説明

作業車両

【課題】作業効率性と作業の均一化に優れた旋回を行う作業車両を提供する。
【解決手段】直進方向を基準として、前記操向ハンドル7の回動角度を検出する角度検知手段51と、作業速度と旋回速度の制御の開始および/または終了の基準となる前記操向ハンドル7の回動角度の閾値Aを設定する角度閾値設定手段61と、前記回動角度の閾値A以上に前記操向ハンドル7が位置する場合の設定旋回車速Vを設定する旋回車速設定手段62と、前記油圧式無段変速装置23の変速アクチュエータ24と、制御手段81とを備え、前記制御手段81は、前記角度検知手段51による検出値が前記回動角度の閾値A以上になると、前記設定旋回車速Vとなるように前記変速アクチュエータ24を作動させ、前記角度検知手段51による検出値が前記回動角度の閾値A未満の場合、前記作業速度になるよう前記変速アクチュエータ24を制御するように構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業車両の車速制御の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のトラクタ等の作業車両は、車体後部に所望の作業を行う作業機を連結して、圃場を走行しながら作業を行う。その為、オペレータは作業を確認し各種操作をしながら、作業車両を走行させなくてはならない。
また、作業車両は圃場端に至ると、旋回するために作業機は作業させずに、方向転換(旋回)する。
【0003】
特許文献1に示す作業車両は、操向ハンドルの切り角検出結果によって、車速を減速させる切換手段を備えている。耕耘装置(作業機)は、圃場の枕地に乗用トラクタが到達した際に、操向ハンドルによって旋回操作を行うことにより、操向ハンドルの旋回操作をセンサが検出し、切換手段によって乗用トラクタの車速を自動的に減速させる。
つまり、往復走行による耕耘作業を行う圃場枕地での方向転換時、ハンドルの切り角(回転角度)が設定回転以上となると、作業機を上昇させて車速を減少させるようにして、方向転換毎に略同一タイミングで乗用トラクタの車速が減速され、高速耕耘作業での方向転換操作の簡略化並びに枕地耕耘処理の簡略化などを容易に行い得る。
しかし、高速耕耘作業の場合には有効であっても、作業速度は作業種類、オペレータの能力や好み等によって異なる。
また通常、溝堀作業、耕耘作業等の作業速度が遅い作業では、作業速度よりも旋回速度を速くして、旋回を素早く行ったほうが効率が良い。また、ロールベーラー作業、施肥作業、モア等の作業速度が速い作業では、作業速度よりも旋回速度を遅くしたほうが、安定した旋回を行うことができる。
【0004】
つまり、各種作業を行う作業車両において、枕地等での旋回時に、所望の旋回速度を得るためには、一般的な作業車両と同様に、特定の所作を行わなくてはならなくなり、非効率的であるという問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−225004号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、旋回時における特定の所作を軽減するとともに、容易に所望の旋回速度および/またはエンジン回転数を設定し制御することができる作業効率性と作業の均一化に優れた旋回を行う作業車両を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0008】
即ち、請求項1においては、エンジンと、前記エンジンが発生する回転動力を変速して駆動輪へ伝達する油圧式無段変速装置と、旋回操作を行う操向ハンドルと、を備える作業車両であって、直進方向を基準として、前記操向ハンドルの回動角度を検出する角度検知手段と、作業速度と旋回速度の制御の開始および/または終了する前記操向ハンドルの回動角度の閾値を設定する角度閾値設定手段と、前記回動角度の閾値以上に前記操向ハンドルを回動した時の設定旋回車速を設定する旋回車速設定手段と、前記油圧式無段変速装置の変速アクチュエータと、制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記角度検知手段による検出値が前記回動角度の閾値以上になると、前記設定旋回車速となるように前記変速アクチュエータを作動させ、前記角度検知手段による検出値が前記回動角度の閾値未満の場合、前記作業速度になるよう前記変速アクチュエータを制御するものである。
【0009】
請求項2においては、前記回動角度の閾値以上に前記操向ハンドルを回動した時の設定エンジン回転数を設定する回転数設定手段と、前記エンジンの回転数を調整する回転数変更アクチュエータと、を備え、前記制御手段に、前記回転数変更アクチュエータと前記回転数設定手段を接続し、前記制御手段は、前記操向ハンドルが前記回動角度の閾値以上に回動されると、回転数変更アクチュエータを設定エンジン回転数となるように制御するものである。
【0010】
請求項3においては、前記操向ハンドルの回動速度の閾値を設定する回動速度閾値設定手段を備え、前記制御手段は、前記回動速度設定手段と接続し、前記角度検知手段による検出値より操向ハンドルの回動速度を算出し、操向ハンドルの回動速度が閾値未満であると、前記旋回車速を作業車速となるように制御し、操向ハンドルの回動速度が閾値以上となると、前記旋回車速となるように制御するものである。
【0011】
請求項4においては、前記制御手段は、前記操向ハンドルの回動速度が閾値未満であると、前記エンジン回転数を作業時のエンジン回転数となるように制御し、前記操向ハンドルの回動速度が閾値以上となると、前記エンジン回転数を前記設定エンジン回転数となるように制御するものである。
【0012】
請求項5においては、前記旋回車速設定手段によって、前記設定旋回車速を方向転換車速と、回避旋回車速とを設定し、前記操向ハンドルの回動速度の閾値を設定する回動速度閾値設定手段と、を備え、前記制御手段は、前記回動速度設定手段と接続し、前記角度検知手段による検出値より操向ハンドルの回動速度を算出し、前記操向ハンドルの回動速度が閾値以上、且つ前記操向ハンドルの回動角度が閾値以上であると、前記旋回車速を方向転換車速となるように制御し、前記操向ハンドルの回動速度が閾値未満、且つ前記操向ハンドルの回動角度が閾値以上であると、前記旋回車速を回避旋回車速となるように制御するものである。
【0013】
請求項6においては、前記回動角度の閾値以上に前記操向ハンドルが位置する場合の設定エンジン回転数を設定する回転数設定手段と、を備え、前記回転数設定手段によって、前記設定旋回回転数を設定し、前記制御手段は、前記操向ハンドルの回動速度が閾値未満であると、前記エンジン回転数を作業時のエンジン回転数となるように制御し、前記操向ハンドルの回動速度が閾値以上となると、前記エンジン回転数を前記設定旋回回転数となるように制御するものである。
【0014】
請求項7においては、前記角度閾値設定手段により設定された設定回動角度を直進から旋回、旋回から直進で変更可能とするものである。
【0015】
請求項8においては、前記制御手段は、車速が特定車速以上のとき、前記変速アクチュエータおよび前記回転数変更アクチュエータの制御を行わないものである。
【0016】
請求項9においては、前記変速アクチュエータおよび前記回転数変更アクチュエータの制御を行うか否かの設定を行うモード変更手段を備えるものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0018】
請求項1においては、作業車両が旋回時に作業車速と異なる車速にすることにより、特別な変速操作を行わずに、作業効率の良い旋回を行うことができる。旋回終了時の作業車速への再現性を保つことができ、作業の均一化が可能である。
【0019】
請求項2においては、エンジン回転数を制御することで、無駄な回転を抑え、燃費の向上に繋がる。また、エンジン回転数を落としても車速は落とさないように制御することで、作業効率が確保される。
【0020】
請求項3においては、操作ハンドルの回動速度が遅い回避旋回では、車速制御を実行せずに、不用意な速度変更を防止するとともに、枕地等での方向転換旋回では、車速制御を実行することで効率的な旋回を行うことができる。
【0021】
請求項4においては、操作ハンドルの回動速度が遅い回避旋回では、エンジン回転数の制御を実行せずに、不用意なエンジン回転数の変更を防止するとともに、枕地等での方向転換旋回では、エンジン回転数の制御を実行することで効率的な旋回を行うことができる。
【0022】
請求項5においては、操向ハンドルの回動速度におよび回動角度に応じて、旋回速度が異なるため、作業旋回時に小回りや大回りをする場合等、効率的な旋回を行うことができる。
【0023】
請求項6においては、操向ハンドルの回動速度におよび回動角度に応じて、エンジン回転数が異なるため、作業旋回時に小回りや大回りをする場合等、効率的な旋回を行うことができる。
【0024】
請求項7においては、直進から旋回時、旋回時から直進時で、的確な閾値を設定すれば、作業の仕上がりが向上し、作業のやり直しの手間が省け、作業効率が良い。
【0025】
請求項8においては、直進車速が高速時には、制御を行わないことで、旋回開始時に急減速することがなく、旋回後に直進走行する時に急加速することもなく安全性を確保できる。
【0026】
請求項9においては、オペレータの意思で車速および/またはエンジン回転数の増減を行う時に、所望のモードを容易に変更することが可能となり、操作が簡単に行える。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の第一実施例および第三実施例に係る制御ブロック回路を示した図。
【図2】本発明の第一実施例に係る制御フローチャートを示した図。
【図3】本発明の第二実施例に係る制御ブロック回路を示した図。
【図4】同じく制御フローチャートを示した図。
【図5】車速およびエンジン回転数制御を示した図。
【図6】車速およびエンジン回転数制御の閾値変更を示した図。
【図7】本発明の第三実施例に係る制御フローチャートを示した図。
【図8】本発明の実施形態に係る作業車両を示した側面図。
【発明を実施するための形態】
【0028】
次に、本発明の実施形態に係る作業車両100の全体構成について、図8を用いて説明する。
作業車両100は、機体の両側前部に支承される前輪1・1と、機体の両側後部に支承される後輪2・2とを備える。
さらに、機体前部のボンネット6内部には原動機となるエンジン21を配置し、該ボンネット6の後方にはキャビン9を配置している。キャビン9内の前部には、操向ハンドル7を設け、該操向ハンドル7の前方には表示パネル5を配置し、操向ハンドル7の後方には座席8を配置している。また、座席8の側部には主変速レバー3、副変速レバー4などが突設され、操向ハンドル7のハンドルコラム側部に前後進切換レバーが配置されている。
そして、前記座席8前下方のステップ上にはブレーキペダルや主クラッチペダルやデフロックペダル等が配設されている。
【0029】
また、図1、図8に示すように、エンジン21の後部には伝動ハウジングを配置し、該伝動ハウジング後部には、油圧式無段変速装置23を収納したミッションケース11を配置し、エンジン21からの動力を変速した後に後輪2・2に伝達して駆動し、四輪駆動切換機構を介して前輪1・1にも同時に駆動力を伝達することを可能としている。
さらに、エンジン21の駆動力はミッションケース11後端から突出したPTО軸12に伝達されて、該PTО軸12から図示しないユニバーサルジョイント等を介して機体後端に作業機装着装置を介して装着した作業機を駆動するように構成している。
【0030】
さらに、本発明の第一実施例に係る旋回制御装置50について、図1、図2および図8を用いて説明する。
以下の説明において、「作業走行」は、直進方向の走行を意味する。
旋回制御装置50は、主として角度検知手段51、車速検知手段52、回転数検知手段53、角度閾値設定手段61、旋回車速設定手段62、回転数設定手段63、モード変更手段71、制御手段81を備える。
旋回制御装置50は、主として操向ハンドル7の回転角度を検知した値に基づいて、旋回走行時での車速およびエンジン回転数を制御する。
【0031】
角度検知手段51は、操向ハンドル7の回動角度を検出する手段であり、ポテンショメータやロータリエンコーダ等を用いて、直進走行を基準とした操向ハンドル7の回動角度を検知する。
【0032】
車速検知手段52は、作業車両100の走行車速を検知するための手段であり、回転数センサ等を用いて後輪2の車軸の回転数等を検知して車速を算出する。
【0033】
回転数検知手段53は、エンジン回転数を検知するための手段であり、磁気ピックアップ式のセンサや、ロータリエンコーダ等を用いて、エンジン21近傍のフライホイール(図示省略)の回転数を検出するものである。
【0034】
角度閾値設定手段61は、車速およびエンジン回転数の旋回制御を開始する時、および、旋回制御を終了する時の操向ハンドル7の回転角度の閾値(以下単に回動角度閾値とする)を任意に設定できる手段である。角度閾値設定手段61は、回動操作することにより調節可能なダイヤル式のスイッチ等で構成する。但し、旋回制御を開始する時の操向ハンドル7の回転角度と、旋回制御を終了する時の操向ハンドル7の回転角度を別々に設定することも可能であり、複数種類の設定角度を設定可能とする。
【0035】
旋回車速設定手段62は、旋回時における車速を任意に設定する手段である。旋回車速設定手段62は、回動操作することにより調節可能なダイヤル式のスイッチ等で構成する。
【0036】
回転数設定手段63は、旋回時におけるエンジン回転数を任意に設定する手段である。回転数設定手段63は、回動操作することにより調節可能なダイヤル式のスイッチ等で構成する。
【0037】
モード変更手段71は、旋回制御を行うか否か、つまり、旋回時に設定車速とする制御、および/または、旋回時に設定エンジン回転数にするか否かを設定する手段であり、スイッチやダイヤル等で構成する。モード変更手段71により制御を行うように操作した(制御「入」)場合、キャビン9内に設けた表示パネル5の制御モードが点灯して表示され、モード変更手段71により制御を行わない(制御「切」)場合、表示パネル5の表示は消灯する。
【0038】
油圧式無段変速装置23は、可変容量型の油圧ポンプと固定または可変容量型の油圧モーターを備え、油圧ポンプまたは油圧モーターの斜板の角度を変速アクチュエータ24により変位して、出力回転を変更して変速する装置である。変速アクチュエータ24は、モーターまたはソレノイド等で構成して制御手段81に接続し、前記旋回車速設定手段62より設定された旋回車速に無段変速できるよう構成される。
【0039】
回転数変更アクチュエータ22は、エンジン回転数を制御する手段であり、燃料噴射装置の燃料噴射量等を変更してエンジン21の回転数を制御可能としている。また、前記回転数検知手段53からの検出値は、フィードバックして設定回転数となるように回転数変更アクチュエータ22を作動させる。
【0040】
制御手段81は、角度検知手段51、車速検知手段52、回転数検知手段53、角度閾値設定手段61、旋回車速設定手段62、回転数設定手段63、およびモード変更手段71とそれぞれ接続され、さらに、変速アクチュエータ24、回転数変更アクチュエータ22、および表示パネル5とそれぞれ接続される。制御手段81は、車速制御、エンジン回転数制御、表示パネル制御を行う。該制御手段81は、CPU(中央演算処理装置)や、ROM、RAM、HDD等の記憶装置がバスで接続される。
【0041】
本発明の第一実施例の旋回制御装置50における車速制御、エンジン回転数制御、および表示パネル制御について、前記作業車両100が、通常の耕耘作業(ロータリ作業)を行っている場合について説明する。
図1、図2において、運転状態がモード変更手段71によって、旋回制御モードつまり旋回制御装置50が「入」であるか否かを判断する(S1)。
【0042】
ステップS1にて、旋回制御モードに入っていない、つまり、モード変更手段71が「切」であれば、表示パネル5にはその旨(消灯)が表示される(S9)。この旋回制御が行われない時は、オペレータが主変速レバー3(副変速レバー4)やアクセルレバー等の操作に応じた速度となる。
【0043】
ステップS1において、旋回制御モード、つまり、モード変更手段71が「入」であれば、表示パネル5にその旨(点灯)が表示され、オペレータに旋回制御モードであることを認識させる(S2)。
【0044】
そして、旋回制御を開始および終了する操向ハンドル7の回動角度を設定する前記角度閾値設定手段61により設定された回動角度閾値Aと、旋回制御時の車速を設定する前記旋回車速設定手段62により設定された設定旋回車速Vと、旋回制御時のエンジン回転数を設定する前記回転数設定手段63により設定された設定エンジン回転数Xとを制御手段81が取得し記憶装置に記憶する(S3)。
【0045】
次に、車速検知手段52が直進車速つまり作業車速Vrを検出し、回転数検知手段53が直進時のエンジン回転数つまり作業エンジン回転数Xrを検出する。そして、制御手段81が作業車速Vrと作業エンジン回転数Xrを取得し記憶装置に記憶する(S4)。
【0046】
次に、前記角度検知手段51によって、直進方向を基準とした操向ハンドル7の回動角度Atが検出される。該回動角度Atが、ステップS3にて予め取得された回動角度閾値A以上であるか否かを判断する(S5)。前述の判断は、言い換えれば、旋回走行開始であるか否かの判断である。ここで旋回走行開始でなければ、そのままの作業車速Vrおよび作業エンジン回転数Xrで耕耘作業を続行する。
【0047】
ステップS5にて、旋回走行開始であると判断された場合、実際の車速およびエンジン回転数は、ステップS3にて取得した設定旋回車速Vおよび設定エンジン回転数Xに変更する(S6)。つまり、制御手段81は、設定旋回車速Vとなるように変速アクチュエータ24を介して油圧式無段変速装置23を制御し、設定エンジン回転数Xとなるように回転数変更アクチュエータ22を介してエンジン21を制御する。
【0048】
次に、操向ハンドル7の実際の回動角度Atが、ステップS3にて予め取得された回動角度閾値A未満であるか否かを判断する(S7)。前述の判断は、言い換えれば、旋回走行終了であるか否かの判断である。ここで旋回走行終了でなければ、ステップS6で制御された設定旋回車速Vと設定エンジン回転数Xを続行する。
【0049】
ステップS7にて、旋回走行終了であると判断された場合、実際の車速とエンジン回転数は、ステップS4にて取得した作業車速Vrと作業エンジン回転数Xrに変更される(S8)。つまり、制御手段81は、作業車速Vrとなるように変速アクチュエータ24を介して油圧式無段変速装置23を制御し、作業エンジン回転数Xrとなるように回転数変更アクチュエータ22を介してエンジン21を制御する。
【0050】
こうして作業車両100は、操向ハンドル7の回動角度閾値Aを閾値として、旋回時には予め設定された設定旋回車速Vと設定エンジン回転数Xとで旋回走行を行い、直進時(作業時)には旋回前の作業車速Vrと作業エンジン回転数Xrで作業走行を行うように自動的に制御する。
【0051】
次に、図5を用いて、作業種類による旋回時の車速およびエンジン回転数の増減例を説明する。
前述のように、設定旋回車速V(km/h)、設定エンジン回転数X(rpm)をオペレータが設定する。
作業の種類を畦ぬり作業やトレンチャ作業等低速若しくは極低速で作業を行う場合は、図5の実線のように、旋回時に車速を増速し、エンジン回転数を低下させるように設定することで作業能率を向上することができる。つまり、作業車速Vrは旋回時において増速して設定旋回車速Vとなり、作業エンジン回転数Xrは下がり設定エンジン回転数Xとなる。
また、作業の種類をブラウ作業やモア作業等高速で作業を行う場合は、図5の一点鎖線のように、旋回時に車速を減速し、エンジン回転数を下げるように設定することで安定した旋回ができる。つまり、作業車速Vrは旋回時において減速して設定旋回車速Vとなり、作業エンジン回転数Xrは下がり設定エンジン回転数Xとなる。
【0052】
また、前述の旋回時においての車速およびエンジン回転数の両者を制御するようにしているが、限定するものでなく、車速もしくはエンジン回転数のどちらか一方を制御するように構成することも可能であり、モードを設定することもできる。
【0053】
次に、本発明の第一実施例を基本とした第二実施例について、図3、図4および図8を用いて説明する。また、第一実施例と共通なものに関しては同じ符号を付し、説明は省略する。
【0054】
作業車両100は、圃場を略直線方向に走行し(直進して)作業を行う。通常、作業車両100は、水路等の障害物または枕地に作業車両100が到達する前に、操向ハンドル7を回動させて旋回走行を行う。一般的なロータリ作業等の作業において、操向ハンドル7の回動速度は、障害物を避けたり、畦の曲がりに沿って操行したりする場合よりも、枕地での旋回や切り返し旋回等の回動速度が速くなる傾向にある。
この操向ハンドル7の回動速度の違いによって、異なる旋回速度および旋回エンジン回転数の制御を行える旋回制御装置250について以下に説明する。
また説明上、障害物を避けたり地形に沿って走行したりする時の操向ハンドル7の回動操作を「回避旋回」とし、枕地等でUターン走行したり、方向転換したりする時の操向ハンドル7の回動操作を「方向転換旋回」とする。
【0055】
第二実施例の旋回制御装置250は、制御手段81に接続した角度検知手段51の検出値を元に、制御手段81が操向ハンドル7の回動速度を演算するよう構成する。
また、制御手段81には、該回動速度閾値設定手段64を接続する。
【0056】
回動速度閾値設定手段64は、旋回制御モードを「回避旋回」と「方向転換旋回」に区別するための閾値である操向ハンドル7の回動速度閾値Tを設定する手段である。
回動速度閾値設定手段64は、回動操作することにより調節可能なダイヤル式のスイッチ等で構成する。
【0057】
以下に、操向ハンドル7の回動速度の違いによる旋回制御装置250の制御の流れを説明する。
【0058】
図3、図4において、運転状態がモード変更手段71によって、旋回制御モードつまり旋回制御装置250が「入」であるか否かを判断する(S1)。
【0059】
ステップS1にて、旋回制御モードに入っていない、つまり、モード変更手段71が「切」であれば、表示パネル5はその旨を表示しない(消灯したままである)(S9)。このときは、オペレータが主変速レバー3(副変速レバー4)やアクセルレバー等を操作して、設定した旋回車速、エンジン回転数で旋回する。
【0060】
ステップS1にて、旋回制御モード、つまり、モード変更手段71が「入」であれば、表示パネル5はその旨を表示(点灯)し、オペレータに旋回制御モードであることを認識させる(S2)。
【0061】
そして、前記角度閾値設定手段61により設定された回動角度閾値Aと、前記旋回車速設定手段62により設定された「方向転換旋回」時の第一設定旋回車速V1、「回避旋回」時の第二設定車速V2と、前記回転数設定手段63により設定された「方向転換旋回」時の第一設定エンジン回転数X1、「回避旋回」時の第二設定エンジン回転数X2と、回動速度閾値設定手段64により設定された回動速度閾値Tとを制御手段81が取得し記憶装置に記憶する(S23)。
【0062】
次に、車速検知手段52が直進車速つまり作業車速Vrを検知し、回転数検知手段53がエンジン回転数つまり作業エンジン回転数Xrを検出する。そして、制御手段81が作業車速Vrと作業エンジン回転数Xrを取得する(S4)。
【0063】
次に、前記角度検知手段51によって、直進方向を基準とした操向ハンドル7の回動角度Atが検出される。該回動角度Atが、ステップS23にて予め取得された回動角度閾値A以上であるか否かを判断する(S5)。前述の判断は、言い換えれば、旋回走行開始であるか否かの判断である。ここで旋回走行開始でなければ、そのままの作業車速Vrおよび作業エンジン回転数Xrで耕耘作業を続行する。
【0064】
次に、前記角度検知手段51によって検出された回動角度Atをもとに、制御手段81によって操向ハンドル7の実際のハンドル回動速度Ttが演算される。該ハンドル回動速度Ttが、ステップS23にて予め取得された回動速度閾値T以上であるか否かを判断する(S25)。前述の判断は、言い換えれば、実際のハンドル回動速度Ttが、回動速度閾値T以上であれば「方向転換旋回」、回動速度閾値T未満であれば「回避旋回」であるかの判断である。
【0065】
ステップS5にて、旋回制御開始であると判断されると、ステップS25において、実際のハンドル回動速度Ttが回動速度閾値T以上であれば、「方向転換旋回」であると判断して、ステップS23にて取得された第一設定旋回車速V1および第一設定エンジン回転数X1に変更する(S26−1)。つまり、制御手段81は、第一設定旋回車速V1となるように変速アクチュエータ24を介して油圧式無段変速装置23を制御し、第一設定エンジン回転数X1となるように回転数変更アクチュエータ22を介してエンジン21を制御する。
【0066】
次に、操向ハンドル7の実際の回動角度Atが、ステップS23にて予め取得された回動角度閾値A未満であるか否かを判断する(S27−1)。前述の判断は、言い換えれば、方向転換旋回終了であるか否かの判断である。ここで旋回走行終了でなければ、ステップS26−1で変更された第一設定旋回車速V1と第一設定エンジン回転数X1を続行する。
【0067】
ステップS27−1にて、方向転換旋回終了であると判断された場合、実際の車速とエンジン回転数が、S4にて取得した作業車速Vrと作業エンジン回転数Xrに変更される(S8)。つまり、制御手段81は、作業車速Vrとなるように変速アクチュエータ24を介して油圧式無段変速装置23を制御し、作業エンジン回転数Xrとなるように回転数変更アクチュエータ22を介してエンジン21を制御する。
【0068】
他方、ステップS25にて、実際のハンドル回動速度Ttが回動速度閾値T未満であり、回避旋回開始であると判断された場合、実際の車速およびエンジン回転数は、ステップS23にて取得された第二設定車速V2および第二設定エンジン回転数X2に変更する(S26−2)。つまり、制御手段81は、第二設定車速V2となるように変速アクチュエータ24を介して油圧式無段変速装置23を制御し、第二設定エンジン回転数X2となるように回転数変更アクチュエータ22を介してエンジン21を制御する。
【0069】
次に、操向ハンドル7の実際の回動角度Atが、ステップS23にて予め取得された回動角度閾値A未満であるか否かを判断する(S27−2)。前述の判断は、言い換えれば、回避旋回終了であるか否かの判断である。ここで旋回走行終了でなければ、ステップS26−2で変更された第二設定車速V2と第二設定エンジン回転数X2を続行する。
【0070】
ステップS27−2にて、回避旋回終了であると判断された場合、実際の車速とエンジン回転数が、S4にて取得した作業車速Vrと作業エンジン回転数Xrに変更される(S8)。つまり、制御手段81が、作業車速Vrとなるように変速アクチュエータ24を介して油圧式無段変速装置23を制御し、作業エンジン回転数Xrとなるように回転数変更アクチュエータ22を介してエンジン21を制御する。
なお、回避旋回の場合、車速は作業車速Vrと略同じかそれよりも遅くして慎重に旋回し、エンジン回転数は作業エンジン回転数Xrと略同じか、または、旋回により負荷がかかるので回転数を若干上げるほうが好ましい。また、「方向転換旋回」での第一設定旋回車速V1および第一設定エンジン回転数X1は前述の第一実施例と同じである。
また、枕地旋回(方向転換旋回)において、小回り旋回(回転半径が小さい)と大回り旋回(回転半径が大きい)があり、小回り旋回の場合には操向ハンドル7の回動速度は速く、大回り旋回の場合には操向ハンドル7の回動速度は遅くなる。この大回りの回動速度は、回避旋回の回動速度よりも速いので、その枕地旋回における小回りと大回りを判断する設定回動速度を設定して、前記第一設定旋回車速V1および第一設定エンジン回転数X1を更に二つの場合に設定することも可能である。
【0071】
こうして作業車両100は、操向ハンドル7の回動角度閾値Aを旋回制御の開始または終了の閾値として、加え、回動速度閾値Tを方向転換旋回または回避旋回の制御を行う閾値とする。方向転換旋回時には予め設定された第一設定旋回車速V1と第一設定エンジン回転数X1とで旋回走行を行い、回避旋回時には予め設定された第二設定車速V2と第二設定エンジン回転数X2とで旋回走行を行う。また、直進時(作業時)には旋回前の作業車速Vrと作業エンジン回転数Xrで作業走行を行うように自動的に制御する。
【0072】
また、回避旋回時において、実際には制御を行わないように構成することも可能である。つまり、回避旋回は作業を行いながら大きな旋回を行うものなので、作業時と同じ速度およびエンジン回転数とするのであり、前述した第二設定車速V2および第二設定エンジン回転数X2を、ステップS4における作業車速Vrおよび作業エンジン回転数Xrの数値となるように、制御手段81が制御する。
【0073】
また、旋回時においての車速およびエンジン回転数の両者を制御するようにしているが、限定するものでなく、車速もしくはエンジン回転数の一方を制御するように構成することも可能である。
【0074】
次に、本発明の第一実施例を基本とした第三実施例について、図1、図7および図8を用いて説明する。また、第一実施例と共通なものに関しては同じ符号を付し、説明は省略する。
【0075】
一般的に、作業車両100の車速は、作業車速を終える時の操向ハンドル7の回動角度と、作業車速を始める時の操向ハンドル7の回動角度とで異なることが多いので、前記角度閾値設定手段61は、直進から旋回時、旋回時から直進時で前記角度検知手段51の閾値(回動角度閾値A)をそれぞれに設定することも可能である。
つまり、枕地に至り操向ハンドル7を大きく回動してから機体が旋回するので、作業車速Vrを終える時の操向ハンドル7の回動角度閾値Aは大きく設定し、枕地での旋回を終了して作業を開始するときは、機体を直進方向に向けて(隣接条と略平行となって)から行うので、設定旋回車速Vを終える時の操向ハンドル7の回動角度閾値Aは小さく(略直進の状態)するほうが好ましい。そこで、前記角度閾値設定手段61には、直進から旋回に対応する第一回動角度閾値A1と、旋回から直進に対応する第二回動角度閾値A2を設定する。
【0076】
例えば、ロータリ作業の作業車両100において、作業走行から旋回走行へとハンドルを切る場合では、操向ハンドル7を一旦右へ回動し第一回動角度閾値A1以上に回動させる。そして、旋回走行から作業走行へと操向ハンドル7を戻す場合では、操向ハンドル7を左へ回動させ第二回動角度閾値A2に至った時点で、作業車速Vrおよび作業エンジン回転数Xrにする(図6参照)。
【0077】
本発明の第三実施例の旋回制御装置350における車速制御、エンジン回転数制御、およびメータ点灯制御について、図1、図7より説明する。
前記作業車両100は、通常の耕耘作業(ロータリ作業)を行っているとする。
ここで、運転状態がモード変更手段71によって、旋回制御モードつまり旋回制御装置50が「入」であるか否かを判断する(S1)。
【0078】
ステップS1にて、旋回制御モードに入っていない、つまり、モード変更手段71が「切」であれば、表示パネル5は消灯したままであり(S9)、オペレータが主変速レバー3(副変速レバー4)やアクセルレバー等の操作によって設定した、旋回車速、エンジン回転数で旋回を行う。
【0079】
ステップS1にて、旋回制御モード、つまり、モード変更手段71が「入」であれば、表示パネル5は点灯し、オペレータに旋回制御モードであることを知らせる(S2)。
【0080】
そして、前記角度閾値設定手段61により設定された第一回動角度閾値A1および第二回動角度閾値A2と、前記旋回車速設定手段62により設定された設定旋回車速Vと、前記回転数設定手段63により設定された設定エンジン回転数Xとを制御手段81が取得し記憶装置に記憶する(S33)。
【0081】
次に、車速検知手段52が直進車速つまり作業車速Vrを、回転数検知手段53が直進エンジン回転数つまり作業エンジン回転数Xrを検出する。そして、制御手段81が作業車速Vrと作業エンジン回転数Xrを取得する(S4)。
【0082】
次に、前記角度検知手段51によって、直進方向を基準とした操向ハンドル7の回動角度Atが検出される。該回動角度Atが、ステップS3にて予め取得された第一回動角度閾値A1以上であるか否かを判断する(S35)。前述の判断は、言い換えれば、旋回走行開始であるか否かの判断である。ここで旋回走行開始でなければ、そのままの作業車速Vrおよび作業エンジン回転数Xrで耕耘作業を続行する。
【0083】
ステップS5にて、旋回走行開始であると判断された場合、実際の車速およびエンジン回転数は、ステップS3にて取得した設定旋回車速Vおよび設定エンジン回転数Xに変更する(S6)。つまり、制御手段81は、設定旋回車速Vとなるように変速アクチュエータ24を介して油圧式無段変速装置23を制御し、設定エンジン回転数Xとなるように回転数変更アクチュエータ22を介してエンジン21を制御する。
【0084】
次に、操向ハンドル7の実際の回動角度Atが、ステップS3にて予め取得された第二回動角度閾値A2未満であるか否かを判断する(S37)。前述の判断は、言い換えれば、旋回走行終了であるか否かの判断である。ここで旋回走行終了でなければ、ステップS6で制御された設定旋回車速Vと設定エンジン回転数Xを続行する。
【0085】
ステップS7にて、旋回走行終了であると判断された場合、実際の車速とエンジン回転数は、ステップS4にて取得した作業車速Vrと作業エンジン回転数Xrに変更される(S8)。つまり、制御手段81は、作業車速Vrとなるように変速アクチュエータ24を介して油圧式無段変速装置23を制御し、作業エンジン回転数Xrとなるように回転数変更アクチュエータ22を介してエンジン21を制御する。
【0086】
こうして作業車両100は、操向ハンドル7の閾値(第一回動角度閾値A1、第二回動角度閾値A2)の違いによって、直進から旋回および旋回から直進で、車速およびエンジン回転数の制御を異なる回動角度で行うことができる。
【0087】
前述した、旋回制御装置50・250・350を基本とした、別実施例を図1、図2を用いて以下に記載する。
作業車速Vr、または、走行速度がある特定の車速(設定車速)よりも速い場合には、前述の車速制御およびエンジン回転数制御を行わない(制御手段81が、変速アクチュエータ24および回転数変更アクチュエータ22の制御を行わない)ように構成することもできる。このように構成することで、本機や作業機に負担がかからず、オペレータが所望する旋回ができ、安定した旋回が可能となる。
【符号の説明】
【0088】
7 操向ハンドル
21 エンジン
22 回転数変更アクチュエータ
23 油圧式無段変速装置
24 変速アクチュエータ
51 角度検知手段
61 角度閾値設定手段
62 旋回車速設定手段
63 回転数設定手段
64 回動速度設定手段
81 制御手段
100 作業車両
T 回動速度閾値
V 設定旋回車速
V1 第一設定旋回車速
V2 第二設定旋回速度
X 設定エンジン回転数
X1 第一設定エンジン回転数
X2 第二設定エンジン回転数

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンと、
前記エンジンが発生する回転動力を変速して駆動輪へ伝達する油圧式無段変速装置と、
旋回操作を行う操向ハンドルと、を備える作業車両であって、
直進方向を基準として、前記操向ハンドルの回動角度を検出する角度検知手段と、
作業速度と旋回速度の制御の開始および/または終了する前記操向ハンドルの回動角度の閾値を設定する角度閾値設定手段と、
前記回動角度の閾値以上に前記操向ハンドルを回動した時の設定旋回車速を設定する旋回車速設定手段と、
前記油圧式無段変速装置の変速アクチュエータと、
制御手段と、を備え、
前記制御手段は、前記角度検知手段による検出値が前記回動角度の閾値以上になると、前記設定旋回車速となるように前記変速アクチュエータを作動させ、前記角度検知手段による検出値が前記回動角度の閾値未満の場合、前記作業速度になるよう前記変速アクチュエータを制御することを特徴とする作業車両。
【請求項2】
前記回動角度の閾値以上に前記操向ハンドルを回動した時の設定エンジン回転数を設定する回転数設定手段と、
前記エンジンの回転数を調整する回転数変更アクチュエータと、を備え、
前記制御手段に、前記回転数変更アクチュエータと前記回転数設定手段を接続し、
前記制御手段は、前記操向ハンドルが前記回動角度の閾値以上に回動されると、回転数変更アクチュエータを設定エンジン回転数となるように制御することを特徴とする請求項1に記載の作業車両。
【請求項3】
前記操向ハンドルの回動速度の閾値を設定する回動速度閾値設定手段を備え、
前記制御手段は、前記回動速度設定手段と接続し、
前記角度検知手段による検出値より操向ハンドルの回動速度を算出し、
操向ハンドルの回動速度が閾値未満であると、前記旋回車速を作業車速となるように制御し、
操向ハンドルの回動速度が閾値以上となると、前記旋回車速となるように制御することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の作業車両。
【請求項4】
前記制御手段は、
前記操向ハンドルの回動速度が閾値未満であると、前記エンジン回転数を作業時のエンジン回転数となるように制御し、
前記操向ハンドルの回動速度が閾値以上となると、前記エンジン回転数を前記設定エンジン回転数となるように制御することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の作業車両。
【請求項5】
前記旋回車速設定手段によって、前記設定旋回車速を方向転換車速と、回避旋回車速とを設定し、
前記操向ハンドルの回動速度の閾値を設定する回動速度閾値設定手段と、を備え、
前記制御手段は、前記回動速度設定手段と接続し、
前記角度検知手段による検出値より操向ハンドルの回動速度を算出し、
前記操向ハンドルの回動速度が閾値以上、且つ前記操向ハンドルの回動角度が閾値以上であると、前記旋回車速を方向転換車速となるように制御し、
前記操向ハンドルの回動速度が閾値未満、且つ前記操向ハンドルの回動角度が閾値以上であると、前記旋回車速を回避旋回車速となるように制御することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の作業車両。
【請求項6】
前記回動角度の閾値以上に前記操向ハンドルが位置する場合の設定エンジン回転数を設定する回転数設定手段と、を備え、
前記回転数設定手段によって、前記設定旋回回転数を設定し、
前記制御手段は、
前記操向ハンドルの回動速度が閾値未満であると、前記エンジン回転数を作業時のエンジン回転数となるように制御し、
前記操向ハンドルの回動速度が閾値以上となると、前記エンジン回転数を前記設定旋回回転数となるように制御することを特徴とする請求項1、請求項2または請求項5のいずれか一項に記載の作業車両。
【請求項7】
前記角度閾値設定手段により設定された設定回動角度を直進から旋回、旋回から直進で変更可能とすることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の作業車両。
【請求項8】
前記制御手段は、車速が特定車速以上のとき、前記変速アクチュエータおよび前記回転数変更アクチュエータの制御を行わないことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の作業車両。
【請求項9】
前記変速アクチュエータおよび前記回転数変更アクチュエータの制御を行うか否かの設定を行うモード変更手段を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の作業車両。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−184612(P2010−184612A)
【公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−30330(P2009−30330)
【出願日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【出願人】(000006781)ヤンマー株式会社 (3,810)
【Fターム(参考)】