説明

出力バッファ回路

【課題】出力信号のデューティを保ちつつ消費電流の変化を低減する。
【解決手段】出力バッファ回路は、出力回路(300)と、第1入力回路(210)と、第2入力回路(220)と、第1クランプ回路(110)と、第2クランプ回路(120)とを具備する。出力回路(300)は、第1出力トランジスタ(P301)と第2出力トランジスタ(N301)とを備え、出力信号(VOUT)を出力する。第1クランプ回路(110)および第2クランプ回路(120)のそれぞれは、カスコード接続される第1導電型のトランジスタ(P111/P121)と、第2導電型のトランジスタ(N111/N121)とを備える。第1クランプ回路(110)は、所定の期間第1入力回路(210)の出力電圧(VA1)をクランプする。第2クランプ回路(120)は、所定の期間第2入力回路(220)の出力電圧(VA2)をクランプする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、出力バッファ回路に関し、特に半導体集積回路の高速転送インターフェースにおける出力バッファ回路に関する。
【背景技術】
【0002】
高速転送を行うDDR(Double Data Rate)のようなパラレルインターフェース技術において、近年の高集積化、高速化、低消費電力化に伴い、無終端のシングルエンドによる高速伝送が望まれている。シングルエンド伝送は、ディファレンシャル伝送に比べて端子数を少なくすることができ、さらに、無終端であれば、消費電流も小さい。しかし、無終端シングルエンドによる伝送では、隣接配線や電源ラインに大きなクロストークノイズが重畳することが知られている。特に、近年の高集積化による配線密度の増加は、クロストークノイズをさらに大きくしている。このようなクロストークノイズは、回路の誤動作を引き起こすため、抑制する必要がある。クロストークノイズを抑制するためには、急激な電流変化を排除するとよいが、伝送速度が低下してしまう。急激な電流変化を伴わず高速動作を実現する方法が求められている。
【0003】
出力段のMOSトランジスタにおける急激な電流変化を伴うピーク電流を防止し、かつ高速動作を行う出力バッファ回路として特開2000−134068号公報に開示される技術が知られる。図1は、その出力バッファ回路の構成を示す回路図である。
【0004】
出力バッファ回路は、pMOSトランジスタM10、M11、M12、M13、M14と、nMOSトランジスタM15、M16、M17と、抵抗素子R11と、キャパシタCpと、pMOSトランジスタM25、M26、M27と、nMOSトランジスタM20、M21、M22、M23、M24と、抵抗素子R21と、キャパシタCnとを具備する。pMOSトランジスタM11、M12、M13と、nMOSトランジスタM15と、並列に接続される抵抗素子R11およびキャパシタCpとは、電源電圧VCCと電源電圧GNDとの間に直列に接続される。pMOSトランジスタM14とnMOSトランジスタM16、M17とは、電源電圧VCCと電源電圧GNDとの間に直列に接続される。また、並列に接続される抵抗素子R21およびキャパシタCnと、pMOSトランジスタM25と、nMOSトランジスタM23、M22、M21とは、電源電圧VCCと電源電圧GNDとの間に直列に接続される。pMOSトランジスタM27、M26と、nMOSトランジスタM24とは、電源電圧VCCと電源電圧GNDとの間に直列に接続される。さらに、pMOSトランジスタM10とnMOSトランジスタM20とは、電源電圧VCCと電源電圧GNDとの間に直列に接続される。
【0005】
入力信号DINは、pMOSトランジスタM14、M25、M26のそれぞれのゲート、および、nMOSトランジスタM15、M16、M24のそれぞれのゲートに印加される。pMOSトランジスタM10とnMOSトランジスタM20との接続ノードは、出力信号DOUTを出力するこの出力バッファ回路の出力ノードである。出力信号DOUTは、pMOSトランジスタM11、M27のそれぞれのゲート、nMOSトランジスタM17、M21のぞれぞれのゲートに印加される。pMOSトランジスタM10のゲートは、pMOSトランジスタM14とnMOSトランジスタM16との接続ノードに接続され、さらに、pMOSトランジスタM13とnMOSトランジスタM15との接続ノードに接続される。nMOSトランジスタM20のゲートは、pMOSトランジスタM26とnMOSトランジスタM24との接続ノードに接続され、さらに、pMOSトランジスタM25とnMOSトランジスタM23との接続ノードに接続される。
【0006】
pMOSトランジスタM12のゲートとドレインとが接続され、pMOSトランジスタM13のゲートとドレインとが接続される。pMOSトランジスタM11、M12、M13は、出力信号DOUTにより制御されるクランプ回路Cla1を形成する。nMOSトランジスタM22のゲートとドレインとが接続され、nMOSトランジスタM23のゲートとドレインとが接続される。nMOSトランジスタM21、M22、M23は、出力信号DOUTにより制御されるクランプ回路Cla2を形成する。
【0007】
この出力バッファ回路において、入力信号DINが“L”レベルから“H”レベルに変化すると、出力段のpMOSトランジスタM10のゲート電圧は、nMOSトランジスタM15を介して、キャパシタCpに予めチャージされた電荷によって放電され、その後出力信号DOUTにより制御されるnMOSトランジスタM17がオン状態になることによりCMOSレベルの“L”レベル電圧へ変化する。また、入力信号DINが“H”レベルから“L”レベルに変化すると、出力段のnMOSトランジスタM20のゲート電圧は、pMOSトランジスタM25を介して、キャパシタCnに予めチャージされた電荷によって充電され、その後出力DOUTにより制御されるpMOSトランジスタM27がオン状態になることによりCMOSレベルの“H”レベル電圧へ変化する。これにより出力段におけるピーク電流を抑制したまま、pMOSトランジスタM10、nMOSトランジスタM20のゲート電圧を早く変化させることができ、出力段を高速化できる。また、容量により電圧制御が行われるため、クランプ回路における貫通電流を抑制することができる。
【0008】
しかし、このような出力バッファ回路において、pMOSトランジスタとnMOSトランジスタとの製造プロセスにおいてばらつきがあると、出力デューティが劣化することがある。すなわち、出力信号DOUTを駆動するpMOSトランジスタM10およびnMOSトランジスタM20の電流駆動能力が等しい場合には、出力デューティは50%近くに保たれるが、電流駆動能力が異なると図2に示されるように、波形傾きが立ち上がりとたち下がりで変わるため、“H”レベルである期間T11と“Low”レベルである期間T12が異なり、出力デューティは劣化する。
【0009】
トランジスタの電流駆動能力は、トランジスタのゲートソース間電圧Vgsと、トランジスタの閾値電圧Vtとの差(Vgs−Vt)により定まる。したがって、pMOSトランジスタM10のゲートソース間電圧Vgsと閾値電圧Vtとの差と、nMOSトランジスタM20のゲートソース間電圧Vgsと閾値電圧Vtとの差とが異なる場合、出力デューティが劣化する。
【0010】
ここで、電流駆動能力とは、トランジスタがオンしたときの電流の流れ易さのことを示す。トランジスタがオン状態のとき、そのトランジスタは、ドレインソース間電圧VDSと、そのドレインソース間電圧VDSにおけるドレイン電流Idとにより求められる抵抗値を有する非線形抵抗として作用する。したがって、2個以上直列接続されるトランジスタによって所定の電圧を分圧する場合、分圧レベルは、各トランジスタによって示される抵抗値の比に基づいて定まる。トランジスタにより示される抵抗は、そのトランジスタのサイズによって決まる。その抵抗値は、ゲート長Lに反比例し、ゲート幅Wに比例する。
【0011】
入力信号DINが“L”レベルから“H”レベルに変化するときのpMOSトランジスタM10のゲートソース間電圧Vgsは、クランプ回路Cla1とnMOSトランジスタM15とにより生成されるクランプ電圧に基づいて定まる。また、入力信号DINが“H”レベルから“L”レベルに変化するときのnMOSトランジスタM20のゲートソース間電圧Vgsは、クランプ回路Cla2とpMOSトランジスタM25とにより生成されるクランプ電圧に基づいて定まる。出力信号DOUTを駆動するpMOSトランジスタM10およびnMOSトランジスタM20の閾値電圧Vtは、プロセスの製造ばらつきに依存する。
【0012】
クランプ回路Cla1とnMOSトランジスタM15とにより生成されるクランプ電圧は、クランプ回路Cla1の電流駆動能力と、nMOSトランジスタM15の電流駆動能力との比に基づいて定まる。Pチャネル、Nチャネルのそれぞれの電流駆動能力のばらつきがアンバランスな場合には、クランプ回路Cla1とnMOSトランジスタM15とにより生成されるクランプ電圧は、電流駆動能力のばらつきに応じて大きく変動し、pMOSトランジスタM10のゲートソース間電圧Vgsと閾値電圧Vtとの差(Vgs-Vt)を一定にすることができない。
【0013】
同様に、クランプ回路Cla2とpMOSトランジスタM25とにより生成されるクランプ電圧は、クランプ回路Cla2の電流駆動能力と、pMOSトランジスタの電流駆動能力との比に基づいて定まる。Pチャネル、Nチャネルのそれぞれの電流駆動能力のばらつきがアンバランスな場合には、クランプ回路Cla2とpMOSトランジスタM25とにより生成されるクランプ電圧は、電流駆動能力のばらつきに応じて大きく変動し、nMOSトランジスタM20のゲートソース間電圧Vgsと閾値電圧Vtとの差(Vgs-Vt)を一定にすることができない。
【0014】
このように、Pチャネル、Nチャネルのそれぞれの電流駆動能力のばらつきがアンバランスな場合には、出力信号DOUTを駆動するpMOSトランジスタM10およびnMOSトランジスタM20の駆動電圧(Vgs−Vt)を一定にすることができない。そのため、pMOSトランジスタM10およびnMOSトランジスタM20の電流駆動能力を等しくすることができず、図2に示されるように、出力信号DOUTのデューティを50%近くに保つことができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】特開2000−134068号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明は、出力信号のデューティを保ちつつ消費電流の変化を低減する出力バッファ回路を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0017】
以下に、[発明を実施するための形態]で使用される番号・符号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号・符号は、[特許請求の範囲]の記載と[発明を実施するための形態]との対応関係を明らかにするために付加されたものである。ただし、それらの番号・符号を、[特許請求の範囲]に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
【0018】
本発明の観点では、出力バッファ回路は、出力回路(300)と、第1入力回路(210)と、第2入力回路(220)と、第1クランプ回路(110)と、第2クランプ回路(120)とを具備し、第1クランプ回路(110)および第2クランプ回路(120)のそれぞれは、カスコード接続される第1導電型(Pch)のトランジスタ(P111/P121)と、第1導電型(Pch)と相補である第2導電型(Nch)のトランジスタ(N111/N121)とを備える。出力回路(300)は、第1出力トランジスタ(P301)と第2出力トランジスタ(N301)とを備え、出力信号(VOUT)を出力する。第1入力回路(210)は、入力信号(VIN)を入力して第1出力トランジスタ(P301)のゲートを駆動する。第2入力回路(220)は、入力信号(VIN)を入力して第2出力トランジスタ(N301)のゲートを駆動する。第1クランプ回路(110)は、入力信号(VIN)の第1の変化点から所定の時間が経過するまで第1入力回路(210)の出力電圧(VA1)をクランプする。第2クランプ回路(120)は、入力信号(VIN)の第2の変化点から所定の時間が経過するまで第2入力回路(220)の出力電圧(VA2)をクランプする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、出力信号のデューティを保ち対称性に優れ、消費電流の変化を低減する出力バッファ回路を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1は、特開2000−134068号公報に開示される出力バッファ回路の構成を示す回路図である。
【図2】図2は、特性がアンバランスである場合の出力波形の例を示す図である。
【図3】図3は、本発明の第1の実施の形態に係る出力バッファ回路の構成を示す回路図である。
【図4】図4は、本発明の第1の実施の形態に係る出力バッファ回路の動作を示すタイミングチャートである。
【図5】図5は、本発明の第1の実施の形態に係る出力バッファ回路における出力波形の例を示す図である。
【図6】図6は、電圧VA1がクランプ電圧に遷移するまでの時間を説明する図である。
【図7】図7は、本発明の第2の実施の形態に係る出力バッファ回路の構成を示す図である。
【図8】図8は、本発明の第2の実施の形態に係る出力バッファ回路の動作を示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0022】
(第1の実施の形態)
図3は、本発明の第1の実施の形態に係る出力バッファ回路の構成を示す回路図である。出力バッファ回路は、図3に示されるように、入力回路210、220と、クランプ回路110、120と、出力回路300と、インバータ回路410、420とを具備する。
【0023】
出力回路300は、pMOSトランジスタP301とnMOSトランジスタN301とを具備する。トランジスタP301とトランジスタN301とは、電源電圧VDDと電源電圧VSSとの間に直列に接続され、トランジスタP301のドレインとトランジスタN301のドレインとの接続ノードから出力信号VOUTが出力される。
【0024】
入力回路210は、pMOSトランジスタP211と、nMOSトランジスタN211、N212、N213とを具備する。トランジスタP211とトランジスタN211とは、電源電圧VDDと電源電圧VSSとの間に直列に接続され、それぞれのゲートには入力信号VINが印加される。トランジスタP211のドレインとトランジスタN211のドレインとの接続ノード(ノードA1)は、出力回路300のトランジスタP301のゲートに接続される。このノードA1の電圧をVA1とする。トランジスタN212とトランジスタN213とは、ノードA1と電源電圧VSSとの間に直列に接続される。トランジスタN212のゲートには入力信号VINが印加され、トランジスタN213のゲートには出力信号VOUTが印加される。すなわち、トランジスタP211とトランジスタN211とはインバータ回路を形成し、その出力ノードがノードA1となる。トランジスタN212、N213は、トランジスタN211の電流駆動能力を増強するように機能する。
【0025】
入力回路220は、pMOSトランジスタP221、P222、P223と、nMOSトランジスタN221とを具備する。トランジスタP221とトランジスタN221とは、電源電圧VDDと電源電圧VSSとの間に直列に接続され、それぞれのゲートには入力信号VINが印加される。トランジスタP221のドレインとトランジスタN221のドレインとの接続ノード(ノードA2)は、出力回路300のトランジスタN301のゲートに接続される。このノードA2の電圧をVA2とする。トランジスタP223とトランジスタP222とは、電源電圧VDDとノードA2との間に直列に接続される。トランジスタP222のゲートには入力信号VINが印加され、トランジスタN223のゲートには出力信号VOUTが印加される。すなわち、トランジスタP221とトランジスタN221とはインバータ回路を形成し、その出力ノードがノードA2となる。トランジスタP222、P223は、トランジスタP221の電流駆動能力を増強するように機能する。
【0026】
クランプ回路110は、pMOSトランジスタP111とnMOSトランジスタN111とを具備する。トランジスタP111とトランジスタN111とは、電源電圧VDDとノードA1との間に直列に接続される。トランジスタP111のゲートは、ノードA1に接続される。トランジスタN111のゲートは、インバータ回路410の出力に接続され、インバータ回路410の入力には出力信号VOUTが印加される。インバータ回路410の出力とトランジスタN111との接続ノードをノードB1とし、その電圧をVB1とする。クランプ回路110は、トランジスタN211がオン状態になると、ノードA1の電圧VA1を出力信号VOUTに応答して電源電圧VDD−VSSをトランジスタP111、N111、N211のオン抵抗の比により定まる電圧に分圧した電圧にクランプする。
【0027】
クランプ回路120は、pMOSトランジスタP121とnMOSトランジスタN121とを具備する。トランジスタP121とトランジスタN121とは、ノードA2と電源電圧VSSとの間に直列に接続される。トランジスタN121のゲートは、ノードA2に接続される。トランジスタP121のゲートは、インバータ回路420の出力に接続され、インバータ回路420の入力には出力信号VOUTが印加される。インバータ回路420の出力とトランジスタP121との接続ノードをノードB2とし、その電圧をVB2とする。クランプ回路120は、トランジスタP221がオン状態になると、ノードA2の電圧VA2を出力信号VOUTに応答して電源電圧VDD−VSSをトランジスタP221、P121、N121のオン抵抗の比により定まる電圧に分圧した電圧にクランプする。
【0028】
図4は、本発明の第1の実施の形態に係る出力バッファ回路の動作を示すタイミングチャートである。図4を参照して出力バッファ回路の動作を説明する。
【0029】
時刻t1では、出力バッファ回路の入力回路210、220には“L”レベルを示す入力信号VINが印加されている(図4(a))。ノードA1、A2は、インバータ回路の出力であるから、電圧VA1、VA2は“H”レベルである(図4(b)(c))。したがって、ノードA1の電圧VA1が“H”レベルであるから、トランジスタP301はオフ状態である。また、ノードA2の電圧VA2が“H”レベルであるから、トランジスタN301はオン状態である。すなわち、出力信号VOUTは、“L”レベルを示す(図4(d))。インバータ回路410、420に“L”レベルが入力されるので、ノードB1の電圧VB1とノードB2の電圧VB2とは、“H”レベルである(図4(e)(f))。
【0030】
クランプ回路110では、ゲートに“H”レベルが印加されるためトランジスタN111は、オン状態であるが、ゲートに“H”レベルが印加されるトランジスタP111は、オフ状態であるため、クランプ回路110は、ノードA1に影響を与えない。また、クランプ回路120では、ゲートに“H”レベルが印加されるトランジスタN121は、オン状態であるが、ゲートに“H”レベルが印加されるトランジスタP121は、オフ状態であるため、クランプ回路120は、ノードA2に影響を与えない。また、入力回路210では、入力信号VIN(“L”)がゲートに印加されるトランジスタN212と、出力信号VOUT(“L”)がゲートに印加されるトランジスタN213とは、共にオフ状態であり、ノードA1に影響を与えない。入力回路220では、入力信号VIN(“L”)がゲートに印加されるトランジスタP222と、出力信号VOUT(“L”)がゲートに印加されるトランジスタP223とは、共にオン状態であり、トランジスタP221の働きを強化するように、ノードA2に電源電圧VDDを供給する。
【0031】
時刻t2では、入力信号VINは“L”レベルから“H”レベルに遷移を始める(図4(a))。入力信号VINがトランジスタの閾値電圧VTを超えると、トランジスタN211、N221を電流が流れだし、ノードA1の電圧VA1、ノードA2の電圧VA2は“H”レベルから下降する(図4(b)(c))。
【0032】
クランプ回路110では、トランジスタP111のゲートには電圧VA1が印加されているため、電圧VA1の下降が閾値電圧VTを超えるとトランジスタP111はオン状態に遷移する。トランジスタN111のゲートに印加される電圧VB1は“H”レベルを示しているため、トランジスタN111はオン状態であり、クランプ回路110は機能する。このとき、電流は、電源電圧VDDからトランジスタP111、N111を介してノードA1に達し、さらにトランジスタN211を介して電源電圧VSSに至る経路を流れる。したがって、電圧VA1は、電源電圧VDD−VSSをクランプ回路110とトランジスタN211とにより分圧した電圧VCPに遷移する(図4(b))。
【0033】
一方、クランプ回路120では、トランジスタP121のゲートには電圧VB2が印加されているため、トランジスタP121はオフ状態である。すなわち、電圧VB2が“H”レベルである間、クランプ回路120はノードA2に影響を与えない。したがって、ノードA2の電圧VA2は、電圧VB2が“H”レベルである間に“L”レベルに遷移する(図4(c))。
【0034】
出力回路300では、トランジスタP301は、ゲートに印加される電圧VA1がトランジスタP301の閾値電圧VTPを超えて下がると、電流を流しはじめ、出力信号VOUTは上昇しはじめる(図4(d))。ノードA1の電圧VA1がクランプ回路110によって電圧VCPにクランプされると、トランジスタP301は、電圧(VCP−VTP)に応じた電流で出力ノードを駆動し、出力信号VOUTを上昇させる(図4(d))。すなわち、このときトランジスタP301に流れる電流は制限されている。一方、トランジスタN301は、ゲートに電圧VA2が印加されているため、電圧VA2の下降に伴って早々にオフ状態になる。トランジスタP301がオン状態になり、トランジスタN301がオフ状態になるため、出力信号VOUTは“L”レベルから“H”レベルに遷移する。トランジスタP301を介して流れる電流は、抑制されることになる。
【0035】
時刻t3になると、出力信号VOUTは、インバータ回路410、420の論理判定レベルを超えて“L”レベルから“H”レベルに遷移する(図4(d))。インバータ回路410の出力である電圧VB1、インバータ回路420の出力である電圧VB2は、“H”レベルから“L”レベルに遷移する(図4(e)(f))。
【0036】
電圧VB1が“L”レベルになるとトランジスタN111がオフ状態になり、クランプ回路110は、ノードA1に影響を与えなくなる。入力回路210では、トランジスタN212は、ゲートに入力信号VINが印加されているため、オン状態であり、トランジスタN213は、ゲートに印加される出力信号VOUTが“L”レベルから“H”レベルに遷移するため、オン状態になる。トランジスタN212、N213が共にオン状態になるため、トランジスタN211を補強するようにノードA1を“L”レベルに駆動する。したがって、ノードA1の電圧VA1は、電圧VCPから急速に下がる(図4(b))。
【0037】
出力回路300では、急速に下がる電圧VA1がゲートに印加されるトランジスタN301は、出力信号VOUTを“H”レベルにさらに駆動する(図4(d))。このとき、トランジスタN301はオフ状態であり、電流は流れない。
【0038】
時刻t4では、入力信号VINが“L”レベルから“H”レベルに立ち上がったときの各部の電圧の遷移が終了し、各部の電圧は、安定している。入力信号VINは“H”レベルであり(図4(a))、ノードA1の電圧VA1およびノードA2の電圧VA2は共に“L”レベルである(図4(b)(c))。出力信号VOUTは“H”レベルであり(図4(d))、インバータ回路を介したノードB1の電圧VB1およびノードB2の電圧VB2は共に“L”レベルである(図4(e)(f))。
【0039】
時刻t5では、入力信号VINは、“H”レベルから“L”レベルに遷移を始める(図4(a))。入力信号VINがトランジスタの閾値電圧VTを超えて下がると、トランジスタP211、P221を電流が流れだし、ノードA1の電圧VA1、ノードA2の電圧VA2は“L”レベルから上昇する(図4(b)(c))。
【0040】
クランプ回路110では、トランジスタN111のゲートに電圧VB1(“L”)が印加されているため、トランジスタN111はオフ状態であり、クランプ回路110はノードA1に影響を与えない。クランプ回路120では、トランジスタP121は、ゲートに電圧VB2(“L”)が印加されているためオン状態であり、電圧VA2が閾値電圧VTを超えて上昇すると、ゲートに電圧VA2が印加されているトランジスタN121は、電流を流しだす。したがって、電源電圧VDD〜トランジスタP221〜トランジスタP121〜N121〜電源電圧VSSの経路に電流が流れ、トランジスタN221がオフ状態になると、この経路によってノードA2の電圧VA2が決まる。すなわち、電圧VA2は、電源電圧VDD−VSSをトランジスタP221とクランプ回路120とにより分圧した電圧VCNに遷移する(図4(c))。一方、クランプ回路110はオフ状態であるから、ノードA1の電圧は、電圧VB1が“L”レベルである間に“H”レベルに遷移する(図4(b))。
【0041】
出力回路300では、トランジスタP301は、ゲートに電圧VA1が印加されているため、電圧VA1の上昇に伴って早々にオフ状態になる。一方、トランジスタN301は、ゲートに印加される電圧VA2がトランジスタN301の閾値電圧VTNを超えて上昇すると、電流を流しはじめ、出力信号VOUTは下降しはじめる(図4(d))。ノードA2の電圧VA2がクランプ回路120によって電圧VCNにクランプされると、トランジスタN301は、電圧(VCN−VTN)に応じた電流で出力ノードを駆動し、出力信号VOUTを下降させる(図4(d))。このときトランジスタN301に流れる電流は制限されている。トランジスタN301がオン状態になり、トランジスタP301がオフ状態になるため、出力信号VOUTは“H”レベルから“L”レベルに遷移する。トランジスタN301を介して流れる電流は、抑制されることになる。
【0042】
時刻t6になると、出力信号VOUTは、インバータ回路410、420の論理判定レベルを超えて“H”レベルから“L”レベルに遷移する(図4(d))。インバータ回路410の出力である電圧VB1、インバータ回路420の出力である電圧VB2は、“L”レベルから“H”レベルに遷移する(図4(e)(f))。
【0043】
電圧VB2が“H”レベルになるとトランジスタP121がオフ状態になり、クランプ回路120は、ノードA2に影響を与えなくなる。入力回路220では、トランジスタP222は、ゲートに入力信号VINが印加されているため、オン状態であり、トランジスタP223は、ゲートに印加される出力信号VOUTが“L”レベルから“H”レベルに遷移するため、オン状態になる。トランジスタP222、P223が共にオン状態になるため、トランジスタP221を補強するようにノードA2を“H”レベルに駆動する。したがって、ノードA2の電圧VA2は、電圧VCNから急速に上昇する(図4(b))。
【0044】
出力回路300では、急速に上昇する電圧VA2がゲートに印加されるトランジスタP301は、出力信号VOUTを“L”レベルにさらに駆動する(図4(d))。このとき、トランジスタN301はオフ状態であり、電流は流れない。
【0045】
ここでは、電圧VB1および電圧VB2は、インバータ回路410、420により供給されるが、同じ電圧であるからインバータ回路を1回路にしてもよい。
【0046】
ここで、出力信号VOUTのデューティについて説明する。
【0047】
出力バッファ回路は、入力信号VINのデューティを維持した出力信号VOUTを出力することが望まれる。出力バッファ回路にデューティ50%の入力信号VINが与えられた場合、出力信号VOUTを駆動するトランジスタP301およびN301の電流駆動能力が等しいときは、出力信号のデューティは50%に保たれる。トランジスタP301、N301の電流駆動能力は、ゲートソース間電圧Vgsと、閾値電圧Vtとの差により定まる。したがって、電流駆動能力を等しくするためには、トランジスタP301、N301のそれぞれのゲートソース間電圧Vgsと閾値電圧Vtとの差を等しくしなければならない。
【0048】
トランジスタP301の閾値電圧VTPは、プロセスの製造ばらつきに依存する。また、トランジスタP301のゲートソース間電圧Vgsは、クランプ回路110とトランジスタN211とにより生成されるクランプ電圧VCPに基づいて決まる。クランプ電圧VCPは、クランプ回路110の電流駆動能力と、トランジスタN211の電流駆動能力との比により定まる。
【0049】
クランプ回路110は、トランジスタN111とトランジスタP111とを備える。トランジスタN211とトランジスタN111とは同じnMOSであるため、クランプ電圧VCPをプロセスの製造ばらつきに依らず一定とする特性を有する。一方、nMOSのトランジスタN211とpMOSのトランジスタP111とは、クランプ電圧VCPをnMOSとpMOSの電流駆動能力の比に応じて変動させる特性を有する。
【0050】
プロセスの製造ばらつきに依るクランプ電圧VCPの変動量は、クランプ回路110のトランジスタN111の電流駆動能力とトランジスタP111の電流駆動能力との比によって定まる。トランジスタN111の電流駆動能力に対してトランジスタP111の電流駆動能力が十分大きい場合、クランプ電圧VCPは、プロセスの製造ばらつきに依らず変動しない。トランジスタP111の電流駆動能力が小さくなるにしたがって、プロセスの製造ばらつきによるクランプ電圧VCPの変動量が大きくなる。
【0051】
したがって、プロセスの製造ばらつきによるトランジスタP301の閾値電圧VTPの変動量と、トランジスタN111の電流駆動能力とトランジスタP111の電流駆動能力とにより調整可能なクランプ回路110の変動量とが同じになるように、トランジスタのゲート幅Wを設定することにより、トランジスタP301のゲートソース間電圧Vgsと閾値電圧VTPとの差(Vgs−VTP)を一定にすることができる。
【0052】
同様に、トランジスタN301の閾値電圧VTNは、プロセスの製造ばらつきに依存する。また、トランジスタN301のゲートソース間電圧Vgsは、クランプ回路120とトランジスタP221とにより生成されるクランプ電圧VCNに基づいて決まる。クランプ電圧VCNは、クランプ回路120の電流駆動能力と、トランジスタP221の電流駆動能力との比により定まる。
【0053】
クランプ回路120は、トランジスタP121とトランジスタN121とを備える。トランジスタP221とトランジスタP121とは同じpMOSであるため、クランプ電圧VCNをプロセスの製造ばらつきに依らず一定とする特性を有する。一方、pMOSのトランジスタP221とnMOSのトランジスタN121とは、クランプ電圧VCNをpMOSとnMOSの電流駆動能力の比に応じて変動させる特性を有する。
【0054】
プロセスの製造ばらつきに依るクランプ電圧VCNの変動量は、クランプ回路120のトランジスタP121の電流駆動能力とトランジスタN121の電流駆動能力との比によって定まる。トランジスタP121の電流駆動能力に対してトランジスタN121の電流駆動能力が十分大きい場合、クランプ電圧VCNは、プロセスの製造ばらつきに依らず変動しない。トランジスタN121の電流駆動能力が小さくなるにしたがって、プロセスの製造ばらつきによるクランプ電圧VCNの変動量が大きくなる。
【0055】
したがって、プロセスの製造ばらつきによるトランジスタN301の閾値電圧VTNの変動量と、トランジスタP121の電流駆動能力とトランジスタN121の電流駆動能力とにより調整可能なクランプ回路120の変動量とが同じになるように、トランジスタのゲート幅Wを設定することにより、トランジスタN301のゲートソース間電圧Vgsと閾値電圧VTNとの差(Vgs−VTN)を一定にすることができる。
【0056】
上述のように、出力信号VOUTを駆動するトランジスタP301、N301のゲートソース間電圧Vgsと閾値電圧Vtとの差(Vgs−Vt)を一定にすることにより、トランジスタP301、N301の電流駆動能力を等しくすることができる。したがって、図5に示されるように、出力信号VOUTの立ち上がり時間と立ち下がり時間とが等しくなり、“H”レベルである期間T21と“L”レベルである時間T22とが等しくなり、デューティを50%に保つことができる。すなわち、出力バッファ回路は、立ち上がりと立ち下がりの対称性に優れた回路となる。pMOSトランジスタとnMOSトランジスタとをカスコード接続したクランプ回路110、120を用いることにより、プロセスの製造ばらつきによる出力デューティの劣化を改善することができる。
【0057】
また、本発明によれば、出力回路300の急激な電流変化を抑制することができる。出力回路300に含まれるトランジスタP301、N301における電流変化は、トランジスタP301、N301を駆動する入力回路210、220の出力電圧VA1、VA2の変化に依存する。図6に示されるように、電圧VA1の変化を例にしてクランプ電圧に遷移するまでの時間を説明すると、以下のようになる。
【0058】
電圧VA1を示す波形の傾きが急であればあるほど電流変化が大きく、緩やかであれば電流変化は小さくなる。この電圧VA1の変化を示す波形の傾きは、出力電圧VA1を駆動するトランジスタの電流駆動能力により定まる。駆動トランジスタの電流駆動能力が大きいほど電圧VA1を示す波形の傾きが急になり、電流駆動能力が小さいほど電圧VA1を示す波形の傾きが緩やかになる。
【0059】
先に説明した図1に示される回路では、入力回路、クランプ回路の両方の回路により同時に出力回路を駆動する。すなわち、図6(a)に示されるように、出力回路を駆動する回路は、時間T41をかけてクランプ電圧VCPまで遷移させる。
【0060】
これに対して、本発明による出力バッファ回路では、まず入力回路210のトランジスタN211がオン状態になって電圧VA1を“L”レベルに駆動する。電圧VA1がクランプ回路110のトランジスタP111の閾値電圧を下回ると、クランプ回路110が機能して電圧VA1をクランプする。すなわち、電圧VA1の遷移初期は、入力回路210のトランジスタN211によってのみ電圧VA1が駆動される。このような動作を行うため、小さな電流駆動能力のトランジスタで出力回路300を駆動することができ、図6(b)に示されるように、時間T41より長い時間T42をかけて電圧VA1をクランプ電圧VCPまで遷移させることができ、出力回路300のトランジスタP301における急激な電流変化を抑制することができる。
【0061】
本発明の出力バッファ回路では、キャパシタや抵抗素子を含まずに回路が構成される。そのため、キャパシタや抵抗素子の容量値や抵抗値の絶対値のばらつきの影響を受けずに所定の性能を実現することができる。
【0062】
(第2の実施の形態)
図7、図8を参照して、本発明の第2の実施の形態を説明する。
【0063】
図7は、本発明の第2の実施の形態に係る出力バッファ回路の構成を示す回路図である。第2の実施の形態に係る出力バッファ回路は、第1の実施の形態に係る出力バッファ回路に入力信号VINを所定の時間遅延させて遅延信号DLOを出力する遅延回路450が追加され、出力信号VOUTに代って遅延信号DLOがインバータ回路410、420と、トランジスタN213、P223とに供給される。他の構成は、第1の実施の形態に係る出力バッファ回路と同じである。
【0064】
入力回路210は、入力信号DINと遅延信号DLOとを入力し、出力回路300のトランジスタP301のゲートとクランプ回路110のトランジスタP111のゲートとに電圧VA1を出力する。入力回路220は、入力信号DINと遅延信号DLOとを入力し、出力回路300のトランジスタN301のゲートとクランプ回路120のトランジスタN121のゲートとに電圧VA2を出力する。インバータ回路410は、遅延信号DLOを入力し、クランプ回路110のトランジスタN111のゲートに出力を印加する。インバータ回路420は、遅延信号DLOを入力し、クランプ回路120のトランジスタP121のゲートに出力を印加する。
【0065】
図8は、本発明の第2の実施の形態に係る出力バッファの動作を示すタイミングチャートである。図4に示される第1の実施の形態のタイミングチャートに遅延信号DLOが追加され、符号が異なるが、クランプ期間が遅延回路450によって制御されることを除くと同じように動作する。以下、主に第1の実施の形態と異なる動作を説明する。
【0066】
時刻t2では、入力信号VINすなわち遅延回路450の入力が“L”レベルから“H”レベルに遷移し始める(図8(a))。その他の回路は第1の実施の形態と同様の動作をする。
【0067】
時刻t3は、遅延回路450が入力信号VINを遅延させる遅延時間T31後であり、遅延回路450の出力である遅延信号DLOが“L”レベルから“H”レベルに遷移する(図8(b))。インバータ回路410、420、トランジスタN213、P223とが、遅延信号DLOを入力して動作することを除き、他の回路は第1の実施の形態と同様の動作をする。
【0068】
時刻t5では、遅延回路450の入力である入力信号VINが“H”レベルから“L”レベルに遷移し始める(図8(a))。その他の回路は第1の実施の形態と同様の動作をする。
【0069】
時刻t6は、遅延回路450が入力信号VINを遅延させる遅延時間T31後であり、遅延回路450の出力である遅延信号DLOが“H”レベルから“L”レベルに遷移する(図8(b))。インバータ回路410、420、トランジスタN213、P223とが、遅延信号DLOを入力して動作することを除き、他の回路は第1の実施の形態と同様の動作をする。
【0070】
このように、第2の実施の形態では、遅延回路450の出力信号に基づいてクランプ回路110、120および入力回路210、220の制御を行うため、出力バッファ回路の外部負荷条件に依存せず、出力波形の劣化を防ぐことができる。
【0071】
すなわち、出力信号VOUTは、接続される負荷の形態により波形が大きく変動する。また、出力バッファ回路の出力は、LSI外部に接続されるため、ノイズが重畳して出力信号VOUTの波形を大きくひずませる可能性がある。出力信号VOUTの波形が劣化すると、第1の実施の形態で示される出力バッファ回路の場合、クランプ回路110、120および入力回路210、220は、その波形が劣化した出力信号VOUTに基づいて制御されることになり、これらの回路の動作も劣化する可能性がある。 第2の実施の形態では、遅延回路450が設けられる。遅延された信号DLOに基づいて制御されるクランプ回路110、120および入力回路210、220は、外部負荷の形態や重畳するノイズの影響を受けずに動作することになり、外部条件に依存する出力波形の劣化を防ぐことができる。また、遅延回路450によって遅延時間T31を調整することができ、電流特性、遅延特性等を調整しやすくすることができる。
【0072】
以上、実施の形態を参照して本願発明を説明したが、上記実施の形態は、矛盾のない限り組み合わせて実施可能である。また、本願発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【符号の説明】
【0073】
110、120 クランプ回路
210、220 入力回路
300 出力回路
410、420 インバータ回路
450 遅延回路
A1、A2、B1、B2 ノード
N111、N121、N211、N221、N212、N213、N301 nMOSトランジスタ
P111、P121、P211、P221、P222、P223、P301 pMOSトランジスタ
VDD、VSS 電源電圧
VIN 入力信号
VOUT 出力信号
DLO 遅延信号
Cla1、Cla2 クランプ回路
Cn、Cp キャパシタ
M10、M11、M12、M13、M14 pMOSトランジスタ
M15、M16、M17 nMOSトランジスタ
M20、M21、M22、M23、M24 nMOSトランジスタ
M25、M26、M27 pMOSトランジスタ
R11、R12 抵抗素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1出力トランジスタと第2出力トランジスタとを備え、出力信号を出力する出力回路と、
入力信号を入力して前記第1出力トランジスタのゲートを駆動する第1入力回路と、
前記入力信号を入力して前記第2出力トランジスタのゲートを駆動する第2入力回路と、
前記入力信号の第1の変化点から所定の時間が経過するまで前記第1入力回路の出力電圧をクランプする第1クランプ回路と、
前記入力信号の第2の変化点から所定の時間が経過するまで前記第2入力回路の出力電圧をクランプする第2クランプ回路と
を具備し、
前記第1クランプ回路および前記第2クランプ回路のそれぞれは、カスコード接続される第1導電型のトランジスタと、前記第1導電型と相補である第2導電型のトランジスタとを備える
出力バッファ回路。
【請求項2】
前記第1入力回路は、直列に接続される前記第1導電型の第1入力トランジスタと、前記第2導電型の第2入力トランジスタとを備え、前記第1入力トランジスタと前記第2入力トランジスタとが接続される第1ノードから前記第1出力トランジスタのゲートを駆動する第1ノード電圧を出力し、
前記第2入力回路は、直列に接続される前記第1導電型の第3入力トランジスタと、前記第2導電型の第4入力トランジスタとを備え、前記第3入力トランジスタと前記第4入力トランジスタとが接続される第2ノードから前記第2出力トランジスタのゲートを駆動する第2ノード電圧を出力する
請求項1に記載の出力バッファ回路。
【請求項3】
前記第1クランプ回路は、
前記第1ノード電圧に基づいて前記第1ノード電圧を制御する前記第1導電型の第1クランプトランジスタと、
前記第1クランプトランジスタと前記第1ノードとの間に接続され、前記入力信号を所定の時間遅延させた制御信号に応答して回路を開閉する前記第2導電型の第2クランプトランジスタと
を備え、
前記第2クランプ回路は、
前記第2ノード電圧に基づいて前記第2ノード電圧を制御する前記第2導電型の第3クランプトランジスタと、
前記第3クランプトランジスタと前記第2ノードとの間に接続され、前記制御信号に応答して回路を開閉する前記第1導電型の第4クランプトランジスタと
を備える
請求項1または請求項2に記載の出力バッファ回路。
【請求項4】
前記第1入力回路は、
前記入力信号に応答して制御される前記第2導電型の第5入力トランジスタと、
前記制御信号に応答して制御される前記第2導電型の第6入力トランジスタと
をさらに備え、
前記第2入力回路は、
前記入力信号に応答して制御される前記第1導電型の第7入力トランジスタと、
前記制御信号に応答して制御される前記第1導電型の第8入力トランジスタと
をさらに備える
請求項3に記載の出力バッファ回路。
【請求項5】
前記出力信号を論理反転させて出力するインバータ回路をさらに具備し、
前記第1クランプ回路は、
前記第1ノード電圧をゲートに印加される前記第1導電型の第1クランプトランジスタと、
前記インバータ回路の出力信号をゲートに印加される前記第2導電型の第2クランプトランジスタと
を備え、
前記第2クランプ回路は、
前記第2ノード電圧をゲートに印加される前記第2導電型の第3クランプトランジスタと、
前記インバータ回路の出力信号をゲートに印加される前記第1導電型の第4クランプトランジスタと
を備え、
前記第2クランプトランジスタのドレインは前記第1クランプトランジスタのドレインに接続され、前記第2クランプトランジスタのソースは前記第1ノードに接続され、前記第4クランプトランジスタのドレインは前記第3クランプトランジスタのドレインに接続され、前記第4クランプトランジスタのソースは前記第2ノードに接続される
請求項2に記載の出力バッファ回路。
【請求項6】
前記第1入力回路は、前記第2入力トランジスタと並列に前記第1ノードに接続される前記第2導電型の第5入力トランジスタおよび第6入力トランジスタを備え、
前記第2入力回路は、前記第3入力トランジスタと並列に前記第2ノードに接続される前記第1導電型の第7入力トランジスタおよび第8入力トランジスタを備え、
前記第5入力トランジスタと前記第6入力トランジスタとは直列に接続され、前記第5入力トランジスタのゲートに前記入力信号が印加され、前記第6入力トランジスタのゲートに前記出力信号が印加され、
前記第7入力トランジスタと前記第8入力トランジスタとは直列に接続され、前記第7入力トランジスタのゲートに前記入力信号が印加され、前記第8入力トランジスタのゲートに前記出力信号が印加される
請求項5に記載の出力バッファ回路。
【請求項7】
前記入力信号を遅延させて遅延信号を出力する遅延回路と、
前記遅延信号を論理反転して出力するインバータ回路と
をさらに具備し、
前記第1クランプ回路は、
前記第1ノード電圧をゲートに印加される前記第1導電型の第1クランプトランジスタと、
前記インバータ回路の出力信号をゲートに印加される前記第2導電型の第2クランプトランジスタと
を備え、
前記第2クランプ回路は、
前記第2ノード電圧をゲートに印加される前記第2導電型の第3クランプトランジスタと、
前記インバータ回路の出力信号をゲートに印加される前記第1導電型の第4クランプトランジスタと
を備え、
前記第2クランプトランジスタのドレインは前記第1クランプトランジスタのドレインに接続され、前記第2クランプトランジスタのソースは前記第1ノードに接続され、
前記第4クランプトランジスタのドレインは前記第3クランプトランジスタのドレインに接続され、前記第4クランプトランジスタのソースは前記第2ノードに接続される
請求項2に記載の出力バッファ回路。
【請求項8】
前記第1入力回路は、前記第2入力トランジスタと並列に前記第1ノードに接続される前記第2導電型の第5入力トランジスタおよび第6入力トランジスタを備え、
前記第2入力回路は、前記第3入力トランジスタと並列に前記第2ノードに接続される前記第1導電型の第7入力トランジスタおよび第8入力トランジスタを備え、
前記第5入力トランジスタと前記第6入力トランジスタとは直列に接続され、前記第5入力トランジスタのゲートに前記入力信号が印加され、前記第6入力トランジスタのゲートに前記遅延信号が印加され、
前記第7入力トランジスタと前記第8入力トランジスタとは直列に接続され、前記第7入力トランジスタのゲートに前記入力信号が印加され、前記第8入力トランジスタのゲートに前記遅延信号が印加される
請求項7に記載の出力バッファ回路。
【請求項9】
入力信号を入力して論理反転された第1駆動信号を第1ノードに出力する第1インバータ回路と、前記第1インバータ回路は第1電源電圧と第2電源電圧との間に直列に接続される第1pMOSトランジスタと第1nMOSトランジスタとを備え、
前記入力信号を入力して論理反転された第2駆動信号を第2ノードに出力する第2インバータ回路と、前記第2インバータ回路は前記第1電源電圧と前記第2電源電圧との間に直列に接続される第2pMOSトランジスタと第2nMOSトランジスタとを備え、
前記第1駆動信号と前記第2駆動信号とに基づいて出力信号を出力する出力回路と、前記出力回路は前記第1電源電圧と前記第2電源電圧との間に直列に接続される第3pMOSトランジスタおよび第3nMOSトランジスタを備え、前記第3pMOSトランジスタのゲートは前記第1ノードに接続され、前記第3nMOSトランジスタのゲートは前記第2ノードに接続され、前記第3pMOSトランジスタと前記第3nMOSトランジスタとの接続ノードから出力信号を出力し、
前記第1電源電圧と前記第1ノードとの間に直列に接続される第4pMOSトランジスタおよび第4nMOSトランジスタを備える第1クランプ回路と、前記第4pMOSトランジスタのゲートは前記第1ノードに接続され、
前記第2電源電圧と前記第2ノードとの間に直列に接続される第5nMOSトランジスタおよび第5pMOSトランジスタを備える第2クランプ回路と、前記第5nMOSトランジスタのゲートは前記第2ノードに接続され、
前記出力信号を入力し、論理反転された信号を前記第4nMOSトランジスタのゲートおよび前記第5pMOSトランジスタのゲートに出力するインバータ回路と
を具備する
出力バッファ回路。
【請求項10】
前記第1ノードと前記第2電源電圧との間に直列に接続される第6nMOSトランジスタおよび第7nMOSトランジスタと、
前記第2ノードと前記第1電源電圧との間に直列に接続される第6pMOSトランジスタおよび第7pMOSトランジスタと
をさらに具備し、
前記第6nMOSトランジスタのゲートと前記第6pMOSトランジスタのゲートとは、前記入力信号が印加され、
前記第7nMOSトランジスタのゲートと前記第7pMOSトランジスタのゲートとは、前記出力信号が印加される
請求項9に記載の出力バッファ回路。
【請求項11】
入力信号を入力して所定の時間の遅延を有する遅延信号を出力する遅延回路と、
前記入力信号を入力して論理反転された第1駆動信号を第1ノードに出力する第1インバータ回路と、前記第1インバータ回路は第1電源電圧と第2電源電圧との間に直列に接続される第1pMOSトランジスタと第1nMOSトランジスタとを備え、
前記入力信号を入力して論理反転された第2駆動信号を第2ノードに出力する第2インバータ回路と、前記第2インバータ回路は前記第1電源電圧と前記第2電源電圧との間に直列に接続される第2pMOSトランジスタと第2nMOSトランジスタとを備え、
前記第1駆動信号と前記第2駆動信号とに基づいて出力信号を出力する出力回路と、前記出力回路は前記第1電源電圧と前記第2電源電圧との間に直列に接続される第3pMOSトランジスタおよび第3nMOSトランジスタを備え、前記第3pMOSトランジスタのゲートは前記第1ノードに接続され、前記第3nMOSトランジスタのゲートは前記第2ノードに接続され、前記第3pMOSトランジスタと前記第3nMOSトランジスタとの接続ノードから出力信号を出力し、
前記第1電源電圧と前記第1ノードとの間に直列に接続される第4pMOSトランジスタおよび第4nMOSトランジスタを備える第1クランプ回路と、前記第4pMOSトランジスタのゲートは前記第1ノードに接続され、
前記第2電源電圧と前記第2ノードとの間に直列に接続される第5nMOSトランジスタおよび第5pMOSトランジスタを備える第2クランプ回路と、前記第5nMOSトランジスタのゲートは前記第2ノードに接続され、
前記遅延信号を入力し、論理反転された信号を前記第4nMOSトランジスタのゲートおよび前記第5pMOSトランジスタのゲートに出力するインバータ回路と
を具備する
出力バッファ回路。
【請求項12】
前記第1ノードと前記第2電源電圧との間に直列に接続される第6nMOSトランジスタおよび第7nMOSトランジスタと、
前記第2ノードと前記第1電源電圧との間に直列に接続される第6pMOSトランジスタおよび第7pMOSトランジスタと
をさらに具備し、
前記第6nMOSトランジスタのゲートと前記第6pMOSトランジスタのゲートとは、前記入力信号が印加され、
前記第7nMOSトランジスタのゲートと前記第7pMOSトランジスタのゲートとは、前記遅延信号が印加される
請求項11に記載の出力バッファ回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−169937(P2012−169937A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−30254(P2011−30254)
【出願日】平成23年2月15日(2011.2.15)
【出願人】(302062931)ルネサスエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】