説明

中足部及び前足部領域における欠陥位置決めを治療するための矯正用インソール

本発明は、中足部及び前足部領域における欠陥位置決めを治療するための矯正用インソールに関し、インソール(2)には少なくとも2つのストラップ機構(10)が設けられている。足指ストラップ(11)に加えて、別のストラップ、つまり中足部ストラップ(12)が設けられており、この中足部ストラップは、足の中足部領域を実質的に包囲し、これにより、外反母趾等の欠陥位置決めの最適な矯正を可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提部による、中足部及び前足部領域における欠陥位置決めを治療するための矯正用インソールに関する。
【0002】
例えば外反母趾、鎚状足指、鉤爪指等のこのような欠陥位置決め(位置のずれ又は不整合による変形)は、時には、遺伝性異常により、及び時には欠陥のある履物又は下肢の超過荷重又は位置異常により生じる。以下の説明は、外反母趾として知られる一般的な位置異常の一例を提供するという目的に限定されているが、中足部及び前足部領域におけるその他のタイプの欠陥位置決めにも同様に当てはまる。外反母趾とは、中足趾節関節での親指の外方への反りと定義される。ここで及び以下で「外方」とは常に、身体の中心平面から離れる方向を示し、つまりこの場合には小指に向かう方向を示す。その結果、「内方」とは反対方向、つまり、小指から親指に向かう方向である。外反母趾の場合、足指の腱がもはや関節の中央を通らずに、より内方を通り、腱は足指を傾斜した位置へ引っ張る。このために飛び出した親指の球状部は、この領域にかかる靴の圧力によって生じる苦痛な炎症を頻繁に生じる。それと同時に、様々な中足骨の間の角度、特に親指に隣接する中足骨と、親指の基節骨との間の角度が拡大する。頻繁に生じる付随する症状は、関節症である。外反母趾の原因の中には、前側の横アーチが凹み、その結果親指が反っている開張足、及びファッション性により小さすぎるサイズで頻繁に着用されるか、高すぎるヒールを有するか又は狭すぎるつま先部分を有する、特に欠陥のある履物がある。
【0003】
外反母趾を矯正するためには、外科的治療に加え、特別な副子又は矯正用インソール等の整形外科手段が一般的である。
【0004】
1つのこのような矯正用インソールは独国実用新案第202004006113号明細書から公知である。この出版物には、足指の領域において、ソールに設けられたスリットを通って案内される弾性のストラップを有するインソールが記載されている。親指を外反母趾の矯正のために必要な位置へもたらすように、このストラップを親指の周囲に引き伸ばすことができる。
【0005】
公知の矯正用インソールでは、この矯正用インソールが親指自体の位置にしか作用しないために欠陥位置決めの不完全な矯正しか行わないという点で不利である。しかしながら、これは、欠陥位置決めの有効かつ永続的な矯正のためには十分ではない。なぜならば、中足骨の角度位置の変化を生じないからである。
【0006】
したがって、本発明の根底にある課題は、前記タイプの矯正用インソールを提供することであり、この矯正用インソールによって、関連する全ての足の骨の、根底にある欠陥位置決めの改良された包括的な矯正を達成することができる。
【0007】
注意:ここで及び以下で、「矯正用インソール」とは常に、慣用的な意味での「インソール」と、インソールに取り付けられたストラップ機構とから形成された全体の配列に対して用いられる。したがって、「インソール」とは単に、付加的な構成要素を備えないソールを指す。
【0008】
この課題は、請求項1の特徴部によれば、別の引き伸ばし可能なストラップ機構が、インソールに設けられた開口を介して案内されて配置されていることにより達成される。
【0009】
本発明は、特に外反母趾の場合の欠陥位置決めを完全に矯正するためには、親指に対してだけではなく、親指に隣接する中足骨に対しても角度位置が変更及び維持されなければならないという理解に基づく。これは、本発明によれば、特に着用された時にその上側に中足骨が位置決めされる領域において、別の引き伸ばし可能でかつフレキシブルなストラップ機構を用いて矯正用インソールの中央領域における中足骨に調節可能な強制力が加えられることによって生じる。この力は、足指領域におけるストラップ機構によって親指に加えられる力と共に、親指を内方へ回動させかつ関連する中足骨を外方へ回動させることによって、関連する骨の角度位置の最適な変化を生ぜしめる。これは、互いに対する2つの隣接する骨の不正な位置決めを、正しい整合した向きに変換する。力、ひいては関連する身体部分の角度位置が精密に調節されることができるようにする、例えばベルクロファスナ(面ファスナ)による、それぞれのストラップ機構の好適な無段階調節が特に有利である。本発明によれば、親指及び親指の骨の位置と、中足骨の位置とは、別々に調節することができる。なぜならば、2つのストラップ機構を互いに独立して作動させることができるからである。
【0010】
請求項2によれば、付加的なストラップ機構が、補強用インソールが着用されたときに足が足の甲及び側部だけにおいてストラップ機構のストラップと接触するのではなく、足の底の部分も包囲されるように配置されているという点で、矯正用インソールの別の有利な実施形態が含まれることができる。これは、足がインソールに平らに押し付けられることを回避する。平らに押し付けられることは、外反母趾を矯正することを妨げるように作用する。なぜならば、これによって中足骨がより一層拡開させられるからである。その代わりに、本発明による中足部領域の包囲は、この領域におけるこれらの骨が、束ねる意味で中央における力を受けることを保証する。つまり、足のこの領域は、ストラップの力によって平坦化されるのではなく丸みを帯びるようになる。この効果は本発明によれば、付加的なストラップ機構のストラップが、インソールの同じ長手方向位置において互いに実質的に平行に配置されておりかつインソールの隣接する側縁に対して明らかに中心へずれている長手方向開口を介して案内されることによって、達成される。つまり、関連するストラップが足をほとんどの部分において包囲するように、長手方向開口は、矯正用インソールが着用されたときに足底の下側に配置される。
【0011】
付加的な有利な実施形態によれば、少なくとも長手方向の延びに関して互いに対して平行に配置された、それぞれのストラップに関連した3つの開口を設けることができる。ストラップの一方の端部は、好適にはインソールの外側に配置された開口を通って案内されており、インソールの底側に固定されている。これは、端部の適切な実施形態、例えば、ストラップが底側から引き通された時に、この目的のために特別に成形された、開口とポジティブフィット及び/又は非ポジティブフィットで係合する厚さ増大部を用いて生じることができる。当然のことながら、この端部を、その他の手段によってインソールに不動に又は解離可能に結合することもできる。リベット、接着剤又はベルクロファスナを用いることもできる。ストラップの自由端部は、第2の開口を通って案内され、足のためのループを形成し、この第2の開口も足底の下側に配置されていなければならない。ストラップはここからインソールの下側を第3の開口まで延び、第3の開口を通って上側に出て、自由端部において、掴まれ、引き伸ばされ、足の上側に固定することができる。本発明によれば、ストラップが引き伸ばされた時にストラップを固定するために好適にはベルクロファスナが使用される。なぜならば、このようなファスナは、無段階に移動させかつ固定することができるからである。当然のことながら、例えばバックル、ラチェット式ファスナ、又はスナップ等のその他の固定形式も可能である。
【0012】
発明の1つの変化態様において、ストラップのための2つの開口のみを有する実施形態が提供される。ストラップの自由端部は、発明の第1の典型的な実施形態の場合のように第3の開口を通って案内されない。その代わりに、第2の開口を通過した後、ストラップの自由端部は、インソールの底側から、隣接する外縁の周りを通って上側へ案内され、引き伸ばした後にそこで固定される。
【0013】
インソールの足指領域におけるストラッピングが複数のストラップ機構、又は1つ又は複数のストラップを案内するための4つ以上の開口を有する矯正用インソールの設計もまた、発明の範囲に含まれる。これは、例えば外反母趾を改善するために親指に矯正力を加えることができるだけでなく、例えば鎚状足指又は鉤爪指を治療する際に必要となる場合のように、その他の足指に加えることもできる。インソールに設けられた開口はこの目的のために足指領域の幅に亘って分散配置されており、必要な矯正のための要求に応じてストラップ機構を装着することができる。ここで及び明細書の他の部分において、ストラップ機構とは、常に、1つの固定された不動の端部と、身体の一部、例えば足の中足部又は足指が通過するための少なくとも1つのループを有しかつインソールにおける関連する開口を介して案内される1つのフレキシブルな解離可能な自由端部とを有する、引き伸ばし可能なストラップを意味する。
【0014】
インソールは好適には、開口及びそれぞれのストラップ機構の領域において他の部分よりも硬くかつより安定して形成されるように、異なる硬さの部分を有する。これは、欠陥位置決めを矯正するために必要な力を吸収するようにインソールがストラップ機構の領域において十分に安定することを保証する。さらに、インソールは、望みに応じて他の領域において柔軟でかつフレキシブルであるべきである。つまり、歩行時に足が丸まるために必要な、インソールの縦方向での柔軟性は、中足部領域と前足部/足指領域との間に比較的柔軟でフレキシブルな部分が配置されるように、提供される。この中間領域と、対応して柔軟に形成されたインソールのヒール部分とは、着用快適性のためにも必要である。
【0015】
本発明の矯正用インソールのための材料として、好適にはプラスチックが使用される。なぜならば、プラスチックは、射出成形を利用した費用対効果の高い製造に特に適しており、中実材料又は発泡材料等の様々な変化した形態で利用できるからである。インソールの様々な領域のために、様々なタイプの材料を組み合わせることができるか、又は材料の様々な変化、例えば様々な程度の発泡材を、互いに隣接して配置することができる。例えばポリウレタン又はエチレンビニルアセテート(EVA)等の純粋なプラスチックに加え、コルク、革及び金属インレー等の他の材料と組み合わせることもできる。これにより、安定性、フレキシビリティ、及び着用快適性に関して、インソールの機械的特性を望みに応じて予め決定することができる。
【0016】
別の好適な実施形態において、矯正用ソール、つまり、着用時に足に対して治療作用を行う、足載せ部のための特別な形状を有するソールが、インソールのために使用される。固有受容性矯正用ソール、例えば足載せ部に加工されたエレメントの特別な配列及び形状によりある神経又は神経中枢に刺激効果を与えるものと理解されるソールが特に好適である。これにより、移動装置の筋肉系における有効な反応につながる信号が脳に発生され、これらの反応は、移動装置における根底にある欠陥位置決めのための治療のように作用する。例えばインターネットサイトwww.podoorthesiologie.deにおいて詳細を見ることができる。1つのこのようなインソールは、矯正用インソールの機能を補助するのに特に有効である。
【0017】
本発明による矯正用インソールは、矯正される足が、この目的のために提供された矯正用インソールのループに挿入され、次いで、ストラップの自由端部を引っ張ることによってストラップが引き伸ばされ、次いで、所望の位置において、つまり矯正のために必要な位置においてストラップがファスナによって固定されるようにして利用される。この行為は、矯正用インソールが提供される靴の外で行われる。本発明によるストラップ機構の2つのストラップが調節されると初めて、足は矯正用インソールと一緒に靴に挿入され、次いで、靴は、靴ひもで締め付けられるか、又は靴のデザインによって決定されたその他の方式で足に対して保持される。
【0018】
図面に例示された典型的な実施形態を用いて、発明をより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明による矯正用インソールを示す図である。
【図2】矯正用インソールの別の典型的な実施形態を示す図である。
【図3】本発明による矯正用インソールを着用した人間の足を示す平面図である。
【図4】矯正用インソールが位置決めされた中足部領域の横断面図である。
【図5】矯正用インソールが位置決めされた足指領域の横断面図である。
【図6a】ストラップを折り返すための好適な手段を示す、本発明による矯正用インソールの別の実施形態を示す図である。
【図6b】ストラップを折り返すための好適な手段を示す、インソールの中足部の断面図である。
【図6c】ストラップに配置された、折り返しのための好適な手段を示す、矯正用インソールの長手方向の図である。
【0020】
図1は、本発明による矯正用インソール1の概略図である。矯正用インソール1は、好適には整形外科原理に従って構成された足載せ部3を有するインソール2を含む。インソール2は、前側足指領域4と、中足部領域5と、ヒール又は後足部領域6とに分割されており、これらは継目なしに互いに一体化しておりかつ足の解剖学的構造によって規定されている。インソール2は外縁7と内縁8とを有する。「内」及び「外」は、身体中心平面に対する垂直な方向で定義されており、インソールは底側9を有する。
【0021】
本発明によれば、インソール2には、少なくとも2つの別個のストラップ機構10、つまり足指ストラップ11と中足部ストラップ12とが装着されており、これらのストラップの名称は、足載せ部3におけるこれらのストラップのそれぞれの位置によるものである。それぞれのストラップ11,12を受容、案内及び固定するために、インソール2には、足載せ部3からインソールの厚さ全体を通って底側まで案内された複数の長手方向開口20,21,22,23が設けられている。開口20,21,22,23の形状は、ストラップ機構10のストラップ11,12の厚さ及び幅に適応させられており、開口20,21,22,23の長手方向の延びは通常、インソール2の長手方向の延びと少なくともほぼ一致している。しかしながら、特別の矯正のためにこれとは異なる構成を有することもでき、このような異なる構成も発明の範囲に含まれる。
【0022】
実施形態が2つのストラップに対して同じであるので以下では単に「ストラップ」と呼ばれるそれぞれのストラップ、つまり足指ストラップ11及び中足部ストラップ12は、自由端部13を有しており、この自由端部13にはファスナが配置されており、このファスナは、ストラップを引き伸ばした後にストラップ11,12を足のそれぞれの領域の周囲に固定することを可能にする。このファスナは図1にはベルクロ(登録商標)ファスナ(面ファスナ)14として示されており、このベルクロファスナは、ストラップの無段階でかつ不動の固定を可能にするのでこの用途のために好適である。後述するように、それぞれのストラップ11,12の他方の端部領域15は、下側からインソール2に設けられた第1の開口20を通って案内され、この開口20に又はこの開口20の近くに固定されている。ストラップはここから導出され、足が足載せ部3の上側において通過するためのループ17を形成し、再びインソール2の第2の開口21を通過する。ストラップ11,12は、第2の開口21の背後でインソール2の底側9において折り返され、下側から第3の開口22を通過する。これにより、まだ自由なストラップ11,12の端部13は、インソール2の上側に配置され、矯正のために必要な引き伸ばしと、その後の固定とを行うために掴むことができる。
【0023】
本発明によれば、図4a及び図4bにより明らかに見ることができるように、中足部領域5における第1の開口20及び第2の開口21は、インソール2の隣接する縁部、つまり外縁7及び内縁8から明らかに所定の距離に配置されている。これらの距離は、中足部領域におけるインソール2の幅の少なくとも10%であるべきであり、この幅の15%から45%までの範囲の数字が好適である。これが達成することは、足26の中足部領域が中足部ストラップ12によってほとんど完全に包囲されるので、足26の中足部(図4a及び図4b参照)が、実質的に半径方向内方へ作用する力を受けるということである。このように向き付けられた力は、ストラップがインソール2の側縁7,8だけに係合する場合にそうであるように中足骨を押し広げる代わりに、中足骨を束ねるので、中足骨の欠陥位置決めを矯正するために必須である。
【0024】
図2は、本発明の変更された実施形態を示しており、この実施形態では、インソール2は、関連するストラップ11,12のための2つの開口20及び21のみを有する。第2の開口21を通ってインソール2の底側9へ出た後、ストラップ11又は12の自由端部は底側に沿って折り返され、矯正用インソールの上側に到達する前に、インソール2の隣接する縁部、この場合には内縁8を回り込む。その他の詳細は、図1に示した典型的な実施形態と一致し、繰り返しを回避するためにその説明を参照すべきである。
【0025】
図3は、人間の足26に配置された本発明による矯正用インソール1を示している。足26は、適用されかつ正しく引き伸ばされかつ固定された矯正用インソール1とともに靴(図示せず)に挿入され、次いで靴は通常の方式で靴ひもで締め付けることができる。
【0026】
図4a及び図4bは、適用されかつストラップが引き伸ばされた矯正用インソール2を装着した人間の足26の中足部領域の概略的な横断面図であり、特に図4bは図1に示した典型的な実施の形態によるものであり、図4aは図2に示した典型的な実施の形態によるものである。ここでは参照符号は他の図面と同じ意味を持つ。特に図4bには、3つの開口20,21及び22を見ることができ、どのように中足部ストラップ12が第1の開口20からループ17として足の中足部領域の周囲を通って第2の開口21へ案内され、この第2の開口21から第3の開口22を通ってインソール2の上側へ案内されるかを見ることができる。明瞭にする目的で、中足部領域12の自由端部13におけるベルクロファスナ14はまだ固定されない状態で示されている。中足部ストラップ12の固定の端部は、最も外側の端部領域15において厚さ増大部16を有しており、この厚さ増大部16はこの端部を関連する第1の開口20に固定する。なぜならば、この開口20は、厚さ増大部16が通過するには狭すぎるように形成されているからである。ポジティブフィット(確実結合)及び/又は非ポジティブフィット(非確実結合)を用いたインソール2への一方のストラップ端部のこのような固定は、もちろん、例えばインソールへの接着等のその他の手段を用いて、ベルクロファスナによって、又はリベットを用いても可能である。図4aは、中足部ストラップ12が通過するための2つの開口20及び21のみをインソール2に有する矯正用インソール1の別の実施形態を示している。この変化態様において、この自由端部13は、インソール2の内縁8を回り込むように案内され、次いで、ベルクロファスナ14によって上側に固定される。
【0027】
図5a及び図5bは、適用された矯正用インソール1を装着した人間の足の足指領域の横断面の概略図を提供しており、足指ストラップ11を有するストラップ機構10は、親指20の領域だけに設けられている。足指バンド11は完全に、図4a及び図4bに示した中足部のためのものと同様に案内されているが、この場合には足指ストラップの一方の固定された端部が、ここに示された接着剤30によって、又はベルクロファスナによってインソール2の底側9に固定されているという1つの相違点を有する。他の足指も個々に又はグループごとに矯正移動させることができるように、本発明によれば、他の足指27の領域に、より多くのストラップ機構10,11のための開口23を設けることができると想定される。
【0028】
図6a、図6b及び図6cは、本発明による矯正用インソール1の別の実施形態を示しており、これらの図には、ストラップ11又は12を折り返すための好適な手段が示されている。ストラップが再び整形外科インソール2を通過するとき、足又は足指がループ17を通過するためにこのループ17を形成した後、ストラップが足のそれぞれの領域の周囲に引き伸ばされたときにストラップの折り返しを促進するために、インソールに配置された折り返しローラ31の周囲に巻き付けられている。折り返しローラ31を通過した後、まだ自由なストラップ11又は12の端部13は、例えばベルクロファスナ14の雄部分又は雌部分によって固定することができる。前記形式の固定は、例えば中足部ストラップ12についてのみ説明されているが、同様に足指ストラップ11に対しても有効である。
【0029】
折り返しローラ31の代わりに、整形外科インソール2におけるストラップ11又は12の望ましくない付着を回避するために、ストラップ材料とソール材料との間の全ての摩擦減少手段を用いることができる。
【符号の説明】
【0030】
1 矯正用インソール
2 整形外科インソール
3 足載せ部
4 足指領域
5 中足部領域
6 ヒール領域/後足部領域
7 外縁
8 内縁
9 底側
10 ストラップ機構
11 足指ストラップ
12 中足部ストラップ
13 自由端部
14 ベルクロファスナ
15 端部領域
16 厚さ増大部
17 ループ
20 第1の開口
21 第2の開口
22 第3の開口
23 開口
26 足
27 足指
28 親指
29 中足骨
30 接着剤
31 折り返しローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インソール(2)と、該インソール(2)に設けられた開口(23)を通って案内されかつ少なくとも親指(28)に矯正力を加える調節可能/引き伸ばし可能なストラップ機構(10,11)とを有し、中足骨(29)の領域に配置された、前記インソール(2)に設けられた開口(20,21,22)を介して案内される付加的な引き伸ばし可能なストラップ機構(10,12)を有する、中足部及び前足部領域における欠陥位置決めを治療するための矯正用インソール(1)において、
使用時に前記付加的なストラップ機構(12)が中足部領域において足の底の領域を少なくとも部分的に包囲するように、前記付加的なストラップ機構(12)のストラップが通過するための、それぞれが前記インソール(2)の側縁(7,8)から明らかに間隔を置いて設けられた少なくとも2つの長手方向開口(20,21,22)が、前記インソール(2)の中足部領域(5)に設けられていることを特徴とする、矯正用インソール。
【請求項2】
隣接する外縁又は内縁からのそれぞれの長手方向開口(20,21,22)の距離がそれぞれ、中足部領域におけるインソール2の幅の少なくとも10%である、請求項1記載の矯正用インソール。
【請求項3】
隣接する外縁又は内縁からのそれぞれの開口(20,21,22)の距離がそれぞれ、中足部領域におけるインソール2の幅の15%から45%までの範囲である、請求項1又は2記載の矯正用インソール。
【請求項4】
前記付加的なストラップ機構(12)が、前記インソール(2)の前記中足部領域(5)における開口(20,21,22)を介して案内されており、この場合、それぞれのストラップ(11,12)の端部領域(15)が下側から第1の開口(20)を通って案内されて該第1の開口(20)の近くに固定される一方で、ストラップ(11,12)が、足が通過するためのループ(17)を足載せ部(3)の上側に形成するように第1の開口(20)から案内され、かつ再び第2の開口(21)を通ってインソール(2)を通過し、前記第2の開口の後側においてストラップ(11,12)が折り返され、まだ自由な前記ストラップ(11,12)の他方の端部がファスナ(14)に固定されることによりストラップ機構を固定するようになっている、請求項1から3までのいずれか1項記載の矯正用インソール。
【請求項5】
ストラップ(11,12)が、折り返し手段(31)、好適には折り返しローラ(31)によって折り返される、請求項4記載の矯正用インソール。
【請求項6】
それぞれの前記ストラップ機構(10,11,12)が、引き伸ばし及び固定のために、ファスナ、好適にはベルクロファスナ(14)、を備えたフレキシブルなストラップを有しており、一方の端部領域(15)においてストラップがポジティブフィット及び/又は非ポジティブフィットで前記インソールに結合されている、請求項1から5までのいずれか1項記載の矯正用インソール。
【請求項7】
一方の端部領域(15)において、フレキシブルなストラップが厚さ増大部(16)を有しており、該厚さ増大部によってストラップが前記インソール(2)に設けられた前記開口(20,21,22,23)のうちの1つにポジティブフィット及び/又は非ポジティブフィットで係合することができる、請求項6記載の矯正用インソール。
【請求項8】
前記インソール(2)の足指領域(4)に、1つ又は複数のストラップ機構(10,11)のための少なくとも3つの開口(23)が設けられている、請求項1から7までのいずれか1項記載の矯正用インソール。
【請求項9】
少なくとも4つの開口(23)が、前記足指領域(5)の幅に亘って分散配置されており、かつ1つ又は複数のストラップ機構(10,11)を装着することができる、請求項8記載の矯正用インソール。
【請求項10】
前記インソール(2)が、それぞれ異なる硬さ又は中実度の複数の領域を有する、請求項1から9までのいずれか1項記載の矯正用インソール。
【請求項11】
前記ストラップ機構(10,11,12)のための前記開口(20,21,22,23)を有する前記インソール(2)の領域が、他の領域よりも硬く及び/又は中実に形成されている、請求項8記載の矯正用インソール。
【請求項12】
前記インソール(2)が、プラスチックに基づく射出成形された部材として形成されている、請求項1から11までのいずれか1項記載の矯正用インソール。
【請求項13】
前記インソール(2)が、矯正ソールとして、好適には固有受容性矯正ソールとして、形成されている、請求項1から12までのいずれか1項記載の矯正用インソール。
【請求項14】
底側(9)において別の剛性又はフレキシブルなソールに接合されている、請求項1から13までのいずれか1項記載の矯正用インソール。
【請求項15】
外反母趾のような中足部及び前足部領域における欠陥位置決めを矯正するための、又は骨折又は外科的介入後に足を固定するためのサンダルにおいて、少なくとも底側(9)において別のフレキシブルな又は剛性のソールに永久に又は解離可能に接合された、請求項1から14までのいずれか1項記載の矯正用インソール(1)を有することを特徴とする、サンダル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4a)】
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【図4b)】
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【図5a)】
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【図5b)】
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【図6a】
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【図6b】
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【図6c】
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【公表番号】特表2013−504352(P2013−504352A)
【公表日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−528384(P2012−528384)
【出願日】平成22年9月13日(2010.9.13)
【国際出願番号】PCT/EP2010/063415
【国際公開番号】WO2011/029945
【国際公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【出願人】(510332936)ハルフィクス アクチエンゲゼルシャフト (2)
【氏名又は名称原語表記】Hallufix AG
【住所又は居所原語表記】Tulbeckstr. 32, D−80339 Muenchen, Germany
【Fターム(参考)】