説明

仮想ばねシステム

【課題】さほど精度は高くないが安価に構成できる仮想ばねシステムを提供することにある。
【解決手段】基部に支持された電動式アクチュエータ1と、前記基部に揺動可能に結合された被駆動部材にその電動式アクチュエータの出力部材を連結するとともに、それら被駆動部材と出力部材との間に働く引張力または圧縮力を検出する連結・力検出手段4と、その連結・力検出手段が検出した力の大きさに基づき前記電動式アクチュエータの作動を制御するアクチュエータ制御手段とを具え、前記連結・力検出手段が、前記被駆動部材と出力部材との一方に連結された案内部材4cと、前記被駆動部材と出力部材との他方に連結されるとともに前記案内部材と摺動可能に嵌まり合ったスライド部材4eと、前記案内部材とスライド部材との間で挟圧されて圧縮力を検出する感圧センサ4aと、を有してなる、仮想ばねシステムである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、通常は機械式ばねを使用しているがそのばねの特性を容易に変化させ得ることが望ましい機構に用いて好適な仮想ばねシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
通常は機械式ばねを使用しているがそのばねの特性を容易に変化させ得ることが望ましい機構としては、例えば、ゲームセンター等に設置され、コインを入れると遊戯者のレバー操作等に応じて移動する作動腕で台上の景品を掴んで来たり払い落としたりして遊戯者にその景品を入手させるアミューズメント機器の、その作動腕に把持力や支持力を与える機構が知られており、このようなアミューズメント機器では、作動腕の把持力や支持力が弱すぎると景品が殆どもしくはまったく取れず遊戯者が飽きてしまう一方、作動腕の把持力や支持力が強すぎると景品が取れ過ぎてアミューズメント機器の設置者の損失が過大になってしまうため、その作動腕に把持力や支持力を与える機構のばねの特性を容易に変化させ得ることが望ましい。
【0003】
ところで、本願出願人は先に特許文献1にて、入力部に与える反力の特性を任意に設定・変更し得る反力制御システムを提案しており、この反力制御システムは、入力部材と、ボールねじ機構を持つ電動式アクチュエータの出力部材との間にロードセルを配置して、そのロードセルの出力信号に基づき適宜反力を与えながら入力部材を動かすものであるので、上述した仮想ばねシステムを構成することができる。
【特許文献1】特開2002−202820号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の反力制御システムは、反力を高精度に制御するように開発されているため、力を高精度に検出し得るものの高価なロードセルを使用していることから、システム全体としても高価なものとなる場合が多く、アミューズメント機器等の簡易な装置に使用されるためさほど精度は求められないが安価に構成できることが必須の仮想ばねシステムへの適用は実際上は困難であるという問題があった。
【0005】
それゆえこの発明は、さほど精度は高くないが安価に構成できる仮想ばねシステムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を有利に解決したこの発明の仮想ばねシステムは、基部に支持された電動式アクチュエータと、前記基部に揺動可能に結合された被駆動部材にその電動式アクチュエータの出力部材を連結するとともに、それら被駆動部材と出力部材との間に働く引張力または圧縮力を検出する連結・力検出手段と、その連結・力検出手段が検出した力の大きさに基づき前記電動式アクチュエータの作動を制御するアクチュエータ制御手段と、を具え、前記連結・力検出手段が、前記被駆動部材と出力部材との一方に連結された案内部材と、前記被駆動部材と出力部材との他方に連結されるとともに前記案内部材と摺動可能に嵌まり合ったスライド部材と、前記案内部材とスライド部材との間で挟圧されて圧縮力を検出する感圧センサと、を有してなるものである。
【発明の効果】
【0007】
かかる仮想ばねシステムにあっては、基部に支持された電動式アクチュエータの出力部材に連結・力検出手段を介して連結されるとともに前記基部に揺動可能に結合された被駆動部材にその被駆動部材を揺動させるように力が加わると、その力で被駆動部材と出力部材との間に働く引張力または圧縮力を連結・力検出手段が検出し、その連結・力検出手段が検出した力の大きさに基づきアクチュエータ制御手段が、例えばその検出した力の大きさが一定になる、あるいはその検出した力の大きさが次第に大きくなる等のように、電動式アクチュエータの作動を制御する。
【0008】
従って、この発明の仮想ばねシステムによれば、被駆動部材を揺動させるように力が加わると、被駆動部材を例えば一定の力や揺動に応じて漸増する力で引き戻すように電動式アクチュエータを作動させ得るので、ばねとして機能することができる。
【0009】
しかも、この発明の仮想ばねシステムによれば、被駆動部材と出力部材との間に働く引張力または圧縮力を検出する連結・力検出手段が、何れも安価に製造・入手し得るものである、被駆動部材と出力部材との一方に連結された案内部材と、被駆動部材と出力部材との他方に連結されるとともに案内部材と摺動可能に嵌まり合ったスライド部材と、案内部材とスライド部材との間で挟圧されて圧縮力を検出する感圧センサとを有する構成とされているので、その連結・力検出手段ひいては仮想ばねシステムを安価に構成することができる。
【0010】
なお、この発明の仮想ばねシステムにおいては、前記スライド部材が筒状をなし、前記案内部材が、前記スライド部材の孔内に挿通された軸状部と、その軸状部より大きい押圧部とを持ち、前記感圧センサが、リング状に形成されてその孔内に前記案内部材の軸状部を挿通され、前記案内部材の押圧部と前記スライド部材との間で挟圧されるものであっても良い。このようにすれば、案内部材とスライド部材とを安価に構成し得るとともに、感圧センサを容易に、案内部材とスライド部材との間で挟圧されるように配置することができる。
【0011】
また、この発明の仮想ばねシステムにおいては、前記連結・力検出手段が、前記案内部材とスライド部材との間に前記感圧センサと直列に介挿されたダンパ部材を有するものであっても良い。このようにすれば、例えば被駆動部材の原点位置等を規定するストッパに被駆動部材が当たったときに跳ね返り、検出している力が増してこれを減らすように出力部材が逆方向へ動くことで動きが不安定になるのをダンパ部材で防止し得て、被駆動部材を原点位置等に確実に止めることができる。
【0012】
さらに、この発明の仮想ばねシステムにおいては、前記連結・力検出手段が、前記スライド部材に対し前記感圧センサと反対の側にてそのスライド部材と前記案内部材との間に介挿されてその案内部材を附勢し、前記感圧センサにバイアス力を与える弾性部材を有するものであっても良い。このようにすれば、感圧センサに小さな力に対する不感帯がある場合でも、その不感帯を超えるバイアス力を与えておけるので、感圧センサを小さな力に対して敏感に作動させることができる。
【0013】
さらに、この発明の仮想ばねシステムにおいては、前記電動式アクチュエータが、電動モータで駆動されて前記出力部材を回動させるウオーム歯車組を有するものであっても良い。このようにすれば、被駆動部材からの反力をウオーム歯車組が支持するので、被駆動部材がストッパ等に当たって反力が所定値になったときに電動式アクチュエータへの給電を停止しても反力をその所定値に維持し得て、出力部材を例えば原点位置等で待機させる際の電動式アクチュエータの電力消費をなくすことができる。
【0014】
そして、この発明の仮想ばねシステムは、前記電動式アクチュエータの出力部材の位置を検出する位置センサを具え、前記アクチュエータ制御手段が、前記連結・力検出手段が検出した力の大きさと前記位置センサが検出した出力部材の位置とに基づき前記電動式アクチュエータの作動を制御するものであっても良い。このようにすれば、ストッパがなくても、任意の位置を被駆動部材の原点位置として電動式アクチュエータを作動させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を実施例によって、図面に基づき詳細に説明する。ここに、図1(a)は、この発明の仮想ばねシステムの第1実施例の内部を示す断面図、図1(b)は、その第1実施例の仮想ばねシステムの外観を示す正面図、図2(a),(b)は、上記第1実施例の仮想ばねシステムで使用している感圧センサを示す側面図および正面図、図3は、上記第1実施例の仮想ばねシステムの制御系を示すブロック線図、そして図4は、上記第1実施例の仮想ばねシステムの制御系のマイクロコンピュータが実行する処理を示すフローチャートである。
【0016】
また、図5は、上記第1実施例の仮想ばねシステムの電動式アクチュエータの出力部材の位置と感圧センサが検出した力の大きさとの関係を示す関係線図、図6は、上記第1実施例の仮想ばねシステムの一適用例としてのアミューズメント機器の要部を示す正面図、そして図7は、上記第1実施例の仮想ばねシステムの他の一適用例としてのアミューズメント機器の要部を示す正面図である。
【0017】
この第1実施例の仮想ばねシステムは、図1(a),(b)に示すように、図示しない基部に支持された電動式アクチュエータ1と、その基部に支持軸2を介して揺動可能に結合された被駆動部材としての作動腕3にその電動式アクチュエータ1の出力部材としての駆動腕1aを連結するとともに、それら作動腕3と駆動腕1aとの間に働く引張力または圧縮力を検出する連結・力検出手段としてのプッシュプルロッド4とを具えるとともに、図3に示すように、そのプッシュプルロッド4の感圧センサ4aが検出した圧縮力の大きさに基づき電動式アクチュエータ1の作動を制御するアクチュエータ制御手段としてのコントローラ5を具えている。なお、この実施例の仮想ばねシステムは駆動腕1aの位置を検出する位置センサを具えていないので、ここでは図1に示すように、作動腕3に当接してその原点位置を規定するストッパ6が設けられている。
【0018】
この第1実施例の仮想ばねシステムにおける電動式アクチュエータ1は、図1(a)に示すように、減速機を内蔵した電動モータ1bのモータ出力軸1cに固定されたピニオン1dを、そのモータ出力軸1cに平行な向きに支持された中間軸1eに固定された被駆動ギヤ1fに噛合させ、その中間軸1eに固定されたウオーム1gを、モータ出力軸1cに直角な向きに支持された出力軸1hに支持された駆動腕1aの基部に固定されたウオームギヤ1iに噛合させてなるものである。
【0019】
上記構成により、電動モータ1bがモータ出力軸1cを正転させると、ピニオン1dが被駆動ギヤ1fを駆動してモータ出力軸1cと逆方向に中間軸1eが回転し、ウオーム1gがウオームギヤ1iを駆動して駆動腕1aを出力軸1hを中心に図では時計回りに回動させ、これにより作動腕3が、図1では左方へ揺動し、この一方、電動モータ1bがモータ出力軸1cを逆転させると、上記と同様にしてウオーム1gがウオームギヤ1iを駆動して駆動腕1aを出力軸1hを中心に図では反時計回りに回動させ、これにより作動腕3が、図1では右方へ揺動する。しかも、作動腕3からプッシュプルロッド4を介して駆動腕1aに加わる反力は、ウオーム1gとウオームギヤ1iとからなるウオーム歯車組によって支持されるので、電動モータ1bのモータ出力軸1cには伝わらない。
【0020】
また、この第1実施例の仮想ばねシステムにおけるプッシュプルロッド4は、作動腕3にピロボールジョイント4bを介して揺動可能に連結された案内部材としてのガイドロッド4cと、駆動腕1aにピンジョイント4dを介して揺動可能に連結されるとともにガイドロッド4cと摺動可能に嵌まり合ったスライド部材としての筒状のスライダ4eと、上記感圧センサ4aとを有している。
【0021】
ここで、ガイドロッド4cは、スライダ4eの孔内に挿通された軸状部4fと、その軸状部4fの、ピロボールジョイント4bに結合された端部と反対側の端部(図1では右端部)に設けられた、軸状部4fより大径の押圧部4gとを有し、上記感圧センサ4aは、図2(a),(b)に示すように平坦なリング状に形成されて、そのリング中央の孔内にガイドロッド4cの軸状部4fを挿通され、スライダ4eとガイドロッド4cの押圧部4gとの間で二枚のワッシャ4hを介して挟圧されてその挟圧による圧縮力を検出する。かかる感圧センサ4aは、例えば感圧導電性エラストマーセンサすなわちゴム状の圧力センサ(例えばイナバゴム(株)の販売する商品名イナストマー)や、導電性インクを用いた圧力センサ(例えばニッタ(株)の販売する商品名フレキシフォース)等によって形成することができる。
【0022】
この第1実施例の仮想ばねシステムにおけるプッシュプルロッド4はさらに、中央の孔内にガイドロッド4cの軸状部4fを挿通されてガイドロッド4cの押圧部4gとスライダ4eとの間に感圧センサ4aと直列に介挿された円筒状のダンパ部材4iを有しており、このダンパ部材4iは、原点位置を規定するストッパ6に作動腕3が当たったときに作動腕3が跳ね返り、感圧センサ4aが検出している力が増してこれを減らすように駆動腕1aが逆方向へ動くことで動きが不安定になるのを防止するものである。かかるダンパ部材4iとしては、例えばゴムダンパや、ウレタンワッシャ等を用いることができ、このダンパ部材4iを有することにより、作動腕3をストッパ6に当てて原点位置に確実に止めることができる。
【0023】
この第1実施例の仮想ばねシステムにおけるプッシュプルロッド4はさらに、スライダ4eに対し感圧センサ4aと反対の側にてそのスライダ4eと、ガイドロッド4cの軸状部4fの雄ねじに締結されたセルフロック型のナイロンナット4jとの間に介挿されてそのガイドロッド4cを図1では左方へ常時附勢し、感圧センサ4aにバイアス力を与える弾性部材としての圧縮スプリング4kを有しており、そのバイアス力はナイロンナット4jの締結位置を変えることで適宜調節することができる。この圧縮スプリング4kを有することにより、感圧センサ4aに小さな力に対する不感帯がある場合でもその不感帯を超えるバイアス力を与えておけるので、感圧センサ4aを小さな力に対して敏感に作動させることができる。なお、圧縮スプリング4kの周囲には、その圧縮スプリング4kをカバーするためおよび、作動腕3と駆動腕1aとの間に介在して作動腕3の動きを規制するため、圧縮スプリング4kの通常のバイアス力を生ずる圧縮状態での長さより僅かに短い円筒状のカラー4lが嵌め合わされている。
【0024】
そして、この第1実施例の仮想ばねシステムにおけるコントローラ5は、図3に示すように、感圧センサ4aの出力信号を図示しないアナログ−デジタルコンバータを介して入力されるとともに、図示しないレバーやスイッチ等の操作手段から別途アクチュエータの動作命令信号を入力されてそれらの入力信号に基づき電動式アクチュエータ1の作動命令を出力する通常のマイクロコンピュータ5aと、PWM(パルス幅変調)によるその作動命令を入力してその作動命令に応じた駆動電流を電動式アクチュエータ1の電動モータ1bに出力する通常のドライバ5bとを有しており、ここで、マイクロコンピュータ5aは、あらかじめ与えられたプログラムに基づき、図4にフローチャートで示す手順に従って、ドライバ5bに電動式アクチュエータ1の作動命令を出力する。
【0025】
すなわちマイクロコンピュータ5aは、先ずステップS1で、仮想ばねの力設定値を、例えばキーボードやスイッチ等からその力設定値を与えられて記憶しているメモリ等から入力する。次いでステップS2で、感圧センサ4aの出力信号を入力し、続くステップS3で、感圧センサ4aの出力信号が示す値と力設定値とを比較する。そして、感圧センサ4aの出力信号が示す値と力設定値とが等しくない場合には、ステップS4で、感圧センサ4aの出力信号が示す値が力設定値より小さいか否かを判断する。
【0026】
ステップS4での判断の結果、感圧センサ4aの出力信号が示す値が力設定値より小さくない場合には、ステップS5で、電動式アクチュエータ1の電動モータ1bを正転(図1では作動腕3が左方へ揺動する向きへモータ出力軸1cを回転)させる作動命令を出力し、その一方、感圧センサ4aの出力信号が示す値が力設定値より小さい場合には、ステップS6で、電動式アクチュエータ1の電動モータ1bを逆転(図1では作動腕3が右方へ揺動する向きへモータ出力軸1cを回転)させる作動命令を出力する。また、先のステップS3での判断の結果、感圧センサ4aの出力信号が示す値と力設定値とが等しい場合には、ステップS7で、電動式アクチュエータ1の電動モータ1bを停止させる作動命令を出力する。
【0027】
かかる第1実施例の仮想ばねシステムにあっては、電動式アクチュエータ1の駆動腕1aにプッシュプルロッド4を介して連結された作動腕3にその作動腕3を揺動させるように力が加わると、その力で作動腕3と駆動腕1aとの間に働く引張力をプッシュプルロッド4の感圧センサ4aが圧縮力として検出し、コントローラ5が、そのプッシュプルロッド4の感圧センサ4aが検出した力の大きさが図5に示すように駆動腕1aの位置にかかわらず一定になるように、電動式アクチュエータ1の電動モータ1bを正転、逆転あるいは停止させる。
【0028】
従って、この第1実施例の仮想ばねシステムによれば、作動腕3を揺動させるように力が加わると作動腕3を一定の力で引き戻すように電動式アクチュエータ1を作動させるので、ばねとして機能することができる。
【0029】
しかも、この第1実施例の仮想ばねシステムによれば、作動腕3と駆動腕1aとの間に働く引張力を検出するプッシュプルロッド4は、何れも安価に製造・入手し得るものである、作動腕3に連結されるとともに軸状部4fと押圧部4gとを有するガイドロッド4cと、駆動腕1aに連結されるとともにガイドロッド4cの軸状部4fと摺動可能に嵌まり合ったスライダ4eと、ガイドロッド4cの押圧部4gとスライダ4eとの間で挟圧されて圧縮力を検出するリング状の感圧センサ4aとを有する構成とされているので、そのプッシュプルロッド4ひいては仮想ばねシステムを安価に構成することができる。そして、電動式アクチュエータ1も、安価に製造・入手し得るものであるウオーム歯車組を使用しているので、安価に構成することができる。
【0030】
図6は、この第1実施例の仮想ばねシステムを適用し得るアミューズメント機器の一例で、ゲームセンター等に設置され、コインを入れると遊戯者のレバー操作等に応じて移動する作動腕で台上の景品を掴んで来て遊戯者にその景品を入手させるアミューズメント機器(例えば商品名「UFOキャッチャ」等)の要部を示し、このアミューズメント機器では、遊戯者のレバー操作等に応じて前後左右に移動し、レバー操作を止めると自動的に下降、停止および上昇してから景品排出口の上方の初期位置に戻る基部としての図示しない移動ヘッドに、各々支持軸2を介して二本の作動腕3を揺動可能に結合して支持するとともに、この第1実施例の仮想ばねシステムを二つ、左右対称に配設して、それらの仮想ばねシステムの電動式アクチュエータ1で二本の作動腕3を、各電動モータ1bの正転時には互いに離間して開くように、また逆転時には互いに接近して閉じていって間に景品Pを挟むように揺動させるようにする。
【0031】
またこのアミューズメント機器では、上記移動ヘッドが下降限位置または初期位置で停止したらコントローラ5が、先ずそれらの仮想ばねシステムの電動式アクチュエータ1の各電動モータ1bを一定時間正転させて、図6中仮想線で示すように二本の作動腕3を開かせ、その後に図4に示す制御を実行するように構成する。これにより、下降限位置では、二本の作動腕3を開かせた後の図4に示す制御の開始当初は、感圧センサ4aの出力信号値が力設定値より小さいから各電動モータ1bが逆転し、二本の作動腕3が図6中矢印で示すように互いに接近して閉じていって台T上の景品Pを間に挟むように揺動する。しかして二本の作動腕3が図6中実線で示すように台T上の景品Pを間に挟むと、その景品Pから二本の作動腕3に反力が伝えられ、その反力が力設定値に等しくなると各電動モータ1bが停止して、力設定値に等しい力で二本の作動腕3が景品Pを間に挟んだ状態となる。
【0032】
そして、このように二本の作動腕3が景品Pを間に挟んだ状態で上記移動ヘッドが上昇し、初期位置に戻って停止したときは、コントローラ5が、先ず二本の作動腕3を開かせるので、それらの作動腕3の間に挟まれていた景品Pは景品排出口内に落下して当該機器外に取り出し可能となり、その後、図4に示す制御の開始当初は、感圧センサ4aの出力信号値が力設定値より小さいから各電動モータ1bが逆転し、二本の作動腕3が図6中矢印で示すように互いに接近して閉じていって各々ストッパ6に当接して、それらのストッパ6から二本の作動腕3に反力が伝えられ、その反力が力設定値より大きくなると各電動モータ1bが正転して、反力を減らすように二本の作動腕3が互いに離間する方向へ揺動し、これらの動きによって反力が力設定値に等しくなると各電動モータ1bが停止して、力設定値に等しい力で二本の作動腕3がストッパ6に当接した待機状態となる。
【0033】
従って、この第1実施例の仮想ばねシステムによれば、上述の如きアミューズメント機器に二本の作動腕3を互いに接近する方向へ引っ張る機械式ばねの代わりに適用し得てその機械式ばねと同様に機能させることができ、しかも二本の作動腕3を互いに接近する方向へ引っ張る引張力の大きさを、メモリ等の力設定値を変更するだけで容易に、任意にかつ瞬時に変えることができる。さらに、二本の作動腕3の開閉速度も、例えば開く際と閉じる際で異ならせる等、コントローラ5で容易に任意に設定することができる。
【0034】
図7は、この第1実施例の仮想ばねシステムを適用することができるアミューズメント機器の他の一例で、ゲームセンター等に設置され、コインを入れると遊戯者のレバー操作等に応じて移動する作動腕3の先端部の皿3aで、落下してくるコインCを受けて図示しない景品排出口へ運ぶことで遊戯者にそのコインCを入手させるアミューズメント機器の要部を示し、ここでは壁面Wの裏側に設けられた図示しない基部に、支持軸2を介して被駆動部材としての作動腕3を上下方向揺動可能に結合して支持するとともに、上方揺動限位置を規定するストッパ6を設け、さらに電動式アクチュエータ1を固定支持し、その電動式アクチュエータ1の駆動腕1aと作動腕3とをプッシュプルロッド4で連結し、そのプッシュプルロッド4の感圧センサ4aの出力信号に基づき、図示しないコントローラ5で電動式アクチュエータ1の作動を制御するようにしている。
【0035】
かかるアミューズメント機器の作動腕3の支持に適用されたこの第1実施例の仮想ばねシステムによれば、皿3aが受けるコインCの枚数が所定の枚数を超えて作動腕3からの反力が力設定値を越えると、その反力がその力設定値に等しくなるよう図中仮想線で示すように作動腕3が下方へ揺動して、皿3aからコインCを落とすことができ、しかもその皿3aが受け得るコインCの所定枚数を、メモリ等の力設定値を変更するだけで容易に、任意にかつ瞬時に変えることができる。
【0036】
図8は、この発明の仮想ばねシステムの第2実施例の外観を示す正面図、図9は、その第2実施例の仮想ばねシステムの制御系を示すブロック線図、図10は、上記第2実施例の仮想ばねシステムの制御系のマイクロコンピュータが実行する処理を示すフローチャートである。
【0037】
また、図11は、上記第2実施例の仮想ばねシステムの電動式アクチュエータの出力部材の位置と感圧センサが検出した力の大きさとの関係の一例を示す関係線図、図12は、上記第2実施例の仮想ばねシステムの電動式アクチュエータの出力部材の位置と感圧センサが検出した力の大きさとの関係の他の一例を示すマトリックスの説明図、図13は、上記第2実施例の仮想ばねシステムの一適用例としてのアミューズメント機器の要部を示す正面図、そして図14は、この第2実施例の仮想ばねシステムの一変形例の一適用例としてのアミューズメント機器の要部を示す平面図であり、これらの図中、先の第1実施例と同様の部分は、それと同一の符号にて示す。
【0038】
この第2実施例の仮想ばねシステムは、図8に示すように、第1実施例におけると同様の電動式アクチュエータ1の電動モータ1bのモータ出力軸1cに結合されて駆動腕1aの回動位置を検出するロータリエンコーダからなる位置センサ1mを具える点および、図9に示すように、コントローラ5が、プッシュプルロッド4の感圧センサ4aが検出した力の大きさと位置センサ1mが検出した駆動腕1aの回動位置とに基づき電動式アクチュエータ1の作動を制御する点でのみ、先の第1実施例と異なっており、その他の部分は先の第1実施例と同様の構成を具えている。
【0039】
そして,この第2実施例の仮想ばねシステムのコントローラ5のマイクロコンピュータ5aは、あらかじめ与えられたプログラムに基づき、図10にフローチャートで示す手順に従って、ドライバ5bに電動式アクチュエータ1の作動命令を出力する。
【0040】
すなわちマイクロコンピュータ5aは、先ずステップS11で、仮想ばねの力設定を、例えばキーボードやスイッチ等からその力設定を与えられて記憶しているメモリ等から入力する。この力設定は、例えば図11に示すように駆動腕1aの回動位置と力設定値との関係を示す一次あるいは二次等の関数式や、図12に示すように駆動腕1aの回動位置と力設定値との関係を任意に変化させ得るマトリックス等で表すことができる。次いでステップS12で、感圧センサ4aの出力信号を入力し、続くステップS13で、位置センサ1mの出力信号を入力する。
【0041】
さらにステップS14で、感圧センサ4aの出力信号と先に入力した力設定とから、例えば図11の関数による力設定では感圧センサ4aの出力信号に対応する力Xsに対して一次関数で求まる目標位置Ygのように、あるいは図12のマトリックスによる力設定では感圧センサ4aの出力信号に対応する力Xiに対してそのマトリックスで求まる目標位置Yiのように、目標位置を求める。
【0042】
続くステップS15では、上記求めた目標位置の値と位置センサ1mの出力信号が示す値(例えば図11に示す関数による力設定では値Ys)とを比較する。そして、目標位置の値と位置センサ1mの出力信号が示す値とが等しくない場合には、ステップS16で、目標位置の値が位置センサ1mの出力信号が示す値より小さいか否かを判断する。
【0043】
ステップS16での判断の結果、目標位置の値が位置センサ1mの出力信号が示す値より小さくない場合には、ステップS17で、電動式アクチュエータ1の電動モータ1bを正転(図8では作動腕3が仮想線で示すように右方へ揺動する向きへモータ出力軸1cを回転)させる作動命令を出力し、その一方、目標位置の値が位置センサ1mの出力信号が示す値より小さい場合には、ステップS18で、電動式アクチュエータ1の電動モータ1bを逆転(図8では作動腕3が実線で示すように左方へ揺動する向きへモータ出力軸1cを回転)させる作動命令を出力する。また、先のステップS15での判断の結果、目標位置の値と位置センサ1mの出力信号が示す値とが等しい場合には、ステップS19で、電動式アクチュエータ1の電動モータ1bを停止させる作動命令を出力する。
【0044】
かかる第2実施例の仮想ばねシステムにあっては、電動式アクチュエータ1の駆動腕1aにプッシュプルロッド4を介して連結された作動腕3にその作動腕3を揺動させるように力が加わると、その力で作動腕3と駆動腕1aとの間に働く引張力をプッシュプルロッド4の感圧センサ4aが圧縮力として検出し、コントローラ5が、そのプッシュプルロッド4の感圧センサ4aが検出した力の大きさに対し図11や図12に示すような関係にある目標位置に駆動腕1aが位置するように、アクチュエータ1の電動モータ1bを正転、逆転あるいは停止させる。
【0045】
従って、この第2実施例の仮想ばねシステムによれば、作動腕3を揺動させるように力が加わると作動腕3を、駆動腕1aひいてはそれに連結された作動腕の位置に応じた所定の力で引き戻すように電動式アクチュエータ1を作動させるので、変位と力との関係に線形あるいは非線形等の任意の変化特性を持つ仮想ばねとして機能することができ、しかも先の第1実施例と同様、安価に仮想ばねシステムを構成することができる。
【0046】
また、例えば図11に示すように、力Xがゼロの時に位置Yがゼロでないようにすることで、ゼロでない任意の駆動腕1aの位置に対応する作動腕3の位置を、作動腕3に力がかかっていない場合の原点位置に設定することができる。
【0047】
さらに、例えば支持軸2で支持して垂下させた作動腕3が相当重い場合や、その垂下させた作動腕3を例えば水平近くまで大きく回動させるような場合には、作動腕3に景品等から外力が加わっていなくても作動腕3の自重によるトルクをプッシュプルロッド4の感圧センサ4aが圧縮力として検出することになるが、そのような場合でも、この第2実施例の仮想ばねシステムによれば、例えば駆動腕1aひいてはそれに連結された作動腕3の垂下位置からの回動角度の増大に応じて、設定する力の大きさを減少させることにより、作動腕3の回動角度にかかわらず一定の大きさの力で作動腕3を回動方向に支持することもできる。
【0048】
図13は、この第2実施例の仮想ばねシステムを適用し得るアミューズメント機器の一例で、ゲームセンター等に設置され、コインを入れると遊戯者のレバー操作等に応じて移動する作動腕3の先端部で、スロープSを転がってくる景品Pを止めて図示しない景品排出口へ運ぶことで遊戯者にその景品Pを入手させるアミューズメント機器の要部を示す正面図であり、ここではスロープSの上方に設けられた図示しない基部に、水平な支持軸2を介して被駆動部材としての作動腕3をスロープSの前後方向(図では左右方向)へ揺動可能に結合して支持するとともに、位置センサ1mを有する電動式アクチュエータ1を固定支持し、その電動式アクチュエータ1の駆動腕1aと作動腕3とをプッシュプルロッド4で連結し、そのプッシュプルロッド4の感圧センサ4aの出力信号と位置センサ1mの出力信号とに基づき、図示しないコントローラ5で電動式アクチュエータ1の作動を制御するようにしている。
【0049】
かかるアミューズメント機器の作動腕3の支持に適用されたこの第2実施例の仮想ばねシステムによれば、景品Pが重過ぎたり、転がってくる勢いが大きすぎたりして作動腕3からの反力と力設定とにより定まる目標位置が後退すると、その目標位置へ向かうよう図中仮想線で示すように作動腕3が後方へ揺動して、作動腕3から景品Pを逃がすことができ、しかもそのように逃がさない景品Pの条件を、メモリ等の力設定を変更するだけで容易に、任意にかつ瞬時に変えることができる。また作動腕3の揺動速度も、コントローラ5で容易に任意に設定することができる。
【0050】
図14は、この第2実施例の仮想ばねシステムの一変形例および、それを適用し得るアミューズメント機器の一例で、ゲームセンター等に設置され、コインを入れると遊戯者のレバー操作等に応じて移動する作動腕3で、案内板Gに沿ってベルトコンベヤ上を矢印で示すように搬送されている図示しない景品を止めて図示しない景品排出口へ運ぶことで遊戯者にその景品を入手させるアミューズメント機器の要部を示す平面図であり、この変形例の仮想ばねシステムは、先の第2実施例の仮想ばねシステムの電動式アクチュエータ1の電動モータ1bのモータ出力軸1cに結合されて駆動腕1aの回動位置を検出するロータリエンコーダからなる位置センサ1mに代えて、第1実施例におけると同様の電動式アクチュエータ1の電動モータ1bのモータ出力軸1cに平行な向きに支持されるとともに、そのモータ出力軸1cに固定されたピニオン1dと噛合する被駆動ギヤ1fを固定された中間軸1eが延長されて、その中間軸1eの延長部分にポテンショメータからなる位置センサ1nが結合されている点でのみ、先の第2実施例の仮想ばねシステムと異なっており、その他の部分は先の第2実施例と同様の構成を具えている。
【0051】
上記アミューズメント機器の作動腕3の支持に適用されたかかる第2実施例の変形例の仮想ばねシステムによっても第2実施例の仮想ばねシステムと同様、景品が重過ぎたり、当たる位置が作動腕3の先端に近すぎたりして作動腕3からの反力と力設定とにより定まる目標位置が後退すると、その目標位置へ向かうよう図中仮想線で示すように作動腕3が後方へ揺動して、作動腕3から景品を逃がすことができ、しかもそのように逃がさない景品や作動腕3の条件を、メモリ等の力設定を変更するだけで容易に、任意にかつ瞬時に変えることができる。
【0052】
図15(a)は、前述した第1実施例の仮想ばねシステムをドアクローザに適用した適用例を示す正面図、図15(b)は、図15(a)の要部を拡大して示す正面図、図16は、その適用例のドアクローザを示す平面図であり、図中符号7はドア枠、8は蝶番、9はその蝶番8でドア枠7に揺動可能に結合されて支持された基部としてのドアを示す。
【0053】
この適用例では、ドア9に第1実施例の仮想ばねシステムの電動式アクチュエータ1を固設するとともに、ドア枠7に被駆動部材としての支持具10を固設して、電動式アクチュエータ1の駆動腕1aと支持具10とをプッシュプルロッド4で連結し、そのプッシュプルロッド4の感圧センサ4aの出力信号に基づき、図示しないコントローラ5で電動式アクチュエータ1の作動を制御するようにしている。
【0054】
かかるドアクローザにあっては、ドア9を例えば手で押しあるいは引いて、図16に仮想線で示すようにドア9を開こうとすると、電動式アクチュエータ1の駆動腕1aが支持具10によりプッシュプルロッド4を介して引っ張られて、そのプッシュプルロッド4の感圧センサ4aの出力信号に基づきプッシュプルロッド4に加わる引張力が所定値になるように前記コントローラ5が電動式アクチュエータ1を駆動するので、プッシュプルロッド4の引張力の所定値に対応するドア開き抵抗力になるように電動式アクチュエータ1の駆動腕1aが回動して相対的に見れば支持具10を駆動しながらドア9が開き、その後ドア9を押すあるいは引くのを止めると、プッシュプルロッド4の感圧センサ4aの出力信号がプッシュプルロッド4に加わる引張力を示さなくなるので、電動式アクチュエータ1の駆動腕1aがドア9を閉じる方向に回動して相対的に見れば支持具10を駆動し、これによりドア9がドア枠7に当たって、プッシュプルロッド4に加わる引張力が所定値まで上昇すると、電動式アクチュエータ1は停止する。
【0055】
従って、この第1実施例の仮想ばねシステムによれば、上述の如きドアクローザにドア9を閉じる方向へ引っ張る機械式ばねの代わりに適用し得てその機械式ばねと同様に機能させることができ、しかもドア9を閉じる方向へ引っ張る引張力すなわちドア9を開く際の抵抗力の大きさを、例えば車椅子に乗った人でも容易に押し開きできる等のように、メモリ等の力設定値を変更するだけで容易に、任意にかつ瞬時に変えることができる。またドア9の開閉速度も、例えば開く際と閉じる際で異ならせ、閉じる際はゆっくり閉じさせる等、コントローラ5で容易に任意に設定することができる。
【0056】
以上、図示例に基づき説明したが、この発明は上述の例に限定されるものでなく、例えば、図15,16に示すドアクローザに上記第2実施例の仮想ばねシステムを適用して、ドア9が閉じる際に通常は速いが閉じ終わる直前で閉じる速度を遅くするように制御する等、上記第2実施例の仮想ばねシステムで、位置センサの出力信号に応じて被駆動部材の反力制御だけでなく位置および速度制御を行っても良い。
【0057】
そしてこの発明の仮想ばねシステムは、上述の例以外にも、例えばリハビリテーション機器やトレーニングマシンの負荷機構等の、ばねの特性を容易に変化させ得ることが望ましい機構に適用し得て、上述したと同様の作用効果をもたらすことができる。
【産業上の利用可能性】
【0058】
かくしてこの発明の仮想ばねシステムによれば、ばねとして機能し得る仮想ばねシステムを安価に構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】(a)は、この発明の仮想ばねシステムの第1実施例の内部を示す断面図、(b)は、その第1実施例の仮想ばねシステムの外観を示す正面図である。
【図2】(a),(b)は、上記第1実施例の仮想ばねシステムで使用している感圧センサを示す側面図および正面図である。
【図3】上記第1実施例の仮想ばねシステムの制御系を示すブロック線図である。
【図4】上記第1実施例の仮想ばねシステムの制御系のマイクロコンピュータが実行する処理を示すフローチャートである。
【図5】上記第1実施例の仮想ばねシステムの電動式アクチュエータの出力部材の位置と感圧センサが検出した力の大きさとの関係を示す関係線図である。
【図6】上記第1実施例の仮想ばねシステムの一適用例としてのアミューズメント機器の要部を示す正面図である。
【図7】上記第1実施例の仮想ばねシステムの他の一適用例としてのアミューズメント機器の要部を示す正面図である。
【図8】この発明の仮想ばねシステムの第2実施例の外観を示す正面図である。
【図9】上記第2実施例の仮想ばねシステムの制御系を示すブロック線図である。
【図10】上記第2実施例の仮想ばねシステムの制御系のマイクロコンピュータが実行する処理を示すフローチャートである。
【図11】上記第2実施例の仮想ばねシステムの電動式アクチュエータの出力部材の位置と感圧センサが検出した力の大きさとの関係の一例を示す関係線図である。
【図12】上記第2実施例の仮想ばねシステムの電動式アクチュエータの出力部材の位置と感圧センサが検出した力の大きさとの関係の他の一例を示すマトリックスの説明図である。
【図13】上記第2実施例の仮想ばねシステムの一適用例としてのアミューズメント機器の要部を示す正面図である。
【図14】上記第2実施例の仮想ばねシステムの一変形例の一適用例としてのアミューズメント機器の要部を示す平面図である。
【図15】(a)は、上記第1実施例の仮想ばねシステムをドアクローザに適用した適用例を示す正面図、(b)は、その(a)の要部を拡大して示す正面図である。
【図16】上記適用例のドアクローザを示す平面図である。
【符号の説明】
【0060】
1 電動式アクチュエータ
1a 駆動腕
1b 電動モータ
1c モータ出力軸
1d ピニオン
1e 中間軸
1f 被駆動ギヤ
1g ウオーム
1h 出力軸
1i ウオームギヤ
1m,1n 位置センサ
2 支持軸
3 作動腕
3a 皿
4 プッシュプルロッド
4a 感圧センサ
4b ピロボールジョイント
4c ガイドロッド
4d ピンジョイント
4e スライダ
4f 軸状部
4g 押圧部
4h ワッシャ
4i ダンパ部材
4j ナイロンナット
4k 圧縮スプリング
4l カラー
5 コントローラ
5a マイクロコンピュータ
5b ドライバ
6 ストッパ
7 ドア枠
8 蝶番
9 ドア
10 支持具
C コイン
G 案内板
P 景品
T 台
S スロープ
W 壁面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基部に支持された電動式アクチュエータと、
前記基部に揺動可能に結合された被駆動部材にその電動式アクチュエータの出力部材を連結するとともに、それら被駆動部材と出力部材との間に働く引張力または圧縮力を検出する連結・力検出手段と、
その連結・力検出手段が検出した力の大きさに基づき前記電動式アクチュエータの作動を制御するアクチュエータ制御手段と、を具え、
前記連結・力検出手段が、
前記被駆動部材と出力部材との一方に連結された案内部材と、
前記被駆動部材と出力部材との他方に連結されるとともに前記案内部材と摺動可能に嵌まり合ったスライド部材と、
前記案内部材とスライド部材との間で挟圧されて圧縮力を検出する感圧センサと、を有してなる、仮想ばねシステム。
【請求項2】
前記スライド部材は筒状をなし、
前記案内部材は、前記スライド部材の孔内に挿通された軸状部と、その軸状部より大きい押圧部とを持ち、
前記感圧センサは、リング状に形成されてその孔内に前記案内部材の軸状部を挿通され、前記案内部材の押圧部と前記スライド部材との間で挟圧されることを特徴とする、請求項1記載の仮想ばねシステム。
【請求項3】
前記連結・力検出手段は、前記案内部材とスライド部材との間に前記感圧センサと直列に介挿されたダンパ部材を有することを特徴とする、請求項1または2記載の仮想ばねシステム。
【請求項4】
前記連結・力検出手段は、前記スライド部材に対し前記感圧センサと反対の側にてそのスライド部材と前記案内部材との間に介挿されてその案内部材を附勢し、前記感圧センサにバイアス力を与える弾性部材を有することを特徴とする、請求項1から3までの何れか記載の仮想ばねシステム。
【請求項5】
前記電動式アクチュエータは、電動モータで駆動されて前記出力部材を回動させるウオーム歯車組を有することを特徴とする、請求項1から4までの何れか記載の仮想ばねシステム。
【請求項6】
前記電動式アクチュエータの出力部材の位置を検出する位置センサを具え、
前記アクチュエータ制御手段は、前記連結・力検出手段が検出した力の大きさと前記位置センサが検出した出力部材の位置とに基づき前記電動式アクチュエータの作動を制御することを特徴とする、請求項1から5までの何れか記載の仮想ばねシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2006−68833(P2006−68833A)
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−252492(P2004−252492)
【出願日】平成16年8月31日(2004.8.31)
【出願人】(591210600)川田工業株式会社 (57)
【Fターム(参考)】