説明

取り寄せ具

【課題】遠方の物品を俊敏にキャッチし取り寄せる、長尺になる取り寄せ具を提供する。
【解決手段】ハンド保持具1にレール収納体3が設けられ、該レール収納体3にはこれから前方に繰り出される伸縮レール4が設けられ、該伸縮レール4に、とってこいスライダー5が設けられ、該とってこいスライダー5に吊下連結材6を介してキャッチ7が設けられている。また後方のスライダーにはスプーン形状のキャッチが設けられている。さらに先端具42付近に、先端つまみ具片44が設けられ、キャッチした物品を手元に移動しうる構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
手が届かない遠方の物品を、手を伸ばさずにキャッチし取り寄せる、取り寄せ具に関している。
【背景技術】
【0002】
遠方の物品の取り寄せ具として、特許第3665937号、特許第3890522号などが、いろいろ知られている。
【特許文献1】特開平1−199777号
【特許文献2】特許第3665937号
【特許文献3】特許第3890522号
【特許文献4】登録実用新案第3087807号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の、遠方物品の取り寄せ具では、キャッチ部を遠方の物品近くに送り出し、キャッチした物品を手元に寄せるのに構造的に手間暇かかり、繰り返し多数の物品を取り寄せる実用品としては操作も煩雑で手数がかかり、繰り返し作動させるのに今ひとつ不満足感があった。
【0004】
また、長尺な取り寄せ具にスライドするカメラをつけて、自分から手の届かない場所から遠方を撮ったり、遠方から自分を撮ったりできる便利な取り寄せ具が望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
従来の取り寄せ具に替わって、本発明取り寄せ具では、使用者がレール収納体から繰り出された伸縮レールを傾けることで、前方に、伸縮レールに沿ってとってこいスライダーを繰り出し、使用者が手首を上下もしくは左右に旋回制御させて、とって来いスライダーを食べ物や物品上にかざし、食べ物をキャッチし、とってこいスライダーを手元に移動させるという動作が、繰り返し何度でも、容易にかつ俊敏に出来るようにしたものである。
【0006】
また、第2の課題解決手段は、食べ物や物品が良く見えるように、前方に繰り出された伸縮モノレール上に設けた、とってこいスライダーに、カメラを設けることにより、遠方の食べ物や物品の映像をキャッチすることで、キャッチした映像分析などが手元でスムーズに出来るようにしたものである。
【発明の効果】
【0007】
上記第1の課題解決手段による作用効果は次の通りである。即ち、ハンド保持具にレール収納体が設けられ、これから前方へ繰出し可能な伸縮レールが設けられ、該伸縮レールにとってこいスライダーが設けられ、その下方にキャッチが設けられ、このキャッチにより物品をキャッチし手元に運びうるようになされているから、手首を上下左右に動かして伸縮レールを傾け、とってこいスライダーを滑り台の様に前後に動かし、遠方の物品の上にキャッチをかざし、これをキャッチして使用者の手元まで運ぶという動作を、何度でも俊敏に繰り返すことが容易に出来る。
【0008】
更に、第2の解決手段として、ハンド保持具の前方に繰り出した伸縮レールに沿って動くとってこいスライダーにカメラを設け、映像をキャッチしたカメラを手元に移動しうるようにしたものでは、使用者が、手首を上下させて、このとってこいスライダーを滑り台の様にスムーズに前後移動させ、映像をキャッチしたカメラを手元に運び、物品の状態を詳しく映像で確認できるので、極めて便利である。
また、
【0009】
更に、伸縮レールをコンベックス巻尺上状としたものやテレスコピックパイプ形状としたものでは、これを伸ばして遠方のものが取れ、伸縮レールに沿って、とってこいスライダーの動きがスムーズで極めて具合が良い。不使用時には縮めてコンパクトに携帯できる利点がある。
とってこいスライダーを低摩擦すべり材で製したものや、コロ車輪を設けたものでは小気味良く動いて俊敏に作動する利点がある。
また、キャッチを磁石キャッチとしたものでは、構造が簡単でシンプルな取り寄せ具となる利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下に本発明を実施するための最良の形態を実施例で説明する。
【実施例1】
【0011】
図1において、詳細に説明する。
1はハンド保持具であり、レール収納体3を載せている。レール収納体3には伸縮制御30が設けられている。4はコンベックス状の伸縮レールであり、巻尺のように前記レール収納体3から前方に繰り出されもしくは巻き込み収納されるようになされ前記伸縮制御30で伸縮を制御する。5は、2個設けられた、とってこいスライダーであり、低摩擦すべり材で製されており、伸縮レール4に沿って滑り台の様に前後に移動しうるようになされている。前方の、とってこいスライダー5は磁石のキャッチ7を持ち、後方の、とってこいスライダー5は鉤形のキャッチ7を持っている。6は吊下連結材であり、それぞれのキャッチ7を吊り下げ、とってこいスライダー5の吊下部60に吊り下げられている。
【0012】
しかして、伸縮制御30を操作してハンド保持具1上のレール収納体3からコンベックス形状の伸縮レール4を前方に手動又は電動で前方に繰り出させて止め、ハンド保持具1を持った手首を動かし、レールをこれを傾けて斜面を作り、とってこいスライダー5から吊り下げたキャッチ7を物品9上に導き、磁石の力を利用して、また鉤で引っ掛けて物品をキャッチする。次に、とってこいスライダー5を斜面の傾斜を利用して滑らせて戻し、吊下連結材6を手元へ運び、磁石または鉤のキャッチ7で掴んだ物品を手元に取り寄せることが出来る構成となされている。
本実施例では、ハンド保持具の形状が、グリップ形状となされているが手袋形状や腕輪形状でも良く、腕装着バンド形状でもよい。
【0013】
本実施例ではレール収納体3は、厚み1.3mm、幅25mmのコンベックス状ステンレス巻込体をゼンマイもしくはモーターで3メートル以上伸縮させられるようになされた自動巻尺を利用しており、伸縮制御30でコンベックス形状の伸縮モノレール4を巻込ませたり伸ばしたりさせる仕組みである。具体的にはブラック&デッカー社製電動巻尺の「オートテープ」や、電動巻尺登録実案第3087807 号を利用している。
【0014】
上記構造の本発明頭部搭載前方伸縮装置では、使用者がハンド保持具1を手掴みし、レール収納体3から伸縮レール4を前方に伸ばして磁石のキャッチ7をとりたい物品9の上方に配置させ、使用者が手首を上下させて、磁石のキャッチ7もしくは鉤のキャッチ7により物品をキャッチする。キャッチした物品を吊り上げて、とってこいスライダー5と吊下連結材6によりこれを手元に移動させ、物品を使用者の手元へ運ぶ。
【実施例2】
【0015】
本発明の2番目の実施例を第2図に示す。本例では、ハンド保持具1にダブル2個の巻尺形状のレール収納体3が設けられ、それぞれから繰り出されるコンベックス形状の伸縮レール4の装着例を示し、2個の同形状の手動コンベックス巻尺から繰り出される伸縮レール4を上下に重ねて前方に繰り出させるものである。強度は2倍になっており、先端具42付近で先端つまみ具44・44が設けられ、2枚の伸縮レール4・4を互いにずらせて物品をつまみうる構造となされている。一方、前方のとってこいスライダー5は粘着材キャッチ7を持ち、後方のとってこいスライダー5はスプーン形状のキャッチを持つ。更に、後方のとってこいスライダー5にはミニカー形のコロ車輪がついて移動しやすくなっている。
【0016】
取り寄せる物品が100g以上に重くても、また、3メートル以上遠くにあっても、前記第1実施例のものより2倍強力で動作も速い取り寄せ具となっている。
前方のとってこいスライダー5はTPR粘着体からなり、紙などをぴたっと粘着させてキャッチし、後方のとってこいスライダー5は液体や粉体、粒菓子やご飯をキャッチするのに便利である。その他は図1の場合とほぼ同様である。
【0017】
したがって、本実施例の取り寄せ具では前記第1実施例のものと比べて、ダブルの伸縮レール4で強度が2倍に増しており、先端具40とつまみ具44・44で物品をつまむことも出来る。また、コロ車輪のついた後方のとってこいスライダー5で動きが極めてスムーズで俊敏となっていることである。
【実施例3】
【0018】
本発明の3番目の実施例を図3に示す。このものは、伸縮レール4がテレスコピックパイプとなされ、これを手動又は自動で伸縮させ、キャッチした物品をとってこいスライダーとともに滑らせ、テレスコピックパイプに沿って手元に引き寄せる構成の実施例である。
【0019】
1はハンド保持具であり、杖の取手の形状となされている。本取り寄せ具は縮めて杖としても使える。3は伸縮杖のテレスコピックパイプからなるレール収納体であり、多段のテレスコピックパイプの伸縮レール4を伸縮自在に収納可能となされている。その先端にはストッパー40が設けられ、中途には2個のとってこいスライダー5が設けられている。前方のとってこいスライダー5はドーナツリング形状の磁石型のキャッチ7が設けられ、後方のとってこいスライダー5は錘を兼ねる吊下連結材6と突き刺し型のキャッチ7が設けられている。使用者が手首を上下に振り、テレスコピックパイプ形状の伸縮レール4を斜面にすると、伸縮レール4に沿って、とってこいスライダー5が前後方向に容易に滑走し、磁石や突き刺しでキャッチした物品を手元へ運搬しうるようになされている。
【0020】
上記構造の取り寄せ具では、使用者はハンド保持具1を持ち、手動又は自動でテレスコピックパイプ形状の伸縮レール4を伸ばし、とってこいスライダー5を前方にスライドさせて、その下方のキャッチ7を物品9の上まで移動させる。使用者が更に手首を上下に振り、磁石や突き刺しで物品をキャッチしてから、とってこいスライダー5を手元に戻し、物品を手元に戻す。
本願伸縮レール4のテレスコピックパイプ構造はは釣竿のような伸縮構造であっても良い。
【実施例4】
【0021】
次に本発明第4番目の実施例を図4に示す。
ハンド保持具1にレール収納体3が設けられ、これから前方に繰り出される伸縮レール4が設けられ、中途に低摩擦すべり材料のとってこいスライダー5が2個設けられ、先端に先端具40が設けられている。その下方にバネと磁石48で開閉するシーソー罠型はさみ片46・47が設けられている。洗擢ばさみと同様な罠型キャッチ7をバネに抗して開いて置き磁石で開いた状態に保持しておき、床面などに衝突させてショックを与えると磁石が外れてバネが閉じ、物品を鋏めるようになされている。
【0022】
前方のとってこいスライダー5には、スイッチ51で単三乾電池52で動くモーター70でのドリルキャッチ7が設けられ、後方のとってこいスライダー5の吊下部60には洗擢ばさみ形状の吊下連結材6がぶら下げられ、これにカメラ62が設けられている。ドリル型のキャッチ7で物品をキャッチする様子をカメラ62で撮る。物品の映像をキャッチしたカメラ62はとってこいスライダー5で手元に戻るので、真近かで物品を詳細に観察することができる。また、前方のドリルキャッチ7でキャッチした物品を手元に運ぶことが出来るようになされている。
【0023】
本実施例では、後方のとってこいスライダー5にカメラ62が装着されており、原材料が厚み0.1mm、幅50mmの湾曲した密着巻癖筒バネ(特開2002−323195号明細書)の伸縮レール4の先端具40につまみ片46・47およびこれを開く磁石48が設けられており先端でもキャッチできる構造であって、低摩擦すべり材料からなる、とってこいスライダー5の洗擢ばさみ型の吊下連結材6にはカメラ62が挟み込まれている。5メートルは伸ばせる。
本実施例に示す伸縮レール4の密着巻癖筒バネは本発明者による特開2002−323195号「密着巻筒バネ装置」の技術を活用して取り付けたものである。
【0024】
図4の取り寄せ具では、ゼンマイがなくとも自分自身が巻き癖のある密着巻癖筒バネの伸縮モノレール4の先端具40にはさみ片46・47及びこれを開いておく磁石48が設けられ、ショックを与えて物品を掴むことが出来、後方のとってこいスライダー5にカメラ62を吊り提げており、このカメラ62を前方から後方に移動させることで、キャッチした映像を手元で見ることが出来るようになされている。
【0025】
即ち、とってこいスライダー5のカメラ62を移動させ、繰り出した伸縮モノレール4の好きな位置に配置させ、使用者の顔写真を遠方からや近距離から、静止または動画でカメラ撮影し、テレビ記録することも出来る。
とってこいスライダー5にカメラ62が付いているものでは、新聞を読んだり、地図を広げて読んだり、読書したりするのも便利であり、屋外で自分の写真を撮るときにも、旅行に行くときも、縮めてコンパクトなこれを持ってゆけば、自分で自分を撮影できるため一人旅でも困らない。
【実施例5】
【0026】
本発明取り寄せ具の、釣竿形式のものの実施例5を図5に示す。
即ち、釣竿スタイルであって、先端具40には錘45と釣り針49が垂れ下げられており、ハンド保持具1にも受けられたリールでこれを巻き取る。この第1番目の収納竿がレール収納体3になっており、2番目、3番目、4番目の竿が伸縮レール4となっている。そして、伸ばした伸縮レール4に沿って、ドーナツリング型のとってこいスライダー5ががたがたと動きうるように設けられている。
ドーナツリング内径は竿の外形よりも大きくなされており、竿の先端具40から、手元の手元ストッパー41まで自由に動きうるようになされている。
とってこいスライダー5には連結部60により吊下連結材6を介して網籠型のキャッチ7が設けられており、この網籠型のキャッチ7でつかまえた魚を手元に運搬することが出来るようになされている。
【0027】
請求項1番目の発明では、ハンド保持具1にレール収納体3が設けられ、これから前方に繰り出された伸縮レール4にとってこいスライダー5が設けられ、該とってこいスライダー5にはキャッチ7が設けられてなるから、使用者がハンド保持具1を持ち、レール収納体3から前方に伸縮レール4を繰り出すことにより、物品の上にとってこいスライダー5を掲げてキャッチ7によりこれをキャッチし、使用者が手首を動かしてとってこいスライダー5を再び移動させ、手元に物品を運ぶことが出来る。
【0028】
請求項2番目の発明では、ハンド保持具1にレール収納体3が設けられ、これから前方に繰り出された伸縮レール4にとってこいスライダー5が設けられ、該とってこいスライダー5にはカメラ62が設けられているから、使用者がハンド保持具1を持ち、レール収納体3から前方に繰り出された伸縮レール4に沿ってカメラ62を前方に送り出し、被写体を接写したり、自分を撮影し、また伸縮レール4に沿ってカメラ62を戻したり、送り出したりすることが迅速に出来る。
【0029】
請求項3番目の発明では伸縮レール4をコンベックス巻尺状にすることにより、巻き込み繰り出しが容易で伸縮比を20倍以上に大きくすることが出来る。
【0030】
請求項4番目の発明では伸縮レール4をテレスコピックパイプ形状にすることにより、強度が大きく、伸ばし縮めが小気味良く、見た目をスマートに出来る利点がある。
【0031】
請求項5番目の発明では、とってこいスライダー5を低摩擦すべり材料で製しているから伸縮レール4に沿った移動が、摩擦係数が低いため、極めてスムーズで手早く出来る。
【0032】
請求項6番目の発明では、とってこいスライダー5にコロ車輪が設けられているから、手首をわずかに動かすだけでとってこいスライダー5をスムーズに転がり移動させられ、極めて移動能率がよい。
【0033】
請求項7番目の発明ではキャッチ7を磁石キャッチとしているから、予め、鉄楊枝などを物品に突き刺しておくことで様々様々な物品をキャッチすることが出来る。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明取り寄せ具は、マジックハンドのような形状から、仕込み杖や、釣竿などのいろいろな用途の形状に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】(a)本発明第1実施例の側面図 (b) A-A線端面図
【図2】(a)本発明第2実施例の側面図 (b)A-A線端面図
【図3】(a)本発明第3実施例の側面図 (b)A-A線端面図
【図4】本発明第4実施例の側面図
【図5】本発明第5実施例の側面図
【符号の説明】
【0036】
1はハンド保持具
2は結合材
3はレール収納体
4は伸縮レール
5はとってこいスライダー
6は吊下連結材
62はカメラ
7はキャッチ
30は伸縮制御部
40は先端具
42は先端具
44ははさみ片
48は磁石

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハンド保持具1にレール収納体3が設けられ、これから前方に繰り出された伸縮レール4にとってこいスライダー5が設けられ、該とってこいスライダー5にはキャッチ7が設けられてなる取り寄せ具。
【請求項2】
ハンド保持具1にレール収納体3が設けられ、これから前方に繰り出された伸縮レール4にとってこいスライダー5が設けられ、該とってこいスライダー5にカメラ62が設けられてなる取り寄せ具。
【請求項3】
前記伸縮レール4をコンベックス巻尺状にしたことを特長とする請求項1乃至2に記載の取り寄せ具。
【請求項4】
前記伸縮レール4をテレスコピックパイプ形状にしたことを特長とする請求項1乃至2に記載の取り寄せ具。
【請求項5】
前記とってこいスライダー5を低摩擦すべり材料で製してなることを特長とする請求項1乃至4に記載の取り寄せ具。
【請求項6】
前記とってこいスライダー5にコロ車輪を設けたことを特長とする請求項1乃至4に記載の取り寄せ具。
【請求項7】
前記キャッチ7を磁石キャッチとしたことを特長とする請求項1乃至6の取り寄せ具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−89169(P2010−89169A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−258415(P2008−258415)
【出願日】平成20年10月3日(2008.10.3)
【出願人】(591075054)
【Fターム(参考)】