的は、ルータ加工作業に関する効率を向上させるプリント配線板および電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するため、本発明の一つの形態は、第1の面と、この第1の面とは反対側に設けられた第2の面とを有し、電子部品が実装される製品部と、前記製品部と間隙を有して設けられた端部と、前記製品部と前記端部を連結する連結部と、を備え、前記製品部の第1の面に塗布された第1の塗料と、前記第1の塗料とは離間し、前記端部の第1の面と前記連結部の第1の面とに亘って塗布された第2の塗料と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
また、本発明の一つの形態は、第1の面と、この第1の面とは反対側に設けられた第2の面とを有し、電子部品が実装される製品部と、前記製品部と間隙を有して設けられた端部と、前記製品部と前記端部を連結する連結部と、を備え、前記連結部を跨ぎ、前記製品部の第1の面と前記端部の第1の面とに亘って塗布された塗料と、前記製品部の第1の面と前記連結部の第1面とに亘り、ルータの軌道に沿って塗布されたガイド塗料と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
また、本発明の一つの形態は、筐体と、前記筐体に収容され、第1の面と、この第1の面とは反対側に設けられた第2の面とを有し、電子部品が実装される製品部と、前記製品部と間隙を有して設けられた端部と、前記製品部と前記端部を連結する連結部と、を備えたプリント配線板と、前記プリント配線板の第1の面で製品部に塗布された第1の塗料と、前記第1の塗料とは離間し、前記プリント配線板の第1の面で端部と連結部とに亘って塗布された第2の塗料と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
ルータ加工作業に関する効率を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施の形態に係る電子機器の外観を示す概略図である。
【図2】本実施例のルータ加工前のプリント配線板に実装された電子部品を示した図である。
【図3】本実施例におけるプリント配線板の連結部周辺の一例を示した図である。
【図4】第2の実施形態に係るプリント配線板を示した図である。
【図5】第2の実施形態のプリント配線板の第1の変形例を示した図である。
【図6】第2の実施形態のプリント配線板の第2の変形例を示した図である。
【図7】第3の実施形態に係るプリント配線板を示した図である。
【図8】第3の実施形態のプリント配線板の第1の変形例を示した図である。
【図9】第3の実施形態のプリント配線板の第2の変形例を示した図である。
【図10】第3の実施形態のプリント配線板の第3の変形例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(電子機器の構成)
図1は、本発明の実施の形態に係る電子機器の外観を示す概略図である。図1では、本発明の実施形態の一例としてノートブック型パーソナルコンピュータを開示している。
【0014】
本実施例のパーソナルコンピュータ100(電子機器)は、表示部10Aと本体部20Aとから構成されている。表示部10Aと本体部20Aとはヒンジ部15により開閉自在に接続されている。本体部20Aは下部筐体20を有す。下部筐体20(筐体)は、CPU(Central Processing Unit)やメモリ等の電子部品を実装したプリント配線板201(プリント配線板)であって情報を処理する本体機能部2を収容している。
【0015】
下部筐体20は、上面20a、底面20b、左側面20e、右側面20f、前面20g、及び背面20hを有している。この下部筐体20には、文字やコマンドを入力するためのキーボード等の文字入力部3と、ポインティングデバイスとしてのトラックパッド4Aと、選択・決定コマンドを入力するための決定スイッチ4Bと、利用者の認証等に用いる指紋読取部5とが収納されている。上面20aには、開口部20A〜Dが開けられている。また、上面20aには、開口部20D周辺に窪部21が形成されている。開口部20Aからは文字入力部3が露出している。開口部20Bからはトラックパッド4Aが露出している。開口部20Cからは決定スイッチ4Bが露出している。開口部20Dからは指紋読取部5が露出している。
【0016】
表示部10Aは上部筐体10を有する。上部筐体10には文字や画像等を表示する液晶表示パネル等からなる画像表示部1が収容されている。上部筐体10は前面20iを有する。前面20iには開口部20Eが開けられている。開口部20Eからは画像表示部1が露出している。
【0017】
(プリント配線板の構成)
次に、図2及び図3を参照しながら、本実施例のパーソナルコンピュータ100に収容されるプリント配線板201の構成について説明する。図2は、本実施例のルータ加工前のプリント配線板201に実装された電子部品202を示した図である。図3は、本実施例におけるプリント配線板201の連結部周辺の一例を示した図である。
【0018】
図2及び図3に示すように、プリント配線板201には、電子部品(図示していない)を実装する製品部301(製品部)と、この製品部301の周囲に間隙を有して設けられる端材302(端部)と、製品部301と端材302とを連結する連結部303(連結部)とを有する。
【0019】
図3に示すように、本実施例のプリント配線板201には、製品部301と端材302とに其々レジスト301a,302a(第1の塗料、第2の塗料)が塗布されている。製品部301に塗布されたレジスト301aは、連結部303の周囲に塗布されている。本実施例では、レジスト301aが製品部301と連結部303との接続された領域を避けるようにして塗布された場合の例、即ち、連結部303側から見てレジスト301aが塗布されていない領域が製品部301側に入りこんでいる状態の例を示している。
【0020】
端材302に塗布されたレジスト302aは、製品部301に塗布されたレジスト301aとは離間し、端材302の表面と-連結部303の表面とに亘って塗布されている。本実施例では、レジスト302aが製品部301と連結部303との接続された領域を避けるようにして塗布された場合の例、即ち、レジスト302aが製品部301とは離間して塗布された状態の例を示している。
【0021】
本実施例のプリント配線板201では、製品部301と端材302とが連結部303により連結された状態で電子部品の実装工程を完了した後、ルータカット方式にて連結部303を切断し、製品部301と端材302とを分離する。
【0022】
図2及び図3に示すように、本実施例のプリント配線板201では、ルータカットを実行する際におけるルータの軌道(ルータカット端)に沿ってレジスト301a,302aを塗布していない領域、即ちプリント配線板201の表面が露出した領域が設けられている。このように本実施例のプリント配線板201では、ルータカット後に正常にカットが行われたか否かを、導通パターンを設けて電気検査で確認する必要がなく、目視により判断・確認することができる。これにより、製造コストの低減、及びルータカット工程における作業効率の向上が実現される。
【0023】
図3に示すように、例えば、ルータカット後のルータカット端が、ルータカット端Aの状態であれば、作業者はレジスト302aが残っているため正常にカットができていないことを判定可能である。ルータカット後のルータカット端が、ルータカット端Bの状態であれば、作業者はレジスト302aがなく、且つ、プリント配線板201の表面が露出した領域が残っているため正常にカットがなされたことを判定可能である。ルータカット後のルータカット端が、ルータカット端Cの状態であれば、作業者はプリント配線板201の表面が露出した領域が残っていないため正常にカットができていないことを判定可能である。
【0024】
このように本実施例のプリント配線板201では、ルータカット後、連結部303近傍のレジスト301a,302a、および当該レジスト301a,302aが塗布されていない領域を目視することで正常にカットができたか否かを判定可能である。
【0025】
次に、本発明の第2の実施形態に係る電子機器としてのパーソナルコンピュータ100について、図4乃至図6を参照して説明する。図4は、第2の実施形態に係るプリント配線板201を示した図である。なお第1の実施形態に係るパーソナルコンピュータ100と同一または類似の機能を有する構成は、同一の符号を付してその説明を省略する。この第2の実施形態は、上記第1の実施形態に対してプリント配線板201のレジストの塗布形状が異なる。第2の実施形態のパーソナルコンピュータ100は、図1に示すものとほぼ同様の外観を有している。
【0026】
第2の実施形態におけるパーソナルコンピュータ100の筐体は、プリント配線板201を収容する。第2の実施形態のプリント配線板201では、第1の実施形態におけるレジスト301a,302aを塗布していない領域、即ちプリント配線板201の表面が露出した領域にレジスト303aが設けられている。
【0027】
図4に示すように、レジスト303aは、レジスト301aとレジスト302aと、其々間隙を有して塗布されている。具体的に、本実施例のプリント配線板201では、ルータカットを実行する際におけるルータの軌道に沿って、レジスト303aと、レジスト301a及びレジスト302aと、で形成された溝状のガイド400が形成されている。
【0028】
このような構成にすることで、第1の実施形態のプリント配線板201と同様の効果を得ることができる。
ここで、図5及び図6を参照しながら、図5は、第2の実施形態のプリント配線板201の第1の変形例を示した図であり、ガイド400がレジスト303aと、レジスト301a及びレジスト302aとで形成された溝状のパターンと、線状のレジスト303aのパターンとで形成されている。図6は、第2の実施形態のプリント配線板201の第2の変形例を示した図であり、ガイド400が製品部301側のみ設けられている。ガイド400は、レジスト303aとレジスト301aとで形成された溝状のパターンと、線状のレジスト303aのパターンとで形成されている。第2の実施形態のプリント配線板201における変形例を示す。ここでは、レジスト303aが塗布されている領域内にプリント配線板201の表面が露出した領域を設けている。これにより、よりガイド400が強調されて目視確認が容易となる。
【0029】
次に、本発明の第3の実施形態に係る電子機器としてのポータブルコンピュータ100について、図7乃至図10を参照して説明する。図7は、第3の実施形態に係るプリント配線板201を示した図である。なお第1の実施形態に係るパーソナルコンピュータ100と同一または類似の機能を有する構成は、同一の符号を付してその説明を省略する。この第3の実施形態は、上記第1の実施形態に対してプリント配線板201の塗料塗布形状が異なる。第3の実施形態のパーソナルコンピュータ100は、図1に示すものとほぼ同様の外観を有している。
【0030】
第3の実施形態におけるパーソナルコンピュータ100の筐体は、プリント配線板201を収容する。第3の実施形態のプリント配線板201では、第1の実施形態におけるレジスト301aがプリント配線板201表面全域、即ち製品部301と、端材302と、連結部303に亘って塗布されている。そして、第1の実施形態のプリント配線板201におけるプリント配線板201の表面が露出した領域に対応した位置に、ルータの軌道に沿った目印用のシルク印刷501がなされている。
【0031】
このような構成にすることで、第1の実施形態のプリント配線板201と同様の効果を得ることができる。
ここで、図8乃至図10を参照しながら、第3の実施形態のプリント配線板201における変形例を示す。図8は、第3の実施形態のプリント配線板201の第1の変形例を示した図であり、製品部301側及び端材302側に其々線状のシルク501のパターンで形成されたガイド400が設けられている。図9は、第3の実施形態のプリント配線板201の第2の変形例を示した図であり、製品部301側及び端材302側に其々2重の線状シルク501のパターンで形成されたガイド400が設けられている。図10は、第3の実施形態のプリント配線板201の第3の変形例を示した図であり、製品部301側にのみ、線状のシルク501のパターンで形成されたガイド400が設けられている。
【0032】
図8乃至図10に示すように、第3の実施形態の第1乃至第3の変形例におけるプリント配線板201では、シルク印刷501が、ルータの軌道を囲むガイド400を形成するように塗布されている。これにより、よりガイド400が強調されて目視確認が容易となる。
【0033】
以上、第1ないし第3の実施形態、及びこれらの実施例における複数の変形例に係るポータブルコンピュータ100について説明したが、本発明の実施形態はこれらに限定されない。第1ないし第3の実施形態及びこれらの実施例における複数の変形例に係る構成要素は、適宜を組み合わせて実施することができる。
【0034】
本発明が適用可能な電子機器はパーソナルコンピュータに限らず、例えばデジタルカメラやビデオカメラ、パーソナルデジタルアシスタントなど種々の電子機器に適用可能である。
【符号の説明】
【0035】
1…画像表示部
2…本体機能部
3…文字入力部
4A…トラックパッド
4B…決定スイッチ
5…指紋読取部
10A…表示部
10…上部筐体
20A…本体部
20…下部筐体(筐体)
20a…上面
20b…底面
20e…左側面
20f…右側面
20g…前面
20h…背面
20i…前面
201…プリント配線板
301…製品部
302…端材
303…連結部
301a,302a,303a…レジスト
400…ガイド
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリント配線板および電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
パーソナルコンピュータ等の電子機器に用いられる、プリント配線板(PWB)と実装部品により構成されるプリント回路板(PCB)は、それぞれの製品によって様々な形状をしているが、実装ラインに投入する場合、一般にはPWB製品となる複数枚の単面と端材(捨て材)を組み合わせた多面設計を実施する。
【0003】
これらの多面設計では、製品部である単面と端材との間の要所を接続し、ルータ加工で単面と端材とをカットする構造を有する。
多面設計では、無駄のない最適な多面取りを実現するため、実装ラインに投入できる、PCBワークサイズ、製品外形、部品方向、飛び出し部品、実装禁止エリアなどを考慮して、人手により設計を行っている。
【0004】
この種のプリント配線板における設計技術として、従来では、例えば特許文献1に示すように、捨板部の端部にVカット認識用パターンの外方に位置させてVカット加工の有無と加工位置を形状で認識させるためのVカット用切欠部を設けたプリント配線板が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−188482
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に示すような従来の技術では、製品部と端材部との連結領域において部分的に認識パターンが設けられるため、当該認識パターンから離れた位置でカットが正常に行われたか否かを確認するためには、導通パターンを設けて電気検査で確認する必要がある。
【0007】
本発明の目的は、ルータ加工作業に関する効率を向上させるプリント配線板および電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するため、本発明の一つの形態は、第1の面と、この第1の面とは反対側に設けられた第2の面とを有し、電子部品が実装される製品部と、前記製品部と間隙を有して設けられた端部と、前記製品部と前記端部を連結する連結部と、を備え、前記製品部の第1の面に塗布された第1の塗料と、前記第1の塗料とは離間し、前記端部の第1の面と前記連結部の第1の面とに亘って塗布された第2の塗料と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
また、本発明の一つの形態は、第1の面と、この第1の面とは反対側に設けられた第2の面とを有し、電子部品が実装される製品部と、前記製品部と間隙を有して設けられた端部と、前記製品部と前記端部を連結する連結部と、を備え、前記連結部を跨ぎ、前記製品部の第1の面と前記端部の第1の面とに亘って塗布された塗料と、前記製品部の第1の面と前記連結部の第1面とに亘り、ルータの軌道に沿って塗布されたガイド塗料と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
また、本発明の一つの形態は、筐体と、前記筐体に収容され、第1の面と、この第1の面とは反対側に設けられた第2の面とを有し、電子部品が実装される製品部と、前記製品部と間隙を有して設けられた端部と、前記製品部と前記端部を連結する連結部と、を備えたプリント配線板と、前記プリント配線板の第1の面で製品部に塗布された第1の塗料と、前記第1の塗料とは離間し、前記プリント配線板の第1の面で端部と連結部とに亘って塗布された第2の塗料と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
ルータ加工作業に関する効率を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施の形態に係る電子機器の外観を示す概略図である。
【図2】本実施例のルータ加工前のプリント配線板に実装された電子部品を示した図である。
【図3】本実施例におけるプリント配線板の連結部周辺の一例を示した図である。
【図4】第2の実施形態に係るプリント配線板を示した図である。
【図5】第2の実施形態のプリント配線板の第1の変形例を示した図である。
【図6】第2の実施形態のプリント配線板の第2の変形例を示した図である。
【図7】第3の実施形態に係るプリント配線板を示した図である。
【図8】第3の実施形態のプリント配線板の第1の変形例を示した図である。
【図9】第3の実施形態のプリント配線板の第2の変形例を示した図である。
【図10】第3の実施形態のプリント配線板の第3の変形例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(電子機器の構成)
図1は、本発明の実施の形態に係る電子機器の外観を示す概略図である。図1では、本発明の実施形態の一例としてノートブック型パーソナルコンピュータを開示している。
【0014】
本実施例のパーソナルコンピュータ100(電子機器)は、表示部10Aと本体部20Aとから構成されている。表示部10Aと本体部20Aとはヒンジ部15により開閉自在に接続されている。本体部20Aは下部筐体20を有す。下部筐体20(筐体)は、CPU(Central Processing Unit)やメモリ等の電子部品を実装したプリント配線板201(プリント配線板)であって情報を処理する本体機能部2を収容している。
【0015】
下部筐体20は、上面20a、底面20b、左側面20e、右側面20f、前面20g、及び背面20hを有している。この下部筐体20には、文字やコマンドを入力するためのキーボード等の文字入力部3と、ポインティングデバイスとしてのトラックパッド4Aと、選択・決定コマンドを入力するための決定スイッチ4Bと、利用者の認証等に用いる指紋読取部5とが収納されている。上面20aには、開口部20A〜Dが開けられている。また、上面20aには、開口部20D周辺に窪部21が形成されている。開口部20Aからは文字入力部3が露出している。開口部20Bからはトラックパッド4Aが露出している。開口部20Cからは決定スイッチ4Bが露出している。開口部20Dからは指紋読取部5が露出している。
【0016】
表示部10Aは上部筐体10を有する。上部筐体10には文字や画像等を表示する液晶表示パネル等からなる画像表示部1が収容されている。上部筐体10は前面20iを有する。前面20iには開口部20Eが開けられている。開口部20Eからは画像表示部1が露出している。
【0017】
(プリント配線板の構成)
次に、図2及び図3を参照しながら、本実施例のパーソナルコンピュータ100に収容されるプリント配線板201の構成について説明する。図2は、本実施例のルータ加工前のプリント配線板201に実装された電子部品202を示した図である。図3は、本実施例におけるプリント配線板201の連結部周辺の一例を示した図である。
【0018】
図2及び図3に示すように、プリント配線板201には、電子部品(図示していない)を実装する製品部301(製品部)と、この製品部301の周囲に間隙を有して設けられる端材302(端部)と、製品部301と端材302とを連結する連結部303(連結部)とを有する。
【0019】
図3に示すように、本実施例のプリント配線板201には、製品部301と端材302とに其々レジスト301a,302a(第1の塗料、第2の塗料)が塗布されている。製品部301に塗布されたレジスト301aは、連結部303の周囲に塗布されている。本実施例では、レジスト301aが製品部301と連結部303との接続された領域を避けるようにして塗布された場合の例、即ち、連結部303側から見てレジスト301aが塗布されていない領域が製品部301側に入りこんでいる状態の例を示している。
【0020】
端材302に塗布されたレジスト302aは、製品部301に塗布されたレジスト301aとは離間し、端材302の表面と-連結部303の表面とに亘って塗布されている。本実施例では、レジスト302aが製品部301と連結部303との接続された領域を避けるようにして塗布された場合の例、即ち、レジスト302aが製品部301とは離間して塗布された状態の例を示している。
【0021】
本実施例のプリント配線板201では、製品部301と端材302とが連結部303により連結された状態で電子部品の実装工程を完了した後、ルータカット方式にて連結部303を切断し、製品部301と端材302とを分離する。
【0022】
図2及び図3に示すように、本実施例のプリント配線板201では、ルータカットを実行する際におけるルータの軌道(ルータカット端)に沿ってレジスト301a,302aを塗布していない領域、即ちプリント配線板201の表面が露出した領域が設けられている。このように本実施例のプリント配線板201では、ルータカット後に正常にカットが行われたか否かを、導通パターンを設けて電気検査で確認する必要がなく、目視により判断・確認することができる。これにより、製造コストの低減、及びルータカット工程における作業効率の向上が実現される。
【0023】
図3に示すように、例えば、ルータカット後のルータカット端が、ルータカット端Aの状態であれば、作業者はレジスト302aが残っているため正常にカットができていないことを判定可能である。ルータカット後のルータカット端が、ルータカット端Bの状態であれば、作業者はレジスト302aがなく、且つ、プリント配線板201の表面が露出した領域が残っているため正常にカットがなされたことを判定可能である。ルータカット後のルータカット端が、ルータカット端Cの状態であれば、作業者はプリント配線板201の表面が露出した領域が残っていないため正常にカットができていないことを判定可能である。
【0024】
このように本実施例のプリント配線板201では、ルータカット後、連結部303近傍のレジスト301a,302a、および当該レジスト301a,302aが塗布されていない領域を目視することで正常にカットができたか否かを判定可能である。
【0025】
次に、本発明の第2の実施形態に係る電子機器としてのパーソナルコンピュータ100について、図4乃至図6を参照して説明する。図4は、第2の実施形態に係るプリント配線板201を示した図である。なお第1の実施形態に係るパーソナルコンピュータ100と同一または類似の機能を有する構成は、同一の符号を付してその説明を省略する。この第2の実施形態は、上記第1の実施形態に対してプリント配線板201のレジストの塗布形状が異なる。第2の実施形態のパーソナルコンピュータ100は、図1に示すものとほぼ同様の外観を有している。
【0026】
第2の実施形態におけるパーソナルコンピュータ100の筐体は、プリント配線板201を収容する。第2の実施形態のプリント配線板201では、第1の実施形態におけるレジスト301a,302aを塗布していない領域、即ちプリント配線板201の表面が露出した領域にレジスト303aが設けられている。
【0027】
図4に示すように、レジスト303aは、レジスト301aとレジスト302aと、其々間隙を有して塗布されている。具体的に、本実施例のプリント配線板201では、ルータカットを実行する際におけるルータの軌道に沿って、レジスト303aと、レジスト301a及びレジスト302aと、で形成された溝状のガイド400が形成されている。
【0028】
このような構成にすることで、第1の実施形態のプリント配線板201と同様の効果を得ることができる。
ここで、図5及び図6を参照しながら、図5は、第2の実施形態のプリント配線板201の第1の変形例を示した図であり、ガイド400がレジスト303aと、レジスト301a及びレジスト302aとで形成された溝状のパターンと、線状のレジスト303aのパターンとで形成されている。図6は、第2の実施形態のプリント配線板201の第2の変形例を示した図であり、ガイド400が製品部301側のみ設けられている。ガイド400は、レジスト303aとレジスト301aとで形成された溝状のパターンと、線状のレジスト303aのパターンとで形成されている。第2の実施形態のプリント配線板201における変形例を示す。ここでは、レジスト303aが塗布されている領域内にプリント配線板201の表面が露出した領域を設けている。これにより、よりガイド400が強調されて目視確認が容易となる。
【0029】
次に、本発明の第3の実施形態に係る電子機器としてのポータブルコンピュータ100について、図7乃至図10を参照して説明する。図7は、第3の実施形態に係るプリント配線板201を示した図である。なお第1の実施形態に係るパーソナルコンピュータ100と同一または類似の機能を有する構成は、同一の符号を付してその説明を省略する。この第3の実施形態は、上記第1の実施形態に対してプリント配線板201の塗料塗布形状が異なる。第3の実施形態のパーソナルコンピュータ100は、図1に示すものとほぼ同様の外観を有している。
【0030】
第3の実施形態におけるパーソナルコンピュータ100の筐体は、プリント配線板201を収容する。第3の実施形態のプリント配線板201では、第1の実施形態におけるレジスト301aがプリント配線板201表面全域、即ち製品部301と、端材302と、連結部303に亘って塗布されている。そして、第1の実施形態のプリント配線板201におけるプリント配線板201の表面が露出した領域に対応した位置に、ルータの軌道に沿った目印用のシルク印刷501がなされている。
【0031】
このような構成にすることで、第1の実施形態のプリント配線板201と同様の効果を得ることができる。
ここで、図8乃至図10を参照しながら、第3の実施形態のプリント配線板201における変形例を示す。図8は、第3の実施形態のプリント配線板201の第1の変形例を示した図であり、製品部301側及び端材302側に其々線状のシルク501のパターンで形成されたガイド400が設けられている。図9は、第3の実施形態のプリント配線板201の第2の変形例を示した図であり、製品部301側及び端材302側に其々2重の線状シルク501のパターンで形成されたガイド400が設けられている。図10は、第3の実施形態のプリント配線板201の第3の変形例を示した図であり、製品部301側にのみ、線状のシルク501のパターンで形成されたガイド400が設けられている。
【0032】
図8乃至図10に示すように、第3の実施形態の第1乃至第3の変形例におけるプリント配線板201では、シルク印刷501が、ルータの軌道を囲むガイド400を形成するように塗布されている。これにより、よりガイド400が強調されて目視確認が容易となる。
【0033】
以上、第1ないし第3の実施形態、及びこれらの実施例における複数の変形例に係るポータブルコンピュータ100について説明したが、本発明の実施形態はこれらに限定されない。第1ないし第3の実施形態及びこれらの実施例における複数の変形例に係る構成要素は、適宜を組み合わせて実施することができる。
【0034】
本発明が適用可能な電子機器はパーソナルコンピュータに限らず、例えばデジタルカメラやビデオカメラ、パーソナルデジタルアシスタントなど種々の電子機器に適用可能である。
【符号の説明】
【0035】
1…画像表示部
2…本体機能部
3…文字入力部
4A…トラックパッド
4B…決定スイッチ
5…指紋読取部
10A…表示部
10…上部筐体
20A…本体部
20…下部筐体(筐体)
20a…上面
20b…底面
20e…左側面
20f…右側面
20g…前面
20h…背面
20i…前面
201…プリント配線板
301…製品部
302…端材
303…連結部
301a,302a,303a…レジスト
400…ガイド
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の面と、この第1の面とは反対側に設けられた第2の面とを有し、電子部品が実装される製品部と、前記製品部と間隙を有して設けられた端部と、前記製品部と前記端部を連結する連結部と、を備え、
前記製品部の第1の面に塗布された第1の塗料と、
前記第1の塗料とは離間し、前記端部の第1の面と前記連結部の第1の面とに亘って塗布された第2の塗料と、
を備えたことを特徴とするプリント配線板。
【請求項2】
前記第1の塗料は、前記連結部の周囲に間隙を有して塗布された
ことを特徴とする請求項1に記載のプリント配線板。
【請求項3】
前記連結部の周囲に塗布された前記第1の塗料の縁部には、ルータの軌道に沿った第1のガイドが設けられた
ことを特徴とする請求項2に記載のプリント配線板。
【請求項4】
前記連結部の周囲に塗布された前記第2の塗料の縁部には、ルータの軌道に沿った第2のガイドが設けられた
ことを特徴とする請求項3に記載のプリント配線板。
【請求項5】
前記製品部の第1の面と前記端部の第1の面とに亘って塗布された第3の塗料を有し、
前記第3の塗料は、前記製品部の第1の面で前記第1の塗料と間隙を有して設けられることで前記第1のガイドを形成し、前記連結部の第1の面で前記第2の塗料と間隙を有して設けられることで前記第2のガイドを形成したこと
ことを特徴とする請求項4に記載のプリント配線板。
【請求項6】
前記第1のガイドは、前記連結部の周囲に塗布された前記第1の塗料の縁部に塗布された第4の塗料を用いて設けられた
ことを特徴とする請求項3に記載のプリント配線板。
【請求項7】
第1の面と、この第1の面とは反対側に設けられた第2の面とを有し、電子部品が実装される製品部と、前記製品部と間隙を有して設けられた端部と、前記製品部と前記端部を連結する連結部と、を備え、
前記連結部を跨ぎ、前記製品部の第1の面と前記端部の第1の面とに亘って塗布された塗料と、
前記製品部の第1の面と前記連結部の第1面とに亘り、ルータの軌道に沿って塗布されたガイド塗料と、
を備えたことを特徴とするプリント配線板。
【請求項8】
筐体と、
前記筐体に収容され、第1の面と、この第1の面とは反対側に設けられた第2の面とを有し、電子部品が実装される製品部と、前記製品部と間隙を有して設けられた端部と、前記製品部と前記端部を連結する連結部と、を備えたプリント配線板と、
前記プリント配線板の第1の面で製品部に塗布された第1の塗料と、
前記第1の塗料とは離間し、前記プリント配線板の第1の面で端部と連結部とに亘って塗布された第2の塗料と、
を備えたことを特徴とする電子機器。
【請求項9】
前記第1の塗料は、前記連結部の周囲に間隙を有して塗布された
ことを特徴とする請求項8に記載の電子機器。
【請求項10】
前記連結部の周囲に塗布された前記第1の塗料の縁部には、ルータの軌道に沿った第1のガイドが設けられた
ことを特徴とする請求項9に記載の電子機器。
【請求項1】
第1の面と、この第1の面とは反対側に設けられた第2の面とを有し、電子部品が実装される製品部と、前記製品部と間隙を有して設けられた端部と、前記製品部と前記端部を連結する連結部と、を備え、
前記製品部の第1の面に塗布された第1の塗料と、
前記第1の塗料とは離間し、前記端部の第1の面と前記連結部の第1の面とに亘って塗布された第2の塗料と、
を備えたことを特徴とするプリント配線板。
【請求項2】
前記第1の塗料は、前記連結部の周囲に間隙を有して塗布された
ことを特徴とする請求項1に記載のプリント配線板。
【請求項3】
前記連結部の周囲に塗布された前記第1の塗料の縁部には、ルータの軌道に沿った第1のガイドが設けられた
ことを特徴とする請求項2に記載のプリント配線板。
【請求項4】
前記連結部の周囲に塗布された前記第2の塗料の縁部には、ルータの軌道に沿った第2のガイドが設けられた
ことを特徴とする請求項3に記載のプリント配線板。
【請求項5】
前記製品部の第1の面と前記端部の第1の面とに亘って塗布された第3の塗料を有し、
前記第3の塗料は、前記製品部の第1の面で前記第1の塗料と間隙を有して設けられることで前記第1のガイドを形成し、前記連結部の第1の面で前記第2の塗料と間隙を有して設けられることで前記第2のガイドを形成したこと
ことを特徴とする請求項4に記載のプリント配線板。
【請求項6】
前記第1のガイドは、前記連結部の周囲に塗布された前記第1の塗料の縁部に塗布された第4の塗料を用いて設けられた
ことを特徴とする請求項3に記載のプリント配線板。
【請求項7】
第1の面と、この第1の面とは反対側に設けられた第2の面とを有し、電子部品が実装される製品部と、前記製品部と間隙を有して設けられた端部と、前記製品部と前記端部を連結する連結部と、を備え、
前記連結部を跨ぎ、前記製品部の第1の面と前記端部の第1の面とに亘って塗布された塗料と、
前記製品部の第1の面と前記連結部の第1面とに亘り、ルータの軌道に沿って塗布されたガイド塗料と、
を備えたことを特徴とするプリント配線板。
【請求項8】
筐体と、
前記筐体に収容され、第1の面と、この第1の面とは反対側に設けられた第2の面とを有し、電子部品が実装される製品部と、前記製品部と間隙を有して設けられた端部と、前記製品部と前記端部を連結する連結部と、を備えたプリント配線板と、
前記プリント配線板の第1の面で製品部に塗布された第1の塗料と、
前記第1の塗料とは離間し、前記プリント配線板の第1の面で端部と連結部とに亘って塗布された第2の塗料と、
を備えたことを特徴とする電子機器。
【請求項9】
前記第1の塗料は、前記連結部の周囲に間隙を有して塗布された
ことを特徴とする請求項8に記載の電子機器。
【請求項10】
前記連結部の周囲に塗布された前記第1の塗料の縁部には、ルータの軌道に沿った第1のガイドが設けられた
ことを特徴とする請求項9に記載の電子機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2010−287670(P2010−287670A)
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−139288(P2009−139288)
【出願日】平成21年6月10日(2009.6.10)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年6月10日(2009.6.10)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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