説明

印刷システム、制御方法、記憶媒体、及びプログラム

【課題】印刷手段に接続された後処理手段による後処理を該印刷手段による印刷を伴わずに利用できるようにした柔軟性及び/又は利便性及び/又は生産性に富んだ仕組みを提供する。
【解決手段】特定種類のジョブの実行要求を受け付けた場合に、印刷手段による印刷は行わずにそのジョブのために前もって作成された第1の印刷物に対する後処理を該印刷手段により接続された後処理手段によって実行できるように構成する。そして、その第1の印刷物を作成するために利用した印刷データを受け付ける手段によって受け付けた該印刷データを用いて該第1の印刷物と体裁が同じ又は異なる第2の印刷物を該印刷手段によってあらためて作成できるように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷手段による印刷は行わずに該印刷手段に接続された後処理手段による後処理を実行可能にした印刷システム、制御方法、記憶媒体、及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の印刷業界に対抗して、近年、電子写真方式の印刷装置やインクジェット方式の印刷装置を利用したPOD(Print On Demand)印刷システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このようなPOD印刷システムにより、版下作成や、その他複雑な作業が不要になる。
【特許文献1】米国特許公開公報US-2004-0190057号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、このようなPOD印刷システムの製品実用化を目指すことを想定してみると、まだまだ検討の余地が残されていると考える。例えば、従来の印刷システムは、プリンタに接続されたインラインフィニッシャ(プリンタと紙パスがつながっているフィニッシャ)による後処理を、プリンタによる印刷を伴わずに利用できる構成とはなっていない。してみると、印刷手段に接続された後処理手段による後処理を、印刷手段による印刷を伴わずに利用できるようにした構成が今後要望される可能性を見越した提案をすべきと考える。しかし、このような要望自体が現状ないこともあって何ら有効な提案がなされていない。
【0004】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものである。そして、本発明は、印刷手段に接続された後処理手段による後処理を該印刷手段による印刷を伴わずに利用できるようにした柔軟性及び/又は利便性及び/又は生産性に富んだ仕組みを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述の目的を達成するために、本発明は、印刷手段による印刷は行わずに前記印刷手段に接続された後処理手段による後処理を行う特定種類のジョブの実行要求を受け付けるための実行要求受付手段と、前記実行要求を受け付けた場合に、前記印刷手段による印刷は行わずに前記特定種類のジョブのために前もって作成された第1の印刷物に対する後処理を前記後処理手段によって実行させるための第1の制御手段と、前記第1の印刷物を作成するために利用した印刷データを受け付けるための印刷データ受付手段と、前記印刷データを用いて前記第1の印刷物と体裁が同じ又は異なる第2の印刷物を前記印刷手段によってあらためて作成させるための第2の制御手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、印刷手段に接続された後処理手段による後処理を該印刷手段による印刷を伴わずに利用できるようにした柔軟性及び/又は利便性及び/又は生産性に富んだ仕組みを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、添付図面を参照して、本発明を好適な実施形態に従って詳細に説明する。
【0008】
図1のPODシステム10000は、印刷システム1000、1001、スキャナ102、サーバコンピュータ103(PC103)、クライアントコンピュータ104(PC104)を有し、それらはネットワーク101を介して接続されている。また、PODシステム10000は、紙折り機107、断裁機109、中綴じ製本機110、くるみ製本機108等を有する。
【0009】
図2を参照すると、印刷システム1000および1001は、印刷装置100とシート処理装置200とを有する。尚、本実施形態では、印刷装置100として、コピー機能及びプリンタ機能等、複数の機能を有するMFP(Multi Function Peripheral)を例に取り説明する。しかしながら、印刷装置100は、コピー機能のみ、あるいは、プリンタ機能のみの単一機能型の印刷装置であっても良い。
【0010】
PC103は、ネットワーク101に接続された各種装置とのデータの送受信を管理する。PC104は、ネットワーク101を介して、画像データを印刷装置100やPC103に送信する。また、紙折り機107は、印刷装置100で印刷されたシートの折り処理を行う。くるみ製本機108は、印刷装置100で印刷されたシートに対するくるみ製本処理を行う。断裁機109は、複数枚のシートからなるシート束毎に、印刷装置100で印刷されたシートの断裁処理を行う。中綴じ製本機110は、印刷装置100で印刷されたシートに対する中綴じ製本処理を行う。
【0011】
紙折り機107、くるみ製本機108、断裁機109、中綴じ製本機110を利用する場合、ユーザは印刷装置100で印刷されたシートを印刷システム1000、1001から取り出し、利用する装置にセットし、その装置によって処理を実行させる。また、図1のPODシステム10000が有する複数の装置のうち、中綴じ製本機110以外の装置は、ネットワーク101に接続されており、互いに他装置とデータ通信可能に構成されている。
【0012】
次に、印刷システム1000および1001の構成について、図2のシステムブロック図を用いて説明する。
【0013】
印刷システム1000および1001に含まれる図2に示す各ユニットのうちのシート処理装置200以外のユニットは、印刷装置100に含まれる。印刷装置100には、任意の台数のシート処理装置200を接続することができる。
【0014】
印刷システム1000および1001は、印刷装置100で印刷されたシートに対するシート処理を、印刷装置100に接続されたシート処理装置200により実行できるように構成されている。ただし、シート処理装置200を接続せずに印刷装置100のみで印刷システム1000を構成することも可能である。
【0015】
シート処理装置200は、印刷装置100と通信可能に構成され、印刷装置100からの指示を受け、後述するようなシート処理を実行することができる。スキャナ部201は、原稿上の画像を読み取り、これを画像データに変換し、他のユニットに転送する。外部I/F202は、ネットワーク101に接続された他の装置との間でデータの送受信を行う。プリンタ部203は、入力された画像データに基づく画像をシート上に印刷する。操作部204は、図6にて後述するハードキー入力部(キー入力部)402や、タッチパネル部401を有し、それらを介してユーザからの指示を受付ける。また、操作部204は、操作部204が有するタッチパネルに各種表示を行う。
【0016】
制御部205は、印刷システム1000および1001が有する各種ユニットの処理や動作等を統括的に制御する。即ち、印刷装置100及び印刷装置100に接続されたシート処理装置200の動作も制御する。ROM207は、制御部205によって実行される各種コンピュータプログラムを記憶する。
【0017】
例えば、ROM207は、後述するフローチャートの各種処理を制御部205に実行させるためのプログラムや、後述する各種設定画面を表示するために必要な表示制御プログラムを記憶する。また、ROM207は、PC103やPC104等から受信したPDL(ページ記述言語)コードデータを、制御部205が解釈し、ラスタイメージデータに展開する動作を実行するためのプログラムを記憶する。他にも、ROM207は、ブートシーケンスやフォント情報等を記憶する。
【0018】
RAM208は、スキャナ部201や外部I/F202から送られてきた画像データや、ROM207からロードされた各種プログラム、設定情報を記憶する。また、RAM208は、シート処理装置200に関する情報(印刷装置100に接続されたシート処理装置200の台数(0からn台)と、各シート処理装置200の機能に関する情報、また、各シート処理装置200の接続順序等)を記憶する。
【0019】
HDD(ハードディスクドライブ)209は、ハードディスクとハードディスクへのデータの読み書きを行う駆動部等で構成される。HDD209は、スキャナ部201や外部I/F202から入力され、圧縮伸張部210によって圧縮された画像データを記憶するための大容量の記憶装置である。
【0020】
制御部205は、ユーザからの指示に基づいて、HDD209に格納された画像データをプリンタ部203によって印刷することができる。また、制御部205は、ユーザからの指示に基づいて、HDD209に格納された画像データを、外部I/F202を介してPC103、印刷システム1000および1001等の外部装置へ送信することもできる。また、制御部205は、同様に、外部I/F202を介してPC103、印刷システム1000および1001等の外部装置から、画像データを獲得することもできる。また、制御部205は、外部I/F202を介して、ネットワーク101に接続された外部装置を探索することもできる。
【0021】
圧縮伸張部210は、JBIGやJPEG等といった各種圧縮方式によってRAM208、HDD209に記憶されている画像データ等の圧縮・伸張動作を行う。
【0022】
次に、印刷システム1000の構成について図3を用いて説明する。図3は、印刷装置100と印刷装置100に接続されたシート処理装置200の断面図である。
【0023】
自動原稿搬送装置(ADF)301は、原稿トレイの積載面にセットされた原稿束を1頁目の原稿から、ページ順に、順番に分離して、スキャナ302によって原稿走査するために原稿台ガラス上へ搬送する。スキャナ302は、原稿台ガラス上に搬送された原稿の画像を読み取り、CCDによって画像データに変換する。回転多面鏡(ポリゴンミラー等)303は、画像データに応じて変調された、例えばレーザ光などの光線を入射させ、反射ミラーを介して反射走査光として感光ドラム304に照射する。
【0024】
感光ドラム304上にレーザ光によって形成された潜像はトナーによって現像され、転写ドラム305上に貼り付けられたシート材に対してトナー像が転写される。この一連の画像形成プロセスをイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)のトナーに対して順次実行することによりフルカラー画像が形成される。4回の画像形成プロセスの後に、フルカラー画像形成された転写ドラム305上のシート材は、分離爪306によって分離され、定着前搬送器307によって定着器308へ搬送される。
【0025】
定着器308は、ローラやベルトの組合せによって構成され、ハロゲンヒータなどの熱源を内蔵し、トナー像が転写されたシート材上のトナーを、熱と圧力によって溶解、定着させる。排紙フラッパ309は、揺動軸を中心に揺動可能に構成され、シート材の搬送方向を規定する。排紙フラッパ309が図中時計回りの方向に揺動しているときには、シート材は真直ぐに搬送され、排紙ローラ310によって機外へ排出される。制御部205は、以上のような一連のシーケンスによって、片面印刷を実行するように印刷装置100を制御する。
【0026】
一方、シート材の両面に画像を形成する場合には、排紙フラッパ309が図中反時計回りの方向に揺動し、シート材は下方向に進路を変更され両面搬送部へと送り込まれる。両面搬送部は、反転フラッパ311、反転ローラ312、反転ガイド313および両面トレイ314を備える。反転フラッパ311は、揺動軸を中心に揺動し、シート材の搬送方向を規定する。
【0027】
制御部205は、両面印刷ジョブを処理する場合、プリンタ部203でシートの第1面にプリント済みのシートを、反転フラッパ311を図中反時計回りの方向に揺動し、反転ローラ312を介して、反転ガイド313へと送り込むよう制御する。そして、シート材後端が反転ローラ312に狭持された状態で反転ローラ312を一旦停止させ、引き続き反転フラッパ311が図中時計回りの方向に揺動させる。且つ、反転ローラ312を逆方向に回転させる。これにより、シートスイッチバックして搬送させ、シートの後端と先端が入れ替わった状態で、このシートを両面トレイ314へと導くよう制御する。
【0028】
両面トレイ314ではシート材を一旦積載し、その後、再給紙ローラ315によってシート材は再びレジストローラ316へと送り込まれる。このときシート材は、1面目の転写工程とは反対の面が感光ドラムと対向する側になって送られてきている。そして、前述したプロセスと同様にしてシートの第2面に対して2面目の画像を形成させる。そして、シート材の両面に画像が形成され、定着工程を経て排紙ローラ310を介して印刷装置100本体内部から機外へとシートを排出させる。制御部205は、以上のような一連のシーケンスによって、両面印刷を実行するように印刷装置100を制御する。
【0029】
また、印刷装置100は、印刷処理に要するシートを収納する給紙部を有する。給紙部には、給紙カセット317、318(例えば、それぞれ500枚のシートを収容可能)、給紙デッキ319(例えば、5000枚のシートを収納可能)、手差しトレイ320等がある。給紙カセット317、318、給紙デッキ319は、サイズや材質の異なる各種シートを、給紙部ごとに区別してセットできる。また、手差しトレイ320には、OHPシート等の特殊なシートを含む各種シートをセットすることができる。給紙カセット317、318、給紙デッキ319、手差しトレイ320には、それぞれに給紙ローラが設けられており、給紙ローラによってシートは1枚単位で連続的に給送される。
【0030】
次に、図3に示すシート処理装置200ついて説明する。
【0031】
本実施形態の印刷システム1000におけるシート処理装置200は、上流の装置から下流の装置にシート搬送路を介してシートを搬送できるのであれば、任意の種類の装置を任意の台数だけ連結することができる。例えば、図3に示すように、印刷装置100に近い順に、大容量スタッカ200−3a、インサータ200−3d、糊付け製本機200−3b、中綴じ製本機200−3cの順序で連結し、これらを印刷システム1000にてそれぞれ選択的に利用することができる。また、シート処理装置200のそれぞれがシート排出部を備え、ユーザは、シート処理がなされたシートを、それぞれのシート処理装置のシート排出部から取出すことができる。
【0032】
制御部205は、印刷装置100に接続されたシート処理装置200にて実行可能な種類のシート処理の候補から、ユーザが所望する種類のシート処理の実行要求を、操作部204を介して印刷実行要求と共に受付ける。そして、操作部204を介して処理対象となるジョブの印刷実行要求をユーザから受付けたことに応じて、制御部205は、そのジョブにて要する印刷処理をプリンタ部203で実行させる。そして、制御部205は、この印刷処理がなされたジョブのシートを、ユーザが所望するシート処理を実行可能なシート処理装置までシート搬送路を介して搬送させ、そのシート処理装置でシート処理を実行させる。
【0033】
例えば、印刷システム1000が図3に示すシステム構成の場合に、ユーザから印刷実行要求を受付けた処理対象のジョブが、大容量スタッカ200−3aによる大量積載処理を行うように指示されたジョブであるとする。このジョブを「スタッカジョブ」と呼ぶ。
【0034】
このスタッカジョブを、図3のシステム構成にて処理する場合、制御部205は、印刷装置100で印刷されたこのジョブのシートを、図3のA点を通過させて、大容量スタッカ200−3a内部へ搬送させる。その後、制御部205は、このジョブの積載処理を大容量スタッカ200−3aで実行させる。そして、制御部205は、大容量スタッカ200−3aで積載処理がなされたこのジョブの印刷物を、他の装置(例えば後段の装置)へ搬送せずに、大容量スタッカ200−3a内部の排紙先Xに保持させる。
【0035】
ユーザは、この図3の排紙先Xにホールドされたスタッカジョブの印刷物を、排紙先Xの個所から直接取出すことができる。それにより、図3のシート搬送方向、最下流の排紙先Zまでシートを搬送して、排紙先Zからスタッカジョブの印刷物を取出すといった、一連の装置の動作やユーザの操作が不要になる。
【0036】
また、図3のシステム構成にてユーザから印刷実行要求を受付けた処理対象のジョブが、糊付け製本機200−3bによるシート処理(例えば、くるみ製本処理、または、天糊製本処理の何れかの糊付け製本処理)を行うように指示されたジョブであるとする。このジョブを「糊付け製本ジョブ」と呼ぶ。
【0037】
この糊付け製本ジョブを、図3のシステム構成にて処理する場合、制御部205は、印刷装置100で印刷されたシートを、図3のA点、A'点及びB点を介して糊付け製本機200−3b内部へ搬送させる。その後、制御部205は、このジョブの糊付け製本処理を糊付け製本機200−3bで実行させる。そして、制御部205は、糊付け製本機200−3bで糊付け製本処理がなされたこのジョブの印刷物を、他の装置(例えば後段の装置)へ搬送させずに、そのまま、糊付け製本機200−3b内部の排紙先Yに保持させる。
【0038】
更に、例えば、図3のシステム構成にてユーザから印刷実行要求を受付けた処理対象のジョブが、中綴じ製本機200−3cによるシート処理を行うように指示されたジョブであるとする。中綴じ製本機200−3cによるシート処理には、例えば、中綴じ製本、パンチ処理、断裁処理、シフト排紙処理、折り処理等がある。ここでは、このジョブを「中綴じ製本ジョブ」と呼ぶ。
【0039】
この中綴じ製本ジョブを、図3のシステム構成にて処理する場合、制御部205は、印刷装置100で印刷されたこのジョブのシートを、A点、A’点及びB点及びC点を通過させて中綴じ製本機200−3cに搬送させる。その後、制御部205は、このジョブのシート処理を中綴じ製本機200−3cで実行させる。そして、制御部205は、この中綴じ製本機200−3cによるシート処理がなされた中綴じ製本ジョブの印刷物を、中綴じ製本装置200−3cの排紙先Zに保持させる。
【0040】
尚、排紙先Zには複数の排紙先候補がある。これは、中綴じ製本機200−3cが複数種類のシート処理を実行することができ、シート処理ごとに排紙先をわける際に用いられるものである。
【0041】
更に、例えば、システム構成にてユーザから印刷実行要求を受付けた処理対象のジョブが、インサータ200−3dによるシート処理を行うように指示されたジョブであるとする。このジョブを「インサータ給紙ジョブ」と呼ぶ。このインサータ給紙ジョブは、下流に接続されたシート処理装置を更に使用することができる。
【0042】
このインサータ給紙ジョブを、図3のシステム構成にて処理する場合を考える。この時、制御部205は、印刷装置100で印刷されたこのジョブのシートに、インサータ200−3dより給紙したシートを挿入した上で、指定されたシート処理に従い、当該シート処理装置まで搬送する。そして、シート処理を行う。図3では、インサータ200−3dの下流に、糊付け製本機200−3b、中綴じ製本機200−3c、が接続されたシステムとしているので、先に述べた糊付け製本ジョブ、中綴じ製本ジョブとして、処理することができる。また、インサータ給紙ジョブは、印刷装置100での印刷を必須としない。つまり、インサータ200−3dから給紙したシートのみを下流へ搬送し、指定されたシート処理装置を用いて、シート処理を行うことができる。
【0043】
図1〜図3で説明したように、本実施形態の印刷システム1000は、印刷装置100に対して、複数台のシート処理装置を接続することができる。そして、これら複数台のシート処理装置は、任意の組合せで、印刷装置100に対して接続できる。また、これら複数台のシート処理装置の接続順序も、装置同士のシート搬送路がつながる範囲内において自由に変更することができる。また、印刷装置100に接続可能なシート処理装置の候補も複数種類存在する。
【0044】
次に、印刷装置100に対して接続可能なシート処理装置200の内部構成を、図4から図5、および図8を用いて種類別に説明する。
【0045】
次に、図4に示す断面図を用いて、糊付け製本機の内部構成について説明する。
【0046】
糊付け製本機は、上流の装置から搬送されたシートを3つの搬送パスに選択的に搬送する。1つは表紙パスであり、1つは本身パスであり、1つはストレートパスである。また、糊付け製本機はインサータパスを有する。インサータパスは、インサータトレイに置かれたシートを、表紙パスに搬送するためのシート搬送路である。
【0047】
図4に示す糊付け製本機のストレートパスは、この糊付け製本機による糊付け製本処理を要さないジョブのシートを後段の装置へ搬送するためのシート搬送路である。
【0048】
また、図4に示す糊付け製本機の本身パスと表紙パスは、くるみ製本印刷物を作成するために必要なシートを搬送するためのシート搬送路である。
【0049】
例えば、この糊付け製本機を用いてくるみ製本印刷物を作成する場合、制御部205は、くるみ製本印刷物の本文用のシートに印刷されるべき本文用の画像データをプリンタ部203により印刷させる。1冊分のくるみ製本印刷物を作成する際には、この本文用のシートの1冊分のシート束が1枚の表紙でくるまれる。くるみ製本における、この本文用のシート束を「本身」と呼ぶ。
【0050】
制御部205は、本身となる、印刷装置100で印刷されたシートを、図4に示す本身パスへ搬送するように制御する。そして、制御部205は、くるみ製本処理を行う場合、印刷装置100にて印刷された本身を、表紙パスを介して搬送された表紙用のシートでくるむ処理を実行する。
【0051】
例えば、制御部205は、上流側の装置から搬送された本身となるシートを順次、図4の本身パスを介してスタック部でスタックさせる。本文データが印刷されたシートがスタック部に1冊に相当する枚数分スタックされると、制御部205は、表紙パスを介して、そのジョブにて要する表紙用の1枚のシートを搬送させる。制御部205は、この本身に相当する1セット分のシート束の背表紙部分に糊付け処理を行うように図4の糊付け部を制御する。
【0052】
その後、この本身の背表紙部分と表紙の中央部とを糊付け部で接合させるように制御部205は制御する。表紙に本身を接合する際には、本身が装置下方に対して押し込まれるように搬送される。これにより、本身が1枚の表紙でくるまれるように表紙の折り畳み処理がなされる。その後、この1セット分のシート束は、ガイドに添って図4の回転台の上に積載される。
【0053】
この1セット分のシート束が図4の回転台にセットされた後に、制御部205は、このシート束の断裁処理を図4のカッタ部で実行させる。この際、この1セット分のシート束における背表紙部分に該当する端部以外の3つの端部を断裁する三方断裁処理をカッタ部で実行することができる。
【0054】
その後、制御部205は、この三方断裁処理済みのシート束を、幅寄せ部を用いてバスケットの方向に押し出し、バスケットに収納させる。
【0055】
また、この糊付け製本機は、上流装置から搬送されたシートを処理するだけではなく、単体でくるみ製本処理、もしくは天糊製本処理を行うことができる。例えば、この糊付け製本機を単体で用いて、くるみ製本印刷物を作成する場合を説明する。
【0056】
まずオペレータは、処理するシートを図4に示すインサータトレイにセットする。そして、制御部205は、同じく図4に示すインサータを用いて、インサータトレイにセットされたシートを給紙し、まず本身とする。次に制御部205は、この本身となるシートを、図4に示す本身パスへ搬送するように制御する。そして、制御部205は、次に同じくインサータトレイから給紙した、表紙用のシートを、表紙パスを介して搬送し、本身シートをくるむ処理を実行する。以下の処理は、前述と同様である。
【0057】
次に、図5に示す断面図を用いて、中綴じ製本機の内部構成について説明する。
【0058】
中綴じ製本機は、印刷装置100からのシートに対してステイプル処理、断裁処理、パンチ処理、Z折り処理、シフト排紙処理、中綴じ製本処理等を選択的に実行する各種ユニットを備える。また、この中綴じ製本機は、後段の装置へのシート搬送機能の役目を果たすストレートパスを持たない。このため、印刷装置100に複数台のシート処理装置を接続する場合には、図3に示すように、この中綴じ製本機は最後尾に接続される。
【0059】
また、中綴じ製本機は、図5に示すように、装置外部にサンプルトレイ、スタックトレイを有し、装置内部にブックレットトレイを有す。
【0060】
制御部205は、この中綴じ製本機にてステイプルするように指示を受けた場合、印刷装置100で印刷されたシートを、中綴じ製本機内部の処理トレイに順次スタックさせる。一束分のシートが処理トレイにスタックされたら、制御部205は、ステープラにてステイプルを行わせる。その後、制御部205は、このステイプルされたシート束を、この処理トレイから図4のスタックトレイへ排出させる。
【0061】
また、制御部205は、中綴じ製本機にてZ折りを行うように指示を受けたジョブを実行する場合、印刷装置100で印刷されたシートに対してZ折り部により、Z字状に折り処理を実行する。そして、制御部205は、折り処理されたシートを、中綴じ製本機内を通過させて、スタックトレイ及びサンプルトレイ等の排出トレイに排紙するよう制御する。
【0062】
また、制御部205は、中綴じ製本機にてパンチ処理設定を行うように指示を受けた場合、印刷装置100で印刷されたシートに対してパンチャによるパンチ処理を実行する。そして、制御部205は、中綴じ製本機内を通過させて、スタックトレイ及びサンプルトレイ等の排出トレイに排紙するよう制御する。
【0063】
また、制御部205は、中綴じ製本機にて中綴じ製本処理を行うように指示を受けたジョブを実行する場合、サドルステッチャ部によって、1セット分の複数枚のシートからなるシート束の中央部分に二箇所綴じを行わせる。その後、制御部205は、このシート束の中央部分をローラに噛ませることにより、シートの中央部分を基準とした二つ折りを行わせる。これにより、パンフレットのようなブックレットを作成できる。このように、サドルステッチャ部で中綴じ製本処理が施されたシート束は、ブックレットトレイに搬送される。
【0064】
また、中綴じ製本処理を行うように指示を受けたジョブに対して、断裁処理を行うように指示を受付けた場合には、制御部205は、中綴じ製本されたシート束をブックレットトレイからトリマへ搬送させる。その後、制御部205は、トリマに搬送されたシート束をカッタ部によって断裁させ、このシート束をブックレットホールド部に保持させる。この図5の中綴じ製本機でも、中綴じ製本されたシート束の三方断裁が実行できるように構成されている。
【0065】
尚、中綴じ製本機がトリマを持たない場合には、サドルステッチャ部で製本されたシート束は、ブックレットトレイから取り出すことができる。
【0066】
また、中綴じ製本機は、図5のインサートトレイにセットされたシート(例えば予め印刷済みのカバーシート)を印刷装置100から搬送される(印刷装置100で印刷された)シートに添付することもできるように構成されている。
【0067】
更に、この中綴じ製本機は、上流装置から搬送されたシートを処理するだけではなく、単体でステイプル処理、断裁処理、パンチ処理、Z折り処理、シフト排紙処理、中綴じ製本処理等を行うことができる。ただし、図5を参照すると、本中綴じ製本機は、インサータを用いて給紙したシートを、Z折り部へ搬送するパスを持たない構成とした。そのため、Z折り処理を本中綴じ製本機単体では実現できない。しかし、本中綴じ製本機は、上流より搬送されたシートを、図5のZ折り部へ搬送することが可能な構成となっている。そのため、上流に接続されたシート処理機に設けられたインサータ等を用いてシートを給紙し、図5のZ折り部にてシート処理を実行することができる。そのため、印刷装置100を用いずに、シート処理のみを実行することができる構成となっている。
【0068】
次に、図8に示す断面図を用いて、シート処理装置200に適用可能な大容量インサータ200−3dの内部構成について説明する。大容量インサータは、上流の装置から搬送されたシートをストレートパスを通して下流へ搬送すると共に、各給紙段にセットされているシートを、各給紙モータを用いて給紙し、ストレートパスを通して下流へ搬送する。
【0069】
エスケープパスは、エスケープトレイにシートを排出するためのシート搬送路である。これらは、給紙時に重送を検知した場合に、エスケープトレイへ重送したシートを搬送するための、シート搬送経路である。
【0070】
尚、この大容量インサータ内部のシート搬送路にはシートの搬送状況やジャムを検知するために要する複数のシート検知センサが設けられている。
【0071】
また、この大容量インサータは不図示のCPUを備え、これら各センサからのシート検知情報を、データ通信を行うための信号線を介して制御部205に通知する。制御部205は、この大容量インサータから通知された情報に基づき、大容量インサータ内部のシートの搬送状況やジャムを把握する。尚、大容量インサータと印刷装置100の間に他のシート処理装置が接続されている場合、そのシート処理装置が備える不図示のCPUが、この大容量インサータのセンサの情報を制御部205に通知する。
【0072】
次に、図6を用いて、操作部204の構成を説明する。
【0073】
操作部204は、タッチパネル部401と、キー入力部402とを備える。タッチパネル部401は、LCD(Liquid Crystal Display:液晶表示部)とその上に貼られた透明電極からなり、ユーザから指示を受付けるための各種設定画面を表示する。このタッチパネル部401は、各種画面を表示する機能とユーザからの指示を受付ける指示入力機能を兼ね備える。キー入力部402は、電源キー501、スタートキー503、ストップキー502、ユーザモードキー505、テンキー506を備える。スタートキー503は、コピージョブや、送信ジョブの実行を印刷装置100に開始させる場合に用いられる。テンキー506は、印刷部数等の数値入力の設定を行う場合に用いられる。
【0074】
制御部205は、このタッチパネル部401に表示される各種画面を介して受付けたユーザ指示やキー入力部402を介して受付けたユーザ指示に基いた各種処理を行うように印刷システム1000を制御する。
【0075】
図7は、印刷装置100により印刷されたシートに対して実行すべきシート処理の種類をユーザに選択させるための設定画面の表示例を示す図である。制御部205は、タッチパネル部401に表示される画面上の図6に示すシート処理設定のキー609がユーザにより押されると、この図7の画面をタッチパネル部401に表示させる。この図7の画面は、印刷システム1000に含まれるシート処理装置200を用いて実行可能なシート処理の種類をユーザが選択できるように構成された設定画面である。制御部205は、この図7の画面を介して、処理対象となるジョブにて実行すべきシート処理の設定をユーザから受付け、その設定に従ったシート処理をシート処理装置200で実行させる。
【0076】
尚、印刷装置100にシート処理装置200が接続されるケースにて、どのような種類のシート処理装置をどのような接続順序で何台接続するのか等を特定するための情報を、オペレータが登録できるように構成としてもよい。
【0077】
例えば、印刷システム1000を図3に示すようなシステム構成にする場合を考える。この時、大容量スタッカ、インサータ、糊付け製本機、中綴じ製本機の4台のシート処理装置を大容量スタッカから順番に印刷装置100に接続する旨を示す登録情報を設定する。制御部205は、オペレータにより設定されたシート処理装置200に係る情報をシステム構成情報としてRAM208に保持させ、適宜読み出して参照する。これにより、制御部205は、印刷装置100に対してどのようなシート処理装置をどのような接続順序で何台接続するのか等を確認する。
【0078】
尚、ストレートパスを持たない中綴じ製本機を複数台のシート処理装置の途中に接続するような設定がユーザにより行われたとする。この場合、制御部205は、その設定を無効とする旨を通知するためのエラー表示をタッチパネル部401に行わせる。また、制御部205は、このような設定を行うこと無しに中綴じ製本機は最後尾に接続するようにオペレータに通知するガイダンス情報を表示させる。
【0079】
本実施形態では、印刷システム1000に適用されるユーザインタフェース部の1例として印刷装置100に具備される操作部204を例示しているが、これ以外でも良い。例えば、PC103やPC104等の外部装置に具備されるユーザインタフェース部からの指示に基づいた処理を印刷システム1000で実行できるように構成されても良い。このように、外部装置から印刷システム1000を遠隔操作する場合、その装置の表示部に印刷システム1000に関する設定画面を表示させる。
【0080】
例として、PC104を用いて説明する。PC104が備えるCPUは、ユーザから印刷要求を受付けた場合に、ディスプレイに設定画面を表示させ、この画面を介して印刷処理条件の設定をPC104のオペレータから受付ける。そして、オペレータからの印刷実行要求を受付けた場合、PC104が備えるCPUは、この画面を介して受付けた印刷処理条件と印刷されるべき画像データとを関連付ける。そして、1つのジョブとして印刷システム1000に対してネットワーク101経由で送信するよう制御する。
【0081】
一方、印刷システム1000にて、制御部205は、このジョブの印刷実行要求を外部I/F202を介して受付けると、このPC104からのジョブをこのPC104からの印刷処理条件に基づいて処理するように印刷システム1000を制御する。
【0082】
このように、印刷システム1000のユーザインタフェースとして種々のユニットが提供できる。
【0083】
次に、本実施形態の制御部の一例に該当する制御部205が印刷システム1000のために実行する各種制御に関して、以下に説明する。
【0084】
尚、印刷システム1000は、複数のジョブのデータを記憶可能なHDD209のデータの印刷処理を実行可能なプリンタ部203を有する印刷装置100を具備する。また、印刷システム1000は、印刷装置100と複数台のシート処理装置200が接続できるように構成されている。また、印刷装置100に接続可能なこれら複数台のシート処理装置200はそれぞれ、プリンタ部203で印刷がなされたジョブのシート(印刷物又は印刷媒体とも呼ぶ)に対するシート処理(フィニッシング又は後処理とも呼ぶ)を実行可能に構成されている。
【0085】
また、これらのシート処理装置200は、各装置毎に、自装置でシート処理を施した印刷物をオペレータが取出すことができるように構成されている。また、これらのシート処理装置200のひとつである、インサータ200−3dから、複数台のシート処理装置200に対して、インサータ200−3dの給紙デッキに設定されたシートを、選択的に供給できるように構成されている。また、本実施形態の印刷システム1000は、プリンタ部203からこれら複数台のシート処理装置200に対して、プリンタ部203により印刷がなされたジョブのシートを、選択的に供給できるように構成されている。
【0086】
また、この印刷システム1000は、印刷装置100を使用せず、シート処理装置200のみを用いてジョブを処理する機能を有している。制御部205は、このシート処理装置200のみを用いた処理と、印刷装置100も用いた処理を、処理対象となる各ジョブ毎に、ユーザインタフェース部(UI部)からのオペレータ指示に基いて選択的に実行できるように印刷システム1000を制御する。また、制御部205は、これら2つの処理を場合によっては複合させて実行できるように、印刷システム1000を制御することもできる。
【0087】
そして、本実施形態の印刷システム1000は、印刷手段に接続された後処理手段による後処理を該印刷手段による印刷を伴わずに利用できるようにした柔軟性及び/又は利便性に富んだ仕組みを具備している。
【0088】
例えば、この仕組みに関し、本実施形態にて印刷システム1000は、印刷手段による印刷は行わずに該印刷手段に接続された後処理手段による後処理を行う特定種類のジョブの実行要求を受け付けるための実行要求受付手段を備える。
【0089】
尚、本実施形態では、プリンタ部203及び/又は印刷装置100が印刷手段として機能し、この印刷装置100に接続されるシート処理装置200(例えば図4〜図6の少なくとも何れかのフィニッシャ)が後処理手段として機能する構成を例示する。
【0090】
そして、本実施形態では、この特定種類のジョブとして、前述のような、プリンタ部203による印刷を要さずにシート処理装置200によるシート処理(以下、後処理)を要するジョブを例示する。例えば、印刷装置100による印刷を伴わずにシート処理装置200による後処理を実行するジョブは、この特定種類のジョブに該当する。
【0091】
このように、本実施形態では、印刷装置100による印刷処理とは独立に(非同期/非連動で)シート処理装置200による後処理の実行を要するジョブを、特定種類のジョブとして取り扱う。そして、このような特定種類のジョブを印刷システム1000により処理可能に制御部205により制御する。
【0092】
尚、本実施形態にてこの特定種類のジョブにて実行を許可する後処理は、以下である。
(1)ステイプル処理
(2)パンチ処理
(3)断裁処理
(4)中綴じ製本処理
(5)折り処理
(6)くるみ製本処理
(7)天糊製本処理
(8)インサート処理
本実施形態では、このうち(1)〜(5)の後処理は図5の中綴じ製本機(図3のシート処理装置200−3cに相当)により選択的に実行できるように構成している。また、(6)と(7)の後処理は図4の糊付け製本機(図3のシート処理装置200−3bに相当)により選択的に実行できるように構成している。また、(8)の後処理は図8の大容量インサータ(図3のシート処理装置200−3dに相当)により実行できるように構成している。
【0093】
また、本実施形態では、印刷装置100による印刷を伴わずに実行を許可する後処理として複数の選択候補をユーザインタフェースにて表示するよう制御部205により制御する。この具体例として後述する図13を用いた説明に対応する構成を具備している。
【0094】
以上の点に関し、これらは例示的なものであり、印刷を伴わずに実行できる後処理として如何なる種類の後処理を採用しても良い。また、本実施形態のように、これら複数種類の後処理を選択的に実行できるように構成していないものでも良く、これに限定されない。例えば、印刷を行わずに実行できる後処理の種類が1種類しかない構成のものでも、本発明に包含される。
【0095】
また、本実施形態では、印刷システム1000により提供されるユーザインタフェースであって、オペレータの操作に対してインタラクティブに応答可能に構成された各種のユーザインタフェースが、前述の実行要求受付手段として機能する。例えば、操作部204及び/又は該操作部204に具備されるソフトキーやハードキー及び/又は図に示す各種のユーザインタフェース画面などは、この1例である。尚、これは例示的なものでありこれに限定されるものでもない。
【0096】
例えば、印刷システム1000とは異なる外部の装置からも前述の特定種類のジョブの実行要求を受け付けるように構成しても良い。この場合、例えば、ネットワークスキャナ102やPC103やPC104等の外部のデータ発生源に具備されるユーザインタフェースがこの実行要求受付手段として機能する。また、この場合、このような特定種類のジョブを印刷システム1000が外部から受け付けるために必要な外部I/F202などのユニットも、この手段として機能する。このように、本実施形態は各種の変形応用が可能であって、本実施形態の印刷システム1000のように以下に例示する構成に相当する構成を少なくとも有するものは如何なるものも適用可能である。
【0097】
例えば、前述の特定種類のジョブの実行要求を前述のユーザインタフェースを介して制御部205が受け付けたとする。この場合、この実行要求に応答し制御部205は、印刷装置100による印刷は行わずにその特定種類のジョブのために前もって作成された印刷物(第1の印刷物)に対する後処理をシート処理装置200によって実行させるよう制御する。
【0098】
このように、印刷システム1000は、次の手段を有する。前述の特定種類のジョブの実行要求を受け付けた場合に印刷手段による印刷は行わずにそのジョブのために前もって作成された第1の印刷物に対する後処理を前述の後処理手段により実行させるための第1の制御手段を有する。本実施形態では、この第1の制御手段として制御部205が機能する構成を例示している。
【0099】
尚、本実施形態では、この第1の印刷物として予め印刷が施された複数の印刷媒体(印刷物)を供給できるように構成された所定の供給手段をシート処理装置200自身が具備している。シート処理装置200として例示した図4に示す大容量スタッカ及び図5の中綴じ製本機ならびに図8の大容量インサータには、それぞれ図のようにインサータ、給紙デッキ1〜3などが備えられる。本実施形態では、これらのユニットが、冒頭で説明した機能を果たすだけでなく、この所定の供給手段としても機能する。そして、この所定の給紙手段に対して前述の特定種類のジョブにて必要な第1の印刷物がオペレータによりセットされる。
【0100】
そして、本実施形態では、この特定種類のジョブの実行要求をオペレータから指示された場合、制御部205は、この第1の印刷物を該供給手段からシート処理装置200内部の後処理部へ前述の印刷手段を介すこと無しに供給するよう制御する。その後、制御部205は、該第1の印刷物に対する後処理をその後処理部によって実行させる。このような方法で、制御部205は、印刷装置100による印刷を伴うこと無しに該ジョブのためにユーザが指示した後処理を当該シート処理装置200によって実行可能にする。
【0101】
尚、前述の特定種類のジョブを実行する場合、該ジョブで利用する前述の第1の印刷物を印刷装置100に具備される所定の供給手段としての給紙カセットから供給する構成でも良い。この場合、印刷装置100内部の搬送路を経由して該第1の印刷物がシート処理装置200内部へ導入されるが、この際、印刷装置100にて該第1の印刷物に対する印刷は行わないように制御部205により制御する。そして、この印刷物が前述のシート処理装置200に導入されたら、該印刷物に対してユーザが指示した後処理を施すように制御部205により制御する。このような構成でも良い。
【0102】
また、本実施形態の印刷システム1000は、前述のように特定種類のジョブにおいて印刷装置100による印刷を伴わずにシート処理装置200による後処理を実行できるよう制御部205により制御する構成に加え、以下の構成も具備する。
【0103】
例えば、本実施形態の印刷システム1000は、前述の第1の印刷物を作成するために利用した印刷データを受け付ける(所得する)ための印刷データ受付手段(印刷データ取得手段)を具備する。
【0104】
本実施形態では、操作部204や後述する所定の操作画面などのユーザインタフェースが、この手段として機能する。具体的には、この本実施形態にて提供するユーザインタフェースは、この印刷データの取得元(獲得先)をユーザが指定できるように構成されている。
【0105】
また、後述する具体例では、この第1の印刷物を作成するのに利用した印刷データを印刷装置100とは異なる外部の装置から取得できるように構成されており、その際、外部I/F部202を介して当該印刷データを取得する。このように、本実施形態では外部I/F部202も当該手段として機能する。
【0106】
そして、本実施形態の印刷システム1000は、この印刷データ受付手段によって受け付けた(取得した)当該印刷データを用いて前述の第1の印刷物と体裁が同じ又は異なる第2の印刷物を前述の印刷手段によってあらためて作成させるための第2の制御手段を有する。この第2の制御手段として本実施形態では前述の制御部205が機能する構成を例示している。
【0107】
例えば、制御部205は、前述の第1の印刷物に相当する印刷媒体に対して印刷された印刷データと同じ印刷データを用いた印刷処理を第2の印刷物に相当する印刷媒体に対して行うようプリンタ部203を制御する。このような方法で、制御部205は、当該第2の印刷物を印刷装置100により作成させる。
【0108】
尚、本実施形態にて制御部205は、第1の印刷物を作成する際の印刷条件と全て同じ処理条件で、前述の印刷データを前述の第2の印刷物に相当する印刷媒体に印刷するよう印刷装置100を制御する。これにより、第2の印刷物として、前述の第1の印刷物と体裁が同じ印刷物を印刷装置100にて作成できる。ここで述べる印刷条件とは、以下に示す処理条件などであるが、これらはあくまでも例示的なものであってこれに限定されるものでもない。
(1)第2の印刷物を作成するために利用する印刷媒体のサイズ及び/又はその種類に関する処理条件。
(2)この印刷媒体に対して前述の印刷データを印刷する際の印刷倍率(変倍率)に関する処理条件。
(3)この印刷媒体に対して前述の印刷データを印字する際の印字位置及び/又はその向き(印刷方向)に関する処理条件。
(4)この印刷媒体に対して前述の印刷データを印字する際の拡大レイアウトや縮小レイアウトといった印刷レイアウトや、片面印刷/両面印刷に関する処理条件。
【0109】
また、本実施形態にて制御部205は、第1の印刷物を作成する際の印刷条件から一部の処理条件を変更して前述の印刷データを前述の第2の印刷物に相当する印刷媒体に印刷するよう印刷装置100を制御する。このような方法で、制御部205は、第2の印刷物として、前述の第1の印刷物の体裁が少なくとも一部異なる印刷物を印刷装置100により作成できるように制御する。
【0110】
このように、本実施形態では、第1の印刷物を作成するために利用された印刷データを再利用した印刷処理を印刷装置100(プリンタ部203)により実行させるよう制御部205により制御する。そして、この印刷処理によって得られる第2の印刷物として、第1の印刷物と体裁が同じ印刷物を印刷装置100により作成させることもできるし、第1の印刷物の体裁と少なくとも一部体裁が異なる印刷物を印刷装置100により作成させることもできる。
【0111】
尚、本実施形態の印刷システム1000のように第1の印刷物と体裁が同一の第2の印刷物を作成する構成と第1の印刷物と体裁が異なる第2の印刷物を作成する構成の両方に対応していなくてもよい。例えば、これらのうちの何れかの構成のみに対応した構成のものでも本発明に包含される。
【0112】
また、後述する具体例では、第1の印刷物を作成する際に利用した印刷データを印刷装置100がネットワーク経由で外部装置から取得する構成を例示している。そして、この外部装置として、印刷装置100とは異なる他の印刷装置(図1の印刷システム1001の印刷装置)やコンピュータ103や104といった情報処理装置のケースを例示している。しかしこの具体例以外の構成でも良く、これに限定されるものでもない。
【0113】
例えば、印刷装置100が無線通信機能を有し、携帯電話などの携帯情報端末から前述の第1の印刷物を作成する際に利用した印刷データを印刷装置100が取得するよう制御部205により制御する構成でも良い。或いは、リムーバブルメディアなどの印刷装置100に対して着脱可能な所定の記憶媒体をセットする手段およびその記憶媒体に対するデータの書込及び読出を行う手段を印刷装置100に具備する。そして、この記憶媒体から当該第1の印刷物を作成する際に利用した印刷データを所得してこれを用いて前述の第2の印刷物を印刷装置100により作成するよう制御部205により制御する構成でも良い。
【0114】
また、第1の印刷物を作成した装置が印刷装置100自身の場合などに、その作成の際に利用した印刷データをHDD209に保持しておく。そして、その印刷データをHDD209から取得して、その印刷データを用いて第2の印刷物を印刷装置100により作成できるよう制御部205により制御する。このような構成でも良い。このように種々の構成に対応できるように印刷システム1000は構成されている。
【0115】
以上説明したように、本実施形態の印刷システム1000によって、印刷手段に接続された後処理手段による後処理を該印刷手段による印刷を伴わずに利用できるようにした柔軟性及び/又は利便性及び/又は生産性に富んだ仕組みが提供できる。特に、例えば、上述のように印刷システム1000により印刷は要さずフィニッシングのみを要するジョブ(フィニッシング単独ジョブ)に関し、エラーが発生したのでリカバーしたいといったニーズに対して、この印刷システム1000自身が迅速に対処できる。また、例えば、エラーは起きずに無事に処理が完了したフィニッシング単独ジョブに関して、これと同じ成果物を作成したいといったリフィニッシングなどのニーズに対して、この印刷システム1000自身が迅速に対処できる。
【0116】
このように、単に、フィニッシング単独ジョブをサポートするのみならず、このような特殊なジョブであってもリカバー機能やリフィニッシング機能を実現する仕組みをこの印刷システム1000自身に具備させることができる。そして、本実施形態にて印刷システム1000は、この効果を更に向上できるようにした仕組みとして更に以下の構成も具備している。
【0117】
例えば、前述の第2の制御手段としても機能する制御部205は、第2の印刷物を必要な時に迅速且つ的確に印刷装置100により作成できるように、前述の第1の印刷物を作成する制御に連動し、前述の印刷データを取得するタイミングも制御している。
【0118】
具体的には、本実施形態にて制御部205は、前述の第1の印刷物に施す後処理に関るエラーの発生及び/又は前述の第2の印刷物の作成要求の受付を待たずして前述の印刷データを前述の印刷データ受付手段により予め取得させておくよう制御する。そして、これにより制御部205は、第1の印刷物に対する後処理の失敗や第2の印刷物の作成要求の発生に備えて事前に、印刷装置100による前述の第2の印刷物の作成開始を待機させておくよう制御する。
【0119】
この構成の具体例として、後述の具体例では、前述の特定種類のジョブで必要な第1の印刷物に対する後処理を実際にシート処理装置200により開始させる前のタイミングで、前述の印刷データを取得するよう制御部205により制御する構成を例示している。
【0120】
より具体的には、本実施形態では、次のように制御している。前述の特定種類のジョブの実行要求を前述のユーザインタフェースを介してユーザから受け付けるのに先立って、該ジョブに必要な後処理条件を当該ユーザインタフェースにてユーザにより設定させるよう制御部205により制御している。この後処理条件に関する一連の設定を該ユーザインタフェースでユーザが行うタイミングを活用し、この一連の設定における早い段階にて、前述の印刷データの在り処(取得先)の情報をユーザにより該ユーザインタフェースにて入力させる。
【0121】
そして、この入手した情報をもとに該印刷データの格納場所を制御部205が特定し、そこにアクセスするよう前述の印刷データ受付手段として機能する外部I/F部202を制御する。このような方法で、本実施形態にて制御部205は、該特定種類のジョブの後処理に関する一連の処理条件を該ユーザインタフェースでユーザが設定している期間中に、これと並行して、前述の印刷データを取得する作業を済ませておくように制御している。
【0122】
このように、本実施形態の構成によれば、前述の特定種類のジョブを印刷システム1000で実際に開始する時点では既に第2の印刷物を作成できる準備が印刷装置100にて整っている状態となるように印刷システム1000を制御部205により制御できる。これにより、例えば、第1の印刷物が後処理の実行中にジャムしたのでやり直したい等の要求や、後処理をした結果をみたユーザがこの印刷物を増刷したい等の要求が実際に生じるよりも早い段階でこれらの要求に対する事前準備を済ませておくことができる。従って、これらの要求が発行された時点には速やかに第2の印刷物を作成させることができる。尚、後述する具体例は例示的なものであって、必ずしもこれに限定されるものでもない。
【0123】
また、本実施形態にて印刷システム1000は、前述の効果を更に向上する仕組みとして更に以下の構成も具備している。
【0124】
例えば、本実施形態の印刷システム1000は、前述の第2の印刷物を印刷装置100により作成させるためのジョブを前述の特定種類のジョブとして取り扱わずに非特定種類のジョブとして取り扱うようにするための管理手段を更に有する。本実施形態では前述の第1、第2の制御手段として機能する制御部205が、この管理手段としても機能する構成を例示する。そして本実施形態では、このように当該ジョブを非特定種類のジョブとして管理することで、以下に示す処理を印刷システム1000により行うことができるように制御部205により制御している。
【0125】
例えば、この非特定種類のジョブの情報を、ユーザからの要求に応答して、前述の特定種類のジョブとは区別できるようにした表示形態でもって前述のユーザインタフェースにより表示するように制御部205により制御する。
【0126】
この情報の具体例としては、前述の印刷データを何処から取得したのかその取得先の情報や、この印刷データを用いて第2の印刷物を印刷装置100により作成するにあたり如何なる処理条件で作成するのかその処理条件の情報などである。また、この第2の印刷物の作成を要する非特定種類のジョブの印刷装置100における現在の進捗状況やそのステータスを示す情報も当該情報の具体例である。
【0127】
このように、第2の印刷物の作成を要するジョブを特定種類のジョブとして取り扱わずに非特定種類のジョブとして管理することで、前述のような各種の処理が可能となるという効果が得られる。また、その他にも以下の構成にも適用することができる。
【0128】
例えば、本実施形態の印刷システム1000は、あるジョブを印刷している期間中でも、それとは別のジョブの印刷実行要求を拒否せずに随時受付可能にし、この期間中でも新規ジョブの印刷データを随時HDD209に記憶可能に構成されている。そして、印刷実行要求が行われた対処の複数のジョブを順次連続的に処理できるよう、各ジョブの処理順序を管理する印刷待ち行列にこれらの各ジョブをエントリーする。
【0129】
前述のように非特定種類のジョブを管理することで、本実施形態では、この非特定種類のジョブをこの印刷行列の中に他の印刷ジョブと同様にエントリーすることができる。これにより、他の印刷ジョブの処理を邪魔する事無しに適正な順番でもって前述の第2の印刷物の作成を要するジョブを印刷システム1000にて処理できる。
【0130】
このように、本実施形態では、制御部205が前述の管理手段として機能することで種々の効果が得られ、前述の効果が更に向上可能となる。
【0131】
尚、これらの構成もまた例示的なものでとし、これに限定されるものでもない。また、本実施形態の印刷システム1000は、前述の効果を更に向上させる仕組みとして以下に示す仕組みを更に有している。
【0132】
例えば、上述したように本実施形態にて制御部205は、前述の特定種類のジョブを実行する場合、このジョブのために事前に用意された第1の印刷物に対する後処理を、印刷装置100による印刷を伴わずに、シート処理装置200により実行するよう制御する。
【0133】
一方、この第1の印刷物に予め印刷されている印刷データを再利用する必要がある前述の非特定種類のジョブを実行する場合においては、前述の特定種類のジョブを実行する際の制御とは区別した制御を制御部205により実行する。
【0134】
例えば、非特定種類のジョブを実行する場合においては、印刷装置100を機能させ、該印刷装置100による印刷と連動して(印刷に伴って)シート処理装置200による後処理を実行できるように制御部205により制御する。
【0135】
このように、本実施形態にて制御部205は、特定種類のジョブを実行する場合は印刷装置100による印刷を伴ってシート処理装置200により後処理を行うことを禁止する。この一方で制御部205は、非特定種類のジョブを実行する場合には印刷装置100による印刷を伴ってシート処理装置200により後処理を行うことを許可する。
【0136】
このように、非特定種類のジョブを実行する場合、即ち、第2の印刷物を作成する場合は、印刷装置100による印刷とシート処理装置200による後処理をシーケンシャルに実行できるよう制御部205により制御する。
【0137】
このような構成により、本実施形態にて制御部205は、該第2の印刷物を作成するための印刷を印刷装置100により行わせるのに引き続いてその第2の印刷物に対する後処理をシート処理装置200によって実行できるよう制御している。
【0138】
尚且つ、このように第2の印刷物を作成する場合、本実施形態にて制御部204は、前述の第1の印刷物に対して行われる後処理と同一又は異なる種類の後処理をその第2の印刷物に対してシート処理装置200によって実行させるように制御している。
【0139】
これにより、次の効果が得られる。例えば、第1の印刷物と同じ印刷結果が印刷される第2の印刷物に対して第1の印刷物と同じ種類の後処理(後述の例ではくるみ製本処理)を施す構成と、それとは別の種類の後処理を該第2の印刷物に対して施す構成の両者に対応できるという効果が得られる。
【0140】
尚、本実施形態の印刷システム1000は、これら両者に対応した構成を具備しているが、これは例示的なものとし必ずしもこれに限定されるものでもない。例えば、これらのうちの何れか一方のみに対処した構成を具備したものでも、そもそも第2の印刷物を作成する際には後処理自体を行わない構成でも良い。このように種々の形態が本発明に包含されるが、本実施形態の印刷システム1000は、前述の効果を向上させるべく更に以下の仕組みも具備している。
【0141】
例えば、本実施形態にて第1、第2の制御手段として機能する制御部205は、如何なるトリガーでもって印刷装置100による第2の印刷物の作成を許可するのか、その動作条件も制御している。
【0142】
この具体例として、前述の第1の印刷物に必要な後処理をシート処理装置200によって実行している最中に当該第1の印刷物に係るトラブルが該シート処理装置200にて発生したとする。制御部205は、このトラブルの発生を示す情報を内部の信号線を介してシート処理装置200から受信する。そして、当該トラブルが発生したのを受け、これを条件に、制御部205は、前述の第2の印刷物を印刷装置100により作成するのを許可する。
【0143】
尚、このトラブルとして第1の印刷物のジャム等が発生した場合、制御部205は、機内に残留する第1の印刷物がシート処理装置200内部からユーザにより除去されるのを待つ。そして、このジャム除去作業が済んだ後に、該第2の印刷物の作成を印刷装置100により開始させるよう制御部205により制御する。また、このケースの場合、ユーザが明示的に第2の印刷物を作成する指示をユーザインタフェースを介して入力しなくても、制御部205によるこれらの判断でもって自動的に第2の印刷物が作成されるように制御する。ただし、これらの構成も例示的なものとし、このようなケースの場合でもユーザから当該指示を受け付けたのを条件に第2の印刷物を作成させるように制御する構成でも良い。
【0144】
また、前述の具体例とは別の具体例として、本実施形態にて制御部205は、前述の第1の印刷物に必要な後処理がシート処理装置200によって実行された後に、前述の第2の印刷物の作成要求を前述のユーザインタフェースを介してユーザから受付可能に制御する。そして、この作成要求を受け付けたことに応じて、これを条件に、制御部205は、前述の第2の印刷物を印刷装置100により作成するのを許可する。このような方法で、ユーザから第2の印刷物の作成要求を受けうけたことに応じて、該第2の印刷物を印刷装置100によって作成できるように制御部205により制御する。
【0145】
また、本実施形態の印刷システム1000は、前述の効果を向上できるように、前述の印刷データを無駄に持ちつづけないようにする仕組みも具備している。
【0146】
例えば、本実施形態の印刷システム1000は、前述のような方法で前述の印刷データ受付手段によって受け付けた第1の印刷物の作成に利用した印刷データを適正なタイミングで破棄(消去)する手段を更に具備している。本実施形態では、この手段として前述の制御部205が機能し、これにより以下の具体例に示す処理を行うことができる。
【0147】
まず、第1の印刷物を作成する際に利用した印刷データを前述した何れかの方法で印刷データ受付手段により取得し、それをHDD209などの所定の記憶手段に記憶させるよう制御部205により制御する。これにより、第2の印刷物の作成に備える。このように、制御部205が、印刷装置100による第2の印刷物の作成開始を待機状態にする構成については、前述したとおりである。
【0148】
そして、この具体例においては、この第2の印刷物の作成準備が済んだ後に、前述の印刷データを破棄するか否かに関する所定の判断を制御部205により行う。
【0149】
具体的には、前述の第1の印刷物に係るトラブルが発生すること無しにその第1の印刷物に必要な後処理がシート処理装置200にて終了したか否かを制御部205により判断する。そして、この判断にて当該トラブルの発生無しに第1の印刷物に必要な後処理が済んだことを意味するYES判定を下した場合、制御部205は、この印刷データをHDD209から破棄(消去)するよう制御する。
【0150】
一方、この後処理の途中で第1の印刷物のジャムなどのエラーが発生した場合はこの判断にてNO判定を下す。この場合、制御部205は、当該印刷データをHDD209から破棄(消去)せずに引き続き該データを保持させておくよう制御する。このように、第1の印刷物に対する後処理が失敗したのを補填するために第2の印刷物を印刷装置100で作成するといったケースに備えるように、制御部205により制御する。
【0151】
また、本実施形態の印刷システム1000は、以下の具体例に示す仕組みを更に具備している。
【0152】
例えば、前述のように第2の印刷物を作成する準備を済ませた後、トラブルも無く前述の第1の印刷物に必要な後処理がシート処理装置200にて無ことに終了したとする。すると制御部205は、この後処理の終了の時点から、第2の印刷物の作成要求が前述のユーザインタフェースを介して入力された否かの判断を開始する。
【0153】
そして、この終了の時点から予め定められた時間が経過するまでの間に該第2の印刷物の作成要求をユーザインタフェースを介して受け付けなかったとする。この場合、これを条件に、制御部205は、前述の印刷データをHDD209から破棄(消去)するよう制御する。
【0154】
一方、この終了の時点から予め定められた時間が経過するまでの間に該第2の印刷物の作成要求をユーザインタフェースを介して受け付けたとする。この場合、当該要求の受付を契機に、前述の印刷データを用いて第2の印刷物の作成を印刷装置100により開始させるよう制御部205により制御する。
【0155】
以上の2つの具体例のように印刷システム1000を構成することで、種々のユースケースに柔軟に対応できる。このユースケースの具体例としては、満足のいく後処理が第1の印刷物に施されたのを確認したユーザが、これと同じものを増刷したい等の要求を行うといったケースである。また、他の後処理を行いたいので再度印刷物を作成し直したいといったケースも、この具体例である。
【0156】
本実施形態の印刷システム1000は、このような要求に応えられるように該印刷データをHDD209から破棄(消去)せずに引き続き保持させるよう制御する。また、その一方で、このような要求が無いにも拘らず無駄に該データを保管しておくといったトラブルが発生しないように前述の仕組みを具備している。
【0157】
尚、本実施形態にて印刷システム1000は、これら2つの具体例に対応する構成の両方を具備しているが、これも例示的なものとし、これに限定されるものでもない。例えば、何れか一方の具体例に相当する構成を具備するもの、或いは、いずれの構成も持たないものでも本発明に包含される。また、本実施形態にて印刷システム1000は、前述の効果を更に向上できるように更に以下の仕組みも具備している。
【0158】
例えば、第1の印刷物に対する後処理を要する前述の特定種類のジョブの実行要求を受け付けるのに伴って、本実施形態にて制御部205は、所定の指示をユーザインタフェースを介してユーザから受付可能に制御している。この所定の指示とは、前述の印刷データ受付手段によって前述の印刷データを取得させる指示(取得指示)である。
【0159】
後述する具体例では、この指示のほかにも更に、この印刷データの取得先を指定するための情報(取得先特定情報)を、前述のユーザインタフェースを介してユーザから受付可能に制御部205により制御する構成を例示している。
【0160】
そして、この構成において制御部205は、所定の判断を行う判断手段として機能する。この所定の判断として、制御部205は、該特定種類のジョブの実行要求を受け付けるのに伴って前述の取得指示及び/または前述の取得先特定情報が該ユーザインタフェースを介して入力されたか否かの判断を行う。
【0161】
そして、この判断結果によって、当該取得指示及び/又は当該取得先特定情報の入力無しと判断した場合、制御部205は、前述の第2の印刷物を印刷装置100により作成しないよう制御する(作成可否の決定)。この場合、前述の印刷データ受付手段によって前述の印刷データを取得すること自体もキャンセルするよう制御部205により制御しても良い。
【0162】
一方、前述の取得指示及び/または前述の取得先特定情報の入力有りと判断した場合、制御部205は、前述の第2の印刷物を印刷装置100により作成できるように制御する(作成可否の決定)。この場合、制御部205は、前述したような方法で、少なくとも第1の印刷物の作成終了を待たずして前述の印刷データを確保しておき、第2の印刷物の作成に備えるように制御する。
【0163】
尚、本実施形態の印刷システム1000は、この具体例とは別の具体例に対応した仕組みも更に具備している。
【0164】
例えば、本実施形態の印刷システム1000は、前述の方法によって第1の印刷物を作成する際に利用した印刷データを取得したら、その印刷データを印刷装置100によりアクセス可能な記憶手段として機能するHDD209に保持できるように構成されている。
【0165】
この構成において制御部205は、該HDD209に該印刷データが存在するか否かの判断を行う判断手段としても機能する。この判断結果によって、該印刷データは存在しないと判断した場合、制御部205は、第2の印刷物の作成を印刷装置100により行わないよう(キャンセルするよう)制御する。また、前述のように、第2の印刷物を作成する非特定種類のジョブとして前述の印刷待ち行列に対して当該ジョブを既にエントリーしている状況の場合には、この判定結果に従い、当該待ち行列からこの非特定種類のジョブを削除するよう制御部205により制御する。
【0166】
一方、この判断結果によって、該印刷データがHDD209に存在すると判断した場合、制御部205は、第2の印刷物の作成を印刷装置100により実行できるよう制御する。この場合、該第2の印刷物を作成する非特定種類のジョブを、前述のような方法で、他の印刷ジョブと同様に印刷待ち行列にエントリーするよう制御部205により制御する。このような方法で、他の印刷ジョブに対して不用意に影響を与えること無しに適正なタイミングで当該第2の印刷物を印刷装置100により作成できるよう、制御部205により制御する。
【0167】
尚、本実施形態にて印刷システム1000は、これら2つの具体例に対応する構成の両方も具備しているが、これも例示的なものとし、これに限定されるものでもない。例えば、何れか一方の具体例に相当する構成を具備するもの、或いは、いずれの構成も持たないものでも本発明に包含される。
【0168】
以上に説明したように、本実施形態の印刷システム1000は、印刷手段による印刷を伴うこと無しに該印刷手段に接続された後処理手段による後処理を実行可能に構成されている。そして、本実施形態の印刷システム1000は、この構成に関連する各種の制御を実行可能にした構成を具備している。しかし、本実施形態の印刷システム1000のようにこれらの全てを構成を具備するようにしても良いし、何れかの構成を備えるものでも良い。例えば、前述の効果が少なくとも1つが得られるような構成ならば如何なる構成でも適用可能である。
【0169】
また、上述した各種構成や後述の具体例では、プリンタ部203を有する印刷装置100に具備される制御部205が、前述のように第1、第2の制御手段や各種の判断手段として機能する構成を採用している。しかし、これは例示的なものであり、このような内部的な構成に関しては如何なる形態でもよく、これに限定されるものでもない。
【0170】
例えば、本実施形態で説明するこれらの手段により実現される各種の判断及び/又は制御を、印刷装置100とデータ通信可能な他のデバイスに具備されるCPUによって実現する構成でも良い。例えば、図1のPC103、104や、シート処理装置200、印刷システム1001などは、このデバイスとして適用できる。このように本実施形態の印刷システム1000は、印刷装置100とは異なる他の装置に前述の第1、第2の制御手段などの全ての手段または何れかの手段が具備される構成にも適用できるように構成されている。
【0171】
次に、上述した本実施形態の各種の構成ならびにその制御の具体例として以下に具体例1と具体例2を順に説明する。尚、以下の具体例で説明する構成以外の構成については、全て前述の構成のとおりなので、この点については省略する。
【0172】
また、以下の具体例1や2では、図示する各種のユーザインタフェース画面を制御部205が操作部204に表示させるように制御する構成を例示しているが、これに限定されるものでもない。例えば、上述したように、PC103、104や印刷システム1001といった他のデバイスのユーザインタフェースでこれらと同等の画面を提供可能にした構成でも良い。
【0173】
また、以下の具体例1、2では、各種のフローチャートの処理を実行するためのコンピュータ実行可能なプログラムを制御部205が印刷装置100内部のメモリから読出して実行する構成を例示する。これにより、以下で説明する各種のフローチャートの処理が遂行される。尚、以下の具体例1、2では、このような構成を例示するが、これに限定されるものでもない。例えば、上述したように、これとは別の装置に具備されるCPUによってこれらの処理が遂行される構成でも本実施形態の印刷システム1000は適用できる。
【0174】
以上を踏まえて、以下に、前述した本実施形態の印刷システム1000が具備する構成に対応する具体例1を説明する。ここでは、前述の特定種類のジョブとして、シート処理装置200のみを用いてジョブを処理する機能についての具体例を説明する。
【0175】
[具体例1]
図9は、シート処理装置200のみを用いてジョブ(前述の特定種類のジョブに相当)を処理する機能の、基本フローチャートである。まず、印刷システム1000に備えられた操作部204のタッチパネル部401のようなユーザインタフェースを提供し、ジョブの実行要求を受ける(ステップS1201)。
【0176】
ここで、制御部205は、タッチパネル部401に表示される画面上の、図6に示すシート処理設定のキー609がオペレータにより押されると、図7の画面をタッチパネル部401に表示させる。この図7の画面に具備されているマニュアル設定ボタン713は、ここで述べる、シート処理装置200だけを用いた処理を指示する。制御部205は、本ボタンが押下されたら、シート処理装置200だけを用いた処理の実行要求がなされたと判断する(ステップS1202)。
【0177】
次に、制御部205は、シート処理装置200だけを用いた処理の実行要求がなされたと判断した場合を考える。この時、制御部205は、図10の画面を表示し、処理中に何らかの処理中断事象(Jam等)が発生した際のエラー復帰を意識したジョブ処理を行うかどうかをオペレータに選択させる(ステップS1203)。この際、図10の画面に示すように、そのためには処理対象であるシートを印刷した印刷装置の情報が必要である旨を、合わせてオペレータに伝える。
【0178】
また、ステップS1202において、シート処理のみを行うジョブではないと判断された場合を考える。この時、前述のとおり、印刷装置100に具備された走査部204を介して指示された印刷設定に従い、制御部205はプリンタ部203を制御して印刷を行う。そして、下流に接続されたシート処理装置による所望のシート処理が行われるよう、印刷システム1000を制御する(ステップS1211)。
【0179】
次に、エラー復帰を意識したジョブ処理を行う旨が、オペレータにより選択された場合を考える。この時、制御部205は、次の処理を行う。外部I/F202、およびネットワーク101を介して、通信可能状態にある印刷システム1001、あるいは、サーバコンピュータ103(PC103)、クライアントコンピュータ104(PC104)の探索を行う(ステップS1204)。そして、探索された印刷システムの一覧を、図11のような画面を用いて表示すると共に、オペレータに対して選択候補として提示し、選択させる(ステップS1205)。
【0180】
次に、オペレータにより、図11において選択候補として表示した印刷システムおよびサーバコンピュータ、クライアントコンピュータの中からひとつを選択させた場合を考える。この時、制御部205は、外部I/F202、およびネットワーク101を介して、選択された対象より印刷データの一覧を取得する(ステップS1206)。更に、図12のような画面を用いて表示し、オペレータに印刷データを選択させる(ステップS1207)。前記ステップS1205、ステップS1207において、オペレータが選択候補として表示された項目からの選択を行わなかった場合、図13の画面を表示し、実行するシート処理をオペレータに選択させる(ステップS1212)。
【0181】
図13は、印刷装置100に接続されているシート処理装置200の種類および構成により、表示する項目が間引かれた画面となっている。例えば、先に述べた中綴じ製本機200−3cが接続されていない構成であった場合、中綴じ製本の項目は表示されない。また、印刷装置100において印刷を行うことで意味をもつシート処理に関する項目も表示されない。例えば、先に述べた大容量スタッカへの排紙処理、大容量スタッカを2つ用いて、切り替えながら排紙を行う大量積載処理といった項目は表示されない。
【0182】
そして、オペレータは、図13の画面を用いて前述のジョブ(印刷を伴わずに後処理を実行する特定種類のジョブ)に必要なシート処理(後処理)を選択した後、操作部204に設けられているスタートキー503を押下する。これにより、中断時のリカバリ機能を用いず、指定されたシート処理のみジョブを実行ジョブ処理を開始する(ステップS1213)。
【0183】
ステップS1205において、選択候補として表示された印刷システム、およびサーバコンピュータ、クライアントコンピュータの中に、オペレータが意図した対象が存在しなかった場合、選択処理をスキップして、処理を進めることができることが必要である。そのため本フローは必要なものである。また、ステップS1207においても同様で、選択候補として表示された印刷データの一覧の中に、オペレータが意図した対象が存在しなかった場合、選択処理をスキップして、処理を進めることができることが必要である。そのため本フローは必要なものである。
【0184】
一方、オペレータにより図12において選択候補として表示した印刷データ一覧の中からひとつが選択された場合、制御部205は、次の処理を行う。外部I/F202、およびネットワーク101を介して選択された印刷データを取得し、HDD(ハードディスクドライブ)209に保存する(ステップS1208)。
【0185】
次に、制御部205は、図13を表示し、実行するシート処理をオペレータに選択させる(ステップS1209)。そして、オペレータは、図13を用いて選択した後、操作部204に設けられているスタートキー503を押下することで、中断時のリカバリ機能を用いた、シート処理のみジョブを実行する(ステップS1210)。ここで、ステップS1209での、オペレータによるシート処理選択は、必ずしもステップS1208での、印刷データ獲得およびHDD209への保存処理の終了を待つ必要はない。これは、印刷データの中にはデータサイズの大きなものが存在するため、外部I/F202およびネットワーク101を介したデータ獲得およびHDD209への保存処理に時間がかかる恐れがあるためである。
【0186】
近年のシート処理装置の多機能化により、シート処理の設定には多数の項目が存在するようになり、これに比例してステップS1209においてオペレータがシート処理設定に費やす時間も増加している。そこで、ステップS1208での処理を、ステップS1209において、オペレータがシート処理設定を行っている間、平行して処理することにより、全体としての処理時間を軽減することができる。
【0187】
例として、先の述べた糊付け製本機200−3bによるくるみ製本処理を行うジョブを用いて説明する。くるみ製本処理をジョブに設定する場合、まずオペレータは、図13にて、糊付け製本(1)(くるみ製本)のボタン707を押下する。すると、制御部205は、タッチパネル部401に図21aのような表示を行い、くるみ製本の仕上がりサイズ設定をオペレータに促す。そして、次にオペレータは、図21aにおいて仕上がりサイズを入力した後、次へボタン2100を押下する。すると、制御部205は、タッチパネル401に図21bのような表示を行い、種々の設定入力を促す。
【0188】
まず、表紙の設定を行う必要がある。オペレータは表紙の設定を行う場合、図21bにおける表紙設定2101において、表紙の用紙設定を行う。この時、制御部205は、タッチパネル部401に図21dのような画面を提供する。また、本文の設定も行う必要がある。オペレータは本文の設定を行う場合、図21bにおける本文設定2102において用紙設定を行う。この時、制御部205は、タッチパネル部401に図21eのような画面を提供する。
【0189】
また、断裁設定を行う必要がある。オペレータは断裁設定を行う場合、図21bにおける断裁設定2103において、断裁しない、もしくは1方、3方の断裁方法を選択する。また、断裁に関する微調整設定を行う必要がある。オペレータは断裁に関する微調整設定を行う場合、図21bにおける調整ボタン2104を押下し、設定を行う。この時、制御部205は、タッチパネル401に図21cのような画面を提供する。
【0190】
また、挿入紙等の設定を行う必要がある。オペレータは挿入紙に関する設定を行う場合、図21bにおける挿入紙設定ボタン2105を押下し、設定を行う。この時、制御部205は、タッチパネル部401に図21fのような画面を提供する。
【0191】
以上のように、くるみ製本処理の設定を行うには複数の設定が必要なため、オペレータは設定に時間を費やすことになる。そこで、これら図21a〜図21fを用いて説明した設定作業に入る前に(具体的にはステップS1209より前に)、データの獲得対象選択のステップ(ステップS1204〜ステップS1207)を実行しておく。そして、前述したステップS1209以降のくるみ製本処理ジョブの設定作業と、データの獲得作業(ステップS1209)を並行して(同時に)行う。こうすることで、オペレータがデータの獲得作業の終了を意識する必要がなくなり、処理時間の軽減につながる。
【0192】
次に、図9のステップS1210で表される、中断時のリカバリ機能を用いた、シート処理のみジョブの実行について、図14のフローチャートを用いて詳細を述べる。まず、制御部205は、ジョブが完了したかどうかを判断する(ステップS1801)。完了していない場合、次にジョブの処理が継続中かどうかを判断する(ステップS1802)。ここで継続中でないと判断された場合、何らかのジョブ中断要因事象が生じ、ジョブの処理が中断していることとなる。
【0193】
この場合、制御部205は、ジョブ中断要因事象の特定を行い、当該事象の除外を要請する旨を通知するためのエラー表示を、操作部204に設けられているタッチパネル部401に表示させる(ステップS1803)。図15は制御部205により特定された要因が、シート処理装置200に接続されている大容量スタッカ200−3aにおける用紙ジャムであった場合の表示例を示す。
【0194】
次に、制御部205は、ジョブ中断要因事象が除外されたことを確認したのち(ステップS1804)、HDD209に、当該ジョブの印刷データが格納されているかを判断する(ステップS1805)。HDD209に、当該ジョブの印刷データが格納されている場合、図16のような画面を表示する。そして、当該ジョブを、プリンタ部203で最初から印刷もやり直して、再実行するか、ジョブ中断事象により失われたページのみを再印刷して、中断箇所からリカバリを行うかを、オペレータに判断させる(ステップS1806)。
【0195】
そして、オペレータが中断箇所からのリカバリを選択した場合、制御部205は、ジョブ中断事象により失われたページの特定処理を行う(ステップS1807)。ここで、印刷システム1000のシート搬送路には、シートの搬送状況やジャムを検知するために要する複数のシート検知センサが設けられている。これらのセンサを用いることで、正常に排紙されたページおよび用紙ジャム等の中断事象が発生したページを特定することが可能である。次に、制御部205は、ステップS1807にて特定したページを、プリンタ部203で再印刷する(ステップS1808)。そして、印刷したページを含め、ジョブの復帰(再開)処理を行う(ステップS1809)。
【0196】
尚、この際、再印刷は行わず、中断箇所からシート処理のみを再開するという選択肢を設けてもよい。これは、特にPODの印刷現場においては、印刷システム毎のくせや個体差による色味の変化等を嫌い、1つのまとまった成果物は、すべて同じプリントエンジンを用いて印刷を行いたいという考えがあるためである。
【0197】
この場合、オペレータは、中断事象により失われたページを特定し、再度他の印刷システム(例えば印刷システム1001)を用いて当該ページを印刷し、印刷システム1000に再セットし、ジョブを再開するというフローになる。このため、制御部205および印刷システム1000を、ジョブ中断事象により失われたページを特定したのち、当該ページの情報を、操作部204に設けられているタッチパネル部401に表示させるような構成としてもよい。
【0198】
更に、ジョブが完了した場合、制御部205は当該ジョブの印刷データがHDD209に保存されているかを確認する(ステップS1810)。保存されている場合、図17のような画面を表示し、当該印刷データの消去を行うかどうかをオペレータに確認する(ステップS1811)。そして、オペレータによって印刷データの消去が選択された場合、印刷データの消去処理を行い、ジョブの処理を終了する(ステップS1812)。
【0199】
[具体例2]
印刷システム1000は、スキャナ部201や、サーバコンピュータ103およびクライアントコンピュータ104から、ネットワーク101および外部I/F202を介して受け取った印刷データを、HDD209に保存することができる。この際、ジョブに設定されたシート処理や部数といったジョブ設定情報も、合わせて保存される。また。印刷データがなくとも、このジョブ設定情報のみを、HDD209に保存することも可能である。また、HDD209に保存されているこれらジョブの一覧を、操作部204に具備されているタッチパネル部401に表示することができる。
【0200】
更に、ネットワーク101および外部I/F202を介して、サーバコンピュータ103およびクライアントコンピュータ104や、他の印刷システム1001へ、前記ジョブの一覧を送信することも可能である。これにより、オペレータは例えばクライアントコンピュータの画面上から、印刷システム1000の操作を行うことができる。
【0201】
以下より、HDD209に保存されているシート処理ジョブの実行フローについて、図18を用いて説明する。
【0202】
まず、オペレータより、ジョブリストの表示要求を受ける(ステップS2201)。これをうけると制御部205は、まずHDD209内にあるジョブ設定情報を探索し、みつかったジョブ毎に、更にHDD209内に当該ジョブの印刷データも保存されているか否かを判断する(ステップS2202)。
【0203】
次に、ステップS2202において、印刷データも保存されていると判断したジョブについては、図19のような表示をタッチパネル部401に表示する(ステップS2203)。ここで、オペレータは、図19のジョブ一覧表示領域2303において、実行するジョブを選択することができる。そして、印刷開始ボタン2301を押下することで、選択したジョブを印刷することが可能である。また、設定変更ボタン2302を押下することで、選択したジョブのジョブ設定を変更することが可能である。
【0204】
ここで、ステップS2202において、印刷データも保存されていると判断したジョブを、オペレータがジョブ一覧表示領域2303にて選択した場合、次の表示がされる。図19のように、シート処理(後処理、フィニッシング)のみを行うかどうかの選択ボタン2304が表示される。そして、オペレータはこの選択ボタン2304を操作した上で、印刷開始ボタン2301が押下し、ジョブの実行要求を行う(ステップS2204)。ステップS2204にてジョブの実行要求がなされると、制御部205は、ステップS2203にて表示した選択ボタン2304の設定を見て、シート処理のみを行うジョブか、印刷とシート処理を行うジョブかを判断する(ステップS2205)。
【0205】
次に、ステップS2205にて、シート処理のみを行うジョブであると判断した場合、図9にて前述したステップS1213と同様の処理を行うよう、制御部205は、プリンタ部203およびシート処理部200を制御する(ステップS2206)。
【0206】
また、ステップS2205にて、印刷とシート処理を行うジョブであると判断した場合、図9にて前述したステップS1211と同様の処理を行うよう、制御部205は、プリンタ部203およびシート処理部200を制御する(ステップS2207)。
【0207】
一方、ステップS2202において、印刷データが保存されていないと判断したジョブについては、図20のような表示を、タッチパネル部401に表示する(ステップS2208)。ここで、オペレータは、前述の図19同様に、ジョブ一覧表示領域2403において、実行するジョブを選択することができる。尚、印刷データが保存されていないと判断したジョブについては、その旨を伝えるコメント2404が、ジョブの名称と共に表示される。そして、印刷開始ボタン2401を押下することで、選択したジョブを印刷することが可能である。また、設定変更ボタン2402を押下することで、選択したジョブのジョブ設定を変更することが可能である。
【0208】
ここで、ステップS2202において、印刷データが保存されていないと判断したジョブを、オペレータがジョブ一覧表示領域2403にて選択した場合を考える。この時、タッチパネル部401に、図20のような、ジョブ処理中に何らかの処理中断事象(Jam等)が発生した際のエラー復帰を意識したジョブ処理を行うかどうかの選択ボタン2405が表示される。そして、オペレータはこの選択ボタン2405を操作した上で、印刷開始ボタン2401を押下し、ジョブの実行要求を行う(ステップS2209)。ステップS2209にてジョブの実行要求がなされると、制御部205は、ステップS2208にて表示した選択ボタン2304の設定を見て、エラー復帰を意識したジョブ処理を行うかを判断する(ステップS2210)。
【0209】
次に、ステップS2210にて、エラー復帰を意識したジョブ処理を行わないジョブであると判断した場合、次の制御を行う。図9にて前述したステップS1213と同様の処理を行うよう、制御部205は、プリンタ部203およびシート処理部200を制御する(ステップS2211)。
【0210】
次に、ステップS2210にて、エラー復帰を意識したジョブ処理を行うとジョブであると判断した場合、図9にて前述したステップS1204と同様の処理を行うよう、制御部205は、印刷システム1000を制御する(ステップS2212)。
【0211】
つまり、制御部205は、外部I/F202、およびネットワーク101を介して、通信可能状態にある印刷システム1001、あるいは、サーバコンピュータ103(PC103)、クライアントコンピュータ104(PC104)の探索を行う。そして、探索された印刷システムの一覧を、図11のような画面を用いて表示すると共に、オペレータに対して選択候補として提示し、選択させる。以降のフローは、前述の図9におけるフローと同様である。
【0212】
尚、本実施形態の印刷システム1000は、上述のように、これらの各種の構成が矛盾のない範囲で如何様にも組み合わせることができるように構成されている。
【0213】
ここで、以上のように、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録したコンピュータ読取可能な記憶媒体を、システムあるいは装置に供給する。そして、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が本発明の新規な機能を実現することとなる。
【0214】
即ち、次の記憶媒体、及び/又は、そのプログラム自体(プログラムプロダクト)が本発明を構成することになる。前記記憶媒体は、上述した本実施形態の各種ストラクチャーに対応する各種の方法をコンピュータシステムに実行させるためのプログラムコードを含むコンピュータ実行可能なプログラムを格納した記憶媒体である。従って、このようなコンピュータ実行可能なプログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等、プログラムの形態は問わない。
【0215】
プログラムを供給するための記憶媒体としては、例えばフレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVDなどを用いることができる。この場合、記憶媒体から読出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0216】
その他、プログラムの供給方法としては次のようなものがある、即ち、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続する。そして、このホームページから本発明のコンピュータプログラムそのもの、もしくは、圧縮され自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることによっても供給できる。また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバやftpサーバ等も本発明の請求項に含まれるものである。
【0217】
また、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布し、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせる。そして、その鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。
【0218】
また、コンピュータが読出したプログラムコードを実行することで、前述の実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部又は全部を行う。従って、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0219】
更に、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれたとする。この場合、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行う。従って、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0220】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用してもよい。また、本発明は、システムあるいは装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適応できることは言うまでもない。この場合、本発明を達成するためのソフトウェアによって表されるプログラムを格納した記憶媒体を該システムあるいは装置に読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0221】
本発明は本実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形(各実施形態の有機的な組合せを含む)が可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。
【0222】
以上種々の構成を具備したシステム構成となっている本実施形態により、上述の種々の効果が図れる。しかし、これらの全てを具備した構成でなくてもよい。例えば、上述した本実施形態に関する主要部分の制御のみを実行できるものならば、本実施形態に適用できる。又、本実施形態では、上述した操作部204に関する操作制御と印刷システム1000の実際の印刷動作に係る出力制御を制御部205が実行する構成を例示したが、このうちの操作制御に関しては操作制御部といった別の制御部が行う構成でも良い。
【0223】
また、例えば、本実施形態では、印刷装置100に具備される制御部205により上述の複数の制御が実行される構成を例示的に説明した。しかし、制御部205とは異なる他の制御部が、上述した複数の制御のうちの一部又は全部の制御を実行する構成でも良い。例えば、制御部205とは異なる他の制御部として、印刷装置100とは別筐体の外付けコントローラや、PC104などの遠隔の外部装置のCPUや、インラインフィニッシャが具備するCPUを利用できるようにする。これにより、印刷システム1000が設置されうる印刷環境に即した柔軟性に富んだ印刷環境が構築可能となるという効果が更に向上可能となるという効果が図れる。
【0224】
また、本実施形態では、印刷手段に接続された後処理手段による後処理を該印刷手段による印刷を伴わずに利用可能にした仕組みに係る複数の構成要件を印刷装置100が具備している。しかし、本発明はこれに限定されるものでもない。例えば、これら複数の構成要件のうちの少なくとも何れかを具備する印刷装置及び/又は後処理装置及び/又は印刷システムであっても本発明に包含される。
【0225】
また、上述の実施形態では、この仕組みに関する複数の判断や制御を行う手段として制御部205が機能する構成を例示したが、これに限定されるものでもない。例えば、上述した制御部205で実行される対象となる複数の判断及び/又は制御のうちの何れかの判断及び/又は制御を別のユニットが行う構成でも良い。これにより、例えば、1つのCPUで装置及び/又はシステムが制御される構成でも、複数のCPUが協働することで装置及び/又はシステムが制御される構成にも本発明は適用される。
【0226】
このように、本実施形態によれば、今後のデジタルプリンティングシステムを見据えた利便性のある印刷システムが提供可能となる。例えば、従来で想定したようなPOD環境で想定されうるユースケースやニーズに対処可能な便利で柔軟な印刷環境が構築可能となり、製品実用化に向けての様々な仕組みが提供可能となる。
【0227】
以上、本発明の様々な例と実施形態について説明したが、当業者であれば、本発明の趣旨と範囲は、本明細書内の特定の説明に限定されるものではないことは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0228】
【図1】本発明の実施形態に係るPODシステム10000の全体を説明するための図である。
【図2】印刷システムの内部構成例を説明するための図である。
【図3】印刷システムの構成例を説明するための図である。
【図4】糊付け製本機の内部構成例を示す図である。
【図5】中綴じ製本機の内部構成例を示す図である。
【図6】本実施形態のユーザインタフェースとして機能する操作部を示す図である。
【図7】本実施形態のユーザインタフェースとして機能するユーザインタフェース画面の1例を示す図である。
【図8】大容量インサータの内部構成例を示す図である。
【図9a】本実施形態の具体例1の構成を説明するためのフローチャートである。
【図9b】本実施形態の具体例1の構成を説明するためのフローチャートである。
【図10】本実施形態のユーザインタフェースに係る制御例を説明するための図である。
【図11】本実施形態のユーザインタフェースに係る制御例を説明するための図である。
【図12】本実施形態のユーザインタフェースに係る制御例を説明するための図である。
【図13】本実施形態のユーザインタフェースに係る制御例を説明するための図である。
【図14】本実施形態の具体例1の構成を説明するためのフローチャートである。
【図15】本実施形態のユーザインタフェースに係る制御例を説明するための図である。
【図16】本実施形態のユーザインタフェースに係る制御例を説明するための図である。
【図17】本実施形態のユーザインタフェースに係る制御例を説明するための図である。
【図18】本実施形態の具体例2の構成を説明するためのフローチャートである。
【図19】本実施形態のユーザインタフェースに係る制御例を説明するための図である。
【図20】本実施形態のユーザインタフェースに係る制御例を説明するための図である。
【図21a】本実施形態のユーザインタフェースに係る制御例を説明するための図である。
【図21b】本実施形態のユーザインタフェースに係る制御例を説明するための図である。
【図21c】本実施形態のユーザインタフェースに係る制御例を説明するための図である。
【図21d】本実施形態のユーザインタフェースに係る制御例を説明するための図である。
【図21e】本実施形態のユーザインタフェースに係る制御例を説明するための図である。
【図21f】本実施形態のユーザインタフェースに係る制御例を説明するための図である。
【符号の説明】
【0229】
100 印刷装置
200 シート処理装置
1000、1001 印刷システム
10000 PODシステム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷手段による印刷は行わずに前記印刷手段に接続された後処理手段による後処理を行う特定種類のジョブの実行要求を受け付けるための実行要求受付手段と、
前記実行要求を受け付けた場合に、前記印刷手段による印刷は行わずに前記特定種類のジョブのために前もって作成された第1の印刷物に対する後処理を前記後処理手段によって実行させるための第1の制御手段と、
前記第1の印刷物を作成するために利用した印刷データを受け付けるための印刷データ受付手段と、
前記印刷データを用いて前記第1の印刷物と体裁が同じ又は異なる第2の印刷物を前記印刷手段によってあらためて作成させるための第2の制御手段と、
を有することを特徴とする印刷システム。
【請求項2】
請求項1記載の印刷システムであって、
前記第2の制御手段は、
前記後処理に関するエラーの発生及び/又は前記第2の印刷物の作成要求の受付を待たずして前記印刷データ受付手段によって前記印刷データを予め取得させておくことで、前記印刷手段による前記第2の印刷物の作成開始を待機させておくことを特徴とする印刷システム。
【請求項3】
請求項1又は2記載の印刷システムであって、
前記印刷システムは、
前記第2の印刷物を前記印刷手段により作成させるためのジョブを、前記特定種類のジョブとして取り扱わずに、非特定種類のジョブとして取り扱うようにするための管理手段を更に有することを特徴とする印刷システム。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れかに記載の印刷システムであって、
前記第2の制御手段は、
前記第2の印刷物を前記印刷手段により作成させる場合に、
前記第2の印刷物を作成するための印刷を前記印刷手段によって行わせるのに引き続いて、当該第2の印刷物に対して前記後処理と同一または異なる種類の後処理を前記後処理手段によって実行できるように制御することを特徴とする印刷システム。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れかに記載の印刷システムであって、
前記第2の制御手段は、
前記第1の印刷物に必要な後処理を前記後処理手段によって実行している最中に当該第1の印刷物に係るトラブルが発生したことに応じて、
前記印刷手段により前記第2の印刷物を作成できるように制御することを特徴とする印刷システム。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れかに記載の印刷システムであって、
前記第2の制御手段は、
前記第1の印刷物に必要な後処理が前記後処理手段によって実行された後に、前記第2の印刷物の作成要求をユーザインタフェースを介して受け付けたことに応じて、
前記印刷手段により前記第2の印刷物を作成できるように制御することを特徴とする印刷システム。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れかに記載の印刷システムであって、
前記印刷システムは、
前記第1の印刷物に係るトラブルが発生すること無しに前記第1の印刷物に必要な後処理が前記後処理手段にて終了したことに応じて、あるいは、
前記終了の時点から予め定められた時間が経過するまでの間に前記第2の印刷物の作成要求をユーザインタフェースを介して受け付けなかったことに応じて、
前記印刷データを破棄する手段を更に具備することを特徴とする印刷システム。
【請求項8】
請求項1乃至7の何れかに記載の印刷システムであって、
前記印刷システムは、
前記実行要求を受け付けるのに伴って、前記印刷データ受付手段により前記印刷データを取得させる指示及び/又は前記印刷データの取得先を指定するための情報がユーザインタフェースを介して入力されたか否かの判断、および、
前記印刷手段によりアクセス可能な記憶手段に前記印刷データが存在するか否かの判断、の少なくとも何れかの判断を行う判断手段を更に有し、
前記第2の制御手段は、
前記判断手段による判断結果に基づいて、前記印刷手段による前記第2の印刷物の作成可否を決定することを特徴とする特徴とする印刷システム。
【請求項9】
印刷システムの制御方法であって、
前記制御方法は、
印刷手段による印刷は行わずに前記印刷手段に接続された後処理手段による後処理を行う特定種類のジョブの実行要求を受け付けるための実行要求受付手段によって、前記実行要求を受け付けた場合に、
前記印刷手段による印刷は行わずに前記特定種類のジョブのために前もって作成された第1の印刷物に対する後処理を前記後処理手段によって実行させ、
前記制御方法は、
前記第1の印刷物を作成するために利用した印刷データを受け付けるための印刷データ受付手段によって受け付けた前記印刷データを用いて、
前記第1の印刷物と体裁が同じ又は異なる第2の印刷物を前記印刷手段によってあらためて作成させる、
ことを特徴とする印刷システムの制御方法。
【請求項10】
請求項9記載の制御方法をコンピュータに実行させるためのコンピュータ読取可能な記憶媒体。
【請求項11】
請求項9記載の制御方法をコンピュータに実行させるためのコンピュータ実行可能なプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9a】
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【図9b】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21a】
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【図21b】
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【図21c】
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【図21d】
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【図21e】
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【図21f】
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【公開番号】特開2009−91131(P2009−91131A)
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−264756(P2007−264756)
【出願日】平成19年10月10日(2007.10.10)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】