印刷基板の製造方法
【課題】基板の一面に印刷によって印刷体を形成してなる印刷基板の製造方法において、基板を加工することなく、1回の印刷で平面内の印刷体の膜厚を変える。
【解決手段】印刷体21、22として、第1の印刷体21および第1の印刷体21よりも薄い第2の印刷体22を形成するものであり、マスク30として、第2の印刷体22を形成するための貫通穴42の側面が、マスク30の板厚方向とは平行ではなく且つ面の向きがマスク30の他面32側を向いている非平行面42aとなっているものを用いて、ペースト供給工程、スキージ塗布工程を行い、その後、マスク除去工程では、マスク30を基板11の一面12の上方に移動させたときに、第2の印刷体22を形成するための貫通穴42の内部に位置するペースト50の一部を、非平行面42aによってすくい上げ、マスク30とともに基板11から除去する。
【解決手段】印刷体21、22として、第1の印刷体21および第1の印刷体21よりも薄い第2の印刷体22を形成するものであり、マスク30として、第2の印刷体22を形成するための貫通穴42の側面が、マスク30の板厚方向とは平行ではなく且つ面の向きがマスク30の他面32側を向いている非平行面42aとなっているものを用いて、ペースト供給工程、スキージ塗布工程を行い、その後、マスク除去工程では、マスク30を基板11の一面12の上方に移動させたときに、第2の印刷体22を形成するための貫通穴42の内部に位置するペースト50の一部を、非平行面42aによってすくい上げ、マスク30とともに基板11から除去する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板の一面に印刷によって印刷体を形成してなる印刷基板の製造方法に関し、特に、基板の平面内で膜厚の異なる印刷体を形成する場合に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の印刷基板の製造方法は、基板の一面に印刷用のマスクを用いて金属やセラミックなどのペーストを印刷し、これを硬化することにより印刷体を形成するものであるが、一般に、次のような工程を経て行われる。
【0003】
まず、印刷用のマスクとしては、ステンレスなどのメタルよりなる板状のものであって、基板の一面上の印刷体の形成領域に対応した部位に貫通穴を有するものが用いられる。この貫通穴は、マスクの両板面の一面から他面まで貫通する穴であってマスクの板厚方向に平行な穴である。
【0004】
そして、基板の一面とマスクの両板面のうちの一面とを対向させつつ、マスクを基板の一面上に配置した状態で、マスクの両板面のうちの他面上にペーストを供給する(ペースト供給工程)。
【0005】
次に、スキージを用いて、マスクの他面上にてスキージを一方向に進行させ、ペーストを当該スキージの進行方向に押し広げる。それにより、マスクの貫通穴を介して、ペーストを基板の一面上に塗布する(スキージ塗布工程)。
【0006】
その後、マスクを基板の一面の上方に移動させることにより、貫通穴にて基板の一面に塗布されたペーストを基板の一面に残しつつ、基板からマスクを除去する(マスク除去工程)。その後、基板の一面に残ったペーストを硬化させれば、印刷体ができあがり、印刷基板が完成する。
【0007】
ところで、基板の一面には、当然ながら複数個の印刷体が形成されるが、従来の一般的な印刷技術では、メタルマスクやメッシュマスクを用いて印刷すると、基板の平面内で、複数個の印刷体の膜厚が一様となる。基板の一面上において、場所により印刷体の膜厚を変化させるためには、一般に、印刷を2回実施する方法があるが、2回の印刷を実施するためのコストや工数が余分に必要となる。
【0008】
このような問題に対し、従来では、基板側の膜構成を変えるなど、基板側に加工を施すことにより、1回の印刷ではんだペーストの膜厚を変化させる方法が提案されている(特許文献1参照)。また、タイル等の被印刷物にスクリーン印刷するときに、マスクの厚みを段階的に変化させることによって、1回の印刷で印刷材料の塗布厚みを段階的に変化させる方法が提案されている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平6−196850号公報
【特許文献2】特開平8−90894号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上記特許文献1の方法では、基板側に加工が必要であり、また、同方法はプリント基板に特有の技術であるため、例えば、セラミック基板のように、加工に制約がある場合は、その適用が困難である。また、上記特許文献2の方法については、マスクを作成するために大変多くの手間が必要となっているのと、タイルに利用する技術であるため、半導体基板への適用は難しい。
【0011】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、基板の一面に印刷によって印刷体を形成してなる印刷基板の製造方法において、基板を加工することなく、1回の印刷で平面内の印刷体の膜厚を変えることを目的とする。
を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、ペースト供給工程と、スキージ塗布工程と、その後、マスク除去工程とを実行する印刷基板の製造方法において、印刷体(21、22)として、第1の印刷体(21)および第1の印刷体(21)よりも薄い第2の印刷体(22)を形成するものであり、次のような点を特徴としている。
【0013】
・マスク(30)として、第2の印刷体(22)を形成するための貫通穴(42)の側面が、マスク(30)の板厚方向とは平行ではなく且つ面の向きがマスク(30)の他面(32)側を向いている非平行面(42a、42b)となっているものを用いて、ペースト供給工程、スキージ塗布工程を行うこと。
【0014】
・その後、マスク除去工程では、マスク(30)を基板(11)の一面(12)の上方に移動させたときに、第2の印刷体(22)を形成するための貫通穴(42)の内部に位置するペースト(50)の一部を、非平行面(42a、42b)によってすくい上げ、マスク(30)とともに基板(11)から除去することにより、第2の印刷体(22)におけるペースト(50)の厚さを低減するようにしたこと。本発明の製造方法はこれらの点を特徴としている。
【0015】
それによれば、マスク(30)を基板(11)から除去するときに、第2の印刷体(22)を形成するための貫通穴(42)の内部に位置するペースト(50)の一部が、非平行面(42a、42b)によってすくい上げられることにより、当該ペースト(50)の厚さが低減するため、厚さの異なる第1の印刷体(21)と第2の印刷体(22)が形成される。よって、本発明によれば、基板(11)を加工することなく、1回の印刷で平面内の印刷体(21、22)の膜厚を変えることができる。
【0016】
また、請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の印刷基板の製造方法において、スキージ塗布工程は、マスク(30)の他面(32)上にてスキージ(60)を一方向に進行させ、ペースト(50)を当該スキージの進行方向に押し広げるものであり、マスク(30)の第2の印刷体(22)を形成するための貫通穴(42)における非平行面としての側面は、マスク(30)の板厚方向に対して傾斜した面であって、当該側面におけるマスク(30)の他面(32)側の部位がスキージの進行方向の起点寄りに位置し、当該側面におけるマスク(30)の一面(31)側の部位がスキージの進行方向の終点寄りに位置するように傾斜した傾斜面(42a)であることを特徴とする。
【0017】
それによれば、スキージ塗布工程において、スキージ(60)を、その進行方向に進行させたときに、マスク(30)の他面(32)上のペースト(50)が、第2の印刷体(22)を形成するための貫通穴(42)に入りやすい。
【0018】
さらに、請求項3に記載の発明では、請求項2に記載の印刷基板の製造方法において、傾斜面(42a)は、第2の印刷体(22)を形成するための貫通穴(42)におけるマスク(30)の他面(32)からマスク(30)の板厚方向の途中まで形成されており、当該貫通穴(42)における傾斜面(42a)よりもマスク(30)の一面(31)側の部位は、傾斜面(42a)が位置する部位よりも穴の断面積が大きいものであることを特徴とする。
【0019】
それによれば、第2の印刷体(22)を形成するための貫通穴(42)において、傾斜面(42a)よりもマスク(30)の一面(31)側の部位すなわち基板(11)側の部位は、傾斜面(42a)が位置する部位よりも穴の断面積が大きいから、この穴断面積の大きい部位にて安定したペースト(50)の供給が行え、第2の印刷体(22)の厚さのばらつきを抑制するのに好ましい。
【0020】
なお、特許請求の範囲およびこの欄で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の第1実施形態に係る印刷基板の概略断面図である。
【図2】第1実施形態に係る印刷用のマスクの概略断面図である。
【図3】第1実施形態のマスクの形成方法を示す工程図である。
【図4】第1実施形態の印刷基板10の製造方法を示す工程図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係るマスクの概略断面図である。
【図6】図5に示されるマスクの形成方法を示す工程図である。
【図7】本発明の第3実施形態に係るマスクの概略断面図である。
【図8】図7に示されるマスクの形成方法を示す工程図である。
【図9】本発明の第4実施形態に係るマスクの概略断面図である。
【図10】図9に示されるマスクの形成方法を示す工程図である。
【図11】本発明の第5実施形態に係るマスクの概略断面図である。
【図12】図11に示されるマスクの形成方法を示す工程図である。
【図13】本発明の第6実施形態に係るマスクの概略断面図である。
【図14】図13に示されるマスクの形成方法を示す工程図である。
【図15】本発明の第7実施形態に係るマスクの形成方法を示す工程図である。
【図16】本発明の第8実施形態に係るマスクの形成方法を示す工程図である。
【図17】本発明の第9実施形態に係るマスクの形成方法を示す工程図である。
【図18】本発明の第10実施形態に係るマスクの形成方法を示す工程図である。
【図19】(a)は他の実施形態の第1の例としてのマスクの概略断面図であり、(b)は同マスクにより形成された印刷基板の概略断面図である。
【図20】(a)は他の実施形態の第2の例としてのマスクの概略断面図であり、(b)は同マスクにより形成された印刷基板の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各図相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、説明の簡略化を図るべく、図中、同一符号を付してある。
【0023】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る印刷基板10の概略断面構成を示す図であり、図2は、本実施形態に係る印刷用のマスク30の概略断面構成を示す図である。印刷基板10としては、プリント基板、セラミック基板、リードフレームまたはバスバーなどが挙げられる。
【0024】
具体的に、印刷基板10は、樹脂やセラミック、または金属などよりなる基板11と、この基板11の一面12に形成された複数個の印刷体21、22とを備えて構成されている。印刷体21、22としては、はんだ、Cu、Au、Ag、W、Moなどの導電性ペーストや、接着剤などの樹脂ペーストや、アルミナなどのセラミックペーストなどのペースト50(図4参照)を、塗布して硬化させたものよりなる。
【0025】
ここで、複数個の印刷体21、22は、基板11の一面12上、すなわち平面内にて厚さの異なるものが形成されている。ここで、厚いものが第1の印刷体21であり、第1の印刷体21よりも薄いものが第2の印刷体22である。
【0026】
これら印刷体21、22は、基板11の一面12に印刷用のマスク30を用いてペースト50を印刷し、これを硬化することにより形成される。その印刷用のマスク30は、図2に示されるように、ステンレスなどのメタルよりなる板状のものであって、ペースト50を透過させるための貫通穴41、42が設けられたものである。
【0027】
貫通穴41、42は、マスク30における基板11の一面12上の印刷体21、22の形成領域に対応した部位、すなわちマスク30を基板11の一面12上に設置したときに、印刷領域に対向する部位に設けられている。この貫通穴41、42は、マスク30の両板面31、32の一面31から他面32まで貫通する穴である。
【0028】
ここで、図2に示されるマスク30の両板面31、32のうち一面31が、印刷時に基板11の一面12と対向する面としての基板対向面であり、他面32は、ペースト50が供給される側の面としてのペースト供給面である。つまり、貫通穴41、42において、マスク30の一面31側の開口部がペースト50の入口となり、マスク30の他面32側の開口部がペースト50の出口となる。
【0029】
ここで、本実施形態においては、基板11の一面12上に厚さの異なる印刷体21、22を形成するために、マスク30の貫通穴41、42は、厚い方の第1の印刷体21を形成するための第1の印刷体用貫通穴41と、薄い方の第2の印刷体22を形成するための第2の印刷体用貫通穴42とを備えている。つまり、第1の印刷体用貫通穴41は、第1の印刷体21を形成するペースト50が供給される穴であり、第2の印刷体用貫通穴42は、第2の印刷体22を形成するペースト50が供給される穴である。
【0030】
そして、マスク30においては、第2の印刷体用貫通穴42は、その内部の側面として、マスク30の板厚方向とは平行ではない面、つまり当該板厚方向と非平行な非平行面42aを有している。ここでは、図2に示されている第2の印刷体用貫通穴42の左右の側面のうち右側の側面42aが非平行面42aである。
【0031】
そして、この第2の印刷体用貫通穴42の非平行面42aは、マスク30の板厚方向とは交差する面であるが、さらに言えば、この非平行面42aの法線H(図2参照)は、マスク30の一面31側から他面32側へ向かう方向とされている。つまり、当該非平行面42aにおける面の向きがマスク30の他面32側を向いているものとされている。
【0032】
ここで、当該法線Hがマスク30の一面31側から他面32側へ向かう方向であるとは、当該法線Hがマスク30の板厚方向に平行な場合だけでなく、当該板厚方向と直交していないことを意味する。
【0033】
なお、図2に示されている第2の印刷体用貫通穴42の左右の側面のうち左側の側面の法線H‘は、マスク30の他面30側から一面31側へ向かう方向とされている。また、この非平行面42aは、その面の向きがマスク30の他面32側を向いているものであれば、平坦な面でも曲面でもよい。
【0034】
一方、第1の印刷体用貫通穴41は、そのようなマスク30の他面32側を向く非平行面42aを持たないものであり、ここでは、図2に示されるように、従来と同様に、その側面がマスク30の板厚方向と平行なものである。つまり、図2においては、第1の印刷体用貫通穴41の側面は、マスク30の両板面31、32に垂直方向であり、その側面における面の向きは、マスク30の両板面31、32に平行な方向を向いている。
【0035】
また、マスク30を用いてペースト50を印刷するとき、マスク30の他面32の端部側にペースト50を載せ、これを、スキージ60(後述の図4参照)によって押し広げて貫通穴41、42に充填していくが、このとき、当該スキージ60を、図2中の矢印Y方向に進行させる。それによって、ペースト50は、マスク30の他面32上にて、このスキージの進行方向Yに押し広げられていく。
【0036】
本実施形態のマスク30では、このスキージの進行方向Yを考慮して上記第2の印刷体用貫通穴42の非平行面42aを構成している。図2に示されるように、スキージ60は、その進行方向Yに沿って進行するため、当該進行方向Yの起点は図2中のマスク30の右側の周辺部であり、当該進行方向Yの終点は図2中のマスク30の左側の周辺部である。
【0037】
そして、本実施形態の第2の印刷体用貫通穴42における非平行面42aは、マスク30の板厚方向に対して傾斜する傾斜面42aである。ここで、傾斜面42aとは、当該傾斜面42aにおけるマスク30の他面32側の部位が上記進行方向Yの起点寄りに位置し、当該傾斜面42aにおけるマスク30の一面31側の部位が上記進行方向Yの終点寄りに位置するように傾斜したものとして定義されるものである。
【0038】
次に、本実施形態のマスク30の形成方法について、図3を参照して述べる。図3は、本マスク30の形成方法を示す工程図であり、各工程におけるマスク30の概略断面を示している。本実施形態では、一般的なレーザ加工による穴開けを行うことにより、貫通穴41、42を形成する。
【0039】
まず、図3(a)に示されるように、マスク30となるメタル板30aを用意する。このメタル板30aの両板面31、32は、上記マスク30の板面31、32と一致するものである。そして、メタル板30aの一面31に対して垂直方向にレーザLを照射し、当該照射部位を焼失させて穴開けを行う。
【0040】
これにより、図3(b)に示されるように、メタル板30aの板厚方向に平行な貫通穴としての第1の印刷体用貫通穴41が形成される。次に、メタル板30aの一面31に対して斜めの方向からレーザLを照射し、当該照射部位を焼失させて穴開けを行う。
【0041】
これにより、図3(c)に示されるように、メタル板30aの板厚方向に対して傾斜した非平行面としての傾斜面42aを有する貫通穴としての第2の印刷体用貫通穴42が形成される。こうして、本実施形態のマスク30ができあがる。なお、第1の印刷体用貫通穴41と第2の印刷体用貫通穴42との形成順序は、上記の例とは逆であってもよい。
【0042】
次に、本実施形態の印刷基板10の製造方法について、図4を参照して述べる。図4は、本印刷基板10の製造方法を示す工程図であり、各工程におけるワークの概略断面を示している。本製造方法は、大きくは、上記したマスク30を用いて基板11の一面12にペースト50を印刷し、これを硬化することによって、印刷体21、22を形成するものである。
【0043】
まず、図4(a)に示されるように、基板11の一面12とマスク30の一面31とを対向させつつ、マスク30を基板11の一面12上に配置し、この状態で、マスク30の他面32上にペースト50を供給する。これがペースト供給工程である。ここでは、ペースト50を、スキージの進行方向Yの起点となるマスク30の他面32の周辺部に搭載する。
【0044】
次に、図4(a)、(b)に示されるように、スキージ60を進行方向Yに進行させ、マスク30の他面32上にて、ペースト50を当該進行方向Yに押し広げる。それにより、マスク30の貫通穴41、42にペースト50が入り込み、ペースト50は、貫通穴41、42を通って基板11の一面12の印刷領域に塗布される。ここまでがスキージ塗布工程である。
【0045】
こうして貫通穴41、42を介してペースト50を基板11の一面12上に塗布した後、図4(c)に示されるように、マスク30を基板11の一面12の上方に移動させる。それにより、貫通穴41、42においては塗布されたペースト50が基板11の一面12に残り、この状態で基板11からマスク30が除去されることになる。これがマスク除去工程である。
【0046】
ここで、図4(c)に示されるように、本実施形態のマスク除去工程では、マスク30を基板11の一面12の上方に移動させたときに、第2の印刷体用貫通穴42の内部に位置するペースト50の一部を、非平行面としての傾斜面42aによってすくい上げ、マスク30とともに基板11から除去する。
【0047】
それにより、第1の印刷体21となるペースト50の厚さに比べて、第2の印刷体22となるペースト50の厚さが低減する。これは、第1の印刷体用貫通穴41では、上記非平行面を持たないため、マスク除去工程において、当該貫通穴41内部のペースト50が実質的にすべて抜けるのに対し、第2の印刷体用貫通穴42では、非平行面42aによって当該貫通穴42内部のペースト50の一部が取り去られることによる。
【0048】
こうして、マスク30を除去した後、オーブンなどで加熱することにより、基板11の一面12に残ったペースト50を硬化させれば、印刷体21、22ができあがり、本実施形態の印刷基板10が完成する。
【0049】
このように、上記した本実施形態の印刷基板の製造方法によれば、マスク除去工程において、第2の印刷体用貫通穴42の内部のうちマスク30の他面32側に位置するペースト50が、非平行面としての傾斜面42aによってすくい上げられることにより、基板11の一面12上のペースト50の厚さが低減するため、第1の印刷体21に比べて薄い第2の印刷体22が形成される。
【0050】
よって、本実施形態によれば、基板11を加工することなく、1回の印刷で平面内の印刷体21、22の膜厚を変えることができる。なお、第2の印刷体用貫通穴42におけるペースト50の抜け度合については、傾斜面42aの傾斜角度やペースト50の粘性の度合などを考慮して決定される。
【0051】
また、本実施形態によれば、マスク30の板面31、32に対して斜め方向からレーザ加工を行うことにより、第2の印刷体用貫通穴42の側面を非平行面である傾斜面42aとして形成することができるので、マスク30としては全体が均一な厚さのものであればよく、一般的なマスクと比べても、コストアップは実質的に無いものにできる。
【0052】
また、本実施形態の製造方法では、マスク30の第2の印刷体用貫通穴42における非平行面としての傾斜面42aについて、マスク30の他面32側の部位がスキージの進行方向Yの起点寄りに位置し、マスク30の一面31側の部位がスキージの進行方向Yの終点寄りに位置するように傾斜したものとしている。
【0053】
そのため、スキージ塗布工程において、スキージ60を、その進行方向Yに進行させたときに、マスク30の他面32上のペースト50が、第2の印刷体用貫通穴42に入りやすいという効果が期待できる。
【0054】
以下の各実施形態では、マスク30の貫通穴41、42の構成や、マスク30の形成方法のバリエーションを示すが、第1実施形態との相違点を中心に述べることとする。
【0055】
(第2実施形態)
図5は、本発明の第2実施形態に係るマスク30の概略断面構成を示す図であり、同マスク30を基板11の一面12に設置した状態を示している。
【0056】
上記第1実施形態では、第2の印刷体用貫通穴42の傾斜面42aは、当該貫通穴42の深さ方向の全体に延びるように設けられていたが、本実施形態では、図5に示されるように、傾斜面42aは、第2の印刷体用貫通穴42におけるマスクの他面32からマスクの板厚方向(つまり、貫通穴42の深さ方向)の途中まで形成されたものである。
【0057】
そして、第2の印刷体用貫通穴42における傾斜面42aよりもマスク30の一面31側の部位は、傾斜面42aが位置する部位よりも穴の断面積が大きいものとされている。つまり、第2の印刷体用貫通穴42におけるペースト50の入口側の傾斜面42aの部位に比べて、ペースト50の出口側の方が穴断面積の大きいものとされている。
【0058】
本実施形態によれば、第2の印刷体用貫通穴42において、傾斜面42aよりも基板11側の部位は、傾斜面42aが位置する部位よりも穴断面積が大きく、この穴断面積の大きい部位の方が、穴断面積の小さい部位よりもペースト50が抜けやすい。それゆえ、この穴断面積の大きい部位にて安定したペースト50の供給が行え、結果的に第2の印刷体22の厚さのばらつきが抑制される。
【0059】
図6は、図5に示されるマスク30の形成方法を示す工程図である。本実施形態のマスク形成方法においては、メタル板30aの他面32から当該他面32に垂直にレーザ照射することによって、第1の印刷体用貫通穴41を形成することは、上記第1実施形態のマスク形成方法(図3参照)と同様である。
【0060】
一方、第2の印刷体用貫通穴42については、メタル板30aの他面32から上記同様、斜め方向のレーザ照射を行うが、この斜め方向の照射による穴開けについては、メタル板30aの板厚方向の途中までとする。その後、メタル板30aの一面31から当該一面31に垂直方向のレーザ照射を行い、第2の印刷体用貫通穴42を開通させることで、本実施形態のマスク30ができあがる。
【0061】
(第3実施形態)
図7は、本発明の第3実施形態に係るマスク30の概略断面構成を示す図であり、同マスク30を基板11の一面12に設置した状態を示している。本実施形態も、第2の印刷体22の厚さのばらつき抑制に好ましい形態を提供するものである。
【0062】
本実施形態のマスク30も、図7に示されるように、第2の印刷体用貫通穴42の傾斜面42aは、第2の印刷体用貫通穴42におけるマスクの他面32からマスクの板厚方向の途中まで形成されたものである。
【0063】
ここで、本実施形態では、傾斜面42aが位置する部位とは反対側に傾斜した穴とされている。つまり、本実施形態の第2の印刷体用貫通穴42は、マスク30の板厚方向の断面形状が「く」の字とされている。
【0064】
本実施形態によれば、第2の印刷体用貫通穴42において、傾斜面42aよりも基板11側の部位と傾斜面42aが位置する部位とで、ペースト50の抜け度合が変わるため、当該傾斜面42aよりも基板11側の部位にて安定したペースト50の供給が行え、結果的に第2の印刷体22の厚さのばらつきが抑制される。
【0065】
図7は、図8に示されるマスク30の形成方法を示す工程図である。本実施形態のマスク形成方法は、上記図6に示されるマスク形成方法における第2の印刷体用貫通穴42の穴開けにおいて、メタル板30aの一面31から行うレーザ照射の方向を、図示のように傾斜させるものである。そうすることで、第2の印刷体用貫通穴42が開通し、本実施形態のマスク30ができあがる。
【0066】
(第4実施形態)
図9は、本発明の第4実施形態に係るマスク30の概略断面構成を示す図であり、同マスク30を基板11の一面12に設置した状態を示している。本実施形態も、第2の印刷体22の厚さのばらつき抑制に好ましい形態を提供するものである。
【0067】
本実施形態のマスク30は、図9に示されるように、第2の印刷体用貫通穴42を、マスク30の他面32からマスク30の板厚方向の途中まで当該板厚方向と平行に延び、当該板厚方向の途中で折れ曲がって当該板厚方向と垂直方向に延び、再び折れ曲がってマスク30の一面31に向かって当該板厚方向と平行に延びる穴としている。
【0068】
それにより、当該板厚方向と垂直方向に延びる部位の側面が、傾斜面42aとして構成されている。なお、この場合、傾斜面42aの面の向きを定義する法線は、図示しないが、マスク30の一面31から他面32に向かってマスク30の板厚方向と平行な方向とされている。
【0069】
そして、本実施形態によれば、このような折れ曲がり形状をなす第2の印刷体用貫通穴42において、傾斜面42aよりも基板11側の部位と傾斜面42aが位置する部位とで、ペースト50の抜け度合が変わるため、当該傾斜面42aよりも基板11側の部位にて安定したペースト50の供給が行え、第2の印刷体22の厚さばらつきが抑制される。
【0070】
図10は、図9に示されるマスク30の形成方法を示す工程図である。本実施形態のマスク形成方法では、第2の印刷体用貫通穴42の穴開けにおいて、メタル板30aの一面31および他面32にて、ともに垂直方向からレーザ照射を行うとともに、一面31と他面32とで穴開けの位置を一部重なるようにずらしてやればよい。そうすることで、第2の印刷体用貫通穴42が開通し、本実施形態のマスク30ができあがる。
【0071】
(第5実施形態)
図11は、本発明の第5実施形態に係るマスク30の概略断面構成を示す図であり、同マスク30を基板11の一面12に設置した状態を示している。本実施形態も、第2の印刷体22の厚さのばらつき抑制に好ましい形態を提供するものである。
【0072】
本実施形態のマスク30は、図11に示されるように、第2の印刷体用貫通穴42を、マスク30の一面31からマスク30の板厚方向の途中まで当該板厚方向と平行に延び、当該板厚方向の途中で2本に枝分かれし、当該枝分かれした2本のそれぞれがマスク30の他面32に向かって当該板厚方向に対して傾斜して延びる穴としている。つまり、本実施形態の第2の印刷体用貫通穴42は、マスク30の板厚方向の断面形状がY字形状とされている。
【0073】
それにより、当該板厚方向の途中からマスク30の他面32まで延びる枝分かれした2本の穴の側面42a、42bが、その面の向きがマスク30の他面32側を向いている非平行面42a、42bとして構成されている。
【0074】
ここで、スキージの進行方向Yが図11のようになっている場合、2個の非平行面42a、42bのうち図11中の右側の非平行面42aが、上記の進行方向Yまで考慮した傾斜面42aとして構成されている。
【0075】
そして、本実施形態によれば、このようなY字形状をなす第2の印刷体用貫通穴42において、非平行面42a、42bよりも基板11側の部位(つまり枝分かれ部位よりも基板11側の部位)と非平行面42a、42bが位置する部位とで、ペースト50の抜け度合が変わる。そのため、当該非平行面42a、42bよりも基板11側の部位にて安定したペースト50の供給が行え、第2の印刷体22の厚さばらつきが抑制される。
【0076】
図12は、図11に示されるマスク30の形成方法を示す工程図である。本実施形態のマスク形成方法では、第2の印刷体用貫通穴42の穴開けにおいて、メタル板30aの一面31にて垂直方向からレーザ照射を行うとともに、他面32側からは傾斜方向が互いに逆のレーザ照射を行えばよい。そうすることで、第2の印刷体用貫通穴42が開通し、本実施形態のマスク30ができあがる。
【0077】
(第6実施形態)
図13は、本発明の第6実施形態に係るマスク30の概略断面構成を示す図であり、同マスク30を基板11の一面12に設置した状態を示している。
【0078】
本実施形態のマスク30は、図13に示されるように、第2の印刷体用貫通穴42を、マスク30の一面31からマスク30の他面32まで拡がる板厚方向の断面形状が台形をなす穴としている。
【0079】
この場合、第2の印刷体用貫通穴42の側面の全体が、非平行面として構成される。また、この場合も、スキージの進行方向Yが図13のようになっている場合、図13中の右側に位置する非平行面42aが、上記の進行方向Yまで考慮した傾斜面42aとして構成さることになる。
【0080】
また、第1の印刷体用貫通穴41としては、側面の向きがマスク30の他面32側を向く非平行面を持たないものであればよく、図13中の右側の第1の印刷体用貫通穴41のように、第2の印刷体用貫通穴42とは逆向きの台形状をなす穴とすることで、その側面の向きがマスク30の一面31側を向いているものであってもよい。
【0081】
図14は、図13に示されるマスク30の形成方法を示す工程図である。本実施形態のマスク形成方法では、第2の印刷体用貫通穴42の穴開けにおいて、メタル板30aの他面32側から傾斜方向を色々と変えてレーザ照射を行えばよい。そうすることで、第2の印刷体用貫通穴42が開通し、本実施形態のマスク30ができあがる。
【0082】
上記第2〜第6実施形態では、マスク30の貫通穴41、42の構成のバリエーションを示したが、次の第7〜第10実施形態では、マスク30の貫通穴41、42の穴開け方法について、上記したレーザ加工以外のバリエーションを示す。
【0083】
(第7実施形態)
図15は、本発明の第7実施形態に係るマスク30の形成方法を示す工程図であり、各工程におけるワークの概略断面構成を示すものである。本実施形態のマスク形成方法は、プレス加工により穴開けを行い、貫通穴41、42を形成するものである。
【0084】
具体的には、まず、メタル板30aの他面32に垂直に延びる突起100aを有する金型100を用い、これをメタル板30aの他面32からメタル板30aに押し付け、突起100aをメタル板30aの板厚方向に貫通させることによって、第1の印刷体用貫通穴41を形成する(図15(a)、(b)参照)。
【0085】
次に、メタル板30aの他面32に対して傾斜した方向に延びる突起101aを有する金型101を用い、これをメタル板30aの他面32からメタル板30aに押し付け、突起101aをメタル板30aの板厚方向に貫通させることによって、第2の印刷体用貫通穴42を形成する(図15(b)、(c)参照)。そうすることで、本実施形態のマスク30ができあがる。
【0086】
(第8実施形態)
図16は、本発明の第8実施形態に係るマスク30の形成方法を示す工程図であり、各工程におけるワークの概略断面構成を示すものである。本実施形態のマスク形成方法は、エッチング加工により穴開けを行い、貫通穴41、42を形成するものである。
【0087】
具体的には、まず、メタル板30aの他面32の全体にネガ型のフォトレジスト102を形成し、その上に、第2の印刷体用貫通穴42の形成領域に露光マスク103を形成する(図16(a)、(b)参照)。この状態で、フォトレジスト102に対し、図16(b)中の斜め方向Rから露光する。
【0088】
次に、図16(c)に示されるように、現像を行うと、フォトレジスト102のうち未露光部分が消失し開口される。その後、図16(d)に示されるように、メタル板30aの板面31、32に平行な方向Eに沿って、フォトレジスト102の表面にエッチング液を流す。このエッチング液としては、一般的な鉄系金属を溶解させるものが用いられる。
【0089】
これにより、マスク30の板厚方向に対して傾斜した方向にエッチングが進行し、当該傾斜方向に延びる第2の印刷体用貫通穴42が形成される。なお、第1の印刷体用貫通穴41については、図示しないが、一般的なエッチングにより形成される。こうして、図16(e)に示されるように、本実施形態のマスク30ができあがる。
【0090】
(第9実施形態)
図17は、本発明の第9実施形態に係るマスク30の形成方法を示す工程図であり、各工程におけるワークの概略断面構成を示すものである。本実施形態のマスク形成方法は、サンドブラストなどに代表されるブラスト加工により穴開けを行い、貫通穴41、42を形成するものである。
【0091】
まず、図17(a)に示されるように、マスク30となるメタル板30aの他面32に対して垂直方向にスクラブ粒子Sを衝突させ、この衝突部位を削ることにより穴開けを行う。なお、スクラブ粒子Sは、一般的なセラミックなどよりなる粒子である。
【0092】
これにより、図17(b)に示されるように、メタル板30aの板厚方向に平行な貫通穴としての第1の印刷体用貫通穴41が形成される。次に、メタル板30aの他面32に対して斜めの方向からスクラブ粒子Sを衝突させ、この衝突部位を削ることにより穴開けを行う。
【0093】
これにより、図17(c)に示されるように、メタル板30aの板厚方向に対して傾斜した非平行面としての傾斜面42aを有する第2の印刷体用貫通穴42が形成される。こうして、本実施形態のマスク30ができあがる。
【0094】
(第10実施形態)
図18は、本発明の第10実施形態に係るマスク30の形成方法を示す工程図であり、各工程におけるワークの概略断面構成を示すものである。本実施形態のマスク形成方法は、スプレー法により穴開けを行い、貫通穴41、42を形成するものである。
【0095】
この場合、図18(a)に示されるように、メタル板30aの他面32から、各貫通穴41、42の延びる方向に対応した方向から溶剤Pを吹き付けてやる。溶剤Pとしては、上記エッチング液などが挙げられる。それにより、図18(b)に示されるように、各貫通穴41、42が形成され、本実施形態のマスク30ができあがる。
【0096】
(他の実施形態)
なお、上記した各実施形態は、可能な範囲で適宜組み合わせてもよい。たとえば、第2の印刷体用貫通穴42の構成として、上記した各非平行面42a、42bを組み合わせたり、非平行面42a、42bを第2の印刷体用貫通穴42におけるマスク30の他面32からマスク30の板厚方向の途中まで形成する構成を組み合わせたりしてもよい。
【0097】
そのような各構成を組み合わせた具体例として、第1の例を図19に示し、第2の例を図20に示す。なお、これら図19、図20において、(a)はマスク30の概略断面構成を示す図であって同マスク30を基板11の一面12に設置した状態を示しており、(b)は同マスク30により形成された印刷基板の概略断面構成を示す図である。
【0098】
また、上記各実施形態におけるマスク30としては、貫通穴41、42におけるマスク30の他面32側の開口部にメッシュを設けたメッシュマスクであってもよい。また、各貫通穴41、42としては、その開口形状は円形、多角形など種々の形状が可能であり、また、溝形状の穴であってもよい。
【符号の説明】
【0099】
10 印刷基板
11 基板
12 基板の一面
21 第1の印刷体
22 第2の印刷体
30 マスク
31 マスクの一面
32 マスクの他面
41 第1の印刷体用貫通穴
42 第2の印刷体用貫通穴
42a 非平行面としての傾斜面
42b 非平行面
50 ペースト
60 スキージ
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板の一面に印刷によって印刷体を形成してなる印刷基板の製造方法に関し、特に、基板の平面内で膜厚の異なる印刷体を形成する場合に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の印刷基板の製造方法は、基板の一面に印刷用のマスクを用いて金属やセラミックなどのペーストを印刷し、これを硬化することにより印刷体を形成するものであるが、一般に、次のような工程を経て行われる。
【0003】
まず、印刷用のマスクとしては、ステンレスなどのメタルよりなる板状のものであって、基板の一面上の印刷体の形成領域に対応した部位に貫通穴を有するものが用いられる。この貫通穴は、マスクの両板面の一面から他面まで貫通する穴であってマスクの板厚方向に平行な穴である。
【0004】
そして、基板の一面とマスクの両板面のうちの一面とを対向させつつ、マスクを基板の一面上に配置した状態で、マスクの両板面のうちの他面上にペーストを供給する(ペースト供給工程)。
【0005】
次に、スキージを用いて、マスクの他面上にてスキージを一方向に進行させ、ペーストを当該スキージの進行方向に押し広げる。それにより、マスクの貫通穴を介して、ペーストを基板の一面上に塗布する(スキージ塗布工程)。
【0006】
その後、マスクを基板の一面の上方に移動させることにより、貫通穴にて基板の一面に塗布されたペーストを基板の一面に残しつつ、基板からマスクを除去する(マスク除去工程)。その後、基板の一面に残ったペーストを硬化させれば、印刷体ができあがり、印刷基板が完成する。
【0007】
ところで、基板の一面には、当然ながら複数個の印刷体が形成されるが、従来の一般的な印刷技術では、メタルマスクやメッシュマスクを用いて印刷すると、基板の平面内で、複数個の印刷体の膜厚が一様となる。基板の一面上において、場所により印刷体の膜厚を変化させるためには、一般に、印刷を2回実施する方法があるが、2回の印刷を実施するためのコストや工数が余分に必要となる。
【0008】
このような問題に対し、従来では、基板側の膜構成を変えるなど、基板側に加工を施すことにより、1回の印刷ではんだペーストの膜厚を変化させる方法が提案されている(特許文献1参照)。また、タイル等の被印刷物にスクリーン印刷するときに、マスクの厚みを段階的に変化させることによって、1回の印刷で印刷材料の塗布厚みを段階的に変化させる方法が提案されている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平6−196850号公報
【特許文献2】特開平8−90894号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上記特許文献1の方法では、基板側に加工が必要であり、また、同方法はプリント基板に特有の技術であるため、例えば、セラミック基板のように、加工に制約がある場合は、その適用が困難である。また、上記特許文献2の方法については、マスクを作成するために大変多くの手間が必要となっているのと、タイルに利用する技術であるため、半導体基板への適用は難しい。
【0011】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、基板の一面に印刷によって印刷体を形成してなる印刷基板の製造方法において、基板を加工することなく、1回の印刷で平面内の印刷体の膜厚を変えることを目的とする。
を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、ペースト供給工程と、スキージ塗布工程と、その後、マスク除去工程とを実行する印刷基板の製造方法において、印刷体(21、22)として、第1の印刷体(21)および第1の印刷体(21)よりも薄い第2の印刷体(22)を形成するものであり、次のような点を特徴としている。
【0013】
・マスク(30)として、第2の印刷体(22)を形成するための貫通穴(42)の側面が、マスク(30)の板厚方向とは平行ではなく且つ面の向きがマスク(30)の他面(32)側を向いている非平行面(42a、42b)となっているものを用いて、ペースト供給工程、スキージ塗布工程を行うこと。
【0014】
・その後、マスク除去工程では、マスク(30)を基板(11)の一面(12)の上方に移動させたときに、第2の印刷体(22)を形成するための貫通穴(42)の内部に位置するペースト(50)の一部を、非平行面(42a、42b)によってすくい上げ、マスク(30)とともに基板(11)から除去することにより、第2の印刷体(22)におけるペースト(50)の厚さを低減するようにしたこと。本発明の製造方法はこれらの点を特徴としている。
【0015】
それによれば、マスク(30)を基板(11)から除去するときに、第2の印刷体(22)を形成するための貫通穴(42)の内部に位置するペースト(50)の一部が、非平行面(42a、42b)によってすくい上げられることにより、当該ペースト(50)の厚さが低減するため、厚さの異なる第1の印刷体(21)と第2の印刷体(22)が形成される。よって、本発明によれば、基板(11)を加工することなく、1回の印刷で平面内の印刷体(21、22)の膜厚を変えることができる。
【0016】
また、請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の印刷基板の製造方法において、スキージ塗布工程は、マスク(30)の他面(32)上にてスキージ(60)を一方向に進行させ、ペースト(50)を当該スキージの進行方向に押し広げるものであり、マスク(30)の第2の印刷体(22)を形成するための貫通穴(42)における非平行面としての側面は、マスク(30)の板厚方向に対して傾斜した面であって、当該側面におけるマスク(30)の他面(32)側の部位がスキージの進行方向の起点寄りに位置し、当該側面におけるマスク(30)の一面(31)側の部位がスキージの進行方向の終点寄りに位置するように傾斜した傾斜面(42a)であることを特徴とする。
【0017】
それによれば、スキージ塗布工程において、スキージ(60)を、その進行方向に進行させたときに、マスク(30)の他面(32)上のペースト(50)が、第2の印刷体(22)を形成するための貫通穴(42)に入りやすい。
【0018】
さらに、請求項3に記載の発明では、請求項2に記載の印刷基板の製造方法において、傾斜面(42a)は、第2の印刷体(22)を形成するための貫通穴(42)におけるマスク(30)の他面(32)からマスク(30)の板厚方向の途中まで形成されており、当該貫通穴(42)における傾斜面(42a)よりもマスク(30)の一面(31)側の部位は、傾斜面(42a)が位置する部位よりも穴の断面積が大きいものであることを特徴とする。
【0019】
それによれば、第2の印刷体(22)を形成するための貫通穴(42)において、傾斜面(42a)よりもマスク(30)の一面(31)側の部位すなわち基板(11)側の部位は、傾斜面(42a)が位置する部位よりも穴の断面積が大きいから、この穴断面積の大きい部位にて安定したペースト(50)の供給が行え、第2の印刷体(22)の厚さのばらつきを抑制するのに好ましい。
【0020】
なお、特許請求の範囲およびこの欄で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の第1実施形態に係る印刷基板の概略断面図である。
【図2】第1実施形態に係る印刷用のマスクの概略断面図である。
【図3】第1実施形態のマスクの形成方法を示す工程図である。
【図4】第1実施形態の印刷基板10の製造方法を示す工程図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係るマスクの概略断面図である。
【図6】図5に示されるマスクの形成方法を示す工程図である。
【図7】本発明の第3実施形態に係るマスクの概略断面図である。
【図8】図7に示されるマスクの形成方法を示す工程図である。
【図9】本発明の第4実施形態に係るマスクの概略断面図である。
【図10】図9に示されるマスクの形成方法を示す工程図である。
【図11】本発明の第5実施形態に係るマスクの概略断面図である。
【図12】図11に示されるマスクの形成方法を示す工程図である。
【図13】本発明の第6実施形態に係るマスクの概略断面図である。
【図14】図13に示されるマスクの形成方法を示す工程図である。
【図15】本発明の第7実施形態に係るマスクの形成方法を示す工程図である。
【図16】本発明の第8実施形態に係るマスクの形成方法を示す工程図である。
【図17】本発明の第9実施形態に係るマスクの形成方法を示す工程図である。
【図18】本発明の第10実施形態に係るマスクの形成方法を示す工程図である。
【図19】(a)は他の実施形態の第1の例としてのマスクの概略断面図であり、(b)は同マスクにより形成された印刷基板の概略断面図である。
【図20】(a)は他の実施形態の第2の例としてのマスクの概略断面図であり、(b)は同マスクにより形成された印刷基板の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各図相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、説明の簡略化を図るべく、図中、同一符号を付してある。
【0023】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る印刷基板10の概略断面構成を示す図であり、図2は、本実施形態に係る印刷用のマスク30の概略断面構成を示す図である。印刷基板10としては、プリント基板、セラミック基板、リードフレームまたはバスバーなどが挙げられる。
【0024】
具体的に、印刷基板10は、樹脂やセラミック、または金属などよりなる基板11と、この基板11の一面12に形成された複数個の印刷体21、22とを備えて構成されている。印刷体21、22としては、はんだ、Cu、Au、Ag、W、Moなどの導電性ペーストや、接着剤などの樹脂ペーストや、アルミナなどのセラミックペーストなどのペースト50(図4参照)を、塗布して硬化させたものよりなる。
【0025】
ここで、複数個の印刷体21、22は、基板11の一面12上、すなわち平面内にて厚さの異なるものが形成されている。ここで、厚いものが第1の印刷体21であり、第1の印刷体21よりも薄いものが第2の印刷体22である。
【0026】
これら印刷体21、22は、基板11の一面12に印刷用のマスク30を用いてペースト50を印刷し、これを硬化することにより形成される。その印刷用のマスク30は、図2に示されるように、ステンレスなどのメタルよりなる板状のものであって、ペースト50を透過させるための貫通穴41、42が設けられたものである。
【0027】
貫通穴41、42は、マスク30における基板11の一面12上の印刷体21、22の形成領域に対応した部位、すなわちマスク30を基板11の一面12上に設置したときに、印刷領域に対向する部位に設けられている。この貫通穴41、42は、マスク30の両板面31、32の一面31から他面32まで貫通する穴である。
【0028】
ここで、図2に示されるマスク30の両板面31、32のうち一面31が、印刷時に基板11の一面12と対向する面としての基板対向面であり、他面32は、ペースト50が供給される側の面としてのペースト供給面である。つまり、貫通穴41、42において、マスク30の一面31側の開口部がペースト50の入口となり、マスク30の他面32側の開口部がペースト50の出口となる。
【0029】
ここで、本実施形態においては、基板11の一面12上に厚さの異なる印刷体21、22を形成するために、マスク30の貫通穴41、42は、厚い方の第1の印刷体21を形成するための第1の印刷体用貫通穴41と、薄い方の第2の印刷体22を形成するための第2の印刷体用貫通穴42とを備えている。つまり、第1の印刷体用貫通穴41は、第1の印刷体21を形成するペースト50が供給される穴であり、第2の印刷体用貫通穴42は、第2の印刷体22を形成するペースト50が供給される穴である。
【0030】
そして、マスク30においては、第2の印刷体用貫通穴42は、その内部の側面として、マスク30の板厚方向とは平行ではない面、つまり当該板厚方向と非平行な非平行面42aを有している。ここでは、図2に示されている第2の印刷体用貫通穴42の左右の側面のうち右側の側面42aが非平行面42aである。
【0031】
そして、この第2の印刷体用貫通穴42の非平行面42aは、マスク30の板厚方向とは交差する面であるが、さらに言えば、この非平行面42aの法線H(図2参照)は、マスク30の一面31側から他面32側へ向かう方向とされている。つまり、当該非平行面42aにおける面の向きがマスク30の他面32側を向いているものとされている。
【0032】
ここで、当該法線Hがマスク30の一面31側から他面32側へ向かう方向であるとは、当該法線Hがマスク30の板厚方向に平行な場合だけでなく、当該板厚方向と直交していないことを意味する。
【0033】
なお、図2に示されている第2の印刷体用貫通穴42の左右の側面のうち左側の側面の法線H‘は、マスク30の他面30側から一面31側へ向かう方向とされている。また、この非平行面42aは、その面の向きがマスク30の他面32側を向いているものであれば、平坦な面でも曲面でもよい。
【0034】
一方、第1の印刷体用貫通穴41は、そのようなマスク30の他面32側を向く非平行面42aを持たないものであり、ここでは、図2に示されるように、従来と同様に、その側面がマスク30の板厚方向と平行なものである。つまり、図2においては、第1の印刷体用貫通穴41の側面は、マスク30の両板面31、32に垂直方向であり、その側面における面の向きは、マスク30の両板面31、32に平行な方向を向いている。
【0035】
また、マスク30を用いてペースト50を印刷するとき、マスク30の他面32の端部側にペースト50を載せ、これを、スキージ60(後述の図4参照)によって押し広げて貫通穴41、42に充填していくが、このとき、当該スキージ60を、図2中の矢印Y方向に進行させる。それによって、ペースト50は、マスク30の他面32上にて、このスキージの進行方向Yに押し広げられていく。
【0036】
本実施形態のマスク30では、このスキージの進行方向Yを考慮して上記第2の印刷体用貫通穴42の非平行面42aを構成している。図2に示されるように、スキージ60は、その進行方向Yに沿って進行するため、当該進行方向Yの起点は図2中のマスク30の右側の周辺部であり、当該進行方向Yの終点は図2中のマスク30の左側の周辺部である。
【0037】
そして、本実施形態の第2の印刷体用貫通穴42における非平行面42aは、マスク30の板厚方向に対して傾斜する傾斜面42aである。ここで、傾斜面42aとは、当該傾斜面42aにおけるマスク30の他面32側の部位が上記進行方向Yの起点寄りに位置し、当該傾斜面42aにおけるマスク30の一面31側の部位が上記進行方向Yの終点寄りに位置するように傾斜したものとして定義されるものである。
【0038】
次に、本実施形態のマスク30の形成方法について、図3を参照して述べる。図3は、本マスク30の形成方法を示す工程図であり、各工程におけるマスク30の概略断面を示している。本実施形態では、一般的なレーザ加工による穴開けを行うことにより、貫通穴41、42を形成する。
【0039】
まず、図3(a)に示されるように、マスク30となるメタル板30aを用意する。このメタル板30aの両板面31、32は、上記マスク30の板面31、32と一致するものである。そして、メタル板30aの一面31に対して垂直方向にレーザLを照射し、当該照射部位を焼失させて穴開けを行う。
【0040】
これにより、図3(b)に示されるように、メタル板30aの板厚方向に平行な貫通穴としての第1の印刷体用貫通穴41が形成される。次に、メタル板30aの一面31に対して斜めの方向からレーザLを照射し、当該照射部位を焼失させて穴開けを行う。
【0041】
これにより、図3(c)に示されるように、メタル板30aの板厚方向に対して傾斜した非平行面としての傾斜面42aを有する貫通穴としての第2の印刷体用貫通穴42が形成される。こうして、本実施形態のマスク30ができあがる。なお、第1の印刷体用貫通穴41と第2の印刷体用貫通穴42との形成順序は、上記の例とは逆であってもよい。
【0042】
次に、本実施形態の印刷基板10の製造方法について、図4を参照して述べる。図4は、本印刷基板10の製造方法を示す工程図であり、各工程におけるワークの概略断面を示している。本製造方法は、大きくは、上記したマスク30を用いて基板11の一面12にペースト50を印刷し、これを硬化することによって、印刷体21、22を形成するものである。
【0043】
まず、図4(a)に示されるように、基板11の一面12とマスク30の一面31とを対向させつつ、マスク30を基板11の一面12上に配置し、この状態で、マスク30の他面32上にペースト50を供給する。これがペースト供給工程である。ここでは、ペースト50を、スキージの進行方向Yの起点となるマスク30の他面32の周辺部に搭載する。
【0044】
次に、図4(a)、(b)に示されるように、スキージ60を進行方向Yに進行させ、マスク30の他面32上にて、ペースト50を当該進行方向Yに押し広げる。それにより、マスク30の貫通穴41、42にペースト50が入り込み、ペースト50は、貫通穴41、42を通って基板11の一面12の印刷領域に塗布される。ここまでがスキージ塗布工程である。
【0045】
こうして貫通穴41、42を介してペースト50を基板11の一面12上に塗布した後、図4(c)に示されるように、マスク30を基板11の一面12の上方に移動させる。それにより、貫通穴41、42においては塗布されたペースト50が基板11の一面12に残り、この状態で基板11からマスク30が除去されることになる。これがマスク除去工程である。
【0046】
ここで、図4(c)に示されるように、本実施形態のマスク除去工程では、マスク30を基板11の一面12の上方に移動させたときに、第2の印刷体用貫通穴42の内部に位置するペースト50の一部を、非平行面としての傾斜面42aによってすくい上げ、マスク30とともに基板11から除去する。
【0047】
それにより、第1の印刷体21となるペースト50の厚さに比べて、第2の印刷体22となるペースト50の厚さが低減する。これは、第1の印刷体用貫通穴41では、上記非平行面を持たないため、マスク除去工程において、当該貫通穴41内部のペースト50が実質的にすべて抜けるのに対し、第2の印刷体用貫通穴42では、非平行面42aによって当該貫通穴42内部のペースト50の一部が取り去られることによる。
【0048】
こうして、マスク30を除去した後、オーブンなどで加熱することにより、基板11の一面12に残ったペースト50を硬化させれば、印刷体21、22ができあがり、本実施形態の印刷基板10が完成する。
【0049】
このように、上記した本実施形態の印刷基板の製造方法によれば、マスク除去工程において、第2の印刷体用貫通穴42の内部のうちマスク30の他面32側に位置するペースト50が、非平行面としての傾斜面42aによってすくい上げられることにより、基板11の一面12上のペースト50の厚さが低減するため、第1の印刷体21に比べて薄い第2の印刷体22が形成される。
【0050】
よって、本実施形態によれば、基板11を加工することなく、1回の印刷で平面内の印刷体21、22の膜厚を変えることができる。なお、第2の印刷体用貫通穴42におけるペースト50の抜け度合については、傾斜面42aの傾斜角度やペースト50の粘性の度合などを考慮して決定される。
【0051】
また、本実施形態によれば、マスク30の板面31、32に対して斜め方向からレーザ加工を行うことにより、第2の印刷体用貫通穴42の側面を非平行面である傾斜面42aとして形成することができるので、マスク30としては全体が均一な厚さのものであればよく、一般的なマスクと比べても、コストアップは実質的に無いものにできる。
【0052】
また、本実施形態の製造方法では、マスク30の第2の印刷体用貫通穴42における非平行面としての傾斜面42aについて、マスク30の他面32側の部位がスキージの進行方向Yの起点寄りに位置し、マスク30の一面31側の部位がスキージの進行方向Yの終点寄りに位置するように傾斜したものとしている。
【0053】
そのため、スキージ塗布工程において、スキージ60を、その進行方向Yに進行させたときに、マスク30の他面32上のペースト50が、第2の印刷体用貫通穴42に入りやすいという効果が期待できる。
【0054】
以下の各実施形態では、マスク30の貫通穴41、42の構成や、マスク30の形成方法のバリエーションを示すが、第1実施形態との相違点を中心に述べることとする。
【0055】
(第2実施形態)
図5は、本発明の第2実施形態に係るマスク30の概略断面構成を示す図であり、同マスク30を基板11の一面12に設置した状態を示している。
【0056】
上記第1実施形態では、第2の印刷体用貫通穴42の傾斜面42aは、当該貫通穴42の深さ方向の全体に延びるように設けられていたが、本実施形態では、図5に示されるように、傾斜面42aは、第2の印刷体用貫通穴42におけるマスクの他面32からマスクの板厚方向(つまり、貫通穴42の深さ方向)の途中まで形成されたものである。
【0057】
そして、第2の印刷体用貫通穴42における傾斜面42aよりもマスク30の一面31側の部位は、傾斜面42aが位置する部位よりも穴の断面積が大きいものとされている。つまり、第2の印刷体用貫通穴42におけるペースト50の入口側の傾斜面42aの部位に比べて、ペースト50の出口側の方が穴断面積の大きいものとされている。
【0058】
本実施形態によれば、第2の印刷体用貫通穴42において、傾斜面42aよりも基板11側の部位は、傾斜面42aが位置する部位よりも穴断面積が大きく、この穴断面積の大きい部位の方が、穴断面積の小さい部位よりもペースト50が抜けやすい。それゆえ、この穴断面積の大きい部位にて安定したペースト50の供給が行え、結果的に第2の印刷体22の厚さのばらつきが抑制される。
【0059】
図6は、図5に示されるマスク30の形成方法を示す工程図である。本実施形態のマスク形成方法においては、メタル板30aの他面32から当該他面32に垂直にレーザ照射することによって、第1の印刷体用貫通穴41を形成することは、上記第1実施形態のマスク形成方法(図3参照)と同様である。
【0060】
一方、第2の印刷体用貫通穴42については、メタル板30aの他面32から上記同様、斜め方向のレーザ照射を行うが、この斜め方向の照射による穴開けについては、メタル板30aの板厚方向の途中までとする。その後、メタル板30aの一面31から当該一面31に垂直方向のレーザ照射を行い、第2の印刷体用貫通穴42を開通させることで、本実施形態のマスク30ができあがる。
【0061】
(第3実施形態)
図7は、本発明の第3実施形態に係るマスク30の概略断面構成を示す図であり、同マスク30を基板11の一面12に設置した状態を示している。本実施形態も、第2の印刷体22の厚さのばらつき抑制に好ましい形態を提供するものである。
【0062】
本実施形態のマスク30も、図7に示されるように、第2の印刷体用貫通穴42の傾斜面42aは、第2の印刷体用貫通穴42におけるマスクの他面32からマスクの板厚方向の途中まで形成されたものである。
【0063】
ここで、本実施形態では、傾斜面42aが位置する部位とは反対側に傾斜した穴とされている。つまり、本実施形態の第2の印刷体用貫通穴42は、マスク30の板厚方向の断面形状が「く」の字とされている。
【0064】
本実施形態によれば、第2の印刷体用貫通穴42において、傾斜面42aよりも基板11側の部位と傾斜面42aが位置する部位とで、ペースト50の抜け度合が変わるため、当該傾斜面42aよりも基板11側の部位にて安定したペースト50の供給が行え、結果的に第2の印刷体22の厚さのばらつきが抑制される。
【0065】
図7は、図8に示されるマスク30の形成方法を示す工程図である。本実施形態のマスク形成方法は、上記図6に示されるマスク形成方法における第2の印刷体用貫通穴42の穴開けにおいて、メタル板30aの一面31から行うレーザ照射の方向を、図示のように傾斜させるものである。そうすることで、第2の印刷体用貫通穴42が開通し、本実施形態のマスク30ができあがる。
【0066】
(第4実施形態)
図9は、本発明の第4実施形態に係るマスク30の概略断面構成を示す図であり、同マスク30を基板11の一面12に設置した状態を示している。本実施形態も、第2の印刷体22の厚さのばらつき抑制に好ましい形態を提供するものである。
【0067】
本実施形態のマスク30は、図9に示されるように、第2の印刷体用貫通穴42を、マスク30の他面32からマスク30の板厚方向の途中まで当該板厚方向と平行に延び、当該板厚方向の途中で折れ曲がって当該板厚方向と垂直方向に延び、再び折れ曲がってマスク30の一面31に向かって当該板厚方向と平行に延びる穴としている。
【0068】
それにより、当該板厚方向と垂直方向に延びる部位の側面が、傾斜面42aとして構成されている。なお、この場合、傾斜面42aの面の向きを定義する法線は、図示しないが、マスク30の一面31から他面32に向かってマスク30の板厚方向と平行な方向とされている。
【0069】
そして、本実施形態によれば、このような折れ曲がり形状をなす第2の印刷体用貫通穴42において、傾斜面42aよりも基板11側の部位と傾斜面42aが位置する部位とで、ペースト50の抜け度合が変わるため、当該傾斜面42aよりも基板11側の部位にて安定したペースト50の供給が行え、第2の印刷体22の厚さばらつきが抑制される。
【0070】
図10は、図9に示されるマスク30の形成方法を示す工程図である。本実施形態のマスク形成方法では、第2の印刷体用貫通穴42の穴開けにおいて、メタル板30aの一面31および他面32にて、ともに垂直方向からレーザ照射を行うとともに、一面31と他面32とで穴開けの位置を一部重なるようにずらしてやればよい。そうすることで、第2の印刷体用貫通穴42が開通し、本実施形態のマスク30ができあがる。
【0071】
(第5実施形態)
図11は、本発明の第5実施形態に係るマスク30の概略断面構成を示す図であり、同マスク30を基板11の一面12に設置した状態を示している。本実施形態も、第2の印刷体22の厚さのばらつき抑制に好ましい形態を提供するものである。
【0072】
本実施形態のマスク30は、図11に示されるように、第2の印刷体用貫通穴42を、マスク30の一面31からマスク30の板厚方向の途中まで当該板厚方向と平行に延び、当該板厚方向の途中で2本に枝分かれし、当該枝分かれした2本のそれぞれがマスク30の他面32に向かって当該板厚方向に対して傾斜して延びる穴としている。つまり、本実施形態の第2の印刷体用貫通穴42は、マスク30の板厚方向の断面形状がY字形状とされている。
【0073】
それにより、当該板厚方向の途中からマスク30の他面32まで延びる枝分かれした2本の穴の側面42a、42bが、その面の向きがマスク30の他面32側を向いている非平行面42a、42bとして構成されている。
【0074】
ここで、スキージの進行方向Yが図11のようになっている場合、2個の非平行面42a、42bのうち図11中の右側の非平行面42aが、上記の進行方向Yまで考慮した傾斜面42aとして構成されている。
【0075】
そして、本実施形態によれば、このようなY字形状をなす第2の印刷体用貫通穴42において、非平行面42a、42bよりも基板11側の部位(つまり枝分かれ部位よりも基板11側の部位)と非平行面42a、42bが位置する部位とで、ペースト50の抜け度合が変わる。そのため、当該非平行面42a、42bよりも基板11側の部位にて安定したペースト50の供給が行え、第2の印刷体22の厚さばらつきが抑制される。
【0076】
図12は、図11に示されるマスク30の形成方法を示す工程図である。本実施形態のマスク形成方法では、第2の印刷体用貫通穴42の穴開けにおいて、メタル板30aの一面31にて垂直方向からレーザ照射を行うとともに、他面32側からは傾斜方向が互いに逆のレーザ照射を行えばよい。そうすることで、第2の印刷体用貫通穴42が開通し、本実施形態のマスク30ができあがる。
【0077】
(第6実施形態)
図13は、本発明の第6実施形態に係るマスク30の概略断面構成を示す図であり、同マスク30を基板11の一面12に設置した状態を示している。
【0078】
本実施形態のマスク30は、図13に示されるように、第2の印刷体用貫通穴42を、マスク30の一面31からマスク30の他面32まで拡がる板厚方向の断面形状が台形をなす穴としている。
【0079】
この場合、第2の印刷体用貫通穴42の側面の全体が、非平行面として構成される。また、この場合も、スキージの進行方向Yが図13のようになっている場合、図13中の右側に位置する非平行面42aが、上記の進行方向Yまで考慮した傾斜面42aとして構成さることになる。
【0080】
また、第1の印刷体用貫通穴41としては、側面の向きがマスク30の他面32側を向く非平行面を持たないものであればよく、図13中の右側の第1の印刷体用貫通穴41のように、第2の印刷体用貫通穴42とは逆向きの台形状をなす穴とすることで、その側面の向きがマスク30の一面31側を向いているものであってもよい。
【0081】
図14は、図13に示されるマスク30の形成方法を示す工程図である。本実施形態のマスク形成方法では、第2の印刷体用貫通穴42の穴開けにおいて、メタル板30aの他面32側から傾斜方向を色々と変えてレーザ照射を行えばよい。そうすることで、第2の印刷体用貫通穴42が開通し、本実施形態のマスク30ができあがる。
【0082】
上記第2〜第6実施形態では、マスク30の貫通穴41、42の構成のバリエーションを示したが、次の第7〜第10実施形態では、マスク30の貫通穴41、42の穴開け方法について、上記したレーザ加工以外のバリエーションを示す。
【0083】
(第7実施形態)
図15は、本発明の第7実施形態に係るマスク30の形成方法を示す工程図であり、各工程におけるワークの概略断面構成を示すものである。本実施形態のマスク形成方法は、プレス加工により穴開けを行い、貫通穴41、42を形成するものである。
【0084】
具体的には、まず、メタル板30aの他面32に垂直に延びる突起100aを有する金型100を用い、これをメタル板30aの他面32からメタル板30aに押し付け、突起100aをメタル板30aの板厚方向に貫通させることによって、第1の印刷体用貫通穴41を形成する(図15(a)、(b)参照)。
【0085】
次に、メタル板30aの他面32に対して傾斜した方向に延びる突起101aを有する金型101を用い、これをメタル板30aの他面32からメタル板30aに押し付け、突起101aをメタル板30aの板厚方向に貫通させることによって、第2の印刷体用貫通穴42を形成する(図15(b)、(c)参照)。そうすることで、本実施形態のマスク30ができあがる。
【0086】
(第8実施形態)
図16は、本発明の第8実施形態に係るマスク30の形成方法を示す工程図であり、各工程におけるワークの概略断面構成を示すものである。本実施形態のマスク形成方法は、エッチング加工により穴開けを行い、貫通穴41、42を形成するものである。
【0087】
具体的には、まず、メタル板30aの他面32の全体にネガ型のフォトレジスト102を形成し、その上に、第2の印刷体用貫通穴42の形成領域に露光マスク103を形成する(図16(a)、(b)参照)。この状態で、フォトレジスト102に対し、図16(b)中の斜め方向Rから露光する。
【0088】
次に、図16(c)に示されるように、現像を行うと、フォトレジスト102のうち未露光部分が消失し開口される。その後、図16(d)に示されるように、メタル板30aの板面31、32に平行な方向Eに沿って、フォトレジスト102の表面にエッチング液を流す。このエッチング液としては、一般的な鉄系金属を溶解させるものが用いられる。
【0089】
これにより、マスク30の板厚方向に対して傾斜した方向にエッチングが進行し、当該傾斜方向に延びる第2の印刷体用貫通穴42が形成される。なお、第1の印刷体用貫通穴41については、図示しないが、一般的なエッチングにより形成される。こうして、図16(e)に示されるように、本実施形態のマスク30ができあがる。
【0090】
(第9実施形態)
図17は、本発明の第9実施形態に係るマスク30の形成方法を示す工程図であり、各工程におけるワークの概略断面構成を示すものである。本実施形態のマスク形成方法は、サンドブラストなどに代表されるブラスト加工により穴開けを行い、貫通穴41、42を形成するものである。
【0091】
まず、図17(a)に示されるように、マスク30となるメタル板30aの他面32に対して垂直方向にスクラブ粒子Sを衝突させ、この衝突部位を削ることにより穴開けを行う。なお、スクラブ粒子Sは、一般的なセラミックなどよりなる粒子である。
【0092】
これにより、図17(b)に示されるように、メタル板30aの板厚方向に平行な貫通穴としての第1の印刷体用貫通穴41が形成される。次に、メタル板30aの他面32に対して斜めの方向からスクラブ粒子Sを衝突させ、この衝突部位を削ることにより穴開けを行う。
【0093】
これにより、図17(c)に示されるように、メタル板30aの板厚方向に対して傾斜した非平行面としての傾斜面42aを有する第2の印刷体用貫通穴42が形成される。こうして、本実施形態のマスク30ができあがる。
【0094】
(第10実施形態)
図18は、本発明の第10実施形態に係るマスク30の形成方法を示す工程図であり、各工程におけるワークの概略断面構成を示すものである。本実施形態のマスク形成方法は、スプレー法により穴開けを行い、貫通穴41、42を形成するものである。
【0095】
この場合、図18(a)に示されるように、メタル板30aの他面32から、各貫通穴41、42の延びる方向に対応した方向から溶剤Pを吹き付けてやる。溶剤Pとしては、上記エッチング液などが挙げられる。それにより、図18(b)に示されるように、各貫通穴41、42が形成され、本実施形態のマスク30ができあがる。
【0096】
(他の実施形態)
なお、上記した各実施形態は、可能な範囲で適宜組み合わせてもよい。たとえば、第2の印刷体用貫通穴42の構成として、上記した各非平行面42a、42bを組み合わせたり、非平行面42a、42bを第2の印刷体用貫通穴42におけるマスク30の他面32からマスク30の板厚方向の途中まで形成する構成を組み合わせたりしてもよい。
【0097】
そのような各構成を組み合わせた具体例として、第1の例を図19に示し、第2の例を図20に示す。なお、これら図19、図20において、(a)はマスク30の概略断面構成を示す図であって同マスク30を基板11の一面12に設置した状態を示しており、(b)は同マスク30により形成された印刷基板の概略断面構成を示す図である。
【0098】
また、上記各実施形態におけるマスク30としては、貫通穴41、42におけるマスク30の他面32側の開口部にメッシュを設けたメッシュマスクであってもよい。また、各貫通穴41、42としては、その開口形状は円形、多角形など種々の形状が可能であり、また、溝形状の穴であってもよい。
【符号の説明】
【0099】
10 印刷基板
11 基板
12 基板の一面
21 第1の印刷体
22 第2の印刷体
30 マスク
31 マスクの一面
32 マスクの他面
41 第1の印刷体用貫通穴
42 第2の印刷体用貫通穴
42a 非平行面としての傾斜面
42b 非平行面
50 ペースト
60 スキージ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板(11)の一面(12)に板状の印刷用のマスク(30)を用いてペースト(50)を印刷し、これを硬化することにより印刷体(21、22)を形成する印刷基板の製造方法であって、
前記基板(11)の前記一面(12)と前記マスク(30)の両板面のうちの一面(31)とを対向させつつ、前記マスク(30)を前記基板(11)の前記一面(12)上に配置した状態で、前記マスク(30)の両板面のうちの他面(32)上に前記ペースト(50)を供給するペースト供給工程と、
次に、スキージ(60)を用いて、前記マスク(30)の前記他面(32)上にて前記ペースト(50)を押し広げることにより、前記マスク(30)の前記一面(31)から前記他面(32)まで貫通するように前記マスク(30)に設けられた貫通穴(41、42)を介して、前記ペースト(50)を、前記基板(11)の前記一面(12)上に塗布するスキージ塗布工程と、
その後、前記マスク(30)を前記基板(11)の前記一面(12)の上方に移動させることにより、前記貫通穴(41、42)にて塗布された前記ペースト(50)を前記基板(11)の前記一面(12)に残しつつ、前記基板(11)から前記マスク(30)を除去するマスク除去工程と、を備える印刷基板の製造方法において、
前記印刷体(21、22)として、第1の印刷体(21)および前記第1の印刷体(21)よりも薄い第2の印刷体(22)を形成するものであり、
前記マスク(30)として、前記第2の印刷体(22)を形成するための前記貫通穴(42)の側面が、前記マスク(30)の板厚方向とは平行ではなく且つ面の向きが前記マスク(30)の前記他面(32)側を向いている非平行面(42a、42b)となっているものを用い、
前記ペースト供給工程、前記スキージ塗布工程を行った後、前記マスク除去工程では、前記マスク(30)を前記基板(11)の前記一面(12)の上方に移動させたときに、前記第2の印刷体(22)を形成するための前記貫通穴(42)の内部に位置する前記ペースト(50)の一部を、前記非平行面(42a、42b)によってすくい上げ、前記マスク(30)とともに前記基板(11)から除去することにより、前記第2の印刷体(22)における前記ペースト(50)の厚さを低減するようにしたことを特徴とする印刷基板の製造方法。
【請求項2】
前記スキージ塗布工程は、前記マスク(30)の前記他面(32)上にて前記スキージ(60)を一方向に進行させ、前記ペースト(50)を当該スキージの進行方向に押し広げるものであり、
前記マスク(30)の前記第2の印刷体(22)を形成するための前記貫通穴(42)における前記非平行面としての側面は、前記マスク(30)の板厚方向に対して傾斜した面であって、当該側面における前記マスク(30)の前記他面(32)側の部位が前記スキージの進行方向の起点寄りに位置し、当該側面における前記マスク(30)の前記一面(31)側の部位が前記スキージの進行方向の終点寄りに位置するように傾斜した傾斜面(42a)であることを特徴とする請求項1に記載の印刷基板の製造方法。
【請求項3】
前記傾斜面(42a)は、前記第2の印刷体(22)を形成するための前記貫通穴(42)における前記マスク(30)の前記他面(32)から前記マスク(30)の板厚方向の途中まで形成されており、当該貫通穴(42)における前記傾斜面(42a)よりも前記マスク(30)の前記一面(31)側の部位は、前記傾斜面(42a)が位置する部位よりも穴の断面積が大きいものであることを特徴とする請求項2に記載の印刷基板の製造方法。
【請求項1】
基板(11)の一面(12)に板状の印刷用のマスク(30)を用いてペースト(50)を印刷し、これを硬化することにより印刷体(21、22)を形成する印刷基板の製造方法であって、
前記基板(11)の前記一面(12)と前記マスク(30)の両板面のうちの一面(31)とを対向させつつ、前記マスク(30)を前記基板(11)の前記一面(12)上に配置した状態で、前記マスク(30)の両板面のうちの他面(32)上に前記ペースト(50)を供給するペースト供給工程と、
次に、スキージ(60)を用いて、前記マスク(30)の前記他面(32)上にて前記ペースト(50)を押し広げることにより、前記マスク(30)の前記一面(31)から前記他面(32)まで貫通するように前記マスク(30)に設けられた貫通穴(41、42)を介して、前記ペースト(50)を、前記基板(11)の前記一面(12)上に塗布するスキージ塗布工程と、
その後、前記マスク(30)を前記基板(11)の前記一面(12)の上方に移動させることにより、前記貫通穴(41、42)にて塗布された前記ペースト(50)を前記基板(11)の前記一面(12)に残しつつ、前記基板(11)から前記マスク(30)を除去するマスク除去工程と、を備える印刷基板の製造方法において、
前記印刷体(21、22)として、第1の印刷体(21)および前記第1の印刷体(21)よりも薄い第2の印刷体(22)を形成するものであり、
前記マスク(30)として、前記第2の印刷体(22)を形成するための前記貫通穴(42)の側面が、前記マスク(30)の板厚方向とは平行ではなく且つ面の向きが前記マスク(30)の前記他面(32)側を向いている非平行面(42a、42b)となっているものを用い、
前記ペースト供給工程、前記スキージ塗布工程を行った後、前記マスク除去工程では、前記マスク(30)を前記基板(11)の前記一面(12)の上方に移動させたときに、前記第2の印刷体(22)を形成するための前記貫通穴(42)の内部に位置する前記ペースト(50)の一部を、前記非平行面(42a、42b)によってすくい上げ、前記マスク(30)とともに前記基板(11)から除去することにより、前記第2の印刷体(22)における前記ペースト(50)の厚さを低減するようにしたことを特徴とする印刷基板の製造方法。
【請求項2】
前記スキージ塗布工程は、前記マスク(30)の前記他面(32)上にて前記スキージ(60)を一方向に進行させ、前記ペースト(50)を当該スキージの進行方向に押し広げるものであり、
前記マスク(30)の前記第2の印刷体(22)を形成するための前記貫通穴(42)における前記非平行面としての側面は、前記マスク(30)の板厚方向に対して傾斜した面であって、当該側面における前記マスク(30)の前記他面(32)側の部位が前記スキージの進行方向の起点寄りに位置し、当該側面における前記マスク(30)の前記一面(31)側の部位が前記スキージの進行方向の終点寄りに位置するように傾斜した傾斜面(42a)であることを特徴とする請求項1に記載の印刷基板の製造方法。
【請求項3】
前記傾斜面(42a)は、前記第2の印刷体(22)を形成するための前記貫通穴(42)における前記マスク(30)の前記他面(32)から前記マスク(30)の板厚方向の途中まで形成されており、当該貫通穴(42)における前記傾斜面(42a)よりも前記マスク(30)の前記一面(31)側の部位は、前記傾斜面(42a)が位置する部位よりも穴の断面積が大きいものであることを特徴とする請求項2に記載の印刷基板の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2010−251581(P2010−251581A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−100571(P2009−100571)
【出願日】平成21年4月17日(2009.4.17)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年4月17日(2009.4.17)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]