説明

回転ダンパーおよびそれを具えるロボット関節駆動装置

【課題】小出力化した柔構造のロボットの関節に用いても、ロボットの通常作動を妨げずに作動停止時の駆動トルクの変動による振動を速やかに減衰させ、作業のタスクタイムを短縮することができる回転ダンパーを提供することにある。
【解決手段】基部材と、前記基部材に対し所定軸線周りに回転可能に配置された回転部材と、前記基部材と前記回転部材との少なくとも一方に固設されるとともに他方へ向けて押圧されて前記他方に摺接し、前記基部材に対する前記回転部材の相対回転に摩擦制動力を与える摩擦部材と、前記摩擦部材に前記他方へ向けて押圧力を加える押圧手段と、前記回転部材の回転速度が上がると前記摩擦部材に加わる押圧力を減少させる押圧力変更手段と、を具えてなる回転ダンパーである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ロボットの関節等に用いて好適な回転ダンパーに関し、特には、回転速度が低いほど回転抵抗が高い回転ダンパーに関するものである。またこの発明は、その回転ダンパーを具える回転系のロボット関節駆動装置にも関するものである。
【背景技術】
【0002】
ロボットに作業を実行させる場合、ワークにロボットのハンドを近づける工程やワークからロボットのハンドを離す工程においてワークとハンドとの距離を所定の精度に入れる必要がある。一方、回転系のロボット関節駆動装置には負荷慣性モーメントと構造上のねじれ剛性とが存在し、作動停止時や作動開始時の駆動トルクの変動により振動が発生する。このため従来は、ロボットの構造を高剛性にすることによりこの振動を抑制してきた。
【0003】
ところで近年、人とロボットとが共存・協調作業する場合が増加しており、かかる場合の人に対するロボットの安全性のためには、ロボットを小出力化することが本質的解決になる。しかしながら、ロボットを小出力化すると構造上剛性が小さくならざるを得ず、いわゆる柔構造のロボットとなって振動振幅が大きくなる。
【0004】
特に、ワークとハンドとの距離を所定の精度に入れるためにワークの位置確認を撮像装置によって高精度に行う場合には、撮像装置をロボットのハンドまたはその近傍に装備することが望ましいが、その場合にはハンドの振動を撮像装置が要求する振幅以下に納める必要があり、作業のタスクタイムからは、振動の整定時間を許容時間以内としなければならない。そこで、ハンドの振動を減衰させるためにロボット関節駆動装置の振動を減衰させる機構が必要となる。このような回転系の振動減衰機構としては従来、例えば、非特許文献1記載のオイル式の回転ダンパー(ロータリーダンパー)が知られている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】2009年10月19日ダウンロードの不二ラテックス株式会社ホームページ中、精密機器事業部 製品情報 ロータリーダンパー・ヒンジダンパー 参照(http://www.fujilatex.co.jp/seimitsukiki/data/product/r-dumper-structure.pdf)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら上述した従来の回転ダンパーは、オイルの粘性抵抗によって発生する制動力を利用していることから、回転速度が上がるほど回転抵抗が大きくなり、このため、回転系のロボット関節駆動装置に設けると、ロボットの作動速度が上がる通常の作動中に回転抵抗が大きくなってエネルギー損失が大きくなり、ロボットを小出力化した場合に通常作動が妨げられてしまうという問題があった。
【0007】
それゆえこの発明は、小出力化した柔構造のロボットの関節に用いても、ロボットの通常作動を妨げることなしに、作動停止時や作動開始時の駆動トルクの変動による振動を速やかに減衰させ、作業のタスクタイムを短縮し得る回転ダンパーおよび、その回転ダンパーを具える回転系のロボット関節駆動装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は上記課題を有利に解決するものであり、この発明の回転ダンパーは、基部材と、前記基部材に対し所定軸線周りに回転可能に配置された回転部材と、前記基部材と前記回転部材との少なくとも一方に固設されるとともに他方へ向けて押圧されて前記他方に摺接し、前記基部材に対する前記回転部材の相対回転に摩擦制動力を与える摩擦部材と、前記摩擦部材に前記他方へ向けて押圧力を加える押圧手段と、前記回転部材の回転速度が上がると前記摩擦部材に加わる押圧力を減少させる押圧力変更手段と、を具えてなるものである。
【0009】
また、この発明のロボット関節駆動装置は、ロボットの二つのリンク部材を連結する関節に設けられた駆動装置であって、モータと、入力軸を前記モータの出力軸に駆動結合され、前記モータの出力軸の回転を減速した出力回転で前記二つのリンク部材の一方を他方に対し回動させる減速機と、前記モータの出力軸または前記減速機の入力軸と前記二つのリンク部材の一方との間に設けられてその軸の回転をその一方のリンク部材に対し制動する前記回転ダンパーと、を具えてなるものである。
【発明の効果】
【0010】
上述したこの発明の回転ダンパーにあっては、基部材とその基部材に対し所定軸線周りに回転可能に配置された回転部材との少なくとも一方に固設された摩擦部材が、それら基部材と回転部材とのうちの他方へ向けて押圧手段により押圧されてその他方に摺接して基部材に対する回転部材の相対回転に摩擦制動力を与え、そして押圧力変更手段が、回転部材の回転速度が上がると摩擦部材に加わる押圧力を減少させて、摩擦部材の摩擦制動力を減少させる。
【0011】
従って、この発明の回転ダンパーによれば、回転系のロボット関節駆動装置に設けた場合に、関節の作動速度が低い作動停止時や作動開始時には高い制動力で振動を抑え、一方、関節の作動速度が上がる通常の作動中には制動力が減少し、回転抵抗が小さくなってエネルギー損失が小さくなるので、小出力化した柔構造のロボットの関節に用いても、ロボットの通常作動を妨げずに作動停止時の駆動トルクの変動による振動を速やかに減衰させ、作業のタスクタイムを短縮することができる。また、関節の作動停止中も関節に制動力を与えるので、別途ブレーキを設けなくてもロボットの腕等を停止位置に維持することができる。
【0012】
なお、この発明の回転ダンパーにおいては、前記押圧力変更手段は、前記回転部材の回転に伴って前記軸線周りに旋回する錘部材に加わる遠心力を用いて前記押圧力を減少させてもよく、このようにすれば、押圧手段の押圧力を機械的な構成によって減少させることができるので、押圧力変更手段を安価に構成することができる。
【0013】
また、この発明の回転ダンパーにおいては、前記押圧手段は、前記摩擦部材に前記軸線方向で前記他方へ向けて押圧力を加え、前記押圧力変更手段は、前記錘部材としての鋼球と、前記鋼球と当接する、前記軸線を中心とした裁頭円錐状の凹面を持つ、前記基部材としての円盤状部材と、を有し、前記円盤状部材は、前記鋼球に加わる遠心力を前記凹面で前記軸線方向の力に変換し、その軸線方向力で前記回転部材を当該円盤状部材から離間する方向へ押圧しても良く、このようにすれば、押圧力変更手段を簡易かつ安価に構成することができる。
【0014】
一方、上述したこの発明のロボット関節駆動装置にあっては、ロボットの二つのリンク部材を連結する関節に設けられたモータの出力軸または、その関節に設けられて入力軸をそのモータの出力軸に駆動結合され、そのモータの出力軸の回転を減速した出力回転で二つのリンク部材の一方を他方に対し回動させる減速機の入力軸と、二つのリンク部材の一方との間に設けられた上記発明の回転ダンパーが、モータの出力軸または減速機の入力軸の回転速度が上がると、その軸に加える上記一方のリンク部材に対する制動力を減少させる。
【0015】
従って、この発明のロボット関節駆動装置によれば、ロボットの二つのリンク部材を連結する関節の作動速度が低い作動停止時や作動開始時には高い制動力で振動を抑え、作動速度が上がる通常の作動中には制動力が減少し、回転抵抗が小さくなってエネルギー損失が小さくなるので、小出力化した柔構造のロボットの関節に用いても、ロボットの通常作動を妨げずに作動停止時や作動開始時の駆動トルクの変動による振動を速やかに減衰させ、作業のタスクタイムを短縮することができる。また、関節の作動停止中も関節に制動力を与えるので、別途ブレーキを設けなくてもロボットの腕等を停止位置に維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】この発明の回転ダンパーの一実施例を示す断面図である。
【図2】(a)および(b)は、上記実施例の回転ダンパーの外観を裏側および表側からそれぞれ示す斜視図である。
【図3】(a)および(b)は、上記実施例の回転ダンパーの外観を一部切欠いて裏側および表側からそれぞれ示す斜視図である。
【図4】(a)および(b)は、上記実施例の回転ダンパーを裏側および表側からそれぞれ示す分解斜視図である。
【図5】上記実施例の回転ダンパーの回転数とダンピングトルクとの関係を示す特性図である。
【図6】(a),(b)および(c)は、上記実施例の回転ダンパーを装着した、この発明のロボット関節駆動装置の一実施例としての肩関節駆動装置を具える作業ロボットを例示する正面図、側面図および斜視図である。
【図7】(a),(b)および(c)は、上記実施例の肩関節駆動装置の構成を示す腕全体の側面図、正面図および斜視図である。
【図8】上記実施例の肩関節駆動装置の構成を示す、図7(a)のD−D線に沿う断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づく実施例によって詳細に説明する。ここに、図1は、この発明の回転ダンパーの一実施例を示す断面図、図2(a),(b)は、上記実施例の回転ダンパーの外観を裏側および表側からそれぞれ示す斜視図、図3(a),(b)は、上記実施例の回転ダンパーの外観を一部切欠いて裏側および表側からそれぞれ示す斜視図、そして図4(a),(b)は、上記実施例の回転ダンパーを裏側および表側からそれぞれ示す分解斜視図である。
【0018】
この実施例の回転ダンパーは、図1に示すように、基部材および円盤状部材としての制御ディスク1と、その制御ディスク1に対し所定中心軸線C周りに回転可能に配置された、回転部材としての回転ディスク2と、それら制御ディスク1と回転ディスク2とのうちここでは回転ディスク2に固設されるとともに制御ディスク1へ向けて押圧されてその制御ディスク1に摺接し、制御ディスク1に対する回転ディスク2の相対回転に摩擦制動力を与える、摩擦部材としての摺動リング3と、その摺動リング3に制御ディスク1へ向けて押圧力を加える、押圧手段としての高弾性ワッシャー4と、回転ディスク2の回転速度が上がると摺動リング3に加わる押圧力を減少させる、押圧力変更手段としての押圧力変更機構5とを具えている。
【0019】
図2〜図4に示すように、制御ディスク1は、略円形の蓋状のカバー6内に嵌め込まれて、そのカバー6に図示しない留めネジで固定されている。また回転ディスク2の外側面には、後述のように歯付きベルトを掛け回される歯付きプーリー7がボルト8で固定されており、摺動リング3は、回転ディスク2の内側面に形成された環状溝2a内に嵌め込まれて位置決めされた状態で回転ディスク2に接着固定されている。この摺動リング3は、この実施例では合成ゴムからなる軸線方向弾性変形量の多いものとしているが、カーボンリング等の軸線方向弾性変形量の少ない或いは殆どないものとしても良い。
【0020】
回転ディスク2の外周部分には、中心軸線Cの軸線方向に並んで各々半径方向外方へ延在する二枚の外周フランジ2b,2cが形成されており、それらのうち内側面側の外周フランジ2bには、半径方向外方へ開いたU字状のボール受け溝2dが周方向に間隔を空けて多数形成されている。そして、これらボール受け溝2d内にはそれぞれ、錘としての鋼球9が収容されており、これらの鋼球9は、カバー6によって半径方向外方から覆われて、半径方向に外れ止めされるとともに、外側面側の外周フランジ2cによって中心軸線Cの軸線方向外方から覆われている。
【0021】
制御ディスク1の内側面側の外周部分には、中心軸線Cを中心とした浅い裁頭円錐状の凹面1aが形成されており、各鋼球9はボール受け溝2d内で、この凹面1aに当接しつつ中心軸線Cに対し半径方向内外方へ移動することができる。また制御ディスク1の内側面側の、摺動リング3に対向する部分には、中心軸線Cを中心として半径方向へ延在する環状の摺接面1bが形成されており、摺動リング3は、鋼球9に遠心力が作用しない回転ディスク2の静止状態ではその摺接面1bに当接している。
【0022】
制御ディスク1の中心部分には、内方端部に内周フランジを持つ貫通孔1cが形成され、その貫通孔1c内にはベアリング10のアウターレース10aが嵌挿されている。また回転ディスク2の中心部分には、回転ディスク2の外側面から凹陥した凹部2eと、貫通孔2fとが形成され、その貫通孔2f内には、凹部2e内に収容される外周フランジ11aを一端部に持つ押圧軸11が中心軸線C方向へ摺動自在に嵌挿されており、その押圧軸11の他端部は、ベアリング10のインナーレース10b内に中心軸線C方向へ摺動自在に嵌挿されるとともに、中心部に雌ネジ11bを形成されている。
【0023】
押圧軸11の上記他端部には、その雌ネジ11bに螺合された位置決めネジ12を介して押さえワッシャー13が取り付けられており、その押さえワッシャー13は、ベアリング10のインナーレース10bの外側端面に当接している。そして上述した高弾性ワッシャー4は、押圧軸11の外周フランジ11aと回転ディスク2の凹部2eとの間に介挿されている。
【0024】
これにより、位置決めネジ12を押圧軸11の雌ネジ11bにねじ込んでゆくと、そのネジ推力により押圧軸11が押さえワッシャー13およびベアリング10を介して制御ディスク1に引き寄せられて、押圧軸11の外周フランジ11aが回転ディスク2の凹部2eとの間で高弾性ワッシャー4を圧縮するとともに、その圧縮反力により回転ディスク2が制御ディスク1の摺接面1bへ向けて摺動リング3を押圧して摺動リング3を摺接面1bに当接させ、摺動リング3を弾性的に圧縮するので、鋼球9に遠心力が作用しない回転ディスク2の静止状態で、制御ディスク1の摺接面1bに対し摺動リング3を押圧する押圧力(所期推力)ひいては制御ディスク1の摺接面1bに対する摺動リング3の摩擦制動力が所望の値になるように、押圧軸11への位置決めネジ12のねじ込み量を調節する。
【0025】
一方、回転ディスク2が中心軸線C周りに回転して鋼球9に遠心力が作用すると、鋼球9は、回転ディスク2の外周フランジ2cの内側面および制御ディスク1の凹面1aに沿って中心軸線Cに対し半径方向外方へ移動しつつ、回転ディスク2を制御ディスク1から離間する方向(図1では右方)へ押し出して、高弾性ワッシャー4をさらに圧縮するとともに、摺動リング3の圧縮量を減少させ、制御ディスク1の摺接面1bへ向けて摺動リング3に加わる押圧力ひいては制御ディスク1の摺接面1bに対する摺動リング3の摩擦制動力を減少させる。従って、鋼球9と、回転ディスク2の外周フランジ2cの内側面と、制御ディスク1の凹面1aとは、押圧力変更機構5を構成している。
【0026】
なお、この実施例では、回転ディスク2の静止状態で、図1に示すように、外側面側の外周フランジ2cに当接した鋼球9と制御ディスク1の凹面1aとの間に僅かなクリアランスCLが空くように、上記所期推力下での摺動リング3の軸線方向厚さを設定しており、それゆえ、回転ディスク2の回転速度がある程度上昇して鋼球9に作用する遠心力がある程度大きくなり、鋼球9が継続的に凹面1aと接触するまでは、制御ディスク1の摺接面1bへの摺動リング3の押圧力は減少しない。
【0027】
かかる実施例の回転ダンパーにあっては、回転ディスク2に固設された摺動リング3が、制御ディスク1へ向けて高弾性ワッシャー4により押圧されてその制御ディスク1の摺接面1bに摺接して制御ディスク1に対する回転ディスク2の相対回転に摩擦制動力を与え、そして鋼球9と回転ディスク2の外周フランジ2cの内側面と制御ディスク1の凹面1aとが、回転ディスク2の回転速度が上がると鋼球9に作用する遠心力により上述の如くして摺動リング3に加わる押圧力を減少させて、摺動リング3の摩擦制動力を減少させる。
【0028】
従って、この実施例の回転ダンパーによれば、回転系のロボット関節駆動装置に設けた場合に、関節の作動速度が低い作動停止時や作動開始時には高い制動力で振動を抑え、一方、関節の作動速度が上がる通常の作動中には制動力が減少し、回転抵抗が小さくなってエネルギー損失が小さくなるので、小出力化した柔構造のロボットの関節に用いても、ロボットの通常作動を妨げずに作動停止時の駆動トルクの変動による振動を速やかに減衰させ、作業のタスクタイムを短縮することができる。また、関節の作動停止中も関節に制動力を与えるので、別途ブレーキを設けなくてもロボットの腕等を停止位置に維持することができる。
【0029】
しかも、この実施例の回転ダンパーによれば、押圧力変更手段は、回転ディスク2の回転に伴って中心軸線C周りに旋回する鋼球9に加わる遠心力を用いて摺動リング3に加わる押圧力を減少させるので、高弾性ワッシャー4の押圧力を機械的な構成によって減少させ得て、押圧力変更手段を安価に構成することができる。
【0030】
また、この実施例の回転ダンパーによれば、高弾性ワッシャー4は、摺動リング3に中心軸線C方向で制御ディスク1へ向けて押圧力を加え、押圧力変更手段は、鋼球9と、その鋼球9と当接する裁頭円錐状の凹面1aを持つ制御ディスク1と、その鋼球9と内側面で当接する外周フランジ2cを持つ回転ディスク2とを有し、制御ディスク1は、鋼球9に加わる遠心力を凹面1aで中心軸線C方向の力に変換し、その軸線方向力で回転ディスク1を制御ディスク2から離間する方向へ押圧するので、押圧力変更手段を簡易かつ安価に構成することができる。
【0031】
図5は、上記実施例の回転ダンパーの回転ディスク2の回転数(回転速度)と、制御ディスク1と回転ディスク2との間のダンピングトルク(摩擦制動力)との関係を例示する特性図であり、図中曲線Aは、所期推力35Nを摺動リング3に加えた場合、また曲線Bは、所期推力50Nを摺動リング3に加えた場合をそれぞれ示す。何れの場合も約500rpm(回転/分)までは、鋼球9の遠心力が小さいためダンピングトルクは変化せず、約500rpmを超えると、曲線Aでは、約2000rpmまで上昇する間にダンピングトルクが約40mNmから約5mNmまで減少し、約2000rpmを超えると図では明らかでないが摺動リング3が制御ディスク1の摺接面1bから離間してダンピングトルクが実質上ゼロになる。また曲線Bでは、約2500rpmまで上昇する間にダンピングトルクが約56mNmから約2mNmまで減少し、約2500rpmを超えると図では明らかでないが摺動リング3が制御ディスク1の摺接面1bから離間してダンピングトルクが実質上ゼロになる。
【0032】
従ってこの図からも、上記実施例の回転ダンパーを回転系のロボット関節駆動装置に設けた場合に、関節の作動速度が低い作動停止時や作動開始時には高い制動力で振動を抑え、一方、関節の作動速度が上がる通常の作動中には制動力が減少し、回転抵抗が小さくなってエネルギー損失が小さくなることは明らかである。なお、上記のように摺動リング3を、合成ゴムからなる軸線方向弾性変形量の多いものとした場合には、回転ディスク2の回転数変化の広い範囲に亘ってダンピングトルク(摩擦制動力)が穏やかに変化するが、摺動リング3を、カーボンリング等の弾性変形量の少ない或いは殆どないものとした場合には、回転ディスク2の僅かな回転数変化でダンピングトルクを実質的にゼロまで急激に減少させることができる。また、使用する鋼球9の数を減少させれば、回転数の上昇に対するダンピングトルクの減少の傾きを小さくすることができる。
【0033】
図6(a),(b)および(c)は、上記実施例の回転ダンパーを装着した、この発明のロボット関節駆動装置の一実施例としての肩関節駆動装置を具える作業ロボットを例示する正面図、側面図および斜視図、図7(a),(b)および(c)は、上記実施例の肩関節駆動装置の構成を示す腕全体の側面図、正面図および斜視図、そして図8は、上記実施例の肩関節駆動装置の構成を示す、図7(a)のD−D線に沿う断面図であり、図中、符号20は上記作業ロボット、30は上記実施例の回転ダンパーを示す。
【0034】
この作業ロボット20は、セル生産現場等において人と共存、協調して作業を行うためのもので、図6に示すように、箱状の上部21aと柱状の下部21bとを有する胴体21と、その胴体21の上部21aの上端に設けられた頭22と、胴体21の上部21aのロボット自身から見て左右側部に設けられた二本の腕23と、それらの腕23の先端に設けられたエンドエフェクタの一例としての図示しない手と、胴体21の下部21bを脚の代わりに支持する図示しない台車とを具えている。
【0035】
また、この作業ロボット20は、頭22に撮像手段としての二台のビデオカメラ24を搭載するとともに、胴体21の上部21aと頭22との間に首関節25を具えており、その首関節25は、頭22を軸線P1周りに前後に傾動させる首ピッチ軸駆動装置と、頭22を軸線Y1周りに左右に回動させる首ヨー軸駆動装置とからなる首関節駆動装置を有している。加えてこの作業腕ロボット20は、胴体21の上部21aと下部21bとの間に腰関節26を具えており、その腰関節26は、胴体21の上部21aを下部21bひいては上記台車に対して軸線Y1周りに左右に回動させる腰ヨー軸駆動装置からなる腰関節駆動装置を有している。
【0036】
さらに、この作業ロボット20は、図7にも併せて示すように、胴体21と各腕23の上腕23aとの間の肩関節27と、各腕23の上腕23aと下腕23bとの間の肘関節28と、各腕23の下腕23bと上記手との間の手首関節29とをそれぞれ具えており、各肩関節27は、胴体21の左右に突出して略ハ字状をなす肩ブラケット31上にそれぞれ配置され、胴体21に対して腕23全体を軸線Y2周りに相対的に左右に回動させる肩ヨー軸駆動装置27aと、その肩ヨー軸駆動装置27aの軸線Y2と直交する軸線P2周りに胴体21に対して腕23全体を相対的に前後に傾動させる肩ピッチ軸駆動装置27bとからなる上記実施例の肩関節駆動装置を有している。なお、図中左肩の肩ピッチ軸駆動装置27bについては、ベルト式伝動機構のカバーを外した状態で示している。
【0037】
ここで、肩ブラケット31の上面は、上記軸線Y1に対して斜め下方に傾いていることから、各軸線Y2は、胴体21の上下方向に対して傾いて、下方へ行くほど胴体21に近くなるように延在しており、これに伴い、その軸線Y2と互いに直交する軸線P2も、床面に対して傾いている。そして腕23の上腕23aは、下に下げた状態で肘関節28に近い部分ほど胴体21に近くなるように傾いて延在している。これにより各腕23は、図6に示す正面向きの状態では胴体21の側方への揺動を規制されているため、人がこの作業ロボット20の横に並んでも人と各腕23とが干渉する可能性が少ないので、この作業ロボット20は、人と共存、協調して安全に作業を行うことができる。
【0038】
さらに、各肘関節28は、上腕23aに対し下腕23bを、軸線P2に平行な軸線P3周りに上下に傾動させる肘ピッチ軸駆動装置からなる肘関節駆動装置を有し、また各手首関節29は、下腕23bに対して上記手を軸線P4周りに相対的に上下に傾動させる手首ピッチ駆動装置と、その手を軸線P4に直交する軸線Y3周りに相対的に左右に回動させる手首ヨー軸駆動装置と、下腕23bに対して手首ピッチ軸駆動装置と手首ヨー軸駆動装置とを軸線R周りにねじる手首ロール軸駆動装置とからなる手首関節駆動装置を有している。この結果各腕23は、合計6つの可動軸駆動装置ひいては6自由度を有し、これらの可動軸駆動装置の軸配置により、この二本の腕23は特異点がなく自由な姿勢を作ることができる。
【0039】
加えて、この作業ロボット20は上記台車内に、通常のコンピュータを有する図示しない制御装置を搭載しており、これにより作業ロボット20は、その台車で自走し、あるいは人手により移動されて作業場所に位置すると、あらかじめ与えられたプログラムに従って、頭22の二台のビデオカメラ24からの画像に基づき、例えば画像処理により作業対象物の種類を認識するとともにカメラ測量により作業対象物の位置を認識して、作業対象物に対する作業を行うので、人と共存、協調して自動的に組立や検査等の作業を行うことができる。
【0040】
ここで、上述した関節25〜29の可動軸駆動装置は各々、周知のように例えばサーボモータ等のモータの出力回転を例えば商品名ハーモニックドライブ等の減速機で減速して出力する回動機構で構成されており、例えば上記実施例の肩関節駆動装置における肩ヨー軸駆動装置27aは、肩ブラケット31の上面に外周フランジ32aを固定される略円筒状のケーシング32と、そのケーシング32の軸線方向一端部(図8では下端部)に取り付けられたサーボモータ33と、そのケーシング32内に収容されたハーモニックドライブ34と、ケーシング32の他端部(図8では上端部)にベアリングを介して軸線Y2周りに回動可能に支持されるとともに軸線方向一端部(図8では上端部)で肩ピッチ軸駆動装置27bを支持する基部材35とを有している。
【0041】
ハーモニックドライブ34は、ケーシング32に固定された内歯歯車34aと、軸線方向の一端部(図8では下端部)に半径方向に弾性変形可能な外歯歯車を内歯歯車34aよりも多少少ない歯数で形成されるとともに他端部(図8では上端部)を基部材35の他端部(図8では下端部)に結合された略カップ状のフレクスプライン34bと、半径方向に弾性変形可能なベアリングを介してフレクスプライン34bの外歯歯車を周方向に部分的に半径方向外方へ押し広げてその外歯歯車を内歯歯車34aに周方向に部分的に噛合させる駆動ディスク34cとを有しており、サーボモータ33はその出力軸33aを駆動ディスク34cに結合されて駆動ディスク34cを回転させ、これにより駆動ディスク34cは、フレクスプライン34bの外歯歯車と内歯歯車34aとの噛合箇所を周方向に移動させて、内歯歯車34aひいてはケーシング32に対しフレクスプライン34bひいては基部材35を、サーボモータ33の出力軸33aひいては駆動ディスク34cの回転数に対しフレクスプライン34bの外歯歯車と内歯歯車34aとの歯数に応じた大減速比で軸線Y2周りに回動させ、胴体21に対して腕23全体を軸線Y2周りに相対的に左右に回動させる。
【0042】
また、上記実施例の肩関節駆動装置における肩ピッチ軸駆動装置27bは、基部材35の上端部に側面を固定される略円筒状のケーシング36と、そのケーシング36の軸線方向一端部(図8では左端部)に取り付けられるとともに図示しないカバーの装着用のフランジ37aを折曲形成された板状のブラケット37と、そのブラケット37に支持されたサーボモータ38と、ケーシング36内に収容されたハーモニックドライブ39と、それらサーボモータ38とハーモニックドライブ39とを駆動結合するベルト式伝動機構40と、ケーシング32の他端部(図8では右端部)にベアリングを介して軸線P2周りに回動可能に支持されるとともに軸線方向一端部(図8では右端部)で腕23の上腕23aを支持する略筒状の支持部材41とを有するとともに、ここでは作業ロボット20の二つのリンク部材としての胴体21と腕23との間に位置する上記実施例の回転ダンパー30を有している。
【0043】
ベルト式伝動機構40は、サーボモータ38の出力軸38aに結合された歯付きプーリー42と、回転ダンパー30に設けられた前述の歯付きプーリー7と、それらの歯付きプーリー42,7間に掛け回された環状の歯付きベルト43とを有し、サーボモータ38の出力軸38aの回転を歯付きプーリー42から歯付きベルト43を経て歯付きプーリー7ヘ、歯付きプーリー42と歯付きプーリー7との歯数に応じた減速比で伝達する。
【0044】
ハーモニックドライブ39は、ケーシング36に固定された内歯歯車39aと、軸線方向一端部(図8では左端部)に半径方向に弾性変形可能な外歯歯車を内歯歯車39aよりも多少少ない歯数で形成されるとともに他端部(図8では右端部)を支持部材41の他端部(図8では左端部)に結合された略カップ状のフレクスプライン39bと、半径方向に弾性変形可能なベアリングを介してフレクスプライン39bの外歯歯車を周方向に部分的に半径方向外方へ押し広げてその外歯歯車を内歯歯車39aに周方向に部分的に噛合させる駆動ディスク39cと、ケーシング36の上記一端部にベアリングを介して軸線P2周りに回転可能に支持されるとともに軸線方向一端部(図8では右端部)を駆動ディスク39cに結合され、他端部(図8では左端部)を歯付きプーリー7に結合された入力軸39dとを有しており、サーボモータ38はその出力軸38aをベルト式伝動機構40および入力軸39dを介して駆動ディスク39cに駆動結合されて駆動ディスク39cを回転させ、これにより駆動ディスク39cは、フレクスプライン39bの外歯歯車と内歯歯車39aとの噛合箇所を周方向に移動させて、内歯歯車39aひいてはケーシング36に対しフレクスプライン39bひいては支持部材35を、サーボモータ38の出力軸38aひいては駆動ディスク39cの回転数に対しフレクスプライン39bの外歯歯車と内歯歯車39aとの歯数に応じた大減速比で軸線P2周りに回動させ、胴体21に対して腕23全体を軸線P2周りに相対的に前後に傾動させる。
【0045】
そして上記実施例の回転ダンパー30は、前述のようにその回転ディスク2の外側面に固定された歯付きプーリー7をハーモニックドライブ39の入力軸39dに結合されるとともに、そのカバー6の外周面に周方向に間隔を空けて複数設けられた突起に形成された固定孔6a(図2,4参照)にそれぞれ固定ピン44の先端部を螺着され、それらの固定ピン44の基端部をブラケット37に図示しないネジで固定されて、カバー6をケーシング36に結合されており、これによりカバー6は、ケーシング36および肩ヨー軸駆動装置27aを介して肩ブラケット31ひいては胴体21に結合されている。
【0046】
かかるこの実施例の肩関節駆動装置にあっては、作業ロボット20の二つのリンク部材としての胴体21と腕23とを連結する肩関節27の肩ピッチ軸駆動装置27bに設けられて入力軸39dをそのサーボモータ38の出力軸38aに駆動結合され、その出力軸38aの回転を減速した出力回転で腕23を胴体21に対し傾動させるハーモニックドライブ39の入力軸39dと、上記二つのリンク部材の一方としての胴体21との間に設けられた上記実施例の回転ダンパー30が、ハーモニックドライブ39の入力軸39dの回転速度が上がると、その入力軸39dに加える胴体21に対する制動力を減少させる。
【0047】
従って、この実施例の肩関節駆動装置によれば、肩関節27の肩ピッチ軸駆動装置27bの作動速度が低い作動停止時や作動開始時には高い制動力で腕23の振動を抑え、作動速度が上がる通常の作動中には制動力が減少し、回転抵抗が小さくなってエネルギー損失が小さくなるので、小出力化した柔構造の作業ロボット20において、その通常作動を妨げずに作動停止時や作動開始時の駆動トルクの変動による腕23の振動を速やかに減衰させ、作業のタスクタイムを短縮することができる。また、肩関節27の肩ピッチ軸駆動装置27bの作動停止中も肩関節27に制動力を与えるので、別途ブレーキを設けなくても腕23を持ち上げた状態の停止位置に維持することができる。
【0048】
以上、図示例に基づき説明したが、この発明は上述した実施例に限定されるものでなく、特許請求の範囲の記載範囲内で適宜変更することができるものであり、例えば、この発明の回転ダンパーにおいては、摩擦部材は基部材側に固設されるとともに回転部材へ向けて押圧されて回転部材に摺接し、基部材に対する回転部材の相対回転に摩擦制動力を与えても良い。また、摩擦部材を基部材および回転部材の互いに半径方向に整列する部分の一方に設け、押圧手段はそれらの部分のうち半径方向外方に位置する部分に半径方向内方へ向けて押圧力を加えて他方の部分に摩擦部材を摺接させ、押圧力変更手段は回転部材の回転速度が上がるとその半径方向外方に位置する部分に作用して摩擦部材に加わる押圧力を減少させても良い。
【0049】
また、この発明のロボット関節駆動装置においては、回転ダンパーはモータの出力軸とリンク部材との間に設けても良く、また回転ダンパーを設ける、ロボットの二つのリンク部材を連結する関節は、肩ピッチ軸駆動装置27bと同様に作動停止中に荷重が加わっている肘関節や手首関節でも良い。
【産業上の利用可能性】
【0050】
かくしてこの発明の回転ダンパーによれば、回転系のロボット関節駆動装置に設けた場合に、関節の作動速度が低い作動停止時や作動開始時には高い制動力で振動を抑え、一方、関節の作動速度が上がる通常の作動中には制動力が減少し、回転抵抗が小さくなってエネルギー損失が小さくなるので、小出力化した柔構造のロボットの関節に用いても、ロボットの通常作動を妨げずに作動停止時の駆動トルクの変動による振動を速やかに減衰させ、作業のタスクタイムを短縮することができる。また、関節の作動停止中も関節に制動力を与えるので、別途ブレーキを設けなくてもロボットの腕等を停止位置に維持することができる。
【0051】
またこの発明のロボット関節駆動装置によれば、ロボットの二つのリンク部材を連結する関節の作動速度が低い作動停止時や作動開始時には高い制動力で振動を抑え、作動速度が上がる通常の作動中には制動力が減少し、回転抵抗が小さくなってエネルギー損失が小さくなるので、小出力化した柔構造のロボットの関節に用いても、ロボットの通常作動を妨げずに作動停止時や作動開始時の駆動トルクの変動による振動を速やかに減衰させ、作業のタスクタイムを短縮することができる。また、関節の作動停止中も関節に制動力を与えるので、別途ブレーキを設けなくてもロボットの腕等を停止位置に維持することができる。
【符号の説明】
【0052】
1 制御ディスク
1a 凹面
1b 摺接面
1c 貫通孔
2 回転ディスク
2a 環状溝
2b,2c 外周フランジ
2d ボール受け溝
2e 凹部
2f 貫通孔
3 摺動リング(摩擦部材)
4 高弾性ワッシャー(押圧手段)
5 押圧力変更機構(押圧力変更手段)
6 カバー
6a 固定孔
7,42 歯付きプーリー
8 ボルト
9 鋼球
10 ベアリング
10a アウターレース
10b インナーレース
11 押圧軸
11a 外周フランジ
11b 雌ネジ
12 位置決めネジ
13 押さえワッシャー
20 作業ロボット
21 胴体
21a 上部
21b 下部
22 頭
23 腕
23a 上腕
23b 下腕
24 ビデオカメラ
25 首関節
26 腰関節
27 肩関節
27a 肩ヨー軸駆動装置(関節駆動装置)
27b 肩ピッチ軸駆動装置(関節駆動装置)
28 肘関節
29 手首関節
30 回転ダンパー
31 肩ブラケット
32,36 ケーシング
32a 外周フランジ
33,38 サーボモータ
33a,38a 出力軸
34,39 ハーモニックドライブ
34a,39a 内歯歯車
34b,39b フレクスプライン
34c,39c 駆動ディスク
35 基部材
37 ブラケット
37a フランジ
39d 入力軸
40 ベルト式伝動機構
41 支持部材
43 歯付きベルト
44 固定ピン
C 中心軸線
CL クリアランス
P1,P2,P3,P4 軸線
R 軸線
Y1,Y2,Y3 軸線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基部材と、
前記基部材に対し所定軸線周りに回転可能に配置された回転部材と、
前記基部材と前記回転部材との少なくとも一方に固設されるとともに他方へ向けて押圧されて前記他方に摺接し、前記基部材に対する前記回転部材の相対回転に摩擦制動力を与える摩擦部材と、
前記摩擦部材に前記他方へ向けて押圧力を加える押圧手段と、
前記回転部材の回転速度が上がると前記摩擦部材に加わる押圧力を減少させる押圧力変更手段と、
を具えてなる回転ダンパー。
【請求項2】
前記押圧力変更手段は、前記回転部材の回転に伴って前記軸線周りに旋回する錘部材に加わる遠心力を用いて前記押圧力を減少させることを特徴とする、請求項1記載の回転ダンパー。
【請求項3】
前記押圧手段は、前記摩擦部材に前記軸線方向で前記他方へ向けて押圧力を加え、
前記押圧力変更手段は、
前記錘部材としての鋼球と、
前記鋼球と当接する、前記軸線を中心とした裁頭円錐状の凹面を持つ、前記基部材としての円盤状部材と、
を有し、
前記円盤状部材は、前記鋼球に加わる遠心力を前記凹面で前記軸線方向の力に変換し、その軸線方向力で前記回転部材を当該円盤状部材から離間する方向へ押圧することを特徴とする、請求項2記載の回転ダンパー。
【請求項4】
ロボットの二つのリンク部材を連結する関節に設けられた駆動装置であって、
モータと、
入力軸を前記モータの出力軸に駆動結合され、前記モータの出力軸の回転を減速した出力回転で前記二つのリンク部材の一方を他方に対し回動させる減速機と、
前記モータの出力軸または前記減速機の入力軸と前記二つのリンク部材の一方との間に設けられてその軸の回転をその一方のリンク部材に対し制動する請求項1から3までの何れか1項記載の回転ダンパーと、
を具えてなるロボット関節駆動装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−127737(P2011−127737A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−289144(P2009−289144)
【出願日】平成21年12月21日(2009.12.21)
【出願人】(591210600)川田工業株式会社 (57)
【Fターム(参考)】