説明

工作機械

【課題】 停電時の動圧軸受けにおけるかじり現象を回避することを可能とした工作機械を提供する。
【解決手段】 工作機械は、砥石11を砥石軸9回りへ回転させる砥石モータ7と、砥石軸9に潤滑油を圧送する潤滑油ポンプ13とを備える。停電が発生し、砥石モータ7への電力供給が止まった後も、砥石11の慣性モーメントが大きいため砥石モータ7は慣性回転を続ける。この間に砥石モータ7が生成した回生電力を潤滑油ポンプ13に供給し、動圧軸受けへの潤滑油の供給を継続させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、停電時において動圧軸受けを有する工作機械を安全に停止させる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、工作機械において油を使用した動圧軸受けを利用するものがある。動圧軸受けは、重力により油を軸受け部に滴下するものや軸受に潤滑油を圧送する潤滑油ポンプを備え、軸を油に浮かせた状態で回転させる技術である。このような動圧軸受けを有する工作機械として、砥石を回転させる軸を動圧軸受けとした研削盤がある。
【0003】
通常、砥石を回転させる回転数としては、1000rpm程度のものが多く、中には6000rpmの高速回転をするものが現れて来ている。高速度に砥石を回転させる装置においては、油の供給が重力による滴下では足りない状況が発生し、潤滑油ポンプを用いて強制的に油を軸受け部へ送っている。
【0004】
この種の研削盤の使用中において、砥石モータ及び潤滑油ポンプへの電力供給が電気供給系統の停電が起こったとき、回転中の砥石はこれに連動する慣性モーメントが比較的大きいことから、砥石モータから駆動力を付与されないでも、数分程度フリーランする。一方、潤滑油ポンプは慣性モーメントが比較的小さいことや送液負荷が大きいため、殆ど一瞬のうちにその回転が停止する。
【0005】
潤滑油ポンプの回転が停止すると、潤滑油ポンプから砥石軸の軸受への潤滑油の圧送が直ちに停止されるため、回転中の砥石軸の円滑な回転を確保する上で必要となる砥石軸と軸受との間の油量が不足し、両者が直接接触することとなって、砥石軸と軸受との間にかじり現象が発生する。
【0006】
なお、本発明の技術水準を示す公知資料として、次の特許文献1〜4などがある。
【特許文献1】特開2000−61788号公報
【特許文献2】特開2001−179579号公報
【特許文献3】特開2002−331441号公報
【特許文献4】特開2004−106119号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記のような問題点に鑑みて創案したものであって、砥石モータや潤滑油ポンプへの給電停止による砥石軸とその軸受との間のかじり現象を防止することを可能とした工作機械を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、この発明に係る工作機械は、交流電力供給系統から給電を受け砥石を砥石軸回りへ回転させる電動機と、砥石軸を支承する動圧軸と、交流電力供給系統から給電を受け前記動圧軸受内に潤滑油を圧送する電動機と交流電力供給系統の給電停止に応答して前記電動機の逆起電力を直流電圧に変換する交直変換回路と、前記交直変換回路から給電を受け、前記交流電力供給系統からの給電に変えて潤滑油を圧送する電動機に給電する回路を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、砥石モータや潤滑油ポンプへの給電停止時における砥石軸とその軸受との間のかじり現象を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を以ってこの発明の実施の形態を説明する。
図1は本実施例に係る研削盤の平面図である。
この図において、1はベッド、2はワークテーブル、3はベッド1上にて動力による図中X、Z方向の送り移動を行う砥石台である。
【0011】
ワークテーブル2の一端には動力で回転される主軸4と、ワークwの一端を支持するための主軸センタ5が設けられており、またワークテーブル2の他端には、主軸センタ5との間にワークwを挟み支持するための心押しセンタ6がZ方向に押圧調整可能に設けられている。
【0012】
砥石台3上には砥石モータ7及び軸受8が固定されると共に砥石モータ7の出力軸と、軸受8に回転自在に支承された砥石軸9とがベルト伝動機構10を介して連動可能に結合されている。なお、砥石モータ7で砥石軸9をダイレクトドライブしても差し支えない。
【0013】
軸受9は公知の非真円楔型動圧軸受である。砥石軸9の一端には砥石軸9と同心状に円盤状の砥石11が固定されている。12はベッド1の近傍に設置された潤滑油タンクであり、これの上面には軸受8などに潤滑油タンク12内の潤滑油を供給するための送液ポンプである潤滑油ポンプ13が設けられている。14は研削液タンクであり、これの上面には研削液タンク14内の研削液を砥石11近傍に流出させるための送液ポンプである研削液ポンプ15が設けられると共に研削液を洗浄液としてベッド頂面(床面)1a上に開口14a、14b(図中、ベッド頂面1a上下の端部)から流出させるための洗浄液ポンプ16が設けられている。
【0014】
図2は砥石モータ7及び潤滑油ポンプ13及びその給電系統を示す説明図である。
17は第1電源回路であり、三相の商用電源ライン(電力供給系統)18から電源スイッチ19及び電磁スイッチ20を経てこれの入力端子a1に給電される。第1電源回路17の出力端子a2は、任意な周波数で交流電圧が砥石モータ7に供給される。
【0015】
第1電源回路17には、指令入力端子a3には操作盤SB(図1)からの指令が入力され、内部の周波数変換回路(交直変換回路40、直交変換回路41)により出力端子a2からこの指令に対応した周波数の交流電圧を出力する。交流電圧は三相であり、回転磁界を作るものである。砥石モータ7は、三相電動機であり、第1電源回路17からの交流周波数によって回転速度が制御される。このように、商用の交流電圧の周波数を変換しているのは、研削加工により砥石の半径が減少して砥石の周速が変化することを防止し、一定の周速を保つためである。
【0016】
第1電源回路17内には、さらに交直変換回路22を有しており、第1電源回路17への給電停止(端子a1の電源の消失)に応答して、砥石モータ7の逆起電力により生成された交流電圧を入力し、これを直流電圧に変換し、出力端子a4へ出力する。変換された直流電圧は、交直変換回路22の電源としても利用される。
【0017】
給電停止検出回路38は、電磁リレーで構成されたスイッチであり、第1電源回路17の出力端子a4からの直流を通常時には出力端子c1へ、停電時にはこれを検出して出力端子c2へ結合する。
【0018】
第2電源回路23は、三相の商用電源ライン18から電磁スイッチ24を経てこれの入力端子b1に給電される。そして出力端子b2から出力された任意周波数の交流電圧が潤滑油ポンプ13の駆動モータ13aに供給する。
【0019】
第2電源回路の指令入力端子b3には操作盤SBからの指令が入力され、内部の交直変換回路42及び直交変換回路43により出力端子b2からこの指令に対応した周波数の交流電圧を出力する。この交流電圧も三相であり、回転磁界を作るものである。また、駆動モータ13aも三相電動機であってこの周波数によって回転速度を決定される。
【0020】
第2電源回路23には、補助電源入力端子b5が設けられており、給電停止検出回路38の出力端子c2に接続されている。入力端子b5からの直流電圧は、逆流防止回路を経由して直交変換回路43に接続している。従って、停電時において交直変換回路42が停止した時に、直交変換回路43は直流電圧を補助電源入力端子b5から入力し出力端子b2へ交流電圧を出力し続けることができる。
【0021】
26aは潤滑油ポンプ13により潤滑油を圧送される潤滑油系統で、26bは軸受8から漏れ出た潤滑油を潤滑油タンク12内へ戻す系統であり、27は潤滑油系統26aの末端で軸受8内の潤滑油の圧力を検出する圧力検出スイッチである。
【0022】
第3電源回路34は、電磁スイッチ35を経由して三相交流が入力端子d1に供給されている。第3電源回路34の指令入力端子d3には操作盤SBからの指令が入力され、内部の交直変換回路36及び直交変換回路37により出力端子d2からこの指令に対応した周波数の交流電圧を出力する。この交流電圧は三相であり、回転磁界を作るものである。また、洗浄液ポンプ16の駆動モータ13bは三相電動機であってこの周波数によって回転速度を決定される。
【0023】
第3電源回路34には、補助電源入力端子d5が設けられており、給電停止検出回路の出力端子c1に接続されている。入力端子d5からの直流電圧は、逆流防止回路を経由して直交変換回路37に接続している。
【0024】
29aは洗浄液ポンプ16により洗浄液としての研削液を圧送される研削液系統で、29bはベッド頂面1aの研削屑や洗浄液を研削液タンク14内へ戻す系統である。
【0025】
研削盤で複数のワークwを加工する場合の使用例について説明する。
【0026】
電源スイッチ19を投入する。これに連動して、操作盤SBは、電磁スイッチ20、24、35をオンさせる。操作盤SBの砥石モータ7用の始動スイッチが入ると、先ず電磁スイッチ24が入り作動されて潤滑油ポンプ13の駆動モータ13aを始動させる。これにより、潤滑油系統26aや圧力スイッチ27位置を経て潤滑油が軸受8内に供給される。そして、軸受8内において潤滑油の圧力が上昇し、圧力検出スイッチ27が入り作動したことを検出すると、操作盤SBは砥石モータ7の起動指令が指令入力端子a3を経て第1電源回路17に入力する。これにより、第1電源回路17は出力端子a2から交流電圧を出力し、砥石モータ7を交流周波数に対応した回転速度で回転する。
【0027】
操作盤SBは、研削開始スイッチがオンされたことを検出すると、砥石台3が初期位置から前進し、ワークwの研削を実行する。そして第1ワークwの研削が終了した時、操作盤SBは砥石台3を初期位置へ向け後退させる。
【0028】
この後退が開始されたことに関連して操作盤SBは、電磁スイッチ20、35を同時に切り作動させ、砥石モータ7への商用電源ライン18からの電力供給が同時に停止させる。
【0029】
この状態では、第1電源回路17及び第2電源回路34への電力供給が停止される。これにより、砥石モータ7は逆起電力による回生交流電圧を生成する。この回生交流電圧は第1電源回路17の交直変換回路22に供給される。交直変換回路22はこの回生交流電圧を直流電圧に変換し、出力端子a4へ出力する。
【0030】
交直変換回路22の生成した直流電圧は電線21及び給電停止検出回路38へ送られる。給電停止検出回路38は、停電状態を検出していないので、端子c1を経て第3電源回路34の補助入力端子d5に接続する。交直変換回路22からの直流電圧を交流電圧に直交変換回路37により変換し、洗浄液ポンプ16の駆動モータ13bに供給する。これにより、砥石モータ7の運転停止中に洗浄液は開口14a(14b)からベッド頂面1a上へ連続的に供給される。
【0031】
回生電圧による洗浄液ポンプ16の回転は、砥石11の回転速度が低下するに伴って減速していく。この回生電圧が一定程度以下になると洗浄液ポンプ16は停止する。この結果、砥石モータ7の停止時に砥石モータ7による回生電圧により洗浄液ポンプ16への給電行われることにより、無駄な電力消費が回避される。
【0032】
次に、操作盤SBは、砥石モータ7用の停止スイッチのオンを検出すると、砥石モータ7の停止指令が指令入力端子a3を経て第1電源回路17に入力される。これにより、第1電源回路17は交流電圧の出力を停止し、砥石モータ7への電力供給が停止される。
【0033】
一方では、砥石モータ7用の停止スイッチが入り作動されたことに関連して、操作盤SB内のタイマーが作動して、タイマーの設定秒数が経過した後、電磁スイッチ24を切り状態とする。タイマーには、砥石軸9の回転が停止あるいは、砥石軸9の焼き付きに支障の無い回転速度まで減速する時間が予め設定されており、タイマーの設定時間の間は軸受8内には必要な潤滑油が継続的に供給されることにより軸受8内での砥石軸9の焼き付きが回避される。
【0034】
次に研削盤の砥石モータ7の回転作動中において、停電により商用電源ライン18からの電力供給が絶たれたときの作動について説明する。停電は、電源スイッチ19よりも上流側で起こるものであるが、本装置においては、商用給電ライン18上での電位消失として扱う。
【0035】
停電により第1電源回路17及び第2電源回路23は電力供給ができなくなる。これにより、砥石モータ7は大きな回転質量により慣性回転状態となる。この状態の下で、砥石モータ7は、逆起電力による交流電圧を生成する。この逆起電力は、第1電源回路17の出力端子a2を経て交直変換回路22に入力される。交直変換回路22は直流電圧に変換し、出力端子a4へ出力する。
【0036】
一方、交直変換回路22の生成した直流電圧は電線21を経由して給電停止検出回路38に与えられる。交直変換回路22は、停電を検出しているので、これを端子c2へ接続する。この結果、補助入力端子b5を経て直交変換回路43に直流電圧が入力される。直交変換回路43はこの直流電圧を、停電直前まで第2電源回路23が供給していた周波数を引き継いで交流に変換し出力端子b2に出力する。この交流電圧は潤滑油ポンプ13に供給され、潤滑油ポンプ13は商用電源ライン18の給電停止前から連続して回転作動し、潤滑油は軸受8へ連続的に供給される。
【0037】
回生電力による潤滑油ポンプ13の回転は、砥石11の回転速度が低下するに伴って減速するものの、例えば30秒間以上に亘って継続される。一方、砥石モータ7の回生電圧が潤滑油ポンプ13の駆動に消費されることよる制動を受け、砥石軸9の回転は減速される。この結果、軸受8内での砥石軸9の焼き付きが防止される。特に砥石軸9のかじり現象が生じ易い領域である砥石軸9の高速回転領域において砥石軸9のかじりの防止が、砥石11などの慣性エネルギーを回収し、かつ制動をかけることができる。
【0038】
なお、商用電源ライン18の電力供給が復帰したときには、砥石モータ7用の始動スイッチが再び入り作動されるまでは、商用電源ライン18の電力が砥石モータ7や潤滑油ポンプ13に供給されない回路構成としておくのがよい。
【0039】
〈実験例〉
研削盤の実験機を製作して停電時の性能の確認を行った。本実験例においては第1電源回路17として、汎用インバータ7.5kw用を使用した。この製品は上記した入力端子a1、出力端子a2、指令入力端子a3及び出力端子a4を具備している。また、第2電源回路23として、汎用インバータ0.4kw用を使用した。この製品は上記した入力端子b1、出力端子b2、指令入力端子b3を具備するほか、補助入力端子として使用し得る端子b5を具備している。
【0040】
図3は、砥石モータ7及び滑油ポンプ13に入力される電源位置での周波数を示している。図中、SL1は砥石モータ7の電源周波数変化を示しており、SL2は、滑油ポンプ13の電源周波数変化を示している。尚、SL3は両者のT2以降の変化である。時刻T1において、商用電源ライン18からの給電により砥石モータ7及び潤滑油ポンプ13が回転作動している状態の下で商用電源ライン18が送電を停止する。時刻T2は、砥石モータ7による逆起電力が消失した時点を示している。
【0041】
潤滑油モータ13aは回生電圧により略37秒間回転作動することが確認された。このさい、砥石モータ7の生成する交流電圧の周波数Hzは、時点T1では50ヘルツであるが、時間経過により直線的に低下し時点T2では50ヘルツ〜15ヘルツの範囲内で低下した。また砥石モータ7の回生電力により潤滑油ポンプ13に供給される交流電力の周波数Hzは直線SL2で示すように、時点T1では60ヘルツであるが、時間経過により直線的に低下し時点T2では約40ヘルツ程度に留まっており、潤滑油ポンプの運転への影響は少ない。直線SL2が低下したのは、本実験例で使用した汎用インバータが、補助入力端子b5の直流電圧の低下に伴い、出力周波数が低下する特性を持つためである。
【0042】
時点T2以後は、潤滑油ポンプを回転作動させ得る電力は消失しているが、砥石モータ7の回転数は3分の1程度に低下しているので、油圧ポンプ潤滑油ポンプを可動させなくてもかじりの現象を避けることができた。尚、時刻T2以降は、砥石11はフリーラン状態となり、しばらく回転した後に停止した。上記のように回生電力が潤滑油ポンプの作動に消費されることにより、回転速度を十分に低下させるまで潤滑油の供給を継続できることが確認された。
【0043】
また、上記実施例においては、砥石モータ7を一旦、直流に変換した後に交流に変換したが、これは砥石モータ7と潤滑油ポンプ13の電動機への電源周波数が異なるためである。本実施例においては、直交変換回路43の入力に直接加えることにより、直交変換回路43は三相の商用電源ライン18が停電状態となったことに寄らないで、そのまま同じ周波数を引き継いで可動している。これにより、潤滑油ポンプ13の周波数が激減することが無い。
【0044】
潤滑油ポンプ13が直流電動機である場合には、交直変換回路42から潤滑油ポンプ13を駆動することとなるが、回転数は電圧によるものとなるため、交直変換回路42からの直流電圧と交直変換回路22からの直流電圧とは、停電時において同一のものとなるように設定しておけば良い。洗浄液ポンプ16が直流電動機である場合も同様である。
【0045】
また、上記実施例においては、給電停止検出回路を設けて、交流電力供給系統の停電停止時以外は砥石モータの回生電力を洗浄液ポンプへ送るものとしたが、給電停止検出回路を省いて出力端子a4と補助入力端子b5とを直接接続して、交流電力供給系統の給電停止時に砥石モータの回生電力を潤滑油ポンプで利用するものとしても良い。あるいは、逆に、出力端子a4と補助入力端子d5とを直接接続して、交流電力供給系統の給電停止時に砥石モータの回生電力を、交流電力供給系統の停電停止時に砥石モータの回生電力を洗浄液ポンプで利用するものとしても良い。
【0046】
尚、上記実施例においては、三相の商用電源ライン18を交流電力供給系統としたが、二相の商用電源ラインであっても良く、この場合は、直交変換器41、43及び37は三相以上の回転磁界を作る回路を利用する。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の実施形態に係る研削盤の平面図である。
【図2】上記研削盤の給電系統を示す説明図である。
【図3】研削盤の実験機の性能を示す説明図である。
【符号の説明】
【0048】
1a ベッド頂面
7 砥石モータ
8 軸受
9 砥石軸
11 砥石
13 潤滑油ポンプ
16 洗浄液ポンプ
17 第1電源回路
22 交直変換回路
23 第2電源回路
34 第3電源回路
38 給電停止検出回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流電力供給系統から給電を受け砥石を砥石軸回りへ回転させる電動機と、
砥石軸を支承する動圧軸と、
交流電力供給系統から給電を受け前記動圧軸受内に潤滑油を圧送する電動機と
交流電力供給系統の給電停止に応答して前記砥石軸回りへ回転させる電動機の逆起電力を直流電圧に変換する交直変換回路と、
前記交直変換回路から給電を受け、前記交流電力供給系統からの給電に変えて潤滑油を圧送する電動機に給電する回路を有することを特徴とする工作機械。
【請求項2】
請求項1記載の工作機械において、前記交流電力供給系統からの交流電流を直流に変換する第2交直変換回路と、前記直流に変換された逆起電力と前記第2交直変換回路による直流電圧を入力し、交流電圧に変換する直交変換回路とを有し、前記直交変換回路の出力により潤滑油を圧送する電動機を有することを特徴とする工作機械。
【請求項3】
請求項1記載の工作機械において、前記砥石によるワークの研削で生成された研削屑を受け止めるベッド頂面に洗浄液を供給する洗浄液ポンプと、砥石モータの停止指令に応答し、前記直流に変換された逆起電力を洗浄液ポンプの駆動電力として供給する回路とを有することを特徴とする工作機械。
【請求項4】
請求項2記載の工作機械において、前記砥石によるワークの研削で生成された研削屑を受け止めるベッド頂面に洗浄液を供給する洗浄液ポンプと、前記交流電力供給系統の給電停止を検出する検出回路であって、砥石モータの停止指令を受けた際には、前記直流に変換された逆起電力を前記洗浄液ポンプに供給し、前記交流電力供給系統の給電停止を検出した際は前記直交変換回路に供給する検出回路を有することを特徴とする工作機械。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2009−202275(P2009−202275A)
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−46288(P2008−46288)
【出願日】平成20年2月27日(2008.2.27)
【出願人】(593127027)株式会社シギヤ精機製作所 (19)
【Fターム(参考)】