説明

学習支援システム及び学習支援方法

【課題】学習者のスキルレベルに応じた問題を提供する。
【解決手段】プロセッサ及びメモリを備える計算機によって構成される学習支援システムであって、解答者に出題される問題が格納される問題データベース、及び、解答者に出題された問題の解答の結果が記録される学習履歴データベースを有し、単語を変化させる摂動によって変化した単語に関する問題を生成し、問題データベースに格納する問題生成部と、前記問題の解答の正誤の判定の結果を前記学習履歴データベースに格納する習熟度推定部と、を有し、前記習熟度推定部は、正解した問題の摂動の種類の数と所定の第2の閾値とを比較し、前記問題生成部は、前記正解した問題の摂動の種類の数が前記第2の閾値より小さい場合、種類が異なる摂動によって変化した単語を生成し、該生成された単語に関する問題を問題候補とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、学習者の理解度やスキルレベルに適する問題を学習者に提示する学習支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
学習者の理解度やスキルレベルに合った適切な練習問題を学習者に提示すると、学習者の意欲が向上し、学習効果が高まると言われている。また、個別指導塾に代表される学習者個人のスキルに応じて、きめ細かい指導を行う「教育のテーラーメイド化」が求められている。
【0003】
このような、学習者に適する個別学習を提供するため、例えば、特許文献1には、教科書データベースに格納されているデータに基づいて、各単語の難易度等を求め、この難易度を用いて、分析対象となる任意の英語文章の難易度を判定する外国語文章の難易度判定方法が記載されている。
【0004】
また、特許文献2には、ユーザが解答を入力するために要した解答時間と予め設定された基準解答時間とを比較した結果に基づいて、ユーザにコメントを提供し、次の学習テストを作成する学習テスト方法が記載されている。
【0005】
また、特許文献3には、コンピュータを用いた試験において、問題を把握するための問題把握時間と、問題に解答するための問題解答時間とを含む解答時間を測定し、前記内容把握時間及び前記問題解答時間並びに問題の正誤に基づいて、受験者の能力値を推定する能力値推定方法が記載されている。
【0006】
また、特許文献4には、選択された制限時間と試験問題の解答用紙の回答を基に、該回答に対応する正答数を検出し、該正答数及び前記制限時間から評価データを抽出する検定試験の評価方法が記載されている。
【0007】
また、特許文献5には、回答情報を取得し、それらの回答情報に基づいて、学習者の能力を解析し、解析結果に基づいて、各学習者の個々の能力に応じた追加問題または学習者の評価を配信する学習支援システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2003−66828号公報
【特許文献2】特開2002−108199号公報
【特許文献3】特開2007−271886号公報
【特許文献4】特開2006−309084号公報
【特許文献5】特開2003−156996号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
前述した、特許文献1〜5に記載された方法には以下の問題がある。
【0010】
例えば、特許文献1には、正解率だけではなく、教材に使われる語彙レベルを利用した方法が開示されている。しかし、同じ英語力であっても、語彙レベルは人によって異なる。例えば、下位レベルの学習者が、上位レベルの学習者が知らない単語を知っていることもあるし、その逆もある。従って、語彙レベルによる方法では、一人一人のスキルに応じた問題の提供が困難である。
【0011】
また、特許文献2〜4には、解答時間を利用して能力を推定する方法が開示されている。しかし、学習者がランダムに解答選択肢を選んで解答し、たまたま正解になった場合と、自信を持って即座に解答して正解となった場合との区別が困難である。また、過去の問題と正解を記憶しており、記憶内容に基づいて解答することも考えられる。従って、特許文献2〜4に記載された方法では、真の言語能力の測定は困難である。
【0012】
また、特許文献5には、教育目的能力マップや難易度を作成し、各問題との対応表を作成する方法が開示されている。しかし、問題作成及びマップ作成に膨大な手間が必要であり、さらに、問題用に人工的に作った英語のみを利用し、雑誌やニュース等によって入手できる生の英語が使えないという問題があった。
【0013】
すなわち、従来の方法では、学習者の学習効率の向上が十分に達成できない。
【0014】
本発明は、学習者のスキルレベルに応じた問題を提供する学習支援装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本願において開示される発明の代表的な一例を示せば以下の通りである。すなわち、プロセッサ及びメモリを備える計算機によって構成される学習支援システムであって、解答者に出題される問題が格納される問題データベース、及び、解答者に出題された問題の解答の結果が記録される学習履歴データベースを有し、単語を変化させる摂動によって変化した単語に関する問題を生成し、問題データベースに格納する問題生成部と、前記問題データベースから抽出した問題を解答者に出題する問題提示部と、前記出題した問題の解答を受け付ける解答取得部と、前記回答データベースを参照して解答の正誤を判定する採点部と、前記判定の結果を前記学習履歴データベースに格納する習熟度推定部と、を有し、前記習熟度推定部は、正解した問題の摂動の種類の数と所定の第2の閾値とを比較し、前記問題生成部は、前記正解した問題の摂動の種類の数が前記第2の閾値より小さい場合、種類が異なる摂動によって変化した単語を生成し、該生成された単語に関する問題を問題候補とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明の代表的な実施形態によれば、学習者の習熟度に応じた問題を提供するため、学習効率を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第1の実施形態の学習支援装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図2】第1の実施形態の学習支援装置の構成を示す機能ブロック図である。
【図3】第1の実施形態の教材データベースの構造を説明する図である。
【図4】第1の実施形態の単語難易度テーブルの構造を説明する図である。
【図5】第1の実施形態の同義語テーブルの構造を説明する図である。
【図6】第1の実施形態の反義語テーブルの構造を説明する図である。
【図7】第1の実施形態の変形規則テーブルの構造を説明する図である。
【図8】第1の実施形態の問題データベースの構造を説明する図である。
【図9】第1の実施形態の学習履歴データベースの構造を説明する図である。
【図10】第1の実施形態の習熟度推定部によって実行される処理のフローチャートである。
【図11】第1の実施形態における摂動種の数を計数する処理のフローチャートである。
【図12A】第1の実施形態の問題生成部による処理のフローチャートである。
【図12B】第1の実施形態の問題生成部による処理のフローチャートである。
【図13A】第1の実施形態の摂動を変える処理のフローチャートである。
【図13B】第1の実施形態の摂動を変える処理のフローチャートである。
【図14】第1の実施形態における単語難易度テーブルの生成処理のフローチャートである。
【図15】第1の実施形態における教材データベースのトランスクリプションの難易度を決定する処理のフローチャートである。
【図16】第1の実施形態の変形例のリエゾン規則テーブルの構造を説明する図である。
【図17】第1の実施形態の変形例のリエゾン統語規則テーブル(Bigramテーブル)の構造を説明する図である。
【図18】第1の実施形態の変形例のリエゾン統語規則テーブル(リエゾン候補位置テーブル)の構造を説明する図である。
【図19】第1の実施形態の変形例におけるリエゾン統語規則テーブルの生成処理のフローチャートである。
【図20】第1の実施形態の変形例の問題生成処理のフローチャートである。
【図21】第2の実施形態の学習支援装置の構成を示す機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
<実施形態1>
図1は、本発明の第1の実施形態の学習支援装置101のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0019】
第1の実施形態の学習支援装置101は、プロセッサ(CPU)11、メモリ12、記憶装置(HDD)13、入力インターフェース14及び出力インターフェース15を備える計算機である。なお、学習支援装置101は、他の計算機と通信をするためのネットワークインターフェースを備えてもよい。
【0020】
プロセッサ11は、メモリ12に格納されたプログラムを実行する。メモリ12は、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)のような高速かつ揮発性の記憶装置であり、プロセッサ11によって実行されるプログラム及びプログラム実行時に使用されるデータを格納する。記憶装置13は、例えば、磁気記憶装置、フラッシュメモリ等の大容量かつ不揮発性の記憶装置であり、プロセッサ11によって実行されるプログラム及びプログラム実行時に使用されるデータを格納する。すなわち、プロセッサ11によって実行されるプログラムは、記憶装置13から読み出されて、メモリ12にロードされて、プロセッサ11によって実行される。
【0021】
入力インターフェース14は、入力機器であるキーボード16及びマウス17からの入力を受ける。及び出力インターフェース15は、出力装置であるディスプレイ18及びスピーカ19に接続されており、ディスプレイ18に画像を表示するための信号及びスピーカ19から音を出力するための音響信号を出力する。
【0022】
図2は、第1の実施形態の学習支援装置101の構成を示す機能ブロック図である。
【0023】
第1の実施形態の学習支援装置101は、難易度入力部102、教材選択部103、問題生成部105、解答取得部107、採点部108、習熟度推定部109及び問題提示部112を有する。これらの各部は、プロセッサ11が、所定のプログラムを実行することによって実装される。
【0024】
記憶装置13は、教材データベース104(図3参照)、摂動規則データベース106(図5、図6、図7参照)、学習履歴データベース110(図9参照)及び問題データベース111(図8参照)を格納する。
【0025】
難易度入力部102は、学習者113から入力された年齢に基づいて、出題される問題の難易度を決定する。本実施形態では、この難易度に学習者の年齢を用いるが、他の指標(例えば、学年)を用いてもよい。なお、年齢をベースにして難易度を変更可能(例えば、±1、又は0〜〜+2など)にしてもよい。
【0026】
教材選択部103は、入力された難易度を用いて教材データベース104を検索し、問題を作成する元となる教材(トランスクリプション)を選択する。
【0027】
問題生成部105は、教材選択部103で選択された教材を用い、学習者113の習熟度及び摂動データベース106を参照して、問題及び正解を生成し、生成された問題及び正解を問題データベース111に格納するとともに、問題提示部に送る。問題生成部105が実行する処理は、図12A、図12B、図20を参照して後に説明する。
【0028】
問題提示部112は、問題データベース111に格納された問題候補から出題する問題を選択し、選択された問題を、ディスプレイ18に表示し及びスピーカ19から音声信号を出力することによって、学習者113に提供する。学習者113は、問題提示部112から提供された問題を解き、入力装置(キーボード16、マウス17など)を使って入力する。特に、本実施形態の学習支援装置は、読み上げられた英文を聞き取り、当該英文を書き取る、いわゆる、ディクテーションテストの問題を出題するために適する装置である。また、読み上げられた英文を聞き取り、当該英文の一部が空欄となっている問題、すなわち、空欄補充問題を出題するためにも適することができる装置である。よって、問題提示部112は、英文をスピーカ19から音声信号によって出力し、一部(出題箇所)か欠落した英文をディスプレイ18に表示する。
【0029】
解答取得部107は、学習者113が入力装置を使って入力した解答を取得し、解答情報、解答属性情報及び問題IDを出力する。解答情報は、学習者113が入力した解答そのものである。解答属性情報は、解答に要した時間を表す情報で、例えば、問題の音声出力の終了から解答が完了するまでの時間であり、解答取得部107は、問題提示部112が、問題箇所の単語を提示した(読み終わった)時刻を取得し、学習者が解答の入力を開始した時刻と終了した時刻とを取得する。そして、解答取得部107は、解答入力終了刻と解答入力終了時刻との差を解答時間とし、問題提示時刻と解答入力終了時刻との差を解答遅延時間とする。計算された解答時間及び解答遅延時間は、問題履歴データベース110(図9参照)に格納される。問題IDは、問題提示部112から提示された問題のIDで、問題提供時にディスプレイ18に表示されたものを、解答入力時に取得すればよい。
【0030】
採点部108は、解答取得部107から出力された問題IDをキーとして問題データベース111を検索し、正解を取得する。そして、解答取得部107から出力された解答と取得した正解とを比較することによって、学習者113が入力した解答の正誤を判定し、採点結果を出力する。採点部108による正誤の判定結果は、習熟度推定部109によって、学習履歴データベース110に格納される。
【0031】
習熟度推定部109は、採点部108が出力した採点結果を用いて、学習履歴データベース110を参照することによって、習熟度を計算する。計算された習熟度は問題作成部105に入力される。習熟度推定部109は、採点部108が出力した採点結果を学習履歴データベース110に格納する。習熟度推定部109が実行する処理は、図10を参照して後に説明する。
【0032】
なお、本実施形態では、学習者113が学習支援装置101を直接操作する例について説明するが、学習者113が操作する計算機と学習支援装置101が通信回線を経由して接続されており、学習支援装置101が学習者用計算機に問題を送信し、学習者用計算機が学習支援装置101に解答を送信してもよい。この場合、学習者用計算機は、学習支援装置101から送信された問題を画面に表示し、学習者113が入力した解答を学習支援装置101に送信する機能を有していればよく、この機能は、例えばウェブブラウザによって実現することができる。
【0033】
図3は、第1の実施形態の教材データベース104の構造を説明する図である。
【0034】
教材データベース104は、教材管理テーブル201、トランスクリプション207及び音声データ211を含み、教材管理テーブル201とトランスクリプション207がリンク210で関連付けられ、及び、教材管理テーブル201と音声データ211がリンク214で関連付けられた構造を持つ。
【0035】
教材管理テーブル201は、教材ID202、トランスクリプションへのリンク203、トランスクリプションの難易度204、音声データへのリンク205及び話速206を含む。
【0036】
教材ID202は、教材を識別するための一意の識別子である。トランスクリプションへのリンク203は、教材であるトランスクリプション207へアクセスするための情報であり、例えば、トランスクリプションの識別子や、トランスクリプションの格納場所の識別子を用いることができる。トランスクリプションの難易度204は、トランスクリプションに含まれる単語の難易度から生成された値である。音声データへのリンク205は、教材であるトランスクリプションを読み上げた音声データ211へアクセスするための情報であり、例えば、音声データの識別子や、音声データの格納場所の識別子を用いることができる。話速206は、音声データ211の読み上げの速度であり、例えば、1分あたりの単語数で規定することができる。
【0037】
トランスクリプション207は、問題に加工された後、問題提示部112から出力されディスプレイ18に表示される。また、音声データ211は、問題提示部112から出力されスピーカ19から音響信号として出力される。
【0038】
図4は、第1の実施形態の単語難易度テーブル301の構造を説明する図である。
【0039】
単語難易度テーブル301は、教材の難易度を推定する際に用いられ、単語ID302、単語303及び難易度304を含み、単語難易度テーブル生成処理(図14)によって生成される。
【0040】
単語難易度テーブル301は、教材データベース104の一部であってもよく、また、教材データベース301が別の装置で作成され、本実施形態の学習支援装置101に導入される場合、単語難易度テーブル301を当該別の装置が有してもよい。
【0041】
単語ID302は、難易度の推定に用いられる単語を識別するための一意の識別子である。単語303は、難易度の推定に用いられる単語である。難易度304は、この単語の難易度であり、例えば、この単語を理解していることが望まれる年齢を用いることができる。
【0042】
摂動規則データベース106は、摂動の種類に対応する、同義語テーブル401(図5)、反義語テーブル501(図6)及び変形規則テーブル601(図7)を含む。なお、摂動規則データベース106は、同義語テーブル、反義語テーブル及び変形規則テーブルの全てを含んでいなくてもよく、二つ以上を含んでいれば摂動の種類を変更することができ、少なくとも一つを含んでいれば同種の摂動の中で摂動を変更(すなわち、単語を変形)することができる。
【0043】
本実施形態において、「摂動」とは、文章中の単語表記に微小な変形を加えることであり、具体的には、文章中の英単語を反義語又は同義語と置き換える、さらには、現在形/過去形、単数形/複数形など所定の規則で変形させることをいう。反義語や同義語と置き換えられた単語又は変形された単語を含む英文を学習することによって、英文の理解力、特にヒヤリング力が向上する。
【0044】
図5は、第1の実施形態の同義語テーブル401の構造を説明する図である。
【0045】
同義語テーブル401は、文中で置き換え可能な同義語が登録されるテーブルで、単語ID402、単語403、品詞404、同義語数405及び同義語406を含む。
【0046】
単語ID402は、同義語テーブル401に登録された単語を識別するための一意の識別子である。なお、単語ID402は、単語難易度テーブル301の単語ID302と同じ識別子でも、同義語テーブル401に固有の識別子でもよい。
【0047】
品詞404は、単語403に登録された単語の品詞である。同義語数405は、同義語406に登録された単語の数である。同義語406は、単語403に登録された単語の同義語である。
【0048】
図6は、第1の実施形態の反義語テーブル501の構造を説明する図である。
【0049】
反義語テーブル501は、文中で置き換え可能な反義語が登録されるテーブルで、単語ID502、単語503、品詞504、反義語数505及び反義語506を含む。
【0050】
単語ID502は、反義語テーブル501に登録された単語を識別するための一意の識別子である。なお、単語ID502は、単語難易度テーブル301の単語ID302や、同義語テーブル401の単語ID402と同じ識別子でも、反義語テーブル501に固有の識別子でもよい。
【0051】
品詞504は、単語503に登録された単語の品詞である。反義語数505は、反義語506に登録された単語の数である。反義語506は、単語503に登録された単語の反義語である。
【0052】
図7は、第1の実施形態の変形規則テーブル601の構造を説明する図である。
【0053】
変形規則テーブル601は、規則ID602及び規則603を含む。
【0054】
規則ID602は、変形規則テーブル601に登録された変形規則を識別するための一意の識別子である。規則603は、文中の単語を変形する規則である。例えば、規則ID=1の規則は、現在形と過去形とを相互に変換する規則であり、規則ID=2の規則は、原形と三人称単数現在形とを相互に変換する規則であり、規則ID=3の規則は、単数形と複数形とを相互に変換する規則である。
【0055】
図8は、第1の実施形態の問題データベース111の構造を説明する図である。
【0056】
問題データベース111は、問題生成部105によって生成された問題が格納されるデータベースで、問題ID702、教材ID703、元問題ID704、摂動種ID705、摂動ID706、摂動後の単語707、音声開始時刻708、音声終了時刻709及び共起語710を含む。
【0057】
問題ID702は、問題データベース111に登録された問題を識別するための一意の識別子である。教材ID703は、問題作成時に使用された教材を識別するための一意の識別子である。元問題ID704は、摂動によって問題が生成された場合、当該問題を生成する元となった問題の識別子である。
【0058】
摂動種ID705は、問題の作成に用いられた摂動の種類を表す識別子である。摂動ID706は、問題の作成に用いられた摂動を識別するための一意の識別子である。摂動後の単語707は、出題される単語を摂動によって変形させた後の単語(すなわち、学習者が解答すべき単語)である。
【0059】
音声開始時刻708は、出題される単語が音声データ中で読み始められる時刻であり、音声終了時刻709は、当該単語が音声データ中で読み終わる時刻である。
【0060】
共起語710は、出題される単語と共に使用される単語である。
【0061】
図9は、第1の実施形態の学習履歴データベース110の構造を説明する図である。
【0062】
学習履歴データベース110は、学習者ID毎にテーブル802が設けられており、各テーブル802は、問題ID803、正解単語804、第一回解答805、第二回解答810・・・を含む。
【0063】
第一回解答805は、1回目の解答に関する解答日時806、解答遅延時間807、解答時間808及び正誤809を含む。なお、第二回解答810は、2回目の解答に関する同じデータを含む。
【0064】
問題ID803は、問題データベース111に登録された問題を識別するための一意の識別子であり、第1の実施形態の問題データベース111(図8)の問題ID702と同じ識別子が用いられる。正解単語804は、学習者が正解として解答すべき単語である。
【0065】
解答日時806は、解答の入力が終了した日時である。解答遅延時間807は、当該単語が読み終わった(音声終了時刻709)後、学習者が解答を入力し終わるまでの時間である。解答時間808は、学習者が解答を入力するのに要した時間(すなわち、解答を入力し始めてから解答を入力し終わるまでの時間)である。正誤809は、学習者が入力した解答が正解と一致しているかを示す。
【0066】
なお、図3から図9には、各データベースがテーブル形式で構成される例を示したが、他の形式でもよい。
【0067】
図10は、第1の実施形態の習熟度推定部109によって実行される処理のフローチャートである。
【0068】
まず、習熟度推定部109は、当該問題は正解したか否かを判定する(901)。
【0069】
その結果、当該問題が正解である場合、連続正答回数を所定の閾値(Th1)と比較する(902)。その結果、連続正答回数が所定の閾値(Th1)以下であれば、所定回数連続して正解できるほど学習がされていないと判定し、習熟度を5に設定する(903)。
【0070】
一方、連続正答回数が所定の閾値(Th1)を超えていれば、所定回数連続して正解できるほど十分な学習がされていると判定し、正解した問題に含まれる摂動の種類の数と所定の閾値(Th2)とを比較する(904)。その結果、摂動の種類の数が所定の閾値(Th2)以下であれば、摂動に対する学習が不足していると判定し、習熟度を6に設定する(905)。
【0071】
一方、摂動種の数が所定の閾値(Th2)を超えていれば、摂動に対する学習は十分なので、解答遅延時間と所定の閾値(Th3)とを比較する(906)。その結果、解答遅延時間が所定の閾値(Th3)以上であれば、解答が遅いと判定し、習熟度を7に設定する(905)。一方、解答遅延時間が所定の閾値(Th3)より小さければ、速く解答できていると判定し、習熟度を8に設定する(905)。
【0072】
一方、ステップ901において、当該問題が誤答であると判定された場合、解答遅延時間を所定の閾値(Th4)と比較する(909)。その結果、解答遅延時間が所定の閾値(Th4)より大きければ、解答が遅いので、習熟度を4に設定する(910)。
【0073】
一方、解答遅延時間が所定の閾値(Th4)以下であれば、正解した問題の摂動の種類の数と所定の閾値(Th5)とを比較する(911)。その結果、摂動の種類の数が所定の閾値(Th5)より小さければ、摂動に対する学習が不足していると判定し、習熟度を3に設定する(912)。
【0074】
一方、摂動種の数が所定の閾値(Th5)以上であれば、摂動に対して多くの学習がされていると判定し、連続誤答回数と所定の閾値(Th6)とを比較する(913)。その結果、連続誤答回数が所定の閾値(Th6)より大きければ、連続誤答回数が多いので、習熟度を2に設定する(914)。一方、連続誤答回数が所定の閾値(Th6)以下であれば、習熟度を1に設定する(915)。
【0075】
このように、本実施形態では、当該問題の正誤、解答遅延時間、摂動種の種類、連続正解回数及び連続誤答回数に基づいて、学習者の弱点を見つけ、習熟度を判定する。
【0076】
図11は、第1の実施形態における摂動種の数を計数する処理のフローチャートである。計数された摂動種の数は、図10のステップ904、911において利用される。
【0077】
まず、この問題の問題IDを変数Aに設定する(1901)。その後、問題データベース111を参照し、問題ID702がAと等しい問題の元問題ID704を変数Bに設定する(1902)。
【0078】
その後、問題データベース111を参照し、元問題ID704がBと等しい問題の問題ID702の集合を変数Cに設定する(1903)。その後、学習履歴データベース110を参照し、正解した問題の問題IDの集合を変数Dに設定する(1904)。
【0079】
その後、変数Dに含まれる問題IDと、変数Cに含まれる問題IDとを照合し、問題IDが一致した問題に対応する摂動種ID705の数を、問題DB111を参照して集計する(1905)。
【0080】
前述した処理によって、生成元の問題が同じ問題のうち、正解した問題の摂動の種類の数を集計する。これによって、正解した摂動の種類の数を計数することができる。
【0081】
図12A及び図12Bは、第1の実施形態の問題生成部105による処理のフローチャートである。
【0082】
まず、問題ID(x)を1に初期設定する(1001)。その後、問題xの習熟度によって処理を振り分け、各習熟度に対応した問題候補を作成する。
【0083】
最初に、問題xの習熟度が8であるかを判定する(1002)。問題xの習熟度が8である場合、学習者は問題xについて十分に学習しているので、問題候補を作成せず、ステップ1017へ進み、次の問題へ移行する。
【0084】
次に、問題xの習熟度が7であるかを判定する(1003)。問題xの習熟度が7である場合、解答が遅いので、解答までの時間を短縮すること、すなわち、理解できる英語の速度を向上させることが望ましい。このため、教材候補の中から、話速の遅い教材を抽出し、単語難易度が合致した単語を抽出し、問題候補とする(1004)。
【0085】
次に、問題xの習熟度が6であるかを判定する(1005)。問題xの習熟度が6である場合、摂動に対する学習が不足しているので、パターンを変えて更に学習することが望ましい。このため、問題xの正解単語を含む教材を教材候補の中から抽出し、正解単語を異なる種類の摂動で変化させた単語を作成し、当該単語を問題候補とする(1006)。
【0086】
次に、問題xの習熟度が5であるかを判定する(1007)。問題xの習熟度が5である場合、連続正答回数が低く、学習内容が定着していないと考えられる。このため、問題xの正解単語を含む教材を教材候補の中から抽出し、正解単語を同種の摂動の中から異なる摂動によって変化させた単語を作成し、当該単語を問題候補とする(1008)。
【0087】
次に、問題xの習熟度が4であるかを判定する(1009)。問題xの習熟度が4である場合、解答が遅いので、解答までの時間を短縮すること、すなわち、理解できる英語の速度を向上させることが望ましい。このため、教材候補の中から、話速が遅く、かつ、問題xの正解単語を含む教材を抽出し、当該単語を問題候補とする(1010)。
【0088】
次に、問題xの習熟度が3であるかを判定する(1011)。問題xの習熟度が3である場合、摂動に対する学習が不足しているので、パターンを変えて更に学習することが望ましい。このため、教材難易度が合致し、かつ、問題xの正解単語を含む教材の中の当該単語を異なる種類の摂動で変化させた単語を生成し、問題候補とする(1012)。
【0089】
次に、問題xの習熟度が2であるかを判定する(1013)。問題xの習熟度が2である場合、連続誤答が多く、全体的に学習が不足しているので、教材難易度が合致し、かつ、問題xの正解単語を含む教材の中の、当該単語を同種の摂動の中から異なる摂動によって変化させた単語を生成し、問題候補とする(1014)。
【0090】
次に、問題xの習熟度が1であるかを判定する(1015)。問題xの習熟度が1である場合、連続誤答は少ないので、問題xに対する学習が不足していると判定し、問題xと同じ問題を問題候補とする(1016)。
【0091】
その後、次の問題について、問題候補を作成するために、問題ID(x)に1を加算する(1017)。
【0092】
その後、問題ID(x)が問題数より大きいかを判定し(1018)、問題ID(x)が問題数より大きければ、既に、全ての問題の作成が終了しているので、問題候補を探索し、同じ問題があれば一方を削除し、問題を集約する(1019)。一方、問題ID(x)が問題数を超えていれば、作成が終了していない問題があるので、ステップ1002に戻る。その後、問題提示部112は、学習者の要望に応じて、問題候補を絞り込み問題として出力する(1020)。学習者の要望は、例えば、学習時間、問題数などである。
【0093】
図13A、図13Bは、第1の実施形態の摂動を変える処理のフローチャートであり、問題生成部105によって、ステップ1006、1008、1012、1014において実行される処理の詳細を示す。
【0094】
まず、同義語テーブル401を参照し、問題候補の単語と同じ単語403を検索する(2001)。その結果、同じ単語が見つかった場合(2002でYES)、変数「Found同義語」に1を設定し(2003)、見つかった単語の単語ID402を変数Aに設定する(2004)。一方、同じ単語が見つからなかった場合(2002でNO)、変数「Found同義語」に0を設定する(2005)。
【0095】
次に、反義語テーブル501を参照し、問題候補の単語と同じ単語503を検索する(2006)。その結果、同じ単語が見つかった場合(2007でYES)、変数「Found反義語」に1を設定し(2008)、見つかった単語の単語ID402を変数Bに設定する(2009)。一方、同じ単語が見つからなかった場合(2007でNO)、変数「Found反義語」に0を設定する(2010)。
【0096】
次に、変形規則テーブル601を参照し、問題候補の単語に適用可能な変形規則を検索する(2011)。その結果、適用可能な変形規則が見つかった場合(2012でYES)、変数「Found変形規則」に1を設定し(2013)、見つかった変形規則の規則ID602を変数Cに設定する(2014)。一方、適用可能な変形規則が見つからなかった場合(2012でNO)、変数「Found変形規則」に0を設定する(2015)。
【0097】
その後、見つかった同義語、反義語及び変形規則の中から一つを選び、摂動の種類を決定し(2016)、摂動の種類によって処理を振り分ける(2017)。すなわち、ステップ1006及び1012においては、摂動の種類を変えるので、異なる摂動を選択する。この場合、2以上の選択肢があれば、乱数によって摂動の種類を選択する。一方、ステップ1008及び1014においては、同種の摂動の中で摂動を変えるので、同じ摂動を選択する。
【0098】
選択された摂動の種類が同義語であれば、同義語テーブル401の同義語406から、ランダムに単語を選択し、選択された単語を変数Xに設定する(2018)。選択された摂動の種類が変形であれば、変形規則テーブル601の規則603によって、問題候補の単語を変形し、変形された単語を変数Xに設定する(2019)。選択された摂動の種類が反義語であれば、反義語テーブル501の反義語506から、ランダムに単語を選択し、選択された単語を変数Xに設定する(2020)。
【0099】
その後、Xを摂動後の単語として出力する(2021)。
【0100】
次に、第1の実施形態の学習支援装置101における習熟度推定、問題生成以外の付随的な処理について説明する。単語難易度テーブル生成処理(図14)及び難易度決定処理(図15)などの付随的な処理は、学習支援装置101のプロセッサ11が所定のプログラムを実行することによって行われるが、別の計算機で実行されてもよい。
【0101】
図14は、第1の実施形態における単語難易度テーブル301を生成する処理のフローチャートである。
【0102】
まず、教材ID(i)を1に初期設定する(1201)。その後、教材iに含まれる英文を単語に分解し、分解された各単語にID(j)を付す(1202)。
【0103】
次に、単語ID(j)を1に初期設定する(1203)。
【0104】
その後、単語jの初出年度を算出し、単語難易度テーブル301に登録する。すなわち、教材iのトランスクリプションの難易度204が単語難易度テーブル301に登録されている単語jの難易度304より小さければ、教材iのトランスクリプションの難易度204を単語jの難易度304として、単語難易度テーブル301に登録する。
【0105】
その後、次の単語を処理をするために、jに1を加算し(1205)、jが教材iに含まれる単語数を超えているかを判定する(1206)。その結果、jが教材iの単語数以下であれば、まだ処理されていない単語が教材i中にあるので、ステップ1204に戻り、次の単語を処理する。一方、jが教材iの単語数より大きければ、教材iに含まれる全ての単語の処理が完了しているので、次の教材を処理するために、iに1を加算する(1207)。
【0106】
その後、iが教材の数を超えているかを判定し(1208)、iが教材の数以下であれば、まだ処理されていない教材があるので、ステップ1202に戻り、次の教材を処理する。一方、iが教材の数を超えていれば、全ての教材の処理が完了しているので、単語難易度テーブル301をファイルとして出力し、記憶装置13に格納する。
【0107】
図15は、第1の実施形態における教材データベース104のトランスクリプションの難易度204を決定する処理のフローチャートである。
【0108】
まず、トランスクリプションの中から基本単語を除外する(1301)。ここで除外される基本単語は、例えば、”a”、”the”、”is”等の、英文中に頻繁に出現する単語である。
【0109】
その後、トランスクリプションに含まれる単語の語形を正規化する(1302)。例えば、各単語が複数形であれば単数形に変換し、過去形であれば現在形に変換する。この語形の正規化処理は公知の方法(例えば、徳永健伸著「情報検索と言語処理」東京大学出版などに開示されている方法)を利用することができる。
【0110】
次に、文ID(i)を1に初期設定し(1303)、単語ID(j)を1に初期設定する(1304)。
【0111】
その後、単語jが単語難易度テーブル301に登録されているか否かを判定する(1305)。単語jが単語難易度テーブル301に登録されていれば、単語難易度テーブル301を参照し、単語jの単語難易度304を取得する(1306)。
【0112】
一方、単語jが単語難易度テーブル301に登録されていなければ、当該文中の単語j以外の単語の難易度を単語難易度テーブル301から取得し、最も多くの単語が含まれる難易度を単語jの難易度と推定する(1307)。
【0113】
具体的には、文iに含まれる各単語の難易度が2、2、5、4、2、Xであり、難易度Xの単語は単語難易度テーブルに登録されていない場合、文iに含まれる単語のの難易度の頻度は、難易度=2が最も高いので、難易度Xを2と推定する。
【0114】
その後、次の単語を処理をするために、jに1を加算し(1308)、jが文iに含まれる単語数より大きいかを判定する(1309)。その結果、jが文iの単語数以下であれば、まだ処理されていない単語が文中にあるので、ステップ1305に戻り、次の単語を処理する。一方、jが文iの単語数よりおおきければ、文iに含まれる全ての単語の処理が終了しているので、単語の難易度を平均して文の難易度を計算する。
【0115】
その後、次の文を処理するために、iに1を加算し(1311)、iがトランスクリプションに含まれる文の数より大きいかを判定する(1208)。iが文の数以下であれば、まだ処理されていない文があるので、ステップ1304に戻り、次の文を処理する。一方、iが文の数より大きければ、トランスクリプションに含まれる全ての文の処理が終了しているので、文の難易度を平均してトランスクリプション(教材)の難易度を計算する(1313)。
【0116】
例えば、下式を用いてトランスクリプションの難易度を計算することができる。下式において、α及びβは、難易度が教材作成者が想定する学習学年になるように回帰式を用いて算出する。
トランスクリプションの難易度=α(単語の数/文の数)+β(単語難易度/単語の数)
【0117】
<実施形態1の変形例>
次に、第1の実施形態の変形例について説明する。本実施形態では、「摂動」の代わりにリエゾンを用いる。リエゾンとは、2つ以上の単語がある条件の下で連続して発声される際、単語と単語の境界に、各々の単語が単独で発声されたときには表れなかった音が現れる現象である。リエゾンが発生する条件は、後述するルールで規定され、ある特定の単語と単語が隣接しているときに発生するわけではない。従って、仮にリエゾンを含む問題文とその正しい解答を丸暗記しても、同じリエゾン発生ルールに基づく別の問題を正しく答えられるとは限らない。
【0118】
本実施形態では、リエゾンに関する正しい知識を獲得できたかどうか確認するため、同じリエゾンのルールに基づく別の問題を学習させる。このことにより、英文の理解力、特にヒヤリング力が向上することが期待できる。
【0119】
この変形例の学習支援装置101は、リエゾン規則テーブル(図16)、リエゾン統語規則テーブル(図17、図18)を有し、これらのテーブルを用いて問題生成処理(図20)を実行する。
【0120】
図16は、第1の実施形態の変形例のリエゾン規則テーブル1501の構造を説明する図である。
【0121】
リエゾン規則テーブル1501は、リエゾンに関する規則が定義されるテーブルであり、ルール番号1502及びルール1503を含む。リエゾンとは、単語同士のつながりで、子音の終わりと、母音の始まりが結合して発音されることである。
【0122】
リエゾン規則テーブル1501は、問題作成部105に含まれている。なお、問題作成部105がアクセス可能なように、問題作成部105とは別に、リエゾン規則テーブル1501が記憶装置13に格納されてもよい。
【0123】
リエゾン規則テーブル1501は、ルール番号1502及びルール1503を含む。
【0124】
ルール番号1502は、ルールを一意に識別するための識別子である。ルールは問題作成時のリエゾンの発生に関するルールである。図16には、例として13個のルールを示す。
【0125】
例えば、ルール1は、(.)、(,)、(’)、(“)、(!)、(?)で終わる文字列は、文又は文節の切れ目なので、当該文字列の後にはリエゾンは発生しないことを定めるルールである。
【0126】
ルール2は、単語が(‘s)、(‘ll)、(‘d)、(‘ve)、(‘t)、(‘re)、(‘m)を含む場合、当該単語は変化型である(又は、他の変化型がある)ので、リエゾンが発生することを定めるルールである。
【0127】
ルール3は、数詞の後にはリエゾンが発生しないことを定めるルールである。
【0128】
ルール4は、前の単語が子音で終わり、次の単語が母音で始まる場合、その子音は母音に繋がって発音されるので、リエゾンが発生することを定めるルールである。
【0129】
ルール5は、前の単語が子音+(e)で終わる場合、(e)が発音されないので、リエゾンが発生することを定めるルールである。
【0130】
ルール6は、(t)や(d)が二つの子音に挟まれると、当該(t)、(d)は発音されないので、リエゾンが発生することを定めるルールである。
【0131】
ルール7は、前の単語が(s)、(z)、(se)、(ze)、(ce)で終わり、その単語が(s)、(z)で始まる場合、s−音は通常より長く発音されるので、リエゾンが発生することを定めるルールである。
【0132】
ルール8は、前の単語が子音で終わり、その単語が同じ子音で始まる場合、当該子音は通常より長く発音されるので、リエゾンが発生することを定めるルールである。
【0133】
ルール9は、前の単語が母音で終わり、その単語が母音で始まる場合、j−音やw−音が母音の間に追加されるので、リエゾンが発生することを定めるルールである。
【0134】
ルール10は、前の単語が(s)、(z)、(ce)で終わり、その単語が(y)、(w)で始まる場合、s−音とy−音はsh−音となり、s−音とw−音はsw−音となるので、リエゾンが発生することを定めるルールである。
【0135】
ルール11は、前の単語が(w)で終わり、その単語が母音で始まる場合、w−音が母音に付加されるので、リエゾンが発生することを定めるルールである。
【0136】
ルール12は、前の単語が(d)、(to)で終わり、その単語が(d)、(t)、(b)、(p)で始まる場合、(d)や(to)には声門閉鎖(異音)が生じるので、リエゾンが発生することを定めるルールである。
【0137】
ルール13は、前の単語が(d)や(to)で終わり、その単語が(y)で始まる場合、二つの文字は統合され、j−音やch−音を生成するので、リエゾンが発生することを定めるルールである。
【0138】
図17は、第1の実施形態の変形例のリエゾン統語規則テーブル(Bigramテーブル1700)の構造を説明する図である。
【0139】
Bigramテーブル1700は、教材IDごとのテーブルを含む。教材ID毎のテーブル(例えば、教材ID=1のテーブル1701)は、教材ID1702、行を構成する単語1703〜1705及び列を構成する単語1706、1707を含む。
【0140】
Bigramテーブル1700は、行を構成する単語の次に列を構成する単語が登場する組み合わせの数を示す。例えば、ID=1の教材には、"in" の後に"great"がある組み合わせが3回、"discuss"の後に"great"がある組み合わせが4回登場したことを意味する。
【0141】
Bigramテーブル1700を用いることによって、問題生成処理(図20)において、同一の単語の組み(すなわち、同一のリエゾン構造)を持つ教材を特定することができる。
【0142】
図18は、第1の実施形態の変形例のリエゾン統語規則テーブル(リエゾン候補位置テーブル1800)の構造を説明する図である。
【0143】
リエゾン候補位置テーブル1800は、教材IDごとのテーブルを含む。教材ID毎のテーブル(例えば、教材ID=1のテーブル1801)は、教材ID1802、規則ID1803、前置単語位置1804、前置単語1805、後続単語1(1806)、 後続単語2(1807)及び 後続単語3(1808)を含む。
【0144】
規則ID1803は、規則を一意に識別するための識別子である。前置単語位置1804は、前置単語1805の教材(トランスクリプション)中の位置(すなわち、始めからの語の位置)を示す。前置単語1805は、後続単語1806〜1808の前に登場する単語である。後続単語1〜3(1806〜1808)は、前置単語1805の後に登場する単語である。具体的には、後続単語1(1806)は前置単語1805の直後に登場する単語であり、後続単語2(1807)は後続単語1(1806)の直後に登場する単語であり、後続単語3(1808)は後続単語2(1807)の直後に登場する単語である。後続単語の欄の数は、図示したリエゾン統語規則テーブルでは、3であるが、3より多くても少なくてもよい。
【0145】
なお、後続する単語がない、又は、後続する単語との間でリエゾンが発生しない場合、NULLが登録される。
【0146】
図19は、第1の実施形態の変形例におけるリエゾン統語規則テーブルを生成する処理のフローチャートである。
【0147】
まず、教材ID(i)を初期値である1に設定し(1401)、単語ID(j,k)を初期値である(1,2)に設定する(1402)。この設定によって、1番目の単語と隣接する2番目の単語とが比較される。
【0148】
その後、メモリ12に格納されている、j番目の単語とk番目の単語との組み合わせの数に1を加算する(1403)。そして、次の単語の組み合わせを処理をするために、j及びkにそれぞれ1を加算する(1404)。
【0149】
そして、単語ID(j,k)を教材iに含まれる単語の数Wと比較し(1405)、単語ID(j,k)のいずれもが単語数W以下であれば、次の単語の組み合わせを処理するために、ステップ1403に戻る。一方、単語ID(j,k)のいずれかが単語数Wを超えていれば、すべての単語の組み合わせについての処理が終了したので、集計された組み合わせの数を用いてbigramテーブル1700を作成する(1406)。
【0150】
その後、リエゾン規則テーブル1501を参照し、リエゾン候補をリエゾン候補位置テーブル1800に格納する(1407)。すなわち、j番目の単語とk番目の単語との組み合わせがリエゾン規則テーブル1501のルール1503のいずれかと一致するかを判定し、リエゾンが発生することを定めたルール1503と一致する場合、リエゾン候補位置テーブル1800の前置単語位置1804にjを登録し、前置単語1805にj番目の単語を登録し、後続単語1(1806)にi番目の単語を登録する。
【0151】
また、i番目の単語の後の単語が後続単語である場合、i+1番目の単語が後続単語2(1807)に登録され、i+2番目の単語が後続単語3(1808)に登録される。なお、後続単語とは、前述したように、前置単語との間でリエゾンが発生する、又は、後続単語間でリエゾンが発生する単語である。
【0152】
その後、次の教材の処理をするために、iに1を加算し(1408)、iが教材数Nより大きいかを判定する(1409)。その結果、iが教材数N以下であれば、まだ処理されていない教材があるので、ステップ1402に戻り、次の単語を処理する。一方、iが教材数Nより大きければ、全ての教材の処理が完了しているので、bigramテーブル1700及びリエゾン頻度テーブルを含むリエゾン統語規則テーブルをファイルとして出力し、記憶装置13に格納する。
【0153】
図20は、第1の実施形態の変形例の問題生成部105及び問題提示部112によって実行される問題生成処理のフローチャートであり、前述した問題生成処理(図12A及び図12B)に代わって実行される。
【0154】
まず、問題ID(i)を初期値である1に設定する(1601)。その後、問題iの習熟度によって処理を振り分ける(1602)。
【0155】
問題iの習熟度が1であれば、問題iに含まれる単語を含む問題を教材DB104から抽出し、問題候補に追加し(1608)、ステップ1610に進む。
【0156】
問題iの習熟度が2であれば、語彙難易度テーブル301を参照し、学習者xが学習すべき単語を問題候補にランダムに追加し(1609)、ステップ1610に進む。
【0157】
ステップ1610では、問題提示部112は、学習者の要望に応じて、問題候補を絞り込み問題として出力する。例えば、学習者の要望は、学習時間、問題数などである。
【0158】
一方、問題iの習熟度が3以上であれば、リエゾン規則テーブル1501を参照し、問題iはリエゾンか否かを判定する(1603)。
【0159】
問題iがリエゾンであれば、リエゾン規則テーブル1501を参照し、教材DB104から同一のリエゾンルールを含む問題文を抽出し、問題候補に追加する(1604)。その後、過去に誤答した特定の単語の組であるか否かを判定する(1605)。
【0160】
その結果、過去に誤答した特定の単語の組であれば、リエゾン統語規則テーブル(bigramテーブル)1700を参照し、教材DB104から同一の単語の組みを持つ問題文を抽出し、問題候補に追加し(1606)、ステップ1610に進む。
【0161】
一方、過去に誤答した特定の単語の組でなければ、摂動規則データベース106を参照し、教材DB104中の問題文を変形し、問題候補に追加し(1607)、ステップ1610に進む。
【0162】
以上に説明したように、本発明の第1の実施形態によると、問題の正誤、解答遅延時間、摂動種の種類、連続正解回数及び連続誤答回数に基づいて、学習者の弱点を見つけ、習熟度を判定し、習熟度に適する問題を出題するので、学習効率を向上することができる。
【0163】
また、摂動を用いた変形によって、問題と正解に関する記憶の影響をキャンセルするので、より学習効率が高い問題を出題することができる。
【0164】
また、リエゾンを用いた変形によって、リエゾンに対する学習効率が高い問題を出題することができる。
【0165】
<実施形態2>
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
【0166】
第2の実施形態は、学習用教材難易度提示部1102を有する点で前述した第1の実施形態と異なり、その他の点では同一である。よって、同一の構成及び処理には同じ符号を付し、それらの説明は省略する。
【0167】
図21は、第2の実施形態の学習支援装置1101の構成を示す機能ブロック図である。
【0168】
第1の実施形態の学習支援装置101は、学習用教材難易度提示部1102、教材選択部103、問題生成部105、解答取得部107、採点部108、習熟度推定部109及び問題提示部112を有する。これらの各部は、プロセッサ11が、所定のプログラムを実行することによって実装される。
【0169】
記憶装置13は、教材データベース104(図3参照)、摂動規則データベース106(図5、図6、図7参照)、学習履歴データベース110(図9参照)及び問題データベース111(図8参照)を格納する。
【0170】
学習用教材難易度提示部1102は、習熟度推定部109から取得した習熟度及び学習履歴に基づいて、教材データベース104及び問題データベース111を参照して、学習者に適する難易度を判定する。学習用教材難易度提示部1102によって判定された難易度は、教材選択部103に入力される。
【0171】
学習用教材難易度提示部1102による難易度の判定は、例えば、図15を用いて説明した難易度計算処理と同様の方法を用いることができる。また、第1の実施形態と同様に、学習者113から入力された年齢や学年に基づいて,出題される問題の難易度を推定してもよい。
【0172】
以上に説明したように、本発明の第2の実施形態によると、前述した第1の実施形態の効果に加え、習熟度及び学習履歴に基づいて学習者に適する難易度を判定するので、難易度を入力する手間を省き、より学習効率が高い問題を出題することができる。
【0173】
以上、本発明の実施形態について、英語の問題を取り扱う場合を説明したが、他の言語でも、問題となる単語を摂動によって変化させて他の問題を生成することができる言語であれば、本発明の実施形態の学習支援システムを適用できる。
【符号の説明】
【0174】
11 プロセッサ(CPU)
12 メモリ
13 記憶装置(HDD)
14 入力インターフェース
15 出力インターフェース
101 学習支援装置
102 難易度入力部
103 教材選択部
104 教材データベース
105 問題生成部
106 摂動規則データベース
107 解答取得部
108 採点部
109 習熟度推定部
110 学習履歴データベース
111 問題データベース
112 問題提示部
1102 学習用教材難易度提示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサ及びメモリを備える計算機によって構成される学習支援システムであって、
解答者に出題される問題が格納される問題データベース、及び、解答者に出題された問題の解答の結果が記録される学習履歴データベースを備え、
単語を変化させる摂動によって変化した単語に関する問題を生成し、問題データベースに格納する問題生成部と、
前記問題データベースから抽出した問題を解答者に出題する問題提示部と、
前記出題した問題の解答を受け付ける解答取得部と、
前記回答データベースを参照して解答の正誤を判定する採点部と、
前記判定の結果を前記学習履歴データベースに格納する習熟度推定部と、を備え、
前記習熟度推定部は、正解した問題の摂動の種類の数と所定の第2の閾値とを比較し、
前記問題生成部は、前記正解した問題の摂動の種類の数が前記第2の閾値より小さい場合、種類が異なる摂動によって変化した単語を生成し、該生成された単語に関する問題を問題候補とすることを特徴とする学習支援システム。
【請求項2】
前記習熟度判定部は、前記正解した問題の摂動の種類の数を計算するために、
前記問題データベースを参照し、前記問題が摂動によって生成され、かつ、前記摂動の元となった問題が同じである問題を取得し、
前記取得した問題の摂動の種類を前記問題データベースから取得し、
前記取得された問題の摂動の種類を集計することを特徴とする請求項1に記載の学習支援システム。
【請求項3】
前記学習支援システムは、同義語、反義語及び変形規則のいずれか二つ以上の摂動の種類を含む摂動規則データベースを有し、
前記問題生成部は、前記種類が異なる摂動によって変化した単語に関する問題を問題候補とするために、
問題となる単語を前記摂動規則データベースから選択し、
前記選択された単語の変形を前記摂動規則データベースから、乱数によって選択し、
前記選択された変形をした単語に関する問題を生成することを特徴とする請求項1に記載の学習支援システム。
【請求項4】
前記習熟度判定部は、
前記学習履歴データベースを参照して、連続正答回数と所定の第1の閾値とを比較し、
前記連続正答回数が所定の第1の閾値より大きい場合、前記正解した問題の摂動の種類の数と前記第2の閾値とを比較する処理を行い、
前記問題生成部は、前記連続正答回数が前記第1の閾値以下である場合、正解した問題と摂動の種類が同一で、摂動が異なる単語に関する問題を問題候補とすることを特徴とする請求項1に記載の学習支援システム。
【請求項5】
前記解答取得部は、問題が解答者に提示されてから解答の入力が完了するまでの解答遅延時間を測定し、
前記習熟度判定部は、
前記学習履歴データベースを参照して、解答が入力された問題が正解であるか否かを判定し、
当該問題が正解である場合、前記連続正答回数と前記第1の閾値とを比較する処理を行い、
当該問題が誤答である場合、前記学習履歴データベースを参照して、当該問題の解答遅延時間と所定の第4の閾値とを比較し、
前記問題生成部は、前記解答遅延時間が前記第4の閾値より大きい場合、話速が遅く、かつ、当該問題の正解の単語を含む問題を問題候補とすることを特徴とする請求項4に記載の学習支援システム。
【請求項6】
前記習熟度判定部は、前記解答遅延時間が前記第4の閾値以下である場合、誤答した問題の摂動の種類の数と所定の第5の閾値とを比較し、
前記問題生成部は、前記正解した問題の摂動の種類の数が前記第5の閾値より大きい場合、種類が異なる摂動によって変化した単語を生成し、該生成された単語に関する問題を問題候補とすることを特徴とする請求項5に記載の学習支援システム。
【請求項7】
前記習熟度判定部は、前記正解した問題の摂動の種類の数が前記第5の閾値より小さい場合、前記学習履歴データベースを参照して、連続誤答回数と所定の第6の閾値とを比較し、
前記問題生成部は、
前記連続誤答回数が前記第6の閾値より大きい場合、正解した問題と摂動の種類が同一で、摂動が異なる単語に関する問題を問題候補とし、
前記連続誤答回数が前記第6の閾値より小さい場合、前記解答が入力された問題と同じ問題を問題候補とすることを特徴とする請求項6に記載の学習支援システム。
【請求項8】
プロセッサ及びメモリを備える計算機によって構成される学習支援システムによって実行される学習支援方法であって、
前記学習支援システムは、解答者に出題される問題が格納される問題データベース、及び、解答者に出題された問題の解答の結果が記録される学習履歴データベースを有し、
前記方法は、
単語を変化させる摂動によって変化した単語に関する問題を生成し、問題データベースに格納する問題生成ステップと、
前記問題データベースから抽出した問題を解答者に出題する問題提示ステップと、
前記出題した問題の解答を受け付ける解答取得ステップと、
前記回答データベースを参照して解答の正誤を判定する採点ステップと、
前記判定の結果を前記学習履歴データベースに格納する習熟度推定ステップと、を含み、
前記習熟度推定ステップでは、正解した問題の摂動の種類の数と所定の第2の閾値とを比較し、
前記問題生成ステップでは、前記正解した問題の摂動の種類の数が前記第2の閾値より小さい場合、種類が異なる摂動によって変化した単語を生成し、該生成された単語に関する問題を問題候補とすることを特徴とする学習支援方法。
【請求項9】
前記習熟度判定ステップでは、
前記問題データベースを参照し、前記問題が摂動によって生成され、かつ、前記摂動の元となった問題が同じである問題を取得し、
前記取得した問題の摂動の種類を前記問題データベースから取得し、
前記取得された問題の摂動の種類を集計することによって、
前記正解した問題の摂動の種類の数を計算することを特徴とする請求項8に記載の学習支援方法。
【請求項10】
前記学習支援システムは、同義語、反義語及び変形規則のいずれか二つ以上の摂動の種類を含む摂動規則データベースを有し、
前記問題生成ステップでは、
問題となる単語を前記摂動規則データベースから選択し、
前記選択された単語の変形を前記摂動規則データベースから、乱数によって選択し、
前記選択された変形をした単語に関する問題を生成することによって、
前記種類が異なる摂動によって変化した単語に関する問題を問題候補とすることを特徴とする請求項8に記載の学習支援方法。
【請求項11】
前記習熟度判定ステップでは、
前記学習履歴データベースを参照して、連続正答回数と所定の第1の閾値とを比較し、
前記連続正答回数が所定の第1の閾値より大きい場合、前記正解した問題の摂動の種類の数と前記第2の閾値とを比較する処理を行い、
前記問題生成ステップでは、前記連続正答回数が前記第1の閾値以下である場合、正解した問題と摂動の種類が同一で、摂動が異なる単語に関する問題を問題候補とすることを特徴とする請求項8に記載の学習支援方法。
【請求項12】
前記解答取得ステップでは、問題が解答者に提示されてから解答の入力が完了するまでの解答遅延時間を測定し、
前記習熟度判定ステップでは、
前記学習履歴データベースを参照して、解答が入力された問題が正解であるか否かを判定し、
当該問題が正解である場合、前記連続正答回数と前記第1の閾値とを比較する処理を行い、
当該問題が誤答である場合、前記学習履歴データベースを参照して、当該問題の解答遅延時間と所定の第4の閾値とを比較し、
前記問題生成ステップでは、前記解答遅延時間が前記第4の閾値より大きい場合、話速が遅く、かつ、当該問題の正解の単語を含む問題を問題候補とすることを特徴とする請求項11に記載の学習支援方法。
【請求項13】
前記習熟度判定ステップでは、前記解答遅延時間が前記第4の閾値以下である場合、誤答した問題の摂動の種類の数と所定の第5の閾値とを比較し、
前記問題生成ステップでは、前記正解した問題の摂動の種類の数が前記第5の閾値より大きい場合、種類が異なる摂動によって変化した単語を生成し、該生成された単語に関する問題を問題候補とすることを特徴とする請求項12に記載の学習支援方法。
【請求項14】
前記習熟度判定ステップでは、前記正解した問題の摂動の種類の数が前記第5の閾値より小さい場合、前記学習履歴データベースを参照して、連続誤答回数と所定の第6の閾値とを比較し、
前記問題生成ステップでは、
前記連続誤答回数が前記第6の閾値より大きい場合、正解した問題と摂動の種類が同一で、摂動が異なる単語に関する問題を問題候補とし、
前記連続誤答回数が前記第6の閾値より小さい場合、前記解答が入力された問題と同じ問題を問題候補とすることを特徴とする請求項13に記載の学習支援方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12A】
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【図12B】
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【図13A】
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【図13B】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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