説明

作物収穫機

【課題】 コンテナ収容台上に設ける搬送用ローラの部品点数の削減とコンテナ収容台重量の軽減を図ることのできる作物収穫機を提供する。
【解決手段】 走行機体の横一側部に収穫部10を有し、他側部にコンテナ収容台6を設け、コンテナ収容台6の長手方向に沿って、コンテナCを搭載した状態で搬送可能なローラ搬送部64を設け、このローラ搬送部64では、左右に位置する搬送用ローラ65の搬送方向における前後方向位置が齟齬するように搬送用ローラ65を千鳥状に配備してある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人参、大根、玉ねぎ、芋類などの根菜類、あるいは果実や球状野菜などの農作物を、運搬用のコンテナに詰込んだ状態で取り扱うようにした作物収穫機に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の作物収穫機としては、圃場の根菜を引き上げて葉切り処理する収穫部を走行機体の横一側に配備するとともに、走行機体の横他側に操縦部を配備し、収穫部の後部から排出された根菜本体を搬送装置に載置して後方に搬送した後、コンテナに収容して回収するよう構成したものが従来より知られている。
この作物収穫機においては、走行機体の横一側に配備した収穫部と他側の操縦部との間に空のコンテナ置き場を備え、根菜本体を詰め込む際にコンテナを載置するための回収部が、機体後端に設けてある。
そして、機体後方から歩行追従してくる補助作業者が、満杯となったコンテナを、前記回収部が配備されている側の機体横外側に張出し状態に配備したデッキに移し替え、さらに、前方側へ移行させながら多くのコンテナを搭載するように構成してある(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2002−272233号公報 (段落番号〔0034〕、〔0035〕、〔0038〕、及び、図1,図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のように農作物をコンテナに詰め込んで取り扱えるようにすると、バラバラの農作物をコンテナ単位で扱うことができて、以後の作業性を高める上で有効なものである。しかしながら、上記従来の構造の作物収穫機では、回収部に備えたコンテナ台上へのコンテナの空箱の移動は特に問題ないが、コンテナに作物が詰め込まれた後では、そのコンテナ重量の大幅な増加により、コンテナをコンテナ台上から横側方のデッキへ移動させたり、デッキ上でさらに移動させるなどの作業に多大な労力を要するという問題がある。
このような問題を解決するために、例えば、コンテナ台上にデッキ側へ向けてコンテナを移動させ易いように、コンテナの移動方向と直交する方向の横軸芯周りで回転するローラを設け、デッキ上では、前記コンテナ台上のローラ横軸芯とは直交する方向の横軸芯周りで回転するローラを設けて、前記コンテナ台側からの送り込み方向に交差するデッキ長手方向に沿った一方向へコンテナを搬送し易く構成することが考えられる。
上記のように搬送用のローラを設けることで、重い満杯コンテナを比較的容易にデッキ上で運搬することが可能となるが、コンテナの収容量を増すためにデッキ長さを長くするほど、用いられる搬送用ローラの使用個数も増加するため、部品点数の増加によるコスト増と、デッキ重量が増加することによる設計強度の向上とが必要になるという問題がある。
【0005】
本発明の目的は、コンテナ収容台上におけるコンテナの移動を軽快に行うための搬送用ローラを用いるにあたり、その部品点数の削減とコンテナ収容台重量の軽減を図ることのできる作物収穫機を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明における作物収穫機は、次の各点に構成上の特徴、及び作用効果がある。
〔解決手段1〕
上記目的を達成するために講じた本発明の技術手段は、圃場の作物を収穫する収穫部を走行機体の横一側部に備え、この走行機体の横他側部に、機体前後方向に沿って長く形成されたコンテナ収容台を配設するとともに、前記収穫部の後部側に、その収穫部から送り込まれた作物をコンテナに収容して前記コンテナ収容台側へ向けてコンテナを移送するコンテナ移載装置を備えてなる作物収穫機において、
前記コンテナ収容台に、該コンテナ収容台の長手方向に沿って、コンテナを搭載した状態で搬送可能なローラ搬送部を設け、このローラ搬送部では、左右に位置する搬送用ローラの搬送方向における前後方向位置が齟齬するように搬送用ローラを千鳥状に配備したことである。
【0007】
〔作用効果〕
上記構成によると、ローラ搬送部は、コンテナを搭載して案内するためのコンテナ搭載面を、コンテナの搬送方向に沿って回転するように配設した多数のローラ群によって構成し、満杯で重いコンテナを比較的容易に移動させることができるようにしたものであるが、特に本発明では、そのローラ搬送部に配備する個々の搬送用ローラを次のように配置している。
すなわち、前記ローラ搬送部では、左右に位置する搬送用ローラの搬送方向における前後方向位置が齟齬するように搬送用ローラを千鳥状に配備してあるので、コンテナ搬送方向で搬送対象のコンテナに接触する搬送用ローラの個数を、効果的に節減することができる。
つまり、搬送用ローラの使用個数は、コンテナ自体の底面寸法と満杯状態のコンテナ重量とに基づいて、左右の配設間隔、および前後の配設ピッチが決められる。一般に、搬送方向に交差する左右方向では、コンテナの左右方向寸法に対応させて、そのコンテナの重量を支持するに適当な少なくとも2以上のローラが配設され、搬送方向に沿う前後方向では、コンテナの前後方向寸法範囲内に少なくとも2以上のローラが存在する状態で搬送できるようにローラの配設ピッチが設定されるものであるが、これらの各ローラは、コンテナ収容台の長手方向で左右対称に配置されている。
そして、各ローラの配設間隔は、コンテナの底面に現実に接触しているローラの配設間隔内に常時コンテナの重心を存在させて姿勢安定良く搬送できるように、搬送用ローラの配設間隔、特に前後方向ピッチを相当細かく設定する必要がある。ところが、配設ピッチを短くすればするほど、単位面積当たりの搬送用ローラの使用個数が大幅に増大することになる。
これに対して本発明では、搬送用ローラを千鳥状に配置することによって、たとえば、左右方向での配設間隔を同じにして、前後方向での配設ピッチを所要ピッチに設定した場合、搬送用ローラの使用個数が半減することになり、部品点数を大幅に削減し得る利点がある。また、同時にコンテナ収容台の重量を軽減する上でも有効である。
【0008】
〔解決手段2〕
上記目的を達成するために講じた本発明の第2の技術手段は、上記第1の技術手段を備えたものにおいて、搬送用ローラが、コンテナ収容台の長手方向に沿って形成される搬送経路の搬送方向に交差する方向の横向き回動軸心を備えて回動するように装着されているとともに、コンテナの左右幅に対応させて搬送経路の左右に配備され、かつ、この搬送用ローラのうち、少なくとも機体左右方向での中央側寄りのものは、搬送経路の中央寄りの端部側が小径となるテーパー部分を備えるとともに、テーパー部分の大径側に連ねて円柱状胴部分を備えていることである。
【0009】
〔作用効果〕
上記構成によると、コンテナ移載装置側からコンテナ収容台側へコンテナを勢いよく移動させたとき、コンテナが行き過ぎて機体中央側寄りの搬送用ローラから外れてしまうことがあるが、この場合に、搬送用ローラの機体左右方向での中央側寄りのものは、搬送経路の中央寄りの端部側が小径となるテーパー部分を備えているので、比較的容易にコンテナ底面をローラ上に引き上げることができる。
そして、この搬送用ローラは、全体がテーバー状であったり、左右両側がテーバー状であるのではなく、搬送経路の中央寄りの端部側のみがテーパー状であり、外側ではテーパー部分の大径側に連ねて円柱状胴部分を備えているので、この円柱状胴部分によって、コンテナ底面との接触面積を適切に確保できるようにしてある。
【0010】
〔解決手段3〕
上記目的を達成するために講じた本発明の第3の技術手段は、上記第1または第2の技術手段を備えたものにおいて、左右の搬送用ローラどうしの間に、搬送用ローラの円柱状胴部分の上縁高さよりも、上面高さを低く設定した固定踏み板部材を配設してある点に特徴がある。
【0011】
〔作用効果〕
上記構成によると、固定踏み板部材の存在によって、コンテナ収容台をステップ代わりに利用して、作物収穫機への乗り降りを行いやすく構成してある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下に、本発明の実施の形態の一例を図面に基づいて説明する。
〔作物収穫機の全体構成〕
図1乃至図4は、根菜類を収穫する作物収穫機の一例として人参収穫機を例示したものである。
この作物収穫機は、機体フレーム3の下方に左右一対のクローラ式の走行装置1を備えて走行機体を構成し、この走行機体の左側に収穫部10を備え、右側に搭乗型運転部2を備えるとともに、前記収穫部10の後部から搭乗型運転部2が配設された機体右側後部に向けて、前記収穫部10で収穫された作物を回収するための作物回収部Aを設けて構成されている。
この作物収穫機は、機体走行に伴い、人参aを圃場から抜き上げ、ひげ根と葉を取り除いた状態にして収穫するものであり、詳しくは、次の如く構成してある。
【0013】
〔搭乗型運転部〕
前記搭乗型運転部2は、機体フレーム3に搭載したエンジンEを備える原動部の上側を覆う状態に運転座席2aを設置し、運転座席2aの前方下方に搭乗ステップ2bを備え、さらに前方位置に操向操作用の操作具等を備えた操縦塔2cを設けている。
【0014】
〔収穫部〕
前記収穫部10は、作物の茎葉を引き起こしながら分草する左右一対の分草装置11と、引き起こされた作物の茎葉の付け根部を左右両側から把持して後方上方へ搬送する搬送装置14と、土中に埋入して作物(人参本体a)の周部の土中に振動を与える土ほぐし刃15と、前記搬送装置14の始端側の下方に位置して作物のひげ根を切断する周知のひげ根切断装置(図示省略)と、前記搬送装置14から受け渡された作物の茎葉を切断除去する葉部除去装置20とを備えて構成され、これらが左右一対のメインフレーム13aによって支持されている。
そして、この収穫部10は、前記左右一対のメインフレーム13aの基端部が、走行機体の機体フレーム3の後部に、機体横向きの軸芯Pまわりで回動自在に連結されているとともに、メインフレーム13aの基端側にピストンが連結しているリフトシリダ13bによって、メインフレーム13aを機体フレーム3に対して上下に揺動操作して、収穫部10全体を昇降操作できるように構成してある。
尚、図中の符号12は左右一対のメインフレーム13aの先端部に設けられた接地輪であり、分草装置11及び搬送装置14の対地姿勢を所定の対地高さに維持するために有効に作用する。
【0015】
前記左右一対の分草装置11は、圃場に植生している人参の葉bをすくいアーム11cによってすくい上げ、このすくいアーム11cからの葉bを、分草ケース11aから前方に先端側が突出した状態でこの分草ケース11aの前面側を上昇移動する引起こし爪11bによって梳き上げることにより、収穫対象の人参の葉bを非収穫対象の人参の葉bと分離させるとともに引起こし処理するものであり、前記メインフレーム13aの前端側に前端部を連結支持された前記搬送装置14のフレームを介して連結されている。
【0016】
左右の土ほぐし刃15は、収穫対象の人参の横側で土壌内を突き進み、前記搬送装置14が人参本体aを圃場から抜き上げる際に人参本体aが土壌から抜け出やすいように土壌をほぐしていく。
【0017】
搬送装置14は、搬送始端部が引起装置11の後側近くに位置し、搬送終端側ほど機体後方側で高レベルに位置する後上り傾斜の姿勢の左右一対の無端搬送ベルト14aを駆動回動自在に備えており、この一対の無端搬送ベルト14aにより、分草装置11からの収穫対象人参の葉部bを受け継いで挟持して機体後方向きで上向きに搬送していく。これにより、搬送装置14は、一対の無端搬送ベルト14aにより、収穫対象の人参aを圃場から抜き上げるとともに、そのまま引き続いて葉部を挟持して吊り下げ姿勢で持ち上げ搬送していく。
【0018】
葉部除去装置20は、搬送装置14の一対の無端搬送ベルト14aの搬送終端位置より搬送始端側に位置する部分の後側近くに始端部が位置する左右一対の位置決め無端チェーン22、この位置決め無端チェーン22の終端側の上方に搬送始端部が位置する左右一対の切断搬送無端ベルト27、この左右一対の切断搬送無端ベルト27の中間部の下方近くに位置する左右一対の回転刃23、前記左右一対の切断搬送無端ベルト27の上方に位置する葉部搬送無端チェーン24のそれぞれを駆動回動自在に備えて構成してある。
【0019】
そして、搬送装置14がひげ根切断済みの人参を搬送していくに伴い、その人参本体の頭部近くが位置決め無端チェーン22の下側に入り込み、この後も引き続き搬送装置14の無端搬送ベルト14aの搬送終端側が人参を持ち上げ搬送することにより、人参本体は頭頂部が位置決め無端チェーン22に当接した位置決め状態になる。この位置決め状態になった人参の葉部を切断搬送無端ベルト27と葉部搬送無端チェーン24とが搬送装置14から受け継いで後方向きに挟持搬送していく。すると、その搬送人参の葉部における人参頭部の近くが回転刃23に供給されて切断され、この切断位置で人参本体が落下する。この切断後においても、切断搬送無端ベルト27と葉部搬送無端チェーン24とが葉部をさらに後方に搬送して放出シュート25の上に落下させるように構成してある。
これにより、葉部除去装置20は、ひげ根が除去された後の人参の葉部を人参本体の頭部の近くで回転刃23によって切断し、ひげ根も葉も無くなった人参本体を切断搬送無端ベルト27から前記ベルトコンベア40に落下させ、切断した葉を放出シュート25によって機体後方で圃場に落下させる。
【0020】
〔作物回収部〕
前記作物回収部Aは、収穫部10で収穫された作物としての人参本体aを、向き変更してコンテナ移載装置に供給するための作物搬送装置4と、その作物搬送装置4からの人参本体aをコンテナCに回収して送り出すためのコンテナ移載装置5と、作物が充填されたコンテナCを機体上に収容するためのコンテナ収容台6と、前記コンテナ移載装置5において空のコンテナCを供給したり、作物で満杯になったコンテナCを取り出すなどの所定の作業を行うための補助作業者が、座席に搭座した状態で作業を行うことができるように設けられた補助座席9とから構成されている。
【0021】
前記作物搬送装置4は、収穫部10の後端部に位置する葉部除去装置20から落下する人参を受け止めて機体後方向きに搬送するベルトコンベア40と、このベルトコンベア40の終端側の上方に斜め向きに駆動自在に位置してベルトコンベア40上の人参の送り方向を機体後方向きから機体右横向きに向き変更する送出しローラ41と、このベルトコンベア40から送り出される人参を選別処理のために機体横向き搬送するローラコンベア48とで構成されている。
尚、このローラコンベヤ48は、図4及び5に示されているように、送り方向下手側(右横方向)ほど少し高くなるように配列された多数の棒状ローラ48aを駆動チェーン48bの周部に配設して回転駆動されるスラット型の選別用コンベアであり、強制搬送しながら、屑人参、ゴミ、土、などを落下させるように構成されている。
このローラコンベヤ48の駆動系の上手側には、このローラコンベヤ48を、駆動および駆動停止することが可能な電動モータ、あるいはエンジンからの駆動力をローラコンベヤ48の駆動系に対して断続操作可能なクラッチで構成される駆動断続機構43が介装されている。
【0022】
〔コンテナ移載装置〕
前記コンテナ移載装置5は、図2及び図4に示すように、前記ローラコンベア48からの人参本体aをコンテナCに回収するようにコンテナCを搭載するためのコンテナ台50と、このコンテナ台50に対して供給される空のコンテナCを貯留しておくコンテナ供給部55と、前記コンテナ台50で作物が充填された満杯のコンテナCを取り出して載置するためのコンテナ取り出し部56(コンテナ収容台6の一部が兼ねている)とから構成されている。
このコンテナ台50に対して、空のコンテナCを供給するための上手側経路C1は、機体前方側から後方側へ向かう経路であり、コンテナ台50から満杯になったコンテナCを取り出すための下手側径路C2は、コンテナ台50の位置から機体右横方向に向かう径路である。つまり、この上手側径路C1と下手側経路C2とは図5に示すように互いに交差する方向に設けられていて、コンテナ台50がその交差箇所に位置している。
【0023】
前記コンテナ台50は、図5乃至図7に示すように、このコンテナ台50上にコンテナCを搭載するための搭載面50Fとして基準の高さ位置を構成するガイド体51を備えているとともに、そのガイド体51による基準高さの搭載面50Fに対して、それよりも僅かに低い位置から前記基準高さの搭載面50Fの高さを超えてより高い位置にコンテナCを位置させる姿勢とに、姿勢変更可能な昇降支持台52を設けて、この昇降支持台52の姿勢変更にともなって、コンテナCを前記基準高さの搭載面50Fとは別の高さ位置に保持することが可能であるように構成されている。
【0024】
図4乃至図6に示すように、コンテナ台50上の搭載面50Fを構成するように前記基準の高さ位置を設定するガイド体51は、コンテナ台50から満杯になったコンテナCを取り出すための下手側経路C2に対して直交する方向の横軸芯X1まわりで回動自在に枢支された多数の球状のガイドローラ51aで構成されている。
このように個々のガイドローラ51aが球状に形成され、前記下手側経路C2に対して直交する方向の横軸芯X1まわりで回動自在に枢支されていると、ガイドローラ51a上のコンテナCを下手側経路C2に沿って機体右横向きに引き出す際に、前記横軸芯X1まわりでのガイドローラ51aの回転によって、作物が満杯となって重量が増加したコンテナCをも軽快に引き出すことができる。
そして、コンテナ台50の機体前方側のコンテナ供給部55から前記上手側経路C1に沿って空のコンテナCをコンテナ台50上へ移動させる際には、その移動方向が前記横軸芯X1に沿う方向であるため、個々のガイドローラ51aは、前記横軸芯X1まわりで回転する訳ではない。しかしながら、個々のガイドローラ51aの形状が球状であることによって、各ガイドローラ51aの上端部のガイド面51fは、上方へ凸曲した二次曲面となっている。
このため、前記コンテナCの底面側は、その上方へ凸曲した二次曲面に案内されてガイドローラ51a上へスムーズに乗り上げ、滑りながら移動する。
【0025】
図7に示すように、前記各ガイドローラ51aのうち、コンテナ搬送方向での上手側箇所に相当するガイドローラ51aは、それよりも下手側箇所に位置するガイドローラ51aよりも、機体が水平姿勢であるときに高位置になるように、僅かではあるが高さの差5h1,5h2を設けてある。
同様に、後述するコンテナ収容部6の各ガイドローラ61aにおいても、コンテナ搬送方向での上手側箇所に相当するコンテナ台50に近い側のガイドローラ61aは、それよりも下手側箇所に位置するガイドローラ61aよりも、機体が水平姿勢であるときに高位置になるように、僅かではあるが高さの差6h1,6h2を設けてある。また、コンテナ台50側とコンテナ収容台6側との関係においても、前者の方が後者よりも高く位置設定されている。
【0026】
尚、図5及び図6中の符号57は、コンテナ台50上に供給された空のコンテナCが、機体の振動の影響などで簡単にずれ動いてしまうことを制限するためのストッパーを示すものであり、コンテナCが存在するコンテナ台50の搬送方向上手側へ向けて軽く押圧付勢する程度にバネによる付勢力を設定したものである。したがって、満杯になったコンテナCを少し強く経路下手側へ引けば、ストッパー57を乗り越えてコンテナCがコンテナ収容台6側へ移行する。
【0027】
図5及び図6に示すように、コンテナ台50上において、前記球状のガイドローラ51aが下手側経路C2に沿って左右二列に設けられた箇所の間、つまり前記左右のガイドローラ51aの列間に位置する横向きの板状体52aとこれに垂直な縦向きの枠体52bとで側面視L字状に構成された昇降支持台52が配設されている。
この昇降支持台52は、図6に示すように、コンテナ台50よりも上方位置で、前記ローラコンベヤ48の終端側の支持台部分に枢支された前後向きの揺動支軸53を一体に備えていて、その揺動支軸53の軸芯まわりで揺動自在に配設され、空のコンテナCを斜めに装填して、作物搬送装置4からの人参本体aを落下衝撃少なく受け止め回収できるように構成されている。
すなわち、この昇降支持台52は、自由状態では、内装されているバネの力で伸び方向へ付勢する周知のダンパ装置54によって、図6(イ)に図示の斜め姿勢の状態が保たれるように、上昇側へ常時付勢されている。
【0028】
前記ダンパ装置54は、昇降支持台52の揺動支軸53と一体に形成されたブラケット53aに、連結ピンを介して連結されている。そして、この連結ピンの軸芯P2の位置は、前記揺動支軸53の軸芯と、ダンパ装置54の連結ピン54aの軸芯とを結ぶ線分Yの一側で位置移動可能に構成されている。
したがって、昇降支持台52は常に持ち上げ側に付勢されており、図6(イ)に示す斜め姿勢と、図6(ロ)に示す載置姿勢とは、載置されるコンテナCの重量によって姿勢変更されるように構成されている。
つまり、図6(イ)に示すようにコンテナCが空である状態では、ダンパ装置54の持ち上げ付勢力によって昇降支持台52が上限まで持ち上げられている。この状態で、コンテナC内への作物の回収が進むと、充填作物の重量が重くなるに連れてダンパ装置54の付勢力に抗して昇降支持台52がゆっくりと下降されるように、ダンパ装置54のバネによる抵抗が作用するように構成されている。そして、さらにコンテナC内の作物充填が進むと、昇降支持台52はコンテナ台50のコンテナ載置面50F上に載置されて、図6(ロ)の状態に位置することになる。
再び昇降支持台52を図6(イ)に示す斜め姿勢とするには、この昇降支持台52上から満杯コンテナCを取り除いてやれば、昇降支持台52は、前記ダンパ装置54の付勢力によって揺動支軸53周りに回動して、図6(イ)に示す斜めの待機姿勢に復元する。
【0029】
昇降支持台52にコンテナCが搭載されているか否かの存否検出は、図6および図11に示すように、コンテナCの横側面と接触する感知板46と、その感知板46の動きを検出する存否検出センサー45とで行われる。
前記昇降支持台52は、その上端側が前記前後向きの揺動支軸53を介して前記ローラコンベヤ48の終端側の支持台を構成する固定支柱47部分に枢支されているとともに、この昇降支持台52の上端側の一部に前記存否センサー45が装着されていて、昇降支持台52の前記揺動支軸53周りでの揺動に伴って存否センサー45も一体的に位置変化するように構成されている。
前記感知板46は、昇降支持台52の揺動支点53とは別の揺動支点46a周りで揺動自在に、その昇降支持台52に対して枢支されているとともに、その感知板46の背面側に前記存否センサー45の接触子45aが接触して、感知板46を背面側から押圧付勢する状態に設けられている。これにより、感知板46の背面側への揺動で昇降支持台52にコンテナCが搭載されたことを検知し、感知板46の接触子45aから離れる方向への復帰揺動でコンテナCが昇降支持台52上から取り除かれたことを検知するように構成されている。
【0030】
尚、この感知板46は、その一部が昇降支持台52の前面側で昇降支持台52と重複する箇所に位置していて、感知板46が或る程度背面側へ揺動して、存否センサー45がコンテナCの存在を検出した後に昇降支持台52の前面と接触する位置に設けられている。これは、コンテナ台3に搭載されたコンテナCに作物が投入されてコンテナ重量が増大したとき、その満杯コンテナCの重量が必要以上に存否センサー45に作用して、小さな存否センサー45が破損するような自体を避けるためである。
上記のように、昇降支持台52にコンテナCが搭載されたことを存否センサー45が検出すると、前記作物搬送装置4を駆動し、昇降支持台52からコンテナCが取り除かれたことを存否センサー45が検出すると、前記作物搬送装置4の駆動を停止するように、作物搬送装置4の駆動断続機構43に制御信号を出力する制御装置8を設けたものである。
【0031】
前記コンテナ台50の機体前方側の機体フレーム3上には、空のコンテナCを搭載するためのスペースを設けてあり、このスペースがコンテナ台50に空のコンテナCを供給するためのコンテナ供給部55であり、この部位からコンテナ台50に至るコンテナの搬送経路が上手側経路C1となる。
また、前記コンテナ供給部55の左横で、前記ローラコンベア48の前側には、走行用のミッションケースや収穫部10への動力伝達構造を覆う箱形の伝動部カバー49がローラコンベア48より高く配備されており、この伝動部カバー49の上が予備の空コンテナ置き場Dとなっている。
【0032】
以上のようなコンテナ移載装置5では、以下のような作業が行われる。この収穫機では、機体を操縦する運転作業者の他に補助作業者がつく。この補助作業者は基本的には走行機体の後方における補助座席9に塔座し、ローラコンベア48で載置搬送されてくる良品の人参aを目視仕分けしながら、コンテナ移載装置5のコンテナ台50に装填したコンテナCに収容し、満杯になったコンテナCをコンテナ収容台6の後部上に移動させたり、コンテナ台50の前方のコンテナ供給部55からコンテナ台50側へ移動させるとともに、機体後方よりローラコンベア48越しに手を伸ばして、空コンテナ置き場Dに積載してある空のコンテナCを前記コンテナ供給部55に移し替えるようなコンテナ移動作業を行う。
【0033】
〔戻り規制機構〕
前記コンテナ移載装置5とコンテナ収容台6との間には、コンテナ台50上に供給された空のコンテナCが、機体の振動の影響などで簡単にずれ動いてしまうことを制限するための前記ストッパー57とは別に、コンテナ台50上からコンテナ収容台6上に移し替えられたコンテナCの、コンテナ台50側への戻りを規制する戻り規制機構7が設けてある。
戻り規制機構7は、図5,6及び図8,9に示すように、機体フレーム3側に横軸芯X4周りで揺動自在に装着された戻り規制部材70を備えるとともに、その戻り規制部材70を起立する側へ揺動付勢する付勢手段としてのつるまきバネ71と、そのつるまきバネ71の付勢力に抗して戻り規制部材70の起立位置を所定の位置に設定する当たり部材72とを備えて構成されている。
このように構成してあることにより、前記戻り規制部材70は、コンテナ移載装置5からコンテナ収容台6へのコンテナCの移動経路に対して出退自在に構成され、かつ、自由状態では前記戻り規制部材70の揺動端側に設けられた規制作用部70aがコンテナ移動経路への突出姿勢となるように揺動付勢されている。
そして、この突出姿勢では、戻り規制部材70の前記規制作用部70aがコンテナ収容台6上に位置するコンテナCの、前記コンテナ台50側に向く一端辺に接触、若しくは近接する状態に位置して、そのコンテナCの前記コンテナ台50側への移動を規制するように構成されている。つまり、コンテナ移載装置5側からコンテナ収容台6側へのコンテナCの移動は、前記戻り規制部材70の規制作用部70aが、コンテナCの重量で、つるまきバネ71の付勢力に抗して押し下げられて前記移動経路から引退することにより許容し、逆方向へのコンテナCの移動は、前記規制作用部70aとの接当によって抑止されるように構成してある。
【0034】
前記戻り規制部材70の揺動端部側に設けられた規制作用部70aは、コンテナ収容台6上において、コンテナCの搬送経路Rに沿って、コンテナCの送り出し方向の長さと同程度の長さの直線部分を有した棒状部材で構成されており、この規制作用部70aの直線的な棒状部材部分が、コンテナCを上手側収容台部分61から下手側収容台部分62へ向けて送り出す際のガイド体としての機能を有する。
【0035】
〔コンテナ収容台〕
前記コンテナ移載装置5の搬送下手側に相当する走行機体の右側端には、コンテナ移載装置5から搭乗型運転部2の横側に亘る長さのコンテナ収容台6が、図4に示す前後軸芯P1周りで、コンテナ移載装置5に連なる水平張出し作用姿勢と、上方に折り込み起立した格納姿勢とに切換え回動可能に配備されている。
前記コンテナ収容台6は、コンテナCを機体前方側へ向けて移送する強制駆動手段60を備えた上手側収容台部分61と、強制駆動手段60を備えていない下手側収容台部分62とから構成されている。
【0036】
図5乃至図7に示すように、前記上手側収容台部分61は、前記コンテナ移載装置5におけるガイド体51と同様なガイド体として、球状のガイドローラ61aを、コンテナ移載装置5のコンテナ搭載面50Fよりもやや低く位置設定されたコンテナ搭載面61Fを構成するように設けてあり、前記コンテナ移載装置5と同様に前記下手側搬送経路C2に沿う機体右横向きに搬送し易いように、下手側搬送経路C2に交差する方向の横軸芯X2まわりで回動自在に構成してある。
この上手側収容台部分61では、図5及び図9に示すように、前記球状のガイドローラ61aのうちの、最外側のガイドローラ61aと最内側のガイドローラ61aとの間の各位置に、機体後方側から前方側へ向けてコンテナCを強制移動させるための左右一対の駆動チェーン60aが配設され、その左右の駆動チェーン60aにわたって押圧体60bが架設され、前記駆動チェーン60aを巻回して駆動する駆動スプロケット60cを備えている。
そして、これら駆動チェーン60a、押圧体60b、駆動スプロケット60c、及び、駆動スプロケット60cに動力を伝える電動モータMによって前記強制駆動手段60を構成している。
【0037】
この上手側収容台部分61は、前述したように、前記コンテナ台50で作物が充填された満杯のコンテナCを取り出して載置するためのコンテナ取り出し部56としての機能をも備えているものであり、コンテナ台50と同程度の、コンテナ1個分の載置が可能な載置面積を有している。
そして、この上手側収容台部分61は、上記のコンテナ取り出し部56としての機能の他に、後続(搬送方向での下手側)の下手側収容台部分62側へ向けてコンテナCを搬送するための搬送機能を備えており、この搬送機能が前記ガイドローラ61aと前記強制駆動手段60との組み合わせによって達成されているので、コンテナ台50から送り出されたコンテナCを、別途搬送装置に積み替える必要なく、そのまま前記送り出し方向とは異なる方向へ強制搬送して収容することができる。
【0038】
上手側収容台部分61における強制駆動手段60の駆動は、前記コンテナ台50からコンテナCが上手側収容台部分61の所定箇所まで送り込まれたことを検出する第1センサS1と、後述する下手側収容台部分62の複数箇所に設けられた第2センサS2の検出作動によって制御される。
すなわち、前記第1センサS1がコンテナCの存在を検出し、第2センサS2のうちの何れか一つがコンテナCの存在を検出していないと、もしくは総ての第2センサS2がコンテナCの存在を検出していないと、前記駆動チェーン60aをその半周分だけ強制駆動して、駆動チェーン60aの周部に付設された二つの押圧体60bのうちの一方による押し操作で、上手側収容台部分61に存在していたコンテナCを下手側収容台部分62に向けて送り込むように構成され、前記各センサS1,S2がそれ以外の検出状態であると、前記駆動チェーン60aは駆動されないように構成されている。
【0039】
前記下手側収容台部分62は、図2,3、図5,及び図10に示すように、前記第一収容部61から送り込まれたコンテナCを収容するための所定の収容面積を有したデッキ枠63と、そのデッキ枠63の内側に配置したローラ搬送部64とで構成されている。前記ローラ搬送部64では、所定間隔おきに搬送用ローラ65を配設するとともに、左右の各搬送用ローラ65同士の間に固定踏み板部材66配設して構成されている。
前記デッキ枠63は、前記上手側収容台部分61の枠体と共通の枠体として構成されたものであり、上手側収容台部分61におけるコンテナ駆動方向の下手側に配設され、コンテナ移動方向に沿う左右2列の搬送用ローラ65を、コンテナ移動方向に交差する横軸X3周りで遊転自在に枢支している。
【0040】
前記搬送用ローラ65は、図5および図10に示すように、コンテナ収容台6の長手方向に沿う左右2列の搬送用ローラ65が、その搬送方向における前後方向位置が左右で齟齬するように千鳥状に配備されていて、左右何れか一方の列における搬送用ローラ65の前後方向の配設ピッチp1に比べて、左右両方の列でみた場合には、前後に位置ズレしている左右の搬送用ローラ65の前後方向の配設ピッチp2が半分程度に減少するように構成されている。
そして、各搬送用ローラ65は、コンテナ収容台6の長手方向に沿って形成される搬送経路Rの搬送方向に交差する方向の横向き回動軸心X3を備えて回動するように装着してあるとともに、コンテナCの左右幅に対応させて搬送経路Rの左右に配備され、搬送経路Rの中央寄りの端部側が小径となるテーパー部分65aを備えるとともに、テーパー部分65aの大径側に連ねて搬送経路Rの外側寄りにに円柱状胴部65bが位置するように構成してある。
【0041】
前記固定踏み板部材66は、図5および図10に示すように、左右の各搬送用ローラ65同士の間に配設されたチャンネル状の薄肉鉄板材で構成され、デッキ枠63に固定して設けてある。そしてこの固定踏み板部材66の上面は、左右の搬送用ローラ65の円柱状胴部65bの上縁よりも低く位置設定してあって、コンテナ搬送時にはコンテナCと接触せずに搬送することができる。また、この固定踏み板部材66は、その上面をステップ代わりに利用して、操縦者や補助作業が乗降できるようにしてあり、走行機体への乗降を行い易くするための手段としても構成してある。
【0042】
〔モード選択〕
前記上手側収容台部分61における強制駆動手段60の駆動は、前記コンテナ台50からコンテナCが上手側収容台部分61の所定箇所まで送り込まれたことを検出する第1センサS1と、前記下手側収容台部分62の複数箇所に設けられた第2センサS2の検出信号、および、前記昇降支持台52を支承する揺動支軸53を設けた固定支柱47の近くに配設した、モード切換スイッチSW1と、手動操作スイッチSW2との操作信号を接触子45aに入力するように構成してある。
【0043】
この接触子45aにおいては、前記モード切換スイッチSW1の切換操作で、「自動操作モード」と「人為操作モード」とを択一的に選択切換できるように構成してあり、「自動操作モード」が選択されている状態では、次のように動作する。
前記第1センサS1がコンテナCの存在を検出し、第2センサS2のうちの何れか一つがコンテナCの存在を検出していないと、もしくは総ての第2センサS2がコンテナCの存在を検出していないと、前記駆動チェーン60aを自動的にその半周分だけ強制駆動して、駆動チェーン60aの周部に付設された二つの押圧体60bのうちの一方による押し操作で、上手側収容台部分61に存在していたコンテナCを下手側収容台部分62に向けて送り込むように構成され、前記各センサS1,S2がそれ以外の検出状態であると、前記駆動チェーン60aは駆動されないように構成されている。
【0044】
そして、「手動操作モード」が選択されていると、次のように動作する。
前記第1センサS1がコンテナCの存在を検出し、第2センサS2のうちの何れか一つがコンテナCの存在を検出していず、もしくは総ての第2センサS2がコンテナCの存在を検出していない状態であっても、前記駆動チェーン60aは自動的には駆動されず、この状態で、前記手動操作スイッチSW2が操作されると、前記駆動チェーン60aをその半周分だけ強制駆動して、駆動チェーン60aの周部に付設された二つの押圧体60bのうちの一方による押し操作で、上手側収容台部分61に存在していたコンテナCを下手側収容台部分62に向けて送り込むように構成されている。
前記各センサS1,S2がそれ以外の検出状態であると、前記自動操作モードの場合と同様に、前記駆動チェーン60aは駆動されないように構成されている。
【0045】
したがって、自動操作モードでは、コンテナ移載装置5から満杯のコンテナCをコンテナ収容台6へ移動させると、第1センサS1がコンテナCを自動的に検出して、下手側収容台部分62に空きがあれば直ちにコンテナCを下手側へ送り出すことができるので、コンテナ収容台6側での人為的なコンテナ移動作業を要さず、能率のよい迅速な作業を行うことができる。
そして、人為操作モードでは、コンテナ移載装置5から満杯のコンテナCをコンテナ収容台6へ移動させても、この状態ではコンテナの自動送りを行わないので、たとえばコンテナ収容台6の上手側収容台部分61に存在するコンテナCの上側に、さらに別の満杯コンテナCを搭載してから、手動操作スイッチを入り操作して、2段積みされた状態のコンテナCを下手側収容台部分62側に向けて送り出すというように、多くのコンテナCを機体に搭載した状態で作業を行うことができる。
【0046】
〔別実施形態〕
[1] 前記実施の形態では、前記ガイドローラ51a,61aとして球状のローラを例示したが、これに限らず、回転軸芯方向の幅と回転軸芯周りの径との関係で、回転軸芯方向の長さが径方向の長さよりも大きい形状とか、逆に、回転軸芯方向の長さよりも径方向の長さが大きい形状など、適宜に変更可能であり、要は、搭載するコンテナCを、前記回転軸芯に沿う方向でも交差する方向でも案内できるように、凸曲した二次曲面で構成されていればよい。
[2] また、ガイド体51としては、上述のように球状のガイドローラ51a,61aであるものに限らず、例えば、回転しない二次曲面で構成されたものでもよい。また、二次曲面の曲率も、軸芯方向に沿う方向の曲率と、これに交差する方向の曲率とが等しいものに限らず、縦横の曲率比が異なる形状のものでも良い。
[3] 前記実施の形態では、下手側収容台部分62の搬送用ローラ65を構成するにあたり、左右何れの側の搬送用ローラ65も、搬送経路Rの中央側が小径となるテーパー部分65aを形成したものであるが、これに限らず、左右の搬送用ローラ65のうち、デッキ枠63を取り付けた走行機体側に近い位置の搬送用ローラ65にのみ、前記搬送経路Rの中央側が小径となるテーパー部分65aを形成した構造であってもよい。この場合、走行機体の左右方向中央から離れた外側位置では、搬送用ローラ65に前述のテーパー部分65aを有していないので、コンテナCを水平方向には引き寄せ難くなるが、デッキ枠63の外側は地面であり、補助作業者がコンテナの外側を上方へ持ち上げ操作して搬送用ローラ65にコンテナCの底面を載せ付ける操作は比較的容易に行い易いので、特に問題はない。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】人参収穫機全体の左側面図
【図2】人参収穫機全体の平面図
【図3】人参収穫機全体の右側面図
【図4】人参収穫機の背面図
【図5】コンテナ移載装置とコンテナ収容台の平面図
【図6】コンテナ移載装置における昇降支持台部分を示す側面図
【図7】コンテナ移載装置とコンテナ収容台の機能説明図
【図8】コンテナ収容台の上手側収容台部分の断面図
【図9】コンテナ収容台の上手側収容台部分の断面図
【図10】コンテナ収容台の下手側収容台部分の断面図
【図11】コンテナの位置と関連装置の制御系を示す説明図
【符号の説明】
【0048】
5 コンテナ移載装置
6 コンテナ収容台
10 収穫部
60 駆動手段
61 上手側収容台部分
62 下手側収容台部分
64 搬送用ローラ
65a テーパー部分
65b 円柱状胴部分
65 固定踏み板部材
C コンテナ
X1,X2,X3 横軸芯

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圃場の作物を収穫する収穫部を走行機体の横一側部に備え、この走行機体の横他側部に、機体前後方向に沿って長く形成されたコンテナ収容台を配設するとともに、前記収穫部の後部側に、その収穫部から送り込まれた作物をコンテナに収容して前記コンテナ収容台側へ向けてコンテナを移送するコンテナ移載装置を備えてなる作物収穫機であって、
前記コンテナ収容台に、該コンテナ収容台の長手方向に沿って、コンテナを搭載した状態で搬送可能なローラ搬送部を設け、このローラ搬送部では、左右に位置する搬送用ローラの搬送方向における前後方向位置が齟齬するように搬送用ローラを千鳥状に配備してある作物収穫機。
【請求項2】
搬送用ローラは、コンテナ収容台の長手方向に沿って形成される搬送経路の搬送方向に交差する方向の横向き回動軸心を備えて回動するように装着してあるとともに、コンテナの左右幅に対応させて搬送経路の左右に配備され、かつ、この搬送用ローラのうち、少なくとも機体左右方向での中央側寄りのものは、搬送経路の中央寄りの端部側が小径となるテーパー部分を備えるとともに、テーパー部分の大径側に連ねて円柱状胴部分を備えている請求項1記載の作物収穫機。
【請求項3】
左右の搬送用ローラどうしの間に、搬送用ローラの円柱状胴部分の上縁高さよりも、上面高さを低く設定した固定踏み板部材を配設してある請求項1または2記載の作物収穫機。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2008−54625(P2008−54625A)
【公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−237701(P2006−237701)
【出願日】平成18年9月1日(2006.9.1)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【出願人】(599118768)株式会社斎藤農機製作所 (47)
【Fターム(参考)】