説明

不正極性電池に対する保護

二重接点組立体を有する電池ホルダーの実施形態が開示される。一実施形態は、基板及びばね二重接点組立体を有する電池ホルダーを含んでいて、前記ばね二重接点組立体は、電池ホルダーに配置された電池の正極端子をばね二重接点組立体方向の正極端子に接触するように構成される正極接点と、電池ホルダーに配置された電池の負極端子をばね二重接点組立体方向の負極端子に接触するように構成される負極接点と、を含む。正極接点及び負極接点は、正極接点及び負極接点が相互に固定した関係を維持するように構成される絶縁体に接続される。更に、1つ以上のカンチレバーワイヤーばねが、負極接点、正極接点、及び絶縁体基板を弾性的に置換可能な関係に維持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気回路装置に関し、具体的には電池ホルダーに関する。
【背景技術】
【0002】
取替可能又は再充電可能な電池によって起動される装置は、一般に、電池を保持しており、電池と電気接触するように構成される1つ以上の電池ホルダーを含む。そのような装置における電池の適切な取り付けは、一般に、正しい電気極性に対し適切な電池方向を示す記述又は図式的な指示の使用を介し達成される。ユーザーは、多くの場合、そのような指示に正しく従うが、時には、図式的な指示が、製品筺体の中に直接か若しくはその一部として成形され得るとき、又は指示が小さいか若しくは読むことが難しいラベル上に印刷され得るとき、それを見ることは困難であり得る。結果として、ユーザーは時々、電池を逆の電気極性で間違って取り付け得る。
【0003】
電池を逆の極性で取り付けることは、電池に関する問題及び製品の損傷をもたらし得る。最善の場合でも製品は絶対に機能し得ない。更に悪い場合、電池に余分な負荷がかかり、液漏れし得、電子機器装置の永久的な損傷をもたらし得、安全性の問題も導き得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、電池ホルダーが利用される回路装置に対し、適切な電気極性を提供し逆の電気極性を有する電池の取り付けを実質的に解消する電池ホルダーを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
二重接点組立体を用いた電池ホルダーの様々な実施形態を本明細書に記載する。開示した一実施形態は、基板及びばね二重接点組立体を有する電池ホルダーを含んでいて、前記ばね二重接点組立体は、電池ホルダーに配置された電池の正極端子をばね二重接点組立体方向の正極端子に接触するように構成される正極接点と、電池ホルダーに配置された電池の負極端子をばね二重接点組立体方向の負極端子に接触するように構成される負極接点と、を含む。正極接点及び負極接点は、正極接点及び負極接点が相互に固定した関係を維持するように構成される絶縁体に接続される。更に、1つ以上の片持ち梁(カンチレバー)ワイヤーばねが、負極接点、正極接点、及び絶縁体基板を弾性的に置換可能な関係に維持する。
【0006】
この「課題を解決するための手段」は、以下「発明を実施するための形態」において更に記載されているいくつかの概念を簡易化された形式で紹介するために提供される。この「課題を解決するための手段」は、請求項記載対象の重要な機能又は本質的な特徴を識別するように意図されておらず、請求項に記載した対象の範囲を制限するように使用されることも意図されていない。更に、請求項記載対象は、この開示の任意の一部に記述されている不利な点のいくつか又はすべてを解決する実装に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本開示の一実施形態による並列した二重接点電池ホルダーを示す。
【図2】図1の非ばね二重接点組立体及びばね二重接点組立体の実施形態の正極接点及び負極接点を示す。
【図3】図1のばね二重接点組立体の実施形態の正面図を示す。
【図4】図1のばね二重接点組立体の実施形態の背面図を示す。
【図5】図1の非ばね二重接点組立体の実施形態の正面図を示す。
【図6】図1の非ばね二重接点組立体の実施形態の背面図を示す。
【図7】本開示による別のばね二重接点組立体の実施形態の正面図を示す。
【図8】本開示による別のばね二重接点組立体の実施形態の正面図を示す。
【図9】本開示による別の非ばね二重接点組立体の実施形態を示す。
【図10】2つの非ばね二重接点組立体を含む並列した電池ホルダーそれぞれの実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
開示した実施形態は、電池ホルダーが二者択一の構成で電池を取り付けることを可能にすると同時に、電池ホルダーが利用される回路装置に対し、どちらの構成であっても適切な電気極性を提供するという点において、電池の逆極性の取り付けを実質的に解消する電池ホルダーを提供する。更に、開示した実施形態は、製造が簡単で、正確に製造することが困難な部品に対し、比較的にゆるやかな許容範囲を可能にし得る。例示的ないくつかの電池ホルダーが本明細書に示され記載されているが、以下の図面及び説明が例示のためであって、どのような方法においても限定を意図していないことを理解すべきである。
【0009】
図1は、第1の電池ホルダー(102)及び第2の電池ホルダー(104)を含む複数電池ホルダー(100)の実施形態を示していて、図2は、第1の電池ホルダー(102)の導電性部分の図を示している。電池ホルダーの様々な構造及び特徴が、(以下、「電池ホルダー(102)」として参照される)第1の電池ホルダー(102)の文脈で以下に記載されているが、本説明が第2の電池ホルダー(104)にも適用されることを十分に理解されよう。電池ホルダー(102)は、プリント基板のような基板(110)に組み込まれるばね二重接点組立体(106)及び非ばね二重接点組立体(108)を含む。電池が電池ホルダー(102)に配置されるときのばね二重接点組立体(106)の圧縮した構成が、図1の実線に示されていて、一方、電池が電池ホルダー(102)に配置されないときの伸張した構成が、破線によって示されている。
【0010】
ばね二重接点組立体(106)が、電池ホルダー(102)に配置された電池にばねの力を加えるために、基板に対し弾性的に置換可能に構成される。ばねの力が、複数のカンチレバーワイヤーばね(112)、(114)、(116)及び(118)によってばね二重接点組立体(106)に与えられる。電池ホルダー(102)に取り付けられた電池に対し、カンチレバーワイヤーばね(112)、(114)、(116)、及び(118)によって与えられるばねの力は、二重接点組立体(106)、(108)双方がホルダー内に配置される電池との電気的接触を維持することを保証する支援をする。更に、ばねの力は、電池が電池ホルダーから滑り出すことを防止する支援もする。ばねの力は、カンチレバーワイヤーばね(112)、(114)、(116)、及び(118)によって加えられ得、ワイヤー寸法、ワイヤー材料、及びカンチレバーの角度の選択によって制御され得る。
【0011】
(112)、(114)、(116)、及び(118)に示されるようなカンチレバーワイヤーばねの使用は、ワイヤーばねの別の設計上の利点を提供し得る。例えば、コイルワイヤーばねは、一般に、ホルダー内の電池との正常な電気接続を保証し、ホルダー内に電池を保持するための電池ホルダーの中で使用される。普通の単一接点の電池接点組立体を用いると、空間の制約が比較的にゆるいので、そのようなコイルばねの設計は、比較的に簡単であり得る。例えば、普通の電池ホルダー内のコイルばねは、1/4インチ以上の運動空間を有し得、幾何学的に見て比較的にゆるいばねの設計が使用され得る。しかしながら、二重接点組立体を用いると、正極接点及び負極接点の近接が、ばね運動のための、より少ない約1/8インチオーダーの空間しか可能にし得ない。そのような小さい空間に対する幾何学的に十分な剛性のあるコイルばねの製造は、非常に軽いワイヤー寸法又は非常に柔軟性のある材料のどちらを使用しても困難である。それと比較すると、コイルの代わりにばねの力を与えるための単一の湾曲を利用するカンチレバーばねの製造は、ばねが所望の任意のワイヤーの材料又はワイヤー寸法から作られることを可能にし、それによって製造の選択肢を増やす。更に、それは、コイルばねと比べて、より少ないワイヤー材料が使用されることを可能にし、それによって、材料コストを削減する。別のばね二重接点組立体の機能を以下により詳細に説明する。
【0012】
図1を用いて続けると、非ばね二重接点組立体(108)は、非ばね二重接点組立体(108)を基板(110)に接続する長く角度のあるワイヤー部分(120)を含む。長く角度のあるワイヤー部分(120)の使用は、基板(110)をより小さくすることを可能にし、したがって、より大きい基板を利用する別の構成と比べて製造コストをより小さくし得る。基板から(図1に示される電池ホルダー(102)の方向を参照している)上方に直接伸びているばね二重接点組立体(106)が示されていて、長く角度のある配線部分(120)を有する非ばね二重接点組立体(108)が示されているが、どちらの二重接点組立体も本開示の範囲から逸脱せずにこれらの方法のどちらかによって基板に接続され得ることが理解されよう。
【0013】
図2は、導電性電池ホルダー(102)の構造を示している。この図の中のばね二重接点組立体(106)及び非ばね二重接点組立体(108)においては、接点を切り離す絶縁体は明確化のために省略されている。まずばね二重接点組立体(106)が、連続した2つのワイヤーを含むことを確認され得る。アウターワイヤー(200)が、負極接点(202)及びカンチレバーばね(112)、(114)を形成すると同時にインナーワイヤー(204)が、正極接点(206)及びカンチレバーばね(116)、(118)を形成する。したがって、ばねの力を与えるカンチレバーばね(112)、(114)、(116)、(118)が、ホルダー内の電池の双方向の電流も伝導する。
【0014】
同様に、アウターワイヤー(210)が負極接点(212)を形成していて、インナーワイヤー(214)が正極接点(216)を形成していて、非ばね二重接点組立体(108)が2つのワイヤーを含んでいることも確認され得る。示したインナーワイヤー(214)の実施形態は、別のワイヤーのような基板(110)と閉じた「U」の形を形成せず、その代わり、以下に説明する離れた正極接点及び負極接点を絶縁体上で保持している補助構造に接続するように構成される解放端(218)で終端している。別の実施形態においては、インナーワイヤー(214)は、インナーワイヤーが接点の両側において基板(110)に接続している、閉じた「U」の形を有し得る。
【0015】
示した実施形態において、アウターワイヤー(210)は、非ばね二重接点組立体(108)のインナーワイヤー(214)と異なる寸法を有している。しかしながら、別の実施形態において、非ばね二重接点組立体(108)のアウターワイヤー(210)及びインナーワイヤー(214)は、同一の寸法を有し得る。同様に、ばね二重接点組立体(106)のアウターワイヤー(200)及びインナーワイヤー(204)は、同一の寸法を有するように示されているが、別の実施形態においては、所望の機械的特性及び電気的特性に従った異なる寸法を有し得る。
【0016】
図2において、電池ホルダー(102)のワイヤー(200)、(204)、(210)、及び(214)それぞれが、コイルばねと比べて比較的小さい、十分に離れて区切られた曲がりである湾曲を有していることを確認され得る。例えば、ばね二重接点組立体(106)のアウターワイヤー(200)は、カンチレバーばね(112)、(114)、接点が意図した電池端子だけに接続するように適切に配置される、正極接点から負極接点(202)をオフセットするためのオフセットしたワイヤー湾曲の組(220)、(222)を形成する湾曲したばねの組と、正極電池端子との接触を回避すると同時に電池の負極に接触するような負極接点を形成するより大きな半径の湾曲(224)を含んでいる。その他のワイヤーは、同様の少数の湾曲を有している。
【0017】
いくらかのコイルばねの設計にあるように、より少ない湾曲数のワイヤー及び/又はより少ない湾曲度のワイヤーの使用は、より複雑なばねの設計に対する製造を容易にし、したがって製造コストをより小さくし得る。更に、以下に説明するように、示したワイヤーは、絶縁体上に形成される構造にワイヤーをかみ合わせるだけで絶縁体に接続されるように構成される。これは、ワイヤーのステークの熱処理、絶縁体上の構造の周囲の固定、湾曲、又は圧接のような製造段階などを回避可能とし、それによって、更に製造コストを低減することを支援し得る。
【0018】
図3及び図4は、ばね二重接点組立体(106)を更に詳細に示している。前述したように、正極接点(206)及び負極接点(202)は、双方の接点が接続される絶縁体(300)によって、切り離される。絶縁体(300)は、正極接点(206)及び負極接点(202)が相互に固定した関係を維持するように構成され、正極接点(206)及び負極接点(202)の接触を防ぐ。更に、これらの図面は、アウターワイヤー(200)及びインナーワイヤー(204)を絶縁体(300)上にかみ合わせ得る絶縁体(300)上の様々な構造を示している。これらの構造は、総称して「機械的保持接合部」として参照され得る。まずアウターワイヤー(200)に関すると、絶縁体(300)は、絶縁体のそれぞれの側面の突起(302)及び(304)を含んでいて、その間でアウターワイヤーは、隣接した湾曲(220)、(222)にかみ合っている。アウターワイヤー(200)は、アウターワイヤー(200)の側面を、アウターワイヤー(200)の両側の間に絶縁体(300)が適合するように十分に遠く引き開き、その後、ワイヤーの側面が突起(302)及び(304)の位置にかみ合わせ可能になるようにアウターワイヤーを解放することによって簡単にこれらの突起へかみ合わせられ得る。絶縁体(300)は更に、負極接点(202)を形成する湾曲(224)曲面にかみ合うように構成される内縁(306)を含む。図5〜図7を参照し、以下に説明される固定機構を含むが限定しない付加機能が、機械的保持接合部に更なる構造安定性を提供するために利用され得ることも理解されたい。
【0019】
絶縁体(300)の機械的保持接合部は、インナーワイヤー(204)を組み込むように構成される内側の突起対(308)、(309)も含む。インナーワイヤー(204)は、インナーワイヤー(204)の側面を一緒に締め付け、絶縁体(300)内部の適切な位置にインナーワイヤーを挿入し、その後、インナーワイヤーが突起(308)、(309)の下の場所にかみ合わせ可能なようにインナーワイヤー(204)の側面を開放することによって簡単に突起(308)、(309)に接合され得る。
【0020】
絶縁体(300)の機械的保持接合部は、アウターワイヤー(200)及びインナーワイヤー(204)への絶縁体(300)の安全な接続を可能にするための更なる構造を含み得る。まず、図3を参照すると、絶縁体(300)は、窪み(recess)(310)を含んでいて、そこに正極接点(206)が配置される。窪み(310)は、窪みの側面に形成される開口部(312)を含んでいて、その中にインナーワイヤー(204)の末端部が輪の形をした接点固定部(314)が伸びている。次に図4を参照すると、絶縁体(300)は、固定機構(400)を含んでいて、その周囲にインナーワイヤー(204)の固定部(314)が伸びている。示した実施形態において、固定機構(400)は、成形した周囲を有する絶縁体の突起を含んでいて、その中に正極接点(206)の固定部(314)が設置される。正極接点の固定部(314)は、固定部(314)を十分離れた開口部(312)に挿入することによって簡単に固定部(314)に接続され得、固定部(314)は、固定機構(400)の周囲を輪で囲むようにして固定機構(400)上でかみ合わされる。示した保持スキームが、例のために示されていることと、本開示の範囲から逸脱せずに適切な別の任意の保持スキームが使用できることと、を理解されたい。
【0021】
前述したばね二重接点組立体(106)の機械的保持接合部の構造それぞれの組み合わせは、絶縁体(300)を低価格かつ組み立て容易な方法によって負極接点(202)及び正極接点(206)上の適所で確実に保持する支援をする。更に、正確なプラスチック構造は、金属ワイヤーの湾曲よりも厳密な許容範囲を用いて製造することが簡単であり得る。したがって、絶縁体(300)上の機械的保持接合部構造は、比較的に広い許容範囲内でワイヤー構成を受け入れるように設計され得る。これは、アウターワイヤー(200)及びインナーワイヤー(204)を形成する低い精度の湾曲処理を使用可能にすることによって製造を単純化することも支援し得る。
【0022】
次の図5及び図6は、非ばね二重接点組立体(108)を詳細に示している。ばね二重接点組立体(106)と同様に、非ばね二重接点組立体は、正極接点(216)と負極接点(212)とを切り離し、2つの接点を相互に固定した位置に維持する絶縁体(500)を含む。更に、絶縁体(500)は、絶縁体(500)が簡単なスナップで取り付ける方法によって正極接点(216)及び負極接点(212)に取り付けられ得るように構成される構造を有する機械的保持接合部も含む。まず、アウターワイヤー(210)に関しては、絶縁体(500)が、開口部(504)、(505)を有する突起(502)、(503)を含んでいて、それを介しアウターワイヤー(210)が、アウターワイヤー(210)のそれぞれの側から引き開き、絶縁体(500)を適切に配置し、その後、アウターワイヤー(210)の側面を開放することによって挿入され得る。これによってアウターワイヤー(210)が、開口部(504)、(505)を介し突起(502)、(503)の下でかみ合わせ可能になる。アウターワイヤー(210)は、接点が電池ホルダーの電池に対し適切に配置されるように、正極接点(216)に対し負極接点(212)をオフセットする、突起(502)、(503)の下にアウターワイヤー(210)を保持するための支援をするS字湾曲部(506)、(508)を含む。更に、絶縁体(500)は、末端部が輪の形をした固定機構(512)をアウターワイヤー(210)に組み込むための突起形式の更なる固定機構(510)も含む。
【0023】
示した実施形態において、アウターワイヤー(210)は、突起(502)、(503)、及び(510)を組み込むために負極接点(212)平面から曲げられ、したがって突起位置において電池に接触しない。しかしながら、比較的小さな突起の数及び大きさのために比較的大きな接点領域が、負極接点(212)と電池ホルダーに配置される電池との間に存在し、電池と負極接点(212)との間の正常な電気的接触を保証することを支援する。
【0024】
図面5及び図6を用いて続けると、絶縁体(500)は、内側の突起対(520)、(521)も含んでいて、その後方において正極接点(216)の側面が保持される。正極接点は、正極接点(216)の側面を一緒に締め付け、絶縁体(500)に対し正極接点(216)を適切に配置し、その後、正極接点を突起(520)、(521)の下でかみ合わせ可能にするために正極接点の側面を開放することによって、突起(520)、(521)の後方に取り付けられ得る。更に、絶縁体(500)は、(522)に示される位置に開口部も含んでいて、その内部で正極接点(216)の輪が正極接点(216)を固定するために絶縁体に伸びている。実施形態の中には、図4の(400)に示されるような固定機構が、開口部(522)に配置され得るものもあるが、別の実施形態はそのような機能を省略し得る。
【0025】
前述した非ばね二重接点組立体の機械的保持接合部(108)の構造それぞれの組み合わせが、単純でかみ合った二重接点組立体の組立体(108)を可能にする。更に、正確なプラスチック構造は、金属ワイヤーを曲げる精度よりも製造がより簡単であり得るので、絶縁体(500)上の機械的保持接合部構造は、比較的広い許容範囲内でワイヤー構成を受け入れるように設計され得る。これによって低精度の湾曲処理の使用が、アウターワイヤー(210)及びインナーワイヤー(214)を形成可能にし、費用の節約を増やす。
【0026】
図7は、別のばね二重接点組立体(700)の実施形態を示している。ワイヤー接点の代わりにばね二重接点組立体(700)は、打ち抜き金属などから加工された概して平面状の正極接点(702)及び概して平面状の負極接点(704)を含む。ばねの力が、正極接点(702)及び負極接点(704)を形成する金属片に湾曲を介し与えられる。ばね二重接点組立体(700)は、正極接点(702)と負極接点(704)との間に配置される絶縁体(706)も含む。絶縁体(706)は、正極接点(702)を収容し、正極接点(702)と負極接点(704)との間に所望のオフセットの提供を支援する窪み(708)を含む。更に、絶縁体(706)は、窪み(708)の側面に形成される1つ以上の開口部も含み得る。示した実施形態において、3つの開口部(710)、(712)、(714)が示されているが、適切な任意の数の開口部が提供され得ることを理解されよう。開口部(710)、(712)、(714)は、窪み(708)内部に正極接点(702)を保持するための正極接点(702)の縁から伸びている留め金ピン、タブ、ロッド、ピン、又はその他の適切な任意の構造など補足的な3つの固定部(720)、(722)、(724)を収容する。これは、正極接点(702)を開口部(710)、(712)、(714)の中にかみ合わせることによって正極接点を窪み(708)に取り付けることを可能にし、それによって、ステークの熱処理、絶縁体上の突起の周囲の正極接点における金属翼を折り曲げるような追加の製造段階などを回避する支援をし得る。負極接点(704)が、熱処理したステーク(730)を介し、絶縁体に保持されるように示されているが、スナップで取り付ける方式と同様の機構も負極接点(704)及び絶縁体(706)の適切な設計によって負極接点(704)に提供され得ることも理解されよう。示した実施形態においては、固定部それぞれが別の正極接点(702)の側に配置される。しかしながら固定部は、別の適切な任意の構成を有し得ることが十分に理解されよう。更に、また別の実施形態において、絶縁体(706)は、正極接点(702)及び負極接点(704)上の開口部の中へ前述したものと同様の方法で伸びているように構成される突起を含み得る。
【0027】
実施形態の中には、正極接点(702)の1つ以上の固定部(720)、(722)、(724)が、適切な開口部(710)、(712)、(714)内部に配置される固定部の一部(742)を組み込むように構成される開口部(740)を含み得るものもある。これは、絶縁体(706)の正極接点(702)の接続安定性を増大する支援をし得る。更に、より安定した接続が要求される実施形態の中には、図7に示されている固定部/開口部の構成が、正極接点を絶縁体(706)に確実に保持するように(示されていない)1つ以上の熱処理したステーク(heat stakes)と組み合わせて使用され得るものもある。そのような実施形態において、固定部/開口部の構成は、熱処理したステーク単独の使用に対する設計に更なる構造安定性を提供し得る。
【0028】
更に、図8に示したように、負極接点(800)は、絶縁体(810)上の開口部(806)、(808)の中に伸びるように構成される固定部(802)、(804)も含み得る。示した実施形態において、絶縁体(810)は、固定部(802)、(804)を収容するための、固定部(802)、(804)を覆うように伸びている延長部(812)、(814)を含む。しかしながら、絶縁体(810)が固定部(802)、(804)を収容するための適切な別の任意の構造を含み得ることを十分に理解されよう。更に、2つの固定部(802)、(804)が負極接点(800)側の一部に配置されるように示されているが、適切な任意の数の固定部が負極接点上の適切な任意の場所に配置され得ることを十分に理解されよう。
【0029】
図面を用いて続けると、図9は、概して平面状の正極接点(902)及び概して平面状の負極接点(904)を有する非ばね二重接点組立体(900)の実施形態を示している。前述したように、正極接点(902)及び負極接点(904)は、それぞれ、打ち抜き金属材料などから作られ得る。非ばね二重接点組立体(900)は、正極接点(902)と負極接点(904)との間に配置される絶縁体(906)も含む。図7及び図8の実施形態と対照的に、非ばね二重接点組立体(900)は、 正極接点(902)及び負極接点(904)において、ばねの力を与える湾曲がない。絶縁体(906)は、正極接点(902)を収容し、正極接点(902)と負極接点(904)との間に所望のオフセットを提供する支援をする窪み(908)を含む。
【0030】
更に、絶縁体(906)は、窪み(908)の側で形成される1つ以上の開口部も含む。示した実施形態において3つの開口部(910)、(912)、(914)が示されているが、適切な任意の数の開口部が提供され得ることを理解されよう。開口部(910)、(912)、(914)は、窪み(908)の内部に正極接点(902)を保持するための正極接点(902)の縁から伸びる留め金ピン、タブ、ロッド、ピン、又はその他の適切な任意の構造のような補足的な3つの固定部を収容する。これによって正極接点は、開口部(910)、(912)、(914)の中に正極接点(902)をかみ合わせることによって、窪み(908)に取り付けられ得、それによってステークの熱処理、絶縁体上の突起の周囲の正極接点に対する金属翼の折り曲げのような追加の製造段階を回避する支援をし得る。負極接点(904)は、熱処理したステーク(930)を介し絶縁体に保持されるように示されているが、スナップで取り付ける方式と同様の機構も負極接点(904)及び絶縁体(906)の適切な設計によって負極接点(904)に提供され得ることが理解されよう。示した実施形態において、固定部それぞれが、別の正極接点(902)の側に配置される。しかしながら、固定部が適切な別の任意の構成を有し得ることを十分に理解されよう。
【0031】
本明細書に記載した様々な実施形態は、1つのばね二重接点組立体及び1つの非ばね二重接点組立体を含む。しかしながら、電池ホルダーの別の実施形態は、2つのばね二重接点組立体又は2つの非ばね二重接点組立体を含み得る。例えば、図1を参照すると、2つのばね二重接点組立体を有する実施形態は、非ばね二重接点組立体(108)の代わりにばね二重接点組立体(106)を有し得、電池ホルダーが、向かい合ったばね二重接点組立体(106)を有する。同様に図7又は図8の実施形態も、2つのばね二重接点組立体を用いた電池ホルダーにおいて利用され得る。
【0032】
電池ホルダーは、2つの非ばね二重接点組立体も含み得る。図10は、2つの非ばね二重接点組立体を含む電池ホルダー(1000)の例を示している。この実施形態において、1つの非ばね二重接点組立体(1002)は、基板(1004)を比較的に短いワイヤー部分(1006)に接続されるワイヤー接点組立体を含むと同時に、別の非ばね二重接点組立体(1008)は、基板(1004)を長く角度のあるワイヤー部分(1010)に接続されるワイヤー接点組立体を含む。これによって、基板の大きさは、基板(1004)に対する、より短い接続を用いた2つの非ばね二重接点組立体(1002)の使用に減少され得る。別の実施形態において、より短いか又はより長いどちらか一方の接点それぞれは、基板(1004)に対する同様の接続を有する。図10の実施形態の特定の構成が例のために示されていて、いずれかの方法に制限することを意図していないことを十分に理解されよう。
【0033】
本明細書に記載した構成及び/又はアプローチは、実質上、例示的であって、これら特定の実施形態又は例は、多くの変更があり得るので、限定する意味に考慮されていないことが理解されよう。本開示の対象課題は、本明細書に開示した様々なプロセス、システム、及び構成すべての新規性、自明ではない組み合わせ、及び一部の組み合わせ、並びにその他の特徴、機能、動作、及び/又は特性と同様にその同等物のいくつか及びすべてを含む。
【符号の説明】
【0034】
100 複数電池ホルダー
102 第1の電池ホルダー
104 第2の電池ホルダー
106 ばね二重接点組立体
108 非ばね二重接点組立体
110 基板
112 カンチレバーワイヤーばね
114 カンチレバーワイヤーばね
116 カンチレバーワイヤーばね
118 カンチレバーワイヤーばね
120 ワイヤー部分
200 アウターワイヤー
202 負極接点
204 インナーワイヤー
206 インナーワイヤー
210 アウターワイヤー
212 負極接点
214 インナーワイヤー
216 正極接点
218 解放端
220 オフセットしたワイヤー湾曲の組
222 オフセットしたワイヤー湾曲の組
224 大きな半径の湾曲
300 絶縁体
302 突起
304 突起
306 内縁
308 内側の突起対
309 内側の突起対
310 窪み
312 開口部
400 固定機構
500 絶縁体
502 突起
503 突起
504 開口部
505 開口部
506 S字湾曲部
508 S字湾曲部
510 突起
512 固定機構
520 内側の突起対
521 内側の突起対
522 開口部
700 ばね二重接点組立体
702 平面状の正極接点
704 平面状の負極接点
706 絶縁体
708 窪み
710 開口部
712 開口部
714 開口部
720 固定部
722 固定部
724 固定部
730 熱処理したステーク
740 開口部
742 固定部の一部
800 負極接点
802 固定部
804 固定部
806 開口部
808 開口部
810 絶縁体
812 延長部
814 延長部
900 非ばね二重接点組立体
902 平面状の正極接点
904 平面状の負極接点
906 絶縁体
908 窪み
910 開口部
912 開口部
914 開口部
930 熱処理したステーク
1000 電池ホルダー
1002 非ばね二重接点組立体
1004 基板
1006 ワイヤー部分
1008 非ばね二重接点組立体
1010 長く角度のあるワイヤー部分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板に接続されるばね二重接点組立体と、を含む電池ホルダーであって、前記ばね二重接点組立体が、
前記電池ホルダーに配置された電池の正極端子を前記ばね二重接点組立体方向の前記正極端子と接触するように構成される正極接点と、
前記電池ホルダーに配置された電池の負極端子を前記ばね二重接点組立体方向の前記負極端子と接触するように構成される負極接点と、
前記正極接点及び前記負極接点に接続され、前記正極接点及び前記負極接点が相互に固定した関係を維持するように構成される絶縁体と、
前記負極接点、前記正極接点、及び前記絶縁体を前記基板と弾性的に置換可能な関係を維持する1つ以上のカンチレバーワイヤーばねと、を含むものと、を含む電池ホルダー。
【請求項2】
更に、複数のカンチレバーワイヤーばねを含んでいて、カンチレバーばねそれぞれが前記正極接点及び前記負極接点の1つをも形成する連続したワイヤーから形成されることを特徴とする請求項1記載の電池ホルダー。
【請求項3】
前記負極接点が、ワイヤー接点を含むことを特徴とする請求項1記載の電池ホルダー。
【請求項4】
前記負極接点が、オフセットしたワイヤーの湾曲を介し、前記絶縁体上の機械的保持接合部と接合することを特徴とする請求項3記載の電池ホルダー。
【請求項5】
前記絶縁体上の前記機械的保持接合部が、前記オフセットしたワイヤーの湾曲に隣接する前記負極接点上に伸びるように構成される1つ以上の突起を含むことを特徴とする請求項4記載の電池ホルダー。
【請求項6】
前記正極接点が、ワイヤー接点であって、前記絶縁体の開口部を介し伸びている固定部を含んでいて、前記絶縁体上の固定機構を組み込むことを特徴とする請求項1記載の電池ホルダー。
【請求項7】
更に、非ばね二重接点組立体を含んでいて、前記ばね二重接点組立体及び前記非ばね二重接点組立体のうち1つ以上が、前記基板に接続される長く角度のあるワイヤー部分を含むことを特徴とする請求項1の電池ホルダー。
【請求項8】
前記非ばね二重接点組立体が、正極のワイヤー接点及び負極のワイヤー接点を含むことを特徴とする請求項7記載の電池ホルダー。
【請求項9】
二重接点組立体を有する電池ホルダーであって、前記二重接点組立体が、
概して平面状の正極接点と、
概して平面状の負極接点と、
前記正極接点及び前記負極接点の一方の側面から伸びる接点固定部と、
前記正極接点と前記負極接点との間に配置されていて開口部を含む絶縁体であって、その中へ前記固定部が伸びているものと、を含む電池ホルダー。
【請求項10】
前記固定部が前記正極接点の側面から伸びていて、前記絶縁体が窪みを含んでいて、その中に前記正極接点が配置されていて、前記窪みがその側面に形成される開口部を含んでいて、その中へ前記固定部が伸びていることを特徴とする請求項9記載の電池ホルダー。
【請求項11】
前記正極接点が前記電池の接点面の平面に前記電池の接点面から伸びている複数の固定部を含んでいて、前記絶縁体が複数の開口部を含んでいて、その中へ前記複数の固定部が伸びていることを特徴とする請求項10記載の電池ホルダー。
【請求項12】
前記固定部が、前記負極接点の側面から伸びていることを特徴とする請求項9記載の電池ホルダー。
【請求項13】
前記固定部が、前記絶縁体上の固定機構を組み込むように構成される開口部を含むことを特徴とする請求項9記載の電池ホルダー。
【請求項14】
基板と、
前記基板に接続される第1の非ばね二重接点組立体と、
前記基板に接続される第2の非ばね二重接点組立体と、を含む電池ホルダーであって、前記第1の非ばね二重接点組立体及び前記第2の非ばね二重接点組立体それぞれが、
電池の正極端子に接触するように構成される正極接点と、
電池の負極端子に接触するように構成される負極接点と、
前記正極接点及び前記負極接点に接続されていて、前記正極接点及び前記負極接点が相互に固定した関係を維持するように構成される絶縁体と、を含む電池ホルダー。
【請求項15】
前記第1の非ばね二重接点組立体及び前記第2の非ばね二重接点組立体のうち1つ以上が、ワイヤー接点を含むことを特徴とする請求項14記載の電池ホルダー。
【請求項16】
前記第1の非ばね二重接点組立体及び前記第2の非ばね二重接点組立体のうち1つ以上が、打ち抜き金属接点を含むことを特徴とする請求項14記載の電池ホルダー。
【請求項17】
前記1つ以上の第1及び第2の非ばね二重接点組立体において、前記絶縁体が、その中に前記正極接点上の固定機構が伸びている開口部を含むことを特徴とする請求項14の電池ホルダー。
【請求項18】
前記1つ以上の第1及び第2の非ばね二重接点組立体において、前記絶縁体が、複数の開口部を含んでいて、その中へ前記複数の正極接点上の固定機構が伸びていることを特徴とする請求項17の電池ホルダー。
【請求項19】
前記1つ以上の第1及び第2の非ばね二重接点組立体が、長く角度のあるワイヤー部分を介し前記基板に接続されることを特徴とする請求項14記載の電池ホルダー。
【請求項20】
前記1つ以上の第1及び第2の非ばね二重接点組立体において、前記負極接点が、前記絶縁体上の開口部の中に伸びている固定部を含むことを特徴とする請求項14の電池ホルダー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2011−503825(P2011−503825A)
【公表日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−534089(P2010−534089)
【出願日】平成20年10月29日(2008.10.29)
【国際出願番号】PCT/US2008/081486
【国際公開番号】WO2009/064614
【国際公開日】平成21年5月22日(2009.5.22)
【出願人】(500046438)マイクロソフト コーポレーション (3,165)
【Fターム(参考)】