ロータ及びモータ
【課題】少ない部品点数で各回転子の爪状磁極に必要磁界を形成することができるロータ及びモータを提供する。
【解決手段】モータのロータ3は、ロータ周方向に等間隔に並ぶ複数の爪状磁極8を持つ第1回転子4と、同じくロータ周方向に等間隔に並びつつ爪状磁極8と反対側に突出する複数の爪状磁極11を持つ第2回転子5とを有する。これら回転子4,5は、互いの爪状磁極8,11がロータ周方向において交互に配置されるように組み付けられている。第1回転子4を鉄等の軟磁性材で形成し、第2回転子5を磁石で形成し、第2回転子5の磁力により、第1回転子4に磁気モーメントを形成する。
【解決手段】モータのロータ3は、ロータ周方向に等間隔に並ぶ複数の爪状磁極8を持つ第1回転子4と、同じくロータ周方向に等間隔に並びつつ爪状磁極8と反対側に突出する複数の爪状磁極11を持つ第2回転子5とを有する。これら回転子4,5は、互いの爪状磁極8,11がロータ周方向において交互に配置されるように組み付けられている。第1回転子4を鉄等の軟磁性材で形成し、第2回転子5を磁石で形成し、第2回転子5の磁力により、第1回転子4に磁気モーメントを形成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マグネット界磁のランデル型ロータ及びモータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、モータの一種として、図13に示すようなマグネット界磁のランデル型ロータ81を有するモータ(回転電機)が周知である(例えば特許文献1等参照)。この型のモータのロータ81は、周方向に複数の爪状磁極82a,83aを有する鉄製の回転子鉄心82,83と、回転子鉄心82,83の間に配置された円板磁石84とを備える。そして、円板磁石84の磁界によって各爪状磁極82a,83aが周方向において交互に異なる磁極を生成することにより、いわゆるマグネット界磁のランデル型ロータとして機能する。
【0003】
ところで、この型のモータは、爪状磁極82a,83aが鉄で形成されているので、磁束のとり得る方向が自由で、実際のところ爪状磁極82a,83aの構造的な工夫だけでは、磁束のコントロール、つまり漏れ磁束を少なく抑えてモータの出力を確保するには限界がある。よって、特許文献1では、爪状磁極82a,83aの間に磁束整流用磁石を設けて、漏れ磁束を少なく抑える対策がなされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平5−43749号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1は、磁束整流用磁石が別途必要となるので、部品点数が増加したり、部品の組み付け工数が増加したりするなどの問題があった。よって、これらがモータのコストアップに繋がってしまうので、この種のマグネット界磁のランデル型ロータを有するモータにおいて、簡素な構造で爪状磁極に必要磁束を発生させて、モータの出力を確保することができる技術の開発ニーズがあった。
【0006】
本発明の目的は、少ない部品点数で各回転子の爪状磁極に必要磁界を形成することができるロータ及びモータを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記問題点を解決するために、周方向に複数の爪状磁極を持つ第1回転子及び第2回転子が設けられ、これらの一方の爪状磁極が他方の爪状磁極間の切欠部に入り込む組み付け状態をとり、複数の前記爪状磁極が周方向において交互にN極/S極となるロータにであって、前記第1回転子及び前記第2回転子の一方を軟磁性材で形成し、他方を磁石で形成し、当該磁石の磁極によって前記軟磁性材に磁極を持たせることにより、周方向に並ぶ前記爪状磁極が交互にN極/S極をとるロータであることを要旨とする。
【0008】
本発明の構成によれば、第1回転子及び第2回転子の一方の軟磁性材を、他方の磁石の磁力によって磁化することにより、第1回転子及び第2回転子を、各々N極/S極として機能させる。このため、磁束整流用磁石を使用しなくとも、第1回転子及び第2回転子に必要磁束を形成することが可能となるので、ランデル型ロータにかかる部品点数を少なく抑えることが可能となる。また、第1回転子及び第2回転子の一方が軟磁性材で済むので、両方を磁石で形成する必要がなくなり、部品コストの削減にも効果が高い。
【0009】
本発明では、前記第1回転子及び前記第2回転子は、それぞれ異なる形状に形成されていることを要旨とする。この構成によれば、使用する磁石の強さによって磁石の大きさを変え、結果、第1回転子と第2回転子との形状が異なるように形成される。よって、第1回転子及び第2回転子を、必要とする最適の形状とすることが可能となる。
【0010】
本発明では、前記第1回転子及び前記第2回転子は、同じ形状に形成されていることを要旨とする。この構成によれば、ロータの重量バランスがよくなるので、機能性確保に効果が高くなる。
【0011】
本発明では、前記第1回転子及び前記第2回転子の間に、それぞれを固定する軟磁性体が設けられ、当該軟磁性体がシャフトに固定されていることを要旨とする。この構成によれば、第1回転子及び第2回転子を、軟磁性体を利用して取り付け固定することが可能となるので、第1回転子及び第2回転子の取り付け強度確保やシャフトに対する位置ずれ防止などに効果が高くなる。
【0012】
本発明では、前記磁石は、ある特定の方向に磁化が向く異方性磁石であることを要旨とする。この構成によれば、第1回転子及び第2回転子を異方性磁石により形成するので、ある特定方向に向く強い磁束を、各爪状磁極に発生させるのに効果が高くなる。よって、ロータのトルク確保に効果が高い。
【0013】
本発明では、前記磁石は、焼結磁石又はボンド磁石であることを要旨とする。この構成によれば、第1回転子や第2回転子を圧縮成型や射出成形のどちらでも製造することが可能となるので、製造方法が1通りに限定されてしまうことがない。
【0014】
本発明では、前記磁石は、フェライト磁石、サマリウムコバルト系磁石、サマリウム鉄窒素系磁石、ネオジム磁石又はアルニコ磁石であることを要旨とする。この構成によれば、これら汎用的な材料によっても第1回転子や第2回転子を製造することも可能である。
【0015】
本発明では、前記軟磁性材は、軟鉄、金属ガラス、パーメンジュール又はアモルファスであることを要旨とする。この構成によれば、軟磁性材を剛性の高い材料で形成することが可能となるので、軟磁性材をシャフトに対し強固に固定することが可能となる。よって、軟磁性材に磁力にて固定された第1回転子や第2回転子を、シャフトに対してずれ難くすることが可能となる。
【0016】
本発明では、前記第1回転子及び前記第2回転子の組からなるロータユニットを、軸方向に複数積層したタンデム構造であることを要旨とする。この構成によれば、ロータの外周面において各爪状磁極が形成するN極/S極の面積を広くとることが可能となるので、トルク向上に効果が高くなる。
【0017】
本発明では、前記タンデム構造の場合、複数の前記ロータユニットの前記第1回転子及び前記第2回転子は、軸方向外側に位置するものと、軸方向内側に位置するものとが、各々同じ磁極をとるように形成されていることを要旨とする。この構成によれば、2つのロータユニットが接触する箇所において、広い磁束の通路を形成することが可能となるので、トルク向上に効果が高くなる。
【0018】
本発明では、前記タンデム構造の場合、複数の前記ロータユニットは、前記第1回転子及び前記第2回転子のうち、軸方向内側において当接する同極の部材が一体化されていることを要旨とする。この構成によれば、複数のロータユニットにおいて同極の部材を一体化したので、元々2部品であったものが1部品で済む。よって、部品点数を少なく抑えることが可能となる。
【0019】
本発明では、周方向に複数の爪状磁極を持つ第1回転子及び第2回転子が設けられ、これらの一方の爪状磁極が他方の爪状磁極間の切欠部に入り込む組み付け状態をとり、複数の前記爪状磁極が周方向において交互にN極/S極となり、前記第1回転子及び前記第2回転子の一方を軟磁性材で形成し、他方を磁石で形成し、当該磁石の磁極によって前記軟磁性材に磁極を持たせることにより、周方向に並ぶ前記爪状磁極が交互にN極/S極をとるロータと、当該ロータを回転可能に支持するステータとを備えたロータであることを要旨とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、少ない部品点数で各回転子の爪状磁極に必要磁界を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】第1実施形態のモータの構成図。
【図2】ロータの外観を示す斜視図。
【図3】ロータの部品構成を示す分解斜視図。
【図4】磁石からなる第2回転子に発生する磁界を示す斜視図。
【図5】第1回転子及び第2回転子に発生する磁界を示す断面状の例示図。
【図6】他構成のロータに発生する磁界を示す断面状の例示図。
【図7】第2実施形態のロータに発生する磁界を示す断面状の例示図。
【図8】ロータの部品構成を示す分解斜視図。
【図9】第3実施形態のロータに発生する磁界を示す断面状の例示図。
【図10】他構成のロータに発生する磁界を示す断面状の例示図。
【図11】他構成のロータに発生する磁界を示す断面状の例示図。
【図12】他構成のロータに発生する磁界を示す断面状の例示図。
【図13】従来のロータの部品構成を示す分解斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化したロータ及びモータの第1実施形態を図1〜図6に従って説明する。
【0023】
図1に示すように、モータ1には、モータ1の固定側となるステータ2が設けられ、このステータ2の内部に、モータ1の回転側となるロータ3がステータ2に対して回転可能に設けられている。そして、ステータ2の鉄心に巻かれた巻線に電流が流されると、ステータ2とロータ3との間のマグネット界磁(永久磁石界磁)に発生する磁界によって、ロータ3がステータ2に対して回転する。
【0024】
図2及び図3に示すように、本例のようなマグネット界磁のランデル型ロータ3には、一対の回転子4,5が設けられ、これらが一体に組み付けられている。本例のモータ1は、2枚の回転子4,5からなる一層構造をなしている。本例の場合、紙面上側を第1回転子4とし、紙面下側を第2回転子5とする。ロータ3の軸中心には、ロータ3の回転軸となる非磁性体のシャフト6が取り付けられている。
【0025】
第1回転子4において略円板状の回転子本体部7の周縁には、周方向に沿って等間隔に並ぶ複数の爪状磁極8,8…が、外側に向かって放射状に突設されている。さらに、第1回転子4の爪状磁極8は、モータ軸方向に沿って延出する形状、つまり図2及び図3において紙面下方向に飛び出す形状をなし、隣同士の爪状磁極8,8の間が切欠部9となっている。第2回転子5は、第1回転子4と略同一形状をなし、第1回転子4と同様に回転子本体部10、爪状磁極11及び切欠部12を有する。第1回転子4及び第2回転子5は、一方の爪状磁極8(11)が他方の切欠部12(9)の入り込むように、かつ逆の磁極同士が接するように、上下逆さまの組み付け状態をとる。これにより、第1回転子4の爪状磁極8と第2回転子5の爪状磁極11とは、ロータ周方向において交互に配置され、ロータ周方向に計10個並んでいる。各回転子4,5の中心には、シャフト6を挿通する通し孔13,14が各々貫設されている。
【0026】
爪状磁極8(11)は、ロータ径方向から見て長方形に形成されている。なお、爪状磁極8(11)は、例えば正四角形状や台形状に形成されてもよい。また、回転子本体部7と爪状磁極8(11)との間の隙間は、断面が長方形状となるように形成されている。さらに、隣り合う爪状磁極8,11の間は、ロータ径方向から見て長方形の空間をなすように離間する。
【0027】
第2回転子5は、異方性磁石(極異方性磁石)からなる。異方性磁石は、ある特定の方向に磁化された磁石であって、その特定方向に強い磁力を有する。異方性磁石は、例えば焼結磁石、ボンド磁石(プラスチックマグネット、ゴムマグネット等)などが使用されている。また、これ以外に、例えばフェライト磁石、サマリウム鉄窒素(Sm−Fe−N)系磁石、サマリウムコバルト系磁石、ネオジム磁石、アルニコ磁石などを使用してもよい。
【0028】
図4及び図5に示すように、磁石製の第2回転子5は、回転子本体部10の内面15から爪状磁極11の方向に磁気モーメントが向くように着磁されている。よって、第2回転子5は、各爪状磁極11,11…の外周面がN極(外周側N極)となり、回転子本体部10の内面15、つまり軸方向垂直面がS極(軸垂直面側S極)となっている。
【0029】
第1回転子4は、軟磁性材によって形成されている。軟磁性材としては、例えば鉄が使用されている。本例の第1回転子4は、第2回転子5と組み付け状態をとる際、第2回転子5の磁力によって磁極が形成される。よって、第1回転子4は、爪状磁極8,8…から回転子本体部7の内面16の方向に磁気モーメントが向くように磁化される。このため、第1回転子4は、第2回転子5の磁力によって、各爪状磁極8,8…の外周側がS極(外周側S極)となり、回転子本体部7の内面16、つまり軸方向垂直面がN極(軸垂直面側N極)となっている。
【0030】
第1回転子4は、軟磁性材によって形成されているので、シャフト6に対し圧入固定等により組み付け固定されている。また、第2回転子5は、磁力にて第1回転子4に吸着することにより、第1回転子4及びシャフト6に組み付いている。よって、第1回転子4のシャフト6に対する周方向の等角配置(均等配置)は、圧入固定によって確保され、第2回転子5のシャフト6に対する周方向の等角配置(均等配置)は、磁力による吸着にて確保される。
【0031】
図5に示すように、第1回転子4及び第2回転子5は、互いに形状が異なるように形成されている。本例の場合、第1回転子4及び第2回転子5は、回転子本体部7,10の厚さが異なる形状に形成され、回転子本体部7の厚さがW1に形成され、回転子本体部10の厚さがW2(<W1)に形成されている。本例のように、第1回転子4よりも第2回転子5を薄く形成するのは、例えば第2回転子5を磁力の強い材料で形成すれば、厚さW2を薄くすることが可能となるので、結果として第1回転子4と第2回転子5とが異なることになる。
【0032】
第1回転子4及び第2回転子5は、第1回転子4のN極の爪状磁極8,8…が第2回転子5の各切欠部12,12…に入り込み、第2回転子5のS極の爪状磁極11,11…が第1回転子4の各切欠部9,9…に入り込む配置位置をとる。このため、ロータ3の周方向において、N極とS極とが交互に並び、ロータ3がマグネット界磁のランデル型ロータとして機能することになる。
【0033】
次に、本例のモータ1の作用を、図3〜図5を用いて説明する。
図3〜図5に示すように、第1回転子4を磁石ではなく鉄等の軟磁性材により形成し、第2回転子5を磁石(異方性磁石)により形成し、磁石からなる第2回転子5の磁力を利用して、第1回転子4に必要磁界を生成する。本例の場合、第2回転子5をN極の磁石で形成したとすると、軟磁性材からなる第1回転子4を、N極の磁力によってS極に磁化する。
【0034】
よって、図5に示すように、第1回転子4には、N極の磁石からなる第2回転子5の磁力によって、同図に示す矢印A1方向の磁気モーメントが形成され、第2回転子5には、自身の磁力によって、同図に示す矢印A2方向の磁気モーメントが生成される。このため、第1回転子4の爪状磁極8がS極となり、第2回転子5の爪状磁極11がN極となるので、ロータ3の周方向に並ぶ爪状磁極8,11が交互にN極/S極となり、コンシクエントポール型構造のロータとなる。これにより、ステータ2が通電された際には、ロータ3がステータ2に対して回転可能となる。
【0035】
以上により、本例においては、磁石の数量削減を狙って第1回転子4を軟磁性材により形成しつつ、磁石からなる第2回転子5の磁力を利用して第1回転子4を磁化することにより、第1回転子4にロータ3として必要な磁気モーメントを生成する。このため、背景技術で述べたような磁束整流用磁石を使用しなくとも、各爪状磁極8,11に必要磁束を発生させることが可能となる。従って、ランデル型ロータ3を少ない部品点数で形成することが可能となる。さらには、第1回転子4及び第2回転子5の一方のみ磁石とすればよいので、必要となる磁石部品の点数が少なくなり、部品コストの削減にも効果が高い。
【0036】
また、本例の場合、軟磁性材からなる第1回転子4をシャフト6に圧入固定等で強固に組み付け、第2回転子5を自身の磁力によって第1回転子4に吸着することにより、第1回転子4及び第2回転子5を位置決め固定する。このため、第1回転子4及び第2回転子5がシャフト6に対して周方向に動き難くなるので、第1回転子4及び第2回転子5の周方向における等角配置(均等配置)が確保される。これにより、ロータ3の所望出力の確保に効果が高くなる。
【0037】
ところで、第1回転子4の厚さW1と第2回転子5の厚さW2とは、互いに異なることに限定されない。図6に示すように、第1回転子4及び第2回転子5は、厚さW1,W2が同じに形成されてもよい。この場合、ロータ3の軸方向における重量バランスがよくなるので、ロータ3としての機能性確保に効果が高くなる。
【0038】
本実施形態の構成によれば、以下に記載の効果を得ることができる。
(1)軟磁性材からなる第1回転子4を、磁石からなる第2回転子5の磁力によって磁化することにより、第1回転子4に磁気モーメントを発生させ、これらをN極/S極として機能させる。このため、背景技術で述べたような磁束整流用磁石を使用しなくとも、第1回転子4及び第2回転子5に必要磁界を形成することが可能となるので、ランデル型ロータ3にかかる部品点数を少なく抑えることができる。また、第1回転子4が軟磁性材で済むので、第1回転子4及び第2回転子5の両方を磁石で形成する必要がなくなり、部品コストの削減にも効果が高い。
【0039】
(2)磁石である第2回転子5を、使用する磁石の種類(磁界の強さ)に応じて大きさを変え、結果、第1回転子4と第2回転子5とが異なる形状(厚さW)にて形成される。よって、第1回転子4及び第2回転子5を、必要とする最適の形状とすることができる。
【0040】
(3)第1回転子4と第2回転子5とを同じ形状に形成した場合、ロータ3の重量バランスがよくなるので、機能性確保に効果が高い。
(4)第2回転子5を異方性磁石により形成するので、ある特定方向(N極)に向く強い磁束を、各爪状磁極11に発生させるのに効果が高くなる。また、この強い磁力を持つ第2回転子5によって第1回転子4が磁化されるので、第1回転子4にも特定方向(S極)を向く強い磁束を発生させることができる。よって、ロータ3(モータ1)のトルク確保に効果が高くなる。
【0041】
(5)や第2回転子5を焼結磁石やボンド磁石とした場合、第2回転子5を例えば圧縮成形や射出成形のどちらでの形成することが可能となるので、製造方法が1通りに限定されてしまうことがない。
【0042】
(6)第2回転子5は、フェライト磁石、サマリウムコバルト系磁石、サマリウム鉄窒素系磁石、ネオジム磁石、アルニコ磁石で形成することも可能である。よって、これら汎用的な材料によっても第1回転子4や第2回転子5を製造することができる。
【0043】
(7)第1回転子4は、軟鉄、金属ガラス、パーメンジュール、アモルファス等の剛性の高い軟磁性材に形成される。このため、第1回転子4をシャフト6に対し、より強固に固定することができる。よって、第1回転子4に磁力にて吸着する第2回転子5を、シャフト6に対してロータ周方向に位置ずれし難くすることができる。
【0044】
(8)第2回転子5の外周面に一方の磁極を持たせ、回転子本体部10の軸方向垂直面に他方の磁極を持たせた。このため、第2回転子5において磁束を発生させる磁性材を、ロータ径方向の中央部まで配置することが可能となるので、磁性材の粒子が多くなり、磁束量を増やすことができる。
【0045】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態を図7及び図8に従って説明する。なお、第2実施形態は、第1実施形態に記載のロータ構造を変更した構成であって、他の基本的な構成は同じである。よって、第1実施形態と同一部分には同一符号を付して詳しい説明を省略し、異なる部分についてのみ詳述する。
【0046】
図7及び図8に示すように、一対の回転子4,5の間には、それぞれを固定する略板状の軟磁性体20が設けられている。軟磁性体20は、リング状を呈するとともに、軟磁性材として、軟鉄、金属ガラス、パーメンジュール、アモルファスのいずれかからなる。軟磁性体20は、中央の通し孔21にシャフト6が通されるとともに、シャフト6に圧入固定されている。
【0047】
本例の第1回転子4は、シャフト6への圧入固定ではなく、例えば接着剤等によって軟磁性体20に取り付け固定されてもよい。また、第2回転子5は、磁力によって軟磁性体20に吸着することにより、位置決め固定されている。よって、本例の場合は、第1回転子4を面積の広い軟磁性体20に取り付け可能となるので、第1回転子4及び第2回転子5の組み付けを強固に行うことが可能となる。
【0048】
本実施形態の構成によれば、第1実施形態の(1)〜(8)に加え、以下に記載の効果を得ることができる。
(9)第1回転子4や第2回転子5を、軟磁性体20を利用してシャフト6に取り付け固定する。このため、第1回転子4や第2回転子5の取り付け面積を広くとることが可能となるので、第1回転子4及び第2回転子5の取り付け強度確保や、シャフト6に対する位置ずれ防止などに効果が高くなる。
【0049】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態を図9〜図12に従って説明する。なお、第3実施形態は、第1及び第2実施形態ではロータ3をタンデム構造(積層構造)にした点で異なり、他の基本的構成は同じである。よって、本例も異なる部分についてのみ詳述する。
【0050】
図9に示すように、タンデム構造のロータ3は、複数(本例は2つ)のロータユニット31,31からなる。本例のロータユニット31は、第1実施形態で記載したロータ3そのものである。そして、タンデム構造の場合、これらロータユニット31,31は、ロータ3の軸方向において上下逆向きに配置されることにより、N極同士(又はS極同士)が接触する向きにて取り付けられる。
【0051】
さて、本例の場合、ロータユニット31を複数設けるので、ロータ3の外周面においてN極やS極が広い面積にて形成される。よって、ロータ3のトルクを高く設定することが可能となり、モータ1を出力の高いものとして使用することが可能となる。なお、この構造の場合、図10に示すように、図9の配置に対して磁石と軟磁性材とを入れ換えてもよい。
【0052】
また、タンデム構造の場合、図11に示すように、同じ部材同士で接触する回転子4(又は回転子5)同士を一体に形成してもよい。ちなみに、図11の場合は、磁石同士を一体に形成している。この場合、タンデム構造のロータ3において、部品点数を少なく抑えることが可能となる。なお、この構造の場合、図12に示すように、図11の配置に対して磁石と軟磁性材とを入れ換えてもよい。
【0053】
本実施形態の構成によれば、第1実施形態の(1)〜(8)に加え、以下に記載の効果を得ることができる。
(10)ロータ3の外周面におけるN極、S極の面積を広くとることが可能となるので、トルク向上に効果が高い。また、ロータ3を通過する磁束量も増え、これもトルク向上に寄与する。
【0054】
(11)図9や図10に示すように、2つのロータユニット31,31を、軸方向外側にS極の第1回転子4(N極の第2回転子5)が位置し、軸方向内側にN極の第2回転子5(S極の第1回転子4)が位置する向きで、シャフト6に取り付け固定する。このため、2つのロータユニット31,31が接触する箇所において、広い磁束の通路を形成することが可能となるので、トルク確保に一層効果が高くなる。
【0055】
(12)図11や図12に示すように、2つのロータユニット31,31において、第1回転子4及び第2回転子5のうち、軸方向内側において当接する同極の部材が一体化すれば、元々2部品であったものが1部品で済む。よって、ロータ3に必要な部品点数を少なく抑えることができる。
【0056】
なお、実施形態はこれまでに述べた構成に限らず、以下の態様に変更してもよい。
・第3実施形態において、ロータユニット31の個数は、2つに限定されず、3つ以上でもよい。
【0057】
・第3実施形態において、タンデム構造の場合、一対のロータユニット31,31は、異なる磁極が接触する向きに積み重ねられてもよい。
・各実施形態において、軟磁性材(第1回転子4)のシャフト6への固定方法は、圧入固定に限定されず、他の取り付け方法を採用してもよい。
【0058】
・各実施形態において、シャフト6は、軟磁性材の第1回転子4(軟磁性材なら第2回転子5でも可)に一体形成されてもよい。
・各実施形態において、爪状磁極8,11の個数は、実施形態に記載した個数に限定されず、他の個数に変更可能であり、特にロータの極対数が3以上の奇数であれば、第1回転子4及び第2回転子5が変形し難くなり、ロータ3が安定するので好ましい。
【0059】
・各実施形態において、第1回転子4や第2回転子5に形成される磁気モーメントの向きは、適宜変更可能である。
・各実施形態において、回転子4,5及び軟磁性体20の形状や材質は、実施形態に記載以外のものを適宜採用可能である。
【0060】
・各実施形態において、第1回転子4を磁石で、第2回転子5を軟磁性材で形成してもよい。
・各実施形態において、回転子の材質である軟磁性材は、鉄に限定されず、他の種類を採用可能である。
【符号の説明】
【0061】
1…モータ、2…ステータ、3…ロータ、4…第1回転子、5…第2回転子、6…シャフト、8…爪状磁極、9…切欠部、11…爪状磁極、12…切欠部、20…軟磁性体、31…ロータユニット。
【技術分野】
【0001】
本発明は、マグネット界磁のランデル型ロータ及びモータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、モータの一種として、図13に示すようなマグネット界磁のランデル型ロータ81を有するモータ(回転電機)が周知である(例えば特許文献1等参照)。この型のモータのロータ81は、周方向に複数の爪状磁極82a,83aを有する鉄製の回転子鉄心82,83と、回転子鉄心82,83の間に配置された円板磁石84とを備える。そして、円板磁石84の磁界によって各爪状磁極82a,83aが周方向において交互に異なる磁極を生成することにより、いわゆるマグネット界磁のランデル型ロータとして機能する。
【0003】
ところで、この型のモータは、爪状磁極82a,83aが鉄で形成されているので、磁束のとり得る方向が自由で、実際のところ爪状磁極82a,83aの構造的な工夫だけでは、磁束のコントロール、つまり漏れ磁束を少なく抑えてモータの出力を確保するには限界がある。よって、特許文献1では、爪状磁極82a,83aの間に磁束整流用磁石を設けて、漏れ磁束を少なく抑える対策がなされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平5−43749号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1は、磁束整流用磁石が別途必要となるので、部品点数が増加したり、部品の組み付け工数が増加したりするなどの問題があった。よって、これらがモータのコストアップに繋がってしまうので、この種のマグネット界磁のランデル型ロータを有するモータにおいて、簡素な構造で爪状磁極に必要磁束を発生させて、モータの出力を確保することができる技術の開発ニーズがあった。
【0006】
本発明の目的は、少ない部品点数で各回転子の爪状磁極に必要磁界を形成することができるロータ及びモータを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記問題点を解決するために、周方向に複数の爪状磁極を持つ第1回転子及び第2回転子が設けられ、これらの一方の爪状磁極が他方の爪状磁極間の切欠部に入り込む組み付け状態をとり、複数の前記爪状磁極が周方向において交互にN極/S極となるロータにであって、前記第1回転子及び前記第2回転子の一方を軟磁性材で形成し、他方を磁石で形成し、当該磁石の磁極によって前記軟磁性材に磁極を持たせることにより、周方向に並ぶ前記爪状磁極が交互にN極/S極をとるロータであることを要旨とする。
【0008】
本発明の構成によれば、第1回転子及び第2回転子の一方の軟磁性材を、他方の磁石の磁力によって磁化することにより、第1回転子及び第2回転子を、各々N極/S極として機能させる。このため、磁束整流用磁石を使用しなくとも、第1回転子及び第2回転子に必要磁束を形成することが可能となるので、ランデル型ロータにかかる部品点数を少なく抑えることが可能となる。また、第1回転子及び第2回転子の一方が軟磁性材で済むので、両方を磁石で形成する必要がなくなり、部品コストの削減にも効果が高い。
【0009】
本発明では、前記第1回転子及び前記第2回転子は、それぞれ異なる形状に形成されていることを要旨とする。この構成によれば、使用する磁石の強さによって磁石の大きさを変え、結果、第1回転子と第2回転子との形状が異なるように形成される。よって、第1回転子及び第2回転子を、必要とする最適の形状とすることが可能となる。
【0010】
本発明では、前記第1回転子及び前記第2回転子は、同じ形状に形成されていることを要旨とする。この構成によれば、ロータの重量バランスがよくなるので、機能性確保に効果が高くなる。
【0011】
本発明では、前記第1回転子及び前記第2回転子の間に、それぞれを固定する軟磁性体が設けられ、当該軟磁性体がシャフトに固定されていることを要旨とする。この構成によれば、第1回転子及び第2回転子を、軟磁性体を利用して取り付け固定することが可能となるので、第1回転子及び第2回転子の取り付け強度確保やシャフトに対する位置ずれ防止などに効果が高くなる。
【0012】
本発明では、前記磁石は、ある特定の方向に磁化が向く異方性磁石であることを要旨とする。この構成によれば、第1回転子及び第2回転子を異方性磁石により形成するので、ある特定方向に向く強い磁束を、各爪状磁極に発生させるのに効果が高くなる。よって、ロータのトルク確保に効果が高い。
【0013】
本発明では、前記磁石は、焼結磁石又はボンド磁石であることを要旨とする。この構成によれば、第1回転子や第2回転子を圧縮成型や射出成形のどちらでも製造することが可能となるので、製造方法が1通りに限定されてしまうことがない。
【0014】
本発明では、前記磁石は、フェライト磁石、サマリウムコバルト系磁石、サマリウム鉄窒素系磁石、ネオジム磁石又はアルニコ磁石であることを要旨とする。この構成によれば、これら汎用的な材料によっても第1回転子や第2回転子を製造することも可能である。
【0015】
本発明では、前記軟磁性材は、軟鉄、金属ガラス、パーメンジュール又はアモルファスであることを要旨とする。この構成によれば、軟磁性材を剛性の高い材料で形成することが可能となるので、軟磁性材をシャフトに対し強固に固定することが可能となる。よって、軟磁性材に磁力にて固定された第1回転子や第2回転子を、シャフトに対してずれ難くすることが可能となる。
【0016】
本発明では、前記第1回転子及び前記第2回転子の組からなるロータユニットを、軸方向に複数積層したタンデム構造であることを要旨とする。この構成によれば、ロータの外周面において各爪状磁極が形成するN極/S極の面積を広くとることが可能となるので、トルク向上に効果が高くなる。
【0017】
本発明では、前記タンデム構造の場合、複数の前記ロータユニットの前記第1回転子及び前記第2回転子は、軸方向外側に位置するものと、軸方向内側に位置するものとが、各々同じ磁極をとるように形成されていることを要旨とする。この構成によれば、2つのロータユニットが接触する箇所において、広い磁束の通路を形成することが可能となるので、トルク向上に効果が高くなる。
【0018】
本発明では、前記タンデム構造の場合、複数の前記ロータユニットは、前記第1回転子及び前記第2回転子のうち、軸方向内側において当接する同極の部材が一体化されていることを要旨とする。この構成によれば、複数のロータユニットにおいて同極の部材を一体化したので、元々2部品であったものが1部品で済む。よって、部品点数を少なく抑えることが可能となる。
【0019】
本発明では、周方向に複数の爪状磁極を持つ第1回転子及び第2回転子が設けられ、これらの一方の爪状磁極が他方の爪状磁極間の切欠部に入り込む組み付け状態をとり、複数の前記爪状磁極が周方向において交互にN極/S極となり、前記第1回転子及び前記第2回転子の一方を軟磁性材で形成し、他方を磁石で形成し、当該磁石の磁極によって前記軟磁性材に磁極を持たせることにより、周方向に並ぶ前記爪状磁極が交互にN極/S極をとるロータと、当該ロータを回転可能に支持するステータとを備えたロータであることを要旨とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、少ない部品点数で各回転子の爪状磁極に必要磁界を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】第1実施形態のモータの構成図。
【図2】ロータの外観を示す斜視図。
【図3】ロータの部品構成を示す分解斜視図。
【図4】磁石からなる第2回転子に発生する磁界を示す斜視図。
【図5】第1回転子及び第2回転子に発生する磁界を示す断面状の例示図。
【図6】他構成のロータに発生する磁界を示す断面状の例示図。
【図7】第2実施形態のロータに発生する磁界を示す断面状の例示図。
【図8】ロータの部品構成を示す分解斜視図。
【図9】第3実施形態のロータに発生する磁界を示す断面状の例示図。
【図10】他構成のロータに発生する磁界を示す断面状の例示図。
【図11】他構成のロータに発生する磁界を示す断面状の例示図。
【図12】他構成のロータに発生する磁界を示す断面状の例示図。
【図13】従来のロータの部品構成を示す分解斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化したロータ及びモータの第1実施形態を図1〜図6に従って説明する。
【0023】
図1に示すように、モータ1には、モータ1の固定側となるステータ2が設けられ、このステータ2の内部に、モータ1の回転側となるロータ3がステータ2に対して回転可能に設けられている。そして、ステータ2の鉄心に巻かれた巻線に電流が流されると、ステータ2とロータ3との間のマグネット界磁(永久磁石界磁)に発生する磁界によって、ロータ3がステータ2に対して回転する。
【0024】
図2及び図3に示すように、本例のようなマグネット界磁のランデル型ロータ3には、一対の回転子4,5が設けられ、これらが一体に組み付けられている。本例のモータ1は、2枚の回転子4,5からなる一層構造をなしている。本例の場合、紙面上側を第1回転子4とし、紙面下側を第2回転子5とする。ロータ3の軸中心には、ロータ3の回転軸となる非磁性体のシャフト6が取り付けられている。
【0025】
第1回転子4において略円板状の回転子本体部7の周縁には、周方向に沿って等間隔に並ぶ複数の爪状磁極8,8…が、外側に向かって放射状に突設されている。さらに、第1回転子4の爪状磁極8は、モータ軸方向に沿って延出する形状、つまり図2及び図3において紙面下方向に飛び出す形状をなし、隣同士の爪状磁極8,8の間が切欠部9となっている。第2回転子5は、第1回転子4と略同一形状をなし、第1回転子4と同様に回転子本体部10、爪状磁極11及び切欠部12を有する。第1回転子4及び第2回転子5は、一方の爪状磁極8(11)が他方の切欠部12(9)の入り込むように、かつ逆の磁極同士が接するように、上下逆さまの組み付け状態をとる。これにより、第1回転子4の爪状磁極8と第2回転子5の爪状磁極11とは、ロータ周方向において交互に配置され、ロータ周方向に計10個並んでいる。各回転子4,5の中心には、シャフト6を挿通する通し孔13,14が各々貫設されている。
【0026】
爪状磁極8(11)は、ロータ径方向から見て長方形に形成されている。なお、爪状磁極8(11)は、例えば正四角形状や台形状に形成されてもよい。また、回転子本体部7と爪状磁極8(11)との間の隙間は、断面が長方形状となるように形成されている。さらに、隣り合う爪状磁極8,11の間は、ロータ径方向から見て長方形の空間をなすように離間する。
【0027】
第2回転子5は、異方性磁石(極異方性磁石)からなる。異方性磁石は、ある特定の方向に磁化された磁石であって、その特定方向に強い磁力を有する。異方性磁石は、例えば焼結磁石、ボンド磁石(プラスチックマグネット、ゴムマグネット等)などが使用されている。また、これ以外に、例えばフェライト磁石、サマリウム鉄窒素(Sm−Fe−N)系磁石、サマリウムコバルト系磁石、ネオジム磁石、アルニコ磁石などを使用してもよい。
【0028】
図4及び図5に示すように、磁石製の第2回転子5は、回転子本体部10の内面15から爪状磁極11の方向に磁気モーメントが向くように着磁されている。よって、第2回転子5は、各爪状磁極11,11…の外周面がN極(外周側N極)となり、回転子本体部10の内面15、つまり軸方向垂直面がS極(軸垂直面側S極)となっている。
【0029】
第1回転子4は、軟磁性材によって形成されている。軟磁性材としては、例えば鉄が使用されている。本例の第1回転子4は、第2回転子5と組み付け状態をとる際、第2回転子5の磁力によって磁極が形成される。よって、第1回転子4は、爪状磁極8,8…から回転子本体部7の内面16の方向に磁気モーメントが向くように磁化される。このため、第1回転子4は、第2回転子5の磁力によって、各爪状磁極8,8…の外周側がS極(外周側S極)となり、回転子本体部7の内面16、つまり軸方向垂直面がN極(軸垂直面側N極)となっている。
【0030】
第1回転子4は、軟磁性材によって形成されているので、シャフト6に対し圧入固定等により組み付け固定されている。また、第2回転子5は、磁力にて第1回転子4に吸着することにより、第1回転子4及びシャフト6に組み付いている。よって、第1回転子4のシャフト6に対する周方向の等角配置(均等配置)は、圧入固定によって確保され、第2回転子5のシャフト6に対する周方向の等角配置(均等配置)は、磁力による吸着にて確保される。
【0031】
図5に示すように、第1回転子4及び第2回転子5は、互いに形状が異なるように形成されている。本例の場合、第1回転子4及び第2回転子5は、回転子本体部7,10の厚さが異なる形状に形成され、回転子本体部7の厚さがW1に形成され、回転子本体部10の厚さがW2(<W1)に形成されている。本例のように、第1回転子4よりも第2回転子5を薄く形成するのは、例えば第2回転子5を磁力の強い材料で形成すれば、厚さW2を薄くすることが可能となるので、結果として第1回転子4と第2回転子5とが異なることになる。
【0032】
第1回転子4及び第2回転子5は、第1回転子4のN極の爪状磁極8,8…が第2回転子5の各切欠部12,12…に入り込み、第2回転子5のS極の爪状磁極11,11…が第1回転子4の各切欠部9,9…に入り込む配置位置をとる。このため、ロータ3の周方向において、N極とS極とが交互に並び、ロータ3がマグネット界磁のランデル型ロータとして機能することになる。
【0033】
次に、本例のモータ1の作用を、図3〜図5を用いて説明する。
図3〜図5に示すように、第1回転子4を磁石ではなく鉄等の軟磁性材により形成し、第2回転子5を磁石(異方性磁石)により形成し、磁石からなる第2回転子5の磁力を利用して、第1回転子4に必要磁界を生成する。本例の場合、第2回転子5をN極の磁石で形成したとすると、軟磁性材からなる第1回転子4を、N極の磁力によってS極に磁化する。
【0034】
よって、図5に示すように、第1回転子4には、N極の磁石からなる第2回転子5の磁力によって、同図に示す矢印A1方向の磁気モーメントが形成され、第2回転子5には、自身の磁力によって、同図に示す矢印A2方向の磁気モーメントが生成される。このため、第1回転子4の爪状磁極8がS極となり、第2回転子5の爪状磁極11がN極となるので、ロータ3の周方向に並ぶ爪状磁極8,11が交互にN極/S極となり、コンシクエントポール型構造のロータとなる。これにより、ステータ2が通電された際には、ロータ3がステータ2に対して回転可能となる。
【0035】
以上により、本例においては、磁石の数量削減を狙って第1回転子4を軟磁性材により形成しつつ、磁石からなる第2回転子5の磁力を利用して第1回転子4を磁化することにより、第1回転子4にロータ3として必要な磁気モーメントを生成する。このため、背景技術で述べたような磁束整流用磁石を使用しなくとも、各爪状磁極8,11に必要磁束を発生させることが可能となる。従って、ランデル型ロータ3を少ない部品点数で形成することが可能となる。さらには、第1回転子4及び第2回転子5の一方のみ磁石とすればよいので、必要となる磁石部品の点数が少なくなり、部品コストの削減にも効果が高い。
【0036】
また、本例の場合、軟磁性材からなる第1回転子4をシャフト6に圧入固定等で強固に組み付け、第2回転子5を自身の磁力によって第1回転子4に吸着することにより、第1回転子4及び第2回転子5を位置決め固定する。このため、第1回転子4及び第2回転子5がシャフト6に対して周方向に動き難くなるので、第1回転子4及び第2回転子5の周方向における等角配置(均等配置)が確保される。これにより、ロータ3の所望出力の確保に効果が高くなる。
【0037】
ところで、第1回転子4の厚さW1と第2回転子5の厚さW2とは、互いに異なることに限定されない。図6に示すように、第1回転子4及び第2回転子5は、厚さW1,W2が同じに形成されてもよい。この場合、ロータ3の軸方向における重量バランスがよくなるので、ロータ3としての機能性確保に効果が高くなる。
【0038】
本実施形態の構成によれば、以下に記載の効果を得ることができる。
(1)軟磁性材からなる第1回転子4を、磁石からなる第2回転子5の磁力によって磁化することにより、第1回転子4に磁気モーメントを発生させ、これらをN極/S極として機能させる。このため、背景技術で述べたような磁束整流用磁石を使用しなくとも、第1回転子4及び第2回転子5に必要磁界を形成することが可能となるので、ランデル型ロータ3にかかる部品点数を少なく抑えることができる。また、第1回転子4が軟磁性材で済むので、第1回転子4及び第2回転子5の両方を磁石で形成する必要がなくなり、部品コストの削減にも効果が高い。
【0039】
(2)磁石である第2回転子5を、使用する磁石の種類(磁界の強さ)に応じて大きさを変え、結果、第1回転子4と第2回転子5とが異なる形状(厚さW)にて形成される。よって、第1回転子4及び第2回転子5を、必要とする最適の形状とすることができる。
【0040】
(3)第1回転子4と第2回転子5とを同じ形状に形成した場合、ロータ3の重量バランスがよくなるので、機能性確保に効果が高い。
(4)第2回転子5を異方性磁石により形成するので、ある特定方向(N極)に向く強い磁束を、各爪状磁極11に発生させるのに効果が高くなる。また、この強い磁力を持つ第2回転子5によって第1回転子4が磁化されるので、第1回転子4にも特定方向(S極)を向く強い磁束を発生させることができる。よって、ロータ3(モータ1)のトルク確保に効果が高くなる。
【0041】
(5)や第2回転子5を焼結磁石やボンド磁石とした場合、第2回転子5を例えば圧縮成形や射出成形のどちらでの形成することが可能となるので、製造方法が1通りに限定されてしまうことがない。
【0042】
(6)第2回転子5は、フェライト磁石、サマリウムコバルト系磁石、サマリウム鉄窒素系磁石、ネオジム磁石、アルニコ磁石で形成することも可能である。よって、これら汎用的な材料によっても第1回転子4や第2回転子5を製造することができる。
【0043】
(7)第1回転子4は、軟鉄、金属ガラス、パーメンジュール、アモルファス等の剛性の高い軟磁性材に形成される。このため、第1回転子4をシャフト6に対し、より強固に固定することができる。よって、第1回転子4に磁力にて吸着する第2回転子5を、シャフト6に対してロータ周方向に位置ずれし難くすることができる。
【0044】
(8)第2回転子5の外周面に一方の磁極を持たせ、回転子本体部10の軸方向垂直面に他方の磁極を持たせた。このため、第2回転子5において磁束を発生させる磁性材を、ロータ径方向の中央部まで配置することが可能となるので、磁性材の粒子が多くなり、磁束量を増やすことができる。
【0045】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態を図7及び図8に従って説明する。なお、第2実施形態は、第1実施形態に記載のロータ構造を変更した構成であって、他の基本的な構成は同じである。よって、第1実施形態と同一部分には同一符号を付して詳しい説明を省略し、異なる部分についてのみ詳述する。
【0046】
図7及び図8に示すように、一対の回転子4,5の間には、それぞれを固定する略板状の軟磁性体20が設けられている。軟磁性体20は、リング状を呈するとともに、軟磁性材として、軟鉄、金属ガラス、パーメンジュール、アモルファスのいずれかからなる。軟磁性体20は、中央の通し孔21にシャフト6が通されるとともに、シャフト6に圧入固定されている。
【0047】
本例の第1回転子4は、シャフト6への圧入固定ではなく、例えば接着剤等によって軟磁性体20に取り付け固定されてもよい。また、第2回転子5は、磁力によって軟磁性体20に吸着することにより、位置決め固定されている。よって、本例の場合は、第1回転子4を面積の広い軟磁性体20に取り付け可能となるので、第1回転子4及び第2回転子5の組み付けを強固に行うことが可能となる。
【0048】
本実施形態の構成によれば、第1実施形態の(1)〜(8)に加え、以下に記載の効果を得ることができる。
(9)第1回転子4や第2回転子5を、軟磁性体20を利用してシャフト6に取り付け固定する。このため、第1回転子4や第2回転子5の取り付け面積を広くとることが可能となるので、第1回転子4及び第2回転子5の取り付け強度確保や、シャフト6に対する位置ずれ防止などに効果が高くなる。
【0049】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態を図9〜図12に従って説明する。なお、第3実施形態は、第1及び第2実施形態ではロータ3をタンデム構造(積層構造)にした点で異なり、他の基本的構成は同じである。よって、本例も異なる部分についてのみ詳述する。
【0050】
図9に示すように、タンデム構造のロータ3は、複数(本例は2つ)のロータユニット31,31からなる。本例のロータユニット31は、第1実施形態で記載したロータ3そのものである。そして、タンデム構造の場合、これらロータユニット31,31は、ロータ3の軸方向において上下逆向きに配置されることにより、N極同士(又はS極同士)が接触する向きにて取り付けられる。
【0051】
さて、本例の場合、ロータユニット31を複数設けるので、ロータ3の外周面においてN極やS極が広い面積にて形成される。よって、ロータ3のトルクを高く設定することが可能となり、モータ1を出力の高いものとして使用することが可能となる。なお、この構造の場合、図10に示すように、図9の配置に対して磁石と軟磁性材とを入れ換えてもよい。
【0052】
また、タンデム構造の場合、図11に示すように、同じ部材同士で接触する回転子4(又は回転子5)同士を一体に形成してもよい。ちなみに、図11の場合は、磁石同士を一体に形成している。この場合、タンデム構造のロータ3において、部品点数を少なく抑えることが可能となる。なお、この構造の場合、図12に示すように、図11の配置に対して磁石と軟磁性材とを入れ換えてもよい。
【0053】
本実施形態の構成によれば、第1実施形態の(1)〜(8)に加え、以下に記載の効果を得ることができる。
(10)ロータ3の外周面におけるN極、S極の面積を広くとることが可能となるので、トルク向上に効果が高い。また、ロータ3を通過する磁束量も増え、これもトルク向上に寄与する。
【0054】
(11)図9や図10に示すように、2つのロータユニット31,31を、軸方向外側にS極の第1回転子4(N極の第2回転子5)が位置し、軸方向内側にN極の第2回転子5(S極の第1回転子4)が位置する向きで、シャフト6に取り付け固定する。このため、2つのロータユニット31,31が接触する箇所において、広い磁束の通路を形成することが可能となるので、トルク確保に一層効果が高くなる。
【0055】
(12)図11や図12に示すように、2つのロータユニット31,31において、第1回転子4及び第2回転子5のうち、軸方向内側において当接する同極の部材が一体化すれば、元々2部品であったものが1部品で済む。よって、ロータ3に必要な部品点数を少なく抑えることができる。
【0056】
なお、実施形態はこれまでに述べた構成に限らず、以下の態様に変更してもよい。
・第3実施形態において、ロータユニット31の個数は、2つに限定されず、3つ以上でもよい。
【0057】
・第3実施形態において、タンデム構造の場合、一対のロータユニット31,31は、異なる磁極が接触する向きに積み重ねられてもよい。
・各実施形態において、軟磁性材(第1回転子4)のシャフト6への固定方法は、圧入固定に限定されず、他の取り付け方法を採用してもよい。
【0058】
・各実施形態において、シャフト6は、軟磁性材の第1回転子4(軟磁性材なら第2回転子5でも可)に一体形成されてもよい。
・各実施形態において、爪状磁極8,11の個数は、実施形態に記載した個数に限定されず、他の個数に変更可能であり、特にロータの極対数が3以上の奇数であれば、第1回転子4及び第2回転子5が変形し難くなり、ロータ3が安定するので好ましい。
【0059】
・各実施形態において、第1回転子4や第2回転子5に形成される磁気モーメントの向きは、適宜変更可能である。
・各実施形態において、回転子4,5及び軟磁性体20の形状や材質は、実施形態に記載以外のものを適宜採用可能である。
【0060】
・各実施形態において、第1回転子4を磁石で、第2回転子5を軟磁性材で形成してもよい。
・各実施形態において、回転子の材質である軟磁性材は、鉄に限定されず、他の種類を採用可能である。
【符号の説明】
【0061】
1…モータ、2…ステータ、3…ロータ、4…第1回転子、5…第2回転子、6…シャフト、8…爪状磁極、9…切欠部、11…爪状磁極、12…切欠部、20…軟磁性体、31…ロータユニット。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
周方向に複数の爪状磁極を持つ第1回転子及び第2回転子が設けられ、これらの一方の爪状磁極が他方の爪状磁極間の切欠部に入り込む組み付け状態をとり、複数の前記爪状磁極が周方向において交互にN極/S極となるロータにであって、
前記第1回転子及び前記第2回転子の一方を軟磁性材で形成し、他方を磁石で形成し、当該磁石の磁極によって前記軟磁性材に磁極を持たせることにより、周方向に並ぶ前記爪状磁極が交互にN極/S極をとる
ことを特徴とするロータ。
【請求項2】
前記第1回転子及び前記第2回転子は、それぞれ異なる形状に形成されている
ことを特徴とする請求項1に記載のロータ。
【請求項3】
前記第1回転子及び前記第2回転子は、同じ形状に形成されている
ことを特徴とする請求項1に記載のロータ。
【請求項4】
前記第1回転子及び前記第2回転子の間に、それぞれを固定する軟磁性体が設けられ、当該軟磁性体がシャフトに固定されている
ことを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか一項に記載のロータ。
【請求項5】
前記磁石は、ある特定の方向に磁化が向く異方性磁石である
ことを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか一項に記載のロータ。
【請求項6】
前記磁石は、焼結磁石又はボンド磁石である
ことを特徴とする請求項1〜5のうちいずれか一項に記載のロータ。
【請求項7】
前記磁石は、フェライト磁石、サマリウムコバルト系磁石、サマリウム鉄窒素系磁石、ネオジム磁石又はアルニコ磁石である
ことを特徴とする請求項1〜5のうちいずれか一項に記載のロータ。
【請求項8】
前記軟磁性材は、軟鉄、金属ガラス、パーメンジュール又はアモルファスである
ことを特徴とする請求項4〜7のうちいずれか一項に記載のロータ。
【請求項9】
前記第1回転子及び前記第2回転子の組からなるロータユニットを、軸方向に複数積層したタンデム構造である
ことを特徴とする請求項1〜8のうちいずれか一項に記載のロータ。
【請求項10】
前記タンデム構造の場合、複数の前記ロータユニットの前記第1回転子及び前記第2回転子は、軸方向外側に位置するものと、軸方向内側に位置するものとが、各々同じ磁極をとるように形成されている
ことを特徴とする請求項9に記載のロータ。
【請求項11】
前記タンデム構造の場合、複数の前記ロータユニットは、前記第1回転子及び前記第2回転子のうち、軸方向内側において当接する同極の部材が一体化されている
ことを特徴とする請求項10に記載のロータ。
【請求項12】
周方向に複数の爪状磁極を持つ第1回転子及び第2回転子が設けられ、これらの一方の爪状磁極が他方の爪状磁極間の切欠部に入り込む組み付け状態をとり、複数の前記爪状磁極が周方向において交互にN極/S極となり、前記第1回転子及び前記第2回転子の一方を軟磁性材で形成し、他方を磁石で形成し、当該磁石の磁極によって前記軟磁性材に磁極を持たせることにより、周方向に並ぶ前記爪状磁極が交互にN極/S極をとるロータと、
当該ロータを回転可能に支持するステータと
を備えたことを特徴とするモータ。
【請求項1】
周方向に複数の爪状磁極を持つ第1回転子及び第2回転子が設けられ、これらの一方の爪状磁極が他方の爪状磁極間の切欠部に入り込む組み付け状態をとり、複数の前記爪状磁極が周方向において交互にN極/S極となるロータにであって、
前記第1回転子及び前記第2回転子の一方を軟磁性材で形成し、他方を磁石で形成し、当該磁石の磁極によって前記軟磁性材に磁極を持たせることにより、周方向に並ぶ前記爪状磁極が交互にN極/S極をとる
ことを特徴とするロータ。
【請求項2】
前記第1回転子及び前記第2回転子は、それぞれ異なる形状に形成されている
ことを特徴とする請求項1に記載のロータ。
【請求項3】
前記第1回転子及び前記第2回転子は、同じ形状に形成されている
ことを特徴とする請求項1に記載のロータ。
【請求項4】
前記第1回転子及び前記第2回転子の間に、それぞれを固定する軟磁性体が設けられ、当該軟磁性体がシャフトに固定されている
ことを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか一項に記載のロータ。
【請求項5】
前記磁石は、ある特定の方向に磁化が向く異方性磁石である
ことを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか一項に記載のロータ。
【請求項6】
前記磁石は、焼結磁石又はボンド磁石である
ことを特徴とする請求項1〜5のうちいずれか一項に記載のロータ。
【請求項7】
前記磁石は、フェライト磁石、サマリウムコバルト系磁石、サマリウム鉄窒素系磁石、ネオジム磁石又はアルニコ磁石である
ことを特徴とする請求項1〜5のうちいずれか一項に記載のロータ。
【請求項8】
前記軟磁性材は、軟鉄、金属ガラス、パーメンジュール又はアモルファスである
ことを特徴とする請求項4〜7のうちいずれか一項に記載のロータ。
【請求項9】
前記第1回転子及び前記第2回転子の組からなるロータユニットを、軸方向に複数積層したタンデム構造である
ことを特徴とする請求項1〜8のうちいずれか一項に記載のロータ。
【請求項10】
前記タンデム構造の場合、複数の前記ロータユニットの前記第1回転子及び前記第2回転子は、軸方向外側に位置するものと、軸方向内側に位置するものとが、各々同じ磁極をとるように形成されている
ことを特徴とする請求項9に記載のロータ。
【請求項11】
前記タンデム構造の場合、複数の前記ロータユニットは、前記第1回転子及び前記第2回転子のうち、軸方向内側において当接する同極の部材が一体化されている
ことを特徴とする請求項10に記載のロータ。
【請求項12】
周方向に複数の爪状磁極を持つ第1回転子及び第2回転子が設けられ、これらの一方の爪状磁極が他方の爪状磁極間の切欠部に入り込む組み付け状態をとり、複数の前記爪状磁極が周方向において交互にN極/S極となり、前記第1回転子及び前記第2回転子の一方を軟磁性材で形成し、他方を磁石で形成し、当該磁石の磁極によって前記軟磁性材に磁極を持たせることにより、周方向に並ぶ前記爪状磁極が交互にN極/S極をとるロータと、
当該ロータを回転可能に支持するステータと
を備えたことを特徴とするモータ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−106417(P2013−106417A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−247903(P2011−247903)
【出願日】平成23年11月11日(2011.11.11)
【出願人】(000101352)アスモ株式会社 (1,622)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月11日(2011.11.11)
【出願人】(000101352)アスモ株式会社 (1,622)
【Fターム(参考)】
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