動電型エキサイタ搭載スピーカ装置
【課題】電気配線や配管などが接触しても音響特性の劣化や、異音が発生し難く、効率の高い動電型エキサイタ搭載スピーカ装置を提供する。
【解決手段】磁気回路部と、この磁気回路部に形成された磁気ギャップ内に配設したコイルと、このコイルが固定され、磁気回路部との間に所定の隙間を有するよう、磁気回路部と弾性的に連結された振動板と、を有する動電型エキサイタと、一面の所定位置に動電型エキサイタの振動板を装着した筐体と、を備えた動電型エキサイタ搭載スピーカ装置において、振動板が装着された筐体の一面の、振動板が装着された周囲に振動伝達抑制部を設けた。
【解決手段】磁気回路部と、この磁気回路部に形成された磁気ギャップ内に配設したコイルと、このコイルが固定され、磁気回路部との間に所定の隙間を有するよう、磁気回路部と弾性的に連結された振動板と、を有する動電型エキサイタと、一面の所定位置に動電型エキサイタの振動板を装着した筐体と、を備えた動電型エキサイタ搭載スピーカ装置において、振動板が装着された筐体の一面の、振動板が装着された周囲に振動伝達抑制部を設けた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、テレビやパーソナルコンピュータなどの各種電子機器の薄型化を図るために活用されている薄型パネルスピーカに適用したり、電動車両などに取り付けて報知音発生に応用したりする動電型エキサイタ搭載スピーカ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、薄型液晶テレビ、薄型プラズマテレビ、薄型パーソナルコンピュータ等の家電製品や産業用工作機械の各種モニタ機器などに搭載される薄型パネルスピーカには、動電型エキサイタが多く採用されている。すなわち、従来の動電型エキサイタは、椀形状のインナーヨーク、永久磁石、アウターヨーク、ボイスコイル、振動板、接着部材にて構成されており、インナーヨークとアウターヨーク側壁との空隙にボイスコイルが配設され、振動板はボイスコイルと一体的に固定されている。永久磁石とインナーヨークとアウターヨークとで構成される磁気回路中のボイスコイルに所定信号からなる電流を流すことにより、ボイスコイルが軸方向に振動し、ボイスコイルが一体的に固定された振動板を励振することにより音波を発する。
【0003】
例えば、特許文献1による動電型エキサイタは、インナーヨーク、マグネット、アウターヨークからなる磁気回路の軸方向端面に、発泡ウレタンなどの適宣な弾性を有する弾性保持体によって、ボイスコイルと一体的に固定された振動板からなる振動部材を貼着した構造となっている。
【0004】
また、特許文献2には、碗形状のアウターヨーク、このアウターヨークの内部に順次積み重ねられる板状のマグネットおよびインナーヨークから構成される磁気回路と、この磁気回路のアウターヨークの側壁の内周部とインナーヨークの外周部との間に形成される空隙内に配置されるボイスコイルと、磁気回路の前方においてボイスコイルを保持するサブパネルとを備えたパネル型スピーカを、車両の扉などに取り付けることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−354297号公報(図2)
【特許文献2】特開2003−143690号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の図2に示された動電型エキサイタ搭載スピーカ装置は、動電型エキサイタを装着した振動板をスポンジなどの弾性部材を介して筐体に固定している。また、特許文献2に示されたパネル型スピーカは、動電型エキサイタを車両の扉などに取り付けることにより、車両の扉などを振動板として動作させている。
【0007】
従来の動電型エキサイタを搭載したスピーカ装置は、以上のように構成されており、振動板が振動して音を発生する構成になっているが、この構成を、電動車両の接近報知装置の報知音発生に応用するために、電動車両のボンネット内などに取り付けて使用する場合、振動する部分に周囲の電気配線や配管が接触して、異音が発生したり、音響特性が変動したりするという課題があった。
【0008】
本発明は、以上のような従来の動電型エキサイタ搭載スピーカ装置の問題点を解消する
ためになされたものであり、電気配線や配管などが接触しても音響特性の劣化や、異音が発生し難く、効率の高い動電型エキサイタ搭載スピーカ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明は、椀状のアウターヨークと、この椀状のアウターヨークに囲まれて配置されたマグネットとインナーヨークとを含む磁気回路部と、この磁気回路部に形成された磁気ギャップ内に配設したコイルと、このコイルが固定され、磁気回路部との間に所定の隙間を有するよう、磁気回路部と弾性的に連結された振動板と、を有する動電型エキサイタと、一面の所定位置に動電型エキサイタの振動板を装着した筐体と、を備えた動電型エキサイタ搭載スピーカ装置において、振動板が装着された筐体の一面の、振動板が装着された周囲に振動伝達抑制部を設けたものである。
【発明の効果】
【0010】
この発明によれば、電動車両のボンネット内などに取り付けて使用する場合などに、電気配線や配管などが接触しても音響特性の劣化や、異音が発生し難く、効率の高い動電型エキサイタ搭載スピーカ装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】この発明の実施の形態1による動電型エキサイタ搭載スピーカ装置の構成を示す概略図である。
【図2】一般的な動電型エキサイタの構成を示す断面図である。
【図3】この発明の実施の形態1による動電型エキサイタ搭載スピーカ装置の別の構成を示す概略平面図である。
【図4】この発明の実施の形態2による動電型エキサイタ搭載スピーカ装置の構成を示す概略平面図である。
【図5】この発明の実施の形態2による動電型エキサイタ搭載スピーカ装置の別の構成を示す概略平面図である。
【図6】この発明の実施の形態3による動電型エキサイタ搭載スピーカ装置の構成を示す概略平面図である。
【図7】この発明の実施の形態3による動電型エキサイタ搭載スピーカ装置の別の構成を示す概略平面図である。
【図8】この発明の実施の形態4による動電型エキサイタ搭載スピーカ装置の構成を示す概略図である。
【図9】この発明の実施の形態4による動電型エキサイタ搭載スピーカ装置の別の構成を示す概略断面図である。
【図10】この発明の実施の形態5による動電型エキサイタ搭載スピーカ装置の構成を示す概略図である。
【図11】この発明の実施の形態6による動電型エキサイタ搭載スピーカ装置の構成を示す概略図である。
【図12】この発明の実施の形態7による動電型エキサイタ搭載スピーカ装置の構成を示す部分概略図である。
【図13】この発明の実施の形態7による動電型エキサイタ搭載スピーカ装置の構成を示す部分概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1による動電型エキサイタ搭載スピーカ装置の構成を示す概略図であり、図1(a)は平面図、図1(b)は図1(a)のA−A位置での断面図である。ただし、図1(b)の断面図では、後述の図2で示す動電型エキサイタ1の詳細構
造は示していない。図8以降の断面図においても同様である。図1に示した動電型エキサイタ搭載スピーカ装置では、磁気回路部10と振動板11を有する動電型エキサイタ1が、被振動体となる筐体2の一面に、例えばネジ30により固定されている。動電型エキサイタ1が固定された一面には、動電型エキサイタ1の振動板11が装着された周辺3方を囲むようにスリット(隙間)21が設けられている。スリット21は、振動伝達を抑制する振動伝達抑制部を構成しており、筐体2のスリット21の内側が振動板11によって励振される被振動部22を形成する。このように、振動板11が装着された被振動部22はスリット21で筐体2の周辺部から切り離され、片持ち梁構造となっている。
【0013】
ここで、一般的な動電型エキサイタ1の構造の断面図を図2に示す。磁性体からなるインナーヨーク12、希土類等からなる扁平形状のマグネット13、底と側面を有する椀状に形成された磁性体からなるアウターヨーク14で磁気回路部10を構成している。アウターヨーク14の底面にはマグネット13の片面が接触し、また、マグネット13の他面は磁性体からなるインナーヨーク12が接触している。アウターヨーク14とマグネット13とインナーヨーク12とは夫々図示しない接着材にて接合され、インナーヨーク12の径方向外周面とアウターヨーク14の側面との間にギャップ(空隙)を持たせて磁気回路部を構成している。
【0014】
磁気回路のギャップ部に位置するよう、絶縁材からなるボビン15に巻回されたコイル16が配設され、コイル16が巻回されたボビン15は薄い平板状の振動板11によって一体的に保持されている。また、振動板11とアウターヨーク14との隙間は、弾性体17によって埋められている。振動板11と磁気回路部10との間の弾性体は、振動板11とインナーヨーク12の間に設けても良い。また、アウターヨーク14とインナーヨーク12の所定箇所を弾性体により振動板11と連結しても良い。
【0015】
このように構成された動電型エキサイタ1は、コイル16への交流電流の通電により、コイル16の電流が、磁気回路によってギャップ部に形成する磁界から力を受け、コイル16が磁気回路部10に対して相対的に振動する。コイル16はボビン15を介して振動板11に固定されているため、振動板11が磁気回路部10に対して振動する。振動板11は、筐体2の被振動部22に固定されているため、振動板11が振動すると被振動部22も振動して、振動に応じた音を発生する。すなわち、図1に示す全体が動電型エキサイタ搭載スピーカ装置を構成する。このスピーカ装置は、例えば筐体2に設けられた、取り付け用翼4に設けられた取付用穴41を用いて、所望の場所にネジなどで取り付けて使用する。
【0016】
本実施の形態1による動電型エキサイタ搭載スピーカ装置を、例えば、電動車両の接近報知装置の発音体として用いる場合、取り付ける場所は、ボンネット内など、他の機器が近くに配置されている場所となることが考えられる。このような場所では、周囲に電気配線や配管などが張り巡らされている。したがって、このような場所に動電型エキサイタ搭載スピーカ装置を取り付けた場合、電気配線や配管が筐体に触れることが考えられる。スピーカ装置の振動する部分に異物が触れると、異物が振動して、スピーカ装置と接触非接触を繰り返して異音が発生したり、スピーカ装置の音響特性が変化したりするといった不具合が発生する。ここで、電気配線や配管が触れる可能性が高いのは、筐体の外周の縁の部分である。本実施の形態1による動電型エキサイタ搭載スピーカ装置にあっては、振動伝達を抑制する振動伝達抑制部としてのスリット21が設けられており、動電型エキサイタ1によって振動させられるのは、スリット21の内側の被振動部22であって、筐体2の縁部はほとんど振動しない。したがって、電気配線や配管が筐体2の縁部に触れたとしても、異音が発生しない、あるいは発生してもごく小音となり、音響特性の劣化も抑えられる。また、被振動部22はスリット21が無い場合に比較して自由に振動できるため、動電型エキサイタ1の振動板11の振動をより高効率で伝達でき、音の発生を高効率に行
えるとともに、動電型エキサイタ1を筐体2の被振動部22に装着することによる音響特性の劣化も少ない。
【0017】
なお、図1において、動電型エキサイタ1の中心100からスリット21を臨む角度をθで示しているが、スリット21は、このθが180度以上となるよう電動エキサイタ1の周囲に設けるのが好ましい。θが180度以上となるようスリット21を設ければ、電気配線や配管が筐体2の縁部に触れたとしても、異音が発生しない、あるいは発生してもごく小音となり音響特性の劣化も抑えられるという本発明の効果や、音の発生を高効率に行えるとともに、音響特性の劣化も少ないという効果を十分に奏する。
【0018】
図3は、本発明の実施の形態1による動電型エキサイタ搭載スピーカ装置の別の構成を示す概略平面図である。図3において、図1と同一符号は同一または相当する部分を示す。図3のスピーカ装置にあっては、図1と同様、筐体2の動電型エキサイタ1の装着面に振動伝達抑制部であるスリット211を設けているが、スリットの形状が図1とは異なる。図1のスリット21は、動電型エキサイタ1が取り付けられた周辺3方を囲むように設けられていたが、図3におけるスリット211は、他の1方にも一部スリットが回り込むように設けられている。このように、スリット211が3方のみならず、他の1方にも回り込むように設けられているため、筐体2の縁部のうち、他の1方の縁部221の振動が、図1の構成に比較して、より少なく、この部分に電気配線や配管が触れた場合の異音の発生がより抑えられ、音響特性の劣化も抑えられる。また、より自由に振動できるため、動電型エキサイタ1の振動板11の振動をより高効率で伝達でき、音の発生を高効率に行えるとともに、動電型エキサイタ1を筐体2の被振動部22に装着することによる音響特性の劣化もより少なくなる。
【0019】
実施の形態2.
図4は、本発明の実施の形態2による動電型エキサイタ搭載スピーカ装置の構成を示す概略平面図である。図4において、図1と同一符号は同一または相当する部分を示す。図4の動電型エキサイタ搭載スピーカ装置にあっては、図1や図3と同様、筐体2の動電型エキサイタ1の装着面に振動伝達抑制部であるスリット(隙間)212を設けているが、スリットの形状が図1や図3とは異なる。図4におけるスリット212は、動電型エキサイタ1の4方を囲むようにスリットが設けられ、筐体2の周辺部と、スリット212の内側となる被振動部22を接続する接続部24が2か所設けられている。このように、スリット212は、動電型エキサイタ1の周囲を囲むように設けられているが、2か所の接続部24によりスリットとして2つに分割されている。振動伝達抑制部であるスリット212が動電型エキサイタ1の周囲を囲むように設けられているため、被振動部22の振動が、筐体2の周辺部に伝わり難く、筐体2の縁部に電気配線や配管が触れた場合の異音の発生がより抑えられ、音響特性の劣化も抑えられる。また、スリット212が無い場合に比較してより自由に振動できるため、動電型エキサイタ1の振動板11の振動をより高効率で伝達でき、音の発生を高効率に行えるとともに、動電型エキサイタ1を筐体2の被振動部22に装着することによる音響特性の劣化も少ない。さらに、2か所の接続部24が設けられているため、強度的に、強い構造となっている。
【0020】
図5は、本発明の実施の形態2による動電型エキサイタ搭載スピーカ装置の別の構成を示す概略平面図である。図5において、図1と同一符号は同一または相当する部分を示す。図5のスピーカ装置にあっては、図4と同様、筐体2の動電型エキサイタ1の装着面に振動伝達抑制部であるスリット213を、動電型エキサイタ1の周囲を囲むように設けているが、スリットの形状が図4とは異なる。図5におけるスリット213は、各辺それぞれに独立してスリットが設けられており、4か所の接続部24によりスリットとして4つに分割されている。振動伝達抑制部であるスリット213が動電型エキサイタ1の周囲を囲むように設けられているため、被振動部22の振動が、筐体2の周辺部に伝わり難く、筐体2の縁部に電気配線や配管が触れた場合の異音の発生がより抑えられ、音響特性の劣化も抑えられる。また、スリット213が無い場合に比較してより自由に振動できるため、動電型エキサイタ1の振動板11の振動をより高効率で伝達でき、音の発生を高効率に行えるとともに、動電型エキサイタ1を筐体2の被振動部22に装着することによる音響特性の劣化も少ない。さらに、4か所の接続部24が設けられているため、強度的に、強い構造となっている。
【0021】
以上のように、本実施の形態2による動電型エキサイタ搭載スピーカ装置においては、筐体2の動電型エキサイタ1が取り付けられた周辺に、動電型エキサイタ1を取り囲むように振動伝達抑制部であるスリット212や213を設け、筐体2の周辺部と、スリット212あるいは213の内側となる被振動部22を接続する接続部24を複数個所設けてスリットを分割した構造にしている。スリット212や213で、被振動部22の振動が、筐体2の周辺部に伝達するのが抑えられるため、筐体2の縁部に電気配線や配管が触れた場合の異音の発生がより抑えられ、音響特性の劣化も抑えられる。また、被振動部22はスリット212あるいは213が無い場合に比較して自由に振動できるため、動電型エキサイタ1の振動板11の振動をより高効率で伝達でき、音の発生を高効率に行えるとともに、動電型エキサイタ1を筐体2の被振動部22に装着することによる音響特性の劣化も少ない。さらに、複数の接続部24が設けられているため、強度的に、強い構造となっている。
【0022】
実施の形態3.
図6は、本発明の実施の形態3による動電型エキサイタ搭載スピーカ装置の構成を示す概略平面図である。図6において、図1と同一符号は同一または相当する部分を示す。図6の動電型エキサイタ搭載スピーカ装置にあっては、図1と同様、筐体2の動電型エキサイタ1の装着面にスリット21を設け、そのスリット21の一部を、振動を吸収して振動伝達を抑制する振動吸収部材23で埋めている。この振動吸収部材23は、例えば軟らかいゴムなどの材料から成る。スリット21の一部に振動吸収部材23が設けられているが、この構成においても、動電型エキサイタ1によって振動させられるのは、スリット21の内側の被振動部22であって、振動伝達抑制部を構成するスリット21や振動吸収部材23により振動が周囲に伝達するのが抑えられるため、筐体2の縁部の振動が抑えられる。したがって、電気配線や配管が筐体2の縁部に触れたとしても、異音が発生しない、あるいは発生してもごく小音となり、音響特性の劣化も抑えられる。図1の被振動部22は片持ち梁の構造となっており被振動部22が容易に振動する構造であるが強度的に少し弱い。一方、図6の構成では、スリットの一部が振動吸収部材23で埋められており、振動吸収部材23が被振動部22の最大振れ幅を制限する振動幅制限部材として支持も兼ねているため、強度的に図1の構成よりも強い構成となっている。
【0023】
図7は、本発明の実施の形態3による動電型エキサイタ搭載スピーカ装置の別の構成を示す平面図である。図7において、図1と同一符号は同一または相当する部分を示す。図7の動電型エキサイタ搭載スピーカ装置にあっては、図1や図6と同様、筐体2の動電型エキサイタ1の装着面にスリットを設け、そのスリット内全体を、振動を吸収して振動伝達を抑制する振動吸収部材231で埋めている。この振動吸収部材231は、例えば軟らかいゴムなどの材料から成る。この構成においても、動電型エキサイタ1によって振動させられるのは、振動吸収部材231が設けられた部分の内側となる被振動部22であって、筐体2の縁部は振動しない。したがって、電気配線や配管が筐体2の縁部に触れたとしても、異音が発生しない、あるいは発生してもごく小音となり、音響特性の劣化も抑えられる。また、スリットが振動吸収部材231で埋められているため、筐体2の外部から内部への水や埃などの侵入を防止する効果がある。また、強度的にも、図1の構成よりも強い構成となっている。また、スリットを振動吸収部材231で埋める場合、例えば振動吸収部材の断面形状を溝状にしてある程度の撓みを持たせることにより振動伝達抑制効果が更に高まることは言うまでもない。
【0024】
さらに、実施の形態1の図3や実施の形態2の図4、図5の構成においても、本実施の形態3と同様、スリットの一部または全体を振動吸収部材で埋める構成にしても良い。これらの場合も、動電型エキサイタ1によって振動させられるのは、振動吸収部材が設けられた部分の内側となる被振動部22であって、筐体2の縁部は振動せず、電気配線や配管が筐体2の縁部に触れたとしても、異音が発生しない、あるいは発生してもごく小音となり、音響特性の劣化も抑えられる効果を奏する。また、被振動部22はスリットや振動吸収部材などの振動伝達抑制部が無い場合に比較して自由に振動できるため、動電型エキサイタ1の振動板11の振動をより高効率で伝達でき、音の発生を高効率に行えるとともに、動電型エキサイタ1を筐体2の被振動部22に装着することによる音響特性の劣化も少ない。さらに、スリット全体が振動吸収部材で埋められているものにあっては、筐体2の外部から内部への水や埃などの侵入を防止する効果がある。
【0025】
実施の形態4.
図8は、本発明の実施の形態4による動電型エキサイタ搭載スピーカ装置の構成を示す概略図で、図8(a)は平面図、図8(b)は、図8(a)のA−A線の位置での断面図である。図8において、図1と同一符号は同一または相当する部分を示す。図8の動電型エキサイタ搭載スピーカ装置は、互いに逆方向に折り曲げた2か所の折り曲げ部241および242による段折り部を設け、動電型エキサイタ1が装着されている面である被振動部22が筐体2の内部に存在するようにしている。
【0026】
図8の構成においても、被振動部22の周囲には、振動伝達抑制部である隙間214が設けられているため、被振動部22の振動は隙間214の外側には伝わらず、筐体2の縁部は振動しない。したがって、電気配線や配管が筐体2の縁部に触れたとしても、異音が発生しない、あるいは発生してもごく小音となり、音響特性の劣化も抑えられる。また、被振動部22は振動伝達抑制部である隙間214が無い場合に比較して自由に振動できるため、動電型エキサイタ1の振動板11の振動をより高効率で伝達でき、音の発生を高効率に行えるとともに、動電型エキサイタ1を筐体2の被振動部22に装着することによる音響特性の劣化も少ない。さらに、被振動部22が筐体の周辺部よりも内部に存在するため、電気配線や配管が被振動部22により触れ難い。
【0027】
図9は、本発明の実施の形態4による動電型エキサイタ搭載スピーカ装置の別の構成を示す概略断面図であり、図8(b)に相当する図である。図9において、図8と同一符号は同一または相当する部分を示す。図9の動電型エキサイタ搭載スピーカ装置にあっては、図8の構成の隙間214の一部または全体に、振動を吸収して振動伝達を抑制する振動吸収部材232を設けた。この振動吸収部材232は、例えば軟らかいゴムなどの材料から成る。この構成においても、振動伝達抑制部である振動吸収部材232や隙間は被振動部22の振動を筐体2の周辺部に伝達するのを抑制するため、筐体2の周辺部に電気配線や配管が触れたとしても、異音が発生しない、あるいは発生してもごく小音となり、音響特性の劣化も抑えられる。また、被振動部22は振動伝達抑制部が無い場合に比較して自由に振動できるため、動電型エキサイタ1の振動板11の振動をより高効率で伝達でき、音の発生を高効率に行えるとともに、動電型エキサイタ1を筐体2の被振動部22に装着することによる音響特性の劣化も少ない。さらに、被振動部22が筐体の周辺部よりも内部に存在するため、電気配線や配管が被振動部22により触れ難い。また、振動吸収部材232が被振動部22の最大振れ幅を制限する振動幅制限部材として支持も兼ねているため、図8の構成のものより強度的により強い構成となっている。また、図8の構成の隙間214の全体に振動吸収部材23を配設することにより、筐体2の外部から内部への水や埃などの侵入を防止する効果がある。
【0028】
実施の形態5.
図10は、本発明の実施の形態5による動電型エキサイタ搭載スピーカ装置の構成を示す図であり、図10(a)は平面図、図10(b)は図10(a)のA−A位置での断面図、図10(c)は図10(a)のB−B位置での断面図である。図10において、図8と同一符号は同一または相当する部分を示す。図10の動電型エキサイタ搭載スピーカ装置にあっては、筐体2の被振動部22に対向する部分の縁にフレーム42を設けた。また、片持ち梁構造である被振動部22の先端の最大振れ幅を制限する振動幅制限部材として被振動部22の先端と筐体のフレーム42および下側フレーム43との間にバネ216およびバネ215を設けた。バネはバネ215あるいはバネ216のいずれか一方のみ設けても良く、また、バネ215の代わりに、隙間214の一部または全体にゴムなどの振動吸収部材を設けても良いのは言うまでもない。あるいは、図8と同様、隙間214のみで何も設けない構成であっても良い。
【0029】
この構成によれば、筐体2の縁をフレーム構造としたため、筐体2の強度が増す。また、実施の形態4と同様、隙間や振動吸収部材は被振動部22の振動を筐体2の周辺部に伝達するのを抑制するため、筐体2の周辺部に電気配線や配管が触れたとしても、異音が発生しない、あるいは発生してもごく小音となり、音響特性の劣化も抑えられる。また、被振動部22が筐体の周辺部よりも内部に存在するため、電気配線や配管が被振動部22に、より触れ難い。さらに、被振動部22の先端の最大振れ幅を制限する振動幅制限部材を設けたものにあっては、強度的により強い構成となる。
【0030】
実施の形態6.
図11は、本発明の実施の形態6による動電型エキサイタ搭載スピーカ装置の構成を示す概略図であり、図11(a)は平面断面図で図11(b)のC−C位置での断面図、図11(b)は図11(a)のA−A位置での側面断面図、図11(c)は図11(a)のB−B位置での側面断面図である。図11において、図10と同一符号は同一または相当する部分を示す。本実施の形態5による図11の動電型エキサイタ搭載スピーカ装置にあっては、筐体2を箱体とし、その一面の一部に隙間を設け、実施の形態4や実施の形態5と同様、被振動部22を2段の段折り部241、242により箱体である筐体2の内部に存在させている。
【0031】
図11の構成においては、動電型エキサイタ1の背面が筐体2で覆われているため、被振動部22から放射される音は、被振動部22の前面方向(図11(b)および図11(c)の矢印で示す方向)にのみ放射される。また、動電型エキサイタ1の背面空間は音響空間となり、被振動部22周辺の隙間214の開口から前面方向に音が放射されるため、背面空間による音響増幅効果によって、放射音の低周波特性を強調することができる。
【0032】
実施の形態7.
以上の実施の形態1から6における筐体2は、被振動部22を含めて、金属板の折り曲げ加工により一体的に形成することができる。あるいは、筐体2は、被振動部22を含めて、樹脂成型により一体的に形成することもできる。このように、筐体2を、被振動部22を含めて、金属板の折り曲げ加工、あるいは樹脂成型により一体的に構成することで、製造が簡単で、強度が強い動電型エキサイタ搭載スピーカ装置を得ることができる。
【0033】
また、実施形態1から6に示す振動板11と被振動板22の締結は、振動板の円周部分に複数のネジで締結する方法を示しているが、振動板11の中央に突起部を設け、メネジあるいはオネジ加工を施し、被振動版22と振動板11を締結する以下の方法でも良い。図13に示すように、振動板11にネジ110を固着し、被振動版22にバカ穴を設け、ナット50で被振動板22と締結する。また、図14に示すように、振動板11に凸部111を設け、この凸部111にメネジを設けて被振動板22と振動板11をボルト51で締結しても良い。
【符号の説明】
【0034】
1:動電型エキサイタ 2:筐体
10:磁気回路部 11:振動板
12:インナーヨーク 13:マグネット
14:アウターヨーク 16:コイル
17:弾性体
21、211、212、213、214:スリット(振動伝達抑制部)
22:被振動部 23、231、232:振動吸収部材
215、216:バネ(振動幅制限部材) 241、242:折り曲げ部
【技術分野】
【0001】
この発明は、テレビやパーソナルコンピュータなどの各種電子機器の薄型化を図るために活用されている薄型パネルスピーカに適用したり、電動車両などに取り付けて報知音発生に応用したりする動電型エキサイタ搭載スピーカ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、薄型液晶テレビ、薄型プラズマテレビ、薄型パーソナルコンピュータ等の家電製品や産業用工作機械の各種モニタ機器などに搭載される薄型パネルスピーカには、動電型エキサイタが多く採用されている。すなわち、従来の動電型エキサイタは、椀形状のインナーヨーク、永久磁石、アウターヨーク、ボイスコイル、振動板、接着部材にて構成されており、インナーヨークとアウターヨーク側壁との空隙にボイスコイルが配設され、振動板はボイスコイルと一体的に固定されている。永久磁石とインナーヨークとアウターヨークとで構成される磁気回路中のボイスコイルに所定信号からなる電流を流すことにより、ボイスコイルが軸方向に振動し、ボイスコイルが一体的に固定された振動板を励振することにより音波を発する。
【0003】
例えば、特許文献1による動電型エキサイタは、インナーヨーク、マグネット、アウターヨークからなる磁気回路の軸方向端面に、発泡ウレタンなどの適宣な弾性を有する弾性保持体によって、ボイスコイルと一体的に固定された振動板からなる振動部材を貼着した構造となっている。
【0004】
また、特許文献2には、碗形状のアウターヨーク、このアウターヨークの内部に順次積み重ねられる板状のマグネットおよびインナーヨークから構成される磁気回路と、この磁気回路のアウターヨークの側壁の内周部とインナーヨークの外周部との間に形成される空隙内に配置されるボイスコイルと、磁気回路の前方においてボイスコイルを保持するサブパネルとを備えたパネル型スピーカを、車両の扉などに取り付けることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−354297号公報(図2)
【特許文献2】特開2003−143690号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の図2に示された動電型エキサイタ搭載スピーカ装置は、動電型エキサイタを装着した振動板をスポンジなどの弾性部材を介して筐体に固定している。また、特許文献2に示されたパネル型スピーカは、動電型エキサイタを車両の扉などに取り付けることにより、車両の扉などを振動板として動作させている。
【0007】
従来の動電型エキサイタを搭載したスピーカ装置は、以上のように構成されており、振動板が振動して音を発生する構成になっているが、この構成を、電動車両の接近報知装置の報知音発生に応用するために、電動車両のボンネット内などに取り付けて使用する場合、振動する部分に周囲の電気配線や配管が接触して、異音が発生したり、音響特性が変動したりするという課題があった。
【0008】
本発明は、以上のような従来の動電型エキサイタ搭載スピーカ装置の問題点を解消する
ためになされたものであり、電気配線や配管などが接触しても音響特性の劣化や、異音が発生し難く、効率の高い動電型エキサイタ搭載スピーカ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明は、椀状のアウターヨークと、この椀状のアウターヨークに囲まれて配置されたマグネットとインナーヨークとを含む磁気回路部と、この磁気回路部に形成された磁気ギャップ内に配設したコイルと、このコイルが固定され、磁気回路部との間に所定の隙間を有するよう、磁気回路部と弾性的に連結された振動板と、を有する動電型エキサイタと、一面の所定位置に動電型エキサイタの振動板を装着した筐体と、を備えた動電型エキサイタ搭載スピーカ装置において、振動板が装着された筐体の一面の、振動板が装着された周囲に振動伝達抑制部を設けたものである。
【発明の効果】
【0010】
この発明によれば、電動車両のボンネット内などに取り付けて使用する場合などに、電気配線や配管などが接触しても音響特性の劣化や、異音が発生し難く、効率の高い動電型エキサイタ搭載スピーカ装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】この発明の実施の形態1による動電型エキサイタ搭載スピーカ装置の構成を示す概略図である。
【図2】一般的な動電型エキサイタの構成を示す断面図である。
【図3】この発明の実施の形態1による動電型エキサイタ搭載スピーカ装置の別の構成を示す概略平面図である。
【図4】この発明の実施の形態2による動電型エキサイタ搭載スピーカ装置の構成を示す概略平面図である。
【図5】この発明の実施の形態2による動電型エキサイタ搭載スピーカ装置の別の構成を示す概略平面図である。
【図6】この発明の実施の形態3による動電型エキサイタ搭載スピーカ装置の構成を示す概略平面図である。
【図7】この発明の実施の形態3による動電型エキサイタ搭載スピーカ装置の別の構成を示す概略平面図である。
【図8】この発明の実施の形態4による動電型エキサイタ搭載スピーカ装置の構成を示す概略図である。
【図9】この発明の実施の形態4による動電型エキサイタ搭載スピーカ装置の別の構成を示す概略断面図である。
【図10】この発明の実施の形態5による動電型エキサイタ搭載スピーカ装置の構成を示す概略図である。
【図11】この発明の実施の形態6による動電型エキサイタ搭載スピーカ装置の構成を示す概略図である。
【図12】この発明の実施の形態7による動電型エキサイタ搭載スピーカ装置の構成を示す部分概略図である。
【図13】この発明の実施の形態7による動電型エキサイタ搭載スピーカ装置の構成を示す部分概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1による動電型エキサイタ搭載スピーカ装置の構成を示す概略図であり、図1(a)は平面図、図1(b)は図1(a)のA−A位置での断面図である。ただし、図1(b)の断面図では、後述の図2で示す動電型エキサイタ1の詳細構
造は示していない。図8以降の断面図においても同様である。図1に示した動電型エキサイタ搭載スピーカ装置では、磁気回路部10と振動板11を有する動電型エキサイタ1が、被振動体となる筐体2の一面に、例えばネジ30により固定されている。動電型エキサイタ1が固定された一面には、動電型エキサイタ1の振動板11が装着された周辺3方を囲むようにスリット(隙間)21が設けられている。スリット21は、振動伝達を抑制する振動伝達抑制部を構成しており、筐体2のスリット21の内側が振動板11によって励振される被振動部22を形成する。このように、振動板11が装着された被振動部22はスリット21で筐体2の周辺部から切り離され、片持ち梁構造となっている。
【0013】
ここで、一般的な動電型エキサイタ1の構造の断面図を図2に示す。磁性体からなるインナーヨーク12、希土類等からなる扁平形状のマグネット13、底と側面を有する椀状に形成された磁性体からなるアウターヨーク14で磁気回路部10を構成している。アウターヨーク14の底面にはマグネット13の片面が接触し、また、マグネット13の他面は磁性体からなるインナーヨーク12が接触している。アウターヨーク14とマグネット13とインナーヨーク12とは夫々図示しない接着材にて接合され、インナーヨーク12の径方向外周面とアウターヨーク14の側面との間にギャップ(空隙)を持たせて磁気回路部を構成している。
【0014】
磁気回路のギャップ部に位置するよう、絶縁材からなるボビン15に巻回されたコイル16が配設され、コイル16が巻回されたボビン15は薄い平板状の振動板11によって一体的に保持されている。また、振動板11とアウターヨーク14との隙間は、弾性体17によって埋められている。振動板11と磁気回路部10との間の弾性体は、振動板11とインナーヨーク12の間に設けても良い。また、アウターヨーク14とインナーヨーク12の所定箇所を弾性体により振動板11と連結しても良い。
【0015】
このように構成された動電型エキサイタ1は、コイル16への交流電流の通電により、コイル16の電流が、磁気回路によってギャップ部に形成する磁界から力を受け、コイル16が磁気回路部10に対して相対的に振動する。コイル16はボビン15を介して振動板11に固定されているため、振動板11が磁気回路部10に対して振動する。振動板11は、筐体2の被振動部22に固定されているため、振動板11が振動すると被振動部22も振動して、振動に応じた音を発生する。すなわち、図1に示す全体が動電型エキサイタ搭載スピーカ装置を構成する。このスピーカ装置は、例えば筐体2に設けられた、取り付け用翼4に設けられた取付用穴41を用いて、所望の場所にネジなどで取り付けて使用する。
【0016】
本実施の形態1による動電型エキサイタ搭載スピーカ装置を、例えば、電動車両の接近報知装置の発音体として用いる場合、取り付ける場所は、ボンネット内など、他の機器が近くに配置されている場所となることが考えられる。このような場所では、周囲に電気配線や配管などが張り巡らされている。したがって、このような場所に動電型エキサイタ搭載スピーカ装置を取り付けた場合、電気配線や配管が筐体に触れることが考えられる。スピーカ装置の振動する部分に異物が触れると、異物が振動して、スピーカ装置と接触非接触を繰り返して異音が発生したり、スピーカ装置の音響特性が変化したりするといった不具合が発生する。ここで、電気配線や配管が触れる可能性が高いのは、筐体の外周の縁の部分である。本実施の形態1による動電型エキサイタ搭載スピーカ装置にあっては、振動伝達を抑制する振動伝達抑制部としてのスリット21が設けられており、動電型エキサイタ1によって振動させられるのは、スリット21の内側の被振動部22であって、筐体2の縁部はほとんど振動しない。したがって、電気配線や配管が筐体2の縁部に触れたとしても、異音が発生しない、あるいは発生してもごく小音となり、音響特性の劣化も抑えられる。また、被振動部22はスリット21が無い場合に比較して自由に振動できるため、動電型エキサイタ1の振動板11の振動をより高効率で伝達でき、音の発生を高効率に行
えるとともに、動電型エキサイタ1を筐体2の被振動部22に装着することによる音響特性の劣化も少ない。
【0017】
なお、図1において、動電型エキサイタ1の中心100からスリット21を臨む角度をθで示しているが、スリット21は、このθが180度以上となるよう電動エキサイタ1の周囲に設けるのが好ましい。θが180度以上となるようスリット21を設ければ、電気配線や配管が筐体2の縁部に触れたとしても、異音が発生しない、あるいは発生してもごく小音となり音響特性の劣化も抑えられるという本発明の効果や、音の発生を高効率に行えるとともに、音響特性の劣化も少ないという効果を十分に奏する。
【0018】
図3は、本発明の実施の形態1による動電型エキサイタ搭載スピーカ装置の別の構成を示す概略平面図である。図3において、図1と同一符号は同一または相当する部分を示す。図3のスピーカ装置にあっては、図1と同様、筐体2の動電型エキサイタ1の装着面に振動伝達抑制部であるスリット211を設けているが、スリットの形状が図1とは異なる。図1のスリット21は、動電型エキサイタ1が取り付けられた周辺3方を囲むように設けられていたが、図3におけるスリット211は、他の1方にも一部スリットが回り込むように設けられている。このように、スリット211が3方のみならず、他の1方にも回り込むように設けられているため、筐体2の縁部のうち、他の1方の縁部221の振動が、図1の構成に比較して、より少なく、この部分に電気配線や配管が触れた場合の異音の発生がより抑えられ、音響特性の劣化も抑えられる。また、より自由に振動できるため、動電型エキサイタ1の振動板11の振動をより高効率で伝達でき、音の発生を高効率に行えるとともに、動電型エキサイタ1を筐体2の被振動部22に装着することによる音響特性の劣化もより少なくなる。
【0019】
実施の形態2.
図4は、本発明の実施の形態2による動電型エキサイタ搭載スピーカ装置の構成を示す概略平面図である。図4において、図1と同一符号は同一または相当する部分を示す。図4の動電型エキサイタ搭載スピーカ装置にあっては、図1や図3と同様、筐体2の動電型エキサイタ1の装着面に振動伝達抑制部であるスリット(隙間)212を設けているが、スリットの形状が図1や図3とは異なる。図4におけるスリット212は、動電型エキサイタ1の4方を囲むようにスリットが設けられ、筐体2の周辺部と、スリット212の内側となる被振動部22を接続する接続部24が2か所設けられている。このように、スリット212は、動電型エキサイタ1の周囲を囲むように設けられているが、2か所の接続部24によりスリットとして2つに分割されている。振動伝達抑制部であるスリット212が動電型エキサイタ1の周囲を囲むように設けられているため、被振動部22の振動が、筐体2の周辺部に伝わり難く、筐体2の縁部に電気配線や配管が触れた場合の異音の発生がより抑えられ、音響特性の劣化も抑えられる。また、スリット212が無い場合に比較してより自由に振動できるため、動電型エキサイタ1の振動板11の振動をより高効率で伝達でき、音の発生を高効率に行えるとともに、動電型エキサイタ1を筐体2の被振動部22に装着することによる音響特性の劣化も少ない。さらに、2か所の接続部24が設けられているため、強度的に、強い構造となっている。
【0020】
図5は、本発明の実施の形態2による動電型エキサイタ搭載スピーカ装置の別の構成を示す概略平面図である。図5において、図1と同一符号は同一または相当する部分を示す。図5のスピーカ装置にあっては、図4と同様、筐体2の動電型エキサイタ1の装着面に振動伝達抑制部であるスリット213を、動電型エキサイタ1の周囲を囲むように設けているが、スリットの形状が図4とは異なる。図5におけるスリット213は、各辺それぞれに独立してスリットが設けられており、4か所の接続部24によりスリットとして4つに分割されている。振動伝達抑制部であるスリット213が動電型エキサイタ1の周囲を囲むように設けられているため、被振動部22の振動が、筐体2の周辺部に伝わり難く、筐体2の縁部に電気配線や配管が触れた場合の異音の発生がより抑えられ、音響特性の劣化も抑えられる。また、スリット213が無い場合に比較してより自由に振動できるため、動電型エキサイタ1の振動板11の振動をより高効率で伝達でき、音の発生を高効率に行えるとともに、動電型エキサイタ1を筐体2の被振動部22に装着することによる音響特性の劣化も少ない。さらに、4か所の接続部24が設けられているため、強度的に、強い構造となっている。
【0021】
以上のように、本実施の形態2による動電型エキサイタ搭載スピーカ装置においては、筐体2の動電型エキサイタ1が取り付けられた周辺に、動電型エキサイタ1を取り囲むように振動伝達抑制部であるスリット212や213を設け、筐体2の周辺部と、スリット212あるいは213の内側となる被振動部22を接続する接続部24を複数個所設けてスリットを分割した構造にしている。スリット212や213で、被振動部22の振動が、筐体2の周辺部に伝達するのが抑えられるため、筐体2の縁部に電気配線や配管が触れた場合の異音の発生がより抑えられ、音響特性の劣化も抑えられる。また、被振動部22はスリット212あるいは213が無い場合に比較して自由に振動できるため、動電型エキサイタ1の振動板11の振動をより高効率で伝達でき、音の発生を高効率に行えるとともに、動電型エキサイタ1を筐体2の被振動部22に装着することによる音響特性の劣化も少ない。さらに、複数の接続部24が設けられているため、強度的に、強い構造となっている。
【0022】
実施の形態3.
図6は、本発明の実施の形態3による動電型エキサイタ搭載スピーカ装置の構成を示す概略平面図である。図6において、図1と同一符号は同一または相当する部分を示す。図6の動電型エキサイタ搭載スピーカ装置にあっては、図1と同様、筐体2の動電型エキサイタ1の装着面にスリット21を設け、そのスリット21の一部を、振動を吸収して振動伝達を抑制する振動吸収部材23で埋めている。この振動吸収部材23は、例えば軟らかいゴムなどの材料から成る。スリット21の一部に振動吸収部材23が設けられているが、この構成においても、動電型エキサイタ1によって振動させられるのは、スリット21の内側の被振動部22であって、振動伝達抑制部を構成するスリット21や振動吸収部材23により振動が周囲に伝達するのが抑えられるため、筐体2の縁部の振動が抑えられる。したがって、電気配線や配管が筐体2の縁部に触れたとしても、異音が発生しない、あるいは発生してもごく小音となり、音響特性の劣化も抑えられる。図1の被振動部22は片持ち梁の構造となっており被振動部22が容易に振動する構造であるが強度的に少し弱い。一方、図6の構成では、スリットの一部が振動吸収部材23で埋められており、振動吸収部材23が被振動部22の最大振れ幅を制限する振動幅制限部材として支持も兼ねているため、強度的に図1の構成よりも強い構成となっている。
【0023】
図7は、本発明の実施の形態3による動電型エキサイタ搭載スピーカ装置の別の構成を示す平面図である。図7において、図1と同一符号は同一または相当する部分を示す。図7の動電型エキサイタ搭載スピーカ装置にあっては、図1や図6と同様、筐体2の動電型エキサイタ1の装着面にスリットを設け、そのスリット内全体を、振動を吸収して振動伝達を抑制する振動吸収部材231で埋めている。この振動吸収部材231は、例えば軟らかいゴムなどの材料から成る。この構成においても、動電型エキサイタ1によって振動させられるのは、振動吸収部材231が設けられた部分の内側となる被振動部22であって、筐体2の縁部は振動しない。したがって、電気配線や配管が筐体2の縁部に触れたとしても、異音が発生しない、あるいは発生してもごく小音となり、音響特性の劣化も抑えられる。また、スリットが振動吸収部材231で埋められているため、筐体2の外部から内部への水や埃などの侵入を防止する効果がある。また、強度的にも、図1の構成よりも強い構成となっている。また、スリットを振動吸収部材231で埋める場合、例えば振動吸収部材の断面形状を溝状にしてある程度の撓みを持たせることにより振動伝達抑制効果が更に高まることは言うまでもない。
【0024】
さらに、実施の形態1の図3や実施の形態2の図4、図5の構成においても、本実施の形態3と同様、スリットの一部または全体を振動吸収部材で埋める構成にしても良い。これらの場合も、動電型エキサイタ1によって振動させられるのは、振動吸収部材が設けられた部分の内側となる被振動部22であって、筐体2の縁部は振動せず、電気配線や配管が筐体2の縁部に触れたとしても、異音が発生しない、あるいは発生してもごく小音となり、音響特性の劣化も抑えられる効果を奏する。また、被振動部22はスリットや振動吸収部材などの振動伝達抑制部が無い場合に比較して自由に振動できるため、動電型エキサイタ1の振動板11の振動をより高効率で伝達でき、音の発生を高効率に行えるとともに、動電型エキサイタ1を筐体2の被振動部22に装着することによる音響特性の劣化も少ない。さらに、スリット全体が振動吸収部材で埋められているものにあっては、筐体2の外部から内部への水や埃などの侵入を防止する効果がある。
【0025】
実施の形態4.
図8は、本発明の実施の形態4による動電型エキサイタ搭載スピーカ装置の構成を示す概略図で、図8(a)は平面図、図8(b)は、図8(a)のA−A線の位置での断面図である。図8において、図1と同一符号は同一または相当する部分を示す。図8の動電型エキサイタ搭載スピーカ装置は、互いに逆方向に折り曲げた2か所の折り曲げ部241および242による段折り部を設け、動電型エキサイタ1が装着されている面である被振動部22が筐体2の内部に存在するようにしている。
【0026】
図8の構成においても、被振動部22の周囲には、振動伝達抑制部である隙間214が設けられているため、被振動部22の振動は隙間214の外側には伝わらず、筐体2の縁部は振動しない。したがって、電気配線や配管が筐体2の縁部に触れたとしても、異音が発生しない、あるいは発生してもごく小音となり、音響特性の劣化も抑えられる。また、被振動部22は振動伝達抑制部である隙間214が無い場合に比較して自由に振動できるため、動電型エキサイタ1の振動板11の振動をより高効率で伝達でき、音の発生を高効率に行えるとともに、動電型エキサイタ1を筐体2の被振動部22に装着することによる音響特性の劣化も少ない。さらに、被振動部22が筐体の周辺部よりも内部に存在するため、電気配線や配管が被振動部22により触れ難い。
【0027】
図9は、本発明の実施の形態4による動電型エキサイタ搭載スピーカ装置の別の構成を示す概略断面図であり、図8(b)に相当する図である。図9において、図8と同一符号は同一または相当する部分を示す。図9の動電型エキサイタ搭載スピーカ装置にあっては、図8の構成の隙間214の一部または全体に、振動を吸収して振動伝達を抑制する振動吸収部材232を設けた。この振動吸収部材232は、例えば軟らかいゴムなどの材料から成る。この構成においても、振動伝達抑制部である振動吸収部材232や隙間は被振動部22の振動を筐体2の周辺部に伝達するのを抑制するため、筐体2の周辺部に電気配線や配管が触れたとしても、異音が発生しない、あるいは発生してもごく小音となり、音響特性の劣化も抑えられる。また、被振動部22は振動伝達抑制部が無い場合に比較して自由に振動できるため、動電型エキサイタ1の振動板11の振動をより高効率で伝達でき、音の発生を高効率に行えるとともに、動電型エキサイタ1を筐体2の被振動部22に装着することによる音響特性の劣化も少ない。さらに、被振動部22が筐体の周辺部よりも内部に存在するため、電気配線や配管が被振動部22により触れ難い。また、振動吸収部材232が被振動部22の最大振れ幅を制限する振動幅制限部材として支持も兼ねているため、図8の構成のものより強度的により強い構成となっている。また、図8の構成の隙間214の全体に振動吸収部材23を配設することにより、筐体2の外部から内部への水や埃などの侵入を防止する効果がある。
【0028】
実施の形態5.
図10は、本発明の実施の形態5による動電型エキサイタ搭載スピーカ装置の構成を示す図であり、図10(a)は平面図、図10(b)は図10(a)のA−A位置での断面図、図10(c)は図10(a)のB−B位置での断面図である。図10において、図8と同一符号は同一または相当する部分を示す。図10の動電型エキサイタ搭載スピーカ装置にあっては、筐体2の被振動部22に対向する部分の縁にフレーム42を設けた。また、片持ち梁構造である被振動部22の先端の最大振れ幅を制限する振動幅制限部材として被振動部22の先端と筐体のフレーム42および下側フレーム43との間にバネ216およびバネ215を設けた。バネはバネ215あるいはバネ216のいずれか一方のみ設けても良く、また、バネ215の代わりに、隙間214の一部または全体にゴムなどの振動吸収部材を設けても良いのは言うまでもない。あるいは、図8と同様、隙間214のみで何も設けない構成であっても良い。
【0029】
この構成によれば、筐体2の縁をフレーム構造としたため、筐体2の強度が増す。また、実施の形態4と同様、隙間や振動吸収部材は被振動部22の振動を筐体2の周辺部に伝達するのを抑制するため、筐体2の周辺部に電気配線や配管が触れたとしても、異音が発生しない、あるいは発生してもごく小音となり、音響特性の劣化も抑えられる。また、被振動部22が筐体の周辺部よりも内部に存在するため、電気配線や配管が被振動部22に、より触れ難い。さらに、被振動部22の先端の最大振れ幅を制限する振動幅制限部材を設けたものにあっては、強度的により強い構成となる。
【0030】
実施の形態6.
図11は、本発明の実施の形態6による動電型エキサイタ搭載スピーカ装置の構成を示す概略図であり、図11(a)は平面断面図で図11(b)のC−C位置での断面図、図11(b)は図11(a)のA−A位置での側面断面図、図11(c)は図11(a)のB−B位置での側面断面図である。図11において、図10と同一符号は同一または相当する部分を示す。本実施の形態5による図11の動電型エキサイタ搭載スピーカ装置にあっては、筐体2を箱体とし、その一面の一部に隙間を設け、実施の形態4や実施の形態5と同様、被振動部22を2段の段折り部241、242により箱体である筐体2の内部に存在させている。
【0031】
図11の構成においては、動電型エキサイタ1の背面が筐体2で覆われているため、被振動部22から放射される音は、被振動部22の前面方向(図11(b)および図11(c)の矢印で示す方向)にのみ放射される。また、動電型エキサイタ1の背面空間は音響空間となり、被振動部22周辺の隙間214の開口から前面方向に音が放射されるため、背面空間による音響増幅効果によって、放射音の低周波特性を強調することができる。
【0032】
実施の形態7.
以上の実施の形態1から6における筐体2は、被振動部22を含めて、金属板の折り曲げ加工により一体的に形成することができる。あるいは、筐体2は、被振動部22を含めて、樹脂成型により一体的に形成することもできる。このように、筐体2を、被振動部22を含めて、金属板の折り曲げ加工、あるいは樹脂成型により一体的に構成することで、製造が簡単で、強度が強い動電型エキサイタ搭載スピーカ装置を得ることができる。
【0033】
また、実施形態1から6に示す振動板11と被振動板22の締結は、振動板の円周部分に複数のネジで締結する方法を示しているが、振動板11の中央に突起部を設け、メネジあるいはオネジ加工を施し、被振動版22と振動板11を締結する以下の方法でも良い。図13に示すように、振動板11にネジ110を固着し、被振動版22にバカ穴を設け、ナット50で被振動板22と締結する。また、図14に示すように、振動板11に凸部111を設け、この凸部111にメネジを設けて被振動板22と振動板11をボルト51で締結しても良い。
【符号の説明】
【0034】
1:動電型エキサイタ 2:筐体
10:磁気回路部 11:振動板
12:インナーヨーク 13:マグネット
14:アウターヨーク 16:コイル
17:弾性体
21、211、212、213、214:スリット(振動伝達抑制部)
22:被振動部 23、231、232:振動吸収部材
215、216:バネ(振動幅制限部材) 241、242:折り曲げ部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
底と側面を有するアウターヨークと、このアウターヨークに囲まれて前記アウターヨークとの間に空隙を有するように配置されたインナーヨークと、前記アウターヨークの底と前記インナーヨークとの間に配置されたマグネットとを有する磁気回路部と、
前記アウターヨークと前記インナーヨークの間の前記空隙に配設されたコイルと、
このコイルが固定され、前記磁気回路部との間に所定の隙間を有するよう、前記磁気回路部と弾性的に連結された振動板と、を有する動電型エキサイタと、
前記動電型エキサイタの前記振動板が所定位置に装着された面である被振動部を有する筐体と、を備えた動電型エキサイタ搭載スピーカ装置において、
前記振動部の周囲に振動伝達抑制部を設けたことを特徴とする動電型エキサイタ搭載スピーカ装置。
【請求項2】
前記振動伝達抑制部は隙間で構成されたことを特徴とする請求項1に記載の動電型エキサイタ搭載スピーカ装置。
【請求項3】
前記振動伝達抑制部は、前記動電型エキサイタの中心から臨む角度が180度以上となるよう設けられたことを特徴とする請求項2に記載の動電型エキサイタ搭載スピーカ装置。
【請求項4】
前記振動伝達抑制部の少なくとも一部が振動を吸収する部材から成る振動吸収部材で構成されたことを特徴とする請求項1に記載の動電型エキサイタ搭載スピーカ装置。
【請求項5】
前記被振動部が片持ち梁構造であることを特徴とする請求項3に記載の動電型エキサイタ搭載スピーカ装置。
【請求項6】
前記片持ち梁構造の最大振れ幅を制限する振動幅制限部材を設けたことを特徴とする請求項5に記載の動電型エキサイタ搭載スピーカ装置。
【請求項7】
前記被振動部が、前記筐体の内部に存在することを特徴とする請求項1に記載の動電型エキサイタ搭載スピーカ装置。
【請求項8】
前記被振動部が、段折り構造であることを特徴とする請求項7に記載の動電型エキサイタ搭載スピーカ装置。
【請求項9】
前記振動伝達抑制部は、前記被振動部の周囲に複数に分割して設けたことを特徴とする請求項1に記載の動電型エキサイタ搭載スピーカ装置。
【請求項10】
前記筐体が箱体であることを特徴とする請求項1に記載の動電型エキサイタ搭載スピーカ装置。
【請求項11】
前記筐体は、前記被振動部を含んで、金属板または樹脂成型により一体的に構成されたことを特徴とする請求項1乃至10いずれか1項に記載の動電型エキサイタ搭載スピーカ装置。
【請求項1】
底と側面を有するアウターヨークと、このアウターヨークに囲まれて前記アウターヨークとの間に空隙を有するように配置されたインナーヨークと、前記アウターヨークの底と前記インナーヨークとの間に配置されたマグネットとを有する磁気回路部と、
前記アウターヨークと前記インナーヨークの間の前記空隙に配設されたコイルと、
このコイルが固定され、前記磁気回路部との間に所定の隙間を有するよう、前記磁気回路部と弾性的に連結された振動板と、を有する動電型エキサイタと、
前記動電型エキサイタの前記振動板が所定位置に装着された面である被振動部を有する筐体と、を備えた動電型エキサイタ搭載スピーカ装置において、
前記振動部の周囲に振動伝達抑制部を設けたことを特徴とする動電型エキサイタ搭載スピーカ装置。
【請求項2】
前記振動伝達抑制部は隙間で構成されたことを特徴とする請求項1に記載の動電型エキサイタ搭載スピーカ装置。
【請求項3】
前記振動伝達抑制部は、前記動電型エキサイタの中心から臨む角度が180度以上となるよう設けられたことを特徴とする請求項2に記載の動電型エキサイタ搭載スピーカ装置。
【請求項4】
前記振動伝達抑制部の少なくとも一部が振動を吸収する部材から成る振動吸収部材で構成されたことを特徴とする請求項1に記載の動電型エキサイタ搭載スピーカ装置。
【請求項5】
前記被振動部が片持ち梁構造であることを特徴とする請求項3に記載の動電型エキサイタ搭載スピーカ装置。
【請求項6】
前記片持ち梁構造の最大振れ幅を制限する振動幅制限部材を設けたことを特徴とする請求項5に記載の動電型エキサイタ搭載スピーカ装置。
【請求項7】
前記被振動部が、前記筐体の内部に存在することを特徴とする請求項1に記載の動電型エキサイタ搭載スピーカ装置。
【請求項8】
前記被振動部が、段折り構造であることを特徴とする請求項7に記載の動電型エキサイタ搭載スピーカ装置。
【請求項9】
前記振動伝達抑制部は、前記被振動部の周囲に複数に分割して設けたことを特徴とする請求項1に記載の動電型エキサイタ搭載スピーカ装置。
【請求項10】
前記筐体が箱体であることを特徴とする請求項1に記載の動電型エキサイタ搭載スピーカ装置。
【請求項11】
前記筐体は、前記被振動部を含んで、金属板または樹脂成型により一体的に構成されたことを特徴とする請求項1乃至10いずれか1項に記載の動電型エキサイタ搭載スピーカ装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−191323(P2012−191323A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−51542(P2011−51542)
【出願日】平成23年3月9日(2011.3.9)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月9日(2011.3.9)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
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