説明

基板処理装置、基板処理方法、プログラム及びコンピュータ記憶媒体

【課題】基板処理装置において、基板を円滑且つ適切に処理する。
【解決手段】接合装置1の処理容器10は、上側に位置する上部容器11と下側に位置する下部容器12がシールドベローズ13によって接続された構成を有している。上部容器11と下部容器12との間にはウェハWの接合処理を行うための処理空間Kが形成されている。下部容器12内には熱処理板20が設けられ、熱処理板20の外周部には受渡部材42を収容可能な切欠き溝21が形成されている。上部容器11には、上部容器11の下面から鉛直下方に延伸する支持部材41と、ウェハWの外周部を保持すると共に熱処理板20との間でウェハWの受け渡しを行う受渡部材42と、支持部材41と受渡部材42を連結する連結部と備えた受渡アーム40が設けられている。受渡アーム40は上部容器11と共に鉛直方向に移動自在になっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板処理装置、基板処理方法、プログラム及びコンピュータ記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体デバイスの高集積化が進んでいる。高集積化した複数の半導体デバイスを水平面内で配置し、これら半導体デバイスを配線で接続して製品化する場合、配線長が増大し、それにより配線の抵抗が大きくなること、また配線遅延が大きくなることが懸念される。
【0003】
そこで、半導体デバイスを3次元に積層する3次元集積技術を用いることが提案されている。この3次元集積技術においては、例えば貼り合わせ装置を用いて、2枚の基板の貼り合わせが行われる。貼り合わせ装置は、内部に基板保持部が配置された下チャンバと、内部にステージが配置された上チャンバとを有している。そして、基板保持部に第1基板と第2基板が保持された状態で、上チャンバが下チャンバ側に下降し、当該上チャンバと下チャンバが一体になって真空チャンバが形成される。その後、真空チャンバ内の雰囲気を真空引きして所定の真空度にした後、基板保持部が上昇して第1基板と第2基板が基板保持部とステージとの間に挟まれて押圧され、当該第1基板と第2基板の貼り合わせが行われる(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−140876号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、基板保持部に第1基板を載置する際には、例えば第1基板の裏面を保持する搬送アームが用いられる。この場合、搬送アームから基板保持部に第1基板を受け渡す際、搬送アームと基板保持部が干渉してしまう。
【0006】
そこで、かかる干渉を回避するため、例えば第1基板を支持し昇降させるための昇降ピンを用いることが考えられる。この昇降ピンは、例えば昇降ピンの支持部材を介して下チャンバの外部に設けられた昇降駆動部によって上下動できる。支持部材には、真空チャンバ内を密閉空間にして所定の真空度に維持するため、例えばOリングなどのシール材が設けられている。また、基板保持部には当該基板保持部を厚み方向に貫通する貫通孔が形成され、昇降ピンは貫通孔を挿通し、基板保持部の上面から突出可能になっている。そして、基板保持部の上方において搬送アームから昇降ピンに第1基板が受け渡された後、昇降ピンが下降することで、第1基板が基板保持部に保持される。
【0007】
しかしながら、昇降ピンを用いて第1基板を基板保持部に載置する場合、基板保持部の下方の雰囲気がパーティクルと共に基板保持部の貫通孔から上方に流出するおそれがある。かかる場合、基板保持部の上方に流出したパーティクルによって基板の貼り合わせが適切に行われない。
【0008】
また、真空チャンバ内に昇降ピンが設けられるため、当該真空チャンバの体積が大きくなり、真空チャンバ内を所定の真空度に真空引きする時間が長くなる。このため、基板の貼り合わせ処理のスループットが長くなる。
【0009】
しかも、支持部材に設けられたシール材の信頼性が低く、真空チャンバ内を完全な密閉空間にできない場合がある。この場合、真空チャンバ内の雰囲気を所定の真空度に維持するのは困難である。そして、真空チャンバ内の雰囲気の実際の気圧と所定の真空度との圧力差に比例して、基板を押圧する際の荷重が小さくなる。そうすると、基板を適切に貼り合わせることができない。
【0010】
また、複数の基板の貼り合わせを行う場合、昇降ピンが下降してから上チャンバが下降するまでの時間に変動が生じる可能性があり、基板の貼り合わせ処理にバラツキが発生する。
【0011】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、鉛直方向に移動自在の上部容器と当該上部容器の下方に対向して設けられた下部容器とを有する基板処理装置において、基板を円滑且つ適切に処理することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記の目的を達成するため、本発明は、基板の処理装置であって、鉛直方向に移動自在の上部容器と、前記上部容器の下方に対向して設けられ、当該上部容器と一体となって内部に基板の処理空間を形成する下部容器と、前記下部容器内に設けられ、基板を載置して保持する基板保持部と、前記上部容器の下面から鉛直下方に延伸する支持部材と、当該支持部材に支持され、基板の外周部を保持すると共に前記基板保持部との間で基板の受け渡しを行う受渡部材と備えた受渡アームと、を有し、前記受渡アームは前記上部容器と共に鉛直方向に移動自在であって、前記基板保持部の外周部には、前記受渡部材に対応する位置に当該受渡部材を収容可能な切欠き溝が形成されていることを特徴としている。
【0013】
本発明によれば、受渡アームが鉛直方向に移動自在に構成され、基板保持部の外周部に切欠き溝が形成されているので、受渡アームと基板保持部とが干渉することなく、受渡アームから基板保持部に基板を受け渡すことができる。また、従来の昇降ピンが不要となるので、基板保持部に昇降ピン用の貫通孔を形成する必要がなく、基板保持部の下方のパーティクルが処理空間に流出することがない。したがって、基板の処理を適切に行うことができる。また、処理空間を従来より小さくすることができるので、例えば処理空間内を所定の真空度の真空雰囲気とする場合、当該処理空間内を真空引きする時間を短くすることができる。しかも、受渡アームは上部容器の下面に設けられているので、従来の昇降ピン用の昇降駆動部が不要となり、処理空間を密閉空間とすることができる。これによって、処理空間内を所定の真空度にすることができる。さらに、受渡アームは上部容器と共に鉛直方向に移動自在であるので、例えば基板処理装置で複数の基板の処理を連続して行う場合でも、基板処理のバラツキを抑制することができ、基板処理の安定性を向上させることができる。以上のように、本発明によれば基板を円滑且つ適切に処理することができる。
【0014】
前記受渡部材は、基板の外周部下面を載置する載置部と、当該載置部から上方に延伸し、基板の外周部側面をガイドするガイド部と、当該ガイド部から上方に延伸し、内側面が下側から上側に向かってテーパ状に拡大しているテーパ部と、を有していてもよい。
【0015】
少なくとも前記ガイド部の一部は、前記受渡部材が前記切欠き溝に収容された状態で当該切欠き溝から突出していてもよい。
【0016】
前記受渡部材は円筒形状を有し、前記載置部、前記ガイド部及び前記テーパ部は、前記受渡部材の上部を切り欠いて形成され、前記切欠き溝は前記基板保持部の上下面間に形成され、前記基板保持部の上面には、前記受渡部材に対応する位置に当該受渡部材を挿通させるための貫通孔が形成されていてもよい。
【0017】
前記支持部材は、前記上部容器の下面から鉛直下方に延伸する支柱と、支柱の下端から前記基板保持部の外周部に沿って水平方向に延伸する支持梁と、を有し、前記受渡部材は、前記支持梁に複数設けられていてもよい。
【0018】
前記受渡アームは、基板処理装置の外部の搬送アームとの間で基板の受け渡しを行い、前記搬送アームは、基板を保持し、且つ前記基板の外周部に沿って基板の径よりも大きい径で延伸するアーム部を備え、前記支持部材と前記受渡部材との間には、水平方向に延伸する連結部材が設けられ、前記支持部材、前記受渡部材及び前記連結部材に囲まれて形成される通路空間は、前記アーム部が通り抜け可能に構成されていてもよい。
【0019】
前記受渡アームは、基板処理装置の外部の搬送アームとの間で基板の受け渡しを行い、前記搬送アームは、基板を保持し、且つ基板の径よりも小さい間隔で直線状に延伸する2本のアーム部を備え、前記受渡部材は、前記アーム部の外側に設けられていてもよい。
【0020】
前記基板保持部は、当該基板保持部上の基板を熱処理する熱処理機構を有していてもよい。
【0021】
前記基板処理装置は、基板を重ねた重合基板の接合処理を行ってもよい。
【0022】
前記基板処理装置は、基板表面の疎水化処理を行ってもよい。
【0023】
別な観点による本発明は、基板処理装置を用いた基板処理方法であって、前記基板処理装置は、鉛直方向に移動自在の上部容器と、前記上部容器の下方に対向して設けられ、当該上部容器と一体となって内部に基板の処理空間を形成する下部容器と、前記下部容器内に設けられ、基板を載置して保持する基板保持部と、前記上部容器の下面から鉛直下方に延伸する支持部材と、当該支持部材に支持され、基板の外周部を保持すると共に前記基板保持部との間で基板の受け渡しを行う受渡部材と備えた受渡アームと、を有し、前記基板処理方法は、前記上部容器を前記基板保持部側に下降させると共に、基板を保持する前記受渡アームを前記基板保持部側に下降させ、前記受渡部材を前記基板保持部に形成された切欠き溝に収容して、基板を前記受渡アームから前記基板保持部上に受け渡し、前記受渡部材が前記切欠き溝に収容された状態で、基板に所定の処理を行うことを特徴としている。
【0024】
前記基板保持部に設けられた熱処理機構によって、当該基板保持部上の基板を熱処理してもよい。
【0025】
前記所定の処理は、基板を重ねた重合基板の接合処理であってもよい。
【0026】
前記所定の処理は、基板表面の疎水化処理であってもよい。
【0027】
また別な観点による本発明によれば、前記基板処理方法を基板処理装置によって実行させるために、当該基板処理装置を制御する制御部のコンピュータ上で動作するプログラムが提供される。
【0028】
さらに別な観点による本発明によれば、前記プログラムを格納した読み取り可能なコンピュータ記憶媒体が提供される。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、鉛直方向に移動自在の上部容器と当該上部容器の下方に対向して設けられた下部容器とを有する基板処理装置において、基板を円滑且つ適切に処理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本実施の形態にかかる接合装置の構成の概略を示す縦断面図である。
【図2】本実施の形態にかかる接合装置の構成の概略を示す横断面図である。
【図3】受渡アームの構成の概略を示す斜視図である。
【図4】搬送アームの構成の概略を示す平面図である。
【図5】搬送アームと受渡アームとの間でウェハが受け渡される様子を示す説明図である。
【図6】搬送アームによってウェハが接合装置に搬送される様子を示す説明図である。
【図7】搬送アームから受渡アームへウェハが受け渡される様子を示す説明図である。
【図8】搬送アームから受渡アームへウェハが受け渡される様子を示す、受渡部材近傍の説明図である。
【図9】搬送アームが移動する様子を示す、受渡部材近傍の説明図である。
【図10】受渡アームから熱処理板にウェハが載置される様子を示す説明図である。
【図11】受渡アームから熱処理板にウェハが載置される様子を示す、受渡部材近傍の説明図である。
【図12】熱処理板上のウェハが押圧され接合される様子を示す説明図である。
【図13】受渡アームを上昇させると共に、搬送アームを接合装置内に移動させる様子を示す説明図である。
【図14】受渡アームから搬送アームへウェハが受け渡される様子を示す説明図である。
【図15】他の実施の形態にかかる受渡部材の構成の概略を示す斜視図である。
【図16】他の実施の形態にかかる受渡アーム及び熱処理板の構成の概略を示す側面図である。
【図17】他の実施の形態にかかる接合装置の構成の概略を示す横断面図である。
【図18】他の実施の形態にかかる搬送アームの構成の概略を示す平面図である。
【図19】搬送アームと受渡アームとの間でウェハが受け渡される様子を示す説明図である。
【図20】他の実施の形態にかかる疎水化処理装置の構成の概略を示す縦断面図である。
【図21】他の実施の形態にかかる疎水化処理装置の構成の概略を示す横断面図である。
【図22】上部容器と下部容器とが一体となって処理空間を形成する様子を示す説明図である。
【図23】他の実施の形態にかかる受渡アームの構成の概略を示す斜視図である。
【図24】搬送アームと受渡アームとの関係を示す説明図である。
【図25】搬送アームと受渡アームとの間でウェハが受け渡される様子を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本実施の形態について説明する。図1は、本実施の形態にかかる基板処理装置としての接合装置1の構成の概略を示す縦断面図である。図2は、接合装置1の構成の概略を示す横断面図である。なお、本実施の形態の接合装置1では、2枚のウェハを重ね合わせた重合基板としての重合ウェハ(以下、単に「ウェハ」という。)を接合する。
【0032】
接合装置1は、図1に示すように内部を密閉することができる処理容器10を有している。処理容器10は、上側に位置する上部容器11と下側に位置する下部容器12がシールドベローズ13によって接続された構成を有している。上部容器11と下部容器12は対向して設けられ、当該上部容器11と下部容器12との間にはウェハWの接合処理を行うための処理空間Kが形成されている。また、シールドベローズ13は鉛直方向に伸縮自在に構成されている。このシールドベローズ13によって上部容器11は鉛直方向に移動自在になっている。なお、本実施の形態では、処理容器10は中空の直方体形状を有しているが、処理容器10の形状はこれに限定されず、例えば中空の円筒形状を有していてもよい。
【0033】
下部容器12の側面にはウェハWの搬入出口14が形成され、当該搬入出口14にはゲートバルブ(図示せず)が設けられている。
【0034】
下部容器12の側面には、図2に示すように吸気口15が形成されている。吸気口15には、処理容器10内の処理空間Kの雰囲気を所定の真空度まで減圧する真空ポンプ16に連通する吸気管17が接続されている。
【0035】
下部容器12の内部には、図1に示すようにウェハWを載置して保持する基板保持部としての熱処理板20が設けられている。熱処理板20には例えば給電により発熱する、熱処理機構としてのヒータ(図示せず)が内蔵され、当該熱処理板20上のウェハWを熱処理することができる。熱処理板20の加熱温度は、例えば後述する制御部100により制御される。また、熱処理板20の外周部には、図2に示すように後述する受渡アーム40から熱処理板20にウェハWを受け渡した状態で、当該受渡アーム40の受渡部材42を収容するための切欠き溝21が形成されている。切欠き溝21は、熱処理板20の外周部において、受渡部材42に対応する位置に例えば4箇所に形成されている。
【0036】
図1に示すように熱処理板20の下面側には、ウェハWを冷却する冷却板22が設けられている。冷却板22には、例えばペルチェ素子や水冷ジャケットなどの冷却部材(図示せず)が内蔵されている。冷却板22の冷却温度は、例えば後述する制御部100により制御される。なお、冷却板22は、ウェハWの接合処理のプロセスによっては省略してもよい。
【0037】
処理容器10の内部であって上部容器11には、後述する熱処理板20上のウェハWを熱処理板20側に押圧する加圧機構30が設けられている。加圧機構30は、ウェハWに当接して押圧する押圧部材31と、上部容器11に環状に取り付けられ、押圧部材31を支持する環状部材32と、押圧部材31と環状部材32を接続し、鉛直方向に伸縮自在の加圧ベローズ33とを有している。押圧部材31の内部には、例えば給電により発熱するヒータ(図示せず)が内蔵されている。そして、加圧機構30の内部、すなわち押圧部材31、加圧ベローズ33、環状部材32及び上部容器11で囲まれた内部空間に例えば圧縮空気を給気又は吸気することで、加圧ベローズ33が伸縮し押圧部材31が鉛直方向に移動自在になっている。なお、加圧機構30の内部には圧縮空気が封入されるため、この圧縮空気による内圧に耐えるように、加圧機構30の加圧ベローズ33の剛性は、処理容器10のシールドベローズ13の剛性より大きくなっている。
【0038】
処理容器10の内部であって上部容器11には、後述する搬送アーム110と熱処理板20との間でウェハWを受け渡すための受渡アーム40が設けられている。受渡アーム40は、例えば図2に示すように熱処理板20の外側に2つ設けられている。2つの受渡アーム40、40は、熱処理板20を挟んで対向して設けられている。
【0039】
受渡アーム40は、図1に示すように上部容器11の下面から鉛直下方に延伸する支持部材41と、当該支持部材41に支持され、ウェハWの外周部を保持すると共に搬送アーム110と熱処理板20との間でウェハWの受け渡しを行う受渡部材42と、支持部材41と受渡部材42とを連結し、水平方向に延伸する連結部材43とを有している。かかる構成により、受渡アーム40は上部容器11の移動に伴って鉛直方向に移動自在になっている。
【0040】
図3に示すように支持部材41は、上部容器11の下面から鉛直下方に延伸する支柱50と、支柱50の下端から熱処理板20の外周部に沿って水平方向に延伸する支持梁51とを有している。支持梁51の両端部には、受渡部材42及び連結部材43がそれぞれ設けられている。かかる構成により、図2に示すように4つの受渡部材42によってウェハWの外周部が4箇所で保持されるようになっている。なお、支持梁51に設けられる受渡部材42及び連結部材43の数は本実施の形態に限定されず、1つであってもよいし、あるいは3つ以上であってもよい。
【0041】
図3に示すように受渡部材42は、ウェハWの外周部下面を載置する載置部60と、当該載置部60から上方に延伸し、ウェハWの外周部側面をガイドするガイド部61と、当該ガイド部61から上方に延伸し、内側面が下側から上側に向かってテーパ状に拡大しているテーパ部62とを有している。受渡部材42は、略直方体形状を有している。
【0042】
以上の接合装置1には、図2に示すように制御部100が設けられている。制御部100は、例えばコンピュータであり、プログラム格納部(図示せず)を有している。プログラム格納部には、接合装置1におけるウェハWの処理を制御するプログラムが格納されている。なお、前記プログラムは、例えばコンピュータ読み取り可能なハードディスク(HD)、フレキシブルディスク(FD)、コンパクトディスク(CD)、マグネットオプティカルデスク(MO)、メモリーカードなどのコンピュータに読み取り可能な記憶媒体Hに記録されていたものであって、その記憶媒体Hから制御部100にインストールされたものであってもよい。
【0043】
次に、接合装置1の外部に設けられた搬送アームについて説明する。図4に示すように搬送アーム110は、ウェハWの外周部に沿ってウェハWの径よりも大きい径で延伸し、略3/4円環状に構成されたアーム部111と、このアーム部111と一体に形成され、且つアーム部111を支持する支持部112とを有している。アーム部111は、内側に向かって突出し、ウェハWの外周部を保持する保持部113を有している。保持部113は、例えば3箇所に設けられている。搬送アーム110は、この保持部113上にウェハWを水平に保持することができる。また、支持部112には、図5に示すようにウェハWを受渡アーム40に受け渡す際に、支持部112と受渡部材42との干渉を避けるため、切欠き114が2箇所に形成されている。
【0044】
次に、以上のように構成された接合装置1を用いて行われるウェハWの接合処理方法について説明する。
【0045】
先ず、接合装置1に設けられたゲートバルブを開き、図6に示すように搬入出口14を介して搬送アーム110によってウェハWが熱処理板20の上方に搬入される。このとき、受渡アーム40は、搬送アーム110の下方に待機している。
【0046】
その後、図7に示すように搬送アーム110を下降させ、搬送アーム110から受渡アーム40の受渡部材42にウェハWが受け渡される。このとき、図8に示すように受渡部材42上端のテーパ部62の内側面が下側から上側に向かってテーパ状に拡大しているため、例えば搬送アーム110上のウェハWがガイド部61の内側面からずれて配置されていても、ウェハWはガイド部61に円滑に案内され、載置部60に保持される。また、図5に示したように支持部材41の支柱50は搬送アーム110の外側に位置し、且つ搬送アーム110の支持部112には切欠き114が形成されているので、ウェハWの受け渡しの際、搬送アーム110と受渡アーム40が干渉することはない。なお、搬送アーム110から受渡アーム40へのウェハWの受け渡しは、上部容器11を上昇させて受渡アーム40を上昇させることによって行ってもよい。
【0047】
その後、搬入出口14を介して搬送アーム110を接合装置1の外部に移動させ、ゲートバルブを閉じる。このとき、図9に示すように搬送アーム110のアーム部111は、受渡アーム40の支持部材41、受渡部材42及び連結部材43に囲まれて形成される通路空間120を通り抜ける。このため、搬送アーム110が移動する際、当該搬送アーム110と受渡アーム40が干渉することはない。
【0048】
その後、図10に示すように上部容器11を下降させて受渡アーム40を下降させ、ウェハWを熱処理板20に載置する。受渡アーム40の受渡部材42は、熱処理板20の切欠き溝21に収容される。このとき、図11に示すように受渡部材42の載置部60は、ウェハWの下面から僅かに離れて切欠き溝21に収容される。また、テーパ部62及びガイド部61の一部は切欠き溝21から突出している。そして、ガイド部61によって、熱処理板20上のウェハWが動かないように位置決めされる。
【0049】
その後、熱処理板20によってウェハWが所定の温度、例えば430℃まで加熱される。このとき、処理容器10内の処理空間Kの雰囲気は、真空ポンプ16によって吸気口15から真空引きされ、所定の真空度、例えば0.1Paの真空度に維持される。
【0050】
その後、ウェハWの温度を所定の温度に維持しながら、図12に示すように加圧機構30に圧縮空気を供給し、押圧部材31を下降させる。そして、押圧部材31をウェハWに当接させ、当該ウェハWを所定の荷重、例えば50kNで熱処理板20側に押圧する。そして、ウェハWが所定の時間、例えば10分間押圧され、ウェハWが接合される。なお、ウェハWの温度は、例えば押圧部材31内のヒータや冷却板22を用いて維持してもよい。
【0051】
その後、熱処理板20によってウェハWが所定の温度、例えば200℃まで冷却される。なお、ウェハWの冷却は、例えば押圧部材31内のヒータや冷却板22を用いてもよい。
【0052】
ウェハWが接合されると、図13に示すように上部容器11を上昇させて受渡アーム40を上昇させ、熱処理板20から受渡アーム40にウェハWが受け渡される。このとき、ウェハWの外周部はガイド部61に位置決めされているため、受渡アーム40上でウェハWが位置ずれすることはない。その後、ゲートバルブを開き、搬入出口14を介して搬送アーム110を処理容器10内に移動させる。搬送アーム110は、受渡アーム40の下方であって、熱処理板20の上方に配置される。
【0053】
その後、図14に示すように搬送アーム110を上昇させ、受渡アーム40から搬送アーム110にウェハWが受け渡される。このとき、図5に示したように支持部材41の支柱50は搬送アーム110の外側に位置し、且つ搬送アーム110の支持部112には切欠き114が形成されているので、ウェハWの受け渡しの際、搬送アーム110と受渡アーム40が干渉することはない。なお、受渡アーム40から搬送アーム110へのウェハWの受け渡しは、上部容器11を下降させて受渡アーム40を下降させることによって行ってもよい。
【0054】
その後、搬入出口14を介して搬送アーム110によってウェハWが接合装置1から搬出される。こうして、一連のウェハWの接合処理が終了する。
【0055】
以上の実施の形態によれば、受渡アーム40が鉛直方向に移動自在に構成され、熱処理板20の外周部に切欠き溝21が形成されているので、受渡アーム40と熱処理板20とが干渉することなく、受渡アーム40から熱処理板20にウェハを受け渡すことができる。また、従来の昇降ピンが不要となるので、熱処理板20に昇降ピン用の貫通孔を形成する必要がなく、熱処理板20の下方のパーティクルが処理空間に流出することがない。したがって、基板の処理を適切に行うことができる。
【0056】
また、従来の昇降ピンが不要になるので、処理容器10内の処理空間Kを従来より小さくすることができ、処理空間K内の雰囲気を所定の真空度まで真空引きする時間を短くすることができる。しかも、受渡アーム40は上部容器11の下面に設けられているので、従来の昇降ピン用の昇降駆動部が不要となり、処理空間Kを密閉空間とすることができる。これによって、処理空間K内を所定の真空度にすることができる。
【0057】
また、受渡アーム40は上部容器11の鉛直方向の移動に連動して昇降するので、従来の昇降ピンや昇降駆動部が不要となる。このため、接合装置1の製造コストが低廉化できる。また、受渡アーム40を独立して移動させる必要がないので、受渡アーム40の移動の信頼性が向上する。
【0058】
また、受渡アーム40は上部容器11と共に鉛直方向に移動自在であるので、例えば接合装置1で複数のウェハWの接合処理を連続して行う場合でも、ウェハWの加熱開始時間と減圧開始時間の再現性が取れる。したがって、ウェハWの接合処理のバラツキを抑制することができ、接合処理の安定性を向上させることができる。
【0059】
また、受渡部材42のガイド部61はウェハWの外周部側面をガイドすることができるので、受渡部材42上のウェハWの位置ずれを防止することができる。これによって、受渡アーム40から搬送アーム110にウェハWを適切に受け渡すことができる。特に、従来の昇降ピンを用いて搬送アームと熱処理板との間でウェハWの受け渡しを行う場合、昇降ピン上でウェハの位置ずれが生じるおそれがあるが、本実施の形態ではかかる従来の問題を解決することができる。
【0060】
さらに、受渡部材42が熱処理板20の切欠き溝21に収容された際、ガイド部61の一部が切欠き溝21から突出しているので、熱処理板20上のウェハWを適切な位置に位置決めすることができる。これによって、ウェハWの接合処理を適切に行うことができる。
【0061】
また、受渡部材42のテーパ部62は内側面が下側から上側に向かってテーパ状に拡大しているので、搬送アーム110から受渡アーム40にウェハWが受け渡される際、例えば搬送アーム110上のウェハWがガイド部61の内側面からずれて配置されていても、ウェハWはガイド部61に円滑に案内され、適切に受渡アーム40に受け渡される。
【0062】
また、受渡アーム40には支持部材41、受渡部材42及び連結部材43に囲まれる通路空間120が形成されるので、搬送アーム110が接合装置1の外部に移動する際に、搬送アーム110と受渡アーム40の干渉を回避することができる。
【0063】
また、支持部材41の支持梁51は2つの受渡部材42を支持しているので、支持部材毎に受渡部材を設ける場合に比べて、処理容器10内に設けられる受渡アーム40の構成を簡略化できる。
【0064】
以上の実施の形態では、受渡アーム40の受渡部材42は略直方体形状を有していたが、受渡部材42の形状はこれに限定されず、種々の形状を取り得ることができる。例えば受渡部材42に代えて、図15に示すように略円筒形状の受渡部材130を用いてもよい。なお、受渡アーム40の他の構成については、図3に示した受渡アーム40の構成と同様であるので説明を省略する。
【0065】
受渡部材130は、ウェハWの外周部下面を載置する載置部131と、当該載置部131から上方に延伸し、ウェハWの外周部側面をガイドするガイド部132と、当該ガイド部132から上方に延伸し、内側面が下側から上側に向かってテーパ状に拡大しているテーパ部133とを有している。なお、これら載置部131、ガイド部132及びテーパ部133は、円筒形状の受渡部材130の上部を切り欠いて形成される。
【0066】
かかる場合、例えば図16に示すように熱処理板20の外周部には、当該熱処理板20の上下面の間に中空に切欠き溝140が形成される。切欠き溝140内には、受渡部材130が配置される。また、熱処理板20の上面には、受渡部材130に対応する位置に当該受渡部材130を挿通させるための貫通孔141が形成されている。貫通孔141は、受渡部材130より僅かに大きい径の平面視円形状を有している。かかる構成により、受渡部材130は切欠き溝140内で鉛直方向に移動自在に構成され、連結部材43が切欠き溝140の上方に移動することはない。また、熱処理板20上にウェハWを載置した際、すなわち受渡アーム40が最も下側に移動した際、テーパ部133及びガイド部132の一部が貫通孔141から突出し、このガイド部132によってウェハWが位置決めされる。なお、貫通孔141(切欠き溝140)は、図17に示すように受渡部材130の数に併せて4箇所に形成されている。
【0067】
以上の実施の形態によれば、熱処理板20の上面には貫通孔141が4箇所のみに形成されているだけなので、熱処理板20の強度を向上させることができる。これによって、加圧機構30によってウェハWを押圧する際の荷重を大きくすることができる。また、ウェハWの外周部が貫通孔141以外の熱処理板20で支持されるので、ウェハWを押圧してもウェハWにかかる荷重分布をウェハ面内でほぼ均一にすることができる。したがって、ウェハWをより適切に接合することができる。しかも、本実施の形態においても、上記実施の形態と同様の効果を享受することができる。
【0068】
以上の実施の形態の搬送アーム110は、略3/4円環状に構成されたアーム部111を有していたが、搬送アーム110の形状はこれに限定されず、種々の形状を取り得ることができる。例えば図18に示すように、搬送アーム150は、水平方向に直線状に延伸する2本のアーム部151、151と、このアーム部151と一体に形成され、且つアーム部151を支持する支持部152とを有している。2本のアーム部151、151は、その間隔がウェハWの径よりも小さくなるように配置されている。搬送アーム150は、内側に向かって突出し、ウェハWの外周部を保持する保持部153を有している。保持部153は、例えば3箇所に設けられている。搬送アーム150は、この保持部153上にウェハWを水平に保持することができる。なお、保持部153に代えて、アーム部151上に吸着パッドを設けてウェハWの下面を保持してもよい。
【0069】
受渡アーム40の受渡部材130は、アーム部151の外側に設けられる。また、熱処理板20の貫通孔141と切欠き溝140も、受渡部材130に対応する位置に形成される。かかる場合、図19に示すように搬送アーム150と受渡アーム40との間でウェハWを受け渡す際、搬送アーム150と受渡アーム40の干渉を回避することができる。また、本実施の形態においても、上記実施の形態と同様の効果を享受することができる。なお、本実施の形態において、受渡部材130の代わりに受渡部材42を用いてもよい。
【0070】
以上の実施の形態では、基板処理装置としてウェハWを接合処理する接合装置1について説明したが、受渡アーム40はウェハWの表面を疎水化処理する疎水化処理装置にも適用できる。なお、以下で説明する実施の形態においては、受渡アーム40と異なる構造の受渡アームを用いた場合について説明する。
【0071】
図20及び図21に示すように疎水化処理装置200は、内部を密閉することができる処理容器210を有している。なお、疎水化処理装置200は処理容器210の他にウェハWを載置して冷却する冷却板などを筐体内に配置した構成を有しているが、ここでは処理容器210及びその内部についての構成、作用、効果について説明する。また、本実施の形態では、疎水化処理装置200との間でウェハWを搬送する搬送アームとして、図18及び図19に示した水平方向に直線状に延伸する2本のアーム部151、151を有する搬送アーム150を用いた場合について説明する。
【0072】
処理容器210は、上側に位置する上部容器211と下側に位置する下部容器212とが対向して配置された構成を有している。上部容器211は、例えば昇降機構(図示せず)によって鉛直方向に移動自在に構成されている。また、上部容器211は下面が開口した略円筒形状を有し、下部容器212は上面が開口した略円筒形状を有している。かかる構成により、図22に示すように上部容器211を下部容器212側に下降させ、当該上部容器211と下部容器212とが一体となって、当該上部容器211と下部容器212の内部にウェハWに疎水化処理を行うための処理空間Kが形成される。なお、処理空間Kを密閉空間とするため、下部容器212の側壁上面には、環状のシール材、例えば樹脂製のOリング213が設けられている。
【0073】
下部容器221の底面には、図20に示すように排気口214が形成されている。排気口214には、処理容器210内の処理空間Kの雰囲気を排気する例えばエジェクターやポンプなどの真空手段215に連通する排気管216が接続されている。
【0074】
下部容器211の内部には、ウェハWを載置して保持する基板保持部としての熱処理板220が設けられている。熱処理板220は、支持部材(図示せず)を介して下部容器211に支持されている。熱処理板220には例えば給電により発熱する、熱処理機構としてのヒータ(図示せず)が内蔵され、当該熱処理板220上のウェハWを熱処理することができる。熱処理板220の加熱温度は、例えば上述した制御部100により制御される。また、熱処理板220の外周部には、図21に示すように後述する受渡アーム240から熱処理板220にウェハWを受け渡した状態で、当該受渡アーム240の受渡部材242を収容するための切欠き溝221が形成されている。切欠き溝221は、熱処理板220の外周部において、受渡部材242に対応する位置に例えば3箇所に形成されている。
【0075】
上部容器211の上部には、図20に示すように疎水化処理ガス、例えばHMDS(ヘキサメチルジシラザン)ガスを処理空間K内に供給するためのガス供給管230が設けられている。ガス供給管230は、その一端部が上部容器211の下面中央において開口して配置されている。また、ガス供給管230の他端部は、HMDSガスを生成し、当該HMDSガスをガス供給管230に供給するためのガス供給源231に接続されている。
【0076】
処理容器10の内部であって上部容器11には、上述した搬送アーム150と熱処理板220との間でウェハWを受け渡すための受渡アーム240が設けられている。受渡アーム240は、例えば図21に示すように熱処理板220と同一円周上に等間隔に3箇所に設けられている。
【0077】
受渡アーム240は、図23に示すように上部容器211の下面から鉛直下方に延伸する支持部材241と、当該支持部材241に支持され、ウェハWの外周部を保持すると共に搬送アーム150と熱処理板220との間でウェハWの受け渡しを行う受渡部材242とを有している。かかる構成により、受渡アーム240は上部容器11の移動に伴って鉛直方向に移動自在になっている。
【0078】
受渡部材242は、ウェハWの外周部下面を載置する載置部250と、当該載置部250から上方に延伸し、ウェハWの外周部側面をガイドするガイド部251と、当該ガイド部251から上方に延伸し、内側面が下側から上側に向かってテーパ状に拡大しているテーパ部252とを有している。
【0079】
受渡部材242は、図24に示すように搬送アーム150のアーム部151の外側に設けられる。かかる場合、図25に示すように搬送アーム150と受渡アーム240との間でウェハWを受け渡す際、搬送アーム150と受渡アーム240の干渉を回避することができる。
【0080】
本実施の形態によれば、受渡アーム240の支持部材241に支持梁を設ける必要がなく、支持部材241が直接受渡部材242を支持することができる。したがって、受渡アーム240の構成を簡略化することができる。しかも、本実施の形態においても、上記実施の形態と同様の効果を享受することができる。
【0081】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。本発明はこの例に限らず種々の態様を採りうるものである。本発明は、基板がウェハ以外のFPD(フラットパネルディスプレイ)、フォトマスク用のマスクレチクルなどの他の基板である場合にも適用できる。
【符号の説明】
【0082】
1 接合装置
10 処理容器
11 上部容器
12 下部容器
20 熱処理板
21 切欠き溝
40 受渡アーム
41 支持部材
42 受渡部材
43 連結部材
50 支柱
51 支持梁
60 載置部
61 ガイド部
62 テーパ部
100 制御部
110 搬送アーム
111 アーム部
120 通路空間
130 受渡部材
131 載置部
132 ガイド部
133 テーパ部
140 切欠き溝
141 貫通孔
150 搬送アーム
151 アーム部
200 疎水化処理装置
210 処理容器
211 上部容器
212 下部容器
220 熱処理板
221 切欠き溝
240 受渡アーム
241 支持部材
242 受渡部材
K 処理空間
W ウェハ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の処理装置であって、
鉛直方向に移動自在の上部容器と、
前記上部容器の下方に対向して設けられ、当該上部容器と一体となって内部に基板の処理空間を形成する下部容器と、
前記下部容器内に設けられ、基板を載置して保持する基板保持部と、
前記上部容器の下面から鉛直下方に延伸する支持部材と、当該支持部材に支持され、基板の外周部を保持すると共に前記基板保持部との間で基板の受け渡しを行う受渡部材と備えた受渡アームと、を有し、
前記受渡アームは前記上部容器と共に鉛直方向に移動自在であって、
前記基板保持部の外周部には、前記受渡部材に対応する位置に当該受渡部材を収容可能な切欠き溝が形成されていることを特徴とする、基板処理装置。
【請求項2】
前記受渡部材は、基板の外周部下面を載置する載置部と、当該載置部から上方に延伸し、基板の外周部側面をガイドするガイド部と、当該ガイド部から上方に延伸し、内側面が下側から上側に向かってテーパ状に拡大しているテーパ部と、を有することを特徴とする、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
少なくとも前記ガイド部の一部は、前記受渡部材が前記切欠き溝に収容された状態で当該切欠き溝から突出していることを特徴とする、請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記受渡部材は円筒形状を有し、
前記載置部、前記ガイド部及び前記テーパ部は、前記受渡部材の上部を切り欠いて形成され、
前記切欠き溝は前記基板保持部の上下面間に形成され、
前記基板保持部の上面には、前記受渡部材に対応する位置に当該受渡部材を挿通させるための貫通孔が形成されていることを特徴とする、請求項2又は3に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記支持部材は、前記上部容器の下面から鉛直下方に延伸する支柱と、支柱の下端から前記基板保持部の外周部に沿って水平方向に延伸する支持梁と、を有し、
前記受渡部材は、前記支持梁に複数設けられていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記受渡アームは、基板処理装置の外部の搬送アームとの間で基板の受け渡しを行い、
前記搬送アームは、基板を保持し、且つ前記基板の外周部に沿って基板の径よりも大きい径で延伸するアーム部を備え、
前記支持部材と前記受渡部材との間には、水平方向に延伸する連結部材が設けられ、
前記支持部材、前記受渡部材及び前記連結部材に囲まれて形成される通路空間は、前記アーム部が通り抜け可能に構成されていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記受渡アームは、基板処理装置の外部の搬送アームとの間で基板の受け渡しを行い、
前記搬送アームは、基板を保持し、且つ基板の径よりも小さい間隔で直線状に延伸する2本のアーム部を備え、
前記受渡部材は、前記アーム部の外側に設けられていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記基板保持部は、当該基板保持部上の基板を熱処理する熱処理機構を有することを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の基板処理装置。
【請求項9】
前記基板処理装置は、基板を重ねた重合基板の接合処理を行うことを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の基板処理装置。
【請求項10】
前記基板処理装置は、基板表面の疎水化処理を行うことを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の基板処理装置。
【請求項11】
基板処理装置を用いた基板処理方法であって、
前記基板処理装置は、
鉛直方向に移動自在の上部容器と、
前記上部容器の下方に対向して設けられ、当該上部容器と一体となって内部に基板の処理空間を形成する下部容器と、
前記下部容器内に設けられ、基板を載置して保持する基板保持部と、
前記上部容器の下面から鉛直下方に延伸する支持部材と、当該支持部材に支持され、基板の外周部を保持すると共に前記基板保持部との間で基板の受け渡しを行う受渡部材と備えた受渡アームと、を有し、
前記基板処理方法は、
前記上部容器を前記基板保持部側に下降させると共に、基板を保持する前記受渡アームを前記基板保持部側に下降させ、
前記受渡部材を前記基板保持部に形成された切欠き溝に収容して、基板を前記受渡アームから前記基板保持部上に受け渡し、
前記受渡部材が前記切欠き溝に収容された状態で、基板に所定の処理を行うことを特徴とする、基板処理方法。
【請求項12】
前記基板保持部に設けられた熱処理機構によって、当該基板保持部上の基板を熱処理することを特徴とする、請求項11に記載の基板処理方法。
【請求項13】
前記所定の処理は、基板を重ねた重合基板の接合処理であることを特徴とする、請求項11又は12に記載の基板処理方法。
【請求項14】
前記所定の処理は、基板表面の疎水化処理であることを特徴とする、請求項11又は12に記載の基板処理方法。
【請求項15】
請求項11〜14のいずかに記載の基板処理方法を基板処理装置によって実行させるために、当該基板処理装置を制御する制御部のコンピュータ上で動作するプログラム。
【請求項16】
請求項15に記載のプログラムを格納した読み取り可能なコンピュータ記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2011−199139(P2011−199139A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−66276(P2010−66276)
【出願日】平成22年3月23日(2010.3.23)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】