説明

ヘッジホッグタンパク質シグナル伝達経路を変調するアシルグアニジン誘導体

本発明は、特にヘッジホッグタンパク質シグナル伝達経路の調節異常に関連する組織機能不全を伴う疾患の治療のための医薬として用いられ、ヘッジホッグタンパク質シグナル伝達経路を変調するアシルグアニジン誘導体、及び該アシルグアニジン誘導体を含む医薬組成物に関する。本発明はまた、新規なアシルグアニジン誘導体それ自体に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特にヘッジホッグタンパク質シグナル伝達経路の調節異常(dysregulation)に関連する組織機能不全を伴う病的状態の治療のための医薬として用いられ、ヘッジホッグタンパク質シグナル伝達経路を変調するアシルグアニジン誘導体、及び該アシルグアニジン誘導体を含む医薬組成物に関する。本発明はまた、新規なアシルグアニジン誘導体それ自体に関する。
【背景技術】
【0002】
ヘッジホッグ(Hh)シグナル伝達分子は、ヘッジホッグタンパク質シグナル伝達経路を活性化する分泌自己タンパク分解性タンパク質である。このシグナル伝達経路は、多くの組織の形態形成、特に外胚葉及び胚軸の形成、脳及び毛包の発生や、細胞増殖において基本的な役割を演じ、おそらく、成人における組織の維持及び修復に関与する(Inghamら, Genes Dev., 2001, 15, 3059-3087; Martiら, Trends Neurosci., 2002, 25, 89-96; Weschlerら, Annu. Rev. Neurosci., 2001, 24, 385-428)。
【0003】
ショウジョウバエで最初に証明されたヘッジホッグタンパク質及び関連する伝達経路は、脊椎動物及び無脊椎動物において保存されている。Hhの単一のホモログがショウジョウバエにおいて存在するが、Hhの3つのホモログであるソニック(Sonic) (Shh)、インディアン(Indian) (Ihh)及びデザート(Desert) (Dhh)が、哺乳動物においては存在する。これらの3つのホモログのうち、Shhは、発生中のその広範な発現プロファイルにより、最も広く研究されている。Shhは、腹側正中線に沿って幾つかの型のニューロン(脊髄運動ニューロン、ドパミン作動性又はコリン作動性ニューロン)の初期の表現型を特定すること、及び腹側脊髄から乏突起神経膠細胞前駆体の生成を誘導することにより、神経管の腹側化に加担する。さらに、Shhは、gaba作動性及びドパミン作動性ニューロンの生存を誘導し、セロトニン作動性前駆体の運命を方向付け、毒性MPPにより引き起こされるドパミン作動性ニューロンの死を妨げる。最後に、これは、出生後初期の小脳における顆粒細胞前駆体の増殖を誘導する。ヘッジホッグファミリーのその他のメンバーは、それぞれ、骨組織(Ihh)、精巣及び末梢神経(Dhh)の発生に加担する。さらに、Shhを用いて得られる結果は、Dhh及びIhhにもあてはめることができる。
【0004】
胚発達中のヘッジホッグタンパク質シグナル伝達経路の調節性の役割は、広く研究されている。Hhは、正常組織における維持及び修復プロセスと、増殖及び分化の時空間的な調節とに関連し、そのことにより、発達中の組織が、適切な細胞型及び適切な脈管形成及び神経支配の程度をもって、正しいサイズに到達することを可能にする。Hhシグナル伝達機能の本質的役割は、Shh変異体で観察される全前脳胞症のような、ヒト胎児におけるこのシグナル伝達経路の欠陥の劇的な結果により証明されている。
より最近では、Shh経路が成人の脳において同定され、ここでは、この分子のアミノ末端活性型が、成熟神経系の多くの領域において、出生後初期の期間中に遭遇するよりも高いレベルで発現されている(Traiffortら, Eur. J. Neurosci., 1999, 11, 3199-3214及び2001, 14,839-850)。成人におけるShhの役割は完全には明らかになっていないが、その他の神経栄養性分子と同様に、これは、最初は、神経系の細胞の生存及び表現型の維持を促進できる因子であるようである(Reillyら, Mol. Cell. Neurosci., 2002, 19, 88-96; Charytoniukら, Eur. J. Neurosci., 2002, 16, 2351-2357)。パーキンソン病のモデル又は末梢神経障害のモデルのような病的状態の下では、Shhは、線条体におけるドパミン作動性ニューロンの軸索投射を保存できるか、又は坐骨神経の挫滅後に起こる運動回復に必要な時間を改善できる(Tsuboiら, Exp. Neurol., 2002, 173, 95-104; Pepinskiら, J. Pharm. Sci., 2002, 91, 371-387)。
【0005】
Hhタンパク質は、およそ45 kDaの未成熟な前駆体の形態として合成され、この前駆体がそのC末端領域により触媒される分子内切断を受ける。この切断により、既知のさらなる機能を有さない25 kDaのC末端フラグメントと、そのC末端でコレステロール分子と結合した、ヘッジホッグタンパク質の既知のシグナル伝達活性の全てについて十分に活性な19 kDaのアミノ末端フラグメント(N末端がプロセシングを受けたドメインについてHhNpという)とが生成される。
ヘッジホッグタンパク質シグナル伝達経路は、3つの主な成分を含む:Hhリガンドと、Patched (Ptc)ネガティブレギュレータ及びSmoothed (Smo)アクチベータで構成される膜貫通受容体回路と、転写エフェクターを調節する細胞質複合体である。
【0006】
ヘッジホッグモルフォゲンに対する細胞性応答は、腫瘍抑制遺伝子であるPatched (Ptc)遺伝子及びSmoothened (Smo)癌原遺伝子の発現産物により制御される。しかし、ヘッジホッグ経路調節についての正確な機構は、完全には明らかになっていない。哺乳動物は、細菌の輸送体に相同な12の膜貫通ドメインを有する糖タンパク質であるPtc1及びPtc2をそれぞれコードする2つのPatched遺伝子が存在する。Gタンパク質共役受容体ファミリーのタンパク質をコードするSmo遺伝子の産物は、既知の内因性リガンドを有さない。ヘッジホッグタンパク質の不存在下では、Ptcは、Smoの構成的活性を遮断するようである。ヘッジホッグがPtcに結合すると、この阻害が取り除かれて、Smoを介するシグナル変換が可能になるようである。哺乳動物において、PtcによりSmoの活性を調節するための機構は、Ptcにより輸送され、Smoと相互作用する分子を伴い得る(Taipaleら, Nature, 2002, 418, 892-896)。Gli転写因子の活性化が、Smoの活性に起因する事象のカスケードに関与する。I型膜貫通タンパク質であるHIP (ヘッジホッグ相互作用タンパク質)は別の受容体を構成し、これは、Ptcのものに匹敵する親和性をもってヘッジホッグ分子に結合する。HIPは、この経路のネガティブレギュレータとして提案されている(Inghamら, 上記; Hoら, Curr. Opin. Neurobiol., 2002, 12, 57-63; Taipaleら, Nature, 2001, 411, 349-354)。さらに、dispatched(Disp)遺伝子産物、特にDispAは、可溶性形態にあるヘッジホッグタンパク質の細胞外の環境への放出及び環境におけるその蓄積に関与するようである(Maら, Cell, 2002, 111, 63〜75)。
【0007】
Shhシグナル伝達経路の機能不全は、特にPtcが腫瘍抑制遺伝子として特徴付けられた後で、いくつかの癌と関連付けられている。実際に、Ptcの不活性化変異は、頭蓋顔面及び大脳の奇形、特に種々の腫瘍、より具体的には皮膚の基底細胞癌腫及び脳における髄芽腫の高い発生率を特徴とする優性常染色体疾患であるゴーリン症候群又は基底細胞母斑症候群と関連する。Ptc遺伝子についてヘテロ接合性のマウスは、小脳の腫瘍を発現し、このことは、Shh経路の改変が、これら腫瘍の原因であることを示唆する(Goodrichら, Science, 1997, 277, 1109-1113)。
ヒトPtc又はSmo遺伝子の変異も、中枢神経系の原始神経外胚葉性腫瘍、主に髄芽腫(症例の30%) において、また基底細胞癌腫の散発的な形態においても(Ptc及びSmoについて症例のそれぞれ40%及び20%)観察される。さらに、Shhの変異(H133Y)も、基底細胞癌腫と関連する。この受容体の7番目の疎水性ドメイン内にある2つのアミノ酸に主に関するSmo変異(W535L及びS533N)は、この経路の構成的活性化を誘導し、このことによりPtcの負の制御を回避する。対照的に、Ptcのこのような変異は、Shhの非存在下でSmoに対して奏される阻害の低減をもたらす。この2つの場合では、Shh経路の活性化がもたらされ、発達中の小脳の顆粒細胞の前駆体の培養において証明された強力な分裂促進活性及びこれらの神経芽細胞の分化の終末ステップの遮断をもたらす(Traiffortら, Eur. J; Neurosci., 1999, 上記; Charytoniukら, J. Physiol. Paris, 2002, 96, 9-16; Dahmaneら, Development, 1999, 126, 3089-3100; Wallaceら, Curr. Biol., 1999, 22, 103-114; Weshler-Reyaら, Neuron., 1999, 22, 103-114)。同様に、トランスジェニックマウスにおけるこれらの変異の1つを有するSmoの発現は、基底細胞癌腫の存在をもたらし、このことは、これらの腫瘍の発現におけるSmoの直接的な関与を証明する(Xieら, Nature, 1998, 391, 90-92)。
【0008】
基底細胞癌腫及び髄芽腫とは別に、その他の型の腫瘍が、ヘッジホッグシグナル伝達経路の欠陥と関連付けられている。これらの腫瘍の位置は、胚発達中のこの経路の構成因子の発現部位と密接に相関する。列挙し得る限定しない例は、Ptc変異と関連する乳癌及び髄膜腫、Gli変異と関連する膠芽腫、胃腸の癌、特に胃の原発性癌、前立腺癌、卵巣線維腫及び類皮腫、横紋筋肉腫、小細胞肺癌、並びに口腔扁平上皮癌である。最近では、Shhは、乾癬とも関連付けられている。
【0009】
多くの生理的プロセスにおけるヘッジホッグタンパク質シグナル伝達経路の本質的役割及びその結果としての該経路の機能不全に関連する病的状態の重大性のために、Smoothened及びPatched (Patched 1及びPatched 2)タンパク質、Dispatched (Dispatched 1及びDispatched 2)タンパク質又はHIPタンパク質のようなこの経路の構成因子は、この経路を変調(活性化又は阻害)することができ、そのことにより、インビトロ及び/又は胎児若しくは成人におけるインビボでの発達[増殖、分化、遊走、生存(アポトーシス)]、並びに/或いは分化した細胞及び幹細胞の活性を上方調節若しくは下方調節できる新規な分子を開発するための標的となる。
【0010】
このような分子は、ヘッジホッグ経路の過剰活性化に関連する腫瘍:神経組織腫瘍(髄芽腫、原始神経外胚葉性腫瘍、膠芽腫、髄膜腫及び乏突起神経膠腫)、皮膚腫瘍(基底細胞癌腫、毛包上皮腫)、筋肉及び骨組織の腫瘍(横紋筋肉腫、骨肉腫)、並びにその他の組織(腎臓、膀胱)の腫瘍の治療に用いることができる。
このような分子はまた、ヘッジホッグ経路の遮断を必要とする、神経変性型の病的状態(パーキンソン病、ハンチントン舞踏病、アルツハイマー病、多発性硬化症、運動ニューロン疾患)、及びヘッジホッグシグナル伝達経路の遮断が有益であり得る糖尿病のような疾患の治療においても用いることができる。
【0011】
このような分子はまた、- ヘッジホッグ経路の調節異常に関連する組織機能不全を含む - 多数の急性、亜急性若しくは慢性的な遺伝性又は後天性の病的状態の内科的又は外科的な治療(形成又は再建外科、組織又は臓器移植)において、組織の形成、再生、修復及び/又は活性増大を誘導するためにも有用である。このような組織の限定しない例は、神経組織[中枢神経系(脳)及び末梢神経系(感覚ニューロン、運動ニューロン、交感ニューロン)]、骨、軟骨、精巣、肝臓、脾臓、腸、膵臓、腎臓、平滑筋及び骨格筋、心臓、肺、皮膚及び毛髪系、粘膜、血液細胞並びに免疫系の細胞である。特に列挙され得るこのような病的状態の限定しない例は、神経障害及び関連する神経筋疾患、糖尿病、脱毛症、熱傷、潰瘍(皮膚及び粘膜)、並びに精子形成の問題である。
【0012】
ヘッジホッグ経路の活性を変調できる種々の分子が同定されている:
- ヘッジホッグタンパク質及び誘導ポリペプチド(フラグメント、バリアントなど)、特にヘッジホッグタンパク質アゴニスト及びアンタゴニスト(Biogen名義のPCT国際出願WO 01/98344);それらのサイズのために、これらタンパク質及び誘導ポリペプチドは、血液脳関門を横断できず、したがって、特にヘッジホッグタンパク質シグナル伝達経路の過剰活性化に関連する脳腫瘍の治療のために全身投与できない。さらに、このような分子は非常には安定でなく、産生及び精製が困難である;
- ヘテロ環有機分子(Curis名義のPCT国際出願WO 01/74344、及びChenら, PNAS, 2002, 99, 14071-14076);
- 窒素含有ヘテロ環分子(Curis名義のPCT国際出願WO 01/19800、WO 01/26644及びWO 02/30421、並びにKamenetskyら, J. Biol., 2002, 1, 1-19);及び
- 16位、17位又は18位をアミン若しくはアミン誘導体で置換されたバイケイソウ属の種(Veratrum spp)に由来する植物ステロイド(ジェルビン(jervine)、シクロパミン(cyclopamine)及びシクロポジン(cycloposine))及びナス属の種(Solanum spp.)に由来する植物ステロイド(ソラニジン(solanidine))、並びにコレステロール(Johns Hopkins University School of Medicine名義の米国特許US 6 432 970並びにPCT国際出願WO 99/52534及びWO 01/27135;Curis名義の米国特許US 6 291 516;Ontogeny名義のPCT国際出願WO 00/41545;Curis名義のPCT国際出願WO 02/30462;Talpaleら, Nature, 2000, 406, 1005-1009; Bermanら, Science, 2002, 297, 1559-1561)。しかし、シクロパミンは、哺乳動物の胎児における全前脳胞症及び単眼症の原因となる催奇性物質であり、10μMより高いシクロパミン濃度が細胞に対して毒性であると立証されたことも示されている(Borzilloら, Curr. Top Med. Chem., 2005, 5(2), 147-157)。植物ステロイドに由来するその他の化合物について、哺乳動物における毒性を有さないことは、まだ証明されていない;
【0013】
- RU-486又はRU-38486ともよばれるミフェプリストン(17β-ヒドロキシ-11β-(4-ジメチルアミノフェニル)-17α-(プロプ-1-イニル)エストラ-4,9-ジエン 3-オン) (CNRS名義のフランス特許出願第03 00646号)、これについては、ヘッジホッグタンパク質シグナル伝達経路の活性の阻害活性が証明されている;
- 出願US 2005/0085519 A1にも記載されるウレア又はチオウレア誘導体、これはヘッジホッグシグナル伝達経路のアンタゴニストである。
【0014】
以下の式:
【化1】

に一致するクロロベンゾチオフェン型(CAS No.: 364590-63-6)の合成アクチベータ化合物である、SAGの構造と類似の構造を有する分子SANT74及びSANT75は、Smoアクチベータのコンホメーションを効果的に制御することを可能にし、安定なインヒビターであることでも知られている(Yangら, 2009年4月14日に出版されたThe Journal of Biological Chemistry)。
【0015】
ヘッジホッグシグナル伝達経路を阻害するその他の化合物:ピリジルベースインヒビター(Genentech Inc.及びCuris Inc.名義のPCT国際出願WO2006/028958)及びビスアミドベースインヒビター (Genentech Inc.及びCuris Inc.名義のPCT国際出願WO2007/059157)も最近記載されている。
Gliファミリーの転写因子に特に作用するその他の分子も記載されている(Mahindrooら, J. Med. Chem. 2009, 52, 3829-3845)。
上述のことから、ヘッジホッグタンパク質シグナル伝達経路の活性を変調することを可能にし、ヒトにおける臨床試験により毒性がないことが立証されている分子は現在のところないことが理解される。
【0016】
したがって、本発明者らは、ヘッジホッグタンパク質シグナル伝達経路を変調(刺激又は阻害)し、特に合成が容易でヒトの治療に使用できる可能性を秘めるという点において実用的なニーズを首尾よく満たす新規な化合物を提供することを目的とした。
【0017】
この目的は、以下に記載される式(I)の化合物によって達成され、これは、容易に入手可能な原料から得られるアシルグアニジンタイプの主要な基を含むという利点を有する分子である限りにおいて、本発明の第1の対象主題を構成する。塩基としてのグアニジン基は塩とすることができ、このことは、水性媒体への良好な可溶性を有する化合物を生じるという利点を有する。式(I)の化合物は全て、当業者に周知の単純な化学反応を用いて非常に都合よく得られる。
【0018】
したがって、本発明の対象は、下記の式(I):
【化2】

[式中:
- R1、R2及びR3は、同一であってもよいか又は異なっていてもよく、互いに独立して、水素若しくはハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルキル基、ペルフルオロアルキル基、任意に置換されていてもよいアルコキシ基、アルキルチオ基、ニトリル基、又はそれらが結合しているフェニル環の2つの隣接する炭素原子と縮合しているR1、R2 及びR3の2つから得られる縮合したヘテロ環を表し、該縮合したヘテロ環を有する前記フェニル環は、好ましくは、ベンゾジオキソール、オキシインドール、ベンズオキサゾロン又はキノリンを表し;
- Yは、単環式又は多環式のヘテロアリール基、-NH-(C=O)-R6、-(C=O)-NH-R6又は-NH-(C=O)-NH-R6を表し、ここでR6は、非置換の単環式又は多環式のアリール基;ハロゲン原子、アルキル、アルコキシ若しくはアルコキシアリール、モノアルキルアミノ若しくはジアルキルアミノ基、アリール若しくはヘテロアリール基、ヘテロ環から選択される1若しくはそれより多い置換基を含むアリール基;単環式若しくは多環式のヘテロアリール基;直鎖状若しくは分枝鎖状のアルキル基;飽和若しくは不飽和の単環式若しくは多環式の炭化水素ベースの基を表し;
- R4及びR5は、同一であってもよいか又は異なっていてもよく、互いに独立して、水素若しくはハロゲン原子、又はアルコキシ、アルキルチオ、アルキル、ペルフルオロアルキル、ニトリル若しくはニトロ基を表す]
の医薬としての化合物である。
【0019】
本発明を説明する実施例に例示されるように、本発明に従う式(I)の化合物は、ヘッジホッグタンパク質シグナル伝達経路に対する阻害作用を有し、したがって、ヘッジホッグ経路の変調を必要とする、癌、神経変性疾患及び糖尿病のような病的状態の治療に用いることができる。
本発明に従う式(I)の化合物は、サブユニットA、B、C (又はC'又はC'')及びD (又はD'又はD'')に分割でき、以下の式(I-a)、(I-b)、(I-c)及び(I-d):
【化3】

[式中、R1、R2、R3、R4、R5及びR6は、上記に示されるものと同一の意味を有する]によって表される。
【0020】
これらの式において、サブユニットAはアシルアリールの部分に、サブユニットBはグアニジンに、サブユニットCは1,3-ジアミノアリール基に、サブユニットC'は1,3-アミノフェニル基に、サブユニットC''はアミノフェニル基に、サブユニットDはアルキロイル、アロイル若しくはヘテロアロイル残基に;サブユニットD'はアルキルアミノ、アリールアミノ若しくはヘテロアリールアミノ残基に;及びサブユニットD'' (基-Z)は単環式若しくは多環式のヘテロアリール残基に相当する。
【0021】
本発明の意図するところでは、以下の用語は以下の意味を有する:
- アルキル:1〜5個の炭素原子、好ましくは1個又は2個の炭素原子を有する、直鎖状又は分岐鎖状の飽和脂肪族炭化水素ベースの基。用語「分岐鎖状の」とは、メチル又はエチルのような少なくとも1つの低級アルキル基が、直鎖状アルキル鎖により保持されることを意味する。用語「低級」アルキルとは、1個又は2個の炭素原子を有するアルキルを意味する。用語「高級アルキル」は、3〜5個の炭素原子を有する直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を意味する。アルキル基の例としては、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、t-ブチル及びn-ペンチル基が挙げられる。
【0022】
- ハロゲン原子は、臭素、塩素、ヨウ素又はフッ素原子を表し、臭素、塩素及びフッ素を示すことが好ましい。
- ペルフルオロアルキルは、全ての水素原子がフッ素原子で置き換えられた上記で規定されるアルキル基を表す。好ましいペルフルオロアルキル基は、トリフルオロメチル及びペルフルオロエチル基である。
- アルコキシは、アルキル基が上記の意味を有し得るO-アルキル基を表す。特に挙げられるアルコキシ基の例は、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ及びペントキシ基である。
- アルキルチオは、アルキル基が上記の意味を有し得るS-アルキル基を表す。特に挙げられるアルキルチオ基の例は、メチルチオ、エチルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ及びペンチルチオ基である。
- アリール基は、少なくとも1つの芳香環に由来する任意の官能基又は置換基を表す。芳香環は、非局在化π系を含む任意の平面単環式又は多環式の基に相当し、ここで、環のそれぞれの原子はp軌道を有し、該p軌道が互いに重複する。このようなアリール基の例としては、フェニル、ベンジルシクロブテン、ペンタレン、ナフタレン、ベンジルフェニル及びアントラセン基が挙げられる。
【0023】
- ヘテロアリール基は、上記で規定される少なくとも1つの芳香環に由来し、P、S、O及びNから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を有する任意の官能基又は置換基を表す。ヘテロアリール基の例としては、フラン、ピリジン、ピロール、チオフェン、イミダゾール、ピラゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、インドール、イソインドール、ベンゾチオフェン、ベンゾ[c]チオフェン、ベンズイミダゾール、インダゾール、ベンゾオキサゾール、ベンズイソオキサゾール、ベンゾチアゾール、キノリン、イソキノリン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、プリン及びアクリジン基が挙げられる。
【0024】
- 飽和又は不飽和で、単環式又は多環式の炭化水素ベースの基は、P、S、O及びNから選択される1又はそれより多いヘテロ原子を任意に含んでいてもよい少なくとも3個の炭素原子を含む非芳香環に由来する任意の官能基又は置換基を表す。このような基の具体例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシルが挙げられ、シクロヘキシル基が好ましい。
【0025】
本発明のある好ましい実施態様によれば、式(I)の化合物は:
- R1、R2及びR3は、同一であってもよいか又は異なっていてもよく、水素原子、メチルオキシ若しくはエチルオキシ基、又はそれらが結合するフェニル環の2つの隣接する炭素原子に縮合したジオキソランを表し;
- R4及びR5は、同一であってもよいか又は異なっていてもよく、水素、塩素、臭素若しくはフッ素原子、又はメチル若しくはメトキシ基、及び好ましくは水素、塩素若しくはフッ素原子又はメチル基を表し;
- Yが、単環式又は多環式のヘテロアリール基、-NH-(C=O)-R6、-(C=O)-NH-R6又は-NH-(C=O)-NH-R6基を表し、ここで、R6は、ハロゲン原子、アルキル、ジアミノアルキル若しくはアルコキシ基、シクロアルキル基、又はアリール基で任意に置換されていてもよいフェニル基;シクロアルキル基;ピリジニル基;ナフチル基;フリル基、チオフェニル基; イソプロピル基を表す
ものから選択される。
【0026】
本発明のある好ましい実施態様によれば、基Yは、単環式又は多環式のヘテロアリール基を表すとき、チアゾール基に縮合したインドール及びイミダゾールから選択される。
本発明の別の好ましい実施態様によれば、R6は、基Yが-NH-(C=O)R6、-(C=O)-NH-R6又は-NH-(C=O)-NH-R6を表すとき、塩素原子、メトキシ基、モルホリン、又はフェニル若しくはフェノキシ基で任意に置換されていてもよいフェニル基;シクロヘキシル基;ピリジニル基;ナフチル基;フリル基を表す。
【0027】
本発明の別の主題は、下記の式(I):
【化4】

[式中:
- R1、R2及びR3は、同一であってもよいか又は異なっていてもよく、互いに独立して、水素若しくはハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルキル基、ペルフルオロアルキル基、任意に置換されていてもよいアルコキシ基、アルキルチオ基、ニトリル基、又はそれらが結合しているフェニル環の2つの隣接する炭素原子と縮合しているR1、R2 及びR3の2つから得られる縮合したヘテロ環を表し、該縮合したヘテロ環を有するフェニル環は、好ましくは、ベンゾジオキソール、オキシインドール、ベンゾオキサゾロン又はキノリンを表し;
- Yは、チアゾール基に縮合したインドール又はイミダゾールから選択される単環式又は多環式のヘテロアリール基を表すか、又はYは、-NH-(C=O)-R6、-(C=O)-NH-R6又は-NH-(C=O)-NH-R6を表し、ここでR6は、非置換の単環式又は多環式のアリール基;ハロゲン原子、アルキル、アルコキシ若しくはアルコキシアリール、モノアルキルアミノ若しくはジアルキルアミノ基、アリール若しくはヘテロアリール基、ヘテロ環から選択される1又はそれより多い置換基を含むアリール基;単環式若しくは多環式のヘテロアリール基;直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキル基;飽和若しくは不飽和の単環式若しくは多環式の炭化水素ベースの基を表し;
- R4及びR5は、同一であってもよいか又は異なっていてもよく、互いに独立して、水素若しくはハロゲン原子、アルコキシ、アルキルチオ、アルキル、ペルフルオロアルキル、ニトリル若しくはニトロ基を表す]
に一致する新規なアシルグアニジン誘導体それ自体に関する。
【0028】
本発明のある好ましい実施態様によれば、そのような式(I)の化合物は:
‐ R1、R2及びR3は、同一であってもよいか又は異なっていてもよく、水素原子、メチルオキシ若しくはエチルオキシ基、又はそれらが結合しているフェニル環の2つの隣接する炭素原子と縮合しているジオキソランを表し;
- R4及びR5は、同一であってもよいか又は異なっていてもよく、水素、塩素、臭素若しくはフッ素原子、又はメチル若しくはメトキシ基、好ましくは、水素、塩素若しくはフッ素原子又はメチル基を表し;
- Yは、チアゾール基に縮合したインドール又はイミダゾールから選択される単環式又は多環式のヘテロアリール基を表すか、又はYは、-NH-(C=O)-R6、-(C=O)-NH-R6又は-NH-(C=O)-NH-R6基を表し、ここでR6は、ハロゲン原子、アルキル、ジアミノアルキル若しくはアルコキシ基、シクロアルキル基又はアリール基で任意に置換されていてもよいフェニル基;シクロアルキル基;ピリジニル基;ナフチル基;フリル基;チオフェニル基;イソプロピル基を表す
ものから選択される。
【0029】
本発明のあるより一層好ましい実施態様によれば、そのような式(I)の化合物において、R6は、基Yが-NH-(C=O)-R6、-(C=O)-NH-R6又は-NH-(C=O)-NH-R6基を表すとき、塩素原子、メトキシ基、モルホリン、又はフェニル若しくはフェノキシ基で任意に置換されていてもよいフェニル基;シクロヘキシル基;ピリジニル基;ナフチル基;フリル基を表す。
【0030】
具体的に列挙し得る式(I)の化合物は、制限されないが:
-以下の式:
【化5】

の3,4,5-トリメトキシ-N-(N-(3-(4-メトキシベンズアミド)フェニル)カルバムイミドイル)ベンズアミド、
-以下の式:
【化6】

のN-(N-(3-(2-クロロベンズアミド)フェニル)カルバムイミドイル)-3,4,5-トリメトキシベンズアミド、
-以下の式:
【化7】

の3,4,5-トリメトキシ-N-(N-(3-(3-メトキシベンズアミド)フェニル)カルバムイミドイル)ベンズアミド、
-以下の式:
【化8】

のN-(3-(3-(3,4,5-トリメトキシベンゾイル)グアニジノ)フェニル)ビフェニル-4-カルボキサミド、
-以下の式:
【化9】

のN-(N-(3-(シクロヘキサンカルボキサミド)フェニル)カルバムイミドイル)-3,4,5-トリメトキシベンズアミド、
【0031】
-以下の式:
【化10】

のN-(3-(3-(3,4,5-トリメトキシベンゾイル)グアニジノ)フェニル)-2-ナフトアミド、
-以下の式:
【化11】

のN-(3-(3-(3,4,5-トリメトキシベンゾイル)グアニジノ)フェニル)イソニコチンアミド、
-以下の式:
【化12】

のN-(3-(3-(3,4,5-トリメトキシベンゾイル)グアニジノ)フェニル)フラン-2-カルボキサミド、
-以下の式:
【化13】

のN-(N-(3-ベンズアミドフェニル)カルバムイミドイル)-3,5-ジメトキシベンズアミド、
- 以下の式:
【化14】

のN-(N-(3-ベンズアミドフェニル)カルバムイミドイル)-4-エトキシ-3,5-ジメトキシベンズアミド、
【0032】
-以下の式:
【化15】

のN-(N-(3-ベンズアミドフェニル)カルバムイミドイル)-3,4-ジエトキシ-5-メトキシベンズアミド、
-以下の式:
【化16】

のN-(N-(3-ベンズアミドフェニル)カルバムイミドイル)-7-メトキシベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-カルボキサミド、
-以下の式:
【化17】

のN-(N-(3-ベンズアミドフェニル)カルバムイミドイル)-2,4-ジメトキシベンズアミド、
-以下の式:
【化18】

のN-(N-(3-ベンズアミド-4-フルオロフェニル)カルバムイミドイル)-3,4,5-トリメトキシベンズアミド、
-以下の式:
【化19】

のN-(N-(3-ベンズアミドフェニル)カルバムイミドイル)-3,4,5-トリメトキシベンズアミド、
【0033】
-以下の式:
【化20】

のN-(N-(3-ベンズアミド-4-クロロフェニル)カルバムイミドイル)-3,4,5-トリメトキシベンズアミド、
-以下の式:
【化21】

のN-(2-クロロ-5-(3-(3,4,5-トリメトキシベンゾイル)グアニジノ)フェニル)ビフェニル-4-カルボキサミド、
-以下の式:
【化22】

の3,4,5-トリメトキシ-N-(N-(3-(4-モルホリノベンズアミド)フェニル)カルバムイミドイル)ベンズアミド、
-以下の式:
【化23】

のN-(N-(3-(1H-インドール-2-イル)フェニル)カルバムイミドイル)-3,4,5-トリメトキシベンズアミド、
-以下の式:
【化24】

のN-(N-(4-クロロ-3-(4-メトキシフェニルカルバモイル)フェニル)カルバムイミドイル)-3,4,5-トリメトキシベンズアミド、
【0034】
-以下の式:
【化25】

のN-(N-(4-クロロ-3-(フェニルカルバモイル)フェニル)カルバムイミドイル)-3,4,5-トリメトキシベンズアミド、
-以下の式:
【化26】

の3,4,5-トリメトキシ-N-(N-(4-メチル-3-(フェニルカルバモイル)フェニル)カルバムイミドイル)ベンズアミド、
-以下の式:
【化27】

4'-フルオロ-N-(3-(3-(3,4,5-トリメトキシベンゾイル)グアニジノ)フェニル)ビフェニル-4-カルボキサミド、
-以下の式:
【化28】

のN-(2-メチル-5-(3-(3,4,5-トリメトキシベンゾイル)グアニジノ)フェニル)ビフェニル-4-カルボキサミド、
-以下の式:
【化29】

のN-(2-メチル-5-(3-(3,4,5-トリメトキシベンゾイル)グアニジノ)フェニル)ビフェニル-3-カルボキサミド、
【0035】
-以下の式:
【化30】

のN-(2-クロロ-5-(3-(3,4,5-トリメトキシベンゾイル)グアニジノ)フェニル)ビフェニル-3-カルボキサミド、
-以下の式:
【化31】

のN-N-(3-ベンズアミド-4-メチルフェニル)カルバムイミドイル)-3,4,5-トリメトキシベンズアミド、
-以下の式:
【化32】

のN-N-(3-(イミダゾ[2,1-b]チアゾール-6-イル)フェニル)カルバムイミドイル)-3,4,5-トリメトキシベンズアミド、
-以下の式:
【化33】

のN-(N-(3-(1H-インドール-1-イル)フェニル)カルバムイミドイル)-3,4,5-トリメトキシベンズアミド、
-以下の式:
【化34】

の4'-フルオロ-N-(2-メチル-5-(3-(3,4,5-トリメトキシベンゾイル)グアニジノ)フェニル)ビフェニル-4-カルボキサミド、
【0036】
-以下の式:
【化35】

の3,4,5-トリメトキシ-N-(N-(4-メチル-3-(4-(ピリジン-4-イル)ベンズアミド)フェニル)カルバムイミドイル)-ベンズアミド、
-以下の式:
【化36】

のN-(N-(4-クロロ-3-(4-フェノキシベンズアミド)フェニル)カルバムイミドイル)-3,4,5-トリメトキシベンズアミド、
-以下の式:
【化37】

のN-(3-(3-ベンゾイルグアニジノ)フェニル)ビフェニル-4-カルボキサミド、
-以下の式:
【化38】

のN-(2-メチル-3-(3-(3,4,5-トリメトキシベンゾイル)グアニジノ)フェニル)ビフェニル-4-カルボキサミド、
-以下の式:
【化39】

のN-(4-メチル-3-(3-(3,4,5-トリメトキシベンゾイル)グアニジノ)フェニル)ビフェニル-4-カルボキサミド、
【0037】
-以下の式:
【化40】

のN-(N-(3-ベンズアミドフェニル)カルバムイミドイル)ベンズアミド、
-以下の式:
【化41】

のN-(N-(3-(3-ビフェニル-4-イルウレイド)フェニル)カルバムイミドイル)-3,4,5-トリメトキシベンズアミド、
-以下の式:
【化42】

のN-(N-(4-クロロ-3-(3-フェニルウレイド)フェニル)カルバムイミドイル)-3,4,5-トリメトキシベンズアミド
である。
【0038】
これらの化合物のうち、以下の化合物は、ヘッジホッグタンパク質シグナル伝達経路に対する阻害活性がChenら(Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 2002, 99, 14071)により記載される方法に従ってヘッジホッグタンパク質シグナル伝達経路をSAGで活性化させた後に測定され、80%の阻害よりも大きいか又はそれに等しいので、特に好ましい:
【0039】
- 3,4,5-トリメトキシ-N-(N-(3-(4-メトキシベンズアミド)フェニル)カルバムイミドイル)ベンズアミド (化合物1);
- N-(N-(3-(2-クロロベンズアミド)フェニル)カルバムイミドイル)-3,4,5-トリメトキシベンズアミド (化合物2);
- 3,4,5-トリメトキシ-N-(N-(3-(3-メトキシベンズアミド)フェニル)カルバムイミドイル)ベンズアミド (化合物3);
- N-(3-(3-(3,4,5-トリメトキシベンゾイル)グアニジノ)フェニル)-2-ナフトアミド (化合物6);
- N-(3-(3-(3,4,5-トリメトキシベンゾイル)グアニジノ)フェニル)フラン-2-カルボキサミド (化合物8);
【0040】
- N-(N-(3-ベンズアミドフェニル)カルバムイミドイル)-3,5-ジメトキシベンズアミド (化合物9);
- N-(N-(3-ベンズアミドフェニル)カルバムイミドイル)-7-メトキシベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-カルボキサミド (化合物12);
- N-(N-(3-ベンズアミドフェニル)カルバムイミドイル)-2,4-ジメトキシベンズアミド (化合物13);
- N-(N-(3-ベンズアミドフェニル)カルバムイミドイル)-3,4,5-トリメトキシベンズアミド (化合物15);
- N-(2-クロロ-5-(3-(3,4,5-トリメトキシベンゾイル)グアニジノ)フェニル)ビフェニル-4-カルボキサミド (化合物17);
【0041】
- N-(N-(3-(1H-インドール-2-イル)フェニル)カルバムイミドイル)-3,4,5-トリメトキシベンズアミド (化合物19);
- N-(N-(4-クロロ-3-(フェニルカルバモイル)フェニル)カルバムイミドイル)-3,4,5-トリメトキシベンズアミド (化合物21);
- 4'-フルオロ-N-(3-(3-(3,4,5-トリメトキシベンゾイル)グアニジノ)フェニル)ビフェニル-4-カルボキサミド(化合物23);
- N-(2-メチル-5-(3-(3,4,5-トリメトキシベンゾイル)グアニジノ)ビフェニル-4-カルボキサミド (化合物24);
- N-(N-(3-(1H-インドール-1-イル)フェニル)カルバムイミドイル)-3,4,5-トリメトキシベンズアミド (化合物29);
【0042】
- 4'-フルオロ-N-(2-メチル-5-(3-(3,4,5-トリメトキシベンゾイル)グアニジノ)フェニル)ビフェニル-4-カルボキサミド(化合物30);
- N-(N-(4-クロロ-3-(4-フェノキシベンズアミド)フェニル)カルバムイミドイル)-3,4,5-トリメトキシベンズアミド (化合物32);
- N-(N-(4-クロロ-3-(3-フェニルウレイド)フェニル)カルバムイミドイル)-3,4,5-トリメトキシベンズアミド (化合物38)。
【0043】
本発明に従う式(I)の化合物は、通常、3又は4工程で、当業者に公知の従来プロセスと類似する合成プロセスを用いて容易に製造できる。
本発明に従う式(I)の化合物の概括的な合成スキームは、それらの4つのバリエーション(I-a)、(I-b)、(I-c)又は(I-d)に関して、添付される図1a及び1bによって表すことができる。
【0044】
添付の図1a及び1bに表される合成スキームによると、式(I-a)の化合物を得るための工程a)において、式(II)の市販の3-ニトロアニリン(基R4及びR5は式(I)の化合物についての上記の意味と同一の意味を有する)を、式(III)の酸塩化物(R6は式(I)の化合物についての上記の意味と同一の意味を有する)と、例えばSchotten-Baumann法に従って縮合して、式(IV)の対応するアミド化合物を得る。工程b)は、式(I)に示されるような基R4及びR5を有する式(II)の市販の3-ニトロアニリンを、市販のイソシアナート(III')とカップリングさせて、式(IV')のニトロウレアを得る。工程b')は、式(II')の市販の3-ニトロ安息香酸を、式(V)のアミン(R4、R5及びR6は式(I)の化合物についての上記の意味と同一の意味を有する)と縮合させて、式(IV'')のニトロアミド化合物を得ることである。
アミド結合を形成するための当業者に公知のその他の従来の方法も、これらの縮合工程a)、b)及びb')を行うために用いられ得る。
【0045】
工程c)、c')、c'')及びd)において、式(IV)、(IV')及び(IV'')の化合物のニトロ基をアミンに還元して、それぞれ式(VI)、(VI')及び(VII'')の対応するアニリンを得る。R4、R5及びZが式(I)の化合物についての上記の意味と同一の意味を有する式(IV''')の3-ニトロ芳香族化合物は、当業者に公知の従来のプロセスに従って得られる(Yangら, Angew. Chem. Int. Ed. 2008, 47, 1473; Burkholderら, Tetrahedron Lett. 2001, 42, 3077; Zhangら, J. Org. Chem., 2005, 70, 5164; Aggarwalら, Synth. Comm. 2006, 36, 875; Rubinら, CURIS名義の国際PCT出願WO2006/050506)。3-ニトロ芳香族化合物(IV''')を次いで還元工程に付し、対応するアニリン(VI''')を得る。この還元工程は、還元媒体中で、例えば二塩化鉛若しくは二塩化錫のような還元剤の作用により、又は例えばマイクロ波活性化を用いる水素添加により行うことができる。その他の水素添加法も、フェニル環上に存在し得る置換基R4及びR5の性質に応じて用いることができる。この点に関して、R4及び/又はR5が、塩素、臭素若しくはヨウ素のようなハロゲン原子を表すとき、還元工程は、二塩化錫の作用により行われるのが好ましい。全てのその他の場合において、触媒的水素添加をPd/C又はラネーニッケルの存在下で行うのが好ましい。
【0046】
工程e)及びf)中に、式(VIII)のアシルイソチオシアナート(基R1〜R3は式(I)の化合物についての上記の意味と同一の意味を有する)を、式(VII)の安息香酸又は式(VII')の安息香酸塩化物から、例えば還流下の溶媒(アセトニトリル又はアセトン)中で、例えばホスゲン及びアンモニウムチオシアナートの存在下で製造する。このようにして得られる式(VIII)の化合物であるベンゾイルイソチオシアナートを、次いで、式(VI)又は式(VI')の化合物とカップリングさせて、式(IX)及び(X)の対応するアシルチオウレア化合物を生成させる。工程g)及びg')において、同一のベンゾイルイソシアナート(VIII)をアニリン(VI'')及び(VI''')と溶媒中還流下で縮合させて、式(XI)及び(XII)のアシルチオウレアを生成させる。一般的に、式(IX)、(X)、(XI)及び(XII)の化合物は、固体の形態で得られ、次いで従来の様式で、アルコールからの再結晶化により精製される(Rasmussenら、Synthesis, 1988, 456〜459)。
【0047】
アシルチオウレアのアシルグアニジンへの変換は、Shiradら, Tetrahedron Lett., 2006, 47, 1945により記載されるもののような当業者に周知の方法に従って行うことができる。アシルチオウレア(IX)、(X)、(XI)及び(XII)は、したがって、アシルグアニジン(I-a)、(I-b)、(I-c)及び(I-d)に変換される。アセトンニトリル中で1-エチル-3-(3-ジメチルアミノ)プロピルカルボジイミドヒドロクロレート(EDCI)及び過剰なヘキサメチルジシラザン (HMDS)の存在下に工程h)、h')、h'')及びh''')を行うことにより、非常に高収率のアシルグアニジン(I-a)、(I-b)、(I-c)及び(I-d)を得ることが可能となる。これらの化合物は固体の形態で得られ、水溶性の塩の形態に変換され得る。式(I)の化合物の利点の1つは、水へのその溶解性である。列挙し得る由来する塩は、塩酸、臭酸、硝酸、硫酸、燐酸、酢酸、蟻酸、プロピオン酸、安息香酸、マレイン酸、フマル酸、琥珀酸、酒石酸、クエン酸、蓚酸、グリオキシル酸、アスパラギン酸、アルカンスルホン酸、例えばメタンスルホン酸及びエタンスルホン酸、アリールスルホン酸、例えばベンゼンスルホン酸及びパラ‐トルエンスルホン酸、又はアリールカルボン酸と形成される塩であり、塩酸と形成される塩が好ましい塩である。アシルグアニジン(I-a)、(I-b)、(I-c)及び(I-d)化合物から塩の形態への変換は、化学量論的条件下に、選択される酸と単純に混合することによって行われる。
【0048】
本発明に従う式(I)の化合物は、ヘッジホッグタンパク質シグナル伝達経路を負に変調する特性(阻害効果)又は正に変調する特性(活性化効果)を有し、よって、ヘッジホッグタンパク質シグナル伝達経路の過剰活性化又は欠損に関連する病的状態の治療のための医薬組成物の製造のために活性成分として用いることができる。
【0049】
したがって、本発明の対象はまた、以下の治療のための医薬としての式(I)の化合物である:
i) ヘッジホッグタンパク質シグナル伝達経路の過剰活性化に関連する腫瘍の治療を意図する医薬として;このような腫瘍は、特に、制限されないが、神経組織腫瘍(髄芽腫、原始神経外胚葉性腫瘍、膠芽腫、髄膜腫及び乏突起神経膠腫)、皮膚腫瘍(基底細胞癌腫、毛包上皮腫)、筋肉及び骨組織の腫瘍(横紋筋肉腫、骨肉腫)、並びにその他の組織の腫瘍(腎臓、膀胱、前立腺、肺、胃、膵臓、乳房、肝臓)である、
ii) ヒト又は動物の幹細胞の再生(renewal)を制御又は変調するためにインビトロで用いられる式(I)の化合物について可能である脳発達に関連する疾患(全前脳胞症)の治療、脳卒中及び心血管系イベント並びに乏突起神経膠細胞及びシュワン細胞の疾患の治療を意図する医薬として、
iii)ヘッジホッグ経路の変調を必要とする、病的状態、特にパーキンソン病、ハンチントン舞踏病、アルツハイマー病、多発性硬化症及び運動ニューロン疾患のような神経変性型の病的状態、又は糖尿病のようなヘッジホッグシグナル伝達経路の変調が有利であり得るその他の病的状態の治療を意図する医薬として。
【0050】
採用される投薬量は、治療される状態、投与の経路及び頻度、並びに治療される種(ヒト又は動物)の性質及び重量に依存する。これは、例えば、経口投与されるとき、成人において1日当たり1mg〜2gであり得る。
【0051】
上述の医薬としての様々な適用に加えて、式(I)の化合物はまた、組織若しくは細胞系において、タンパク質の存在を検出するためのマーカーとして又はタンパク質のスクリーニングのための診断ツールとして用いることができる。より具体的には、式(I)の化合物は、Smoothenedタンパク質、又は関連のタンパク質、例えばPatched (Patched 1及びPatched 2)、Dispatchedタンパク質(Dispatched 1及びDispatched 2)、或いはHIPタンパク質を検出又はスクリーニングするためのマーカー又は診断ツールとして用いることができる。本発明の別の対象は、活性成分として上記で定義される少なくとも1つの式(I)の化合物と、少なくとも1つの医薬的に許容される賦形剤とを含むことを特徴とする医薬組成物である。
【0052】
本発明に従う医薬組成物において、1又はそれより多い式(I)の化合物は、好ましくは、およそ1mg〜2gの単位用量が投与されることを可能にする量で用いられる。
【0053】
当業者は、医薬組成物の投与経路に従って、1又はそれより多い医薬的に許容される賦形剤を選択する。もちろん、当業者は、その場合に、用いられる前記1又はそれより多い賦形剤が本発明に従う組成物に関連する固有の特性と適合するように注意する。
さらに、医薬又は医薬組成物の形態(例えば液剤、懸濁剤、乳剤、錠剤、ゲル、カプセル剤、坐剤など)は、選択される投与経路に依存する。
【0054】
よって、本発明の意図するところでは、医薬又は医薬組成物は、任意の適切な経路を用いて、例えば経口的に、肛門を経て、局所的に、全身的に、静脈内に、筋内に若しくは粘膜を経て、又はパッチを用いて、或いはカプセル化した形態又はリポソーム、マイクロ粒子、マイクロカプセルなどに固定化して投与できる。
経口投与に適切な賦形剤の限定しない例としては、タルク、ラクトース、デンプン及びその誘導体、セルロース及びその誘導体、ポリエチレングリコール、アクリル酸ポリマー、ゼラチン、ステアリン酸マグネシウム、動物性、植物性若しくは合成油脂、パラフィン誘導体、グリコール、安定化剤、防腐剤、抗酸化剤、湿潤剤、固化防止剤、分散剤、乳化剤、味覚変革物質、浸透剤、可溶化剤などが挙げられる。
【0055】
医薬及び医薬組成物を製剤化し、投与するための技術は、本明細書で考慮する当該技術において周知である。特に、当業者は、手引き書であるRemington's Pharmaceutical Sciences (第21版)を参照することができる。
【0056】
上記の規定に加えて、本発明はまた、式(I)の化合物の合成の実施例、本発明による式(I)の化合物の使用の実施例、及び添付の図面を参照にする以下の記載から明らかになるその他の構成(arrangement)を含む。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】図1a及び1bは、式(I)の化合物の概括的な合成経路を説明する。
【図2】図2は、蛍光顕微鏡で撮影された一連の写真を表し、式(I)の化合物のbodipyシクロパミンとの競合を示す。
【図3】図3は、化合物23及び24、Cur61414並びにGDC-0449のbodipyシクロパミンに対する阻害曲線を表す。
【図4】図4は、Ptc遺伝子のアンチセンスリボプローブとハイブリダイズさせた、成体マウスの脳の脳室下帯(SVZ)の正面断面を表す。組換えShhNタンパク質を単独(A)で、Cur61414の存在下に(B)、又は化合物24の存在下に(C)与えられたマウスに由来する切片。矢印はPtc mRNAの特異的標識化を示す。スケールバーは、0.1mmに相当する。3〜5個の脳切片を、各々の条件についてハイブリダイズさせる。
【実施例】
【0058】
実施例1:式(I)を有する種々の化合物の合成
これらの実施例において、反応は、Schlenk (標準)法を用いて不活性ガス(窒素)雰囲気下に行った。溶媒は、標準的な方法に従って乾燥させ、使用前に窒素下に蒸留した。全ての試薬は商業的に入手し、事前の精製を行わずにそのまま用いた。
質量分析(ESI+)は、Agilent (登録商標) 1100の表示で販売されるLC/MSD分光計で記録した。核磁気共鳴(NMR)スペクトルは、Bruker (登録商標) AC200装置を用いて200 MHz (1H)にて、又はBruker (登録商標) AC400装置を用いて400 MHz (1H)若しくは100 MHz (13C)にて記録した。
【0059】
A) 化合物19の合成
【化43】

【0060】
1) 式(VI''')のアニリンの製造 (図1a)
【化44】

【0061】
2-(3-ニトロフェニル)-1H-インドールを、Yangら, Angew. Chem., Int., Ed. 2008, 47, 1473に記載される方法に従って製造する。ニトロインドール誘導体(1.19g, 5mmol)を32mlのエタノールに溶解させ、媒体を80℃で熱する。SnCl2.H2O (3.8g, 5eq., 16mmol)を一気に加える。媒体を次いでさらに2時間熱し、次いで水/氷混合物に注ぎ、Na2CO3で塩基性化する。混合物を次いで酢酸エチルで抽出する。有機相をNaClの飽和溶液で洗浄し、次いで乾燥させ、真空下に濃縮して結晶を得る。この残留物をエタノールから再結晶化させ、固体(980mg, 収率 = 86%)を得る。
Mp = 134℃; [ES/MS] m/z 210 [M + 1]+
【0062】
2) 式(XII)のアシルチオウレアの製造 (図1b)
【化45】

【0063】
アンモニウムチオシアナート(123mg, 1.2eq., 1.63mmol)及び3,4,5-トリメトキシベンゾイルクロリド(345mg, 1.1eq., 1.5mmol)を5mlのアセトンに溶解させる。混合物を1時間還流させる。先の工程中に得られたアニリン(315mg, 1eq., 1.45mmol)を加え、還流をさらに1時間維持させる。混合物を次いで水に注ぎ、次いで濾過し、アセトニトリルから再結晶化させて、式(XII)のアシルチオウレア(320mg, 52%)を得る。
Mp = 136℃, [ES/MS] m/z 462 [M + 1]+
【0064】
3) 化合物19の化合物の製造(図1b)
【化46】

【0065】
以前に得られた式(XII)のアシルチオウレア(69mg, 0.15mmol)及びヘキサメチルジシラザン(0.32ml, 10eq., 1.5mmol)を1.5mlのアセトニトリルに溶解させ、次いで0℃に冷却する。1-エチル-3-(3-ジメチルアミノ)プロピルカルボジイミドヒドロクロリド(58mg, 2eq., 0.3mmol)を次いで加える。混合物を周囲温度にて5時間撹拌する。反応媒体を水に注ぎ、酢酸エチルで抽出し、NaClの飽和溶液で洗浄し、次いで乾燥させ、真空下に濃縮する。 得られた残留物を、SiO2を通すクロマトグラフィー(溶出剤:酢酸エチル/ヘプタン:1/1)により精製する。化合物19に一致する白色固体(52mg, 78%)を得る。
Mp = 149℃; [ES/MS] m/z 446 [M + 1]+
【0066】
4) 化合物19のヒドロクロリドの製造
【化47】

【0067】
化合物19(55mg, 0.123mmol)を5mlのイソプロパノールに溶解させる。HCl溶液を次いでEt2O (0.14ml, 0.27mmol)に加え、媒体を次いで2時間撹拌する。反応媒体を蒸発させ、次いで塩をエーテルから結晶化させる。225℃のMpを有する化合物19のヒドロクロリド (43mg, 68%)を次いで得る。
【0068】
B) 化合物20の合成
【化48】

【0069】
1) 式(III)の酸クロリドの製造 (図1a)
【化49】

【0070】
2-クロロ-5-ニトロ安息香酸 (6.04g, 0.03mol)を200mlのジクロロメタンに溶解させる。オキサリルクロリド(3.88ml, 1.5eq., 0.045mol)を次いで加え、続けてジメチルホルムアミド(DMF)を滴下し、反応媒体を3時間撹拌する。溶媒を次いで蒸発させ、式(III)の酸クロリドを回収する。
【0071】
2) 式(IV')のアミドの製造 (図1a)
【化50】

【0072】
4-メトキシアニリン(1.02g, 1eq., 8.3mmol)及びトリエチルアミン(1.4ml, 1.2eq., 10mmol)を12mlのジクロロメタンに溶解させる。15mlのCH2Cl2に溶解された以前に製造された式(III)の酸クロリド(2g, 1eq., 0.9mmol)を次いで加え、反応媒体を12時間撹拌させる。水及び酢酸エチルを次いで加え、有機相を回収し、それを乾燥させ、真空下に濃縮させる。この残留物をイソプロパノールから結晶化させ、固体(2.12g, 83%)を得る。
Mp = 143℃; [ES/MS] m/z 307 [M + 1]+
【0073】
3) 式(VII'')のアニリンの製造 (図1a)
【化51】

【0074】
以前に得られた式(IV')のアミド(1.53g, 5mmol)を30mlの無水エタノールに溶解させ、次いで80℃で熱した。SnCl2.H2O (3.3g)を加え、加熱をさらに2時間維持する。溶媒を蒸発させ、次いで残留物を水で洗浄し、次いでNa2CO3飽和水溶液で塩基性化する。混合物を次いで酢酸エチルで抽出する。有機相をNaClの飽和溶液で洗浄し、次いで乾燥させ、濃縮し、イソプロパノールから再結晶化される残留物を得る。固体(845mg, 61%)を回収する。
Mp = 132-133℃; [ES/MS] m/z 277 [M + 1]+
【0075】
4) 式(XI)のアシルチオウレアの製造 (図1b)
【化52】

【0076】
アンモニウムチオシアナート(82mg, 1.2eq., 1.09mmol)及び式(VII)の酸クロリド(この場合は、3,4,5-トリメトキシベンゾイルクロリド)(230mg, 1.1eq., 1mmol)を5mlのアセトンに溶解させる。混合物を1時間還流する。先の工程中に得られたアニリン(250mg, 1eq., 0.9mmol)を加え、還流をさらに1時間維持する。混合物を次いで氷冷水に注ぎ、次いで濾過し、アセトニトリルから再結晶化させ、式(XI)のアシルチオウレア(180mg, 38%)を得る。
Mp = 165℃, [ES/MS] m/z 556 [M + 1]+
【0077】
5) 化合物20の製造
【化53】

【0078】
以前に得られた式(XI)のアシルチオウレア(66mg, 0.125mmol)及びヘキサメチルジシラザン(0.26ml, 1.25mmol)を1.5mlのアセトニトリルに溶解させ、次いでアイスバス中で0℃に冷却する。1-エチル-3-(3-ジメチルアミノ)プロピルカルボジイミドヒドロクロリド(48mg, 2eq., 0.25mmol)を次いで加える。混合物を周囲温度にて5時間撹拌させる。反応媒体を氷に注ぎ、水相を酢酸エチルで複数回抽出する。有機相をNaClの飽和溶液で洗浄し、次いで乾燥させ、真空下に濃縮する。得られた残留物をイソプロパノール/ヘプタン混合物から結晶化させ、次いでSiO2を通すクロマトグラフィー(溶出剤:酢酸エチル/ヘプタン:1/1、次いで純粋な酢酸エチル)により精製し、51mgの化合物20を得る。
Mp = 105℃; [ES/MS] m/z 513 [M + 1]+
【0079】
C) 化合物24の合成
【化54】

【0080】
1) 式(IV)のアミドの製造 (図1a)
【化55】

【0081】
2-メチル-5-ニトロアニリン(1.26g, 1eq., 8.3mmol)を40mlのジクロロメタンに溶解させる。トリエチルアミン(1.4ml, 1.2eq., 10mmol)を次いで加え、続けて20mlのジクロロメタン溶液中の4-フェニルベンゾイルクロリド(2.1g, 10mmol, オキサリルクロリドの対応する酸から製造される)を滴下し、媒体を周囲温度にて4時間撹拌する。有機相を次いでCH2Cl2で希釈し、水で洗浄し、次いでNa2SO4で乾燥させる。有機相を次いで濃縮し、回収した結晶を次いでメタノールから再結晶化させ、2.36g (収率 = 85%)の式(IV)のアミドを得る。
Mp = 186℃; [ES/MS] m/z 332 [M + 1]+
【0082】
2) 式(VI)のアニリンの製造 (図1a)
【化56】

【0083】
得られた式(IV)のアミド(1.1g, 3mmol)を次いで32mlのエタノールに溶解させ、 媒体を80℃で熱する。SnCl2.H2O (3.8g, 5eq., 16mmol)を一気に加える。媒体を次いでさらに2時間熱し、次いで水/氷混合物に注ぎ、Na2CO3で塩基性化させる。混合物を次いで酢酸エチルで抽出する。有機相をNaClの飽和溶液で洗浄し、次いで乾燥させ、真空下に濃縮し、結晶を得る。この残留物をエタノールから再結晶化させ、固体(920mg, 66%)を得る。
Mp = 96℃; [ES/MS] m/z 303 [M + 1]+
【0084】
3) 式(IX)のアシルチオウレアの製造 (図1a)
【化57】

【0085】
アンモニウムチオシアナート(123mg, 1.2eq., 1.63mmol)及び3,4,5-トリメトキシベンゾイルクロリド(345mg, 1.1eq., 1.5mmol)を5mlのアセトンに溶解させる。混合物を1時間還流する。先の工程中に得られたアニリン(408mg, 1eq., 1.35mmol) を加え、還流をさらに1時間維持する。混合物を次いで水に注ぎ、次いで濾過し、再結晶化させ、式(IX)のアシルチオウレア(587mg, 78%)を得る。
Mp = 173℃; [ES/MS] m/z 556 [M + 1]+
【0086】
4) 化合物24の製造
【化58】

【0087】
以前に得られた式(IX)のアシルチオウレア(250mg, 0.125mmol)及びヘキサメチルジシラザン(0.95ml, 1.25mmol)を6mlのアセトニトリルに溶解させ、次いでアイスバス中で0℃に冷却する。1-エチル-3-(3-ジメチルアミノ)プロピルカルボジイミドヒドロクロリド(171mg, 2eq., 0.9mmol)を次いで加える。混合物を周囲温度にて5時間撹拌する。反応媒体を氷に注ぎ、水相を酢酸エチルで複数回抽出する。有機相をNaClの飽和溶液で洗浄し、次いで乾燥させ、真空下に濃縮する。得られた残留物をイソプロパノール/ヘプタン混合物から結晶化させ、次いでSiO2を通すクロマトグラフィー(溶出剤:酢酸エチル/ヘプタン:4/1、次いで純粋な酢酸エチル)により精製し、161mgの化合物24を得る。
Mp = 135℃; [ES/MS] m/z 513 [M + 1]+
【0088】
D) 化合物38の合成
【化59】

【0089】
1) 式(IV')の付加物の製造 (図1a)
【化60】

【0090】
2-クロロ-5-ニトロアニリン(5.17g, 30mmol)及びフェニルイソシアナート(3.57g, 3.5ml, 30mmol)を30mlのテトラヒドロフラン (THF)に溶解させ、次いで4時間還流する。得られた残留物を真空下に蒸発させ、SiO2を通すクロマトグラフィー(溶出剤:酢酸エチル/ヘプタン:3/7)により精製し、式(IV')の付加物(116mg, 79%)を得る。
Mp = 142℃; [ES/MS] m/z 292 [M + 1]+
【0091】
2) 式(VI')のアニリンの製造 (図1a)
【化61】

【0092】
式(IV')の付加物(514mg, 2mmol)を20mlのエタノールに溶解させ、媒体を80℃で熱する。 SnCl2.H2O (2.3g, 5eq., 10mmol)を一気に加える。媒体を次いでさらに2時間熱し、次いで水/氷混合物に注ぎ、Na2CO3で塩基性化する。混合物を次いで酢酸エチルで抽出する。有機相をNaClの飽和溶液で洗浄し、次いで乾燥させ、真空下に濃縮し、結晶を得る。この残留物をSiO2を通すクロマトグラフィーにより精製し、油状物を(404mg, 89%)を得る。
Mp = 134℃; [ES/MS] m/z 228 [M + 1]+
【0093】
3) 式(X)のアシルチオウレアの製造 (図1b)
【化62】

【0094】
アンモニウムチオシアナート(82mg, 1.2eq., 1.09mmol)及び3,4,5-トリメトキシベンゾイルクロリド(230mg, 1.1eq., 1mmol)を5mlのアセトンに溶解させる。混合物を1時間還流する。 先の工程中に得られたアニリン(204mg, 1eq., 0.9mmol)を加え、還流をさらに1時間維持する。混合物を次いで水に注ぎ、次いで濾過し、アセトニトリルから再結晶化させ、式(X)のアシルチオウレア(185mg, 42%)を得る。
Mp = 250℃, [ES/MS] m/z 481 [M + 1]+
【0095】
4) 化合物38の製造
【化63】

【0096】
以前に得られた式(X)のアシルチオウレア(72mg, 0.15mmol)及びヘキサメチルジシラザン(0.32ml, 10eq., 1.5mmol)を1.5mlのアセトニトリルに溶解させ、次いでアイスバス中で0℃に冷却する。1-エチル-3-(3-ジメチルアミノ)プロピルカルボジイミドヒドロクロリド(58mg, 2eq., 0.3mmol)を次いで加える。混合物を周囲温度にて5時間撹拌させる。反応媒体を水に注ぎ、水相を酢酸エチルで抽出する。有機相をNaClの飽和溶液で洗浄し、次いで乾燥させ、真空下に濃縮する。得られた残留物を、SiO2を通すクロマトグラフィー(溶出剤:酢酸エチル/ヘプタン:1/1)により精製し、179℃のMpを有する化合物38 (35mg, 52%)を得る。
【0097】
上記に詳説されるプロセスの類似法に従って合成された式(I)の化合物の全てについて得られた分析結果を、以下に示す:
- 化合物1: 3,4,5-トリメトキシ-N-(N-(3-(4-メトキシベンズアミド)フェニル)カルバムイミドイル)ベンズアミド (C25H26N4O6)
分子量(MW) = 478; [ES/MS] m/z 479 [M + 1]+; Mp=126℃
- 化合物2: N-(N-(3-(2-クロロベンズアミド)フェニル)カルバムイミドイル)-3,4,5-トリメトキシベンズアミド (C24H23ClN4O5)
MW = 482; [ES/MS] m/z 483 [M + 1]+; Mp = 139℃
- 化合物3: 3,4,5-トリメトキシ-N-(N-(3-(3-メトキシベンズアミド)フェニル)カルバムイミドイル)ベンズアミド (C25H26N4O5)
MW = 478; [ES/MS] m/z 479 [M + 1]+; Mp = 118℃
- 化合物4: N-(3-(3-(3,4,5-トリメトキシベンゾイル)グアニジノ)フェニル)ビフェニル-4-カルボキサミド
MW = 524; [ES/MS] m/z 525 [M + 1]+; Mp = 134℃
【0098】
- 化合物5: N-(N-(3-(シクロヘキサンカルボキサミド)フェニル)カルバムイミドイル)-3,4,5-トリメトキシベンズアミド (C24H30N4O5)
MW = 454; [ES/MS] m/z 455 [M + 1]+; Mp = 168℃
- 化合物6: N-(3-(3-(3,4,5-トリメトキシベンゾイル)グアニジノ)フェニル)-2-ナフトアミド (C27H23N4O5)
MW = 483; [ES/MS] m/z 484 [M + 1]+; Mp = 154℃
- 化合物7: N-(3-(3-(3,4,5-トリメトキシベンゾイル)グアニジノ)フェニル)イソニコチンアミド (C23H23N5O6)
MW = 449; [ES/MS] m/z 450 [M + 1]+; Mp = 126℃
- 化合物8: N-(3-(3-(3,4,5-トリメトキシベンゾイル)グアニジノ)フェニル)フラン-2-カルボキサミド (C22H22N4O6)
MW = 438; [ES/MS] m/z 439 [M + 1]+; Mp = 151℃
【0099】
- 化合物9: N-(N-(3-ベンズアミドフェニル)カルバムイミドイル)-3,5-ジメトキシベンズアミド (C23H22N4O4)
MW = 418; [ES/MS] m/z 419 [M + 1]+; Mp = 125℃
- 化合物10: N-(N-(3-ベンズアミドフェニル)カルバムイミドイル)-4-エトキシ-3,5-ジメトキシベンズアミド (C25H26N4O5)
MW = 462; [ES/MS] m/z 463 [M + 1]+; Mp = 127℃
- 化合物11: N-(N-(3-ベンズアミドフェニル)カルバムイミドイル)-3,4-ジエトキシ-5-メトキシベンズアミド (C26H28N4O5)
MW = 476; [ES/MS] m/z 477 [M + 1]+; Mp = 129℃
- 化合物12: N-(N-(3-ベンズアミドフェニル)カルバムイミドイル)-7-メトキシベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-カルボキサミド(C23H20N4O5)
MW = 432; [ES/MS] m/z 433 [M + 1]+; Mp = 140℃
【0100】
- 化合物13: N-(N-(3-ベンズアミドフェニル)カルバムイミドイル)-2,4-ジメトキシベンズアミド (C23H22N4O4)
MW = 418; [ES/MS] m/z 419 [M + 1]+; Mp = 136℃
- 化合物14: N-(N-(3-ベンズアミド-4-フルオロフェニル)カルバムイミドイル)-3,4,5-トリメトキシベンズアミド(C24H23FN4O5)
MW = 466; [ES/MS] m/z 467 [M + 1]+; Mp = 153℃
- 化合物15: N-(N-(3-ベンズアミドフェニル)カルバムイミドイル)-3,4,5-トリメトキシベンズアミド(C24H24N4O5)
MW = 448; [ES/MS] m/z 449 [M + 1]+; Mp = 138℃
- 化合物16: N-(N-(3-ベンズアミド-4-クロロフェニル)カルバムイミドイル)-3,4,5-トリメトキシベンズアミド(C24H23ClN4O5)
MW = 482; [ES/MS] m/z 483 [M + 1]+; Mp = 146℃
【0101】
- 化合物17: N-(2-クロロ-5-(3-(3,4,5-トリメトキシベンゾイル)グアニジノ)フェニル)ビフェニル-4-カルボキサミド
MW = 559; [ES/MS] m/z 560 [M + 1]+; Mp = 177℃
- 化合物18: 3,4,5-トリメトキシ-N-(N-(3-(4-モルホリノベンズアミド)フェニル)カルバムイミドイル)ベンズアミド(C28H31N5O6)
MW = 533; [ES/MS] m/z 531 [M + 1]+; Mp = 137℃
- 化合物19: N-(N-(3-(1H-インドール-2-イル)フェニル)カルバムイミドイル)-3,4,5-トリメトキシベンズアミド(C25H24N4O4)
MW = 444; [ES/MS] m/z 445 [M + 1]+; Mp = 225℃
- 化合物20: N-(N-(4-クロロ-3-(4-メトキシフェニルカルバモイル)フェニル)カルバムイミドイル)-3,4,5-トリメトキシベンズアミド(C25H25ClN4O6)
MW = 512; [ES/MS] m/z 513 [M + 1]+; Mp = 105℃
【0102】
- 化合物21: N-(N-(4-クロロ-3-(フェニルカルバモイル)フェニル)カルバムイミドイル)-3,4,5-トリメトキシベンズアミド(C24H23ClN4O5)
MW = 482; [ES/MS] m/z 483 [M + 1]+; Mp = 142-146℃
- 化合物22: 3,4,5-トリメトキシ-N-(N-(4-メチル-3-(フェニルカルバモイル)フェニル)カルバムイミドイル)ベンズアミド
MW = 462; [ES/MS] m/z 463 [M + 1]+; Mp = 114℃
- 化合物23: 4'-フルオロ-N-(3-(3-(3,4,5-トリメトキシベンゾイル)グアニジノ)フェニル)ビフェニル-4-カルボキサミド(C30H27FN4O5)
MW = 542; [ES/MS] m/z 543 [M + 1]+; Mp = 127℃
- 化合物24: N-(2-メチル-5-(3-(3,4,5-トリメトキシベンゾイル)グアニジノ)フェニル)ビフェニル-4-カルボキサミド(C31H30N4O5)
MW = 538; [ES/MS] m/z 539 [M + 1]+; Mp = 155℃
【0103】
- 化合物25: N-(2-メチル-5-(3-(3,4,5-トリメトキシベンゾイル)グアニジノ)フェニル)ビフェニル-3-カルボキサミド(C31H30N4O5)
MW = 538; [ES/MS] m/z 539 [M + 1]+; Mp = 128℃
- 化合物26: N-(2-クロロ-5-(3-(3,4,5-トリメトキシベンゾイル)グアニジノ)フェニル)ビフェニル-3-カルボキサミド
MW = 559; [ES/MS] m/z 560 [M + 1]+; Mp = 142℃
- 化合物27: N-N-(3-ベンズアミド-4-メチルフェニル)カルバムイミドイル)-3,4,5-トリメトキシベンズアミド
MW = 462; [ES/MS] m/z 463 [M + 1]+; Mp = 121℃
- 化合物28: N-N-(3-(イミダゾ[2,1-b]チアゾール-6-イル)フェニル)カルバムイミドイル)-3,4,5-トリメトキシベンズアミド(C22H21N5O4S)
MW = 451; [ES/MS] m/z 452 [M + 1]+; Mp = 74℃
【0104】
- 化合物29: N-(N-(3-(1H-インドール-1-イル)フェニル)カルバムイミドイル)-3,4,5-トリメトキシベンズアミド(C25H24N4O4)
MW = 444; [ES/MS] m/z 445 [M + 1]+; Mp = 163℃
- 化合物30: 4'-フルオロ-N-(2-メチル-5-(3-(3,4,5-トリメトキシベンゾイル)グアニジノ)フェニル)ビフェニル-4-カルボキサミド(C31H29FN4O5)
MW = 556; [ES/MS] m/z 557 [M + 1]+; Mp = 121℃
- 化合物31: 3,4,5-トリメトキシ-N-(N-(4-メチル-3-(4-(ピリジン-4-イル)ベンズアミド)フェニル)カルバムイミドイル)-ベンズアミド(C30H29N5O5)
MW = 539; [ES/MS] m/z 540 [M + 1]+; Mp = 156℃
- 化合物32: N-(N-(4-クロロ-3-(4-フェノキシベンズアミド)フェニル)カルバムイミドイル)-3,4,5-トリメトキシベンズアミド(C30H27ClN4O6)
MW = 575; [ES/MS] m/z 576 [M + 1]+; Mp = 132℃
【0105】
- 化合物33: N-(3-(3-ベンゾイルグアニジノ)フェニル)ビフェニル-4-カルボキサミド (C27H22N4O2)
MW = 434; [ES/MS] m/z 435 [M + 1]+; Mp = 148℃
- 化合物34: N-(2-メチル-3-(3-(3,4,5-トリメトキシベンゾイル)グアニジノ)フェニル)ビフェニル-4-カルボキサミド(C31H30N4O5)
MW = 538; [ES/MS] m/z 539 [M + 1]+; Mp = 125℃
- 化合物35: N-(4-メチル-3-(3-(3,4,5-トリメトキシベンゾイル)グアニジノ)フェニル)ビフェニル-4-カルボキサミド(C31H30N4O5)
MW = 538; [ES/MS] m/z 539 [M + 1]+; Mp = 132℃
- 化合物36: N-(N-(3-ベンズアミドフェニル)カルバムイミドイル)ベンズアミド (C22H20N4O2)
MW = 372; [ES/MS] m/z 373 [M + 1]+; Mp = 127℃
【0106】
- 化合物37: N-(N-(3-(3-ビフェニル-4-イルウレイド)フェニル)カルバムイミドイル)-3,4,5-トリメトキシベンズアミド(C30H29N5O5)
MW = 539; [ES/MS] m/z 540 [M + 1]+; Mp = 173℃
- 化合物38: N-(N-(4-クロロ-3-(3-フェニルウレイド)フェニル)カルバムイミドイル)-3,4,5-トリメトキシベンズアミド(C24H25N5O5)
MW = 463; [ES/MS] m/z 464 [M + 1]+; Mp = 147℃。
【0107】
実施例2:ヘッジホッグタンパク質シグナル伝達経路に対する式(I)の化合物の変調効果及びSMOOTHENED受容体へのその結合の証明
本発明に従う式(I)の化合物のヘッジホッグタンパク質シグナル伝達経路の阻害に対する効果を、合成アクチベータ:SAGを用いて多能性線維芽細胞系C3H10T1/2 (ATCC)におけるこの経路の活性化の後に、これら細胞の分化を分析することによりインビトロで測定した。1つの化合物のインビボ活性を、定位注入後の成体マウスの脳の脳室下帯の細胞について、Sonicヘッジホッグタンパク質の存在下において明らかにした。式(I)の化合物のマウスSmoothened受容体に結合する能力も、Chenら, Genes Dev., 2002, 16, 2743により記載される、該受容体の膜貫通ドメインに結合するシクロパミンに由来する蛍光化合物であるbodipyシクロパミンとの競合により測定した。
【0108】
1) 材料及び方法
1) 1- 式(I)の化合物によるヘッジホッグ経路の阻害
試験される式(I)の化合物を、10mMの濃度を得るまでジメチルスルフォキシドに溶解し、次いで使用するまで−20℃の温度で保管した。
多能性線維芽細胞系C3H10T1/2をAmerican Type Culture Collection (ATCC)により推奨される条件下に培養した。これら細胞を、0.1μMのSAGを用いて、 Chenら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 2002, 99, 14071及びFrank-Kamenetskyら, J. Biol., 2002, 1, 10に記載される方法に従って活性化した。
SAGを用いる活性化は、細胞系の分化を引き起こし、細胞のアルカリホスファターゼ発現を許容する。よって、ヘッジホッグタンパク質シグナル伝達経路の活性を、アルカリホスファターゼ活性を測定することによって評価することが可能であった。
【0109】
C3H10T1/2細胞を、ウェル当たり5×103細胞の密度で96-ウェルプレートに播種し、24時間後、0.1μMのSAGの存在下に、10%胎仔ウシ血清を有するDMEM (ダルベッコ改変イーグル培地)を培養培地として用いて、1nM〜30μMの範囲の濃度で試験化合物を添加した。試験は4連で(in quadruplicate)行った。プレートを次いで5〜6日間37℃の温度で5%のCO2雰囲気下にインキュベートした。細胞を次いで低温ホスフェートバッファー(リン酸緩衝生理食塩水:PBS)中で洗浄し、次いで0.9%のNaCl及び0.2%のTriton X-100を含む50μLの溶液中で4℃にてソニケーションにより溶解させた。
【0110】
比較として、ヘッジホッグタンパク質シグナル伝達経路のその他の公知のインヒビター:
- 例えばFrank-Kamenetsky M.ら, J. Biol., 2002, 1, 10により記載され、次式に一致するCURIS 61414 (Cur61414):
【化64】

【0111】
- Indardonaら, Development, 1998, 125, 3553により記載され、次式に一致するシクロパミン:
【化65】

【0112】
- Miller-Moslinら, J. Med. Chem., 2009, 52, 3954-3968により記載される次式のGDC-0449:
【化66】

【0113】
の活性を、本発明に従う様々な式(I)の化合物を試験するのに用いられるものと同一の条件下に試験した。
【0114】
得られる溶解物中のアルカリホスファターゼ活性の測定を、次いでPepinskyら(J. Biol. Chem., 1998, 273, 14037)により記載される方法に従って行った。100μlの反応バッファー(200mM Tris-HCl; pH 10.5; 0.4Mの2-アミノ-2-メチルプロパノール及び8mMのMgCl2)及び50μlの基質(4mMのp-ニトロフェニルリン酸二ナトリウム)の添加後、溶解物を37℃で30〜60分間インキュベートし、次いで光学密度を415nmの波長で読んだ。
【0115】
1) 2- 式(I)の化合物のbodipyシクロパミンとの競合
HEK293細胞を、24-ウェルプレート中のポリ-D-リジンで処理されたグラスカバースリップにウェル当たり70000細胞で播種し、翌日、供給者により記載されるプロトコルに従って、0.7μlのFugene6 (Roche biochemicals)を用いて、マウスSmoothenedタンパク質をコードする0.25μgのプラスミドでトランスフェクトする(すなわち、0.7μlのFugene 6を、添加物を有しない24μlのDMEMに各ウェルについて加える。混合物を次いで周囲温度にて5分間インキュベートし、0.25μgのプラスミドDNAを加え、次いで全体を混合し、20〜30分間周囲温度にてインキュベートする。このようにして製造された25μlの混合物を、次いで細胞培養培地に、24ウェルを含むプレートの各ウェルについて直接加える)。48時間後、培養培地を除去し、細胞を1mlのPBS (リン酸緩衝生理食塩水)リン酸緩衝溶液で一回リンスし、次いで、4%のパラホルムアルデヒド(PFA)の氷冷溶液及びPBSリン酸緩衝溶液中の0.12Mグルコースの存在下に20分間固定する。細胞を次いで一回リンスし、0.5%の胎仔ウシ血清を含む1mlのPBSリン酸緩衝溶液(PBS-FCS)を用いて2回5分間の洗浄を行う。次に、PBS-FCS中で5nMに希釈した1mlのbodipyシクロパミン(BC) (Chen, J. K., Taipale, J., Cooper, M. K.,及びBeachy, P. A., Genes Dev., 2002, 16(21), 2743-2748)を、漸増濃度の試験化合物存在下又は非存在下に、細胞に2時間37℃でアプライする。次いで1mlのPBS-FCSを用いて2回5分間の細胞の洗浄を行い、次いで1mlの1X PBSリン酸緩衝溶液と接触させる。最後に、カバースリップを、DAPI (4',6'-ジアミジノ-2-フェニルインドール)を含むVectashieldの存在下にグラススライドに載せ、細胞核を標識する(Vector)。カバースリップ当たり3枚の一連の写真を蛍光顕微鏡(DMRXA2, Leica; software openlab3.1.2, improvision)で撮影する(図2)。蛍光強度を次いでSimple PCI 6.2ソフトウェア(Hamamatsu Corporation)を用いて分析し、次いで写真に存在する核の表面積に関連させる。この強度は、分析される化合物によるbodipyシクロパミンの阻害に依存する。
【0116】
1) 3- マウス脳内の神経前駆体のニッシェ(niche)におけるShh経路の活性化に関連する式(I)の化合物のインビボにおける阻害活性
成体雄性スイスマウス(8週齢、35g)を、ケタミン(Merial(登録商標), Lyon, France) (0.1mg/g)及びキシラジン(Bayer(登録商標), Puteaux, France) (0.01mg/g)の混合物で、腹腔内(i. p.)注入により麻酔した。組換えShhタンパク質(150mMの塩化ナトリウムNaCl及び0.5mMのジチオトレイトール(dithitheritol) DTTを含む緩衝溶液中に290ng)を、4.5pmolのCur61414又は化合物24を任意に含むPBS中の45%の2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン(HBC)溶液4.5μlに希釈した。この混合物を右側脳室(LV) (n=各グループについて5動物)に、(ブレグマ軸に関して与えられる以下の座標:吻尾方向(anteroposterior) + 0.2 mm;側方向(lateral) + 0.8 mm;背腹方向(dorsoventral) - 2.5 mm)で定位注入した。定位座標の基準となる図解は: The mouse brain in stereotaxic coordinates, Georges Paxinos, Keith B. J., Franklin, 第2版, 2001, Academic Press (San Diego, United States)である。
インサイチュ(in situ)ハイブリダイゼーションによるPatchedメッセンジャーRNAの検出を、Traiffortら, Eur. J. Neursci, 1999, 11, 3199-3214により記載されるようにして、注入の48時間後に行った。
【0117】
2) 結果
2) 1- 式(I)の化合物によるヘッジホッグ経路の阻害
式(I)の化合物を用いて得られる結果を以下の表1に報告する。各々の化合物について、0.1μMのSAGでの誘導後に50%のアルカリホスファターゼ活性を阻害できるようにする濃度(IC50)を評価した。この表において、文字Aは、3〜30nMのIC50に相当する。文字Bは30〜300nMのIC50に相当し、文字Cは300〜1000nMのIC50に相当する。
【0118】
【表1】

【0119】
2) 2- 式(I)の化合物のbodipyシクロパミンでの阻害
漸増濃度の化合物存在下でのインキュベーションは、Smoothened受容体でトランスフェクトされた細胞へのbodipyシクロパミンの結合、したがって、観察される蛍光の段階的阻害により反映される。図2は、シクロパミン、Cur61414、GDC-0449並びに化合物23及び24について併行して行った競合実験の一例を示す。
【0120】
競合実験は独立して3回行い、対応する阻害曲線を図3にプロットした。式(I)の化合物及び参照化合物について、50%のbodipyシクロパミン結合を阻害できるようになる濃度(IC50)を測定した。得られた結果を以下の表2に報告する。この表において、文字Aは3〜30nMのIC50に相当し、文字Bは30〜300nMのIC50に相当する。
【0121】
【表2】

【0122】
これら結果は、本発明に従う式(I)の化合物がヘッジホッグタンパク質シグナル伝達経路の変調因子であること及びそれらがSmoothened受容体に結合することを示す。それらは、したがって、ヘッジホッグ経路のブロッキングを必要とする病的状態の治療、例えば癌の治療に、又はヘッジホッグ経路の変調を必要とする病的状態の治療、例えば神経変性疾患及び糖尿病の治療に用いることができる。
これら化合物の幾つかは、現在臨床段階にあるGDC-0449のものに等しいか、又はそれよりも一層高い親和性を示す。
【0123】
2) 3- マウス脳の神経前駆体のニッシェにおけるShh経路の活性化に関連する式(I)の化合物のインビボにおける阻害活性
組換えSonicヘッジホッグタンパク質のマウス脳の側脳室への注入により、哺乳動物の脳において幹細胞及び神経前駆体を含む領域である脳室下帯(SVZ)において、Shh経路を刺激できるようになる(Charytoniukら, 2002; Loulierら, 2006; Angot ら, 2008)。これら細胞は、新しいニューロン及び新しいグリア細胞を生成できる。成熟した脳において増殖するこれら細胞の調節は、Shhシグナル伝達経路に関与する(Ahn及びJoyner, Nature, 2005, 437, 894-897)。中枢神経系腫瘍の発達におけるShh経路の関与は、成体の脳の神経発生領域における経路活性の変調により説明され得る。よって、この神経発生のニッシェにおけるShhシグナル伝達経路のブロッキングは、 分子のアンタゴニスト活性の良好な示度であると考えることができる。Shhの側脳室への注入は、Gli1及びPatched (Ptc)を含む標的遺伝子の誘導により反映される。Ptc遺伝子のメッセンジャーRNAの誘導は、特異的なリボプローブを用いるインサイチュハイブリダイゼーションにより測定した。この誘導は、組換えタンパク質単独の注入後は認識可能であるが、化合物24又はCur61414がこのタンパク質に加えられるときに消失する(図4、化合物24及びCur61414の存在下におけるマウス脳室下帯のPatchedの発現に対するShhNタンパク質の活性の減少を示す(A, B, C))。
【0124】
これらの結果は、成体げっ歯類のShh経路をインビボにおいて阻害する式(I)の化合物及びCur61414の能力を証明し、神経前駆体において発現されるSmoothenedタンパク質のこの阻害における関与を示唆する。
全ての実験は、インビトロ及びインビボの両方においてShh経路を変調する式(I)の化合物の能力を明らかにするために行った。その活性は、bodipyシクロパミンとの競合部位におけるSmoothenedタンパク質への結合により説明できた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の式(I):
【化1】

[式中:
- R1、R2及びR3は、同一であってもよいか又は異なっていてもよく、互いに独立して、水素若しくはハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルキル基、ペルフルオロアルキル基、任意に置換されていてもよいアルコキシ基、アルキルチオ基、ニトリル基、又はそれらが結合しているフェニル環の2つの隣接する炭素原子と縮合しているR1、R2 及びR3の2つから得られるヘテロ環を表し;
- Yは、単環式又は多環式のヘテロアリール基、-NH-(C=O)-R6、-(C=O)-NH-R6又は-NH-(C=O)-NH-R6を表し、ここでR6は、非置換の単環式又は多環式のアリール基;ハロゲン原子、アルキル、アルコキシ若しくはアルコキシアリール、モノアルキルアミノ若しくはジアルキルアミノ基、アリール若しくはヘテロアリール基、ヘテロ環から選択される1又はそれより多い置換基を含むアリール基;単環式若しくは多環式のヘテロアリール基;直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキル基;飽和若しくは不飽和の単環式若しくは多環式の炭化水素ベースの基を表し;
- R4及びR5は、同一であってもよいか又は異なっていてもよく、互いに独立して、水素若しくはハロゲン原子、又はアルコキシ、アルキルチオ、アルキル、ペルフルオロアルキル、ニトリル若しくはニトロ基を表す]
に一致することを特徴とする医薬としての化合物。
【請求項2】
- R1、R2及びR3は、同一であってもよいか又は異なっていてもよく、水素原子、メチルオキシ若しくはエチルオキシ基、又はそれらが結合しているフェニル環の2つの隣接する炭素原子と縮合しているジオキソランを表し;
- R4及びR5は、同一であってもよいか又は異なっていてもよく、水素、塩素、臭素若しくはフッ素原子、又はメチル若しくはメトキシ基を表し;そして
- Yは、単環式若しくは多環式のヘテロアリール基、-NH-(C=O)R6、-(C=O)-NH-R6若しくは-NH-(C=O)-NH-R6を表し、ここでR6は、ハロゲン原子、アルキル、ジアミノアルキル又はアルコキシ基、シクロアルキル基又はアリール基で任意に置換されていてもよいフェニル基;シクロアルキル基;ピリジニル基;ナフチル基;フリル基;チオフェニル基;イソプロピル基を表す;
ものから選択されることを特徴とする請求項1に記載の式(I)の化合物。
【請求項3】
基Yが単環式又は多環式のヘテロアリール基を表すとき、基Yがチアゾール基に縮合しているインドール又はイミダゾールから選択されることを特徴とする請求項2に記載の式(I)の化合物。
【請求項4】
基Yが-NH-(C=O)-R6、-(C=O)-NH-R6又は-NH-(C=O)-NH-R6基を表すとき、R6が、塩素原子、メトキシ基、モルホリン、又はフェニル若しくはフェノキシ基で任意に置換されていてもよいフェニル基;シクロヘキシル基;ピリジニル基;ナフチル基;フリル基を表すことを特徴とする請求項2に記載の式(I)の化合物。
【請求項5】
-以下の式:
【化2】

の3,4,5-トリメトキシ-N-(N-(3-(4-メトキシベンズアミド)フェニル)カルバムイミドイル)ベンズアミド、
-以下の式:
【化3】

のN-(N-(3-(2-クロロベンズアミド)フェニル)カルバムイミドイル)-3,4,5-トリメトキシベンズアミド、
-以下の式:
【化4】

の3,4,5-トリメトキシ-N-(N-(3-(3-メトキシベンズアミド)フェニル)カルバムイミドイル)ベンズアミド、
-以下の式:
【化5】

のN-(3-(3-(3,4,5-トリメトキシベンゾイル)グアニジノ)フェニル)ビフェニル-4-カルボキサミド、
-以下の式:
【化6】

のN-(N-(3-(シクロヘキサンカルボキサミド)フェニル)カルバムイミドイル)-3,4,5-トリメトキシベンズアミド、
-以下の式:
【化7】

のN-(3-(3-(3,4,5-トリメトキシベンゾイル)グアニジノ)フェニル)-2-ナフトアミド、
-以下の式:
【化8】

のN-(3-(3-(3,4,5-トリメトキシベンゾイル)グアニジノ)フェニル)イソニコチンアミド、
-以下の式:
【化9】

のN-(3-(3-(3,4,5-トリメトキシベンゾイル)グアニジノ)フェニル)フラン-2-カルボキサミド、
-以下の式:
【化10】

のN-(N-(3-ベンズアミドフェニル)カルバムイミドイル)-3,5-ジメトキシベンズアミド、
- 以下の式:
【化11】

のN-(N-(3-ベンズアミドフェニル)カルバムイミドイル)-4-エトキシ-3,5-ジメトキシベンズアミド、
-以下の式:
【化12】

のN-(N-(3-ベンズアミドフェニル)カルバムイミドイル)-3,4-ジエトキシ-5-メトキシベンズアミド、
-以下の式:
【化13】

のN-(N-(3-ベンズアミドフェニル)カルバムイミドイル)-7-メトキシベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-カルボキサミド、
-以下の式:
【化14】

のN-(N-(3-ベンズアミドフェニル)カルバムイミドイル)-2,4-ジメトキシベンズアミド、
-以下の式:
【化15】

のN-(N-(3-ベンズアミド-4-フルオロフェニル)カルバムイミドイル)-3,4,5-トリメトキシベンズアミド、
-以下の式:
【化16】

のN-(N-(3-ベンズアミドフェニル)カルバムイミドイル)-3,4,5-トリメトキシベンズアミド、
-以下の式:
【化17】

のN-(N-(3-ベンズアミド-4-クロロフェニル)カルバムイミドイル)-3,4,5-トリメトキシベンズアミド、
-以下の式:
【化18】

のN-(2-クロロ-5-(3-(3,4,5-トリメトキシベンゾイル)グアニジノ)フェニル)ビフェニル-4-カルボキサミド、
-以下の式:
【化19】

の3,4,5-トリメトキシ-N-(N-(3-(4-モルホリノベンズアミド)フェニル)カルバムイミドイル)ベンズアミド、
-以下の式:
【化20】

のN-(N-(3-(1H-インドール-2-イル)フェニル)カルバムイミドイル)-3,4,5-トリメトキシベンズアミド、
-以下の式:
【化21】

のN-(N-(4-クロロ-3-(4-メトキシフェニルカルバモイル)フェニル)カルバムイミドイル)-3,4,5-トリメトキシベンズアミド、
-以下の式:
【化22】

のN-(N-(4-クロロ-3-(フェニルカルバモイル)フェニル)カルバムイミドイル)-3,4,5-トリメトキシベンズアミド、
-以下の式:
【化23】

の3,4,5-トリメトキシ-N-(N-(4-メチル-3-(フェニルカルバモイル)フェニル)カルバムイミドイル)ベンズアミド、
-以下の式:
【化24】

の4'-フルオロ-N-(3-(3-(3,4,5-トリメトキシベンゾイル)グアニジノ)フェニル)ビフェニル-4-カルボキサミド、
-以下の式:
【化25】

のN-(2-メチル-5-(3-(3,4,5-トリメトキシベンゾイル)グアニジノ)フェニル)ビフェニル-4-カルボキサミド、
-以下の式:
【化26】

のN-(2-メチル-5-(3-(3,4,5-トリメトキシベンゾイル)グアニジノ)フェニル)ビフェニル-3-カルボキサミド、
-以下の式:
【化27】

のN-(2-クロロ-5-(3-(3,4,5-トリメトキシベンゾイル)グアニジノ)フェニル)ビフェニル-3-カルボキサミド、
-以下の式:
【化28】

のN-N-(3-ベンズアミド-4-メチルフェニル)カルバムイミドイル)-3,4,5-トリメトキシベンズアミド、
-以下の式:
【化29】

のN-N-(3-(イミダゾ[2,1-b]チアゾール-6-イル)フェニル)カルバムイミドイル)-3,4,5-トリメトキシベンズアミド、
-以下の式:
【化30】

のN-(N-(3-(1H-インドール-1-イル)フェニル)カルバムイミドイル)-3,4,5-トリメトキシベンズアミド、
-以下の式:
【化31】

の4'-フルオロ-N-(2-メチル-5-(3-(3,4,5-トリメトキシベンゾイル)グアニジノ)フェニル)ビフェニル-4-カルボキサミド、
-以下の式:
【化32】

の3,4,5-トリメトキシ-N-(N-(4-メチル-3-(4-(ピリジン-4-イル)ベンズアミド)フェニル)カルバムイミドイル)-ベンズアミド、
-以下の式:
【化33】

のN-(N-(4-クロロ-3-(4-フェノキシベンズアミド)フェニル)カルバムイミドイル)-3,4,5-トリメトキシベンズアミド、
-以下の式:
【化34】

のN-(3-(3-ベンゾイルグアニジノ)フェニル)ビフェニル-4-カルボキサミド、
-以下の式:
【化35】

のN-(2-メチル-3-(3-(3,4,5-トリメトキシベンゾイル)グアニジノ)フェニル)ビフェニル-4-カルボキサミド、
-以下の式:
【化36】

のN-(4-メチル-3-(3-(3,4,5-トリメトキシベンゾイル)グアニジノ)フェニル)ビフェニル-4-カルボキサミド、
-以下の式:
【化37】

のN-(N-(3-ベンズアミドフェニル)カルバムイミドイル)ベンズアミド、
- 以下の式:
【化38】

のN-(N-(3-(3-ビフェニル-4-イルウレイド)フェニル)カルバムイミドイル)-3,4,5-トリメトキシベンズアミド、
-以下の式:
【化39】

のN-(N-(4-クロロ-3-(3-フェニルウレイド)フェニル)カルバムイミドイル)-3,4,5-トリメトキシベンズアミド
から選択されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の式(I)の化合物。
【請求項6】
- 3,4,5-トリメトキシ-N-(N-(3-(4-メトキシベンズアミド)フェニル)カルバムイミドイル)ベンズアミド (化合物1);
- N-(N-(3-(2-クロロベンズアミド)フェニル)カルバムイミドイル)-3,4,5-トリメトキシベンズアミド (化合物2);
- 3,4,5-トリメトキシ-N-(N-(3-(3-メトキシベンズアミド)フェニル)カルバムイミドイル)ベンズアミド (化合物3);
- N-(3-(3-(3,4,5-トリメトキシベンゾイル)グアニジノ)フェニル)-2-ナフトアミド (化合物6);
- N-(3-(3-(3,4,5-トリメトキシベンゾイル)グアニジノ)フェニル)フラン-2-カルボキサミド (化合物8);
- N-(N-(3-ベンズアミドフェニル)カルバムイミドイル)-3,5-ジメトキシベンズアミド (化合物9);
- N-(N-(3-ベンズアミドフェニル)カルバムイミドイル)-7-メトキシベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-カルボキサミド (化合物12);
- N-(N-(3-ベンズアミドフェニル)カルバムイミドイル)-2,4-ジメトキシベンズアミド (化合物13);
- N-(N-(3-ベンズアミドフェニル)カルバムイミドイル)-3,4,5-トリメトキシベンズアミド (化合物15);
- N-(2-クロロ-5-(3-(3,4,5-トリメトキシベンゾイル)グアニジノ)フェニル)ビフェニル-4-カルボキサミド (化合物17);
- N-(N-(3-(1H-インドール-2-イル)フェニル)カルバムイミドイル)-3,4,5-トリメトキシベンズアミド (化合物19);
- N-(N-(4-クロロ-3-(フェニルカルバモイル)フェニル)カルバムイミドイル)-3,4,5-トリメトキシベンズアミド (化合物21);
- 4'-フルオロ-N-(3-(3-(3,4,5-トリメトキシベンゾイル)グアニジノ)フェニル)ビフェニル-4-カルボキサミド(化合物23);
- N-(2-メチル-5-(3-(3,4,5-トリメトキシベンゾイル)グアニジノ)フェニル)ビフェニル-4-カルボキサミド (化合物24);
- N-(N-(3-(1H-インドール-1-イル)フェニル)カルバムイミドイル)-3,4,5-トリメトキシベンズアミド (化合物29);
- 4'-フルオロ-N-(2-メチル-5-(3-(3,4,5-トリメトキシベンゾイル)グアニジノ)フェニル)ビフェニル-4-カルボキサミド(化合物30);
- N-(N-(4-クロロ-3-(4-フェノキシベンズアミド)フェニル)カルバムイミドイル)-3,4,5-トリメトキシベンズアミド (化合物32);
- N-(N-(4-クロロ-3-(3-フェニルウレイド)フェニル)カルバムイミドイル)-3,4,5-トリメトキシベンズアミド (化合物38):
から選択されることを特徴とする請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
塩の形態にあることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の式(I)の化合物。
【請求項8】
前記塩が、塩酸、臭酸、硝酸、硫酸、燐酸、酢酸、蟻酸、プロピオン酸、安息香酸、マレイン酸、フマル酸、琥珀酸、酒石酸、クエン酸、蓚酸、グリオキシル酸、アスパラギン酸、アルカンスルホン酸、例えばメタンスルホン酸及びエタンスルホン酸、アリールスルホン酸、例えばベンゼンスルホン酸及びパラ‐トルエンスルホン酸又はアリールカルボン酸と形成されることを特徴とする請求項7に記載の式(I)の化合物。
【請求項9】
前記塩が、塩酸と形成されることを特徴とする請求項8に記載の式(I)の化合物。
【請求項10】
ヘッジホッグタンパク質シグナル伝達経路の過剰活性化に関連する腫瘍の治療を意図する医薬として使用するための請求項1〜9のいずれか1項に記載の式(I)の化合物。
【請求項11】
神経組織腫瘍(髄芽腫、原始神経外胚葉性腫瘍、膠芽腫、髄膜腫及び乏突起膠腫)、皮膚腫瘍(基底細胞癌腫、毛包上皮腫)、筋肉及び骨組織の腫瘍(横紋筋肉腫、骨肉腫)並びにその他の組織(腎臓、膀胱、前立腺、肺、胃、膵臓、乳房、肝臓)の腫瘍の治療のための医薬として使用するための請求項10に記載の式(I)の化合物。
【請求項12】
神経変性型の病的状態の治療を意図する医薬として使用するための請求項1〜9のいずれか1項に記載の式(I)の化合物。
【請求項13】
パーキンソン病、ハンチントン舞踏病、アルツハイマー病、多発性硬化症及び運動ニューロン疾患の治療用の医薬として使用するための請求項12に記載の式(I)の化合物。
【請求項14】
脳発達に関連する疾患(全前脳胞症)、脳卒中及び心血管系イベント並びに乏突起神経膠細胞及びシュワン細胞の疾患の治療を意図する医薬としての使用するための請求項1〜9のいずれか1項に記載の式(I)の化合物。
【請求項15】
ヒト又は動物の幹細胞の再生を調節及び変調するために、インビトロにおいて使用するための請求項14に記載の式(I)の化合物。
【請求項16】
糖尿病の治療を意図する医薬として使用するための請求項1〜9のいずれか1項に記載の式(I)の化合物。
【請求項17】
組織又は細胞系において、Smoothened、Patched (Patched 1及びPatched 2)、Dispatched (Dispatched 1及びDispatched 2)並びにHIPタンパク質のようなタンパク質の存在を検出するためのマーカーとしての請求項1〜9のいずれか1項に記載の式(I)の化合物。
【請求項18】
組織又は細胞系において、Smoothened、Patched (Patched 1及びPatched 2)、Dispatched (Dispatched 1及びDispatched 2)並びにHIPタンパク質のようなタンパク質をスクリーニングするための診断用ツールとしての請求項1〜9のいずれか1項に記載の式(I)の化合物。
【請求項19】
活性成分として少なくとも1つの請求項1〜9のいずれか1項に規定される式(I)の化合物と、医薬的に許容される賦形剤とを含むことを特徴とする医薬組成物。
【請求項20】
下記の式:
【化40】

[式中:
- R1、R2及びR3は、同一であってもよいか又は異なっていてもよく、互いに独立して、水素若しくはハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルキル基、ペルフルオロアルキル基、任意に置換されていてもよいアルコキシ基、アルキルチオ基、ニトリル基、又はそれらが結合しているフェニル環の2つの隣接する炭素原子と縮合しているR1、R2 及びR3の2つから得られるヘテロ環を表し;
- Yは、チアゾール基に縮合しているインドール又はイミダゾールから選択される単環式又は多環式のヘテロアリール基を表すか、又はYは、-NH-(C=O)-R6、-(C=O)-NH-R6又は-NH-(C=O)-NH-R6を表し、ここでR6は、非置換の単環式又は多環式のアリール基;ハロゲン原子、アルキル、アルコキシ若しくはアルコキシアリール、モノアルキルアミノ若しくはジアルキルアミノ基、アリール若しくはヘテロアリール基、ヘテロ環から選択される1又はそれより多い置換基を含むアリール基;単環式若しくは多環式のヘテロアリール基;直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキル基;飽和若しくは不飽和の単環式若しくは多環式の炭化水素ベースの基を表し;
- R4及びR5は、同一であってもよいか又は異なっていてもよく、互いに独立して、水素若しくはハロゲン原子、アルコキシ、アルキルチオ、アルキル、ペルフルオロアルキル、ニトリル若しくはニトロ基を表す]
に一致することを特徴とする化合物。
【請求項21】
- R1、R2及びR3は、同一であってもよいか又は異なっていてもよく、水素原子、メチルオキシ若しくはエチルオキシ基、又はそれらが結合しているフェニル環の2つの隣接する炭素原子と縮合しているジオキソランを表し;
- R4及びR5は、同一であってもよいか又は異なっていてもよく、水素、塩素、臭素若しくはフッ素原子、又はメチル若しくはメトキシ基を表し;そして
- Yは、チアゾール基に縮合しているインドール又はイミダゾールから選択される単環式若しくは多環式のヘテロアリール基を表すか、又は-NH-(C=O)R6、-(C=O)-NH-R6若しくは-NH-(C=O)-NH-R6基を表し、ここでR6は、ハロゲン原子、アルキル、ジアミノアルキル又はアルコキシ基、シクロアルキル基又はアリール基で任意に置換されていてもよいフェニル基;シクロアルキル基;ピリジニル基;ナフチル基;フリル基;チオフェニル基;イソプロピル基を表す;
ものから選択されることを特徴とする請求項20に記載の式(I)の化合物。
【請求項22】
基Yが-NH-(C=O)-R6、-(C=O)-NH-R6又は-NH-(C=O)-NH-R6基を表すとき、R6が塩素原子、メトキシ基、モルホリン又はフェニル若しくはフェノキシ基で任意に置換されていてもよいフェニル基;シクロヘキシル基;ピリジニル基;ナフチル基;フリル基を表すことを特徴とする請求項21に記載の式(I)の化合物。
【請求項23】
-以下の式:
【化41】

の3,4,5-トリメトキシ-N-(N-(3-(4-メトキシベンズアミド)フェニル)カルバムイミドイル)ベンズアミド、
-以下の式:
【化42】

のN-(N-(3-(2-クロロベンズアミド)フェニル)カルバムイミドイル)-3,4,5-トリメトキシベンズアミド、
-以下の式:
【化43】

の3,4,5-トリメトキシ-N-(N-(3-(3-メトキシベンズアミド)フェニル)カルバムイミドイル)ベンズアミド、
-以下の式:
【化44】

のN-(3-(3-(3,4,5-トリメトキシベンゾイル)グアニジノ)フェニル)ビフェニル-4-カルボキサミド、
-以下の式:
【化45】

のN-(N-(3-(シクロヘキサンカルボキサミド)フェニル)カルバムイミドイル)-3,4,5-トリメトキシベンズアミド、
-以下の式:
【化46】

のN-(3-(3-(3,4,5-トリメトキシベンゾイル)グアニジノ)フェニル)-2-ナフトアミド、
-以下の式:
【化47】

のN-(3-(3-(3,4,5-トリメトキシベンゾイル)グアニジノ)フェニル)イソニコチンアミド、
-以下の式:
【化48】

のN-(3-(3-(3,4,5-トリメトキシベンゾイル)グアニジノ)フェニル)フラン-2-カルボキサミド、
-以下の式:
【化49】

のN-(N-(3-ベンズアミドフェニル)カルバムイミドイル)-3,5-ジメトキシベンズアミド、
- 以下の式:
【化50】

のN-(N-(3-ベンズアミドフェニル)カルバムイミドイル)-4-エトキシ-3,5-ジメトキシベンズアミド、
-以下の式:
【化51】

のN-(N-(3-ベンズアミドフェニル)カルバムイミドイル)-3,4-ジエトキシ-5-メトキシベンズアミド、
-以下の式:
【化52】

のN-(N-(3-ベンズアミドフェニル)カルバムイミドイル)-7-メトキシベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-カルボキサミド、
-以下の式:
【化53】

のN-(N-(3-ベンズアミドフェニル)カルバムイミドイル)-2,4-ジメトキシベンズアミド、
-以下の式:
【化54】

のN-(N-(3-ベンズアミド-4-フルオロフェニル)カルバムイミドイル)-3,4,5-トリメトキシベンズアミド、
-以下の式:
【化55】

のN-(N-(3-ベンズアミドフェニル)カルバムイミドイル)-3,4,5-トリメトキシベンズアミド、
-以下の式:
【化56】

のN-(N-(3-ベンズアミド-4-クロロフェニル)カルバムイミドイル)-3,4,5-トリメトキシベンズアミド、
-以下の式:
【化57】

のN-(2-クロロ-5-(3-(3,4,5-トリメトキシベンゾイル)グアニジノ)フェニル)ビフェニル-4-カルボキサミド、
-以下の式:
【化58】

の3,4,5-トリメトキシ-N-(N-(3-(4-モルホリノベンズアミド)フェニル)カルバムイミドイル)ベンズアミド、
-以下の式:
【化59】

のN-(N-(3-(1H-インドール-2-イル)フェニル)カルバムイミドイル)-3,4,5-トリメトキシベンズアミド、
-以下の式:
【化60】

のN-(N-(4-クロロ-3-(4-メトキシフェニルカルバモイル)フェニル)カルバムイミドイル)-3,4,5-トリメトキシベンズアミド、
-以下の式:
【化61】

のN-(N-(4-クロロ-3-(フェニルカルバモイル)フェニル)カルバムイミドイル)-3,4,5-トリメトキシベンズアミド、
-以下の式:
【化62】

の3,4,5-トリメトキシ-N-(N-(4-メチル-3-(フェニルカルバモイル)フェニル)カルバムイミドイル)ベンズアミド、
-以下の式:
【化63】

の4'-フルオロ-N-(3-(3-(3,4,5-トリメトキシベンゾイル)グアニジノ)フェニル)ビフェニル-4-カルボキサミド、
-以下の式:
【化64】

のN-(2-メチル-5-(3-(3,4,5-トリメトキシベンゾイル)グアニジノ)フェニル)ビフェニル-4-カルボキサミド、
-以下の式:
【化65】

のN-(2-メチル-5-(3-(3,4,5-トリメトキシベンゾイル)グアニジノ)フェニル)ビフェニル-3-カルボキサミド、
-以下の式:
【化66】

のN-(2-クロロ-5-(3-(3,4,5-トリメトキシベンゾイル)グアニジノ)フェニル)ビフェニル-3-カルボキサミド、
-以下の式:
【化67】

のN-N-(3-ベンズアミド-4-メチルフェニル)カルバムイミドイル)-3,4,5-トリメトキシベンズアミド、
-以下の式:
【化68】

のN-N-(3-(イミダゾ[2,1-b]チアゾール-6-イル)フェニル)カルバムイミドイル)-3,4,5-トリメトキシベンズアミド、
-以下の式:
【化69】

のN-(N-(3-(1H-インドール-1-イル)フェニル)カルバムイミドイル)-3,4,5-トリメトキシベンズアミド、
-以下の式:
【化70】

の4'-フルオロ-N-(2-メチル-5-(3-(3,4,5-トリメトキシベンゾイル)グアニジノ)フェニル)ビフェニル-4-カルボキサミド、
-以下の式:
【化71】

の3,4,5-トリメトキシ-N-(N-(4-メチル-3-(4-(ピリジン-4-イル)ベンズアミド)フェニル)カルバムイミドイル)-ベンズアミド、
-以下の式:
【化72】

のN-(N-(4-クロロ-3-(4-フェノキシベンズアミド)フェニル)カルバムイミドイル)-3,4,5-トリメトキシベンズアミド、
-以下の式:
【化73】

のN-(3-(3-ベンゾイルグアニジノ)フェニル)ビフェニル-4-カルボキサミド、
-以下の式:
【化74】

のN-(2-メチル-3-(3-(3,4,5-トリメトキシベンゾイル)グアニジノ)フェニル)ビフェニル-4-カルボキサミド、
-以下の式:
【化75】

のN-(4-メチル-3-(3-(3,4,5-トリメトキシベンゾイル)グアニジノ)フェニル)ビフェニル-4-カルボキサミド、
-以下の式:
【化76】

のN-(N-(3-ベンズアミドフェニル)カルバムイミドイル)ベンズアミド、
-以下の式:
【化77】

のN-(N-(3-(3-ビフェニル-4-イルウレイド)フェニル)カルバムイミドイル)-3,4,5-トリメトキシベンズアミド、
-以下の式:
【化78】

のN-(N-(4-クロロ-3-(3-フェニルウレイド)フェニル)カルバムイミドイル)-3,4,5-トリメトキシベンズアミド
から選択されることを特徴とする請求項20〜22のいずれか1項に記載の式(I)の化合物。
【請求項24】
- 3,4,5-トリメトキシ-N-(N-(3-(4-メトキシベンズアミド)フェニル)カルバムイミドイル)ベンズアミド (化合物1);
- N-(N-(3-(2-クロロベンズアミド)フェニル)カルバムイミドイル)-3,4,5-トリメトキシベンズアミド (化合物2);
- 3,4,5-トリメトキシ-N-(N-(3-(3-メトキシベンズアミド)フェニル)カルバムイミドイル)ベンズアミド (化合物3);
- N-(3-(3-(3,4,5-トリメトキシベンゾイル)グアニジノ)フェニル)-2-ナフトアミド (化合物6);
- N-(3-(3-(3,4,5-トリメトキシベンゾイル)グアニジノ)フェニル)フラン-2-カルボキサミド (化合物8);
- N-(N-(3-ベンズアミドフェニル)カルバムイミドイル)-3,5-ジメトキシベンズアミド (化合物9);
- N-(N-(3-ベンズアミドフェニル)カルバムイミドイル)-7-メトキシベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-カルボキサミド (化合物12);
- N-(N-(3-ベンズアミドフェニル)カルバムイミドイル)-2,4-ジメトキシベンズアミド (化合物13);
- N-(N-(3-ベンズアミドフェニル)カルバムイミドイル)-3,4,5-トリメトキシベンズアミド (化合物15);
- N-(2-クロロ-5-(3-(3,4,5-トリメトキシベンゾイル)グアニジノ)フェニル)ビフェニル-4-カルボキサミド (化合物17);
- N-(N-(3-(1H-インドール-2-イル)フェニル)カルバムイミドイル)-3,4,5-トリメトキシベンズアミド (化合物19);
- N-(N-(4-クロロ-3-(フェニルカルバモイル)フェニル)カルバムイミドイル)-3,4,5-トリメトキシベンズアミド (化合物21);
- 4'-フルオロ-N-(3-(3-(3,4,5-トリメトキシベンゾイル)グアニジノ)フェニル)ビフェニル-4-カルボキサミド(化合物23);
- N-(2-メチル-5-(3-(3,4,5-トリメトキシベンゾイル)グアニジノ)フェニル)ビフェニル-4-カルボキサミド (化合物24);
- N-(N-(3-(1H-インドール-1-イル)フェニル)カルバムイミドイル)-3,4,5-トリメトキシベンズアミド (化合物29);
- 4'-フルオロ-N-(2-メチル-5-(3-(3,4,5-トリメトキシベンゾイル)グアニジノ)フェニル)ビフェニル-4-カルボキサミド(化合物30);
- N-(N-(4-クロロ-3-(4-フェノキシベンズアミド)フェニル)カルバムイミドイル)-3,4,5-トリメトキシベンズアミド (化合物32);
- N-(N-(4-クロロ-3-(3-フェニルウレイド)フェニル)カルバムイミドイル)-3,4,5-トリメトキシベンズアミド (化合物38):
から選択されることを特徴とする請求項23に記載の化合物。
【請求項25】
塩の形態にあることを特徴とする請求項20〜24のいずれか1項に記載の式(I)の化合物。
【請求項26】
前記塩が、塩酸、臭酸、硝酸、硫酸、燐酸、酢酸、蟻酸、プロピオン酸、安息香酸、マレイン酸、フマル酸、琥珀酸、酒石酸、クエン酸、蓚酸、グリオキシル酸、アスパラギン酸、アルカンスルホン酸、例えばメタンスルホン酸及びエタンスルホン酸、アリールスルホン酸、例えばベンゼンスルホン酸及びパラ‐トルエンスルホン酸又はアリールカルボン酸と形成されることを特徴とする請求項25に記載の式(I)の化合物。
【請求項27】
前記塩が、塩酸と形成されることを特徴とする請求項26に記載の式(I)の化合物。

【図4】
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【図1−1】
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【図1−2】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2013−500248(P2013−500248A)
【公表日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−521065(P2012−521065)
【出願日】平成22年7月19日(2010.7.19)
【国際出願番号】PCT/FR2010/000516
【国際公開番号】WO2011/010013
【国際公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【出願人】(502205846)サントル ナショナル ドゥ ラ ルシェルシュ シアンティフィク (154)
【出願人】(511214886)ユニベルシテ ド ストラスブール (2)
【氏名又は名称原語表記】UNIVERSITE DE STRASBOURG
【住所又は居所原語表記】4, rue Blaise Pascal, F−67081 Strasbourg Cedex, France
【Fターム(参考)】